特許第6912987号(P6912987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6912987
(24)【登録日】2021年7月13日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】散水ろ床の洗浄方法および散水ろ床
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/04 20060101AFI20210727BHJP
【FI】
   C02F3/04
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-185138(P2017-185138)
(22)【出願日】2017年9月26日
(65)【公開番号】特開2019-58860(P2019-58860A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2020年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康成
(72)【発明者】
【氏名】宮田 篤
(72)【発明者】
【氏名】大和 信大
(72)【発明者】
【氏名】田畑 雅郎
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−238089(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/161339(WO,A1)
【文献】 特開昭48−046154(JP,A)
【文献】 特表2012−528716(JP,A)
【文献】 特開2015−188871(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0251882(US,A1)
【文献】 特開昭63−039697(JP,A)
【文献】 特開2014−097472(JP,A)
【文献】 特開2014−046217(JP,A)
【文献】 特開2009−039700(JP,A)
【文献】 特開2004−097903(JP,A)
【文献】 特開2004−075762(JP,A)
【文献】 特開平10−192886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/02− 3/10
C02F 3/28− 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床の洗浄方法であって、
前記水槽内に洗浄液を貯留し、前記洗浄液に浸漬した前記ろ材を撹拌洗浄する洗浄工程を含み、
前記ろ材の平均比重が1超1.15以下であり、
前記洗浄工程では、曝気により前記ろ材を撹拌し、
前記曝気の風量を、0.25m3/m2・分以上1.5m3/m2・分以下とする、散水ろ床の洗浄方法。
【請求項2】
複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床の洗浄方法であって、
前記水槽内に洗浄液を貯留し、前記洗浄液に浸漬した前記ろ材を撹拌洗浄する洗浄工程を含み、
前記ろ材の平均比重が1超1.15以下であり、
前記洗浄工程では、前記ろ材の流動可能域比率が110%以上130%以下となるように前記洗浄液を貯留する散水ろ床の洗浄方法。
【請求項3】
前記洗浄工程では、曝気により前記ろ材を撹拌し、
前記曝気の風量を、0.25m3/m2・分以上1.5m3/m2・分以下とする、請求項2に記載の散水ろ床の洗浄方法。
【請求項4】
複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床であって、
前記水槽内に洗浄液を貯留する洗浄液貯留機構と、
前記洗浄液に浸漬した前記ろ材を撹拌洗浄する撹拌機構と、
を備え、
前記ろ材の平均比重が1超1.15以下であり、
前記撹拌機構は、曝気により前記ろ材を撹拌し、
前記曝気の風量を0.25m3/m2・分以上1.5m3/m2・分以下とする制御装置を更に備える、散水ろ床。
【請求項5】
複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床であって、
前記水槽内に洗浄液を貯留する洗浄液貯留機構と、
前記洗浄液に浸漬した前記ろ材を撹拌洗浄する撹拌機構と、
を備え、
前記ろ材の平均比重が1超1.15以下であり、
前記洗浄液を貯留した際に前記ろ材の流動可能域比率が110%以上130%以下となるように前記洗浄液貯留機構を制御する制御装置を更に備える散水ろ床。
【請求項6】
前記撹拌機構は、曝気により前記ろ材を撹拌し、
