(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記動作部材は、前記先端部において前記挿入部内を挿通された他の挿入装置の進行方向を変更するための起上台であることを特徴とする請求項1に記載の先端カバー装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、
図1乃至
図9を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
【0011】
図1,2に示すように、本実施形態の内視鏡装置1は、内視鏡2と、内視鏡2に着脱自在に装着される先端カバー装置3と、を備えて構成されている。
【0012】
内視鏡2は、挿入部5と、操作部6と、ユニバーサルケーブル7と、を有している。挿入部5は、細長な長尺部材であり、先端部8と、湾曲部9と、可撓管部10と、を先端側から順に連設して構成されている。
【0013】
先端部8は、ステンレス等の金属によって形成された先端構成部15を有する。この先端構成部15は、ベース部16と、このベース部16の先端から挿入軸O方向に突出する観察用突起部17と、を有する。なお、先端構成部15の基端側の外周には、絶縁性を有するリング状の絶縁部材20が設けられ、さらに、この絶縁部材20よりも基端には、先端が糸巻接着部21aによって先端構成部15に固定された外皮21が連設されている。
【0014】
例えば、
図3に示すように、ベース部16は、その概略形状が、円柱の略半分を切欠いた形状(すなわち、略半円柱形状)となるように形成されている。これにより、ベース部16は、外周に、円弧面部16aと、平面部16bと、を有する。
【0015】
また、観察用突起部17は、その概略形状が、ベース部16と同軸上に配置した円柱の略四分の三を切欠いた形状(すなわち、略四半円柱形状)となるように形成されている。これにより、観察用突起部17は、外周に、円弧面部17aと、ベース部16の平面部16bに例えば平行な第1の平面部17bと、第1の平面部17bに例えば直交する第2の平面部17cと、を有する。
【0016】
ベース部16の端面には、観察用突起部17の第2の平面部17cに隣接する位置に、処置具突出口25が設けられている。
図5に示すように、先端構成部15の基端側において、処置具突出口25には連結パイプ26が連結され、さらに、連結パイプ26には、挿入部5内に挿通された処置具チャンネル27の先端側が連結されている。
【0017】
また、ベース部16の円弧面部16aには、挿入軸Oに直交する方向に突出する係止ピン28が設けられている。
【0018】
さらに、ベース部16には、観察用突起部17に形成された第1の平面部17bに向けて送気或いは送水を行うためのノズル29が突設されている。
【0019】
観察用突起部17の円弧面部17aには、挿入軸Oに沿って延在するキー溝31が設けられている。
【0020】
また、観察用突起部17の第1の平面部17bには、図示しない撮像ユニットの観察窓32と、図示しない照明ユニットの照明窓33と、が設けられている。そして、このように観察窓32が配置されることにより、本実施形態の内視鏡2は、挿入軸Oに交差する方向に観察視野を有する所謂側視型の内視鏡となっている。
【0021】
湾曲部9は、例えば、挿入軸Oに直交する4方向(上下左右方向)に湾曲自在に構成されている。可撓管部10は、長尺で可撓性を有する管状部材である。なお、ここでの上下方向及び左右方向とは、挿入部5に対して便宜的に定義されるものであり、例えば、観察窓32が設けられた方向を基準(上方向)として各々の方向が定義されている。
【0022】
操作部6は、可撓管部10の基端に連設されている。この操作部6の中途は、術者等が把持するための把持部35が設定されている。
【0023】
この把持部35よりも先端側において、操作部6には、処置具挿通口36が設けられている。この処置具挿通口36は、操作部6の内部において処置具チャンネル27の基端側に連結されている。これにより、例えば、
図1に示すように、処置具挿通口36に挿入された他の挿入装置としての処置具40を先端部8の処置具突出口25から突出させることが可能となっている。
【0024】
また、把持部35よりも基端側において、操作部6には、例えば、湾曲部9を湾曲動作させるためのアングルノブ37と、先端部8に設けられたノズル29からの送気または送水を行わせるための送気送水ボタン38と、被検体内の吸引対象物を処置具突出口25から吸引させるための吸引ボタン39と、が設けられている。
【0025】
ユニバーサルケーブル7は、操作部6の基端側側面より延出されている。ユニバーサルケーブル7の端部には光源装置(図示せず)に接続される内視鏡コネクタ45が設けられている。この内視鏡コネクタ45は、側部から信号伝達ケーブル46が延設されている。信号伝達ケーブル46の他端側には、ビデオプロセッサ(図示せず)に接続される電気コネクタ47が設けられている。
