(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るサーボレギュレータ100について説明する。
【0029】
図1に示すように、ポンプ装置1000は、可変容量型のピストンポンプ1と、ピストンポンプ1に組み付けられるサーボレギュレータ100と、を備える。ピストンポンプ1は、建設機械等の車両の走行用油圧モータに作動油を供給する静油圧式無段変速機(HST:Hydro Static Transmission)に用いられる。
【0030】
ピストンポンプ1は、一対のトラニオン軸3aを介してハウジング2内に回動可能に設けられる斜板3と、車両のエンジンの動力により回転するシリンダブロック4と、を備える。シリンダブロック4の回転中心軸4Cは、斜板3の回動中心軸3Cに対して交差する。
【0031】
シリンダブロック4には、複数のシリンダ(不図示)が形成される。複数のシリンダは、シリンダブロック4の回転中心軸4Cに沿って延在し、回転中心軸4Cの周りに配置される。
【0032】
シリンダ内にはピストン(不図示)が摺動可能に収容され、ピストンによってシリンダ内に容積室が画定される。容積室は、シリンダブロック4の回転に伴って吸込用のポート及び吐出用のポートに交互に連通する。
【0033】
ピストンの一端は、ピストンシュー(不図示)を介して斜板3に接触する。斜板3がシリンダブロック4の回転中心軸4Cに対して傾斜している状態では、ピストンは、シリンダブロック4の回転に伴ってシリンダブロック4に対して移動し、容積室の容積が変化する。
【0034】
容積室が拡大するようにピストンがシリンダ内を移動する吸込行程では、作動油が吸込用のポートを通って容積室に吸い込まれる。容積室が縮小するようにピストンがシリンダ内を移動する吐出行程では、作動油が容積室から吐出用のポートに吐出される。
【0035】
ピストンポンプ1では、シリンダブロック4の回転中心軸4Cに対する斜板3の角度(傾転角度)を変えることで、ピストンのストローク量を変更することができる。これにより、ピストンポンプ1から吐出される作動油の流量を変化させることが可能となる。
【0036】
斜板3の傾転角度が0°(零度)、つまり斜板3が中立位置にある場合には、ピストンは、シリンダブロック4の回転にも関わらずシリンダブロック4に対して移動しない。そのため、容積室の容積は変化せず、ピストンポンプ1の吐出流量は0(零)となる。走行用油圧モータに作動油が供給されず、走行用油圧モータの回転が停止する。
【0037】
ピストンポンプ1は、二方向吐出型のポンプであり、傾転角度0°を境にして斜板3の傾転方向を切り換えることで作動油の吸込又は吐出が行われるポートが切り換えられる。ピストンポンプ1の作動油の吐出方向を切り換えることで、走行用油圧モータの回転方向が変更され、車両の前進と後進が切り換えられる。
【0038】
図1及び
図2に示すように、サーボレギュレータ100は、ピストンポンプ1の斜板3にアーム10を介して連結されるサーボピストン20と、サーボピストン20に作用する作動油の圧力を制御する第1スプール30及び第2スプール40と、を備える。第1スプール30及び第2スプール40は、それぞれ、第1ソレノイド37及び第2ソレノイド47により移動する。
【0039】
サーボピストン20、第1スプール30及び第2スプール40は、ケース50内に収容される。ケース50は、ピストンポンプ1のハウジング2に取り付けられる第1ケース部材51と、第1ケース部材51に取り付けられる第2ケース部材52と、を有する。
【0040】
第1ケース部材51には第1収容孔51aが形成され、第2ケース部材52には第2収容孔52aが形成される。第2ケース部材52が第1ケース部材51に取り付けられた状態では、第1収容孔51aと第2収容孔52aとは略平行である。第1収容孔51aにはサーボピストン20が摺動自在に収容され、第2収容孔52aには第1スプール30及び第2スプール40が収容される。
【0041】
第1収容孔51aの両開口端は、それぞれ第1カバー53a及び第2カバー53bにより閉塞される。第1収容孔51aの内部は、サーボピストン20により第1圧力室54と第2圧力室55とに区画される。具体的には、第1圧力室54は、第1収容孔51aの内周面、サーボピストン20の一方の端面及び第1カバー53aにより画定され、サーボピストン20の一方の端面に面して設けられる。同様に、第2圧力室55は、第1収容孔51aの内周面、サーボピストン20の他方の端面及び第2カバー53bにより画定され、サーボピストン20の他方の端面に面して設けられる。
【0042】
サーボピストン20は、第1圧力室54及び第2圧力室55内の作動油の圧力により第1収容孔51a内を移動する。第1圧力室54内の圧力が第2圧力室55内の圧力よりも大きいときには、サーボピストン20は、第1圧力室54を拡大し第2圧力室55を縮小する第1方向D1(
図2における左方向)に移動する。第2圧力室55内の圧力が第1圧力室54内の圧力よりも大きいときには、サーボピストン20は、第2圧力室55を拡大し第1圧力室54を縮小する第2方向D2(
