特許第6913248号(P6913248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6913248
(24)【登録日】2021年7月13日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/40 20060101AFI20210727BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20210727BHJP
   B41F 15/12 20060101ALI20210727BHJP
   B41F 35/00 20060101ALI20210727BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   B41F15/40 A
   B41F15/08 303E
   B41F15/12 A
   B41F35/00 C
   H05K3/34 505D
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-523879(P2020-523879)
(86)(22)【出願日】2018年6月5日
(86)【国際出願番号】JP2018021532
(87)【国際公開番号】WO2019234820
(87)【国際公開日】20191212
【審査請求日】2020年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 猛志
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 克己
(72)【発明者】
【氏名】三輪 猛
(72)【発明者】
【氏名】菅原 一之
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−191483(JP,A)
【文献】 特開昭62−132643(JP,A)
【文献】 特開昭61−168997(JP,A)
【文献】 特開2017−71072(JP,A)
【文献】 特開平8−309958(JP,A)
【文献】 特開2001−315304(JP,A)
【文献】 特開2002−103564(JP,A)
【文献】 特許第5873928(JP,B2)
【文献】 米国特許第5746127(US,A)
【文献】 特開2014−91222(JP,A)
【文献】 特開2013−121693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00−15/46
B41F 35/00
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク上の塗布材を基板に印刷するスキージと、
前記マスク上の前記塗布材を掬い上げる塗布材掬い上げユニットと、
前記マスク上の前記塗布材の幅を測定するための塗布材幅測定部と、
測定された前記塗布材の幅に基づいて、前記塗布材の掬い上げ動作における前記塗布材掬い上げユニットの移動の開始位置、前記塗布材の掬い上げ動作における前記塗布材掬い上げユニットの移動の終了位置、および、前記塗布材の掬い上げ動作における前記塗布材掬い上げユニットの移動量のうちの少なくとも1つを取得する制御部と、を備える、印刷装置。
【請求項2】
前記マスクを移動させるマスク移動部をさらに備え、
前記制御部は、掬い上げる前記塗布材が前記塗布材掬い上げユニットの動作範囲外に位置する場合、掬い上げる前記塗布材が前記塗布材掬い上げユニットの動作範囲内に位置するように前記マスクを移動させるように、前記マスク移動部を制御するように構成されている、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記マスク移動部と、前記マスクを収納するマスク収納部とを含む、マスク交換部を備える、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記マスク交換部による前記マスクの交換動作の前に、交換される前記マスク上の前記塗布材を掬い上げ、前記マスク交換部による前記マスクの交換動作の後に、交換された前記マスク上に前記塗布材を降ろすように、前記塗布材掬い上げユニットを制御するように構成されている、請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記塗布材の掬い上げ動作後に前記塗布材掬い上げユニットによる前記塗布材の掬い上げの状態を検出するための掬い上げ状態検出部を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記掬い上げ状態検出部は、前記塗布材幅測定部を含む、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記掬い上げ状態検出部は、撮像部、光検出部、または、重量検出部を含む、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記塗布材掬い上げユニットによる前記塗布材の掬い上げの状態が異常である場合、前記塗布材の状態を確認することをユーザに通知する制御を行うように構成されている、請求項5〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記塗布材掬い上げユニットによる前記塗布材の掬い上げの状態が異常である場合、前記塗布材を降ろす動作を行うように、前記塗布材掬い上げユニットを制御するように構成されている、請求項5〜8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷装置に関し、特に、マスク上の塗布材を掬い上げる塗布材掬い上げユニットを備える印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスク上の塗布材を掬い上げる塗布材掬い上げユニットを備える印刷装置が知られている。このような印刷装置は、たとえば、特許第5873928号公報に開示されている。
【0003】
上記特許第5873928号公報には、スキージによりマスク上のクリーム半田(塗布材)を移動させることにより、プリント基板の表面にクリーム半田を印刷する印刷機(印刷装置)が開示されている。この印刷機は、マスク上のクリーム半田を掬い上げる半田のせ降ろし装置(塗布材掬い上げユニット)を備える。この半田のせ降ろし装置は、設計上の開始位置から設計上の終了位置までマスク上を移動して、マスク上のクリーム半田を掬い上げる掬い上げ動作を行うと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5873928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許第5873928号公報に記載された印刷機では、設計上の開始位置から設計上の終了位置に移動して掬い上げ動作を行うと考えられるため、実際のクリーム半田の幅が考慮されていないと考えられる。この場合、半田のせ降ろし装置の移動量が足りずにクリーム半田の掬い上げ動作が失敗する場合があると考えられる。この点において、上記特許第5873928号公報に記載された印刷機は、改善の余地がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、塗布材の掬い上げ動作において塗布材掬い上げユニットの移動量が足りずに塗布材の掬い上げ動作が失敗することを抑制することが可能な印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による印刷装置は、マスク上の塗布材を基板に印刷するスキージと、マスク上の塗布材を掬い上げる塗布材掬い上げユニットと、マスク上の塗布材の幅を測定するための塗布材幅測定部と、測定された塗布材の幅に基づいて、塗布材の掬い上げ動作における塗布材掬い上げユニットの移動の開始位置、塗布材の掬い上げ動作における塗布材掬い上げユニットの移動の終了位置、および、塗布材の掬い上げ動作における塗布材掬い上げユニットの移動量のうちの少なくとも1つを取得する制御部と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による印刷装置では、上記のように構成することによって、実際の塗布材の幅を考慮して、実際の塗布材の幅に適した上記開始位置、実際の塗布材の幅に適した上記終了位置、または、実際の塗布材の幅に適した上記移動量を決めることができる。その結果、塗布材の掬い上げ動作において塗布材掬い上げユニットの移動量が足りずに塗布材の掬い上げ動作が失敗することを抑制することが可能な印刷装置を提供することができる。また、実際の塗布材の幅に適した上記移動量を取得した場合、塗布材の掬い上げ動作において塗布材掬い上げユニットの移動量が不必要に大きくなることを抑制することができる。これにより、塗布材の掬い上げ動作に要する時間を必要最小限に短縮することができる。
