(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、プレス加工装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来技術における問題点を解決するために、本発明は、以下の技術的な解決策を講じている。
なお、本発明の説明において、「内」、「下」、「上」など方位と位置関係を指示する用語は、図面に示される方位や作業中によく置く方位、位置関係に基づくものである。
また、方向または位置関係は、本発明を説明し、説明を簡略化するためのものであり、参照されるデバイスまたは要素が特定の方向を有し、特定の方向で構築または操作されなければならないことを示したり示唆したりするものではない。
さらに、「第1」、「第2」などの用語は、説明を区別するためにのみ使用され、相対的な重要性を示したり、暗示することを意味するものではない。
【0011】
本願発明において「矯正」とは、平坦化を意味し、帯状材の撓みを平坦にすることを矯正と表現する。
また、「撓み」とは、巻取ローラーに巻かれることで帯状材に生じたアーチ状の変形を意味し、平坦ではないアーチ状に変形した形状を、撓みと表現する。
【0012】
本発明にかかるプレス加工装置は、
基台と、
基台から延設された巻取ローラーA、Bと、
巻取ローラーAに巻かれた帯状材を移送するピンチローラーAと、
ピンチローラーAから移送された帯状材の撓みを矯正する拡幅機構と、
撓みが矯正された帯状材をパンチングにより加工するプレス加工機構と、
パンチング加工された帯状材を移送するピンチローラーBと、
ピンチローラーBから移送された帯状材に撓みを生じさせるアーチ形成機構と、
アーチが形成された帯状材を巻き取る巻取ローラーBと、
からなり、
拡幅機構は、
筐体内に、
摺動体Aを有するシリンダAと、連結口Aが形成された摺動体Bを有する摺動筒Aと、がオイルパイプBによって連設されており、
シリンダAには、シリンダA内に充填された作動油の油圧により、摺動体Aの摺動によって帯状材の撓みを矯正するプレスローラーA、支持ローラーAを、
摺動筒Aには、帯状材の撓みを矯正するプレスローラーB、支持ローラーB、帯状材の撓みに応じて摺動し、連結口Aと連通したオイルパイプBを介して作動油をシリンダAに移送する摺動体Bを、
それぞれ有しており、
プレス加工機構は、
プレス台と、プレス台上の帯状材をパンチング加工するパンチと、
を有しており、
アーチ形成機構は、
アーチ状の曲面を有し、当該曲面を重ね合わせることで、帯状材にアーチ状の撓みを形成する円弧ブロックA、Bと、
円弧ブロックBを、円弧ブロックAに対する接近と離隔を、回転に合わせて繰り返し行わせるクランクホイールと、
を有しており、
各機構には、各機構を駆動する駆動モジュールが取り付けられ、各駆動モジュールが、駆動と停止を間欠的に繰り返すことで、
巻取ローラーAに巻かれた帯状材を、
拡幅機構において、撓みを矯正し、
プレス加工機構において、パンチング加工し、
アーチ形成機構において、アーチ状の撓みを形成し、
巻取ローラーBが巻きとる
構成において、帯状材の移送とパンチング加工がされるなかで、
帯状材の撓みに応じて、摺動筒Aの摺動体Bが摺動し、連結口Aと連通したオイルパイプBを介して作動油がシリンダAに流入することで、プレスローラーAの押圧力を強めることができる
ことを特徴とする。
【0013】
本発明にかかるプレス加工装置は、
基台と、
基台から延設された巻取ローラーA、Bと、
巻取ローラーAに巻かれた帯状材を移送するピンチローラーAと、
ピンチローラーAから移送された帯状材の撓みを矯正する拡幅機構と、
撓みが矯正された帯状材をパンチングにより加工するプレス加工機構と、
パンチング加工された帯状材を移送するピンチローラーBと、
ピンチローラーBから移送された帯状材に撓みを生じさせるアーチ形成機構と、
アーチが形成された帯状材を巻き取る巻取ローラーBと、
からなり、
拡幅機構は、
筐体内に、
摺動体Aを有するシリンダAと、連結口Aが形成された摺動体Bを有する摺動筒Aと、がオイルパイプBによって連設されており、
シリンダAには、シリンダA内に充填された作動油の油圧により、摺動体Aの摺動によって帯状材の撓みを矯正するプレスローラーA、支持ローラーAを、
摺動筒Aには、帯状材の撓みを矯正するプレスローラーB、支持ローラーB、帯状材の撓みに応じて摺動し、連結口Aと連通したオイルパイプBを介して作動油をシリンダAに移送する摺動体Bを、
それぞれ有しており、
筐体外に、
接続口が異なるループ状のオイルパイプDが接続され、連通口B及び連結口Cが形成された摺動体Cを有するシリンダBと、
摺動体Dを有する摺動筒Bと、
が設けられ、
シリンダBは、
摺動筒AとオイルパイプCを介して、
外部の油圧装置とオイルパイプEを介して、
それぞれ接続されており、
プレス加工機構は、
プレス台と、プレス台上の帯状材をパンチング加工するパンチと、
を有しており、
アーチ形成機構は、
アーチ状の曲面を有し、当該曲面を重ね合わせることで、帯状材にアーチ状の撓みを形成する円弧ブロックA、Bと、
円弧ブロックBを、円弧ブロックAに対する接近と離隔を、回転に合わせて繰り返し行わせるクランクホイールと、
を有しており、
各機構には、各機構を駆動する駆動モジュールが取り付けられ、各駆動モジュールが、駆動と停止を間欠的に繰り返すことで、
