(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記加速識別モジュールは、前記プロセッサに前記加速の大きさを加速閾値と比較させる指示をさらに含み、前記シート作動モジュールは、前記加速の大きさが前記加速閾値を上回るときに前記シートを移動させる前記信号を前記プロセッサに生成させる指示を含む、請求項1に記載のシステム。
指示を含む自動制御モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記ビークルに前記操作を実行させる1又は複数の制御信号を前記プロセッサに生成させるものである、自動制御モジュール
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
指示を含む自動制御モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記ビークルに前記次の操作を実行させる1又は複数の制御信号を前記プロセッサに生成させるものである、自動制御モジュール
をさらに備える、請求項5に記載のシステム。
前記加速の大きさを加速閾値と比較することをさらに含み、前記シートを移動させる前記信号を生成することは、前記加速の大きさが前記加速閾値を上回ったときに実施される、
請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ビークルの乗員に次の加速の通知を提供することと関連するシステム及び方法。ビークルが次第に自動化されるのに伴い、乗員の注意力が落ちる傾向にあるので、乗員は加速の突然の変化を予測しないようになる。ビークルが突然の加速の変化をもたらす操作を実行すると、乗員が驚くおそれがある。これにより、乗員が自らの自律走行ビークルに対する信頼を喪失するおそれがある。
【0012】
このため、一実施例では、ビークルは、1又は複数の方向に移動するように構成されるシートを含む。ビークルは、次の操作に対応する加速の方向及び大きさを識別することができる。また、ビークルは乗員の状態を追跡することができる。ビークルは、乗員の状態並びに次の操作についての加速の方向及び大きさに基づいてシートを移動させる信号(単数又は複数)を生成することができる。その結果、本開示に開示されたシステム及び方法は、乗員に次の加速を、その加速が実際に発生する前に、警告することができる。そのようなシステム及び方法はまた、乗員の自らのビークルに対する信頼を増大させることができる。さらに、シートを移動させることにより通知を提供することによって、乗員は、(乗員が感じる加速を介して)自らの平衡感覚の変化を感じ、乗員の注意が車道の方に向けられる可能性を増大させることができる。
【0013】
図1を参照すると、ビークル100の一実施例が図示される。本開示で用いるとき、「ビークル」とは、任意の形態の原動機付き輸送装置である。1又は複数の実施態様では、ビークル100は自動車である。本開示では各種構成を自動車に関して記載するが、実施例は自動車に限定されないことを理解されたい。いくつかの実施態様では、ビークル100は、任意の他の形態の原動機付き輸送装置であってもよく、この輸送装置は、例えば、シート又は他の乗客支持機構を含み、したがって、本開示にて論述するように、シート/支持機構を利用して通知を伝達するのが有効である。
【0014】
ビークル100は種々の要素を含む。種々の実施例では、ビークル100が
図1に示される要素の全部を有する必要がないことを理解されたい。ビークル100は、
図1に示される種々の要素の任意の組み合わせを有することができる。また、ビークル100は、
図1に示される要素に対して追加の要素を有することができる。いくつかの構成では、ビークル100は、
図1に示される要素の1又は複数を備えることなく実施されてもよい。また、
図1では種々の要素がビークル100内に位置づけられて示されているが、このような要素の1又は複数をビークル100の外部に位置づけることができることを理解する必要がある。また、図示される要素同士は、物理的にかなりの距離だけ離してもよい。
【0015】
ビークル100の実施可能な要素のいくつかを
図1に示し、その他の図面と合わせて説明する。しかし、
図1の要素の多くに関する説明は、この説明を簡潔にするために、
図1から
図4の論述の後に提供される。さらに、図示を簡潔かつ明瞭にするために、必要に応じて、対応する要素又は類似する要素を示すために異なる図面で参照符号を繰り返し使用したことを理解されたい。さらに、この論述により、具体的詳細の多くの概要が示され、本開示に記載された実施例を十分に理解できるようになる。しかし、当業者は、本開示に記載された実施例を、これらの要素の種々の組み合わせを用いて実施してもよいことを理解するであろう。
【0016】
ビークル100は1又は複数のプロセッサ105を含み得る。プロセッサ(1又は複数)105は、本開示に記載された種々の機能を実行又は発揮するように構成される。ビークル100はまた、1又は複数の種類のデータを保存するためのメモリ110を含むことができる。メモリ110は、プロセッサ(1又は複数)105と、
図1に示される要素を含むビークル100の他の構成要素とのうち一方又は両方によって、アクセス可能であるようにすることができる。
【0017】
ビークル100はセンサシステム120を含み得る。センサシステム120は1又は複数のセンサを含むことができる。1又は複数のセンサは、リアルタイムに検出しかつ/又は感知するように構成され得る。センサシステム120、及び/又は、1もしくは複数のセンサは、プロセッサ(1又は複数)105、メモリ110、及び/又は、(
図1に示される要素のいずれかを含む)ビークル100の別の要素と動作可能に接続され得る。センサシステム120は、例えば、ビークルセンサ121、外部環境センサ122、内部センサ127などを含むことができる。以下で理解されるように、センサシステム120は、プロセッサ(1又は複数)105によって用いられて種々の機能を発揮することができる。
【0018】
1又は複数の構成では、メモリ110は、1又は複数のモジュール150を保存することができる。モジュールは、コンピュータ可読の指示であって、プロセッサ105によって実行されると、プロセッサ105に本開示に開示された種々の機能を発揮させる指示であってよく、又は、同指示を含み得る。モジュールは、簡潔にするために、機能に関して本開示に記載されるが、モジュールは、プロセッサ(1又は複数)105に、記載された機能を発揮させる指示を含む、ということを理解する必要がある。また、1又は複数のモジュール150がメモリ110に保存され得るが、この種々のモジュールは、プロセッサ(1又は複数)105に保存されてもよく、かつ/又は、プロセッサ(1又は複数)105の構成要素であってもよく、遠隔に保存されてプロセッサ(1又は複数)によりアクセス可能であってもよい、ことに留意する必要がある。
【0019】
ビークル100は環境評価モジュール152を含み得る。環境評価モジュール152は、ビークル100の外部環境に位置づけられる1又は複数の物体を検出することができる。1又は複数の構成では、センサシステム120のセンサ(1又は複数)は、外部環境に対応するデータを生成しかつ/又は取得し、外部環境評価モジュール152は、センサシステム120が生成しかつ又は取得したデータを受け取る。この点について、環境評価モジュール152は、センサシステム120の1又は複数のセンサからセンサデータの形態のデータを受け取ることができる。1又は複数の構成では、環境評価モジュール152は、センサシステム120にセンサデータを取得するように促すことができる。他の構成では、環境評価モジュール152は、データを、センサシステム120が取得しかつ/又は生成した時点ときに、取得することができる。他の構成では、環境評価モジュール152は、間隔を置いてデータを取得することができる。1又は複数の構成では、センサシステム120の1又は複数のセンサから受け取ったデータは、ビークル100の外部環境に位置づけられる1又は複数の物体の存在を示すものであってもよい。
【0020】
環境評価モジュール152は、ビークル100の外部環境に位置づけられる1又は複数の物体のそれぞれに対して相対位置データを決定することができる。相対位置データは、例えば、ビークル100に対する、物体それぞれの配置、速度、加速などを含み得る。1又は複数の構成では、環境評価モジュール152は、センサシステム120から経時的に受け取ったセンサデータを使用して、物体それぞれの相対位置データを検出しかつ/又は追跡する。1又は複数の構成では、環境評価モジュール152は、例えば、通信システム(例えば、V2V通信システム)を用いて、1又は複数の物体から相対位置データを受け取ることができる。相対位置データはまた、ビークル100に対する配置、速度、加速などの経時変化を含み得る。
【0021】
環境評価モジュール152は、プロセッサ(1又は複数)105にビークル100の外部環境の局所地図を構築させる指示を含み得る。局所地図は、外部環境で検出された1又は複数の物体と、そのような物体のビークル100に対する相対位置データ(例えば、配置、速度、加速など)とを含み得る。1又は複数の構成では、環境評価モジュール152は、相対位置データ及び/又は局所地図を、例えば、メモリ110に保存する指示を含み得る。このような構成では、メモリ110に保存される相対位置データ及び/又は局所地図は、ビークル100の他の構成要素及び/又はモジュールによってアクセス可能であり得る。
【0022】
ビークル100は自動制御モジュール154を含み得る。以下でさらに詳細に考察するように、自動制御モジュール154は、プロセッサ(1又は複数)105に、ビークル100の乗員に通知される可能性のあるビークル100の現時点の移動進路からのずれ(例えば、変更された移動進路)を決定させる指示を含み得る。現時点の移動進路は、ビークル100がその現時点の進行方向を、加速をほとんど付加しないか全く付加しない状態で維持する進路であり得る。このため、変更された移動進路は、変更された移動進路を追従するのに必要な1又は複数の操作を含み得る。このような操作のいずれか1つが加速の変化をもたらす。1又は複数の構成では、現時点の移動進路は、ビークル100によって追従されている進路であり得る。移動進路がビークル100によって追従されている場合には、ビークル100は、自律モード又は半自律モードで動作していてもよい。
