(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図16によって説明する。以降の説明では
図1に示す左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、
図2に示す上下方向をZ軸方向という。また、以降の説明では
図1に示す右側を上流側、左側を下流側という。また、以降の説明では同一の構成部材には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
【0030】
(1)表面実装機の全体構成
図1に示すように、表面実装機1は、プリント基板などの基板Pに電子部品などの部品Eを実装する部品実装装置10と、部品テープ90(
図3参照)に収容されている部品Eを部品実装装置10に供給する4つのテープ部品供給装置40とを備えている。
【0031】
(1−1)部品実装装置
部品実装装置10は基台11、図示しないバックアップ機構、搬送コンベア12、ヘッドユニット13、ヘッド搬送部15、2つの部品撮像カメラ18、
図10に示す制御部101、表示部102(報知部の一例)などを備えている。制御部101及び表示部102は実施形態1に係る報知装置を構成している。
【0032】
基台11は平面視長方形状をなすとともに上面が平坦とされている。
図1において二点鎖線で示す矩形枠Aは基板Pに部品Eを実装するときの作業位置を示している。
図示しないバックアップ機構は作業位置Aの下方に配されている。バックアップ機構は搬送コンベア12によって作業位置Aに搬送された基板Pを固定して上方に持ち上げるものである。
【0033】
搬送コンベア12は基板PをX軸方向の上流側から作業位置Aに搬入し、作業位置Aで部品Eが実装された基板Pを下流側に搬出するものである。搬送コンベア12はX軸方向に循環駆動する一対のコンベアベルト12A及び12B、コンベアベルト12A及び12Bを駆動するコンベア駆動モータ115(
図10参照)などを備えている。後側のコンベアベルト12Aは前後方向に移動可能であり、基板Pの幅に応じて2つのコンベアベルト12Aと12Bとの間隔を調整できる。
【0034】
ヘッドユニット13は部品Eを吸着及び解放する複数の実装ヘッド14を支持するものである。ヘッドユニット13の構成については後述する。
ヘッド搬送部15はヘッドユニット13を所定の可動範囲内でX軸方向及びY軸方向に搬送するものである。ヘッド搬送部15はヘッドユニット13をX軸方向に往復移動可能に支持しているビーム16、ビーム16をY軸方向に往復移動可能に支持している一対のY軸ガイドレール17、ヘッドユニット13をX軸方向に往復移動させるX軸サーボモータ111、ビーム16をY軸方向に往復移動させるY軸サーボモータ112などを備えている。
【0035】
2つの部品撮像カメラ18は実装ヘッド14に吸着されている部品Eを下から撮像するものである。前側の部品撮像カメラ18は搬送コンベア12の前側においてX軸方向に並んだ2つのテープ部品供給装置40の間に配されている。後側の部品撮像カメラ18は搬送コンベア12の後側においてX軸方向に並んだ2つのテープ部品供給装置40の間に配されている。
【0036】
次に、
図2を参照して、ヘッドユニット13について説明する。ヘッドユニット13は、昇降可能に且つ軸周りに回転可能に支持されている複数(ここでは8個)の実装ヘッド14、各実装ヘッド14を個別に昇降させる複数のZ軸サーボモータ113(
図10)、各実装ヘッド14を一斉に軸周りに回転させるR軸サーボモータ114(
図10)などを備えている。本実施形態に係るヘッドユニット13は所謂インライン型であり、複数の実装ヘッド14がX軸方向に並んで設けられている。なお、ここではインライン型のヘッドユニット13を例に説明するが、ヘッドユニット13は例えば複数の実装ヘッド14が円周上に配列された所謂ロータリーヘッドであってもよい。
【0037】
各実装ヘッド14はノズルシャフト14Aと、ノズルシャフト14Aの下端に着脱可能に取り付けられている吸着ノズル14Bとを有している。吸着ノズル14Bにはノズルシャフト14Aを介して図示しない空気供給装置から負圧及び正圧が供給される。吸着ノズル14Bは負圧が供給されることによって部品Eを吸着し、正圧が供給されることによってその部品Eを解放する。
【0038】
(1−2)テープ部品供給装置
ここでは先ず、
図3を参照して、部品テープ90について説明する。部品テープ90は複数の収容凹部91が長手方向に等間隔に設けられているキャリアテープ92、各収容凹部91に収容されている部品E、及び、キャリアテープ92の上面に貼り付けられているトップテープ93を有している。部品テープ90の一方の縁部には後述するテープフィーダ50(
図1参照)に設けられているスプロケットの歯が挿入される送り穴94が長手方向に沿って等間隔で設けられており、スプロケットが回転することによって部品テープ90が送られる。
【0039】
図1に示すように、テープ部品供給装置40は搬送コンベア12の前後両側においてX軸方向に並んで2箇所ずつ、計4箇所に配されている。
図4に示すように、テープ部品供給装置40はテープフィーダ50が取り付けられるフィーダ取付部41、及び、部品テープ90が捲き回されているテープリール42(以下、単に「リール42」という)を支持するリール支持部43を備えている。
【0040】
図1に示すように、フィーダ取付部41には複数のテープフィーダ50が横並び上に整列して取り付けられる。
図4に示すように、リール支持部43はフィーダ取付部41の後方下側に設けられている。リール支持部43は部品テープ90が捲き回されたリール42を回転可能に支持するリールホルダ45をテープフィーダ50毎に2つずつ備えている。これら2つのリールホルダ45は上下段に分かれた形で設けられている。リール支持部43の下側にはテープ部品供給装置40を移動可能に支持する複数のキャスター46が取り付けられている。
【0041】
ここで、各リール42にはそのリール42を一意に識別するためリールIDが付与されている。部品の種類を示すのには部品IDが用いられるが、本実施形態では同じ部品IDの部品が収容されている部品テープ90が捲き回されているリール42であっても各リール42を区別するためにリールIDが付与されている。リール42の表面(例えば側面)にはそのリールIDを表す図示しないバーコードが貼り付けられている。
【0042】
図5に示すように、テープフィーダ50は本体部51、本体部51の内側に設けられているテープ送出路52、切替部材53(切替部の一例)、ローディング部54、送り装置55、テープガイド56、第1のテープセンサ57、第2のテープセンサ58、第3のテープセンサ59、図示しないフィーダ制御部、、操作部71(
図6参照)、インジケータ61(
図6参照)などを備えている。
【0043】
本体部51はアルミダイキャスト製であり、前後方向(Y軸方向)に長い形状をなしている。
図5において位置Sは部品実装装置10に部品Eを供給する部品供給位置である。テープフィーダ50にはそのテープフィーダ50を一意に識別するためのフィーダIDが付与されており、本体部51の表面(例えば上面や後面)にはそのフィーダIDを表す図示しないバーコードが貼り付けられている。
【0044】
テープ送出路52は部品テープ90が送り出される送出路であり、本体部51の略後側部分を前後方向に貫通している。テープ送出路52の前側部分は細長い前側送出路62となっている一方、後側部分は前側送出路62との境界から後側に向かって上下に広がる後側送出路63となっている。テープ送出路52に挿入された部品テープ90は本体部51の前後方向の中央付近でテープ送出路52から抜けて本体部51の上方に露出し、本体部51の上面に沿って部品供給位置Sに送られる。
【0045】
切替部材53はテープフィーダ50の後側から後側送出路63に着脱可能に取り付けられている。切替部材53は後側送出路63を第1のテープ送出路63Aと第2のテープ送出路63Bとに仕切るためのものであるとともに、第1のテープ送出路63Aに挿入(セット)されてローディングされた部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替えるためのものである。切替部材53が取り付けられているとき、第2のテープ送出路63Bは第1のテープ送出路63Aに併設されている状態となる。切替部材53の構成、及び、切替部材53を用いたテープ送出路の切り替えについての説明は後述する。