前記曝気の風量を0.25m3/m2・分以上1.5m3/m2・分以下とする制御装置を更に備える、請求項5に記載の散水ろ床。
【請求項7】
複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床であって、
前記水槽内に洗浄液を貯留する洗浄液貯留機構と、
前記洗浄液に浸漬した前記ろ材を撹拌洗浄する撹拌機構と、
を備え、
前記ろ材の平均比重が1超1.15以下であり、
前記ろ材が前記水槽の底面で支持されている散水ろ床。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散水ろ床の洗浄方法および散水ろ床に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水処理システムにおいて、微生物を担持させたろ材からなるろ材層に対して被処理水を散布し、ろ材層に存在する微生物によって被処理水中の有機物等を好気的に生物処理する散水ろ床が用いられている。
【0003】
そして、散水ろ床に使用し得るろ材としては、例えば、比重が1以上1.3未満の円筒形ろ材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、散水ろ床を用いた水処理システムには、被処理水の処理を継続していると、充填したろ材に付着した生物膜が過剰に厚くなり、ろ材空隙への汚泥堆積が生じて生物処理機能が低下する虞や、ろ床蠅やサカマキ貝が生育してろ材の生物膜を捕食し、処理機能を低下させる虞がある。そのため、散水ろ床を用いた水処理システムでは、被処理水の効率的な処理を継続的に実施するために、適切な時期にろ材層を洗浄し、過剰な生物膜や汚泥、蠅の卵および幼虫、並びに、貝およびその卵等をろ床から排除することが求められている。
【0005】
しかし、特許文献1には、比重が1以上1.3未満の円筒形ろ材を用いた散水ろ床の洗浄方法について、記載されていなかった。
【0006】
一方、例えば特許文献2には、水の比重に近似する比重(例えば、比重0.9)の円筒形ろ材を用いた散水ろ床について、円筒形ろ材からなるろ材層を浸漬洗浄する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−245895号公報
【特許文献2】国際公開第2012/161339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2に記載の、比重が0.9の円筒形ろ材を用いた散水ろ床では、ろ材を十分に流動させて洗浄することができないことがあった。
【0009】
そのため、洗浄時にろ材を良好に流動させて散水ろ床の効率的な洗浄を可能にする技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として、鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、散水ろ床のろ材層を構成するろ材として特定の比重を有するろ材を使用すれば、散水ろ床の洗浄時にろ材を良好に流動させることが可能になることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の散水ろ床の洗浄方法は、複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床の洗浄方法であって、前記水槽内に洗浄液を貯留し、前記洗浄液に浸漬した前記ろ材を撹拌洗浄する洗浄工程を含み、前記ろ材の平均比重が1超1.15以下であることを特徴とする。このように、平均比重が1超1.15以下のろ材を使用すれば、洗浄工程においてろ材を撹拌洗浄する際にろ材を良好に流動させることができる。
なお、本発明において、「ろ材の平均比重」とは、生物膜が付着する前のろ材の平均比重を指す。そして、「ろ材の平均比重」は、数十個のろ材を、比重が既知である複数の溶液(溶液の比重は浮ひょう型比重計で測定)に順次投入して、各溶液におけるろ材の浮沈と個数から、ろ材の比重分布を求め、更に加重平均することにより求めることができる。なお、比重が既知である複数の溶液としては、特に限定されることなく、例えば比重が1より小さいアルコール水溶液(アルコール濃度が異なり比重も異なる複数の溶液)、比重が1である水、比重が1より大きい塩化ナトリウム水溶液(塩化ナトリウム濃度が異なり比重も異なる複数の溶液)などを用いることができる。
【0012】
ここで、本発明の散水ろ床の洗浄方法は、前記洗浄工程では、曝気により前記ろ材を撹拌し、前記曝気の風量を、0.25m/m・分以上1.5m/m・分以下とすることが好ましい。曝気によりろ材を撹拌洗浄する際の曝気風量を0.25m/m・分以上1.5m/m・分以下とすれば、洗浄工程においてろ材を撹拌洗浄する際にろ材を更に良好に流動させることができる。
