【文献】
Drug Design, Development and Therapy,2016年 5月 9日,Vol.10,pp.1619-1626
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該グルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体の重量比は1:10〜10:1、1:9〜9:1、1:4〜4:1、3:7〜7:3、2:3〜3:2、3:4〜4:3、または4:5〜5:4である、請求項1又は請求項2に記載の固体分散体。
該錠剤は、120mg〜180mgの化合物HMS5552の固体分散体、33.1mg〜151.6mgのケイ化微結晶セルロース、1.4mg〜27.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、1.4mg〜20.6mgのクロスカルメロースナトリウム、および0.7mg〜13.8mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項7に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、150mgの化合物HMS5552の固体分散体、112.5mgのケイ化微結晶セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、2.5mgのクロスカルメロースナトリウム、および2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は75mgの化合物HMS5552を含む、請求項8に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、170mg〜230mgの化合物HMS5552の固体分散体、2.5mg〜71.9mgのケイ化微結晶セルロース、1.2mg〜24.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、1.2mg〜18.4mgのクロスカルメロースナトリウム、および0.6mg〜12.3mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項7に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、200mgの化合物HMS5552の固体分散体、32.5mgのケイ化微結晶セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、2.5mgのクロスカルメロースナトリウム、および2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は100mgの化合物HMS5552を含む、請求項10に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、40mg〜60mgの化合物HMS5552の固体分散体、188.0mg〜276.0mgのケイ化微結晶セルロース、1.6mg〜32.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、1.6mg〜24.0mgのクロスカルメロースナトリウム、および0.8mg〜16.0mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項7に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、50mgの化合物HMS5552の固体分散体、257.5mgのケイ化微結晶セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、2.5mgのクロスカルメロースナトリウム、および2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は25mgの化合物HMS5552を含む、請求項12に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、40mg〜60mgの化合物HMS5552の固体分散体、188.0mg〜276.0mgのケイ化微結晶セルロース、1.6mg〜32.0mgのヒプロメロース、1.6mg〜24.0mgのデンプングリコール酸ナトリウム、および0.8mg〜16.0mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項7に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、50mgの化合物HMS5552の固体分散体、239.6mgのケイ化微結晶セルロース、16.0mgのヒプロメロース、11.2mgのデンプングリコール酸ナトリウム、および3.2mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は25mgの化合物HMS5552を含む、請求項14に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、170mg〜230mgの化合物HMS5552の固体分散体、2.5mg〜71.9mgの乳糖一水和物、1.2mg〜24.5mgのポリビニルピロリドン、1.2mg〜18.4mgのクロスカルメロースナトリウム、および0.6mg〜12.3mgのフマル酸ステアリルナトリウムを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項7に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、200mgの化合物HMS5552の固体分散体、27.5mgの乳糖一水和物、12.5mgのポリビニルピロリドン、5.0mgのクロスカルメロースナトリウム、および5.0mgのフマル酸ステアリルナトリウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は100mgの化合物HMS5552を含む、請求項16に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、100mgの化合物HMS5552の固体分散体、183.5mgの微結晶セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、6.0mgのクロスカルメロースナトリウム、及び3.0mgのステアリン酸マグネシウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は50mgの化合物HMS5552を含む、請求項7に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該コーティング錠剤は、80mg〜120mgの化合物HMS5552の固体分散体、112.5mg〜216.3mgのケイ化微結晶セルロース、1.5mg〜30.0mgのヒドロキシプロピルセルロース、1.5mg〜22.5mgのクロスカルメロースナトリウム、0.8mg〜15.0mgのステアリン酸マグネシウムおよび3.0mg〜30.0mgのオパドライを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項19に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、100mgの化合物HMS5552の固体分散体、187.5mgのケイ化微結晶セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、2.5mgのクロスカルメロースナトリウム、2.5mgのステアリン酸マグネシウムおよび9mgのオパドライを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は50mgの化合物HMS5552を含む、請求項20に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該コーティング錠剤は、120mg〜180mgの化合物HMS5552の固体分散体、33.1mg〜151.6mgのケイ化微結晶セルロース、1.4mg〜27.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、1.4mg〜20.6mgのクロスカルメロースナトリウム、0.7mg〜13.8mgのステアリン酸マグネシウムおよび2.75mg〜27.5mgのオパドライを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項19に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該錠剤は、150mgの化合物HMS5552の固体分散体、112.5mgのケイ化微結晶セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロース、2.5mgのクロスカルメロースナトリウム、2.5mgのステアリン酸マグネシウムおよび8.25mgのオパドライを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は75mgの化合物HMS5552を含む、請求項22に記載のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤。
該カプセル剤は、80mg〜120mgの化合物HMS5552の固体分散体、150.0mg〜218.5mgのケイ化微結晶セルロース、1.5mg〜22.5mgのクロスカルメロースナトリウムを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項24に記載のグルコキナーゼ活性化剤のカプセル剤。
該カプセル剤は、100mgの化合物HMS5552の固体分散体、192.5mgのケイ化微結晶セルロース、7.5mgのクロスカルメロースナトリウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は50mgの化合物HMS5552を含む、請求項25に記載のグルコキナーゼ活性化剤のカプセル剤。
該カプセル剤は、80mg〜120mgの化合物HMS5552の固体分散体、129.8mg〜196.1mgのケイ化微結晶セルロース、1.4mg〜27.8mgのヒドロキシプロピルセルロースを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項24に記載のグルコキナーゼ活性化剤のカプセル剤。
該カプセル剤は、100mgの化合物HMS5552の固体分散体、170mgのケイ化微結晶セルロース、7.5mgのヒドロキシプロピルセルロースを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は50mgの化合物HMS5552を含む、請求項27に記載のグルコキナーゼ活性化剤のカプセル剤。
該カプセル剤は、40mg〜60mgの化合物HMS5552の固体分散体、217.5mg〜258.5mgのケイ化微結晶セルロース、1.5mg〜22.5mgのクロスカルメロースナトリウムを含み、該固体分散体中の化合物HMS5552とポリマー担体の割合は、1:1である、請求項24に記載のグルコキナーゼ活性化剤のカプセル剤。
該カプセル剤は、50mgの化合物HMS5552の固体分散体、247.5mgのケイ化微結晶セルロース、2.5mgのクロスカルメロースナトリウムを含み、該化合物HMS5552の固体分散体は25mgの化合物HMS5552を含む、請求項29に記載のグルコキナーゼ活性化剤のカプセル剤。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、空腹時および食後の血糖調節、グルコキナーゼの標的および作用機構、人体内の分布、ならびに血糖調節センサーの機能などを含む糖尿病患者の一日中の血糖変動の特徴に合わせて、薬物動態学(Pharmacokinetics,PK)と薬力学(Pharmacodynamics,PD)を適合・合致(PK/PD Correlation)させている、グルコキナーゼ活性化剤に適した経口製剤を設計・発明した。
【0009】
グルコキナーゼの主要な標的器官が肝臓、膵臓および腸管に分布していることから、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤がそれぞれの標的器官においてその標的を適時あるいは同時に活性化することの実現に注目し、薬品の有効性と安全性を確保する。
【0010】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤の設計思想は、1)胃内での放出を適切に減少させ、小腸内での放出を迅速に行うこと、2)小腸のpH環境を利用してグルコキナーゼ活性化剤の放出と吸収を調節することである。グルコキナーゼ活性化剤は、ヒトの小腸で迅速に放出され、薬物が適時あるいは同時に腸管、膵島および肝臓などの標的器官に到達することに役立ち、複数の部位で同一の標的に対して相乗的に血糖を低下させる臨床上の利点を実現し、より良い治療効果と毒副作用の低減効果を発揮する。
【0011】
そこで、本発明の一つの目的は、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤、具体的には、グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体と賦形剤を含む放出制御型経口製剤、およびその製造方法である。
【0012】
本発明の別の目的は、グルコキナーゼ活性化剤を含む固体分散体であり、その固体分散体の組成、製造方法及びポリマー担体の種類を含む。
【0013】
本発明の別の目的は、グルコキナーゼ活性化剤を含む固体分散体組成物であり、本発明の固体分散体と賦形剤を含む。
【0014】
さらに、本発明の別の目的は、放出制御型経口製剤、固体分散体、または固体分散体組成物を含む前記グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤を用いて、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能低減、空腹時血糖異常および高血糖からなる群から選択される1つ以上の疾患を治療および/または予防する方法、ならびに使用である。
【0015】
当業者は、本文の説明および実施例によって本発明の他の目的を明らかにすることができる。
【0016】
定義
本明細書中で使用される場合、用語「約」とは、±5%の補正可能な値を指す。
【0017】
重量%(wt%)は、固体分散体の全重量に占める割合を表す。
【0018】
固体分散体(solid dispersion,SD)とは、1種以上の薬物の活性成分を不活性な添加物または担体に高度に分散して形成された固体分散システムである。固体分散体では、薬物が担体の中に分子、コロイド、微結晶、アモルファスまたは混合方式などの形態で存在する(Naveen Dutt Dixit, Suneel Kumar Niranjan.A REVIEW:SOLID DISPERSION.WORLD JOURNAL OF PHARMACY AND PHARMACEUTICAL SCIENCES,2014,Vol 3,Issue 9:238−257.)。固体担体中の薬物分子の分布によると、固体分散体のタイプは、共融混合物、連続固溶体および不連続固溶体を含む固溶体、置換型固溶体、侵入型固溶体、アモルファス固溶体、ガラス化溶液やガラス化懸濁液などを含む(Shrawan Baghel, Helen Cathcart,Niall J.O’Reilly.Polymeric Amorphous Solid Dispersions:A Review of Amorphization,Crystallization,Stabilization,Solid−State Characterization,and Aqueous Solubilization of Biopharmaceutical Classification System Class II Drugs.Journal of Pharmaceutical Sciences 105(2016)2527−2544.)。固体分散体は、固体熱溶融押出法、液体噴霧乾燥法、および溶融−溶媒法などの方法により製造することができる(T.Vasconcelos,B.Sarmento,P.Costa,Solid dispersions as strategy to improve oral bioavailability of poor water soluble drugs,Drug Disc.Today 12(2007)1068−1075.)。
