(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6913250
(24)【登録日】2021年7月13日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】充電用差込接続構造、充電杭、ロボット及びその自動充電システム
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20210727BHJP
H01R 13/20 20060101ALI20210727BHJP
H01R 13/627 20060101ALI20210727BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/20 A
H01R13/627
H02J7/00 301B
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-526423(P2020-526423)
(86)(22)【出願日】2020年1月14日
(65)【公表番号】特表2021-509001(P2021-509001A)
(43)【公表日】2021年3月11日
(86)【国際出願番号】CN2020072021
(87)【国際公開番号】WO2020156147
(87)【国際公開日】20200806
【審査請求日】2020年7月21日
(31)【優先権主張番号】201920175657.X
(32)【優先日】2019年1月31日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519087309
【氏名又は名称】炬星科技(深▲せん▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Syrius Robotics Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】蘇 文力
【審査官】
高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第108063345(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第109286101(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第106627227(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第108656128(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第106992374(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第107302155(CN,A)
【文献】
米国特許第9559461(US,B1)
【文献】
特開2001−185298(JP,A)
【文献】
特開平5−54934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/00−13/08
H01R13/15−13/35
H01R13/56−13/72
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電用差込接続構造であって、
支持ベース(111)、可撓性受け板(112)、及び前記可撓性受け板(112)に設けられる差込パネル(113)を備え、前記可撓性受け板(112)は、周方向に均等に配置されている複数の弾性部材を介して前記支持ベース(111)に取り付けられ、差込方向に垂直な周方向において弾性変位量を発生させ、前記差込パネル(113)には、差込ソケット(1132)が設けられ、前記差込ソケット(1132)には、複数の雌コネクタビア(1133)が設けられ、
前記支持ベース(111)は、接続板(1111)及び前記接続板(1111)に垂直な矩形状の垂直取り付け板(1112)を備え、
前記可撓性受け板(112)の中央部には、複数の引張バックル(1123)が設けられ、前記矩形状の垂直取り付け板(1112)には、前記引張バックル(1123)に対応する複数の固定端子(1114)が設けられ、
前記複数の弾性部材は、それぞれの一端が前記引張バックル(1123)に接続され、他端が前記固定端子(1114)に接続される少なくとも4つの引張弾性部材(1121)であり、前記少なくとも4つの前記引張弾性部材(1121)は、それぞれ、前記可撓性受け板(112)の中央部から、前記矩形状の垂直取り付け板(1112)の4つの頂角の位置に向かって配置されている充電用差込接続構造。
【請求項2】
