特許第6913703号(P6913703)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6913703
(24)【登録日】2021年7月14日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】トルクを制御する装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20210727BHJP
【FI】
   A61B1/00 523
   A61B1/00 550
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-29170(P2019-29170)
(22)【出願日】2019年2月21日
(65)【公開番号】特開2019-188124(P2019-188124A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2019年6月19日
(31)【優先権主張番号】62/634,011
(32)【優先日】2018年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/270,304
(32)【優先日】2019年2月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】ハム アラン マーク
(72)【発明者】
【氏名】ダンフィー ハロルド アルバート
(72)【発明者】
【氏名】エルマアナオウイ バドル
【審査官】 北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0151980(US,A1)
【文献】 特開2016−087242(JP,A)
【文献】 特開2008−194179(JP,A)
【文献】 特開2009−240710(JP,A)
【文献】 特開2007−268133(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0151799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
A61B 8/00 − 8/15
G02B 23/24 −23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位部分および遠位部分を有する細長い部材と、
前記細長い部材内に配置された回転可能な駆動ケーブルであって、トルクを加える機構に接続可能な駆動ケーブルと、
前記駆動ケーブルに機械的に結合された制御アセンブリであって、加えられた前記トルクが所定のレベルを超えたときに前記駆動ケーブルから前記機構を分離するように構成された制御アセンブリと、
を備え、
前記駆動ケーブルから前記機構を分離することによって、前記駆動ケーブルの回転が停止するか、または前記駆動ケーブルが後退
所定の範囲内の長さを有する無支持間隙内を前記駆動ケーブルが通る短い直線部分を備え、その結果、前記無支持間隙内で前記駆動ケーブルが巻き線を形成することができ、前記駆動ケーブルを、複雑化の場所またはもつれの場所から後退させることができる、
装置。
【請求項2】
前記駆動ケーブルは、軸に沿って近位方向および遠位方向に平行移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
加えられたトルクが前記所定のレベルを超えた場合に剪断破壊が起こる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記細長い部材がシースであり、前記駆動ケーブルからの前記機構の分離が、低剪断接着剤、破壊された光ファイバ、前記駆動ケーブルに対するハイポチューブの機械的クリンプの滑り、前記駆動ケーブルの無支持部分、および駆動ドッグ構造体のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記駆動ケーブルから前記機構を分離することが、前記駆動ケーブルに対するハイポチューブの機械的クリンプの滑り、および前記駆動ケーブルの無支持部分に基づく、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記無支持間隙の長さは、前記駆動ケーブルの直径の約2倍から約20倍までの間の範囲にある、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記無支持間隙の直径は、前記駆動ケーブルの直径の約3倍から約20倍までの間の範囲にある、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記機構が駆動シャフトであり、前記駆動シャフトがモータ駆動ユニットと相互接続された、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記駆動ケーブルは、近位部分において前記駆動シャフトに接着剤で接続された、請求項に記載の装置。
【請求項10】
トルクセンサをさらに備え、前記トルクセンサは、加えられたトルクを検出し、前記トルクセンサが所定の範囲よりも高いトルクを検知したときにモータを迅速に停止させるように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記細長い部材は、前記駆動ケーブルの周囲に配置されたカテーテルシースアセンブリを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記カテーテルシースアセンブリは、
前記駆動ケーブルの周囲に配置されたハイポチューブと、
前記ハイポチューブの周囲に配置された取っ手と、
を備え、
前記ハイポチューブが接着剤で光ファイバに接合されており、前記光ファイバが前記駆動ケーブルに接合されており、前記駆動ケーブルと前記ハイポチューブの間に直接の接合がなく、
加えられたトルクが所定のレベルよりも大きい場合に光ファイバのトルク破壊が起こる、
請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月22日に出願された米国特許仮出願第62/634,011号の優先権を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般に医療デバイスに関し、より詳細には、トルクを検知し、またはトルクに影響を及ぼす装置に関する。
【背景技術】
【0003】
体腔にアクセスし、体腔へのデバイスの通過を誘導するカテーテル、可視化デバイス(visualization device)などの医療デバイスは知られている。カテーテルは、このような医療デバイスの一例であり、一般に、組織の撮像(imaging)、診断および治療を提供するために体内を通過する可撓性(flexible)または高剛性(rigid)の中空管を含み、例えば血管内で放射状スキャンを実行して、生体組織(例えば血管壁)などによって反射された反射波(超音波エコー)を受信する目的に使用される。
【0004】
カテーテルは、血管、尿管、気管支、消化管、リンパ管などの体のエリアに挿入されることがある。カテーテルを使用する医療または低侵襲手技には例えば脳動脈瘤の破裂の防止が含まれ、これは、中空管を表すカテーテルの先端を体外から血管を通して脳動脈瘤の口に導き、その後にカテーテルに可撓性を有する線状体を表す塞栓形成コイルおよび送達ワイヤを挿入し、使用可能ならば塞栓形成コイルで脳動脈瘤を埋めることによって実施される。しかしながら、塞栓形成コイルおよび送達ワイヤによって脳動脈瘤に過剰な負荷が加えられた場合には、脳動脈瘤が損傷を受ける可能性がある。
【0005】
人間の体内の標的位置にアクセスするため、1つまたは複数の体管腔(body lumen)にカテーテルを通すことがある。カテーテルは、患者の体の比較的に小さな切開口を通して動脈または静脈に挿入することができる。所望の標的エリアに到達するため、カテーテルは次いで、患者の血管系を縫うように進められる。このような医療デバイスは、さまざまな他の構成要素、例えば手術器具、レーザ、電子デバイス、撮像デバイス、光ファイバケーブル、さまざまな生理的パラメータをモニタリングすることができるセンサなどを含むことがある。カテーテルは普通、血管、尿管、気管支、消化管、リンパ管など体の脈管に挿入される医療デバイスとして使用される。
