特許第6912964号(P6912964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6912964
(24)【登録日】2021年7月13日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】ダイレクトブロー成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/42 20060101AFI20210727BHJP
   B29C 49/20 20060101ALI20210727BHJP
   B29C 49/24 20060101ALI20210727BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20210727BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   B29C49/42
   B29C49/20
   B29C49/24
   B65D25/20 P
   B65D1/00 120
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-149839(P2017-149839)
(22)【出願日】2017年8月2日
(65)【公開番号】特開2019-25849(P2019-25849A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】711011386
【氏名又は名称】株式会社タハラ
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】吉井 佳介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山元 崇史
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−518681(JP,A)
【文献】 特表2010−524747(JP,A)
【文献】 特開2002−036345(JP,A)
【文献】 特開2003−011945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/42
B29C 49/20
B29C 49/24
B65D 1/00
B65D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイレクトブロー成形機において、
一対の割型からなる成形金型の外方であって、前記一対の割型の開閉方向と交差する方向に、前記外方に向けて順に、非接触式無線識別端末それぞれの表面を覆うラベルを複数装填したラベルマガジンを設けると共に前記ラベルマガジンに隣接させて、複数の前記非接触式無線識別端末装填したマガジンを設け
前記マガジンから引き抜いた前記非接触式無線識別端末を前記ラベルマガジンの対応する前記ラベルに押し付けて付着させた状態で前記ラベルを引き抜く機構を具備し、開放した前記一対の割型に進退動して、前記引き抜いた前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを、前記一対の割型内に移送させるインサータを設け
前記一対の割型内に進入した前記インサータから、前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを吸引して前記一対の割型内に保持する機構を設けた
ことを特徴とするダイレクトブロー成形機。
【請求項2】
前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを保持する機構が、前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを前記金型のキャビティ面に保持させるエア吸引部を具備することを特徴とする請求項1に記載のダイレクトブロー成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイレクトブロー成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの情報データの読み書き可能な非接触式ICタグなどの非接触式無線識別端末は、バーコードに比べてデータ容量が大きく、物理的強度も十分保持できることによりかねてより注目されていた。さらに近時、技術進歩によって非接触式無線識別端末の容量大きくなる一方、価格も大幅に安くなったという事情から、その使用につき各種産業界から所望されつつある。とりわけ、非接触式ICタグなどをブロー成形してなる容器に実装することが検討されつつある。
【0003】
