特許第6912558号(P6912558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6912558核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6912558
(24)【登録日】2021年7月12日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7105 20060101AFI20210727BHJP
   A61K 31/722 20060101ALI20210727BHJP
   A61K 31/711 20060101ALI20210727BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20210727BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20210727BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210727BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210727BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20210727BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20210727BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20210727BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20210727BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   A61K31/7105
   A61K31/722
   A61K31/711
   A61P19/02
   A61P19/08
   A61P29/00
   A61P29/00 101
   A61P43/00 121
   A61K47/36
   A61K47/38
   A61K47/34
   A61K47/42
   A61K47/32
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-510335(P2019-510335)
(86)(22)【出願日】2016年12月29日
(65)【公表番号】特表2019-524848(P2019-524848A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】KR2016015507
(87)【国際公開番号】WO2018038331
(87)【国際公開日】20180301
【審査請求日】2019年2月19日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0108582
(32)【優先日】2016年8月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0179457
(32)【優先日】2016年12月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515097856
【氏名又は名称】ファーマリサーチ プロダクツ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PHARMA RESEARCH PRODUCTS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、イク ス
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ス ヨン
【審査官】 松村 真里
(56)【参考文献】
【文献】 特表2019−501928(JP,A)
【文献】 Biochemical and Biophysical Research Communications,2006年 1月 9日,Vol.341,pp.202-208
【文献】 PLOS ONE,2014年 1月,Vol.9, Issue 1,e84703
【文献】 Molecular Therapy,2008年 7月,Vol.16, No.7,pp.1243-1251
【文献】 International Journal of Pharmaceutics,2011年,Vol.420,pp.358-365
【文献】 Colloids and Surfaces B: Biointerfaces,2009年,Vol.74,pp.298-303
【文献】 Journal of Nanomaterials,2014年,ArticleID 246347
【文献】 J.Phys.Chem.B,2007年,Vol.111,No.29,p.8444-8452
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸及びキトサンを含み、