【0023】
1又は複数の実施例では、現時点の移動進路からのずれは、ビークル100の外部環境にある1又は複数の物体に起因するものであってもよい。1又は複数の実施例では、現時点の移動進路からのずれは、車道に対する変化(例えば、道路地形、車線数、速度制限など)に起因するものであってもよい。いずれの場合も、現時点の移動進路からのずれは、1又は複数の操作(例えば、制動、速度上昇、右折もしくは左折、左もしくは右への車線変更、左右への揺動など)を含んでもよい。これらの操作のいずれか1つによって、ビークル100の乗員が加速を感じることになり得る。
【0024】
以下でさらに詳細に考察するように、自動制御モジュール154は、ビークル100に1又は複数の操作を実行させる1又は複数の制御信号を生成することができる。ビークル100に1又は複数の操作を実行させると、ビークル100の1又は複数人の乗員が加速の変化を感じる可能性がある。ビークル100の1又は複数人の乗員が車道に注意を払っていなければ、この1又は複数人の乗員は、加速のいかなる変化も予測していなかったため、驚くおそれがある。
【0025】
ビークル100は加速識別モジュール156を含み得る。加速識別モジュール156は、1又は複数の操作のそれぞれの実行に起因する1又は複数のビークルの加速を決定する指示を含み得る。1又は複数の構成では、それぞれの操作が加速の方向及び大きさを含んでもよい。本開示に記載された前後左右のような方向は、ビークル100の長手方向前方を基準とする(
図2参照)。さらに、本開示で用いられる「大きさ」は、加速の量を含み、正の加速及び負の加速(例えば、減速)両方を含んでもよい。
【0026】
一実施例として、ブレーキ操作は、「後」方向と、自動制御モジュール154が決定した、ビークル100に必要なブレーキの程度に応じて変化する大きさと、を有してもよい。別の実施例として、横方向の操作(例えば、右/左折、左/右への車線変更、左/右への揺動など)は、左又は右の方向と、自動制御モジュール154が決定した、ビークル100に必要な揺動及び/又は旋回の程度に応じて変化する大きさと、を有してもよい。両方の実施例に示されるように、いずれの操作も方向と大きさとを含む。
【0027】
加速識別モジュール156は、変更された移動進路に追従するためにビークル100がどの操作を実行することになるかを識別する指示を含み得る。1又は複数の構成では、自動制御モジュール154は、追従するための1又は複数の次の操作を決定し、加速識別モジュール156は、自動制御モジュール154を介して決定された操作を識別する。いくつかの構成では、加速識別モジュール156は、ビークル100が(自動制御モジュール154からの指示を介して)1又は複数の操作のいずれかを実行する前に、1又は複数の操作を識別することができる。
【0028】
加速識別モジュール156は、ビークル100が実行することになる1又は複数の操作のそれぞれに対して加速の方向及び大きさを決定する指示を含み得る。ビークル100が2又はそれよりも多い操作(例えば、一連の操作)を実行することになるときには、加速識別モジュール156は、第1の操作に対して第1の加速の方向及び大きさを決定し、第2の操作に対して第2の加速の方向及び大きさを決定する、などを実施することができる。
【0029】
1又は複数の構成では、ビークル100は、メモリ110に保存された複数の操作を含む。それぞれの操作は加速プロファイルを含み得る。この点について、メモリ110は、ビークル100が実行し得るあらゆる操作に関連する操作加速プロファイル114を含み得る。加速識別モジュール156は、いずれの操作をビークル100が実行することになるのかを識別することができ、メモリ110にアクセスして、対応する操作加速プロファイル114を読み出すことができる。いくつかの実施例では、操作は、経時変化する複数の加速を含む。例えば、車線変更操作の間に、ビークル100は先ず、車線変更の方向に加速することになり、目標車線内に入った時点で、ビークルは車線変更の方向とは反対に加速することになる。操作が複数の加速を含むこのような実施例では、加速識別モジュール156は、操作についての複数の加速のうちの少なくとも1つを識別することができる。
【0030】
1又は複数の構成では、加速識別モジュール156は、次の操作(1又は複数)についての加速の大きさを加速閾値と比較する。加速閾値は、例えば、人間が知覚できる加速、又は、他の名目加速であり得る。このような構成では、加速識別モジュール156は、加速閾値を上回る(あるいは加速閾値に等しい)加速の大きさを伴う加速を識別する。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、ビークル100の概略図のほか、その室内の図がそれぞれ示される。
【0032】
ビークル100はシート200を含み得る。
図2に示されるように、ビークル100は任意の数のシート200を含み得る。シート(1又は複数)200のそれぞれは、基部205、背もたれ210、ヘッドレスト215などを含み得る。シート200の基部205は、例えば、ビークル100の乗員を支持するように機能することができる。背もたれ210は、基部205の端部に隣接して位置づけられてよく、乗員が着席したときの乗員の上半身を支持するように機能することができる。ヘッドレスト215は、背もたれ210の頂端に取り付けられてよく、乗員が着席したときに乗員の頭部及び首部を支持するように機能することができる。
【0033】
基部205はビークル100に動作可能に接続され得る。1又は複数の構成では、基部205は、1又は複数の軌道220上及び/又は軌道220内に位置決めされてもよい。例えば、ビークル100は、前後(長手)方向に延びる1もしくは複数の軌道220a、及び/又は、左右(横)方向に延びる1もしくは複数の軌道220bを含み得る。
【0034】
ビークルはシートアクチュエータ(1又は複数)225を含み得る。シートアクチュエータ(1又は複数)225は、高トルクモータ、空気圧式アクチュエータなどであってもよい。ビークル100に用いられるシートアクチュエータ(1又は複数)225は、シート200に十分な力を出力してシート200を加速させることができる必要がある。1又は複数の構成では、シートの基部205は、シートアクチュエータ(1又は複数)225が受信する信号に応答して、軌道220内を移動するように構成され得る。例えば、基部205は、起動されたシートアクチュエータ225aに応答して、軌道220aに沿って長手方向に移動することができる。さらに、基部205は、起動されたシートアクチュエータ225bに応答して、軌道220bに沿って横方向に移動することができる。
【0035】
運転者のシートについて記載されているが、ビークル100の1又は複数の他のシートに類似する構成要素を組み込むことができる。このため、本開示は、運転者のシートに限定されるものではなく、ビークル100のあらゆるシートを含むものである。
【0036】
1又は複数の構成では、ビークル100はシート作動モジュール158を含む。シート作動モジュール158は、シート200を第1の位置から移動させる1又は複数の信号を生成する指示を含む。第1の位置は、乗員に対するプリセットされた設定に応じたシートの位置、乗員に対する調整された設定に応じたシートの位置、及び/又は、標準の位置であり得る。この点について、第1の位置は、シート作動モジュール158による移動の前のシートの任意の位置であり得る。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、シート200をビークル100の軌道220に沿って移動させる信号(1又は複数)を生成することができる。いくつかの実施例では、シート作動モジュール158は、シート200を軌道220に沿って長手方向及び/又は横方向に移動させる信号(1又は複数)を生成することができる。シート200の移動の結果、シート200の乗員は、自らの前庭系(例えば、平衡に寄与する人体の感覚系)に感覚を覚える可能性がある。乗員が感じる前庭感覚は、乗員に車道に注意を払うよう促す可能性がある。
【0037】
シート作動モジュール158は、1又は複数の操作のための加速の方向及び/又は大きさに従ってシート200を移動させる信号(1又は複数)を生成することができる。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、1又は複数の操作のための加速の方向と同一(又は実質的に同一)の方向にシート200を移動させる信号(1又は複数)を生成することができる。例えば、操作が制動操作である場合、シート作動モジュール158は、シート200を第1の位置から後方向に移動させる信号(1又は複数)を生成することができる。別の実施例として、操作が横方向の操作である場合、シート作動モジュール158は、シート200を第1の位置から横方向に移動させることができる。
【0038】
1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、シート200をある加速度で移動させる信号(1又は複数)を生成することができる。例えば、シート作動モジュール158は、シート200をより速く又はより遅く移動させる信号(1又は複数)を生成することができる。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、操作のための加速の大きさに従って、シート200をより速く又はより遅く移動させることができる。この実施例では、シート作動モジュール158は、ビークル100の識別された加速の大きさに従って、シート200を移動させる指示を含み得る。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、操作のための加速の大きさに実質的に適合する加速度で、シート200を移動させることができる。これに加えて又はこれに代えて、シート作動モジュール158は、操作のための加速の大きさから拡縮された(例えば、10%、15%、20%、...80%、85%、90%など)加速度でシート200を移動させることができる。上記で特定した構成のいずれでも、シート作動モジュール158は、操作のための加速の大きさに対応する加速度でシート200を移動させることができる。加速識別モジュール156が操作のための加速の大きさを加速閾値と比較する構成では、シート作動モジュール158は、加速閾値を上回る加速の大きさに応答してシート200を移動させるだけであってもよい。シート200のこの移動に基づいて、シート200の乗員は、ビークル100が操作を実行する前に、次の操作に対する前庭感覚を感じる。
