特許第6912172号(P6912172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6912172車両鍵及びドッキングステーションを含むシステム、各車両鍵、ドッキングステーション、方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6912172
(24)【登録日】2021年7月12日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】車両鍵及びドッキングステーションを含むシステム、各車両鍵、ドッキングステーション、方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/24 20130101AFI20210715BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
   B60R25/24
   B60R16/02 660U
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-183207(P2016-183207)
(22)【出願日】2016年9月20日
(65)【公開番号】特開2017-61307(P2017-61307A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2019年9月18日
(31)【優先権主張番号】15306430.8
(32)【優先日】2015年9月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518341334
【氏名又は名称】インターディジタル・シーイー・パテント・ホールディングス・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】フォッセン,ダニー
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−031886(JP,A)
【文献】 特開2010−127166(JP,A)
【文献】 特開2009−271866(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0277837(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0310031(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/00−16/02
B60R 25/00−25/40
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両鍵及びドッキングステーションを備えるシステムであって、
各車両鍵は、車両と前記ドッキングステーションとに接続するためのノードを備え、
前記ドッキングステーションは、前記複数の車両鍵を収容するための複数のポートを備えそれぞれの前記複数のポートは、前記複数の車両鍵のうちの一つが前記ポートに置かれたときに、前記ドッキングステーションと前記複数の車両鍵のうちの一つとを接続するノードを備え、
前記複数の車両鍵のうちの第1の車両鍵は、第1の車両に割り当てられており、
前記第1の車両鍵及び前記第1の車両に割り当てられている第2の車両鍵が前記ドッキングステーションの前記ポートに置かれているときに、前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵のうちの一方が、発見プロトコルの手段により、他方の存在を検出する場合に、前記第1の車両鍵は、前記第1の車両鍵に保存されている車両システムデータを前記第2の車両鍵と前記ドッキングステーションを介して同期させ、前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵のそれぞれに保存されている前記車両システムデータを前記車両システムデータの最新のバージョンに更新するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記車両鍵に保存されている前記データは、ユーザのIDデータ及び/又はユーザデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各車両鍵が、前記ドッキングステーションのポートに接続されたとき、前記ドッキングステーションの第2のノードに接続されたプロセッサシステムとその車両システムデータを同期させるように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵は、サービスプロバイダネットワークを経由してその車両システムデータを同期するように構成され、前記第1の車両鍵が前記ドッキングステーションのポートに接続され、且つ前記第2の車両鍵が前記車両で使用されているとき、前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵のそれぞれの前記車両システムデータを最新のものに更新する、請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
