(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のコンテンツの表示順であって、コンテンツに関する第1指標値と異なる前記コンテンツに関する第2指標値に基づいて前記第1指標値に基づく表示順が変更された表示順を前記複数のコンテンツの表示順として決定する決定部と、
前記複数のコンテンツのうち、前記第1指標値が前記複数のコンテンツの中で外れ値であり、かつ、前記第2指標値が所定の閾値を上回るコンテンツが存在する場合に、前記決定部によって決定された表示順を変更する変更部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
複数のコンテンツの表示順であって、コンテンツに関する第1指標値と異なる前記コンテンツに関する第2指標値に基づいて前記第1指標値に基づく表示順が変更された表示順を前記複数のコンテンツの表示順として決定する決定手順と、
前記複数のコンテンツのうち、前記第1指標値が前記複数のコンテンツの中で外れ値であり、かつ、前記第2指標値が所定の閾値を上回るコンテンツが存在する場合に、前記決定手順によって決定された表示順を変更する変更手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1に示す情報処理装置100は、商品等の検索サービスを提供するサーバ装置である。
図1では、情報処理装置100は、商品又はサービスに関するコンテンツ(以下、「商品コンテンツ」と呼ぶ。)に関する第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度に基づいて、複数の商品コンテンツが検索結果として表示される順番である表示順に関するスコアを算出する。情報処理装置100は、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度の他に、商品コンテンツに関する複数の指標値に基づいて、複数の商品コンテンツが検索結果として表示される順番である表示順に関するスコアを算出する(ステップS1)。
【0011】
なお、情報処理装置100は、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度の他に、商品コンテンツに関する複数の指標値として、例えば、ユーザが商品コンテンツを選択する確率であるクリック率(CTR:Click Through Rate)、ユーザが商品コンテンツを選択する行動に続いて商品又はサービスの購入や資料請求等の販売者にとって利益につながる行動を起こす確率であるコンバージョン率(CVR:Conversion Rate)、商品コンテンツに対応する商品又はサービスの価格、商品コンテンツの実績に基づくページビュー数(PV:Page View)等に基づいて、複数の商品コンテンツが検索結果として表示される順番である表示順に関するスコアを算出する。
【0012】
図1の上段に示す例では、情報処理装置100は、検索クエリ「ポロシャツ」、「3枚セット」を受け付けた場合に、商品コンテンツに関する語句と検索クエリ「ポロシャツ」、「3枚セット」との関連度を算出する。
図1の上段に示す例では、情報処理装置100は、商品コンテンツC1の関連度を85、商品コンテンツC2の関連度を96、商品コンテンツC3の関連度を90、商品コンテンツC4の関連度を70、商品コンテンツC5の関連度を50、商品コンテンツC6の関連度を5、商品コンテンツC7の関連度を1、・・・のように算出する。
【0013】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度を含む複数の商品コンテンツに関する指標値に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアを算出する。
図1の上段に示す例では、情報処理装置100は、商品コンテンツC1のスコアを100、商品コンテンツC2のスコアを90、商品コンテンツC3のスコアを80、商品コンテンツC4のスコアを70、商品コンテンツC5のスコアを60、商品コンテンツC6のスコアを50、商品コンテンツC7のスコアを40、・・・のように算出する。
【0014】
具体的には、情報処理装置100は、複数の指標値を特徴量として、各指標値の重みを学習したモデルを用いてスコアを算出する。例えば、情報処理装置100は、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度が大きいほど高いスコアを算出する。また、情報処理装置100は、他の指標値についても同様に処理する。例えば、情報処理装置100は、ユーザによって商品コンテンツが選択される確率であるクリック率が高いほど高いスコアを算出する。また、情報処理装置100は、ユーザが商品コンテンツを選択する行動に続いて商品等を購入する行動を起こす確率であるコンバージョン率が高いほど高いスコアを算出する。
【0015】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツに関する第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合である販促割合に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアを補正する。情報処理装置100は、販促割合が高いほど、スコアが高くなるようにスコアを補正する。そして、情報処理装置100は、補正されたスコア(以下、「補正スコア」と呼ぶ。)に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順を決定する(ステップS2)。
【0016】
図1の中段に示す例では、情報処理装置100は、販促割合0.1に基づいて商品コンテンツC1のスコア100を補正スコア10に、販促割合0.4に基づいて商品コンテンツC2のスコア90を補正スコア36に、販促割合0.1に基づいて商品コンテンツC3のスコア80を補正スコア8に、販促割合0.05に基づいて商品コンテンツC4のスコア70を補正スコア3.5に、販促割合0.03に基づいて商品コンテンツC5のスコア60を補正スコア1.8に、販促割合0.35に基づいて商品コンテンツC6のスコア50を補正スコア17.5に、販促割合0.5に基づいて商品コンテンツC7のスコア40を補正スコア20に、・・・のようにそれぞれ補正する。
【0017】
そして、情報処理装置100は、補正スコアが大きいコンテンツから順に、商品コンテンツC2を1位、商品コンテンツC7を2位、商品コンテンツC6を3位、商品コンテンツC1を4位、商品コンテンツC3を5位、商品コンテンツC4を6位、商品コンテンツC5を7位、・・・のように複数の商品コンテンツの表示順を決定する。
【0018】
ここで、複数の商品コンテンツは、検索結果コンテンツに検索結果として表示される。検索結果コンテンツとは、複数の商品コンテンツを検索結果として表示するコンテンツであって、情報処理装置100によって決定された表示順で複数の商品コンテンツを表示するコンテンツを指す。具体的には、検索結果コンテンツは、ウェブページやアプリ用のコンテンツである。以下では、初期画面に表示される検索結果コンテンツを最初の検索結果コンテンツと呼ぶ。最初の検索結果コンテンツSR1には、情報処理装置100によって決定された表示順が1位から5位までの5つの商品コンテンツが含まれる。そして、ユーザの操作によって表示画面が切り替わった結果、次の表示画面に表示される検索結果コンテンツには、情報処理装置100によって決定された表示順が6位から10位までの5つの商品コンテンツが含まれる。さらに、ユーザの操作によって表示画面が切り替わった結果、次の次以降の表示画面に表示される検索結果コンテンツには、情報処理装置100によって決定された表示順が11位以下の商品コンテンツがそれぞれ5つずつ含まれる。