【0006】
回転要素カテーテルを使用して、患者の体組織内における診断的または治療的効果、例えば超音波もしくは光学断層撮像または粥腫切除術を提供することができる。典型的な回転要素カテーテルは、カテーテル本体の長さを伸ばし、モータ駆動ユニットなどのトルクアプリケータ(torque applicator)に接続する可撓性駆動ケーブルを含む。可撓性駆動シャフトは通常、モータに結合されており、モータは通常、カテーテル本体の近位端から固定された回転速度で駆動ケーブルを駆動する。カテーテル本体の遠位端における駆動ケーブルの遠位端の瞬時回転速度は、近位端における固定された回転速度とは異なることがあり、近位端における固定された回転速度と同じでないことがある。駆動ケーブルの遠位部分に、実行要素(operative element)、例えば超音波変換器、粥腫切除刃などを装着することができる。駆動ユニットが動作すると駆動ケーブルが回転し、次いで駆動ケーブルは、実行要素を高速でまたは高いrpm(毎分回転数)で回転させて、所望の診断的または治療的効果を生み出す。動かないカテーテルシース(catheter sheath)によって解剖学的構造は回転要素から保護されてはいるが、患者の体内に見境なく回転する要素を配置するという性質のため、カテーテルが破損しているか、欠陥があるか、または誤った取扱いをされた場合には、不注意で回転要素が組織を傷つけてしまう危険性が常に存在する。
【0007】
例えば、一部の撮像カテーテル(imaging catheter)は、変換器を高速で回転させ、同時に変換器をユーザに対して近位方向に直線的に移動させることによって、血管の長さに沿った2次元または3次元画像を提供することができる。カテーテルの遠位端が、脱出したり(prolapsed)、ねじれたり(kinked)、またはそれ以外にきついカーブの形状をとったりした場合には、回転要素が閉じ込められたり(trapped)、もしくは挟み込まれたり(pinched)して、トルクが増大することがあり、または不注意で回転要素がカテーテル壁を突き抜け、周囲の組織を傷つけたり、もしくは周囲の組織を破裂させたりすることがある。これは、設定された速度で動作しているカテーテルの変換器の駆動ユニットによって引き起こされることがあり、それにより、上記の複雑化(complication)の結果として、駆動ケーブルに加えられるトルクが低下または増大することがある。その結果、駆動ケーブルとカテーテルの間に異常な摩擦負荷が生じ、それによって、回転要素が、カテーテルの壁に穴をあけ、ことによると体組織を傷つけたりまたは変化させたりすることがある。
【0008】
回転駆動ケーブルを備えるカテーテルは、カテーテルシースの破損および/または患者の傷害を引き起こしうる駆動ケーブルの過剰のトルクを低減させる機構を実施することができる。例えば、いくつかのカテーテルは、所定のトルクで破壊されることが意図された犠牲構成要素を含む。解剖学的構造内に延びる回転要素にモータドライブを接続するこの犠牲構成要素は、カテーテルシースにより過剰なトルクが生じた場合、または、例えばもつれ(entanglement)、脱出もしくは他の複雑化中に過剰なトルクが回転要素に加えられた場合に、破壊される弱い部分を備えることができる。このもつれ、脱出もしくは他の複雑化は、シースの完全性を毀損したり、または回転撮像コア(rotating imaging core)の締め付け(clamping)もしくは挟み込みを引き起こしたりする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
トルクを制限する方法およびトルク制限機構は、例えば米国特許第6,758,818号、第6,454,717号、第6,517,528号および第9,220,529号、ならびに米国特許出願公開第2007/0232893号によって記載されている。しかしながら、カテーテルシステム内のトルクを検知し、かつ/またはカテーテルシステム内のトルクに影響を及ぼす安全かつ有用で革新的な装置および方法であって、例えばカテーテルシステム内のトルクを制限することによってトルクに影響を及ぼす装置および方法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の1つまたは複数の態様によれば、装置は、近位部分および遠位部分を有する細長い部材と、細長い部材内に配置された回転可能な駆動ケーブルであって、トルクが加えられうる機構に接続可能な駆動ケーブルと、駆動ケーブルに機械的に結合された制御アセンブリであって、加えられたトルクが所定のレベルを超えたときに駆動ケーブルから機構を分離する(disengage)ように構成された制御アセンブリと、を備え、駆動ケーブルから機構を分離することによって、駆動ケーブルの回転が停止するか、または駆動ケーブルが後退する。
【0011】
他の実施形態では、本明細書に記載された装置を備えるシステムおよびその使用方法が提供される。
【0012】
本発明のいくつかの態様によれば、駆動ケーブルは、軸に沿って近位方向および遠位方向に平行移動可能である。本発明のいくつかの態様によれば、駆動ケーブルから機構が分離する所定のレベルが、剪断破壊(shear failure)が起こったときである。
【0013】
したがって、本発明のいくつかの態様では、細長い部材がシースであり、駆動ケーブルからの機構の分離が、低剪断接着剤、破壊された光ファイバ、駆動ケーブルに対するハイポチューブ(hypotube)の機械的クリンプ(mechanical crimp)の滑り、駆動ケーブルの支持されていない部分(unsupported segment)(以後、無支持部分)、および駆動ドッグ構造体(driving dog structure)のうちの少なくとも1つに基づく。いくつかの実施形態では、この分離が、低剪断接着剤、破壊された光ファイバ、駆動ケーブルに対するハイポチューブの機械的クリンプの滑り、駆動ケーブルの無支持部分、および駆動ドッグ構造体のうちの2つ以上に基づく。不均一回転歪み(Non−Uniform Rotation Distortion)ないしNURDに関してうまく動作するため、駆動ケーブルは、駆動ケーブルの外径とシースの内径との間の最小限のクリアランスを有する管の支持を必要とする。
【0014】
本発明のいくつかの態様では、この装置がさらに、所定の範囲内の長さを有する支持されていない間隙(unsupported gap)(以後、無支持間隙)内を駆動ケーブルが通る短い直線部分を備え、その結果、無支持間隙内で駆動ケーブルが巻き線を形成することができ、駆動ケーブルを、複雑化の場所またはもつれの場所から後退させることができる。この装置はさらに、駆動ケーブルの周囲に配置されたカテーテルシースを備えることができ、このカテーテルシースは、駆動ケーブルの周囲に配置されたハイポチューブと、ハイポチューブの周囲に配置された取っ手(handle)とを備えることができ、ハイポチューブは接着剤で光ファイバに接合されていることが好ましく、光ファイバは駆動ケーブルに接合されており、駆動ケーブルとハイポチューブの間に直接の接合がない。
【0015】
例示的な実施形態では、無支持間隙の長さが、駆動ケーブルの直径の約2倍から約20倍までの間の範囲にある。別の例示的な実施形態では、無支持間隙の直径が、駆動ケーブルの直径の約3倍から約20倍までの間の範囲にある。
【0016】
駆動シャフト上にこの機構を装着することができ、駆動シャフトは、モータ駆動ユニットと相互接続されている。いくつかの実施形態では、駆動ケーブルが、ハイポチューブの遠位部分に接着剤で接続されている。さらに、加えられたトルクを検出するように構成されたトルクセンサを、装置の部分として含めることができる。
【0017】
