特許第6913235号(P6913235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6913235ナイフアセンブリおよびナイフアセンブリを備えた切断装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6913235
(24)【登録日】2021年7月13日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】ナイフアセンブリおよびナイフアセンブリを備えた切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/26 20060101AFI20210727BHJP
   B26D 3/26 20060101ALI20210727BHJP
   B26D 3/28 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   B26D7/26
   B26D3/26 604
   B26D3/28 620Z
【請求項の数】24
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-510086(P2020-510086)
(86)(22)【出願日】2018年11月13日
(65)【公表番号】特表2021-501697(P2021-501697A)
(43)【公表日】2021年1月21日
(86)【国際出願番号】US2018060596
(87)【国際公開番号】WO2019094878
(87)【国際公開日】20190516
【審査請求日】2020年5月1日
(31)【優先権主張番号】62/584,245
(32)【優先日】2017年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504444120
【氏名又は名称】アーシェル ラボラトリーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000811
【氏名又は名称】特許業務法人貴和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲレッグ,ダスティン,ジョセフ
【審査官】 大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05911808(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0072579(US,A1)
【文献】 実開昭60−153796(JP,U)
【文献】 米国特許第04590835(US,A)
【文献】 特表2016−514629(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0290451(US,A1)
【文献】 特開2007−307675(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0260850(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102015213139(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/26
B26D 3/26
B26D 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の切断に適したナイフアセンブリであって、該ナイフアセンブリは、
刃先を有し、前記製品からスライス製品を生産するよう構成されたスライス刃部と、
前記スライス刃部から外方に伸長し、前記スライス製品をストリップ状に切断するよう構成された少なくとも1つのタブと、
前記スライス刃部を固定し、かつ、前記タブの近位端を前記スライス刃部に隣接する位置に固定するナイフホルダと、および、
前記タブの遠位端を挟持するよう構成されたタブサポートアセンブリと、
を備える、ナイフアセンブリ。
【請求項2】
前記タブサポートアセンブリは、前記タブの長軸に沿って前記ナイフホルダから離れる方向に前記タブを引っ張るように構成され、前記タブに張力を付与することが可能である、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項3】
前記タブサポートアセンブリは、第1フィンガを有する第1支持ブロックと、第2フィンガを有する第2支持ブロックとを備え、かつ、前記タブの遠位端を第1フィンガと第2フィンガとの間に挟持するよう構成されている、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項4】
第1支持ブロックおよび第2支持ブロックのうちの一方に位置決めピンが備えられ、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックのうちの他方に、前記位置決めピンに対応するスロットが備えられ、前記スロットは細長く、前記スロット内に前記位置決めピンが位置する状態において、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックのうち少なくとも1つは、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックのうちの他方に対して、前記スライス刃部の長手方向に沿ってスライドすることが可能である、請求項3に記載のナイフアセンブリ。
【請求項5】
前記タブサポートアセンブリは、第1フィンガおよび第2フィンガ間に挟持された前記タブの長軸に沿って、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックを前記ナイフホルダから離すことにより、前記タブに張力を付与するよう構成されている、請求項3に記載のナイフアセンブリ。
【請求項6】
第1支持ブロックおよび第2支持ブロックは、前記ナイフホルダから離れると同時に、それぞれの長手方向に沿って、かつ、第1フィンガおよび第2フィンガがタブに向かう方向に移動する、請求項5に記載のナイフアセンブリ。
【請求項7】
第1支持ブロックおよび第2支持ブロックにおける長孔に挿通されたガイドねじが備えられ、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックは、前記ガイドねじと前記長孔の縁部との間における相互作用によって、それぞれの長手方向に沿って同時に前記ナイフホルダから離れる、請求項6に記載のナイフアセンブリ。