【0009】
上記一の局面による印刷装置において、好ましくは、マスクを移動させるマスク移動部をさらに備え、制御部は、掬い上げる塗布材が塗布材掬い上げユニットの動作範囲外に位置する場合、掬い上げる塗布材が塗布材掬い上げユニットの動作範囲内に位置するようにマスクを移動させるように、マスク移動部を制御するように構成されている。このように構成すれば、マスク移動部によりマスクを移動させることが可能な分だけ、塗布材掬い上げユニットの動作範囲を小さくすることができる。その結果、塗布材掬い上げユニットの動作範囲を小さくした分だけ、装置をコンパクト化することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、マスク移動部と、マスクを収納するマスク収納部とを含む、マスク交換部を備える。このように構成すれば、マスク交換部のマスク移動部を塗布材が塗布材掬い上げユニットの動作範囲内に位置するようにマスクを移動させるマスク移動部として利用することができる。その結果、マスク交換部のマスク移動部とは別途独立してマスク移動部を設ける必要がない。その結果、マスク交換部のマスク移動部とは別途独立してマスク移動部を設けない分だけ、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。また、マスク交換部によりマスクを自動交換することができるので、ユーザがマスクを交換するという煩雑な手間を省くことができる。
【0011】
上記マスク交換部を備える構成において、好ましくは、制御部は、マスク交換部によるマスクの交換動作の前に、交換されるマスク上の塗布材を掬い上げ、マスク交換部によるマスクの交換動作の後に、交換されたマスク上に塗布材を降ろすように、塗布材掬い上げユニットを制御するように構成されている。このように構成すれば、塗布材掬い上げユニットによりマスクからマスクへ塗布材を自動的に移載することができるので、ユーザがマスクからマスクへ塗布材を移載するという煩雑な手間を省くことができる。
【0012】
上記一の局面による印刷装置において、好ましくは、塗布材の掬い上げ動作後に塗布材掬い上げユニットによる塗布材の掬い上げの状態を検出するための掬い上げ状態検出部を備える。このように構成すれば、塗布材掬い上げユニットにより塗布材が正しく掬い上げられたか否かを確認することができる。その結果、塗布材掬い上げユニットにより塗布材が正しく掬い上げられなかった場合、停止するなどの適切な動作を装置に行わせて、印刷不良が生じることを未然に防ぐことができる。
【0013】
この場合、好ましくは、掬い上げ状態検出部は、塗布材幅測定部を含む。このように構成すれば、塗布材幅測定部とは別途独立して掬い上げ状態検出部を設ける必要がない。その結果、塗布材幅測定部とは別途独立して掬い上げ状態検出部を設けない分だけ、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0014】
上記掬い上げ状態検出部を備える構成において、好ましくは、掬い上げ状態検出部は、撮像部、光検出部、または、重量検出部を含む。このように構成すれば、撮像部、光検出部、または、重量検出部により、塗布材の掬い上げ動作後に塗布材掬い上げユニットによる塗布材の掬い上げの状態を容易に検出することができる。
【0015】
上記掬い上げ状態検出部を備える構成において、好ましくは、制御部は、塗布材掬い上げユニットによる塗布材の掬い上げの状態が異常である場合、塗布材の状態を確認することをユーザに通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、通知された情報に基づいて、ユーザは、異常を解消するための作業を迅速に行うことができる。その結果、異常に起因して装置が停止した場合にも、異常を迅速に解消して、装置の停止時間を短縮することができる。
【0016】
上記掬い上げ状態検出部を備える構成において、好ましくは、制御部は、塗布材掬い上げユニットによる塗布材の掬い上げの状態が異常である場合、塗布材を降ろす動作を行うように、塗布材掬い上げユニットを制御するように構成されている。このように構成すれば、異常の際に塗布材掬い上げユニットにより塗布材の一部のみが掬い上げられている場合にも、掬い上げられた一部のみの塗布材を塗布材掬い上げユニットから降ろすことができる。その結果、塗布材掬い上げユニットにより塗布材の一部のみが掬い上げられた状態で、次の塗布材掬い上げユニットによる塗布材の掬い上げ動作が行われることを抑制することができる。これにより、塗布材掬い上げユニットに掬い上げられた一部のみの塗布材に起因して、次の塗布材掬い上げユニットによる塗布材の掬い上げ動作が失敗することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、塗布材の掬い上げ動作において塗布材掬い上げユニットの移動量が足りずに塗布材の掬い上げ動作が失敗することを抑制することが可能な印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態による印刷装置の全体構成を示した模式的な平面図である。
図2図1のII−II線に沿った模式的な断面図である。
図3】一実施形態による印刷装置の全体構成を示した模式的な側面図である。
図4図4(A)は、マスク交換ユニットを上昇させた状態を示した模式図である。図4(B)は、マスク交換ユニットを下降させた状態を示した模式図である。
図5】一実施形態の印刷装置の制御的な構成を示したブロック図である。
図6図6(A)〜(G)は、一実施形態の印刷装置におけるマスク交換動作およびはんだ移載動作を示した模式図である。
図7】一実施形態の印刷装置におけるはんだ幅の測定を説明するための模式図である。
図8】一実施形態の印刷装置における掬い上げユニットオフセット量、手前側印刷終走位置および奥側印刷終走位置を説明するための模式図である。
図9図9(A)〜(D)は、一実施形態の印刷装置において塗布材が掬い上げユニットの動作範囲外に位置する場合の動作を示した模式図である。
図10】一実施形態の印刷装置によるはんだ載せ降ろし検出処理を説明するためのフローチャートである。
図11】一実施形態の第1変形例の印刷装置のスキージユニットを示す模式図である。
図12】一実施形態の第2変形例の印刷装置のスキージユニットを示す模式図である。
図13】一実施形態の第3変形例の印刷装置のスキージユニットを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1図9を参照して、本発明の一実施形態による印刷装置1の構成について説明する。図1に示すように、印刷装置1は、一対のコンベア12により基板B(図2参照)をX1方向に搬送し、印刷位置において基板BにはんだS(図6参照)を印刷する装置である。基板Bは、部品(電子部品)が実装されるプリント基板である。また、はんだSは、基板B上に部品を接合するための接合材である。また、以下の説明では、一対のコンベア12(ベルトコンベア)による基板Bの搬送方向(X1方向)およびその逆方向(X2方向)をX方向とし、水平面内においてX方向に略直交する方向をY方向とする。また、X方向およびY方向に略直交する方向をZ方向(上下方向)とする。なお、はんだSは、請求の範囲の「塗布材」の一例である。
【0021】
印刷装置1は、搬入コンベア1aにより基板Bを搬入し、搬入した基板Bの表面に対してマスクMに形成された印刷パターンPaにより印刷作業を行った後、印刷作業が行われた基板Bを搬出コンベア1bにより搬出するように構成されている。ここで、マスクMは、平面視において(Z1方向側から見て)矩形形状の平板形状を有する。マスクMは、印刷パターンPaを形成する複数の開口部P1と、複数の開口部P1以外の領域である非開口部P2とを有する。また、マスクMには、外周部にフレームFが取り付けられている。なお、図1図3では、マスクMによる印刷作業を行うための作業位置Aから後述するマスク交換ユニット7にマスクMを移動させた状態を図示している。
