(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロボット装置は、前記ロボットアーム及びロボットハンドが前記支持体に取り付ける前記粉体採取器を取り替える作業を行うよう構成されている請求項15に記載の自動粉体採取システム。
前記ロボット装置は、前記ロボットアーム及びロボットハンドが前記粉体採取器をそのまま又は前記採取部を取り外した後に洗浄する位置に移動させて洗浄の作業を行うよう構成されているとともに、
前記給気装置は、前記洗浄する位置に移動した前記粉体採取器に給気するよう構成されている請求項15に記載の自動粉体採取システム。
前記ロボット装置は、前記ロボットアーム及びロボットハンドが前記配管に取り付ける前記粉体採取器を取り替える作業を行うよう構成されている請求項22に記載の自動粉体採取システム。
前記ロボット装置は、前記ロボットアーム及びロボットハンドが前記粉体採取器をそのまま又は前記採取部を取り外した後に洗浄する位置に移動させて洗浄の作業を行うよう構成されているとともに、
前記給気装置は、前記洗浄する位置に移動した前記粉体採取器に給気するよう構成されている請求項22に記載の自動粉体採取システム。
前記ロボット装置は、前記ロボットアーム及びロボットハンドが前記粉体採取器における採取部を取り替える作業を行うよう構成されている請求項30に記載の自動粉体採取システム。
前記ロボット装置は、前記ロボットアーム及びロボットハンドが前記粉体採取器をそのまま又は前記採取部を取り外した後に洗浄する位置に移動させて洗浄の作業を行うよう構成されているとともに、
前記給気装置は、前記洗浄する位置に移動した前記粉体採取器に給気するよう構成されている請求項30に記載の自動粉体採取システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明を実施するための形態(単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0027】
[実施の形態1]
図1から
図3は、実施の形態1に係る粉体採取器10Aを用いる粉体採取装置1Aを示している。
図1はその粉体採取装置1Aにおける粉体採取器10Aと支持体30Aとを分離した状態(実際には粉体採取器10Aを支持体30Aから取り外した状態)を示し、
図2はその粉体採取器10Aと支持体30Aとを一体にした状態(実際には粉体採取器10Aを支持体30Aに取り付けた状態)を示し、
図3はその粉体採取装置1Aをロボット装置と組み合わせて使用する場合の自動粉体採取システムの主要部を構成するシステム用品5Aの概要を示している。
【0028】
<粉体採取装置の構成>
粉体採取装置1Aは、
図1、
図2等に示されるように、吸気及び給気用の配管35が配置される支持体30Aと、その支持体30Aに着脱自在に取り付けられて使用され、配管35からの吸気による吸引力を利用して粉体を採取するとともに配管35からの給気による吐出力を利用して採取した粉体を排出させる複数の粉体採取器10Aとを少なくとも有する装置である。
図1、
図2等では、複数の粉体採取器10Aについて便宜上1つだけ示している。
ここで、粉体採取装置1A(粉体採取器10A)が扱う粉体としては、例えば、医薬品の原料やその中間製品、化学薬品等の材料(平均粒径が例えば1μm〜1mmのもの)が挙げられる。
【0029】
<粉体採取器の構成>
粉体採取器10Aは、具体的には、
図1、
図2、
図4〜
図6等に示されるように、支持体30Aに着脱自在に取り付けられ、その配管35に接続させる通気路11を有する接続部12と、接続部12の通気路11を通じて達する上記吸引力により粉体が採取されて留まる通気路13を有する採取部14と、採取部14の通気路13の中途の位置に配置され、採取される粉体の通過を阻止する第1フィルタ部15と、接続部12の通気路11と採取部14との間をつなぐ通気路16を有する中継部17と、中継部17の通気路16のうち接続部12側になる端部に配置され、第1フィルタ部15をすり抜けた粉体の通過を阻止する第2フィルタ部18と、を備えている。
【0030】
接続部12は、粉体採取器10Aの使用時に上端側に存在させる部位である。この接続部12は、支持体30Aにおける後述する取付け部(33)に嵌め入れられる円筒状で2段型の嵌合部分121で構成されている。嵌合部分121の内側には、円筒状の通気路11が連続して設けられている。通気路11のうち嵌合部分121の上端に位置する開口は、配管35との接続に使用される接続口11aとして形成されている。また、嵌合部分121の下段側の大径部分には、ゴム製等のリング部材(Oリング)124を嵌め入れる溝部123が設けられている。リング部材124は、接続部12の取付け部(33)との密着性を確保するために取り付けられる。
【0031】
実施の形態1における接続部12は、嵌合部分121の下端に、第2フィルタ
部18における後述する格納容器(180)の上部となる容器上部181が設けられている。容器上部181は、接続部12の上端部分122(の通気路11)よりも大径の円盤状の上面部とその上面部の周囲から垂下する円環状の側壁部とを有する形状からなるものである。容器上部181は、その上面部と側壁部とに囲まれる内側に円盤状の格納空間S1が形成されており、その側壁部の下端が円状の開口端182として形成されている。また、容器上部181における格納空間S1は、その上面部の中央部において通気路11と通気可能になるようつなげられた構造になっている。
また、実施の形態1における接続部12は、支持体30Aの取付け部(33)に着脱自在に取り付けるようにするため、磁力により付着して取り付けられる部位125を有している。実際、その部位125は、接続部12の全体(容器上部181を含む)が磁性を有する材料(例えば磁性を有するステンレス鋼)により形成されている。
【0032】
採取部14は、粉体採取器10Aの使用時に下端側に存在させるとともに採取対象の粉体が収容されている容器等に差し込まれる部位である。この採取部14は、円筒状の本体部分141と、本体部分141の上端において本体部分141の内径よりも少し内径が大きくなる円筒状の接続部分142とで構成されている。また、採取部14は、その本体部分141と接続部分142の内側に円筒状の通気路13が連続して設けられている。
【0033】
採取部14の本体部分141は、採取された粉体を一時的に収容して留める収容部として使用される。本体部分141の下端には、粉体の吸引時及び排出時に吸引口及び排出口として使用される通気路13の下端開口13aが形成されている。接続部分142は、後述する適合用接続管(25)の一部が着脱自在に嵌め入れられる空間(通気路13の一部)を有するものである。
【0034】
採取部14は、特に本体部分141が粉体の採取量、種類等の条件に応じて寸法の異なる部位として構成することができる。具体的には、採取部14は、本体部分141における通気路13の内径や長さ等の寸法が異なる複数種類の採取部14(単品)を用意し、それらを採取量、粉体の種類等に応じて適宜交換して使用するように構成することができる。この場合、採取部14の接続部分142も、その寸法が本体部分141の寸法の違いに応じて変更される。
【0035】
本体部分141の通気路13の長さについては、第1フィルタ部15の配置位置が一定である場合、本体部分141の下端部の第1フィルタ部15からの距離(第1フィルタ部15から下端開口13aが存在する下端部の位置までの距離)が採取量に応じて予め所要の寸法になるよう設定しておけばよい。この他、本体部分141の通気路13の長さについては、最初は本体部分141を長めの寸法からなる形状で形成しておき、実際に使用するときに、その長めに形成された本体部分141の下端側の一部を採取量の多少に適合する所要の位置で切断して除去することで所要の長さに調整できるように構成してもよい。
また、本体部分141における通気路13の寸法や下端開口13aの孔径については、粉体の採取量、種類等の条件に応じて適宜設定することができる。特に下端開口13aの孔径は、本体部分141(通気路13を含む)について下端開口13aにむけて先細りする形状の部材として構成しておき、その先細りの形状部分における途中の位置で切断することで孔径を調整できるようにしてもよい。
【0036】
ちなみに、通気路13の長さについて後者の構成を採用する場合は、採取部14を採取量に応じて切断して除去するためのカッター装置を設置した自動粉体採取システムを構築し、その切断除去の作業をカッター装置により自動で行うように構成すればよい。また、この場合、採取部14として滅菌処理済みのものを使用するときに、その採取部14の切断除去の作業を無菌状態の作業空間内に設置したカッター装置により自動で行うように構成すればよい。これにより、採取部14を滅菌した状態に保って使用することができる。
【0037】
また、種類の異なる採取部14を交換して使用する場合は、その各採取部14の取り付けを可能にするため、その各採取部14の接続部分142と中継
部17の下端部172との接続を可能にするアダプターとしての適合用接続管25を併用することになる。ただし、同じ種類の採取部14を交換して使用する場合は、適合用接続管25を併用する必要がない。
適合用接続管25は、例えば、中継部17の下端部172と接続するための上部接続部251と、各採取部14の接続部分142と着脱自在に接続するための下部接続部252とを有する形
状からなる管材である。上部接続部251は、ネジ山等の結合手段を形成することにより中継部17の下端部172とネジ山等の結合手段を介して結合できるようになっている。一方の下部接続部252は、その外径や長さ等の寸法が、交換して使用する各採取部14の寸法に適合する値に設定される。また、適合用接続管25の上部接続部251及び下部接続部252の内側には、採取部14の通気路13や中継部17の通気路16に接続される通気路26が連続して形成されている。
【0038】
第1フィルタ部15は、採取部14における通気路13の所要の位置に、採取する粉体の通過を阻止する機能を有した第1フィルタ部材21を配置して構成されている。
【0039】
第1フィルタ部材21としては、例えば、気体の通過を確保しつつ粉体の通過を阻止できる孔径の通気部を有する多孔質部材が使用される。その多孔質部材としては、その平均孔径が、粉体9の平均粒径等の条件や、通気の障害になることを避けること等の条件に応じて適宜選定された材料が適用されるが、例えば20〜30μmの平均孔径からなる材料が適用される。
【0040】
また、実施の形態1における第1フィルタ部材21は、採取部14の本体部分141又は接続部分142における通気路13の所要の位置に配置されている。この第1フィルタ部材21の配置位置については、採取する粉体の採取量等に応じて、その粉体9を一時的に収容して留めておくことが可能な通気路13の容積を確保できる位置に適宜設定される。実施の形態1では、第1フィルタ部材21を、本体部分141の上端側の部位又は接続部分142の下端側の部位に対応する通気路13の部分に配置している。第1フィルタ部材21の配置は、例えば、通気路13内に嵌め入れることで行われる。
【0041】
実施の形態1における採取部14は、第1フィルタ部15と共に、中継部17の接続部12とは反対側の端部(下端部172)に対して着脱自在に取り付けられる部品として構成されている。また、採取部14は、上記適合用接続管25を併用する場合には、中継部17の端部(下端部172)に取り付けられる適合用接続管25の下部接続部252に対して着脱自在に取り付けられる部品となる。ちなみに、採取部14は、適合用接続管25を併用しない場合には、中継部17の下端部172に対して直接、着脱自在に取り付けられる。
【0042】
中継部17は、接続部12の通気路11と採取部14(の通気路13)との間を少なくとも通気可能につなぐために設けられる部位である。実施の形態1における中継部17は、直線状の円筒管からなる本体部171と、本体部171の下端側において前述した適合用接続管25との接続が行われる下端部172とで構成されている。本体部171と下端部172との内側には、円筒状の通気路16が連続して設けられている。
【0043】
また、中継部17は、本体部171の上端に、第2フィルタ
部18における後述する格納容器(180)の下部となる容器下部183が設けられている。容器下部183は、中継部17の本体部171(の通気路16)よりも大径の円盤状の下面部とその下面部の周囲から立ち上がる円環状の側壁部とを備えた形状からなるものである。容器下部183は、その下面部と側壁部で囲まれる内側に円盤状の格納空間S2が形成されており、その側壁部の上端が開口端184として形成されている。また、容器下部183における格納空間S2は、その下面部の中央部において通気路16と通気が可能になるようつなげられた構造になっている。
【0044】
第2フィルタ
部18は、中継部17の通気路16のうち接続部12側に位置する端部に設けられる格納容器180内に、第2フィルタ部材23を設置して構成されている。
【0045】
第2フィルタ部材23としては、例えば、少なくとも第1フィルタ部15をすり抜けた粉体の通過を阻止できる平均孔径の通気部を有する多孔質部材が使用される。その多孔質部材としては、平均孔径が、その通過を阻止する対象になる粉体の平均粒径等の条件や、通気の障害になることを避ける等の条件に応じて適宜選定された材料が適用されるが、例えば0.2μm〜0.4μmの平均孔径からなる材料が適用される。第2フィルタ部材23を構成する多孔質部材の平均孔径は、原則として第1フィルタ部材21を構成する多孔質部材の平均孔径よりも相対的に小さい値になる。
また、第2フィルタ部材23は、格納容器180の内部に形成される円盤状の格納空間S1(S2等)内に格納することができる部材である。
【0046】
格納容器180は、前述した容器上部181と容器下部183を合体させた構造物である。実施の形態1における格納容器180は、容器上部181の垂下する側壁部を容器下部183の立ち上がる側壁部の外周側に例えばネジ山を介した螺合により係止させることで合体できる構成になっている。
格納容器180が有する主な格納空間S1(S2)は、その格納容器180が配置される中継部17の通気路16の開口面積(断面積)よりも広い設置面積(円盤形状の底面部分の面積)を備えた空間である。容器上部181の格納空間S1は、接続部12の
嵌合部分121における通気路11の一部でもある補助収容空間S3と接続された空間になっている。また、容器下部183の格納空間S2は、中継部17の本体部171における通気路16の開口面積よりも広く且つ格納空間S2の設置面積より狭い2種の開口面積からなる2段構造の補助収容空間S4,S5と接続された空間になっている。
【0047】
実施の形態1における第2フィルタ部材23は、格納容器180の格納空間S1又はS2に収容される円盤状の本体部231と、本体部231の上面側の中央部において上方に突出する上方突出部232と、本体部231の下面側の中央部において下方に突出する下方突出部233とを有する形状で形成されている。本体部231は、格納容器180における円盤状の格納空間S1又はS2に収容することができる寸法及び形状になっている。上方突出部232は、接続部12の
補助収容空間S3に収容することができる寸法及び形状になっている。また、下方突出部233は、中継部17の2段
