【実施例】
【0078】
本発明は、以下の非限定的な例によってさらに説明され、これらの例は単に例示の目的で提供され、添付の請求項の範囲を限定するものではない。
【0079】
実施例1:4,4’−(1,4−フェニレン)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化22】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(4.34g、21.2mmol)と、1,4−ジブロモベンゼン(2.00g、8.5mmol)と、K
2CO
3(2.92g、21.2mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.49g、5mol%)との、PhMe(30mL)及びEtOH(30mL)中の混合物をN
2下で48時間加熱還流した。得られた混合物を水(50mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO
4)、減圧下で溶媒を除去した。残留物に対して、溶離液としてジクロロメタン中のMeOH(0〜5%)を使用してシリカ上でクロマトグラフィーを行った。溶媒を減圧下で除去し、残留物を熱EtOAc/ヘキサンから結晶化させて、1,4−ジ(4−ピリジル)ベンゼン(1.52g、77%)を淡黄色粉末として得た。
【0080】
1,4−ジ(4−ピリジル)ベンゼン(0.82g、3.5mmol)と1−ヨードヘキサン(3.75g、17.7mmol)とのMeCN(30mL)中の混合物を暗所で16時間還流下加熱し、冷却し、濾過し、MeCNで洗浄して、4,4’−(1,4−フェニレン)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ジヨージド(1.10g、47%)褐色粉末として得た。
【0081】
4,4’−(1,4−フェニレン)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ジヨージド(0.55g、0.8mmol)のMeOH(15mL)中の溶液を、NaBF
4(1.11g、10.1mmol)の水(50mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。得られた混合物を0.5時間撹拌し、濾過し、水(2×5mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(1,4−フェニレン)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)(0.43g、90%)を淡黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.06(4H,d,J=6.8Hz),8.53(4H,d,J=6.8Hz),8.29(s,4H),4.67(4H,t,J=7.6Hz),2.30〜2.05(m,4H),1.55〜1.30(m,12H),及び0.96(6H,t,J=7.6Hz)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−154.4〜−154.6。
【0082】
実施例2:4’−(ナフタレン−2,6−ジイル)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化23】
無水トリフルオロメタンスルホン酸(9.7g、34.3mmol)のDCM(80mL)中の溶液を0℃で撹拌しながら、2,6−ジヒドロキシナフタレン(2.5g、15.6mmol)とピリジン(2.99g、37.8mmol)とのジクロロメタン(80mL)中の0℃の溶液にN
2下で滴下した。撹拌を1時間続け、得られた混合物を水(200mL)中に注ぎ、分離させ、その有機相を乾燥させ(MgSO
4)、減圧下で溶媒を除去した。残留物を、ジクロロメタン(ヘキサン中80%)を溶離液として使用してシリカのショートプラグで濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を数滴のジクロロメタンを含有する熱ヘキサンから結晶化させ、ナフタレン−2,6−ジイルビス(トリフルオロメタンスルホネート)(5.67g、86%)を淡いピンク色の柱状物質として得た。
【0083】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(4.83g、23.6mmol)と、ナフタレン−2,6−ジイルビス(トリフルオロメタンスルホネート)(4g、9.4mmol)と、K
2CO
3(3.26g、23.6mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.54mg、5mol%)とのPhMe(40mL)及びEtOH(40mL)中の混合物をN
2下で72時間加熱還流した。得られた混合物を水(100mL)中に注ぎ、EtOAc(4×100mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧下で除去した。残留物に対して、MeOH(EtOAc中0〜10%)を溶離液を使用してシリカ上でクロマトグラフィーを行った。第1のバンドを収集し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAc/pet.エーテル(40〜60)とともに粉砕し、6−(4−ピリジル)−2−ナフトール(0.44g、21%)を黄色粉末として得た。第2のバンドを収集し、溶媒を減圧下で除去し、残留物に対してMeOH(EtOAc中0〜10%)を溶離液として使用して再度クロマトグラフィーを行った。第2のバンドを再び収集し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAc/pet.エーテル(40〜60)とともに粉砕して、2,6−ジ(4−ピリジル)ナフタレン(0.98g、37%)を淡黄色粉末として得た。
【0084】
2,6−ジ(4−ピリジル)ナフタレン(0.60g、2.1mmol)と1−ヨードヘキサン(2.25g、10.6mmol)とのMeCN(30mL)中の混合物を暗所で還流下、16時間加熱し、冷却し、濾過し、Et
2O(10mL)で洗浄して、4,4’−(ナフタレン−2,6−ジイル)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ジヨージド(1.44g、96%)を黄色粉末として得た。
【0085】
4,4’−(ナフタレン−2,6−ジイル)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ジヨージド(0.5g、0.7mmol)のMeOH(60mL)中の溶液を、NaBF
4(1.41g、12.8mmol)の水(100mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。得られた混合物を加熱して溶解させ、次に体積を減少させ、得られた沈殿物を濾過し、水(2×10mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(ナフタレン−2,6−ジイル)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)(0.42g、95%)を鮮黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.01(4H,d,J=7.2Hz),8.74(2H,d,J=1.6Hz),8.59(4H,d,J=7.2Hz),8.39(2H,d,J=8.4Hz),8.21(2H,dd,J=1.6及び8.4Hz),4.68(4H,t,J=7.6Hz),2.20〜2.00(m,4H),1.50〜1.30(m,12H),及び0.93(6H,t,J=7.6Hz)。
δ
F(376MHz CD
3OD−D
2O)−152.84〜−152.96。
【0086】
実施例3:4,4’−(1,4−フェニレン)ビス[1−(2−イソプロピルフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化24】
1,4−ジ(4−ピリジル)ベンゼン(1.00g、4.3mmol)及び2,4−ジニトロフェニルp−トルエンスルホネート(3.20g、13.8mmol)のMeCN(40mL)中の溶液を加熱還流した。16時間後、さらなる2,4−ジニトロフェニルp−トルエンスルホネート(0.50g)を加え、還流をさらに8時間続けた。得られた沈殿物を冷却し、濾過し、冷MeCN(30mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(1,4−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(p−トルエンスルホネート)(3.71g、95%)を淡黄色粉末として得た。
【0087】
4,4’−(1,4−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(p−トルエンスルホネート)(3.50g、3.85mmol)とNaBF
4(2.54g、23mmol)とのMeOH(150mL)及び水(100mL)中の懸濁液を室温で2時間撹拌し、次に濾過した。濾取物及びNaBF
4(2.54g、23mmol)をMeOH(150mL)及び水(100mL)中に懸濁させ、2時間撹拌し、濾過し、水(3×50mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(1,4−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(テトラフルオロボレート)(2.81g、95%)を淡黄色粉末として得た。
【0088】
4,4’−(1,4−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(テトラフルオロボレート)(1.40g、1.9mmol)と2−イソプロピルアニリン(1.53g、11.3mmol)とのMeOH(30mL)中の混合物を24時間加熱還流し、冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を熱EtOHとともに3回粉砕し、次に抽出物を冷却し、濾過した。残留物を、数滴の水を含有する熱EtOH中に溶解させ、濾過し、0℃まで冷却し、濾過し、冷EtOH(5mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(1,4−フェニレン)ビス[1−(2−イソプロピルフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(テトラフルオロボレート)(0.56g、46%)をクリーム色粉末として得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)9.41(4H,d,J=6.8Hz),8.87(4H,d,J=6.8Hz),8.54(4H,s),7.80〜7.66(m,6H),7.62〜7.52(m,2H),2.54〜2.44(m 2H DMSOシグナルによって部分的に不明瞭となった),及び1.22(6H,d,J=6.4Hz)。
δ
F(376MHzDMSO−d
6)−148.07〜−148.34。
【0089】
実施例4:4,4’−(パーフルオロ−1,4−フェニレン)ビス(1−(2−イソプロピルフェニル)ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化25】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(7.54g、36.8mmol)と、1,4−ジブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン(5.15g、16.7mmol)と、K
2CO
3(5.07g、36.8mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.96g、5mol)とのPhMe(50mL)及びEtOH(50mL)中の混合物をN
2下で48時間加熱還流した。得られた混合物を水(200mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(8×300mL)で抽出し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。残留物をPhMe/ヘキサンとともに2回粉砕し、ヘキサンで洗浄し、風乾して、4,4’−(パーフルオロ−1,4−フェニレン)ジピリジン(3.70g、73%)を黄褐色粉末として得た。
【0090】
4,4’−(パーフルオロ−1,4−フェニレン)ジピリジン(1.50g、4.9mmol)と2,4−ジニトロフェニルp−トルエンスルホネート(5.00g、14.8mmol)とのMeCN(40mL)中の溶液を加熱還流した。16時間後、さらなる2,4−ジニトロフェニルp−トルエンスルホネート(1.50g)を加え、還流をさらに24時間続けた。得られた沈殿物を冷却し、濾過し、冷MeCN(30mL)で洗浄し、風乾して淡黄色粉末として(3.82g)を得た。粗固体(3.63g、3.7mmol)とNaBF
4(2.45g、22.3mmol)とのMeOH(50mL)及び水(50mL)中の懸濁液を1時間加熱還流し、熱時濾過し、水(2×10mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(パーフルオロ−1,4−フェニレン)ビス(1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)(3.00g、100%)をクリーム色粉末として得た。
【0091】
4,4’−(パーフルオロ−1,4−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]テトラフルオロボレート(1.50g、1.53mmol)と2−イソプロピルアニリン(1.24g、9.2mmol)とのMeOH/水(6/1、35mL)中の混合物を4時間加熱還流し、冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を熱MeOH(10mL)とともに2回粉砕し、冷却し、濾過し、風乾して4,4’−(パーフルオロ−1,4−フェニレン)ビス(1−(2−イソプロピルフェニル)ピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)(0.89g、81%)をクリーム色粉末として得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)9.53(4H,d,J=6Hz),8.70(4H,d,J=6Hz),7.83〜7.72(m,6H),7.64〜7.53(m,2H),2.59〜2.49(m 2H DMSOシグナルによって部分的に不明瞭となった)及び1.230(6H,d,J=6.4Hz)。
δ
F(376MHz DMSO−d
6)−148.13〜−148.42.