非接触式無線識別端末をブロー成形してなる容器に実装したものとして、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1による非接触式ICタグ付きブロー成形容器は、容器の口部、肩部、胴部、底部とともにブロー成形装置により一体成形された収納凹部の底面に非接触式ICタグを接着剤等により貼着されたものである。非接触式ICタグの成形容器への装着工程においては、容器胴部外面に露出して装着した場合にもスタック時に破損する恐れがあったが、特許文献1によればその破損を未然に防止できるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−230644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、非接触式ICタグは、ブロー成形装置によりブロー成形容器が成形された後、かつラベルが当該容器に被覆される前に当該容器の収納凹部底面に、非接触式ICタグの外面が容器の胴部の外面と同一面となるよう貼着されるものである。しかしながら、特許文献1に開示された非接触式ICタグ付き容器の成形は、上述のような工程を要するため、その工数の削減および工程の効率化が望まれていた。
【0006】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、非接触式ICタグなどの非接触式無線識別端末付き容器の成形に要する工数の削減および工程の効率化を図り、かつ確実にかかる容器を成形できるダイレクトブロー成形機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ダイレクトブロー成形機において、一対の割型からなる成形金型の外方であって、前記一対の割型の開閉方向と交差する方向に、前記外方に向けて順に、非接触式無線識別端末それぞれの表面を覆うラベルを複数装填したラベルマガジンを設けると共に前記ラベルマガジンに隣接させて、複数の前記非接触式無線識別端末装填したマガジンを設け前記マガジンから引き抜いた前記非接触式無線識別端末を前記ラベルマガジンの対応する前記ラベルに押し付けて付着させた状態で前記ラベルを引き抜く機構を具備し、開放した前記一対の割型に進退動して、前記引き抜いた前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを、前記一対の割型内に移送させるインサータを設け前記一対の割型内に進入した前記インサータから、前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを吸引して前記一対の割型内に保持する機構を設けたことを特徴とするダイレクトブロー成型機である。
【0008】
また、第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを保持する機構が、前記非接触式無線識別端末および前記ラベルを前記金型のキャビティ面に保持させるエア吸引部を具備する構成としたものである。
【0012】
上記第1の課題解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、非接触式無線識別端末およびラベルをそれぞれのマガジンから自動的に引き抜き、金型に保持して、そのままパリソンをダイレクトトブロー成形するというインモールドラベル成形により非接触式無線識別端末を付けた容器を効率的かつ確実に製造できるので、従来のようにプリフォームから非接触式ICタグ収納用の凹部を形成した容器を製造する工程が必要なくなり、またその凹部に非接触式ICタグを収納するという工程も必要なくなって工数の大幅削減化を達成できる。それにより、製造工程の効率化も達成できる。
【0013】
上記第2の課題解決手段による作用は、非接触式無線識別端末およびラベルをエア吸引部により金型に確実に保持できるので、インモールドラベル成形を確実かつ容易に実施させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来のプリフォームから非接触式ICタグを収納しラベリングを施す成形方法に比較して、工数の削減化を達成するとともに、製造工程の効率化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る中空成形機の斜視図。
図2図1に示した非接触式無線識別端末としてのICラベルを供給するための供給マガジン、そのICラベルを覆うためのラベルを供給するラベル供給マガジン、ICラベル付きラベルを引き抜く機構を示す拡大斜視図。
図3図2に示したICラベル付きラベルを引き抜く機構を示す拡大斜視図。
図4図1に示したインサータの拡大斜視図。
図5図1に示した中空成形機を用いてICラベルをマガジンから引き抜く状態を示す一部省略した中空成形機の拡大斜視図。
図6図5に示した状態から移行して引き抜いたICラベルをラベルマガジン中のラベルに付着させる状態を示す一部省略した中空成形機の拡大斜視図。
図7図6に示した状態から移行してインサータが金型に向けて前進した状態を示す一部省略した中空成形機の拡大斜視図。
図8図7に示した状態から移行してICラベルを付着させたラベルを金型のキャビティ面にエア吸引する状態を示す一部省略した中空成形機の拡大斜視図。
図9図1に示した中空成形機の電気的制御系統を示すブロック図。
図10図1に示した中空成形機を用いて成形する工程を示すフローチャート図。
図11図1に示した中空成形機を用いて成形したICラベル付きラベルを貼付した容器の斜視図。