各車両鍵は、前記ドッキングステーションを経由して、その車両システムデータのバックアップのためにサービスプロバイダネットワークに接続するように構成されている、請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記車両鍵が、車両システムデータ、IDデータ及びオーディオ/ビデオデータを保存するためのメモリを有し、
前記IDデータは、前記プロセッサシステム及び前記車両鍵の一つが割り当てられている車両へ、前記車両鍵の一つのユーザを識別する、請求項1乃至5のうちいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、少なくとも2つの車両鍵を有し、
前記ドッキングステーションは、同じ車両の第2の車両鍵と接続するための前記システムの各車両鍵のためのポートを有し、
各ポートは、前記車両鍵の一つの収容のための空洞を含む、請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサシステムは、ホームネットワーク又は企業のコンピュータである、請求項1乃至7のうちいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
車両についての第1の車両鍵及び第2の車両鍵の間でドッキングステーションを介して車両システムデータを同期する方法であって、各車両鍵は、前記車両とドッキングステーションとに接続するための無線ノードを備え、前記ドッキングステーションは、複数の車両鍵を収容するための複数のポートを備え、それぞれの前記複数のポートは、前記複数の車両鍵のうちの一つが前記ポートに置かれたときに、前記ドッキングステーションと前記複数の車両鍵のうちの一つとを接続するノードを備え、
前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵が前記ドッキングステーションの前記ポートに置かれているときに、前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵の発見プロトコルの手段により、一方が他方の存在を検出することと、
前記第1の車両鍵に保存されている車両システムデータを前記第2の車両鍵と前記ドッキングステーションを介して同期させ、前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵のそれぞれに保存されている前記車両システムデータを前記車両システムデータの最新のバージョンに更新することと、
を含む方法。
【請求項10】
各車両鍵は、前記ドッキングステーションのポートに接続されたとき、前記ドッキングステーションの第2のノードに接続されたプロセッサシステムとその車両システムデータを同期させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵は、サービスプロバイダネットワークを経由してその車両システムデータを同期し、前記第1の車両鍵が前記ドッキングステーションのポートに接続され、且つ前記第2の車両鍵が前記車両で使用されているとき、前記第1の車両鍵及び前記第2の車両鍵のそれぞれの前記車両システムデータを最新のものに更新する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
各車両鍵を、前記ドッキングステーションを経由して、その車両システムデータのバックアップのためにサービスプロバイダネットワークに接続することを更に含む、請求項9乃至11のうち何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両鍵システム(vehicle key system)の分野に関し、特に無線(wireless)車両鍵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両鍵は、車両のドアを施錠及び解錠し、及びそのエンジンをスタートするために使用される。非接触の技術を使用して、現代の車両鍵はまた離れた場所からドアを施錠及び解錠することができる。しかし、未来の車両鍵はますます多くの機能を含み、例えば、近距離無線通信(NFC:near field communication)技術及びスマートフォン機能を含むことが提案されている。
【0003】
BMW社は、車両鍵でNFCを使用することを提案しており、それにより、車両鍵が、例えば、支払し、車両鍵に情報を保存し、及びホテルの部屋にアクセスすることに使用できる。自動車BMW I8に使われているBMW車両鍵は、さらに車両のサービスデータ及び制御データを保存し、ディスプレイを使用して、車両の残りの航続距離(remaining range)を表示する。
【0004】
BMWの米国公開特許公報2015/0061828号は、ユーザ電子デバイスに車両のオンボードコンピュータシステムとの通信を可能にする中継アクセスデバイスについて説明する。ユーザコマンド及び車両情報は、車両のオンボードコンピュータシステムとユーザ電子デバイスの間で中継アクセスデバイスを経由して、伝送され得る。ユーザ電子デバイスは、例えば、オンボードコンピュータシステムと近距離場技術を経由して通信するスマートフォン又は同様の電子デバイスである。
【0005】