【0046】
ローディング部54は第1のテープ送出路63Aの上方において第1のテープ送出路63Aに臨んで設けられている。ローディング部54は先端部が第1のテープ送出路63Aに挿入された部品テープ90を自動で送り装置55まで送り出す(すなわちローディングする)ものであり、後側モータ64、第1のテープ送出路63Aに挿入された部品テープ90の送り穴に挿入される歯を有する後側スプロケット65、及び、後側モータ64の回転駆動力を後側スプロケット65に伝達するギヤ群66を備えている。
【0047】
送り装置55は本体部51の前側部分に設けられており、第1のテープ送出路63A及び第2のテープ送出路63Bより部品テープ90の送り方向下流側に位置している。送り装置55は前側モータ67、部品テープ90の送り穴に挿入される歯を有する前側スプロケット68、及び、前側モータ67の回転駆動力を前側スプロケット68に伝達するギヤ群69を備えており、ローディングされた部品テープ90が嵌合する前側スプロケット68を間歇的に回転させることにより、部品テープ90に収容されている部品Eを順次部品供給位置Sに停止させて部品Eを供給する。
【0048】
ここで、前述したローディング部54により送り出された部品テープ90は送り装置55の前側スプロケット68の歯に嵌合することによってローディングが完了する。
【0049】
テープガイド56は本体部51の上面前部に設けられている。テープガイド56はテープ送出路52を抜けて本体部51の上方に露出した部品テープ90を前側スプロケット68までガイドするためのものであり、前後に細長い形状をなしている。
テープガイド56の内側において部品供給位置Sより後側(言い換えると部品供給位置Sよりテープ送り方向の上流側)にはトップテープ93を剥がして部品Eを露出させる図示しない露出装置が設けられている。
図3に示すように、トップテープ93は露出装置によって片側が剥がされてキャリアテープ92の一辺側に折り返される。これにより、収容凹部91に収納されている部品Eが露出する。なお、露出装置は例えばトップテープ93の中央をカットして両側に開くことによって部品Eを露出させるものであってもよい。
【0050】
第1のテープセンサ57、第2のテープセンサ58、及び、第3のテープセンサ59は部品テープ90の有無を検出するためのものである。第1のテープセンサ57は後側送出路63の第1のテープ送出路63Aに臨んで配されている。第2のテープセンサ58は前側送出路62に臨んで配されている。第3のテープセンサ59は送り装置55の前側スプロケット68より部品テープ90の送り方向下流側に配されている。
【0051】
図示しないフィーダ制御部はテープフィーダ50の下側部分に設けられており、後述する部品実装装置10の制御部101による制御の下でテープフィーダ50の各部を制御する。
【0052】
図6示すように、操作部71は本体部51の上面後部に設けられている。操作部71はローディングボタンや排出ボタンなどを有している。作業者は操作部71を操作することにより、部品テープ90のローディングや排出を手動で指示することもできる。
インジケータ61は緑色、黄色及び赤色の3つのLED70(発光部の一例)を備えている。これらのLED70はローディングされて部品実装装置10に部品Eを供給している部品テープ90に収容されている部品Eの残数を色によって報知するためのものであり、部品Eの残数が十分に多い場合は緑色、残数が少なくなっている場合は黄色、残数が非常に少なくなっている場合は赤色のLED70が点灯される。
【0053】
赤色は残数が非常に少ないことを示す残数警告である。後述する部品実装装置10の制御部101は残数が非常に少なくなると赤色のLED70を点灯させるとともに、所定の警告音を発することによって作業者に警告する。本実施形態では警告音を発することをオペレータコールという。
また、詳しくは後述するが、インジケータ61は第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセット可能であることの表示にも用いられる。
【0054】
(1−3)切替部材の構成、及び、切替部材を用いたテープ送出路の切り替え
図7に示すように、切替部材53は上側部材80と下側部材81とから構成されている。上側部材80と下側部材81とはその一端側(
図7における右側)が連結ビス82によって連結されている。連結ビス82の軸周りには図示しない巻きばねが配されている。このため、切替部材53が本体部51から取り外された状態では上側部材80と下側部材81とはその他端側が巻きばねの弾性力によってわずかに離間する。
【0055】
切替部材53の下側部材81には、送出される部品テープ90の幅方向に沿った方向(X軸方向)の両側に、鍔状に迫り出す鍔部83がそれぞれ設けられている。ここで、後側送出路63における両側面には本体部51の後方に開口する切欠き84がそれぞれ設けられている。この切欠き84は前後方向に細長い形状となっている。切替部材53は連結ビス82が設けられた側を前側として、下側部材81の鍔部83が切欠き84に係止されることによって本体部51に取り付けられる。
【0056】
また、上側部材80の上面の幅方向両縁には上方にわずかに立ち上がる当接壁85がそれぞれ形成されている。両当接壁85の間隔は部品テープ90の幅方向
寸法よりも大きくなっている。切替部材53が本体部51に取り付けられるとローディング部54の後側スプロケット65の歯の一部が両当接壁85の間に露出する。
また、切替部材53が本体部51に取り付けられると巻ばねの弾性復帰力によって両当接壁85に上側向きの力が働くので、後側送出路63内において切替部材53が保持される。これにより切替部材53が本体部51から外れることが抑制される。
【0057】
図8は第1のテープ送出路63Aに挿入された部品テープ90がローディング部54によって送られて送り装置55に到達し、送り装置55の前側スプロケット68に嵌合している状態(すなわち
図5に示す状態)を示している。部品テープ90が前側スプロケット68に嵌合していることにより、第1のテープ送出路63Aに挿入(セット)されてローディングされた部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替えても部品テープ90の送り動作が行われ得る。
【0058】
この状態で作業者が切替部材53を取り外すと、
図7に示すように、部品テープ90が重力によって下に移動する。その状態で作業者が切替部材53を取り付けると、
図9に示すように、後側送出路63が切替部材53によって再び第1のテープ送出路63Aと第2のテープ送出路63Bとに仕切られ、部品テープ90のテープ送出路が第1のテープ送出路63Aから第2のテープ送出路63Bに切り替わる。
【0059】
(2)部品実装装置の電気的構成
図10に示すように、部品実装装置10は制御部101、表示部102、及び、操作部103を備えている。制御部101は演算処理部104、モータ制御部105、記憶部106、画像処理部107、外部入出力部108、フィーダ通信部109、サーバ通信部110などを備えている。
【0060】
演算処理部104はCPU、ROM、RAMなどを備えており、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することによって表面実装機1の各部を制御する。なお、演算処理部104はCPUに替えて、あるいはCPUに加えてASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などを備えていてもよい。
【0061】
モータ制御部105は演算処理部104の制御の下でX軸サーボモータ111、Y軸サーボモータ112、Z軸サーボモータ113、R軸サーボモータ114、コンベア駆動モータ115などの各モータを回転させる。
記憶部106には各種のデータが記憶されている。各種のデータには生産が予定されている基板Pの生産枚数や品種に関する情報、部品Eの実装座標や実装角度に関する情報、部品Eの実装順序に関する情報等が含まれている。