【0022】
印刷装置1は、図2に示すように、基台2と、印刷テーブルユニット3と、カメラユニット4と、マスククランプ部材5と、スキージユニット6と、マスク交換ユニット7と、検知センサ8と、制御装置9(図5参照)とを備える。なお、制御装置9は、請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0023】
印刷テーブルユニット3は、基台2上に設けられ、基板Bを保持するとともに、マスクMに対して位置合わせするように構成されている。具体的には、印刷テーブルユニット3は、X軸移動機構(図示せず)と、Y軸移動機構(図示せず)と、R軸移動機構(図示せず)と、Z軸移動機構(図示せず)と、印刷テーブル11と、一対のコンベア12(図1参照)と、を含む。
【0024】
X軸移動機構は、駆動源としてX軸駆動部13(図5参照)を有し、印刷テーブル11をX方向に移動させる。Y軸移動機構は、駆動源としてY軸駆動部14(図5参照)を有し、印刷テーブル11をY方向に移動させる。R軸移動機構は、駆動源としてR軸駆動部15(図5参照)を有し、印刷テーブル11をZ方向に延びる回転軸線周りに回転移動させる。Z軸移動機構は、駆動源としてZ軸駆動部16(図5参照)を有し、印刷テーブル11をZ方向に移動させる。
【0025】
印刷テーブル11は、テーブル本体21と、テーブル本体21上に設けられる一対のブラケット部材22と、複数のバックアップピン23aが配置された支持板23と、支持板23をZ方向に移動させる支持板駆動部24とを有する。一対のブラケット部材22の各上部には、コンベア12(図1参照)が設けられている。バックアップピン23aは、支持板駆動部24により支持板23がZ1方向(上方向)に移動されることによって、基板Bを下方から支持するように構成されている。
【0026】
図1に示すように、一対のコンベア12は、X方向に沿って延びるように設けられている。また、一対のコンベア12は、Y方向に所定距離を隔てて互いに平行に配置されている。また、一対のコンベア12は、搬送する基板Bの幅に対応させてY方向の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、一対のコンベア12は、基板幅軸駆動部12a(図5参照)により、Y方向の間隔(幅)が調整されるように構成されている。
【0027】
カメラユニット4は、図2および図3に示すように、マスクMおよび基板Bを撮像するように構成されている。具体的には、カメラユニット4は、カメラX軸移動機構31と、カメラY軸移動機構32と、基板カメラ33aおよびマスクカメラ33bを有する撮像部33とを有する。カメラX軸移動機構31は、X軸モータ31aと、X方向に延びるボールねじ31bとを有する。カメラY軸移動機構32は、Y軸モータ32aと、Y方向に延びるボールねじ32bとを有する。基板カメラ33aは、基板Bを撮像して、基板Bの印刷テーブル11に対する相対位置を認識するように構成されている。マスクカメラ33bは、マスクMを撮像して、マスクMの位置を認識するように構成されている。
【0028】
このように、印刷装置1では、基板カメラ33aおよびマスクカメラ33bを用いてマスクMに対する基板Bの相対位置を認識させた後、印刷テーブルユニット3のX軸移動機構、Y軸移動機構およびR軸移動機構によってマスクMに対する基板Bの相対位置(水平面内の位置および傾き)が正確に位置決めされる。そして、印刷装置1では、マスクMに対する基板Bの相対位置を正確に位置決めした状態で、印刷テーブルユニット3のZ軸移動機構によって基板Bが上昇されてマスクMの下面に当接される。
【0029】
マスククランプ部材5は、図3に示すように、マスクMを用いて基板Bに印刷パターンPaによりはんだSを印刷する際、マスクMを作業位置Aに保持するように構成されている。具体的には、マスククランプ部材5は、マスクMのX1方向側の端部を保持する第1マスク保持部41と、マスクMのX2方向側の端部を保持する第2マスク保持部42と、第1マスク保持部41に設けられ、マスクMをX2方向側に押圧する押圧部(図示せず)とを有する。
【0030】
スキージユニット6は、図2および図3に示すように、Y方向に往復移動することにより、マスクMの上面上に供給されたはんだSをマスクMの上面に沿って掻きながら移動させるように構成されている。具体的には、スキージユニット6は、スキージ51と、スキージ51を印刷方向(Y方向)に移動させるスキージY軸駆動部52と、スキージ51を上下方向(Z方向)に移動させるスキージZ軸駆動部53と、スキージ51をX方向に延びる回転軸線周りに回転させるスキージR軸駆動部54(図5参照)とを含む。
【0031】
スキージ51は、X方向に延びるように形成されている。スキージ51は、マスクMに対して所定の印圧(荷重)をかけながらマスクMに供給されたはんだSを印刷するように構成されている。スキージY軸駆動部52は、Y軸モータ52aと、Y方向に延びるボールねじ52bとを有する。スキージZ軸駆動部53は、Z軸モータ53aと、ベルト53bと、Z方向に延びるボールねじ53cとを有する。
【0032】
スキージユニット6には、図2に示すように、マスクMをY方向にスライド移動させて、マスクMを交換するマスクスライダ55が設けられている。ここで、スキージユニット6には、単一のマスクスライダ55が設けられている。マスクスライダ55は、Z方向(上下方向)に移動可能なスライド部55aと、スライド部55aを収容する収容部55bとを有する。マスクスライダ55は、たとえばエアシリンダにより構成されており、スライド部55aはエアシリンダのロッドにより構成され、収容部55bはエアシリンダのシリンダにより構成されている。なお、マスクスライダ55は、請求の範囲の「マスク移動部」の一例である。
【0033】
マスクスライダ55は、スキージY軸駆動部52によりスキージ51をY方向に移動させることによって、一体的にY方向に移動するように構成されている。また、マスクスライダ55では、作業位置AのマスクMのフレームFに水平方向(Y方向)にスライド部55aが当接可能な位置まで、スライド部55aが収容部55bから突出するようにZ2方向(下方向)に移動する。マスクスライダ55では、作業位置AのマスクMのフレームFに水平方向(Y方向)にスライド部55aが当接しない位置まで、スライド部55aが収容部55b内に収容されるようにZ1方向(上方向)に移動する。
【0034】
このように、スキージ51とマスクスライダ55とは、スキージユニット6に一体的に設けられている。また、スキージユニット6の移動により、スキージ51およびマスクスライダ55は、一体的にY方向に移動するように構成されている。そして、マスクスライダ55のスライド部55aは、マスクMのフレームFにY1方向またはY2方向から当接してマスクMをY1方向またはY2方向に移動させる。
【0035】
スキージユニット6は、マスクM上のはんだSを掬い上げるはんだ掬い上げユニット56を含む。はんだ掬い上げユニット56は、マスクM上のはんだSを掬い上げて保持する掬い上げ部56aを有する。掬い上げ部56aは、マスクM上のはんだSを掬い上げるかまたは掬い上げたはんだSをマスクM上に降ろすための下降位置と、マスクM上のはんだSを掬い上げない上昇位置との間で、Z方向(上下方向)に移動可能に構成されている。はんだ掬い上げユニット56は、スキージY軸駆動部52によりスキージ51をY方向に移動させることによって、一体的にY方向に移動するように構成されている。はんだ掬い上げユニット56は、掬い上げ部56aが下降位置に配置された状態で、Y2方向に移動されることにより、掬い上げ部56aにマスクM上のはんだSを掬い上げて保持する。また、はんだ掬い上げユニット56は、掬い上げ部56aが下降位置に配置された状態で、Y1方向に移動されることにより、掬い上げたはんだSを掬い上げ部56aからマスクM上に降ろす。なお、はんだ掬い上げユニット56は、請求の範囲の「塗布材掬い上げユニット」の一例である。
【0036】
