HDRを実現するOETFが従来の変換と乖離している方式の場合には、映像符号化方式自体はそのまま利用可能であるものの、映像信号によっては符号化劣化が表れやすくなることがある。
OETFは、一般的に図6に示すように被写体を撮影して取得した光信号に対して対数や累乗根のカーブに似た形状の非線形曲線グラフとなり、輝度が高い範囲を圧縮して所定のビット深度に収めるのが一般的である。この曲線が人間の視覚特性(ウェブナー・フェヒナーの法則)に従った対数関数の形状であれば、変換された電気信号を線形信号とみなして画素値に依らない処理をし、最終的にOETF変換の逆変換であるEOTF(Electro-Optical Transfer Function:電気光伝達関数)変換をしたのちにディスプレイ表示すれば、視覚的な画質にはほぼ問題がない。
しかしながら、OETFが、たとえば図7に示すように立ち上がりが極端に急峻で、人間の視覚特性からかい離した曲線の関数である場合、電気信号を線形とみなして画素値に依らず同じ処理を施すと、画素値によっては品質の劣化を生じる恐れがある。
映像符号化におけるフレーム内予測処理では、同じフレーム内の画像に基づいて生成した参照ブロックと符号化対象ブロックとの間の差分値を算出してこれが最小になる場合を求める。また、フレーム間動き予測処理では、図8に示すように、予測の候補となる参照ブロックを他の参照フレームから探索し、基準フレーム内の符号化対象ブロックとの間の差分値を算出してこれが最小になる場合を求める。
この差分値計算においては、一般的には電気信号である映像信号で計算する。そのため、図9に示すように、2つの予測候補(候補1及び候補2)が映像信号では予測元と同じ差分値となっても、光の信号としては差分値が異なる可能性があり、人間の視覚的には同じ程度の差ではない場合がある。視覚に即した予測を行うためには、これら差分値が人間の視覚が受容する差分に相当することが望ましい。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、圧縮符号化過程における予測処理を、人間の視覚特性に即して行うことが可能な符号化装置及びプログラムを提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
の課題を解決するために本発明では、入力画像を符号化する符号化装置であって、入力画像と該入力画像の予測画像との差を示す残差画像に対して直交変換処理を行って直交変換係数を算出し、該直交変換係数を量子化して量子化係数を生成する変換・量子化部と、前記量子化係数を符号化して符号化データを生成するエントロピー符号化部と、フレーム内予測処理又はフレーム間動き予測処理により、ブロックごとに、符号化対象ブ・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る