【0019】
EUDRAGIT(オイドラギット)は、一般にポリアクリル樹脂として知られているメタクリル酸共重合体およびメタクリレート共重合体を含む合成医薬賦形剤の商品名である。ポリアクリル樹脂系添加物は、その組成、割合、および重合度によってさまざまな規格に分類される。そのうち、Eudragit Eは、ジメチルアミノエチルメタクリレートとメタクリレートの重合体であり、Eudragit Lは、メタクリル酸とメチルメタクリレートの重合体(遊離カルボキシル基:エステル=1:1)であり、Eudragit Sは、メタクリル酸とメチルメタクリレートの重合体(遊離カルボキシル基:エステル=1:2)である。
【0020】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、所望の生物学的結果を得るのに十分な薬剤量を意味する。この結果は、疾患の徴候、症状または原因の減少および/または軽減、あるいは他の任意の所望の生物システムの変化であり得る。例えば、治療用途の「有効量」とは、本発明の活性成分とする化合物が臨床的に有意に疾患を減少させるために必要な組成物量を含む。いかなる場合にも、適切な「有効」量は、当業者が通常の実験で測定することができる。したがって、「有効量」という表現とは、通常、活性物質が治療効果を発揮する量を指す。
【0021】
本明細書で使用される用語「治療(treat)」または「処置(treatment)」は、「予防(prevent)」と同義であり、疾患の進行を遅らせること、疾患の進行を防ぐこと、および/または発症する病状または予想される病状の重症度を軽減することを意味する。したがって、これらの用語には、既存の疾患の病状を改善すること、別の病状を予防すること、病状の潜在的な代謝原因を改善または予防すること、例えば、障害や疾患の進行を抑制すること、障害や疾患を軽減すること、障害や疾患を退行させること、疾患や障害による病状を軽減すること、または疾患や障害の病状を停止させることなどの障害や疾患を抑制すること、を含む。
【0022】
「医薬用」または「薬学的に許容される」とは、生物学的あるいは他の面で実質的に望ましくないものではない物質を指す。即ち、この物質を個体に投与すると、望ましくない生物学的効果を起こすことがなく、また、有害になるようにこの物質を含む組成物の任意の成分と相互作用することがない。
【0023】
本明細書で使用される「被験者」という用語は、哺乳動物および非哺乳動物を含む。哺乳動物の例として、ヒト、チンパンジーおよび他のエイプおよびサルなどの非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌおよびネコなどのペット;ラット、マウスおよびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などの哺乳綱の任意のメンバーを含むが、これらに限定されない。
【0024】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体における活性成分とする化合物は、塩を形成しても良い。特に明記しない限り、本明細書に記載された化合物に言及すると、その塩を含むと理解されるべきである。本明細書で使用される「塩(一種類または複数種類)」という用語は、無機酸および/または有機酸と形成された酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基と形成された塩基性塩を指す。また、前記化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾール)と酸性部分(例えば、カルボン酸)とを含む場合、双性イオン(「分子内塩」)が形成され、この双性イオン(「分子内塩」)が本明細書で用いる「塩(一種類または複数種類)」に含まれる。医薬用(即ち、無毒で、生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。前記化合物を有する塩は、例えば、塩を析出させる媒体または含水媒体(反応後に凍結乾燥させる)などの媒体中で、前記化合物を一定量(例えば等量)の酸または塩基と反応させることにより形成される。
【0025】
異なる化合物および異なる化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの結晶多形の形態は、本発明に含まれる。
【0026】
本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明する目的のためのものであり、それを制限することを意図しないことが理解されるべきである。さらに、本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法、装置、および材料が、本発明の実施または試験に使用され得るが、ここで好ましい方法、装置、および材料を説明する。
【0027】
本明細書において、「アルキル基」という用語は、単独で又は他の官能基と組み合わせて、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜16個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子を有する分岐鎖又は直鎖の一価の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。
【0028】
「低級アルキル基」という用語は、単独で又は他の官能基と組み合わせて、1〜9個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する分岐鎖又は直鎖のアルキル基を指す。さらに、この用語として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、2−エチルブチルなどの官能基が例示される。特にメチルとエチルが好ましい。
【0029】
本明細書で使用される「低級アルケニル基」という用語は、単独または他の官能基と組み合わせて、オレフィン結合を有する炭素数1〜9、好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。好ましい低級アルケニル基は、2−プロペニル基である。
【0030】
「シクロアルキル基」という用語は、3〜10個の炭素原子、好ましくは3〜7個の炭素原子、より好ましくは4〜6個の炭素原子を有する一価の単環式または多環式の炭素環基を指す。さらに、この用語として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ボルニル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、インデニルなどの基が例示される。一つの好ましい実施形態では、「シクロアルキル基」は、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
【0031】
「複素環基」という用語は、1個、2個または3個の炭素環原子がN、OまたはSのようなヘテロ原子で置換されている単環式または多環式の飽和環を意味する。複素環基の例として、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1,3−ジオキサニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい複素環基は、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリニルまたはテトラヒドロフラニルである。複素環基は、置換されていてもよく、置換されなくてもよく、必要に応じて、それらの炭素骨格(frame)又はそれらの1つ以上のヘテロ原子を介して結合してもよく、以下の実施例または特許請求の範囲において特に示されない限り、前記置換基は更で置換されていないことが理解される。
【0032】
「アリール基」という用語は、少なくとも一つの芳香族環を有する炭素数6〜12の単炭素環式または多炭素環式の芳香族環基を意味する。このような官能基の例として、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロナフタレン、2,3−ジヒドロインデニル、1H−インデニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいアリール基はフェニルまたはナフチルであり、中でもフェニルが特に好ましい。
【0033】
「ヘテロアリール基」という用語は、5〜12個の原子の単環式または多環式芳香族基を意味し、このヘテロアリール基は、N、OおよびSから選ばれるヘテロ原子を1個、2個、または3個有し、且つ残りの環原子がCである芳香環を少なくとも1つ含む。ヘテロアリール基の1個または2個の環炭素原子は、カルボニル基で置換されていてもよい。好ましいヘテロアリール基は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル基、ジアゾリル、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル、チアゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、7−アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾジヒドロピラニル、イソクロマニル、クマリニル、イソクマリニル、ベンゾピラニルからなる群から選択される。好ましいヘテロアリール基は、1H−ピラゾール−3−イル、チアゾール−2−イル、[1,2,4]チアジアゾール−5−イル、[1,3,4]チアジアゾール−2−イル、ピリジル、ピラジニル基、ピリミジニルからなる群から選択される。
【0034】
「ヘテロアリール基」という用語は、5〜12個の原子の単環式または多環式芳香族基を意味し、このヘテロアリール基は、N、OおよびSから選ばれるヘテロ原子を1個、2個、または3個有し、且つ残りの環原子がCである芳香環を少なくとも1つ含む。ヘテロアリール基の1個または2個の環炭素原子は、カルボニル基で置換されていてもよい。
【0035】
本明細書で使用される「低級アルコキシ基」という用語は、R’−O−基を意味し、ここで、R’は、低級アルキル基であり、この「低級アルキル基」という用語は、上記のとおりである。低級アルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ基、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシが挙げられ、メトキシ、エトキシが好ましい。
【0036】
「低級アルコキシアルキル基」という用語は、−R”−O−R’基を意味し、R’は上記で定義された低級アルキル基を表し、R”はメチレン、エチレン、またはプロピレンのような低級アルキレン基を表す。低級アルコキシアルキル基の例として、メトキシメチル基または2−メトキシエチル基が挙げられる。
【0037】
本明細書で使用される「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素基を意味し、フッ素、塩素または臭素基が好ましく、フッ素または塩素基がより好ましい。
【0038】
「低級ハロアルキル基」という用語は、低級アルキル基の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子、好ましくはフッ素または塩素、最も好ましくはフッ素で置換されている上記のように定義された低級アルキル基を意味する。好ましい低級ハロアルキル基には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、フルオロメチル、及びクロロメチルを含み、中でもトリフルオロメチルが特に好ましい。
【0039】
「カルボキシル基」は、−COOH基を意味し、「アミノカルボニル基」は、−CO−NH
2を意味する。
【0040】
「低級アルコキシカルボニル基」という用語は、−CO−OR’を意味し、R’は低級アルキル基であり、この「低級アルキル基」という用語は、上記のとおりである。好ましい低級アルコキシカルボニル基として、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニル基が挙げられる。
【0041】
「低級アルキルチオアルキル基」は、−R”−S−R’基を意味し、R’は、上記で定義された低級アルキル基を表し、R”は、メチレン、エチレン、またはプロピレンのような低級アルキレン基を表す。低級アルコキシアルキル基の例として、メチルチオメチルまたは2−メチルチオエチル基が挙げられる。
【0042】
「低級アルコキシカルボニルアミノ基」は、−NH−CO−OR’を意味し、ここでR’は低級アルキル基である。
【0043】
「低級アルケニルオキシカルボニル基」という用語は、−CO−OR*基を意味し、R*は低級アルケニル基である。好ましい「低級アルケニルオキシカルボニル基」は、2−プロピレン−1−イルオキシカルボニルまたはアリルオキシカルボニルである。
【0044】
本明細書で使用される「低級アルカノイル基」という用語は、−CO−R’基を意味し、R’は低級アルキル基であり、この「低級アルキル」という用語は、上記のとおりである。好ましい低級アルカノイル基はアセチルである。
【0045】
本発明の有効成分である化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含んでいてもよく、且つ光学純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体のエナンチオマー混合物、および光学純粋なジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマーのラセミ体又はジアステレオマーのラセミ体の混合物として存在してもよい。光学活性体は、例えばラセミ体の分割、不斉合成または不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤または溶離剤を用いるクロマトグラフィー)により得ることができる。本発明はこれらの形態を全て含む。
【0046】
本発明の活性成分とする化合物の投与量は、例えば、投与方法、被験者の年齢および体重、ならびに治療を受ける患者の状態などの多くの要因に依存し、最終的には主治医または獣医によって決定される。主治医または獣医によって決定された、活性化合物のこのような量は、本明細書および特許請求の範囲において「治療有効量」とも呼ばれる。例えば、前記化合物の投与量は、典型的には約1〜約1000mg/日の範囲である。好ましくは、治療有効量は、約1mg〜約500mg/日である。
【0047】
固体分散体は、溶融法、溶媒法、溶媒−溶融法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、研磨法等の通常の方法で調製される。溶融法とは、薬物および担体材料を混合し溶融させた後、急冷して固化し、次いで、得られた固体を一定の温度で置いて、滴丸剤(dropping pill)のような割れやすい物にする。この方法は、熱安定性の薬物、および例えばPEG、クエン酸、糖などの有機溶剤に難溶性で融点の低い担体材料に適する。溶媒法は共沈法とも呼ばれ、薬物と担体を有機溶媒に共溶解させて溶媒を蒸発させ、薬物と担体材料を同時に析出し、乾燥させることで、薬物と担体材料を混合した固体分散体を得る方法である。この方法は、揮発性、熱不安定性で有機溶媒に溶けやすい薬物および担体材料に適する。
【0048】
噴霧乾燥は、流動化技術を液体材料の乾燥に適用する方法である。その基本原理は、液体材料系(溶液、懸濁液、エマルジョンなど)が乾燥塔(チャンバ)内で気体によって霧化された後、熱空気と接触すると、水分(溶媒)が急速に気化されることで、乾燥で粉末状の製品が得られる。この方法は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどを粉末状または粒子状の製品に直接乾燥させることができ、蒸発や粉砕などの工程を省略することができる。
【0049】
噴霧乾燥法には、加圧噴霧乾燥法、遠心噴霧乾燥法、および気流噴霧乾燥法を含む。
【0050】
(1)加圧噴霧乾燥法