前記核酸は、含量が組成物の総重量を基準として0.1重量%〜3重量%であり、
前記キトサンは、含量が組成物の総重量を基準として0.001重量%〜0.1重量%であり、
前記核酸及びキトサンは、1:1〜3000:1の重量割合であって、
沈殿物が生成されず、かつ、層分離現象が発生せずに粘弾性を有する
ことを特徴とする関節腔注射用組成物。
【請求項2】
前記核酸は、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)、リボ核酸(ribonucleic acid、RNA)又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項3】
前記核酸は、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)であることを特徴とする、請求項に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項4】
前記デオキシリボ核酸は、オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)、ポリヌクレオチド(polynucleotide)及びポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxyribonucleotide)から選択されることを特徴とする、請求項に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項5】
前記核酸は、分子量が1kDa〜100,000kDaであることを特徴とする、請求項に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項6】
前記核酸は、分子量が10kDa〜10,000kDaであることを特徴とする、請求項1に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項7】
前記核酸は、分子量が50kDa〜3,500kDaであることを特徴とする、請求項に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項8】
前記キトサンは、分子量が3kDa〜1,000kDaであることを特徴とする、請求項に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項9】
前記組成物は、水溶性高分子を追加成分で含むことを特徴とする、請求項1に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項10】
前記水溶性高分子は、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)、グリコーゲン(glycogen)、デキストリン(dextrin)、デキストラン(dextran)、デキストラン硫酸(dextran sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、アルギン酸(alginic acid)、キチン(chitin)、フルラン(pullulan)、コラーゲン(collagen)、ゼラチン(gelatin)及びこれらの加水分解物、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)及びカルボキシビニルポリマー(carboxylvinylpolymer)からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする、請求項に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項11】
前記水溶性高分子は、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)であることを特徴とする、請求項10に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項12】
前記組成物は、温度に応じてゾル−ゲル転移が起こるハイドロゲルであることを特徴とする、請求項1に記載の関節腔注射用組成物。
【請求項13】
前記関節腔注射は、脊椎看板脱出症、五十肩、肩関節衝突症侯群、手首トンネル症侯群、変形性関節症、テニス/ゴルフエルボー、複合的な部位別疼痛症侯群、その他腱炎及び慢性関節リューマチからなる群より選択される1種以上の症状に投与できることを特徴とする、請求項1に記載の関節腔注射用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関節(articulation)は、骨と骨が連結される部位であって、関節を構成する二つの骨が対向する面には関節軟骨と呼ばれる硝子軟骨の薄い層がある。関節の周囲は、骨膜の続きの結合組織性膜で取り囲まれており、これを関節嚢といい、その内腔を関節腔(articular)という。関節嚢の内面には、滑膜という薄膜があって絶えず少量の滑液を関節腔内に分泌して関節運動を滑らかにする。
【0003】
