特許第6913554号(P6913554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6913554
(24)【登録日】2021年7月14日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】タッチパネル、タッチ式入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210727BHJP
   G06F 3/045 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   G06F3/041 480
   G06F3/045 G
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-149834(P2017-149834)
(22)【出願日】2017年8月2日
(65)【公開番号】特開2019-28866(P2019-28866A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】臼井 弘敏
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−272714(JP,A)
【文献】 特開2011−154670(JP,A)
【文献】 特開平11−110111(JP,A)
【文献】 特開2013−065117(JP,A)
【文献】 特開2010−134909(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0141411(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する第1シートと、
導電性を有し、前記第1シートとギャップを隔てて配置され、ユーザがタッチすることにより前記第1シートと電気的に接触可能に支持される第2シートと、
前記第2シートの上側に設けられ、非接触状態において平坦な第3シートと、
前記ユーザが有効なタッチ入力を行ってはじめてユーザに触覚刺激を付与できるように前記第3シートより下層に埋め込まれた、サイズが1mm〜5mmである剛体の触覚部材と、
を備え、
前記ユーザが有効なタッチ入力を行ったときに、前記第3シートが前記触覚部材の形状が露呈する程度に変形することにより、前記ユーザが指先で前記触覚部材の存在を知覚できることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記触覚部材は、導電性を有し、前記第1シートと前記第2シートの間に挿入されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
記触覚部材は、前記第2シートと前記第3シートの間に挿入されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記第1シートと前記第2シートの少なくとも一方は抵抗膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記第1シートと前記第2シートの間のギャップに、平面的に規則的に配置される複数のスペーサをさらに備え、
前記触覚部材は、前記複数のスペーサの間に配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記触覚部材は、上部が先細っていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記触覚部材は、下部が先細っていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のタッチパネル。
【請求項8】
請求項1からのいずれかに記載のタッチパネルを備えることを特徴とするタッチ式入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータやポータブルオーディオ機器、デジタルカメラ、ゲーム機器、カーナビゲーション装置などの電子機器は、指で接触することによって電子機器を操作するための入力装置を備える。
【0003】
入力装置として一般的なスイッチは、押しボタンタイプ、レバータイプ、シーソータイプ、ボリュームタイプなどが知られている。このような機械的な機構を利用したスイッチを用いた場合、ユーザは、指先の感覚を頼りに、意図した操作が正しく入力されているか、認識することができる。
【0004】
しかしながら、タッチパネルなどの電気的なデバイスをスイッチとして利用する場合、クリック感が存在しないため、ユーザは、意図した操作が正しく入力されたかどうかを認識できない。この場合、ユーザは、必要以上に強くタッチパネルにタッチすることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,336,260号明細書
【特許文献2】米国特許第8,619,051号明細書
【特許文献3】米国特許第8,773,356号明細書
【特許文献4】米国特許第8,659,571号明細書
