(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、パウチ包装体及びパウチ容器における一実施形態について、
図1〜
図12を参照しながら説明する。なお、各図(
図13〜
図40も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0016】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るパウチ容器1は、袋状に形成される容器本体2と、容器本体2に固定される注出具3とを備えている。そして、容器本体2は、一対の外装シート部4,5と、折り畳まれた状態で、一対の外装シート部4,5の間に配置される一対のガセットシート部6,7とを備えている。なお、ガセットシート部6,7は、折り畳まれることで、屈曲部6a,7aを備えている。
【0017】
一対の外装シート部4,5は、第1幅方向D1で対面するように、配置されている。そして、一対のガセットシート部6,7は、第1幅方向D1と直交する第2幅方向D2で対面するように、配置されている。なお、第1幅方向D1及び第2幅方向D2と直交する方向は、上下方向D3といい、上下方向D3のうち、図における矢印方向は、上方であり、図における矢印方向と反対方向は、下方である。
【0018】
また、以下の説明において、第1幅方向D1は、前後方向ともいい、第1幅方向D1のうち、図における矢印方向を前方とし、図における矢印方向と反対方向を後方とする。また、第2幅方向D2は、左右方向ともいい、第2幅方向D2のうち、図における矢印方向を右方とし、図における矢印方向と反対方向を左方とする。なお、前後や左右については、説明の便宜上で用いるためであって、実物において、前後が反対になったり、左右が反対になったりしてもよいことは勿論である。
【0019】
一対の外装シート部4,5が区別される際には、
図1において、前方に配置される外装シート部4は、第1外装シート部4といい、後方に配置される外装シート部5は、第2外装シート部5という。また、一対のガセットシート部6,7が区別される際には、
図1において、右方に配置されるガセットシート部6は、第1ガセットシート部6といい、左方に配置されるガセットシート部7は、第2ガセットシート部7という。
【0020】
また、容器本体2は、上端部をシールする上シール部8と、下端部をシールする下シール部9と、外装シート部4,5の側端部とガセットシート部6,7の側端部とを連接する第1〜第4連接部11〜14とを備えている。これにより、容器本体2は、注出具3が封止されることで、内部を密閉することができる。
【0021】
上シール部8は、左右方向D2の中央部に配置される上センターシール部8aと、左右方向D2の側方部に配置される四つの上サイドシール部8b〜8eとを備えている。そして、上サイドシール部8b〜8eは、上センターシール部8aの左右方向D2の外方に隣接されている。なお、
図1及び
図2(
図5〜
図21、
図23、及び
図25〜
図40も同様)において、シールされている部分は、ドットハンチングで図示されている。
【0022】
上センターシール部8aは、一対の外装シート部4,5の上端中央部が注出具3を挟んだ状態で互いにシールされることで、形成されている。また、上サイドシール部8b〜8eは、外装シート部4,5の上端側方部とガセットシート部6,7の上端部とがシールされることで、形成されている。
【0023】
なお、上シール部8は、上サイドシール部8b,8c(8d,8e)同士を固定する上シール固定部8fを備えている。上シール固定部8fは、ガセットシート部6,7に設けられる切欠を通して、外装シート部4,5同士がシールされることで、形成されている。
【0024】
図3に示すように、第1連接部11は、第1外装シート部4の側端部と第1ガセットシート部6の側端部とを連接しており、第2連接部12は、第2外装シート部5の側端部と第1ガセットシート部6の側端部とを連接している。また、第3連接部13は、第2外装シート部5の側端部と第2ガセットシート部7の側端部とを連接しており、第4連接部14は、第1外装シート部4の側端部と第2ガセットシート部7の側端部とを連接している。
【0025】
なお、容器本体2は、内部に内容物が充填される前においては、扁平状に形成されているが、
図3(
図4、
図22、及び
図24も同様)において、シールされている部分とシールされていない部分とを理解し易いように、容器本体2は、少し膨らませた状態で図示されている。また、
図3(
図4、
図22、及び
図24も同様)において、シールされている部分は、網掛けハンチングで図示されており、該部分の境界は、破線で図示されている。
【0026】
第1〜第3連接部11〜13は、シートが折り曲げられることで、形成されている。即ち、第1〜第3連接部11〜13は、非シール構造である。これにより、第1〜第3連接部11〜13は、シート部4〜7同士の連接部分が線である線固定構造となっている。
【0027】
第4連接部14は、第1外装シート部4の側端部と第2ガセットシート部7の側端部とがシールされることで、形成されている。即ち、第4連接部14は、シール構造である。これにより、第4連接部14は、シート部4〜7同士の連接部分が面である面固定構造となっている。
【0028】
なお、第4連接部14の左右方向D2の寸法は、特に限定されないが、例えば、5.0mm以下であることが好ましい。また、第4連接部14の左右方向D2の寸法は、例えば、4.5mm以下であることがより好ましく、例えば、4.0mm以下であることがさらに好ましい。
【0029】
図4に示すように、下シール部9は、左右方向D2の中央部に配置される下センターシール部9aと、左右方向D2の側方部に配置される四つの下サイドシール部9b〜9eとを備えている。そして、下サイドシール部9b〜9eは、下センターシール部9aの左右方向D2の外方に隣接されている。
【0030】
下センターシール部9aは、一対の外装シート部4,5の下端中央部同士がシールされることで、形成されている。また、下サイドシール部9b〜9eは、外装シート部4,5の下端側方部とガセットシート部6,7の下端部とがシールされることで、形成されている。そして、下サイドシール部9b〜9eの上縁は、下方にいくにつれて左右方向D2の内方にいくように、傾斜している。
【0031】
なお、四つの下サイドシール部9b〜9eが区別される際には、第1外装シート部4と第1ガセットシート部6とのシール部9bは、第1下サイドシール部9bといい、第2外装シート部5と第1ガセットシート部6とのシール部9cは、第2下サイドシール部9cといい、第2外装シート部5と第2ガセットシート部7とのシール部9dは、第3下サイドシール部9dといい、第1外装シート部4と第2ガセットシート部7とのシール部9eは、第4下サイドシール部9eという。