図12図11に示した容器においてA―A線に沿った拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、中空成形機は、溶融樹脂を投入するホッパ1に接続した溶融樹脂の押出機2と、押出機2に接続したダイヘッド3と、ダイヘッド3から押出される筒状パリソンを中空成形品に成形するキャビティを有する成形金型4と、前方プラテン5、後方プラテン6および成形金型4を型閉、型締および型開する電動機を備えた型締装置7と、パリソンを所定の長さに切断するパリソン切断装置(図示略)と、成形金型4を移動させる金型移送装置(図示略)と、パリソン内にエアを吹き込むためのエア吹込ノズル8を備えたノズル打込装置9と、成形金型4等が動作や移動する機内空間域とこれに連なる運転操作や監視等を行う作業領域とを仕切るための安全扉10とにより基本構成されている。
【0020】
ダイヘッド3の下部に設けた図示を省略したダイまたはコアは、カップリングによりボールネジと連結され、このボールネジがサーボモータ3aにて回転駆動されることにより、図示を省略したダイまたはコアの昇降調節を行うように構成されている。ダイヘッド3には、溶融樹脂の吐出を行うための環状の吐出口が形成されている。この吐出口は、ダイヘッド3の中心に相対的に昇降動自在に設けたダイ,コアによって環状に形成され、吐出口の隙間間隔を自在に変え、押出されるパリソンの肉厚を変えることができるようになっている。
【0021】
成形金型4は、図1に示すように。一対の割型4a,4bからなり、これら割型4a,4bには、筒状パリソンを挿入させて、容器を成形するためのキャビティ4cを形成している。成形金型4は、ダイヘッド3の直下の位置およびノズル打込装置9のエア吹込ノズル8の直下位置の間にて、図示を省略した金型移送装置によって水平方向に交互に往復移動することができるようになっている。
【0022】
ノズル打込装置9は、成形金型4の左右のキャビティ4cの上方にて、筒状パリソン内に挿入して圧縮エアを吹き込むためのエア吹込ノズル8およびこのエア吹込ノズル8を上昇・下降させるエア吹込ノズル駆動装置11を備えている。
【0023】
エア吹込ノズル8は、図示を省略したエア源から圧縮エアが供給されて、成形金型4のキャビティ4c内に供給された筒状のパリソン内に圧縮エアを吹き込むようになっている。エア吹込ノズル8の軸芯は、使用する成形金型4のパーティングラインを延長した線上に常時位置する。このパーティングラインおよびその延長した線は、使用する成形金型が成形すべき製品によって変更したとしても常時同一線上に存在するように機械的に設定されている。
【0024】
型締装置7は、前方プラテン5および後方プラテン6と、これらプラテン5,6に挿通して、これらプラテン5,6を成形金型4のパテーティングラインに対して接近・離反方向に同調して移動させる左右の逆リードボールねじと、後方プラテン6の後側に位置して左右の逆リードボールねじに接続したプラテン移動用電動機などを備えている。
【0025】
図示を省略した金型移送装置は、成形金型4をパーティングラインの延びる方向に移動させるためその方向に延びる一対のレールと、成形金型4を載せたスライド基台を一対のレール上にて往復移動させるボールねじと、このボールねじを回転駆動させるサーボモータとを具備している。
【0026】
成形金型4の一方の外側に、一対のICラベルマガジン20、一対の枚葉型ラベルのためのラベルマガジン30、これらマガジン20,30からICラベルおよびラベルを引き抜く機構40、ならびに引き抜いたICラベルおよびラベルを成形金型4のキャビティ4c内に移送させるインサータ60を配設している。
【0027】
ICラベルマガジン20は、図2に示すように、非接触式無線識別端末(非接触式無線通信端末またはICタグ)の一つであるICラベル21を多数、ロール状に巻いた長い帯状の台紙テープ22にその巻き方向に所定間隔をあけて並列に貼り付けて装着したものである。ICラベルマガジン20から送り移動した台紙テープ22は、小さいRを持つ送りポール23を屈曲して通過する際、ICラベル21の縁端を台紙テープ22から少し浮かせ、この縁部分を後述するラベルを引き抜く機構40が捕捉してICラベル21を引き抜くようになっている。ICラベル21を引き抜かれた台紙テープ22は、リール24に巻き取られるようになっている。ICラベルマガジン20およびリール24は、第1の支持台26上に回転可能に配設されている。
【0028】
リール24は、サーボモータ25により台紙テープ22を間欠的に巻き取るようになっており、それによってICラベルマガジン20も図示を省略したセンサの働きにより台紙テープ22を間欠的に送り出すようになっている。それによって、ICラベル21が送りポール23を間欠的に通るようになっている。
【0029】
ラベルマガジン30は、図2に示すように、多数枚例えば1,000枚ぐらいのラベル31をマガジンケース内に装填して、取り出し方向に向けたばね付勢力によりラベル1枚ずつを順次送り出すものである。ラベルマガジン30は、第2の支持台32上に配設されている。
【0030】
ICラベル21およびラベル31を引き抜く機構40は、図2および図3に示すように、インサータ60の送られプレート61に固定したアーム開閉用サーボモータ41、このサーボモータ41に接続した減速機42、減速機42に接続したカップリング43、カップリング43に第1プーリ44が結合して、第1プーリ44および他方の第2プーリ45間にタイミングベルト46を懸架させた構成となっている。
【0031】