米国公開特許公報2006/0155439A1は、様々な種類の車両からデータを収集し、保存し、解釈し及び伝送することにより、車両のユーザ及び車両管理者(fleet manager)に車両鍵システムを使用することによって、問題を診断することを許す車両鍵システム及び方法を開示する。システムの車両鍵を経由して、車両機能の設定が保存でき、及びPCに伝送され、車両の動作データが解析される。システムは、ドッキングステーションをさらに含み、それによって、複数の車両鍵を保持し、PCを経由して車両鍵データをダウンロード及びアップロードし、車両鍵の現実の所在をモニタする。
【発明の概要】
【0006】
車両鍵及びドッキングステーション(docking station)を備えるシステムであって、各車両鍵は車両と及びドッキングステーションと接続するためのノードを有し、
ドッキングステーションは、車両鍵を収容するポート(port)、及び車両鍵と接続するための少なくとも第1のノード(node)を有し、
車両鍵の第1の鍵は、第1の車両に割り振られ、第1と第2の車両鍵がドッキングステーションのポートに接続されたとき、第1の車両に割り振られた第2の車両鍵を検出するように構成される、システム。
【0007】
第1と第2の車両鍵は、第1と第2の車両鍵のそれぞれに保存された車両システムデータを同期するように有利に構成され、両方がドッキングステーションのポートに置かれたとき、第1及び第2の車両鍵のそれぞれの車両システムデータを車両システムデータの最新のバージョンに更新する。
【0008】
車両鍵は、IDデータ(identification date)、オーディオ/ビデオデータ及び車両システムデータを保存するメモリを特に有し、IDデータは車両鍵の一つのユーザを車両鍵の一つが割り当てられたプロセッサ及び車両に対して識別する(identify)。
【0009】
車両鍵は、プロセッサ、両方の車両鍵がドッキングステーションのポートに接続されたときに同じ車両の第2の車両鍵を検出するために発見プロトコル(discovery protocol)を保存するメモリ、及び車両と及びドッキングステーションと接続するための有線又は無線のノードを含む。車両鍵は、第2の車両鍵とメモリに保存された車両システムデータを同期させるように特に構成され、両方がドッキングステーションのポートに置かれたとき、両方の車両鍵のそれぞれの車両システムデータを車両システムデータの最新のバージョンに更新する。
【0010】
ドッキングステーションは、その上、プロセッサ及びメモリを特に備える。
【0011】
車両の第1と第2の車両鍵の間で車両システムデータを同期する方法であって、各車両鍵が車両と及びドッキングステーションと接続するための無線ノードを有し、車両鍵が他の鍵を検出し、自動車の車両システムデータと同期し、両方の鍵がドッキングステーションのポートに置かれているとき、第1及び第2の各車両鍵の車両システムデータを車両システムデータの最新のバージョンに更新する。
【0012】
上記方法を実行する実行可能なプログラムコードを含むコンピュータプログラム。
【0013】
上記方法を実行する実行可能なプログラムコードを含む、プロセッサにより読取り可能な非一時的なプログラム記憶媒体。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の例示的な実施形態は、図面を参照して、例として以下でさらに詳細に説明される。
図1図1は、車両鍵を含むシステムを示す。
図2図2は、車両鍵、車両、およびドッキングステーションを含むシステムを示す。
図3図3は、ドッキングステーションがホームネットワークの中に統合されている図2のシステムを示す。
【0015】
図面は、開示の概念を説明する目的であり、開示を説明するための唯一の可能な構成を示すものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に示された構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せの様々な形式で実施できることを理解されたい。好ましくは、これらの構成要素は、適切にプログラムされた1つ以上の汎用デバイス上でハードウェア及びソフトウェアの組合せで実装され、それはプロセッサ、メモリ及び入出力インタフェースを含み得る。ここで、「結合された(coupled)」と云う表現は、直接接続された、又は1つ以上の中間構成要素を介して間接的に接続されたことを意味すると定義される。そのような中間構成要素は、ハードウェア及びソフトウェアベースの構成要素の両方を含み得る。
【0017】
本説明は、本開示の原理を説明する。したがって、当業者は、本明細書に明示的に説明され又は示されていないとしても、本開示の原理を具体化し、本開示の趣旨と範囲の中に含まれると認められる様々なアレンジメントを考案することができることを理解されたい。
【0018】
本明細書で説明されるすべての例及び条件的な言葉は、読者に本開示の原理の理解を助ける説明の目的を意図し、発明者が提供するコンセプトは、技術を促進させ、そのような具体的に説明された例及び条件に制限されることなく解釈されるべきである。
【0019】
その上、本明細書において本開示の原理、態様、実施形態及び特定の例を説明するすべての記述は、それらの構造上及び機能上の均等物を包含することを意図している。加えて、そのような均等物は、現在知られている均等物及び将来開発される均等物の両方を含む意図であり、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実施する開発される構成要素を含む。
【0020】