【0026】
図3,4に示すように、先端カバー装置3は、先端部8に着脱自在に装着される先端カバー50と、先端カバー50の内部に設けられた動作部材としての起上台51と、起上台51を手元側から操作するためのワイヤ機構部52と、を有して構成されている。
【0027】
先端カバー50は、第1のカバーとしての先端カバー本体55と、第2のカバーとしてのリングカバー56と、を有して構成されている。
【0028】
先端カバー本体55は、プラスチック等の硬質且つ絶縁性を有する材料によって形成されている。この先端カバー本体55は、先端が半球状に閉塞された略円筒形状をなし、主として先端構成部15を覆うように、先端部8の外周に対して着脱自在に固定することが可能となっている。
【0029】
この先端カバー本体55には、観察窓32及び照明窓33を露出するとともに、処置具突出口25から突出された処置具40を導出するための開口部60が設けられている。
【0030】
また、先端カバー本体55には、開口部60の一側に、後述するワイヤ機構部52を構成するガイドシース75の先端を接続するための固定部としてのシース接続部61が突設されている。
【0031】
また、先端カバー本体55には、開口部60及びシース接続部61の一側であって、且つ、先端カバー本体55の基端側に、係止片62が形成されている。係止片62は先端カバー本体55の外径方向に弾性変形することが可能であり、この係止片62には、先端構成部15のベース部16から突出する係止ピン28に係止可能な係止部としての係止孔62aが設けられている。
【0032】
また、
図7に示すように、先端カバー本体55には、シース接続部61の他側であって、且つ、開口部60の基端側に、スリット63aが設けられている。そして、このスリット63aにより、先端カバー本体55には、当該先端カバー本体55を拡開方向に破壊することが可能な脆弱部63が設定されている。
【0033】
そして、このように脆弱部63がシース接続部61の他側に設けられることにより、シース接続部61は、先端カバー本体55の周方向において、係止孔62aと脆弱部63との間に配置されている。
【0034】
さらに、先端カバー本体55の内側には、キー溝31に嵌合するキー64が設けられている。そして、このキー64がキー溝31に嵌合することにより、先端カバー本体55を先端構成部15に対して適切な位置に位置決めすることが可能となっている。
【0035】
リングカバー56は、例えば、シリコーンゴム等の弾性且つ絶縁性を有する材料により、先端部8の絶縁部材20及び先端カバー本体55の外径よりも小径なリング状の部材に形成されている。
【0036】
このリングカバー56は、拡径方向に弾性変形させることにより、絶縁部材20が設けられた先端部8の基端側領域と、先端カバー本体55の基端側領域と、を一体的に被覆する位置に配置することが可能となっている。そして、リングカバー56は、その弾性による復元力により、先端部8(絶縁部材20)及び先端カバー本体55の外周に対して全周に渡って密着させることが可能となっている。
【0037】
なお、本実施形態のリングカバー56は、シース接続部61との干渉を防止するための孔部56a及びブリッジ部56bが設けられている。
【0038】
例えば、
図5に示すように、起上台51は、側面視形状が略三角形をなす金属製の部材によって構成されている。
【0039】
この起上台51の上面には、基端側から先端側に向けて所定の仰角を有して傾斜するガイド溝51aが設けられている。
【0040】
また、起上台51の先端側の側部には、後述するワイヤ機構部52の操作ワイヤ76と接続するためのワイヤ接続部51bが設けられている。
【0041】
さらに、起上台51の基端部には軸挿通孔51cが設けられ、この軸挿通孔51cには連結部としての軸部70が挿通されている。そして、この軸部70が先端カバー本体55に支持されることにより、起上台51は先端カバー本体55に対して揺動可能(変位可能)に連結されている。
【0042】
具体的に説明すると、例えば、
図9に示すように、先端カバー本体55の一側には、当該先端カバー本体55の内外に貫通する第1の軸受孔71が設けられている。
【0043】
また、先端カバー本体55の内部には軸受用突起72が設けられ、この軸受用突起72には、第1の軸受孔71と同軸な第2の軸受孔72aが設けられている。
【0044】
そして、これら第1,第2の軸受孔71,72aに軸部70が支持されることにより、起上台51は、先端カバー本体55の内部において揺動可能に軸支されている。
【0045】
さらに、先端カバー本体55の内部には、起上台51の基端側を軸受用突起72との間に挟み込むことにより、軸部70の軸心方向に起上台51が移動することを規制するための規制用突起73が設けられている。