【0032】
また、下センターシール部9aと第1〜第4下サイドシール部9b〜9eとは、それぞれ第1連結部9fで連結されている。また、前後方向D1で連結される下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士は、第2連結部9gで連結されている。具体的には、第1下サイドシール部9bと第2下サイドシール部9cとは、第2連結部9gで連結され、第3下サイドシール部9dと第4下サイドシール部9eとは、第2連結部9gで連結されている。
【0033】
図1及び
図2に戻り、下シール部9は、下縁が上方に向けて凹状となるように、窪み部10を備えている。そして、窪み部10は、下センターシール部9a及び下サイドシール部9b〜9eの一部に亘って、配置されている。即ち、窪み部10の左右方向D2の端縁は、ガセットシート部6,7の屈曲部6a,7aや第1連結部9fよりも、左右方向D2の外方に配置されている。
【0034】
また、窪み部10は、下シール部9の下縁が矩形状に凹むように、形成されている。具体的には、窪み部10の深さ(上下方向D3の寸法)は、一定となっている。これにより、下センターシール部9aの下縁は、下サイドシール部9b〜9eの外方の下縁(窪み部10が配置されていない領域の下縁)よりも、上方に位置すると共に、下サイドシール部9b〜9eの外方の下縁と平行になっている。なお、下センターシール部9aの下縁と、下サイドシール部9b〜9eの外方の下縁とは、左右方向D2と平行である。
【0035】
ところで、本実施形態においては、上シール部8、下シール部9、及び第4連接部14に係る「シール」は、シート部4〜7同士が重なって熱溶着されることで形成されている。なお、斯かる「シール」は、シート部4〜7同士が重なって固定されていれば、特に限定されないため、シート部4〜7同士が熱溶着されることで形成されるだけでなく、シート部4〜7同士が例えば接着剤や超音波により接着されることで形成されてもよい。
【0036】
また、容器本体2(各シート部4〜7)は、可撓性を有し、内部に充填される内容物を密閉できる材料で形成されていれば、特に限定されない。そして、本実施形態のように、上シール部8、下シール部9、及び第4連接部14に係るシールが、熱溶着で形成されるように、容器本体2(各シート部4〜7)は、熱溶着性(ヒートシール性)を有する樹脂フィルムで形成されていることが好ましい。
【0037】
そして、熱溶着性を有する樹脂フィルムとしては、ベースフィルム層(単層であっても複層であってもよい)と、熱溶着性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適である。さらに、ベースフィルム層とシーラント層との間、若しくはベースフィルム層が複層の場合にはその間に、遮光性やガスバリア性を付与するバリア層を設けた複層シートがより好適である。
【0038】
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、及びバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーション等により行うことができる。
【0039】
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、及びポリエーテルスルフォン等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0040】
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、未延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロン、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0041】
バリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物等を蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
【0042】
また、容器本体2(各シート部4〜7)は、内容物の商品名、原材料や使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザイン等を表示するための印刷層を備えてもよい。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、ベースフィルム層に積層するように形成される。
【0043】
なお、上シール部8、下シール部9、及び第4連接部14に係るシールが、例えば接着で形成されてもよいため、容器本体2(各シート部4〜7)は、熱溶着性の樹脂フィルムに限られない。例えば、容器本体2(各シート部4〜7)は、非熱溶着性のフィルムで形成されていてもよい。
【0044】
注出具3は、筒状の注出部3aと、容器本体2に固定されるベース部3bと、注出部3aとベース部3bとの間に配置されるフランジ部3cとを備えている。そして、注出具3は、容器本体2の上部に固定されている。具体的には、注出具3のベース部3bは、容器本体2の上シール部8の上センターシール部8aに固定されている。
【0045】
そして、注出具3の封止が解除されることで、容器本体2の内部と外部とが開通できる。また、注出部3aは、外周に雄螺子を備えている。なお、注出具3を形成する材料は、特に限定されないが、例えば、容器本体2(各シート部4〜7)が熱溶着性を有する樹脂フィルムで形成される場合には、注出具3は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱接着性樹脂で形成されていることが、好ましい。
【0046】
本実施形態に係るパウチ容器1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るパウチ容器1で構成されるパウチ包装体の構成について、
図5〜
図8を参照して説明する。
【0047】
図5及び
図6に示すように、パウチ包装体20は、膨らんだ状態のパウチ容器1と、パウチ容器1の内部に充填される内容物21と、注出具3を封止するキャップ22とを備えている。なお、内容物21は、例えば、液体やジェル状体であるが、これに限定されず、固体や気体でもよく、また、固体、気体、及び液体の少なくとも二つの混合体でもよい。
【0048】
キャップ22は、注出具3の注出部3aに着脱可能である。具体的には、キャップ22は、内周に、注出部3aの外周の雄螺子と螺合する雌螺子を備えている。そして、キャップ22が注出具3に取り付けられることで、注出具3が封止され、容器本体2の内部が密閉される。一方、キャップ22が注出具3から取り外されることで、注出具3の封止が解除され、容器本体2の内部と外部とが、注出具3を通して開通される。