【請求項8】
前記ナイフホルダおよびタブサポートアセンブリは、切断装置の切断ヘッドに対して着脱可能に固定されるよう構成されている、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項9】
前記ナイフアセンブリは、前記タブを複数備え、第1支持ブロックは、第1フィンガを複数備え、第2支持ブロックは、第2フィンガを複数備え、前記複数の第1フィンガと前記複数の第2フィンガは交互に配置され、第1フィンガおよび第2フィンガは複数のペアを構成し、第1フィンガおよび第2フィンガのペアのそれぞれは、その間に、対応する前記タブの1つの遠位端を把持するよう構成されている、請求項1に記載のナイフアセンブリ。
【請求項10】
前記スライス刃部および前記タブは、それぞれ二次元切断を行うこと可能であり、前記ストリップ状に切断された製品が、4つの側面がそれぞれフラットでない所定の形状を有する側面により構成される、請求項9に記載のナイフアセンブリ。
【請求項11】
その周囲に間隔をあけて配置された、少なくとも1つのナイフアセンブリを有する切断ヘッドと、
パドルを有し、前記切断ヘッド内で回転して、製品を、前記パドルと接触させ、および、該製品を、前記切断ヘッドの周囲にある前記ナイフアセンブリに向かって、その回転軸から前記切断ヘッドの周囲に向かって垂直に伸長する方向である径方向に関して外方に移動させるよう構成されたインペラと、
を備え、
前記ナイフアセンブリは、
刃先を有し、前記製品からスライス製品を生産するよう構成されたスライス刃部と、
前記スライス刃部から外方に伸長し、前記スライス製品をストリップ状に切断するよう構成された少なくとも1つのタブと、
前記スライス刃部を固定し、かつ、前記タブの近位端を前記スライス刃部に隣接する位置に固定するナイフホルダと、
前記ナイフホルダよりも径方向外方に配置され、前記タブの遠位端を挟持し、前記タブの長軸に沿って前記ナイフホルダから離れる方向に前記タブを引っ張って、前記タブに張力を付与するタブサポートアセンブリと、
を備える、
切断装置。
【請求項12】
前記ナイフホルダおよび前記タブサポートアセンブリは、シューを介して前記切断ヘッドに着脱可能に固定され、前記ナイフホルダは、前記シューの径方向内面に結合され、前記タブサポートアセンブリは、前記シューの径方向外面に結合されている、請求項11に記載の切断装置。
【請求項13】
前記タブサポートアセンブリは、第1フィンガを有する第1支持ブロックと、第2フィンガを有する第2支持ブロックを備え、前記タブサポートアセンブリは、前記タブの遠位端を前記第1フィンガおよび第2フィンガの間に挟持するよう構成されている、請求項11に記載の切断装置。
【請求項14】
第1支持ブロックおよび第2支持ブロックの一方に位置決めピンが備えられ、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックの他方に対応するスロットが備えられ、前記スロットは細長い形状を有し、前記位置決めピンが前記スロット内に位置する状態において、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックの少なくとも一方が、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックの他方に対してその長軸に沿ってスライドすることが可能である、請求項13に記載の切断装置。
【請求項15】
前記タブサポートアセンブリは、前記タブが第1フィンガおよび第2フィンガの間に挟持されている状態で、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックを前記ナイフホルダから径方向に離れるよう移動させて、前記タブに張力を付与するよう構成されている、請求項13に記載の切断装置。
【請求項16】
第1支持ブロックおよび第2支持ブロックが前記ナイフホルダから径方向に離れるように移動する際に、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックはいずれも、それぞれの長手方向に沿って移動して、第1フィンガおよび第2フィンガを前記タブに向かって移動させる、請求項15に記載の切断装置。
【請求項17】
第1支持ブロックおよび第2支持ブロックのそれぞれに設けられた長孔に挿通されるガイドねじが備えられ、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックは前記ナイフホルダから径方向に離れるように移動する際に、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックは、前記ガイドねじおよび前記長孔の縁部との相互作用によって、それぞれの長手方向に沿って同時に移動する、請求項16に記載の切断装置。
【請求項18】
第1支持ブロックおよび第2支持ブロックの一方に位置決めピンが備えられ、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックの他方に対応するスロットが備えられ、前記スロットは細長く、前記位置決めピンが前記スロット内に位置する状態で、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックのうちの少なくとも一方が、第1支持ブロックおよび第2支持ブロックの他方に対して、その長軸に沿ってスライドすることが可能である、請求項17に記載の切断装置。
【請求項19】
前記ナイフアセンブリにおいて、前記タブが複数備えられ、第1支持ブロックは第1フィンガを複数備え、第2支持ブロックは、第2フィンガを複数備え、第1フィンガと第2フィンガとは交互に配置され、第1フィンガおよび第2フィンガは複数のペアを構成し、第1フィンガおよび第2フィンガのそれぞれのペアは、対応する前記タブの1つの遠位端をその間に挟持するよう構成されている、請求項11に記載の切断装置。
【請求項20】
前記スライス刃部および前記タブは、所定形状の二次元で切断を行って、前記ストリップ状に細断された製品は、4つの側面がそれぞれフラットでない所定形状を有する側面により構成される、請求項19に記載の切断装置。
【請求項21】
第1フィンガおよび第2フィンガは、前記スライス刃部に対して平行に伸長し、前記スライス刃部から排出された後から前記タブに接触する前までにおいて、前記スライスされた製品を安定させる、請求項19に記載の切断装置。
【請求項22】