前記接続板(1111)には、複数の取り付け孔(1113)が均等に設けられ、前記垂直取り付け板(1112)には、周方向に均等に配置されている複数の弾性部材を介して前記可撓性受け板(112)が取り付けられ、前記可撓性受け板(112)は、垂直面において弾性変位量を発生させる、請求項1に記載の充電用差込接続構造。
【請求項3】
前記少なくとも4つの前記引張弾性部材(1121)は垂直面に均等に配置されている、請求項1に記載の充電用差込接続構造。
【請求項4】
前記可撓性受け板(112)と前記垂直取り付け板(1112)との間には、少なくとも4つの制限支持コラム(1122)が設けられ、前記制限支持コラム(1122)は、前記矩形状の垂直取り付け板(1112)の対角線によって区切られる4つの領域のそれぞれに位置し、前記制限支持コラム(1122)は、一端が前記垂直取り付け板(1112)に固定され、他端が前記可撓性受け板(112)にスライド可能に接触し、又は前記制限支持コラム(1122)は、一端が前記可撓性受け板(112)に固定され、他端が前記垂直取り付け板(1112)にスライド可能に接触する、請求項1に記載の充電用差込接続構造。
【請求項5】
前記制限支持コラム(1122)の自由端には、ボールが設けられ、前記ボールは、ばねを介して前記制限支持コラム(1122)の内部に取り付けられ、前記ボールによってスライド可能に接触する、請求項4に記載の充電用差込接続構造。
【請求項6】
前記差込パネル(113)は、前記可撓性受け板(112)にカバーされるパネルハウジング(1131)と、前記パネルハウジング(1131)に一体成形される前記差込ソケット(1132)と、を備え、前記差込ソケット(1132)の先端には、前記雌コネクタビア(1133)が設けられ、前記雌コネクタビア(1133)の内部には、弾性接触片群(1135)が対応して設けられ、前記弾性接触片群(1135)はそれぞれ対応する充電リードに接続され、前記雌コネクタビア(1133)の一方側には、データラインビア(1134)がさらに設けられ、前記データラインビア(1134)の内部には、データ接触雌端子(1136)が対応して設けられる、請求項1−5のいずれか1項に記載の充電用差込接続構造。
【請求項7】
自動充電杭であって、
取り付け筐体(120)、前記取り付け筐体(120)の内部に設けられるPCB機能マザーボード(160)、及び前記PCB機能マザーボード(160)に電気的に接続される電源変換モジュール(130)、充電監視モジュール(140)及びネットワーク通信モジュール(150)を少なくとも備え、前記取り付け筐体(120)には、請求項1−6のいずれか1項に記載の充電用差込接続構造(110)が設けられ、雌コネクタビア(1133)の内部には、弾性接触片群(1135)が対応して設けられ、前記弾性接触片群(1135)は、充電リードを介して前記電源変換モジュール(130)の出力端子に接続される、自動充電杭。
【請求項8】
移動ロボットであって、
駆動用バッテリユニット(230)、感知実行システム(240)、フレームハウジング(220)及び移動ホイール群(250)を備え、前記感知実行システム(240)及び前記駆動用バッテリユニット(230)は、前記フレームハウジング(220)の内部の収容空間に取り付けられ、前記感知実行システム(240)は、センサーモジュール(241)、GPUコントローラ(242)及び前記フレームハウジング(220)の底部の前記移動ホイール群(250)に接続される実行駆動ユニット(243)を少なくとも含み、前記フレームハウジング(220)の一端には、請求項1−6のいずれか1項に記載の充電用差込接続構造(110)に対応して嵌合する充電インターフェース構造(210)がさらに設けられ、前記充電インターフェース構造(210)には、差込ソケット(1132)に対応して嵌合する差込溝(212)が設けられ、前記差込溝(212)には、雌コネクタビア(1133)に対応して充電雄コネクタ(213)が設けられ、前記充電雄コネクタ(213)は前記駆動用バッテリユニット(230)に接続される、移動ロボット。
【請求項9】
ロボット自動充電システムであって、
位置決め認識センサーユニット(260)、請求項1−6のいずれか1項に記載の充電用差込接続構造(110)が取り付けられた自動充電杭(100)、及び前記充電用差込接続構造(110)に対応してロボット(200)に設けられる充電インターフェース構造(210)を少なくとも備え、前記充電インターフェース構造(210)には、前記差込ソケット(1132)に対応して嵌合する差込溝(212)が設けられ、前記差込溝(212)には、前記雌コネクタビア(1133)に対応して充電雄コネクタ(213)が設けられ、前記充電雄コネクタ(213)は前記ロボット(200)の内部の駆動用バッテリユニット(230)に接続される、ロボット自動充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの技術分野に関し、特に充電用差込接続構造、充電杭、ロボット及びその自動充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の継続的な発展に伴い、さまざまな機能やさまざまな適用シナリオに基づくロボットがますます社会生産のさまざまな分野で広く使用されている。移動ロボットは、環境感知、動的意思決定・計画、行動制御・実行などの複数の機能を統合した自律システムとして、工業、農業、医療、サービスなどの業界で広く使用されており、特に自動搬送、倉庫保管・物流や生産ワークショップなどの場所での自律的な搬送やピッキングは急速に発展している。