巻取ローラーAに巻かれた帯状材を、
拡幅機構において、撓みを矯正し、
プレス加工機構において、パンチング加工し、
アーチ形成機構において、アーチ状の撓みを形成し、
巻取ローラーBが巻きとる
構成において、帯状材の移送とパンチング加工がされるなかで、
外部の油圧装置からシリンダBに充填された作動油の油圧により、
摺動体C及び摺動体Dの摺動によって、摺動体Cの連結口CがオイルパイプDと連通することでシリンダB内の作動油を、摺動筒Aに流入させ、
帯状材の撓みに応じて、摺動筒Aの摺動体Bが摺動し、連結口Aと連通したオイルパイプBを介して作動油がシリンダAに流入することで、プレスローラーAの押圧力を強めることができる
ことを特徴とする。
【0014】
本発明にかかるプレス加工装置は、
基台と、
基台から延設された巻取ローラーA、Bと、
巻取ローラーAに巻かれた帯状材を移送するピンチローラーAと、
ピンチローラーAから移送された帯状材の撓みを矯正する拡幅機構と、
撓みが矯正された帯状材をパンチングにより加工するプレス加工機構と、
パンチング加工された帯状材を移送するピンチローラーBと、
ピンチローラーBから移送された帯状材に撓みを生じさせるアーチ形成機構と、
アーチが形成された帯状材を巻き取る巻取ローラーBと、
からなり、
拡幅機構は、
筐体内に、
摺動体Aを有するシリンダAと、連結口Aが形成された摺動体Bを有する摺動筒Aと、がオイルパイプBによって連設されており、
シリンダAには、シリンダA内に充填された作動油の油圧により、摺動体Aの摺動によって帯状材の撓みを矯正するプレスローラーA、支持ローラーAを、
摺動筒Aには、帯状材の撓みを矯正するプレスローラーB、支持ローラーB、帯状材の撓みに応じて摺動し、連結口Aと連通したオイルパイプBを介して作動油をシリンダAに移送する摺動体Bを、
それぞれ有しており、
シリンダAは、制御弁を介して、オイルタンクに接続され、
筐体外に、
接続口が異なるループ状のオイルパイプDが接続され、連通口B及び連結口Cが形成された摺動体Cを有するシリンダBと、
摺動体Dを有する摺動筒Bと、
が設けられ、
シリンダBは、
摺動筒AとオイルパイプCを介して、
外部の油圧装置とオイルパイプEを介して、
それぞれ接続されており、
プレス加工機構は、
プレス台と、プレス台上の帯状材をパンチング加工するパンチと、
を有しており、
アーチ形成機構は、
アーチ状の曲面を有し、当該曲面を重ね合わせることで、帯状材にアーチ状の撓みを形成する円弧ブロックA、Bと、
円弧ブロックBを、円弧ブロックAに対する接近と離隔を、回転に合わせて繰り返し行わせるクランクホイールと、
を有しており、
各機構には、各機構を駆動する駆動モジュールが取り付けられ、各駆動モジュールが、駆動と停止を間欠的に繰り返すことで、
巻取ローラーAに巻かれた帯状材を、
拡幅機構において、撓みを矯正し、
プレス加工機構において、パンチング加工し、
アーチ形成機構において、アーチ状の撓みを形成し、
巻取ローラーBが巻きとる
構成において、帯状材の移送とパンチング加工がされるなかで、
外部の油圧装置からシリンダBに充填された作動油の油圧により、
摺動体C及び摺動体Dの摺動によって、摺動体Cの連結口CがオイルパイプDと連通することでシリンダB内の作動油を、摺動筒Aに流入させ、
帯状材の撓みに応じて、摺動筒Aの摺動体Bが摺動し、連結口Aと連通したオイルパイプBを介して作動油がシリンダAに流入することで、プレスローラーAの押圧力を強めることができ、
制御弁を開放して、シリンダA内の作動油をオイルタンク内に流出させることで、
シリンダA内に流入する作動油の油圧を下げ、
プレスローラーAの押圧力を制御できる。
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の有利な効果は、以下のとおりである。
1)巻取ローラーに巻かれることでアーチ状の撓みが生じた帯状材を、簡単に延伸して、平坦に矯正できるため、プレス加工が容易であり、パンチングによる加工精度、加工品質の高い被加工物を得ることができる。
2)巻取ローラーから引き出される帯状材は、巻取ローラーの巻数が少なく、巻径が小さくなるにつれ、アーチ状の撓みの曲率が大きくなるが、2段階のプレスローラーと支持ローラーの油圧による調整機構により、帯状材の撓みが大きければ、その分、大きい押圧力を得たプレスローラーが帯状材を矯正することで、帯状材を平坦化し、帯状材の撓みの大きさに応じた矯正力の調整を実現する。
3)プレス加工後の帯状材を、円弧ブロックによって、再度アーチ状に撓ませることで、巻取ローラーのスムーズな巻取回収が容易になる。
4)プレス加工後の帯状材を、ピンチローラーによって上下から挟んで移送することで、加工後の帯状材のバリをとるので、巻取ローラーによる帯状体の巻取効率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の具体的な実施形態は、添付の図面および実施形態と関連して、以下にさらに詳細に説明される。 以下の実施形態または添付図面は、本発明を説明するために使用されるが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0018】
プレス加工装置は、