【0062】
画像処理部107は部品撮像カメラ18から出力される画像信号が取り込まれるように構成されており、出力された画像信号に基づいてデジタル画像を生成する。
外部入出力部108はいわゆるインターフェースであり、部品実装装置10の本体に設けられている各種センサ類116から出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、外部入出力部108は演算処理部104から出力される制御信号に基づいて各種アクチュエータ類117に対する動作制御を行うように構成されている。
【0063】
フィーダ通信部109は各テープフィーダ50のフィーダ制御部と接続されている。制御部101はフィーダ通信部109を介してテープフィーダ50を制御する。また、制御部101にはフィーダ通信部109を介して各テープフィーダ50のテープセンサの検出信号が送信される。
サーバ通信部110はテープ部品供給装置40に取り付けられている各テープフィーダ50に関する情報を管理するサーバコンピュータ120(以下、単に「サーバ120」という)と通信するためのものであり、LAN(Local Area Network)などの通信ネットワークを介してサーバ120と通信可能に接続されている。
【0064】
表示部102は液晶ディスプレイなどの表示装置及びその表示装置を駆動する駆動回路などを備えている。詳しくは後述するが、表示部102には第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセット可能になった場合にプリセット可能であることが表示(報知の一例)される。
操作部103はタッチパネル、キーボード、マウスなどの入力装置を備えている。作業者は操作部103を操作して各種の設定などを行うことができる。
【0065】
(3)テープフィーダの管理テーブル
次に、
図11を参照して、サーバ120に記憶されている管理テーブル130(管理情報の一例)について説明する。管理テーブル130はテープ部品供給装置40に取り付けられている各テープフィーダ50に関する情報を一元的に管理するためのテーブルである。
図11(A)に示すように、管理テーブル130はフィーダセット位置欄、フィーダID欄、第1リールID欄、及び、第2リールID欄を有している。なお、管理テーブル130にはその他の欄もあるがここでは省略する。
【0066】
フィーダセット位置欄にはテープ部品供給装置40のフィーダ取付部41においてテープフィーダ50が取り付けられている位置が予め登録される。フィーダID欄にはテープ部品供給装置40のフィーダ取付部41に取り付けられているテープフィーダ50のフィーダIDが予め登録される。
具体的には、テープフィーダ50はフィーダセット位置に対応して通信できるよう電気的に部品実装装置10と接続されている。このため、制御部101はテープフィーダ50のフィーダIDやフィーダセット位置を認識することができる。認識されたフィーダIDやフィーダセット位置は制御部101からサーバ120に送信され、フィーダIDとフィーダセット位置とが対応付けられて管理テーブル130に登録される。
【0067】
第1リールID欄には、テープフィーダ50内に一の部品テープ90のみが存在する場合に、当該部品テープ90が捲き回されているリールのリールIDが登録される。第2リールID欄には、テープフィーダ50内に二つの部品テープ90(すなわち先行する部品テープ90及び後続の部品テープ90)が存在する場合に、第2のテープ送出路に存在する部品テープ90のリールIDが登録される。
【0068】
第1リールID欄にリールIDが登録されるのは、後述するバーコードリーダによってリールIDが読み込まれた後、第1のテープセンサ57によって部品テープ90が検出されたときである。また、第1リールID欄に登録されているリールIDが消去されるのは、第1リールID欄にリールIDが登録されており、且つ、第2リールID欄にリールIDが登録されていない場合に、部品テープ90が部品切れと判断されて部品テープ90が排出されたときである。第1リールID欄及び第2リールID欄の両方にリールIDが登録されている場合は、部品切れと判断されると第2リールID欄に登録されているリールIDが消去される。
【0069】
図12に示すテープフィーダ50は基板Pへの部品Eの実装(以下、生産ともいう)を開始する前の状態であり、基板Pの生産を開始するために作業者が第1のテープ送出路63Aに最初の部品テープ90をセットした状態を示している。
【0070】
作業者はテープフィーダ50に部品テープ90をセットする前に、セットしようとする部品テープ90が捲き回されているテープリール42のリールIDを、サーバ120と通信可能に接続されている図示しない携帯型のバーコードリーダによって読み取り、その後に当該テープフィーダの第1のテープ送出路63Aに部品テープ90の先端部をセットする。第1のテープ送出路63Aに部品テープ90の先端部をセットすると第1のテープセンサ57によって部品テープ90が検出され、読み込んだリールIDが当該フィーダセット位置の第1リールID欄に登録される。即ち、第1のテープ送出路63Aに新たな部品テープ90が挿入されて第1のテープセンサ57によって検出されときにリールIDが登録される。
【0071】
ここで、テープフィーダ50に前述したインジケータ61とは別にフィーダ指示用LEDを設け、読み込んだリールIDから分かる部品IDに応じて、部品テープ90をセットすべきテープフィーダ50のフィーダ指示用LEDを点灯させてもよい。このようにすると、作業者は部品テープ90をセットすべきテープフィーダ50を容易に把握することができる。
なお、リールIDの読み取りは部品テープ90を第1のテープ送出路にセット(あるいはプリセット)した後に行われてもよい。
【0072】
図11(B)に示すように、読み取られたフィーダID及びリールIDはサーバ120に送信され、送信されたリールIDは管理テーブル130においてそのフィーダIDと一致するフィーダIDが登録されている行の第1リールID欄に登録される。第1リールID欄にリールIDが登録されている状態で別の部品テープ90のリールIDが読み取られ、第1のテープセンサ57によって部品テープ90が検出された場合は、
図11(A)に示すように、第1リールID欄に登録されているリールIDが第2リールID欄に繰り上がり、当該別の部品テープ90のリールIDが第1リールID欄に登録される。
【0073】
即ち、第2リールID欄にリールIDが登録されるのは第1リールID欄にリールIDが登録されているときに後続の部品テープ90がプリセットされた場合であり、今まで第1リール欄に登録されていたリールIDが第2リールID欄にシフトする。
【0074】
なお、本実施形態では第1のテープセンサ57が後側スプロケット65の下流側に設けられており、セット(あるいはプリセット)された部品テープ90が後側スプロケット65に嵌合してから更に進んだ位置で部品テープ90を検出するが、部品テープ90がスプロケット65に嵌合した位置であれば後側スプロケット65の上流側に設けてもよい。
【0075】
また、複数のリール42を夫々複数のテープフィーダ50に取り付ける場合があるが、上記一連の読み取り及び登録はテープフィーダ50とリール42との組毎に行なわれる。即ち、フィーダIDを複数連続して若しくはリールIDを複数連続して読み込むとアラームが発生され、読み取りが受け付けられない。
【0076】
テープ送出路が第2のテープ送出路63Bに切り替えられた部品テープ90が部品切れとなって排出された場合は、
図11(C)に示すように、第2リールID欄からリールIDが削除される。
【0077】
なお、ローディングされた部品テープ90が第2のテープ送出路63Bに切り替えられなかった場合は第1リールID欄だけにリールIDが登録されている状態となる。更に言えば、切り替えられても後続の部品テープ90がプリセットされなければその状態が維持される。その場合、当該部品テープ90(すなわちローディングされた部品テープ90)によって部品が供給されて当該部品テープ90が部品切れになるとその部品テープ90が排出される。そして、第1リールID欄からリールIDが削除され、どちらのリールID欄にもリールIDが登録されていない状態となる。
【0078】