図2における右方向)に移動する。
【0043】
サーボピストン20は、第2カバー53bに固定されるガイドロッド56によりガイドされる。サーボピストン20のロッド側端部には、ガイドロッド56の外周に取り付けられる第1リテーナ57及び第2リテーナ58を収容可能な収容凹部21が形成される。また、サーボピストン20には、収容凹部21の底面21aから軸方向に延びるガイド孔22が形成される。
【0044】
ガイドロッド56とサーボピストン20は同軸上に配置される。ガイドロッド56の先端部56aは、軸部56bよりも拡径されており、サーボピストン20のガイド孔22に摺動自在に挿入されている。
【0045】
ガイドロッド56の軸部56bには、第1リテーナ57及び第2リテーナ58が摺動自在に設けられている。第1リテーナ57と第2リテーナ58との間には、第1ピストンスプリング59a及び第2ピストンスプリング59bが圧縮状態で設けられている。第1ピストンスプリング59a及び第2ピストンスプリング59bは、サーボピストン20を中立位置に付勢する。
【0046】
図2に示すように、サーボピストン20が中立位置にある場合には、第1リテーナ57は、サーボピストン20の収容凹部21の底面21aに当接するとともに、ガイドロッド56の先端部56aと軸部56bとの間に形成される段部56cに当接する。第2リテーナ58は、収容凹部21の開口端に固定されたストッパリング23に当接するとともに、軸部56bに螺合するナット61に当接している。
【0047】
サーボピストン20が中立位置から第1方向D1に移動すると、第1リテーナ57は、サーボピストン20の底面21aにより押される。その結果、第1リテーナ57は、ガイドロッド56の段部56cから離れるようにガイドロッド56の軸部56bに沿って移動する。
【0048】
このとき、第2リテーナ58はナット61に当接し、ガイドロッド56に対して移動しない。したがって、第1リテーナ57と第2リテーナ58との間の第1ピストンスプリング59a及び第2ピストンスプリング59bが圧縮され、サーボピストン20を中立位置に戻そうとするスプリング反力が大きくなる。
【0049】
一方、サーボピストン20が中立位置から第2方向D2に移動すると、第2リテーナ58は、サーボピストン20に固定されるストッパリング23により押される。その結果、第2リテーナ58は、ガイドロッド56の軸部56bに螺合するナット61から離れるようにガイドロッド56の軸部56bに沿って移動する。
【0050】
このとき、第1リテーナ57はガイドロッド56の段部56cに当接し、ガイドロッド56に対して移動しない。したがって、第1リテーナ57と第2リテーナ58との間の第1ピストンスプリング59a及び第2ピストンスプリング59bが圧縮され、サーボピストン20を中立位置に戻そうとするスプリング反力が大きくなる。
【0051】
なお、第2カバー53bに対するガイドロッド56の締結位置を調整し、ナット62を介してガイドロッド56を第2カバー53bに固定することで、サーボピストン20の中立位置を調整することができる。
【0052】
図1及び
図2に示すように、サーボピストン20の軸方向中央の外周には、環状溝24が形成されている。環状溝24には、アーム10が連結される。
【0053】
具体的には、アーム10の先端にはピン12が設けられ、ピン12にスライドメタル13が回転自在に支持されている。スライドメタル13は、サーボピストン20の環状溝24内に挿入される。
【0054】
このように、アーム10は、ピン12及びスライドメタル13を介して環状溝24に連結される。なお、
図2では、アーム10、ピン12及びスライドメタル13の図示を省略している。
【0055】
サーボピストン20が移動すると、スライドメタル13がサーボピストン20とともに移動する。その結果、アーム10が回動中心軸3Cを中心に回動し、斜板3が傾転する。このように、サーボピストン20の変位は、アーム10を介して斜板3に伝達される。斜板3の傾転により、ピストンポンプ1の吐出流量が変化する。
【0056】
図2及び
図3に示すように、第1スプール30及び第2スプール40は、第2ケース部材52の第2収容孔52a内において同軸上に配置される。第1スプール30は第1圧力室54内の圧力を制御し、第2スプール40は第2圧力室55内の圧力を制御する。
【0057】
第2収容孔52aの両端位置には円筒状の第1スリーブ81及び第2スリーブ86が設けられる。第1スプール30の基端部30bは第1スリーブ81内に摺動自在に挿入され、第2スプール40の基端部40bは第2スリーブ86内に摺動自在に挿入される。
【0058】
第1スリーブ81は、供給通路5aを介して油圧ポンプ(流体圧源)5に接続される供給ポート82と、メイン通路6aを介して第1圧力室54に接続されるメインポート83と、を備える。第2スリーブ86は、供給通路5bを介して油圧ポンプ5に接続される供給ポート87と、メイン通路6bを介して第2圧力室55に接続されるメインポート88と、を備える。
【0059】