タイミングベルト46には、上下のいずれかから食い込んで第1スライダ47および第2スライダ48が装着されている。第1スライダ47の脚部に縦断面L字型の第1アーム49の基部が固定され、第2スライダ48に縦断面L字型の第2アーム50の基部が固定されている。第1アーム49の先方に前方エア吸引パッド51が上下に設けられるとともに、それら後方に後方エア吸引パッド52が上下に設けられている。これらパッド51,52は、ICラベル21をICラベルマガジン20から吸引して引剥がすものである。第2アーム50の先方にも前方エア吸引パッド53が上下に設けられるとともに、それらの後方に後方エア吸引パッド54が上下に設けられている。これらパッド53,54もICラベル21をICラベルマガジン20から吸引して引剥がすものである。
【0032】
第1プーリ44および第2プーリ45が正方向すなわち第3図中、右方向に回転するに従って第1スライダ47および第2スライダ48が移動すると、第1アーム49および第2アーム50は互いに離反して開く方向に移動して、第1アーム49に連結した前方エア吸引パッド51および後方エア吸引パッド52がICラベルマガジン20に近接し、同様に第2アーム50に連結した前方エア吸引パッド53および後方エア吸引パッド54がICラベルマガジン20に近接するようになっている。
【0033】
他方、第1プーリ44および第2プーリ45が逆方向すなわち第3図中、左方向に回転するに従って第1スライダ47および第2スライダ48が移動すると、第1アーム49および第2アーム50は互いに接近して閉じる方向に移動して、第1アーム49に連結した前方エア吸引パッド51および後方エア吸引パッド52がICラベルマガジン20から離反し、同様に第2アーム50に連結した前方エア吸引パッド53および後方エア吸引パッド54がICラベルマガジン20から離反するようになっている。
【0034】
インサータ60は、図4に示すように、送られプレート61と、送られプレート61を成形金型4に対して進退可能に駆動する駆動機構とからなる。この駆動機構は、進退用サーボモータ62と、減速機63と、カップリング64と、カップリング64に接続した図示を省略したプーリと、さらに図示を省略した前方のプーリと、これらプーリ間に懸架した図示を省略したタイミングベルトとからなる。送られプレート61は、このタイミングベルトに装着されている。
【0035】
送られプレート61は、間隔をあけた左右一対のレールベース65上をスライドするガイド66に連結されてして、成形金型4に対する進退動が円滑に行えるなっている。送られプレート61にはテーブル67が上方に設けられ、テーブル67に前方エア吸引パッド51,53および後方エア吸引パッド52,54それぞれから延びるエアホース51a,53a,52a,54aがエア分岐器55に結合し、大元のエアホース56からのエア供給を受けるようになっている。これら大元のエアホース56は、屈曲自在なケーブルラック57を介して図示を省略したエア供給源に接続している。
【0036】
成形金型4のキャビティ4cにはインサータ60により送られたICラベル21およびラベル31を保持する機構を具備している。この機構は、図5に示すように、キャビティ4cに少なくとも2個上下に設けたエア吸引部であるエア吸引孔4dおよびエア吸引孔4dにつながる図示を省略したエア吸引機構を備えている。
【0037】
ICラベル21およびラベル31のインモールドラベル成形の電気的制御系統は、図9に示すように、インモールドラベル・ICラベル用シーケンサを組み込んだプログラマブル・ロジック・コントローラ80および成形機用シーケンサを組み込んだプログラマブル・ロジック・コントローラ90をメインに備えている。インモールドラベル・ICラベル用プログラマブル・ロジック・コントローラ80にその操作用タッチパネル81が接続し、プログラマブル・ロジック・コントローラ80に、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボアンプ82およびアーム開閉用サーボモータ41が接続し、かつ、ラベルを引き抜く機構40を進退可能にする駆動用サーボアンプ83および進退用サーボモータ62が接続して、上述のようなアーム開閉駆動およびラベルを引き抜く機構40の進退駆動を実施できるようになっている。
【0038】
成形機用プログラマブル・ロジック・コントローラ90には、その操作用タッチパネル91が接続し、またサーボアンプ92が接続して成形機駆動サーボモータ93ほかを駆動できるようになっている。成形機用プログラマブル・ロジック・コントローラ90はまた、インバータ94に接続して押出機2の駆動用モータを駆動するようになっているとともに、温調計95に接続して押出機2やダイヘッド3の温度コントロールができるようになっている。
【0039】
上述の電気的制御系統の動作フローチャートは、図10に示す通りである。すなわち、一成形サイクルにおいて型開き状態の成形金型4の図示を省略した金型移送装置によるスライド往きのステップS1、型締装置7による成形金型4の型閉めのステップS2、図示を省略したパリソン切断装置によるパリソンカットおよびエア吹込ノズル8の上昇のステップS3、成形金型4の図示を省略した金型移送装置によるスライド戻りのステップS4、ノズル打込装置9によるエア吹込ノズル8の下降のステップS5、成形金型4のキャビティ4c収容のパリソンへのエア吹込ノズル8による圧縮エアの吹込みステップS6、パリソン内のエア排気のステップS7、エア吹込ノズル8の1段上昇のステップS8、しかるのち成形金型4の型開きのステップS9をもって一成形サイクルが完了するようになっている。