このような関節に問題が起こると、関節疾患が現われ、そのうち最も有病率の高い疾患が骨関節炎である。骨関節炎が主に侵犯する部位は指、膝、股関節及び腰推であり、侵犯関節によって少しずつ異なるが、痛症と運動の制限が共通的な症状である。骨関節炎の治療目標は、痛症を緩和し、関節の運動性を維持して改善することで障害を最小化することである(イチュンギ、2000)。
【0004】
骨関節炎は、慢性疾患であって、期待寿命の増加とともに長期間の治療を要する。治療の選択は、大きく非薬物的保存的治療、薬物療法及び手術的治療に分けられ、治療の計画は、症状の程度及び期間、放射線学的所見、患者の年齢及び同伴疾患、生活様式及び社会経済的レベル、発病前活動度などによって個別的に樹立しなければならない(Lee S.C.,et al.,2010;Yoon J.P.,et al.,2012)。
【0005】
骨関節炎は、他の関節疾患とは異なり関節腔内への薬物投与が可能な疾患である。ヒアルロン酸(hyaluronic acid、HA)は、多糖類として関節滑液の重要な構成成分のうち一つであり、ヒアルロン酸の存在は、滑液の粘弾性に寄与して滑液が滑剤と衝撃吸収剤として役目をするようにする。(Balazs E.A.,et al.,1993)。これだけでなく、高分子量のヒアルロン酸は、炎症性関節において消炎作用と陣痛作用を有している(Kikuchi T.,et al.,1996;Yoshimi T.,et al.,1994;Sakakibar Y.,et al.,1994)。したがって、現在骨関節炎の治療のためにヒアルロン酸の関節腔内投与が多くの国で承認されて用いられている。
【0006】
関節腔内薬物投与は、少量でも適切な薬物濃度に到達させ得、全身的副作用を最小化し得る長所がある。しかし、滑液で投与された薬物がとどまる時間が非常に短いので、関節内で持続的に薬物を放出することができる持続放出剤形の開発が要求される(Gerwin N.,et al.,2006)。
【0007】
さて、本発明者は、関節腔注射用組成物を研究する過程で、核酸及びキトサンを含む組成物を注入して関節腔の痛症を緩和させて軟骨再生の効果を確認することで、本発明を完成した。
【0008】
従来の先行技術として日本公開特許第2010−531863号には、ヒアルロン酸及び天然来由の他の多糖類の一種以上を含むゲル形態の関節腔注射用物性製剤を記載していて本発明の構成と類似であるが、核酸は記載されていない。また、中国公開特許第104546691号には、キトサンを含む関節腔注射用温度感受性のインサイチュゲル組成物を記載していて本発明の構成と類似であるが、核酸が記載されていないので、本発明の構成とは差がある。大韓民国公開実用新案第20−2009−0011604号には、ヒアルロン酸を含む関節腔内注射を記載しているが、核酸及びキトサンが記載されていないので、本発明の構成とは差がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物に関する。
【0012】
前記核酸は、含量が組成物の総重量を基準として0.1重量%〜3重量%であってもよい。
【0013】
前記キトサンは、含量が組成物の総重量を基準として0.001重量%〜0.1重量%であってもよい。
【0014】
前記核酸及びキトサンは、1:1〜3000:1の重量割合であってもよい。
【0015】
前記核酸は、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)、リボ核酸(ribonucleic acid、RNA)又はこれらの混合物であってもよい。好ましくは、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)である。
【0016】
前記デオキシリボ核酸は、オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)、ポリヌクレオチド(polynucleotide)及びポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxyribonucleotide)から選択され得る。
【0017】
前記核酸は、分子量が1kDa〜100,000kDaであってもよい。好ましくは、10kDa〜10,000kDaであり、より好ましくは、50kDa〜3,500kDaである。
【0018】
前記キトサンは、分子量が3kDa〜1,000kDaであってもよい。
【0019】
前記組成物は、水溶性高分子を追加成分で含んでいてもよい。
【0020】
前記水溶性高分子は、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)、グリコーゲン(glycogen)、デキストリン(dextrin)、デキストラン(dextran)、デキストラン硫酸(dextran sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、アルギン酸(alginic acid)、キチン(chitin)、フルラン(pullulan)、コラーゲン(collagen)、ゼラチン(gelatin)及びこれらの加水分解物、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)及びカルボキシビニルポリマー(carboxylvinylpolymer)からなる群より選択される1種以上であってもよい。好ましくは、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)である。