構造の
補助収容空間S4,S5に収容することができる寸法及び形状になっている。この第2フィルタ部材23は、その本体部
231、上方突出部232及び下方突出部233を合計した全体で粉体の通過を阻止する機能を発揮する。
【0048】
また、実施の形態1における第2フィルタ部材23は、上記本体部231、上方突出部232及び下方突出部233に対応した内部空間及び外観を有する形状からなる包装材の一例としての収容ケース235と、その収容ケース235の内部空間に収容された実際のフィルタ部材236とからなる構造になっている。収容ケース235の上方突出部232及び下方突出部233に対応した部分の上端部及び下端部は、通気を確保するため開口した形状になっている。
【0049】
さらに、実施の形態1における第2フィルタ部材23は、格納容器180の格納空間S1、S2における内壁面との密着性を確保して格納容器180との間に生じる隙間から気体と共に粉体がすり抜けるリーク現象等の発生を防止するため、ゴム製等のリング部材(Oリング)185,186を配置している。具体的には、格納容器180の容器上部181における内壁面のうち第2フィルタ部材23の本体部231の上面と対向する部位に円環状の溝部18
8を設け、その溝部18
8に第1のリング部材185を取り付けている。また、格納容器180の容器下部182における内壁面のうち第2フィルタ部材23の本体部231の下面と対向する部位に円環状の溝部187を設け、その溝部187に第2のリング部材186を取り付けている。
【0050】
また、粉体採取器10Aは、例えば、接続部12、中継部17、及び適合接続管25が金属等の材料で形成され、採取部14が合成樹脂等の材料で形成される。また、各通気路の開口直径は、接続部12における嵌合部分121の通気路11、中継部17における本体部分171の通気路16、及び適合接続管25における下部接続部252の通気路26の各直径が最も小さい値に設定されている。この通気路における最も小さい開口直径については、適宜設定されるが、例えば、1mm〜15mmの範囲内で設定される。
【0051】
さらに、粉体採取器10Aは、例えば、以下の手順で組み立てられる。
【0052】
はじめに、接続部12の嵌合部分121の外周部における溝部123にリング部材12
4を取り付けるとともに、容器上部181の格納
空間S1を構成する内壁面の溝部18
8に第1のリング部材185を取り付ける。
続いて、中継部17における容器下部183の格納空間S2を構成する内壁面の溝部187に第2のリング部材186を取り付けた後に第2フィルタ部材23を設置し、しかる後、接続部12における容器上部18
1を容器下部183に外側から嵌め入れて螺合することで固定する。これにより、接続部12と中継部17とが接続された状態になる。また、格納容器180の格納空間S1又はS2や補助収容空間S3〜S5に第2フィルタ部材23が設置された第2フィルタ部18が組み立てられる。
次いで、中継部17の下端部172に適合用接続管25を取り付けた後、その適合用接続管25の下部接続部252に対して、第1フィルタ部15が予め配置された採取部14を取り付ける。
以上により、
図1、
図4、
図5等に示される外観及び接続状態からなる粉体採取器10Aが完成する。粉体採取器10Aの外観は、細長い棒状の部分とその棒状の部分の上部側に存在する円板状の部分とを有する外観である。
【0053】
<粉体採取装置における支持体の構成>
支持体30Aは、
図1〜
図5等に示されるように、本体部31と、その本体部31に配置される吸気及び給気用の配管35と、本体部31のうち配管35の一端部が存在する部位に設けられ、上述した構成からなる粉体採取器10Aの接続部12が着脱自在に取り付けられる取付け部33とを備えている。
【0054】
本体部31は、
図5等に示されるように、所要のフレーム形状からなる支持部材311と、支持部材311などを覆う外装材312と、支持部材
311の一部に固定されて外装材312の外側に突出するハンド結合部313とで構成されている。
このうちハンド結合部313は、後述するロボットハンド(63)におけるつかみ部(6
12)の構造に対応した構成になっており、そのつかみ部(6
12)に対して着脱自在に結合されるようになっている。例えば、ロボットハンド(63)のつかみ部(6
12)の構造が互いに向き合う部位に窪んだ形状の部分を有する2つの挟み爪部材を接近及び離間させる構成になっている場合、ハンド結合部313は、その2つの挟み爪部材における窪み形状の部分により両側から挟んで保持される立体形状(把持用のブロック形状)からなる被つかみ部分314を有する構造が採用される。
【0055】
配管35は、支持体30Aと後述する吸気装置(51)及び給気装置(52)との間を接続するための接続管である。この配管35は、本体部31の上面に設けられた配管導入口315から取り入れた後、その接続側の端部を本体部31の支持部材
311の一部に固定された円筒状の配管接続受け部351の接続孔に嵌め入れることで配置されている。この配管35としては、例えば、可撓性を有する材料で形成されたチューブ等の管材が使用される。
【0056】
取付け部33は、本体部31の支持部
311の一部に固定された円筒状の受け部材331で構成されている。受け部材331は、粉体採取器10Aの接続部12(2段型の嵌合部分121)が嵌め入れられる円筒状で2段型の嵌入孔332が設けられている。受け部材331は、その嵌入孔332が通気路を構成する貫通孔により上記配管接続受け部351の接続孔とつながっている。実施の形態1における受け部材331は、その下端部の一部が支持体30Aの本体部31の下面から外部に突出した状態になるよう配置されている。
【0057】
また、取付け部33は、受け部材331の嵌入孔332の上端部に磁石36を固定させた状態で配置している。これより、粉体採取器10Aの接続部12(嵌合部分121)は、磁石36の磁力により嵌入孔332内に付着して固定されるようになっている。磁石36としては、その中央部に通気路を確保するための貫通孔が必要になるため、例えばリング形状のものが使用されている。
【0058】
また、支持体30Aは、
図5等に示されるように、取付け部33に取り付けた粉体採取器10Aを振動させるための振動装置37を備えている。
【0059】
振動装置37は、本体部31の支持部材311の一部に固定して配置される電動モータ371と、電動モータ371の駆動軸372の先端に固定して取り付けられる偏心部材373とで構成されている。この振動装置37は、電動モータ371が回転駆動すると、駆動軸372の周りで偏心して回転する偏心部材373により発生する振動(揺れ)が支持部材311と受け部材331を介して粉体採取器10Aの接続部12に伝わり、これにより粉体採取器10Aの全体を振動させるようになっている。また、振動装置37は、電動モータ371の回転速度、回転駆動時間等を適宜制御することにより、粉体採取器10Aに付与する振動の大きさや時間を調整することができるようになっている。
【0060】
そして、粉体採取装置1Aは、
図3等に示されるように、支持体30Aに配管35を介して接続されて吸気を行う吸気装置51と、支持体30Aに配管35を介して接続されて給気を行う給気装置52とを備えている。
【0061】
吸気装置51は、支持体30Aに取り付けられる粉体採取器10Aの採取部14に、粉体を吸引するために必要な吸引力を及ぼすことができる吸気を行う装置である。この吸気装置51としては、例えば、電動の真空ポンプ(吸引側)、エゼクター等が使用される。吸気装置51は、その吸気部と支持体30
Aの配管35との間を所要の接続管55を介して接続し、また必要に応じて接続管55の途中に接続管55の通路を開閉する開閉弁513を設置して構成される。また、吸気装置51は、粉体の吸引に必要な吸引力を発生するための吸気条件を満たすよう駆動させられる。
【0062】
給気装置52は、支持体30Aに取り付けられる粉体採取器10Aの採取部14に採取された粉体を排出するために必要な吐出力を及ぼすことができる給気を行う装置である。この給気装置52としては、例えば、電動の真空ポンプ(吐出側)、電動のエアーコンプレッサ等が使用される。給気装置52は、その給気部と支持体30Aの配管35との間を所要の接続管55を介して接続し、また必要に応じて接続管55の途中に接続管55の通路を開閉する開閉弁523を設置して構成される。また、給気装置52は、粉体の排出に必要な吐出力を発生するための
給気条件を満たすよう駆動させられる。
【0063】
上記接続管55は、吸気装置51と給気装置52とで兼用する共通のものが適用されるが、必要に応じて専用の接続管(吸気用接続管や給気用接続管)をそれぞれ使用するようにしても構わない。また、上記接続管55は、支持体30Aに配置する配管35をそのまま延長したもので構成してもよい。さらに、上記開閉弁513、523としては、例えば、電磁力で弁の開閉動作が行われる電磁作動式のものが適用される。
【0064】
なお、前述した粉体採取装置1A(
ハンド結合部313を有する支持体30Aと複数の粉体採取器10Aとで構成される装置)、吸気装置51及び給気装置52からなるセットは、後述するロボット装置を利用して粉体の採取等の作業を自動化して行うことができる自動粉体採取システム(6A)の一部(主にロボット装置を除く部分)を構成するシステム用品5Aとなる(
図3)。この場合、システム用品5Aには、ロボット装置におけるロボットアームやロボットハンドを作業内容に応じて動作させるために必要な後述の制御部65に用いる制御プログラムを記憶させた記憶媒体等を含めることができる。
【0065】
<自動粉体採取システムの構成>
前述した粉体採取装置1A(又はシステム用品5A)は、以下の自動粉体採取システム6Aの一部を構成する。
自動粉体採取システム6Aは、
図3、
図9等に示されるように、上述した構成からなる粉体採取装置1A(特に吸気装置51及び給気装置52を備えた構成からなる装置)と、その粉体採取装置1Aの支持体30Aに粉体採取器10Aが着脱自在に取り付けられて少なくとも粉体の採取、移動及び排出の作業を行うよう作動するロボットアーム62及びロボットハンド63を有するロボット装置61とを備えて構成されている。
【0066】
ロボット装置61は、上述した作業を行うように作動することが可能なロボットアーム62を有した既存の産業用ロボットが適用される。ロボットアーム62は、粉体採取装置1Aにおける支持体30Aを着脱自在に結合して保持することができ、しかも所要の作業を行うための動作ができる構造を有するものある。具体的には、ロボットアーム62は、その先端部に、粉体採取装置1Aにおける支持体30Aのハンド
結合部313を着脱自在に保持する(つかむ)ことができるが設けられたロボットハンド63を備えている(
図3を参照)。ロボットハンド63は、
図3に二点鎖線で示されるように、挟み爪機構からなるつかみ部6
12と、そのつかみ部6
12を支持して駆動させる支持駆動部622とで構成されている。また、ロボットアーム62は、その先端部にロボットハンド63を取り付けた状態で、種々の細かい動作が可能な多関節の構造からなるものが適用される。
【0067】
ちなみに、ロボットアーム62は、ロボットの支持本体に1本だけ装備される単腕タイプであってもよいが、ロボットの支持本体に複数本装備されているタイプ(例えば双腕タイプ)であってもよい。また、ロボット装置61としては、その全体が移動することができない固定型のものが適用されるが、要求される作業内容等の条件によっては移動することができる移動型のものを適用しても構わない。
【0068】
また、自動粉体採取システム6Aは、
図7に示されるように、各動作を制御する制御部65を有している。
【0069】
制御部65は、例えば演算処理装置、記憶部(記憶素子、記憶装置など)、入出力装置等で構成されるものである。
また、制御部65は、ロボットアーム62(ロボットハンド63を含む)を駆動する電動モータ等の駆動装置の動作を制御するロボットアームの駆動制御部625、吸気装置51(開閉弁513を含む)を駆動する駆動装置の動作を制御する吸気装置の駆動制御部515、給気装置52(開閉弁523を含む)を駆動する駆動装置の動作を制御する給気装置の駆動制御部525、振動装置37を駆動する駆動装置の動作を制御する振動装置の駆動制御部375等の制御対象と接続されている。
さらに、制御部65は、システム6Aに関する種々の操作(情報の入力、選択、状態の表示など)を行う操作部66や、システム6A(上記各駆動制御部)の各動作に必要な状態等の情報を検知する各種センサ、撮像装置等の検知部67等に接続されている。
この制御部65は、記憶部に格納及び記憶される制御プログラムやデータに基づいて各制御対象に必要な制御信号を送信する。また、制御部65は、操作部66や検知部6
7から入力される情報に基づいて生成する必要な制御信号を各制御対象に送信する。
【0070】
そして、この制御部65を有する自動粉体採取システム6Aは、ロボット装置61を除く粉体採取装置1A、吸気装置51及び給気装置52(以上が、システム用品5Aの部分)が以下に示すように動作する。
【0071】
まず、制御部65の制御により吸気装置51を駆動させた場合には、吸気装置51が始動するとともに開閉弁513が開いた状態になる。そして、
図8に示されるように、吸気装置51で発生する吸気の作用(
図8中の右向きの白抜き矢印)が、接続管55、配管35を介して粉体採取器10Aにおける各通気路11,16,2
6,13に順次伝わり、最終的に採取部14の下端開口13aひいては通気路13内に、気体を吸い込む吸引力F1が発生する。
【0072】
これにより、粉体採取器10Aが、その採取部14の通気路13内に粉体を吸引することが可能な状態になる。また、吸気装置51による吸気を持続させた場合は、第1フィルタ部14による粉体の通過を阻止する作用も相まって、採取した粉体を粉体採取器10Aにおける採取部14の通気路13内に留めておくことが可能な状態になる。さらに、この吸気装置51による吸気を行った場合は、その吸気により粉体採取器10Aの採取部14の下端開口13aから取り込まれて流れる気体が、粉体採取器10Aにおける第1フィルタ部15と第2フィルタ部18をこの順番で通過することになる。
【0073】
また、制御部65の制御により給気装置52を駆動させた場合には、給気装置52が始動するとともに開閉弁523が開いた状態になる。そして、
図8に示されるように、給気装置52で
発生する給気の作用(
図8中の左向きの白抜き矢印)が、接続管55、配管35を介して粉体採取器10Aにおける各通気路11,16,2
6,13に順次伝わり、最終的に採取部14の通気路13内ひいては下端開口13aに、気体を吐き出す吐出力F2が発生する。
【0074】
これにより、粉体採取器10Aでは、採取部14の通気路13内に採取されて一時的に留められている粉体を採取部14の下端開口13aから外部へ排出させることが可能になる。また、この給気装置52による給気を行った場合は、その給気により粉体採取器10Aの接続部12の通気路11から流れ込む気体が、粉体採取器10Aにおける第2フィルタ部18と第1フィルタ部15をこの順に通過することになる。
【0075】
<自動粉体採取システムの実用例>
そして、自動粉体採取システム6Aは、例えば、
