(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長手方向中心軸(x)に沿って延び、除塵室(4)を取り囲むケーシング(3)であって、前記除塵室(4)へと延び入る、洗浄されるガスのためのガス入口(5)、および、前記除塵室(4)から延び出す、洗浄された前記ガスのためのガス出口(6)を有し、前記ガスのガス流を前記ガス入口(5)から前記ガス出口(6)への流れ方向(F)において前記除塵室(4)を通じて流せるように構成されるケーシング(3)と、
前記ガス入口(5)と前記ガス出口(6)との間で前記除塵室(4)に設けられ、前記ケーシング(3)との間に通路(28)を形成する偏向装置(11)と、
前記ケーシング(3)の前記ガス出口(6)と前記偏向装置(11)との間に配置され、除塵液体を前記除塵室(4)および前記ガス流へと噴霧するように構成される噴霧ノズル(8)と、
を備えた、ガスの洗浄のための除塵装置(1)であって、
当該除塵装置(1)は、前記ケーシング(3)と前記偏向装置(11)との間で延びると共に前記偏向装置(11)を少なくとも部分的に包囲する内側遮蔽体(20)を備えていること、並びに、前記内側遮蔽体(20)が前記ケーシング(3)と隙間(21)を形成し、前記隙間(21)が、前記ケーシング(3)に沿って前記隙間(21)を通って前記内側遮蔽体(20)を通り過ぎる除塵液体の下向きの流れを許容するために入口端(22)および出口端(23)を有しており、前記隙間(21)の出口端(23)は、前記ケーシング(3)の前記ガス入口(5)と前記ガス出口(6)との間に配置されていることを特徴とする、除塵装置(1)。
前記隙間(21)の前記入口端(22)は前記ガス出口(6)の方に開いており、前記隙間(21)の前記出口端(23)は前記ガス入口(5)の方に開いており、前記除塵液体の前記流れは、前記流れ方向(F)と反対の方向において前記入口端(22)から前記出口端(23)へと許容されていることを特徴とする、請求項1に記載の除塵装置(1)。
前記内側遮蔽体(20)は、前記内側遮蔽体(20)と前記ケーシング(3)との間の前記隙間(21)に環状の延在を与えるように前記偏向装置(11)の周りで延びていることを特徴とする、請求項1または2に記載の除塵装置(1)。
前記ケーシング(3)と前記内側遮蔽体(20)とは少なくとも部分的に同じ形の断面を有していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の除塵装置(1)。
前記内側遮蔽体(20)は、前記隙間(21)の前記出口端(23)から前記入口端(22)に向かう方向において前記隙間(21)を徐々に広げるように前記長手方向中心軸(x)の方へ内向きに傾斜させられる傾斜遮蔽部分(24)を備えていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の除塵装置(1)。
前記内側遮蔽体(20)は、前記傾斜遮蔽部分(24)から前記隙間(21)の前記出口端(23)の方へ前記ケーシング(3)と共に軸方向に延びる軸方向遮蔽部分(29)を備えていることを特徴とする、請求項5に記載の除塵装置(1)。
前記ケーシング(3)から前記隙間(21)へと内向きに延びると共に除塵液体を前記内側遮蔽体(20)に向かわせるように配置される流れ防止要素(27)を備えていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の除塵装置(1)。
前記除塵装置(1)は、前記ケーシング(3)から前記隙間(21)へと内向きに延びると共に除塵液体を前記内側遮蔽体(20)に向かわせるように配置される流れ防止要素(27)を備え、前記流れ防止要素(27)は前記傾斜遮蔽部分(24)の反対に設けられていることを特徴とする、請求項5または6に記載の除塵装置(1)。
前記隙間(21)の前記出口端(23)は、軸方向において前記上流の横断平面(Pa)より前記ガス入口(5)の近くに配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の除塵装置(1)。
前記隙間(21)の前記入口端(22)は、軸方向において前記下流の横断平面(Pb)より前記ガス出口(6)の近くに配置されていることを特徴とする、請求項9または10に記載の除塵装置(1)。
前記噴霧ノズル(8)は、軸方向において前記隙間(21)の前記入口端(22)より前記ガス出口(6)の近くに配置されていることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の除塵装置(1)。
前記除塵装置(1)は、前記偏向装置(11)から前記ケーシング(3)の方へ延びる少なくとも1つの搬送部材(30)を備え、前記少なくとも1つの搬送部材(30)は、除塵液体を前記偏向装置(11)から前記ケーシング(3)に向けて導くように構成されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の除塵装置(1)。