【0049】
パウチ包装体20においては、
図5〜
図7に示すように、パウチ包装体1は、膨らんだ状態となっている。そして、一対の外装シート部4,5は、前後方向D1で対面するように、配置されており、また、一対のガセットシート部6,7は、左右方向D2で対面するように、配置されている。
【0050】
また、パウチ包装体20は、自立可能な平面状の底面23を備えている。なお、ガセットシート部6,7は、底面23を形成するために、下方部が左右方向D2の内方に折り曲げられる折曲部6b,7bを備えている。
【0051】
これにより、第1〜第4下サイドシール部9b〜9cは、いずれも外装シート部4,5よりも下方に位置している。具体的には、ガセットシート部6,7の下方部は、外装シート部4,5(下センターシール部9a)よりも下方に位置している。そして、底面23は、下サイドシール部9b〜9eと、ガセットシート部6,7の下方部の非シール部6c,7cとで、構成されている。
【0052】
なお、第1及び第2下サイドシール部9b,9cは、面一となっており、そして、第3及び第4下サイドシール部9d,9eは、面一となっている。これにより、底面23は、下サイドシール部9b〜9eと、ガセットシート部6,7の下方部の非シール部6c,7cとにより、平面状に形成されている。具体的には、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)及び非シール部6c(7c)は、矩形状の平面を形成している。
【0053】
ところで、パウチ容器1の窪み部10が、下センターシール部9aから下サイドシール部9b〜9eまで延びているため、下シール部9は、前後方向D1で連結される一対の下サイドシール部9b,9c(9d,9e)に亘って配置される凹部10aを備えている。なお、パウチ包装体20における、凹部10aは、パウチ容器1における、窪み部10の一部で構成されている。
【0054】
そして、凹部10aは、左右方向D2で第2連結部9gと重なるように、配置されている。これにより、前後方向D1で連結される下サイドシール部9b,9c(9d,9e)の、先端部(具体的には、左右方向D2の内端部)同士は、凹部10aにより、互いに分離している。
【0055】
また、パウチ容器1が下センターシール部9aに窪み部10を備えているため、下センターシール部9aの前後方向D1の寸法は、小さくなっている。具体的には、
図8に示すように、下センターシール部9aの左右方向D2の中央部における、前後方向D1の寸法(以下、「第1寸法」ともいう)W1は、第2連結部9gの左右方向D2の寸法(以下、「第2寸法」ともいう)W2よりも、小さくなっている。
【0056】
なお、第2寸法W2は、凹部10aが存在する場合には、凹部10aが存在していないと仮想した場合における、第2連結部9gの左右方向D2の寸法である。即ち、凹部10aが存在する場合には、
図8(
図16、
図18、及び
図20も同様)に示すように、第2寸法W2は、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)の、左右方向D2の最内位置同士を結ぶ仮想線を、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)の左右方向D2の内端縁(仮想内端縁9h)とした寸法である。
【0057】
次に、本実施形態に係るパウチ包装体20の作用効果について、
図7〜
図10を参照して説明する。
【0058】
まず、容器本体2において、シールされているシール構造の部分(例えば、上シール部8、下シール部9、第4連接部14等)の剛性は、シールされていない非シール構造の部分(例えば、非シール部6c,7c、第1〜第3連接部11〜13等)の剛性よりも、大きい。したがって、下シール部9及び第4連接部14は、弾性変形し難く、また、弾性変形している場合には、大きな弾性復元力を作用することになる。
【0059】
ところで、底面23を形成する際には、
図7及び
図8に示すように、下センターシール部9aは、上縁の位置で折り曲がるように弾性変形する。それに対して、下シール部9が窪み部10を備えることで、下センターシール部9aの第1寸法W1が小さくなっている。これにより、下センターシール部9aの剛性が小さくなっているため、下センターシール部9aの当該弾性変形を容易に行うことができる。したがって、平面状の底面23の形成を容易に行うことができる。
【0060】
一方、下センターシール部9aの剛性が小さいため、底面23が形成された後においては、下センターシール部9aが当該弾性変形をすることで生じる弾性復元力は、小さくなっている。これにより、当該弾性復元力が下サイドシール部9b〜9eに作用する力(例えば、下サイドシール部9b〜9eを押し戻す力)は、小さくなる。したがって、平面状の底面23の形態を維持することができるため、底面23の形態を安定させることができる。
【0061】
また、底面23を形成する際には、
図8及び
図9に示すように、下シール部9は、第1連結部9fで折り曲がるように弾性変形すると共に、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士が第2連結部9gを基点として開くように、第2連結部9gで弾性変形する。また、下センターシール部9aも、折曲部9iで折り曲がるように弾性変形する。
【0062】
それに対して、窪み部10が下サイドシール部9b〜9eまで延びていることで、凹部10aが存在しているため、第1連結部9f、第2連結部9g、及び折曲部9iの寸法が小さくなっている。これにより、第1連結部9f、第2連結部9g、及び折曲部9iの剛性が小さいため、下シール部9及び下センターシール部9aの当該弾性変形を容易に行うことができる。したがって、平面状の底面23の形成を容易に行うことができる。
【0063】
一方、第1連結部9f、第2連結部9g、及び折曲部9iの剛性が小さいため、底面23が形成された後においては、第1連結部9f、第2連結部9g、及び折曲部9iが当該弾性変形をすることで生じる弾性復元力は、小さくなっている。これにより、当該弾性復元力が下サイドシール部9b〜9eに作用する力は、小さい。したがって、平面状の底面23の形態を維持することができるため、底面23の形態を安定させることができる。
【0064】
さらに、窪み部10が下サイドシール部9b〜9eまで延びていることで、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)の先端部同士は、凹部10aにより、互いに分離している。これにより、下サイドシール部9b〜9eの先端部の剛性が小さくなるため、下サイドシール部9b〜9eの先端部の変形を容易に行うことができる。したがって、パウチ包装体20が自立される面に対応して、底面23を所望の形態にすることができる。