【0039】
1又は複数の構成では、ビークル100は1又は複数の内部センサ127を含み得る。内部センサ(1又は複数)127は、ビークルの内部の1又は複数の状態を監視するように構成され又は位置決めされ得る。例えば、1又は複数の内部センサ127は、カメラ(1又は複数)128を含み得る。カメラ(1又は複数)128は、ビークル100のキャビンを撮像するように構成され得る。1又は複数の構成では、カメラ(1又は複数)128は、ビークル100の1又は複数人の乗員を監視しかつ/又は追跡するように構成されてもよい。
【0040】
1又は複数の構成では、ビークル100は状態追跡モジュール160を含み得る。状態追跡モジュール160は、乗員の状態を追跡する指示を含み得る。いくつかの実施例では、乗員の状態は、例えば、乗員の注視、乗員の集中、乗員の姿勢などを含み得る。本開示で用いられるとき、「注視」は、視界内における乗員の焦点領域を含み得る。本開示で用いられるとき、「集中」は、特定の領域に集中する度合いを含み得る。このため、乗員の集中は、乗員の注視の一機能であってもよい。本開示で用いられるとき、「姿勢」は、ビークル内の乗員の姿態を含み得る。
【0041】
状態追跡モジュール160は、内部センサ(1又は複数)127(例えば、カメラ(1又は複数)128)から受け取ったデータに基づいて、運転者の現在の注視を分類することができる。状態追跡モジュール160は、プロセッサ(1又は複数)105に、注視を、車道の方に向かう注視と車道から離れる注視のいずれかとして分類させる指示を含み得る。1又は複数の構成では、状態追跡モジュール160は、内部センサ(1又は複数)127を介して、乗員の1又は複数の特徴(例えば、顔、目など)を識別することができる。状態追跡モジュール160は、ビークル100内の内部センサ(1又は複数)127の配置に対応するデータを含むことができかつ/又は該データにアクセスすることができる。状態追跡モジュール160はまた、例えば、ビークル100のフロントガラス230の配置に対応するデータを含むことができかつ/又は該データにアクセスすることができる。状態追跡モジュール160は、乗員の1又は複数の特徴のフロントガラス230に対する方向性を決定する指示を含み得る。1又は複数の特徴の方向性がフロントガラス230に向かっていることに応答して、状態追跡モジュール160は、注視を、車道に向かっているものとして分類することができる。その結果、ビークル100の1又は複数のモジュール150は、乗員の注視が車道の方に向かっているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1又は複数の機能を発揮することができる。例えば、以下でさらに詳細に考察するように、シート作動モジュール158は、乗員の注視が車道の方に向かっていないことに応答して、より大きな加速度でシート200を移動させることができる。
【0042】
1又は複数の構成では、状態追跡モジュール160は、内部センサ(1又は複数)127からのデータに基づいて、乗員が車道に集中しているかどうかを判定することができる。このような構成では、内部センサ(1又は複数)127は、例えば、乗員の目にあるデータを捉えることができる。状態追跡モジュール160は、乗員の瞳孔の1又は複数が広がっているかどうかを判定することができる。状態追跡モジュール160は、瞳孔が広がっているかどうかに基づいて認知負荷を決定することができる。本開示で用いられるとき、「認知負荷」は、人間の作業メモリで使用される精神的努力の総量を含み得る。例えば、瞳孔が広がっている場合には、乗員の認知負荷が増大しているおそれがある。増大した認知負荷は、乗員が車道に集中していることを示している可能性がある。
【0043】
1又は複数の構成では、状態追跡モジュール160は、内部センサ(1又は複数)127からのデータに基づいて、乗員の現在の姿勢を決定することができる。このような構成では、内部センサ(1又は複数)127は、乗員の手の配置、足の配置、シートでの頭部及び/又は胸部の配置などに関するデータを捉えることができる。内部センサ(1又は複数)127からのデータに基づいて、状態追跡モジュール160は、乗員の現在の姿勢を判定することができる。状態追跡モジュール160は、乗員の姿勢を、注意を払っている姿勢と注意を払っていない姿勢とに分類することができる。例えば、注意を払っている姿勢は、直立位置に位置決めされた乗員、手をハンドルの近くもしくはハンドル上に置いた乗員、及び/又は、足をペダルの近くもしくはペダル上に置いた乗員、を含み得る。
【0044】
1又は複数の構成では、状態追跡モジュール160は、乗員が眠っているかどうかを判定する。この例では、状態追跡モジュール160は、乗員の1又は複数の識別された特徴(例えば、乗員の目)に基づいて、乗員の目が閉じているかどうかを判定することができる。乗員の目が閉じていることに応答して、状態追跡モジュール160は、乗員が眠っていると判定することができる。1又は複数の構成では、乗員が眠っている場合には、加速識別モジュール156は、操作のための加速の大きさを、乗員が覚醒している場合に用いられる加速閾値よりも高い加速閾値と比較することができる。
【0045】
1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、乗員の1又は複数の状態(例えば、乗員が眠っていると判定されているかどうか、注視の方向が車道の方を向いていると判定されているかどうか、など)に対応してシート200を移動させる信号を生成することができる。この点について、乗員は、シート200の(シート作動モジュール158を介した)移動と、その移動の結果生じる、乗員の状態に応じた前庭感覚とを感じるであろう。
【0046】
いくつかの例では、シート作動モジュール158は、乗員の注視が車道の方に向いていないとき又は乗員が眠っていると判定されているときにのみ、シート200を起動する信号を生成してもよい。この実施例では、乗員は、乗員が車道の方を見ていないとき及び/又は眠っているときにシートの移動を感じ、乗員が覚醒して車道の方を見ているときにシートの移動を感じないであろう。類似する実施例を乗員の他の状態(例えば、乗員が注意を払っている姿勢をとっているかどうか、乗員が車道に集中しているかどうか、など)に適用することができる。
【0047】
1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、状態追跡モジュール160によって判定される乗員の状態に基づいて、異なる信号を生成することができる。例えば、シート作動モジュール158は、加速の方向に対応する方向に、乗員の状態と加速の大きさとの両方に対応する大きさにて、シートを作動させる信号を生成することができる。この実施例では、シート作動モジュール158は、乗員の状態に応じて異なる加速度でシートを移動させることができる。例えば、シート作動モジュール158は、乗員が車道の方を注視していなければ、より高い加速度でシートを移動させることができる。その結果、乗員は、より高い加速により、車道の方に注意を払う可能性が高まることになる。シート作動モジュール158が、操作のための加速の大きさから拡縮された加速度でシートを移動させる構成では、シート作動モジュール158は、現在の乗員の状態に少なくとも部分的に基づいて、スケールファクタ(例えば、パーセンテージ)を選択することができる。前に挙げた実施例に戻ると、シート作動モジュール158は、乗員が車道の方を注視していないときには、乗員が車道の方を注視しているときに選択されたスケールファクタよりも高いスケールファクタを選択することができる。
【0048】
1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、(状態追跡モジュール160によって検出されるように)乗員が眠っていると判定されるかどうかに基づいて、異なる信号を生成することができる。例えば、シート作動モジュール158は、加速の方向に対応する方向に、操作のための加速の大きさと乗員が眠っているかどうかとの両方に対応する加速度にて、シート200を移動させる信号を生成することができる。この実施例では、シート作動モジュール158は、乗員が覚醒しているか眠っているかに応じて異なる加速でシート200を移動させることができる。いくつかの実施例では、シート作動モジュール158は、乗員が眠っていれば、より高い加速でシート200を移動させることができる。そのような構成は、乗員を覚醒させることも、乗員に次の加速を警告することもできる。
【0049】
1又は複数の構成では、操作が複数の加速を含む場合には、シート作動モジュール158は、複数の加速のうちの1つに従ってシート200を移動させる信号を生成することができる。例えば、シート作動モジュール158は、第1の加速、最大の加速、などに従ってシート200を移動させる信号を生成することができる。
【0050】
ここで
図3を参照すると、ビークル100が動作する可能性のある例示環境が、経時的なシート位置のグラフ表示と共に図示される。
図3に示されるように、ビークル100は、2台の周囲のビークル305、310と共に環境300に配置される。2台の周囲のビークル305、310が図示されているが、環境300は、任意の数の周囲のビークル及び/又は物体を含み得る。
【0051】
環境評価モジュール152は、ビークル100の外部環境300の1又は複数の物体(例えば、周囲のビークル305、310)を識別しかつ/又は検出することができる。いくつかの構成では、環境評価モジュール152は、ビークル100の外部環境に配置される1又は複数の物体(例えば、周囲のビークル305、310)のそれぞれについての相対位置データを決定することができる。
【0052】
環境評価モジュール152は、ビークル100の外部環境の局所地図を構築することができる。局所地図は、外部環境にて検出される1又は複数の物体と、そのような物体のビークル100に対する相対位置データ(例えば、配置、速度、加速など)とを含み得る。