【0021】
前記組成物は、温度に応じてゾル−ゲル転移が起こるハイドロゲルであってもよい。
【0022】
前記関節腔注射は、脊椎看板脱出症、五十肩、肩関節衝突症侯群、手首トンネル症侯群、変形性関節症、テニス/ゴルフエルボー、複合的な部位別疼痛症侯群、その他腱炎及び慢性関節リューマチからなる群より選択される1種以上の症状に投与できる。
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
前記核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物は、i)核酸を緩衝溶液(buffer)に入れて40℃〜70℃で撹拌しながら30分〜1時間の間溶解して核酸貯蔵溶液を製造するステップ;ii)キトサンを酸性緩衝溶液に溶解してキトサン貯蔵溶液を製造するステップ;iii)前記i)ステップの核酸貯蔵溶液及び前記ii)ステップのキトサン貯蔵溶液を核酸及びキトサンの重量割合が1:1〜3000:1になるように混合し、40℃〜70℃で30分〜1時間の間撹拌するステップ;及びiv)前記iii)ステップの核酸−キトサン混合液を撹拌しながら常温に低めるステップ;を含むことができる。
【0025】
前記核酸貯蔵溶液の製造時に用いられる緩衝溶液としては、二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物(sodium phosphate dibasic dodecahydrate)、塩化ナトリウム(sodium chloride)、塩化マグネシウム(magnesium chloride)、塩化カリウム(potassium chloride)、リン酸緩衝食塩水(phosphate buffer saline)又はHEPES(N−(2−hydroxyethyl)−piperazine−N’−2−ethanesulfonic acid)緩衝溶液があり、好ましくは、二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物(sodium phosphate dibasic dodecahydrate)であり、より好ましくは、5〜300mMの二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物を用いることができるが、これに限定するものではない。
【0026】
前記キトサン貯蔵溶液の製造時に用いられる酸性緩衝溶液としては、酢酸(acetic acid)、塩酸(hydrochloric acid)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、乳酸(lactic acid)、窒酸(nitric acid)、グルタミン酸(glutamic acid)又はギ酸(formic acid)があり、好ましくは、酢酸(acetic acid)であり、より好ましくは、10〜300mMの酢酸を用いることができるが、これに限定するものではない。
【0027】
前記核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物は、温度に応じてゾル−ゲル転移が起こる温度感応性ハイドロゲルであってもよい。
【0028】
前記温度感応性ハイドロゲルは、温度に応じてゾル(sol)がゲル(gel)に又はゲルがゾルに相転移(phase transition)が行われるもので、ゾルがゲルに変わる現象をゲル化(gelation)という。本発明におけるゲル化は、粘弾性を有し、温度の増加に従って高分子が3次元網構造を形成して溶媒にとけなく残留する状態になることで定義する。
【0029】
前記温度感応性ハイドロゲルの性質を有している関節腔注射用組成物を関節腔内に注入して体温により粘弾性が回復されてゲル化させることで、関節腔内で前記組成物の分解速度を緩め、残留時間が増加されて持続的な潤滑作用と衝撃吸収を通じて関節を保護し且つ損傷された軟骨組織の修復効果を増進させることができる。
【0030】
前記核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物は、均一な(homogeneous)状態を維持するとともに層分離が起きない安全性(stability)が高いものであって、核酸及びキトサンは、1:1〜3000:1の重量割合であってもよい。好ましくは、10:1〜300:1であり、より好ましくは、10:1〜100:1である。
【0031】
前記核酸の含量は、組成物の総重量を基準として0.1重量%〜3重量%であってもよい。好ましくは、1重量%〜2重量%である。
【0032】
前記核酸は、分子量が10kDa〜100,000kDaであってもよく、好ましくは、10kDa〜10,000kDaであり。より好ましくは、50kDa〜3,500kDaである。核酸の分子量が10kDa未満である場合には、ゲルの分解速度を調節しにくく、100,000kDaを超過する場合には、ゲルの粘性調節が難しくて使用に問題がある。