【0092】
実施例5:1,1’’−ジヘキシル−2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化26】
4−(2,6−ジ−p−トリルピリリウム−4−イル)ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(A.Kanitz,M.Maleika,W.Roth 独国特許第10 2012 201 673号明細書)(4.00g、7.8mmol)と、4−アミノピリジン(0.88g、9.3mmol)と、NaOAc(2.56g、31.2mmol)とのプロパン−2−オール(60mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(100mL)を加えた。溶媒を除去し、MeOH(100mL)を加えた。得られた溶液を水(4L)で希釈し、溶媒の体積を減少させ、粘着性の沈殿物をセライトで濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をMeOH(10mL)中に溶解させ、高速で撹拌しながら水(70mL)に滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、風乾して2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(2.67g、68%)を黄色粉末として得た。
【0093】
2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(0.75g、1.5mmol)と1−ヨードヘキサン(6.30g、31mmol)とのMeCN(20mL)中の溶液を2日間加熱還流し、冷却し、溶媒を減少させ、Et
2Oを加えた。得られた沈殿物を最少量のMeCN中に溶解させ、及びEt
2Oを加えた。沈殿物を濾過し、Et
2Oで洗浄し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムテトラフルオロボレートジヨージド(1.08g、78%)を褐色粉末として得た。
【0094】
1,1’’−ジヘキシル−2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムテトラフルオロボレートジヨージド(1.06g、1.1mmol)のMeOH(5mL)中の溶液を、NaBF
4(2.25g、20.4mmol)の水(35mL)中の溶液に高速で撹拌しながら滴下した。得られた混合物を加熱し、高速で撹拌しながら冷却し、デカンテーションした。残留物をMeOH(10mL)中に溶解させ、高速で撹拌しながら水(40mL)を加えた。得られた沈殿物を濾過し、MeOH(10mL)中に溶解させ、高速で撹拌しながら水(40mL)を加えた。溶媒の体積を減少させ、デカンテーションした。残留物をMeCN(2mL)中に溶解させ、Et
2O(25mL)を加えた。得られた沈殿物を濾過し、Et
2Oで洗浄し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)(0.10g、9%)を褐色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.24(2H,d,J=6.4Hz),9.02(2H,d,J=6.4Hz),8.82(s,2H),8.73(2H,d,J=6.4Hz),8.24(2H,d,J=6.4Hz),7.45(4H,d,J=8Hz),7.28(4H,d,J=8Hz),4.74(2H,t,J=7.6Hz),4.58(2H,t,J=7.6Hz),2.34(s,6H),2.16〜2.04(m,2H),1.92〜1.77(m,2H),1.53〜1.24(m,10H),1.14〜1.02(m,2H),及び0.98〜0.88(m,6H)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−153.25〜−153.43。
【0095】
実施例6:2’,6’−ビス(4−フルオロフェニル)−1,1’’−ジヘキシル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化27】
粉砕したNaOH(11.22g、280.5mmol)を、4’−フルオロアセトフェノン(38.7g、280mmol)とピリジン−4−カルボキシアルデヒド(15.00g、140mmol)との混合物に粉砕しながら数回に分けて加えた。粉砕を5分間続け、得られた固体塊を熱MeOH/水(600mL、1:2)中に撹拌しながら懸濁させた。得られた混合物を0.5時間加熱し、冷却し、EtOAc(2×200mL)で抽出し、水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAc/ヘキサンとともに2回粉砕し、濾過し、ヘキサンで洗浄し、風乾して、1,5−ビス(4−フルオロフェニル)−3−(4−ピリジル)ペンタン−1,5−ジオン(37.33g、73%)を黄褐色粉末として得た。trans−カルコン(7.27g、35mmol)及び前述の黄褐色粉末(12.27g、33.6mmol)を熱AcOH(30mL)中にN
2下で溶解させた。撹拌しながらBF
3・Et
2O(69mL)を滴下し、加熱を6時間続けた。得られた混合物を冷却し、Et
2O(500mL)で希釈し、デカンテー−ションし、残留物をEt
2O(3×250mL)とともに粉砕し、濾過し、Et
2O(100mL)で洗浄し、風乾して4−[2,6−ビス(4−フルオロフェニル)ピリリウム−4−イル)ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)16.72g(95%)を黄土色粉末として得た。
【0096】
4−[2,6−ビス(4−フルオロフェニル)ピリリウム−4−イル]ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(4.06g、7.8mmol)と、4−アミノピリジン(0.88g、9.3mmol)と、NaOAc(2.56g、31.2mmol)とのプロパン−2−オール(60mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物に対してMeOH(EtOAc中10%)を溶離液として使用して中性アルミナ上でクロマトグラフィーを行った。蛍光性バンドを含有する画分を収集し、溶媒を減圧下で除去して、対イオンが不明の生成物(0.92g)を淡黄色粉末として得た。上記黄色粉末(0.80g、1.6mmol)と、1−ヨードヘキサン(3.98g、18.8mmol)とのMeCN(30mL)中の溶液をN
2下で2日間加熱還流し、冷却し、溶媒の体積を減少させた。Et
2O(40mL)を加え、沈殿物を濾過し、Et
2Oで洗浄し、風乾した。得られた褐色粉末をMeOH(40mL)中に溶解させ、NaBF
4(10.35g、94mmol)の水(50mL)中の溶液に高速で撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、溶媒の体積を減少させた。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、風乾した。得られた固体をEtOAcで洗浄し、濾過し、風乾した。MeOHから0℃で結晶化させて、2’,6’−ビス(4−フルオロフェニル)−1,1’’−ジヘキシル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)(0.41g、31%)を黄褐色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.26(2H,br.d,J=5.2Hz),9.06(2H,br.d,J=5.2Hz),8.91(br.s,2H),8.74(2H,br.d,J=5.2Hz),8.25(2H,br.d,J=5.2Hz),7.71〜7.58(br.m,4H),7.30〜7.14(br.m,4H),4.74(2H,br.t,J=6.8Hz),4.58(2H,br.t,J=6.8Hz),2.17〜2.03br.(m,2H),1.95〜1.80(br.m,2H),1.53〜1.20(br.m,10H),1.14〜1.00(br.m,2H),及び0.98〜0.84(br.m,6H)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−108.54、−153.10〜−153.40。
【0097】
実施例7:4,4’−(1,2−フェニレン)ビス[1−(2−イソプロピルフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化28】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(6.51g、31.8mmol)と、1,2−ジブロモベンゼン(3.00g、12.7mmol)と、K
2CO
3(4.38g、31.8mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.52g、3.5mol)との脱気したEtOH(30mL)及びPhMe(30mL)中の混合物をN
2下で12日間加熱還流し、冷却し、水(100mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(4×50mL)で抽出し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。残留物に対して、MeOH(DCM中0〜3%)を溶離液として使用してシリカ上のクロマトグラフィーを行った。溶媒を減圧下で除去し、残留物を熱EtOAc/ヘキサンから結晶化させて、黄褐色針状物質(2.15g)を得た。溶媒を減少させて第2の収集(0.29g)を行った。これら2つの収集を1つにまとめ、ジクロロメタン(100mL)中に溶解させ、HCl(2M、2×100mL)で抽出し、NaOH(2M)で中和し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAc/ヘキサンから結晶化させて、1,2−ビス(4−ピリジル)ベンゼン(1.66g、56%)を無色柱状物質として得た。濾液の体積を減少させて第2の収集(0.43g、14%)を行った。
【0098】
1,2−ジ(4−ピリジル)ベンゼン(1.00g、4.3mmol)と2,4−ジニトロフェニルp−トルエンスルホネート(3.64g、10.8mmol)とのMeCN(40mL)中の混合物をN
2下で撹拌しながら16時間加熱還流した。得られた沈殿物を濾過し、MeCN(10mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(1,2−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(p−トルエンスルホネート)(3.20g、82%)を淡黄色粉末として得た。
【0099】
4,4’−(1,2−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(p−トルエンスルホネート)(3.00g、3.3mmol)の熱MeOH(20mL)中の溶液を、NaBF
4の水(10mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。得られた沈殿物を濾過し、水(10mL)で洗浄し、熱MeOH(20mL)中に溶解させ、NaBF
4の水(10mL)中の溶液に滴下し、高温で10分間撹拌し、次に冷却した。沈殿物を濾過し、水(10mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(1,2−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(テトラフルオロボレート)(2.33g、95%)を淡黄色粉末として得た。
【0100】