また、第1のテープ送出路63Aにも第2のテープ送出路63Bにも部品テープ90がある場合(すなわちテープフィーダ50内に2つの部品テープ90が存在する場合)に、第1のテープ送出路63Aにプリセットされている部品テープ90が何らかの理由で引き抜かれた場合は、第1のテープセンサ57によって部品テープ90が検出されなくなることにより、第1リールID欄に登録されているリールIDが削除される。
【0079】
この場合は、第2リールID欄に登録されているリールIDが第1のリールID欄に繰り下がる。すなわち、第1リールID欄に登録されているリールIDは必ずしも第1のテープ送出路63Aにプリセットされている部品テープ90が捲き回されているリールのリールIDであるとは限らず、第2のテープ送出路63Bにある部品テープ90が捲き回されているリールのリールIDである場合もある。
【0080】
なお、管理テーブル130はサーバ120のみでなく、部品実装装置10の制御部101の記憶部106にも当該装置分については同じデータが記憶されていてもよい。
また、プリセット可能か否かを判断するのみならば、管理テーブル130の第1リールID欄及び第2リールID欄にはリールIDではなく部品テープ90の有無が登録されてもよい。
【0081】
(4)プリセット可能の表示
本実施形態では、部品テープ90がない状態で第1のテープ送出路63Aに部品テープ90を挿入して後側スプロケット65の歯に嵌合させ、その嵌合状態を維持するように切替部材53で抑えた状態にすることを部品テープ90のセットという。
そして、本実施形態では、先にセットされた部品テープ90がローディングされて部品Eを供給可能になっている状態で後続の部品テープ90を第1のテープ送出路にセットすることをプリセットという。すなわち、プリセットはセットの特別な場合である。
【0082】
制御部101は第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセット可能であるか否かを上述した管理テーブル130と各テープセンサの検出結果とから判断し、プリセット可能になると、プリセット可能であることを、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90がプリセットされるまで表示部102に継続して表示させる。ここで、プリセット可能であると判断されるのは、第1リールID欄にリールIDが登録されているが、第2リールID欄にはリールIDが登録されていない場合である。
【0083】
また、部品テープがプリセットされたことは、
図11(C)に示すように、第1リールID欄にリールIDが登録されており、第2リールID欄にリールIDが登録されていない場合に、第1のテープセンサ57によって部品テープが検出されたときに判断される。
【0084】
ここで、プリセット可能であるか否かを第1〜第3のテープセンサではなく管理テーブル130から判断する理由は、第1〜第3のテープセンサのオン(部品テープ90あり)/オフ(部品テープ90なし)の検出結果の組み合わせだけではプリセット可能であるか否かを適切に判断できないからである。以下、具体的に説明する。
【0085】
第1〜第3のテープセンサによって部品テープ90が同時に検出される場合としては、
図5に示すように3つのテープセンサが同一の部品テープ90を検出している場合と、
図13に示すように第1のテープセンサ57が第1のテープ送出路63Aに挿入されている部品テープ90を検出し、第2〜第3のテープセンサが第2のテープ送出路63Bに挿通されている別の部品テープ90を検出している場合とがある。
【0086】
図5に示す場合は、第1のテープ送出路63Aに挿入されている部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替えると第1のテープ送出路63Aが空くので、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセットすることができる。これに対し、
図13に示す場合は第1のテープ送出路63A及び第2のテープ送出路63Bのどちらにも部品テープ90があるので別の部品テープ90をプリセットすることができない。このように、第1〜第3のテープセンサだけではプリセット可能であるか否かを適切に判断できないので、第1〜第3のテープセンサはプリセット可能の表示において補助的に用いられる。
【0087】
次に、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセット可能になる場合について具体的に説明する。本実施形態ではプリセット可能になる場合として以下の2つの場合がある。
【0088】
(場合A)
第1のテープ送出路63A及び第2のテープ送出路63Bのどちらにも部品テープ90がない状態で第1のテープ送出路63Aに部品テープ90がセットされ、その部品テープ90がローディングされた場合。
第1のテープ送出路63A及び第2のテープ送出路63Bのどちらにも部品テープ90がない状態で第1のテープ送出路63Aに部品テープ90がセットされると当該部品テープ90がローディングされる。なお、部品テープ90のローディングが開始されるのは、部品テープ90をテープ送出路63Aにセットして、テープフィーダ50の操作部71が操作されたとき、または段取り替え後等に表面実装機1の運転スタートボタンが押されたときなどである。
そのローディングが完了すると、作業者はローディングされた部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替えることにより、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセットすることができる。
【0089】
なお、ローディングが完了していなくても前側スプロケット68に部品テープ90が嵌合しさえすればテープ送出路の切り替えをすることは可能であり、プリセットすることは可能である。但し、部品テープ90が前側スプロケット68に嵌合したことは第3のテープセンサ59によって部品テープ90が検出されるまで判断ができないため、第3のテープセンサ59に検出されたならばプリセット可能の表示を行うことができる。
【0090】
すなわち、部品テープ90がテープ送出路63Aに挿入されて
図11(B)に示すように第1リールIDが登録されてから、ローディングが開始され、第3のテープセンサ59に検出されたならば、プリセット可能の表示を行うことができる。ローディングが完了するのは部品Eが吸着できるように部品テープ90が停止したときであるので、部品テープ90が停止してローディングが完了してからプリセット可能の表示を行うことが好ましい。
【0091】
また、本実施形態では、送り装置55には前側スプロケット68を1個のみ設けているが、送り装置55にスプロケットをテープ送出路に沿って2個設け、1個のスプロケットに嵌合した後に更に送られた部品テープ90がもう1個のスプロケットに嵌合する形態としてもよい。この場合には、最初のスプロケットにテープが嵌合したならばテープ送出路の切り替えをすることができる。この場合には部品テープ90から部品Eを露出するためにカバーテープを取り除く露出装置をこの2つのスプロケットの間に設けるとよく、また部品テープ90を検出するテープセンサも送り装置55内の最初のスプロケットと露出装置との間に設置することが考えられ、このテープセンサに部品テープ90が検出されたならばプリセット可能の表示を行うことができる。
【0092】
(場合B)
テープ送出路が第2のテープ送出路63Bに切り替えられている部品テープ90が部品切れになると当該部品テープ90が排出され、第1のテープ送出路63Aにプリセットされている部品テープ90がローディングされた場合。
テープ送出路が第2のテープ送出路63Bに切り替えられている部品テープ90が部品切れになると、当該部品テープ90が排出され、第1のテープ送出路63Aにプリセットされている部品テープ90が自動でローディングされる。そのローディングが完了すると、作業者はローディングされた部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替えることにより、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセットすることができる。場合Bはその他の点において場合Aと同様である。