図9に模式的に示す作業を行うために適用することができる。
【0076】
図9に示す自動粉体採取システム6Aは、図示しない蓋で密閉された複数の第1容器90A〜90Cに収容されている粉体9A〜9Cを所定の量だけ採取した後、それを他の複数の第2容器95A〜95Eにそれぞれ移し替える作業を行うために構成されたシステムである。このシステム6Aで扱う粉体9A〜9Cは、例えば、その一部又は全部が人体に有害な粉体(具体的には、例えば高い薬理活性をもつ粉体)であるが、その全部が人体に無害な粉体であっても勿論かまわない。
【0077】
自動粉体採取システム6Aは、前述した粉体採取装置1A、吸気装置51及び給気装置52(以上が自動粉体採取システム用品5A)とロボット装置61の他に、次の構成要素が追加されて構成されている。
その構成要素とは、クリーンルーム、滅菌ルーム等の作業部屋に設置された作業用テーブル70と、所要の寸法条件からなる採取部14(第1フィルタ部15を含む)を複数本並べて取り外し自在に保持する第1ホルダー部71と、その採取部14を取り付ける前の複数の粉体採取器10Aの一部10a,10b,10cを並べて取り外し自在に保持する第2ホルダー部72と、配管35が接続された支持体30Aを取り外し自在に保持する第3ホルダー部73と、採取部14を取り外した後の粉体採取器10Aの残り部分10a,10b,10cを洗浄する洗浄処理部75等である。採取部14を取り付ける前の粉体採取器の一部10a,10b,10cとは、採取部14を除く部分であって、接続部12、中継部17、第2フィルタ部18及び適合用接続管25で構成される部分である。
【0078】
また、自動粉体採取システム6Aでは、使用済みの採取部14や使用済みの粉体採取器10A(採取部14を除く部分10a,10b,10cや採取部14を含む全体)を廃棄する図示しない廃棄処理部なども配置されている。さらに、自動粉体採取システム6Aでは、ロボット装置61が、各容器90,95の移動や蓋の着脱等の作業を行うことができるよう構成されている。
図9等においてロボット装置61は、ロボットアーム62及びロボットハンド63のみを図示し、その支持本体や制御部65の図示を省略している。また、
図9等においては、第1ホルダー部71、第2ホルダー部72、第3ホルダー部73、洗浄処理部75等が作業用テーブル70上に横一列になって配置された状態で図示されているが、これは便宜上のものであり、実際は作業内容、作業効率等の観点から適宜設定された位置にそれぞれ設置される。
【0079】
採取部14は、交換して使用することができるよう複数個用意されている。第1ホルダー
部71は、複数の保持孔が設けられた構造物であり、その保持孔に複数の採取部14を差し入れ、その本体部分141と接続部分142の境界部(段差部)を引っ掛けた状態で保持する。これにより、各採取部14は、その接続部分142が保持孔の上方に飛び出した状態で保持される。また、各採取部14は、その接続部分142の下端側に、第1フィルタ部15を構成する第1フィルタ部材21が嵌め入れられている。
【0080】
3つの粉体採取器10Aの一部10a,10b,10cは、互いに同じ構成の接続部12、中継部17、第2フィルタ部18及び適合用接続管25を備えたものであり、採取部14を取り付けた状態で使用される。第2ホルダー部72は、複数の保持孔が設けられた構造物であり、その保持孔に各粉体採取器10Aの一部10a,10b,10cを差し入れ、第2フィルタ部18を構成する格納容器180の下面を引っ掛けた状態で保持する。なお、3つの粉体採取器10Aの一部10a,10b,10cは、その構成の一部が異なる関係になっているものであっても構わない。
【0081】
第3ホルダー部73は、支持体30Aの一部を取り外し自在に保持する構成からなる構造物である。この第3ホルダー部73に保持される支持体30Aは、その配管35が図示しない吸気装置51及び給気装置52に接続されている(
図3を参照)。吸気装置51と給気装置52は、例えば、作業用テーブル70の近傍の床などに配置されている。
【0082】
洗浄処理部75は、例えば、採取部14を取り外した状態の粉体採取器10Aの一部10a,10b,10c(具体的には第2フィルタ部18より下方にある採取部14を除く部分)を差し入れることができる貫通空間を有する処理筒部751と、その処理筒部751の下端に接続される図示しない吸引装置と、その吸引により除去される物(粉体など)を回収する図示しない回収容器とで構成されている。
【0083】
また、作業用テーブル70には、第2容器95の重さ(質量)や採取した粉体を収容したとき
の第2容器95の重さを計測するための秤81が設置されている。秤81は、例えばデジタル表示式のものが適用され、そのデジタル式の表示部812に重さが数字等の情報で表示されるようになっている。
【0084】
<自動粉体採取システムの動作(作業)>
以下、
図9に示す自動粉体採取システム6Aの動作について説明する。この動作は、前述した制御部65の制御により実行される。
【0085】
まず、自動粉体採取システム6Aは、
図10に例示されるように、ロボット装置61のロボットアーム62及びロボットハンド63を作動させることにより、採取対象の粉体9Aが収容された第1容器90Aを採取作業位置に移動させる作業や、採取した粉体9Aを移し替えるために収容する第2容器95Aを秤81の計量台811に載せる作業を行う。
この作業により、最初の粉体9Aを採取する等の作業を行うための前準備が完了する。この際、秤81は、例えば、第2容器95Aの重さが表示部812に「0.000g」として表示されように調整し、これにより、第2容器95Aに収容される採取対象の粉体9Aの重さのみを計量できるように取り扱うことができる。
【0086】
続いて、自動粉体採取システム6Aは、
図10に例示されるように、ロボット装置61のロボットアーム62及びロボットハンド63を作動させることにより、粉体採取装置1Aにおける支持体30Aをロボットハンド63(のつかみ部612)によってつかんで保持する作業を行う。引き続き、システム6Aは、
図11に例示するように、その保持した支持体30Aに粉体採取装置1における1つの粉体採取器10Aの一部(採取部14を除く残りの部分)10aを取り付ける作業を行う。しかる後、システム6Aは、
図12に例示するように、その支持体30Aに取り付けた粉体採取器10Aの一部10a(本例では適合用接続管25の下部接続部252)に、1つ目の(第1フィルタ部15が配置された)採取部14を取り付ける作業を行う。
【0087】
この際、粉体採取器10Aの一部10aの支持体30Aへの取り付けは、次のように行われる。
すなわち、上述したようにロボットハンド63につまれて保持された支持体30Aを、その取付け部33に、第2ホルダー部72に保持されている粉体採取器10Aの一部10aにおける接続部12が嵌め入れられるよう移動させる。そして、その粉体採取器10Aの一部10aにおける接続部12が、支持体30Aの取付け部33に設けられた磁石36の磁力により嵌入孔332内に付着して固定された状態にすることで、その取り付けが完了する。
また、採取部14の粉体採取器10Aの一部10aへの取り付けは、次のように行われる。
すなわち、上述したようにロボットハンド63につまれて保持された支持体30Aに取り付けられた粉体採取器10Aの一部10aを、その中継部17の下端側にある適合用接続管25の接続部分252が採取部14の接続部分142に挿し込まれるように移動させる。そして、採取部14の接続部分142が適合用接続管25の接続部分252に嵌合された状態にすることで、その取り付けが完了する。
【0088】
以上の作業が実行されることにより、自動粉体採取システム6Aは、粉体9Aの採取等の作業を行うための自動粉体採取システムとして完成した状態になる(
図12)。
【0089】
そして、自動粉体採取システム6Aは、
図13に例示するように、ロボットハンド63に保持された支持体30Aに取り付けた粉体採取器10A(採取部14を含む)により粉体9Aを採取する作業を行う。
【0090】
この際、ロボットアーム62及びロボットハンド63の作動により、粉体採取器10Aを、その採取部14が第1容器90Aの内部に入り込み、その採取部14の下端開口13aが粉体9Aの堆積した面に接近した状態又はその堆積した部分の内部に差し込まれた状態になるよう移動させる。また、この粉体採取器10Aの移動が終了した段階で、吸気装置51による吸気動作が開始される。
これにより、粉体採取器10Aは、吸気装置51による吸気の作用で採取部14の通気路13に吸引力(F1)が発生し、その通気路13内に第1容器90Aの内部に収容された粉体9Aが吸引されて採取される。
【0091】
この採取された粉体9Aは、吸気装置51による吸引動作が続行されていることにより採取部14の通気路13内に留まった状態で保持される。詳しくは、粉体9Aは、採取部14の通気路13のうち第1フィルタ部15よりも下方側でかつ下端開口13aよりも内側に存在する部分に、吸引力を受けて留まった状態で保持される。
【0092】
また、この採取された粉体9Aは、採取部14に配置された第1フィルタ部15により通過が阻止されて、その第1フィルタ部15よりも内側に存在する他の通気路26,16,11に流れて移動することや、粉体採取器10Aよりも先にある配管35や接続管55側に流れて移動することが防止される。しかも、粉体採取器10Aでは、仮に第1フィルタ部15をすり抜けた粉体9Aが発生しても、そのすり抜けた粉体9Aの通過が第2フィルタ部18により阻止される。このため、自動粉体採取システム6Aにおいては、粉体9Aが粉体採取器10Aの通気路11や、その先の配管35や接続管55側に流れて移動してしまうことが防止される。
【0093】
続いて、自動粉体採取システム6Aでは、
図14に例示するように、粉体9Aの採取が完了した後に、粉体採取器10Aにおける採取部14の外周面に付着した不要分の粉体9Aを振り落とす作業を行う。
この際、ロボットアーム62の作動により、粉体採取器10Aを上方に少し持ち上げて、その採取部14の下端開口13aが第1容器90A内における粉体9Aの堆積面から離れた状態にする。しかる後、支持体30Aにおける振動装置37を作動させることにより、振動装置37で発生する振動を粉体採取器10Aに付与し、その粉体採取器10Aを少なくとも採取部14の下端開口13aが第1容器90Aの内部に存在している状態で振動させる。
【0094】
これにより、粉体9Aの採取が完了した粉体採取器10Aは、その採取部14の外周面に付着した不要の粉体9Aが振動で振り落とされて除去される。また、振り落された粉体9Aは、第1容器90Aの内部に戻される。このため、後述する粉体9Aを第2容器95Aに排出させる作業を行うときに、採取部14の外周面に付着した不要の粉体9が第2容器95Aに誤って収容されてしまうことが防止される。
【0095】
続いて、自動粉体採取システム6Aは、
図15及び
図16に例示するように、粉体採取器10Aにおける採取部14に採取した粉体9Aを第2容器95A内に排出して収容する作業を行う。
【0096】
この際、ロボットアーム62の作動により、粉体9Aを採取した粉体採取器10Aを第1容器90A内から出して第2容器95Aの上方の位置まで移動させた後(
図15)、その粉体採取器10Aをその採取部14が第2容器95Aの内部に入った状態になる位置まで下降させるよう移動させる(
図16)。また、この粉体採取器10Aの移動が終了した段階で、給気装置52による給気動作が開始される(
図16)。
【0097】
これにより、粉体採取器10Aは、給気装置52による給気の作用で採取部14の通気路13に吐出力(F2)が発生し、その採取部14における通気路13内に採取されて留まっていた粉体9Aが第2容器95Aの内部に排出される。
このとき、自動粉体採取システム6Aにおいては、
図17に例示するように、必要に応じて支持体30Aにおける振動装置37を作動させて粉体採取器10Aを振動させる。この場合は、その粉体採取器10Aにおける採取部1
4の通気路13内(内壁など)に存在する採取した粉体9Aを残すことなく振り落して排出させることができる。換言すれば、採取部1
4の通気路13内に採取されている粉体9Aのすべてを第2容器95A内に収容することができる。
この結果、第2容器95A内には、粉体採取装置1Aの粉体採取器10Aで採取した所定量(例えば秤81の表示部812に示される0.030g)の粉体9Aが収容される(
図17)。
【0098】
そして、自動粉体採取システム6Aは、粉体採取器10Aによる粉体9Aの採取、移動及び排出の作業を1回の動作で、予め設定した重さの粉体9Aの第1容器90Aから第2容器95Aへの移し替え(分配)を完了させる設定になっている場合には、以上の動作(
図13から
図17に示す粉体9Aの採取、移動及び排出の作業を行う動作)が終了することになる。
一方、自動粉体採取システム6Aは、粉体採取器10Aによる粉体9Aの採取、移動及び排出の作業を行う動作を複数回繰り返すことで、予め設定する重さの粉体9Aの第1容器90Aから第2容器95Aへの移し替えを行う設定になっている場合は、以上の動作(特に
図13から
図17に示す粉体9Aの採取、移動及び排出の作業を行う動作)を設定された必要な回数だけ同様に繰り返すことになる。
【0099】
また、この自動粉体採取システム6Aは、粉体9Aの採取、移動及び排出の作業を行う動作がすべて終了すると、
図18に例示するように、使用済みの採取部14を取り外した後の粉体採取器の一部10aを洗浄する作業が行われる。この洗浄する作業は、粉体採取器10Aから使用済みの採取部14を図示しない廃棄処理部で取り外して除去した後に行うか、又は次の異なる種類の粉体を採取する等の作業を行うために使用済みの粉体採取器10Aを支持体30Aから取り外して第2ホルダー
部72に戻す前に行われる。
【0100】
この際、ロボットアーム62及びロボットハンド63の作動により、その粉体採取器の一部10aを洗浄処理部75の位置まで移動させた後、その粉体採取器10Aの一部10aの下方部(中継部17や適合用接続管25)が処理筒部751内に差し入れられた状態になる位置(洗浄する位置)まで移動させる。また、この粉体採取器10Aの移動が終了した段階で、給気装置52を作動させて給気動作を実行する。また、洗浄処理部75が処理筒部751と接続される吸引装置を装備している場合は、その吸引装置を作動させて吸引動作を単独で行うか又は上記給気装置52による給気動作と併せて行う。
【0101】
これにより、採取部14が取り外された後の粉体採取器の一部10aは、洗浄処理部75において給気動作(又は吸引動作又はその双方の動作)が実行されると、その吸気により送られる気体(又は吸引される気体)が第2フィルタ部18を通過した後に中継部17の通気路16と適合用接続管25の通気路26をそれぞれ通過して外部(洗浄処理部75の処理筒)に排気される。
この結果、粉体採取器の一部10aにおける第2フィルタ部18内に付着して残留している粉体9Aや上記各通気路16,26内に付着して残留している粉体9Aが上記空気とともに外部に排出されることにより除去され、その第2フィルタ部18内や上記各通気路16,26内が清浄される。またこの際、吸引動作を行った場合は、その中継部17の外表面や適合用接続管25の外表面に粉体9Aが残留して付着していても、その粉体9Aも吸引作用により除去されて、その各外表面も清浄される。