4,4’−(1,2−フェニレン)ビス[1−(2,4−ジニトロフェニル)ピリジン−1−イウム]テトラフルオロボレート(1.4g、1.9mmol)と2−イソプロピルアニリン(1.53g、11.3mmol)とのMeOH(30mL)中の溶液を24時間加熱還流し、次に冷却した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を熱EtOHとともに3回粉砕した。冷却後、濾過によって、4,4’−(1,2−フェニレン)ビス[1−(2−イソプロピルフェニル)ピリジン−1−イウム]ビス(テトラフルオロボレート)(1.04g、85%)をクリーム色粉末として得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)9.21(4H,d,J=6.4Hz),8.220(4H,d,J=6.4Hz),8.00〜7.87(m,4H),7.77〜7.66(m,4H),7.61〜7.48(m,4H),2.45〜2.33(m,2H),及び1.135(12H,d,J=6.8Hz)。
δ
F(376MHz DMSO−d
6)−148.11〜−148.37。
【0101】
実施例8:1,1’’−ジヘキシル−4’,6’−ジ−p−トリル−[4,l’:2’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化29】
4,4’−ジメチルカルコン(8.00g、33.9mmol)と、粉砕したNaOH(1.36g、34mmol)との混合物を20分間粉砕し、残留物をMeOH(200mL)中に溶解させ、水(200mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(4×200mL)で抽出した。乾燥(Na
2SO
4)の後、溶媒を減圧下で除去した。残留物に対して、MeOH(DCM中0〜3%)を溶離液として使用してシリカ上でクロマトグラフィーを行った。第2のバンドを収集し、溶媒を減圧下で除去して、1−(4−ピリジル)−3,5−ジ−p−トリルペンタン−1,5−ジオン(6.36g)を淡黄色粉末として得た。
【0102】
BF
3・Et
2O(30mL)を、1−(4−ピリジル)−3,5−ジ−p−トリルペンタン−1,5−ジオン(6.36g、17.8mmol)とtrans−カルコン(4.22g、20.3mmol)とのAcOH(13mL)中の還流溶液にN
2下で滴下した。加熱を6時間続け,次に混合物を冷却し、Et
2O(150mL)で希釈し、10分間撹拌し、濾過した。残留物を熱AcOHとともに2回粉砕し、冷却し、沈殿生成物を濾過し、Et
2O(4×50mL)で洗浄し、風乾して、2−(4,6−ジ−p−トリルピリリウム−4−イル)ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(5.92g、65%)をオレンジ色粉末として得た。
【0103】
2−(4,6−ジ−p−トリルピリリウム−4−イル)ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(4.00g、7.8mmol)と、4−アミノピリジン(0.88g、9.3mmol)と、NaOAc(2.56g、31.2mmol)とのプロパン−2−オール(60mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(100mL)を加えた。溶媒の体積を減少させ、得られた沈殿物を濾過し、水(2×50mL)で洗浄し、風乾して4’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:2’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(3.64g、93%)を黄褐色粉末として得た。
【0104】
4’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:2’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(1.20g、2.4mmol)と、1−ヨードヘキサン(6.09g、28.7mmol)とのMeCN(30mL)中の溶液をN
2下で2日間加熱還流し、冷却し、溶媒の体積を減少させた。Et
2O(40mL)を加え、得られた沈殿物を濾過し、Et
2O(3×30mL)で洗浄し、風乾した。得られたオレンジ色粉末をMeOH(20mL)中に溶解させ、NaBF
4(15.80g、144mmol)の水(30mL)中の溶液に高速で撹拌しながら滴下した。得られた混合物を加熱して溶解させ、冷却し、溶媒の体積を減少させた。得られた沈殿物を濾過し、熱MeOH(10mL)中に溶解させ、水(150mL)中のNaBF
4(15.80g、144mmol)に高速で撹拌しながら滴下した。得られた沈殿物を濾過し、水(2×50mL)で洗浄し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−4’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:2’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)(1.71g、85%)を黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)9.19(2H,d,J=6.4Hz),9.08(d,2H,6.8Hz),8.96〜8.89(m,2H),8.38(2H,d,J=6.8Hz),8.32(2H,d,J=8.0Hz),8.23(2H,d,J=6.4Hz),7.54(2H,d,J=8.0Hz),7.36(2H,d,J=8.0Hz),7.26(2H,d,J=8.0Hz),4.60(2H,t,J=7.2Hz),4.52(2H,t,J=6.8Hz),2.46(s,3H),2.29(s,3H),1.94〜1.81(m,2H),1.80〜1.69(m,2H),1.33〜1.14(m,10H),及び0.99〜0.80(m,8H)。
δ
F(376MHz DMSO−d
6)−148.17〜−148.34。
【0105】
実施例9:4,4’−(1,2−フェニレン)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化30】
1,2−ジ(4−ピリジル)ベンゼン(0.61g、2.6mmol)と1−ヨードヘキサン(3.34g、15.8mmol)とのMeCN(40mL)中の溶液をN
2下、暗所で16時間加熱還流した。冷却後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEt
2O(3×30mL)とともに粉砕し、風乾して、1.67gの黄褐色粉末を得た。この粉末をMeOH(5mL)中に溶解させ、NaBF
4(1.73g、15.8mmol)の水(30mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、水(2×15mL)で洗浄し、熱水(200mL)中に溶解させた。濾紙で濾過した後、溶液を冷却し、水(100mL)中のNaBF
4(1.73g、15.8mmol)を撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を濾過し、水(15mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(1,2−フェニレン)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)(0.90g、60%)を淡黄色粉末として得た。
δ
H(400MHzDMSO−d
6)8.95(4H,d,J=6.4Hz),7.97(4H,d,J=6.4Hz),7.86〜7.72(m,4H),4.540(4H,t,J=7.6Hz),1.95〜1.79(m,4H),1.35〜1.20(m,12H),及び0.86(6H,t,J=6.4Hz)。
δ
F(376MHzDMSO−d
6)−148.10〜−148.34。
【0106】
実施例10:4,4’−(5,6,8,9−テトラヒドロジベンゾ[c,h]アクリジン−14−イウム−7,14−ジイル)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)トリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化31】
4−(5,6,8,9−テトラヒドロジベンゾ[c,h]キサンテン−14−イウム−7−イル)ピリジン−1−イウムテトラフルオロボレート(A.Kanitz,M.Maleika,W.Roth 独国特許第10 2012 201 673号明細書)(4.18g、7.8mmol)と、4−アミノピリジン(0.88g、9.3mmol)と、NaOAc(2.56g、31.2mmol)とのプロパン−2−オール(60mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(200mL)を加え、得られた沈殿物を濾過し、水(2×30mL)で洗浄し、風乾した。得られた固体を熱EtOH(30mL)とともに粉砕し、冷却し、濾過し、EtOHで洗浄し、風乾して、7,14−ジ(4−ピリジル)−5,6,8,9−テトラヒドロジベンゾ[c,h]アクリジン−14−イウムテトラフルオロボレート(2.59g、63%)蛍光ライムグリーンの粉末として得た。
【0107】
7,14−ジ(ピリジン−4−イル)−5,6,8,9−テトラヒドロジベンゾ[c,h]アクリジン−14−イウムテトラフルオロボレート(1.00g、1.9mmol)と1−ヨードヘキサン(4.84g、22.8mmol)とのMeCN(40mL)中の溶液を暗所で、N
2下で、2日間加熱還流した。冷却後、溶媒の体積を減少させ、混合物をEt
2Oで希釈し、得られた沈殿物を濾過し、Et
2O(3×30mL)で洗浄し、風乾して、1.64gの赤色粉末を得た。この粉末を最少量のMeOH(10mL)中に溶解させ、NaBF
4(12.57g、114mmol)の水(80mL)中の溶液に高速で撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、その後、得られた沈殿物を濾過によって収集した。沈殿物を水(1.5L)中に溶解させ、得られた溶液をセライトで濾過した。NaBF
4(12.57g、114mmol)を濾液に撹拌しながら加えた。撹拌を10分間続けた後、得られた沈殿物を濾過によって収集した。沈殿物をMeOH(20mL)中に溶解させ、水(100mL)中のNaBF
4(12.57g、114mmol)に撹拌しながら滴下した。得られた沈殿物を濾過し、水(2×5mL)で洗浄し、風乾した。沈殿物をプロパン−2−オール(20mL)中に懸濁させ、加熱し、溶媒をデカンテーションして、残留物を最少量の熱MeOH中に溶解させた。プロパン−2−オール(30mL)を上記メタノール溶液に加え、得られた沈殿物を濾過し、プロパン−2−オール(2×5mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−(5,6,8,9−テトラヒドロジベンゾ[c,h]アクリジン−14−イウム−7,14−ジイル)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)トリス(テトラフルオロボレート)(0.37g、22%)をライムグリーンの蛍光粉末を得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)9.37(2H,d,J=6.4Hz),9.30(2H,d,J=6.8Hz),8.60(2H,d,J=6.8Hz),8.34(2H,d,J=6.4Hz),7.55(2H,d,J=8.0Hz),7.46(2H,dt,J=0.8及び8Hz),7.06(2H,dt,J=0.8及び8.0Hz),6.52(2H,d,J=8.0Hz),4.79〜4.59(m,4H),3.10〜3.92(m,4H),3.88〜3.73(m,4H),2.11〜2.87(m,4H),1.48〜1.11(m,12H),及び0.97〜0.81(m,6H)。
δ
F(376MHz DMSO−d
6)δ−148.13〜−148.32。
【0108】
実施例11:4,4’,4’’,4’’’−(ベンゼン−1,2,4,5−テトライル)テトラキス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)テトラキス(テトラフルオロボレート)の合成