図3に図示される例示環境では、局所地図は、外部環境にて検出される周囲のビークル305、310と、ビークル100に対するこれらの相対位置データとを含み得る。
【0053】
自動制御モジュール154は、ビークル100の現時点の移動進路からのずれ(例えば、変更された移動進路)を決定することができる。現時点の移動進路は、ビークル100がその現時点の進行方向を最小の加速でもって又は加速なしに維持する進路であり得る。このため、変更された移動進路は、変更された移動進路を追従するのに必要な1又は複数の操作を含み得る。このような操作のいずれか1又は複数が加速の変化をもたらす。
【0054】
図3に示される実施例では、自動制御モジュール154は、現時点の移動進路からの複数のずれ(例えば、2つの車線変更)を決定する。図示のように、時間T=0から時間T=X
1に至る間に、自動制御モジュール154は、ビークル100が現時点の移動進路上に維持されることになると決定することができる。時間T=X
1から時間T=X
2に至る間に、自動制御モジュール154は、ビークル100が右への車線変更を実行して周囲のビークル310を追い抜き始めることになると決定することができる。さらに、時間T=X
2からT=X
Nに至る間に、自動制御モジュール154は、ビークル100が周囲のビークル310を追い抜いた時点で左への車線変更を実行して元の車線に戻ることになると決定することができる。最終的に、自動制御モジュール154は、ビークル100が周囲のビークル310を追い抜いた後に現在の進路上に維持されることになると決定することができる。操作(例えば、右への車線変更と左への車線変更)のそれぞれは、ビークル100を加速させることがある。例えば、右への車線変更の間に、ビークル100の乗員が右方向の最初の加速を感じることになる。さらに、左への車線変更の間に、ビークル100の乗員は左方向の最初の加速を感じることになる。
【0055】
加速識別モジュール156は、ビークル100が実行することになる操作(例えば、右への車線変更と左への車線変更)のための加速(1又は複数)を識別することができる。1又は複数の構成では、加速識別モジュール156は、メモリに保存される操作加速プロファイル(1又は複数)114にアクセスして1又は複数の操作に対応する加速(1又は複数)を識別することができる。いくつかの構成では、加速識別モジュール156は、操作(1又は複数)のぞれぞれのための加速の大きさを加速閾値と比較することができる。
図3に示される実施例では、右(及び/又は左)への車線変更のための最初の加速は加速閾値を上回ってもよいのに対し、右(及び/又は左)への車線変更の終了時の加速は加速閾値を下回ってもよい。
【0056】
図3に示されるグラフ315は、中央に対するシート200の横方向の位置を経時的に示す。本開示で用いられるとき、「中央」は第1の位置であってもよい。そのため、中央は、乗員が設定する任意の位置、及び/又は、(
図2の)シート200がシート作動モジュール158からの指示に従って移動する前の任意の名目標準位置を含み得る。中央に対するシート200の長手方向の位置のために、類似するグラフを示すことがあり得る。グラフ315は、環境300でのビークル100の今後の経時的な進路に対応する、時間0、X
1、X
2、X
nを含む。
【0057】
シート作動モジュール158は、次の操作のための加速の方向及び大きさに従ってシート200を移動させる1又は複数の信号を生成することができる。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、自動制御モジュール154がビークル100を制御して操作を実行する前にシート200を移動させる1又は複数の信号を生成することができる。このため、
図3に示される実施例では、シート作動モジュール158は、(X
1とX
2との間の)右への車線変更のための加速の大きさ及び方向に従う方向及び加速度にて、時間T=0とX
1との間で、シート200を移動させることができる。グラフ315に示されるように、シート200は、ビークル100が右への車線変更の間に大きく加速しているので、高い加速度で右に移動することができる。さらに、シート200は、ビークル100が時間T=X
1に至る時間(又はビークル100が時間T=X
1に至る前の任意の時間)までに、徐々に中央に戻ることができる。
【0058】
時間=X
1では、(自動制御モジュール154を介した)ビークル100は右への車線変更を実行することができる。さらに、その時間において(又は、時折、時間=X
1の後で)、シート作動モジュール158は、(X
2とX
nとの間の)左への車線変更のための加速の大きさ及び方向に従う方向及び加速度にてシート200を移動させる1又は複数の他の信号を生成することができる。図示のように、左への車線変更は、より緩慢な車線変更であり、したがって左への車線変更のための加速の大きさは、右への車線変更より小さくてもよい。シート200は、ビークル100が徐々に車線を変更しているので、比較的小さな加速度で左に移動することができる。さらに、シート200は、ビークル100が時間=X
2に至るまでに、徐々に中央に戻ることができる。
【0059】
時間=X
2では、(自動制御モジュール154を介した)ビークル100は左への車線変更を実行することができる。さらに、シート200は、加速閾値を上回る加速をもたらす次の操作がないので、その位置を維持することができる。
【0060】
ここまでビークル100のさまざまな態様を説明してきたが、以下では、次の加速の通知をビークル100の乗員に提供する方法を、
図4を参照して考察する。
図4に示されるフローチャートは例示を目的とするものである。以下の開示は、
図4に示されるそれぞれのかつあらゆる機能ブロックに限定されるものではないと考える必要がある。それとは反対に、この方法は、図示のあらゆる機能ブロックを必要とするわけではない。いくつかの実施例では、この方法は、追加の機能ブロックを含み得る。また、この方法は、
図4に示される時系列と同一の時系列で実施される必要はない。可能な限り、上記の構造が参照される。
【0061】
この方法は、開始ブロック400から開始することができる。1又は複数の構成では、この方法は、ビークル100が起動されたとき、ビークル100が自律モード又は半自律モードなどで動作するときに、開始することができる。この方法は、機能ブロック405に続くことができる。
【0062】
機能ブロック405では、自動制御モジュール154は、ビークル100が追従する進路を識別する指示を含み得る。1又は複数の構成では、進路は、環境評価モジュール152によって識別された環境に基づくものであり得る。進路は、ビークル100の現在の進行方向を最小の加速でもって又は加速なしに維持することと、ビークル100に加速をもたらす1又は複数の操作と、を含むことができる。この加速は、ビークル100の速度の変化、ビークル100のコースの変化、道路地形、車線数、速度制限、などに起因するものであり得る。この方法は、機能ブロック410に続くことができる。
【0063】
機能ブロック410では、自動制御モジュール154は、進路での1又は複数の操作を識別することができる。操作は、例えば、ビークル100の制動、速度上昇、右左折、左又は右への車線変更、左又は右への揺動、などを含んでもよい。操作のそれぞれは、少なくとも1つの対応する加速を含んでもよい。加速(1又は複数)は、加速の方向及び加速の大きさを含み得る。この方法は、機能ブロック415に続くことができる。
【0064】
機能ブロック415では、加速識別モジュール156は、進路での1又は複数の操作のための加速の方向及び大きさを識別することができる。加速識別モジュール156は、メモリ110に保存された操作加速プロファイル114にアクセスして、進路での1又は複数の操作のための加速の方向を識別することができる。さらに、加速識別モジュール156は、自動制御モジュール154を介して決定される進路に基づいて、1又は複数の操作のための加速の大きさを識別することができる。この方法は、決定ブロック420に続くことができる。
【0065】
決定ブロック420では、加速識別モジュール156は、1又は複数の操作のための加速の大きさを加速閾値と比較することができる。加速の大きさが加速閾値よりも小さい(又は加速閾値と等しい)のであれば、この方法は、機能ブロック425に続くことができる。
【0066】
機能ブロック425では、自動制御モジュール154は、ビークル100に1又は複数の操作を実行させる1又は複数の制御信号を生成することができる。これについては以下でさらに詳細に考察する。この方法は、機能ブロック425から機能ブロック405に戻って続くことができる。
【0067】
しかし、決定ブロック420に戻って参照すると、加速の大きさが加速閾値より大きい(又は加速閾値と等しい)場合には、この方法は、機能ブロック430に続くことができる。
【0068】
機能ブロック430では、状態追跡モジュール160は、ビークル100の乗員の注視を追跡する。状態追跡モジュール160は、1又は複数の内部センサ127を用いて、乗員の状態(例えば、注視、集中、姿勢、など)を追跡することができる。いくつかの構成では、状態追跡モジュール160は、加速閾値を上回る加速の大きさに応答して乗員の状態を追跡するだけでもよい。状態追跡モジュール160は、乗員の1又は複数の特徴(例えば、目、顔、など)を識別することができる。この方法は、決定ブロック435に続くことができる。
【0069】
機能ブロック435では、シート作動モジュール158は、第1の位置からシート200を移動させる信号を生成することができる。シート作動モジュール158は、操作のための加速の1又は複数の特性(例えば、大きさ及び/もしくは方向)並びに/又は乗員の1又は複数の状態に従ってシートを移動させることができる。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、機能ブロック415で識別される加速の方向及び大きさに対応する方向及び加速度にてシート200を移動させる信号を生成することができる。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、操作のためのビークル100の加速の大きさから拡縮されたファクタである加速度にてシート200を移動させる信号を生成することができる。機能ブロック435から、この方法は機能ブロック425に続くことができる。