【0033】
前記核酸は、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)、リボ核酸(ribonucleic acid、RNA)又はこれらの混合物であってもよい。好ましくは、デオキシリボ核酸である。
【0034】
また、前記デオキシリボ核酸は、オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)、ポリヌクレオチド(polynucleotide)及びポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxyribonucleotide)であってもよい。
【0035】
また、前記キトサンの含量は、組成物の総重量を基準として0.001重量%〜0.1重量%であってもよく、好ましくは、0.01重量%〜0.1重量%である。
【0036】
前記キトサンは、分子量が3kDa〜1,000kDaであることが好ましいが、これに限定されない。
【0037】
前記核酸及びキトサンの混合は、核酸及びキトサンの重量割合が1:1〜3000:1になるように混合し、このとき、核酸の含量が組成物の総重量を基準として0.1重量%〜3重量%になり、キトサンの含量が組成物の総重量を基準として0.001重量%〜0.1重量%になるようにすることが好ましい。
【0038】
前記核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物は、水溶性高分子を追加成分で含むことができる。
【0039】
前記水溶性高分子は、核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物の分解速度の調節と潤滑作用及び治療効果を高めるために追加できる。
【0040】
前記水溶性高分子は、生体内で溶解又は分解が可能なものであって、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)、グリコーゲン(glycogen)、デキストリン(dextrin)、デキストラン(dextran)、デキストラン硫酸(dextran sulfate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、アルギン酸(alginic acid)、キチン(chitin)、フルラン(pullulan)などの多糖類やコラーゲン(collagen)、ゼラチン(gelatin)及びこれらの加水分解物などのタンパク質、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)、カルボキシビニルポリマー(carboxylvinylpolymer)などの合成高分子化合物を用いることができ、好ましくは、ヒアルロン酸である。
【0041】
前記水溶性高分子を追加成分で含む核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物は、核酸、キトサン及び水溶性高分子が1〜3000:1:1〜3000の重量割合で混合されものであってもよい。好ましくは、10〜1,000:1:10〜1,000の重量割合であり、より好ましくは、25〜100:1:25〜100の重量割合である。
【0042】
前記ヒアルロン酸は、線形又は架橋された形態を含み、分子量が20kDa〜10,000kDaであってもよく、500kDa〜3,000kDaが好ましいが、これに限定されない。
【0043】
前記核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物は、関節腔内注射を通じて関節腔の痛症を緩和し、炎症を減少させることができ、軟骨再生を誘導することができる。
【0044】
前記核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物は、脊椎看板脱出症、五十肩、肩関節衝突症侯群、手首トンネル症侯群、変形性関節症、テニス/ゴルフエルボー、複合的な部位別疼痛症侯群、その他腱炎及び慢性関節リューマチからなる群より選択される1種以上の症状に投与できる。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物に関するもので、より詳しくは、核酸及びキトサンの混合を通じて製造された関節腔注射用組成物が生体適合的であり、温度に応じてゾルーゲル転移が起こることを確認した。また、本発明の組成物の注入によって軟骨組織のプロテオグリカンの生合成が増加されて軟骨組織が修復され、痛症の減少により関節の運動性と関わる歩行速度及び歩幅が向上されたことを確認した。
【0046】
したがって、本発明の関節腔注射用組成物は、痛症緩和及び治療が必要な関節腔内注入が可能であり、注入された関節腔内でゲル化を通じて組成物の分解速度を緩め、薬物の滞留時間が増加するによって持続的な潤滑作用と衝撃緩和により関節腔の軟骨組織の修復効果が充分に発揮されるので、優れた治療効果が得られると期待される 。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の関節腔注射用組成物の物性状態を確認した結果である。それぞれの関節腔注射用組成物を製造してから3日間放置した後、組成物の透明度と沈殿物の生成及び層分離有無を確認した。
