【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0027】
(1)化合物(A)の同定
以下の条件により、赤外分光分析(IR)、核磁気共鳴分析(NMR)および質量分析(LC/MS)をおこない同定した。
なお、IRでは、1775cm
−1付近、1715cm
−1付近に検出されるイミド結合の有無を確認した。
(1a)IR
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm
−1)
(1b)NMR
装置:日本電子社製JNM−ECA500
測定核種:プロトン
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
温度:25℃
積算回数:128回
(1c)LC/MS
試料:ビスイミドジカルボン酸/DMSO溶液(200μg/mL)
装置:ブルカー・ダルトニクス社製microTOF2−kp
カラム:Cadenza CD−C18 3μm 2mm×150mm
移動相:(移動相A)0.1% ギ酸水溶液、(移動相B)メタノール
グラジエント(B Conc.):0min(50%)−5,7min(60%)−14.2min(60%)−17min(100%)−21.6min(100%)−27.2min(50%)−34min(50%)
イオン化法:ESI
検出条件:Negativeモード
【0028】
(2)化合物(A)の純度
(1c)の質量分析(LC/MS)により、得られる質量スペクトル中に検出された一般式(1)〜(3)で表される化合物のイオン強度比のうち、一般式(1)で表される化合物が占めるイオン強度比の割合を求めた。
【0029】
(3)化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定
溶媒を留去させるか、貧溶媒により析出させるかして、塩を分離した。
得られた塩は以下の条件により、IRおよび示差走査熱量分析(DSC)をおこない同定した。
なお、IRでは、164cm
−1、1559cm
−1、1374cm
−1付近に検出されるカルボン酸とアミンの塩に由来する吸収の増加の有無を確認し、DSCでは、化合物(B)の融点に由来するピークの消失の有無を確認した。
(3a)IR
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm
−1)
(3b)DSC
装置:Perkin Elmer社製 DSC8500
方法:窒素雰囲気下で25℃から350℃まで20℃/分で昇温し、観測される結晶融解ピークのピークトップ温度を融点とした。
【0030】
(4)ポリアミドイミドの同定
以下の条件により、IR分析およびDSCをおこない同定した。
なお、IRでは、1531cm−1、1663cm−1付近に検出されるアミド結合に由来する吸収の増加の有無で確認し、DSCでは、ポリアミドイミドのガラス転移温度(Tg)の有無で確認した。
(4a)IR
装置:Perkin Elmer社製 System 2000 赤外分光装置
方法:KBr法
積算回数:64スキャン(分解能4cm
−1)
(4b)DSC
装置:Perkin Elmer社製 DSC8500
方法:窒素雰囲気下で25℃から350℃まで20℃/分で昇温し、1st scanにおいて120℃以上で観測される2つの屈曲点の中間点をガラス転移温度(Tg)とした。
【0031】
(4)溶液粘度
トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、30℃における値を測定した。
【0032】
実施例1
トリメリット酸無水物38.426g(0.200mol)とm−キシリレンジアミン13.619g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−1)を得た。
得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−1)であることが確認でき、純度は99.1%であった。
化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、90℃に加熱した水33.31gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、284.2Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0033】
実施例2
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.01gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、250.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0034】
実施例3
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン33.31gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、241.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0035】
実施例4
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン17.01gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、203.6Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0036】
実施例5
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN,N−ジメチルアセトアミド17.01gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、210.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0037】
実施例6
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水8.51gとN−メチル−2−ピロリドン8.51gの混合溶液に懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、232.1Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0038】
実施例7
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水9.29gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエタノールアミン24.020g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、325.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0039】
実施例8
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水20.57gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とピリジン12.735g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、74.0Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0040】
実施例9
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水33.06gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とフッ素系界面活性剤0.250gを加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。なお、フッ素系活性剤としては、メガファックF−477(DIC社製)を用いた。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、268.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0041】
実施例10
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水16.81gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.419g(0.0765mol)と1,2,3−プロパントリアミン0.241g(0.0027mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、348.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0042】
実施例11
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.01gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、p−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、23.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とp−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0043】
実施例12
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン36.74gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.119g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、118.5Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる塩が生成していることが確認できた。
【0044】
実施例13