【0013】
そして、本発明の散水ろ床の洗浄方法は、前記洗浄工程では、前記ろ材の流動可能域比率が110%以上130%以下となるように前記洗浄液を貯留することが好ましい。ろ材の流動可能域比率を110%以上130%以下とすれば、洗浄工程においてろ材を撹拌洗浄する際にろ材を更に良好に流動させることができる。
なお、本発明において、「ろ材の流動可能域比率」とは、水槽内に充填したろ材の嵩体積に対する充填したろ材に洗浄液を加えた体積の割合(={(充填したろ材の体積+貯留した洗浄液の体積)/(充填したろ材の嵩体積)}×100%)を指す。
【0014】
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の散水ろ床は、複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床であって、前記水槽内に洗浄液を貯留する洗浄液貯留機構と、前記洗浄液に浸漬した前記ろ材を撹拌洗浄する撹拌機構とを備え、前記ろ材の平均比重が1超1.15以下であることを特徴とする。このように、洗浄液貯留機構および撹拌機構を備える散水ろ床において平均比重が1超1.15以下のろ材を使用すれば、ろ材を撹拌洗浄する際にろ材を良好に流動させることができる。
なお、本発明において、「ろ材の平均比重」とは、生物膜が付着する前のろ材の平均比重を指し、前述した方法により測定することができる。
【0015】
ここで、本発明の散水ろ床は、前記撹拌機構が、曝気により前記ろ材を撹拌し、前記曝気の風量を0.25m/m・分以上1.5m/m・分以下とする制御装置を更に備えることが好ましい。曝気によりろ材を撹拌する撹拌機構の曝気風量を0.25m/m・分以上1.5m/m・分以下に制御する制御装置を設ければ、ろ材を撹拌洗浄する際にろ材を更に良好に流動させることができる。
【0016】
また、本発明の散水ろ床は、前記洗浄液を貯留した際に前記ろ材の流動可能域比率が110%以上130%以下となるように前記洗浄液貯留機構を制御する制御装置を更に備えることが好ましい。ろ材の流動可能域比率が110%以上130%以下となるように洗浄液貯留機構を制御する制御装置を設ければ、ろ材を撹拌洗浄する際にろ材を更に良好に流動させることができる。
なお、本発明において、「ろ材の流動可能域比率」とは、水槽内に充填したろ材の嵩体積に対する充填したろ材に洗浄液を加えた体積の割合(={(充填したろ材の体積+貯留した洗浄液の体積)/(充填したろ材の嵩体積)}×100%)を指す。
【0017】
そして、本発明の散水ろ床は、前記ろ材が前記水槽の底面で支持されていることが好ましい。ろ材を水槽の底面で支持し、水槽の底面上にろ材層を直接形成すれば、水槽内にスクリーン等を設置してろ材を支持する場合と比較し、水槽を小型化することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の散水ろ床の洗浄方法および散水ろ床によれば、洗浄時にろ材を良好に流動させて散水ろ床を効率的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に従う散水ろ床の一例の概略構成を示す説明図である。
図2図1に示す散水ろ床に用いられているろ材の斜視図である。
図3図1に示す散水ろ床に洗浄液を貯留した状態を示す説明図である。
図4図1に示す散水ろ床を洗浄している状態を示す説明図である。
図5】本発明に従う散水ろ床の他の例について、洗浄液を貯留した状態を示す説明図である。
図6】実施例で用いた散水ろ床の概略構成を示す説明図であり、(a)は、洗浄液を貯留した状態を示し、(b)は、ろ材を洗浄している状態を示す。
図7】曝気風量0.25m/m・分の条件下におけるろ材の比重とろ材の流動率との関係を示すグラフであり、(a)は、流動可能域比率が110%の場合を示し、(b)は、流動可能域比率が120%の場合を示す。
図8】曝気風量0.5m/m・分の条件下におけるろ材の比重とろ材の流動率との関係を示すグラフであり、(a)は、流動可能域比率が110%の場合を示し、(b)は、流動可能域比率が120%の場合を示す。
図9】曝気風量1.5m/m・分の条件下におけるろ材の比重とろ材の流動率との関係を示すグラフであり、(a)は、流動可能域比率が110%の場合を示し、(b)は、流動可能域比率が120%の場合を示す。
図10】曝気風量とろ材移動速度との関係を示すグラフである。
図11】流動可能域比率とろ材移動速度との関係を示すグラフである。