【特許文献5】特開2009−48233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この問題を解決するために、入力を検知すると、振動をフィードバックする技術が提案されている。しかしながら振動を発生させる素子とその駆動回路が必要となるため、コストが高くなる。また振動素子の駆動には、数十Vの電圧が必要であることから、タッチパネルの設計が容易でない。
【0007】
本発明はかかる状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、振動を用いずに、ユーザにフィードバックを返すことが可能なタッチ式入力装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様はタッチパネルに関する。タッチパネルは、導電性を有する第1シートと、導電性を有し、第1シートとギャップを隔てて配置され、ユーザがタッチすることにより第1シートと電気的に接触可能に支持される第2シートと、ユーザが有効なタッチ入力を行ってはじめてユーザに触覚刺激を付与できるように埋め込まれた触覚部材と、を備える。
【0009】
なお本明細書において、タッチパネルは、座標検出の機能を有しないタッチ式の単なるスイッチパネルを含む。
【0010】
触覚部材は、導電性を有し、第1シートと第2シートの間に挿入されてもよい。
【0011】
ある態様においてタッチパネルは、第2シートの上側に設けられた第3シートをさらに備えてもよい。触覚部材は、第2シートと第3シートの間に挿入されてもよい。
【0012】
第1シートと第2シートの少なくとも一方は抵抗膜であってもよい。
【0013】
タッチパネルは、第1シートと第2シートの間のギャップに、平面的に規則的に配置される複数のスペーサをさらに備えてもよい。触覚部材は、複数のスペーサの間に配置されてもよい。
【0014】
触覚部材は、上部が先細っていてもよい。また下部が先細っていてもよい。触覚部材は、剛体であってもよい。
【0015】
本発明の別の態様は、タッチ式入力装置に関する。タッチ式入力装置は、上述のいずれかのタッチパネルを備えてもよい。
【0016】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のある態様によれば、振動を用いずに、ユーザにフィードバックを返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】タッチパネルを示す図である。
図2】第1実施例に係るタッチパネルの一部の断面図である。
図3図3(a)、(b)は、タッチパネルの動作を説明する図である。
図4】触覚刺激を説明する図である。
図5】第2実施例に係るタッチパネルの断面図である。
図6図6(a)、(b)は、タッチパネルの動作を説明する図である。
図7】ユーザインタフェースを備える電子機器の一例を示す図である。
図8】電子機器の組み立て斜視図である。
図9図9(a)〜(h)は、触覚部材の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0020】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0021】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0022】
また図面に記載される各部材の寸法(厚み、長さ、幅など)は、理解の容易化のために適宜、拡大縮小されている場合がある。さらには複数の部材の寸法は、必ずしもそれらの大小関係を表しているとは限らず、図面上で、ある部材Aが、別の部材Bよりも厚く描かれていても、部材Aが部材Bよりも薄いこともあり得る。
【0023】
図1は、タッチパネル200を示す図である。図1にはタッチパネル200全体の斜視図が示される。
【0024】
タッチパネル200は、抵抗式タッチパネルである。タッチパネル200は、第1シート202、第2シート204、および少なくともひとつの電極を備える。図1に示されるタッチパネル200の基本構造は、一般的なタッチパネルのそれと同様である。
【0025】
第1シート202および第2シート204は、導電性を有する。第1シート202、第2シート204は、両方が抵抗膜であってもよし、一方が抵抗膜、他方が金属導体であってもよい。第2シート204は、第1シート202とギャップ206を隔てて配置され、ユーザがタッチすることにより第1シート202と電気的に接触するように支持される。
【0026】
タッチパネル200は、2線式〜5線式まで様々な形式が知られており、特に限定されないが、ここでは四線式を例とする。四線式のタッチパネル200では、第1シート202、第2シート204はいずれも抵抗膜が用いられる。
【0027】
また電極の個数は、タッチパネル200の形式に応じて規定される。四線式のパネルの場合、電極はX,X,Y,Yの4本が設けられる。2本の電極X,Xは、Y方向と平行な第2シート204の対向する2辺に沿って設けられる。別の2本の電極Y,Yは、X方向と平行な第1シート202の対向する2辺に沿って設けられる。4個の電極からは図示しないリード線が引き出され、タッチパネルのコントローラと接続される。
【0028】
図2は、第1実施例に係るタッチパネル200Aの一部の断面図である。タッチパネル200Aは、第1シート202、第2シート204に加えて、複数のスペーサ208、第3シート210および触覚部材220Aを備える。
【0029】