本発明の他の態様では方法が提供される。この方法は、近位部分および遠位部分を有する細長い部材ならびに細長い部材内に配置された回転可能な駆動ケーブルを被検者(subject)に挿入することを含み、駆動ケーブルは、トルクを加える機構に接続されており、かつ制御アセンブリに機械的に結合されており、さらに、駆動ケーブル部材にトルクを加えることを含み、加えられたトルクが所定のレベルを超えたときに機構が駆動ケーブルから分離し、さらに、駆動ケーブルから機構を分離することによって、駆動ケーブルの回転が停止するか、または駆動ケーブルが後退する。特に、トルクを増大させうるシースの複雑化が生じたときに、装置に加えられたトルクをトルクセンサを用いて検出することができる。このセンサは、トルクの増大を検出し、モータを迅速にオフにすることができる。
【0018】
本発明のいくつかの態様によれば、システムが提供される。このシステムは例えばOCTシステムであり、そのOCTシステムは、撮像デバイス、ディスプレイ、コントローラおよび装置を備え、この装置は、近位部分および遠位部分を有する細長い部材と、細長い部材内に配置された回転可能な駆動ケーブルであって、トルクを加える機構に接続可能な駆動ケーブルと、駆動ケーブルに機械的に結合された制御アセンブリであって、加えられたトルクが所定のレベルを超えたときに駆動ケーブルから機構を分離するように構成された制御アセンブリと、を備え、駆動ケーブルから機構を分離することによって、駆動ケーブルの回転が停止するか、または駆動ケーブルが後退する。さらに、装置に関して論じた本発明のそれぞれの態様を、本明細書に記載されたシステムの装置に含めることができる。このシステムは、さらに、回転接合部、検出器および光源のうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0019】
本開示の他の特徴は、添付図面に関する例示的な実施形態の以下の説明から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本開示の1つまたは複数の態様に基づくシステムの環境を示す図である。
図2A図2(A)は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の一部分を示す図である。
図2B図2(B)は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の電源およびモータ駆動ユニット部分を示す図であり、図2(A)に示された部分を含む図である。
図3図3は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の一部分を示す図である。
図4図4は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の一部分を示す図である。
図5図5は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の一部分を示す図である。
図6図6は、図5の装置の断面図である。
図7図7は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく切抜き部の斜めの切抜き部縁を示す図である。
図8図8は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく切抜き部の斜めの切抜き部縁を示す図である。
図9図9(A)は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の断面図である。図9(B)は、図9(A)に基づく装置の一部分を示す図である。
図10図10は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の一部分の断面図である。
図11図11は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置の一部分の断面図である。
図12図12は、本開示の1つまたは複数の態様に基づくフローチャートである。
図13図13は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置を使用する例示的なシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本開示のさまざまな例示的な実施形態、特徴および態様を添付図面を参照して詳細に説明する。以下の例示的な実施形態は、本開示を、添付の特許請求の範囲だけに限定しない。本開示の例示的な実施形態に記載された特徴の組合せの全てが本開示の解決策に不可欠というわけではない。同一の構成要素には同じ参照符号が割り当てられており、それらの構成要素の重複する説明は省略される。
【0022】
図1は、本開示の1つまたは複数の態様に基づくシステムを示す。このシステムは一般に、医療手技、例えば整形外科手技、神経手技、脊椎手技などに関連した環境において示される。しかしながら、このシステムを、非医療環境、機械的対象など、他のタイプの動作環境および対象に関連づけることができることを理解すべきである。
【0023】
図1のシステムは、撮像デバイス(imaging device)1、ディスプレイ2、制御室3、カート(cart)ベースの撮像システム(imaging system)4、コントローラ5、テーブル6、フートスイッチコントローラ7および医療対象8を含むことができる。デバイス1は、例えば、X線透視撮像デバイスなどの2次元(2D)、3次元(3D)、4次元(4D)撮像デバイスなどであり、このX線透視撮像デバイスは、X線源とX線受信部とを有するC−アームとして構成されていてもよい。アイソセントリック透視法(isocentric fluoroscopy)、2方向透視法(bi−plane fluoroscopy)、超音波、コンピュータ連動断層撮影法(computed tomography:CT)、マルチスライス(multi−slice)コンピュータ連動断層撮影法(MSCT)、光学的コヒーレンス(optical coherence)断層撮影法(OCT)、血管内超音波(intra−vascular ultrasound:IVUS)、シングルフォトエミッション(single photo emission)コンピュータ連動断層撮影法(SPECT)などの他の撮像デバイスを使用することもできる。例えば、シーリング(ceiling)透視システム、カテ室(cath−lab)透視システム、2方向透視システム、アイソセントリックC−アーム透視システム、3次元(3D)透視システムなどの他のタイプの透視システムを使用することもできる。他のタイプの撮像デバイスを用いて画像データを取得してもよく、さまざまな撮像センサまたは放射線センサが提供されてもよい。画像データは、1つまたは複数の画像処理手順を経ることができる。ディスプレイ2は、画像データに基づいて生成された1つまたは複数の画像を表示することができ、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイなどでよい。
【0024】
制御室3は、システムの要素を制御するさまざまなデバイスを含むことができる。カート4は、OCTシステムカートなどでよい。コントローラ5は、ベッドサイドコントローラなどでよい。テーブル6は、汎用テーブルなどでよい。コントローラ7は、C−アームコントローラなどでよい。対象8は、患者などの医療対象とすることができる。
【0025】
制御室3、コントローラ5および/またはコントローラ7は例えば、中央処理ユニット(CPU)、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、外部記憶装置を含むことができる。これらのデバイスは、システムバスを介して互いに接続されていてもよい。CPUは、これらのデバイスの動作を制御する。CPUは、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のメモリを含むことができる。CPUは、ROM上に記憶されたプログラムをRAM上に読み出し、そのプログラムを実行することによって、後述するさまざまな処理を実行する。ROMは、読出し専用メモリであり、そのため、ROM上には、例えば、システムブートプログラム、これらのデバイスを制御するプログラム、これらのデバイスを制御する命令などが記憶されている。RAMは、揮発性のランダムアクセスメモリであり、CPUの作業域およびさまざまなデータの一時記憶域として使用される。例えばRAMは、例えば画像データまたは外部装置から受け取った他のデータを記憶する記憶域として使用される。この外部装置には、例えば、さまざまなデータを記憶するハードディスクが含まれ、この外部装置を、プログラム、命令、情報ファイル、画像データなどの記憶域または作業域として使用することができる。1つまたは複数のメモリは、1つまたは複数の画像処理手順を実行するプログラム、命令、コードなどを含むことができ、1つまたは複数のプロセッサは、それらの命令に基づいて1つまたは複数の画像処理手順を実行することができる。