【0040】
一方、ラベル・ICラベルのインサータの駆動ステップのフローチャートも、図10に示す通りである。すなわち、図5に示すように、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50を開き、成形金型4の図中右側のキャビティ4c(以下、D2と称す。)用のICラベル21の台紙テープ22から送りポール23にて縁を浮かしたICラベル21を前方エア吸引パッド51、53により吸引する。その状態にてラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50を閉じ、ICラベル21を台紙テープ22から引き抜くステップS21を実施するようになっている。
【0041】
続いて、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を前進させ、第1アーム49と第2アーム50とをラベルマガジン30まで1ステップ前進させるステップS22を実施するようになっている。
【0042】
さらに、図6に示すように、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを開き、ラベルマガジン30の露出したラベル31に上記引き抜いたICラベル21を押付けて付着させる。同時に、成形金型4の図中左側のキャビティ4c(以下、D1と称す。)用のICラベル21の台紙テープ22から送りポール23にて縁を浮かしたICラベル21を後方エア吸引パッド52,54により吸引する。この状態にてラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを閉じ、キャビティD2用ICラベル付きラベル31およびキャビティD1用ICラベル21を引き抜き、ステップS23を実施するようになっている。
【0043】
さらに、図7に示すように、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を前進させることにより第1アーム49と第2アーム50とをさらに前進させ、後方エア吸引パッド52,54をラベルマガジン30まで1ステップ前進させるステップS24を実施するようになっている。
【0044】
続いてラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを開き、ラベルマガジン30の次の露出ラベル31に上記引き抜いたICラベル21を押付けて付着させる。そして、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを閉じ、キャビティD1用ICラベル付きラベル31を引き抜くステップS25を実施するようになっている。ステップS25の実施後、成形金型4のスライド行きステップS1が行われるようになっている。
【0045】
ついで、図8に示すように、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を前進させることにより第1アーム49と第2アーム50を挿入前進させ、成形金型4の左右のキャビティD1,D2それぞれにICラベル付きラベル31を位置合わせさせるステップS26を実施するようになっている。
【0046】
ついで、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを開き、ICラベル付きラベル31を金型4のキャビティ4c内にエア吸引孔4dにより貼り付け保持するステップ27を実施するようになっている。したがって、エア吸引孔4dは、成形金型4にICラベル21付きのラベル31を保持する機構の一部として機能する。
【0047】
続いてラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを閉じ、前方エア吸引パッド51,53および後方エア吸引パッド52,54をキャビティ4cから離れさせるステップS28を実施するようになっている。
【0048】
最後に、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を後退させて第1アーム49と第2アーム50とを作動開始の原位置に戻すステップS29が実行されるようになっている。このステップS29に続き、上述の型閉めのステップS2が実施されるようになっている。ステップ29以後、上記ステップS21以降のステップが繰り返し実施されるようになっている。
【0049】
次に、上述の中空成形装置による成形方法を述べる。
【0050】
ホッパ1から挿入された樹脂は押出機2およびダイヘッド3を経る中で溶融され、溶融樹脂がダイヘッド3から筒状パリソンとして押し出されて垂下し、開放した成形金型4内に収容され、パリソンは図示を省略したパリソン切断装置により切断される。この状態下にて型締装置7によって型締された状態のまま、図10に示したフローチャートに従い、図示を省略した金型移送装置によってノズル打込装置9の直下に移送される。
【0051】