また、このとき必要であれば、支持体30Aにおける振動装置37を作動させることにより、粉体採取器10Aに振動を付与してもよい。これにより、粉体採取器10Aの通気路の内部や外表面に残留するように付着している粉体9Aを洗浄処理部75の処理筒内に振り落して除去することができる。
【0102】
以上の洗浄作業を行うことにより、使用済みの採取部14を取り外した後の粉体採取器の一部10aに残留付着している粉体9Aを除去することができる。この結果、その粉体採取器の一部10aを再び使用して次の粉体9Aを採取する等の作業を行う場合であっても、その粉体採取器の一部10aに残留している粉体9Aが第2容器95Aへの排出の際に余分に収容されるおそれがない。
【0103】
次に、この自動粉体採取システム6Aは、次の異なる種類の粉体9Bを採取する等の作業を行うときには、以下のように動作する。
【0104】
まず、自動粉体採取システム6Aは、
図19に例示するように、前に使用した粉体採取器10A(の一部10a)を支持体30Aから取り外して第2ホルダー
部72に戻す作業を行う。続いて、
図20に例示するように、ロボットアーム62のロボットハンド63から支持体30Aを取り外して第3ホルダー
部73に戻す作業を行う。
しかる後、ロボットアーム62とロボットハンド63を作動させることにより、先に扱った粉体9Aが収容されている第1容器90Aやその粉体9Aが移し替えにより収容された第2容器95Aを元の位置にそれぞれ戻す作業や、次の粉体9Bが収容されている第1容器90Bを採取作業位置に移動する作業や、次の粉体9Bを採取した後に移し替えるために収容する第2容器95Bを秤81の計量台811に乗せる作業を行う(以上、
図20)。
【0105】
続いて、自動粉体採取システム6Aは、
図21に例示されるように、ロボット装置61のロボットアーム62及びロボットハンド63を作動させることにより、粉体採取装置1Aにおける支持体30Aをロボットハンド63によって再度つかんで保持した後、その保持した支持体30
Aに粉体採取装置1Aにおける別の粉体採取器の一部(採取部14を除く残りの部分)10bを取り付ける作業を行う。
【0106】
自動粉体採取システム6Aでは、このように粉体採取器10Aの一部10bを交換して使用することにより、例えば、粉体9Bの採取等の作業を行う際に以前の粉体9Aを採取する等の作業に使用していた粉体採取器10A(又はその一部10a)を再使用した場合のように、その粉体採取器10A(又はその一部10a)の第2フィルタ部18に在留付着していた粉体9Aが、粉体9Bの排出等の作業において第2容器95Bに混入することがなくなる。
【0107】
続いて、自動粉体採取システム6Aは、
図22に例示するように、その取り付けた粉体採取器の一部10bに新しい(第1フィルタ部15が配置された)採取部14を取り付ける作業を行う。
この場合、新たに取り付ける採取部14は、以前の粉体9Aの採取時に使用した採取部14と同じ構成のものであっても、あるいは、採取量が異なる構成からなるものであってもよい。
【0108】
また、自動粉体採取システム6Aでは、新たな採取部14を取り付けた粉体採取器10Aを交換して使用することにより、例えば、以前の粉体9Aを採取する等の作業に使用していた採取部14や第1フィルタ部15を再使用した場合のように、その採取部14や第1フィルタ部15に残留付着していた以前の粉体9Aが、次に扱う粉体9Bの採取、排出等の作業において第2容器95Bに混入することがない。
したがって、この自動粉体採取システム6Aによれば、種類の異なる粉体(例えば粉体9B)の採取、排出等の作業を行う際に異物(例えば粉体9A)が混入することが確実に防止される。
【0109】
以上の作業が実行されることにより、自動粉体採取システム6Aは、粉体9Bの採取等の作業を行うための自動粉体採取システムとして完成した状態になる(
図22)。
【0110】
この後は、自動粉体採取システム6Aは、
図23に例示するように、ロボットハンド63に保持した支持体30Aに取り付けられた新たな粉体採取器10A(粉体採取器の一部10bと新たな採取部14とで構成される粉体採取器)により粉体9Bを採取する作業を行う。
これ以降の動作は、前述した粉体9Aの採取、移動、排出、洗浄等の作業時における各動作と同様に行われる。
【0111】
なお、この自動粉体採取システム6Aにおいては、粉体採取器10Aにより採取した粉体9A,9B等の排出を微量で行う場合には、例えば、次のように対応すればよい。
すなわち、システム6Aでは、給気装置52による給気動作を通常の排出動作時よりも弱くして排出動作を行うよう設定する。また、その給気装置52による弱めの給気動作と併せて振動装置37による振動の付与を実行して粉体採取器10Aを振動させながら排出動作を行うよう設定する。さらに、振動装置37による振動の付与だけを実行することで排出動作を行うように設定する。
【0112】
また、この自動粉体採取システム6Aにおいては、粉体採取器10Aにより採取した粉体9A,9B等の排出を採取部14の通気路13内に採取した粉体9A,9B等の一部を残した状態で行う場合には、次のように設定すればよい。
すなわち、採取システム6Aでは、その粉体9A,9B等の所要量の排出が完了した時点で、残す粉体9A,9B等が採取部14から落下して排出されないよう振動装置37による振動動作を停止させる一方で、吸気装置51による吸気動作を行うように設定する。
【0113】
以上説明したように、粉体採取器10Aを用いる粉体採取装置1Aや、その粉体採取装置1A等を用いて構成される自動粉体採取システム6Aによれば、種類の異なる粉体9を採取する等の作業を、他種の粉体等の異物が混入することを簡易に防止して効率よく(又は自動で効率よく安定して)行うことができる。
また、特に自動粉体採取システム6Aによれば、人体に有害な粉体を採取する等の作業が必要な場合であっても、その作業に人がかかわることがないため、その作業を人体への影響を心配することなく自動で効率よく行うことができる。
【0114】
<自動粉体採取システムの変形例>
実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aは、その一部の構成について以下に例示するように変更することが可能である。
【0115】
例えば、自動粉体採取システム6Aは、
図24や
図25に例示するように、ロボット装置61の動作について、そのロボットアーム62及びロボットハンド63が、ロボットハンド63の保持している粉体採取器10Aを粉体(例えば粉体9A)の採取の作業が終了した後(
図24(a))に採取部14が横に倒れた状態になるよう保持し(
図24(b))、しかも、その状態に保持したままで粉体の移動及び排出の作業(
図25)を行うよう構成することができる。
【0116】
図24に例示するロボットアーム62及びロボットハンド63は、第2フィルタ部18を除いて全体がほぼ直線的な棒状の外観からなる粉体採取器10Aについて、粉体9Aの採取の作業が終了するまでは、同図(a)に示すように、その採取部14を最下位に位置させて採取器全体が鉛直の方向にほぼ沿って起立した状態になるよう保持している。また、ロボットアーム62及びロボットハンド63は、粉体9Aの採取の作業が終了すると、同図(b)に示すように、その粉体採取器10Aについて、粉体9Aを採取した第1容器90Aの上方の位置で、採取部14の下端開口13aをほぼ中心(支点)にして採取器全体が90°程度の角度だけ横に倒れた状態になるよう動かして保持し直している。このときの粉体採取器10Aは、
図24(b)に示すように、ほぼ直線的な棒状の外観からなる全体がほぼ水平に横たわった状態になる。
また、このときのロボットアーム62及びロボットハンド63は、
図25に示すように、粉体採取器10Aを全体がほぼ水平に横たわった状態で保持したままで、粉体採取位置から粉体排出位置まで移動させる作業と粉体を排出させる作業を行うように作動することになる。
【0117】
これにより、粉体採取器10Aは、採取部14の下端開口13aが真下を向いた姿勢からほぼ水平方向に向く横向きの姿勢になるよう変更されて保持される。この動作中は、吸気装置51が作動し続けて吸気を継続している。
この結果、粉体9Aの採取が終了した後の粉体採取器10Aは、採取部14の通気路13内に採取されて留まった粉体9Aが、鉛直の方向にほぼ沿って起立した状態の採取部14に採取されている場合に比べて安定して保持されるようになる。したがって、このときの粉体採取器10Aによれば、横に倒れた状態の採取部14に採取されている粉体9Aの一部が、例えば重力の作用や移動の開始及び停止時に発生する振動の作用の影響を受けることにより採取部14の通気路13内から外に漏れ出すおそれのない状態に保たれる。
【0118】
また、自動粉体採取システム6Aは、上述したように粉体9Aの採取の作業が終了した後に粉体採取器10Aをほぼ水平に横たわった状態で保持して粉体の移動及び排出の作業を行うよう構成する場合、以下に示す2つの構成の少なくとも一方を追加して採用することができる。
【0119】
1つ目は、
図24等に示されるように、粉体(例えば粉体9A)の排出の作業を行うときに粉体採取器10Aの一部が接触し得る振動補助部材40を粉体排出位置の近傍に設置したうえで、その排出の作業を行うときに、ロボット装置61のロボットアーム62及びロボットハンド63が粉体採取器10Aをその一部が振動補助部材40に接触し得る位置に移動させるように構成し(
図25(a))、また支持体30Aにおける振動装置37が作動して粉体採取器10Aを振動させるよう構成することである(
図25(b))。
【0120】
振動補助部材40は、上端部等に粉体採取器10Aの一部が接触する接触部40aを有する棒又は板のような形状からなる部材である。また、振動補助部材40は、その接触部40aが、作業用テーブル70のうち粉体の排出作業を行うときの粉体採取器10Aの一部に接触することが可能な位置に固定した状態で配置される。振動補助部材40の接触部40aに接触させる粉体採取器10Aの一部は、
図25(a)に示すように、例えば中継部17である。
【0121】
この1つ目の構成を採用した自動粉体採取システム6Aでは、ほぼ水平に横たわった状態で保持された粉体採取器10Aの採取部14に採取した粉体9Aを第2容器95Aに排出させる作業を、振動装置37により粉体採取器10Aを振動させながら行う際、次のようになる。
すなわち、この自動粉体採取システム6Aでは、その粉体採取器10Aの一部(中継部17)を振動補助部材40の接触部40aに接触させない場合に比べて、振動装置37の振動を粉体採取器10A(の採取部14)に対してより確実かつ良好に伝えることができる。つまり、振動装置37の振動を受けている粉体採取器10Aは、その一部(中継部17)が振動補助部材40の固定された接触部40aに接触する度に衝撃を受けるとともに、その衝撃が中継部17から採取部14まで振動として効率よく伝わるようになるので、採取部14自体が確実に振動するようになる。
この結果、このときの自動粉体採取システム6Aでは、粉体採取器10Aの採取部14に採取されている粉体9Aの排出を微量ずつに分けて安定して行うことができる。
【0122】
また、1つ目の構成を採用する場合は、秤81として外部に計量値の情報を電子データにて出力できる電子天秤を適用したうえで、
図7に二点鎖線で示すように、その電子天秤81の計量部82を制御部65に接続するとともに、その計量部82から得られる計量値のデータに基づいて支持体30Aにおける振動装置37の駆動をその振動装置の駆動制御部375を介して制御するように構成するとよい。
この場合、制御部65は、例えば、計量部82から得られる計量値のデータと第2容器95Aへの粉体の排出量(移し替えて収容すべき量)との差の値から、振動装置37の振動の大きさ及び振動時間を調整するよう駆動制御部375を介して振動装置37の駆動をフィードバック制御すればよい。
【0123】
2つ目は、
図24等に示されるように、粉体採取器10Aから排出される粉体(例えば粉体9A)を上端開口96から取り入れて収容する容器(例えば第2容器95A)をその上端開口96が水平の方向に対して傾斜した状態になるよう設置したうえで、その粉体の排出の作業を行うときに、ロボット装置61のロボットアーム62及びロボットハンド63が粉体採取器10Aをその採取部14が第2容器95Aの傾斜した状態にある上端開口96から容器内部に侵入した状態になるよう移動させるよう構成することである。
【0124】
上端開口96が傾斜した状態になる第2容器95Aの設置は、例えば、
図24(a)等に示されるように、第2容器95A全体を傾斜した状態で保持する傾斜保持部86が設けられた容器置き台85を使用することで行われる。この場合は、第2容器95Aと容器置き台85の双方を秤81の計量台811に載せることになる。また、第2容器95Aの上端開口96は、例えば、水平の方向に対して45°±10°程度の傾き角になるよう傾斜させればよい。
【0125】
この2つ目の構成を採用した自動粉体採取システム6Aでは、ほぼ水平に横たわった状
態で保持された粉体採取器10Aの採取部14に採取した粉体9Aを第2容器95
Aに排出させるときに、その採取部14が第2容器95Aの傾斜した状態にある上端開口96から容器内部に侵入した状態になるので、採取部14の下端開口13aが第2容器95Aの内壁面の一部に囲まれた状態になる。
この結果、この自動粉体採取システム6Aでは、粉体採取器10Aの採取部14の下端開口13aから排出される粉体9Aの一部が排出時の振動等の作用を受けて勢いよく飛び出すことがあっても、その粉体9Aの一部が第2容器95Aの内壁面に当たることもあるので、第2容器95Aの外部に飛び散ることを防止又は抑制することができる。
これにより、粉体の排出作業を行う際に、第2容器95Aの上端開口96を取り囲んで粉体の飛び散りを防ぐ囲い部材を別途設ける必要性がない場合を得ることができる。その一方で、この自動粉体採取システム6Aの場合を含めて粉体の排出作業時に粉体が第2容器95の外部に飛び散ることを確実に防止するためには、例えば、第2容器95
Aの上端開口96を囲む範囲内で飛び散る粉体を吸引することができる吸引機構を別途配置しても構わない。
【0126】
ちなみに、
図24及び
図25に示す変形例の自動粉体採取システム6Aでは、上記1つ目の構成と上記2つ目の構成を同時に採用している。
また、上記1つ目の構成のみを採用する場合は、排出させる粉体9Aを収容する第2容器95Aを、その上端開口96がほぼ水平の状態になるよう秤81の計量台811に載せることになる(例えば
図10等を参照)。この場合は、ほぼ水平に横たわった状態で保持された粉体採取器10Aの採取部14に採取している粉体9Aを、第2容器95Aのほぼ水平の状態にある上端開口96を通過させて容器内部に落下させるよう排出させればよい。
さらに、上記2つ目の構成のみを採用する場合は、粉体採取器10Aを採取部14が最下位に存在して鉛直の方向にほぼ沿って起立した状態になるよう保持した状態で、粉体の移動や排出の作業を行うことになる(例えば
図15、
図16等を参照)。この場合は、鉛直の方向にほぼ沿って起立した状態で保持された粉体採取器10Aの最下位にある採取部14に採取している粉体9Aを第2容器95に排出させる作業を、その採取部14が第2容器95Aの傾斜した状態にある上端開口96から容器内部に侵入した状態になるよう粉体採取器10Aを移動させて行えばよい。