【0093】
次に、管理テーブル130を用いたプリセット可能の表示の流れについてより具体的に説明する。
前述したように、
図12は作業者が第1のテープ送出路63Aに最初の部品テープ90をセットした状態を示している。この場合、
図11(B)に示すように、第1リールID欄にリールIDが登録されることにより、第1リールID欄及び第2リールID欄のどちらにもリールIDが登録されていない状態から、第1リールID欄だけにリールIDが登録されている状態に変化する。
【0094】
制御部101は、第1リールID欄だけにリールIDが登録されている状態に変化すると、第1のテープ送出路63Aにプリセットされている部品テープ90をローディング部54によって送り装置55に送り出す(すなわち当該部品テープ90をローディングする)。
なお、前述したように、部品テープ90のローディングが開始されるのは、部品テープ90をテープ送出路63Aにセットして、テープフィーダ50の操作部71が操作されたとき、または段取り替え後等に表面実装機1自体の運転スタートボタンが押されたとき等である。
【0095】
そして、制御部101は第3のテープセンサ59によって部品テープ90が検出されるとローディングが完了した(言い換えると部品テープ90が送り装置55に到達した)と見做してローディング部54を停止させる。これにより、第1のテープ送出路63Aにセットされた部品テープ90のローディングが完了する(すなわち前述した場合Aが成立する)。
【0096】
なお、第1のテープ送出路63Aに部品テープ90がセット(あるいはプリセット)された後、ローディングが開始される前にその部品テープ90が引き抜かれた場合は、第1のテープセンサ57によって部品テープ90が検出されなくなるので、その情報が部品実装装置10の制御部101からサーバ120に送信され、第1リールID欄からリールIDが削除される。このためローディングは行われない。または、第1のテープセンサ57により部品テープ90が検出されないことを制御部101が検出した場合はローディングを行なわない(即ちモータ64を回転させない)ように制御してもよい。
【0097】
制御部101は、ローディングが完了すると、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセット可能であることを、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90がプリセットされるまで表示部102に継続して表示させる。表示の具体的な態様についての説明は後述する。
即ち、管理テーブル130が、第1リールID欄のみにリールIDが登録されている状態(
図11(B)に示す状態)に変化するとローディングが開始され、部品テープ90が前側スプロケット68に嵌合して更に第3のテープセンサ59によって検出されるとローディングが完了したと看做され、プリセット可能の表示が開始される。
【0098】
表示部102を見てプリセット可能であることを知った作業者は、
図13に示すように、第1のテープ送出路63Aに挿入されている部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替え、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセットする。このときも作業者はバーコードスキャナによってフィーダIDとリールIDとを読み取った後に後続の部品テープ90を第1のテープ送出路にプリセットする。
【0099】
図11(A)に示すように、プリセットされた部品テープ90が第1のテープセンサ57によって検出されると、第1リールID欄に登録されているリールIDが第2リールID欄に繰り上げられ、プリセットされた部品テープ90のリールIDが第1リールID欄に登録される。すなわち、第1リールID欄だけにリールIDが登録されている状態から第1リールID欄及び第2リールID欄のどちらにもリールIDが登録されている状態に変化する。この状態に変化すると制御部101は第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90がプリセットされたと判断し、プリセット可能であることの表示を取り消す。
【0100】
作業者によってテープ送出路が第2のテープ送出路63Bに切り替えられた部品テープ90は送り装置55によって順に送られ、部品実装装置10に部品Eが供給される。制御部101は第2のテープセンサ58によって部品テープ90が検出されなくなり、且つ、実装ヘッド14が一定回数(例えば3回)以上連続して部品Eの吸着に失敗すると部品切れになったと判断する。
【0101】
なお、部品Eが部品切れになったか否かを判断する方法はこれに限られるものではなく、適宜の方法で判断することができる。例えば一つの部品テープ90から吸着した部品Eの数をカウントし、カウントした数がその部品テープ90に収容されている部品Eの数に達した場合に部品切れになったと判断してもよいし、部品テープ90が全て送られて第3のテープセンサ59によって検出されなくなった場合に部品切れになったと判断してもよい。
【0102】
制御部101は部品切れになったと判断すると、送り装置55を回転させて当該部品テープ90を前側に排出する。
図11(C)に示すように、排出した部品テープ90のリールIDは管理テーブル130の第2リールID欄から削除される。これにより、第1リールID欄及び第2リールID欄のどちらにもリールIDが登録されている状態から、第1リールID欄だけにリールIDが登録されている状態に変化する。
【0103】
なお、排出対象の部品テープ90は後続の部品テープ90がローディングされて排出対象の部品テープ90を押し出すことによってはじめて完全に排出される場合がある。この場合、排出対象の部品テープ90を後続の部品テープ90が押し出すのでテープの切れ目が分からない可能性がある。このため、排出対象の部品テープ90を排出するために前側スプロケット68が連続的な回転を開始した時点で当該排出対象の部品テープ90が排出されと見做してリールIDを削除してもよい。若しくは、前側スプロケット68が連続的な回転を開始してから所定時間経った時点で排出されたと見做して削除してもよい。
【0104】
制御部101は、第1リールID欄だけにリールIDが登録されている状態に変化すると、第1のテープ送出路63Aにプリセットされている部品テープ90をローディングする(すなわち前述した場合Bが成立する)。制御部101は、ローディングが完了すると、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセット可能であることを表示部102に表示させる。以降の動作は同じであるので説明は省略する。
【0105】
なお、第1のテープ送出路63Aにセットされた部品テープ90がローディングされた後に作業者が後続の部品テープ90をプリセットしなかった場合は、ローディングされた部品テープ90が第1のテープ送出路63Aに挿通された状態のままで順に送られて部品が供給され、部品切れになると排出される。そして、その部品テープ90のリールIDが第1リールID欄から削除される。この場合は第1リールID欄及び第2リールID欄のどちらにもリールIDが登録されていない状態になるので、プリセット可能の表示が取り消される。
【0106】
また、表面実装機1から離れた場所に設置されているパーソナルコンピュータにもプリセット可能であることを表示する場合は、表示部102やテープフィーダ50にはローディングが完了するまでプリセット可能であることを表示しないが、パーソナルコンピュータではプリセット可能であるか否かを管理テーブル130のみから判断してプリセット可能の表示を行ってもよい。
【0107】
または、
図11(A)の状態であることを把握しているときに部品切れが発生したことを制御部101が判断した後、部品テープ90の排出指令をして更にローディング指令をしたことを制御部101が記憶していて、その後に第3のテープセンサ59が部品テープ90を検出したときにプリセット可能の表示を行うように制御してもよい。
【0108】
(5)プリセット可能の判断処理
次に、