前記スライスされた製品が前記タブを通じて前記ストリップ状に細断された製品とされるまで、前記スライスされた製品を補助するための径方向脚を有する、回転送りディスクが備えられ、第1フィンガおよび第2フィンガの複数のペアのうちの隣接するペアの間にスロットが形成され、前記スロットに、前記回転送りディスクの前記径方向脚が通過して、前記径方向脚のそれぞれが、前記複数のタブのうちの隣接するペアの間を移動する前記スライスされた製品の一部と係合するよう構成されている、請求項11に記載の切断装置。
【請求項23】
前記ナイフアセンブリを複数備え、該複数のナイフアセンブリは、前記切断ヘッドの周囲に配置されている、請求項11に記載の切断装置。
【請求項24】
前記ストライプ状に細断された製品から、さいの目に切断された製品を生産可能なダイシング機構を備える、請求項11に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本明細書に参照として組み込まれる2017年11月10日に出願された米国特許仮出願第62/584,245号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、食品などの製品のサイズを低減させる操作を行うための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
野菜、果実、乳製品、肉製品などの食品をスライスし、細断し、さいの目切りにし、破砕し、および/または、粉砕し、食品のサイズを低減させるためのさまざまな装置が知られている。このような目的に使用されている装置は、アーシェル ラボラトリーズ,インク.から、「ダイバーサカット2110(DiversaCut2110(登録商標))」および「モデルCC(Model CC(登録商標))」のブランド名で市販されている。ダイバーサカット2110およびモデルCCの装置は、略環状で、その周囲に間隔をあけて配置された1つ以上のナイフアセンブリを有する切断ヘッドと、切断ヘッド内に同軸に取り付けられたインペラとを備える。作動時に、切断ヘッドは静止しているが、インペラが切断ヘッド内で回転することで、遠心力により、製品は外方に移動し、切断ヘッドのナイフアセンブリとの係合部へと運ばれる。両タイプの装置はいずれも、さまざまな野菜、果実、および肉製品のスライス、皮むき、裁断、および/または、粉砕を高い生産能力で均一に行うのに適している。モデルCCの装置の構造および操作は、米国特許第5,694,824号公報および第6,968,765号公報に示されている。ダイバーサカット2110(登録商標)の装置の構造および操作は、米国特許第3,472,297号公報および第3,521,688号公報に示されている。これら先行特許文献の内容は本明細書に参照として組み込まれる。
【0004】
図1は、モデルCCの装置の非限定的な実施形態に示す。図1は、ギアボックス17の上にあるサポートリング15上に取り付けられた環状の切断ヘッド10を示す模式図である。ハウジング19内に、ギアボックス17に連結されたシャフトが備えられており、インペラ11は、切断ヘッド10内で駆動される。切断される製品は、供給シュート13を介して提供される。上述したように、インペラ11は切断ヘッド10内で回転し、インペラ11の周囲に隣接して配置されたパドル11Aは、食品を切断ヘッド10の周囲に配置された刃部(図示せず)との係合部へと外方に移動させる。それぞれの刃部は、インペラ11の回転方向とは逆方向であって、径方向内方にかつインペラ11に向けて突出し、刃部の径方向に関して最も内側には刃先が設けられている。
【0005】
図2は、図1に示した切断ヘッドの実施形態を示す斜視図である。切断ヘッド10は、平面以外の波形などの特定の形状を有する刃部12を備え、刃部12は、平板以外の形状を有するスライスされた食品を生産するのに適している。切断ヘッド10は、下部および上部サポートリング14と、周方向に間隔をあけて配置された複数のサポートセグメント(シュー18)をさらに備え、刃部12は、ナイフアセンブリ16を構成する一部材としてシュー18に取り付けられる。それぞれのナイフアセンブリ16は、刃部12をシュー18に固定するためのクランプアセンブリを備える。それぞれのクランプアセンブリは、シュー18の径方向内面側に取り付けられたナイフホルダと、シュー18の径方向外面側に取り付けられ、刃部12をナイフホルダとの間に固定するためのクランプとを備える。
【0006】
図3は、図1に示したモデルCCの装置に使用できる切断ヘッド20の別の実施形態を示す側面図である。図3の切断ヘッド20は、複数のナイフアセンブリ26を備え、それぞれのナイフアセンブリ26は、図4に示したように組み立てられた刃部22および23を備える。図2の切断ヘッド10と同様に、図3に示したそれぞれのナイフアセンブリ26では、刃部22および23のセットが、切断ヘッド20の下部および上部サポートリング24に取り付けられ、周方向に間隔をあけて配置された複数のシュー28のうち1つに固定されている。図5は、複数あるシュー28とナイフアセンブリ26との組み合わせの1つを示す。ナイフアセンブリ26は、ナイフホルダ30と、ナイフホルダ30との間に刃部22および23とをクランプするナイフクランプ31とを備える。ナイフアセンブリ26は、特定な形状を有さずに、フラットなストリップ状の食品(千切りされた食品)を生産することに適している。図4は、刃先21を有する、フラットで平面状のスライス刃部を構成する刃部22と、「千切り」または「ストリップ」状の刃部を構成する刃部23とを備える。刃部23は、フラットなベースと、該ベースに対して略垂直に設置された個別のブレードを構成するタブ25を有し、スライス刃部22と協働して、ストリップ状に細断された(千切りされた)フラットな食品を生産する。作動時に、スライス刃部22の刃先21は食品をスライスし、その後、ストリップ刃部23が、スライスされた食品をストリップ状に細断する。
【0007】
図6は、別のナイフアセンブリ36、および、このナイフアセンブリに対応するとともに、図2および図3に示したタイプの切断ヘッドを含む、モデルCCの切断ヘッドにおいて使用可能に構成されたシュー38の分解図である。ナイフアセンブリ36は、ナイフホルダ40と、このナイフホルダ40にボルト44で固定されるナイフクランプ42とを備える。ナイフホルダ40は、ボルト46でシュー38に固定される。図4に示す単一の部材からなるストリップ刃部23とは異なり、1対のストリップ刃部33Aおよび33Bが備えられ、ナイフホルダ40およびナイフクランプ42は、フラットなスライス刃部32と1対のストリップ刃部33Aおよび33Bを保持する。ナイフクランプ42は、その先端縁に複数のスロットを有する。これらのスロットは、ストリップ刃部33Aおよび33Bのタブ35Aおよび35Bが延在する開口部を提供する。組み立てた状態で、ストリップ刃部33Aおよび33Bのタブ35Aおよび35Bは、ナイフアセンブリ36の長手方向に沿って交互になるよう配置される。フラットなスライス刃部32およびストリップ刃部33Aおよび33Bは、図3図5に示したフラットなスライス刃部22およびストリップ刃部23と実質的に同様に機能し、千切りされた食品のスライスおよびストリップを生産する。