第2収容孔52aの内周面には、タンク7に接続されるドレン通路7a,7bが開口する。ドレン通路7a,7bの開口は、第1スリーブ81と第2スリーブ86との間に位置する。
【0060】
第1スプール30の基端部30bの外周には、環状溝33,34と突部35とが形成される。環状溝33は、第1スプール30の位置に応じて供給ポート82とメインポート83とを接続する。環状溝34は、第1スプール30の位置に応じてメインポート83とドレン通路7aとを接続する。
【0061】
突部35の外形は、第1スリーブ81の開口を閉塞しないように略三角形状に形成される。そのため、突部35が第1スリーブ81に接している状態においても、環状溝34は突部35と第1スリーブ81との間を通じて常にドレン通路7aと連通する。なお、
図2及び
図3は、略三角形状の頂部の1つが図面上方に位置しこの頂部の対辺が図面下方に位置するように第1スプール30が配置された状態を示している。
【0062】
第2スプール40の基端部40bの外周には、環状溝43,44と突部45とが形成される。環状溝43は、第2スプール40の位置に応じて供給ポート87とメインポート88とを接続する。環状溝44は、第2スプール40の位置に応じてメインポート88とドレン通路7bとを接続する。
【0063】
突部45の外形は、第2スリーブ86の開口を閉塞しないように略三角形状に形成される。そのため、突部45が第2スリーブ86に接している状態においても、環状溝44は突部45と第2スリーブ86との間を通じて常にドレン通路7bと連通する。なお、
図2及び
図3は、略三角形状の頂部の1つが図面上方に位置しこの頂部の対辺が図面下方に位置するように第2スプール40が配置された状態を示している。
【0064】
第2収容孔52aの略中央位置には略円筒状のスプリングホルダ70が設けられる。第1スプール30の先端部30a及び第2スプール40の先端部40aはスプリングホルダ70内に挿入される。
【0065】
第1スプール30の軸方向中央の外周には突部35に当接するように第1リテーナ31が固定される。スプリングホルダ70の一端側に形成された第1スプリング受部71と第1リテーナ31との間には第1スプールスプリング(付勢部材)32が圧縮された状態で設けられる。第1スプール30は、第1スプールスプリング32により、供給ポート82とメインポート83との連通を遮断する方向(
図2及び
図3における右方向)に付勢される。
【0066】
第2スプール40の軸方向中央の外周には突部45に当接するように第2リテーナ41が固定される。スプリングホルダ70の他端側に形成された第2スプリング受部72と第2リテーナ41との間には第2スプールスプリング(付勢部材)42が圧縮された状態で設けられる。第2スプール40は、第2スプールスプリング42により、供給ポート87とメインポート88との連通を遮断する方向(
図2及び
図3における左方向)に付勢される。
【0067】
第1スプール30は第1ソレノイド37によって移動し、第2スプール40は第2ソレノイド47によって移動する。第1ソレノイド37及び第2ソレノイド47は、付与される電流値に比例してプランジャの推力(吸引力)が変化する比例型ソレノイドである。第1ソレノイド37及び第2ソレノイド47は、第2収容孔52aの開口端を閉塞するように第2ケース部材52に取り付けられる。第1ソレノイド37及び第2ソレノイド47は、それぞれ、配線を介して、図示しないコントローラに接続されている。
【0068】
第1スプール30は第1ソレノイド37の第1プランジャ37aにより押されることで第1スプールスプリング32の反力に抗して移動する。第2スプール40は第2ソレノイド47の第2プランジャ47aにより押されることで第2スプールスプリング42の反力に抗して移動する。
【0069】
なお、第1ソレノイド37及び第2ソレノイド47が非駆動状態である場合には、第1スプール30及び第2スプール40は初期位置に位置している。このとき、第1スプール30は、突部35が第1スリーブ81の内側端面に当接した状態で停止しており、第1スプール30の端面と第1ソレノイド37の第1プランジャ37aの先端は所定の間隔(初期間隔)をあけて対向している。また、第2スプール40は、突部45が第2スリーブ86の内側端面に当接した状態で停止しており、第2スプール40の端面と第2ソレノイド47の第2プランジャ47aの先端は所定の間隔(初期間隔)をあけて対向している。
【0070】
図1及び
図4に示すように、サーボレギュレータ100は、サーボピストン20の変位をスプリングホルダ70に伝達するフィードバックリンク(フィードバック部)90と、フィードバックリンク90を回動可能に支持する支持シャフト91と、を更に備える。
【0071】
フィードバックリンク90は、サーボピストン20とスプリングホルダ70との間に亘って延在する。具体的には、第1ケース部材51には、第1収容孔51aの内周面に開口する第1挿通孔51bが形成され、第2ケース部材52には、第2収容孔52aの内周面に開口する第2挿通孔52bが形成される。第1挿通孔51bと第2挿通孔52bとは連続しており、フィードバックリンク90は第1挿通孔51b及び第2挿通孔52bを通じてサーボピストン20とスプリングホルダ70との間に亘って延在する。