したがって、例えば、この中で示されたブロック図は、本開示の原理を具体化した説明の役に立つ回路の概念的な図であることが当業者によって理解される。同様に、フローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コード等は、実質的にコンピュータ読取可能媒体中に表現され、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、コンピュータ又はプロセッサによって実行される様々なプロセスを表現していると理解されたい。
【0021】
図に示された様々な構成要素の機能は、専用のハードウェア及び適切なソフトウェアと共同してソフトウェアを実行する能力のあるハードウェアの使用を通して提供され得る。プロセッサがあるとき、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共用のプロセッサ、又はそのうちのいくつかが共用され得る複数の個別のプロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ(processor)」又は「コントローラ(controller)」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に参照すると解釈すべきではなく、制限なく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを保存するリードオンリーメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、及び不揮発性記憶装置を黙示的に含む。
【0022】
従来の及び/又はカスタムの他のハードウェアもまた含まれ得る。同様に、図面に示されたスイッチも概念的なものである。これらの機能は、プログラムロジックの動作、専用ロジック、プログラム制御及び専用ロジックの相互作用、又はマニュアルでさえ介して実行することができ、文脈からもっと明確に理解されるように、特定の技術が、開発者によって選択可能である。
【0023】
本願の請求項において、特定の機能を実行する手段として表現される構成要素は、その機能を実施するいかなる方法、例えば、a)そのような機能を実行する回路要素の組合せ、b)ファームウェア、マイクロコード等、そのような機能を実行するソフトウェアを実行する適切な回路との組み合わせ、を包含することを意図する。そのようなクレームによって規定された本開示は、様々な列挙された手段によって提供される機能性が、クレームが要求する方法で組合せにより及びまとまっているという事実に存在する。したがって、そのような機能性を提供できるいかなる手段も本明細書に示されたものと均等であるとみなされる。
【0024】
以下の説明において、車両鍵及びドッキングステーションを有するシステムに関して限定のない実施形態が説明される。各車両鍵は、車両を動作するための無線ノード、及びドッキングステーションを有し、ドッキングステーションは、一つの車両鍵及びホームネットワークとドッキングステーションを接続するための少なくとも1つの有線又は無線のノードを有する。車両の中には、この文脈では、例えば、車両鍵で動作する自動車、トラック、バス又はオートバイ等が含まれると理解される。車両鍵、特に、キーレスカーエントリシステム(keyless car entry system)に関する電子デバイスである。
【0025】
図1に示された好ましい実施形態において、システムは、複数の車両鍵K1−Knを含み、少なくとも一台の車両、例えば車両C1を動作させるように設計されている。各車両鍵K1―Knに含まれる無線ノードを経由して、ホームネットワーク1においてデバイスを制御する又はホームネットワーク1において操作を実行することがさらに可能となる。車両鍵K1―Knのそれぞれは、プロセッサ及びメモリを備え、それによって車両システムデータ、ユーザのIDデータ及びユーザデータが保存される。ユーザデータは、例えば、車両C1で再生されるビデオ又はオーディオデータである。車両システムデータ、IDデータ及びユーザデータは、例えば、車両C1のいずれのユーザ、車両C1、又はホームネットワーク1のいずれかのデバイスを使用することによっても、車両鍵K1―Knに保存される。
【0026】
車両鍵K1―Knは、様々な使用事例に関する車両C1のシステムデータ及びホームネットワーク1のデータに対するレポジトリとして特に使用される可能性がある。各車両鍵K1―Knの車両システムデータ、ユーザデータ及びIDデータは、車両C1だけではなくホームネットワーク1内においても使用可能となることができ、それによって、データは、より良いユーザ体験に関する個別のアプリケーション及びサービスで使用され得る。車両システムデータ、ユーザデータ及びIDデータは、鍵K1―Kn及び車両C1との間、及びホームネットワーク1及び車両鍵K1―Knとの間で伝送することができる。車両の車両システムデータは、例えば、走行距離、サービス間隔、燃料残量、故障メッセージ、タイア空気圧、等を含む。
【0027】
各車両鍵K1―Knに含まれる無線ノードを経由して、アクセス及びIDに関する統合された鍵として車両鍵としてだけではなく、また、個別の無線アクセスシステムが備わっていれば、住宅、オフィス及び他のロケーションの鍵としても使用することがさらに可能である。
【0028】