図2】本発明の実施例1−1の関節腔注射用組成物の温度によるソル−ゲル転移が起こるハイドロゲル形成を確認した結果を示す。
図3】関節腔注射用組成物の投与による炎症反応の誘導有無を通じて生体適合性を確認した結果を示す。
図4】関節炎の誘発後、本発明の関節腔注射用組成物(実施例1−1、実施例2−1及び実施例2−7)の注入によるラットの歩行速度(図4A)及び歩幅(図4B)を確認した結果を示す。
図5】関節炎の誘発後、本発明の関節腔注射用組成物(実施例1−1及び実施例2−1)の注入によるプロテオグリカンの生合成位を確認した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は、ここで説明する実施例に限定されず、他の形態に具体化され得る。また、ここで紹介される内容により徹底で完全になり、当業者に本発明の思想を充分に伝達するために提供する。
【0049】
<実施例1.核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物の製造>
核酸貯蔵溶液(stock solution)の場合、核酸を190mMの二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物(sodium phosphate dibasic dodecahydrate)の緩衝溶液に入れて70℃の熱撹拌器を用いて30分以上溶解して製造した。
【0050】
キトサン貯蔵溶液は、100mMの酢酸(acetic acid)を用いて製造した。
【0051】
製造した核酸及びキトサンの貯蔵溶液を混合して70℃の熱撹拌器で30分間撹拌した。その後、温度を常温に低めて1時間の間撹拌して核酸及びキトサンを含む関節腔注射用組成物を製造した。このとき、核酸及びキトサンの濃度が下記表1の濃度になるように混合した。
【0052】
【表1】
【0053】
<実施例2.核酸、キトサン及びヒアルロン酸を含む関節腔注射用組成物の製造>
核酸貯蔵溶液の場合、核酸を190mMの二塩基性リン酸ナトリウム十二水和物(sodium phosphate dibasic dodecahydrate)の緩衝溶液に入れて70℃の熱撹拌器を用いて30分以上溶解して製造した。
【0054】
キトサン貯蔵溶液は、100mMの酢酸(acetic acid)を用いて製造した。
【0055】
製造した核酸及びキトサンの貯蔵溶液を混合して70℃の熱撹拌器で30分間撹拌した。核酸及びキトサンの混合溶液にヒアルロン酸の原料を追加混合して60℃の熱撹拌器で1時間撹拌した後、3時間の間常温で撹拌して、核酸、キトサン及びヒアルロン酸を含む関節腔注射用組成物を製造した。このとき、核酸、キトサン及びヒアルロン酸の濃度が下記表2の濃度になるように混合した。
【0056】
【表2】
【0057】
前記ヒアルロン酸は、分子量が1,000kDaであるものを用いたが、分子量が20kDa〜10,000kDaであるものを用いても関係ない。
【0058】
<比較例1.比較対象の関節腔注射用組成物の製造>
下記表3に該当する成分及び含量に該当する混合割合によって比較対象の関節腔注射用組成物を製造した。製造方法は、前記実施例1及び実施例2と同じ方法を用いた。
【0059】
【表3】
【0060】
<実験例1.関節腔注射用組成物の物性の確認>
前記実施例1(実施例1−1〜実施例1−5)、実施例2(実施例2−1〜実施例2−9)及び比較例1(比較例1−1〜比較例1−14)の関節腔注射用組成物を用いてゲル化、ゲルの安全性及び溶解性有無を確認した。
【0061】
それぞれの組成物を混合して3日間放置した後、透明度とゲル化状態を肉眼で観察した。ゲル化程度は、レオメータを用いて24℃から40℃まで1℃ずつ上げながら1分間維持して粘弾性測定値の増加変化で確認し、ゲルの安全性は、沈殿物の生成及び層分離有無で確認した。ゲルの溶解性有無は、37.5℃の水溶液に実施例1、実施例2及び比較例1の関節腔注射用組成物を点滴してゲル化した後、温度を37.5℃に維持しつつ400rpmで5分間撹拌しながらゲルの溶解有無を確認し、その結果を表4及び図1に示した。
【0062】
【表4】
【0063】
前記表4及び図1を参照すると、実施例1及び実施例2の関節腔注射用組成物の場合には、3日が経過しても沈殿物の生成及び層分離現象が発生せずに粘弾性を維持していることが分かり、ゲルの溶解性の場合、37.5℃でゲルを形成し、形成されたゲルが持続的に維持されることを観察した。
【0064】
しかし、比較例1の比較対象の関節腔注射用組成物の場合には、沈殿物が生成されたり層分離が起きたり部分的に固まりが生成されたりして粘弾性の測定が不可能であった。ゲルの溶解性の場合、37.5℃でゲル化されないか、ゲル化されても5分以内に全て溶解されることで確認された。特に、比較例1−13及び比較例1−14の関節腔注射用組成物のように核酸が含まれない場合には、組成物が粘弾性を有するが、沈殿物の生成及び層分離現象が現われ、37.5℃でゲルが形成された後5分以内に全て溶解されて安全性が落ちることを確認した。(表4参照)
【0065】