複数のスペーサ208は絶縁性を有し、第1シート202と第2シート204の間のギャップ206に、平面的に規則的に配置される。スペーサ208は、第2シート204を第1シート202と離間して支持する機能を果たす。第3シート210は保護シートであり、第2シート204の上層に設けられる。
【0030】
触覚部材220Aは、ユーザが有効なタッチ入力を行ってはじめてユーザに触覚刺激を付与できるように埋め込まれる。なお触覚部材220Aは、振動素子のような能動デバイスではない。触覚部材220Aはタッチパネルの任意の座標に埋め込むことができるが、好ましくは、ボタン(スイッチ)として使用したい領域に埋め込むとよい。
【0031】
第1実施例において触覚部材220Aは、第2シート204と第3シート210の間に挿入される。触覚部材220Aの形状や材料は特に限定されないが、たとえば球状の剛体を用いることができる。また触覚部材220Aは指先のサイズより小さいことが望ましく、たとえば直径1mm〜5mm程度としてもよい。
【0032】
以上がタッチパネル200Aの構造である。続いてタッチパネル200Aの動作を説明する。図3(a)、(b)は、タッチパネル200Aの動作を説明する図である。図3(a)は、ユーザによる有効なタッチが発生していない状態を示す。有効なタッチが発生していない状態とは、第1シート202と第2シート204が非接触、あるいは弱く接触している状態であり、言い換えると、第1シート202と第2シート204の接触抵抗Rが所定のしきい値より高い状態である。
【0033】
図3(a)の状態では、指Fが第3シート210を抑え付ける圧力が小さい。したがって第3シート210は、触覚部材220Aの形状が露呈する程度には変形しておらず、触覚部材220Aはユーザの指Fに触覚刺激を与えない。
【0034】
図3(b)は、ユーザによる有効なタッチが発生した状態を示す。有効なタッチが発生すると、第1シート202と第2シート204が接触し、第1シート202と第2シート204の接触抵抗Rが所定のしきい値より小さくなる。
【0035】
図3(b)の状態では、指Fが第3シート210を抑え付ける圧力が強い。したがって第3シート210は、触覚部材220Aの形状が露呈する程度に変形し、指Fは触覚部材220Aの形状(存在)を指先に知覚できる。つまり触覚部材220Aが指Fに触覚刺激を与えることができる。
【0036】
本実施の形態に係るタッチパネル200における触覚刺激は、図3の例とのアナロジーで説明できる。図4は、触覚刺激を説明する図である。机900の上に金属球902が置かれ、その上がスポンジシート904で覆われている。手の平Pで、スポンジシート904を下方に抑え付けると、圧力が小さい状態では、金属球902の存在を知覚することができないが、ある程度圧力を大きくすると、金属球902の存在を知覚することが可能となる。タッチパネル200では、手の平Pのような広い範囲ではなく、指先の小さな領域において、同じ現象を利用することで、ユーザにフィードバックを返すことができる。
【0037】
この実施の形態によれば、振動素子およびその駆動回路が不要であるため、コストを大幅に削減できる。また指先に与える刺激は、触覚部材220のサイズや形状にもとづいて調節することが可能となる。
【0038】
(第2実施例)
図5は、第2実施例に係るタッチパネル200Bの断面図である。タッチパネル200Bでは、触覚部材220Bは導電性を有しており、第1シート202と第2シート204の間に挿入されている。触覚部材220Bは、複数のスペーサ208の間に設けられる。
【0039】
以上がタッチパネル200Bの構造である。続いてタッチパネル200Bの動作を説明する。図6(a)、(b)は、タッチパネル200Bの動作を説明する図である。図6(a)は、ユーザによる有効なタッチが発生していない状態を示す。有効なタッチが発生していない状態とは、第1シート202と第2シート204が電気的に非接触、あるいは弱く接触している状態であり、言い換えると、第1シート202と第2シート204の接触抵抗Rが所定のしきい値より高い状態である。
【0040】
図6(a)の状態では、指Fが第3シート210を抑え付ける圧力が小さい。したがって第3シート210および第2シート204は、触覚部材220Bの形状が露呈する程度には変形しておらず、触覚部材220Bはユーザの指Fに触覚刺激を与えない。
【0041】
図6(b)は、ユーザによる有効なタッチが発生した状態を示す。有効なタッチが発生すると、触覚部材220Bを介して第1シート202と第2シート204が電気的に接触し、第1シート202と第2シート204の接触抵抗Rが所定のしきい値より小さくなる。
【0042】
図6(b)の状態では、指Fが第3シート210および第2シート204を抑え付ける圧力が強い。したがって第3シート210および第2シート204は、触覚部材220Bの形状が露呈する程度に変形し、指Fは触覚部材220Bの形状(存在)を指先に知覚できる。つまり触覚部材220Bが指Fに触覚刺激を与えることができる。
【0043】
続いてタッチパネル200の用途を説明する。
【0044】
