特許第6913718号(P6913718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6913718電子部品装着システム、および基板生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6913718
(24)【登録日】2021年7月14日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】電子部品装着システム、および基板生産方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20210727BHJP
【FI】
   H05K13/02 V
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-135866(P2019-135866)
(22)【出願日】2019年7月24日
(62)【分割の表示】特願2018-9360(P2018-9360)の分割
【原出願日】2013年5月9日
(65)【公開番号】特開2019-179936(P2019-179936A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2019年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】濱根 剛
【審査官】 山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−178489(JP,A)
【文献】 特開2012−119643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板を保持する回路基板保持具を用いる電子部品装着システムであって、
前記回路基板保持具を支持する電子部品装着機のコンベア装置と、
前記回路基板保持具を作動させることで、前記回路基板の水平面に対する角度を変更する、前記電子部品装着機のコンベア装置の搬送方向において当該コンベア装置と異なる位置に設けられる変更機構とを備え、
前記電子部品装着機のコンベア装置に支持された前記回路基板保持具を前記変更機構まで移動させて、前記変更機構により前記回路基板の水平面に対する角度を変更する電子部品装着システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板を保持する回路基板保持具を用いる電子部品装着システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業機によって作業が行われる被作業体としては、例えば、電子部品の装着作業が行われる回路基板等が挙げられる。回路基板には、平坦な部品装着面のみを有する回路基板だけでなく、曲面,凹凸面等の平坦でない部品装着面を有する回路基板も存在する。このような平坦でない部品装着面に、電子部品を装着する際には、部品装着面を水平面に近い角度に維持する必要があるため、下記特許文献に記載されているように、回路基板を水平面に対する角度を変更可能な状態で保持する基板保持具の開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−119643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、平坦でない部品装着面への電子部品の装着作業を適切に行うことが可能な基板保持具を用いる電子部品装着システム等の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、回路基板を保持する回路基板保持具を用いる電子部品装着システムであって、前記回路基板保持具を支持する電子部品装着機のコンベア装置と、前記回路基板保持具を作動させることで、前記回路基板の水平面に対する角度を変更する、前記電子部品装着機のコンベア装置の搬送方向において当該コンベア装置と異なる位置に設けられる変更機構とを備え、前記電子部品装着機のコンベア装置に支持された前記回路基板保持具を前記変更機構まで移動させて、前記変更機構により前記回路基板の水平面に対する角度を変更する電子部品装着システムを開示する。
【0006】
【0007】
【0008】
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載の電子部品装着システム等では、回路基板の水平面に対する角度を変更する変更機構が、電子部品装着機のコンベア装置と異なる位置に設けられており、電子部品装着機のコンベア装置に支持された回路基板保持具を変更機構まで移動させて、変更機構により回路基板の水平面に対する角度が変更される。これにより、平坦でない部品装着面への電子部品の装着作業を適切に行うことが可能となる。
【0010】
【0011】
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例である基板保持具に保持された回路基板に装着作業を行う電子部品装着機を示す図である。
図2】本発明の実施例である基板保持具を示す図である。
図3】変形例の基板保持具を示す図である。
図4図3に示す基板保持具に保持された回路基板に装着作業を行う電子部品装着システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0015】
<電子部品装着機の構成>
図1に、電子部品装着機10を示す。電子部品装着機10は、回路基板に電子部品を装着するための作業機である。電子部品装着機10は、搬送装置20と、装着ヘッド移動装
置(以下、「移動装置」と略す場合がある)22と、装着ヘッド24と、供給装置26とを備えている。
【0016】