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン20.45gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.119g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、105.7Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる塩が生成していることが確認できた。
【0045】
実施例14
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水10.22gとN−メチル−2−ピロリドン10.22gの混合溶液に懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.119g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、137.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる塩が生成していることが確認できた。
【0046】
実施例15
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン32.23gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、ヘキサメチレンジアミン9.354g(0.0805mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、89.3Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とヘキサメチレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0047】
実施例16
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン15.94gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、ヘキサメチレンジアミン9.354g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、83.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とヘキサメチレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0048】
実施例17
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水7.97gとN−メチル−2−ピロリドン7.97gの混合溶液に懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、ヘキサメチレンジアミン9.354g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、121.2Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とヘキサメチレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0049】
実施例18
トリメリット酸無水物38.426g(0.200mol)とp−キシリレンジアミン13.619g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−2)を得た。得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−2)であることが確認でき、純度は98.5%であった。
得られた化合物(A−2)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.01gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、155.6Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−2)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0050】
実施例19
実施例18と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−2)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン17.01gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、143.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−2)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0051】
実施例20
トリメリット酸無水物38.426g(0.200mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.024g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−3)を得た。得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−3)であることが確認でき、純度は98.9%であった。
得られた化合物(A−3)44.151g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水20.45gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、191.5Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−3)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0052】
実施例21
実施例20と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−3)44.151g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン20.45gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、182.5Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−3)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0053】
実施例22
1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物39.634g(0.200mol)とm−キシリレンジアミン13.619g(0.100mol)をN,N−ジメチルアセトアミド500mLに溶解させ、窒素ガスを通じながら80℃に加熱して1時間撹拌して反応させた。反応液から溶媒を留去させて300℃で2時間焼成をおこない、化合物(A−4)を得た。得られた化合物は分析方法の化合物(A)の同定により、下記に示す化合物(A−4)であることが確認でき、純度は95.7%であった。
得られた化合物(A−4)39.967g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水17.66gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、128.8Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−4)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0054】
実施例23
実施例22と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−4)39.967g(0.0805mol)を、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン17.66gに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加え、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、111.9Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−4)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0055】
実施例24
実施例1と同様の操作をおこなって得られた化合物(A−1)38.995g(0.0805mol)を、80℃に加熱した水16.37gに懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しながら、m−キシリレンジアミン10.963g(0.0805mol)とトリエチルアミン16.292g(0.161mol)を加えた。さらに、安息香酸0.590g(4.83mmol)と無水次亜リン酸ナトリウム0.048g(0.547mmol)を加えて撹拌し、固形分濃度が60質量%、均一な褐色のポリアミドイミド前駆体溶液を得た。
得られたポリアミドイミド前駆体溶液の溶液粘度は、258.9Pa・sであった。
また、分析方法の化合物(A)と化合物(B)とからなる塩の同定により、化合物(A−1)とm−キシリレンジアミンからなる塩が生成していることが確認できた。
【0056】
[ポリアミドイミドの確認]
実施例1〜24で得られたポリアミドイミド前駆体溶液を、ベーカー式アプリケーターを用いて、金属板上に被膜を形成した。300℃で2時間加熱して、厚さ100μmの被膜を有した積層体を作製し、その後、被膜を剥離してフィルムを得た。
得られたフィルムは分析方法のポリアミドイミドの同定によりポリアミドイミドが生成していることが確認できた。
【0057】
得られた化合物(A−1)〜(A−4)の化合物を表1に示す。なお、R
1、R
2、R
3は、一般式(1)〜(3)の基である。
【表1】
【0058】
表2に、実施例1〜24で得られたポリアミドイミド前駆体溶液の原料と溶液粘度を示す。
【0059】
【表2】