【0026】
本開示を通して説明されるユニットは、本開示に記載された処理を実施するための例示的かつ/または好ましいモジュールである。それらのモジュールは、(回路網(circuitry)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、ディジタル信号プロセッサ、特定用途向けICなどの)ハードウェアユニット、および/または(コンピュータ可読プログラムなどの)ソフトウェアモジュールとすることができる。以上に、さまざまなステップを実施するこれらのモジュールが網羅的に説明されているわけではない。しかしながら、ある処理を実行する1つのステップがある場合、同じ処理を実施する(ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実装された)対応する機能モジュールまたはユニットが存在する可能性がある。本開示には、記載されたステップとこれらのステップに対応するユニットとの全ての組合せによる技術的な解決策が含まれる。
【0027】
本出願の1つまたは複数の態様は、近位部分および遠位部分を有する細長い部材を含む装置に関する。この装置は、カテーテルまたはルーメン(lumen)などの管状デバイスとすることができる。この細長い部材内に回転可能な駆動ケーブルを配置することができる。この駆動ケーブルを、トルクが加えられうるトルクアプリケータと相互接続することができる。加えられたトルクを検出するように、トルクセンサまたは変換器を構成することができる。いくつかの態様では、このトルクセンサが回転速度センサを有する。駆動ケーブルに制御アセンブリを機械的に結合することができ、加えられたトルクが所定のレベルを超えたとき、またはシースが損なわれたために撮像コア(imaging core)が進むことができない場合に駆動ケーブルからトルクアプリケータを分離するように、制御アセンブリを構成することができる。あるいは、他の手段によって、例えば所定のレベルよりも高いトルクが加えられたときに回転部材を迅速に後退させることによって、このシステムが、管状部材(カテーテルシース)の壁に穴をあける危険を低減させ、かつ/または排除してもよい。
【0028】
この細長い部材は、カテーテルシース22またはルーメンなどの管状デバイスとすることができる。医療用途に適した材料には例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、フルオロポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、シリコン、シリコーンゴム、天然ゴム、有機ポリマー、これらの組合せなどが含まれる。この細長い部材は、体腔中へ進むことを容易にするために円筒形などの外形の遠位部分で終わる1つまたは複数のルーメンを含むことができる。ルーメンの断面形状は、例えば円形、楕円形、非対称形など、その長さに沿って変化してもよく、ルーメンが互いに対して摺動するのを助けるために、ルーメンの外側表面に潤滑剤が塗られていてもよい。同様に、ナビゲーションおよびガイドワイヤ追跡特性を強化するため、カテーテルシースの外側表面は低摩擦コーティングを有する。
【0029】
この細長い部材内に回転可能な駆動ケーブルを配することができ、この回転可能な駆動ケーブルを、モータ駆動ユニットなどによって駆動される駆動シャフトと相互接続することができる。この回転可能な駆動ケーブルをモータに結合することができ、モータ駆動ユニットは、細長い部材の近位部分付近における固定された回転速度で、駆動ケーブルを駆動することができる。細長い本体の遠位部分における駆動ケーブルの瞬時回転速度は、近位端付近の固定された平均回転速度とは異なることがあり、近位端付近の固定された平均回転速度と同じでないことがある。1つまたは複数のトルクセンサを使用して、モータ駆動ユニットおよび/または回転可能な駆動ケーブルの回転トルクの測定値を取得することができる。
【0030】
細長い部材の内部および外部からデータを取得しかつ/または態様を検知するために、細長い部材内に1つまたは複数のセンサまたは変換器を配置することができ、駆動ケーブルの引張り力またはトルクを検知するために、1つまたは複数のトルクセンサまたは変換器を提供することができる。モータサーボまたは制御コンピュータによる電流補正を使用して、実際のモータトルク値と指令されたモータトルク値との間の差間の誤差を低減させまたは排除することができる。このようなセンサまたは変換器の例には、対象の標的領域、例えば患者の標的領域を診断によって評価するためのさまざまな構成要素、例えば画像センサ、圧力センサ、温度センサ、力センサ、トルクセンサ、速度センサ、加速度センサ、ポジションセンサ、近接センサ、運動センサ、位置センサ、荷重センサ、超音波距離センサ、赤外線センサ、物体センサ、光ファイバ、超音波変換器、回転エンコーダ、光学式エンコーダ、磁気エンコーダ、抵抗エンコーダ、反射器、ミラー、プリズム、導体、カメラ、レンズ、および/またはこれらの組合せが含まれる。それぞれの変換器によって捕捉された情報を表す信号をコントローラに運ぶように、1つまたは複数の導体を構成することができる。細長い部材の遠位部分と近位部分の間の電気信号接続は、配線によって、例えば細長い部材内に延びる一対または数対の絶縁された細長い金属コアとして提供することができる。細長い部材を保持および操作し、かつ/または細長い部材を駆動シャフトに接続するための保持装置、例えば取っ手(handle)を、細長い部材の近位部分に取り付けることができる。
【0031】
駆動ケーブルは、装置の遠位部分まで撓曲可能に延びることができ、細長い部材内にぴったりとはまるようなサイズを有することができる。好ましくは、駆動ケーブルは、回転可能とすることができ、軸に沿って近位方向および遠位方向に平行移動可能とすることができ、細長い部材の遠位部分にトルクを伝達するための曲げ剛性(flexural stiffness)およびねじり剛性(torsional rigidity)を有することができ、反対巻き(counter−wound)の複数のらせんコイルを有するように構成することができる。それらのコイルを反対方向に巻くのは、ケーブル本体を回転させたときに、それらのコイルのうちの1つのコイルが締まって、非常に高いねじり弾性率(torsional modulus of elasticity)を提供し、同時に、コイル構造体の性質により曲げ弾性率(flexural modulus of elasticity)が低減するようにするためである。あるいは、駆動ケーブルを、編組繊維(braided fiber)、編組金属、編組構造体上に共押出しされたポリマー、ハイポチューブなどとして構成することもできる。駆動ケーブルは、細長い部材の近位部分において相互接続されたモータ駆動ユニットから細長い部材の遠位部分に駆動力を伝達することができる。望ましいレベルのトルクおよび速度を提供するように、駆動ケーブルを構成することができる。例えば高速/低トルク、低速/高トルクまたはこれらのバリエーションなど、トルクのレベルと速度のレベルとが異なっていてもよい。駆動力は、モータ駆動ユニットによって、駆動ケーブルの遠位部分および/または近位部分のギヤ装置(gearing arrangement)を使用して提供することができる。このようなギヤ装置は、例えば高速/低トルクを低速/高トルクまたはそのバリエーションに変換するように構成されていてもよい。