【0072】
第2ケース部材52は、フィードバックリンク90の軸方向に沿って第1ケース部材51に着脱可能に形成される。そのため、第2挿通孔52bの開口を小さくすることができ、第1ケース部材51と第2ケース部材52との間のシール性を向上させることができる。
【0073】
フィードバックリンク90の第1端部90aは、サーボピストン20の環状溝24に挿入される。これによって、フィードバックリンク90がサーボピストン20に連結される。
【0074】
フィードバックリンク90の第1端部90aは、サーボピストン20の中心軸に対してスライドメタル13とは反対側に位置する。また、フィードバックリンク90は、環状溝24の接線方向に延在し、フィードバックリンク90の一部は、サーボピストン20を横切るように環状溝24内に配置される。
【0075】
フィードバックリンク90の第2端部90bは、スプリングホルダ70に連結される。具体的には、スプリングホルダ70の外周には環状溝74が形成され、第2端部90bは環状溝74に挿入される。
【0076】
このように、フィードバックリンク90はサーボピストン20に連結されるとともにスプリングホルダ70に連結される。サーボピストン20がアーム10を介して斜板3に連結されるので、フィードバックリンク90は、サーボピストン20及びアーム10を介して斜板3に連結される。同様に、スプリングホルダ70は、フィードバックリンク90、サーボピストン20及びアーム10を介して斜板3に連結される。
【0077】
第1スプール30及び第2スプール40は、フィードバックリンク90を挟んでサーボピストン20とは逆側に設けられる。第1スプール30及び第2スプール40が第2ケース部材52に収容されるので、フィードバックリンク90の影響を受けずに第2ケース部材52を第1ケース部材51に着脱することができる。例えば、第2ケース部材52を
図1において下側方向から着脱することができる。
【0078】
フィードバックリンク90は、サーボピストン20を挟んでアーム10とは逆側に設けられる。そのため、サーボピストン20の影響を受けずにフィードバックリンク90をケース50に着脱することができる。例えば、第2ケース部材52が第1ケース部材51から取り外された状態では、フィードバックリンク90を、
図1において下側方向から第1ケース部材51に着脱することができる。
【0079】
また、フィードバックリンク90は、第1端部90aと第2端部90bとの間に位置する中間部90cと、第1端部90aと中間部90cとを連結する連結部90dと、第2端部90bと中間部90cとを連結する連結部90eと、を有する。中間部90cには孔90fが形成される。
【0080】
支持シャフト91は、フィードバックリンク90の孔90fを挿通した状態で、第1ケース部材51に固定される。換言すれば、フィードバックリンク90は、支持シャフト91を介して第1ケース部材51に回動自在に支持される。したがって、フィードバックリンク90が第1ケース部材51に支持された状態で第2ケース部材52を第1ケース部材51に組み付けることができる。
【0081】
サーボピストン20とスプリングホルダ70とがフィードバックリンク90を介して連結されるので、サーボピストン20が移動しフィードバックリンク90が回動すると、スプリングホルダ70は、サーボピストン20の移動方向とは反対方向に移動する。
【0082】
図5に示すように、支持シャフト91は、第1ケース部材51に形成される穴51cに固定される。穴51cは、第1ケース部材51の側面に開口する第1穴部51dと、第1穴部51dの底面51eに開口する第2穴部51fと、を有する。
【0083】
第1穴部51dは、第1ケース部材51の第1挿通孔51bと交差する。第2穴部51fは第1穴部51dと同軸に形成され、第2穴部51fの内周には雌ネジが形成される。第1穴部51dの底面51eには、ブッシュ51gが配置される。ブッシュ51gの外径は、第1穴部51dの内径と略等しく、ブッシュ51gの内径は、第2穴部51fの内径と略等しい。なお、ブッシュ51gの外径は、第1穴部51dの内径と等しくなくてもよく、第1穴部51dに挿入できる大きさであればよい。
【0084】
支持シャフト91は、第1穴部51dを挿通する基部91aと、基部91aと同軸に形成される先端部91bと、基部91a及び先端部91bに対して偏心する偏心部91cと、を有する。先端部91bの外径は基部91aの外径よりも小さい。偏心部91cの外径は、基部91aの外径よりも小さく、先端部91bの外径よりも大きい。
【0085】
先端部91bの外周には雄ネジが形成され、第2穴部51fの雌ネジと螺合する。基部91aは、第1穴部51dから第1ケース部材51の外側に突出する。基部91aの外周には雄ネジが形成され、固定ナット96が基部91aの外周に螺合する。支持シャフト91は、第2穴部51fの雌ネジと先端部91bの雄ネジとを螺合させた状態で固定ナット96を締めることにより、第1ケース部材51に固定される。
【0086】