図1のシステムの実施形態は、図2に示されている。ホームネットワーク1及び車両鍵K1―Knとの間で、ユーザデータ、車両システムデータ及びIDデータを伝送するためにシステムは、ドッキングステーション2を含む。ドッキングステーション2は、有線又は無線の接続を経由して、ホームネットワーク1に接続され、いくつかのポートP1―Pnを含む。ポートP1―Pnは、車両鍵K1―Knを収容するように設計される。車両鍵K1―Knの1つがポートP1―Pnの1つに置かれたとき、その車両鍵及びホームネットワーク1との間のデータ伝送は、ドッキングステーション2を経由して可能である。データ伝送は、各車両鍵K1―Knに含まれる有線又は無線ノード、及び各ポートP1―Pnに含まれる有線又は無線ノードを経由して提供される。ドッキングステーション2は、その上、ホームネットワーク1と接続するための有線又は無線のノードも備える。各ポートP1―Pnは、各車両鍵K1―Knに含まれるバッテリの充電を提供するようにさらに適応されている。車両鍵K1―Knは、各車両、例えば自動車C1、C2の一台と動作するように適応されている。
【0029】
ホームネットワーク1を経由して、サービスプロバイダネットワーク3に接続し、任意のユーザデータ、各車両鍵K1―Knの車両システムデータ及び/又はIDデータをサービスプロバイダネットワーク3に保存することがさらに可能である。各車両は、無線伝送、例えば、携帯電話接続を経由して、車両システムデータ、ユーザデータ及びIDデータのバックアップ及び復元のためにサービスプロバイダネットワーク3に直接接続するようにさらに適応されている。
【0030】
各車両鍵K1―Knは、ドッキングステーション2のポートP1―Pnの1つに置かれているとき、同じ車両の別の鍵を検出する発見プロトコルを含んでいる。ドッキングステーション2は、ドッキングステーション2の有線及び/又は無線ノードを動作させ、同じ車両の車両鍵間で車両システムデータの同期をサポートするためのプロセッサ及びメモリを含む。各車両鍵K1―Knは、有利なことにディスプレイ、例えばLCDスクリーンを含み、関連する車両システムデータ、例えば燃料残量及び/又は残りの航続距離を表示する。
【0031】
自動車C1は、例えば、車両鍵K1及びK2で運転できる。K1及びK2の両方の車両鍵がドッキングステーション2のポート、例えば、ポートP1及びP2に置かれたとき、車両鍵K1は、車両鍵K2の存在を検出し、車両鍵K2は、車両鍵K1の存在を検出し、そのとき、車両システムデータは、車両鍵K1及びK2の間で同期され、車両システムデータが更新され、それにより、車両鍵K1、K2それぞれは、実際の車両システムデータを含む。例えば、自動車C1は、自動車C1を運転するために車両鍵K1を使用する第1のユーザによって主に使用される。時々、また第2のユーザが車両鍵K2を使用して自動車C1を使用する。自動車C1の車両システムデータは、車両鍵K1及びK2の間でドッキングステーション2を経由して、常に更新されているので、第2のユーザは、自動車C1を運転するためにドッキングステーション2から車両鍵K2を取るとき、彼は車両鍵K2のディスプレイを経由して、毎回、自動車C1の実際の車両システムデータについての情報が与えられる。
【0032】
2つの車両鍵のうちの一つが車両で使用され、もう一つがドッキングステーション2に置かれたとき、車両システムデータは、サービスプロバイダネットワーク3を経由して2つの車両鍵間で、また同期され得る。例えば、第1のユーザは、車両鍵K1を使用して自動車C1で路上にいる。自動車C1及びサービスプロバイダネットワーク3の間の無線接続及びドッキングステーション2とのサービスプロバイダネットワーク3の接続を経由して、自動車C1のシステムデータは、同期のためにドッキングステーション2に提供され、ドッキングステーション2に接続されている車両鍵K2の車両システムデータを更新し、それによって、車両鍵K2は常に自動車C1の最新の車両システムデータを保存し、そのディスプレイ上に個別の情報を表示することができる。
【0033】
ホームネットワーク1は、図3でさらに詳細に説明される。ホームネットワーク1は、アクセスゲートウェイ4を含み、それを経由して、サービスプロバイダネットワーク3とのブロードバンド接続が提供される。サービスプロバイダ3は、特にインターネット上に位置するインターネットサービスプロバイダである。図2に関して説明したとおり、携帯電話ネットワーク接続を経由して、直接データ伝送は、車両C1及びサービスプロバイダネットワーク3の間でまた可能である。ドッキングステーション2は、アクセスゲートウェイ4及びユーザの住宅の他のデバイス、例えば、テレビジョンセット5、ノートブック又はタブレットPC6、及び暖房システム7に結合されている。
【0034】
ドッキングステーション2は、例えば、住宅の正面玄関の近くの廊下の壁に取り付けられ、それによって各車両鍵K1−Knに対する安全な保管場所が提供される。ユーザは、自宅に入ったとき、従って、鍵をすぐにドッキングステーション2に置くことができる。
【0035】
車両鍵K1−Knがドッキングステーション2に置かれているとき、アクセスゲートウェイ4を経由して、タブレットPC6から及び他のオーディオ及びビデオデバイスからオーディオ及びビデオデータは、車両鍵に保存することができる。車両鍵K1−Knの一つが、ドッキングステーション2に挿入されているとき、車両鍵は、ホームネットワーク1にアクセスでき、データは、どの他の車両鍵、又はホームネットワーク1の他のデバイスと同期されることができ、オーディオ及びビデオデータは、車両鍵にアップロードすることができる。サービスプロバイダネットワーク3を経由して、車両データは、車両サービスに関するどのサービスステーションへもまた提供され得る。