駆動ケーブルは、軸に沿って近位方向および遠位方向に平行移動可能とすることができ、可撓性とすることができ、細長い部材の近位部分を超えて細長い部材の遠位部分の付近まで延びる十分な長さを有することができる。1つまたは複数のトルクセンサを使用することによって、駆動ケーブルおよびモータ駆動ユニットの回転運動を測定または推定することができる。これらのトルクセンサの出力は、モータ駆動ユニットの速度および駆動ケーブルの近位端の速度を制御するためのコントローラへの入力を提供することができる。駆動ケーブルは、駆動ケーブルの全長にわたって一定の可撓性を有することができ、または機械的特性に基づく異なる可撓性を有する1つもしくは複数の区間を有することができる。駆動ケーブルおよびカテーテルの弾力性に影響を与える因子には例えば、限定はされないが、使用する材料の弾性、長さ、および壁の厚さが含まれる。駆動ケーブルは、横方向に曲がることができ、回転による巻きを最小化する十分なねじり剛性(torsional stiffness)、ならびに駆動ケーブルのかみ付き(seizing)および曲がりを防ぐ十分な曲げ剛性(flexural stiffness)を有することが好ましいことがある。いくつかの実施形態では、細長い部材がシースであり、駆動ケーブルから機構を分離することが、低剪断接着剤、破壊された光ファイバ、駆動ケーブルに対するハイポチューブの機械的クリンプの滑り、駆動ケーブルの無支持部分、および駆動ドッグ構造体のうちの少なくとも1つに基づく。
【0032】
本開示の1つまたは複数の態様の区別可能な構成要素(distinguishable configurational element)は、過剰のトルクおよび/もしくはモータの停止を検知したことに基づいて、またはシースが損なわれたために撮像コアが進むことができない場合に、駆動ケーブルの回転を停止させること、または駆動ケーブルを後退させることによって、あるいは所定のレベルより高いトルクに遭遇した場合に剪断破壊を引き起こすことによって、傷害の危険性を最小化し、患者に対する傷害の危険性に抗する追加のフェールセーフ(failsafe)および保護層を提供する。
【0033】
図2(A)は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置20の断面図を示す。装置20は、カテーテルとすることができ、近位部分および遠位部分を有するカテーテルシース22を含む。カテーテルシース22内に、回転可能な駆動ケーブル24を配することができる。図2(B)に示されているように、駆動ケーブル24は、トルクを加える機構34に接続可能であってもよい。この装置は、加えられたトルクを検出するように構成されたトルクセンサ37を含むことができる。この実施形態ではトルクセンサ37がモータ内に位置する。しかしながら、他の実施形態では、トルクセンサ37が例えば取っ手の中またはカテーテルの中に位置してもよい。駆動ケーブルに制御アセンブリを機械的に結合することができ、加えられたトルクが所定のレベルを超えたとき、またはシースが損なわれたために撮像コアが進むことができない場合に駆動ケーブルからこの機構を分離するように、制御アセンブリを構成することができる。クリンプ25は、駆動ケーブル24を機構34に機械的に接続する好ましい1つの手法である。クリンプ25は、限定されたトルクだけを駆動ケーブル24に伝達することができ、トルクがそれよりも大きくなると接続が滑り、または接続が分断される。トルクが所定の限界を超えたとき、クリンプ25は、駆動ケーブル24に対して滑り、駆動ケーブル24にトルクを伝達するハイポチューブ27を引き離すことができる。図示されているように、ユーザがカテーテル20を取り扱うために、カテーテル20の近位部分に取っ手(handle)26を取り付けることができる。駆動トルクは通常、冠状動脈内での通常の動作条件下において約0.01mN・m(ミリニュートンメートル)から0.50mN・mの間の範囲にある。
【0034】
駆動ケーブル24は、光学部品などの遠位変換器が解剖学的構造をスキャンする場合の回転運動および角回転を駆動ケーブル24が遠位部分に伝達するような態様の横方向の可撓性および高いねじり剛性を有することができる。回転運動および角加速度を正確に伝達するために、シースまたは管の中で可撓性の駆動ケーブルをぴったり合うように支持することができる。駆動ケーブル24がシース22またはテフロン管28によって適切に支持されていない場合、駆動ケーブルは、無支持部分23内で巻き線を形成し、患者および/またはもつれ、挟み込み、ねじれ、脱出などによって損なわれたエリアから、回転撮像コアアセンブリを後退させる可能性がある。駆動ケーブル24をハイポチューブに結合することができ、このハイポチューブを、例えばモータ駆動ユニットを含む駆動アセンブリ34と相互接続することができる。トルクセンサまたは変換器37を提供することができ、加えられたトルクを検出するように、トルクセンサまたは変換器37を構成することができる。モータ駆動ユニットは、駆動シャフトおよび/またはカテーテルの光ファイバに回転を提供することができ、駆動シャフトおよび/またはカテーテルの光ファイバの軸方向の平行移動を提供することができる。駆動電力を供給するために駆動アセンブリに電源35を接続することができる。モータ駆動ユニットが回転すると、駆動ケーブルが回転し、それによって装置の全長にわたってモータトルクを伝達する。駆動ケーブルに制御アセンブリを機械的に結合することができ、加えられたトルクが所定のレベルを超えたとき、またはシースが損なわれたために撮像コアが進むことができない場合に駆動ケーブルからこの機構を分離するように、制御アセンブリを構成することができる。引張り力、長さ、曲げ剛性(bending stiffness)、ねじり剛性(torsional stiffness)および線質量密度(linear mass density)などの駆動ケーブルのさまざまな特性を調整することにより、トルクを高rpmで伝達するように駆動ケーブルを構成することができる。高品質の画像忠実度およびこのトルク制御を達成するために、曲げ剛性とねじり剛性の比を約0.005から約0.035の範囲内に維持することが望ましいことがある。
【0035】
所定のレベルを超えるトルクが加えられたことをトルクセンサが検出した場合、またはシースが損なわれたために撮像コアが進むことができない場合には、モータ駆動ユニットを停止させることができる。この駆動ケーブル構成を利用することにより、モータ駆動ユニットの停止と組み合わせて、追加の安全システムを提供するようにカテーテルの取っ手を構成することができる。この追加の安全システムは、駆動ケーブルがぴったり合う内径によって支持されていない短い直線部分を提供することによって、例えば所定の範囲内の長さを有し、例えば好ましくは約1mmから約25mmの間の直径を有する無支持間隙23を残すことによって提供することができる。無支持間隙23の直径は、駆動ケーブルの直径の約2倍または約3倍から約20倍までの間の範囲とすることができる。この無支持間隙は、取っ手26内に位置することができ、あるいはひずみリリーフ(strain relief)34内に位置することができる。このエリアを本体の外側、この場合にはカテーテルの取っ手/コネクタの中に配置して、本体内の複雑化に応答したその位置における駆動ケーブルの破壊または混雑によって患者またはユーザが傷害を受けないようにすることができる。無支持間隙23はさまざまな寸法を有することができるが、無支持間隙の寸法は、駆動ケーブルの直径の約2倍から約20倍の間の範囲の長さを有することが好ましく、直径は、駆動ケーブルの直径の約2倍または約3倍から約20倍までの間にあることが好ましい。
【0036】