【0046】
ここで、軸受用突起72及び規制用突起73は、先端カバー本体55が先端部8に装着された際に、先端構成部15の観察用突起部17よりも一側に偏倚する位置に設けられている。
【0047】
これにより、先端部8に先端カバー本体55が装着された際に、先端カバー本体55の内壁と観察用突起部17の第2の平面部17cとの間に形成された空間内に起上台51が配置されるとともに、この起上台51のガイド溝51aが処置具突出口25に対向される。
【0048】
例えば、
図3,4に示すように、ワイヤ機構部52は、ガイドシース75と、このガイドシース75に挿通された牽引部材としての操作ワイヤ76と、を有して構成されている。
【0049】
図6に示すように、ガイドシース75は、可撓性を有するコイル75aと、このコイル75aの外周を被覆する外皮75bと、を有して構成されている。
【0050】
ガイドシース75の先端には先端口金77が接続され、この先端口金77がシース接続部61に嵌合されることにより、ガイドシース75は先端カバー本体55に接続されている。
【0051】
これにより、ガイドシース75に挿通された操作ワイヤ76が先端カバー本体55の内部に導入され、この操作ワイヤ76の先端が、起上台51に設けられたワイヤ接続部51bに接続されている。また、ワイヤ接続部51は、起上台51に対して回動自在である。
【0052】
一方、ガイドシース75の基端には、ワイヤシャフト79を進退移動自在に支持するシリンダ部78が接続されている。このワイヤシャフト79の先端には、操作ワイヤ76の基端が接続されている。また、ワイヤシャフト79の基端側には、例えば、リング状をなす動作部材操作部としての起上台操作部材79aが連設されている。
【0053】
そして、この起上台操作部材79aに対する操作を通じてワイヤシャフト79を進退移動させることにより、起上台51は、起上位置と倒置位置との間で変位することが可能となっている。
【0054】
このような実施形態によれば、硬質な絶縁性を有する材料で形成され、挿入部5の先端部8の外周に着脱自在に固定される先端カバー本体55と、弾性及び絶縁性を有する材料で形成され、先端部8及び先端カバー本体55に着脱自在に固定されるリングカバー56と、先端カバー本体55に設けられた起上台51と、先端カバー本体55に設けられ起上台51を先端カバー本体55に対して変位可能(揺動可能)に連結する軸部70と、起上台51に連結され、起上台51を動作させるために操作者によって牽引される操作ワイヤ76と、を有して先端カバー装置3を構成することにより先端部8の絶縁性を確保しつつ、起上台51を的確に動作させることができる。
【0055】
すなわち、挿入部5の先端部8の外周に着脱自在に固定される先端カバー本体55を硬質な絶縁性を有する材料で形成し、この先端カバー本体55に軸部70を介して起上台51を揺動可能に連結することにより、操作ワイヤ76に対して行われる手元側の微妙な操作を起上台51に対して的確に伝達することができる。この場合において、弾性及び絶縁性を有する材料で形成したリングカバー56を、先端部8及び先端カバー本体55に着脱自在に固定することにより、先端カバー本体55を硬質な材料で構成した場合にも、先端部8と先端カバー本体55との結合部分をリングカバー56によって隙間なく絶縁することができる。
【0056】
この場合、特に、リングカバー56は、その弾性により、例えば、先端部8の絶縁部材20及び先端カバー本体55の基端側に対して全周に渡って密着することにより、処置具等から放出される高周波電流が意図しない部分に伝播することを的確に防止することができる。
【0057】
また、ガイドシース75を介して操作ワイヤ76を先端カバー50(先端カバー本体55)に接続することにより、操作ワイヤ76よって回動される駆動軸や当該駆動軸をシールするためのシール部材等を内視鏡2に設ける必要がなく、内視鏡2の構造を簡素化することができるとともに、内視鏡2の洗浄を効率よく行うことができる。
【0058】
ここで、先端部8を構成する先端構成部15のベース部16に係止ピン28を設け、先端カバー本体55に設けた係止孔62aを係止ピン28に係止させることにより、簡単な操作により、先端カバー本体55を先端部8に対して固定することができる。
【0059】
この場合において、先端カバー本体55に脆弱部63を設け、この脆弱部63を破壊することにより、使用後の先端カバー本体55を先端部8から容易に離脱させることができる。
【0060】
さらに、先端カバー本体55から外径方向に突出するシース接続部61を、係止孔62aと脆弱部63との間に配置することにより、例えば、
図8に示すように、シース接続部61を係止孔62a側に押し込む等の簡単な作業により、係止ピン28に対する係止孔62aの係止を解除させる方向に、先端カバー本体55を破壊することができる。