1. 原理:高圧ポンプを使用して、70〜200大気圧で材料をアトマイザー(スプレーガン)に通し、10〜200個の霧状粒子に凝集し、熱空気と直接接触させて熱交換を行い、短時間で乾燥を完了させる。
【0051】
(2)遠心噴霧乾燥法
1. 原理:水平方向に高速回転するディスクを利用して、溶液に遠心力を与え、高速で投げ出され、膜、フィラメント、または液滴を形成し、空気の摩擦、阻害および引き裂き作用で、ディスクの回転による接線加速度と遠心力で半径方向加速度を発生した結果、円板上に合成速度で移動し、その軌跡は螺旋形になり、ディスクからこの螺旋に沿って液体が投げ出された後、微小な液滴に分散される。液滴はディスクの接線方向に沿って平均速度で移動しながら、重力を受けて落下する。噴霧された微粒子のサイズが異なるため、それらの飛行距離も異なるので、異なる距離で落下した微粒子は回転軸を中心として対称な円柱を形成する。
【0052】
(3)気流噴霧乾燥法
1. 原理:湿った材料は、コンベアを経て、加熱された自然の空気と同時に乾燥機に入り、両者を十分に混合し、熱・物質交換の面積が大きいため、短時間で蒸発乾燥の目的を達成する。
【0053】
噴霧乾燥法は、食品産業(例えば粉ミルク)、製薬産業(漢方薬の乾燥、固形分散体の調製、粒径の減少など)、化学産業、プラスチック産業およびセラミック製造に広く応用されている。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出調節技術に関する。具体的に、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤の設計および製造に関する。この経口製剤は、放出制御型経口製剤が好ましく、放出制御型経口固形製剤がさらに好ましく、胃液中に少量放出され、腸管で急速に放出され、そして腸管中で徐々に吸収されるので、人体において薬物動態学と薬力学をを適合・合致(PK/PD Correlation)させ、時間に対する体内の血中薬物濃度の曲線(C〜t曲線)が逆U字状を呈する。
【0056】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤もしくはその同位体標識体、またはそれらの薬学的に許容される塩、およびポリマー担体を含む、固体分散体に関する。
【0057】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が式(Ia)で表される化合物、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩である、固体分散体に関する。
但し、
Z
1、Z
2、Z
3は、それぞれ独立して水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、水酸基、−NH
2、ハロゲン、低級アルコキシ基、−CF
3、−OCF
3、−S(CH
3)、−S(O
2)CH
3、−CH
2−アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、低級アルカノイル基、−O−アリール基、−O−CH
2−アリール基、−N(CH
3)
2、シクロアルキル基、複素環基、−C(O)−複素環基、または水酸基で一置換または二置換された低級アルキル基であり;
R
2は、低級アルキル基、水酸基で一置換または二置換された低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシアルキル基、低級アルキルチオアルキル基、低級アルコキシ基、非置換もしくは独立してハロゲンまたは低級アルキル基で一置換または二置換されたシクロアルキル基、非置換もしくは独立してハロゲンで一置換または二置換された複素環基およびアリール基から選択され;且つ
R
3は、−低級アルキル−カルバモイル、または、
環炭素原子を介して前記アミノ基に結合した非置換または置換のヘテロアリール基であり、このヘテロアリール基の1つのヘテロ原子は、前記環炭素原子に隣接する窒素原子であり、前記置換のヘテロアリール基は、前記環炭素原子に隣接する位置を除く位置で、独立して、
低級アルキル基、ハロゲン、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキル基、アリール基、2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル、−N(低級アルキル基)2,2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル、−CH
2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン、tert−ブチル−ジメチル−シロキシエチル、非置換の−CH
2−アリール、シアノ基またはアルコキシ基で置換された−CH
2−アリール、複素環基、−CH
2−複素環基、−6−(CH
2)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル−酢酸tert−ブチルエステル;ならびに、独立して水酸基、ハロゲン、アルコキシ基、−N(低級アルキル基)
2、−NH
2、低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルケニルオキシカルボニル基、カルボキシル基、アミノカルボニル基または低級アルコキシカルボニルアミノ基で一置換、二置換または三置換された低級アルキル基からなる群から選択される官能基で置換された。
【0058】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が下記式で表される化合物、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、固体分散体に関する。
【0059】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が化合物HMS5552、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩である、固体分散体に関する。
【0060】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が下記式で表される化合物、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、固体分散体に関する。
【0061】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤がTTP399、PF−04937319、RO4597014およびLY2608204、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、固体分散体に関する。
【0062】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体が放出制御型担体である、固体分散体に関する。
【0063】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がポリアクリル樹脂系重合体である、固体分散体に関する。
【0064】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がメタクリル酸共重合体およびメタクリレート共重合体からなる群から選択される、固体分散体に関する。
【0065】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチルの共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸メチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレートの共重合体からなる群から選択される、固体分散体に関する。
【0066】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレート(1:2:1)の共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチル(1:1)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.1)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレート(2:1)の共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレート(35:65)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)の重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)の重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(35:65)の共重合体からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0067】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragitから選択される、固体分散体に関する。
【0068】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragit E、Eudragit L、Eudragit Sから選択される、固体分散体に関する。
【0069】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragit L100、Eudragit S 100、Eudragit E PO、Eudragit E 100、またはEudragit L 100−55から選択される、固体分散体に関する。
【0070】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragit L100であって、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるメタクリル酸共重合体A型である、固体分散体に関する。
【0071】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体の重量比が1:10〜10:1である、固体分散体に関する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体の重量比が1:9〜9:1、1:4〜4:1、3:7〜7:3、2:3〜3:2、3:4〜4:3、4:5〜5:4、または5:6〜6:5である、固体分散体に関する。
【0073】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体の重量比が1:1である、固体分散体に関する。
【0074】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の10重量%〜90重量%である、固体分散体に関する。
【0075】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の30重量%〜80重量%である、固体分散体に関する。
【0076】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の40重量%〜80重量%である、固体分散体に関する。
【0077】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の50重量%〜80重量%である、固体分散体に関する。
【0078】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の50重量%である、固体分散体に関する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体の含有量が前記固体分散体の10重量%〜90重量%である、固体分散体に関する。
【0080】
一実施形態では、本発明は、噴霧乾燥により得られた固体分散体に関する。
【0081】
一実施形態では、本発明は、本発明の固体分散体および賦形剤を含む固体分散体組成物に関する。
【0082】
一実施形態では、本発明は、賦形剤が希釈剤、甘味料または着香料、界面活性剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、流動化剤/粘着防止剤、放出調節剤、安定剤、コーティング剤、乳化剤および/または可溶化剤、ならびに香料からなる群から選択される1種以上である、固体分散体組成物に関する。
【0083】
一実施形態では、本発明は、固体分散体または固体分散体組成物を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口製剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0085】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口固形製剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0086】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口固形製剤が錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤および丸剤からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0087】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口固形製剤が錠剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0088】
一実施形態では、本発明は、錠剤が本発明の固体分散体、充填剤、結合剤、崩壊剤および滑剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0089】
一実施形態では、本発明は、錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が1重量%〜95重量%であり、結合剤の含有量が0.5重量%〜10重量%であり、崩壊剤の含有量が0.5重量%〜7.5重量%であり、滑剤の含有量が0.25重量%〜5重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0090】
一実施形態では、本発明は、錠剤中の前記充填剤がケイ化微結晶セルロース(silicified microcrystalline cellulose)、または微結晶セルロース、または乳糖であり、前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、またはポリビニルピロリドンであり、前記崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、またはデンプングリコール酸ナトリウムであり、前記滑剤がステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0091】
一実施形態では、本発明は、錠剤中の前記充填剤がケイ化微結晶セルロースであり、前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであり、前記崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、前記滑剤がステアリン酸マグネシウムである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0092】
一実施形態では、本発明は、錠剤がコーティング錠剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0093】
一実施形態では、本発明は、コーティング錠剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、医薬用釉薬(Pharmaceutical glaze)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、メタクリル酸共重合体、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテートフタレート(polyvinyl acetate phthalate)、シェラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバワックス、微結晶ワックス、ゼイン、およびオパドライからなる群から選択されるコーティング剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0094】