図1のとおり、基台1と、巻取ローラーA4と、拡幅機構94と、プレス台64と、支持アーム65と、パンチ66と、巻取ローラーB87と、駆動モジュールD90からなる。
巻取ローラーA4には、帯状材92が巻かれており、帯状材92の撓みを矯正するための拡幅機構94と、プレス台64は、基台1に取り付けられている。
プレス台64には、支持アーム65が取り付けられ、その上にはパンチ66が取り付けられており、この3つをプレス加工機構と称する。
【0019】
パンチ66は、帯状材92に、穴を開けたり、凹凸の形状に加工するためのもので、拡幅機構94を経由して、プレス台64の上を移送される帯状材92に対して行う。
穴や凹凸の大きさや形状は、パンチ66を取り替えることで変更できる。
巻取ローラーB87は、駆動モジュールD90によって回転駆動され、パンチ66による加工がされた帯状材92を巻き取って回収する。
【0020】
拡幅機構94は、
図13〜15のとおり、筐体10と、シリンダA12と、摺動体A15と、プッシュロッドA17と、バネA18と、プレスローラーA20と、支持ローラーA93と、制御弁22と、オイルタンク24と、逆止弁25と、摺動筒A26と、摺動体B30と、プッシュロッドB32と、プレスローラーB34と、バネB35と、支持ローラーB36と、シリンダB40と、摺動体C49と、バネC52、摺動筒B54、摺動体D56、バネD58と、からなる。
【0021】
筐体10は、両側面に、挿通口11が形成されており、帯状材92は、挿通口11を通じて筐体10を挿通する。
拡幅機構94は、
図13のとおり、帯状材92の進行方向に沿って、基台1に取り付けられた筐体10内に、2つの固定軸B63によって、シリンダA12及び摺動筒A26が順に併設されている。
【0022】
シリンダA12は、プレスローラーA20と支持ローラーA93によって、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均す役割を果たす。
摺動筒A26は、帯状材92が平坦に均されていない場合に、シリンダA12のプレスローラーA20を押し下げる動きをすることで、帯状材92の撓みを矯正する調整機構の役割を果たす。
【0023】
つまり、シリンダA12を通過した帯状材92が、平坦に均されていれば、摺動筒A26のプレスローラーB34と支持ローラーB36の位置は変わらない。
しかし、シリンダA12を通過した帯状材92が、撓んだまま平坦に均されていなければ、摺動筒A26のプレスローラーB34は、撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられ、その結果、作動油が、摺動筒A26からシリンダA12に送られ、油圧によりプレスローラーA20が押し下げられ、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均す。
このシリンダA12のプレスローラーA20を押し下げるという油圧による調整機構の詳細は、後記する。
【0024】
シリンダA12内には、
図14のとおり、鉛直上下方向に摺動する摺動体A15が収容されており、摺動体A15の下端には、プッシュロッドA17が取り付けられている。
プッシュロッドA17の軸の周りには、摺動体A15を弾性力によって摺動させるためのバネA18が取り付けられている。
プッシュロッドA17の下端には、フォーク部A19を介して、プレスローラーA20が回転自在に取り付けられている。
プレスローラーA20は、間隔をあけて配置された2つの支持ローラーA93とともに、その間を通過する帯状材92を平坦に矯正する。
【0025】
シリンダA12は、
図14のとおり、上端に、オイル流入口A13が設けられ、側面に、オイル流出口A14が形成されている。
オイル流出口A14は、制御弁22を介して、筐体10の外に取り付けられたオイルパイプA23及びオイルタンク24に接続されている。
摺動体A15は、シールリングA16が取り付けられている。
オイル流入口A13は、逆止弁25が取り付けられたオイルパイプB61を介して、摺動筒A26に形成されたオイル流出口B27に接続されている。
【0026】
オイルタンク24は、作動油を貯留する容器であり、プレス加工装置の稼働時は、作動油は入っていないが、プレス加工装置の稼働の後、シリンダA12などから作動油を抜く必要があるときに、制御弁22を開放し、作動油を流入させるための貯留タンクの役割を果たす。
そのため、制御弁22は、プレス加工装置が稼働している時は、閉じられている。
【0027】
摺動筒A26内には、
図15のとおり、鉛直上下方向に摺動可能な摺動体B30が収容されており、摺動体B30の下端には、プッシュロッドB32が取り付けられている。
プッシュロッドB32の軸の周りには、摺動体B30を弾性力によって摺動させるためのバネB35が取り付けられている。
プッシュロッドB32の下端には、フォーク部B33を介して、プレスローラーB34が回転自在に取り付けられている。
プレスローラーB34は、間隔をあけて配置された2つの支持ローラーB36とともに、その間を通過する帯状材92を平坦に矯正する。
摺動筒A26は、
図15のとおり、上端に、通気口A29が設けられている。
これにより、摺動体B30の上部空間が密閉されず、摺動体B30が鉛直上下方向に滑らかに摺動できる。