これを通じて、本発明の関節腔注射用組成物は、温度変化に応じて温度感応性を示し、ゲル化された後にもゲルの形態を持続的に維持することが分かった。これによって、注入された本発明の組成物が関節腔内でゲル化して粘性と弾性が回復されて持続的な潤滑作用とともに衝撃を吸収することで関節を保護することができ、薬物滞留性が増加して損傷された軟骨組織の修復効果を増大させることで優れた関節炎治療効果を示すことを予想することができる。
【0066】
<実験例2.温度によるゾル−ゲル転移(sol−gel transition)の確認>
前記実施例1、実施例2及び比較例1の関節腔注射用組成物の温度変化によるゾル−ゲル転移が起こるハイドロゲル形成を確認した。
【0067】
ゾル−ゲル転移を確認するために、レオメーター(rheometer)を用いた。このとき用いた測定条件は、PU20、間隔(Gap)0.5mm、0.1Hz、1%応力−変形率(stress strain)で24℃から40℃まで1℃ずつ上げながら1分間維持してG'(弾性)及びG’’(粘性)の変化を測定した。また、それぞれの組成物に温度を加えて36℃前後のゾル−ゲル相変化を肉眼で観察し、図2に示した。
【0068】
図2に示したように、実施例1−1の関節腔注射用組成物が36℃未満の温度ではゾルの形態をしているが、36℃を超過すると、ゲル化されることを観察した。このような結果は、実施例1及び実施例2の全ての関節腔注射用組成物で同一に現われることを確認した。
【0069】
これを通じて、本発明の関節腔注射用組成物が温度に応じてゾル−ゲル転移が起こる温度感応性ハイドロゲル性質を示すことが分かった。
【0070】
<実験例3.実験動物の準備>
動物実験は、7週齢のSprague−Dawley系雄鼠(Rat)をYOUNGBIO(城南市、大韓民国)から購入して用いた。飼料は、実験動物用固形飼料(Harlan laboratories,Inc.,USA)を用い、給餌器に固形飼料を入れて自由攝取させた。飲水は、水道水をフィルター流水殺菌器で濾過した後に紫外線を照射し、自動給水装置で自由攝取させた。実験動物飼育室の環境は、温度23±3℃、相対湿度55±15%、照明時間12時間(午前8時点灯〜午後8時消灯)及び照度150〜300Luxで維持した。
【0071】
<実験例4.関節腔注射用組成物の生体適合性の確認>
前記実験例3のラットをイソフルラン(Isoflurane)を用いて呼吸痲酔させた。痲酔したラットの右側膝部位の毛を削ってベタディン綿で注射部位を消毒した後、滅菌された1ccのインシュリン注射器と30ゲイジ(gauge)の針を用いて前記実施例1−1及び実施例2−1の関節腔注射用組成物0.05ccを右側膝に注射し、対照群として食塩水(Saline)を同一の方法で注射した。
【0072】
関節腔注射用組成物の注入後にCOガスでラットを犠牲した後、右側膝の組織を切ってホルマリンで固定し、一連の脱水作業を経てパラフィンに植えてパラフィンブロックを製作した。このとき、正常群として何も処理しないラットの左側膝の組織もともにパラフィンブロックで製作した。製作したパラフィンブロックを5μmの厚さで組織切片し、組織切片をMayer's hematoxyline(Sigma、USA)溶液に1秒間反応させた後、流れる水で10分間洗浄した。以後、eosin(Sigma、USA)溶液に3秒間反応させた。染色が完了された組織は、脱水過程を経てPermount(Fischer scientific、USA)で封入した。H&E染色した組織切片を顕微鏡を用いて組織病理学的変化の有無を観察することで生体適合性を確認し、その結果を図3に示した。
【0073】
図3に示したように、H&Eで染色した組織切片は、実施例1−1及び実施例2−1の関節腔注射用組成物を注入した場合に、食塩水を注入した対照群及び何も処理しない正常群と同一に炎症反応がなかった。
【0074】
これを通じて、本発明の関節腔注射用組成物が組織での免疫反応や炎症を起こさない生体適合的な組成物であることを確認した。
【0075】
<実験例5.関節腔注射用組成物の痛症緩和効果の確認>
前記実験例3のラットをイソフルラン(Isoflurane)を用いて呼吸痲酔させた。痲酔したラットの右側膝部位の毛を削ってベタディン綿で注射部位を消毒した後、滅菌された1ccのインシュリン注射器と30ゲイジ(gauge)の針を用いて0.9%塩化ナトリウム(sodium chloride、NaCl)に希釈したMIA(monosodium iodoacetate)1mg/50μlを関節腔内注射療法(intra−articular injection)を通じて膝に1回注入した後、1週間飼育して関節炎を誘発した。
【0076】
関節炎を誘導したラットをイソフルラン(Isoflurane)を用いて呼吸痲酔させた。痲酔したラットの右側膝部位の毛を削ってベタディン綿で注射部位を消毒した後、滅菌された1ccのインシュリン注射器と30ゲイジ(gauge)の針を用いて前記実施例1、実施例2及び比較例1の関節腔注射用組成物を週1回、総4回を注射した。組成物は、1回に0.05ccずつ注射した。このとき、対照群として食塩水を右側膝に注射し、正常群として関節炎を誘導しないラットを用いた。
【0077】