【0127】
この他、上記1つ目の構成と上記2つ目の構成をそれぞれ単独で採用する自動粉体採取システム6Aは、例えば、第2容器95として、上端開口96の開口面積が採取部14の下端開口13aの開口面積よりも広い関係にある容器を使用する場合に適用するとよい。
また、上記2つ目の構成については、必要であれば、その一部の構成を以下のように変更しても構わない。つまり、粉体の排出の作業を行うときに、ほぼ水平に横たわる状態で保持されている粉体採取器10Aを、第2容器95Aの傾斜した状態にある上端開口96とほぼ直交するように傾斜させた状態に保持し直した後、その傾斜した状態の粉体採取器10Aをその最下位にある採取部14が第2容器95Aの傾斜した状態にある上端開口96から容器内部に侵入した状態になるよう移動させるよう構成してもよい。
【0128】
さらに、上記1つ目及び2つ目の構成とは異なる3つ目の構成として、粉体を移し替える第2容器95がメスフラスコ等のフラスコ型の容器を使用する場合には、そのフラスコ型の容器を、その容器本体の一部から細長く突出した端部にある開口が水平の方向を向く状態になるよう秤81の上に設置したうえで、ほぼ水平に横たわった状態で保持された粉体採取器10Aによる粉体の排出作業を行うという構成を採用することもできる。
この構成を採用する場合は、ほぼ水平に横たわった状態で保持された粉体採取器10Aを、その採取部14の下端開口13aがフラスコ型の容器における水平の方向を向く開口を通して容器本体内に侵入した状態になるよう移動させた後に、粉体の排出作業を行うことになる。
【0129】
[実施の形態2]
図26及び
図27は、実施の形態2に係る粉体採取装置1Bを示すものである。
【0130】
この粉体採取装置1Bは、手作業にて使用することができるものであり、一部が異なる支持体30Bに変更した以外は実施の形態1に係る(ロボット作業用の)粉体採取装置1Aと同じ構成からなるものである。すなわち、粉体採取装置1Bは、その支持体30Bが、実施の形態1における支持体30Aで設けた
ハンド結合部313の代わりに、作業者の手で把持する把持部38と、作業者の手で動作内容を選択して操作する操作部39とを設けている点で異なる。
【0131】
把持部38は、作業者が粉体採取装置1Bを手で持って使うために使用する部位であり、具体的には作業者の手(実際には指)を入れることができる貫通部381と実際に手で握る部分382とを少なくとも有する形状からなる部位である。操作部39は、吸気装置51と吸気装置52の動作や支持体30Bにおける振動装置37の動作をON/OFFするためのスイッチ類391や、必要に応じて設けられる表示部(点灯ランプなども含む)などが配置されて構成されている。
また、粉体採取装置1Bの支持体30Bにおける配管35は、実施の形態1に係る粉体採取装置1Aにおける配管35の場合と同様に、吸気装置51及び給気装置52と接続されている。粉体採取器10Aは、複数あり、また実施の形態1に係る粉体採取装置1Aにおける粉体採取器10Aと同様の構成からなるものである。
【0132】
この手作業用の粉体採取装置1Bによっても、実施の形態1に係る粉体採取装置1A(ロボット装置61を利用して自動化した部分を除く部分)とほぼ同様に、手作業で粉体の採取等の作業を実施することができ、また種類の異なる粉体9を採取する等の作業を他種の粉体等の異物が混入することを簡易に防止して効率よく行うことができる。
【0133】
[実施の形態3]
図28から
図30は、実施の形態3に係る粉体採取器10Bを用いる粉体採取装置1Cを示している。
図28はその粉体採取装置1Cにおける粉体採取器10Bと配管35Bとを分離した状態(実際には粉体採取器10Bを配管35Bから取り外した状態)を示し、
図29はその粉体採取器10Bと配管35Bとの断面を示し、
図30はその粉体採取器10Bと配管35Bとを一体にした状態(実際には粉体採取器10Bを配管35Bに取り付けた状態)の粉体採取装置1Cをロボット装置と組み合わせて使用する場合の自動粉体採取システムの主要部を構成するシステム用品5Cの概要を示している。
【0134】
<粉体採取装置の構成>
粉体採取装置1Cは、
図28、
図30等に示されるように、被接続部56を有する吸気及び給気用の配管35Bと、その配管35Bの被接続部56に着脱自在に取り付けられて使用され、配管35Bからの吸気による吸引力を利用して粉体を採取するとともに配管35Bからの給気による吐出力を利用して採取した粉体を排出させる複数の粉体採取器10Bとを少なくとも有する装置である。
図28、
図30等では、複数の粉体採取器10Bについて便宜上1つだけ示している。
【0135】
この粉体採取装置1Cは、実施の形態1に係る粉体採取装置1A(
図2等を参照)と比べた場合、支持体30Aを採用せず、後述するように粉体採取器10Bを配管35
Bに着脱自在に接続する形式を採用している点で異なる。
また、この粉体採取装置1C(粉体採取器10B)が扱う粉体は、実施の形態1に係る粉体採取装置1A(粉体採取器10A)が扱う粉体と同じものであるが、異なる粉体であ
ってもよい。
【0136】
<粉体採取器の構成>
粉体採取器10Bは、
図28、
図29等に示されるように、配管35Bの被接続部56に着脱自在に取り付けられ、その配管35Bに接続させる通気路11Bを有する接続部12Bと、接続部12Bの通気路11Bを通じて達する上記吸引力により粉体が採取されて留まる通気路13を有する採取部14と、採取部14の通気路13の中途の位置に配置され、採取される粉体の通過を阻止する第1フィルタ部15と、接続部12Bの通気路11Bと採取部14との間をつなぐ通気路16を有する中継部17と、中継部17の通気路16のうち接続部12
B側になる端部に配置され、第1フィルタ部15をすり抜けた粉体の通過を阻止する第2フィルタ部18を備えている。
【0137】
この粉体採取器10Bは、実施の形態1に係る粉体採取器10A(
図1、
図6等を参照)と比べた場合、接続形式が異なる接続部12Bを採用するとともにその接続部12Bの採用で第2フィルタ部18の格納容器180
Bの一部が変更される点で相違するが、それ以外の採取部14、第1フィルタ部15、中継部17、及び第2フィルタ部18の主要部については同じ構成になっている。
また、この粉体採取器10Bは、実施の形態1における適
合用接続管25(
図5、
図6等を参照)を採用しておらず、このため採取部14を中継部17の下端部172に直接、着脱自在に取り付ける構成になっている。
【0138】
接続部12Bは、粉体採取器10Bの使用時に主に上端側に存在させる部位である。また、接続部12Bは、
図29に示されるように、配管35Bの被接続部56とワンタッチ着脱継手により接続される部位126を有している。
【0139】
ワンタッチ着脱継手により接続される部位126は、ワンタッチ着脱継手57そのもので構成されている。ワンタッチ着脱継手57としては、以下に例示するものに限定されず、公知のものを適宜選択して使用することが可能である。
実施の形態
3におけるワンタッチ着脱継手57は、例えば、円筒状の本体部571と、開放リング573と、スリーブ574と、開放リング573と弾性スリーブ574の間に存在する図示しないロック爪等で構成されている。
【0140】
本体部571は、中央部において長手方向に貫通する2段の貫通孔572が設けられている。貫通孔572は、上方側に配置される大径孔部と下方側に配置される小径孔部とで構成されている。貫通孔572の大径孔部は、開放リング573の一部、スリーブ574及びロック爪を収容して配置できる内径及び長さの孔部分になっている。また、貫通孔572の小径孔部は、接続される配管35
B側の接続補助管(58)を嵌め入れることができる内径及び長さの孔部分になっている。さらに、貫通孔572は、嵌め入れられる接続補助管(58)と接続させる通気路11Bを兼ねた貫通孔として機能する。
また、本体部571は、その下端部が、第2フィルタ部18における格納容器180Bの容器上部181Bに設けられた補助収容空間S3に対してネジ山等の手段により固定されている。
【0141】
開放リング573は、その中央部に接続対象の配管35B側の接続補助管(58)を嵌め入れることができる内径及び長さの貫通孔575を有する筒状の部材であり、一端部のフランジ部573aを除く部分が本体部571の貫通孔572における大径孔部に対して移動可能に収容されている。また、開放リング573は、本体部571の貫通孔572から突出する上端部に、貫通孔572の孔径よりも大径になるフランジ部573aが設けられている。
スリーブ574は、本体部571の貫通孔572における大径孔部の奥に存在するよう配置されているシール部材である。
ロック爪は、接続補助管(58)との接続時に、開放リング573が接続補助管(58)とともに本体部571の貫通孔572に奥側に移動すると、接続補助管(58)を固定してロックした状態に動く部材である。また、ロック爪は、接続補助管(58)の取り外し時に、開放リング573を本体部571の貫通孔572に奥側に押し込んだ状態になると、ロックした状態が解除されるように作用する部材でもある。
【0142】
容器上部181Bは、その上面側に突出する円筒状の突出部190を設けた構造のものを採用している。
突出部190は、その中央部に上下の方向に貫く貫通孔としての補助収容空間S3が設けられている。補助収容空間S3の下部には、第2フィルタ部材23の一部が収容されている。
また、突出部190は、その上端部に設けたフランジ部191と容器上部181Bの間にある外周面部分が、ロボットハンド
63(のつかみ部6
12)によりつかみ持たれる部位193として構成されている。
【0143】
一方、配管35Bの被接続部56は、粉体採取器10Bの接続部12Bとワンタッチ着脱継手により接続される取付け部560を備えている。
また、被接続部56は、ロボットハンド
63(のつかみ部6
12)によりつかみ持たれる部位を確保するつかみ補助部材565を介して配管35Bと接続されている。
【0144】
取り付け部560は、粉体採取器10Bの接続部12Bにおけるワンタッチ着脱継手57との着脱接続に使用される接続補助管58により構成されている。接続補助管58は、剛性を有する管材であり、その一部がワンタッチ着脱継手57における
開放リング573の貫通孔575と本体部571の貫通孔572の小径孔部に嵌め入れることができる外径及び長さからなる部分として使用されるものである。接続補助管58は、管結合部材355Aを介してつかみ補助部材565の下部側と接続されている。
【0145】
つかみ補助部材565は、長手方向に貫通孔を有する円筒状の部材であり、その外周部の上下方向に所要の間隔をあけて2つのフランジ部566A,566Bが設けられている。このつかみ補助部材565は、その2つのフランジ部566A,566Bの間における外周面部が、ロボットハンド53(のつかみ部6
12)や後述する着脱作業部(77)の可動シリンダに固定された保持部材の保持具(776)によりつかまれる被保持部567として構成されている。
配管35
Bは、管結合部材355Bを介してつかみ補助部材565の上部側と接続されている。
【0146】
粉体採取器10Bの接続部12Bと配管35
Bの被接続部56とのワンタッチ着脱継手57による着脱自在な接続は、次のように行われる。
【0147】
はじめに接続は、接続部12Bを構成するワンタッチ着脱継手57の開放リング573における貫通孔575に対して、配管35
Bの被接続部56を構成する接続補助管58の一部を差し込む操作をすることにより行われる。この際、接続補助管58が開放リング573の貫通孔575を通過して本体部571における貫通孔572の小径孔部の奥まで到達すると、ロック爪がロックした状態になる。これと同時に、スリーブ574が接続補助管58の外周面に密着してシールした状態になる。
これにより、接続補助管58は、ワンタッチ着脱継手57の本体部571における貫通孔572のなかで移動できない状態になって固定されるので、ワンタッチ着脱継手57を介して接続部12Bと簡単に接続される。
【0148】
一方、その接続の解除は、ワンタッチ着脱継手57の開放リング573をそのフランジ部573aに触れて本体部571の貫通孔572の中に押し込むように移動させた状態に保つと、ロック爪がロックする状態から開放された状態になるので、この状態において接続補助管58を本体部571の貫通孔572から引く抜く方向に移動させる操作をすることにより行われる。
これにより、接続補助管58は、ワンタッチ着脱継手57の本体部571における貫通孔575(実際は
開放リング573の貫通孔575を含む)内で移動できる状態になるので、その貫通孔575から完全に引き抜くことにより、接続部12Bとの接続が簡単に解除される。
【0149】
そして、粉体採取装置1Cは、
図30に示されるように、配管35Bに接続されて吸気を行う吸気装置51と、配管35Bに接続されて給気を行う給気装置52を備えている。
吸気装置51及び給気装置52に関する構成(開閉弁513,523や接続管55等を含む)は、実施の形態1における吸気装置51及び給気装置52に関する構成と同じである。
【0150】
また、粉体採取装置1C(配管35
Bと複数の粉体採取器10Bとで構成される装置)、吸気装置51及び給気装置52からなるセットは、後述するロボット装置を利用して粉体の採取等の作業を自動化して行うことができる自動粉体採取システム(6C)の一部(主にロボット装置を除く部分)を構成するシステム用品5Cとなる(
図30)。この場合も、システム用品5Cには、ロボット装置におけるロボットアームやロボットハンドを作業内容に応じて動作させるために必要な前述の制御部65に用いる制御プログラムを記憶させた記憶媒体等を含めることができる。
【0151】
<自動粉体採取システムの構成>
粉体採取装置1C(又はシステム用品5C)は、以下の自動粉体採取システム6Cの一部を構成する。
自動粉体採取システム6Cは、
図30、
図32等に示されるように、上述した粉体採取装置1C(特に吸気装置51及び給気装置52を備えた構成からなる装置)と、その粉体採取装置1Cの配管35Bに粉体採取器10
Bが着脱自在に接続されるよう取り付けられて少なくとも粉体の採取、移動及び排出の作業を行うよう作動するロボットアーム62及びロボットハンド63を有するロボット装置61とを備えて構成されている。
また、自動粉体採取システム6Cは、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合と同様に、各動作を制御する制御部65(
図7を参照)を有している。
【0152】
ロボット装置61は、実施の形態1におけるロボット装置61と同じものである。また、ロボット装置61におけるロボットハンド6
3は、粉体採取装置1Cの粉体採取器10Bにおけるつかみ持たれる部位193や配管35Bにおける被接続部56の
つかみ補助部材565(
被保持部567)を着脱自在に保持する(つかむ)ことができるようになっている。
【0153】
そして、この自動粉体採取システム6C(制御部65を含む)は、ロボット装置61を除く粉体採取装置1C、吸気装置51及び給気装置52(以上、システム用品5Cの部分)が、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合とほぼ同様に、次のように動作する。