【0028】
摺動筒A26は、
図15のとおり、側面に、オイル流入口B28及びオイル流出口B27が形成されている。
摺動体B30には、内部に連結口A31が形成され、摺動体B30の動きに合わせて、オイル流入口B28とオイル流出口B27が、連結口A31と連通した状態になる。
この摺動体B30の動きに合わせて、摺動体B30の連結口A31が、オイル流入口B28とオイル流出口B27に連通した状態になることで、前記した摺動筒A26による、シリンダA12のプレスローラーA20を押し下げるという油圧を使った調整機構を実現する。
【0029】
つまり、シリンダA12を通過した帯状材92が、撓んだまま平坦に均されていない場合、摺動筒A26のプレスローラーB34は、撓んだ帯状材92によって押し上げられ、その結果、プッシュロッドB32とともに摺動体B30も押し上げられ、摺動体B30の連結口A31がオイル流入口B28とオイル流出口B27に連通した状態になるが、このとき、オイルパイプC38から流入される作動油は、オイル流入口B28から連結口A31を通ってオイル流出口B27に流れ、オイルパイプB61を介してシリンダA12内に流入し、作動油の油圧によって、シリンダA12の摺動体A15が押し下げられ、プッシュロッドA17とともに、プレスローラーA20も押し下げられる。
このような仕組みによって、プレスローラーA20が、より強い力で、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均すことができ、シリンダA12のプレスローラーA20を押し下げるという油圧による調整機構を実現する。
【0030】
支持ローラーA93は、
図8のとおり、支持体C21に、支持ローラーB36は、支持体D37に、それぞれ取り付けられている。
プッシュロッドA17は、先端に、プレスローラーA20が取り付けられたフォーク部A19が接続している。
プッシュロッドB32は、先端に、プレスローラーB34が取り付けられたフォーク部B33が接続している。
【0031】
オイル流入口B28は、オイルパイプC38を介して、筐体10の外に、2つの固定軸A62によって取り付けられているシリンダB40に接続する。
シリンダB40は、
図9のとおり、内部に、摺動体C49が収容され、摺動体C49は、シリンダB40内を摺動する。
シリンダB40には、摺動体C49の摺動範囲を制限するリミットリングA46とリミットリングB47が取り付けられている。
シリンダB40には、固定リング48が設けられ、固定リング48と摺動体C49の間に、バネC52が取り付けられている。
摺動体C49は、バネC52の弾性力によってシリンダB40内を、リミットリングA46とリミットリングB47の間で摺動する。
【0032】
シリンダB40は、一方の側面に、オイル流出口C42が形成され、オイルパイプC38を介して、摺動筒A26のオイル流入口B28に接続されている。
シリンダB40は、他方の側面に、オイル流入口C41が形成され、オイルパイプE60を介して、外部の油圧装置に接続される。
そのため、オイルパイプE60の先端には、外部の油圧装置に接続される。
【0033】
シリンダB40は、上面と下面に、オイル流出口D44とオイル流入口D43がそれぞれ2つ対称的に形成されている。
オイル流入口D43とオイル流出口D44は、上面側と、下面側のそれぞれで、オイルパイプD53を介して互いに接続されている。
【0034】
図10のとおり、シリンダB40は、上面に、リセットポート45が形成されている。
図9のとおり、リセットポート45には、摺動筒B54が連結されており、摺動筒B54には、内部を鉛直上下方向に摺動する摺動体D56と、摺動体D56を弾性力によって摺動させるためのバネD58が収容されている。
摺動体D56には、シールリングB57が取り付けられている。
図12のとおり、摺動筒B54には、上端に通気口B55が形成され、摺動体D56の摺動範囲を制限するためのリミットリングC59が設けられている。
摺動体C49には、鉛直上下方向に貫通する連結口C51が形成され、連結口C51からオイルパイプE60側の空間に連通する連通口B50が形成されている。
【0035】
シリンダB40の役割は、オイルパイプE60に接続される外部の油圧装置から流入する作動油の圧力を調節することである。
外部の油圧装置からオイルパイプE60を介してシリンダB40内に作動油が流入されると、摺動体C49がシリンダB40内を摺動する。
このとき、摺動体C49を鉛直上下方向に貫通するように形成されている連結口C51がオイル流出口D44と連通する位置まで、摺動体C49が、
図9の図面左側に向かって押し込まれる。
そして、連結口C51がオイル流出口D44と連通すると、シリンダB40内の作動油が、連通口B50から連結口C51を通じて、オイル流出口D44からオイルパイプD53内を流れ、オイル流入口D43がシリンダB40内に戻り、オイル流出口C42からオイルパイプC38を通じて、摺動筒A26内に流れ込む。
【0036】