【0061】
次に、
図10乃至
図21を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
【0062】
なお、本実施形態は、先端カバー装置のワイヤ機構部の構成が、上述の第1の実施形態に対して主として異なる。その他、上述の第1の実施形態と同様の構成については、適宜同符号を付して説明を省略する。
【0063】
本実施形態は、ワイヤ機構部80を内視鏡2の操作部6に固定し、起上台51に対する操作と、内視鏡2に対する各種操作と、を一体的に行うことを可能とするためのものである。
【0064】
このため、例えば、
図10,11に示すように、本実施形態の内視鏡2の操作部6には、ワイヤ機構部80を固定するための固定用溝81が周設されている。さらに、内視鏡2の操作部6には、アングルノブ37と同軸上にて揺動自在な起上台操作ノブ82が設けられている。
【0065】
図10〜
図13に示すように、本実施形態のワイヤ機構部80は、操作ワイヤ76の基端を操作部6に対して固定するための固定部材85と、この固定部材85に対して相対移動可能なスライダ86と、を有する。
【0066】
図17に示すように、固定部材85は、固定用溝81に対して着脱自在に装着されるC字クリップ87と、C字クリップ87に一体形成された固定ブロック88と、を有して構成されている。
【0067】
固定ブロック88には一対のスライド孔88aが設けられ、これらスライド孔88aに挟まれた部分に操作ワイヤ76の基端が固定されている。
【0068】
スライダ86は、固定ブロック88の各スライド孔88aに挿通される一対のスライドバー89と、これらスライドバー89の先端側を連結するスライダ先端部90と、これらスライドバー89の基端側を連結するスライダ基端部91と、を有して構成されている。
【0069】
スライダ先端部90には、ガイドシース75の基端が接続されている。また、スライダ先端部90には、固定ブロック88に固定された操作ワイヤ76をガイドシース75内に挿通するための挿通孔90aが設けられている(
図19参照)。
【0070】
さらに、スライドバー89の先端側には、固定ブロック88に対するスライダ86の基端側への相対移動を規制するためのフランジ部90bが設けられている。
【0071】
スライダ基端部91には、当該スライダ基端部91を起上台操作ノブ82に連結するための連結バー92が設けられている。
【0072】
さらに、スライドバー89の基端側には、固定ブロック88に対するスライダ86の先端側への相対移動を規制するためのフランジ部91aが設けられている。
【0073】
このような構成において、操作者が起上台操作ノブ82を操作部6の先端側に傾動させると、固定部材88の先端側におけるスライダ86の突出量が増加する(
図10,16参照)。これにより、固定部材88とシース接続部61との間におけるガイドシース75の実質的な有効長(すなわち、ガイドシース75自体の長さと、スライダ86が固定部材88の先端側に突出する突出量と、の合算値)が増加する(
図10参照)。
【0074】
その結果、ガイドシース75に対して操作ワイヤ76が牽引されることとなり、起上台51は起上(起立)される。
【0075】
一方、操作者が起上台操作ノブ82を操作部6の基端側に傾動させると、固定部材88の先端側におけるスライダ86の突出量が減少する(
図15参照)。これにより、固定部材88とシース接続部61との間におけるガイドシース75の実質的な有効長(すなわち、ガイドシース75自体の長さと、スライダ86が固定部材88の先端側に突出する突出量と、の合算値)が減少する。
【0076】
その結果、ガイドシース75から操作ワイヤ76が押し出されることとなり、起上台51は倒置(倒伏)される。
【0077】
ところで、このようなワイヤ機構部80においては、ガイドシース75、操作ワイヤ76、及び、連結バー92の長さ等の製造誤差に対する歩留まりを向上させるため、例えば、
図20,21に示すように、各フランジ部90b,91aによって規定されるスライダ86の進出位置と退避位置に、所定のマージンx1,x2を設けることが望ましい。なお、このようなマージンx1,x2を設けた場合、起上台操作ノブ82が許容される揺動角度にも所定のマージンα1,α2が設けられることとなる。
【0078】
そして、このようなマージンを設けたことにより、起上台51が過剰に起上、或いは、倒置されることを防止するため、例えば、
図14に示すように、先端カバー本体55には、起上位置、及び、倒置位置を規定するためのストッパ55a,55bを形成することが望ましい。
【0079】
なお、例えば、
図20,21に示すように、内視鏡2においても、挿入部5の長さL等に製造誤差が生じうるが、このような製造誤差は、挿入部5等に対するガイドシース75及び操作ワイヤ76の撓みによって解消することが可能である。