【化32】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(5.20g、25.4mmol)と、1,2,4,5−テトラブロモベンゼン(2.00g、5.1mmol)と、K
2CO
3(3.50g、25.4mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.293g、5mol)との脱気したEtOH(80mL)及びPhMe(80mL)中の混合物をN
2下で6日間加熱還流した。さらなる4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.60g、12.7mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.293g、5mol)、及びK
2CO
3(1.75g、12.7mmol)を加え、還流を2日間続けた。得られた混合物を冷却し、水(100mL)を加え、その混合物をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。抽出物を水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。残留物に対して、MeOH(EtOAc中20〜30%)を溶離液として使用してシリカ上で2回クロマトグラフィーを行った。第4のバンドを収集し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をMeOH(ジクロロメタン中10%)中に溶解させ、シリカのプラグで濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAcで洗浄して、1,2,4,5−テトラ(4−ピリジル)ベンゼン(1.27g、65%)を無色粉末として得た。第3の画分からは4,4’,4’’−(ベンゼン−1,2,4−トリイル)トリピリジン(0.05g、3%)を得た。
【0109】
1,2,4,5−テトラ(4−ピリジル)ベンゼン(0.40g、1mmol)と1−ヨードヘキサン(8.79g、41.5mmol)とのMeCN(60mL)中の溶液を暗所でN
2下、4日間加熱還流した。得られた混合物を冷却し、Et
2Oで希釈し、得られた沈殿物を濾過した。残留物を熱MeCN中に溶解させ、冷却し、Et
2Oで希釈した。生成物を濾過し、Et
2Oで洗浄し、風乾して、4,4’,4’’,4’’’−(ベンゼン−1,2,4,5−テトライル)テトラキス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)テトラヨージド(1.02g、80%)をオレンジ色粉末として得た。
【0110】
4,4’,4’’,4’’’−(ベンゼン−1,2,4,5−テトライル)テトラキス(l−ヘキシルピリジン−1−イウム)テトラヨージド(1.00g、0.8mmol)のMeOH(5mL)中の溶液を、NaBF
4(2.85g、25.9mmol)の水(20mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、水(3×5mL)で洗浄し、風乾した。残留物をMeOH(20mL)から−10℃で結晶化させ、濾過し、冷MeOH(5mL)、Et
2O(20mL)で洗浄し、風乾して、4,4’,4’’,4’’’−(ベンゼン−1,2,4,5−テトライル)テトラキス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)テトラキス(テトラフルオロボレート)(0.57g、65%)を灰色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)8.91(8H,d,J=6.4Hz),8.17(s,2H),8.06(8H,d,J=6.4Hz),4.605(8H,t,J=7.6Hz),2.15〜2.00(m,8H),1.52〜1.30(m,24H),及び0.92(12H,t,J=6.8Hz)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−153.31〜−153.39。
【0111】
実施例12:1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化33】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(4.64g、22.6mmol)と、2,5−ジブロモピリジン(2.44g、10mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.59g、0.51mmol、5mol%)と、K
2CO
3(3.12g、22.6mmol)との脱気したEtOH(50mL)及びPhMe(50mL)中の混合物をN
2下で5日間加熱還流し、冷却し、水(100mL)で希釈し、DCM(4×100mL)で抽出した。その有機部分を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で溶媒を除去すると、黄色固体が得られ、これをトルエン/ヘキサンから再結晶させて、淡褐色固体(2.23g)を得た。この固体に対して、シリカ上のクロマトグラフィーを行い、酢酸エチル中10%のMeOHで溶離させた。溶媒を除去して、4,2’:5’,4’’−テルピリジンを白色粉末(2.01g、86.1%)として得た。
【0112】
上記4,2’:5’,4’’−テルピリジン(1.90g、8.15mmol)を1−ヨードヘキサン(6.0mL、41mmol)のMeCN(50mL)中の撹拌溶液に加えた。混合物をN
2下、暗所で3日間加熱還流し、次に室温まで冷却した。溶媒を真空下で除去すると赤色固体が得られ、これをEt
2Oで洗浄して、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムジヨージドを赤色粉末(5.24g、97.8%)として得た。
【0113】
上記1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムヨージド(5.0g、7.61mmol)のMeOH(100mL)中の濾過溶液を、NaBF
4(5.01g、45.7mmol)の水(50mL)中の撹拌溶液に滴下し、その混合物を0.5時間撹拌した。上記混合物を、NaBF
4(2.51g、22.8mmol)の水(200mL)中の溶液に注ぎ、得られた沈殿物を濾過によって収集した。沈殿物をMeOH(200mL)中に溶解させ、NaBF
4(7.52g、68.5mmol)の水(200mL)中の撹拌溶液にゆっくりと加え、次にセライトで濾過し、沈殿するまで濃縮した。沈殿物を濾過し、風乾し、続いて真空オーブン(60℃、25mbar)中で終夜乾燥させて、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)をクリーム色粉末(3.53g、80.4%)として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.45(1H,d,J=1.8Hz),9.12(4H,m),8.89(2H,d,J=6.9Hz),8.69(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),8.60(3H,m),4.70(4H,t,J=7.6Hz),2.10(4H,m),1.43(12H,m),0.95(6H,m)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−153.53〜−154.58。
【0114】
実施例13:1,1’’−ジヘキシル−1’−メチル−[4,2’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレートの合成
【化34】
1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムテトラフルオロボレート(2.50g、4.33mmol)とMe
3OBF
4(1.28g、8.66mmol)とのジクロロメタン(60mL)中の混合物をN
2下、室温で4日間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、次にメタノールとともに粉砕した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−1’−メチル−[4,2’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムテトラフルオロボレートを白色粉末(2.30g、78.2%)として得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)10.01(1H,s),9.42(5H,m),8.20(2H,d,J=6.4Hz),8.51(3H,m),4.75(2H,t,J=7.3Hz),4.69(2H,d,J=7.3Hz),4.30(3H,s),2.00(4H,m),1.33(12H,bs),0.91(6H,m)。
δ
F(376MHz DMSO−d
6)−148.18〜−148.24。
【0115】
実施例14 4−[4−(1−ヘキシルピリジン−1−イウム−4−イル)フェニル]−1,2,6−トリ−p−トリルピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化35】
粉砕したNaOH(0.87g、10.9mmol)を、4’−メチルアセトフェノン(2.93g、21.9mmol)と4−(4−ピリジル)ベンズアルデヒド(2.00g、10.9mmol)との混合物に粉砕しながら数回に分けて加えた。0.5時間後、水(50mL)及びEtOAc(50mL)を加え、相を分離させた。その水相をEtOAc(50mL)で抽出し、有機相を1つにまとめたものを水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na
2SO
4)。溶媒を減圧下で除去した。残留物に対して、EtOAc(ヘキサン中70%)を溶離液として使用してシリカ上のクロマトグラフィーを行った。画分を減圧下で蒸発させてゴム状固体を得た。三フッ化ホウ素エーテラート(16mL)を、上記固体とtrans−カルコン(2.27g、10.9mmol)とのAcOH(7mL)中の熱撹拌溶液にN
2下で滴下した。得られた溶液を90分間加熱還流して、冷却し、Et
2O(30mL)で希釈した。残留物を濾過し、Et
2O(3×50mL)で洗浄し、風乾して、4−[4−(2,6−ジ−p−トリルピリリウム−4−イル)フェニル]ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(1.94g、53%)を黄色粉末として得た。
【0116】
4−[4−(2,6−ジ−p−トリルピリリウム−4−イル)フェニル]ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(0.80g、1.36mmol)と、p−トルイジン(0.21g、2mmol)と、NaOAc(0.52g、6.3mmol)とのプロパン−2−オール(30mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(80mL)を加えた。得られた沈殿物を濾過し、水(2×20mL)で洗浄し、風乾した。その固体をEtOAc(40mL)中に溶解させ、高速で撹拌するヘキサン(700mL)中に注いだ。沈殿した生成物を濾過し、ヘキサンで洗浄し、風乾して、4−[4−(ピリジン−4−イル)フェニル]−1,2,6−トリ−p−トリルピリジン−1−イウムテトラフルオロボレート(0.51g、64%)をクリーム色の粉末として得た。
【0117】
4−[4−(ピリジン−4−イル)フェニル]−1,2,6−トリ−p−トリルピリジン−1−イウムテトラフルオロボレート(0.40g、0.68mmol)と1−ヨードヘキサン(0.43g、2mmol)とのMeCN(30mL)中の溶液を暗所で、N
2下、16時間加熱還流し、その後、溶媒を除去した。残留物をEt
2O(3×15mL)で洗浄し、風乾して、4−[4−(1−ヘキシルピリジン−1−イウム−4−イル)フェニル]−1,2,6−トリ−p−トリルピリジン−1−イウムヨージドテトラフルオロボレート(0.55g、98%)を黄色粉末として得た。