【0019】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値であり、かつ、商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合である販促割合が所定の閾値を上回る商品コンテンツ(以下、「外れコンテンツ」と呼ぶ。)がある場合、最初の検索結果コンテンツSR1に表示されないよう複数の商品コンテンツの表示順を変更する(ステップS3)。なお、外れ値とは、データの分布において、他の観測値から大きく外れた値のことを指す。例えば、0から100までの数値を取り得る100個のデータがあるとする。そして、100個のデータのうち、99個のデータの数値は80から90の間に分布しており、残り1個のデータの数値だけが1であるとする。この場合、100個のデータの分布において、残り1個のデータの数値は、他の99個の観測値から大きく外れているので、外れ値である。
【0020】
図1の下段に示す例では、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7を除く他の商品コンテンツの関連度は50〜96の間に分布しているのに対し、商品コンテンツC6(関連度5)と商品コンテンツC7(関連度1)の関連度は、他の商品コンテンツの関連度と比べて小さい。したがって、情報処理装置100は、最初の検索結果コンテンツSR1に表示される5つの商品コンテンツのうち、関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値である商品コンテンツとして、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7を検出する。
【0021】
また、所定の閾値を0.35とすると、商品コンテンツC2(販促割合0.4)、商品コンテンツC6(販促割合0.35)と商品コンテンツC7(販促割合0.5)の販促割合は、所定の閾値である0.35を上回る。したがって、情報処理装置100は、最初の検索結果コンテンツSR1に表示される5つの商品コンテンツのうち、販促割合が所定の閾値を上回る商品コンテンツとして、商品コンテンツC2、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7を検出する。
【0022】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツC2については、販促割合が所定の閾値を上回るが、関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値ではないので、外れコンテンツの条件を満たさないと判定する。一方、情報処理装置100は、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7については、関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値であって、かつ、販促割合が所定の閾値を上回るので、外れコンテンツの条件を満たすと判定する。よって、情報処理装置100は、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7を外れコンテンツとして検出する。
【0023】
続いて、情報処理装置100は、外れコンテンツである商品コンテンツC7が最初の検索結果コンテンツSR1に表示されないように、商品コンテンツC7の表示順位を2位から6位に下げる。また、情報処理装置100は、外れコンテンツである商品コンテンツC6が最初の検索結果コンテンツSR1に表示されないよう、商品コンテンツC6の表示順位を3位から7位に下げる。
【0024】
なお、情報処理装置100は、商品コンテンツC7と商品コンテンツC6の表示順位を下げた代わりに、商品コンテンツC3の表示順位を5位から3位に、商品コンテンツC4の表示順位を6位から4位に、商品コンテンツC5の表示順位を7位から5位に繰り上げる。
【0025】
ここで、情報処理装置100は、順位を繰り上げる商品コンテンツが外れコンテンツの条件を満たさないことを改めてチェックしてもよい。例えば、商品コンテンツC3は、関連度が90であるので、関連度が外れ値ではない。そして、商品コンテンツC3は、販促割合が0.1であるので、販促割合が所定の閾値である0.35を下回る。したがって、情報処理装置100は、商品コンテンツC3は、外れコンテンツの条件を満たさないので、外れコンテンツではないと判定する。そして、情報処理装置100は、商品コンテンツC3の順位を繰り上げる。情報処理装置100は、同様にして、商品コンテンツC4(関連度70、販促割合0.05)、商品コンテンツC5(関連度50、販促割合0.03)が外れコンテンツの条件を満たさないので、外れコンテンツではないと判定する。そして、情報処理装置100は、商品コンテンツC4、商品コンテンツC5の順位を繰り上げる。
【0026】
上述したように、情報処理装置100は、商品コンテンツに関する第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度を含む複数の商品コンテンツに関する指標値に基づいて、複数の商品コンテンツが検索結果として表示される順番である表示順に関するスコアを算出する。これにより、情報処理装置100は、ユーザの検索意図に合致しつつ、かつ、ユーザによって商品購買等が行われやすい順番に商品コンテンツを順位づけすることができる。
【0027】
また、情報処理装置100は、第1指標値と異なる指標値であって、商品コンテンツに関する第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合に基づいて、算出されたスコアを補正する。これにより、情報処理装置100は、商品又はサービスの販売者の販売努力を反映するように商品コンテンツを順位づけすることができる。
【0028】
そして、情報処理装置100は、第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値であり、かつ、第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合が所定の閾値を上回る外れコンテンツが存在する場合に、最初の検索結果コンテンツSR1に表示されないように、複数の商品コンテンツの表示順を変更する。これにより、情報処理装置100は、ユーザの検索意図に合致しないにもかかわらず、販促割合が高いために検索結果の上位に上がってしまった商品コンテンツの表示順位を下げることができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザの所望する表示順にすることができる。
【0029】
また、情報処理装置100は、検索クエリとの関連度が極端に低い商品コンテンツが最初の検索結果コンテンツに表示されるのを防ぐことができる。つまり、情報処理装置100は、ユーザの検索意図から大きく外れた商品コンテンツが最初に検索結果としてユーザの目に触れるのを防ぐことができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザの所望する表示順にすることができる。