前記内側遮蔽体(20)は、前記内側遮蔽体(20)の内側から外側へと延びると共に、前記偏向装置(11)から前記隙間(21)への除塵液体の送り込みを許容するために前記少なくとも1つの搬送部材(30)と連通する少なくとも1つの開口(36)を備えていることを特徴とする、請求項13に記載の除塵装置(1)。
前記偏向装置(11)と前記ケーシング(3)との間の前記通路(28)は幅が変化しており、前記内側遮蔽体(20)は前記通路(28)の最も狭い部分を通じて延びていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の除塵装置(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、先に詳述した問題を克服することである。より正確には、本発明の目的は、除塵装置における除塵液体の同伴を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、除塵装置が、ケーシングと偏向装置との間で延びると共に偏向装置を少なくとも部分的に包囲する内側遮蔽体を備えることを特徴とする、最初に定められた除塵装置によって達成される。内側遮蔽体はケーシングと隙間を形成し、その隙間は、ケーシングに沿って隙間を通って内側遮蔽体を通り過ぎる除塵液体の下向きの流れを許容するために入口端および出口端を有する。
【0009】
したがって、除塵装置は、ケーシングの内側において偏向装置の外側で延びる内側遮蔽体を備える。内側遮蔽体は、内側遮蔽体とケーシングとの間で通路から隙間を仕切り、その隙間は入口端と出口端とを有する。内側遮蔽体は、隙間を通じた除塵液体の流れを許容するように構成される。
【0010】
除塵装置の動作の間、除塵液体の液滴が偏向装置に当たることになる。したがって、除塵液体は偏向装置において回収されることになる。この除塵液体は、典型的には偏向装置の上流の位置において、つまり、ガス入口と偏向装置との間で、除塵装置から排出されることになる。このような排出は、ケーシングにおけるガスの流れ方向と反対の方向における除塵液体の流れを必要とし得る。ケーシングと偏向装置との間の通路において、特にこの通路の最も狭い部分では、ガス入口からガス出口へと通過するガスの流速は、ケーシングの内側からある距離においてより、つまり、偏向装置のより近くにおいてより、ケーシングの内側の近く、または、ケーシングの内側において小さくなり得る。大きなガス流速は、反対の除塵液体の流れを妨げ、延いては除塵液体の排出を妨げ、除塵液体をガス流れ方向に押す可能性すらある。
【0011】
内側遮蔽体は、ケーシングの内側に沿って流れる除塵液体を、通路において流れ方向に大きさ速度で流れるガスから保護または遮蔽することができる。内側遮蔽体は、ガスが隙間における除塵液体と接触するのを防止でき、ガスが除塵液体をガス出口に向かうガス流へ同伴させるのを防止できる。したがって、通路からの除塵液体の同伴も低減でき、停滞させられる除塵液体および背圧も低減できる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、長手方向中心軸は、鉛直であり得る、または、鉛直方向に対して若干傾斜させられ得る。
【0013】
本発明の実施形態によれば、ガス入口はガス出口の下方に配置され得る。ガス入口とガス出口とは、同軸に配置されてもよいし配置されてなくてもよい。
【0014】
本発明の実施形態によれば、隙間の入口端はガス出口の方に開いており、隙間の出口端はガス入口の方に開いており、除塵液体の流れは、流れ方向と反対の方向において入口端から出口端へと許容される。したがって、除塵液体は、流れ方向と反対の方向において、邪魔されない様態で隙間を通じて液体出口手段の方へ流れることができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、内側遮蔽体は、内側遮蔽体とケーシングとの間の隙間に環状の延在を与えるように偏向装置の周りで延びる。環状の延在は、小さな設置面積が必要とされるときに有利である。さらに、除塵室を通る滑らかな流れが環状の延在によって確保され得る。
【0016】
本発明の実施形態によれば、ケーシングと内側遮蔽体とは、必ずしも同じ大きさではないが少なくとも部分的に同じ形の断面を有する。したがって、ケーシングと内側遮蔽体との間の隙間は、断面の平面において均一な厚さを持つことができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、内側遮蔽体は傾斜遮蔽部分を備える。傾斜遮蔽部分は、隙間の出口端から入口端に向かう方向において隙間を徐々に広げるように長手方向中心軸の方へ内向きに傾斜させられる。これは、隙間が反対方向において先細りにされることを意味する。傾斜遮蔽部分は、隙間の入口端を定め得る、または、内側遮蔽体の中間部分となり得る。傾斜遮蔽部分は、除塵液体の隙間への進入と案内とを容易にすることができる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、内側遮蔽体は、傾斜遮蔽部分から隙間の出口端の方へケーシングと共に軸方向に延びる軸方向遮蔽部分を備える。したがって、軸方向遮蔽部分はケーシングと平行に延び得る。