一実施形態では、本発明は、コーティング錠剤中のコーティング剤がオパドライである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0095】
一実施形態では、本発明は、コーティング錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が1重量%〜95重量%であり、結合剤の含有量が0.5重量%〜10重量%であり、崩壊剤の含有量が0.5重量%〜7.5重量%であり、滑剤の含有量が0.25重量%〜5重量%であり、コーティング剤の含有量が1重量%〜10重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0096】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤がゼラチンカプセル剤、植物由来のHPMCカプセル剤、腸溶カプセル剤、または軟カプセル剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0097】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤が本発明の固体分散体、充填剤、および/または結合剤、および/または崩壊剤、および/または滑剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0098】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤中の前記固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が5重量%〜95重量%であり、結合剤の含有量が0重量%〜10重量%であり、崩壊剤の含有量が0.5重量%〜7.5重量%であり、滑剤の含有量が0重量%〜5重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0099】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤中の前記固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が5重量%〜95重量%であり、結合剤の含有量が0.5重量%〜10重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0100】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤中の前記固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が5重量%〜95重量%であり、崩壊剤の含有量が0.5重量%〜7.5重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0101】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤中の前記充填剤がケイ化微結晶セルロースであり、前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであり、前記崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、前記滑剤がステアリン酸マグネシウムである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0102】
一実施形態では、本発明は、pH1.2〜4.5、30分間での溶出が45%未満、pH6.0〜7.0、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0103】
一実施形態では、本発明は、錠剤が、pH1.2〜4.5、30分間での溶出が40%未満、pH6.0〜7.0、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0104】
一実施形態では、本発明は、錠剤が、pH1.2、30分間での溶出が30%未満、pH4.5、30分間での溶出が40%未満、pH6.8、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0105】
一実施形態では、本発明は、錠剤がコーティング錠剤である場合、pH1.2、30分間での溶出が30%未満、pH4.5、30分間での溶出が40%未満、pH6.8、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0106】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤が、pH1.2、30分間での溶出が45%未満、pH4.5、30分間での溶出が45%未満、pH6.8、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0107】
一実施形態では、本発明は、単位製剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の含有量が約1mg〜約200mg、一実施形態では約2mg〜約150mg、一実施形態では約2.5mg〜約150mg、一実施形態では約5mg〜約150mg、一実施形態では約5mg〜約100mgである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0108】
一実施形態では、本発明は、単位錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の含有量が約1mg〜約200mg、約2mg〜約150mg、約2.5mg〜約150mg、約5mg〜約150mg、または約5mg〜約100mgである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0109】
一実施形態では、本発明は、単位コーティング錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の含有量が約1mg〜約200mg、約2mg〜約150mg、約2.5mg〜約150mg、約5mg〜約150mg、または約5mg〜約100mgである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0110】
一実施形態では、本発明は、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能低減、空腹時血糖異常、および高血糖からなる群から選択される1種以上の疾患および病症の治療および/または予防のための薬物の調製における、前記固体分散体、固体分散体組成物またはグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤の使用に関する。
【0111】
一実施形態では、本発明は、患者に治療有効量の本発明の固体分散体、固体分散体組成物またはグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤を投与することを含む、前記固体分散体、固体分散体組成物またはグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤がI型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能低減、空腹時血糖異常、および高血糖からなる群から選択される1種以上の疾患および病症を治療および/または予防する方法に関する。
【0112】
一実施形態では、本発明は、溶融法、溶媒法、溶媒−溶融法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、および研磨法を含む、本発明の固体分散体の製造方法に関する。
【0113】
一実施形態では、本発明は、
(1)ポリマー担体およびグルコキナーゼ活性化剤を溶媒に溶解して噴霧乾燥液を調製する工程と、
(2)噴霧乾燥する工程と、を含み、
前記溶媒は、無水エタノール、メタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、イソブタノール、n−ヘキサン、ベンゼンおよびトルエン、あるいはそれらの混合物またはそれらと水との混合物である、
本発明の固体分散体の調製方法に関する。
具体的には、一実施形態では、本発明は、噴霧乾燥する工程の送風温度が90〜150℃であり、送風量の範囲が0.3〜0.5m
3/minであり、霧化気流の流速が10〜30L/minであり、溶液の噴霧速度が5〜200mL/minである、前記本発明の固体分散体の調製方法に関する。
【0114】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤固体分散体または固体分散体組成物、および賦形剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0115】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩、およびポリマー担体を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0116】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が式(Ia)で表される化合物、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
但し、
Z
1、Z
2、Z
3は、それぞれ独立して水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、水酸基、−NH
2、ハロゲン、低級アルコキシ基、−CF
3、−OCF
3、−S(CH
3)、−S(O
2)CH
3、−CH
2−アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、低級アルカノイル基、−O−アリール基、−O−CH
2−アリール基、−N(CH
3)
2、シクロアルキル基、複素環基、−C(O)−複素環基、または水酸基で一置換または二置換された低級アルキル基であり;
R
2は、低級アルキル基、水酸基で一置換または二置換された低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシアルキル基、低級アルキルチオアルキル基、低級アルコキシ基、非置換もしくは独立してハロゲンまたは低級アルキル基で一置換または二置換されたシクロアルキル基、非置換もしくは独立してハロゲンで一置換または二置換された複素環基およびアリール基から選択され;且つ
R
3は、−低級アルキル−カルバモイル、または、
環炭素原子を介して前記アミノ基に結合した非置換または置換のヘテロアリール基であり、このヘテロアリール基の1つのヘテロ原子は、前記環炭素原子に隣接する窒素原子であり、前記置換のヘテロアリール基は、前記環炭素原子に隣接する位置を除く位置で、独立して、
低級アルキル基、ハロゲン、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキル基、アリール基、2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル、−N(低級アルキル基)2,2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル、−CH
2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン、tert−ブチル−ジメチル−シロキシエチル、非置換の−CH
2−アリール、シアノ基またはアルコキシ基で置換された−CH
2−アリール、複素環基、−CH
2−複素環基、−6−(CH
2)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル−酢酸tert−ブチルエステル;ならびに、独立して水酸基、ハロゲン、アルコキシ基、−N(低級アルキル基)
2、−NH
2、低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルケニルオキシカルボニル基、カルボキシル基、アミノカルボニル基または低級アルコキシカルボニルアミノ基で一置換、二置換または三置換された低級アルキル基からなる群から選択される官能基で置換された。
【0117】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が下記式で表される化合物、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0118】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が化合物HMS5552、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0119】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤が下記式で表される化合物、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0120】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤がTTP399、PF−04937319、RO4597014およびLY2608204、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0121】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体が放出制御型担体である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0122】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がポリアクリル樹脂系重合体である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0123】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がメタクリル酸共重合体およびメタクリレート共重合体からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0124】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチルの共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸メチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレートの共重合体からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0125】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレート(1:2:1)の共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチル(1:1)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.1)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレート(2:1)の共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレート(35:65)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)の重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)の重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(35:65)の共重合体からなる群から選択されるグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する