【0030】
また、情報処理装置100は、販促割合が高いために、販売者の意図に反して自身が販売する商品と関係のない商品の検索結果に上がってしまった商品コンテンツが最初の検索結果として表示されるのを防ぐことができる。つまり、情報処理装置100は、販売者の販売意図に反して、商品コンテンツが関係のない商品の検索結果として表示されるのを防ぐことができる。これにより、情報処理装置100は、販売者の所望する表示順にすることができる。
【0031】
また、情報処理装置100は、ユーザの検索意図から大きく外れた商品コンテンツの代わりに他の商品コンテンツを上位に表示する。これにより、情報処理装置100は、ユーザの検索意図に合致しつつ、かつ、ユーザによって商品購買等が行われやすい商品コンテンツをユーザの目に触れさせることができる。また、情報処理装置100は、販売者の販売意図から大きく外れた商品コンテンツの代わりに他の商品コンテンツを上位に表示する。これにより、情報処理装置100は、販売者の販売意図に合致する商品コンテンツを商品の検索結果として上位に表示することができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザの所望する表示順であって、かつ、販売者の所望する表示順にすることができる。すなわち、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0032】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に例示するように、実施形態に係る情報処理システム1には、ユーザ端末10と、店舗端末20と、情報処理装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークN(例えば、インターネット)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示した情報処理システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の店舗端末20が含まれてもよい。
【0033】
ユーザ端末10は、ユーザによって利用される端末装置である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。ユーザ端末10は、ユーザの操作に従って、商品等の検索サービスに入力された検索クエリを情報処理装置100に送信する。ユーザ端末10は、情報処理装置100によって配信された検索結果コンテンツを表示画面に表示する。
【0034】
具体的には、ユーザ端末10がスマートフォンである場合には、ユーザ端末10に所定のアプリケーションがインストールされており、情報処理装置100によって配信された検索結果コンテンツをアプリケーションがユーザ端末10の表示画面に表示する。ここでいうアプリケーションとは、例えば、ブラウザや情報処理装置100によって配信される検索結果コンテンツを表示するための専用のアプリケーションを意味する。
【0035】
店舗端末20は、商品又はサービスの販売者によって利用される端末装置である。例えば、店舗端末20は、タブレット型端末、PC、携帯電話機、PDA等である。また、店舗端末20は、販売者の操作に従って、商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合や商品コンテンツに関するテキスト情報とともに、商品コンテンツを情報処理装置100に送信する。
【0036】
例えば、店舗端末20は、静止画像、動画像、テキストデータ等に該当する商品コンテンツを情報処理装置100に送信する。また、例えば、店舗端末20は、商品コンテンツが選択操作(例えば、クリックやタップ)された場合に、遷移させる遷移先コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)に該当する商品コンテンツを情報処理装置100に送信してもよい。
【0037】
情報処理装置100は、
図1で説明した情報処理を行うサーバ装置である。情報処理装置100は、複数の店舗から複数の商品の出品を受け付けて、インターネットを通じて商品を販売するショッピングサービスを提供するサーバ装置である。ここで、情報処理装置100が提供するショッピングサービスは、異なる複数の店舗から出品された商品を扱うショッピングモール型のサービスである。また、情報処理装置100は、商品等の検索サービスを提供するサーバ装置である。
【0038】
情報処理装置100は、商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合や商品コンテンツに関するテキスト情報とともに、商品コンテンツを店舗端末20から取得する。情報処理装置100は、販促割合や商品コンテンツに関するテキスト情報とともに商品コンテンツを取得すると、取得した商品コンテンツに関する各種のユーザのログデータを収集する。そして、情報処理装置100は、収集した各種のユーザのログデータに基づいて、商品コンテンツに関する各種の指標値を算出する。
【0039】
情報処理装置100は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付ける。情報処理装置100は、検索クエリを受け付けると、算出した指標値に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順を決定する。また、情報処理装置100は、外れコンテンツが存在する場合には、複数の商品コンテンツの表示順を変更する。そして、情報処理装置100は、決定された表示順又は外れコンテンツが存在する場合には変更された表示順で複数の商品コンテンツが表示された検索結果コンテンツをユーザ端末10に配信する。
【0040】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0041】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、ユーザ端末10、店舗端末20との間で情報の送受信を行う。
【0042】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、
図3に示すように、コンテンツ情報記憶部121と、コンテンツ記憶部122とを有する。
【0043】
(コンテンツ情報記憶部121)
コンテンツ情報記憶部121は、店舗端末20から受け付けた商品コンテンツに関する各種の情報を記憶する。
図4に、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部121の一例を示す。
図4に示す例では、コンテンツ情報記憶部121は、「コンテンツID」、「商品名」、「商品説明」、「CTR」、「CVR」、「価格」、「PV数」といった項目を有する。
図4に示す他にも、コンテンツ情報記憶部121は、商品コンテンツの送信元である店舗端末20を識別するための識別情報である「店舗ID」といった項目を有してもよい。
【0044】
「コンテンツID」は、店舗端末20から受け付けた商品コンテンツを識別するための識別情報を示す。
【0045】