ノズル打込装置9は、エア吹込ノズル8を下降させて成形金型4に打ち込み、成形金型4内の筒状パリソンに圧縮エアを吹込み、膨張したパリソンを成形金型4に形成したキャビティ4cに圧接させて容器を成形する。成型金型4は、開放した状態にて原位置であるダイヘッド3の直下に移動する。一方、エア吹込ノズル8は成形した容器を吊り下げ、図示を省略した成形品ホルダがエア吹込ノズル8から成形品を取出し、成形品を外部へ搬出する。
【0052】
上記成形段階において、ICラベルマガジン20、ラベルマガジン30を使用したステップを説明すると、以下の通りになる。すなわち、すなわち、図5に示すように、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50を開き、成形金型4の図中右側のキャビティD2用のICラベル21の台紙テープ22から送りポール23にて縁を浮かしたICラベル21を前方エア吸引パッド51、53により吸引し、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50を閉じ、ICラベル21を台紙テープ22から引き抜くステップS21を実施する。
【0053】
続いて、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を前進させ、第1アーム49と第2アーム50とをラベルマガジン30まで1ステップ前進させるステップS22を実施する。
【0054】
さらに、図6に示すように、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを開き、ラベルマガジン30の露出したラベル31に上記引き抜いたICラベル21を押付けて付着させる。同時に、成形金型4の図中左側のキャビティD1用のICラベル21の台紙テープ22から送りポール23にて縁を浮かしたICラベル21を後方エア吸引パッド52,54により吸引する。この状態にてラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを閉じ、キャビティD2用ICラベル付きラベル31およびキャビティD1用ICラベル21を引き抜き、ステップS23を実施する。
【0055】
さらに、図7に示すように、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を前進させることにより第1アーム49と第2アーム50とをさらに前進させ、後方エア吸引パッド52,54をラベルマガジン30まで1ステップ前進させるステップS24を実施する。
【0056】
続いてラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを開き、ラベルマガジン30の次の露出ラベル31に上記引き抜いたICラベル21を押付けて付着させる。そして、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを閉じ、キャビティD1用ICラベル付きラベル31を引き抜くステップS25を実施する。
【0057】
ついで、図8に示すように、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を前進させることにより第1アーム49と第2アーム50を挿入前進させ、成形金型4の左右のキャビティD1,D2それぞれにICラベル付きラベル31を位置合わせさせるステップS26を実施する。
【0058】
ステップS26の実施後、成形金型4のスライド行きステップS1が行われる。
【0059】
ついで、ラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを開き、ICラベル付きラベル31を金型4のキャビティD1,D2内にエア吸引孔4dを通して貼り付け保持するステップ27を実施する。
【0060】
続いてラベルを引き抜く機構40のアーム開閉用サーボモータ41を駆動させて第1アーム49と第2アーム50とを閉じ、前方エア吸引パッド51,53および後方エア吸引パッド52,54をキャビティD1,D2から離れさせるステップS28を実施する。
【0061】
最後に、インサータ60の進退用サーボモータ62を駆動して送られプレート61を後退させて第1アーム49と第2アーム50とを作動開始の原位置に戻すステップS29を実施する。
【0062】
このステップS29に続き、上述の型閉めのステップS2が実施される。これ以後、上記ステップS21以降のステップが繰り返し実施することになる。
【0063】
かかる成形後の容器Pは、図11に示すように容器Pの胴体PにICラベル21付きラベル31が貼付されている。さらに、図12に示すように、ラベル31の外面は、容器Pの胴体PDの外面と面一となっている。このことで、ICラベルは容易に剥がれることなく、また表面のラベル31によりICラベル21の破損保護ができる容器が得られる。
【符号の説明】
【0064】
3…ダイヘッド
4…成形金型
4d…エア吸引孔(ICラベルおよびラベルを保持する機構)
7…型締装置
8…エア吹込ノズル
9…ノズル打込装置
20…ICラベルマガジン
21…ICラベル(非接触式無線識別端末)
30…ラベルマガジン
31…ラベル
40…ラベルを引き抜く機構
60…インサータ
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