スキージユニット6は、図2および図7に示すように、マスクM上のはんだS(はんだロール)の幅W(図7参照)を測定するためのはんだ幅測定部57を含む。はんだSの幅Wは、はんだSのY方向の長さである。はんだ幅測定部57は、スキージY軸駆動部52によりスキージ51をY方向に移動させることによって、一体的にY方向に移動するように構成されている。はんだ幅測定部57は、はんだSのY方向の一端から他端までを含む範囲でY方向に移動しつつ、マスクM上のはんだSに向かってレーザ光を照射し、マスクM上のはんだSから反射されたレーザ光を受光する。これにより、はんだ幅測定部57は、はんだSの測定結果を取得する。制御装置9は、はんだ幅測定部57により取得されたはんだSの測定結果に基づいて、はんだSの幅Wを取得する。なお、はんだ幅測定部57は、請求の範囲の「塗布材幅測定部」の一例である。
【0037】
マスク交換ユニット7は、図4(A)および(B)に示すように、複数(2つ)のマスクMを収納可能に構成されている。具体的には、マスク交換ユニット7は、第1収納部61と、第2収納部62と、昇降部63とを含む。第1収納部61および第2収納部62は、それぞれ、1枚のマスクMを収納可能に構成されている。第1収納部61および第2収納部62は、上下方向に並んで配置されている。第1収納部61は、第2収納部62に対して上方に配置された上段の収納部である。第2収納部62は、第1収納部61に対して下方に配置された下段の収納部である。昇降部63は、第1収納部61および第2収納部62を上下方向に移動させるように構成されている。マスク交換ユニット7では、昇降部63が基台2に取り付けられている。マスク交換ユニット7では、第2収納部62が昇降部63に取り付けられている。マスク交換ユニット7では、第1収納部61が第2収納部62に取り付けられている。これにより、第1収納部61および第2収納部62は、昇降部63による昇降に伴い一体的に昇降する。第1収納部61および第2収納部62は、第1収納部61にマスクMを出し入れするための下降位置と、第2収納部62にマスクMを出し入れするための上昇位置との間で、Z方向(上下方向)に移動可能に構成されている。また、マスク交換ユニット7は、マスクスライダ55を含む。なお、マスク交換ユニット7は、請求の範囲の「マスク交換部」の一例である。また、第1収納部61および第2収納部62は、請求の範囲の「マスク収納部」の一例である。
【0038】
検知センサ8は、図2に示すように、マスククランプ部材5とマスク交換ユニット7とに跨った状態のマスクMを検知するように構成されている。検知センサ8は、第1収納部61および第2収納部62にそれぞれ設けられている。具体的には、第1収納部61に設けられた検知センサ8は、作業位置Aと第1収納部61との間でマスクMを移動させる際、マスククランプ部材5と第1収納部61とに跨った状態で停止したマスクMを検知するように構成されている。第2収納部62に設けられた検知センサ8は、作業位置Aと第2収納部62との間でマスクMを移動させる際、マスククランプ部材5と第2収納部62とに跨った状態で停止したマスクMを検知するように構成されている。検知センサ8は、たとえば、透過型のセンサであり、光を照射する投光部(図示せず)と、投光部から照射された光を受光する受光部(図示せず)とを有する。
【0039】
また、制御装置9は、図5に示すように、主制御部9aと、記憶部9bと、駆動制御部9cと、IO制御部9dと、カメラ制御部9eとを有する。主制御部9aは、CPU(Central Processing Unit)を含む。記憶部9bは、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含み、基板データG1、マシンデータG2および印刷プログラムを記憶している。主制御部9aは、記憶部9bに記憶された印刷プログラムに基づいて印刷装置1の各部を制御する機能を有する。ここで、基板データG1は、基板Bの種類の情報、基板Bのサイズの情報、基板Bの種類に対応するマスクMの情報および基板Bの種類毎の印刷枚数の情報などを含む。マシンデータG2は、スキージユニット6のY方向の移動限界位置の情報、および、カメラユニット4のX方向およびY方向それぞれの移動限界位置の情報などを含む。
【0040】
主制御部9aは、駆動制御部9cにより、スキージユニット6を制御するように構成されている。具体的には、駆動制御部9cにより、スキージY軸駆動部52、スキージZ軸駆動部53およびスキージR軸駆動部54の駆動が制御されて、スキージ51がY方向およびZ方向に移動されるとともに、スキージ51がX方向に延びる回転軸線回りに回転される。
【0041】
主制御部9aは、駆動制御部9cにより、印刷テーブルユニット3を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、X軸駆動部13、Y軸駆動部14、R軸駆動部15およびZ軸駆動部16を駆動させて、X方向、Y方向およびZ方向に基板Bを移動させるとともに、Z方向に延びる回転軸線周りに基板Bを回転させる。また、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、支持板駆動部24を駆動させて、支持板23を移動させることにより、バックアップピン23aをZ方向(上下方向)に移動させる。また、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、基板幅軸駆動部12aを駆動させて、一対のコンベア12のY方向の間隔(幅)を調整させる。また、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、基板搬送軸駆動部17を駆動させて、基板BをX方向に搬送させる。
【0042】
主制御部9aは、駆動制御部9cにより、カメラユニット4を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、カメラX軸移動機構31およびカメラY軸移動機構32を駆動させて、X方向およびY方向に撮像部33(基板カメラ33aおよびマスクカメラ33b)を移動させる。
【0043】
主制御部9aは、カメラ制御部9eにより、カメラユニット4を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、カメラ制御部9eにより、基板カメラ33aによる基板Bの撮像動作を制御する。主制御部9aは、カメラ制御部9eにより、マスクカメラ33bによるマスクMの撮像動作を制御する。
【0044】
また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、スキージユニット6を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、IO制御部9dにより、マスクスライダ55のスライド部55aの昇降動作を制御する。
【0045】
また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、マスク交換ユニット7を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、IO制御部9dにより、昇降部63によるマスク交換ユニット7の第1収納部61および第2収納部62の昇降動作を制御する。また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、マスククランプ部材5と第1収納部61とに跨った状態で停止したマスクMを検知した際の検知センサ8の検知信号を受信するように構成されている。主制御部9aは、IO制御部9dにより、マスククランプ部材5と第2収納部62とに跨った状態で停止したマスクMを検知した際の検知センサ8の検知信号を受信するように構成されている。
【0046】
(マスクMの交換に関する構成)
図6(A)〜(G)に示すように、制御装置9は、今回の基板Bの生産に用いられたマスクMから次回の基板Bの生産に用いられるマスクMにマスクMを交換する際、マスクMを交換する交換動作を行うように、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55を制御するように構成されている。また、制御装置9は、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55によるマスクMの交換動作の前に、交換されるマスクM(今回の基板Bの生産に用いられたマスクM)上のはんだSを掬い上げ、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55によるマスクMの交換動作の後に、交換されたマスクM(次回の基板Bの生産に用いられるマスクM)上にはんだSを降ろすように、はんだ掬い上げユニット56を制御するように構成されている。