【0118】
4−[4−(1−ヘキシルピリジン−1−イウム−4−イル)フェニル]−1,2,6−トリ−p−トリルピリジン−1−イウムヨージドテトラフルオロボレート(0.50g、0.62mmol)のMeOH(5mL)中の溶液を、水(30mL)中のNaBF
4(0.68g、6.2mmol)に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、水(2×2mL)で洗浄し、風乾して、表題化合物(0.47g、100%)を黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.02(2H,d,J=6.8Hz),8.49(4H,m),8.37(2H,d,J=8.5Hz),8.26(2H,d,J=8.5Hz),7.32(4H,d,J=8.1Hz),7.17(6H,m),7.03(2H,d,J=8.2Hz),6.64(2H,t,J=7.5Hz),2.32(6H,s),2.22(3H,s),2.06(2H,m),1.40(6H,m),0.93(3H,t,J=6.9Hz)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−154.32〜−154.37。
【0119】
実施例15 1’−ヘキシル−4−[4−(1−ヘキシルピリジン−1−イウム−4−イル)フェニル]−2,6−ジ−p−トリル−[1,4’−ビピリジン]−1,1’−ジイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化36】
4−[4−(ピリジン−4−イル)フェニル]−1,2,6−トリ−p−トリルピリジン−1−イウムテトラフルオロボレート(1.09g、1.8mmol)と、4−アミノピリジン(0.21g、22mmol)と、NaOAc(0.61g、7.4mmol)とのプロパン−2−オール(30mL)中の溶液を16時間加熱還流し、次に冷却し、水(60mL)を加えた。得られた溶液を水(4L)中に撹拌しながら注いだ。得られた混合物をセライトパッドで濾過した。このセライトを次にMeOH(150mL)で洗浄し、そのメタノール洗液を水(3L)中に撹拌しながら注いだ。得られた混合物をセライトで濾過した。濾液を1つにまとめ、その溶媒を減圧下で除去した。残留物をMeOH−水(30mL、2:1)中に溶解させ、NaBF(0.94g、10.8mmol)の水(100mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、風乾して、4−[4−(ピリジン−4−イル)フェニル]−2,6−ジ−p−トリル−[1,4’−ビピリジン]−1−イウムテトラフルオロボレート(0.73g、68%)を淡黄色粉末として得た。
【0120】
4−[4−(ピリジン−4−イル)フェニル]−2,6−ジ−p−トリル−[1,4’−ビピリジン]−1−イウムテトラフルオロボレート(0.60g、1mmol)と1−ヨードヘキサン(2.64g、12.4mmol)とのMeCN(25mL)中の溶液を暗所でN
2下、3日間加熱還流し、次に冷却し、Et
2O(10mL)で希釈した。得られた沈殿物を濾過し、Et
2O(3×10mL)で洗浄し、風乾して、1’−ヘキシル−4−[4−(1−ヘキシルピリジン−1−イウム−4−イル)フェニル]−2,6−ジ−p−トリル−[1,4’−ビピリジン]−1,1’−ジイウムジヨージドテトラフルオロボレート(1.01g、97%)をオレンジ色粉末として得た。
【0121】
1’−ヘキシル−4−[4−(1−ヘキシルピリジン−1−イウム−4−イル)フェニル]−2,6−ジ−p−トリル−[1,4’−ビピリジン]−1,1’−ジイウムジヨージドテトラフルオロボレート(0.81g、0.81mmol)の熱MeOH(50mL)中の溶液を、NaBF
4(1.78g、5.34mmol)の水(50mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。得られた混合物を加熱して溶解させ、次に冷却した。得られた沈殿物を濾過し、水(3×20mL)で洗浄し、風乾した。得られた固体を熱MeOH(10mL)から再結晶させ、風乾して、表題化合物(0.47g、63%)を黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz (CD
3)
2CO)9.21(2H,d,J=6.5Hz),9.16(2H,d,J=6.5Hz),8.73(2H,s),8.66(2H,d,J=6.4Hz),8.53(4H,m),8.34(2H,d,J=8.3Hz),7.52(4H,d,J=8.0Hz),7.26(4H,d,J=7.9Hz),4.84(2H,t,J=7.5Hz),4.77(2H,t,J=6.8Hz),2.15(2H,m),2.04(6H,s),1.96(2H,m),1.45(2H,m),1.34(8H,m),1.13(2H,bm),0.87(6H,m)。
δ
F(376MHz(CD
3)
2CO)−150.99〜−151.05。
【0122】
実施例16:1,1’’−ジヘキシル−2’,6’−ジフェニル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化37】
4−(2,6−ジフェニルピリリウム−4−イル)ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)ビス(テトラフルオロボレート)(C.Reichardt,D.Che,G.Heckenkemper and G.Schafer,Eur.J.Org.Chem.,2001,2343)(2.00g、4.2mmol)と、4−アミノピリジン(0.48g、5.1mmol)と、NaOAc(1.39g、16.9mmol)とのプロパン−2−オール(40mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(2.5L)中に撹拌しながら注いだ。得られた混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をMeOH(10mL)中に溶解させ、NaBF
4(13.86g、126mmol)の水(250mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、水(2×5mL)で洗浄し、風乾して、2’,6’−ジフェニル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(1.05g、52%)を黄色粉末として得た。
【0123】
2’,6’−ジフェニル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(0.80g、1.7mmol)と1−ヨードヘキサン(3.58g、16.9mmol)とのMeCN(40mL)中の溶液を暗所でN
2下、3日間加熱還流した。冷却後、溶媒を減少させ、残留物をEt
2O(3×10mL)とともに粉砕した。得られた固体をMeOH(10mL)中に溶解させたものを、水(200mL)中のNaBF
4(4.46g、40.5mmol)に撹拌しながら滴下した。得られた混合物を加熱して溶解させ、濾紙で濾過し、溶媒の体積を約100mLまで減少させた。NaBF
4(4.46g、40.5mmol)を加え、得られた沈殿物を濾過し、水(20mL)で洗浄し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−2’,6’−ジフェニル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)(0.58g、42%)を黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.23(2H,d,J=6.4Hz),8.989(2H,d,J=6.4Hz),8.85(s,2H),8.71(2H,d,J=6.4Hz),8.23(2H,d,J=6.4Hz),7.64〜7.37(m,10H),4.37(2H,t,J=7.6Hz),4.54(2H,t,J=7.2Hz),2.18〜1.99(m,2H),1.90〜1.75(m,2H),1.53〜1.18(m,10H),1.12〜0.98(m,2H),0.98〜0.84(m,6H)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−153.08〜−153.27。
【0124】
実施例17:2’,6’−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレートの合成
【化38】
BF
3・Et
2O(14.6g、103mmol)を、3−(4−ピリジル)−1,5−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1,5−ジオン(E.L.Clennan,C.Liao and E.Ayokosok,J.Am.Chem.Soc.,2008,130,7552)(6g、12.9mmol)とtrans−カルコン(2.95g、14.2mmol)とのAcOH(10mL)中の熱溶液に滴下した、を加えた。得られた溶液を6時間加熱還流し、混合物を冷却し、Et
2O(60mL)で希釈し、濾過した。残留物をEt
2O(50mL)で洗浄し、風乾した。残留物を熱AcOH(50mL)とともに粉砕し、冷却し、濾過し、Et
2O(2×50mL)で洗浄し、風乾して、4−{2,6−ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリリウム−4−イル}ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(5.43g、68%)が黄色粉末として得られ、これは静置すると緑色に変化し、これを次のステップで直ちに使用した。
【0125】
4−{2,6−ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリリウム−4−イル}ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(5.43g、8.7mmol)と、4−アミノピリジン(0.98g、10.4mmol)と、NaOAc(2.87g、35mmol)とのプロパン−2−オール(40mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(200mL)で希釈した。得られた沈殿物を濾過し、水(2×50mL)で洗浄した。残留物をMeOH(150mL)中に溶解させ、水(5L)に撹拌しながら滴下した。得られた混合物をセライトで濾過し、その溶媒の体積を減少させた。得られた沈殿物を濾過し、MeOH(25mL)中に溶解させ、NaBF
4(5.65g、51.4mmol)の水(250mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、風乾して、2’,6’−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(3.11g、58%)を淡黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)8.84(2H,d,J=5.6Hz),8.80(s,2H),8.50(2H,s,J=5.6Hz),8.14(2H,d,J=5.6Hz),7.82〜7.66(m,8H),及び7.53(2H,d,J=5.6Hz)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−64.65,−153.16〜−153.27。
【0126】
実施例18:2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレートの合成
【化39】