【0008】
図1図6を参照して説明したモデルCCシリーズの装置および刃部は、さまざまな種類の切断された食品を生産するために使用することができるが、所望のタブの高さ、すなわち、ストリップ刃部のベースから、該ベースの反対側にあるタブの遠位端における最外縁までの寸法を大きくする場合には、製造上の課題が生じる。具体的には、比較的長いタブは、作動時に、屈曲、屈折、塑性変形、および/または、破損する危険がある。そのため、現行の装置においては、タブの高さは一般的には制限されている。この観点から、スライスされた食品を生産するための改良された装置および方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ストリップ状の食品を含む、ストリップ状に細断された製品の生産に適したナイフアセンブリおよび切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、製品の切断に適したナイフアセンブリが提供される。該ナイフアセンブリは、刃先を有し、前記製品からスライス製品を生産するよう構成されたスライス刃部と、前記スライス刃部から外方に伸長し、前記スライス製品をストリップ状に切断するよう構成された少なくとも1つのタブと、前記スライス刃部を固定し、かつ、前記タブの近位端を前記スライス刃部に隣接する位置に固定するナイフホルダと、前記タブの遠位端を挟持し、前記タブの長軸に沿って前記ナイフホルダから離れる方向に前記タブを引っ張って、前記タブに張力を付与するタブサポートアセンブリとを備える。
【0011】
本発明の別の態様によれば、切断装置が提供される。該切断装置は、その周囲に間隔をあけて配置された1つ以上のナイフアセンブリを有する切断ヘッドと、パドルを有し、前記切断ヘッド内で回転して、製品を、前記パドルと接触させ、および、前記切断ヘッドの周囲にある前記ナイフアセンブリに向かって、その回転軸から前記切断ヘッドの周囲に向かって垂直に伸長する方向である径方向に関して外方に移動させるよう構成されたインペラとを備える。
【0012】
それぞれのナイフアセンブリは、刃先を有し、前記製品からスライス製品を生産するよう構成されたスライス刃部と、前記スライス刃部から外方に伸長し、前記スライス製品をストリップ状に切断するよう構成された少なくとも1つのタブと、前記スライス刃部を固定し、かつ、前記タブの近位端を前記スライス刃部に隣接する位置に固定するナイフホルダと、前記ナイフホルダよりも径方向外方に配置され、前記タブの遠位端を挟持し、前記タブの長軸に沿って前記ナイフホルダから離れる方向に前記タブを引っ張って、前記タブに張力を付与するタブサポートアセンブリとを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明のナイフアセンブリと切断装置では、ストリップ状の製品を生産するための切断動作中に、タブに張力が付与されているため、タブが損傷する可能性が低減される。
【0014】
本発明のその他の特徴および効果は、以下の詳細な説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来の切断装置を示す平面図である。
図2図2は、特定の形状のスライスされた食品を生産することができる、特定の形状を有する刃部を備えた、既存のモデルCCの装置の切断装置を示す斜視図である。
図3図3は、フラットなストリップ状の食品を生産することができるナイフアセンブリを備えた、既存のモデルCCの装置の切断装置を示す側面図である。
図4図4は、ストリップ状の食品を生産するために、図3に示したそれぞれのナイフアセンブリに使用された1対の刃部の1つを示す図である。
図5図5は、図3に示したシューとナイフアセンブリとの組み合わせの1つを示す斜視図である。
図6図6は、フラットなストリップ状の食品を生産するためのモデルCCの装置の切断ヘッドに使用可能な他のタイプのシューおよびナイフアセンブリの組み合わせの分解図である。
図7図7は、タブサポートアセンブリを備える非限定的なナイフアセンブリであって、本発明の特定の態様に基づいた遠心タイプの切断装置に使用可能なナイフアセンブリの背面斜視図である。
図8図8は、タブサポートアセンブリを備える非限定的なナイフアセンブリであって、本発明の特定の態様に基づいた遠心タイプの切断装置に使用可能なナイフアセンブリの正面斜視図である。
図9図9は、図7および図8に示したナイフアセンブリの正面図である。
図10図10は、図7図9に示したナイフアセンブリにおける1対のストリップ刃部のうちの1つを示す斜視図である。
図11図11は、図7図9に示したタブサポートアセンブリにおける1対の支持ブロックの正面図である。
図12図12は、図7および図8に示したナイフアセンブリのうち、1対のストリップ刃部の配置を示すために特定の部材のみを示した、背面斜視図である。
図13図13は、図7図9に示したナイフアセンブリの支持ブロックのリリース位置を示す背面図である。
図14図14は、図7図9に示したナイフアセンブリの支持ブロックのクランプ位置を示す背面図である。
図15図15は、食品をストリップ状に細断する状態にある、図7図9に示したナイフアセンブリの斜視図である。
図16図16は、食品をストリップ状に細断する状態にある、図7図9に示したナイフアセンブリの斜視図である。
図17図17は、タブサポートアセンブリを備え、遠心タイプの切断装置に使用するよう構成された、本発明の特定の態様に基づいた別の非限定的なナイフアセンブリの斜視図である。
図18図18は、図17に示したナイフアセンブリの正面図である。
図19図19は、図17および図18に示したナイフアセンブリのストリップ刃部の1つを示す図である。
図20図20は、図17に示したナイフアセンブリの端面図である。