プレス加工装置が稼働している時は、制御弁22が閉じられているため、摺動筒A26内に流れ込んだ作動油は、摺動筒A26のプレスローラーB34が初期状態の鉛直下方向の位置にあるとき、摺動筒A26には流入しないが、摺動筒A26のプレスローラーB34が、撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられると、プレスローラーB34、プッシュロッドB32とともに摺動体B30が押し上げられ、摺動体B30の連結口A31がオイル流入口B28とオイル流出口B27と連通した状態になり、オイルパイプC38から流れ込んだ作動油が、オイル流入口B28から連結口A31を通ってオイル流出口B27に流れ、オイルパイプB61を介してシリンダA12内に流入し、作動油の油圧によって、シリンダA12の摺動体A15が押し下げられる結果、プッシュロッドA17とともに、プレスローラーA20も押し下げられる。
これによって、プレスローラーA20が、より強い力で、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均すことができる。
【0037】
シリンダA12を通過した帯状材92が、平坦に均されていれば、摺動筒A26のプレスローラーB34と支持ローラーB36の位置は変わらないが、シリンダA12を通過した帯状材92が、撓んだまま平坦に均されていなければ、摺動筒A26のプレスローラーB34が、撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられ、作動油が、摺動筒A26からシリンダA12に送られる結果、油圧によりプレスローラーA20が押し下げられ、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均す。
つまり、摺動筒A26のプレスローラーB34が撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられると、作動油が摺動筒A26からシリンダA12に送られるため、その分、シリンダB40内の作動油が摺動筒A26内に流れ込むが、それによって、シリンダB40内のオイル流出口C42付近は負圧になるため、摺動体C49の連結口C51がオイル流出口D44と連通する位置まで、摺動体C49が
図9の図面左側に摺動する。
【0038】
そして、作動油は、シリンダA12内に流入しないときは、摺動筒A26にも流入しないので、シリンダB40のオイル流出口C42付近は、作動油の油圧が高くなり、摺動体C49が
図9の右方向に押し戻されることで、連結口C51がオイル流出口D44と連通しない位置に摺動体C49が移動する。
この仕組みによって、作動油は、摺動筒A26のプレスローラーB34が撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられるときだけ、摺動筒A26からシリンダA12に送られ、その結果、プレスローラーA20が油圧により押し下げられて、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均すことができる。
【0039】
このように、摺動体C49が、シリンダB40内を摺動することで、摺動筒A26内への作動油の流入量を調整する。
また、シリンダB40には、摺動筒B54が連結されており、摺動筒B54内で摺動体D56が摺動する。
この摺動体D56の摺動も、摺動筒A26内への作動油の流入量を調整する役割を果たす。
【0040】
つまり、オイルパイプE60に接続された外部の油圧装置から、多量の作動油が流入されても、摺動筒A26のプレスローラーB34が、撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられ、摺動体B30の連結口A31がオイル流入口B28とオイル流出口B27と連通した状態にならなければ、作動油は、シリンダB40から摺動筒A26に流入しないことから、作動油が多量に流入されると、シリンダB40のオイルパイプE60付近に貯留し、油圧が高くなるが、摺動体D56が
図9の図面上側に押し込まれることで、摺動筒B54内にも作動油を貯留でき、油圧の上昇を抑えることができる。
なお、シリンダB40、摺動筒B54には、バネC52、バネD58がそれぞれ収められており、摺動体C49、摺動体D56のそれぞれを、弾性力によって摺動させ、元の位置に戻す。
【0041】
図1のとおり、基台1には、支持体I91、支持体A2、支持体F73が取り付けられている。
支持体A2には、巻取ローラーA4が取り付けられ、支持体I91に巻取ローラーB87が取り付けられている。
【0042】
図7のとおり、支持体F73には、支持体G81を介して、円弧状ブロックA74が取り付けられている。
支持体F73には、スイングピン76を中心にL字型ロッド75が回転自在に取り付けられている。
L字型ロッド75は、一端側に、円弧ブロックB77が取り付けられている。
円弧ブロックB77は、円弧ブロックA74と重ね合わせるようにして、帯状材92を挟む。
円弧ブロックB77と円弧ブロックA74は、帯状材92を強く挟持することで、帯状材92にアーチ状の撓みを形成し、巻取ローラーB87による帯状材92の巻取りを容易にする。
L字型ロッド75は、他端側に、連結ロッド78を介して、クランクホイール80に接続されている。
【0043】
連結ロッド78は、クランクピン79によって回転自在のクランクホイール80に取り付けられている。
そのため、クランクホイール80の回転に合わせて、L字型ロッド75は、スイングピン76を中心に揺動し、円弧ブロックB77が円弧ブロックA74に重ね合わせる動きをする。