【0019】
本発明の実施形態によれば、除塵装置は、ケーシングの内側に対して垂直にかまたは垂直でなく、ケーシングから隙間へと内向きに延びると共に除塵液体を内側遮蔽体に向かわせるように配置される流れ防止要素を備える。流れ防止要素は、ケーシングの内側に沿って流れる除塵液体を内側遮蔽体へと向かわせ、それによって、隙間を向く内側遮蔽体の外側において除塵液体の流れを確保できる。除塵室を通じて流れるガスは高温または非常に高温になる可能性があり、内側遮蔽体の外側における除塵液体の流れは内側遮蔽体の冷却を確保できる。したがって、流れ防止要素は、内側遮蔽体の外側における除塵液体の液滴を防止できる。このような液滴は瞬間的に蒸発し、塩などの析出物を内側遮蔽体の外側に残すことができ、この析出物は、隙間の制限をもたらし、最終的に隙間の閉塞をもたらす可能性がある。
【0020】
本発明の実施形態によれば、除塵装置は、ケーシングの内側に対して垂直にかまたは垂直でなく、ケーシングから隙間へと内向きに延びると共に除塵液体を内側遮蔽体に向かわせるように配置される流れ防止要素を備え、その流れ防止要素は傾斜遮蔽部分の反対に設けられる。したがって、内側遮蔽体の外側における除塵液体の流れが、入口端から出口端へと、つまり、内側遮蔽体の全体の軸方向の長さに沿って、確保され得る。
【0021】
本発明の実施形態によれば、流れ防止要素は、内側遮蔽体からある距離における位置まで延びる。
【0022】
本発明の実施形態によれば、内側遮蔽体、延いては隙間は、軸方向の長さと、軸方向の長さに対して垂直な横断方向の長さとを有する。したがって、横断方向の長さは長手方向中心軸に対して垂直であり、ケーシングの内側で周囲方向に延びる。流れ防止要素は、内側遮蔽体および隙間の横断方向の長さの一部または全部に沿って延びることができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、偏向装置は、ガス入口の方へと向けられ、上流の横断平面と一致する外縁を有する上流表面と、ガス出口の方へと向けられ、下流の横断平面と一致する外縁を有する下流表面とを備える。上流の横断平面および下流の横断平面は、互いに対してずらされてもよく、または、一致してもよい。偏向装置の上流表面はガス入口から見える表面であり、1つの同じ構成要素または2つ以上の構成要素によって形成され得る。同様に、偏向装置の下流表面はガス出口から見える表面であり、1つの同じ構成要素または2つ以上の構成要素によって形成され得る。
【0024】
本発明の実施形態によれば、上流表面はガス入口に向けて先細りである。このような上流表面は、除塵室を通じて流れるガスを通路へと外向きに案内できる。通路は除塵室の流れ領域の制限を形成できるため、通路におけるガス速度は増加することになる。
【0025】
本発明の実施形態によれば、隙間の出口端は、軸方向において上流の横断平面よりガス入口の近くに位置させられる。したがって、内側遮蔽体は、ガス速度が比較的非常に高く、除塵液体の流れを遮蔽することに対する必要性が比較的大きい通路の高さに、位置させられ得る。
【0026】
本発明の実施形態によれば、隙間の入口端は、軸方向において下流の横断平面よりガス出口の近くに位置させられる。したがって、内側遮蔽体は、ガス速度が比較的非常に高く、除塵液体の流れを遮蔽することに対する必要性が比較的大きい通路の高さに、位置させられ得る。
【0027】
本発明の実施形態によれば、噴霧ノズルは、軸方向において隙間の入口端よりガス出口の近くに位置させられる。噴霧ノズルの噴霧角度は、典型的には60度から180度の間である。したがって、この実施形態は、噴霧ノズルから噴霧される除塵液体が隙間に入ることを可能にさせる。
【0028】
本発明の実施形態によれば、除塵装置は、偏向装置から延びると共に、除塵装置からの除塵液体の排出を容易にするために偏向装置からの除塵液体を案内するように構成される少なくとも1つの搬送部材を備える。少なくとも1つの搬送部材は、除塵装置の液体出口手段の方へ延び得る。
【0029】
本発明の実施形態によれば、除塵装置は、偏向装置からケーシングの方へ延びる少なくとも1つの搬送部材を備え、少なくとも1つの搬送部材は、除塵液体を偏向装置からケーシングに向けて導き、具体的には、ケーシングの内側に導くように構成される。したがって、偏向装置に到達する除塵液体は、液体出口手段への除塵液体の流れを形成することによってガス流による除塵液体の同伴をさらに低減するために、ケーシングの方へ搬送でき、具体的には、ケーシングの内側へと搬送できる。
【0030】
本発明の実施形態によれば、内側遮蔽体は、内側遮蔽体の内側から外側へと延びると共に、偏向装置から隙間への除塵液体の送り込みを許容するために少なくとも1つの搬送部材と連通する少なくとも1つの開口を備える。したがって、1つのまたは複数の搬送部材は、除塵液体を隙間へと直接的に搬送でき、ガスと除塵液体との間の接触を排除する。
【0031】