図21図21は、図17に示したナイフアセンブリと、ナイフアセンブリからストリップ状の製品を移動させるための送りディスクとの組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、野菜、果実、乳製品、および肉製品をスライス、細断、および粉砕するためのさまざまなタイプの装置に使用することができるナイフアセンブリおよび方法を提供する。本発明のナイフアセンブリおよび方法について、図1図3に示した切断ヘッドと同様の静止した環状の切断ヘッド内で回転するインペラを備えた遠心タイプの切断装置である、アーシェル ラボラトリーズ,インク.のダイバーサカット2110およびモデルCCの装置を参照して説明する。ただし、本発明のナイフアセンブリおよび方法は、食品を含むさまざまな製品のスライス、細断、千切り、および/または、粉砕を均一に行うことができる他のタイプの遠心タイプの切断装置を含む、さまざまなタイプの装置に広く適用可能である。本発明は、比較的厚いストリップ状の食品の生産に特に適している。
【0017】
図示した実施形態に関する以下の説明の理解を容易にするため、図示された実施形態に関する「後方」、「前方」、「後」、「横」、「前」、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「右」、「左」などを含む、相対的な用語については、たとえば、図4および図5に示す切断ヘッドと同様の切断ヘッドに取り付けられたナイフアセンブリの方向を参照して使用される。さらに、インペラおよび切断ヘッドの軸配置に基づき、「軸方向」、「周方向」、「径方向」などを含む、相対的な用語、および、これらの関連する形状も、図示された非限定的な実施形態を示すために使用される。たとえば、「放射状」または「径方向」は、切断ヘッド内のインペラの回転軸(図1に示したA)から切断ヘッドの周囲に向かって垂直に伸長する直線の方向を示す。「軸方向」とは、切断ヘッド内におけるインペラの回転軸に沿った線方向を示す。したがって、第1の部材が、第2の部材より径方向外側に位置するということは、第1の部材が、第2の部材よりも径方向に沿ってインペラの回転軸(A)から離れていることを意味する。
【0018】
図7図16は、モデルCCの装置などの遠心タイプの切断装置を用いてストリップ状に細断された(千切りされた)食品を生産することができる、非限定的なナイフアセンブリ136の一態様を示す。ナイフアセンブリ136は、図5および図6に示したナイフホルダおよびクランプと同様の(必ずしも同一である必要はない)ナイフホルダ140とナイフクランプ142とを含む。たとえば、ナイフホルダ140は、図6に示したナイフホルダ40およびシュー38と実質的に同一の手段でシュー(図示せず)に固定されるよう構成される。
【0019】
ナイフクランプ142は、たとえば、ナイフホルダ140およびクランプ142に備えられた相補孔144(図7)に挿入されたボルト(図示せず)により、ナイフホルダ140に結合され、これにより、クランプ142は、フラットなスライス刃部132(図8)および1対のストリップ刃部133Aおよび133B(図12)を挟持することができる。図示した非限定的な実施形態においては、ストリップ刃部133Aおよび133Bは、スライス刃部132(図8および図9)の上に位置するため、スライス刃部132とナイフクランプ142との間に配置される。図12において、一方のストリップ刃部133Aは、他方のストリップ刃部133Bの上に位置する。この一方のストリップ刃部133Aを、図10に示す。スライス刃部132と、ストリップ刃部133Aおよび133Bとは、図6に示したスライス刃部32とストリップ刃部33Aおよび33Bとに類似するが、必ずしも同一である必要はない。それぞれのストリップ刃部133Aおよび133Bは、ストリップ刃部133Aまたは133B(図10および図12)の略フラットまたは平板状のベース134Aおよび134Bに対して実質的に垂直に突出するブレードまたはタブ135Aおよび135Bをそれぞれ有する。したがって、クランプ142は、それぞれのタブ135Aおよび135Bの近位端を、スライス刃部132に隣接する位置に固定する。
【0020】
説明上、スライス刃部132およびナイフクランプ142が省略されている図12から明らかなように、ストリップ刃部133Aおよび133Bは組み合わされて、ストリップ刃部133Aおよび133Bのタブ135Aおよび135Bは、スライス刃部132の長手方向長さに沿って交互に配置される。あるいは、スライス刃部132は、単一のストリップ刃部133Aまたは133Bと組み合わされる。この場合のナイフアセンブリは、図3図5に示したスライス刃部22およびストリップ刃部23に類似するが、必ずしも同一である必要はない。ナイフクランプ142は、その先端縁に複数のスロット143(図7および図8)を有し、スロット143は、タブ135Aおよび135Bがこれらを通って伸長する開口部として機能する。作動時に、フラットなスライス刃部132の刃先131は、食品を切断してスライスを生産し、その後、ストリップ刃部133Aおよび133Bのタブ135Aおよび135Bは、該スライスをストリップ状に切断する。
【0021】
タブの長さ(高さ)、すなわち、ストリップ刃部133Aおよび133Bのベース134Aおよび134Bから、ベース134Aおよび134Bと反対側に配置されるタブ135AおよびBの遠位端における最外縁までのタブ135AまたはBの寸法が増大すると、作動時に、屈曲、屈折、塑性変形、および/または、破損する危険性が増大する。このような可能性を抑制するため、ナイフアセンブリ136は、タブ135Aおよび135Bを支持し、好ましくは張力を付与するよう構成されたタブサポートアセンブリを備える。該タブサポートアセンブリは、シュー(たとえば、図2図3図5、および/または、図6に示した18、28、または38)に固定される1対の取付けブロック150および152を備え、取付けブロック150および152の端部は、ナイフホルダ140およびナイフクランプ142の前縁の上を覆うように、および/または、該前縁に隣接するように片持ち支持される。このような実施形態においては、取付けブロック150および152は、ナイフホルダ140およびシューを固定するためのボルトによって、シューに対して固定される。たとえば、図6に示したボルト46は、取付ブロック150および152の挿通孔146(図7および図8)、および、シューの相補孔に挿通されてから、ナイフホルダ140に設けられた複数の整合孔148(図8)にねじ込まれる。好ましくは任意的に、たとえば、位置決めピンなどの整合機構が、ナイフアセンブリ136およびシューの適切な整合性を確立するために、タブサポートアセンブリに組み込まれる。
【0022】