偏心部91cは、基部91aと先端部91bとの間に設けられ、第1ケース部材51の第1挿通孔51b内に位置する。偏心部91cの外径はフィードバックリンク90の孔90fの内径と略等しく、偏心部91cが孔90fを挿通する。つまり、フィードバックリンク90は、偏心部91cの中心軸周りに回動可能に支持される。
【0087】
前述のように、偏心部91cは、基部91a及び先端部91bに対して偏心する。そのため、第1ケース部材51に対して支持シャフト91を回転させると、偏心部91cの中心が変位する。その結果、フィードバックリンク90の孔90fの中心、すなわちフィードバックリンク90の回動中心軸が変位する。
【0088】
図4に示すように、フィードバックリンク90は、サーボピストン20及びスプリングホルダ70に連結される。そのため、フィードバックリンク90の回動中心の変位に伴って、サーボピストン20及びスプリングホルダ70が変位する。
【0089】
第1ピストンスプリング59a及び第2ピストンスプリング59b(
図2参照)のバネ定数は、スプリングホルダ70に保持される第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42(
図3参照)のバネ定数よりも大きい。そのため、サーボピストン20の変位量は、スプリングホルダ70の変位量よりも小さい。つまり、フィードバックリンク90の回動中心の変位は、主に、スプリングホルダ70を変位させる。スプリングホルダ70の変位によって、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42が移動し、第1スプール30及び第2スプール40の中立位置が変化する。
【0090】
このように、サーボレギュレータ100では、支持シャフト91を回転させることにより、第1スプール30及び第2スプール40の中立位置を調整することができる。
【0091】
次に、
図1〜
図4及び
図6を参照して、サーボレギュレータ100の動作について説明する。
【0092】
運転者が車両を前進させるように車両のコントロールレバーを操作すると、コントロールレバーの操作量に応じた電流が第1ソレノイド37に付与され、第1ソレノイド37の第1プランジャ37aが初期位置にある第1スプール30を移動させる(
図6参照)。
【0093】
図2及び
図6に示すように、第1スプール30が第1プランジャ37aにより移動すると、第1スプール30の環状溝33が供給ポート82とメインポート83とを接続する。油圧ポンプ5から吐出された作動油は、供給ポート82、環状溝33、メインポート83及びメイン通路6aを通って第1圧力室54に導かれる。
【0094】
このとき、第2ソレノイド47は非駆動状態であり、第2スプール40には第2ソレノイド47の推力は作用しない。この状態では、メインポート88が第2スプール40の環状溝44と連通する。環状溝44は突部45と第2スリーブ86との間を通じてドレン通路7bと常に連通しているので、メインポート88は、環状溝44を通じてドレン通路7bと連通する。つまり、第2スプール40は供給ポート87とメインポート88との連通を遮断する一方で、メインポート88とドレン通路7bとを接続する。そのため、第2圧力室55には、ドレン通路7b及びメインポート88を通じてタンク圧が導かれる。
【0095】
第1圧力室54にパイロット圧が導かれ第2圧力室55にタンク圧が導かれることで、サーボピストン20が第1ピストンスプリング59a及び第2ピストンスプリング59bの付勢力に抗して中立位置から第1方向D1に移動する。サーボピストン20の環状溝24にスライドメタル13(
図1参照)が挿入されているので、スライドメタル13(
図1参照)が第1方向D1に移動し、アーム10が回動する。
【0096】
アーム10の回動に伴って、ピストンポンプ1の斜板3が一方に傾転し、斜板3の傾転角度が変化する。その結果、ピストンポンプ1から走行用モータに作動油が供給され、走行用油圧モータが正転して車両が前進する。
【0097】
図4に示すように、サーボピストン20の環状溝24にはフィードバックリンク90の第1端部90aが挿入されているので、サーボピストン20が第1方向D1に移動すると、第1端部90aは第1方向D1に移動する。第1端部90aの移動によりフィードバックリンク90が回動し、フィードバックリンク90の第2端部90bが移動する。その結果、
図6に示すように、スプリングホルダ70が第1スプールスプリング32を圧縮し、第1スプール30を初期位置に戻そうとする第1スプールスプリング32の反力(付勢力)が大きくなる。
【0098】
このように、フィードバックリンク90は、サーボピストン20の移動すなわち斜板3の傾転角度の変化に応じて第1スプールスプリング32の付勢力を変化させる。
【0099】
第1スプールスプリング32の付勢力が変化すると、第1スプールスプリング32の付勢力と、第1ソレノイド37の第1プランジャ37aの推力とが釣り合うように第1スプール30が移動する。これにより、第1圧力室54内の圧力は、サーボピストン20を所望の位置で保つように調整される。その結果、ピストンポンプ1の斜板3の傾転角度が所望の角度に維持される。