4−[2,6−ジ(4−メチルフェニル)ピリリウム−4−イル]ピリジン−1−イウムビス(テトラフルオロボレート)(S.Aiken,D.L.Crossley,C.D.Gabbutt,B.M.Heron,C.Biver,S.Archambeau and F.Berit−Debat,欧州特許出願公開第2848668A1号明細書)(4g、7.8mmol)と、4−アミノピリジン(0.88g、9.3mmol)と、NaOAc(2.56g、31.2mmol)とのプロパン−2−オール(60mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(100mL)を加えた。溶媒を除去し、MeOH(100mL)を加えた。得られた溶液を水(4L)で希釈し、溶媒の体積を減少させ、得られた粘着性沈殿物をセライトで濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をMeOH(10mL)中に溶解させ、水(70mL)に高速で撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、風乾して2’,6’−ジ−p−トリル−[4,1’:4’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(2.67g、68%)を黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)8.87(2H,d,J=6.4Hz),8.66(s,2H),8.48(2H,d,J=6.4Hz),8.15(2H,d,J=6.4Hz),7.45(2H,d,J=6.4Hz),7.36(4H,d,J=8.4Hz),及び7.24(4H,d,J=8.4Hz)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−154.31〜−154.44。
【0127】
実施例19:1,1’’−ジヘキシル−4’−(1−ヘキシルピリジン−1−イウム−4−イル)−6’−(p−トリル)−[4,1’:2’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムテトラキス(テトラフルオロボレート)の合成
【化40】
水(10ml)中の水酸化ナトリウム(0.16g、4mmol)を、trans−3−(4−ピリジル)−1−(p−トリル)プロパ−2−エン−1−オン(5.17g、23.2mmol)と4−アセチルピリジン(2.81g、23.3mmol)とのMeOH(80mL)中の0℃の溶液に撹拌しながら加えた。撹拌を室温で16時間続けた。水(100mL)を加え、得られた混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。残留物に対して、MeOH(EtOAc中10%)を溶離液として使用してシリカ上でクロマトグラフィーを行った。R
f=0.5となる画分を収集し、溶媒を減圧下で除去すると、1,3−ジ(4−ピリジル)−5−(p−トリル)ペンタン−1,5−ジオン(0.79g、10%)が淡黄色ガム状物質として得られ、これは静置すると固化した。
【0128】
BF
3・Et
2O(23g、162mmol)を、1,3−ジ(4−ピリジル)−5−(p−トリル)ペンタン−1,5−ジオン(3.65g、10.6mmol)とtrans−カルコン(2.54g、12.2mmol)との熱AcOH(9mL)中の熱溶液に撹拌しながら滴下した。得られた溶液を6時間加熱還流し、その混合物を冷却し、Et
2O(150ml)で希釈し、濾過した。残留物をEt
2O(2×50mL)で洗浄し、風乾した。この粗生成物を熱AcOH(50mL)から結晶化させ、濾過し、AcOH(20mL)及びEt
2O(3×50mL)で洗浄し、風乾すると、4,4’−[6−(p−トリル)ピリリウム−2,4−ジイル]ビス(ピリジン−1−イウム)トリス(テトラフルオロボレート)(3.75g、60%)がオレンジ色粉末として得られ、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0129】
4,4’−[6−(p−トリル)ピリリウム−2,4−ジイル]ビス(ピリジン−1−イウム)トリス(テトラフルオロボレート)(3.00g、5.1mmol)と、4−アミノピリジン(0.57g、6mmol)と、NaOAc(2.51g、30.6mmol)とのプロパン−2−オール(30mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(150mL)で希釈し、次に水(800mL)中に撹拌しながら注いだ。得られた混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その残留物をMeOH(30mL)中に溶解させ、水(40mL)を加えた。溶媒デカンテーションし、残留物を風乾して、4’−(4−ピリジル)−6’−(p−トリル)−[4,1’:2’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(1.80g、72%)を褐色非晶質固体として得た。
【0130】
4’−(4−ピリジル)−6’−(p−トリル)−[4,1’:2’,4’’−テルピリジン]−1’−イウムテトラフルオロボレート(1.72g、3.5mmol)と1−ヨードヘキサン(6.72g、31.7mmol)とのMeCN(40mL)中の溶液をN
2下、暗所で2日間加熱還流し、冷却し、濾過した。その溶媒の体積を減少させ、残留物をEt
2O(2×80mL)で洗浄した。生成物を濾過し、風乾した。生成物をMeOH(150mL)中に溶解させ、NaBF
4(6.20g、56mmol)の水(1.5L)中の溶液に撹拌しながら滴下した。得られた沈殿物を濾過した。濾取物をMeCN(40mL)中に溶解させ、Et
2O(500mL)に高速で撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を濾過し、Et
2O(2×50mL)で洗浄し、風乾して、表題化合物(0.85g、32%)を灰色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.28(2H,d,J=6.7Hz),9.06(6H,m),8.72(2H,d,J=6.5Hz),8.27(4H,d,J=4.7Hz),7.46(2H,d,J=8.2Hz),7.30(2H,d,J=8.1Hz),4.74(2H,t,J=7.6Hz),4.58(4H,m),2.35(3H,s),1.99(6H,m),1.37(18H,bm),0.93(9H,m)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−152.92〜−152.97。
【0131】
実施例20:4,4’−{2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]キノリン−1−イウム−1,4−ジイル}ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)トリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化41】
trans−3−(4−ピリジル)−1−(p−トリル)プロパ−2−エン−1−オン(2.50g、11.2mmol)とNaOH(5.60g、140mmol)との混合物を粉砕して微粉末にした。1−テトラロン(1.54g、11.2mmol)を加え、粉砕を20分間続けた。得られたゴム状固体を温EtOH(100mL)中に溶解させ、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×50mL)で抽出した。1つにまとめた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、その溶媒を減圧下で除去した。残留物を熱EtOHから結晶化させ、濾過し、風乾して、2−[3−オキソ−1−(4−ピリジル)−3−(p−トリル)プロピル]−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(0.96g、23%)を淡黄褐色粉末として得た。濾液を減圧下で蒸発させ、残留物に対して、EtOAc(ヘキサン中25〜80%)を溶離液として使用してシリカ上のクロマトグラフィーを行った。R
f=0.6(ヘキサン中80%のEtOAc)となるバンドを収集し、その溶媒を減圧下で除去すると、第2の収集(1.77g、43%)がオレンジ色ゴム状物質として行われ、これを前述の固体とまとめて、さらに精製せずに使用した。
【0132】
BF
3・Et
2O(12.3mL、87mmol)を、2−[3−オキソ−1−(4−ピリジル)−3−(p−トリル)プロピル]−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(2.73g、7.4mmol)とtrans−カルコン(1.74g、8.4mmol)との熱AcOH(6mL)中の熱溶液に撹拌しながら滴下した。得られた溶液を3時間加熱還流し、混合物を冷却し、Et
2O(120mL)で希釈し、濾過した。残留物を熱AcOH(40mL)とともに粉砕した。冷却後、沈殿物を濾過によって収集し、AcOH(10mL)、Et
2O(3×50mL)で洗浄し、風乾して、4−(2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]クロメン−1−イウム−4−イル)ピリジン−1−イウム−2−イドビス(テトラフルオロボレート)(2.84g、73%)をオレンジ色粉末として得た。
【0133】
4−(2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]クロメン−1−イウム−4−イル)ピリジン−1−イウム−2−イドビス(テトラフルオロボレート)(2.61g、5mmol)と、4−アミノピリジン(0.56g、6mmol)と、NaOAc(1.63g、19.9mmol)とのプロパン−2−オール(40mL)中の溶液を16時間加熱還流し、冷却し、水(2L)で希釈し、セライトで濾過した。その溶媒を減圧下で除去し、残留物を最少量のMeOH中に溶解させ、NaBF
4(1.64g、14.9mmol)の水(200mL)中の溶液に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、その後、沈殿物を濾過によって収集し、水(2×10mL)で洗浄し、風乾して、1,4−ジ(4−ピリジル)−2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]キノリン−1−イウムテトラフルオロボレート(2.17g、85%)を黄色粉末として得た。
【0134】
上記1,4−ジ(4−ピリジル)−2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]キノリン−1−イウムテトラフルオロボレート(1.50g、2.9mmol)と1−ヨードヘキサン(3.72g、17.5mmol)とのMeCN(40mL)中の溶液をN
2下、暗所で2日間加熱還流した。冷却後、溶媒の体積を減少させ(約20mL)、Et
2O(50mL)で希釈し、濾過した。その残留物をEt
2O(3×30mL)で洗浄し、風乾して、4,4’−{2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]キノリン−1−イウム−1,4−ジイル}ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)ビス(テトラフルオロボレート)ヨージド(2.40g、88%)を暗いオレンジ色の粉末を得た。
【0135】
4,4’−{2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]キノリン−1−イウム−1,4−ジイル)ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム}ビス(テトラフルオロボレート)ヨージド(2.40g、2.6mmol)のMeOH(20mL)中の溶液を、水(150mL)中のNaBF
4(1.69g、15mmol)に撹拌しながら滴下した。得られた沈殿物を濾過し、MeOH(80mL)中に溶解させ、NaBF
4(33.8g、300mmol)の水(2L)中の溶液に撹拌しながら滴下した。撹拌を0.5時間続け、得られた沈殿物を濾過し、水(2×10mL)で洗浄し、風乾して、表題化合物(1.05g、48%)を黄褐色粉末として得た。濾液を減少させ(約150mL)、デカンテーションし、MeOH(15mL)中に溶解させ、氷冷水(300mL)中のNaBF