図示の例では、取付けブロック150および152は、第1支持ブロック154および第2支持ブロック156を支持する。それぞれの取付ブロック150および152の前端は、第1支持ブロック154の端部を受け入れ、支持するよう形成された、リップまたは突起180を備える。ガイドねじ158は、第1支持ブロック154および第2支持ブロック156を、互いに結合させ、かつ、取付けブロック150および152に結合させる。以下に詳述する理由から、ガイドねじ158は、支持ブロック154および156に設けられた長孔162および164(図11)をそれぞれ通過するため、支持ブロック154および156は、取付けブロック150および152の突起180から離れる方向に移動させられた場合には、互いに反対方向に平行移動する。
【0023】
第1支持ブロック154および第2支持ブロック156は、それぞれ複数のフィンガ170および172を備え、フィンガ170および172の間にタブ135Aおよび135Bを1つずつ挟持するよう構成されている。図9図11図13、および図14からより理解されるが、フィンガ170および172は、互いに組み合わされて、かつ、互いに平行であり、組み付けの際に、タブ135Aおよび135Bと一致する方向に向けられる。すなわち、フィンガ170および172は、タブ135Aおよび135Bと平行である、平行な対向面を有する。第1支持ブロック154および第2支持ブロック156が互いに向き合うよう配置されている場合(すなわち、第1支持ブロック154の正面が、第2支持ブロック156の背面に接触している場合)、第2支持ブロック156のフィンガ172の尾部または後部は、第1支持ブロック154の下に、かつ、第1支持ブロック154のフィンガ170間に伸長するため、フィンガ170および172の尾部または後部は、図7および図12に示したように、実質的に第1支持ブロック154の尾部または後部と整合する。それぞれのタブ135Aおよび135Bの上部全体(すなわち、タブ135AおよびBの前縁から後縁まで)は、隣接する1対のフィンガ170および172により挟持された状態で、フィンガ170および172間に位置し、かつ、フィンガ170および172と接触することが好ましい。第2支持ブロック156のそれぞれのフィンガ172の先端または正面は、図8に示すように面取りされているため、スライスされた食品をストリップ状に細断する動作中に、フィンガ172とスライスされた食品が干渉し合う可能性が低減される。
【0024】
第1支持ブロック154および第2支持ブロック156は、支持ブロック154および156の間の平行配置、および、フィンガ170および172の間の平行配置を維持しつつ、支持ブロック154および156が互いに相対的に移動することを可能にする手段を備えていることが好ましい。図示した非限定的な例においては、第1支持ブロック154は、1対の位置決めピン166を備えている。1対の位置決めピン166は、第2支持ブロック156に設けられた対応するスロット168に挿入されるよう構成されている。このため、支持ブロック154および156は、長手方向に関して互いに相対的な移動が可能となっている。図13および図14に示すように、第2支持ブロック156に設けられたスロットは、第1支持ブロック154の位置決めピン166が移動するのに十分な長手方向の間隔を有するため、支持ブロック154および156は、長手方向に互いに相対的に十分に移動することができ、それぞれのフィンガ170および172は、それぞれのフィンガ170および172の間にある個々のタブ135Aおよび135Bを完全に開放あるいは十分に把持することができる。ガイドねじ158は、第1支持ブロック154および第2支持ブロック156の相対的な移動を選択的に許可あるいは阻止する機能を有する。このため、図14に示すように、フィンガ170および172がストリップ刃部133Aおよび133Bのタブ135Aおよび135Bをしっかりと挟持すると、第1支持ブロック154および第2支持ブロック156の相対的な移動は阻止される。この挟持(クランプ)位置では、フィンガ170および172により、食品をスライス中にタブ135Aおよび135Bが、屈曲、屈折、塑性変形、または、破損する可能性を低減させることが可能となる。
【0025】
タブ135Aおよび135Bが、屈曲、屈折、塑性変形、および/または、破損する可能性をさらに低減させるために、支持ブロック154および156、並びに、フィンガ170および172は、タブ135Aおよび135Bに対して張力を付与できるよう作動することが好ましい。このため、締め付けねじ160が、第1支持ブロック154の端部に配置され、第1支持ブロック154にねじ込まれている。締め付けねじ160の端部は、第1支持ブロック154から突出し、図8および図9から理解されるように、取付けブロック150および152の突起180に突き当たっている。締め付けねじ160を第1支持ブロック154にさらにねじ込むと、第1支持ブロック154と、ナイフホルダ140およびクランプ142との間の距離が増大する。これにより、フィンガ170と172との間に挟持されたタブ135Aおよび135Bが引っ張られ、それぞれのタブ135Aおよび135Bの長軸に沿って、それぞれのストリップ刃部133Aおよび133Bのベース134Aおよび134Bから離れる方向に、タブ135Aおよび135Bに対して張力が付与される。
【0026】
図11に示した第1支持ブロック154および第2支持ブロック156の長孔162および164は、支持ブロック154および156の長手方向に対して互いに反対の角度に傾斜している。図示した実施形態においては、第1支持ブロック154の長孔162は、締め付けねじ160が第1支持ブロック154にねじ込まれて、第1支持ブロック154がナイフホルダ140から持ち上げられると、長孔162の輪郭または縁部が締め付けねじ160と相互作用し、第1支持ブロック154は、フィンガ170と接触するタブ135Aおよび135Bに向かって、すなわち、正面図である図9および図11における右側に、あるいは、背面図である図13および図14における左側に、移動する。一方、第2支持ブロック156の長孔164は、締め付けねじ160によって第2支持ブロック156が第1支持ブロック154に沿って持ち上げられると、長孔164の輪郭または縁部が締め付けねじ160と相互作用し、第2支持ブロック156は、フィンガ170と接触するタブ135Aおよび135Bに向かって、すなわち、正面図である図9および図11における左側、あるいは、背面図である図13および図14における右側に、移動する。このようにして、第1支持ブロック154および第2支持ブロック156は、長手方向に互いに反対方向に移動しつつ、ナイフクランプ142から離れる方向に移動し、フィンガ170および172により、タブ135Aおよび135Bは、同時かつ段階的に把持され、張力を付与される。