図12】曝気風量とろ材移動速度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の構成要素を示すものとする。
【0021】
(散水ろ床の洗浄方法)
本発明の散水ろ床の洗浄方法は、特に限定されることなく、下水や有機性排水などの被処理水の処理に用いられる散水ろ床を洗浄する際に用いることができる。
【0022】
ここで、本発明の散水ろ床の洗浄方法では、複数のろ材よりなるろ材層を水槽内に有する散水ろ床を洗浄する。具体的には、本発明の散水ろ床の洗浄方法では、複数のろ材よりなるろ材層を有する水槽内に洗浄液を貯留して洗浄液に浸漬したろ材を撹拌洗浄する洗浄工程を実施することにより、散水ろ床を洗浄する。そして、本発明の散水ろ床の洗浄方法では、平均比重が1超1.15以下のろ材を用いることを特徴とする。
【0023】
<散水ろ床>
本発明の洗浄方法は、水槽内に所定のろ材よりなるろ材層を有し、且つ、水槽内に洗浄液を貯留する機構および洗浄液に浸漬したろ材を撹拌する機構を備えていれば、特に限定されることなく、任意の構造の散水ろ床に適用することができる。具体的には、本発明の洗浄方法は、特に限定されることなく、例えば後述する本発明の散水ろ床に対して好適に適用することができる。
【0024】
[ろ材]
ここで、本発明の洗浄方法を用いて洗浄される散水ろ床のろ材層を構成する複数のろ材は、平均比重が1超1.15以下であることを必要とする。ろ材の平均比重が1以下または1.15超の場合には、洗浄時にろ材を良好に流動させることができず、散水ろ床を効率的に洗浄することができない。
なお、洗浄時にろ材を更に良好に流動させて散水ろ床を更に効率的に洗浄する観点からは、ろ材の平均比重は、1.10以下であることが好ましく、1.05以下であることがより好ましい。
【0025】
そして、ろ材層を構成する複数のろ材は、比重が1以下のろ材を含有しないことが好ましい。比重が1超のろ材のみを用いてろ材層を構成すれば、洗浄時にろ材を更に良好に流動させて散水ろ床を更に効率的に洗浄することができる。
【0026】
なお、ろ材の材質および形状は、平均比重が上記範囲内になるものであれば特に限定されない。例えば、ろ材の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂が挙げられる。また、ろ材の形状としては、例えば、円筒形状、鞍形状、中空球形状等が挙げられる。
【0027】
<洗浄工程>
本発明の洗浄方法の洗浄工程では、水槽内に洗浄液を貯留してろ材を洗浄液に浸漬すると共に洗浄液に浸漬したろ材を撹拌洗浄する。その結果、過剰な生物膜や汚泥、蠅の卵および幼虫、並びに、貝およびその卵等が散水ろ床から排除される。
【0028】
なお、洗浄工程は、所定の時間が経過した際など、任意のタイミングで行うことができる。また、洗浄工程を行った後は、ろ材の撹拌洗浄により生じた洗浄排液を水槽内から排出することにより、散水ろ床による被処理水の処理を再開することができる。
【0029】
[洗浄液]
そして、洗浄液としては、特に限定されることなく、例えば、被処理水、中水、河川水、水道水または工業用水を使用することができる。中でも、コスト低減および散水ろ床の構造の簡素化の観点からは、被処理水を洗浄液として用いることが好ましい。
【0030】
また、水槽内に貯留する洗浄液の量は、ろ材層を構成するろ材が浸漬する量(即ち、水槽内の洗浄液の液位がろ材層の高さ以上になる量)であれば特に限定はされないが、ろ材の流動可能域比率(={(充填したろ材の体積+貯留した洗浄液の体積)/(充填したろ材の嵩体積)}×100%)が110%以上130%以下となる量であることが好ましく、110%以上120%以下となる量であることがより好ましい。ろ材の流動可能域比率が上記下限値以上であれば、洗浄時にろ材を更に良好に流動させて散水ろ床を更に効率的に洗浄することができる。また、ろ材の流動可能域比率が上記上限値以下であれば、使用する洗浄液の量および洗浄液の貯留に必要な時間の増加を抑制しつつ、洗浄時にろ材を更に良好に流動させて散水ろ床を更に効率的に洗浄することができる。
【0031】
[撹拌洗浄]
洗浄液に浸漬されたろ材の撹拌は、特に限定されることなく、撹拌機や曝気装置などの装置を用いて水槽内に水流を発生させることにより行うことができる。
【0032】
中でも、散水ろ床の構造の簡素化およびろ材の破損防止の観点からは、ろ材の撹拌は、曝気により行うことが好ましく、ろ材層の下側に設置した曝気装置から空気等の気体を曝気してろ材および洗浄液を流動させることにより行うことがより好ましい。
【0033】