【0100】
一方、運転者が車両を後進させるようにコントロールレバーを操作すると、コントロールレバーの操作量に応じた電流が第2ソレノイド47に付与され、第2ソレノイド47の第2プランジャ47aが第2スプール40を移動させる。
【0101】
第2スプール40が第2プランジャ47aにより移動すると、第2スプール40の環状溝43が供給ポート87とメインポート88とを接続する。油圧ポンプ5から吐出された作動油は、供給ポート87、環状溝43、メインポート88及びメイン通路6bを通って第2圧力室55に導かれる。
【0102】
このとき、第1ソレノイド37は非駆動状態であり、第1スプール30には第1ソレノイド37の推力は作用しない。この状態では、メインポート83が第1スプール30の環状溝34と連通する。環状溝34は突部35と第1スリーブ81との間を通じてドレン通路7aと常に連通しているので、メインポート83は、環状溝34を通じてドレン通路7aと連通する。つまり、第1スプール30は供給ポート82とメインポート83との連通を遮断する一方で、メインポート83とドレン通路7aとを接続する。そのため、第1圧力室54には、ドレン通路7a及びメインポート83を通じてタンク圧が導かれる。
【0103】
第2圧力室55にパイロット圧が導かれ、第1圧力室54にタンク圧が導かれることで、サーボピストン20が第1ピストンスプリング59a及び第2ピストンスプリング59bの付勢力に抗して
図2の中立位置から第2方向D2に移動する。スライドメタル13(
図1参照)が第2方向D2に移動し、アーム10が回動する。その結果、ピストンポンプ1の斜板3が他方に傾転し、走行用油圧モータが逆転して、車両が後進する。
【0104】
サーボピストン20の環状溝24にはフィードバックリンク90の第1端部90aが挿入されているので、サーボピストン20が第2方向D2に移動すると、フィードバックリンク90の第1端部90aが第2方向D2に移動する。第1端部90aの移動によりフィードバックリンク90が回動し、フィードバックリンク90の第2端部90bが移動する。その結果、スプリングホルダ70が第2スプールスプリング42を圧縮し、第2スプール40を初期位置に戻そうとする第2スプールスプリング42の反力(付勢力)が大きくなる。
【0105】
そして、第2スプールスプリング42の付勢力により第2スプール40が移動し、第2圧力室55内の圧力がサーボピストン20を所望の位置に保つように調整される。これにより、ピストンポンプ1の斜板3の傾転角度が所望の角度に維持される。
【0106】
サーボレギュレータ100によれば、第1、第2ソレノイド37,47によって第1、第2スプール30,40を駆動し、第1、第2圧力室54,55内の圧力を制御して、サーボピストン20の位置を変更することで、ピストンポンプ1の斜板3の傾転を制御することができる。
【0107】
次に、ピストンポンプ1へのサーボレギュレータ100の組み付け方法について、
図7から
図9を参照して説明する。
【0108】
まず、
図7に示すように、サーボピストン20を第1ケース部材51の第1収容孔51aに挿入し、第1ケース部材51をピストンポンプ1のハウジング2に取り付ける。このとき、アーム10のスライドメタル13をサーボピストン20の環状溝24に挿入する。これにより、サーボピストン20がスライドメタル13及びアーム10を介してピストンポンプ1の斜板3に連結される。
【0109】
次に、
図8に示すように、ブッシュ51gを第1穴部51dの底面51eに配置する。その後、フィードバックリンク90を第1ケース部材51の第1挿通孔51bに挿入し、フィードバックリンク90の第1端部90aをサーボピストン20の環状溝24に挿入する。これにより、フィードバックリンク90がサーボピストン20を介して斜板3に連結される。
【0110】
このとき、フィードバックリンク90を環状溝24に挿入すればよいので、サーボピストン20の周方向位置を合わせる必要がない。したがって、フィードバックリンク90をサーボピストン20に容易に連結することができる。
【0111】
また、フィードバックリンク90を環状溝24に挿入する際には、環状溝24の接線方向に沿ってフィードバックリンク90を移動させ、サーボピストン20を横切るように環状溝24内にフィードバックリンク90を挿入する。フィードバックリンク90の移動が環状溝24の底面により制限されず、第1ケース部材51の第1収容孔51aの内周面に接触するまでフィードバックリンク90を挿入することができる。したがって、フィードバックリンク90の寸法精度が低くてもフィードバックリンク90とサーボピストン20とを連結することができる。
【0112】
次に、
図9に示すように、支持シャフト91を第1ケース部材51の穴51cに挿入する。このとき、先端部91bをフィードバックリンク90の孔90fに挿入するとともに、ブッシュ51gに挿入する。
【0113】
次に、先端部91bを第2穴部51fにねじ込む。これにより、支持シャフト91の偏心部91cがフィードバックリンク90の孔90fに向って移動する。その結果、偏心部91cが孔90fに挿入され(