図14を参照して、制御部101によって実行されるプリセット可能の判断処理について説明する。本処理は前述した管理テーブル130の状態が変化する毎に実行される。
【0109】
S101では、制御部101は対象となるテープフィーダ50が自動で部品テープ90をローディングする機能を備えるテープフィーダであるか否かを判断し、自動で部品テープ90をローディングする機能を備えるテープフィーダである場合はS102に進み、そうでない場合は本処理を終了する。
S102では、制御部101は管理テーブル130の第1リールID欄及び第2リールID欄のどちらにもリールIDが登録されていないか否かを判断し、少なくとも一方に登録されている場合はS103に進み、どちらにもリールIDが登録されていない場合はプリセット可能の表示は不要であると判断して本処理を終了する。
【0110】
S103では、制御部101は管理テーブル130の第1リールID欄及び第2リールID欄のどちらにもリールIDが登録されているか否かを判断し、一方のリールID欄のみにリールIDが登録されている場合はS104に進み、どちらにもリールIDが登録されている場合はプリセット不可であると判断して本処理を終了する。
【0111】
S104では、制御部101は第1のテープ送出路63Aにプリセットされた部品テープ90のローディングが完了しているか否かを、第3のテープセンサ59が部品テープ90を検出しているか否かによって判断し、完了していない場合はS105に進み、完了している場合はS106に進む。
S105では、制御部101はローディングが完了するまで待機する。
S106では、制御部101はプリセット可能であることを表示部102に表示させる。
【0112】
(6)プリセット可能の表示の態様
次に、プリセット可能の表示の態様について説明する。本実施形態では、プリセット可能であることを表示部102、及び、テープフィーダ50のインジケータ61を用いて表示する。
【0113】
(6―1)表示部を用いた表示
図15に示す管理画面150は表示部102に表示される画面である。管理画面150はテープフィーダ50を管理するための画面であり、大きく作業指示領域151、生産モニタ領域152、メッセージ領域153、及び、グリッド領域154で構成されている。
【0114】
作業指示領域151は作業者が部品実装装置10やテープ部品供給装置40に対する各種の操作を行うための領域である。
生産モニタ領域152は作業者がテープフィーダ50の状態をモニタするための領域である。生産モニタ領域152には部品実装装置10に接続されているテープ部品供給装置40が模式的に表示される。そして、各テープ部品供給装置40の上にそのテープ部品供給装置40に取り付けられているテープフィーダ50が縦長の長方形155によって模式的に表示される。
【0115】
図16はテープフィーダ50を表す縦長の長方形155を拡大して示している。縦長の長方形155の内側の色は部品Eを供給中の部品テープ90(すなわちローディングされた部品テープ90)に収容されている部品Eの残数を示している。具体的には、前述したテープフィーダ50のインジケータ61と同様に、部品Eの残数が十分に多い場合は長方形155の内側が緑色で表示され、残数が少なくなっている場合は黄色、残数が非常に少なくなっている場合は赤色で表示される。
【0116】
テープフィーダ50に後続の部品テープ90をプリセット可能な場合は、縦長の長方形155にマゼンタ色の枠156が表示される。これにより、作業者はそのテープフィーダ50に後続の部品テープ90をプリセット可能であることを知ることができる。そして、後続の部品テープ90がプリセットされるとマゼンタ色の枠156が消去される。
なお、枠156の色はマゼンタ色に限定されるものではなく、適宜に決定することができる。また、枠156は点滅表示されてもよい。
【0117】
メッセージ領域153はテープフィーダ50に関する各種のメッセージが表示される領域である。複数のテープフィーダ50の中に一つでもプリセット可能なテープフィーダ50がある場合はメッセージ領域153に「プリセット可能です」というメッセージが表示される。また、プリセット可能なテープフィーダ50が複数ある場合は、最も下流側(左側)にあるテープフィーダ50の取り付け位置も表示される。このメッセージにより、作業者は少なくとも一つのテープフィーダ50に後続の部品テープ90をプリセット可能であることを知ることができる。
【0118】
グリッド領域154は各テープフィーダ50に関する詳細な情報が表形式で表示される領域である。グリッドにはプリセット可能であるか否かを示す欄があり、プリセット可能なテープフィーダ50の場合は当該欄にプリセット可能であることを示す「*」が表示される。
【0119】
(6―2)テープフィーダのインジケータ61を用いた表示
図6に示すように、後続の部品テープ90をプリセット可能な場合は、部品Eを供給中の部品テープ90の部品Eの残数に応じたいずれかのLED70が点灯から点滅に切り替えられる。これにより、作業者はそのテープフィーダ50に後続の部品テープ90をプリセット可能であることを知ることができる。そして、後続の部品テープ90がプリセットされるとそのLED70が点滅から点灯に戻される。
なお、プリセット可能であることはLED70の点滅ではなく点灯によって表示されてもよいし、明滅によって表示されてもよい。
【0120】
(7)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係る報知装置(制御部101及び表示部102)によると、テープフィーダ50に一の部品テープ90のみが存在すると判断した場合はテープフィーダ50に後続の部品テープ90をプリセット可能であることを表示するので、作業者は後続の部品テープ90をプリセット可能であることを知ることができる。よって報知装置によると、プリセットされている部品テープ90をローディングするテープフィーダ50において、部品テープ90をプリセットする作業者の利便性を向上させることができる。
【0121】
また、報知装置によると、プリセット可能であることが継続して表示されるので、作業者は何かの用事で報知装置に立ち寄った際に、後続の部品テープ90をプリセット可能であることを容易に知ることができる。そして、プリセット可能であることを知った作業者はその用事のついでに部品テープ90をプリセットすることができる。このため、作業者はプリセット可能になる度に他の作業を中断してテープフィーダ50が設置されている場所まで行かなくてよい。よって報知装置によると、部品テープ90をプリセットする作業者の作業効率を向上させることができる。
【0122】
また、報知装置によると、テープフィーダ50内に一の部品テープ90のみが存在する場合は、当該一の部品テープ90がローディング部54によって送られて送り装置55に到達した後に、後続の前記部品テープ90をプリセット可能であることを表示部102に表示させるので、作業者は先行する部品テープ90のローディングが完了した後に後続の部品テープ90をプリセットすることになる。これにより、先行する部品テープ90のローディング中に後続の部品テープ90がプリセットされてしまう可能性を低減できる。
【0123】
また、報知装置によると、テープ送出路が第1のテープ送出路と第2のテープ送出路とに分かれているテープフィーダ50において、作業者は第1のテープ送出路に後続の部品テープ90をプリセット可能であることを知ることができる。
【0124】
また、報知装置によると、後続の部品テープ90をプリセット可能であることを、部品Eを供給中の部品テープ90に収容されている部品Eの残数に関する情報(縦長の長方形155の内側の色)と共に表示部102に表示させる。部品Eを供給中の部品テープ90の部品Eの残数が少ない場合は、作業者は極力早く後続の部品テープ90をプリセットすることが望ましい。報知装置によると、作業者は部品Eの残数に関する情報から部品Eを供給中の部品テープ90の部品Eの残数を知ることができるので、部品Eの残数が少ない場合は直ぐにプリセットを行うことにより、部品切れによって部品実装装置10の実装動作が停止してしまう可能性を低減することができる。また、報知装置によると、複数のテープフィーダ50に後続の部品テープ90をプリセット可能な場合に、部品Eの残数に関する情報から、後続の部品テープ90を優先的にプリセットすべきテープフィーダ50を判断することもできる。