カテーテルのこの構成は、カテーテルの取っ手/コネクタ内に含まれる駆動ケーブルを含むことができ、カテーテルシースのためのひずみリリーフを提供することができる。過剰のトルクが加えられた後に、駆動ケーブルが巻き線を形成して無支持間隙23内に節(knot)32を形成し、駆動ケーブルの回転を停止させ、あるいは障害物または過剰のトルクの他の源から離れる方向へ駆動ケーブルを後退させることができるような長さの無支持間隙を、カテーテルの取っ手/コネクタ内に提供することができる。協調して機能するこれらの2つの異なる安全システムの組合せが、ドリルスルー(drill−through)、穿孔(perforation)、切開(dissection)などによる傷害の危険性に十分に対処し、傷害の危険性を軽減することがある。駆動ケーブルのこの構成の区別可能な構成要素は、駆動ケーブルの回転を停止させることによって、あるいは障害物または過剰のトルクの他の源から離れる方向へ駆動ケーブルを後退させることによって、さらに、トルクが過剰であることまたは撮像プルバック(imaging pullback)した後に開始位置までコアを再び前進させることができないことを検知したことに基づいてモータを停止させることによって、傷害の危険性を最小化し、患者に対する傷害の危険性に抗する追加のフェールセーフおよび保護層を提供する。
【0037】
図3は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置30の側面断面像を示す。装置30は、カテーテルとすることができ、近位部分および遠位部分を有する細長い部材を含む。カテーテル30の細長い部材は、入れ子式アセンブリとして、回転可能な駆動ケーブル24の周囲に配置されたカテーテルシースアセンブリ22(図示せず)を備えることができる。駆動ケーブル24の一部分の周囲にハイポチューブ36を配することができる。ハイポチューブ36の周囲に管28を配することができ、管28は、テフロン、PTFEなどでよい。駆動ケーブル24は、管28内に配されている。低剪断接着剤38によってハイポチューブ36を駆動シャフト24に接合することができる。この低剪断接着剤以外に、駆動ケーブル24とハイポチューブ36の間に直接の接合がないことが好ましい。低剪断接着剤38は、カテーテル30内で所定のレベルよりも高いトルクに遭遇した場合に剪断破壊によって破壊されることが好ましい。患者またはユーザに傷害が生じることを防ぐトルク制限フェールセーフ機構として有効であるために十分な低い剪断力を有するとの条件で、低剪断接着剤38は、弱い接着剤、ゴムのり、低剪断強度の紫外線硬化性接着剤などとすることができる。
【0038】
低剪断接着剤または光ファイバ44を使用して、したがって非常に低い剪断強度の接着剤を使用して、駆動ケーブル24とハイポチューブ36との間を直接に接合することができる。非常に低い剪断強度の接着剤は剪断され、したがってモータ駆動ユニットから駆動ケーブル24を迅速かつ有効に切り離し、回転を止める。接着剤を使用して、駆動ケーブルをハイポチューブ36に「間接的に」接合することができる。例えば、光ファイバ44を駆動ケーブル24に接合し、さらに光ファイバ44をハイポチューブ36に接合して、駆動ケーブル24とハイポチューブ36の間の直接の接合をなくすことができる。その結果、この用途に通常の任意のエポキシ樹脂を使用することができる。このようにすると、光ファイバの剪断強度を使用することができ、その結果、カテーテルが破壊された場合でも、カテーテルのもつれ、ねじれ、挟み込み、脱出などを含むシナリオによって患者に障害が生じない。
【0039】
図4は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置40の断面図を示す。装置40は、カテーテルとすることができ、近位部分および遠位部分を有する細長い部材を含むことができる。この細長い部材内に、回転可能な駆動ケーブルを配することができる。図4は、間接的な接合の例を示し、光学式コネクタに隣接した撮像コアの一部分を示している。駆動ケーブル24は、ハイポチューブ36に挿入されている。ハイポチューブ36を、光学式コネクタ(図示せず)に固定された状態で取り付けることができ、光学式コネクタ(図示せず)は、図の左側に配置することができる。駆動ケーブル24およびカテーテルは図の右側から延出することができる。接着剤、エポキシ樹脂など38によって光学式コネクタ内に光ファイバ44を接合することができ、光ファイバ44は、駆動ケーブル24内およびカテーテル内を通って図の右側から延びることができる。
【0040】
本出願の1つまたは複数の態様に基づく装置は、駆動ケーブルとハイポチューブの間に塗布することができる接着剤またはエポキシ樹脂などの任意の低剪断強度材料を使用した低剪断接着剤設計を実施することができる。このタイプの材料は、加えられたトルクが所定のレベルを超えたときに剪断される。
【0041】
本出願の1つまたは複数の態様に基づく装置は、トルク伝達装置/ヒューズ設計として光ファイバを実施することができる。この設計は、光ファイバ44を利用して駆動ケーブル24にトルクを伝達することができる。任意の接着剤38を使用して、所定のトルクレベル、好ましくは約0.09mN・mのトルクレベルの下で光ファイバ44を破壊するように、光ファイバ44を駆動ケーブル24に取り付けることができる。光ファイバ44のトルク強度は約0.09mN・m(または0.90グラムセンチメートル)であることが好ましいことがある。低剪断接着剤38または光ファイバ44は、約0.01mN・mから0.50mN・mの間の範囲のトルク力で破断して、近位側のモータ駆動ユニットから遠位側の駆動ケーブルを機能的に切り離すことができる。
【0042】
これらの設計構成は、低剪断接着剤以外の追加の部分を必ずしも含まない。
【0043】
本開示の1つまたは複数の態様は、ハイポチューブと駆動ケーブルとの間またはトルクシャフトと駆動ケーブルの間に小さなスポット溶接を利用することができる。これらの溶接は、駆動ケーブルが所定のトルクレベルを超えるトルクを受けた場合に破壊される。
【0044】
図5から図8は、本開示の別の態様のさまざまな図を示し、図5は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置50の側面断面図を示す。装置50は、カテーテルとすることができ、近位端および遠位端を有する駆動ケーブル24を含む。カテーテルシース22(分かりやすくするために示されていない)内に回転可能な駆動ケーブル24が配されている。図5では、トルクシャフト56の切抜き部64内に係合された駆動ドッグ62を通常の作業条件下に保つため、圧縮ばね52が、トルクシャフト56の近位端に小さな力を加える。駆動ドッグアダプタ54は、トルクシャフト56を介してアダプタ54を駆動ケーブル24と相互接続することができる。アダプタ54を光ファイバコネクタ58にはめることができる。カテーテルシース22(図示せず)内に光ファイバ44を含めることができる。
【0045】
駆動ドッグアダプタ54の内側に圧縮ばね52を収容することができ、しっかりと取り付けるためおよび同心性を維持するために締りばめにより駆動ドッグアダプタ54を光ファイバコネクタ58にプレスばめすることができる。駆動ドッグアダプタ54の内側にトルクシャフト56を、同心回転が可能なやり方で摺動可能に配置することができ、通常の動作条件下ではトルクシャフト56の回転が、駆動ドッグアダプタによって駆動される。トルクシャフト56が近位方向へ摺動して駆動ドッグを分離することをPTFE管28が可能にすることができ、PTFE管28は、さらに、所定のレベルを超える過剰のトルクを駆動ケーブル24に加えるカテーテルの複雑化の場合に、または撮像コアを開始位置まで再び前進させることができない場合に、トルクシャフト56が自由に回転することを許すことができる。
【0046】
ドリルスルー、切開および/または穿孔が生じるのは、カテーテルに遠位方向の力が加えられた場合だけであるため、回転撮像コア、次いでトルクシャフト56上を近位方向に導かれる反対向きの等しい力を発生させることができる。カテーテルのもつれ、またはカテーテルシースのねじれもしくは脱出などの間に十分な過剰トルクまたは近位方向の軸方向力が加えられたときには、トルクシャフトを近位方向に押し、フランジ切抜き部を駆動ドッグから分離し、駆動ケーブルの回転を即座に停止させることができる。
【0047】