本発明の実施形態によれば、偏向装置とケーシングとの間の通路は幅が変化しており、内側遮蔽体は通路の最も狭い部分を通じて延びる。それによって、ガス速度、延いては除塵液体を遮蔽する必要性が、典型的には通路の最も狭い部分において最も大きいため、内側遮蔽体の最適な位置および延在が可能とされる。
【0032】
本発明の実施形態によれば、除塵装置は、ケーシングからガス出口の方へ内向きに延びる規制要素を備え、規制要素は規制要素とケーシングとの間にトレイを形成し、トレイは除塵液体を集めるように構成される。
【0033】
本発明の実施形態によれば、規制要素は、偏向装置の下流および内側遮蔽体の下流に設けられる。
【0034】
本発明の実施形態によれば、除塵装置は、上記の偏向装置が上流の偏向装置として内側に配置されるガス入口に隣接する上流の除塵区域と、さらなる偏向装置が下流の偏向装置として内側に配置されるガス出口に隣接する下流の除塵区域とを備える。内側遮蔽体は、上流の除塵区域において上流の偏向装置の軸方向の高さに設けられ得る。
【0035】
ここで、本発明は、様々な実施形態の記載を通じて、および、添付の図面を参照して、より厳密に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、例えば
図1において概略的に指示されている船舶エンジン2といった、エンジン、燃焼器、ボイラなどからの排気ガスなどのガスの洗浄のための直列除塵装置1を開示している。
【0038】
除塵装置1は、長手方向中心軸xに沿って延びると共に除塵室4を取り囲むケーシング3を備える。長手方向中心軸xは、
図1に指示されているように鉛直であり得る。除塵装置1は、下端を形成し得る第1の端1aと、上端を形成し得る第2の端1bとを有する。
【0039】
図4を見ると、第1の実施形態では、除塵装置1およびケーシング3は円形の断面を有する。
【0040】
ケーシング3は、洗浄されるガスのためのガス入口5と、洗浄されたガスのためのガス出口6とを備える。ガス入口5は、第1の端1aに設けられており、除塵室4へと延び入っている。ガス出口6は、第2の端1bに設けられており、除塵室4から延び出している。
【0041】
図1を見ると、第1の実施形態では、ガス入口5およびガス出口6は長手方向中心軸xと同軸である。
【0042】
ケーシング3は、ガスのガス流をガス入口5からガス出口6への流れ方向Fにおいて除塵室4を通じて流せるように構成されている。
【0043】
ガス入口5は、船舶エンジン2の排気管2aに接続されている入口管7を備える。
図2も見ると、入口管7は、第1の端1aにおいて除塵室4へと延び入っている。排気管2aおよび入口管7は長手方向中心軸xと一致して延び得る。
【0044】
除塵装置1は、除塵液体を除塵室4およびガス流へと噴霧するように構成された少なくとも1つの噴霧ノズル8を備える。開示されている実施形態では、除塵装置1は、
図1に指示されているように、例えば5つの噴霧ノズル8といった複数の噴霧ノズル8を備える。噴霧ノズル8の数は、除塵装置1の設計および大きさに適合させられ得る。
図1に例示された方向を見ると、各々の噴霧ノズル8は、ガス入口5の方および/またはガス出口6の方に向けられ得る。
【0045】
除塵装置1は、使用済の除塵液体を除塵室4から排出するための液体出口手段を備える。液体出口手段の第1の液体出口9がガス入口5の外側に設けられている。
図1および
図2において見られるように、第1の実施形態では、第1の液体出口9は環状とでき、入口管7の周りにおいてケーシング3の内側10と入口管7との間で延び得る。ケーシング3の内側10に沿って流れる使用済の除塵液体は、第1の液体出口9を介して排出され得る。
【0046】
除塵装置1は、ガス入口5とガス出口6との間でケーシング3と同軸に除塵室4に設けられた少なくとも1つの偏向装置11、12を備える。第1の実施形態では、2つの偏向装置11、12が設けられており、1つは上流の偏向装置11であり、1つは下流の偏向装置12である。
【0047】
噴霧ノズル8は、ケーシング3のガス出口6と上流の偏向装置11との間に配置されている。
【0048】
上流の偏向装置11は、ガス入口5の近くに設けられ、除塵液体がガス入口5および船舶エンジン2の排気管2aに入るのを防止するカバーとして機能できる。これは
図1および
図2において見ることができ、上流の偏向装置11は入口管7のすぐ上に設けられている。
【0049】
上流の偏向装置11は、
図2において点線によって概略的に指示されている適切な取付棒を介して入口管7に取り付けられ得る。
【0050】
除塵装置1は、ケーシング3からガス出口6の方へ内向きに延びる規制要素13を備え得る。規制要素13は、規制要素13とケーシング3の内側10との間に環状のトレイ14を形成している。トレイ14は、使用済の除塵液体を回収するように構成されている。液体出口手段の第2の液体出口15が、ケーシング3のトレイ14から延びており、使用済の除塵液体の除塵室4からの排出を許容している。
【0051】
規制要素13は、上流の偏向装置11の下流で下流の偏向装置12の上流に設けられており、言い換えれば、軸方向において上流の偏向装置11と下流の偏向装置12との間に設けられている。
【0052】
下流の偏向装置12は、