【0003】
移動ロボットは、一般には、エネルギーシステム、機械構造及び感知システムを備えてなる。感知システムとは、移動ロボットのセンサー、メインコントローラー、アクチュエーター、及びその他の付属品で構成される感知システムを指し、機械構造には、この感知システムを載置して取り付けるためのシャーシ、走行機構及び保護用筐体が含まれる。エネルギーシステムは、主にパワーバッテリー、バッテリ管理システム及び充電デバイスであり、一般には、移動ロボットの充電方法は、ロボットを手動で充電する方法を用いる。手動充電モードは、人力がかかるだけでなく、自動化の度合いも低いため、移動ロボットの自律的かつ継続的な作業には不利である。ロボットの自動充電を実現するために、一般には、充電杭などの電源装置を設置して、自動ドッキング装置を用いて移動ロボットと電源装置の電源端子を自動的に位置合わせて接続することで自動充電動作を実現する。
【0004】
充電杭を使用して自動充電を実現する際に、最も重要な部分は、移動ロボットの充電プラグと充電杭の受け板の正確なドッキングの課題を解決することである。従来のドッキング構造は、円錐体構造や円錐体キャビティなどのさまざまな構造を用いて位置合わせして嵌合し、自動位置合わせ接続をよく実現することはできるが、充電接触片の装着が困難になり、充電接触片間の接触が不安定になり、充電接触片が激しく加熱されて危険になるなどの原因になり、また、CCDグラフィック位置決め・認識を、3軸移動プラットフォームと組み合わせて正確な位置合わせを実現することがあり、この自動位置合わせ装置は、構造が複雑でコストが高い。したがって、従来の自動位置合わせ装置をさらに最適化する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の自動充電用の移動ロボットが充電杭に簡単かつ正確に位置合わせしたり認識できなかったりするという技術的課題を解決するために、充電用差込接続構造、充電杭、ロボット及びその自動充電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成させるために、本発明の実施例の第1態様によれば、
支持ベース、可撓性受け板、及び前記可撓性受け板に設けられる差込パネルを備え、前記可撓性受け板は、周方向に均等に配置されている複数の弾性部材を介して前記支持ベースに取り付けられ、差込方向に垂直な周方向において弾性変位量を発生させ、前記差込パネルには、差込ソケットが設けられ、前記差込ソケットには、複数の雌コネクタビアが設けられる充電用差込接続構造を提供する。
【0007】
本発明の実施例の第2態様によれば、取り付け筐体、前記取り付け筐体の内部に設けられるPCB機能マザーボード、及び前記PCB機能マザーボードに電気的に接続される電源変換モジュール、充電監視モジュール及びネットワーク通信モジュールを少なくとも備え、前記取り付け筐体には、上記充電用差込接続構造が設けられ、前記雌コネクタビアの内部には、弾性接触片群が対応して設けられ、前記弾性接触片群は、充電リードを介して前記電源変換モジュールの出力端子に接続される自動充電杭を提供する。
【0008】
本発明の実施例の第3態様によれば、駆動用バッテリユニット、感知実行システム、フレームハウジング及び移動ホイール群を備え、前記感知実行システム及び前記駆動用バッテリユニットは、前記フレームハウジングの内部の収容空間に取り付けられ、前記感知実行システムは、センサーモジュール、GPUコントローラ及び前記フレームハウジングの底部の前記移動ホイール群に接続される実行駆動ユニットを少なくとも含み、前記フレームハウジングの一端には、上記充電用差込接続構造に対応して嵌合する充電インターフェース構造がさらに設けられ、前記充電インターフェース構造には、前記差込ソケットに対応して嵌合する差込溝が設けられ、前記差込溝には、前記雌コネクタビアに対応して充電雄コネクタが設けられ、前記充電雄コネクタは前記駆動用バッテリユニットに接続される、移動ロボットを提供する。
【0009】
本発明の実施例の第4態様によれば、位置決め認識センサーユニット、上記充電用差込接続構造が取り付けられた自動充電杭、及び前記充電用差込接続構造に対応して前記ロボットに設けられる充電インターフェース構造を少なくとも備え、前記充電インターフェース構造には、前記差込ソケットに対応して嵌合する差込溝が設けられ、前記差込溝には、前記雌コネクタビアに対応して充電雄コネクタが設けられ、前記充電雄コネクタは前記ロボットの前記駆動用バッテリユニットに接続される、ロボット自動充電システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