「商品名」は、商品コンテンツに対応する商品又はサービスの名前を示す。商品名は、ユーザが商品等を検索する際に入力する検索クエリとして、最も一般的に用いられる語句である。
図4に示す例では、コンテンツID「C1」で識別される商品コンテンツに対応する商品の商品名は「ポロシャツ」である。
【0046】
「商品説明」は、商品コンテンツに対応する商品又はサービスに関する説明を示す。商品説明は、ユーザが商品等の購入を検討する際の手がかりとなるように店舗が提供する情報である。したがって、商品説明には、ユーザが商品等を検索する際に入力する検索クエリと一致する語句が含まれていることが多い。例えば、商品説明には、商品等のカテゴリや商品等の特徴などの語句が含まれる。
図4に示す例では、コンテンツID「C1」で識別される商品コンテンツに対応する商品の商品説明は「半袖、メンズ」である。
【0047】
「CTR」は、ユーザが商品コンテンツを選択する確率であるクリック率を示す。クリック率は、商品コンテンツが選択された回数(クリック数)をその商品コンテンツが表示された回数(インプレッション数)で除算することにより算出される。
図4に示す例では、コンテンツID「C1」で識別される商品コンテンツのCTRは「0.2」である。
【0048】
「CVR」は、ユーザが商品コンテンツを選択する行動に続いて商品又はサービスの購入や資料請求等の販売者にとって利益につながる行動を起こす確率であるコンバージョン率を示す。コンバージョン率は、ユーザが商品コンテンツを選択する行動に続いて商品又はサービスの購入や資料請求等の販売者にとって利益につながる行動に至った数(コンバージョン数)をその商品コンテンツがこれまでに選択された回数で除算することにより算出される。
図4に示す例では、コンテンツID「C1」で識別される商品コンテンツのCVRは「0.2」である。
【0049】
「価格」は、商品コンテンツに対応する商品又はサービスの販売価格を示す。
図4に示す例では、コンテンツID「C1」で識別される商品コンテンツに対応する商品の価格は「3000」(円)である。
【0050】
「PV数」は、商品コンテンツが閲覧された延べの回数であるページビュー数を示す。
図4に示す例では、コンテンツID「C1」で識別される商品コンテンツのPV数は「10000」である。
【0051】
(コンテンツ記憶部122)
コンテンツ記憶部122は、各種商品コンテンツを記憶する。コンテンツ記憶部122は、コンテンツ情報記憶部121のコンテンツIDに対応するコンテンツのデータを格納する。コンテンツ記憶部122は、音声データ、画像データ、テキストデータ、ゲームデータ、ゲーム形式のデータ等、商品コンテンツのデータをコンテンツIDに対応づけて格納する。なお、コンテンツ記憶部122は、各商品コンテンツが所在するURL、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などをコンテンツIDに対応づけて格納してもよい。
【0052】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0053】
また、制御部130は、後述する商品コンテンツモデルに従った情報処理により、入力層に入力された所定の商品コンテンツに関する指標値に対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、所定の商品コンテンツがユーザによって選択されるか否か、および、ユーザによって選択される行動に続いて商品等が購入されるか否かに関するスコアを出力層から出力するよう、コンピュータを機能させる。
【0054】
図3に示すように、制御部130は、入稿部131と、受付部132と、選択部133と、算出部134Aと補正部134Bとを有する決定部134と、変更部135と、配信部136とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0055】
(入稿部131)
入稿部131は、商品コンテンツの入稿を受け付ける。具体的には、入稿部131は、商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合や商品コンテンツに関するテキスト情報とともに、店舗端末20から商品コンテンツの入稿を受け付ける。ここで、商品コンテンツに関するテキスト情報とは、商品コンテンツが検索結果として表示される場合に、商品コンテンツと一緒に表示される商品名や商品説明に含まれる文字情報を指す。例えば、入稿部131は、情報処理装置100が提供するショッピングサービスへの出店を希望する複数の店舗端末から商品コンテンツの入稿を受け付け、複数の商品コンテンツを取得する。入稿部131は、商品コンテンツの入稿を受け付けると、商品コンテンツに関する語句を商品コンテンツに関するテキスト情報のなかから抽出してコンテンツ情報記憶部121に格納する。また、入稿部131は、商品コンテンツをコンテンツ記憶部122に格納する。
【0056】
図4の1レコード目に示す例では、入稿部131は、商品コンテンツC1の入稿を受け付けると、商品コンテンツC1に関する語句として、「ポロシャツ」、「半袖」、「メンズ」といった単語を商品コンテンツC1に関するテキスト情報のなかから抽出する。続いて、入稿部131は、抽出した単語「ポロシャツ」をコンテンツ情報記憶部121の商品名の項目に格納する。また、入稿部131は、抽出した単語「半袖」、「メンズ」をコンテンツ情報記憶部121の商品説明の項目に格納する。
【0057】
なお、入稿部131は、tf−idf(Term Frequency、Inverse Document Frequency)等の重み値を利用して、店舗端末20から受け付けた商品コンテンツに関するテキスト情報のなかから、商品コンテンツに関する語句を抽出してもよい。例えば、入稿部131は、単語が広く一般に使用される単語であり、商品コンテンツの検索に有用でないと判定される単語については、商品コンテンツに関する語句として抽出しないようにしてもよい。例えば、入稿部131は、tf−idf等の重み値を利用して、各単語の重みに応じて、商品コンテンツに関する語句として抽出した単語を商品名や商品説明といったコンテンツ情報記憶部121の各項目に分類してもよい。
【0058】
(受付部132)
受付部132は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付ける。具体的には、受付部132は、検索クエリの入力画面をユーザ端末10に提供する。そして、受付部132は、提供した入力画面に入力された検索クエリをユーザ端末10から受け付ける。例えば、受付部132は、情報処理装置100が提供するショッピングサービスを利用するユーザによって入力された検索クエリ「ポロシャツ」、「3枚セット」をユーザ端末10から受け付ける。また、受付部132は、検索クエリとともに、検索クエリに対する検索結果の取得要求をユーザ端末10から受け付ける。例えば、受付部132は、情報処理装置100が提供するショッピングサービスを利用するユーザによって入力された検索クエリ「ポロシャツ」、「3枚セット」に対する検索結果の取得要求をユーザ端末10から受け付ける。
【0059】
(選択部133)
選択部133は、商品コンテンツに関する第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度に基づいて、所定数の商品コンテンツを選択する。
【0060】