図2において点線によって概略的に指示されている適切な取付棒を介して規制要素13に取り付けられ得る。代替で、下流の偏向装置12はケーシング3に取り付けられ得る。
【0053】
第1の実施形態では、除塵装置1は二段の除塵装置であり、ガス入口5に隣接する上流の除塵区域4aと、ガス出口6に隣接する下流の除塵区域4bとを備える。上流の偏向装置11は上流の除塵区域4aに設けられている。下流の偏向装置12は下流の除塵区域4bに設けられている。
【0054】
規制要素13は、上流の除塵区域4aから下流の除塵区域4bへの移行部を形成し得る。
【0055】
図2を見ると、上流の偏向装置11と下流の偏向装置12とは、上流表面16を有する上流偏向部18をそれぞれ備える。上流表面16は上流偏向部18を覆うことができる。上流表面16は外縁16'を有し、外縁16'は上流偏向部18の外縁16'も形成し得る。
図1〜
図3を見ると、上流表面16は、上流の偏向装置11および下流の偏向装置12のそれぞれの上流の横断平面Paからガス入口5の方へ延びている。上流表面16は、上流の横断平面Paに位置させられる外縁16'からガス入口5に向けて先細りとなっている。第1の実施形態では、上流表面16は円錐または円錐台として成形され得る。
【0056】
上流の偏向装置11と下流の偏向装置12とはまた、下流表面17を有する下流偏向部19をそれぞれ備える。下流表面17は下流偏向部19を覆うことができる。下流表面17は外縁17'を有し、外縁17'は下流偏向部19の外縁17'も形成し得る。
図1〜
図3を見ると、下流表面17は、上流の偏向装置11および下流の偏向装置12のそれぞれの下流の横断平面Pbからガス出口6の方へ延びている。下流表面17は、下流の横断平面Pbに位置させられる外縁17'からガス出口6に向けて先細りとなっている。第1の実施形態では、下流表面17は円錐または円錐台として成形され得る。
【0057】
横断平面Pa、Pbは長手方向中心軸xに対して垂直である。
【0058】
第1の実施形態では、上流の偏向装置11および下流の偏向装置12は、長手方向中心軸xの方向で見たときに円形を有し、
図4を見ると、偏向装置11、12とケーシング3との間に環状の通路28をそれぞれ形成している。
【0059】
除塵室4は、通路28の上流および下流より小さい流れ領域を通路28において有している。
【0060】
図2において指示されているように、下流の偏向装置12の直径は、必然ではないが、上流の偏向装置11の直径より小さくてもよい。
【0061】
内側遮蔽体20
除塵装置1は、ケーシング3の内側において上流の偏向装置11の外側で延び、つまり、ケーシング3と上流の偏向装置11との間で延びる内側遮蔽体20を備える。内側遮蔽体20は、ネジまたは溶接によってケーシング3に留め付けられており、ケーシング3の内側10に沿って、ケーシング3と同軸に延びている。
図3も見ると、内側遮蔽体20は、内側遮蔽体20とケーシング3の内側10との間で通路28から隙間21を仕切っている。
【0062】
偏向装置11の上流表面16および下流表面17の円錐形のため、偏向装置11とケーシング3との間の通路28は幅が変化しており、内側遮蔽体20は通路28の最も狭い部分を通じて延びている。第1の実施形態では、通路28の最も狭い部分は、下流の横断平面Pbおよび/または上流の横断平面Paに位置させられている。
【0063】
隙間21は、ガス出口6の方に開いている入口端22と、ガス入口5の方に開いている出口端23とを有している。内側遮蔽体20は、流れ方向Fと反対の方向におけるケーシング3の内側10に沿っての入口端22から出口端23への隙間21を通じた除塵液体の流れを可能にする。
【0064】
内側遮蔽体20は、内側遮蔽体20とケーシング3との間の隙間21に環状の延在を与えるように上流の偏向装置11の周りで延びる。
【0065】
ケーシング3と内側遮蔽体20とは少なくとも部分的に均一の断面を有する。第1の実施形態では、ケーシング3と内側遮蔽体20とは両方とも円形の断面を有する。
【0066】
通路28は、長手方向中心軸xに対して垂直な横断方向の延在を有する。内側遮蔽体20は、通路28の横断方向の延在全体に沿って通路28に隣接している。通路28の横断方向の延在は、長手方向中心軸xに対して垂直であり、ケーシング3および内側遮蔽体20の内側で周囲方向に延びている。第1の実施形態では、横断方向の延在は上流の偏向装置11の周り360度である。
【0067】
内側遮蔽体20は、金属板などの板材から形成され、ここでは円錐形の傾斜した遮蔽部分24を備える。傾斜遮蔽部分24は、隙間21の出口端23から入口端22に向かう方向において隙間21を徐々に広げるように長手方向中心軸xの方へ内向きに傾斜させられている。
【0068】
傾斜遮蔽部分24は、長手方向中心軸xに対して垂直に延びると共に隙間21の出口端23と入口端22との間に位置させられる平面25から、ここでは入口端22までの全体にわたって延びている。
【0069】
平面25は、出口端23より入口端22の近くに位置させられ得る。代替で、平面25は、入口端22より出口端23の近くに、または、出口端23にさえも、位置させられ得る。