【0070】
いくつかの構成では、機能ブロック430にて、状態追跡モジュール160は、乗員が眠っているかどうかを判定することができる。1又は複数の構成では、状態追跡モジュール160は、乗員の目が閉じているかどうかを判定することができる。乗員の目が閉じていることに基づいて、状態追跡モジュール160は、乗員が眠っていると判定することができる。乗員が眠っていると判定されると、この方法は機能ブロック435に続くことができる。いくつかの実施例では、シート作動モジュール158は、乗員が眠っていると判定されたときに第1の加速度でシート200を移動させる信号を生成することができる。しかし、乗員が覚醒していると判定される場合には、この方法は機能ブロック425に続くことができる。
【0071】
いくつかの構成では、機能ブロック430にて、状態追跡モジュール160は、乗員の注視が車道の方に向かっているかどうかを判定することができる。1又は複数の構成では、状態追跡モジュール160は、1又は複数の特徴の方向性をフロントガラス230の配置と比較することができる。この比較に基づいて、状態追跡モジュール160は、乗員の注視の車道に対する方向を判定することができる。乗員の注視が車道の方に向いているならば、この方法は機能ブロック425に続くことができる。しかし、乗員の注視が車道の方に向いていなければ、この方法は機能ブロック435に移動することができる。
【0072】
いくつかの構成では、機能ブロック430にて、状態追跡モジュール160は、乗員が車道に集中しているかどうかを判定することができる。1又は複数の構成では、状態追跡モジュール160は、内部センサ(1又は複数)127からのデータに基づいて、乗員の目を識別することができる。状態追跡モジュール160は、乗員の瞳孔が広がっているかどうかを判定することができる。状態追跡モジュール160は、瞳孔拡張に基づいて乗員の認知負荷を判定することができる。予測された認知負荷に基づいて、状態追跡モジュール160は、乗員が車道に集中しているかどうかを判定することができる。乗員が車道に集中していないと判定される場合には、この方法は機能ブロック435に続くことができる。しかし、乗員が車道に集中していると判定される場合には、この方法は機能ブロック425に続くことができる。
【0073】
いくつかの構成では、機能430にて、状態追跡モジュール160は乗員の姿勢を判定することができる。状態追跡モジュール160は、内部センサ(1又は複数)127からのデータに基づいて、乗員の姿勢を、注意を払っている姿勢と注意を払っていない姿勢とに分類することができる。状態追跡モジュール160は、乗員の手、足、胸部、頭部などの配置を識別することができる。乗員が注意を払っていない姿勢になっていると判定された場合には、この方法は機能ブロック435に続くことができる。しかし、乗員が注意を払っている姿勢になっていると判定された場合には、この方法は機能ブロック425に続くことができる。
【0074】
なお、機能ブロック430の記載は、開示された構成のそれぞれに及ぶ。また、機能ブロック430は、このような構成を複数含み得る。この点について、状態追跡モジュール160は、乗員の注視、乗員が眠っているかどうか、乗員が集中しているかどうか、乗員の姿勢などを非限定的に含む、乗員の1つの状態及び乗員の2つ以上の状態を識別することができる。また、状態追跡モジュール160は、このような状態の1又は複数を別の状態に反応して識別することができる。例えば、乗員が眠っていないと識別することに反応して、状態追跡モジュール160は、乗員の注視及び/又は乗員が集中しているかどうかを識別することができる。別の実施例では、乗員が注意を払っていない姿勢になっていると判定することに反応して、状態追跡モジュール160は、乗員が眠っているかどうかを判定することができる。
【0075】
1又は複数の構成では、乗員が覚醒していること、及び/又は、乗員の注視が車道の方に向けられていること、及び/又は、乗員が車道に集中していることに応答して、シート作動モジュール158は、第1の位置からシート200を移動させる信号を生成する。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、機能ブロック415で識別される加速の方向及び大きさに対応する方向及び加速度にてシート200を移動させる信号を生成することができる。1又は複数の構成では、シート作動モジュール158は、操作のためのビークル100の加速の大きさから拡縮されたファクタである加速度にてシート200を移動させる信号を生成することができる。1又は複数の構成では、本開示に記載された加速度は、例えば、乗員が眠っている、集中していない、などの状態に反応して同一の操作に対して用いられる加速度を下回ってもよい。決定ブロック445から、シート作動モジュール158が信号を生成した後に、この方法は機能ブロック425に続くことができる。
【0076】
1又は複数の構成では、シート作動モジュール158が、(例えば、機能ブロック440、450などにて)シートを第1の位置から移動させる信号を生成する場合には、シート作動モジュール158は、シート200を徐々に第1の位置に戻す別の信号を生成することができる。いくつかの実施例では、シート作動モジュール158は、操作が実行された時点、操作が実行される前、などにシート200を第1の位置に戻す信号を生成することができる。
【0077】
1又は複数の構成では、
図4に示される方法は、終了するまでループを継続することができる。この方法は、ビークル100が自律モード又は半自律モードでこれ以上動作しない時点、ビークル100が作動停止した時点、などに終了することができる。
【0078】
ここで、
図1を、本開示に開示されたシステム及び方法が機能する可能性のある例示環境として詳細に考察する。いくつかの例は、ビークル100は、自律モード、1もしくは複数の半自律動作モード、及び/又は、手動モードの間を選択的に切り替えるように構成される。そのような切り替えは、現在知られているか又は今後開発される適切な方法によって実施され得る。「手動モード」は、ユーザ(例えば、人間の運転者)から受け取った入力に従って、ビークルの運行指示及び/又は操作の全部又は大部分が実施されることを意味する。1又は複数の構成では、ビークル100は、手動モードのみで動作するように構成される従来のビークルであり得る。
【0079】
1又は複数の実施例では、ビークル100は自律走行ビークルである。本開示で用いられるとき、「自律走行ビークル」とは、自律モードで動作するビークルのことである。「自律モード」とは、人間の運転者からの入力が最小であるか全くない状態でビークル100を制御する1又は複数の演算システムを用いて、移動ルートに沿って、ビークル100を運行指示しかつ/又は操作することである。1又は複数の実施例では、ビークル100は、高度に自動化されており又は完全に自動化されている。一実施例では、ビークル100は、1又は複数の演算システムが移動ルートに沿ったビークルの運行指示及び/又は操作の一部を実施する1又は複数の半自律動作モードを備えるように構成され、ビークル操作者(即ち、運転者)がビークルに入力を提供して、進路に沿ったビークル100の運行指示及び/又は操作の一部を実施する。1又は複数の構成では、ビークル100は、1又は複数の演算システムがビークル100の1又は複数の構成要素を制御して、ビークル100に、ビークル操作者が追従している現在の進路からずれている変更進路を追従させる1又は複数の半自律動作モードを備えるように構成される。この実施例では、1又は複数の演算システムは、ビークル100の1又は複数の構成要素を制御して、ビークル操作者が追従している現在の進路からのずれを決定することに応答してビークル100に変更進路を追従させる。
【0080】
上記のように、ビークル100はプロセッサ(1又は複数)105を含み得る。1又は複数の構成では、プロセッサ(1又は複数)105はビークル100の主プロセッサであり得る。例として、プロセッサ(1又は複数)105は電子制御部(ECU)であり得る。
【0081】
さらに、ビークルはメモリ110を含み得る。メモリ110は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含み得る。適切なメモリの例には、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読み出し専用メモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能PROM)、EEPROM(電気的消去可能PROM)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブをはじめとする適切な記憶媒体、又は、このような記憶媒体の任意の組み合わせが挙げられる。メモリ110はプロセッサ(1又は複数)105の構成要素であり得る。あるいは、メモリ110は、プロセッサ(1又は複数)105に動作可能に接続されて、このプロセッサによって用いられるようにすることができる。本開示中で用いられるとき、用語「動作可能に接続する」は、直接の物理的接触のない接続を含む直接的接続又は間接的接続を含み得る。
【0082】
1又は複数の構成では、メモリ110は地図データ116を含み得る。地図データ116は1又は複数の地理的領域の地図を含み得る。いくつかの例では、地図データ116は、1又は複数の地理的領域での道路、交通規制装置、道路標識、構造物、特徴、及び/又は、ランドマークに関する情報又はデータを含み得る。地図データ116は任意の適切な形態であり得る。いくつかの例では、地図データ116は、ある領域の空中画像を含み得る。いくつかの例では、地図データ116は、ある領域の360度にわたる地上画像をはじめとする地上画像を含み得る。地図データ116は、地図データ116に含まれる1又は複数の項目、及び/又は、地図データ116に含まれる他の項目に関連する1又は複数の項目、のための測定値、寸法、距離、及び/又は情報を含み得る。地図データ116は、道路形状に関する情報と共にデジタル地図を含み得る。地図データ116は、高品質及び/又は高精度であり得る。