搬送装置20は、X軸方向に延びる1対のコンベアベルト30と、コンベアベルト30を周回させる電磁モータ(図示省略)とを有している。回路基板34は、それら1対のコンベアベルト30によって支持され、電磁モータの駆動により、X軸方向に搬送される。また、搬送装置20は、基板保持装置(図示省略)を有している。基板保持装置は、コンベアベルト30によって支持された回路基板34を、所定の位置(図1での回路基板34が図示されている位置)において固定的に保持する。なお、回路基板34は平板形状をなし、電子部品の装着面は平坦である。
【0017】
移動装置22は、X軸方向スライド機構50とY軸方向スライド機構52とによって構成されている。X軸方向スライド機構50は、X軸方向に移動可能にベース54上に設けられたX軸スライダ56を有している。そのX軸スライダ56は、電磁モータ(図示省略)の駆動により、X軸方向の任意の位置に移動する。また、Y軸方向スライド機構52は、Y軸方向に移動可能にX軸スライダ56の側面に設けられたY軸スライダ60を有している。そのY軸スライダ60は、電磁モータ(図示省略)の駆動により、Y軸方向の任意の位置に移動する。そのY軸スライダ60には、装着ヘッド24が取り付けられている。このような構造により、装着ヘッド24は、移動装置22によってベース54上の任意の位置に移動する。
【0018】
装着ヘッド24は、回路基板34に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド24は、下端面に設けられた吸着ノズル70を有している。吸着ノズル70は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図示省略)に通じている。吸着ノズル70は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド24は、吸着ノズル70を昇降させる昇降装置(図示省略)を有している。その昇降装置によって、装着ヘッド24は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
【0019】
供給装置26は、フィーダ型の供給装置であり、複数のテープフィーダ80を有している。テープフィーダ80は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ80は、送り装置(図示省略)によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置26は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
【0020】
<平坦な装着面を有する回路基板への装着作業>
電子部品装着機10では、上述した構成によって、平坦な装着面を有する回路基板34に対して装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、電子部品装着機10の制御装置(図示省略)の指令により、回路基板34が作業位置まで搬送され、その位置において、回路基板34が固定的に保持される。また、テープフィーダ80は、制御装置の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド24が、制御装置の指令により、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル70によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド24は、回路基板34の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板上に装着する。
【0021】
<基板保持具の構成>
電子部品装着機10では、上述した手順により、平坦な装着面を有する回路基板34に対して電子部品の装着作業が行われる。一方、曲面,凹凸面等の平坦でない面を有する回路基板への装着作業は、図2に示す基板保持具100を用いることで、行われる。基板保持具100は、固定板102と回転板104と保持機構106とを有している。固定板1
02と回転板104とは、同寸法の板状の部材であり、回転板104が、固定板102の上に積層されている。固定板102と回転板104との中央部には、固定板102と回転板104との垂直方向に延びる軸108が設けられており、固定板102と回転板104とは、その軸108を中心に相対回転する。
【0022】
また、保持機構106は、1対の支持部110と基板保持部112とによって構成されており、1対の支持部110は、回転板104の上に立設されている。基板保持部112は、回路基板116を保持するものであり、長手形状をしている。基板保持部112は、長手方向の両端部において、長手方向に延びる軸心回りに揺動可能に1対の支持部110によって挟持されている。
【0023】
回路基板116は、長手形状をしており、長手方向に直交する方向、つまり、短手方向に湾曲している。その回路基板116の湾曲面の凸側の面は、電子部品の装着面であり、その装着面には、長手方向に3列に並ぶようにして、電子部品の装着部118が形成されている。3列に並ぶ複数の装着部118のうちの中央の列の装着部(以下、「第1装着部」と記載する場合がある)118aは、同一の平面上に位置する。また、第1装着部118aの一方側の側方の列の装着部(以下、「第2装着部」と記載する場合がある)118bは、第1装着部118aの位置する平面とは異なる平面上に位置する。また、第1装着部118aの他方側の側方の列の装着部(以下、「第3装着部」と記載する場合がある)118cは、第1装着部118aおよび第2装着部118bの位置する平面とは異なる平面上に位置する。つまり、第1装着部118aの位置する平面と、第2装着部118bの位置する平面と、第3装着部118cの位置する平面とは、互いに傾斜している。
【0024】
基板保持具100は、さらに、電磁モータ120,122と、バッテリ124と、制御装置126とを有している。電磁モータ120は、固定板102と回転板104とを相対回転させるものであり、電磁モータ122は、基板保持部112を揺動させるものである。電磁モータ120,122は、バッテリ124に接続されており、バッテリ124からの電力供給により駆動する。また、電磁モータ120,122は、制御装置126に接続されており、制御装置126によって制御される。なお、電磁モータ120,122、バッテリ124、制御装置126は、回転板104の上面に配設されている。