図5参照)、フィードバックリンク90が支持シャフト91を介して第1ケース部材51に回動自在に支持される。固定ナット96を基部91aの外周に螺合することにより、支持シャフト91が第1ケース部材51に固定される。
【0114】
次に、第2ケース部材52を第1ケース部材51に取り付ける。このとき、フィードバックリンク90を第2ケース部材52の第2挿通孔52bに挿入するとともに、フィードバックリンク90の第2端部90bをスプリングホルダ70の環状溝74に挿入する。これにより、フィードバックリンク90がスプリングホルダ70に連結される。
【0115】
以上により、ピストンポンプ1へのサーボレギュレータ100の組み付けが完了する。
【0116】
第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42の少なくとも1つを交換する際には、第2ケース部材52から第1ソレノイド37又は第2ソレノイド47を取り外す。その後、第2ケース部材52の第2収容孔52aから第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42を抜き出す。このとき、第2ケース部材52は、第1ケース部材51に取り付けられていてもよいし第1ケース部材51から取り外されていてもよい。第1ケース部材51は、第2ケース部材52の取り付け状態に関わらず、ピストンポンプ1のハウジング2に取り付けられている。サーボピストン20が第1ケース部材51に収容されるので、サーボピストン20と斜板3との連結を維持することができる。
【0117】
このように、サーボレギュレータ100では、サーボピストン20と斜板3との連結を解除することなく第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42の少なくとも1つを交換することができる。したがって、サーボレギュレータ100の汎用性を高めることができる。
【0118】
また、第2ケース部材52を第1ケース部材51から取り外す際に、フィードバックリンク90を第2ケース部材52の第2挿通孔52bから抜くことができる。したがって、フィードバックリンク90とサーボピストン20とを連結した状態で第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42の少なくとも1つを交換することができ、サーボレギュレータ100の汎用性を高めることができる。
【0119】
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0120】
本実施形態は、ピストンポンプ1の斜板3の傾転を制御するサーボレギュレータ100に係る。サーボレギュレータ100は、ケース50内に摺動自在に収容され、斜板3に連結されるサーボピストン20と、サーボピストン20の端部に面して設けられる第1圧力室54及び第2圧力室55と、第1ソレノイド37及び第2ソレノイド47により移動して第1圧力室54及び第2圧力室55内の圧力を制御する第1スプール30及び第2スプール40と、第1ソレノイド37及び第2ソレノイド47の推力に抗して第1スプール30及び第2スプール40を付勢する第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42と、斜板3の傾転に応じて第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42の付勢力を変化させるフィードバックリンク90と、を備え、フィードバックリンク90は、サーボピストン20を介して斜板3に連結される。
【0121】
この構成では、フィードバックリンク90がサーボピストン20を介して斜板3に連結される。そのため、サーボレギュレータ100をピストンポンプ1に組み付ける際には、フィードバックリンク90は、サーボピストン20と斜板3とを連結する前又は後にサーボピストン20に連結されればよい。したがって、サーボレギュレータ100をピストンポンプ1に容易に組み付けることができる。
【0122】
また、サーボピストン20の外周面には、フィードバックリンク90が挿入される環状溝24が形成される。
【0123】
この構成では、サーボピストン20の外周面に、フィードバックリンク90が挿入される環状溝24が形成される。そのため、サーボレギュレータ100を組み立てる際に、サーボピストン20の周方向位置を合わせることなく、フィードバックリンク90を環状溝24に挿入してフィードバックリンク90とサーボピストン20とを連結させることができる。したがって、サーボレギュレータ100の組立性を向上させることができる。
【0124】
また、フィードバックリンク90は、環状溝24の接線方向に延びる。
【0125】
この構成では、フィードバックリンク90が環状溝24の接線方向に延びる。そのため、フィードバックリンク90の延在方向に沿ってフィードバックリンク90を移動させて環状溝24に挿入する際に、ケース50の内周面に接触するまでフィードバックリンク90を挿入することができる。したがって、フィードバックリンク90の寸法精度が低くてもフィードバックリンク90とサーボピストン20とを連結することができ、サーボレギュレータ100の組立性を向上させることができる。