【0126】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragitから選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0127】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragit E、Eudragit L、Eudragit Sから選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0128】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragit L100、Eudragit S100、Eudragit E PO、Eudragit E 100、またはEudragit L 100−55から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0129】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体がEudragit L100であって、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるメタクリル酸共重合体A型である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0130】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の10重量%〜90重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0131】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の30重量%〜80重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0132】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の40重量%〜80重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0133】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の50重量%〜80重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0134】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の含有量が前記固体分散体の50重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0135】
一実施形態では、本発明は、ポリマー担体の含有量が前記固体分散体の10重量%〜90重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0136】
一実施形態では、本発明は、噴霧乾燥により前記固体分散体を得る、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0137】
一実施形態では、本発明は、賦形剤が希釈剤、甘味料または着香料、界面活性剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、流動化剤/粘着防止剤、放出調節剤、安定剤、コーティング剤、乳化剤および/または可溶化剤、ならびに香料からなる群から選択される1種以上である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0138】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口製剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0139】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口固形製剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0140】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口固形製剤が錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤および丸剤からなる群から選択される、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0141】
一実施形態では、本発明は、本発明の固体分散体、および/または充填剤、および/または結合剤、および/または崩壊剤、および/または滑剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0142】
一実施形態では、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の放出制御型経口固形製剤が錠剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0143】
一実施形態では、本発明は、錠剤が本発明の固体分散体、充填剤、結合剤、崩壊剤および滑剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0144】
一実施形態では、本発明は、錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が1重量%〜95重量%であり、結合剤の含有量が0.5重量%〜10重量%であり、崩壊剤の含有量が0.5重量%〜7.5重量%であり、滑剤の含有量が0.25重量%〜5重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0145】
一実施形態では、本発明は、錠剤中の前記充填剤がケイ化微結晶セルロース、微結晶セルロース、または乳糖であり、前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、またはポリビニルピロリドンであり、前記崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、またはデンプングリコール酸ナトリウムであり、前記滑剤がステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0146】
一実施形態では、本発明は、錠剤中の前記充填剤がケイ化微結晶セルロースであり、前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであり、前記崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、前記滑剤がステアリン酸マグネシウムである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0147】
一実施形態では、本発明は、錠剤がコーティング錠剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0148】
一実施形態では、本発明は、コーティング錠剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、医薬用釉薬、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、メタクリル酸共重合体、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテートフタレート(polyvinylacetate phthalate)、シェラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバワックス、微結晶ワックス、ゼイン、およびオパドライからなる群から選択されるコーティング剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0149】
一実施形態では、本発明は、コーティング錠剤中のコーティング剤がオパドライである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0150】
一実施形態では、本発明は、コーティング錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が1重量%〜95重量%であり、結合剤の含有量が0.5重量%〜10重量%であり、崩壊剤の含有量が0.5重量%〜7.5重量%であり、滑剤の含有量が0.25重量%〜5重量%であり、コーティング剤の含有量が1重量%〜10重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0151】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤がゼラチンカプセル剤、植物由来のHPMCカプセル剤、腸溶カプセル剤、または軟カプセル剤である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0152】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤が本発明の固体分散体、充填剤、および/または結合剤、および/または崩壊剤、および/または滑剤を含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0153】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤中の前記固体分散体の含有量が1重量%〜90重量%であり、充填剤の含有量が5重量%〜95重量%であり、および/または結合剤の含有量が0重量%〜10重量%であり、および/または崩壊剤の含有量が0.5重量%〜7.5重量%であり、および/または滑剤の含有量が0重量%〜5重量%である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0154】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤中の前記充填剤がケイ化微結晶セルロースであり、前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであり、前記崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、前記滑剤がステアリン酸マグネシウムである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0155】
一実施形態では、本発明は、pH1.2〜4.5、30分間での溶出が45%未満、pH6.0〜7.0、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0156】
一実施形態では、本発明は、錠剤が、pH1.2〜4.5、30分間での溶出40%未満、pH6.0〜7.0、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0157】
一実施形態では、本発明は、錠剤が、pH1.2、30分間での溶出が30%未満、pH4.5、30分間での溶出が40%未満、pH6.8、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0158】
一実施形態では、本発明は、錠剤がコーティング錠剤である場合、pH1.2、30分間での溶出が30%未満、pH4.5、30分間での溶出が40%未満、pH6.8、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0159】
一実施形態では、本発明は、カプセル剤が、pH1.2、30分間での溶出が45%未満、pH4.5、30分間での溶出が45%未満、pH6.8、30分間での溶出が85%超である、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0160】
一実施形態では、本発明は、単位製剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の含有量が約1mg〜約200mg、一実施形態では約2mg〜約150mg、一実施形態では約2.5mg〜約150mg、一実施形態では約5mg〜約150mg、一実施形態では約5mg〜約100mgである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0161】
一実施形態では、本発明は、単位錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の含有量が約1mg〜約200mg、約2mg〜約150mg、約2.5mg〜約150mg、約5mg〜約150mg、または約5mg〜約100mgである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0162】
一実施形態では、本発明は、単位コーティング錠剤中の前記グルコキナーゼ活性化剤の含有量が約1mg〜約200mg、約2mg〜約150mg、約2.5mg〜約150mg、約5mg〜約150mg、または約5mg〜約100mgである、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤に関する。
【0163】
一実施形態では、本発明は、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能低減、空腹時血糖異常、および高血糖からなる群から選択される1種以上の疾患および病症の治療および/または予防のための薬物の調製における、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤の使用に関する。
【0164】
一実施形態では、本発明は、患者に治療有効量の本発明のグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤を投与することを含む、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤がI型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能低減、空腹時血糖異常、および高血糖からなる群から選択される1種以上の疾患および病症を治療および/または予防する方法に関する。
【0165】
一実施形態では、本発明は、溶融法、溶媒法、溶媒−溶融法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、および研磨法を含む、本発明の固体分散体の調製方法に関する。
【0166】
一実施形態では、本発明は、
(1)ポリマー担体およびグルコキナーゼ活性化剤を溶媒に溶解して噴霧乾燥液を調製する工程と、
(2)噴霧乾燥する工程と、を含み、
前記溶媒は、無水エタノール、メタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、イソブタノール、n−ヘキサン、ベンゼンおよびトルエン、あるいはそれらの混合物またはそれらと水との混合物である、
固体分散体の製造方法に関する。
具体的には、噴霧乾燥する際の送風温度が例えば90〜150℃であり、送風量の範囲が例えば0.3〜0.5m
3/minであり、霧化気流の流速が例えば10〜30L/minであり、溶液の噴霧速度が例えば5〜200mL/minである。
【0167】
一実施形態では、本発明は、
(1)処方量の各成分を秤量し、滑剤を篩に掛けて用意する、秤量と篩掛け工程、
(2)a.内部添加型充填剤、固体分散体と結合剤を湿式造粒機に入れ、所定のパラメータで予備混合し、秤量した純水を加えて湿式造粒を行い、排出した後、ミルで湿式整粒を行い、その後、乾燥(箱型または流動層乾燥)させて、ミルで乾式整粒を行う;または、b.内部添加型充填剤、固体分散体を湿式造粒機に入れ、所定のパラメータで予備混合し、調製した結合剤溶液を加えて湿式造粒を行い、排出した後、ミルで湿式整粒を行い、その後、乾燥(箱型または流動層乾燥)させ、ミルで乾式整粒を行う造粒工程、