【0025】
また、基板保持具100は、操作スイッチ128,130,132,134を有している。操作スイッチ128は、電磁モータ122を操作するためのスイッチであり、操作スイッチ128の操作により、回路基板116の第1装着部118aの位置する平面が水平となるように、基板保持部112が揺動する。操作スイッチ130は、電磁モータ122を操作するためのスイッチであり、操作スイッチ130の操作により、回路基板116の第2装着部118bの位置する平面が水平となるように、基板保持部112が揺動する。操作スイッチ132は、電磁モータ122を操作するためのスイッチであり、操作スイッチ132の操作により、回路基板116の第3装着部118cの位置する平面が水平となるように、基板保持部112が揺動する。操作スイッチ134は、電磁モータ120を操作するためのスイッチであり、操作スイッチ130の操作時間に応じて、回転板104が固定板102に対して回転する。なお、操作スイッチ128,130,132,134は、制御装置126の上面に配設されており、基板保持具100の上面に露出している。
【0026】
<平坦でない装着面を有する回路基板への装着作業>
上記構成の基板保持具100は、電子部品装着機10の搬送装置20によって搬送されるとともに、固定板102が、搬送装置20の基板保持装置によって固定的に保持される。これにより、電子部品装着機10では、基板保持具100に保持された回路基板116に対して装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、まず、基板保持部112の長手方向と回路基板116の長手方向とが一致するように、回路基板116を基板保持
部112に保持させる。そして、基板保持部112の長手方向、つまり、基板保持部112の揺動中心の延びる方向と、X軸方向とが一致するように、基板保持具100を搬送装置20のコンベアベルト30によって支持させる。
【0027】
コンベアベルト30に支持された基板保持具100は、電子部品装着機10の制御装置の指令により、作業位置まで搬送され、その位置において、基板保持具100の固定板102が基板保持装置によって固定的に保持される。そして、装着ヘッド24が、制御装置の指令により、基板保持具100の操作スイッチ128の上方に移動し、吸着ノズル70を下方に移動させることで、操作スイッチ128を操作する。これにより、基板保持部112が揺動し、回路基板116の第1装着部118aの位置する平面が水平となる。
【0028】
また、テープフィーダ80は、制御装置の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド24が、制御装置の指令により、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル70によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド24は、回路基板116の第1装着部118aの上方に移動し、保持している電子部品を第1装着部118aに装着する。この作業が繰返し行われることで、複数の第1装着部118aに電子部品が装着される。
【0029】
複数の第1装着部118aに電子部品が装着されると、装着ヘッド24が、制御装置の指令により、基板保持具100の操作スイッチ130の上方に移動し、吸着ノズル70を下方に移動させることで、操作スイッチ130を操作する。これにより、基板保持部112が揺動し、回路基板116の第2装着部118bの位置する平面が水平となる。そして、第1装着部118aに対する装着作業と同様に、複数の第2装着部118bに対して装着作業が行われる。
【0030】
そして、複数の第2装着部118bに電子部品が装着されると、装着ヘッド24が、制御装置の指令により、基板保持具100の操作スイッチ132の上方に移動し、吸着ノズル70を下方に移動させることで、操作スイッチ130を操作する。これにより、基板保持部112が揺動し、回路基板116の第3装着部118cの位置する平面が水平となる。そして、第1装着部118aに対する装着作業と同様に、複数の第3装着部118cに対して装着作業が行われる。なお、操作スイッチ134は、回路基板116への装着作業時には操作されないが、別の形状の回路基板への装着作業時において、回路基板を鉛直方向に延びる軸線回りに回転させる必要がある場合に操作される。
【0031】
このように、電子部品装着機10では、基板保持具100を用いることで、平坦でない装着面を有する回路基板116への装着作業を行うことが可能となっている。つまり、基板保持具100を用いることで、通常の回路基板、つまり、平板形状の回路基板34に対する装着作業を行う電子部品装着機10によって、平坦でない装着面を有する回路基板116への装着作業を行うことが可能となっている。これにより、従来の電子部品装着機に新たな機構等を取り付けることなく、平坦でない装着面を有する回路基板116への装着作業を行うことが可能となり、非常に経済的である。
【0032】
また、基板保持具100には、電磁モータ120,122の作動を制御する制御装置126が配設されており、基板保持具100は、回路基板116の水平面に対する傾斜角度、つまり、回路基板116の保持姿勢を制御可能に変更することが可能となっている。このため、電子部品装着機10で電磁モータ120,122の作動を制御する必要が無く、電子部品装着機10と基板保持具100との間で指令データ等を送受信する必要もない。これにより、従来の電子部品装着機に、新たな制御装置,データの送受信機等を設けることなく、平坦でない装着面を有する回路基板116への装着作業を行うことが可能となる。
【0033】