支持体F73には、クランクホイール80の裏面に、クランクホイール80の回転軸の先端に取り付けられたベベルギアF82が、駆動モジュールC84に連結するベベルギアE83と噛み合う。
これにより、駆動モジュールC84の出力がクランクホイール80に伝えられる。
【0044】
図5のとおり、支持体I91には、帯状材92をガイドするガイドローラー85が取り付けられた支持体H86が接続されている。
ガイドローラー85は、円弧ブロックA74と巻取ローラーB87の間に位置し、巻取ローラーB87は、支持体I91に回転自在に取り付けられている。
この帯状材92に、アーチ状の撓みを形成する構造を、アーチ形成機構と称する。
【0045】
図4のとおり、支持体I91には、巻取ローラーB87の裏面に、巻取ローラーB87の回転軸の先端に取り付けられたベベルギアH88が、駆動モジュールD90に連結するベベルギアG89と噛み合う。
これにより、駆動モジュールD90の出力が巻取ローラーB87に伝えられる。
【0046】
図5のとおり、支持体A2には、鉛直上下方向に並んで位置する2つのピンチローラーA5が取り付けられた支持体B3が接続されている。
図2のとおり、ピンチローラーA5は、そのうちの1つの裏面に、ピンチローラーA5のシャフトA6の先端に取り付けられたベベルギヤB7が、駆動モジュールA9に連結するベベルギヤA8と噛み合う。
これにより、駆動モジュールA9の出力がピンチローラーA5に伝えられる。
【0047】
図1のとおり、支持体I91には、鉛直上下方向に並んで位置する2つのピンチローラーB67が取り付けられた支持体E72が接続されている。
図3のとおり、ピンチローラーB67は、そのうちの1つの裏面に、ピンチローラーB67のシャフトB68の先端に取り付けられたベベルギヤD69が、駆動モジュールB71に連結するベベルギヤC70と噛み合う。
これにより、駆動モジュールB71の出力がピンチローラーB67に伝えられる。
【0048】
駆動モジュールA9、駆動モジュールB71、駆動モジュールC84、駆動モジュールD90は、いずれもモータ、減速機、制御装置から構成されている。
【0049】
2つのピンチローラーA5は、巻取ローラーA4に巻かれた帯状材92を引っ張る。
2つのピンチローラーB67は、巻取ローラーB87による帯状材92の良好な巻き取りを容易にする。
巻取ローラーA4の回転は、一定のダンピング効果を有しており、その回転速度は、2つのピンチローラーA5に引っ張られる帯状体92の移動速度と等しい。
これにより、帯状体92は、拡幅機構94に挿通される前に、緊張状態になり、巻取ローラーA4からも脱落することなく、巻取ローラーA4から円滑かつ安定して引っ張られる。
【0050】
本発明にかかるプレス加工装置の使用方法は、次のとおりである。
【0051】
初期状態では、十分な長さの帯状材92が巻取ローラーA4に巻かれている。
プレスローラーA20と支持ローラーA93の鉛直上下方向の間隔は、帯状材92の厚さに等しい。
プレスローラーB34と支持ローラーB36の鉛直上下方向の間隔は、帯状材92の厚さに等しい。
摺動体A15は、シリンダA12の中間の位置に配置されている。
摺動体B30は、摺動筒A26の下端の位置に配置されている。
バネA18は、引っ張られた状態にあり、バネB35は、圧縮された状態にある。
初期状態では、摺動体B30の連結口A31は、摺動筒A26の側壁に形成されたオイル流出口B27及びオイル流入口B28とは連通していない。
【0052】
シリンダB40の摺動体C49は、2つのオイル流出口D44を塞いだ位置に配置されている。
初期状態では、摺動体C49に形成された連結口C51は、オイル流出口D44とは連通していない。
摺動体C49は、リミットリングA46に当接した位置に配置され、したがって、リミットリングB47からは離れている。
バネC52は、圧縮されていない状態にある。
摺動筒B54の摺動体D56は、上端の通気口B55に近い位置に配置されている。
バネD58は、圧縮された状態にある。
【0053】
円弧ブロックA74は、円弧ブロックB77から離れた状態にある。
2つのピンチローラーA5の鉛直上下方向の間隔は、帯状材92の厚さに等しい。
2つのピンチローラーB67の鉛直上下方向の間隔は、帯状材92の厚さに等しい。
【0054】
帯状体92をプレスするには、まず、巻取ローラーA4に巻かれた帯状体92の端部を、2つのピンチローラーA5を通し、筐体10の挿通口11から筐体10内を挿通させる。
そして、プレスローラーA20と支持ローラーA93の間、プレスローラーB34と支持ローラーB36の間を通して、筐体10の挿通口11から筐体10外に挿通させる。
さらに、パンチ66とプレス台64の間、2つのピンチローラーB67の間、円弧状ブロックA74と円弧状ブロックB77の間を通し、ガイドローラー85を経由して、巻取ローラーB87に巻きつけていく。
【0055】
駆動モジュールA9、駆動モジュールB71、駆動モジュールC84、駆動モジュールD90は、本発明にかかるプレス加工装置を制御する。
つまり、パンチ66が帯状材92に穴を開けたり、凹凸に加工する瞬間は、全ての駆動モジュールが、一斉に停止し、帯状材92の移送を止め、パンチ66が帯状材92に穴を開けたり、凹凸に加工し終わると、全ての駆動モジュールが、一斉に駆動を再開し、帯状材92を移送する。