(3)実際に得られた粒子量を秤量し、その比例によって外部添加型充填剤、崩壊剤および滑剤を秤量し、混合する混合工程、および
(4)混合した粒子をロータリー打錠機に供し、打錠を行う打錠工程
を含む、グルコキナーゼ活性化剤の口服錠剤の製造方法に関する。
【0168】
一実施形態では、本発明は、
(1)グルコキナーゼ活性化剤の錠剤を製造する工程、
(2)均一に攪拌しながらコーティング懸濁液を調製する、コーティング液を調製する工程、および
(3)グルコキナーゼ活性化剤錠剤を秤量し、コーティングポットに入れ、コーティング液をスプレーしてコーティングを行い、コーティング錠剤を得るコーティング工程
を含む、グルコキナーゼ活性化剤のコーティング錠剤の製造方法に関する。
【0169】
また、本発明は、1つ以上の原子が通常自然界に見られる原子質量または質量数と異なる原子で置換されていること以外、本明細書に記載の前記グルコキナーゼ活性化剤と同様な同位体標識グルコキナーゼ活性化剤を含む。前記化合物に組み込まれる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が挙げられ、例えばそれらの同位体は、それぞれ
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
18O、
17O、
31P、
32P、
35S、
18Fおよび
36C1である。
【0170】
一部の同位体標識された異なる化合物(例えば、
3Hと
14Cで標識された化合物)は、化合物および/または基質の組織分布測定に用いられる。トリチウム(即ち、
3H)化および炭素−14(即ち、
14C)化されたものは、製造と検出が容易であるため、特に好ましい。また、重水素(即ち、
2H)にような比較的に重い同位体で置換することは、より優れた代謝安定性(例えば、体内半減期の増加や必要投与量の減少など)による治療効果が得られるため、場合によっては好ましい。同位体標識された異なる化合物は、基本的に、非同位体標識試薬を適切な同位体標識された試薬で置き換え、後述の実施形態および/または実施例で開示されたものと同様の操作を行うことにより製造することができる。
【0171】
一実施形態では、本発明の放出制御型経口製剤は、経口固形製剤および経口液体製剤である。
【0172】
一実施形態では、前記経口固形製剤は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、および丸剤からなる群から選択される。
他の実施形態では、前記錠剤は、コーティング錠剤である。
【0173】
本発明のさらに別の態様は、
例えば錠剤および/またはカプセル剤希釈剤のような希釈剤、甘味料または着香料、酸化防止剤、界面活性剤、充填剤、結合剤、例えば錠剤崩壊剤のような崩壊剤、例えば錠剤および/またはカプセル剤滑剤のような滑剤、流動化剤/粘着防止剤、放出調節剤、安定剤、コーティング剤、着色剤、錯化剤、乳化剤および/または可溶化剤、矯味剤および香料、ポリマー担体からなる群から選択される賦形剤と、
グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体と
を含む、グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体組成物に関する。
【0174】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体組成物は、そのまま使用してもよく、治療や予防の必要に応じて異なる剤形に製造してもよい。
【0175】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体組成物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤および丸剤などの様々な剤形に公知の方法で製造することができる。例えば、製剤は、混合、造粒加工、カプセル充填や打錠、コーティングなどの製剤工程を経て調製される。
【0176】
一実施形態では、本発明は、噴霧乾燥法、流動層乾燥法、溶媒法、溶融押出法などからなる群から選択される、本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の製造方法である。
【0177】
一実施形態では、本発明は、
(1)ポリマー担体およびグルコキナーゼ活性化剤を溶媒に溶解して噴霧乾燥液を調製する工程と、
(2)送風温度、送風量、霧化気流の流速と圧力、溶液の噴霧速度などを制御する噴霧乾燥する工程と、
を含む、噴霧乾燥法で製造されるグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体である。
【0178】
本発明の実施形態においてグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製に使用される溶媒としては、アルカノール、エステル、ニトリル、シクロアルカン、芳香族炭化水素、ケトンなどが挙げられるが、これらに限定されない。具体的に、前記溶媒は、無水エタノール、メタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、イソブタノール、n−ヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される。それは単一溶媒でもよく、混合溶媒でもよく、または有機溶媒と水との混合物でもよい。
【0179】
一実施形態では、本発明は、患者に治療有効量の本発明のグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤を投与することを含む、本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体または製剤がI型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能低減、空腹時血糖異常、および高血糖からなる群から選択される1種以上の疾患および病症を治療および/または予防する方法に関する。
【0180】
一実施形態では、本発明は、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能低減、空腹時血糖異常、および高血糖からなる群から選択される1種以上の疾患および病症を治療および/または予防する薬物の調製への、本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体またはこの組成物を含む製剤の使用に関する。
【0181】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体に使用されるグルコキナーゼ活性化剤量は、固体分散体の全重量で、約1重量%〜約99重量%で変化してもよい。一実施形態では、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、または約99重量%、あるいはその間の任意の範囲である。一実施形態では、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約1重量%〜約20重量%である。別の実施形態では、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約2重量%〜約40重量%である。さらに、一実施形態では、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約30重量%〜約60重量%である。また、一実施形態では、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約60重量%〜約80重量%である。また、一実施形態では、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約70重量%〜約90重量%である。また、一実施形態では、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約80重量%〜約100重量%である。
【0182】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体に使用されるポリマー担体量は、固体分散体の全重量で、約1重量%〜約99重量%で変化してもよい。一実施形態では、ポリマー担体の含有量の範囲が約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、または約99重量%、あるいはその間の任意の範囲である。一実施形態では、ポリマー担体の含有量の範囲が約1重量%〜約20重量%である。別の実施形態では、含有量の範囲が約2重量%〜約40重量%である。さらに、一実施形態では、含有量の範囲が約30重量%〜約60重量%である。また、一実施形態では、含有量の範囲が約60重量%〜約80重量%である。また、一実施形態では、含有量の範囲が約70重量%〜約90重量%である。また、一実施形態では、含有量の範囲が約80重量%〜約100重量%である。
【0183】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体において、固体分散体の全重量で、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が30〜60重量%であり、ポリマー担体の含有量の範囲が40〜70重量%であることが好ましい。
【0184】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体において、固体分散体の全重量で、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が40〜60重量%であり、ポリマー担体の含有量の範囲が40〜60重量%であることがより好ましい。
【0185】
一実施形態では、本発明の固体分散体中のポリマー担体は、アクリル酸(又はメタクリル酸およびそれらのエステル、例えばメチルエステル、エチルエステルなど)そのもの(1種の単量体)で重合してなるか、またはメタクリル酸(又はそのエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、ジメチルアミノエチルエステルなど)と2種の単量体(二成分)でまたは3種の単量体(三成分)が一定の割合で共重合してなる高分子化合物であるポリプロピレン樹脂系重合体から選択される。
【0186】
本発明の固体分散体に使用される前記ポリマー担体は、ブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチルの共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸メチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレートの共重合体からなる群から選択される。
【0187】
さらに、前記ポリマー担体は、ブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレート(1:2:1)の共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチル(1:1)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.1)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレート(2:1)の共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレート(35:65)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)の重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(35:65)の共重合体からなる群から選択される。
【0188】
さらに、前記ポリマー担体は、Eudragit E、Eudragit L、Eudragit S、Eudragit RL、およびEudragit RSを含むEudragit(オイドラギット)である。ここで、Eudragit Eは、ジメチルアミノメタクリレートと他の中性メタクリレート類を共重合したものであり、ジメチルアミエチルメタクリレートとメタクリレートの重合体を含み;Eudragit LおよびEudragit Sは、メタクリル酸と異なる割合のメタクリレート類を共重合したものであり、メタクリル酸とメチルメタクリレート(遊離カルボキシル基:エステル=1:1)またはメタクリル酸とメチルメタクリレート(遊離カルボキシル基:エステル=1:2)を含み;Eudragit RLおよびEudragit RSは、4級アミン官能基を含むあるアクリル酸とメタクリレートとの共重合体であり、10%の4級アミン基を含むアクリル酸とメタクリレートとの共重合体、および5%の4級アミン基を含むアクリル酸とメタクリレートの共重合体を含む。
【0189】
さらに、前記ポリマー担体は、
オイドラギットE POを含む、ブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレート(1:2:1)の共重合体であるEudragit E100(オイドラギットE100)、
メタクリル酸共重合体A型であって、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるEudragit L100(オイドラギットL100)、
メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:2)の共重合体であるEudragit S100(オイドラギットS100)
からなる群から選択される。
【0190】
また、本発明のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体組成物および製剤に使用される他の賦形剤の例として、例えば錠剤および/またはカプセル剤希釈剤のような希釈剤、甘味料または着香料、酸化防止剤、界面活性剤、充填剤、結合剤、例えば錠剤崩壊剤のような崩壊剤、例えば錠剤および/またはカプセル剤滑剤のような滑剤、流動化剤/粘着防止剤、放出調節剤、安定剤、コーティング剤、着色剤、錯化剤、乳化剤および/または可溶化剤、矯味剤および香料が挙げられるが、これらに限定されないことを理解されるべきである。
【0191】
本発明に適用される希釈剤の例として、ω−3脂肪酸またはその誘導体、乳糖、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ケイ化微結晶セルロースを含むセルロース、サッカリン酸ナトリウム、グルコースおよび/またはグリシンが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明に適用される錠剤および/またはカプセル剤希釈剤として、前記希釈剤の他に、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース粉末、デキストラン結合剤、フルクトース、カオリン、デンプン、アルファー化デンプン、圧縮糖と菓子用糖、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0192】
本発明に適用される甘味料または着香料の例として、精油、水溶性抽出物、糖、単糖、オリゴ糖、アルドース、ケトース、デキストロース、マルトース、乳糖、グルコース、フルクトース、スクロース、マンニトール、キシリトール、D−ソルビトール、エリトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、マルチトール、アセスルファムカリウム、ソーマチン、リクイリチゲニン、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、サッカリン酸ナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、オイゲニルホルメートアルデヒド着香料、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0193】
本発明に適用される酸化防止剤の例として、α−トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、チオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0194】