【0047】
具体的には、まず、図6(A)に示すように、制御装置9は、作業位置Aに配置された今回の基板Bの生産に用いられたマスクM上において、はんだ掬い上げユニット56の掬い上げ部56aを下降位置に下降させるように、はんだ掬い上げユニット56を制御する。そして、図6(B)に示すように、制御装置9は、掬い上げ部56aが下降位置に配置された状態で、Y2方向(はんだSを掬う方向)に移動するように、はんだ掬い上げユニット56を制御する。これにより、今回の基板Bの生産に用いられたマスクM上のはんだSがはんだ掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上に移動して保持される。そして、図6(C)に示すように、制御装置9は、はんだSを保持したはんだ掬い上げユニット56の掬い上げ部56aを上昇位置に上昇させるように、はんだ掬い上げユニット56を制御する。これにより、はんだ掬い上げユニット56により今回の基板Bの生産に用いられたマスクM上のはんだSを掬い上げる動作が行われる。
【0048】
そして、図6(C)および(D)に示すように、制御装置9は、作業位置A(マスククランプ部材5)からマスク交換ユニット7の第2収納部62に、今回の基板Bの生産に用いられたマスクMを移動させるように、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55を制御する。そして、今回の基板Bの生産に用いられたマスクMが第2収納部62に収納されると、制御装置9は、マスク交換ユニット7の第1収納部61および第2収納部62を下降位置に下降させるように、マスク交換ユニット7を制御する。そして、図6(E)に示すように、制御装置9は、マスク交換ユニット7の第1収納部61から作業位置A(マスククランプ部材5)に、次回の基板Bの生産に用いられるマスクMを移動させるように、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55を制御する。これにより、今回の基板Bの生産に用いられたマスクMから次回の基板Bの生産に用いられるマスクMにマスクMが交換される。
【0049】
そして、次回の基板Bの生産に用いられるマスクMが作業位置A(マスククランプ部材5)に配置されると、制御装置9は、マスク交換ユニット7の第1収納部61および第2収納部62を上昇位置に上昇させるように、マスク交換ユニット7を制御する。そして、図6(F)に示すように、制御装置9は、作業位置Aに配置された次回の基板Bの生産に用いられるマスクM上において、はんだ掬い上げユニット56の掬い上げ部56aを下降位置に下降させるように、はんだ掬い上げユニット56を制御する。そして、図6(G)に示すように、制御装置9は、掬い上げ部56aが下降位置に配置された状態で、Y1方向(はんだSを降ろす方向)に移動するように、はんだ掬い上げユニット56を制御する。これにより、はんだ掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上のはんだSが次回の基板Bの生産に用いられるマスクM上に降ろされる。
【0050】
(はんだの掬い上げの位置に関する構成)
ここで、本実施形態では、制御装置9は、測定されたはんだSの幅Wに基づいて、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向(はんだSを掬う方向)への移動の開始位置、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動の終了位置、および、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動量を取得するように構成されている。
【0051】
図8に示すように、たとえば、マスクMの奥側(Y1方向側)にはんだSが位置する場合(はんだ掬い上げユニット56がマスクM上のはんだSをスキージ51に接する側(Y2方向側)とは反対側(Y1方向側)から掬い上げる場合)、制御装置9は、測定されたはんだSの幅Wに基づいて、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動の開始位置、および、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動量を取得するように構成されている。
【0052】
具体的には、制御装置9は、以下に示す式(1)により、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動の開始位置を取得する。また、制御装置9は、以下に示す式(2)により、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動の終了位置を取得する。また、制御装置9は、以下に示す式(3)により、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動量を取得する。
開始位置=奥側印刷終走位置+掬い合げユニットオフセット量+測定されたはんだ幅+マージン ・・・(1)
終了位置=奥側印刷終走位置+掬い上げユニットオフセット量−マージン ・・・(2)
移動量=開始位置−終了位置 ・・・(3)
【0053】
奥側印刷終走位置は、以下に示す式(4)により表される。ここで、終走距離は、基板BへのはんだSの印刷の際、スキージ51が基板Bのサイズを越えて移動する距離である。マスク中心座標、基板サイズおよび終走距離は、設計情報に基づいて取得可能である。
奥側印刷終走位置=マスク中心座標+基板サイズ/2+終走距離 ・・・(4)
【0054】
掬い上げユニットオフセット量は、掬い上げユニット56におけるスキージ51と掬い上げユニット56とのY方向の離間距離である。掬い上げユニットオフセット量は、たとえば、スキージ51の回転中心から掬い上げユニット56の掬い上げ部56aの先端部までのY方向の距離である。掬い上げユニットオフセット量は、設計情報に基づいて取得可能である。また、開始位置のマージンおよび終了位置のマージンは、余裕分を示す値である。開始位置のマージンおよび終了位置のマージンは、固定値であってもよいし、測定されたはんだSの幅Wに応じて取得された値であってもよい。なお、開始位置のマージンおよび終了位置のマージンは、互いに異なる値であってもよい。
【0055】
また、たとえば、マスクMの手前側(Y2方向側)にはんだSが位置する場合(はんだ掬い上げユニット56がマスクM上のはんだSをスキージ51に接する側(Y1方向側)から掬い上げる場合)、制御装置9は、測定されたはんだSの幅Wに基づいて、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動の終了位置、および、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動量を取得するように構成されている。
【0056】
具体的には、制御装置9は、以下に示す式(5)により、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動の開始位置を取得する。また、制御装置9は、以下に示す式(6)により、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動の終了位置を取得する。また、制御装置9は、以下に示す式(7)により、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56のY2方向への移動量を取得する。
開始位置=手前印刷終走位置+掬い合げユニットオフセット量+マージン ・・・(5)
終了位置=手前側印刷終走位置+掬い上げユニットオフセット量−測定されたはんだ幅−マージン ・・・(6)
移動量=終了位置−開始位置 ・・・(7)
【0057】
手前側印刷終走位置は、以下に示す式(8)により表される。
奥側印刷終走位置=マスク中心座標−基板サイズ/2−終走距離 ・・・(8)