【0070】
第1の実施形態では、内側遮蔽体20は、傾斜遮蔽部分24から出口端23の方へケーシング3と共に軸方向に延びる真っ直ぐまたは軸方向の遮蔽部分29も備える。軸方向遮蔽部分29は平面25から長手方向中心軸xおよびケーシング3と平行に延びている。
【0071】
第1の実施形態では、内側遮蔽体20は円形の断面を有し、したがって、ケーシング3と内側遮蔽体20との間の隙間21は、
図4において見られるように、および、前述したように、環状である。
図2を見ると、内側遮蔽体20は、ケーシング3に沿っての軸方向の長さAと、軸方向の長さAに対して垂直な横断方向の長さTとを有する。
図4を見ると、第1の実施形態では、内側遮蔽体20の横断方向の長さTは内側遮蔽体20の周方向の長さと等しい。
【0072】
図2を見ると、上流の偏向装置11および下流の偏向装置12は、長手方向中心軸xと一致すると共に上流表面16から下流表面17まで延びる高さHをそれぞれ有する。上流の偏向装置11の高さHは下流の偏向装置12の高さHと異なってもよい。内側遮蔽体20の軸方向の長さAは、上流の偏向装置11の高さHの2倍未満であり得る。
【0073】
図3を見ると、隙間21は幅Wを有し、つまり、ケーシング3の内側10から内側遮蔽体20の外側26への変化している距離を有する。幅Wは、平面25またはその下方において、つまり、傾斜遮蔽部分の外側において、2〜8mmとでき、好ましくは3〜5mmとでき、より好ましくは4mmまたはおおよそ4mmとできる。
【0074】
除塵装置1は、ケーシング3から隙間21へと内向きに延びると共にケーシング3の内側10に溶接された流れ防止要素27を備える。流れ防止要素27は、除塵液体を内側遮蔽体20の方へ押すように配置されている。
図3において見られるように、流れ防止要素27は傾斜遮蔽部分24の反対に設けられており、傾斜遮蔽部分24の方へ、内側遮蔽体20および傾斜遮蔽部分24からある距離における位置まで延びている。流れ防止要素27は、内側遮蔽体20の横断方向の長さT全体に沿って、つまり、第1の実施形態では内側遮蔽体20の周囲に沿って延び得る。
【0075】
したがって、内側遮蔽体20は、上流の除塵区域4aにおいて上流の偏向装置11の軸方向の高さに設けられている。より正確には、隙間21の出口端23は、軸方向において上流の横断平面Paよりガス入口5の近くに位置させられている。さらに、隙間21の入口端22は、軸方向において下流の横断平面Pbよりガス出口6の近くに位置させられている。
【0076】
噴霧ノズル8の各々は、軸方向において隙間21の入口端22よりガス出口6の近くに位置させられている。具体的には、最も上流の噴霧ノズル8は、軸方向において隙間21の入口端22よりガス出口6の近くに位置させられている。
【0077】
搬送部材30
第1の実施形態では、除塵装置1は、上流の偏向装置11からケーシング3の方へ延びる少なくとも1つの搬送部材30を備える。搬送部材30の数は、1つ、2つ、3つ、4つ、またはさらに多くであり得る。
図4を見ると、第1の実施形態では、3つの搬送部材30が設けられている。3つの搬送部材30は、上流の偏向装置11の周りに等距離で設けられ得る。
【0078】
搬送部材30は、上流の偏向装置11によって回収された除塵液体を上流の偏向装置11からケーシング3に向けて導くように構成されている。
【0079】
搬送部材30の各々は仮想的な直線Lの一部分に沿って延びている。
図4を見ると、第1の実施形態では、仮想的な直線Lは長手方向中心軸xからケーシング3へと延びている。したがって、第1の実施形態では、搬送部材30の各々は長手方向中心軸xに対して径方向外向きに延びている。仮想的な直線Lが、下流表面17における任意の位置から延びてもよく、延いては接線成分を有してもよいことは、留意されるべきである。
【0080】
図3を見ると、搬送部材30は、通路28を通じて第1の端1aに向けて、開始位置31から終了位置32まで延びている。
【0081】
開始位置31は、上流の偏向装置11の下流表面17の外縁17'に位置させられている。終了位置32は、ケーシング3の内側10に、または、内側10に隣接して位置させられている。
【0082】
終了位置32は、開始位置31よりガス入口5のより近くに位置させられている。終了位置32は、上流の偏向装置11の上流の横断平面Paおよび下流の横断平面Pbよりガス入口5の近くに位置させられてもいる。したがって、搬送部材30は外縁17'からガス入口5の方へと傾くことになる。さらに、そのため終了位置32は通路28の最も狭い部分の下方に位置させられることになる。
【0083】
したがって、
図2および
図4において見られるように、搬送部材30は下流表面17から延びており、より正確には、偏向装置11の下流表面17の外縁17'から延びている。結果として、除塵液体は、下流表面17において回収され、搬送部材30を介してケーシング3の内側10の方へと搬送されて、ケーシング3の内側10において除塵液体の流れを形成し得る。
【0084】