本発明に適用される界面活性剤の例として、例えばラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム塩のようなアルキル硫酸塩;例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムのようなアルキルアリールスルホネート;例えばノニルフェノール−C18エトキシレートのようなアルキルフェノール−オキシアルキレン付加生成物;例えばトリデシルアルコール−C16エトキシレートのようなアルコール−アルキレンオキシド付加生成物;例えばステアリン酸ナトリウムのような石鹸類;例えばジブチルナフタレンナトリウムのようなアルキルナフタレンスルホネート;例えばビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムのようなスルホコハク酸ジアルキルエステル;例えばソルビトールオレエートのようなソルビトールエステル;例えばラウリルメチルアンモニウムクロリドのような四級アンモニウム;例えばポリエチレングリコールステアレートのような脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体;モノアルキルホスフェートの塩およびジアルキルホスフェートの塩;例えばダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ヤシ油、コーン油、綿実油、アマニ油、パーム油、落花生油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油などの植物油;前記植物油のエステル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
本発明に適用される充填剤の例として、微結晶セルロースまたはリグノセルロース(微結晶セルロースおよびケイ化微結晶セルロースを含む)のようなセルロース誘導体、乳糖、無水乳糖または乳糖一水和物、スクロース、デンプン、アルファ化デンプン、デキストロース、マンニトール(マンニトールPearlitol SD 200を含む)、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、コーンスターチ、加工コーンスターチ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムのような無機塩、デキストリン/グルコース結合剤、マルトデキストリン、圧縮糖および他の既知の増量剤あるいは充填剤、および/またはそれらの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0196】
本発明に適用される結合剤の例として、カルボキシメチルセルロース(カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む)、ヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシプロピルセルロースEXFを含む)、コーンスターチ、アルファ化デンプン、加工コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒプロメロース(HPMC)(ヒプロメロース2208を含む)、乳糖、アラビアゴム、エチルセルロース、酢酸セルロース、およびカルナウバワックス、パラフィンワックス、セチルワックス、ポリエチレン系または微結晶ワックスのようなワック結合剤、ならびに他の一般の結合剤および/またはそれらの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、前記結合剤に加えて、本発明に適用される錠剤結合剤として、アルギン酸、微結晶セルロース、デキストリン、ゼラチン、液体グルコース、グアーガム、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポビドンおよびシロップ、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0197】
本発明に適用される崩壊剤の例として、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプン、ポテトスターチ、アルファ化デンプン、コーンスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび他の既知の崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの特定の崩壊剤は、本発明の前記製剤に適用される。例えば、Kollidon CL(登録商標)、Polyplasdone XL(登録商標)、Kollidon CL−M(登録商標)、Polyplasdone XL−10(登録商標)およびPolyplasdone INF−10(登録商標)からなる群から選択されるクロスポビドンXL−10のような任意のグレードのクロスポビドンを使用することができる。さらに、本発明に適用される錠剤崩壊剤は、前記崩壊剤に加えて、アルギン酸、ポラコリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0198】
本発明に適用される滑剤の例として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルナウバワックス、ステアリン酸、パルミチン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、硫酸ラウリルナトリウム、グリセリルパルミトステアレート、パルミチン酸、ミリスチン酸および水素化植物油脂、ならびに他の既知の滑剤および/またはそれらの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明に適用される錠剤および/またはカプセル剤滑剤は、前記滑剤に加えて、ベヘン酸グリセリル、軽質鉱物油、ポリエチレングリコール、硬精製ステアリン酸、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0199】
本発明に適用される流動化剤/粘着防止剤の例として、シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、タルク、ならびに凝集したケイ酸塩およびシリカヒドロゲルなどの他の形態のシリカが挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
本発明に適用される放出調節剤の例として、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール(PVA)、エチルセルロース、メタクリル酸(エステル)ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ガム、セルロースエーテル、タンパク質由来の物質、ナイロン、アクリル樹脂、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、酢酸フタル酸セルロースおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
本発明に適用される安定剤の例として、オレイン酸およびそのナトリウム塩のような脂肪酸、コール酸およびデオキシコール酸、ステアリン酸アミドのようなカチオン性脂質、ならびにホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、リン脂質酸およびホスファチジルグリセロールのようなアニオン性安定剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、安定剤は、オレイン酸である。
【0202】
本発明に適用されるコーティング剤の例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、医薬用釉薬、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、メタクリル酸共重合体、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテートフタレート、シェラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバワックス、微結晶ワックス、ゼインおよびオパドライ03K12429のようなオパドライ、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0203】
本発明に適用される着色剤の例として、カラメル、赤色の着色剤、黄色の着色剤、黒色の着色剤またはそれらの混合物、酸化第二鉄、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0204】
本発明に適用される錯化剤の例として、エチレンジアミン四酢酸およびその塩(EDTA)、エデト酸、ゲンチジン酸エタノールアミド、硫酸オキシキノリン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0205】
本発明に適用される乳化剤および/または可溶化剤の例として、アラビアガム、コレステロール、ジエタノールアミン、モノステアリン酸グリセリン、ラノリンアルコール、レシチン、モノ−およびジ−グリセリド、モノエタノールアミン、オレイン酸、オレイルアルコール、ポロキサマー、ポリオキシエチレン50ステアレート、ポリオキシエチレン35ヒマシ油、ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン20セトステアリルエーテル、ポリオキシエチレン40モノステアレート、ポリソルベート20(polysorbate 20)、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、プロピレングリコールジアセテート、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ステアリン酸、トリエタノールアミン、乳化ワックス、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0206】
本発明に適用される矯味剤および香料の例として、アネトール、ベンズアルデヒド、エチルバニリン、メントール、サリチル酸メチル、グルタミン酸ナトリウム、橙花油、ペパーミント、ペパーミントオイル、ペパーミントスピリット(peppermint spirit)、ローズオイル、濃いローズ水(stronger rose waterstronger rose water)、チモール、トルバルサムチンキ(tolu balsam tincture)、バニラ、バニラチンキ、バニリン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0207】
本発明に適用される溶媒の例として、アセトン、アルコール、無水エタノール、希アルコール、ペンテン水和物、安息香酸ベンジル、ブタノール、四塩化炭素、クロロホルム、コーン油、綿実油、酢酸エチル、グリセリン、ヘキサンジオール、イソプロパノール、メタノール、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、鉱油、落花生油、ポリエチレングリコール、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、ゴマ油、注射用水、滅菌注射用水、滅菌リンス水、純水、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
単位投与量の製剤中の活性化合物量は、特定の用途に応じて、約1mg〜約200mg、好ましくは約2mg〜約150mg、より好ましくは約2.5mg〜約150mgの範囲内で変動または調整され、さらに好ましくは約5mg〜約150mgの範囲内で変動または調整される。
【0209】
具体的には、本発明の単位錠剤中のグルコキナーゼ活性化剤の含有量は、約1mg〜約200mg、好ましくは約2mg〜約150mg、より好ましくは約5mg〜約100mgである。
【0210】
以下、添付の図面および具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。本発明の技術に基づいてなされる様々な修正および置換は本発明の範囲内に含まれる。
【実施例】
【0211】
グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製
本発明で使用される化学薬品は、Shin−Etsu Japan、Evonik Germany、J.T.Baker US、SCR China、Ashland US、FMC US、JRS Germany、Colorcon US、Capsugel、BASF、Zhenxing Chinaなどの会社から市販されている。製造装置および分析試験装置は、Sartorius、Nikon、Sympatec、Bruker、Gea Niro、Korsch、Erweka、Agilent、Quadro Engineering,Canada;Warters,US;TA,US;SOTAX,Switzerland;Mettler Toledo Instrument Newark,DEなどの会社から市販されている。
【0212】
I.グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製
1.1固体分散体の噴霧乾燥前の溶液の調製
【0213】
実施例1(活性成分とポリマーの重量比は1:9)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)6.75gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、0.75gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0214】
実施例2(活性成分とポリマーの重量比は3:7)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)5.25gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、2.25gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0215】
実施例3(活性成分とポリマーの重量比は5:5)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)3.75を秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、3.75gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0216】
実施例4(活性成分とポリマーの重量比は7:3)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)2.25gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、5.25gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0217】
実施例5(活性成分とポリマーの重量比は8:2)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)1.5gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、6gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0218】
実施例6(活性成分とポリマーの重量比は9:1)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)0.75gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、6.75gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0219】