【0154】
まず、制御部65の制御により吸気装置51を駆動させた場合には、吸気装置51が始動するとともに開閉弁513が開いた状態になり、
図31に示されるように、吸気装置51で発生する吸気の作用(
図31中の右向きの白抜き矢印)が、接続管55、配管35Bを介して粉体採取器10Bにおける各通気路11B,16,13に順次伝わり、最終的に
採取部14の下端開口13aひいては通気路13内に、気体を吸い込む吸引力F1が発生する。これにより、粉体採取器10Bが、その採取部14の通気路13内に粉体を吸引することが可能な状態になる。
また、この吸気装置51による吸気を行った場合は、その吸気により粉体採取器10Bの採取部14の下端開口13aから取り込まれて流れる気体が、粉体採取器10
Bにおける第1フィルタ部15と第2フィルタ部18をこの順番で通過することになる。
【0155】
一方、制御部65の制御により給気装置52を駆動させた場合には、給気装置52が始動するとともに開閉弁523が開いた状態になり、
図31に示されるように、給気装置52で派生する給気の作用(
図31中の左向きの白抜き矢印)が、接続管55、配管35Bを介して粉体採取器10Bにおける各通気路11B,16,13に順次伝わり、最終的に採取部14の通気路13内ひいては下端開口13aに、気体を吐き出す吐出力F2が発生する。これにより、粉体採取器10
Bでは、採取部14の通気路13内に採取されて一時的に留められている粉体を採取部14の下端開口13aから外部へ排出させることが可能になる。
また、この給気装置52による給気を行った場合は、その給気により粉体採取器10Bの接続部12Bの通気路11Bから流れ込む気体が、粉体採取器10Bにおける第2フィルタ部18と第1フィルタ部15をこの順に通過することになる。
【0156】
<自動粉体採取システムの実用例>
この自動粉体採取システム6Cは、例えば、
図32に模式的に示す作業を行うために適用することができる。
【0157】
図32に示す自動粉体採取システム6Cは、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合と同様に、複数の第1容器90A〜90Cに収容されている粉体9A〜9Cを所定の量だけ採取した後、それを他の複数の第2容器95A〜95Eにそれぞれ移し替える作業を行うために構成されたシステムである。
【0158】
自動粉体採取システム6Cは、前述した粉体採取装置1
C、吸気装置51及び給気装置52(以上が自動粉体採取システム用品5C)とロボット装置61の他に、次の構成要素が追加されて構成されている。
その構成要素とは、
図32等に示されるように、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合(
図9等を参照)とほぼ同様に、作業用テーブル70と、採取部14(第1フィルタ部15を含む)を複数本並べて取り外し自在に保持する第1ホルダー部71と、その採取部14を取り付ける前の複数の粉体採取器10Bの一部10d,10eと1つの配管35Bを並べて取り外し自在に保持する第2ホルダー部
72と、粉体採取器10Bに
おける採取部14を取り外した後の粉体採取器10Bの
一部10d,10eを洗浄する洗浄処理部75と、秤81である。
配管35Bは、図示しない吸気装置51及び給気装置52と接続されている。秤81としては電子天秤を使用し、その電子天秤の計量部82を制御部65に接続している(
図7を参照)。また、秤81の計量台811の上には、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの変形例で示した、第2容器95A全体を傾斜した状態で保持する傾斜保持部86が設けられた容器置き台85を設置している。
【0159】
また、自動粉体採取システム6Cは、次の構成要素も更に追加されて構成されている。
その構成要素とは、
図32等に示されるように、配管35B(の被接続部56)と粉体採取器10Bの一部10d,10e(の接続部12B)とを着脱させる作業を行う着脱作業部77と、粉体の採取の作業が終了したときに粉体採取器10Bの一部10d,10eに接触して振動を付与する第1の振動付与装置41と、粉体の排出の作業を行うときに粉体採取器10Bの一部10d,10eと接触して振動を付与する第2の振動付与装置42等である。
【0160】
着脱作業部77は、
図32、
図36、
図37等に示されるように、作業用テーブル70の所定の位置に固定した状態で配置される支持フレーム770と、支持フレーム770の上部に固定して設けられ、可動シリンダ772を上下方向に所要の距離だけ変位させるシリンダ駆動部771と、可動シリンダ772の先端部に固定して取り付けられ、粉体採取器10Bの一部(被保持部567)を着脱作業時に一時的に挟んで保持する保持具(チャック)776を有する保持部775と、シリンダ駆動部771に突出した状態で固定され、粉体採取器10Bの接続部12Bにおけるワンタッチ着脱継手57の
開放リング573のフランジ部573aを着脱作業時に接触して一時的に押さえる爪押さえ部778とで構成されている。
【0161】
第1の振動付与装置41は、粉体の採取作業を行う位置(粉体採取位置)の近傍の位置に配置される。第1の振動付与装置41は、例えば、作業用テーブル70における粉体採取位置の近傍の位置に固定した状態で配置される支持フレーム410と、支持フレーム410の上部に固定して設けられる振動付与部43とで構成されている。振動付与部43は、粉体採取器10Bの一部に接触する接触面部と、その接触面部に振動を伝えるように駆動する振動発生源部とを有している。振動付与部43の接触面部は、水平の横方向を向いた状態で配置されている。
第2の振動付与装置42は、粉体の排出作業を行う位置(粉体排出位置)の近傍の位置に配置される。第2の振動付与装置42は、例えば、作業用テーブル70における粉体排出位置の近傍の位置に固定した状態で配置される支持フレーム420と、支持フレーム420の上部に固定して設けられる振動付与部44とで構成されている。振動付与部44は、第1の振動付与装置41の振動付与部43と同様に、接触面部と振動発生源部を有している。振動付与部44の接触面部は、上方向を向いた状態で配置されている。
【0162】
この第1の振動付与装置41と第2の振動付与装置42は、
図7に二点鎖線で示すように、制御部65に接続されている第1の振動付与装置の駆動制御部415及び第2の振動付与装置の駆動制御
部425により動作が制御されている。
特に第2の振動付与装置42の駆動については、実施の形態1に係る自動粉体採取システムの変形例で示したように、制御部65に接続された電子天秤81の計量部82から得られる計量値のデータに基づいて制御されるよう構成されている。この場合、制御部65は、例えば、計量部82から得られる計量値のデータと第2容器95Aへの粉体の排出量(移し替えて収容すべき量)との差の値から、第2の振動付与装置42における振動の大きさ及び振動時間を調整するよう駆動制御部425を介して第2の振動付与装置42の動作をフィードバック制御するようになっている。
【0163】
<自動粉体採取システムの動作(作業)>
以下、
図32に示す自動粉体採取システム6Cの動作について説明する。この動作は、実施の形態1に係る自動粉体採取システムの場合と同様に、前述した制御部65の制御により実行される。
【0164】
まず、自動粉体採取システム6Cは、
図33に例示されるように、ロボット装置61のロボットアーム62及びロボットハンド63を作動させることにより、採取対象の粉体9Aが収容された第1容器90Aを採取作業位置に移動させる作業や、採取した粉体9Aを移し替えるために収容する第2容器95Aを秤81の計量台811にある容器置き台85に載せる作業を行う。
この作業により、最初の粉体9Aを採取する等の作業を行うための準備作業が完了する。この際、第2容器95Aは、容器置き台85の傾斜保持部86に保持されることにより、その上端開口96が傾斜した状態になるよう置かれる。
【0165】
続いて、自動粉体採取システム6Cは、
図33〜
図37に例示されるように、ロボット装置61の作動により、粉体採取装置1Cにおける配管35Bと粉体採取器10Bの一部(10d)を着脱作業部77まで移動させた後に両者を接続させる作業を行う。
【0166】
はじめに、ロボット装置61は、
図33に示されるように、ロボットハンド63(のつかみ部612)が、第2ホルダー部72にある粉体採取装置1Cにおける配管35Bのつかみ補助部材565にある被保持部567をつかんで保持する。
しかる後、ロボット装置61は、
図34に示されるように、その配管35Bを着脱作業部77まで移動させて保持部775に保持させる。このときの配管35Bは、
図37に示されるように、ロボットハンド63につかまれているつかみ補助部材565の被保持部567が、着脱作業部77における保持部775の保持具776に移し替えられるようにしてつかまれた状態になることで保持される。この際、配管35Bは、その管結合部材355Bをロボットハンド63によりつかんで着脱作業部77まで移動させられた後、その被保持部567を保持部775の保持具776につかませて保持されるようにしてもよい。
【0167】
引き続き、ロボット装置61は、
図35に示されるように、ロボットハンド63(のつかみ部612)が、第
2ホルダー部7
2にある粉体採取器10Bの一部10dのつかみもたれる部位193をつかんで保持する。
しかる後、ロボット装置61は、
図36に示されるように、その粉体採取器10Bの一部10dを着脱作業部77まで移動させた後、粉体採取器10Bの一部10dにおける接続部12Bを配管35Bの被接続部56に接続させる作業を行う。
【0168】
このときのロボット装置61は、着脱作業部77に保持されている配管35Bの被接続部56に対して、粉体採取器10Bの一部10dにおける接続部12Bを向き合わせる位置まで移動させた後、粉体採取器10Bの一部10dを上昇させて接続部12Bの通気孔11B(実際にはワンタッチ着脱継手57の開放リング573の貫通孔575)に、配管35Bの被接続部56における接続補助管58を所定の位置まで差し込んで、その状態で停止する。
しかる後、着脱作業部77は、シリンダ駆動部771を駆動させて可動シリンダ772を下降させることにより、保持部材775に保持された配管35Bのつかみ補助部材565を介して被接続部56を下降させる。これにより、配管35Bの被接続部56における接続補助管58は、粉体採取器10Bの一部10dにおける接続部12Bのワンタッチ着脱継手57の本体部571における貫通孔575に更に挿し込まれるとともに図示しないロック爪によりロックされたた状態になり、本体部571の貫通孔572内で移動不能の状態になる(
図31等を参照)。
この結果、粉体採取器10Bの一部10dにおける接続部12Bが、配管35Bの被接続部56と接続される(
図30、
図36、
図37)。
【0169】
続いて、採取システム6Cは、
図38に例示するように、ロボット装置61の作動により、配管35Bと接続された粉体採取器10Bの一部10dを着脱作業部77から取り外した後、粉体採取器10Bの一部10dにおける中継部17の下端部172に、第1ホルダー部71にある1つ目の(第1フィルタ部15が配置された)採取部14を取り付ける作業を行う。
この際、採取部14の粉体採取器10Bの一部10dへの取り付けは、ロボットハンド63につまれて保持された粉体採取器10Bの一部10dを、その中継部17の下端部172が採取部14の接続部分142に差し込まれた後に嵌合された状態になるまで移動させることにより行われる。
【0170】
以上の作業が実行されることにより、自動粉体採取システム6Cは、粉体9Aの採取等の作業を行うための自動粉体採取システムとして完成した状態になる(
図38)。
【0171】
そして、自動粉体採取システム6Cは、
図39に例示するように、ロボット装置61の作動により、ロボットハンド63に保持した粉体採取器10B(採取部14を含む)を用いて粉体9Aを採取する作業を行う。
【0172】
この際、ロボットアーム62及びロボットハンド63の作動により、粉体採取器10Bを、その採取部14が第1容器90Aの内部に入り込み、その採取部14の下端開口13aが粉体9Aの堆積した面に接近した状態又はその堆積した部分の内部に差し込まれた状態になるよう移動させる。また、この粉体採取器10Bの移動が終了した段階で、吸気装置51による吸気動作が開始される。
これにより、粉体採取器10Bにおいては、吸気装置51による吸気の作用で採取部14の通気路13に吸引力(F1)が発生し、その通気路13内に粉体9Aが吸引されて採取される。
【0173】
粉体採取器10Bの採取部14に採取された粉体9Aは、採取部14に配置された第1フィルタ部15により通過が阻止される。このため、採取された粉体9Aが、その第1フィルタ部15よりも内側に存在する他の通気路16,11Bに流れて移動することや、粉体採取器10Bよりも先にある配管35Bや接続管55側に流れて移動することが防止される。
また、粉体採取器10Bでも、仮に第1フィルタ部15をすり抜けた粉体9Aが発生しても、そのすり抜けた粉体9Aの通過が第2フィルタ部18により阻止される。このため、その採取された粉体9Aが、粉体採取器10Bの通気路11Bや、その先の配管35Bや接続管55側に流れて移動してしまうことが防止される。
【0174】
続いて、自動粉体採取システム6Cでは、
図40や
図41に例示するように、粉体9Aの採取が完了した後に、粉体採取器10Bにおける採取部14の外周面に付着した不要分の粉体9Aを振り落とす作業を行う。
【0175】
この際、ロボットアーム62の作動により、粉体採取器10Bを上方に少し持ち上げて、その採取部14の下端開口13aが第1容器90A内における粉体9Aの堆積面から離れた状態にする。また、ロボットアーム62の作動により、粉体採取器10Bの一部である中継部17が第1の振動付与装置41における振動付与部43に接触させた状態になるよう移動させた後、第1の振動付与装置41を作動させる。
図40に示す例では、ロボットアーム62が粉体採取器10Bを第1の振動付与装置41のある側に少し傾けた状態にすることにより、粉体採取器10Bの一部を第1の振動付与装置41の振動付与部43に接触させている。また、
図41に示す例では、ロボットアーム62が粉体採取器10Bを鉛直の方向に沿って起立した状態に保持して第1の振動付与装置41の側に接近させることにより、粉体採取器10Bの一部を第1の振動付与装置41の振動付与部43に接触させている。
これにより、粉体9Aの採取が完了した粉体採取器10Bは、その採取部14の外周面に付着した不要の粉体9Aが振動で振り落とされて除去される。また、振り落された粉体9Aは、第1容器90Aの内部に戻される。
【0176】
自動粉体採取システム6Cでは、
図42に例示するように、粉体9Aの採取と振動による振り落としの作業が完了した後に、ロボット装置61の作動により、ロボットハンド63の保持している粉体採取器10Bを採取部14が横に倒れた状態になるよう保持し、しかも、その状態に保持したままで粉体9Aの移動及び排出の作業を行うよう構成されている(