【0065】
また、底面23を形成する際には、連接部11〜14は、折曲部6b,7bで折り曲がるように弾性変形する。それに対して、第1〜第3連接部11〜13が非シール構造としているため、第1〜第3連接部11〜13の剛性は、小さくなっている。これにより、第1〜第3連接部11〜13の当該弾性変形を容易に行うことができるため、平面状の底面23の形成を容易に行うことができる。
【0066】
一方、第1〜第3連接部11〜13の剛性が小さいため、底面23が形成された後においては、第1〜第3連接部11〜13が当該弾性変形をすることで生じる弾性復元力は、小さくなっている。これにより、当該弾性復元力が第1〜第3下サイドシール部9b〜9dに作用する力は、小さくなる。したがって、平面状の底面23の形態を維持することができるため、底面23の形態を安定させることができる。
【0067】
また、第1〜第3連接部11〜13がシートを折り曲げて形成されているため、例えば、印刷層による表示を、断続させることなく、連続させることができる。これにより、例えば、パウチ包装体20の意匠性を向上させることができる。
【0068】
また、例えば、内容物21(
図10において、図示していない)が流動食等の場合には、
図10に示すように、パウチ包装体20を握り潰すことで、内容物21は、注出具3から注出され、注出具3に接続された管等を通して体内に供給される。そして、パウチ包装体20を握る際に、剛性の大きい第4連接部14ではなく、剛性の小さい第1〜第3連接部11〜13(
図10において、第2連接部12は図示していない)が手のひらや指の内面に当たるようにすることで、パウチ包装体20から受ける刺激の大きさを抑制することができる。
【0069】
次に、本実施形態に係るパウチ包装体20の製造方法の一例について、
図11及び
図12を参照して説明する。
【0070】
図11に示すように、把持装置31は、パウチ容器1の注出具3を把持しており、一対の規制装置32,32(
図11において、一方の規制装置32は図示していない)は、外装シート部4,5(
図11において、第2外装シート部5は図示していない)の中央部と対面するように、配置している。そして、斯かる状態において、供給装置33は、注出具3を通して、パウチ容器1の内部に気体を供給する。
【0071】
それに伴って、パウチ容器1が膨らみ、その後、外装シート部4,5の中央部は、規制装置32に接触して、膨らむことを規制される。これにより、ガセットシート部6,7(
図11及び
図12において、第1ガセットシート部6は図示していない)が強制的に膨らむことになる。即ち、規制装置32は、ガセットシート部6,7を膨らませることを補助する装置として機能する。
【0072】
その後、規制装置32及び供給装置33が退避し、
図12に示すように、内容物21(
図12において、図示していない)がパウチ容器1の内部に充填され、キャップ22が注出具3に取り付けられる。そして、把持装置31が注出具3を把持した状態で、平面状の折曲装置34がパウチ容器1の下方部を上方に向けて押すことで、ガセットシート部6,7が折曲部6b,7bで折り曲げられる。これにより、平面状の底面23を容易に形成することができる。
【0073】
供給装置33は、パウチ容器1の密閉性を検査するリーク検査装置における気体供給部としてもよい。斯かる構成によれば、リーク検査に使用する気体と、ガセットシート部6,7を膨らませる気体とを兼用でき、また、リーク検査工程とガセットシート部6,7を膨らませる工程とを同時に行うことができるため、気体や時間のロスを削減することができる。なお、供給装置33は、リーク検査装置における気体供給部とは別に設けられ、リーク検査工程とは別工程としてパウチ容器1の内部に気体を供給してもよい。
【0074】
また、供給装置33は、気体ではなく、内容物21をパウチ容器1の内部に充填する装置としてもよい。斯かる構成においては、内容物21の充填を開始する際には、規制装置32は、外装シート部4,5が膨らむことを規制し、所定時間を経過した後に、規制装置32が退避し、当該規制が解除される、という構成を採用してもよい。
【0075】
これにより、ガセットシート部6,7を膨らませることができると共に、パウチ容器1に設定量の内容物21を確実に充填することができる。なお、パウチ包装体20の製造方法は、
図11及び
図12に係る方法に限られず、例えば、供給装置33や折曲装置34を使用しない製造方法でもよい。
【0076】
以上より、本実施形態に係るパウチ包装体20は、内容物21と、前記内容物21が内部に充填されるパウチ容器1と、を備え、前記パウチ容器1は、第1幅方向D1で互いに対面する一対の外装シート部4,5と、折り畳まれた状態で前記一対の外装シート部4,5の間に配置され、第1幅方向D1と直交する第2幅方向D2で互いに対面する一対のガセットシート部6,7と、を備える、パウチ包装体20であって、前記パウチ容器1は、下端部をシールする下シール部9を備え、前記下シール部9は、前記一対の外装シート部4,5の下端中央部同士をシールする下センターシール部9aと、前記外装シート部4,5の下端側方部と前記ガセットシート部6,7の下端部とをシールする第1〜第4下サイドシール部9b〜9eと、を備え、前記ガセットシート部6,7は、前記第1〜第4下サイドシート部9b〜9eがいずれも前記外装シート部4,5よりも下方に位置するように折り曲げられた折曲部6b,7bを備え、前記第1〜第4下サイドシール部9b〜9eは、前記パウチ容器1の底面23を形成し、前記下センターシール部9aの中央部における、第1幅方向D1の寸法W1は、前記下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士が連結される連結部9gにおける、第2幅方向D2の寸法W2よりも、小さい。
【0077】
斯かる構成によれば、底面23を形成する際には、下センターシール部9aは、上縁の位置で折り曲がるように弾性変形する。それに対して、下センターシール部9aの中央部における、第1幅方向D1の寸法W1は、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士が連結される連結部9gにおける、第2幅方向D2の寸法W2よりも、小さくなっている。
【0078】
これにより、下センターシール部9aの剛性が小さくなっているため、下センターシール部9aの当該弾性変形を容易に行うことができる。したがって、平面状の底面23の形成を容易に行うことができる。
【0079】