なお、曝気によりろ材を撹拌する際の曝気風量は、0.25m/m・分以上1.5m/m・分以下であることが好ましく、0.25m/m・分以上0.5m/m・分以下であることがより好ましい。曝気風量が上記下限値以上であれば、洗浄時にろ材を更に良好に流動させて散水ろ床を更に効率的に洗浄することができる。また、曝気風量が上記上限値以下であれば、曝気に必要なコストの増加を抑制しつつ、洗浄時にろ材を更に良好に流動させて散水ろ床を更に効率的に洗浄することができる。
【0034】
(散水ろ床)
本発明の散水ろ床は、特に限定されることなく、下水や有機性排水などの被処理水の処理に用いられる。そして、本発明の散水ろ床では、被処理水の処理と、上述した本発明の散水ろ床の洗浄方法を用いた散水ろ床の洗浄とを交互に繰り返して実施することにより、処理機能の低下を抑制しつつ被処理水を良好に処理することができる。
【0035】
<散水ろ床の一例>
そして、本発明の散水ろ床は、その一例の散水ろ床100の概略構成を図1に示すように、水槽10と、水槽10内に設置されたろ材層30と、ろ材層30の上方から水槽10内に被処理水を散布する散水機50と、水槽10内のろ材層30の下方に設置された曝気装置40と、ろ材層30よりも下方で水槽10の下部に接続された配管60とを備えている。
【0036】
ここで、水槽10としては、特に限定されることなく、鋼板製の水槽、樹脂製の水槽およびコンクリート製の水槽などの既知の水槽を用いることができる。なお、水槽の形状は、矩形状や円柱状など、任意の形状とすることができる。
【0037】
ろ材層30は、水槽10内に充填した複数のろ材31で構成されている。具体的には、ろ材層30は、一端が水槽10の底面に固定された支柱21により支持された梁22の上に設置されたスクリーン20上に複数のろ材31を充填して形成されている。なお、スクリーン20の網目は、ろ材31が通過しない大きさに設定されている。
【0038】
ここで、散水ろ床100では、ろ材31として、図2に示すような円筒形状の樹脂製ろ材を用いたが、本発明の散水ろ床では、ろ材の材質および形状は、任意の材質および形状とすることができる。
【0039】
但し、ろ材層30を構成する複数のろ材31としては、平均比重が1超1.15以下のろ材を用いることを必要とする。ろ材31の平均比重が1以下または1.15超の場合には、散水ろ床100の洗浄時にろ材31を良好に流動させることができず、散水ろ床100を効率的に洗浄することができない。
なお、洗浄時にろ材31を更に良好に流動させて散水ろ床100を更に効率的に洗浄する観点からは、ろ材31の平均比重は、1.10以下であることが好ましく、1.05以下であることがより好ましい。
【0040】
そして、ろ材層30を構成する複数のろ材31は、比重が1以下のろ材を含有しないことが好ましい。比重が1超のろ材のみを用いてろ材層30を構成すれば、洗浄時にろ材31を更に良好に流動させて散水ろ床100を更に効率的に洗浄することができる。
【0041】
散水機50は、被処理水の処理時には、被処理水をろ材層30に散布する被処理水供給機構として機能する。また、散水機50は、散水ろ床100の洗浄時には、配管60に設けられた弁61と共に水槽10内に洗浄液としての被処理水を貯留する洗浄液貯留機構として機能する。具体的には、散水ろ床100では、水槽10内に洗浄液としての被処理水を貯留してろ材層30を構成するろ材31を撹拌洗浄する際には、散水機50は、弁61が閉じられた状態で被処理水を水槽10内に散布することにより、例えば図3に示すように水槽10内に洗浄液としての被処理水Wが貯留されるようにする。
なお、この一例では散水機50を用いて洗浄液としての被処理水を貯留できるようにしたが、本発明の散水ろ床では、河川水、中水、水道水または工業用水等を水槽内に供給する配管を設置し、河川水、中水、水道水または工業用水等を洗浄液として用いてもよい。
【0042】
ここで、水槽10内に洗浄液としての被処理水を貯留する量は、マニュアル操作により調整してもよいが、洗浄液貯留機構を制御する制御装置を用いて調整してもよい。なお、洗浄液貯留機構を制御する制御装置としては、例えば、弁61を開閉する機構(図示せず)と、水槽10内の水位を検知する水位計(図示せず)と、水位計で検知した水位が所定の水位になった場合(例えば、水位が図3に示すようにh1+h2になった際)に散水機50への被処理水の流入を停止させる機構(図示せず)とを有する装置などが挙げられる。
【0043】