具体的には、選択部133は、受付部132が検索クエリを受け付けた場合に、コンテンツ情報記憶部121を参照して、入稿部131が取得した商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度を算出する。例えば、選択部133は、受付部132が検索クエリ「ポロシャツ」、「3枚セット」を受け付けた場合に、コンテンツ情報記憶部121の1レコード目を参照して、商品名に格納されている「ポロシャツ」や商品説明に格納されている「半袖」や「メンズ」といった単語を商品コンテンツC1に関する語句として抽出する。続いて、選択部133は、商品コンテンツC1に関する語句として抽出した単語「ポロシャツ」、「半袖」、「メンズ」と検索クエリ「ポロシャツ」、「3枚セット」との合致度が高いほど関連度が高くなるように、商品コンテンツC1に関する語句と検索クエリとの関連度を算出する。
【0061】
図1の上段に示す例では、選択部133は、受付部132が検索クエリ「ポロシャツ」、「3枚セット」を受け付けた場合に、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度として、商品コンテンツC1の関連度を85、商品コンテンツC2の関連度を96、商品コンテンツC3の関連度を90、商品コンテンツC4の関連度を70、商品コンテンツC5の関連度を50、商品コンテンツC6の関連度を5、商品コンテンツC7の関連度を1、・・・のように算出する。
【0062】
続いて、選択部133は、算出した商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度が高い方から順に、1位から所定の順位までの商品コンテンツを選択する。具体的には、選択部133は、算出した商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度に基づいて、関連度が高い方から順に入稿部131が取得した商品コンテンツを順位づけする。そして、選択部133は、例えば、順位づけした順位が1位から1000位までの1000個の商品コンテンツを選択する。
【0063】
(決定部134)
決定部134は、選択部133が選択した複数の商品コンテンツの表示順を決定する。具体的には、決定部134は、複数の商品コンテンツの表示順であって、商品コンテンツに関する第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度と異なる商品コンテンツに関する第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合に基づいて第1指標値に基づく表示順が変更された表示順を複数の商品コンテンツの表示順として決定する。
【0064】
例えば、決定部134は、複数の商品コンテンツの表示順であって、第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合に基づいて、第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度と、第1指標値および第2指標値のいずれとも異なる他の指標値とに基づく表示順が変更された表示順を複数の商品コンテンツの表示順として決定する。例えば、決定部134は、選択部133が選択した複数の商品コンテンツの表示順であって、入稿部131が取得した販促割合に基づいて、選択部133が算出した商品コンテンツと検索クエリとの関連度と、関連度および販促割合のいずれとも異なる他の指標値であるクリック率、コンバージョン率、商品又はサービスの価格、実績に基づくページビュー数等の商品コンテンツの指標値とに基づく表示順が変更された表示順を複数のコンテンツの表示順として決定する。
【0065】
決定部134は、算出部134Aと補正部134Bとを有し、複数の商品コンテンツの表示順であって、補正部134Bによって補正されたスコアに基づく表示順を複数の商品コンテンツの表示順として決定する。
【0066】
(算出部134A)
算出部134Aは、第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアを算出する。算出部134Aは、第1指標値の他に、商品コンテンツに関する複数の指標値に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアを算出する。具体的には、算出部134Aは、選択部133が選択した商品コンテンツと検索クエリとの関連度の他に、商品コンテンツに関する複数の指標値に基づいて、選択部133が選択した複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアを算出する。
【0067】
まず、第一に、算出部134Aは、情報処理装置100が提供するショッピングサービスを利用するユーザの情報に基づいて、商品コンテンツと検索クエリとの関連度の他に、商品コンテンツに関する複数の指標値として、ユーザが商品コンテンツを選択する確率であるクリック率、ユーザが商品コンテンツを選択する行動に続いて商品又はサービスの購入や資料請求等の販売者にとって利益につながる行動を起こす確率であるコンバージョン率、商品コンテンツの実績に基づくページビュー数等を算出する。
【0068】
続いて、第二に、算出部134Aは、算出した商品コンテンツに関する各種の指標値に基づいて、商品コンテンツのモデル(商品コンテンツモデル)を生成する。具体的には、算出部134Aは、ユーザによって選択される確率が高く、かつ、ユーザが商品コンテンツを選択する行動に続いて商品等を購入する行動を起こす確率が高い商品コンテンツほど高いスコアが算出されるように学習された商品コンテンツモデルを生成する。例えば、算出部134Aは、複数の指標値を特徴量として、各指標値の重みを学習した商品コンテンツモデルを生成する。例えば、算出部134Aは、商品コンテンツと検索クエリとの関連度が大きいほど高いスコアを算出するように学習された商品コンテンツモデルを生成する。また、算出部134Aは、他の指標値についても同様に処理するように学習された商品コンテンツモデルを生成する。例えば、算出部134Aは、ユーザによって商品コンテンツが選択される確率であるクリック率が高いほど高いスコアを算出するように学習された商品コンテンツモデルを生成する。また、算出部134Aは、ユーザが商品コンテンツを選択する行動に続いて商品等を購入する行動を起こす確率であるコンバージョン率が高いほど高いスコアを算出ように学習された商品コンテンツモデルを生成する。
【0069】
続いて、第三に、算出部134Aは、生成された商品コンテンツモデルを用いて、各商品コンテンツのスコアを算出する。
図1の上段に示す例では、算出部134Aは、商品コンテンツと検索クエリとの関連度を含む複数の商品コンテンツに関する指標値に基づいて、商品コンテンツC1のスコアを100、商品コンテンツC2のスコアを90、商品コンテンツC3のスコアを80、商品コンテンツC4のスコアを70、商品コンテンツC5のスコアを60、商品コンテンツC6のスコアを50、商品コンテンツC7のスコアを40、・・・のように算出する。
【0070】
続いて、第四に、算出部134Aは、算出したスコアを複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアとして用いる。
【0071】