図7は、ユーザインタフェース(タッチ式入力装置)を備える電子機器100の一例を示す図である。電子機器100は、表示部102、スイッチ104、106を備える。表示部102は、液晶ディスプレイあるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであり、ユーザに文字情報や図形情報を提示する。スイッチ104および106は、タッチ式の入力手段である。スイッチの個数やレイアウトは特に限定されない。
【0045】
図8は、電子機器100の組み立て斜視図である。電子機器100は、ディスプレイパネル110、タッチパネル120、加飾フィルム130を含む積層構造を有する。
【0046】
加飾フィルム130はカバーであり、表示部102に対応する領域132は透明である。また加飾フィルム130のスイッチ104,106に対応する部分には、その領域がボタンであることを示す印134,136が付されている。
【0047】
ディスプレイパネル110のうち、表示部102に相当する部分112が有効領域であり、それ以外の領域は画像が表示されない無効領域114であってよい。ディスプレイパネル110のサイズを、表示部102に相当する範囲まで狭めてもよい。
【0048】
タッチパネル120は、いわゆる抵抗式のパネルであり、ユーザのタッチを検出可能である。タッチパネル120のうち、表示部102に対応する部分122は、通常のタッチパネルとして使用され、座標検出、ジェスチャ入力などに使用される。またタッチパネル120のうち、2つのスイッチ104,106とオーバーラップする領域124,126がスイッチとして利用される。
【0049】
タッチパネル120は、実施の形態に係るタッチパネル200に相当する。タッチパネル120のうち、スイッチとして使用される領域124、126には、上述の触覚部材220が埋め込まれる。
【0050】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0051】
(第1変形例)
図9(a)〜(h)は、触覚部材220の変形例を示す図である。図9(a)の触覚部材220は八面体である。図9(b)の触覚部材220は十面体であり、四角錐台を2個組み合わせたものである。図9(c)の触覚部材220は楕円体である。図9(d)の触覚部材220は四角錐である。図9(e)の触覚部材220は図9(c)の楕円体の下半分を切り落としたものである。図9(f)の触覚部材220は四角錐台である。図9(g)の触覚部材220は四角柱である。図9(f)の触覚部材220は、倒立した四角錐台である。その他、三角錐台や六角錐台、八角錐台を用いてもよい。
【0052】
ある観点において、触覚部材220は、上部が先細っていることが好ましい。図9(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の触覚部材220はこの条件を満たす。これにより、ユーザの指Fに刺激を与えやすくなる。
【0053】
第1実施例の場合、触覚部材220は、下部が先細っていることが好ましい。図2の触覚部材220Aの場合、触覚部材220Aの下部が先細っていることにより、第2シート204と第1シート202が接触しやすくなる。図9(a)、(b)、(c)、(h)がこの条件を満たす。
【0054】
第2実施例の場合、触覚部材220は、下部が先細っておらず、底面が平坦であることが好ましい。図9(d)、(e)、(f)、(g)がこの条件を満たす。
【0055】
(第2変形例)
ベースとなるタッチパネル200は、四線式には限定されず、二線式、三線式、五線式であってもよい。X方向、Y方向の両方について、座標検出可能としたい場合、第1シート202、第2シート204がともに抵抗膜である必要があるが、一方向のみの座標検出で足りる場合には、第1シート202、第2シート204の一方のみを抵抗膜とし、他方を金属シートとしてもよい。あるいは、完全に1個のスイッチ(ボタン)としてしか使用しない場合には、座標検出の機能は不要であるから、第1シート202、第2シート204を両方ともに金属膜としてもよい。
【0056】
(第3変形例)
第1シート202、第2シート204の材料は、タッチパネル200の用途、形式に応じて選択すればよい。四線式のタッチパネル200で、ディスプレイパネルの上面に貼付ける場合には、第1シート202、第2シート204には透明性が要求されるが、ディスプレイパネルの上に配置しない場合には透明性は要求されず、導電性ゴムやその他の抵抗体、金属膜を使用することができる。
【0057】
(第4変形例)
触覚部材220は必ずしも剛体である必要は無く、指先に刺激を与えることが可能であればその材料は限定されず、柔軟性を有してもよい。
【0058】
(第5変形例)
タッチパネル200の用途は、図7のような電子機器には限定されず、自動車やバイクなどの乗り物の操作パネルに用いてもよいし、産業機械やOA機器の操作パネルに用いてもよい。
【0059】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0060】
100…電子機器、102…表示部、104,106…スイッチ、110…ディスプレイパネル、120…タッチパネル、122,124…領域、130…加飾フィルム、200…タッチパネル、202…第1シート、204…第2シート、206…ギャップ、208…スペーサ、210…第3シート、220…触覚部材、F…指。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9