駆動モジュールは、帯状材92の間欠的な移送を実現する。
【0056】
本発明にかかるプレス加工装置を起動すると、制御弁22が閉じられる。
オイルパイプE60に接続される外部の油圧装置から、オイルパイプE60を介して、作動油がシリンダB40内に流入される。
さらに、作動油を、圧力をかけてシリンダB40内に流入し続け、摺動体C49を
図9の図面左側に向かって押し込むと、摺動体C49とオイル流入口C41との間の空間が徐々に大きくなり、バネC52は圧縮による弾性力が大きくなる。
また、摺動筒B54内の摺動体D56も、
図9の図面上側に向かって押し込まれ、バネD58は圧縮による弾性力が大きくなる。
なお、予め、シリンダA12内の摺動体A15の上部空間には、作動油が充填されるようにしておく。
【0057】
駆動モジュールA9は、ベベルギヤA8を駆動して、ベベルギヤB7、シャフトA6を介して、1つのピンチローラーA5を回転させ、もう1つのピンチローラーA5も回転させる。
これにより、2つのピンチローラーA5で挟み込んだ帯状材92を、巻取ローラーA4から引っ張り出す。
そして、帯状材92を2つのピンチローラーA5によって延伸し、帯状材92の撓みを矯正する。
【0058】
2つのピンチローラーA5によって撓みを矯正された帯状体92は、筐体10の挿通口11から筐体10内を挿通し、プレスローラーA20と支持ローラーA93の間、プレスローラーB34と支持ローラーB36の間を、それぞれ通り、筐体10の挿通口11から筐体10外に移送される。
その間、帯状体92は、プレスローラーA20と支持ローラーA93、プレスローラーB34と支持ローラーB36、のそれぞれによって撓みが矯正される。
具体的には、シリンダA12が、プレスローラーA20を鉛直下方向に押し込み、支持ローラーA93との間で、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均す。
その後、帯状体92は、プレスローラーB34と支持ローラーB36の間でも、同様に撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均される。
しかし、帯状材92が平坦に均されていない場合、摺動筒A26のプレスローラーB34が、撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられ、作動油が、摺動筒A26からシリンダA12に送られる結果、油圧によりプレスローラーA20が押し下げられ、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均す。
【0059】
つまり、摺動筒A26のプレスローラーB34が、撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられると、作動油が、摺動筒A26からシリンダA12に流入し、その分、シリンダB40内の作動油が摺動筒A26内に流れ込むが、それによって、シリンダB40内のオイル流出口C42付近は負圧になるため、摺動体C49の連結口C51がオイル流出口D44と連通する位置まで、摺動体C49が
図9の図面左側に摺動する。
そして、作動油が、摺動筒A26からシリンダA12に流入しなくなると、摺動筒A26にも流入しないので、シリンダB40のオイル流出口C42付近は、作動油の油圧が高くなり、摺動体C49が
図9の右方向に押し戻されることで、連結口C51がオイル流出口D44と連通しない位置(元の位置)まで、摺動体C49が摺動する。
【0060】
この仕組みによって、作動油は、摺動筒A26のプレスローラーB34が撓んだ帯状材92によって鉛直上方向に押し上げられるときだけ、摺動筒A26からシリンダA12に送られ、その結果、プレスローラーA20が油圧により押し下げられて、撓んだ帯状材92を矯正して、平坦に均すことができる。
このように、摺動体C49が、シリンダB40内を摺動することで、摺動筒A26内への作動油の流入量を調整できる。
また、シリンダB40には、摺動筒B54が連結されており、摺動筒B54内で摺動体D56が摺動する。
この摺動体D56の摺動も、摺動筒A26内への作動油の流入量を調整する役割を果たす。
【0061】
摺動体A15は、初期状態では、シリンダA12の中間の位置に配置され、オイル流出口A14を塞いでいることから、閉じられた制御弁22によって、シリンダA12内の作動油が、オイルパイプB61を介して摺動筒A26に逆流する可能性があるが、オイルパイプB61上の逆止弁25によって、シリンダA12内の作動油が、オイルパイプB61を介して摺動筒A26に逆流することを防ぐ。
そのため、プレスローラーA20は、支持ローラーA93の上を移送される帯状材92の撓みによって、押し上げられることはない。
つまり、プレスローラーA20は、支持ローラーA93の上を移送される帯状材92の撓みを、強力に矯正することができる。
【0062】
仮に、プレスローラーA20によっても、支持ローラーA93の上を移送される帯状材92の撓みを矯正することができないときは、支持ローラーB36の上を移送される帯状材92が、プレスローラーB34を鉛直上方向に押し上げることで、油圧による調整機構の働きで、プレスローラーA20が、より強く帯状材92を押圧できるようになり、帯状材92の撓みを矯正することができる。