【0083】
1又は複数の構成では、地図データ116は1又は複数の地形
図117を含み得る。地形図(1又は複数)117は、1又は複数の地理的領域の地盤、地形、道路、地表、及び/又は、他の特徴に関する情報を含み得る。地形図(1又は複数)117は、1又は複数の地理的領域の高度データを含み得る。地図データ116は、高品質及び/又は高精度であり得る。地形図(1又は複数)117は、舗装道路、未舗装道路、所有地、及び、地面を規定する他のものを含み得る1又は複数の地面を規定することができる。
【0084】
1又は複数の構成では、地図データ116は、1又は複数の静止物体地
図118を含み得る。静止物体地図(1又は複数)118は、1又は複数の地理的領域内に位置づけられる1又は複数の静止物体に関する情報を含み得る。「静止物体」とは、物理的物体であり、その位置が一定期間変化しないか実質的に変化しないもの、及び/又は、そのサイズが一定期間変化しないか実質的に変化しないものである。静止物体の例には、樹木、建物、縁石、フェンス、ガードレール、中央分離帯、電柱、彫像、記念碑、標識、ベンチ、家具、郵便ポスト、大きな岩、丘が挙げられる。静止物体は、地表面より上方に拡がる物体であり得る。静止物体地図(1又は複数)118に含まれる1又は複数の静止物体は、配置データ、サイズデータ、寸法データ、材料データ、及び/又は、それに関連する他のデータを有することができる。静止物体地図(1又は複数)118は、1又は複数の静止物体のための測定値、寸法、距離、及び/又は情報を含み得る。静止物体地図(1又は複数)118は、高品質及び/又は高精度であり得る。静止物体地図(1又は複数)118を、地図化された領域内の変化を反映するために更新することができる。
【0085】
上記のように、ビークル100はセンサシステム120を含み得る。センサシステム120は1又は複数のセンサを含み得る。「センサ」とは、何らかを検出しかつ/又は感知することができる、任意の装置、構成要素、及び/又はシステムを意味する。1又は複数のセンサは、リアルタイムに検出かつ/又は感知するように構成され得る。本開示で用いられるとき、用語「リアルタイム」は、ユーザ又はシステムが特定のプロセスまたは判定を十分速やかに実行するレベル、又は、プロセッサが何らかの外部のプロセスに追随できるようにするレベルの、プロセス応答性を意味する。
【0086】
センサシステム120が複数のセンサを含む構成では、センサ同士は互いに独立して稼働することができる。代替的に、センサの2又はそれよりも多くが互いに組み合わさって稼働することができる。そのような場合には、2又はそれよりも多くのセンサはセンサネットワークを形成することができる。センサシステム120及び/又は1もしくは複数のセンサは、プロセッサ(1又は複数)105、メモリ110、及び/又は、ビークル100の(
図2に示される要素のいずれかを含む)別の要素に動作可能に接続することができる。センサシステム120は、ビークル100の外部環境(例えば、その場の状況)の少なくとも一部のデータを取得することができる。
【0087】
センサシステム120は、任意の適切な種類のセンサを含み得る。異なる種類のセンサのさまざまな例を本開示に記載する。しかし、このような例は記載された特定のセンサに限定されないことを理解されたい。センサシステム120は1又は複数のビークルセンサ121を含み得る。ビークルセンサ(1又は複数)121は、ビークル100自体に関する情報を検出し、判定し、かつ/又は感知することができる。1又は複数の構成では、ビークルセンサ(1又は複数)121は、例えば慣性加速に基づいて、ビークル100の位置及び方向性の変化を検出しかつ/又は感知するように構成され得る。1又は複数の構成では、ビークルセンサ(1又は複数)121は、1又は複数の加速度計、1又は複数のジャイロスコープ、慣性計測装置(IMU)、推測航法システム、全地球的航法衛星システム(GLASS)、全地球測位システム(GPS)124、ナビゲーションシステム147、及び/又は、他の適切なセンサを含み得る。ビークルセンサ(1又は複数)121は、ビークル100の1又は複数の特徴を検出しかつ/又は感知するように構成され得る。1又は複数の構成では、ビークルセンサ(1又は複数)121は、ビークル100の現在の速度を決定する速度計を含み得る。
【0088】
代替的に又は追加的に、センサシステム120は、運転環境データを取得しかつ/又は感知するように構成された1又は複数の外部環境センサ122を含み得る。「運転環境データ」は、自律走行ビークルが配置されるか自律走行ビークルの1又は複数の部分が配置される外部環境に関するデータ又は情報を含む。例えば、1又は複数の外部環境センサ122は、ビークル100の外部環境の少なくとも一部にある物体及び/又はそのような物体に関する情報/データを、検出し、定量化し、かつ/又は、感知するように構成され得る。そのような物体は、静的物体及び/又は動的物体であり得る。また、1又は複数の外部環境センサ122は、例えば、レーンマーカ、標識、信号機、交通標識、車線境界線、横断歩道、ビークル100に接近した縁石、道路外の物体などの、ビークル100の外部環境の他のものを、検出し、測定し、定量化し、かつ/又は、感知するように構成され得る。
【0089】
センサシステム120のセンサのさまざまな例を本開示に記載する。例示センサは、1もしくは複数の外部環境センサ122、及び/又は、1もしくは複数のビークルセンサ121の一部であり得る。しかし、このような例は、記載された特定のセンサに限定されるものではないことを理解されたい。
【0090】
一例として、1又は複数の構成では、センサシステム120は、1もしくは複数のレーダセンサ125、1もしくは複数のLIDARセンサ126、1もしくは複数のソーナーセンサ、及び/又は、1もしくは複数のカメラ123を含み得る。1又は複数の構成では、1又は複数のカメラ123は、高ダイナミックレンジ(HDR)カメラ又は赤外線(IR)カメラであり得る。
【0091】
ビークル100は入力システム165を含み得る。「入力システム」は、情報/データを機械に入力できるようにする任意の装置、構成要素、システム、要素もしくは構成、又はそのグループを含む。入力システム165は、ビークル乗客(例えば、運転者又は乗客)から入力を受け取ることができる。ビークル100は出力システム170を含み得る。「出力システム」は、情報/データをビークル乗客又は乗員(例えば、人、ビークル乗客など)に提示することができる任意の装置、構成要素もしくは構成、又はそのグループを含む。
【0092】
ビークル100は1又は複数のビークルシステム140を含み得る。1又は複数のビークルシステム140のさまざまな例を
図2に示す。しかし、ビークル100は、より多くの、より少ない、又は、異なるビークルシステムを含み得る。特定のビークルシステムを個別に定義しているが、これ以外に、システムのそれぞれもしくはいずれか、又はその一部を、ビークル100内のハードウェア及び/又はソフトウェアを介して組み合わせるか分離することができることを理解する必要がある。ビークル100は、推進システム141、制動システム142、ステアリングシステム143、スロットルシステム144、トランスミッションシステム145、信号伝達システム146、及び/又は、ナビゲーションシステム147を含み得る。このようなシステムのそれぞれは、現在知られているか今後開発される1もしくは複数の装置、構成要素、及び/又は、その組み合わせを含み得る。
【0093】
ナビゲーションシステム147は、現在知られているか今後開発され、ビークル100の地理的位置を決定しかつ/又はビークル100の移動ルートを決定するように構成される1又は複数の装置、アプリケーション、及び/又は、その組み合わせを含み得る。ナビゲーションシステム147は、ビークル100の進路を決定する1又は複数のマッピングアプリケーションを含み得る。ナビゲーションシステム147は、全地球測位システム124、局所測位システム又は地理位置情報システムを含み得る。
【0094】
ビークル100は1又は複数のモジュール150を含み得る。そのモジュールの少なくともいくつかは本開示に記載される。モジュールはコンピュータ可読のプログラムコードとして実装され得る。このプログラムコードは、プロセッサ105によって実行されると、本開示に記載されたさまざまなプロセスのうちの1又は複数を実行する。モジュール150のうちの1又は複数は、プロセッサ(1又は複数)105の構成要素であり得る。あるいは、モジュール150のうちの1又は複数は、プロセッサ(1又は複数)105が動作可能に接続される他の処理システム上で実行されかつ/又は同処理システムに分散され得る。モジュール150は、1又は複数のプロセッサ105によって実行可能な指示(例えば、プログラム論理)を含み得る。代替的に又は追加的に、メモリ110は、そのような指示を含み得る。
【0095】
1又は複数の構成では、本開示に記載されたモジュール150の1又は複数は、人工知能要素又は計算知能要素、例えば、ニューラルネットワーク、ファジー論理をはじめとする機械学習アルゴリズムを含み得る。また、1又は複数の構成では、モジュール150の1又は複数は、本開示に記載されたモジュールの複数に分散することができる。1又は複数の構成では、本開示に記載されたモジュール150の2又はそれよりも多くを、組み合わせて単一のモジュールにすることができる。
【0096】
ビークル100は、自動制御モジュール(1又は複数)154を含み得る。自動制御モジュール(1又は複数)154は、さまざまなビークルシステム140と通信するように構成され得る。1又は複数の構成では、プロセッサ(1又は複数)105及び/又は自動制御モジュール(1又は複数)154を、さまざまなビークルシステム140及び/又はこのようなビークルシステムの個別の構成要素と通信するために動作可能に接続することができる。例えば、
図2に戻ると、プロセッサ(1又は複数)105及び/又は自動制御モジュール(1又は複数)154は、さまざまなビークルシステム140に情報を送信しかつ/又は同ビークルシステムから情報を受信して、ビークル100の動き、速度、操作、向き、方向などを制御するために、通信可能である。プロセッサ(1又は複数)105及び/又は自動制御モジュール(1又は複数)154は、このようなビークルシステム140の一部又は全部を制御することができるため、ビークル100は部分的又は全体的に自律的であり得る。