図42及び
図44)。
【0177】
このときロボットアーム62及びロボットハンド63は、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの変形例において示したように、粉体9Aの採取及び振り落としの作業が終了すると、その粉体採取器10Bについて、粉体9Aを採取した第1容器90Aの上方の位置で、採取部14の下端開口13aをほぼ中心(支点)にして採取器全体が90°程度の角度だけ横に倒れた状態になるよう動かして保持し直すよう作動する(
図24を参照)。
また、このときのロボットアーム62及びロボットハンド63は、
図42及び44に示すように、粉体採取器10Bを全体がほぼ水平に横たわった状態で保持したままで、粉体採取位置から粉体排出位置までの移動と、粉体の排出の作業を行うように作動する。粉体採取位置から粉体排出位置までの移動時も、吸気装置51は作動し続けて吸気を続行している。
【0178】
続いて、ロボットアーム62及びロボットハンド63は、
図43等に示すように、全体がほぼ水平に横たわった状態にある粉体採取器10Bを、その採取部14が第2容器95Aの傾斜した状態にある上端開口96から容器内部に侵入した状態になるよう移動させるとともに、その粉体採取器10Bの一部である中継部17を第2の振動付与装置42における振動付与部44に接触させた状態になるよう移動させる。
【0179】
自動粉体採取システム6Cにおける粉体9Aの排出の作業は、
図44に示すように、粉体採取器10Bの排出作業位置までの移動が終了した段階で、第2の振動付与装置42が作動して粉体採取器10Bを振動させることにより行われる。この際、給気装置52による給気動作と吸気装置51による吸気動作は、原則として行わない。ただし、採取部14に採取した粉体9A等の状態に応じては、上記振動の付与動作に加えて微小(微圧)の給気動作や吸気動作を行うように構成することも可能である。
【0180】
これにより、粉体採取器10Bは、第2の振動付与装置42から付与される振動により採取部14の通気路13内に採取されて留まっていた粉体9Aが振動により揺さぶられて流動化することにより通気路13内で移動し、下端開口13aから微量ずつ順次安定して排出されて第2容器95Aの内部に収容される。
このときの第2の振動付与装置42は、前述した制御部65及び駆動制御部425によるフィードバック制御により作動する。つまり、第2の振動付与装置42で発生させる振動の大きさ及び振動時間が、秤81の計量部82から得られる計量値のデータと第2容器95Aへの粉体9Aの排出設定量との差の値に応じて適宜調整される。
この結果、第2容器95Aには、粉体採取装置1Cの粉体採取器10Bで採取した所定量(例えば
図45における秤81の表示部812に示される0.030g)の粉体9Aが正確に安定して収容される。
【0181】
そして、自動粉体採取システム6Cは、粉体9Aの採取、移動及び排出の作業を行う動作(
図39から
図44に示す作業の動作)がすべて終了すると、
図45に例示するように、ロボット装置61の作動により、使用済みの粉体採取器10Bを洗浄処理部75の洗浄位置まで移動させる。
しかる後、洗浄処理部75では、粉体採取器10Bから使用済みの採取部14を取り外す作業と、採取部14を取り外した後の粉体採取器10Bの一部10dを洗浄する作業が行われる。
【0182】
この際、使用済みの粉体採取器10Bは、ロボット装置61の作動により、その採取部14を先頭にして洗浄処理部75の処理筒部751内に差し入れられた状態になる位置(取り外し位置と洗浄する位置)まで移動させる。
この移動が終了した後に、採取部14の取り外し作業が行われる。採取部14の取り外しは、例えば、採取部14の上端部を処理筒部751内に設ける図示しない引っ掛け部に引っ掛けた状態にしたうえで、粉体採取器10Bの一部10dをロボットアーム62により上方に持ち上げることにより行われる。この動作により、採取部14が粉体採取器10Bの一部10dから自動で引き抜かれる。
続いて、採取部14の取り外しが終了した段階で、給気装置52を作動させて給気動作を開始させることにより洗浄作業が行われる。また、洗浄処理部75が処理筒部751と接続される吸引装置を装備している場合は、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合と同様に、その吸引装置を作動させて吸引動作を単独で行うか又は上記給気装置52による給気動作と併せて行う。
【0183】
また、この自動粉体採取システム6Cは、次の異なる種類の粉体9Bを採取する等の作業を行うときには、以下のように動作する。
【0184】
まず、自動粉体採取システム6Cは、
図46に例示するように、ロボット装置61の作動により、使用済みの粉体採取器10Bの一部10dを着脱作業部77に移動させた後、着脱作業部77を作動させることにより粉体採取器10Bの一部10dを配管35Bから取り外す作業を行う。
【0185】
この際、使用済みの粉体採取器10Bの一部10dは、ロボットアーム62等の動作により、接続部12Bのワンタッチ式着脱継手57における開放リング573のフランジ部573aが着脱作業部77における固定された爪押さえ部材778に下方側から接触して押さえ付けられた状態にされた後、その開放リング573が継手57の本体部571の貫通孔572の中に押し込まれた状態になるよう少し持ち上げられる。これにより、ワンタッチ式着脱継手57では、配管35Bの被接続部56における接続補助管58をロックする図示しないロック爪がロック状態を解除した状態になる。
一方、着脱作業部77における保持部材775に保持された配管35Bは、着脱作業部77のシリンダ駆動部771の駆動で可動シリンダ772を少し上昇させることにより、その被接続部56における接続補助管58が保持部材775とともに少し上昇移動させられる。これにより、配管35Bの被接続部56における接続補助管58は、接続部12Bのワンタッチ式着脱継手57における貫通孔572から引き抜くことが可能な状態におかれる。
この結果、粉体採取器10Bの一部10dは、その接続部12Bが配管35Bの被接続部56との接続から開放されて引き離すことができる。この場合、配管35Bは、着脱作業部77に保持させたままで置かれる。
【0186】
続いて、自動粉体採取システム6Cは、
図47に例示するように、ロボット装置61の作動により、使用済みの粉体採取器10Bの一部10dを第2ホルダー部72に戻す作業を行う。
しかる後、
図47に例示するように、ロボットアーム62とロボットハンド63を作動させることにより、先に扱った第1容器90Aや粉体9Aを移し替えて収容した第2容器95Aを元の位置にそれぞれ戻す作業や、次の粉体9Bが収容されている第1容器90Bを採取作業位置に移動する作業や、次の粉体9Bを移し替えるために収容する第2容器95Bを秤81の計量台811にある容器置き台85に乗せる作業を行う。
【0187】
続いて、自動粉体採取システム6Cは、
図48に例示されるように、ロボットアーム62及びロボットハンド63を作動させることにより、第2ホルダー部72にある別の粉体採取器10Bの一部10eを取り出して着脱作業部77に移動させた後、着脱作業部77を作動させることにより粉体採取器10Bの一部10eを配管35Bに接続させる作業を行う。
しかる後、自動粉体採取システム6Cは、
図49に例示するように、配管35Bと接続させた粉体採取器10Bの一部10eに、第1ホルダー部71にある新しい2つ目の(第1フィルタ部15が配置された)採取部14を取り付ける作業を行う。
【0188】
自動粉体採取システム6Cでは、このように粉体採取器10Bの一部10eを交換して使用することにより、例えば、粉体9Bの採取等の作業を行う際に以前の粉体9Aを採取する等の作業に使用していた粉体採取器10B(又はその一部10d)を再使用した場合のように、その粉体採取器10B(又はその一部10d)の第2フィルタ部18に在留付着していた粉体9Aが、粉体9Bの排出等の作業において第2容器95Bに混入することがなくなる。
また、自動粉体採取システム6Cでは、新たな採取部14を取り付けた粉体採取器10Bを交換して使用することにより、例えば、以前の粉体9Aを採取する等の作業に使用していた採取部14や第1フィルタ部15を再使用した場合のように、その採取部14や第1フィルタ部15に残留付着していた以前の粉体9Aが、次に扱う粉体9Bの採取、排出等の作業において第2容器95Bに混入することがない。
したがって、この自動粉体採取システム6Cによれば、種類の異なる粉体(例えば粉体9B)の採取、排出等の作業を行う際に異物(例えば粉体9A)が混入することが確実に防止される。
【0189】
以上の作業が実行されることにより、自動粉体採取システム6Cは、粉体9Bの採取等の作業を行うための自動粉体採取システムとして完成した状態になる(
図49)。
【0190】
この後の自動粉体採取システム6Cは、
図50に例示するように、ロボットハンド63に保持した新たな粉体採取器10B(粉体採取器の一部10eと新たな採取部14とで構成される粉体採取器)により、第1容器90Bに収容されている粉体9Bを採取する作業を行う。
これ以降の動作は、前述した粉体9Aの採取、移動、排出、洗浄等の作業時における各動作と同様に行われる。
なお、この自動粉体採取システム6Cにおいても、前述した実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合と同様に扱うことや対応が可能である。
【0191】
以上説明したように、粉体採取器10Bを用いる粉体採取装置1Cや、その粉体採取装置1C等を用いて構成される自動粉体採取システム6Cによれば、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合と同様に、種類の異なる粉体9を採取する等の作業を、他種の粉体等の異物が混入することを簡易に防止して効率よく(又は自動で効率よく安定して)行うことができる。
また、この自動粉体採取システム6Cによっても、実施の形態1に係る自動粉体採取システム6Aの場合と同様に、人体に有害な粉体を採取する等の作業が必要な場合であっても、その作業に人がかかわることがないため、その作業を人体への影響を心配することなく自動で効率よく行うことができる。
【0192】
なお、実施の形態4に係る自動粉体採取システム6Cにおいては、洗浄処理部75等の洗浄する位置に移動された粉体採取器10Bの一部に接触して振動を付与する第3の振動付与装置を配置し、そのときの粉体採取器10
Bに第3の振動付与装置により振動を付与するよう構成してもよい。
この振動付与処理を洗浄処理時に併せて行うことにより、使用済みの粉体採取器10Bに付着している粉体が除去されやすくなる。第3の振動付与装置としては、例えば、第1の振動付与装置41や第2の振動付与装置42の場合とほぼ同様に、粉体採取器10Bの一部に接触して振動を付与する部位を備えた装置を用いることができる。
【0193】
[実施の形態4]
図51及び
図52は、実施の形態4に係る自動粉体採取システム6D等を示している。
図51はその自動粉体採取システム6Dの概要を示し、
図52はその自動粉体採取システム6Dを構成する粉体採取装置1D及びシステム用品5Dを示している。
【0194】
<自動粉体採取システムの構成>
自動粉体採取システム6Dは、
図52に示される粉体採取装置1D(特に吸気装置51及び給気装置52を備えた構成からなるシステム用品5D)と、その粉体採取装置1Dの配管35Cに粉体採取器10Cが取り付けられて少なくとも粉体の採取、移動及び排出の作業を行うよう作動するロボットアーム62及びロボットハンド63を有するロボット装置61とを備えて構成されている。
【0195】
図51に示す自動粉体採取システム6Dは、実施の形態1、3に係る自動粉体採取システム6A、6Cの場合と同様に、複数の第1容器90A〜90Cに収容されている粉体9A〜9Cを所定の量だけ採取した後、それを他の複数の第2容器95A〜95Eにそれぞれ移し替える作業を行うために構成されて使用できるシステムである。
また、
図51に示す自動粉体採取システム6Dは、実施の形態3に係る自動粉体採取システム6C(
図32を参照)と対比した場合、粉体採取器10Cを用いる粉体採取装置1Dと粉体採取器10Cの一部10fを保持する第4ホルダー部74とを採用する一方で着脱作業部77を採用していない点で異なるが、それ以外の部分については同じ構成になっている。粉体採取器10Cの一部10fは、採取部14を取り付ける前の残りの部分である。
【0196】
<粉体採取装置の構成>
粉体採取装置1Dは、
図52等に示されるように、被接続部56を有する吸気及び給気用の配管35Cと、その配管35Cに取り付けられて使用され、配管35Cからの吸気による吸引力を利用して粉体を採取するとともに配管35Cからの給気による吐出力を利用して採取した粉体を排出させる複数の粉体採取器10Cとを少なくとも有する装置である。
図52では、複数の粉体採取器10Cについて便宜上1つだけ示している。
【0197】
この粉体採取装置1Dは、実施の形態3に係る粉体採取装置1C(
図28、
図30等を参照)と比べた場合、後述するように第1のフィルタ部15のみを備えた粉体採取器10Cに変更している点とその粉体採取器10Cと配管35Cとを着脱自在な接続形式にしていない点で異なる。
また、この粉体採取装置1D(粉体採取器10C)が扱う粉体は、実施の形態1に係る粉体採取装置1A(粉体採取器10A)が扱う粉体と同じものであるが、異なる粉体であってもよい。
【0198】
<粉体採取器の構成>
粉体採取器10Cは、
図52、
図53等に示されるように、配管35Cに取り付けられ、その配管35Cに接続させる通気路11Cを有する接続部12Cと、接続部12Cの通気路11Cを通じて達する上記吸引力により粉体が採取されて留まる通気路13を有する採取部14と、採取部14の通気路13の中途の位置に配置され、採取される粉体の通過を阻止する第1フィルタ部15と、接続部12Bの通気路11Cと採取部14との間をつなぐ通気路16を有する中継部17を備えている。
【0199】
この粉体採取器10Cは、実施の形態1〜3に係る粉体採取器10A、10B(
図1、
図6、
図29等を参照)と比べた場合、第2フィルタ部18を採用していない点と、支持体30A,30B又は配管35Cとの接続に着脱自在な接続方式を採用していない点で異なるが、それ以外の採取部14、第1フィルタ部15及び中継部17の主要部については同じ構成になっている。
また、この粉体採取器10Cは、実施の形態3に係る粉体採取器10Bの場合と同様に、適
合用接続管25(
図5、
図6等を参照)を採用しておらず、このため採取部14を中継部17の下端部172に直接、着脱自在に取り付ける構成になっている。
【0200】
接続部12Cは、粉体採取器10Cの使用時に主に上端側に存在させる部位である。
実施の形態4における接続部12Cは、
図52、
図53等に示されるように、円柱状の構造体からなり、その中央部に上下に貫通する2段の貫通孔128が通気路11Cとして設けられている。2段の貫通孔128は、上方側に配置されて配管35Cとの接続に使用される大径の貫通孔128Aと、下方側に配置されて中継部17との接続に使用される小径の貫通孔128
Cとで構成されている。