4(6.8g、62mmol)に高速で撹拌しながら滴下した。得られた沈殿物を濾過し、水(2×5mL)で洗浄し、風乾して、表題化合物の4,4’−{2−(p−トリル)−5,6−ジヒドロベンゾ[h]キノリン−1−イウム−1,4−ジイル}ビス(1−ヘキシルピリジン−1−イウム)トリス(テトラフルオロボレート)(0.84g、38%)を黄色粉末として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.25(d,2H,J=6.8Hz),9.13(d,2H,J=6.8Hz),8.41(s,2H,J=5.6Hz),8.32(s,1H),8.28(d,2H,J=6.8Hz),7.58〜7.46(m,2H),7.33(d,2H,J=8.4Hz),7.27(d,2H,J=8.4Hz),7.13(t,1H,J=7.2Hz),6.91(d,1H,J=8.4Hz),4.77(t,2H,J=7.6Hz),4.68(t,2H,J=7.2Hz),3.20〜3.01(m,4H),2.37(s,3H),2.20〜2.07(m,2H),2.03〜1.91(m,2H),1.56〜1.16(m,12H),及び1.02〜0.91(m,6H)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−153.61〜−153.75。
【0136】
実施例21:1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:3’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化42】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.32g、11.3mmol)と、2,3−ジブロモピリジン(1.22g、5.0mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.30g、0.25mmol、5mol%)と、K
2CO
3(1.56g、11.3mmol)との脱気したEtOH(25mL)及びPhMe(25mL)中の混合物をN
2下で10日間加熱還流し、冷却し、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×50mL)で抽出した。その有機部分を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去すると、褐色オイルが得られ、これに対してシリカ上でクロマトグラフィーを行い、酢酸エチル中のMeOH(10%)で溶離させた。その溶媒を除去し、残留物を熱ヘキサン/酢酸エチル中に溶解させ、デカンテーションして、冷却し、溶媒を除去して、4,2’:3’,4’’−テルピリジンを淡いオレンジ色のオイル(0.90g、77.2%)として得た。
【0137】
1−ヨードヘキサン(1.42mL、9.65mmol)を、上記の4,2’:3’,4’’−テルピリジン(0.38g、1.6mmol)のMeCN(15mL)中の撹拌溶液に加え、その混合物をN
2下、暗所で48時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、沈殿物を濾過によって収集し、Et
2Oで洗浄して、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:3’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムジヨージドを黄色/オレンジ色粉末(1.00g、94.3%)として得た。
【0138】
上記の1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:3’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムジヨージド(0.80g、1.27mmol)の水:MeOH(3:7mL)中の濾過溶液をNaBF
4(1.68g、15.3mmol)の水(60mL)中の撹拌溶液に滴下した。得られた混合物を2時間撹拌し、次に沈殿物を濾過によって収集した。沈殿物を風乾して、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:3’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)を黄色粉末(0.47g、67.6%)として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)8.99(1H,dd,J=4.8,1.5Hz),8.93(4H,m),8.25(1H,dd,J=7.9,1.5Hz),8.10(2H,d,J=6.7Hz),8.05(2H,d,J=6.7Hz),7.83(1H,dd,J=8.0,4.8Hz),4.63(4H,m),2.05(4H,m),1.42(12H,m),0.94(6H,m)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−154.12〜−154.18。
【0139】
実施例22:1,1’’−ジヘキシル−1’−メチル−[4,2’:3’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化43】
1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:3’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)(0.30g、0.55mmol)とMe
3OBF
4(0.12g、0.82mmol)とのジクロロメタン(15mL)中の混合物をN
2下、室温で4日間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、MeOHで洗浄し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−1’−メチル−[4,2’:3’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)を鈍い白色の粉末(0.13g、37%)として得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)9.46(1H,d,J=5.8Hz),9.24(2H,d,J=6.0Hz),9.03(2H,d,J=6.1Hz),8.89(1H,d,J=8.0Hz),8.59(1H,app.t,J=6.9Hz),8.33(2H,d,J=5.9Hz),7.98(2H,d,J=6.0Hz),4.59(4H,m),4.16(3H,s),1.86(4H,m),1.28(12H,m),0.88(6H,m)。
δ
F(376MHz DMSO−d
6)−148.19〜−148.25。
【0140】
実施例23:1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化44】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(4.64g、22.6mmol)と、2,4−ジブロモピリジン(2.44g、10mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.59g、0.51mmol、5mol%)と、K
2CO
3(3.12g、22.6mmol)との脱気したEtOH(50mL)及びPhMe(50mL)中の混合物をN
2下で5日間加熱還流し、冷却し、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×75mL)で抽出した。得られた溶媒を乾燥(無水硫酸ナトリウム)させたものを真空下で除去し、得られた褐色粉末に対して、シリカ上でクロマトグラフィーを行い、酢酸エチル中5〜10%のMeOHで溶離させた。溶媒を除去して、4,2’:4’,4’’−テルピリジンをオフホワイトの固体(2.07g、88.7%)として得た。
【0141】
1−ヨードヘキサン(8.5mL、57.9mmol)を、上記の4,2’:4’,4’’−テルピリジン(1.90g、8.5mmol)のMeCN(50mL)中の撹拌溶液に加え、その混合物をN
2下、暗所で4日間加熱還流した。反応混合物を冷却し、得られた赤色沈殿物を濾過によって収集し、Et
2Oで洗浄して、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムジヨージドを黄色粉末(3.80g、70.1%)として得た。
【0142】
上記の1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムジヨージド(3.50g、5.32mmol)のMeOH(15mL)中の濾過溶液を、NaBF
4(9.34g、85.2mmol)の水(400mL)中の溶液に滴下した。得られた混合物を2時間撹拌し、次に得られた1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)の沈殿物を濾過によって収集し、風乾した。上澄み液にNaBF
4(2.33g、21.2mmol)を加え、得られた混合物を終夜静置し、その後、さらなる沈殿物を濾過し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)の第2の収集を淡黄色粉末として行った(全体で2.33g、75.9%)。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.14(2H,d,J=6.8Hz),9.09(3H,m),8.91(2H,d,J=6.8Hz),8.85(1H,d,J=0.5Hz),8.63(2H,d,J=6.8Hz),8.15(1H,dd,J=5.1,1.6Hz),4.69(4H,m),2.08(4H,m),1.40(12H,m),0.92(6H,m)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−153.60〜−153.69。
【0143】
実施例24:1,1’’−ジヘキシル−1’−メチル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化45】
1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)(1.92g、3.50mmol)とMe
3OBF
4(0.77g、5.25mmol)とのジクロロメタン(60mL)中の混合物を、N
2下、室温で3日間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、MeOHで洗浄した。MeOHから結晶化させて、1,1’’−ジヘキシル−1’−メチル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)を白色粉末(0.64g、28%)として得た。
δ
H(400MHzDMSO−d
6)9.55(1H,d,J=6.6Hz),9.46(2H,d,J=6.6Hz),9.42(2H,d,J=6.8Hz),8.95(1H,dd,J=6.4,2.0Hz),8.88(1H,d,J=1.9Hz),8.83(2H,d,J=6.7Hz),8.55(2H,d,J=6.6Hz),4.76(2H,t,J=7.4Hz),4.69(2H,t,J=7.5Hz),4.29(3H,s),2.00(4H,bs),1.35(12H,bm),0.90(6H,m)。
δ
F(376MHz DMSO−6)−148.16〜−148.22。
【0144】
実施例25:1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化46】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.32g、11.3mmol)と、3,5−ジブロモピリジン(1.22g、5.0mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.30g、0.25mmol、5mol%)と、K
2CO
3(1.56g、11.3mmol)との脱気したEtOH(25mL)及びPhMe(25mL)中の混合物をN