除塵装置1は、下流表面17の周りで延び、具体的には、上流の偏向装置11の外縁17'に沿って延びる縁部材33をさらに備える。第1の実施形態では、縁部材33は、偏向装置11の下流表面17を取り囲むまたは少なくとも部分的に取り囲むように環状である。
【0085】
縁部材33は、長手方向中心軸xと平行にガス出口6に向けて下流の横断平面Pbから離れる方に下流表面17の外縁17'から延びる壁34を形成している。
【0086】
したがって、上流の偏向装置11の下流表面17において回収された除塵液体は、縁部材33によって下流表面17において保持され得る。
【0087】
縁部材33は、縁部材33の内側から外側へと延びると共に搬送部材30のうちのそれぞれものと連通している開口35を備える。
図3を見ると、したがって開口35は、下流表面17において回収された除塵液体を、搬送部材30を介して出すことができる。
【0088】
図3を見ると、第1の実施形態では、搬送部材30の各々は、ガス出口6の方に開いているトレイとして構成されている。
【0089】
図3を見ると、第1の実施形態では、内側遮蔽体20は、内側遮蔽体20の内側から外側へと延びると共に、偏向装置11から隙間21への除塵液体の送り込みを許容するために搬送部材30のうちのそれぞれのものと連通する開口36を備える。第1の実施形態では、開口36は隙間21の出口端23の軸方向の高さに位置させられており、これは、開口36が内側遮蔽体20の上流の縁における切込みとして形成されていることを意味する。したがって、
図3において見られるように、搬送部材30は、除塵液体を上流の偏向装置11の下流表面17から隙間21へと搬送することができる。
【0090】
さらなる実施形態
図5は、搬送部材30が管として構成されている点において第1の実施形態と異なる第2の実施形態を参照している。
【0091】
さらに、第2の実施形態の搬送部材30は、隙間21の出口端23から軸方向のある距離における終了位置32まで延びている。これは、内側遮蔽体20が搬送部材30の終了位置32から第1の端1aの方へさらに延び得ることを意味している。さらに、隙間21の出口端23と上流の横断平面Paとの間の軸方向の距離は、第1の実施形態における距離よりも長くなり得る。
【0092】
図6は、ケーシング3が、矩形であって、具体的には正方形である断面を有する点において第1の実施形態と異なる第3の実施形態を参照している。そのため、偏向部の表面16、17は、互いと傾斜させられて互いと角度を形成している2つの平面の表面領域を伴う屋根状の形を有し得る。
図1および
図2の長手方向の断面は、これらの2つの表面領域を示すこともできる。2つの内側遮蔽体20、隙間21、流れ防止要素27、搬送部材30の対、および縁部材33は、互いと反対に設けられ、ケーシング3のそれぞれの真っ直ぐな壁部分に沿って互いと平行に延びている。内側遮蔽体20の横断方向の長さTは、2つの反対の内側遮蔽体20の横断方向の長さの合計である。
【0093】
第3の実施形態の変形によれば、偏向部の表面16、17はピラミッド状の形を有してもよく、通路28は、それぞれの偏向装置11、12を包囲する4つの直交する通路によって形成される。各々のこのような通路は、内側遮蔽体20と、隙間21と、流れ防止要素27と、搬送部材30と、縁部材33とを備え得る。
【0094】
除塵装置1は一段の除塵装置であってもよく、そのため1つだけの偏向装置11、12を伴う1つだけの除塵区域4a、4bを備えてもよいことは、留意されるべきである。そのため、単一の偏向装置11、12、搬送部材30、および縁部材33が内側遮蔽体20の内側に配置されてもよく、隙間の幅Wは約4〜20mmであり得る。
【0095】
図2において破線で指示されているように、さらなる内側遮蔽体20が、典型的には除塵区域4aにおいてより除塵区域4bにおいての除塵液体のより大きな流れのため、約6〜16mmのより大きな隙間の幅Wを伴って、下流の偏向装置12の外側に設けられてもよい。搬送部材30は、下流の偏向装置12の下流表面17から、ケーシング3の内側10における位置まで設けられ、具体的には、さらなる内側遮蔽体20によって形成された隙間21まで設けられ得る。
【0096】
図1において破線で指示されているように、例えば3つといった少なくとも1つの搬送部材30が、下流の偏向装置12の下流表面17からケーシング3の内側10における位置まで設けられてもよい。これらの搬送部材30の終了位置32はケーシング3の内側10に隣接してもよく、そこでは、ガス流の速度が内側10からの距離が大きくなるにつれて小さくなる。
図1では、内側遮蔽体20が下流の偏向装置12に設けられていない。
【0097】
除塵装置1の動作
除塵装置1を動作させるとき、排気ガスが船舶エンジン2からガス入口5を介して導入される。高温を有する排気ガスは、上流の除塵区域4aにおいて上流の偏向装置11の上流表面16の方へ案内され、上流表面16において径方向外向きに通路28の方へと押される。通路28の変化している幅のため、具体的には、通路28の低下する流れ領域のため、通路28を通じたガス流の速度は増加させられ、通路28の最も狭い部分において最も大きくなる。
【0098】