【0080】
このような実施形態によれば、上述の第1の実施形態において得られる作用効果に加え、起上台51に対する操作を、内視鏡2に対する操作と一体的に行うことができるという効果を奏する。
【0081】
この場合において、固定部であるシース接続部61を先端カバー本体55に設け、このシース接続部61を基準として、ガイドシース75の実質的な有効長を増減させることにより、操作ワイヤ76の基端を固定部材85によって操作部6に固定した場合にも、起上台51を的確に動作させることができる。
【0082】
特に、本実施形態では、操作ワイヤ76の基端を操作部6に固定し、起上台操作ノブ82を操作部6の先端側に傾動させた際に、ガイドシース75の実質的な有効長を増加させ、起上台51を起上させるように構成したことにより、起上台操作ノブ82を操作部6の先端側に傾動させた際に起上台51を起上させることができ、操作方向と起上台51の動作とを操作者のフィーリングに合致させることができる。
【0083】
ここで、上述した第2の実施形態においては、ガイドシース75を伸縮させることにより、結果的に先端カバー本体55に対して操作ワイヤ76を進退移動させる構成について説明したが、例えば、
図22に示すように、ガイドシース75に対して操作ワイヤ76を直接的に進退移動させる構成とすることも可能である。
【0084】
この場合、例えば、
図23に示すように、ガイドシース75の基端は、連結具93を介して固定ブロック88に固定されている。
【0085】
また、操作ワイヤ76の基端は、固定ブロック88に設けられたワイヤ挿通孔88bを貫通した後、連結バー92に接続されている。
【0086】
次に、
図24乃至
図26は本発明の第3の実施形態に係り、
図24は先端部に装着される前の先端カバーを示す斜視図、
図25は先端部に装着された先端カバーを示す斜視図である。なお、上述の第1の実施形態が、所謂側視型の内視鏡2に対して先端カバー装置3を適用した構成について説明したものであるのに対し、本実施形態は、挿入軸O方向に視野を有する所謂直視型の内視鏡2に対して先端カバーを適用した点が主として異なる。その他、上述の第1の実施形態と同様の構成については、適宜同符号を付して説明を省略する。
【0087】
図24に示すように、本実施形態の先端構成部95は、ベース部96と、このベース部96の先端から挿入軸O方向に突出する観察用突起部97と、を有する。
【0088】
例えば、
図24に示すように、ベース部96は、その概略形状が、円柱の略四分の一を切欠いた形状となるように形成されている。これにより、ベース部96は、外周に、円弧面部96aと、第1の平面部96bと、第1の平面部96bに交差する第2の平面部96cと、を有する。
【0089】
また、観察用突起部97は、その概略形状が、ベース部96と同軸上に配置した円柱の略半分を切欠いた形状(すなわち、略半円柱形状)となるように形成されている。これにより、観察用突起部97は、外周に、円弧面部97aと、ベース部96の第2の平面部96cに平行な平面部97bと、を有する。
【0090】
ベース部96の端面には、観察用突起部97の平面部97bに隣接する位置に、処置具突出口25が設けられている。
【0091】
観察用突起部97の端面には、図示しない撮像ユニットの観察窓32と、図示しない照明ユニットの照明窓33と、観察窓32に向けて送気或いは送水を行うためのノズル29と、が設けられている。そして、このように観察窓32が配置されることにより、本実施形態の内視鏡2は、挿入軸O方向に観察視野を有する所謂直視型の内視鏡となっている。
【0092】
このように先端構成部95が構成された内視鏡2の先端部8に対しても、上述の第1の実施形態で示した構成と略同様の構成をなす先端カバー装置3を適用することが可能である。但し、
図24,25に示すように、本実施形態の先端カバー本体55は、当該先端カバー本体55の側部に代えて先端に、開口部98が設けられている。
【0093】
また、本実施形態の起上台51は、ガイド溝51aに代えてガイド孔51dが設けられている。
【0094】
ここで、このような実施形態における先端カバー装置3においては、例えば、
図26に示すように、上述の第2の実施形態で示したワイヤ機構部80等の構成を採用することも可能である。また、
図23に示したワイヤ機構部80の構成も採用できる。
【0095】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態及び各変形例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。
【0096】
本出願は、2018年5月21日に日本国に出願された特願2018−96954号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。