2下で3日間加熱還流し、冷却し、水(100mL)で希釈し、DCM(4×25mL)で抽出した。その有機部分を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去すると、白色固体(1.29g)が得られ、これに対してクロマトグラフィーを行い、酢酸エチル中の10%のMeOHで溶離させると、4,3’:5’,4’’−テルピリジンが白色固体(0.86g、73.7%)として得られた。
【0145】
1−ヨードヘキサン(2.8mL、21mmol)を、上記の4,3’:5’,4’’−テルピリジン(0.70g、3.0mmol)のMeCN(35mL)中の撹拌溶液に加え、その混合物をN
2下、暗所で5日間加熱還流した。反応混合物を冷却し、得られた沈殿物を濾過によって収集し、Et
2Oで洗浄して、1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリヨージドをオレンジ色固体(2.36g、90.4%)として得た。
【0146】
上記の1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリヨージド(2.20g、2.53mmol)のMeOH(15mL)中の濾過溶液を、NaBF
4(2.50g、22.8mmol)の水(150mL)中の撹拌溶液に滴下した。この混合物を0.5時間撹拌し、その後、得られた沈殿物を濾過によって収集し、風乾して、1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:5’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)をオレンジ色粉末(1.58g、83.2%)として得た。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.46(1H,s),9.34(1H,dd,J=6.4,1.0Hz),9.00(4H,m),8.43(1H,d,J=6.3Hz),8.08(4H,m),4.78(2H,t,J=7.7Hz),4.62(4H,t,J=7.7Hz),2.15(2H,m),2.05(4H,m),1.51(2H,m),1.37(16H,m),0.92(9H,m)。
δ
F(376MHz DMSO−
6)−148.16〜−148.22。
【0147】
実施例26:1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の合成
【化47】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.32g、11.3mmol)と、3,4−ジブロモピリジン(1.22g、5.0mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.30g、0.25mmol、5mol%)と、K
2CO
3(1.56g、11.3mmol)との脱気したEtOH(25mL)及びPhMe(25mL)中の混合物をN
2下で7日間加熱還流し、冷却し、水(50mL)で希釈し、DCM(4×75mL)で抽出した。その有機部分を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、その溶媒を真空下で除去して、赤色オイルを得た。残留物に対して、シリカ上でクロマトグラフィーを行い、酢酸エチル中の5%のMeOHで溶離させて、4,3’:4’,4’’−テルピリジンをクリーム色粉末(0.66g、56.4%)として得た。
【0148】
1−ヨードヘキサン(2.84mL、19.3mmol)を、上記の4,3’:4’,4’’−テルピリジン(0.50g、2.14mmol)のMeCN(25mL)中の撹拌溶液に加え、その混合物をN
2下、暗所で6日間加熱還流した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空下で除去し、残留物をEt
2Oとともに粉砕した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、Et
2Oで洗浄し、風乾して、1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリヨージドをメタリックな赤色粉末(1.81g、97.3%)として得た。
【0149】
上記の1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリヨージド(1.50g、1.73mmol)のMeOH(15mL)中の濾過溶液を、NaBF
4(2.36g、20.7mmol)の水(175mL)中の撹拌溶液に滴下した。その混合物を1時間撹拌し、その後、沈殿した1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)を濾過によって収集し、終夜風乾した。上澄み液にNaBF
4(0.56g、5.16mmol)を加え、その混合物を4時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、終夜風乾して、1,1’,1’’−トリヘキシル−[4,3’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’,1’’−トリイウムトリス(テトラフルオロボレート)の第2の収集を暗いオレンジ色の粉末として行った(全体で0.97g、75.2%)。
δ
H(400MHz CD
3OD)9.46(1H,s),9.34(1H,dd,J=6.4,1.0Hz),9.00(4H,m),8.43(1H,d,J=6.3Hz),8.08(4H,m),4.78(2H,t,J=7.7Hz),4.62(4H,t,J=7.7Hz),2.15(2H,m),2.05(4H,m),1.51(2H,m),1.37(16H,m),0.92(9H,m)。
δ
F(376MHz CD
3OD)−153.12〜−153.18。
【0150】
実施例27:1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:6’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)の合成
【化48】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.32g、11.3mmol)と、2,6−ジブロモピリジン(1.22g、5.0mmol)と、Pd(PPh
3)
4(0.30g、0.25mmol、5mol%)と、K
2CO
3(1.56g、11.3mmol)との脱気したEtOH(25mL)及びPhMe(25mL)中の混合物をN
2下で5日間加熱還流し、冷却し、水(50mL)で希釈し、DCM(2×25mL)で抽出した。その有機部分を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、その溶媒を真空下で除去すると白色固体が得られ、これをトルエン/ヘキサンから結晶化させて、4,2’:6’,4’’−テルピリジンを無色結晶(1.05g、90%)として得た。
【0151】
上記の4,2’:6’,4’’−テルピリジン(0.47mg、2.0mmol)を、1−ヨードヘキサン(0.59mL、4.0mmol)のMeCN(10mL)中の撹拌溶液に加えた。その混合物をN
2下、暗所で48時間加熱還流し、その後、さらに1−ヨードヘキサン(0.30mL、2.0mmol)を加え、その混合物をN
2下、暗所でさらに16時間還流下で加熱した。冷却した溶媒を真空下で除去すると、赤色固体が得られ、これをEt
2O(15mL)で洗浄して、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:6’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムジヨージドをオレンジ色粉末(1.22g、93%)として得た。
【0152】
上記の1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:6’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムジヨージド(1.00g、1.52mmol)のMeOH:水(12:1mL)中の濾過溶液を、NaBF
4(2.00g、18.2mmol)の水(125mL)中の撹拌溶液に滴下した。その混合物を1時間撹拌した後、得られた沈殿物を濾過によって収集し、少量の水で洗浄し、風乾して、1,1’’−ジヘキシル−[4,2’:4’,4’’−テルピリジン]−1,1’’−ジイウムビス(テトラフルオロボレート)を黄色粉末(0.71g、75.9%)として得た。
δ
H(400MHz DMSO−d
6)9.27(4H,d,J=6.8Hz),9.05(4H,d,J=6.8Hz),8.69(2H,d,J=7.9Hz),8.47(1H,t,J=7.9Hz),4.68(4H,t,J=7.3Hz),1.97(4H,m),1.30(12H,m),0.88(6H,t,J=6.8Hz)。
δ
F(376MHz DMSO−d
6)−148.17〜−148.23。
【0153】
本発明の化合物の酸化還元電位及び吸収スペクトルの評価
酸化還元電位の測定方法
化合物の酸化還元電位は、3電極を用いるサイクリックボルタンメトリーによって測定される。
【0154】
使用される3電極は:
1つの白金作用電極
1つの白金補助電極又は対極
アセトニトリル中の0.01MのAgNO
3+0.1MのTBAP(過塩素酸テトラブチルアンモニウム)で構成される溶液中に浸漬される1つの白金参照電極
である。
【0155】
電位の走査速度100mV/sに固定される。
【0156】
E
1redは、分析される化合物の第1の還元ピークに対応する。
【0157】
E
2redは、分析される化合物の第2の還元ピークに対応する。
【0158】
E
11/2は:
E
11/2=(E
1red+E
1ox)/2
で計算される酸化剤/還元装置系の酸化還元電位に対応し、
式中の、E
1oxは、分析される化合物の第1の酸化ピークに対応する。
【0159】
ΔE
redは:
ΔE
red=|E
2red|−|E
1red|
で計算されるE
1redとE
2redとの間の差に対応する。
【0160】
示される電位値は、標準水素参照電極(SHE)に対する化合物の第1の還元電位である。
【0161】
分析される溶液は、溶媒としてのプロピレンカーボネート中に0.01Mの分析される化合物と、1MのTBAP塩とを含む。
【0162】
吸収スペクトルの測定方法
化合物の吸収スペクトルは、溶媒としてのプロピレンカーボネート中に、0.01Mの分析される化合物と、0.02Mの10−メチルフェノチアジン(Mephtz)と、1MのTBAP塩とを含む溶液を用いて測定される。
【0163】
この溶液は、分析される化合物を電極上で着色するために、インジウムスズ酸化物(ITO)で被覆された少なくとも1つのガラス電極が配置される石英セル中に導入される。時間領域における化合物の吸収スペクトは分光光度計によって測定される。
【0164】
還元剤(すべての化合物の場合で10−メチルフェノチアジン)は、インジウムスズ酸化物(ITO)で覆われた別のガラス電極上で着色する。
【0165】
化合物を活性化させるために両方の電極間に印加される電位は、絶対値で、化合物のE
1red+メチルフェノチアジンのE
1ox(E
1ox=0.45V)の足し算に等しい。
【0166】
吸収スペクトルは、活性化の3分後に読み取られ、特に、可視スペクトル(400〜800nmの間)の範囲内の最大吸収ピークに相当するλ
max値が読み取られる。
【0167】
合成した各化合物の結果を以下の表1に示している。E
1redは第1の還元電位に対応する。表1に示される色は、昼光条件下で正視眼によって知覚される視覚的な色である。λ
max値は単に個別の化合物の色を近似的に示すものであることに留意されたい。しかし、広い吸収帯の性質の結果として、任意の1つの化合物で最終的に知覚される色を理解するためには、全体の吸収スペクトルを考慮する必要がある。
【0168】
【表1】
【0169】
【表2】
【0170】
【表3】
【0171】
【表4】
【0172】
【表5】
【0173】
【表6】