痛症緩和効果は、関節腔注射用組成物を4回注入した後、ラットがプラスチックケージ(150cm×13cm×16cm)を通過するとき、ケージ底面をビデオカメラを通じて撮影してラットの動きを観察し、ラットの足裏を認識するプログラムを通じて撮影した映像を用いてラットの歩行速度と歩幅を分析することで確認した。その結果を図4に示した。
【0078】
図4のラットの歩行速度(図4の(A))及び歩幅(図4(B)の)を確認した結果から分かるように、食塩水を注射した対照群の場合、正常群に比べてラットの歩行速度及び歩幅が減少したが、実施例1−1、実施例2−1及び実施例2−7の関節腔注射用組成物を注射した場合には、関節炎により減少した歩行速度及び歩幅が回復されて正常群と類であると現われた。これは、実施例1及び実施例2の関節腔注射用組成物において全て類似である効果があることを確認した。しかし、図4に表記した比較例1−1、比較例1−3、比較例1−4及び比較例1−12の関節腔注射用組成物を含めた残りの比較例1の組成物でラットの歩行速度及び歩幅が対照群と類似であると現われた。
【0079】
これは、関節腔内に注射された本願発明の関節腔注射用組成物により関節炎が治療されることで関節炎による痛症が緩和されてラットの歩行速度及び歩幅が増加されたと判断される。また、本願発明の関節腔注射用組成物は、温度感応性を有しており、体温によりゲル化されて粘弾性を有する特性により関節の上骨と下骨との間の摩擦を減らし且つ衝撃を吸収することで痛症を緩和する効果を増加させると予測される。
【0080】
<実験例6.関節腔注射用組成物の軟骨再生効果の確認>
実験例6−1.関節炎動物モデルの製造及び組成物の注入
前記実験例3のラットをイソフルラン(Isoflurane)を用いて呼吸痲酔させた。痲酔したラットの右側膝部位の毛を削ってベタディン綿で注射部位を消毒した後、滅菌された1ccのインシュリン注射器と30ゲイジ(gauge)の針を用いて0.9%塩化ナトリウム(sodium chloride、NaCl)に希釈したMIA(monosodium iodoacetate)1mg/50μlを関節腔内注射療法(intra−articular injection)を通じて膝に1回注入した後、関節炎が誘発されるように1週間飼育した。関節炎の誘導が成功的に行われたことは、ラットの歩行速度の低下と歩幅の減少で確認した。
【0081】
関節炎が誘導されたラットの右側膝に前記実施例1、実施例2及び比較例1の関節腔注射用組成物及び対照群である食塩水(saline)を注射した後、ケージ中に入れて安定した環境で飼育した。このとき、関節腔注射用組成物及び食塩水は、0.05ccずつ1週ごとに1回ずつ総4回注射した。
【0082】
実験例6−2.関節腔注射用組成物の軟骨再生効果の確認
前記実験例6−1で本発明の関節腔注射用組成物を4回注射した後、COガスでラットを犠牲し、各実験群に対して何も処理しない左側膝組織(正常)と比較例及び実施例の薬物を注射した右側膝の両膝の軟骨組織を切って軟骨再生効果を確認した。
【0083】
軟骨再生効果は、プロテオグリカン(proteoglycan)染色を通じて確認した。プロテオグリカンは、軟骨芽細胞の増殖に関与する物質であって、軟骨芽細胞の増殖は軟骨生成に必須てき過程のうち一つである。
【0084】
膝軟骨組織をホルマリンで固定して一連の脱水作業を経てパラフィンに植えてパラフィンブロックを製作した。製作したパラフィンブロックを5μmの厚さで組織切片し、プロテオグリカン(proteoglycan)をサフラニン O(Safranin O)染色方法を用いて染色し、プロテオグリカンの量を比較した。このとき、正常群として関節炎を誘導しないラットの左側膝組織を用い、対照群として関節炎を誘導した後に食塩水を処理したラットの膝組織を用いた。プロテオグリカンの量は、正常群組織のプロテオグリカン量を100%基準として相対的な染色面積の割合で計算し、その結果を図5及び表5に示した。
【0085】
【表5】
【0086】
図5に示したように、サフラニン O染色により赤色に染色された軟骨表面のプロテオグリカン(矢印で表示)は、対照群の場合、正常群に比べて軟骨表面に赤色に染色された部分が減少しことを通じて関節炎誘発によりプロテオグリカンの量が減少したことが分かる。これに反して、実施例1−1及び実施例2−1の関節腔注射用組成物を注射した場合には、対照群に比べて軟骨表面のプロテオグリカンの量が増加して赤色に染色された部分が増加したことを確認した。
【0087】
前記表5のプロテオグリカンの相対的な染色面積の割合を計算した結果、正常群に比べて対照群の数値が42%を示したが、実施例1−1、実施例1−3、実施例1−4及び実施例2−1の関節腔注射用組成物を注射した場合には、80%以上の数値を示している。しかし、比較例1−1、比較例1−2、比較例1−5及び比較例1−10の関節腔注射用組成物を注射した場合には、実施例1及び実施例2の関節腔注射用組成物を注射した場合よりその数値が低いことが分かる。
【0088】
これを通じて、本願発明の実施例1及び実施例2の関節腔注射用組成物の関節腔内注射により関節炎が誘導された関節腔内の軟骨でプロテオグリカンの発現が増加することで軟骨再生の修復が行われるが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5