以上の技術案によれば、本発明の実施例の充電用差込接続構造、充電杭、ロボット及びその自動充電システムでは、可撓性受け板を設けることで、弾性部材を用いて差込方向に垂直な平面に360°の周方向において安定的に限定し、弾性部材の作用により、可撓性受け板が360°の周方向に微細な変位を発生させ、差し込まれてドッキングされる際に、地面の凹凸などによる自動充電杭への影響、及び移動ロボットの自動位置決め認識センサーユニット自体に存在する位置決めの公差によって、差込ソケットと差込溝の順調なドッキングが困難である場合、可撓性受け板によってドッキング誤差の許容量を増大し、それによって自動位置合わせの難度を大幅に低減させ、自動充電システムの実用性、適用性を明らかに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施例又は従来技術の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずにこれら図面に基づいてほかの図面を取得し得る。
【
図1】本発明の実施例の第1充電用差込接続構造の正面図である。
【
図2】本発明の実施例の第1充電用差込接続構造の上面図である。
【
図3】本発明の実施例の第1充電用差込接続構造の三次元図である。
【
図4】本発明の実施例の第1充電用差込接続構造の三次元爆発
図1である。
【
図5】本発明の実施例の第1充電用差込接続構造の三次元爆発
図2である。
【
図6】本発明の実施例の第2充電用差込接続構造の正面図である。
【
図7】本発明の実施例の第3充電用差込接続構造の正面図である。
【
図8】本発明の実施例の自動充電杭の正面構造図である。
【
図9】本発明の実施例の移動ロボットの正面構造図である。
【
図10】本発明の実施例の充電インターフェース構造の三次元
図1である。
【
図11】本発明の実施例の充電インターフェース構造の三次元
図2である。
【
図12】本発明の実施例のロボット自動充電システムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態をさらに説明する。ただし、これら実施形態の説明は本発明を理解しやすくするものであり、本発明を限定するものではない。さらに、以下説明する本発明の各実施形態に記載の技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることができる。
【0013】
実施例1
図1−5に示されるように、本発明の実施例は、充電用差込接続構造110を提供し、この充電用差込接続構造110は、支持ベース111、可撓性受け板112、及び前記可撓性受け板112に設けられる差込パネル113を備え、前記可撓性受け板112は、周方向に均等に配置されている複数の弾性部材を介して前記支持ベース111に取り付けられ、差込方向に垂直な周方向において弾性変位量を発生させ、前記差込パネル113には、差込ソケット1132が設けられ、前記差込ソケット1132には、複数の雌コネクタビア1133が設けられる。
【0014】
具体的には、前記支持ベース111は、接続板1111、及び前記接続板1111に互いに垂直な垂直取り付け板1112を備え、前記接続板(1111)には、複数の取り付け孔(1113)が均等に設けられ、前記垂直取り付け板(1112)には、周方向に均等に配置されている複数の弾性部材を介して前記柔性受け板(112)が取り付けられ、前記柔性受け板(112)は、垂直面において弾性変位量を発生させる。接続板1111は、支持ベース111を充電杭の取り付け筐体120に固定することに用いられ、取り付け孔1113を介して取り付け筐体120の対応するネジ穴と嵌合することで、支持ベース111を取り付け筐体120の対応する位置に取り付ける。
【0015】
具体的には、
図2に示されるように、前記弾性部材は、一端が前記可撓性受け板112に設けられる引張バックル1123に接続され、他端が前記垂直取り付け板1112に設けられる固定端子1114に接続される引張弾性部材1121であり、少なくとも4つの前記引張弾性部材1121は垂直面に均等に配置されている。複数の引張弾性部材1121は、可撓性受け板112に対して垂直面の360°の方向に均一な引張力を印加し、それによって、垂直面に外力がないときに可撓性受け板112が垂直取り付け板1112に対して常に安定した相対位置に保持される。
【0016】