またこの接続部12Cは、円柱状の構造体における外周面の上下に所要の距離をあけて2つのフランジ部129A,129Bが設けられており、その2つのフランジ部129A,129Bの間にある外周面部がロボットハンド53(のつかみ部6
12)によりつかみ持たれる部位130として構成されている。
【0201】
配管35Cは
、粉体採取器10Cと接続する側の端部に管結合部材355Bが取り付けられている。
管結合部材355Bは、中央部に上下方向に貫通する貫通孔356が設けられた筒状の部材であり、その貫通孔356に配管35Cの一端部を嵌め入れて固定するようになっている。また、管結合部材355
Bは、その下端部が、粉体採取器10Cの接続部12Cにおける大径の貫通孔128Aに対してネジ山等の手段により嵌め入れて固定されるようになっている。
【0202】
そして、粉体採取装置1Dは、
図52に示されるように、配管35Cに接続されて吸気を行う吸気装置51と、配管35Cに接続されて給気を行う給気装置52を備えている。
吸気装置51及び給気装置52に関する構成(開閉弁513,523や接続管55等を含む)は、実施の形態1における吸気装置51及び給気装置52に関する構成と同じである。
【0203】
<自動粉体採取システムの動作(作業)>
図51に示す自動粉体採取システム6Dは、以下のように動作する。このときの動作は、実施の形態1、3に係る自動粉体採取システムの場合と同様に、前述した制御部65の制御により実行される。
【0204】
まず、自動粉体採取システム6Dは、
図54に例示されるように、ロボット装置61のロボットアーム62及びロボットハンド63を作動させることにより、採取対象の粉体9Aが収容された第1容器90Aを採取作業位置に移動させる作業や、採取した粉体9Aを移し替えるために収容する第2容器95Aを秤81の計量台811にある容器置き台85に載せる作業を行う。
この作業により、最初の粉体9Aを採取する等の作業を行うための前準備が完了する。
【0205】
続いて、自動粉体採取システム6Dは、
図54に例示されるように、ロボット装置61の作動により、第4ホルダー部74にある配管35Cと接続された状態の粉体採取器10Cの一部10fを保持して取り外した後、粉体採取器10Cの一部10fにおける中継部17の下端部172に、第1ホルダー部71にある1つ目の(第1フィルタ部15が配置された)採取部14を取り付ける作業を行う。
【0206】
以上の作業が実行されることにより、自動粉体採取システム6Dは、粉体9Aの採取等の作業を行うための自動粉体採取システムとして完成した状態になる(
図54)。
【0207】
そして、自動粉体採取システム6Dは、
図55に例示するように、ロボット装置61の作動により、ロボットハンド63に保持した粉体採取器10B(採取部14を含む)を用いて粉体9Aを採取する作業を行う。
【0208】
この際、ロボットアーム62及びロボットハンド63の作動により、粉体採取器10Cを、その採取部14が第1容器90Aの内部に入り込み、その採取部14の下端開口13aが粉体9Aの堆積した面に接近した状態又はその堆積した部分の内部に差し込まれた状態になるよう移動させる。また、この粉体採取器10Cの移動が終了した段階で、吸気装置51による吸気動作が開始される。
これにより、粉体採取器10Cにおいては、吸気装置51による吸気の作用で採取部14の通気路13に吸引力(F1)が発生し、その通気路13内に粉体9Aが吸引されて採取される。
粉体採取器10Cの採取部14に採取された粉体9Aは、採取部14に配置された第1フィルタ部15により通過が阻止される。このため、採取された粉体9Aが、その第1フィルタ部15よりも内側に存在する他の通気路16,11Cに流れて移動することや、粉体採取器10Cよりも先にある配管35Cや接続管55側に流れて移動することが防止される。
【0209】
続いて、自動粉体採取システム6Dでは、
図56に例示するように、粉体9Aの採取が完了した後に、粉体採取器10Cにおける採取部14の外周面に付着した不要分の粉体9Aを振り落とす作業を行う。
【0210】
この際、ロボットアーム62の作動により、粉体採取器10Cを上方に少し持ち上げて、その採取部14の下端開口13aが第1容器90A内における粉体9Aの堆積面から離れた状態にする。また、ロボットアーム62の作動により、粉体採取器10Cの一部である中継部17が第1の振動付与装置41における振動付与部43に接触させた状態になるよう移動させた後、第1の振動付与装置41を作動させる。
これにより、粉体9Aの採取が完了した粉体採取器10Cは、その採取部14の外周面に付着した不要の粉体9Aが振動で振り落とされて除去される。また、振り落された粉体9Aは、第1容器90Aの内部に戻される。
【0211】
自動粉体採取システム6Dでは、
図57に例示するように、粉体9Aの採取と振動による振り落としが完了した後に、ロボット装置61の作動により、ロボットハンド63の保持している粉体採取器10Cを採取部14が横に倒れた状態になるよう保持し、しかも、その状態に保持したままで粉体9Aの移動及び排出の作業を行うよう構成されている(
図57及び
図58)。このときの各動作の内容は、実施の形態3に係る自動粉体採取システム6Cにおける各動作の内容(
図42〜
図44)と同じである。
【0212】
例えば、ロボットアーム62及びロボットハンド63は、
図58等に示すように、全体がほぼ水平に横たわった状態にある粉体採取器10Cを、その採取部14が第2容器95Aの傾斜した状態にある上端開口96から容器内部に侵入した状態になるよう移動させるとともに、その粉体採取器10Cの一部である中継部17を第2の振動付与装置42における振動付与部44に接触させた状態になるよう移動させる。
また、粉体9Aの排出の作業は、
図58に示すように、粉体採取器10Bの排出作業位置までの移動が終了した段階で、第2の振動付与装置42が作動して粉体採取器10Bを振動させることにより行われる。この際、給気装置52による給気動作と吸気装置51による吸気動作は、実施の形態3に係る自動粉体採取システム6Cの場合と同様に、原則として行われない。
【0213】
そして、自動粉体採取システム6Dは、粉体9Aの採取、移動及び排出の作業を行う動作(
図55から
図58に示す作業の動作)がすべて終了すると、
図59に例示するように、ロボット装置61の作動により、使用済みの粉体採取器10Cを洗浄処理部75の洗浄位置まで移動させる。
しかる後、洗浄処理部75では、粉体採取器10Cから使用済みの採取部14を取り外す作業と、採取部14を取り外した後の粉体採取器10Cの一部10fを洗浄する作業が行われる。
このときの動作の内容は、実施の形態3に係る自動粉体採取システム6Cにおける動作の内容(
図45)と同じである。
【0214】
また、この自動粉体採取システム6Dは、次の異なる種類の粉体9Bを採取する等の作業を行うときには、以下のように動作する。
【0215】
まず、自動粉体採取システム6Cは、
図60に例示するように、ロボット装置61の作動により、洗浄した使用済みの粉体採取器10Cの一部10fを第4ホルダー部74に戻
す作業を行う。
しかる後、
図61に例示するように、ロボットアーム62とロボットハンド63を作動させることにより、先に扱った第1容器90Aや粉体9Aを移し替えて収容した第2容器95Aを元の位置にそれぞれ戻す作業や、次の粉体9Bが収容されている第1容器90Bを採取作業位置に移動する作業や、次の粉体9Bを移し替えるために収容する第2容器95Bを秤81の計量台811にある容器置き台85に乗せる作業を行う。
【0216】
続いて、自動粉体採取システム6Dは、
図61に例示されるように、ロボットアーム62及びロボットハンド63を作動させることにより、配管35Cと接続されたままの粉体採取器10Cの一部10fに、第1ホルダー部71にある新しい2つ目の(第1フィルタ部15が配置された)採取部14を取り付ける作業を行う。
【0217】
自動粉体採取システム6Dでは、新たな採取部14を取り付けた粉体採取器10Cを交換して使用することにより、例えば、以前の粉体9Aを採取する等の作業に使用していた採取部14や第1フィルタ部15を再使用した場合のように、その採取部14や第1フィルタ部15に残留付着していた以前の粉体9Aが、次に扱う粉体9Bの採取、排出等の作業において第2容器95Bに混入することがない。
したがって、この自動粉体採取システム6Dによれば、種類の異なる粉体(例えば粉体9B)の採取、排出等の作業を行う際に異物(例えば粉体9A)が混入することが防止又は抑制される。
【0218】
以上の作業が実行されることにより、自動粉体採取システム6Dは、粉体9Bの採取等の作業を行うための自動粉体採取システムとして完成した状態になる(
図61)。
【0219】
この後の自動粉体採取システム6Dは、
図62に例示するように、ロボットハンド63に保持した新たな粉体採取器10C(粉体採取器の一部10fと新たな採取部14とで構成される粉体採取器)により、第1容器90Bに収容されている粉体9Bを採取する作業を行う。
これ以降の動作は、前述した粉体9Aの採取、移動、排出、洗浄等の作業時における各動作と同様に行われる。
【0220】
以上説明したように、粉体採取器10Cを用いる粉体採取装置1D等により構成される自動粉体採取システム6Dによれば、粉体の採取等の作業や種類の異なる粉体9を採取する等の作業を、簡易な構成でもって自動化して効率よく行うことができる。また、この自動粉体採取システム6Dによれば、実施の形態1、3に係る自動粉体採取システム6A、6Cの場合とほぼ同様に、種類の異なる粉体9を採取する等の作業を、他種の粉体等の異物が混入することを簡便に抑制して効率よく(又は自動で効率よく安定して)行うことができる。
また、この自動粉体採取システム6Dによっても、実施の形態1、3に係る自動粉体採取システム6A、6Cの場合と同様に、人体に有害な粉体を採取する等の作業が必要な場合であっても、その作業に人がかかわることがないため、その作業を人体への影響を心配することなく自動で効率よく行うことができる。
【0221】
<自動粉体採取システムの変形例>
実施の形態4に係る自動粉体採取システム6Dは、その一部の構成について以下に例示するように変更することが可能である。
【0222】
例えば、自動粉体採取システム6Dは、粉体採取装置1D(
図52等を参照)における配管35Cと粉体採取器10Cとの接続形式に代えて、実施の形態3に係る粉体採取装置1Cにおける配管35Bと粉体採取器10Bとの接続形式(
図29及び
図30を参照)を採用してもよい。つまり、配管35Cと粉体採取器10Cとの接続形式について、ワンタッチ着脱継手(57)により着脱自在に接続される形式に変更することも可能である。
この場合、自動粉体採取システム6Dにおいては、第4ホルダー部74に代えて、実施の形態3に係る自動粉体採取システム6C(
図33等を参照)において用いた配管35Bと粉体採取器10Bの一部10d等を設置する第2ホルダー部72と着脱作業部77を採用すればよい。
【0223】
また、自動粉体採取システム6Dは、洗浄処理部75等の洗浄する位置に移動された粉体採取器10Cの一部に接触して振動を付与する第3の振動付与装置を配置し、そのときの粉体採取器10Cに第3の振動付与装置により振動を付与するよう構成してもよい。この振動付与処理を洗浄処理時に併せて行うことにより、使用済みの粉体採取器10Cに付着している粉体が除去されやすくなる。
【0224】
さらに、自動粉体採取システム6Dは、洗浄処理部75等の洗浄する位置に移動された粉体採取器10C(の静電気、電荷)を除電する除電装置を配置し、そのときの粉体採取器10Cを除電装置により除電処理するよう構成することもできる。この除電処理を洗浄処理時に併せて行うことにより、使用済みの粉体採取器10Cに静電気により付着している粉体が除去されやすくなる。
自動粉体採取システム6Dは、上記第3の振動付与装置と上記除電装置を併設し、使用済みの粉体採取器10Cを洗浄するときに振動付与処理と除電処理を併せて行うように構成することもできる。
【0225】
[他の実施の形態]
実施の形態1〜3では、粉体採取器10A,10Bとして、第2フィルタ部18を中継部17の上端部に(格納容器180を介して)設けた構成例を示したが、粉体採取器10A,10Bとしては、第2フィルタ部18を中継部17の中途の位置に配置するように構成しても構わない。
【0226】
また、実施の形態1〜3では、粉体採取器10A,10Bにおける第2フィルタ部18として、接続部12の下端部に形成した容器上部181と中継部17の上端部に形成した容器下部183とを合体させた構造の格納容器180内に第2フィルタ部材23を格納してなる構成例を示したが、次の構成からなる第2フィルタ部18を採用してもよい。
例えば、第2フィルタ部材23が格納容器180のような容器(収容ケース)に予め収容されているフィルタ構造物がある場合は、その格納容器180を設けず、そのフィルタ構造物を接続部12の下端部と中継部17の上端部に直接、あるいは取り付け用の接続管を介して取り付けて構成される第2フィルタ部18を適用してもよい。また、第2フィルタ部材23を、格納容器180に格納することなく、例えば中継部17の通気路16内に直接設置することで構成される第2フィルタ部18を適用してもよい。
【0227】
さらに、実施の形態1、2では、粉体採取器10Aにおける接続部12として、支持体30
Aの取付け部33と磁力を利用して着脱自在に取り付ける構成例を示したが、他の着脱手段、例えばネジ(ネジ山)による固定手段等を採用した接続部12(及び取付け部33)を採用してもよい。また、実施の形態1〜4では、粉体採取器10Aにおける採取部14として、中継部17に対して直接又は適合用接続管25を介在させて着脱自在に取り付けて使用するものを例示したが、中継部17に固定されて交換できない構成からなる採取部14を採用してもよい。
【0228】
この他にも、粉体採取装置1A、1Bにおける支持体30A、30Bとしては、振動装置37を装備しない構成を採用しても構わない。なお、粉体採取器10Aにおける余分な粉体を振動による振り落としや、採取した粉体の粉体採取器10Aから振動を利用した排出補助や微量排出が要求される場合は、振動装置37を装備した支持体30A、30Bを適用することが好ましい。
【0229】
また、粉体採取装置1A,1C,1Dや自動粉体採取システム6A,6C,6Dとしては、
図3、
図7、
図8、
図26、
図30及び
図52に例示するように、粉体採取器10に支持体30
Aの配管35を介して洗浄用の水を給水する給水装置53を増設した構成を採用してもよい。
図3、
図8、
図26、
図30及び
図52においては、給水装置53を支持体30の配管35や単独の配管35B,35Cに接続管55を介して接続する構成や、その接続管55の途中に開閉弁533を設ける構成を示している。また、
図7においては、システム6の制御部65に対して給水装置53の駆動を制御する給水装置の駆動制御部535を追加して接続する構成を示している。
この給水装置53を増設した場合は、使用済みの採取部14を取り外した後の各粉体採取器10の一部を洗浄する際、その粉体採取器10の一部にむけて給水装置53から給水(
図8,
図31等に示す左向きの黒塗矢印)し、粉体採取器10の一部に水の洗浄力M1を作用させて通気路等の洗浄を行うことができる。