なお、算出部134Aは、いかなる学習アルゴリズムを用いて商品コンテンツモデルを生成してもよい。例えば、算出部134Aは、ニューラルネットワーク(neural network)、サポートベクターマシン(support vector machine)、クラスタリング、強化学習等の学習アルゴリズムを用いて商品コンテンツモデルを生成する。一例として、算出部134Aがニューラルネットワークを用いて商品コンテンツモデルを生成する場合、商品コンテンツモデルは、一以上のニューロンを含む入力層と、一以上のニューロンを含む中間層と、一以上のニューロンを含む出力層とを有する。
【0072】
(補正部134B)
補正部134Bは、第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合である販促割合に基づいて、算出部134Aによって算出されたスコアを補正する。具体的には、補正部134Bは、販促割合が高いほど、スコアが高くなるようにスコアを補正する。例えば、補正部134Bは、入稿部131が取得した各商品コンテンツの販促割合に比例する数値を算出部134Aが算出した各商品コンテンツのスコアに乗じることにより、算出部134Aが算出したスコアを補正する。
【0073】
図1の中段に示す例では、補正部134Bは、販促割合0.1に基づいて商品コンテンツC1のスコア100を補正スコア10に、販促割合0.4に基づいて商品コンテンツC2のスコア90を補正スコア36に、販促割合0.1に基づいて商品コンテンツC3のスコア80を補正スコア8に、販促割合0.05に基づいて商品コンテンツC4のスコア70を補正スコア3.5に、販促割合0.03に基づいて商品コンテンツC5のスコア60を補正スコア1.8に、販促割合0.35に基づいて商品コンテンツC6のスコア50を補正スコア17.5に、販促割合0.5に基づいて商品コンテンツC7のスコア40を補正スコア20に、・・・のようにそれぞれ補正する。
【0074】
そして、決定部134は、補正部134Bによって補正されたスコアに基づく表示順を複数の商品コンテンツの表示順として決定する。
図1の中段に示す例では、決定部134は、補正スコアが大きいコンテンツから順に、商品コンテンツC2を1位、商品コンテンツC7を2位、商品コンテンツC6を3位、商品コンテンツC1を4位、商品コンテンツC3を5位、商品コンテンツC4を6位、商品コンテンツC5を7位、・・・のように複数の商品コンテンツの表示順を決定する。
【0075】
(変更部135)
変更部135は、決定された複数の商品コンテンツの表示順を変更する。具体的には、変更部135は、複数の商品コンテンツのうち、第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度と第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合とが所定の条件を満たす商品コンテンツが存在する場合に、決定部134によって決定された表示順を変更する。
【0076】
具体的には、変更部135は、複数の商品コンテンツのうち、第1指標値である商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値であり、かつ、第2指標値である商品又はサービスの価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合が所定の閾値を上回る商品コンテンツが存在する場合に、決定部134によって決定された複数の商品コンテンツの表示順を変更する。例えば、変更部135は、複数の商品コンテンツのうち、第1指標値が複数の商品コンテンツの中で外れ値であり、かつ、第2指標値が所定の閾値を上回る外れコンテンツを検出する。続いて、変更部135は、検出した外れコンテンツの表示順位を下げ、他の商品コンテンツの表示順位を上げることにより、決定部134によって決定された表示順を変更する。
【0077】
ここで、外れ値とは、データの分布において、他の観測値から大きく外れた値のことを指す。例えば、変更部135は、四分位範囲(IQR:Interquartile range)の1.5倍を上下限として、第1指標値が複数の商品コンテンツの中で外れ値である商品コンテンツを検出する。そして、変更部135は、「第一四分位数−1.5×IQR」を第1指標値の下限、「第三四分位数+1.5×IQR」を第1指標値の上限として、第1指標値が下限より小さい商品コンテンツや第1指標値が上限より大きい商品コンテンツを第1指標値が複数の商品コンテンツの中で外れ値である商品コンテンツとして検出する。一般的に、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度である第1指標値が上限より大きく外れることは稀である。そのため、変更部135は、第1指標値が下限より小さい商品コンテンツのみを外れコンテンツとして検出するようにしてもよい。
【0078】
なお、四分位範囲(IQR)とは、データの分布において、データの散らばりの程度を表す尺度の一つである。四分位範囲(IQR)は、「第三四分位数(75パーセンタイル)−第一四分位数(25パーセンタイル)」として求められる。ここで、第三四分位数とは、データを小さい順に並べたとき、初めから数えて75%の位置にある数である。第一四分位数とは、データを小さい順に並べたとき、初めから数えて25%の位置にある数である。
【0079】
図1の下段に示す例では、変更部135は、「第一四分位数−1.5×IQR」を第1指標値の下限、「第三四分位数+1.5×IQR」を第1指標値の上限として、第1指標値が下限より小さい商品コンテンツや第1指標値が上限より大きい商品コンテンツとして、商品コンテンツC6(関連度5)と商品コンテンツC7(関連度1)を第1指標値が複数の商品コンテンツの中で外れ値である商品コンテンツとして検出する。なお、変更部135は、「第一四分位数−1.5×IQR」を第1指標値の下限として、第1指標値が下限より小さい商品コンテンツとして、商品コンテンツC6(関連度5)と商品コンテンツC7(関連度1)を第1指標値が複数の商品コンテンツの中で外れ値である商品コンテンツとして検出してもよい。
【0080】
また、変更部135は、所定の閾値を0.35とすると、販促割合が所定の閾値を上回る商品コンテンツとして、商品コンテンツC2(販促割合0.4)、商品コンテンツC6(販促割合0.35)と商品コンテンツC7(販促割合0.5)を検出する。
【0081】
続いて、変更部135は、検出した商品コンテンツのうち、商品コンテンツC2は、販促割合が所定の閾値を上回るが、関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値ではないので、外れコンテンツの条件を満たさないと判定する。一方、変更部135は、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7は、関連度が複数の商品コンテンツの中で外れ値であって、かつ、販促割合が所定の閾値を上回るので、外れコンテンツの条件を満たすと判定する。したがって、変更部135は、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7を外れコンテンツとして検出する。
【0082】
また、変更部135は、補正部134Bによって補正されたスコアに基づく表示順で複数の商品コンテンツが表示される複数の検索結果コンテンツのうち、第1指標値と第2指標値とが所定の条件を満たす商品コンテンツが最初の検索結果コンテンツ以外の検索結果コンテンツに表示されるように、決定部134によって決定された複数の商品コンテンツの表示順を変更する。