好ましくは、引張弾性部材1121は、引張ばね、輪ゴム、弾性ロープ、弾性金属リードなど、引張収縮力を発生可能な弾性構造部材であってもよい。固定端子1114は、螺合、溶接、差し込み、や、垂直取り付け板1112と一体的に板金を打ち抜く加工など、さまざまな方式で垂直取り付け板1112に装着又は設置することができ、対応する引張弾性部材1121には、リング、バックル、フック、固定コネクタなどの接続構造が設けられてもよい。引張バックル1123は、一体的に板金を打ち抜くことで可撓性受け板112における突出部を加工する方式、又は螺合、溶接、差し込みなどの方式で可撓性受け板112に取り付けられる接続構造であってもよい。
【0017】
好ましくは、
図6に示されるように、前記弾性部材は、一端が固定接続ベースを介して前記垂直取り付け板1112に取り付けられ、他端が別の固定接続ベースを介して前記可撓性受け板112に取り付けられる圧縮弾性部材1126であり、少なくとも4つの前記圧縮弾性部材1126は垂直面に均等に配置されている。引張弾性部材1121と同様に、複数の圧縮弾性部材1126は、可撓性受け板112に対して垂直面の360°の方向に均一な引張力を印加し、それによって、垂直面に外力がないときに可撓性受け板112が垂直取り付け板1112に対して常に安定した相対位置に保持される。
【0018】
好ましくは、圧縮弾性部材1126は、圧縮ばね、弾性シリコーンカラムなど、圧縮力及び引張力を発生させ得るさまざまな弾性構造であってもよい。固定接続ベースは、垂直取り付け板1112と可撓性受け板112において一体的に打ち抜いてなる凸起部であってもよく、垂直取り付け板1112と可撓性受け板112に螺合、溶接、差し込み又はリベットされた接続構造部材であってもよい。
【0019】
好ましくは、
図7に示されるように、前記弾性部材は、弾性支持コラム1124であり、複数の前記弾性支持コラム1124の両端が固定接続ベースを介してそれぞれ前記垂直取り付け板1112と前記可撓性受け板112との間に水平方向に固定される。弾性支持コラム1124は、水平方向と垂直方向ともに微細な変位を発生させることができ、外力がないときにも、垂直取り付け板1112に対して安定した相対位置を保持できる。弾性支持コラム1124は、ばね、弾性シリコーンなど、伸縮・湾曲可能なさまざまな弾性構造部材であってもよい。固定接続ベースは、垂直取り付け板1112と可撓性受け板112において一体的に打ち抜いてなる凸起部であってもよく、垂直取り付け板1112と可撓性受け板112に螺合、溶接、差し込み又はリベットされた接続構造部材であってもよい。
【0020】
さらに、前記弾性部材は、引張弾性部材1121又は圧縮弾性部材1126であり、少なくとも4つの前記引張弾性部材1121又は前記圧縮弾性部材1126は垂直面に均等に配置されており、前記可撓性受け板112と前記垂直取り付け板1112との間には、複数の制限支持コラム1122が設けられ、前記制限支持コラム1122は、一端が前記垂直取り付け板1112に固定され、他端が前記可撓性受け板112にスライド可能に接触し、又は前記制限支持コラム1122は、一端が前記可撓性受け板112に固定され、他端が前記垂直取り付け板1112にスライド可能に接触する。引張弾性部材1121又は圧縮弾性部材1126は、可撓性受け板112に対して垂直面の360°の方向に引張力又は圧縮力を発生させて支持し、水平方向には可撓性受け板112は、延びている構造部材を介して垂直取り付け板1112に当接され、又は制限支持コラム1122を設けることで水平方向の支持力を形成する。
【0021】
好ましくは、制限支持コラム1122の自由端には、ボールが設けられ、ボールによりスライド可能な接触が可能になる。さらに、前記ボールは、ばねを介して前記制限支持コラム1122の内部に取り付けられ、充電のためにドッキングする際に、差込方向の衝撃力の一部を緩衝する。
【0022】
さらに、前記差込パネル113は、前記可撓性受け板112にカバーされるパネルハウジング1131と、前記パネルハウジング1131に一体成形される前記差込ソケット1132と、を備え、前記差込ソケット1132の先端には、前記雌コネクタビア1133が設けられ、前記雌コネクタビア1133の内部には、弾性接触片群1135が対応して設けられ、前記弾性接触片群1135はそれぞれ対応する充電リードに接続され、前記雌コネクタビア1133の一方側には、データラインビア1134がさらに設けられ、前記データラインビア1134の内部には、データ接触雌端子1136が対応して設けられる。
【0023】
具体的には、差込ソケット1132の先端には、3つの雌コネクタビア1133が設けられ、3つの雌コネクタビア1133は、品字状又は三角状に配置されており、3つの雌コネクタビア1133のいずれの内部にも、弾性接触片群1135が設けられ、前記弾性接触片群1135は、接触片取り付けベース1137を介して前記差込ソケット1132の内部に固定される。3つの雌コネクタは、ビア1133を介して交流充電をするときに、活線、中性線及びアースであってもよく、直流充電をするときに、そのうちの1つの雌コネクタビア1133をガイド孔とすることができる。
【0024】