【0036】
本開示の教示を具体化する実施形態が本明細書に詳細に示され、説明されているが、当業者であれば依然としてこれらの教示を具体化する多くの他の変更された実施形態をすぐに考案することができる。好ましい実施形態を説明したが(説明の役に立つ目的であり、限定する意図ではなく)、改良や変更は上述の技術を踏まえて当業者によって行われ得ることに留意されたい。したがって、本開示の範囲内で開示された開示の特定の実施形態における修正もすることができることを理解されたい。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)
車両鍵(K1−Kn)及びドッキングステーション(2)を備えるシステムであって、
各車両鍵は、車両と及びドッキングステーションと接続するためのノードを有し、
ドッキングステーションは、車両鍵を収容するためのポート(P1−Pn)と、車両鍵と接続するための少なくとも第1のノードとを有し、
車両鍵の第1の鍵(K1)は、第1の車両(C1)に割り当てられ、且つ、第1の車両鍵と第2の車両鍵が、ドッキングステーションのポートに接続されたとき、第1の鍵が、第1の車両(C1)に割り当てられた第2の車両鍵(K2)を検出するように構成されたシステム。
(付記2)
第1と第2の車両鍵が、各第1と第2の車両鍵に保存された車両システムデータを同期するように構成され、第1と第2の車両鍵の両方が、ドッキングステーションのポートに接続せれたとき、各第1と第2の車両鍵の車両システムデータを車両システムデータの最新のバージョンに更新する、付記1に記載のシステム。
(付記3)
各車両鍵が、ドッキングステーションのポートに接続されたとき、ドッキングステーションの第2のノードに接続されたプロセッサシステム(5)とその車両システムデータを同期させるように構成された付記1又は2に記載のシステム。
(付記4)
第1と第2の車両鍵が、サービスプロバイダネットワークを経由してその車両システムデータを同期するように構成され、第1の車両鍵がドッキングステーションのポートに接続され、且つ第2の車両鍵が車両で使用されているとき、各第1及び第2の車両鍵の車両システムデータを最新のものに更新する、付記1乃至3のうちいずれか1項記載のシステム。
(付記5)
各車両鍵は、ドッキングステーションを経由して、その車両システムデータのバックアップのためにサービスプロバイダネットワークに接続するように構成されている、付記1乃至4のうちいずれか1項記載のシステム。
(付記6)
車両鍵が、車両システムデータ、IDデータ及びオーディオ/ビデオデータを保存するためのメモリを有し、
IDデータは、プロセッサシステム及び車両鍵の一つが割り当てられている車両へ、車両鍵の一つのユーザを識別する、付記1乃至5のうちいずれか1項記載のシステム。
(付記7)
システムは、少なくとも2つの車両鍵を有し、
ドッキングステーションは、同じ車両の第2の車両鍵と接続するためのシステムの各車両鍵のためのポートを有し、
各ポートは、車両鍵の一つの収容のための空洞を含む、付記1乃至6のうちいずれか1項記載のシステム。
(付記8)
プロセッサシステムは、ホームネットワーク又は企業のコンピュータである、付記1乃至7のうちいずれか1項記載のシステム。
(付記9)
プロセッサと、
両方の車両鍵がドッキングステーションのポートに接続されているとき、同じ車両の第2の車両鍵を検出する発見プロトコルを保存するメモリと、
車両と及びドッキングステーションと接続するためのノードと、
を備える、車両鍵。
(付記10)
車両鍵は、両方の車両鍵がドッキングステーションのポートに置かれているとき、そのメモリに保存された車両システムデータと第2の車両鍵を同期するように構成され、車両鍵の一方の車両システムデータを車両システムデータの最新のバージョンに更新する、付記9に記載の車両鍵。
(付記11)
車両鍵が前記システムのためのプロセッサ及びメモリを有する、付記1乃至8のうちいずれか1項記載のシステム。
(付記12)
プロセッサと、
メモリと、
少なくとも1つの車両鍵を収容するポート(P1−Pn)と、
車両鍵と接続するための少なくとも第1のノードと、
ホームネットワークと接続するための少なくとも第2のノードと、
を備えるドッキングステーション。
(付記13)
車両の第1及び第2の車両鍵の間で車両システムデータの同期を行う方法であって、各車両鍵は、車両と及びドッキングステーションと接続するための無線ノードを有し、
車両鍵は、他の車両鍵を検出し、
車両の車両システムデータを同期し、両方の車両鍵がドッキングステーションのポートに置かれているとき、各第1及び第2の車両鍵の車両システムデータを、車両システムデータの最新のバージョンに更新する、方法。
(付記14)
付記13に記載の方法を実行する実行可能なプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
(付記15)
付記13に記載の方法を実行する実行可能なプログラムコードを含む、プロセッサによって読取可能な非一時的プログラム記憶媒体。
図1
図2
図3