特に、帯状材92は、巻取ローラーA4に巻かれた帯状材92の巻径が少なくなるにつれて、撓みの曲率が大きくなるため、より強い矯正が必要になるが、この油圧による調整機構の働きで、プレスローラーA20が、より強く帯状材92を押圧して、帯状材92の撓みを矯正できる。
【0063】
また、プレスローラーA20が、シリンダA12内に流入する作動油の油圧により、帯状材92を必要以上に押し下げる懸念がある。
しかし、プレスローラーA20が鉛直下方向に下がるとき、摺動体A15もシリンダA12内で下方に摺動するが、シリンダA12の上部空間がオイル流出口A14と連通した状態で制御弁22を開放し、オイルパイプA23を介して、作動油をオイルタンク24内に流出させることで、シリンダA12内に流入する作動油の油圧を下げることができる。
その結果、摺動体A15がシリンダA12の中間位置に配置され、摺動体A15がオイル流出口A14を塞ぎ、プレスローラーA20が元の位置に戻ることで、支持ローラーA93の上を移送される帯状材92を、必要以上に矯正することがないようにプレスローラーAの押圧力を制御できる。
その後、再度、制御弁22を閉じることで、油圧による調整機構の働きで、プレスローラーA20が、より強く帯状材92を押圧できるようになり、帯状材92の撓みを矯正することができる。
【0064】
筐体10の挿通口11から筐体10外に移送され、拡幅機構94によって撓みが矯正された帯状材92は、プレス台64の上で、プレス加工される。
支持アーム65に取り付けられたパンチ66は、全ての駆動モジュールが一斉に停止した状態で、プレス台64上の帯状材92をパンチングする。
パンチ66が帯状材92に穴を開けたり、凹凸に加工する瞬間は、全ての駆動モジュールが、一斉に停止し、帯状材92の移送を止め、駆動モジュールは、帯状材92の間欠的な移送を実現する。
パンチ66は、帯状材92に、穴を開けたり、凹凸の形状に加工する。
パンチ66が帯状材92に穴を開けたり、凹凸に加工し終わると、全ての駆動モジュールが一斉に駆動を再開し、帯状材92を移送する。
【0065】
駆動モジュールB71は、ベベルギヤC70を駆動して、ベベルギヤD69、シャフトB68を介して、1つのピンチローラーB67を回転させ、もう1つのピンチローラーB67も回転させる。
これにより、2つのピンチローラーB67が、パンチ66によって穴を開けられたり、凹凸に加工された帯状材92を挟んで引っ張り、帯状材92を上下から挟みながら移送することで、帯状材92のバリをとり、凹凸を均しながら、帯状材92を移送する。
【0066】
駆動モジュールC84は、ベベルギヤE83を駆動して、ベベルギヤF82を介してクランクホイール80を回転させる。
クランクホイール80は、クランクピン79に接続された連結ロッド78を介して、L字型ロッド75を、スイングピン76を支点に揺動させる。
L字型ロッド75が揺動することで、L字型ロッド75の先端の円弧ブロックB77が、円弧ブロックA74に対して、接近と離隔を繰り返す。
円弧ブロックA74と円弧ブロックB77の間を通過する帯状材92は、円弧ブロックB77が、円弧ブロックA74に接近することで、円弧ブロックB77と円弧ブロックA74と同じ曲率になるように、円弧状に撓むようにプレスされる。
【0067】
駆動モジュールD90は、ベベルギヤG89を駆動して、ベベルギヤH88を介して巻取ローラーB87を回転させる。
これにより、巻取ローラーB87は、撓むように強制的にプレスされた帯状材92を巻き取って回収する。
帯状体92は、円弧ブロックB77と円弧ブロックA74によって撓んだ形状にプレスされているため、巻取ローラーB87に巻きとられやすくなり、巻取ローラーB87の巻取効率が向上する。
その結果、巻取ローラーB87の稼働率が向上し、巻取ローラーB87は多くの帯状体92を巻きとることができる。
【0068】
以上の帯状材92の移送を、駆動モジュールA9、駆動モジュールB71、駆動モジュールC84、駆動モジュールD90によって、間欠的に駆動と停止を繰り返すことで行う。
駆動と停止の間隔は、パンチ66が帯状材92に開ける穴や凹凸に加工する間隔と同じである。
つまり、停止する間隔が短ければ、パンチ66が帯状材92に開ける穴や凹凸に加工する間隔は短くなり、停止する間隔が長ければ、パンチ66が帯状材92に開ける穴や凹凸に加工する間隔は長くなる。
【課題】プレス加工前の、巻取ロールによるアーチ状の撓みが生じてしまった帯状材を、平坦化し、プレス加工しやすくする構成を含むことで、パンチングヘッドによるプレスの加工品質と帯状材の稼働率を向上させる帯状材のプレス加工装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかるプレス加工装置は、巻取ローラーに巻かれた帯状材を、拡幅機構94において、撓みを矯正し、プレス加工機構において、パンチング加工し、アーチ形成機構において、アーチ状の撓みを形成し、巻取ローラーが巻きとる構成において、帯状材の移送とパンチング加工がされるなかで、帯状材の撓みに応じて、摺動筒の摺動体が摺動し、連結口と連通したオイルパイプを介して作動油がシリンダに流入することで、プレスローラーの押圧力を強めることができることを特徴とする。