一方、下センターシール部9aの剛性が小さくなっているため、底面23が形成された後においては、下センターシール部9aが当該弾性変形をすることで生じる弾性復元力は、小さくなっている。これにより、当該弾性復元力が下サイドシール部9b〜9eに作用する力は、小さくなる。したがって、平面状の底面23の形態を維持することができるため、底面23の形態を安定させることができる。
【0080】
なお、本実施形態に係るパウチ容器1は、斯かるパウチ包装体20を構成するために、前記ガセットシート部6,7が前記折曲部6b,7bで折り曲げられる扁平状のパウチ容器1であって、前記下シール部9は、少なくとも下センターシール部9aに配置される窪み部10を備える、という構成である。
【0081】
また、本実施形態に係るパウチ包装体20においては、前記下シール部9は、第1幅方向D1で連結される一対の前記下サイドシール部9b,9c(9d,9e)に亘って配置される凹部10aを備え、前記凹部10aは、第2幅方向D2で前記連結部9gと重なるように配置される、という構成でもよい。
【0082】
斯かる構成によれば、凹部10aは、第1幅方向D1で連結される一対の下サイドシール部9b,9c(9d,9e)に亘って配置されていると共に、第2幅方向D2で連結部9gと重なるように配置されている。これにより、一対の下サイドシール部9b,9c(9d,9e)が、凹部10aにより互いに分離されているため、下サイドシール部9b〜9eの剛性が小さくなる。したがって、下サイドシール部9b〜9eの変形を容易に行うことができるため、載置面に対応して、底面23を所望の形態にすることができる。
【0083】
なお、本実施形態に係るパウチ容器1においては、斯かるパウチ包装体20を構成するために、前記窪み部10は、前記下センターシール部9a及び前記下サイドシール部9b〜9eの一部に亘って配置される、という構成である。
【0084】
また、本実施形態に係るパウチ包装体20においては、前記パウチ容器1は、前記外装シート部4,5の側端部と前記ガセットシート部6,7の側端部とを連接する第1〜第4連接部11〜14を備え、少なくとも前記第1〜第3連接部11〜13は、シートを折り曲げて形成される、という構成である。
【0085】
斯かる構成によれば、底面23を形成する際には、第1〜第4連接部11〜14は、折曲部6b,7bで折り曲がるように弾性変形する。それに対して、少なくとも第1〜第3連接部11〜13がシートを折り曲げて形成されているため、少なくとも第1〜第3連接部11〜13の剛性は、小さくなっている。これにより、少なくとも第1〜第3連接部11〜13の当該弾性変形を容易に行うことができるため、平面状の底面23の形成を容易に行うことができる。
【0086】
一方、少なくとも第1〜第3連接部11〜13の剛性が小さくなっているため、底面23が形成された後においては、少なくとも第1〜第3連接部11〜13が当該弾性変形をすることで生じる弾性復元力は、小さくなっている。これにより、当該弾性復元力による、少なくとも第1〜第3下サイドシール部9b〜9dに作用する力が、小さくなるため、平面状の底面23の形態を維持することができる。したがって、底面23の形態を安定させることができる。
【0087】
また、本実施形態に係るパウチ包装体20においては、前記第4連接部14は、前記外装シート部4の側端部と前記ガセットシート部7の側端部とをシールして形成される、という構成である。
【0088】
斯かる構成によれば、第1〜第3連接部11〜13においては、弾性変形が容易に行えたり、弾性変形した際の弾性復元力が小さくなったりする。また、シール構造が第4連接部14に配置されているため、例えば、外装シート部4,5と注出具3とのシール性が低下することを抑制することができたり、また、例えば、意匠性が低下することを抑制することができたりする。
【0089】
なお、パウチ包装体20及びパウチ容器1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、パウチ包装体20及びパウチ容器1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0090】
(1)上記実施形態に係るパウチ容器1においては、窪み部10は、下センターシール部9a及び下サイドシール部9b〜9eの一部に亘って配置されている、という構成である。しかしながら、パウチ容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、
図13に示すように、窪み部10は、下センターシール部9aのみに配置されており、下サイドシール部9b〜9eに配置されていない、という構成でもよい。
【0091】
斯かるパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図14に示すように、凹部10aが存在していない。したがって、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)の先端部(第2幅方向D2の内端部)同士は、連結されている。これにより、下サイドシール部9b〜9eの剛性が大きくなるため、底面23の剛性を大きくすることができる。
【0092】
そして、
図14に係るパウチ包装体20においては、下センターシール部9aの中央部における、第1幅方向D1の寸法W1は、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士が連結される連結部9gにおける、第2幅方向D2の寸法W2よりも、小さくなっている。
図14に係るパウチ包装体20においては、凹部10aが存在していないため、第2寸法W2は、第2連結部9gの実際の内端縁における寸法である。
【0093】
(2)また、上記実施形態に係るパウチ容器1においては、窪み部10は、窪み部10の深さ(上下方向D3の寸法)は、一定である、という構成である。しかしながら、パウチ容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、
図15に示すように、窪み部10の深さ(上下方向D3の寸法)は、下シール部9の第2幅方向D2の中央に行くにつれて、深くなる、という構成でもよい。
【0094】
図15に係る窪み部10は、下シール部9の下縁が三角形状に凹むように、形成されている。なお、窪み部10は、斯かる構成に限られず、例えば、下シール部9の下縁が円弧状に凹むように、形成されてもよい。斯かるパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図16に示すように、下センターシール部9aは、第2幅方向D2の中央に行くにつれて、第1幅方向D1の寸法が小さくなるように、形成される。
【0095】
そして、