【0097】
ビークル100は1又は複数の自動制御モジュール154を含み得る。自動制御モジュール(1又は複数)154は、センサシステム120、並びに/又は、ビークル100及び/もしくはビークル100の外部環境に関する情報を取得することができる任意の他の種類のシステム、からデータを受信するように構成され得る。1又は複数の構成では、自動制御モジュール(1又は複数)154は、そのようなデータを用いて1又は複数の運転状況モデルを生成することができる。自動制御モジュール(1又は複数)154は、ビークル100の位置及び速度を決定することができる。自動制御モジュール(1又は複数)154は、物体の配置、物体、又は、交通標識、樹木、低木、隣接するビークル、歩行者などをはじめとする他の環境特性を決定することができる。自動制御モジュール(1又は複数)154は、ビークル100の外部環境内の物体(例えば、ビークル100)の位置情報を受信しかつ/又は決定するように構成され得る。この位置情報は、プロセッサ(1又は複数)105及び/又は本開示に記載されるモジュール150の1もしくは複数によって用いられて、ビークル100の位置及び方向性、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標でのビークル位置、又は、任意の他のデータ及び/もしくは信号が推定される。当該任意の他のデータデータ及び/又は信号は、ビークル100の現在の状態を決定し又はビークル100の環境に対するビークルの位置を決定するのに用いられ得る。当該状態又は位置は、地図を作成し又は地図データに関してビークル100の位置を決定するのに用いられる。
【0098】
自動制御モジュール(1又は複数)154は、センサシステム120が取得したデータ、運転状況モデル、及び/又は、任意の他の適切な情報源からのデータに基づいて、進路(1又は複数)、ビークル100に対する現在の自律運転操作、今後の自律運転操作、及び/又は、現在の自律運転操作に対する変更、を決定するように構成され得る。1又は複数の構成では、自動制御モジュール(1又は複数)154は、ビークル100との衝突が発生する可能性のある特定のエリアからビークル100を回避するために、ビークル100の進路(1又は複数)を決定するように構成され得る。
【0099】
プロセッサ(1又は複数)105及び/又は自動制御モジュール(1又は複数)154は、ビークルシステム140のうちの1もしくは複数、及び/又は、その構成要素を制御することによって、ビークル100の運行指示及び/又は操縦を制御するように動作可能であり得る。例として、自律モード又は半自律モードで動作すると、プロセッサ(1もしくは複数)105及び/又は自動制御モジュール(1もしくは複数)154は、ビークル100の方向及び/又は速度を制御することができる。プロセッサ(1もしくは複数)105及び/又は自動制御モジュール(1もしくは複数)154は、(例えば、エンジンに供給される燃料量を増やすことによって)ビークル100を加速させ、(例えば、エンジンに供給される燃料量を減らしかつ/もしくはブレーキを掛けることによって)ビークル100を減速させ、かつ/又は、(例えば、2つの前輪を旋回させることによって)ビークルの方向を変えることができる。本開示で用いられるとき、「させる」又は「させている」は、事象もしくは動作の発生、又は、少なくともそのような事象もしくは動作が直接的もしくは間接的に発生可能な状態の発生を、引き起こし、強制し、強要し、導き、命令し、指示し、かつ/又は、可能にすることを意味する。
【0100】
ビークル100は1又は複数のアクチュエータ148を含み得る。アクチュエータ148は、プロセッサ(1又は複数)105及び/又は自動制御モジュール(1又は複数)154からの信号又は他の入力の受信に応答して、ビークルシステム140のうちの1もしくは複数又はその構成要素を変更し、調整し、かつ/又は改変するように動作可能な、任意の要素又は要素の組み合わせであり得る。任意の適切なアクチュエータを使用することができる。例として、1又は複数のアクチュエータ148は、念のためにいくつかの可能性を挙げると、モータ、空気圧式アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、及び/又は、圧電アクチュエータを含み得る。
【0101】
自動制御モジュール(1又は複数)154は、1又は複数の運転操作を決定して、ビークル100の決定された経路(1又は複数)を追従するように構成され得る。「運転操作」は、ビークルの動きに影響を及ぼす1又は複数の行動を意味する。運転操作の例には、念のためにいくつかの可能性を挙げると、加速、減速、制動、旋回、ビークル100の横方向の動き、移動車線の変更、移動車線への合流、及び/又は、後進が挙げられる。自動制御モジュール(1又は複数)154は、決定された運転操作を実行するように構成され得る。自動制御モジュール(1又は複数)154は、直接的又は間接的にそのような自律運転操作を実施させることができる。本開示で用いられるとき、「させる」又は「させている」は、事象もしくは動作の発生、又は、少なくともそのような事象もしくは動作が直接的もしくは間接的に発生可能な状態の発生を、引き起こし、命令し、指示し、かつ/又は、可能にすることを意味する。自動制御モジュール(1又は複数)154は、さまざまなビークル機能を実行し、かつ/又は、ビークル100もしくはその1もしくは複数のシステム(例えば、ビークルシステム140の1もしくは複数)(ビークル等ともいう。)からデータを送信し、ビークル等からデータを受信し、ビークル等と相互作用し、ビークル等を制御するように構成され得る。
【0102】
本開示に開示された構成には、他のシステムを凌駕する多くの利点がある。例えば、本開示に開示された構成によって乗員の注意を車道に戻すことができる。本開示に開示された構成は、ビークルの乗員に触覚よりも前庭感覚を感じさせることができる。本開示に開示された構成によって乗員は次の加速に対して準備できるようになる。本開示に開示された構成は、乗員の現在の状態(例えば、眠っている、道路に注意を払っている、など)に基づいて通知の程度を変化させることができる。本開示に開示された構成は、眠っている乗員を覚醒させることができる。
【0103】
詳細な実施例が本開示に開示されている。しかし、開示された実施例は、あくまで例示を目的としたものであることを理解されたい。このため、本開示に開示された特定の構造的詳細及び機能的詳細は、限定をするものとして解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の根拠であるにすぎず、本開示の態様を事実上適切な詳細構造にてさまざまに採用することを当業者に教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。また、本開示で用いられる用語及び慣用句は限定を目的とするものではなく、むしろ実施可能な実施態様の理解可能な説明を提供することを目的としている。さまざまな実施例が
図1から
図4に示されているが、このような実施例は、図示された構造及び適用例に限定されるものではない。
【0104】
図面のフローチャート及びブロック図は、種々の実施例によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実施可能な実施態様のアーキテクチャ、機能性及び動作を図示する。この点について、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、特定の論理機能(1又は複数)を実装する1又は複数の実行可能な指示を備えるモジュール、セグメント又はコードの一部を表してもよい。なお、また、いくつかの代替実施態様では、ブロックに記載される機能は、図面に記載された順序以外の順序で発生してもよい。例えば、2つの連続したブロックは、実際には、実質的に同時に実施されてもよく、又は、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行されることがあってもよい。
【0105】
上記のシステム、構成要素、及び/又は、プロセスは、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現することができ、1つの処理システムへの集中形態又はさまざまな要素がいくつかの相互接続された処理システムに分散されている分散形態で実現することができる。本開示に記載された方法を実施するのに適したあらゆる種類の処理システム又は別の装置が適合する。ハードウェアとソフトウェアとの典型的な組み合わせは、コンピュータが使用可能なプログラムコードであって、読み込まれて実行されると、本開示に記載された方法を実施するように処理システムを制御するプログラムコードを備える処理システムであってよい。また、システム、構成要素、及び/又は、プロセスを、コンピュータ可読の記憶装置であって、機械によって読み取ることができ、この機械によって実行可能な指示のプログラムを具体化して、本開示に記載された方法及びプロセスを実施するコンピュータプログラム製品又は他のデータプログラムの記憶装置のような記憶装置に埋め込むことができる。また、このような要素を、本開示に記載された方法の実施態様を可能にする維持状況を全部備え、処理システムに読み込まれるとこれらの方法を実施できるアプリケーション製品に埋め込むことができる。
【0106】