差込ソケット1132の先端では、3つの雌コネクタビア1133の下側には、2つのデータラインビア1134が設けられ、各データラインビア1134に対応してデータ接触雌端子1136が設けられ、前記データ接触雌端子1136は、雌端子取り付け片1138を介して前記差込ソケット1132の内部に設けられ、前記接触片取り付けベース1137の下側に位置する。
【0025】
好ましくは、前記パネルハウジング1131の一方側には、充電リードとデータ線を載置するためのケーブル通し孔1139が設けられる。
【0026】
実施例2
図8に示されるように、本発明の実施例は、自動充電杭100をさらに提供し、前記充電杭は、取り付け筐体120、前記取り付け筐体120の内部に設けられるPCB機能マザーボード、及び前記PCB機能マザーボードに電気的に接続される電源変換モジュール130、充電監視モジュール140及びネットワーク通信モジュール150を少なくとも備え、前記取り付け筐体120には、実施例1の充電用差込接続構造110が設けられ、前記雌コネクタビア1133の内部には、弾性接触片群1135が対応して設けられ、前記弾性接触片群1135は充電リードを介して前記電源変換モジュール130の出力端子に接続される。
【0027】
具体的には、充電用差込接続構造110の支持ベース111は、一般には、取り付け筐体120の周方向の側壁の外部に取り付けられるか、又は使用シナリオに応じて取り付け筐体120の上下の両端に取り付けられる。それに対応して、移動ロボット200の充電インターフェース構造210も移動ロボット200の側部又は上下の両端に設けられ、それによって、自動充電杭100と移動ロボット200には、互いに対応するドッキング部位がある。
【0028】
充電用差込接続構造110のデータ接触雌端子1136は、移動ロボット200の駆動用バッテリユニット230、特にバッテリ管理システムの関連パラメータを、データ線を介して自動充電杭100にアップロードし、自動充電杭100は、バッテリの充電状況、たとえば電圧、電流や残量などのデータをリアルタイムに監視し、これらデータに基づいて出力電圧と出力電流を調整し、バッテリ充電が終了した後、充電電源を自動的に切ることで、移動ロボット200のバッテリを保護する。
【0029】
実施例3
図9に示されるように、本発明の実施例は、移動ロボット200を提供し、該移動ロボット200は、駆動用バッテリユニット230、感知実行システム240、フレームハウジング220及び移動ホイール群250を備え、前記感知実行システム240及び前記駆動用バッテリユニット230は、前記フレームハウジング220の内部の収容空間に取り付けられ、前記感知実行システム240は、センサーモジュール241、GPUコントローラ242及び前記フレームハウジング220の底部の前記移動ホイール群250に接続される実行駆動ユニット243を少なくとも含み、前記フレームハウジング220の一端には、実施例1の充電用差込接続構造110に対応して嵌合する充電インターフェース構造210がさらに設けられ、前記充電インターフェース構造210には、差込ソケット1132に対応して嵌合する差込溝212が設けられ、前記差込溝212には、雌コネクタビア1133に対応して充電雄コネクタ213が設けられ、前記充電雄コネクタ213は前記駆動用バッテリユニット230に接続される。
【0030】
図10、11に示されるように、前記充電インターフェース構造210は、受けパネル211と、受けパネル211に設けられ、差込ソケット1132に対応して嵌合する差込溝212と、差込溝212の内部において雌コネクタビア1133に対応して設けられる充電雄コネクタ213と、データラインビア1134に対応して設けられるデータ雄コネクタ214と、を備える。データ雄コネクタ214は、データ雄コネクタ取り付け片215を介して前記差込溝212の裏面に固定され、データ雄コネクタ214はデータ接触雌端子1136と嵌合して、ロボットの駆動用バッテリユニット230のデータを自動充電杭100に伝送する。充電雄コネクタ213は、弾性接触片群1135に対応して嵌合し、円状、角形の等断面の金属導体コラムであってもよく、弾性接触片群1135は、一定の弾性を有する2枚の金属片を対称的に設けてなり、金属導体コラムは、金属片の間に設けられて弾性により緊密に接触し、又は1枚の弾性金属片を湾曲加工することで両端が接触した構造にし、好ましくは銅板である。
【0031】
好ましくは、受けパネル211の裏面には、複数のパネル支持柱216が均等に設けられ、受けパネル211の縁部には、パネルネジ穴217が均等に設けられ、パネル支持柱216とパネルネジ穴217により受けパネル211がバッテリケースに固定して支持され、それによって、差込溝212が差込方向と一致する。
【0032】