図16に係るパウチ包装体20においては、下センターシール部9aの中央部における、第1幅方向D1の寸法W1は、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士が連結される連結部9gにおける、第2幅方向D2の寸法W2よりも、小さくなっている。なお、
図16に係るパウチ包装体20においては、凹部10aが存在しているため、第2寸法W2は、第2連結部9gの仮想内端縁9hにおける寸法である。
【0096】
(3)また、上記実施形態に係るパウチ容器1においては、下サイドシール部9b〜9eの外方の下縁は、それぞれ第2幅方向D2と平行である、という構成である。しかしながら、パウチ容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、
図17に示すように、下サイドシール部9b〜9eの外方の下縁は、それぞれ第2幅方向D2に対して傾斜している、という構成でもよい。
【0097】
図17に係るパウチ容器1においては、下サイドシール部9b〜9eの外方の下縁は、下方にいくにつれて第2幅方向D2の内方にいくように、傾斜している。そして、第1及び第2下サイドシール部9b,9cの外方の下縁と第3及び第4下サイドシール部9d,9eの外方の下縁(
図17において、第2及び第3下サイドシール部9c,9dは図示していない)とは、傾斜して交差している。
【0098】
斯かるパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図18に示すように、一対の下サイドシール部9b,9c(9d,9e)及び非シール部6c(7c)は、三角形状の平面を形成する。これにより、下サイドシール部9b〜9eの領域が小さくなるため、下サイドシール部9b〜9eの剛性を小さくすることができる。
【0099】
また、
図18に係るパウチ包装体20においては、下センターシール部9aの中央部における、第1幅方向D1の寸法W1は、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士が連結される連結部9gにおける、第2幅方向D2の寸法W2よりも、小さくなっている。なお、
図18に係るパウチ包装体20においては、凹部10aが存在しているため、第2寸法W2は、第2連結部9gの仮想内端縁9hにおける寸法である。
【0100】
(4)また、パウチ容器1においては、
図19に示すように、窪み部10における、下サイドシール部9b〜9e(
図19において、第2及び第3下サイドシール部9c,9dは図示していない)の第2幅方向D2の寸法W3は、下センターシール部9aの上下方向D3の寸法W4の200%以上である、という構成でもよい。
【0101】
斯かるパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図20に示すように、下センターシール部9aは、下シール部9の凹部10aに収まるように、配置されることになる。具体的には、下センターシール部9aは、凹部10aの第1幅方向D1の端縁の間に配置されている。斯かる構成によれば、下センターシール部9aと下サイドシール部9b〜9eとの重なる領域が小さくなるため、底面23の平面性を向上させることができる。
【0102】
また、
図20に係るパウチ包装体20においては、下センターシール部9aの中央部における、第1幅方向D1の寸法W1は、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)同士が連結される連結部9gにおける、第2幅方向D2の寸法W2よりも、小さくなっている。なお、
図20に係るパウチ包装体20においては、凹部10aが存在しているため、第2寸法W2は、第2連結部9gの仮想内端縁9hにおける寸法である。
【0103】
(5)また、上記実施形態に係るパウチ容器1及びパウチ包装体20においては、第1〜第3連接部11〜13は、シートを折り曲げて形成され、第4連接部14は、外装シート部4の側端部とガセットシート部7の側端部とをシールして形成される、という構成である。しかしながら、パウチ容器1及びパウチ包装体20は、斯かる構成に限られない。
【0104】
例えば、
図21及び
図22に示すように、第1〜第4連接部11〜14のうち、複数(
図21及び
図22においては、四つ全て)の連接部11〜14は、外装シート部4,5の側端部とガセットシート部6,7の側端部とをシールして形成される、という構成でもよい。
【0105】
また、例えば、
図23及び
図24に示すように、第1〜第4連接部11〜14は、シートを折り曲げて形成される、という構成でもよい。斯かる構成によれば、第1〜第4連接部11〜14の剛性が小さくなる。
【0106】
したがって、第1〜第4連接部11〜14の弾性変形を容易に行えるため、パウチ包装体20の底面23を形成することが容易であったり、また、弾性変形した第1〜第4連接部11〜14の弾性復元力が小さくなるため、パウチ包装体20の底面23の形態を安定させたりすることができる。なお、
図23及び
図24の第2外装シート部5は、シート同士をシールして形成される縦シール部5aを備えている。
【0107】
(6)また、パウチ容器1においては、下シール部9は、第1連結部9fで折り曲げられ易くなるために、第1連結部9fの位置に折曲罫線を備えていてもよい。また、パウチ容器1においては、下シール部9は、第2連結部9gで折り曲げられ易くなるために、第2連結部9gの位置に折曲罫線を備えていてもよい。また、パウチ容器1においては、
図25に示すように、下シール部9(下センターシール部9a)は、折曲部9i(
図25においては、図示しておらず、
図9参照)で折り曲げられ易くなるために、折曲部9iとなる位置に折曲罫線9jを備えていてもよい。
【0108】
また、パウチ容器1においては、
図25に示すように、ガセットシート部6,7は、折曲部6b,7bで折り曲げられ易くなるために、折曲部6b,7bとなる位置に折曲罫線6d,7dを備えていてもよい。なお、これらの折曲罫線6d,7d,9jは、折り癖が付くように、予め一度折り曲げられて形成されてもよく、また、容器本体2の強度に問題がない程度に、隣接部分よりも薄肉に形成されていてもよい。
【0109】
(7)また、パウチ容器1(及びパウチ包装体20)においては、
図26に示すように、第4連接部14の端縁は、曲線状に形成されている、という構成でもよい。即ち、シール構造(面固定構造)である連接部14の端縁は、曲線状に形成されている、という構成でもよい。
【0110】
斯かる構成によれば、パウチ包装体20が握られた際に(
図10参照)、仮に、剛性の大きいシール構造である第4連接部14が手のひらに当たるような場合でも、パウチ包装体20から受ける刺激を小さくすることができる。なお、