そして、洗浄液貯留機構を制御する制御装置は、ろ材の流動可能域比率(={(充填したろ材の体積+貯留した洗浄液の体積)/(充填したろ材の嵩体積)}×100%)が110%以上130%以下となるように洗浄液としての被処理水を貯留することが好ましく、110%以上120%以下となるように洗浄液としての被処理水を貯留することがより好ましい。ろ材の流動可能域比率が上記下限値以上であれば、洗浄時にろ材31を更に良好に流動させて散水ろ床100を更に効率的に洗浄することができる。また、ろ材31の流動可能域比率が上記上限値以下であれば、使用する被処理水Wの量および被処理水Wの貯留に必要な時間の増加を抑制しつつ、洗浄時にろ材31を更に良好に流動させて散水ろ床100を更に効率的に洗浄することができる。
【0044】
曝気装置40は、散水ろ床100の洗浄時に、洗浄液としての被処理水Wに浸漬したろ材31を撹拌洗浄する撹拌機構として機能する。具体的には、散水ろ床100では、曝気装置40からの曝気により水槽10内に貯留した被処理水Wおよびろ材31を流動させることにより、ろ材31を撹拌洗浄する。具体的には、曝気装置40は、曝気により例えば図4に矢印で示すような旋回流を水槽10内に発生させて、ろ材31を撹拌洗浄する。
なお、この一例では装置構成の簡素化の観点から曝気装置40を用いてろ材31を撹拌洗浄できるようにしたが、本発明の散水ろ床では、撹拌機などを撹拌機構として用いてもよい。また、散水ろ床100では、スクリーン20の上側(スクリーン20とろ材層30との間)に曝気装置40を設置したが、本発明の散水ろ床では、曝気装置40はスクリーン20の下側(例えば、図1に破線で示す位置)に設けてもよい。但し、ろ材31を更に良好に流動させる観点からは、曝気装置40はスクリーン20の上側に設置することが好ましい。
【0045】
ここで、曝気装置40から曝気する空気等の気体の風量は、マニュアル操作により調整してもよいが、曝気風量を制御する制御装置を用いて調整してもよい。そして、曝気風量を制御する制御装置は、曝気風量を0.25m/m・分以上1.5m/m・分以下に調整することが好ましく、0.25m/m・分以上0.5m/m・分以下に調整することがより好ましい。曝気風量が上記下限値以上であれば、洗浄時にろ材31を更に良好に流動させて散水ろ床100を更に効率的に洗浄することができる。また、曝気風量が上記上限値以下であれば、曝気に必要なコストの増加を抑制しつつ、洗浄時にろ材31を更に良好に流動させて散水ろ床100を更に効率的に洗浄することができる。
【0046】
そして、上述した散水ろ床100では、被処理水の処理時には、弁61を開いた状態で散水機50から被処理水をろ材層31に散布することにより、被処理水を処理する。そして、得られた処理水は、配管60から外部へと流出する。
【0047】
また、散水ろ床100では、所望のタイミングで散水ろ床100を洗浄する際には、弁61を閉じると共に散水機50から被処理水を散布して、図3に示すように水槽10内に洗浄液としての被処理水を貯留する。そして、曝気装置40から空気等の気体を曝気し、図4に示すように旋回流を発生させて、ろ材31を撹拌洗浄する。ここで、散水ろ床100では、ろ材31として所定の平均比重を有するろ材を使用しているので、ろ材を良好に流動させて効率的に洗浄することができる。
なお、散水ろ床100の洗浄により生じた洗浄排水は、洗浄終了後に弁61を開いて外部へと排出することができる。
【0048】
<散水ろ床の他の例>
以上、一例を用いて本発明の散水ろ床について説明したが、本発明の散水ろ床は上述した構成に限定されるものではない。
具体的には、本発明の散水ろ床は、特に限定されることなく、例えば図5に示すような構成を有していてもよい。
【0049】
ここで、図5に示す散水ろ床100Aは、(1)スクリーン20、支柱21および梁22を有さず、ろ材31が水槽10の底面で支持されている点、(2)散水機50に自然流下で流入する被処理水の流量を調節する弁51および水槽10内の水位に応じて弁51の動作を制御する水位計52を備えている点、(3)配管60および弁61に替えて、処理水用配管62および処理水用配管62に設けられた処理水弁63と、洗浄排水用配管64および洗浄排水用配管64に設けられた洗浄排水弁65とを備えている点、並びに、(4)曝気装置40に空気を供給するブロア41および曝気装置40に供給される空気の流量を測定してブロア41の動作を制御する流量計42を備えている点、において図1に示す散水ろ床100と構成が異なっており、他の点では散水ろ床100と同様の構成を有している。
なお、以下では、散水ろ床100と同様の構成については説明を省略する。
【0050】
そして、散水ろ床100Aでは、水槽10の底面上にろ材層30が直接形成されているので、水槽を小型化することができる。また、水槽10としてコンクリート水槽等の底部の強度が十分に確保されている水槽を使用すれば、ろ材層30をスクリーンで支持する場合と比較し、ろ材層30の支持部の変形や破損が発生するのを抑制することができる。
【0051】