本開示のこの態様の区別可能な構成要素は、カテーテルがもつれたときなど駆動ケーブルが挟み込まれたとき、およびシースが損なわれたためにコアを進めることができないときに生じる、この近位方向へ導かれた力および近位端に向かう駆動された運動を利用する。駆動ケーブルの外巻き(outer wind)は、カテーテルシースと接触する駆動ケーブルの唯一の部分であることがあり、この外巻きが右巻き(right−hand wind)であることがあるため、駆動ケーブルを挟み込むのに十分な程度にシースが挟み込まれたときに、駆動ケーブルは「緩んで抜ける」傾向を示すことがある。すなわち、駆動ケーブルは、逆戻りしてカテーテルシースから抜けようとすることがある。この複雑化が生じた場合、回転駆動ケーブルに対する近位方向の力に遭遇したら、この実施形態は、解剖学的構造の内側にある駆動ケーブルを含む遠位部分を、体外のモータ駆動ユニットから迅速に分離し、駆動ケーブルおよび/もしくは撮像コアの回転を即座に停止させ、かつ/または駆動ケーブルおよび/もしくは撮像コアを複雑化の位置から後退させて、ドリルスルーおよび/または穿孔の可能性を低下させる。
【0048】
本開示のこの態様の区別可能な構成要素は、過剰のトルクおよびモータの停止を検知したことに基づいて、もしくはシースが損なわれたために撮像コアが進むことができない場合に、駆動ケーブルの回転を停止させること、もしくは駆動ケーブルを後退させることによって、または所定のレベルより高いトルクに遭遇した場合に剪断破壊を引き起こすことによって、傷害の危険性を最小化し、傷害の危険性に抗する追加のフェールセーフおよび保護層を患者に提供する。
【0049】
図6は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく、上述の図5に示された装置50の駆動ドッグアダプタの実施形態のトルクシャフト56の拡大側面断面図を示す。装置50は、近位端および遠位端を有する駆動ケーブル24(図示せず)を含むことができる。カテーテルシース(分かりやすくするために図示されていない)内に回転可能な駆動ケーブル24を配することができる。図6には、フランジ切抜き部64内の駆動ドッグ62が示されている。このアセンブリの構成要素、利益および機能は、上に記載されている。
【0050】
図7は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく装置70のトルクシャフト56の別の拡大図を示す。トルクシャフト56は、斜めの切抜き部縁66を含むことができ、切抜き部縁66は、トルクだけによって駆動ドッグ62がトルクシャフト切抜き部64から分離することを可能にする。トルクシャフト56内に回転可能な駆動ケーブル24を配することができ、接着剤によって駆動ケーブル24をトルクシャフト56に取り付けることができる。所定のトルク負荷74でまたは軸方向力76によって駆動ドッグをトルクシャフト切抜き部64から分離するように、角度68を調整することができる。この分離は、駆動ケーブル24の回転を即座に停止させる。
【0051】
図8は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく駆動ドッグアダプタ54の拡大側面断面図80を示す。駆動ドッグ62は、駆動ドッグ62の斜めの縁82を含むことができる。トルクシャフト56内に回転可能な駆動ケーブルを配することができる。このアセンブリの構成要素、利益および機能は上に記載されている。
【0052】
図9(B)を参照すると、本発明の別の実施形態の側面断面図および端面断面図(図9(A)が示されている。この実施形態は、解剖学的構造に進入した駆動ケーブルから回転機構を分離するための機構を提供する。単純にするため回転機構は図示されていない。システムのこの部分は、全体がデバイスの取っ手26の中に存在し、この部分は、破壊が常に解剖学的構造の外側で起こり、したがって解剖学的構造内でカテーテルがもつれまたは他の危険な破壊が生じた場合に、回転する構成要素から患者を保護するように設計されている。ハイポチューブ36は、動かないプルバック管(pullback tube)28内で回転し、駆動モータなどの回転機構から駆動ケーブル24にトルクを伝達する。駆動ケーブル24は、その一部が解剖学的構造内で回転する。ハイポチューブ36と駆動ケーブル24の間の取付け部は、機械的クリンプ84を備える。クリンプ84によって駆動ケーブル24の断面が締め付けられ、クリンプ84が、正常条件下で動作するのに適当なハイポチューブ36と駆動ケーブル24の間のトルクおよび引張り強度を提供するような態様で、ハイポチューブ36は、駆動ケーブル24に押し付けられている。トルクまたは引張り力が所定の限界を超えたときに押し付けられたハイポチューブ36内で駆動ケーブル24が滑り、それによって、回転機構から駆動ケーブルへのトルクまたは引張り力の伝達が止まる。
【0053】
本開示に基づく1つまたは複数の態様では、デバイスが、カテーテルの取っ手26に取り付けられた実行要素を含む。この実行要素は、撮像および圧力センサならびに/もしくは撮像および圧力デバイスなどの変換器、または光学要素とすることができる。デバイスは、カテーテルなどの医療デバイスとすることができる。機構は、巻き線型(wire−wound)駆動シャフトなどの駆動シャフトとすることができる。駆動シャフトを、モータ駆動デバイスと相互接続することができる。細長い部材は、同心の入れ子式アセンブリとして、駆動ケーブルの周囲に配置されたカテーテルシースアセンブリを含むことができる。細長い部材は、シースとすることができ、駆動ケーブルから機構を分離することは、低剪断接着剤、破壊された光ファイバ、駆動ケーブルの無支持部分、駆動ケーブルに対する押し付けられたハイポチューブの滑り、および駆動ドッグ構造体のうちの1つまたは複数に基づいてもよい。
【0054】
図10を参照すると、2方向の駆動ドッグアダプタの等角側面断面図が示されている。図5図8に示された駆動ドッグアダプタの実施形態と同様に、この2方向アダプタ実施形態は、コアのプルバック運動と再前進運動の両方向中の解剖学的構造内でのカテーテルの複雑化に反応する。このカテーテルの複雑化は、カテーテルシースのねじれ、挟み込み、締め付けなどであり、回転撮像コアが正常に平行移動することを妨げる。撮像コアがその遠位開始位置まで再び前進することができないような形でシースがねじれた場合、撮像コアは駆動ケーブル(図示せず)に取り付けられているため、撮像コアの開始位置への再前進中に撮像コアがねじれたシースに遭遇すると、回転シャフト91は、前進操作95によって近位方向に押され、前進操作95を介して前進ばね92を圧縮する。この近位方向の力は、前進操作95によって駆動ケーブル(図示せず)および回転シャフト91を押し、前進ばね92を圧縮し、回転シャフト91からの外側ハウジングドッグ94から回転シャフト91を分離し、回転93を直ちに停止させる。同様に、プルバック操作(pullback action)97によって反対方向に作用するが、撮像プルバックの時に撮像コアが移動できないような形でシースが締め付けられたりまたは挟み込まれたりした場合、モータは、コアを近位方向に引っ張り続け、プルバックばね(pullback spring)96を圧縮し、ドッグ(dog)94から回転シャフト91を分離し、回転を直ちに停止させる。
【0055】
次に、図11を参照すると、動作中に撮像コアを駆動するための回転力を提供する、回転シャフト91のフランジのところで切った2方向の駆動ドッグアダプタの端面断面図が示されている。(4つの)駆動ドッグ94および駆動ドッグ94を受け入れる回転シャフト91のフランジの対応する(4つの)切抜き部99が示されている。2方向の駆動ドッグアダプタは、撮像コアの近位端に位置し、撮像コアは、近位コネクタ、ハイポチューブアダプタ、ハイポチューブ、駆動ケーブルおよび遠位光学部品ハウジング(いずれも図示されていない)を備える。
【0056】