図26においては、第4連接部14の端縁は、複数の円弧が連なるように、即ち、波形状となるように、形成されている。
【0111】
(8)また、パウチ容器1は、例えば、
図27、
図29、
図31、
図33、
図37、及び
図39に示すように、下サイドシール部9b〜9eを外装シート部4,5又は他の下サイドシール部9b〜9eに固定するための下シール固定手段15を備えている、という構成でもよい。斯かる構成によれば、下サイドシール部9b〜9eが、下シール固定手段15により、外装シート部4,5又は他の下サイドシール部9b〜9eに固定されるため、底面23の形態が安定したパウチ包装体20を構成することができる。
【0112】
また、パウチ包装体20は、例えば、
図28、
図30、
図32、
図34〜
図36、
図38、及び
図40に示すように、下サイドシール部9b〜9eを外装シート部4,5又は他の下サイドシール部9b〜9eに固定する下シール固定部16を備えている、という構成でもよい。斯かる構成によれば、下サイドシール部9b〜9eが、下シール固定部16により、外装シート部4,5又は他の下サイドシール部9b〜9eに固定されるため、底面23の形態を安定させることができる。
【0113】
なお、下シール固定部16は、例えば、
図28、
図30、
図32、及び
図34〜
図35に示すように、各シート部4〜7と別部材である、という構成でもよく、また、例えば、
図36、
図38、及び
図40に示すように、各シート部4〜7から構成される、という構成でもよい。同様に、下シール固定手段15は、例えば、
図27、
図29、
図31、及び
図33に示すように、各シート部4〜7と別部材である、という構成でもよく、また、例えば、
図37及び
図39に示すように、各シート部4〜7から構成される、という構成でもよい。
【0114】
(8−1)
図27のパウチ容器1においては、下シール固定手段15は、下サイドシール部9b〜9e(
図27において、第2及び第3下サイドシール部9c,9dは図示していない)のうち、外装シート部4,5(
図27において、第2外装シート部5は図示していない)の表面にそれぞれ設けられている。そして、下シール固定手段15は、四つ備えられている(
図27においては、二つのみ図示している)。
【0115】
図27(
図29も同様)の下シール固定手段15は、固定できるものであれば特に限定されず、通常公知のものを使用できる。例えば、下シール固定手段15は、粘着剤、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)、接着性を有する接着シート(いわゆる、両面タックシール)、熱溶着性を有する溶着シート等で、形成されている。
【0116】
斯かる
図27のパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図28に示すように、下サイドシール部9b〜9eは、下シール固定部16により、外装シート部4,5の下方部に固定される。具体的には、第1及び第4下サイドシール部9b,9eは、第1外装シート部4の下方部に固定され、第2及び第3下サイドシール部9c,9dは、第2外装シート部5の下方部に固定されている。
【0117】
図28(
図30も同様)の下シール固定部16は、固定できるものであれば特に限定されず、通常公知のものを使用できる。例えば、下シール固定部16は、粘着体(例えば、粘着剤が硬化したもの)、接着体(例えば、接着剤が硬化したもの)、接着性を有する接着シート、熱溶着性を有する溶着シート(例えば、溶着シートが溶融されたシート)等で、形成されている。
【0118】
(8−2)
図29のパウチ容器1においては、下シール固定手段15は、第3及び第4下サイドシール部9d,9e(
図29において、第3下サイドシール部9dは図示していない)のうち、外装シート部4,5(
図29において、第2外装シート部5は図示していない)の表面にそれぞれ設けられている。そして、下シール固定手段15は、二つ備えられている(
図29においては、一つのみ図示している)。
【0119】
斯かる
図29のパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図30に示すように、下サイドシール部9d,9eは、下シール固定部16により、他の下サイドシール部9c,9bに固定される。そして、下サイドシール部9b,9e(9c,9d)の先端部同士が上下方向D3で重なっており、当該重なっている部分同士が下シール固定部16により固定されている。
【0120】
なお、第1下サイドシール部9bは、第4下サイドシール部9eと重なり、下シール固定部16により第4下サイドシール部9eに固定されている。また、第2下サイドシール部9cは、第3下サイドシール部9dと重なり、下シール固定部16により第3下サイドシール部9dに固定されている。
【0121】
(8−3)
図31のパウチ容器1においては、下シール固定手段15は、第3及び第4下サイドシール部9d,9e(
図31において、第3下サイドシール部9dは図示していない)間に配置され、第2ガセットシート部7に固定されている。なお、第1下シール固定手段15は、第2ガセットシート部7の第4下サイドシール部9eに固定され、第2下シール固定手段15(
図31においては、第2下シール固定手段15は図示していない)は、第2ガセットシート部7の第3下サイドシール部9dに固定されている。
【0122】
下シール固定手段15は、帯状に形成され、上下方向D3に沿って延びている。そして、下シール固定手段15の上方部は、下サイドシール部9d,9eに固定され、下シール固定手段15の下方部は、下サイドシール部9d,9eから下方に向けて突出している(露出している)。
【0123】
図31(
図33も同様)の下シール固定手段15は、固定できるものであれば特に限定されず、通常公知のものを使用できる。例えば、下シール固定手段15は、接着性を有する接着シートや、熱溶着性を有する溶着シート等で、形成されている。
【0124】
斯かる
図31のパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図32に示すように、下サイドシール部9d,9eは、下シール固定部16により、他の下サイドシール部9c,9bに固定される。なお、下シール固定部16は、帯状に形成されており、一対の下サイドシール部9b,9e(9c,9d)に跨って配置されている。そして、下シール固定部16は、下サイドシール部9b〜9eの下方に位置している。
【0125】
そして、第1下シール固定部16の一端部が、第1下サイドシール部9bに固定され、他端部が、第4下サイドシール部9eに固定されることで、第1下サイドシール部9bは、第4下サイドシール部9eに固定されている。また、第2下シール固定部16の一端部が、第2下サイドシール部9cに固定され、他端部が、第3下サイドシール部9dに固定されることで、第2下サイドシール部9cは、第3下サイドシール部9dに固定されている。