【0058】
開始位置のマージンおよび終了位置のマージンは、余裕分を示す値である。開始位置のマージンおよび終了位置のマージンは、固定値であってもよいし、測定されたはんだSの幅Wに応じて取得された値であってもよい。なお、開始位置のマージンおよび終了位置のマージンは、互いに異なる値であってもよい。
【0059】
なお、制御装置9は、はんだ掬い上げユニット56によりはんだSを掬い上げる前であって、基板Bの生産中に、はんだSの幅Wを測定するように、はんだ幅測定部57を制御するように構成されている。具体的には、制御装置9は、基板Pの生産中に、印刷済みの基板Bを搬出し、次の基板Bを搬入して搬入した次の基板BにはんだSを印刷するまでの間(基板Bの入れ替えの間)に、はんだSの幅Wを測定するように、はんだ幅測定部57を制御するように構成されている。制御装置9は、たとえば、はんだ掬い上げユニット56によりはんだSを掬い上げる直前の基板Bの入れ替えの間に、はんだSの幅Wを測定するように、はんだ幅測定部57を制御する。これにより、基板Bの入れ替えと並行してはんだSの幅Wの測定を行うことが可能である。その結果、はんだSの幅Wを測定するためにタイムロスが生じることを防止可能である。
【0060】
(はんだの掬い上げ時のマスクの移動に関する構成)
また、本実施形態では、図9(A)〜(D)に示すように、制御装置9は、掬い上げるはんだSがはんだ掬い上げユニット56の動作範囲外(移動限界位置よりも外側)に位置する場合、掬い上げるはんだSがはんだ掬い上げユニット56の動作範囲内に位置するようにマスクMを移動させるように、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55を制御するように構成されている。制御装置9は、掬い上げるはんだSがはんだ掬い上げユニット56の動作範囲外に位置する場合、はんだ掬い上げユニット56の移動の開始位置またははんだ掬い上げユニット56の移動の終了位置と、掬い上げユニット56の移動限界位置とに基づいて、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55によるマスクMの移動量を取得するように構成されている。そして、制御装置9は、取得した移動量だけ移動させるように、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55を制御するように構成されている。
【0061】
たとえば、制御装置9は、マスクMの手前側(Y2方向側)におけるはんだ掬い上げユニット56の移動の開始位置またはマスクMの手前側におけるはんだ掬い上げユニット56の移動の終了位置がマスクMの手前側におけるはんだ掬い上げユニット56の移動限界位置よりも外側である場合、以下に示す式(9)により、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55によるマスクMの移動量を取得する。そして、制御装置9は、掬い上げるはんだSがはんだ掬い上げユニット56の動作範囲内に位置するように、取得した移動量だけマスクMを移動させるように、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55を制御する。
移動量=|手前側におけるはんだ掬い上げユニットの移動限界位置−マスクの手前側におけるはんだ掬い上げユニットの移動の終了位置|+マージン ・・・(9)
【0062】
(はんだの掬い上げの状態の検出に関する構成)
また、本実施形態では、はんだ幅測定部57は、はんだSの掬い上げ動作後にはんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態を検出するための掬い上げ状態検出部として機能する。制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがあるか否かを検出するように、はんだ幅測定部57を制御する。具体的には、制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にレーザ光を照射するように、はんだ幅測定部57を制御する。制御装置9は、はんだ幅測定部57により取得されたはんだSが配置されていた位置の測定結果に基づいて、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがあるか否かを判断する。
【0063】
制御装置9は、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがないと判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が正常であると判断する。また、制御装置9は、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがあると判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常であると判断する。制御装置9は、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常である場合、はんだSの状態を確認することをユーザに通知する制御を行うように構成されている。この際、制御装置9は、エラーを発生させて、印刷装置1を停止させる制御を行うように構成されている。また、制御装置9は、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常である場合、はんだSを降ろす動作を行うように、はんだ掬い上げユニット56を制御するように構成されている。
【0064】
また、はんだ幅測定部57は、はんだSの降ろし動作後にはんだ掬い上げユニット56によるはんだSの降ろしの状態を検出するための降ろし状態検出部としても機能する。制御装置9は、はんだSの降ろし動作後、マスクM上のはんだSが配置されているべき位置(はんだSを降ろした位置)にはんだSがあるか否かを検出するように、はんだ幅測定部57を制御する。具体的には、制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、マスクM上のはんだSが配置されているべき位置にレーザ光を照射するように、はんだ幅測定部57を制御する。制御装置9は、はんだ幅測定部57により取得されたはんだSが配置されているべき位置の測定結果に基づいて、マスクM上のはんだSが配置されているべき位置にはんだSがあるか否かを判断する。
【0065】
制御装置9は、マスクM上のはんだSが配置されているべき位置にはんだSがあると判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの降ろしの状態が正常であると判断する。また、制御装置9は、マスクM上のはんだSが配置されているべき位置にはんだSがないと判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの降ろしの状態が異常であると判断する。制御装置9は、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの降ろしの状態が異常である場合、はんだSの状態を確認することをユーザに通知する制御を行うように構成されている。この際、制御装置9は、エラーを発生させて、印刷装置1を停止させる制御を行うように構成されている。また、制御装置9は、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの降ろしの状態が異常である場合、はんだSを降ろす動作を行うように、はんだ掬い上げユニット56を制御するように構成されている。
【0066】
(はんだ載せ降ろし検出処理)
次に、図10を参照して、本実施形態の印刷装置1によるはんだ載せ降ろし検出処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、制御装置9により行われる。
【0067】
図10に示すように、まず、ステップS1において、はんだ掬い上げユニット56によりマスクM上のはんだSを掬い上げる動作が行われる。
【0068】
そして、ステップS2において、掬い上げ状態検出部としてのはんだ幅測定部57によるはんだSの掬い上げの状態の検出結果に基づいて、はんだSの掬い上げの状態が正常であるか否かが判断される。はんだSの掬い上げの状態が正常であると判断された場合、ステップS3に進む。