実施例7(活性成分とポリマーの重量比は6:4)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)3.0gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、4.5gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0220】
実施例8(活性成分とポリマーの重量比は4:6)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)4.5gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、3.0gの化合物HMS5552を添加し、充分量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0221】
実施例9(活性成分とポリマーの重量比は5:5)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)187.5を秤量し、攪拌しながら無水エタノール(Zhenxing China)に加え、完全に溶解した後、187.5gの化合物HMS5552を添加し、引き続き攪拌して2500mlの黄色からオレンジ色の溶液を得た。
【0222】
1.2グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製
グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体は、上記で調製した溶液を噴霧乾燥することにより調製した。得られた固体分散体の番号は上記実施例の番号に対応する。本発明に適用される噴霧乾燥装置として、Niro GEA Process Engineering Inc.、Buchi Labortechnik AG、ProCeptおよびSPX ANHYDROUS社によって製造された噴霧乾燥装置が挙げられるが、これらに限定されない。噴霧乾燥は、液滴が装置壁に到達するときに十分に乾燥されるように、乾燥ガスの適切な送風温度、送風量、給液速度、および霧化圧力を選択することによって行われる。これは、乾燥した液滴が基本的に固体になることを確保するのに役立ち、微粉末を形成することができ、壁をくっつかず、サイクロンでの捕集が困難になることもない。製品が品質要求を確実に満たすために、得られた粉末を二次乾燥する。
【0223】
噴霧乾燥法によるグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体
の調製の製造プロセスの説明
前記実施例1〜8で調製した溶液を噴霧乾燥して固体分散体を調製した。この際、噴霧乾燥機の送風温度を90〜150℃、送風速度を0.3〜0.5m
3/min、気流の流速を15〜30L/min、前記溶液の噴霧速度を5〜7mL/minに設定し、噴霧乾燥して、固体分散体1〜8を得た。
前記実施例9で調製した溶液を噴霧乾燥して固体分散体を調製した。この際、噴霧乾燥機の送風温度を90〜150℃、送風速度を20〜30kg/h、気流の流速を3〜30kg/h、前記溶液の噴霧速度を5〜200mL/minに設定し、噴霧乾燥して、固体分散体9を得た。
【0224】
以上のように、固体分散体1〜9をそれぞれ調製した。固体分散体1中の化合物HMS5552の質量分率は10%;固体分散体2中の化合物HMS5552の質量分率は30%;固体分散体3中の化合物HMS5552の質量分率は50%;固体分散体4中の化合物HMS5552の質量分率は70%;固体分散体5中の化合物HMS5552の質量分率は80%;固体分散体6中の化合物HMS5552の質量分率は90%;固体分散体7中の化合物HMS5552の質量分率は60%;固体分散体8中化合物HMS5552の質量分率は40%;固体分散体9中の化合物HMS5552の質量分率は50%であった。
【0225】
II.グルコキナーゼ活性化剤の錠剤の製造
コーティング錠剤は、前記「グルコキナーゼ活性化剤錠剤の錠剤の製造」の項に記載の処方、または別の処方を用いて製造することができる。コーティング膜の機能は、主に硬度を増加させ、耐湿性を高め、外観を向上させ、嚥下等を容易にするなどがある。グルコキナーゼ活性化剤のコーティング錠剤の製造工程は、以下の工程を含む。
(1)グルコキナーゼ活性化剤の錠剤の製造。ここで、錠剤の処方および製造プロセスは上記と同じである。
(2)コーティング液の調製:攪拌しながら固形分が15重量%のコーティング懸濁液を調製し、均一に攪拌する。
(3)コーティング:錠剤の芯部を秤量し、コーティングポットに入れ、コーティング機の温度が30〜60℃に達した後、コーティングが始まった。目的のコーティング重量増加は、2重量%〜4重量%であり、そして、コーティング液の噴霧は、所望の重量増加を達成した後に停止し、コーティング機を25〜30℃に冷却した後、錠剤を得た。
この方法に従って、以下の投与量のグルコキナーゼ活性化剤のコーティング錠剤を製造した。これらのコーティング錠剤の処方を以下の表に示す。
【0226】
実施例10 5mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は5mg。
【0227】
実施例11 100mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は100mg。
【0228】
実施例12 25mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は25mg。
【0229】
実施例13 75mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は75mg。
【0230】
実施例14 25mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は25mg。
【0231】
実施例15 50mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は50mg。
【0232】
実施例16 100mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は100mg。
【0233】
III.グルコキナーゼ活性化剤のコーティング錠剤の製造
コーティング錠剤は、前記「グルコキナーゼ活性化剤錠剤の錠剤の製造」の項に記載の処方、または別の処方を用いて製造することができる。コーティング膜の機能は、主に硬度を増加させ、耐湿性を高め、外観を向上させ、嚥下等を容易にするなどがある。グルコキナーゼ活性化剤のコーティング錠剤の製造工程は、以下の工程を含む。
(1)グルコキナーゼ活性化剤の錠剤の製造。ここで、錠剤の処方および製造プロセスは上記と同じである。
(2)コーティング液の調製:攪拌しながら固形分が15重量%のコーティング懸濁液を調製し、均一に攪拌する。
(3)コーティング:錠剤の芯部を秤量し、コーティングポットに入れ、コーティング機の温度が30〜60℃に達した後、コーティングが始まった。目的のコーティング重量増加は、2重量%〜4重量%であり、そして、コーティング液の噴霧は、所望の重量増加を達成した後に停止し、コーティング機を25〜30℃に冷却した後、錠剤を得た。
この方法に従って、以下の投与量のグルコキナーゼ活性化剤のコーティング錠剤を製造した。これらのコーティング錠剤の処方を以下の表に示す。
【0234】
実施例17 50mgコーティング錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は50mg。
【0235】
実施例18 75mgコーティング錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は75mg。
【0236】
IV.グルコキナーゼ活性化剤のカプセル剤の製造
カプセル剤の製造方法1:
(1)秤量および篩掛け:処方量の各成分を秤量し、篩に掛けて用意した。
(2)造粒:内部添加型微結晶セルロース、固体分散体(上記で製造した固体分散体9)およびヒドロキシプロピルセルロースを湿式造粒機に入れ、所定のパラメータで予備混合し、秤量された純水を加えて湿式造粒を行い、排出した後、ミルで湿式整粒を行い、粒子のLODが2〜3重量%になるまで乾燥させ、次いでミルで乾式整粒を行った。
(3)カプセル充填:粒子をカプセルに充填した。本発明に適用されるカプセル殻のタイプは、動物由来のゼラチンカプセル剤、植物由来のHPMCカプセル剤、腸溶カプセル剤、軟カプセル剤などが挙げられる。
【0237】
実施例19 50mgカプセル剤の処方(1000粒に準拠する)、即ち、活性成分量は50mg。
【0238】
カプセル剤の製造方法2:
(1)秤量および混合:処方量の各成分を秤量し、混合して用意した。
(2)カプセル充填:混合した粉末をそのままカプセルに充填した。本発明に適用されるカプセル殻のタイプは、動物由来のゼラチンカプセル剤、植物由来のHPMCカプセル剤、腸溶カプセル剤、軟カプセル剤などが挙げられる。
【0239】
実施例20 50mgカプセル剤の処方(1000粒に準拠する)、即ち、活性成分量は50mg。
【0240】
実施例21 25mgカプセル剤の処方(1000粒に準拠する)、即ち、活性成分量は25mg。
【0241】
V.比較例
実施例12および実施例13中の固体分散体9を化合物HMS5552の原薬粉末にそれぞれ置き換え、処方中の微結晶セルロース量を調整し、それ以外の組成と割合を変えず、前記グルコキナーゼ活性化剤の錠剤の製造プロセスを用いて、比較例1および比較例2を調製した。
【0242】
比較例1 25mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は25mg。
【0243】
比較例2 75mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は75mg。
【0244】
実施例12および実施例13中の固体分散体9を化合物HMS5552の原薬粉末とEudragit L100(オイドラギットL100)にそれぞれ置き換え、それ以外の組成と割合を変えず、前記グルコキナーゼ活性化剤の錠剤の製造プロセスを用いて、比較例3および比較例4を調製した。
【0245】
比較例3 25mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は25mg。
【0246】
比較例4 75mg錠剤の処方(1000錠に準拠する)、即ち、活性成分量は75mg。
【0247】
他の投与量や規格のグルコキナーゼ活性化剤の錠剤も同じ方法で調製される。
【0248】
VI.テスト
1.人体におけるグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤の薬物動態
上記実施例で製造した錠剤を使用するか、または上記実施例と同様にして錠剤を製造した。単回投与漸増(SAD)試験において、健康な被験者にそれぞれ5mg、10mg、15mg、25mg、35mg、50mgの活性成分で単回経口投与した後、活性成分の血漿濃度は急速に上昇し、ピークに達するまでの平均時間は、1.25〜2.5時間であり、その後、穏やかに低下し、消失相半減期は、約4.5〜7.5時間であった。
【0249】
上記実施例で製造した錠剤を使用するか、または上記実施例と同様にして錠剤を製造した。反復投与漸増(MAD)試験において、II型糖尿病(T2DM)患者に25mg、50mg、100mg、150mg、200mgの活性成分で単回経口投与した後、活性成分の血漿濃度は、急速に上昇し、ピークに達するまでの平均時間は1.5〜2時間であり、その後、穏やかに低下し、消失相半減期は、約6.8〜8.6時間であり、健康な被験者と有意差はなかった;25mg、50mg、100mg、150mg、200mgを毎日2回5.5日間連続経口投与して安定状態になった後、活性成分の血漿濃度のピークに達するまでの平均時間は、1.5〜3時間であり、消失相半減期は、約7.7〜10.3時間であり、血漿中曝露量は、T2DM患者への単回投与に比べてほとんど蓄積していない(蓄積比の範囲は1〜1.8)。
【0250】
実施例12で製造した化合物HMS5552の錠剤を用いて、健康な被験者(HV)およいT2DM患者(T2DM)に、50mgの活性成分、即ち、活性成分が25mgである錠剤2錠を単回経口投与した後の血中濃度−時間曲線を
図2に示す。
【0251】
2.PBPKモデルでシミュレーションしたヒト腸管におけるグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤の吸収
Simcypソフトウェアを使用することによりPBPKモデルを構築し、空腹時の健康な被験者に50mgのHMS5552錠剤を単回経口投与した後のヒト腸管における化合物HMS5552の吸収程度および主要な吸収部位をシミュレーションした。
図3は、PBPKモデルでシミュレーションした、空腹時、健常人に50mgを単回投与した時のグルコキナーゼ活性化剤の経口製剤の腸管での平均溶出と吸収のグラフである。図から分かるように、グルコキナーゼ活性化剤の経口製剤は腸管で急速に溶出し、30分間内に溶出率が90%以上に達した。溶出と比較して、グルコキナーゼ活性化剤は完全に吸収されたが、吸収速度はやや遅く、投与後約2〜3時間で吸収プラットフォームに達した。これは臨床で観察されたグルコースキナーゼ活性化剤の人体中の血漿濃度のピークに達するまでの時間と一致し、このモデルが人体におけるグルコキナーゼ活性化剤の溶解および吸収の良好な予測を与え得ることを示した。
図4は、PBPKモデルでシミュレーションした、空腹時、健常人に50mgを単回投与した時のグルコキナーゼ活性化剤のヒト腸管の異なる部位の吸収分率を示した。HMS5552錠剤は、ヒトに単回投与した後、主要な吸収部位が腸管先端の十二指腸、空腸I段と空腸II段に位置し、三者の吸収分率の合計は、0.8であり、総吸収率(0.92)の87%を占めた。
【0252】
3.in vitro溶出試験
錠剤およびカプセル剤の溶出率は、「中国薬局方」(2010年版)のパドル法を採用し、pH1.2および/またはpH4.5および/またはpH6.8の3種類の異なる溶出媒体への溶出をそれぞれ測定し、5分間、10分間、20分間、30分間、45分間および60分間でそれぞれ5mlのサンプルを採取し、HPLC分析を行った。
上記の測定方法に従って、上記の5種類の投与量規格の錠剤およびカプセル剤を測定し、それらの溶出率の結果は、以下の通りである。
【0253】
表1:実施例12で製造された25mg錠剤の溶出結果
【0254】
表2:実施例10で製造された5mg錠剤の溶出結果
【0255】
表3:実施例17で製造された50mgコーティング錠剤の溶出結果
【0256】
表4:実施例18で製造された75mgコーティング錠剤の溶出結果
【0257】
表5:実施例11で製造された100mg錠剤の溶出結果
【0258】
表6:実施例21で製造された25mgカプセル剤の溶出結果
【0259】
表7:実施例13で製造された75mg錠剤の溶出結果
【0260】
表8:実施例14で製造された25mg錠剤の溶出結果
【0261】
表9:実施例15で製造された50mg錠剤の溶出結果
【0262】
表10:実施例16で製造された100mg錠剤の溶出結果
【0263】
表11:比較例1で製造された25mg錠剤の溶出結果
【0264】
表12:比較例2で製造された75mg錠剤の溶出結果
【0265】
表13:比較例3で製造された25mg錠剤の溶出結果
【0266】
表14:比較例4で製造された75mg錠剤の溶出結果
【0267】
結論:
本発明の固体分散体の技術により製造された経口製剤は、異なるpH条件下で溶出率に有意な差があるが、通常の方法で製造された錠剤は、この特徴を示さない。
図5に示すように、錠剤の製造プロセス及び処方の構成は、同じまたは類似しているが、化合物HMS5552の存在形態によって、経口製剤中の有効成分である化合物HMS5552は、異なる溶出特性を示す、即ち純粋なHMS5552粉末(比較例2)、HMS5552+Eudragit L100の単純混合物(比較例4)または固体分散体(実施例13)である。
上記の違いから、本発明の固体分散体の技術により製造された錠剤の溶出は、pH依存型、すなわちpH1.2〜4.5では30分間溶出度が45%以下、pH6.0〜7.0では30分溶出度が85%以上(表1〜10)であることが明らかになった。
さらに、
図7〜9に示すように、比較例2と比較例4で製造された錠剤は、pH1.2、ph4.5、ph6.8では、30分間溶出結果が近かった。一方、本発明の固体分散体の技術により製造された錠剤を用いた実施例13で、30分間溶出率は、pH1.2、pH4.5、pH6.8でそれぞれ16.2%、24.6%、88.6%であった。