【0083】
具体的には、変更部135は、複数の商品コンテンツのうち、第1指標値が複数の商品コンテンツの中で外れ値であり、かつ、第2指標値が所定の閾値を上回る外れコンテンツを検出する。続いて、変更部135は、検出した外れコンテンツが補正部134Bによって補正されたスコアに基づく表示順で表示した場合に、最初の検索結果コンテンツに表示される表示順位以内に存在する場合には、外れコンテンツの表示順位を検索結果コンテンツに表示されるように表示順位を下げる。続いて、変更部135は、順位を下げた外れコンテンツの代わりに、他の商品コンテンツの表示順位を繰り上げることにより、決定部134によって決定された表示順を変更する。
【0084】
図1の下段に示す例では、変更部135は、外れコンテンツとして検出した商品コンテンツC7が最初の検索結果コンテンツSR1に表示されないように、商品コンテンツC7の表示順位を2位から6位に下げる。また、変更部135は、外れコンテンツである商品コンテンツC6が最初の検索結果コンテンツSR1に表示されないよう、商品コンテンツC6の表示順位を3位から7位に下げる。
【0085】
続いて、変更部135は、商品コンテンツC6と商品コンテンツC7の表示順位を下げた代わりに、商品コンテンツC3の表示順位を5位から3位に、商品コンテンツC4の表示順位を6位から4位に、商品コンテンツC5の表示順位を7位から5位に繰り上げる。
【0086】
(配信部136)
配信部136は、検索結果コンテンツをユーザ端末10に配信する。具体的には、配信部136は、決定部134によって決定された表示順で複数の商品コンテンツが表示される複数の検索結果コンテンツをユーザ端末10に配信する。
【0087】
ここで、上述した各処理部の処理例の概要について、
図5を用いて説明する。
図5に、実施形態に係る情報処理の一例を示す。
図5に示す例では、情報処理装置100は、商品コンテンツと検索クエリとの関連度が高い方から順に所定数の商品コンテンツを選択する(ステップS11)。
【0088】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツと検索クエリとの関連度を含む複数の指標値に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアを算出する(ステップS12)。
【0089】
続いて、情報処理装置100は、販促割合に基づいてスコアを補正し、補正されたスコア(補正スコア)に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順を決定する(ステップS13)。
【0090】
続いて、情報処理装置100は、関連度が外れ値、かつ、販促割合が所定の閾値を上回る外れコンテンツがある場合、最初の検索結果コンテンツに表示されないよう表示順を変更する(ステップS14)。
【0091】
〔4.情報処理のフロー〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
【0092】
図6に示すように、情報処理装置100は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。情報処理装置100は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けていない場合(ステップS101;No)、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けるまで待機する。
【0093】
情報処理装置100は、ユーザ端末10から検索クエリを受け付けた場合(ステップS101;Yes)、商品コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度を算出する(ステップS102)。
【0094】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツと検索クエリとの関連度が高い方から順に所定数の商品コンテンツを選択する(ステップS103)。
【0095】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツと検索クエリとの関連度を含む複数の指標値に基づいて、複数の商品コンテンツの表示順に関するスコアを算出する(ステップS104)。
【0096】
続いて、情報処理装置100は、販促割合に基づいて、表示順に関するスコアを補正する(ステップS105)。
【0097】
続いて、情報処理装置100は、補正されたスコアに基づいて、複数の商品コンテンツの表示順を決定する(ステップS106)。
【0098】
続いて、情報処理装置100は、関連度が外れ値、かつ、販促割合が所定の閾値を上回る外れコンテンツがあるか否かを判定する(ステップS107)。情報処理装置100は、関連度が外れ値、かつ、販促割合が所定の閾値を上回る外れコンテンツがない場合(ステップS107;No)、商品コンテンツを含む検索結果コンテンツをユーザ端末10に配信する(ステップS109)。
【0099】
情報処理装置100は、関連度が外れ値、かつ、販促割合が所定の閾値を上回る外れコンテンツがある場合(ステップS107;Yes)、外れコンテンツが最初の検索結果コンテンツに表示されないよう表示順を変更する(ステップS108)。
【0100】
続いて、情報処理装置100は、商品コンテンツを含む検索結果コンテンツをユーザ端末10に配信する(ステップS109)。
【0101】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、決定部134と変更部135とを有する。決定部134は、複数のコンテンツの表示順であって、コンテンツに関する第1指標値と異なるコンテンツに関する第2指標値に基づいて第1指標値に基づく表示順が変更された表示順を複数のコンテンツの表示順として決定する。変更部135は、複数のコンテンツのうち、第1指標値と第2指標値とが所定の条件を満たすコンテンツが存在する場合に、決定部134によって決定された表示順を変更する。
【0102】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、コンテンツに関する所定の指標値に基づく表示順が他の指標値に基づいて変更されることにより、適切でない表示順に変わってしまった場合であっても、第1指標値と第2指標値とが所定の条件を満たすコンテンツが存在する場合には、その表示順を変更することができる。したがって、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0103】
また、変更部135は、複数のコンテンツのうち、第1指標値が複数のコンテンツの中で外れ値であり、かつ、第2指標値が所定の閾値を上回るコンテンツが存在する場合に、決定部134によって決定された複数のコンテンツの表示順を変更する。
【0104】
これにより、情報処理装置100は、コンテンツに関する所定の指標値に基づく表示順が他の指標値に基づいて変更されることにより、適切でない表示順に変わってしまった場合であっても、表示順が適切でないコンテンツを特定して、その表示順を変更することができる。したがって、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0105】