【0126】
また、ケース50は、ピストンポンプ1に取り付けられ、サーボピストン20を収容する第1ケース部材51と、第1ケース部材51に取り付けられ、第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42を収容する第2ケース部材52と、を有する。
【0127】
この構成では、第1ケース部材51にサーボピストン20が収容され、第1ケース部材51に取り付けられる第2ケース部材52に第1スプール30及び第2スプール40が収容される。そのため、サーボピストン20と斜板3とを連結した状態で第2ケース部材52を第1ケース部材51に着脱することができ、サーボレギュレータ100の組立性を向上させることができる。また、第2ケース部材52に第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42が収容されるので、第2ケース部材52を第1ケース部材51から取り外すことで、第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42を容易に交換することができ、サーボレギュレータ100の汎用性を高めることができる。
【0128】
また、フィードバックリンク90は、第2ケース部材52に形成される第2挿通孔52bを挿通し、第2ケース部材52は、第2挿通孔52bに沿って第1ケース部材51に着脱可能である。
【0129】
この構成では、第2ケース部材52が第2挿通孔52bに沿って第1ケース部材51に着脱可能である。そのため、第2ケース部材52を第1ケース部材51に組み付ける際に、フィードバックリンク90を第2ケース部材52の第2挿通孔52bに沿って組み付けることができ、サーボレギュレータ100の組立性を向上させることができる。また、フィードバックリンク90とサーボピストン20との連結した状態で第1スプール30、第2スプール40、第1スプールスプリング32及び第2スプールスプリング42を交換することができ、サーボレギュレータ100の汎用性を高めることができる。
【0130】
また、第2ケース部材52は、フィードバックリンク90の軸方向に沿って第1ケース部材51に着脱可能である。
【0131】
この構成では、第2ケース部材52が、フィードバックリンク90の軸方向に沿って第1ケース部材51に着脱可能である。そのため、第2ケース部材52の第2挿通孔52bの開口を小さすることができ、第1ケース部材51と第2ケース部材52との間のシール性が向上する。
【0132】
また、第1スプール30及び第2スプール40は、フィードバックリンク90を挟んでサーボピストン20とは逆側に設けられる。
【0133】
この構成では、第1スプール30及び第2スプール40が、フィードバックリンク90を挟んでサーボピストン20とは逆側に設けられる。第1スプール30及び第2スプール40は第2ケース部材52に収容されるので、フィードバックリンク90の影響を受けずに第2ケース部材52を第1ケース部材に着脱することができる。例えば、第2ケース部材52を、
図1において下側方向へ第1ケース部材51から取り外すことができる。
【0134】
また、サーボレギュレータ100は、フィードバックリンク90を回動可能に支持する支持シャフト91を更に備え、支持シャフト91は、第1ケース部材51に設けられる。
【0135】
この構成では、支持シャフト91が、第1ケース部材51に設けられる。そのため、フィードバックリンク90は、支持シャフト91を介して第1ケース部材51に支持される。したがって、フィードバックリンク90が第1ケース部材51に支持された状態で第2ケース部材52を組み付けることができ、サーボレギュレータ100の組立性が向上する。また、フィードバックリンク90を第1ケース部材51から取り外すことなく第2ケース部材52を第1ケース部材51から取り外すことができる。
【0136】
また、サーボレギュレータ100は、斜板3とサーボピストン20とを連結するアーム10を更に備え、フィードバックリンク90は、サーボピストン20を挟んでアーム10とは逆側に設けられる。
【0137】
この構成では、フィードバックリンク90が、サーボピストン20を挟んでアーム10とは逆側に設けられる。そのため、サーボピストン20の影響を受けずにフィードバックリンク90を第1ケース部材51に着脱することができる。例えば、フィードバックリンク90を、
図1において下側方向から第1ケース部材51に着脱することができる。
【0138】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0139】
上記実施形態では、サーボピストン20が斜板3に連結された後にフィードバックリンク90がサーボピストン20に連結されるが、サーボピストン20が斜板3に連結される前にフィードバックリンク90がサーボピストン20に連結されてもよい。