図12は、本開示の1つまたは複数の態様に基づく方法を示すフローチャートである。ステップS901で、患者などの被検者にカテーテルシースを挿入する。このカテーテルシースは、上で説明したとおりに構成することができ、近位部分および遠位部分を有する細長い部材として特徴づけることができる。この細長い部材内に回転可能な駆動ケーブルを配することができる。この駆動ケーブルを、トルクが加えられうる機構に接続することができ、制御アセンブリに機械的に結合することができる。ステップS902で、この機構にトルクを加えて駆動ケーブルを駆動させる。ステップS903で、加えられたトルクが所定のレベルを超えているかどうかを判定する。加えられたトルクが所定のレベルを超えていない場合、この処理はステップS904に戻り、解剖学的構造を撮像するための撮像コアを回転させるためにトルクを加え続ける。他方、加えられたトルクが所定のレベルを超えている場合、この処理はステップS904またはステップS905に進む。ステップS905で、接着剤の剪断または光ファイバの破壊により駆動ケーブルから機構を分離する。あるいは、ステップS905で、生じた可能性がある複雑化の場所(site)から駆動ケーブルを後退させる(withdrawn)。このような複雑化が生じた場合、回転駆動ケーブルに対する近位方向の力に遭遇したら、この実施形態は、解剖学的構造の内側にある駆動ケーブルを含む遠位部分を迅速に分離し、駆動ケーブルおよび/もしくは撮像コアの回転を即座に停止させ、かつ/または駆動ケーブルおよび/もしくは撮像コアを複雑化の位置から後退させて、ドリルスルーおよび/または穿孔の可能性を低下させる。
【0057】
駆動シャフトの遠位端に、変換器などの実行要素を装着することができる。この変換器は、撮像デバイスとすることができる。このデバイスは、カテーテルなどの医療デバイスとすることができる。駆動ケーブルは、巻き線型駆動ケーブルとすることができる。駆動ケーブルをモータ駆動デバイスと相互接続することができ、駆動ケーブルはさらに、同心の入れ子式アセンブリとして、駆動ケーブルの周囲にカテーテルシースアセンブリを配することができる。
【0058】
本明細書に記載された装置を使用する例示的なシステムは、図13によって示された光学的コヒーレンス断層撮影(OCT)システムである。OCTシステム100は、光源101、基準アーム102、サンプルアーム103、分割器104(本明細書では「ビーム分割器」とも呼ぶ)、基準ミラー(本明細書では「基準反射」とも呼ぶ)105、および1つまたは複数の検出器107を備える。システム100は、位相シフトデバイスまたはユニット114を含んでもよい。1つまたは複数の実施形態では、システム100が、患者インタフェースデバイスまたはユニット(「PIU」)110およびカテーテル112を含み、このカテーテルが、図2図11に示されたカテーテルであり、このカテーテルが、加えられたトルクが所定のレベルを超えたときに分離するように構成されている。この分離が、回転運動の停止または後退を引き起こす。
【0059】
カテーテル112は、サンプル106と相互作用することができ、PIUはユーザと係合する。1つまたは複数の実施形態では、システム100が干渉計を含むか、またはシステム100の1つもしくは複数の構成要素によって、例えば、限定はされないが、少なくとも光源101、基準アーム102、サンプルアーム103、分割器104および基準ミラー105によって、干渉計が画定される。
【0060】
光源101は、分割器104に向かう光を発生させるように動作し、分割器104は、光源101からの光を、基準アーム102に入る基準ビームと、サンプルアーム103に入るサンプルビームとに分割する。ビーム分割器104は、基準ミラー105、1つまたは複数の検出器107およびサンプル106に対してある角度で配置されるかまたは配される。基準ビームは、基準アーム102で、任意選択で(システム100に示されているようにシステムに位相シフトユニット114が含まれているときに)位相シフトユニット114を通過し、基準ミラー105から反射される。一方、サンプルビームは、サンプルアーム103で、PIU(患者インタフェースユニット)110およびカテーテル112を通ってサンプル106から反射され、またはサンプル106から散乱する。基準ビームとサンプルビームは分割器104で結合(または再結合)し、干渉縞を生成する。このシステム100および/またはシステム100の干渉計の出力は、1つまたは複数の検出器107によって、例えば、限定はされないが、フォトダイオードまたはマルチアレイカメラによって絶え間なく取得される。1つまたは複数の検出器107は、結合または再結合されたこれらの2つの放射ビームまたは光ビーム間の干渉または干渉縞を測定する。1つまたは複数の実施形態では、基準ビームが進んだ光路長とサンプルビームが進んだ光路長とが異なり、それにより、フリンジ効果(fringe effect)が生み出され、そのフリンジ効果を1つまたは複数の検出器107によって測定することができる。システム100および/またはシステム100の干渉計の出力から取得されたアナログ電気信号がディジタル信号に変換され、コンピュータによって、例えば、限定はされないが、コンピュータ116によって解析される。1つまたは複数の実施形態では、光源101が、幅広い波長帯で放射する放射源または広帯域光源(例えばレーザ、有機発光ダイオード(OLED)、発光ダイオード(LED)、ハロゲンランプ、白熱電球、レーザによってポンピングされたスーバーコンティニウム(supercontinuum)光源、および/または蛍光ランプ)である。1つまたは複数の実施形態では、アナログ電気信号を光学的スペクトルに変換するために、ソフトウェアおよび電子回路を含むフーリエ解析器が使用される。
【0061】
本開示の実施形態および/または態様は、システムまたは装置のコンピュータ化された構成によって実現することもできる。このコンピュータ化された構成は、記憶媒体(これはより完全に「コンピュータ可読非一時的記憶媒体」と呼ぶこともできる)に記憶された、上述の実施形態のうちの1つもしくは複数の実施形態の機能を実行するためのコンピュータ実行可能命令(例えば1つもしくは複数のプログラム)を読み出し、実行し、かつ/または上述の実施形態のうちの1つもしくは複数の実施形態の機能を実行するための1つもしくは複数の回路もしくは回路網(例えば特定用途向けIC(ASIC))を含む。本開示の実施形態および/または態様はさらに、システムまたは装置のコンピュータ化された構成によって実行される方法によって実現することもできる。この方法は例えば、上述の実施形態のうちの1つもしくは複数の実施形態の機能を実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶媒体から読み出し、実行し、かつ/または上述の実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態の機能を実行するための1つまたは複数の回路を制御することによって実行される。このコンピュータ化された構成は、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のメモリ、回路網、ファームウェア、ハードウェア、その他の構成要素など(例えば中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセシングユニット(MPU)など)を備えることができ、コンピュータ実行可能命令を読み出し、実行する別個のコンピュータまたは別個のプロセッサのネットワークを含むことができる。コンピュータ実行可能命令は、例えばネットワークまたは記憶媒体からコンピュータに提供することができる。この記憶媒体は、例えばハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、分散型コンピューティングシステムの記憶装置、光ディスク(例えばコンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)またはBlu−rayディスク(BD)(商標))、フラッシュメモリデバイス、メモリカードなどのうちの1つまたは複数を含む。
【0062】
例示的な実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は、開示された例示的な実施形態だけに限定されないことを理解すべきである。そのような全ての変更ならびに等価の構造および機能を包含するように、以下の特許請求の範囲には最も幅広い解釈が与えられるべきである。
図1
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