【0125】
また、報知装置によると、後続の部品テープ90をプリセット可能であることを、表示部102による表示に加えてテープフィーダ50のLED70の点灯、点滅あるいは明滅によっても表示するので、作業者は後続の部品テープ90をプリセット可能であるか否かをより把握し易くなる。
【0126】
<実施形態2>
次に、実施形態2を
図17によって説明する。
実施形態2は実施形態1の変形例である。実施形態2では以下の(A)及び(B)の場合にはプリセット可能であることを表示しない。
【0127】
(A)部品実装装置10が最初の基板Pへの部品Eの実装(以下「生産」という)を開始してから所定の枚数の基板Pの生産が完了するまで。
基板Pの生産を開始する場合は、作業者は複数のテープフィーダ50の第1のテープ送出路63Aにそれぞれ部品テープ90をセットする。この場合、セットされた部品テープ90がローディングされることにより、各テープフィーダ50に後続の部品テープ90をプリセットすることが可能になる。
【0128】
しかしながら、生産を開始する場合は最初にセットした部品テープ90によって暫くの間は部品Eを供給することができるので、先ずは全てのテープフィーダ50に最初の部品テープ90をセットして生産を開始し、プリセットについてはその後に行うことが望ましい。この場合にも後続の部品テープ90をプリセット可能であることを表示すると、場合によっては過剰な表示になってしまう。このため、制御部101は、生産を開始してから所定枚数の基板Pを生産するまではプリセット可能であることを表示しない。
【0129】
(B)ローディングされて部品実装装置10に部品Eを供給中の部品テープ90に収容されている部品Eによって部品実装装置10が生産を予定している枚数の基板Pの生産を完了できる場合
例えば10枚の基板Pの生産が予定されており、1枚当たり5個の部品Eが実装されるとする。この場合、7枚の基板Pの生産が完了した時点で部品テープ90が部品切れになったとすると、その時点で第1のテープ送出路63Aにプリセットされている部品テープ90がローディングされる。
【0130】
前述した実施形態1では、ローディングが完了すると後続の部品テープ90のプリセットが可能であることが表示される。しかしながら、ローディングされた部品テープ90に15個以上の部品Eが収容されていれば残りの基板Pを生産できるので、後続の部品テープ90をプリセットする必要はない。にもかかわらずプリセット可能であることを表示すると作業者に無駄なプリセットを行わせてしまうことになる。
【0131】
そこで、制御部101は、ローディングされた部品テープ90に収容されている部品Eの数と、生産が予定されている残りの基板Pに実装する部品Eの総数とを比較し、ローディングされた部品テープ90に収容されている部品Eの数が、残りの基板Pに実装する部品Eの総数以上である場合は、後続の部品テープ90をプリセット可能であってもプリセット可能であることを表示しない。
【0132】
次に、
図17を参照して、実施形態2に係る制御部101によって実行されるプリセット可能の判断処理について説明する。
S101〜S106は実施形態1と同じであるので説明は省略する。
S201では、制御部101は部品実装装置10が最初の基板Pの生産を開始してから所定の枚数の基板Pの生産が完了したか否かを判断し、完了している場合はS202に進み、完了していない場合はプリセット可能であることを表示することなく本処理を終了する。
【0133】
S202では、制御部101はローディングされた部品テープ90に収容されている部品Eによって部品実装装置10が生産を予定している枚数の基板Pの生産を完了できるか否かを判断し、できない場合はS106に進み、できる場合はプリセット可能であることを表示することなく本処理を終了する。
【0134】
以上説明した実施形態2に係る報知装置によると、部品実装装置10が最初の基板Pへの部品Eの実装を開始してから所定の枚数の基板Pへの部品Eの実装が完了するまでは後続の部品テープ90をプリセット可能であることを表示部102に表示させないので、過剰な表示を抑制することができる。
【0135】
また、報知装置によると、部品Eを供給中の部品テープ90に収容されている部品Eによって部品実装装置10が実装予定枚数の基板Pへの部品Eの実装を完了できる場合は後続の部品テープ90をプリセット可能であることを表示部102に表示させないので、作業者に無駄なプリセットを行わせてしまわないようにすることができる。
【0136】
<実施形態3>
次に、実施形態3を
図18によって説明する。
テープ部品供給装置40によってはリール42を配置するための空間が狭く、小径のリール42(直径が基準値未満のリール42)であれば2つ同時に配置することができても、大径のリール42(直径が基準値以上のリール42)の場合は2つ同時に配置できない場合もある。この場合、部品テープ90のローディングが完了したタイミングでプリセット可能であることを表示しても、ローディングされた部品テープ90が捲き回されているリール42が配置されていることにより、作業者が別の部品テープ90をプリセットできない。
【0137】
このため、実施形態3に係る制御部101は、部品テープ90が捲き回されているリール42が大径のリール42である場合は、プリセット可能であることを実施形態1とは異なるタイミングで表示する。以下、具体的に説明する。
前述した実施形態1の「場合A」のように、第1のテープ送出路63Aにも第2のテープ送出路63Bにも部品テープ90がない状態で第1のテープ送出路63Aに部品テープ90がセットされると、ローディング部54によってその部品テープ90がローディングされる。実施形態3では、小径のリール42の場合は実施形態1と同様に部品テープ90のローディングが完了すると後続の部品テープ90をプリセット可能であることが表示される。
【0138】
これに対し、大径のリール42の場合は、部品テープ90のローディングが完了しても直ぐにはプリセット可能であることが表示されず、ローディングされた部品テープ90によって部品Eが供給されてその部品テープ90の残長が所定の長さ以下になった場合にプリセット可能であることが表示される。ここで所定の長さはm(メートル)単位で表されてもよいし、部品テープ90の部品Eの残数によって表されてもよい。
【0139】
この場合、プリセット可能であることを知った作業者は、ローディングされた部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替える。ただし、その部品テープ90の残りの部分(すなわち残長の部分)はまだ大径のリール42に捲き回されているので、そのままでは後続の部品テープ90のリール42を配置できない。
【0140】
このため、作業者は、ローディングされた部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替えた後(あるいは切り替える前)に、その部品テープ90の残りをリール42から外し、リール42だけを取り外す。これにより後続の部品テープ90のリール42を配置する空間を確保することができる。なお、リール42だけを取り外すとその部品テープ90の残りの部分は渦巻き状に丸まった状態でテープフィーダ50から垂れ下がった状態になるが、残長がある程度短くなっているのでその状態でも部品Eの供給には支障がない。
【0141】
そして、作業者は後続の部品テープ90のリール42を配置し、そのリール42に捲き回されている部品テープ90を第1のテープ送出路63Aにプリセットする。これにより、ローディングされた部品テープ90が部品切れになる前に後続の部品テープ90をプリセットすることができる。
【0142】
次に、
図18を参照して、実施形態3に係る制御部101によって実行されるプリセット可能の判定処理について説明する。
S101〜S106は実施形態1と同じであるので説明は省略する。
S301では、制御部101は大径のリール42であるか否かを判断し、大径のリール42ではない場合はS106に進み、大径のリール42である場合はS302に進む。
S302では、制御部101は部品テープ90のテープ残長が所定の長さ以下になるまで待機し、所定の長さ以下になるとS106に進む。