また、散水ろ床100Aは、水槽10内の水位に応じて弁51の動作を制御する水位計52を有しているので、水槽10内に洗浄液としての被処理水を貯留する量および洗浄時のろ材の流動可能域比率を正確に制御することができる。
【0052】
更に、散水ろ床100Aは、処理水用配管62および処理水用配管62に設けられた処理水弁63、並びに、洗浄排水用配管64および洗浄排水用配管64に設けられた洗浄排水弁65を備えているので、処理水および洗浄排水を別々の場所へと容易に排出することができる。具体的には、被処理水の処理時には、処理水弁63を開き、洗浄排水弁65を閉じた状態とし、洗浄排水の排出時には、処理水弁63を閉じ、洗浄排水弁65を開いた状態とすることにより、処理水および洗浄排水を所望の場所へと容易に排出することができる。なお、散水ろ床の洗浄時には、処理水弁63および洗浄排水弁65を閉じた状態とすればよい。
ここで、散水ろ床100Aでは、ろ材31の流出を防止する観点から水槽と配管との接続部にスクリーンを設けてもよい。また、処理水用配管62および洗浄排水用配管64は水槽10の下部に別々に設けてもよい。更に、散水ろ床100の底部には、処理水用配管62に繋がる溝であってろ材31が通過しない網目の大きさのスクリーンにて蓋がされたものを設けて処理水の排出をより容易にしてもよい。
【0053】
また、散水ろ床100Aは、曝気装置40に供給される空気の流量を測定してブロア41の動作を制御する流量計42を備えているので、曝気風量を正確に制御し、洗浄時にろ材31を良好に撹拌洗浄することができる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0055】
(実施例1〜4および比較例1)
水槽として、図6に示すような、弁44を有する空気流入配管43が底部に接続されている透明塩化ビニル樹脂製の円筒形水槽10(内径0.2m×高さ3.0m)を準備し、プラスチック製の円筒形ろ材(外径15mm×高さ15mm)を高さが2mとなるように充填し、散水ろ床100Bを形成した。
なお、ろ材の平均比重は、実施例1では1.002とし、実施例2では1.019とし、実施例3では1.037とし、実施例4では1.042とし、比較例1では0.900とした。
そして、図6(a)に示すように、ろ材の流動可能域比率が110%になるように洗浄用水を水槽10内に満たし、曝気強度0.25m/m・分で空気を曝気して、ろ材の流動状態を観察した。
具体的には、各実施例および比較例において、ろ材が良好に流動している領域30Aと、ろ材が流動していない領域30Bとの割合(流動率={30Aの高さ/(30Aの高さ+30Bの高さ)}×100%)を算出した。
そして、結果を図7(a)にプロットした。流動率が大きいほど、ろ材が良好に撹拌洗浄されていることを示す。
【0056】
(実施例5〜8および比較例2)
ろ材の流動可能域比率が120%になるように洗浄用水を水槽10内に満たした以外は実施例1〜4および比較例1と同様にして、ろ材の流動状態の観察および流動率の算出を行った。
なお、ろ材の平均比重は、実施例5では1.002とし、実施例6では1.019とし、実施例7では1.037とし、実施例8では1.042とし、比較例2では0.900とした。
そして、結果を図7(b)にプロットした。
【0057】
(実施例9〜12および比較例3)
曝気強度を0.5m/m・分に変更した以外は実施例1〜4および比較例1と同様にして、ろ材の流動状態の観察および流動率の算出を行った。
なお、ろ材の平均比重は、実施例9では1.002とし、実施例10では1.019とし、実施例11では1.037とし、実施例12では1.042とし、比較例3では0.900とした。
そして、結果を図8(a)にプロットした。
【0058】
(実施例13〜16および比較例4)
曝気強度を0.5m/m・分に変更した以外は実施例5〜8および比較例2と同様にして、ろ材の流動状態の観察および流動率の算出を行った。
なお、ろ材の平均比重は、実施例13では1.002とし、実施例14では1.019とし、実施例15では1.037とし、実施例16では1.042とし、比較例4では0.900とした。
そして、結果を図8(b)にプロットした。
【0059】
(実施例17〜21および比較例5)
曝気強度を1.5m/m・分に変更した以外は実施例1〜4および比較例1と同様にして、ろ材の流動状態の観察および流動率の算出を行った。
なお、ろ材の平均比重は、実施例17では1.002とし、実施例18では1.019とし、実施例19では1.037とし、実施例20では1.042とし、実施例21では1.100とし、比較例5では0.900とした。
そして、結果を図9(a)にプロットした。
【0060】