【0027】
比較的高い(長い)タブを用いる場合に、タブサポートアセンブリの使用は特に有益であると考えられる。ただし、タブサポートアセンブリは、広い範囲の高さを有するタブに適用することも、および、さまざまな食品のスライス厚さ(スライス刃部の刃先と、該スライス刃部に周方向に関して先行するシューの後縁との間の径方向間隙により形成される)と、さまざまな食品のストリップ幅(隣接するタブ135Aと135Bとの間の距離により形成される)との組み合わせに適用することが可能である。
【0028】
非限定的な例として、第1支持ブロック154および第2支持ブロック156は、タブ間距離が約6.35mm(0.25インチ)または約9.525mm(0.375インチ)であるタブ135Aおよび135Bを挟持するよう構成される。そのような構成では、支持ブロック154および156を変更することなく、タブ間距離がその倍数であるストリップ刃部133Aおよび133Bをさらに把持することができる。たとえば、タブ間距離が約6.35mm(0.25インチ)であるタブ135Aおよび135Bを保持するよう構成されたタブサポートアセンブリは、タブ間距離が約12.7mm(0.5インチ)、約19.05mm(0.75インチ)、および約25.4mm(1.0インチ)であるストリップ刃部133Aおよび133Bを保持することができ、その場合、1対のフィンガ170および172のいくつかは、該フィンガ間にタブ135Aまたは135Bが存在しない。同様に、タブ間距離が約9.525mm(0.375インチ)であるタブ135Aおよび135Bは、タブ間距離が約19.05mm(0.75インチ)および約28.575mm(1.125インチ)であるストリップ刃部133Aおよび133Bも保持することができる。実際には、タブ135Aおよび135Bは、厚さ約0.762mm〜9.525mm(0.03インチ〜0.375インチ)のストリップ状の食品を生産するために十分な高さを有していれば十分である。
【0029】
図15および図16は、作動時のナイフアセンブリ136を取り出して示した斜視図である。図示しない切断ヘッド内に位置する食品200(たとえば、ジャガイモ)は、たとえば、図1などに示すインペラによって、ナイフアセンブリ136と接触する。図示したように、スライス刃部132の刃先131は、食品200を切断し、スライスされた製品202を分離する。その後、ストリップ刃部133Aおよび133Bのタブ135Aおよび135Bの刃先は、それぞれ、スライスされた製品202を切断し、個々のストリップ204を生産する。
【0030】
上述した刃部および方法は、フラットな(平板状の)スライス刃部に関するものであるが、当業者であれば、本明細書中における教示は、たとえば波形のスライス刃部など、他のタイプのスライス刃部に適用可能であることは明らかである。さらに、本明細書中で開示したストリップ刃部133Aおよび133Bは、刃部133Aおよび133Bの本体に切り目を入れてタブ135Aおよび135Bとなる部分を形成し、その後、この部分をストリップ刃部133Aおよび133Bのそれぞれの残部(ベース134Aおよび134B)に対して実質的に垂直に折り曲げることでタブ135Aおよび135Bとすることによっても形成することが可能である。さらには、当業者にとって、その他のタイプのストリップ刃部も使用可能であることは明らかである。たとえば、フラットなスライス刃部132と1対のストリップ刃部133Aおよび133Bとの組み合わせに代替して、その表面に冶金的に接合された複数のタブを有するスライス刃部を用いることもできる。
【0031】
図15および図16から明らかであるが、ナイフアセンブリ136は、スライス刃部132を用いて、食品200を二次元に切断した後、ストリップ刃部133Aおよび133Bのタブ135Aおよび135Bを用いて、スライスされた製品202をさらに二次元に切断することができる。この二次元での切断は、単一の可動部材(図1などに示したインペラ)を用いて行うことができる限り、スライス刃部132およびタブ135Aおよび135Bを用いて生産可能である、いかなるあるいはあらゆる二次元切断を行うことによって所望の形状、たとえば、ストリップの4つの側面のいずれもが波形である形状などを得るように構成されたナイフアセンブリは、本発明の範囲内にある。ストリップ204がナイフアセンブリ136から排出された後で、ダイバーサカット2110の装置に適用されるタイプを含む横切り装置によって、それぞれのストリップ204はさらに二次元に切断され、さいの目に切断された製品を生産する。該横切り装置は、スライス刃部132とタブ135Aおよび135Bとによる切断方向を横切る方向に二次元切断を行う、フラットな形状または所定の形状を有する刃部を有する。所定の形状を有する刃部を用いて横方向に切断した場合、さいの目に切断された製品は、製品の6側面のすべてが波形あるいは所望の形状の表面となる。
【0032】
図17図22は、本発明のさらなる実施形態によるナイフアセンブリの追加的構成を示す。これらの図においは、同一あるいは機能的に同等な要素について同様の参照番号を用いるが、図7図16に示した実施形態と区別するため、特定の実施形態については接頭に「2」を付した。実施形態間の類似点に鑑みて、図17図22に関する以下の説明は、第1の実施形態から顕著または著しく異なる、さらなる実施形態の特徴に対して主に焦点をあてる。詳細に説明されていない、さらなる実施形態の他の態様については、構造、機能、材料などについて、本質的には第1の実施形態について説明したとおりである。
【0033】
図17図22は、ダイバーサカット2110の装置を含む、遠心タイプの切断装置210を用いてストリップ状に細断(千切り)された食品を生産するために構成された、他の非限定的なナイフアセンブリの態様を示す。図7図16に示したナイフアセンブリ136と同様に、ナイフアセンブリ236は、ナイフクランプ242でナイフホルダ240に固定されたスライス刃部232を備える。スライス刃部232は、前述の実施形態のフラットな(平板状の)スライス刃部132の代わりに、波形のスライス刃部として構成される。クランプ242は、ストリップ刃部233の略フラットまたは平板状のベース234に対して実質的に垂直に伸長する、ブレードまたはタブ235を有するストリップ刃部233をさらに固定する。そのため、クランプ242は、スライス刃部232に隣接する位置に存在するそれぞれのタブ235の近位端を固定する。特に、図17図22に示したスライス刃部232およびタブ235は、製品を二次元に切断して所定の形状(波形)とするよう成形されているため、ナイフアセンブリ236によって生産されたそれぞれのストリップの4の側面は、波形の表面を有する。