【0143】
以上説明した実施形態3に係る報知装置によると、大径のリール42の場合はそのリール42に捲き回されている部品テープ90の残長が所定の長さ以下になった場合にプリセット可能であることを表示するので、大径のリール42を2つ同時に配置できない場合であっても、作業者は部品Eを供給中の部品テープ90(すなわちローディングされた部品テープ90)の部品Eの残数がなくなる前に後続の部品テープ90をプリセットすることができる。
【0144】
<実施形態4>
次に、実施形態4を
図19によって説明する。
実施形態4に係る報知装置は、複数の表面実装機1(例えば工場の1フロアに設置されている全ての表面実装機1)で使用されている部品テープ90の部品Eの残数を一元的に監視する装置である。以降の説明では実施形態4に係る報知装置のことを部品残数モニタという。
【0145】
部品残数モニタは所謂パーソナルコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、通信部、表示部(液晶ディスプレイなど)、操作部(キーボード、マウス、タッチパネルなど)を備えており、実施形態1で説明したサーバ120と通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0146】
図19に示す部品残数モニタ画面170は部品残数モニタの表示部に表示される画面である。部品残数モニタ画面170には1フロアに設置されている各テープ部品供給装置40に取り付けられているテープフィーダ50に関する情報を表示するグリッド領域171が表示される。そして、プリセット可能なテープフィーダ50の場合はプリセット可能であるか否かを示す欄にプリセット可能であることを示す「*」が表示される。
【0147】
また、部品残数モニタ画面170では、テープフィーダ50毎にそのテープフィーダ50に関する情報が表示されている行の背景が、そのテープフィーダ50において部品Eを供給中の部品テープ90(すなわちローディングされた部品テープ90)の部品Eの残数に応じた色で表示される。
ただし、部品残数モニタ画面170では各行の枠の色を変更することができないので、プリセット可能なテープフィーダ50の場合は例えば文字がマゼンタ色で表示される。なお、プリセット可能なテープフィーダ50の場合は行の背景色を変更してもよい。プリセット可能なテープフィーダ50の表示は適宜の方法で行うことができる。
【0148】
以上説明した実施形態4に係る部品残数モニタによると、作業者は複数の部品実装装置10について、後続の部品テープ90をプリセット可能なテープフィーダ50を一覧で確認することができる。
【0149】
<実施形態5>
次に、実施形態5を
図20によって説明する。
前述したように、テープ部品供給装置40にはキャスター46が取り付けられている。このため作業者はテープ部品供給装置40を部品実装装置10とは別の場所(例えば部品テープ90の倉庫)に移動させて各テープフィーダ50に部品テープ90をセットすること(以下、「外段取り」という)も可能である。実施形態5に係る報知装置は、外段取りする場合に、各テープフィーダ50にセットすべき部品テープ90を作業者に案内する装置である。以降の説明では実施形態5に係る報知装置のことを外段取り装置という。
【0150】
外段取り装置は所謂パーソナルコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、通信部、表示部(液晶ディスプレイなど)、操作部(キーボード、マウス、タッチパネルなど)を備えており、実施形態1で説明したサーバ120と通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0151】
図20に示す外段ナビ画面160は外段取り装置の表示部に表示される画面である。外段ナビ画面160は、実施形態1で説明したグリッド領域154と同様のグリッド領域161、及び、テープ部品供給装置40が模式的に表示される表示領域162を有している。
【0152】
外段取りの場合も作業者はバーコードリーダによってフィーダIDやリールIDを読み取り、読み取られたそれらのIDがサーバ120に送信されて管理テーブル130に登録される。ただし、外段取り装置はテープ部品供給装置40からテープセンサの検出信号などを取得できないので、外段取り装置はプリセット可能であるか否かを管理テーブル130のみから判断する。
【0153】
具体的には、第1のテープ送出路63Aにも第2のテープ送出路63Bにも部品テープ90がない状態で作業者が第1のテープ送出路63Aに部品テープ90をセットすると第1リールID欄にリールIDが登録される。制御部101は、第1リールID欄だけにリールIDが登録されている状態に変化するとプリセット可能であることを表示させる。プリセット可能であることの表示の態様は実施形態1と実質的に同一であるので説明は省略する。
【0154】
プリセット可能であることを知った作業者は、テープフィーダ50に設けられているローディングボタンを操作してローディングを行わせた後、部品テープ90のテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに切り替え、第1のテープ送出路63Aに後続の部品テープ90をプリセットする。
後続の部品テープ90がプリセットされると、第1リールID欄及び第2リールID欄のどちらにもリールIDが登録されている状態になる。制御部101はこの状態になるとプリセット可能であることの表示を取り消す。
【0155】
なお、テープ部品供給装置40によって外段取り装置と通信ケーブルによって接続することによって外段取り装置がテープ部品供給装置40から各テープセンサの検出信号を取得できるものもある。その場合は、外段取り装置の制御部101はテープセンサの検出信号も確認する。
【0156】
以上説明した実施形態5に係る外段取り装置によると、テープ部品供給装置40を部品実装装置10とは別の場所に移動させて各テープフィーダ50に部品テープ90をセットする場合にも、部品テープ90をプリセットする作業者の作業効率を向上させることができる。
【0157】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0158】
(1)上記実施形態1では切替部として着脱可能な切替部材53を例に説明したが、これは一例であり、切替部はこれに限られるものではない。例えば、切替部は作業者が操作することによって左右に開くものであってもよい。その場合は切替部が左右に開いて第1のテープ送出路63Aにセット(あるいプリセット)されている部品テープ90が下に落ちることによってテープ送出路が第1のテープ送出路63Aから第2のテープ送出路63Bに切り替えられる。
【0159】
(2)上記実施形態1では作業者が切替部材53を着脱して部品テープ90のテープ送出路を第1のテープ送出路63Aから第2のテープ送出路63Bに手動で切り替える場合を例に説明したが、ローディングが完了したときにテープ送出路を第2のテープ送出路63Bに自動で切り換える構成であってもよい。例えば上述した左右に開く切替部の場合、モータによって切替部を左右に開くことによって自動で第2のテープ送出路63Bに切り替えてもよい。
【0160】
(3)上記実施形態で説明したプリセット可能の表示の態様は一例であり、これに限られるものではない。プリセット可能の表示の態様は適宜に決定することができる。
【0161】
(4)上記実施形態では後続の部品テープをプリセット可能であることを、後続の部品テープがプリセットされるまで報知部に継続して報知させる場合を例に説明した。これに対し、後続の部品テープがプリセットされるまでの間の一部の期間のみ報知してもよいし、断続的に報知してもよい。
【0162】
(5)上記実施形態ではテープ送出路が第1のテープ送出路と第2のテープ送出路とを有している場合を例に説明したが、テープ送出路は2つに分かれていなくてもよい。そして、一つのテープ送出路に2つの部品テープが挿入されてもよい。
【0163】
(6)上記実施形態では部品テープ90をプリセット可能であることを表示部102に表示することによって報知する場合を例に説明したが、例えば報知音によって報知してもよい。