(実施例22〜26および比較例6)
曝気強度を1.5m/m・分に変更した以外は実施例5〜8および比較例2と同様にして、ろ材の流動状態の観察および流動率の算出を行った。
なお、ろ材の平均比重は、実施例22では1.002とし、実施例23では1.019とし、実施例24では1.037とし、実施例25では1.042とし、実施例26では1.100とし、比較例6では0.900とした。
そして、結果を図9(b)にプロットした。
【0061】
図7〜9より、平均比重が1.002〜1.100のろ材を用いた実施例1〜26では、ろ材を良好に流動させて散水ろ床を効率的に洗浄できることが分かる。一方、比較例1〜6では、ろ材が浮いてしまい、良好に流動させることができないことが分かる。
【0062】
(実施例27〜28)
図1に示す散水ろ床100を使用し、曝気装置40の設置位置がろ材の流動性に与える影響について検討を行った。
具体的には、スクリーン20の上側(位置A)に曝気装置を設置した場合(実施例27)と、スクリーン20の下側(位置B)に曝気装置を設置した場合(実施例28)とのそれぞれについて、ろ材の流動可能域比率が110%となるように洗浄液を貯留して曝気(曝気風量:0.25m/m・分、0.5m/m・分、1.5m/m・分)した際のろ材の移動速度を測定し、結果を図10にプロットした。
なお、ろ材の移動速度は、水槽の水面にフロートを浮かべ、フロートの移動速度を測定することにより求めた。また、使用した水槽10の寸法は、縦2.2m×横0.45m×深さ3.8m(容積3.8m)とし、ろ材の充填高さは2.5mとした。更に、ろ材としては、外径15mm×高さ15mmで、比重が1.037の円筒形ろ材を使用した。
【0063】
図10より、曝気風量に関わらず、位置Aに曝気装置を設置した方がろ材を良好に流動させることができることが分かる。
【0064】
(実施例29〜30)
図1に示す散水ろ床100を使用し、ろ材の流動可能域比率がろ材の流動性に与える影響について検討を行った。
具体的には、曝気風量0.25m/m・分(実施例29)と、曝気風量:0.5m/m・分(実施例30)とのそれぞれについて、ろ材の流動可能域比率が100%、105%、110%、120%、130%、140%となるように洗浄液を貯留して曝気した際のろ材の移動速度を測定し、結果を図11にプロットした。
なお、ろ材の移動速度は、水槽の水面にフロートを浮かべ、フロートの移動速度を測定することにより求めた。また、使用した水槽10の寸法は、縦2.2m×横0.45m×深さ3.8m(容積3.8m)とし、ろ材の充填高さは2.5mとした。更に、ろ材としては、外径15mm×高さ15mmで、比重が1.037の円筒形ろ材を使用した。
【0065】
図11より、曝気風量に関わらず、ろ材の流動可能域比率が110〜130%の範囲においてろ材の流動性の向上効果が著しいことが分かった。
【0066】
(実施例31〜32)
図1に示す散水ろ床100を使用し、曝気風量がろ材の流動性に与える影響について検討を行った。
具体的には、ろ材の流動可能域比率が110%(実施例31)または120%(実施例32)になるように洗浄液を貯留し、曝気風量を0.125m/m・分、0.25m/m・分、0.5m/m・分、1.5m/m・分、2m/m・分、2.5m/m・分にして曝気した際のろ材の移動速度を測定し、結果を図12にプロットした。
なお、ろ材の移動速度は、水槽の水面にフロートを浮かべ、フロートの移動速度を測定することにより求めた。また、使用した水槽10の寸法は、縦2.2m×横0.45m×深さ3.8m(容積3.8m)とし、ろ材の充填高さは2.5mとした。更に、ろ材としては、外径15mm×高さ15mmで、比重が1.037の円筒形ろ材を使用した。
【0067】
図12より、ろ材の流動可能域比率に関わらず、曝気風量が0.25〜1.5m/m・分の範囲においてろ材の流動性の向上効果が著しいことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の散水ろ床の洗浄方法および散水ろ床によれば、洗浄時にろ材を良好に流動させて散水ろ床を効率的に洗浄することができる。
【符号の説明】
【0069】
100,100A,100B 散水ろ床
10 水槽
20 スクリーン
21 支柱
22 梁
30 ろ材層
30A,30B 領域
31 ろ材
40 曝気装置
41 ブロア
42 流量計
43 空気流入配管
44 弁
50 散水機
51 弁
52 水位計
60 配管
61 弁
62 処理水用配管
63 処理水弁
64 洗浄排水用配管
65 洗浄排水弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12