【0034】
ナイフアセンブリ236は、ストリップ刃部233のタブ235を支持するように構成された、タブサポートアセンブリを備える。任意的に、タブサポートアセンブリは、タブ235に対して、ストリップ刃部233のベース234から離れる方向に、かつ、それぞれのタブ235の長軸に沿って、任意に張力を付与するよう構成される。タブサポートアセンブリは、切断装置210に固定される1対の取付ブロック250および252を備え、取付ブロック250および252の端部は、スライス刃部232の刃先の上に、および/または、隣接して片持ち支持される。図17図22に図示した例では、取付ブロック250および252は、ボルト246により切断装置210に固定されている。
【0035】
取付ブロック250および252は、図7図16に示した実施形態と同様の手段により、第1支持ブロック254および第2支持ブロック256を支持する。また、図7図16に示したナイフアセンブリ136と同様に、取付ブロック250および252の前端は、第1支持ブロック254の端部を受け入れ、支持するよう成形された、リップまたは突起(図示せず)を備える。ガイドねじ258は、第1支持ブロック254および第2支持ブロック256を互いに結合するとともに、これらを取付ブロック250および252に結合し、支持ブロック254および支持ブロック256における長孔(図示せず)を通過するため、第1支持ブロック254および第2支持ブロック256は、取付けブロック250および252の突起180から離れる方向に移動された場合には、締め付けねじ260の動きに応じて、互いに長手方向に関して逆側に平行移動する。このとき、第1支持ブロック254および第2支持ブロック256の互いに組み合わされたフィンガ270および272は、これらのフィンガ間に存在するタブ235の遠位端を挟持し、食品をスライスする際に、タブ135Aおよび135Bが、屈曲、屈折、塑性変形、または、破損する危険性を低減させる。また、ガイドねじ258は、支持ブロック254および256の相対的な移動を選択的に許可および阻止する機能を有する。図17および図18に示したように、フィンガ270および272がストリップ刃部233のタブ235をしっかりと把持した状態では、ガイドねじ258により、支持ブロック254および256の相対的な移動は阻止される。
【0036】
図7図16に示したナイフアセンブリ136と同様に、図17に示したナイフアセンブリ236についても、締め付けねじ260を第1支持ブロック254に対してさらにねじ込むことにより、第1支持ブロック254、ナイフホルダ240、およびクランプ242の間の距離を増加させるよう構成することが可能である。これにより、フィンガ270および272の間で挟持されるタブ235を引っ張って、タブ235に張力が付与される。第1支持ブロック254と、第2支持ブロック256の対応するスロット(図示せず)とに挿通された位置決めピン266によって、フィンガ270および272がタブ235を挟持する際に、第1支持ブロック254および第2支持ブロック256は長手方向に互いに相対的に移動するとともに、第1支持ブロック254および第2支持ブロック256の配置は、締め付けねじ260によって持ち上げられた際にも平行に保たれる。
【0037】
図20は、非限定的な例として、ダイバーサカット2110などのさいの目切りにする能力を有する装置において、横切り装置と組み合わせての使用に好適なナイフアセンブリ236の付加的な機能を示す。フィンガ270および272が、スライス刃部232およびナイフホルダ240と平行であって、かつ、刃部232の刃先からタブ235まで、あるいは、タブ235を越えて伸長しているため、ナイフアセンブリ236から排出されるストリップの姿勢が安定する。スライス刃部232に面するフィンガ270および272の下部面274は、スライスがスライス刃部232から排出され、ストリップ刃部233およびタブ235に接触するまで、製品ガイドとして効果的に機能する。フィンガ270および272は、スライスがタブ235と係合する際に、ナイフホルダ240から離れる方向に持ち上がることを引き続き防止するとともに、生産されたストリップが、横切り装置の刃部に接触するまで、ナイフホルダ240の表面に保持されることを補助する。さらに、ナイフアセンブリ236は、横切り作業中に、ナイフホルダ240の後縁275が剪断縁として機能できるよう構成されている。上述したように、横切り装置の刃部は所定の形状を有することが可能であり、この場合には、さいの目に切断された製品のすべての6側面は、波形または所定の形状を有する表面を有する。
【0038】
図21および図22は、図17に示すナイフアセンブリ236と回転送りディスク276とを組み合わせた構成を示す。回転送りディスク276は、スライス刃部232によって生産されたスライスが、ストリップ刃部233のタブ235を通って、ストリップ状に細断された食品となるまでの動きを補助する。図示したように、回転送りディスク276のそれぞれの径方向脚278は、タブ235を挟持するフィンガ270と272とのペア同士の間に形成される間隙またはスロット280を通過しており、それぞれの径方向脚278は、隣接してペアを構成するタブ235同士の間を移動するスライスの一部と係合する。
【0039】
以上のように、本発明について、特定の実施形態に関して説明を行ったが、本発明の代替態様についても、当業者によって適用可能である。たとえば、ナイフアセンブリ136および236およびその構成部材は、図示の態様および構造とは異なっていてもよい。特定の部材の機能は、異なる構造を有するが機能が類似する(必ずしも同等でなくてもよい)部材により達成されてもよい。ナイフアセンブリ136および236および/またはその部材を加工するためには、さまざまな材料を採用することができる。ナイフアセンブリ136および236は、さまざまな異なる切断装置において、さまざまな種類の材料を切断する目的で使用することができる。したがって、本発明は、本明細書に記述された実施形態または図示された実施形態に限定されることはない。また、図示した実施形態を説明する目的で本明細書において使用した語法および用語は、本発明の範囲を限定するものではない。したがって、本発明の範囲は本願の特許請求の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22