また、決定部134は、第1指標値に基づいて複数のコンテンツの表示順に関するスコアを算出する算出部134Aと第2指標値に基づいて算出部134Aによって算出されたスコアを補正する補正部134Bとを有し、複数のコンテンツの表示順であって、補正部134Bによって補正されたスコアに基づく表示順を複数のコンテンツの表示順として決定する。
【0106】
これにより、情報処理装置100は、コンテンツの表示順に関するスコアという数値を用いることにより、各コンテンツがユーザに所望されるか否かを客観的に判断することができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの所望する順番でコンテンツを順位づけすることができる。したがって、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0107】
また、変更部135は、補正部134Bによって補正されたスコアに基づく表示順で複数のコンテンツが表示される複数の検索結果コンテンツのうち、第1指標値と第2指標値とが所定の条件を満たすコンテンツが最初の検索結果コンテンツ以外の検索結果コンテンツに表示されるように、決定部134によって決定された複数のコンテンツの表示順を変更する。
【0108】
これにより、情報処理装置100は、ユーザの所望しないコンテンツを最初の検索結果コンテンツに表示させないことにより、よりユーザの所望するコンテンツを最初の検索結果コンテンツに表示することができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの所望する順番でコンテンツを順位づけすることができる。したがって、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0109】
また、決定部134は、複数のコンテンツの表示順であって、第2指標値に基づいて、第1指標値と、第1指標値および第2指標値のいずれとも異なる他の指標値とに基づく表示順が変更された表示順を複数のコンテンツの表示順として決定する。
【0110】
これにより、情報処理装置100は、コンテンツに関する複数の指標値に基づいて算出されたスコアを用いることにより、各コンテンツがユーザに所望されるか否かを総合的に判断することができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの所望する順番でコンテンツを順位づけすることができる。したがって、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0111】
また、決定部134は、複数のコンテンツの表示順であって、第2指標値に基づいて、第1指標値として、コンテンツに関する語句と検索クエリとの関連度を示す指標値に基づく表示順が変更された表示順を複数のコンテンツの表示順として決定する。また、決定部134は、複数のコンテンツの表示順であって、第2指標値として、商品又はサービスの販売促進に関する情報に基づいて、第1指標値に基づく表示順が変更された表示順を複数のコンテンツの表示順として決定する。
【0112】
これにより、情報処理装置100は、ユーザの検索意図に合致しつつ、かつ、ユーザによって商品購買等が行われやすい順番に商品コンテンツを順位づけすることができる。また、情報処理装置100は、商品又はサービスの販売者の販売努力を反映するように商品コンテンツを順位づけすることができる。また、情報処理装置100は、検索クエリとの関連度が極端に低い商品コンテンツが最初の検索結果コンテンツに表示されるのを防ぐことができる。つまり、情報処理装置100は、ユーザの検索意図から大きく外れた商品コンテンツが最初に検索結果としてユーザの目に触れるのを防ぐことができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの所望する表示順にすることができる。また、情報処理装置100は、販促割合が高いために、販売者の意図に反して自身が販売する商品と関係のない商品の検索結果に上がってしまった商品コンテンツが最初の検索結果として表示されるのを防ぐことができる。つまり、情報処理装置100は、販売者の販売意図に反して、商品コンテンツが関係のない商品の検索結果として表示されるのを防ぐことができる。これにより、情報処理装置100は、販売者の所望する表示順にすることができる。したがって、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0113】
また、情報処理装置100は、ユーザの検索意図から大きく外れた商品コンテンツの代わりに他の商品コンテンツを上位に表示するので、よりユーザの検索意図に合致しつつ、かつ、ユーザによって商品購買等が行われやすい商品コンテンツをユーザの目に触れさせることができる。これにより、情報処理装置100は、ユーザの所望する表示順にすることができる。また、情報処理装置100は、販売者の販売意図から大きく外れた商品コンテンツの代わりに他の商品コンテンツを上位に表示するので、より販売者の販売意図に合致する商品コンテンツを商品の検索結果として上位に表示することができる。これにより、情報処理装置100は、販売者の所望する表示順にすることができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザの所望する表示順であって、かつ、販売者の所望する表示順にすることができる。すなわち、情報処理装置100は、適切な順位づけをすることができる。
【0114】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0115】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0116】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0117】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0118】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0119】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムまたはデータ(例えば、商品コンテンツモデル)を実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムまたはデータ(例えば、商品コンテンツモデル)を記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムまたはデータ(例えば、商品コンテンツモデル)を取得してもよい。
【0120】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0121】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0122】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0123】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0124】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、変更部は、変更手段や変更回路に読み替えることができる。