【0069】
そして、ステップS3において、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55によりマスクMを交換する動作が行われる。
【0070】
そして、ステップS4において、はんだ掬い上げユニット56によりマスクM上にはんだSを降ろす動作が行われる。
【0071】
そして、ステップS5において、降ろし状態検出部としてのはんだ幅測定部57によるはんだSの降ろしの状態の検出結果に基づいて、はんだSの降ろしの状態が正常であるか否かが判断される。はんだSの降ろしの状態が正常であると判断された場合、はんだ載せ降ろし検出処理が終了される。
【0072】
また、ステップS2においてはんだSの掬い上げの状態が異常であると判断された場合、または、ステップS5においてはんだSの降ろしの状態が正常であると判断された場合、ステップS6に進む。
【0073】
そして、ステップS6において、エラー処理が行われる。ステップS6では、印刷装置1の停止、はんだSの状態を確認することのユーザへの通知、はんだ掬い上げユニット56によるマスクM上へのはんだSの降ろし動作が行われる。その後、はんだ載せ降ろし検出処理が終了される。
【0074】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
本実施形態では、上記のように、制御装置9を、測定されたはんだSの幅Wに基づいて、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56の移動の開始位置、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56の移動の終了位置、および、はんだSの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット56の移動量を取得するように構成する。これにより、実際のはんだSの幅Wを考慮して、実際のはんだSの幅Wに適した上記開始位置、実際のはんだSの幅Wに適した上記終了位置、または、実際のはんだSの幅Wに適した上記移動量を決めることができる。その結果、はんだSの掬い上げ動作においてはんだ掬い上げユニット56の移動量が足りずにはんだSの掬い上げ動作が失敗することを抑制することが可能な印刷装置1を提供することができる。また、実際のはんだSの幅Wに適した上記移動量を取得した場合、はんだSの掬い上げ動作においてはんだ掬い上げユニット56の移動量が不必要に大きくなることを抑制することができる。これにより、はんだSの掬い上げ動作に要する時間を必要最小限に短縮することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置9を、掬い上げるはんだSがはんだ掬い上げユニット56の動作範囲外に位置する場合、掬い上げるはんだSがはんだ掬い上げユニット56の動作範囲内に位置するようにマスクMを移動させるように、マスクスライダ55を制御するように構成する。これにより、マスクスライダ55によりマスクMを移動させることが可能な分だけ、はんだ掬い上げユニット56の動作範囲を小さくすることができる。その結果、はんだ掬い上げユニット56の動作範囲を小さくした分だけ、装置をコンパクト化することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、印刷装置1を、マスクスライダ55と、第1収納部61および第2収納部62とを含む、マスク交換ユニット7を備えるように構成する。これにより、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55をはんだSがはんだ掬い上げユニット56の動作範囲内に位置するようにマスクMを移動させるマスク移動部として利用することができる。その結果、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55とは別途独立してマスク移動部を設ける必要がない。その結果、マスク交換ユニット7のマスクスライダ55とは別途独立してマスク移動部を設けない分だけ、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。また、マスク交換部としてのマスクスライダ55によりマスクMを自動交換することができるので、ユーザがマスクMを交換するという煩雑な手間を省くことができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置9を、マスクスライダ55によるマスクMの交換動作の前に、交換されるマスクM上のはんだSを掬い上げ、マスクスライダ55によるマスクMの交換動作の後に、交換されたマスクM上にはんだSを降ろすように、はんだ掬い上げユニット56を制御するように構成する。これにより、はんだ掬い上げユニット56によりマスクMからマスクMへはんだSを自動的に移載することができるので、ユーザがマスクMからマスクMへはんだSを移載するという煩雑な手間を省くことができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、印刷装置1を、はんだSの掬い上げ動作後にはんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態を検出するための掬い上げ状態検出部としてのはんだ幅測定部57を備えるように構成する。これにより、はんだ掬い上げユニット56によりはんだSが正しく掬い上げられたか否かを確認することができる。その結果、はんだ掬い上げユニット56によりはんだSが正しく掬い上げられなかった場合、停止するなどの適切な動作を装置に行わせて、印刷不良が生じることを未然に防ぐことができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、掬い上げ状態検出部を、はんだ幅測定部57を含むように構成する。これにより、はんだ幅測定部57とは別途独立して掬い上げ状態検出部を設ける必要がない。その結果、はんだ幅測定部57とは別途独立して掬い上げ状態検出部を設けない分だけ、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置9を、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常である場合、はんだSの状態を確認することをユーザに通知する制御を行うように構成する。これにより、通知された情報に基づいて、ユーザは、異常を解消するための作業を迅速に行うことができる。その結果、異常に起因して装置が停止した場合にも、異常を迅速に解消して、装置の停止時間を短縮することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置9を、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常である場合、はんだSを降ろす動作を行うように、はんだ掬い上げユニット56を制御するように構成する。これにより、異常の際にはんだ掬い上げユニット56によりはんだSの一部のみが掬い上げられている場合にも、掬い上げられた一部のみのはんだSをはんだ掬い上げユニット56から降ろすことができる。その結果、はんだ掬い上げユニット56によりはんだSの一部のみが掬い上げられた状態で、次のはんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げ動作が行われることを抑制することができる。これにより、はんだ掬い上げユニット56により掬い上げられた一部のみのはんだSに起因して、次のはんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げ動作が失敗することを抑制することができる。
【0083】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0084】