さらに、本開示に記載された構成は、具現化された(例えば、記録された)コンピュータ可読のプログラムコードを有する1又は複数のコンピュータ可読の媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。1又は複数のコンピュータ可読の媒体の任意の組み合わせを利用してもよい。コンピュータ可読の媒体は、コンピュータ可読の信号媒体又はコンピュータ可読の記憶媒体であってもよい。語句「コンピュータ可読の記憶媒体」は持続性記憶媒体を意味する。コンピュータ可読の記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体のシステム、装置又はデバイス、あるいはこれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、このようなものに限定されるものではない。コンピュータ可読の記憶媒体のさらに具体的な例(包括的でないリスト)は、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能PROM(EPROM又はフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は、このようなものの任意の適切な組み合わせを含むことがあり得る。本開示に照らして、コンピュータ可読の記憶媒体は、指示実行システム、装置もしくはデバイスによって使用され又は関連して使用されるプログラムを包含し又は記録することができる任意の有形的表現媒体であってもよい。
【0107】
コンピュータ可読の媒体に具現化されたプログラムコードを、無線通信、有線通信、光ファイバ、ケーブル、RFなど、又は、このようなものの任意の適切な組み合わせを含むがこのようなものに限定されない、任意の適切な媒体を用いて伝達してもよい。本構成の態様のための動作を実施するコンピュータプログラムコードを、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語又は類似するプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語とを含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書いてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータで全体的に実行されても、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータで部分的にリモートコンピュータで部分的に実行されてもよく、又は、リモートコンピュータ又はサーバで全体的に実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して)外部のコンピュータとの接続を構築してもよい。
【0108】
用語「一〜」及び「ある〜」は、本開示で用いられるとき、1又は1よりも多いものとして定義される。用語「複数」は、本開示で用いられるとき、2つ又は2つよりも多いものとして定義される。用語「別の」は、本開示で用いられるとき、少なくとも2番目又はそれ以降として定義される。用語「含む」及び/又は「有する」は、本開示で用いられるとき、備える又は含む(すなわち、オープン言語)として定義される。慣用句「〜及び〜の少なくとも1つ」は、本開示で用いられるとき、関連する列挙事項の1又は複数の任意及びすべての実現可能な組み合わせに言及し包含する。一例として、慣用句「A、B及びCの少なくとも1つ」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又はその任意の組み合わせ(例えばAB、AC、BCもしくはABC)を含む。
【0109】
本開示に記載の態様を、その主旨又は必須の特質から逸脱することなく、他の形態で具体化することができる。このため、本開示の権利範囲を示すものとして、上記の明細書よりも、下記の特許請求の範囲が参照する必要がある。
[構成1]
ビークルの乗員に次の加速の通知を提供するシステムであって、前記システムは、
1又は複数のアクチュエータに動作可能に接続されたプロセッサと、
前記プロセッサに動作可能に接続されたメモリであって、
指示を含む加速識別モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記ビークルに関連する操作に対応する加速の方向及び大きさを前記プロセッサに識別させるものである、加速識別モジュールと、
指示を含む状態追跡モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに乗員の状態を追跡させるものである、状態追跡モジュールと、
指示を含むシート作動モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、シートを(i)加速の方向に対応する方向に、(ii)操作のための加速の大きさ及び前記乗員の状態に対応する加速度で、移動させる信号を前記プロセッサに生成させるものである、シート作動モジュールと、
を記憶する、メモリと、
を備える、システム。
[構成2]
前記状態追跡モジュールは、前記乗員が眠っているかどうかを前記乗員の状態に少なくとも部分的に基づいて前記プロセッサに判定させる指示を含む、構成1に記載のシステム。
[構成3]
前記シート作動モジュールは、前記乗員が眠っていることに応答して前記シートを移動させる前記信号を前記プロセッサに生成させる指示を含む、構成2に記載のシステム。
[構成4]
前記状態追跡モジュールは、前記乗員が眠っていないと判定したことに応答して乗員の注視が車道の方に向かっているかどうかを前記プロセッサに判定させる指示をさらに含む、構成2に記載のシステム。
[構成5]
前記シート作動モジュールは、
前記乗員が眠っていることに応答して前記シートを第1の加速度で移動させる第1の信号を生成することと、
前記乗員の注視が前記車道の方に向かっていないことに応答して前記シートを第2の加速度で移動させる第2の信号を生成することと、
を前記プロセッサに行わせる指示を含む、構成4に記載のシステム。
[構成6]
前記第1の加速度は、前記操作のための前記第2の加速度を上回る、構成5に記載のシステム。
[構成7]
前記加速識別モジュールは、前記プロセッサに前記加速の大きさを加速閾値と比較させる指示をさらに含み、前記シート作動モジュールは、前記加速の大きさが前記加速閾値を上回るときに前記シートを移動させる前記信号を前記プロセッサに生成させる指示を含む、構成1に記載のシステム。
[構成8]
指示を含む自動制御モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記ビークルに前記操作を実行させる1又は複数の制御信号を前記プロセッサに生成させるものである、自動制御モジュール
をさらに備える、構成1に記載のシステム。
[構成9]
ビークルの乗員に次の加速の通知を提供するシステムであって、前記システムは、
プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に結合されたメモリであって、
指示を含む加速識別モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記ビークルに関連する次の操作に対応する加速の方向及び大きさを前記プロセッサに識別させるものである、加速識別モジュールと、
指示を含む状態追跡モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに乗員の注視を追跡させるものである、状態追跡モジュールと、
指示を含むシート作動モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記乗員の注視が車道の方を向いていないと判定されたときに、シートを第1の位置から、(i)前記加速の方向に対応する方向に、(ii)前記次の操作のための加速の大きさに対応する加速度で、移動させる信号を前記プロセッサに生成させるものである、シート作動モジュールと、
を記憶する、メモリと、
を備える、システム。
[構成10]
前記加速識別モジュールは、前記プロセッサに前記加速の大きさを加速閾値と比較させる指示をさらに含み、前記シート作動モジュールは、前記加速の大きさが前記加速閾値を上回るときに前記シートを移動させる前記信号を前記プロセッサに生成させる指示を含む、構成9に記載のシステム。
[構成11]
前記状態追跡モジュールは、乗員が眠っているかどうかを判定する指示をさらに含む、構成10に記載のシステム。
[構成12]
前記加速閾値は第1の加速閾値であり、前記加速識別モジュールは、前記乗員が眠っていることに応答して前記プロセッサに前記加速の大きさを第2の加速閾値と比較させる指示をさらに含み、前記第2の加速閾値は前記第1の加速閾値を上回る、構成11に記載のシステム。
[構成13]
指示を含む自動制御モジュールであって、前記指示は、前記プロセッサによって実行されると、前記ビークルに前記次の操作を実行させる1又は複数の制御信号を前記プロセッサに生成させるものである、自動制御モジュール
をさらに備える、構成9に記載のシステム。
[構成14]
ビークルの乗員に次の加速の通知を提供する方法であって、前記方法は、
前記ビークルに関連する操作のための加速の方向を識別することと、
前記ビークルが前記操作を実行する前に、シートを第1の位置から前記操作のための加速の方向に対応する方向に移動させる信号を生成することと、
を含む、方法。
[構成15]
前記操作のための加速の大きさを識別すること、
をさらに含む、構成14に記載の方法。
[構成16]
前記加速の大きさを加速閾値と比較することをさらに含み、前記シートを移動させる前記信号を生成することは、前記加速の大きさが前記加速閾値を上回ったときに実施される、
構成15に記載の方法。
[構成17]
前記乗員が眠っているかどうかを、前記乗員の注視に少なくとも部分的に基づいて判定すること、
をさらに含む、構成15に記載の方法。
[構成18]
前記シートを移動させる前記信号を生成することが、前記乗員が眠っていると判定されたときに、前記シートを前記第1の位置から、(i)前記加速の方向に対応する方向に、(ii)前記操作のための加速の大きさに対応する第1の加速度で、移動させる前記信号を生成することを含む、構成17に記載の方法。
[構成19]
前記ビークルの前記乗員の注視を追跡することが、乗員の注視が車道の方に向かっているかどうかを判定することを含む、構成18に記載の方法。
[構成20]
前記シートを移動させる前記信号を生成することが、前記乗員が眠っておらずかつ前記乗員の注視が前記車道の方を向いていないと判定されたときに、前記シートを前記第1の位置から、(i)前記加速の方向に対応する方向に、(ii)前記操作のための加速の大きさに対応する第2の加速度で、移動させる前記信号を生成することを含み、前記第2の加速度は前記第1の加速度を下回る、構成19に記載の方法。