具体的には、差込溝212の溝幅は、溝開口から溝底部に向かうに従って減少し、対応する差込ソケット1132の断面は、端面から底部に向かうに従って増大する。たとえば、差込溝212は、台形溝、又は溝幅が溝開口から溝底部に向かうに従って減少するほかの任意の構造であってもよく、差込ソケット1132は逆である。差込溝212の内壁を滑らかにしてもよい。台形溝の内部の2つずつの面が接合される箇所は円弧線の形状となる。差込溝212は、好ましくは台形溝及び類似した形状であり、このような断面形状は、円形又は円錐形よりも良好な位置決め作用を有し、差込溝212と差込ソケット1132の相対方向が正確である場合にのみ、位置合わせてして接続することができ、このようにして、逆差込や回転による接触不良などを回避する。
【0033】
実施例4
図12に示されるように、本発明の実施例は、ロボット自動充電システムをさらに提供し、前記充電システムは、位置決め認識センサーユニット260、実施例1の充電用差込接続構造が取り付けられた自動充電杭100、及び前記充電用差込接続構造に対応して前記ロボットに設けられる充電インターフェース構造210を少なくとも備え、前記充電インターフェース構造210には、前記差込ソケット1132に対応して嵌合する差込溝212が設けられ、前記差込溝212には、前記雌コネクタビア1133に対応して充電雄コネクタ213が設けられ、前記充電雄コネクタ213は前記ロボット200の内部の駆動用バッテリユニット230に接続される。
【0034】
具体的には、位置決め認識センサーユニットは、自動充電杭100の位置を認識することに用いられ、自動充電杭100と移動ロボット200は、たとえば、WiFi、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信方式によるデータの送受を行うことができる。移動ロボット200の残量が不足になり充電する必要がある場合、WiFi、ブルートゥース(登録商標)などの方式で自動充電杭100の位置を特定し、自動充電杭100付近に自動的に到着するか、又は、移動ロボット200に自動充電杭100の位置が予め設定されており、移動ロボット200は、所定の経路に従って自動充電杭100の付近に到着し、移動ロボット200が自動充電杭100の付近にあるとき、CCDパターン認識、赤外線感知、レーダー案内、レーザー案内などの複数の方式で正確な差込方向を決定し、迅速に差し込むことができる。
【0035】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明は説明した実施形態に制限されない。当業者であれば、本発明の原理及び主旨を逸脱することなく、これら実施形態に対して行われるさまざまな変化、修正、置換や変形も、本発明の特許範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の実施例の充電用差込接続構造、自動充電杭及びロボット自動充電システムでは、可撓性受け板を設けることで、弾性部材を用いて差込方向に垂直な平面に360°の周方向において安定的に限定し、弾性部材の作用により、可撓性受け板が360°の周方向に微細な変位を発生させ、差し込まれてドッキングされる際に、地面の凹凸などによる自動充電杭への影響、及び移動ロボットの自動位置決め認識センサーユニット自体に存在する位置決めの公差によって、差込ソケットと差込溝の順調なドッキングが困難である場合、可撓性受け板によってドッキング誤差の許容量を増大し、それによって自動位置合わせの難度を大幅に低減させ、自動充電システムの実用性、適用性を明らかに向上させる。したがって、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0037】
100−自動充電杭
110−充電用差込接続構造
120−取り付け筐体
130−電源変換モジュール
140−充電監視モジュール
150−ネットワーク通信モジュール
160−PCB機能マザーボード
200−移動ロボット
210−充電インターフェース構造
220−フレームハウジング
230−駆動用バッテリユニット
240−感知実行システム
250−移動ホイール群
241−センサーモジュール241
242−GPUコントローラ242
243−実行駆動ユニット
111−支持ベース
1111−接続板
1112−垂直取り付け板
1113−取り付け孔
1114−固定端子
112−可撓性受け板
1121−引張弾性部材
1122−制限支持コラム
1123−引張バックル
1124−弾性支持コラム
1125−固定接続件
1126−圧縮弾性部材
113−差込パネル
1131−パネルハウジング
1132−差込ソケット
1133−雌コネクタビア
1134−データラインビア
1135−弾性接触片群
1136−データ接触雌端子
1137−接触片取り付けベース
1138−雌端子取り付け片
1139−ケーブル通し孔
211−受けパネル
212−差込溝
213−充電雄コネクタ
214−データ雄コネクタ
215−データ雄コネクタ取り付け片
216−パネル支持柱
217−パネルネジ穴