除塵液体は、排気ガスにおける硫黄、煤、および粒子と反応するために、噴霧ノズル8を介してガス流へと導入される。除塵液体は硫黄、煤、および粒子を吸収し、液滴を形成することになる。
【0099】
液滴のうちの一部分はケーシング3の内側10の方へと押される。そのため、これらの液滴は、ガス流の流れ方向Fと反対の方向において重力によって第1の液体出口9の方に流れる液体の流れを形成できる。内側遮蔽体20は、液体が内側遮蔽体20の外側の隙間21において流れるとき、液体がガス流によって上向きに押されるのを防止するために、液体の流れをガス流から局所的に遮断する。それによって、除塵液体の排出が容易にされる。
【0100】
液滴のうちの別の部分は、上流の除塵区域4aの中間において上流の偏向装置11の下流表面17に向けて流れ、そこでは、ガス流の速度がより外側の領域においてより小さくなる。上流の偏向装置11の下流表面17に当たる液滴は、下流表面17において重力によって外縁17'および縁部材33の方に流れる液体を形成する。そこから、液体は搬送部材30を介してケーシング3の内側10の方へと搬送され、具体的には隙間21の方へと搬送される。隙間21から、搬送部材30からの液体が、重力によって、ケーシング3の内側10に沿ってすでに流れている液体と共に、第1の液体出口9を通って排出される。
【0101】
ガス流の流れ領域は規制要素13において小さくされ、下流の除塵区域4bに入るときにガス流の速度の増加をもたらす。上流の除塵区域4aからの排気ガスは、下流の偏向装置12とケーシング3の内側10との間の通路28へと外向きに押され、そこで、小さくされた流れ領域が、上流の偏向装置11におけるのと同じ方法でガス流の速度のさらなる増加をもたらす。
【0102】
上流の除塵区域4aからガス流に同伴され、下流の除塵区域4bにおいて形成された液滴のうちの一部分は、下流の除塵区域4bの内側10に当たり、排出のためにトレイ14および第2の液体出口15へと下向きに流れる液体を形成する。これらの液滴の別の部分は、下流の偏向装置12の下流表面17に当たり、下流表面17において、排出のためにトレイ14および第2の液体出口15へと下向きに流れる液体を形成する。
【0103】
本発明は、開示されている実施形態に限定されず、後にある請求項の範囲内で変更、改良、および組み合わせされてもよい。
【0104】
例えば、除塵装置1は、例えば、ガス入口5の外側に進められる排気ガスを冷却するための噴霧ノズルといった、上流の偏向装置11の下方にさらなる噴霧ノズル8を備えてもよい。
【0105】
第1の実施形態による除塵装置1のケーシング3、内側遮蔽体20、偏向装置11、12、および縁部材30は、同軸に配置され、一様な円形の断面を有する。代替の実施形態によれば、ケーシング3、内側遮蔽体20、偏向装置11、12、および/または縁部材33は、同軸とならずに配置されてもよい、ならびに/または、楕円などの他の断面および/もしくは異なる断面を有してもよい。さらに、内側遮蔽体20は、偏向装置11、12の周りで全体にわたって延びる必要はなく、一部のみで延びてもよい。
【0106】
第1の実施形態の偏向装置11、12は、円錐形の上流表面16および下流表面17を備える。当然ながら、偏向装置11、12の代替の設計が可能である。例えば、偏向装置11、12は、平面の上流表面および/または平面の下流表面を代わりに備えてもよい。
【0107】
第1の実施形態の流れ防止要素27は、ケーシング3に溶接されたブロック状の要素であり、単一の環状の要素として、内側遮蔽体20に沿って全体にわたって延びている。当然ながら、他の設計も可能である。例えば、流れ防止要素27は、薄い板として、もしくは、ケーシング3の一体部品として形成されてもよい、および/または、内側遮蔽体20に沿って均一に分配された複数の副次的な要素を備えてもよい。
【0108】
搬送部材30の開始位置31および終了位置32は、前述したように配置される必要はない。例えば、開始位置は、外縁17'からある距離において、上流の偏向装置11の下流表面17に配置されてもよく、および/または、搬送部材30は上流の偏向装置11を通じて延びてもよい。このような実施形態では、下流表面17は平面的であり得る。開始位置31は、上流の偏向装置11の上流表面16に配置されてもよい。さらに、終了位置32は、長手方向中心軸(x)に関して開始位置31と並べて配置されてもよい。
【0109】
本発明に関連しない詳細の記載が省略されていることと、図が概略的であり、一定の寸法に従って描かれていないこととは、強調されなければならない。また、図の一部が他のものより簡略化されていることも触れておかねばならない。そのため、一部の構成部品は、ある図では図示され得るが、他の図では除外されている可能性がある。さらに、除塵装置がその通常の動作の状態にあるときの除塵装置を記載および反映するように選択されている「上」、「下」、「鉛直」、「水平」、「長手方向」などの表現が、本明細書において除塵装置の異なる詳細部の間で区別するだけのために使用されていることは、強調されなければならない。したがって、これらの表現は、決して限定ではない。