さらに言えば、基板保持具100では、電磁モータ120,122を操作するための操作スイッチ128,130,132,134が、基板保持具100の上面に露出している。このため、電子部品装着機10の装着ヘッド24によって、操作スイッチ128,130,132,134を操作することで、回路基板116の水平面に対する傾斜角度が変化する。これにより、電子部品装着機10は、任意のタイミングで回路基板116の傾斜角度を変化させることが可能となり、効率的に装着作業を行うことが可能となる。また、実装プログラム実行中に、装着ヘッド24が所定の位置に移動し、操作スイッチを押すという標準的な実装プログラムの作成の運用が可能となる。
【0034】
ちなみに、上記実施例において、電子部品装着機10は、作業機の一例である。基板保持具100は、被作業体保持具の一例である。固定板102は、パレットの一例である。保持機構106は、保持機構の一例である。回路基板116は、被作業体の一例である。電磁モータ120,122は、アクチュエータの一例である。バッテリ124は、電源の一例である。制御装置126は、制御装置の一例である。操作スイッチ128,130,132,134は、操作スイッチの一例である。
【0035】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、本発明の技術を用いて、回路基板への電子部品の装着作業が行われているが、種々の作業を行うことが可能である。具体的には、例えば、被作業体への粘性流体の塗布作業,被作業体への組み付け作業,被作業体への加工処理作業等を行うことが可能である。このため、被作業体としては、回路基板だけでなく、種々のものを採用することが可能である。
【0036】
また、上記実施例では、電磁モータ120,122の作動を制御する制御装置126が、基板保持具100に設けられているが、電子部品装着機10に、電磁モータ120,122の制御装置を設けてもよい。なお、制御装置が電子部品装着機10に設けられる場合には、電子部品装着機10に設けられた制御装置から、例えば、基板保持具に具備された受信機能を通じて無線通信された指令データ等が電磁モータ120,122に送信され、その指令データにより、電磁モータ120,122の作動が制御される。
【0037】
また、上記実施例では、基板保持具100に回路基板116の傾斜角度を変更するための電磁モータ120,122が設けられているが、電磁モータが設けられていない基板保持具であっても、電子部品装着機10による回路基板116への装着作業を行うことが可能である。具体的には、例えば、図3に示す基板保持具140を、電磁モータが設けられていない基板保持具の一例として、以下に説明する。
【0038】
基板保持具140は、固定板142と回転板144とを有している。固定板142と回転板144とは、基板保持具100の固定板102と回転板104と同様の構造とされており、軸146を中心に相対回転する。また、回転板144の上面には、基板保持具100の保持機構106と同じものが固定されている。この基板保持具140では、基板保持具100と同様に、平坦でない面を有する回路基板116が、基板保持部112によって固定的に保持され、回路基板116の傾斜角度が、基板保持部112の揺動により変化する。なお、基板保持具140では、固定板142と回転板144との相対回転時、および、基板保持部112の揺動時には、基板保持具100と異なり、例えば、ボールプランジャ等の機械的ノッチ機構やワンウェイクラッチ等を各々の回転軸部に具備しておくことで、各々の動作位置を維持することが可能となる。
【0039】
基板保持具140によって保持された回路基板116には、回路基板116の傾斜角度
を変更するための作業機を含むシステムによって、装着作業が行われる。そのシステムは、図4に示すように、回路基板116の傾斜角度を変更するための作業機150と、2台の電子部品装着機10とを備えている。作業機150は、電子部品装着機10の搬送装置20と同じ構造の搬送装置152を有しており、その搬送装置152の上流側には、電子部品装着機10aの搬送装置20が接続され、下流側には、電子部品装着機10bの搬送装置20が接続されている。これにより、回路基板116を保持した基板保持具140は、電子部品装着機10a,作業機150,電子部品装着機10bの順に搬送される。
【0040】
作業機150は、さらに、回転機構154と揺動機構156とを有している。回転機構154は、搬送装置152によって搬送される基板保持具140の回転板144を回転させるための機構であり、揺動機構156は、搬送装置152によって搬送される基板保持具140の基板保持部112を揺動させるための機構である。
【0041】
上記構造とされたシステムでは、回路基板116の第1装着部118aの位置する平面が水平となるように、基板保持具140を電子部品装着機10aの搬送装置20によって搬送し、電子部品装着機10aでの装着作業を行うことで、回路基板116の第1装着部118aに電子部品が装着される。次に、作業機150において、揺動機構156によって、回路基板116の第2装着部118bの位置する平面が水平となるように、基板保持部112を揺動させる。そして、第2装着部118bの位置する平面が水平となる状態で回路基板116を保持した基板保持具140に対して、電子部品装着機10bが装着作業を行うことで、回路基板116の第2装着部118bに電子部品が装着される。これにより、回路基板116の互いに傾斜している第1装着部118aと第2装着部118bとに電子部品が装着される。
【符号の説明】
【0042】
10:電子部品装着機(作業機) 100:基板保持具(被作業体保持具) 102:固定板(パレット) 106:保持機構 116:回路基板(被作業体) 120:電磁モータ(アクチュエータ) 122:電磁モータ(アクチュエータ) 124:バッテリ(電源) 126:制御装置 128:操作スイッチ 130:操作スイッチ 132:操作スイッチ 134:操作スイッチ
図1
図2
図3
図4