【0126】
図32(
図34及び
図35も同様)の下シール固定部16は、固定できるものであれば特に限定されず、通常公知のものを使用できる。例えば、下シール固定部16は、接着性を有する接着シートや、熱溶着性を有する溶着シート(例えば、溶着シートが溶融されたシート)等で、形成されている。
【0127】
(8−4)
図33のパウチ容器1においては、下シール固定手段15は、下サイドシール部9b,9c(9d,9e)(
図33において、第2及び第3下サイドシール部9c,9dは図示していない)間に配置され、ガセットシート部6,7に固定されている。そして、下シール固定手段15は、四つ備えられている(
図33においては、二つのみ図示している)。
【0128】
下シール固定手段15は、帯状に形成され、第2幅方向D2に沿って延びている。そして、下シール固定手段15の第2幅方向D2の内方部は、下サイドシール部9b〜9dに固定され、下シール固定手段15の第2幅方向D2の外方部は、下サイドシール部9b〜9dから第2幅方向D2の外方に向けて突出している(露出している)。
【0129】
斯かる
図33のパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図34及び
図35に示すように、下サイドシール部9b〜9eは、下シール固定部16により、外装シート部4,5の下方部に固定されている。なお、下シール固定部16は、帯状に形成されており、下サイドシール部9b〜9eと外装シート部4,5とに跨って配置されている。そして、下シール固定部16の一端部は、下サイドシール部9b〜9eに固定され、他端部は、外装シート部4,5に固定されている。
【0130】
なお、
図28、
図30、
図32、及び
図34〜
図35のパウチ包装体28は、下シール固定手段15を有するパウチ容器1に対して、ガセットシート部6,7を折り曲げることで、形成される方法を説明したが、斯かる方法に限られない。例えば、パウチ包装体28は、下シール固定手段15を有していないパウチ容器1に対して、ガセットシート部6,7を折り曲げる前、最中、後に、下シール固定部16をパウチ容器1に取り付けることで、形成される方法でもよい。
【0131】
(8−5)
図36のパウチ包装体20においては、下サイドシール部9d,9eは、下シール固定部16により、他の下サイドシール部9c,9bに固定されている。具体的には、第1下サイドシール部9bは、下シール固定部16により、第4下サイドシール部9eに固定され、また、第2下サイドシール部9cは、下シール固定部16により、第3下サイドシール部9dに固定されている。
【0132】
図36の下シール固定部16は、例えば、樹脂フィルを構成するシーラント層が溶融して、下サイドシール部9b〜9eの端縁からはみ出して、その後、硬化したものである。なお、
図36における一点鎖線の領域は、下シール固定部16を形成するために、例えば、バー状の加熱装置(図示していない)に加熱される被加熱部分17である。
【0133】
(8−6)
図37のパウチ容器1においては、下シール固定手段15は、第1〜第4下サイドシール部9b〜9e(
図37においては、第2及び第3下サイドシール部9c,9dは図示していない)からそれぞれ突出して他の下サイドシール部9b〜9eと係合する第1〜第4係合部15a〜15d(
図37においては、第2及び第3係合部15b,15cは図示していない)を備えている。係合部15a〜15dは、下サイドシール部9b〜9eの下端部から第2幅方向D2の内方に延びている。
【0134】
斯かる
図37のパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図38に示すように、第1係合部15aの先端部が、第3下サイドシール部9dよりも、上方に位置することで、第1係合部15aは、第3下サイドシール部9dと係合している。また、第3係合部15cの先端部が、第1下サイドシール部9bよりも、上方に位置することで、第3係合部15cは、第1下サイドシール部9bと係合している。
【0135】
これにより、第1下サイドシール部9b及び第3下サイドシール部9dは、第1及び第3係合部15a,15cで構成される下シール固定部16により、互いに固定されている。なお、第2下サイドシール部9c及び第4下サイドシール部9eも、第2及び第4係合部15b,15d(
図38においては、図示していない)で構成される下シール固定部16により、互いに固定されていてもよい。
【0136】
なお、
図37及び
図38に係るパウチ容器1においては、係合部15a〜15dは、第1〜第4下サイドシール部9b〜9eの全てからそれぞれ突出している、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、係合部15a〜15dは、第1及び第3下サイドシール部9b,9d、又は、第2及び第4下サイドシール部9c,9eの何れか一方のそれぞれから突出している、という構成でもよい。
【0137】
(8−7)
図39のパウチ容器1においては、第1〜第4下サイドシール部9b〜9e(
図39においては、第2及び第3下サイドシール部9c,9dは図示していない)は、他の下サイドシール部9b〜9eと係合する第1〜第4係合部15a〜15d(
図39においては、第2及び第3係合部15b,15cは図示していない)を備えている。そして、第1〜第4係合部15a〜15dは、下シール固定手段15を構成している。
【0138】
第1及び第2下サイドシール部9b,9cは、第3及び第4下サイドシール部9d,9eよりも下方側に延びており、第1及び第2係合部15a,15bは、第1及び第2下サイドシール部9b,9cの下方側で構成されている。また、第3及び第4係合部15c,15dは、第2幅方向D2に沿って直線状に切断された貫通孔である。
【0139】
斯かる
図39のパウチ容器1で構成されるパウチ包装体20においては、
図40に示すように、第1係合部15aの先端部が、第4係合部15dに挿入することで、第1下サイドシール部9bは、第4下サイドシール部9eと係合している。これにより、第1下サイドシール部9b及び第4下サイドシール部9eは、第1及び第4係合部15a,15dで構成される下シール固定部16により、互いに固定されている。
【0140】
また、第2係合部15bの先端部が、第3係合部15cに挿入することで、第2下サイドシール部9cは、第3下サイドシール部9dと係合している。これにより、第2下サイドシール部9c及び第3下サイドシール部9dは、第2及び第3係合部15b,15cで構成される下シール固定部16により、互いに固定されている。