たとえば、上記実施形態では、本発明を、マスクスライダ(マスク交換部)によりマスクを自動交換する印刷装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、ユーザがマスクを手動交換する印刷装置に適用されてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、制御装置(制御部)を、測定されたはんだ(塗布材)の幅に基づいて、はんだの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニット(塗布材掬い上げユニット)の移動の開始位置、はんだの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニットの移動の終了位置、および、はんだの掬い上げ動作におけるはんだ掬い上げユニットの移動量を取得するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、測定された塗布材の幅に基づいて、塗布材の掬い上げ動作における塗布材掬い上げユニットの移動の開始位置、塗布材の掬い上げ動作における塗布材掬い上げユニットの移動の終了位置、および、塗布材の掬い上げ動作における塗布材掬い上げユニットの移動量のうちの少なくとも1つを取得するように構成してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、印刷装置を、掬い上げるはんだ(塗布材)がはんだ掬い上げユニット(塗布材掬い上げユニット)の動作範囲外に位置する場合、掬い上げるはんだがはんだ掬い上げユニットの動作範囲内に位置するようにマスクを移動させるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、印刷装置を、掬い上げる塗布材が塗布材掬い上げユニットの動作範囲外に位置する場合、掬い上げる塗布材が塗布材掬い上げユニットの動作範囲内に位置するようにマスクを移動させるように構成しなくてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、印刷装置に、マスク移動部およびマスク交換部としてのマスクスライダを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、印刷装置に、マスク移動部とマスク交換部とを互いに独立して設けてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、掬い上げ状態検出部を、はんだ幅測定部(塗布材幅測定部)を含むように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図11に示す第1変形例のように、掬い上げ状態検出部を、撮像部157を含むように構成してもよい。撮像部157は、マスクM上を撮像可能にスキージユニット6に設けられている。この場合、制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがあるか否かを検出するように、撮像部157を制御する。具体的には、制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、マスクM上のはんだSが配置されていた位置を撮像するように、撮像部157を制御する。制御装置9は、撮像部157により取得されたはんだSが配置されていた位置の撮像結果に基づいて、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがあるか否かを判断する。制御装置9は、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがないと判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が正常であると判断する。また、制御装置9は、マスクM上のはんだSが配置されていた位置にはんだSがあると判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常であると判断する。なお、撮像部157を、降ろし状態検出部として機能させてもよい。
【0089】
また、本発明では、図12に示す第2変形例のように、掬い上げ状態検出部を、光検出部257を含むように構成してもよい。光検出部257は、掬い上げユニット56の掬い上げ部56aに光を照射し、反射された光を受光可能に掬い上げユニット56に設けられている。この場合、制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上にはんだSがあるか否かを検出するように、光検出部257を制御する。具体的には、制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上のはんだSが配置されているべき位置に光を照射して反射された光を受光するように、光検出部257を制御する。制御装置9は、光検出部257により取得された掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上のはんだSが配置されているべき位置の検出結果に基づいて、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上のはんだSが配置されているべき位置にはんだSがあるか否かを判断する。制御装置9は、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上のはんだSが配置されているべき位置にはんだSがあると判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が正常であると判断する。また、制御装置9は、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上のはんだSが配置されているべき位置にはんだSがないと判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常であると判断する。なお、光検出部257を、降ろし状態検出部として機能させてもよい。
【0090】
また、本発明では、図13に示す第3変形例のように、掬い上げ状態検出部を、重量検出部357を含むように構成してもよい。重量検出部357は、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上に配置された検出対象物(はんだS)の重量を検出可能に掬い上げユニット56に設けられている。この場合、制御装置9は、はんだSの掬い上げ動作後、重量検出部357による重量の検出結果を取得する。制御装置9は、重量検出部357による重量の検出結果に基づいて、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上にはんだSがあるか否かを判断する。制御装置9は、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上にはんだSがあると判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が正常であると判断する。また、制御装置9は、掬い上げユニット56の掬い上げ部56a上にはんだSがないと判断した場合、はんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態が異常であると判断する。なお、重量検出部357を、降ろし状態検出部として機能させてもよい。第1変形例〜第3変形例のように構成すれば、撮像部157、光検出部257、または、重量検出部357により、はんだSの掬い上げ動作後にはんだ掬い上げユニット56によるはんだSの掬い上げの状態を容易に検出することができる。
【0091】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 印刷装置
7 マスク交換ユニット(マスク交換部)
9 制御装置(制御部)
51 スキージ
55 マスクスライダ(マスク移動部)
56 はんだ掬い上げユニット(塗布材掬い上げユニット)
57 はんだ幅測定部(塗布材幅測定部、掬い上げ状態検出部)
61 第1収納部(マスク収納部)
62 第2収納部(マスク収納部)
157 撮像部(掬い上げ状態検出部)
257 光検出部(掬い上げ状態検出部)
357 重量検出部(掬い上げ状態検出部)
B 基板
M マスク
S はんだ(塗布材)
W はんだの幅(塗布材の幅)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13