(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記店舗に来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、前記来店情報が登録されていない利用客及び当該利用客に同伴した常連客がいると判定した場合、当該来店情報が登録されていない利用客の識別情報を当該同伴した常連客の識別情報と紐付けた紹介者情報を生成する紹介部を有し、
前記ポイント部は、前記紹介者情報に基づいて、前記同伴した常連客以外の前記ある常連客に対して前記ポイント情報を生成することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜
図4を参照して、実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0012】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、カラオケスナックのような、店員が利用客を接客する店舗HBに設置される。カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用客がカラオケ歌唱を行うための装置である。
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、及び撮影手段60を備える。
【0013】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20は、カラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30は、カラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は、利用客が行ったカラオケ歌唱に基づく歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。撮影手段60は、店舗に来店した利用客を撮影するためのカメラである。撮影手段60は、入店した利用客の撮影用や着席している利用客の撮影用等、用途に応じて複数設けられていてもよい。また撮影手段60は、カラオケ装置Kとは別に設けられていてもよい。
【0014】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、及び制御手段10dを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0015】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、カラオケ装置Kによりカラオケ演奏を行うための複数の楽曲データを記憶する。
【0016】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。
【0017】
本実施形態において、記憶手段10aは、来店情報、分析情報、及びポイント情報(いずれも後述)を記憶する。
【0018】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、店員が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0019】
[制御手段]
制御手段10dは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10dは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0020】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10dは、登録部100、分析部200、及びポイント部300として機能する。
【0021】
(登録部)
登録部100は、店舗に来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、来店情報を登録または更新する。
【0022】
来店情報は、利用客が店舗へ来店した来店回数を当該利用客の識別情報と紐付けたものである。
【0023】
利用客の識別情報は、たとえば、利用客毎に設定された文字列(すなわち利用客ID)のような、利用客毎に固有の情報である。識別情報は、利用客の顔画像データと対応付けられている。なお、識別情報は、予め設定されたニックネームであってもよいし、顔画像データそのものであってもよい。
【0024】
たとえば、利用客UNが店舗HBに入店したとする。撮影手段60は、入店時に利用客UNの撮影を行い、利用客UNの顔画像を特定する。撮影された映像の中から顔画像を特定する方法は公知の手法を用いることができる。撮影手段60は、特定した顔画像を示す顔画像データを出力する。
【0025】
登録部100は、利用客UNの顔画像データが記憶手段10aに記憶されているかどうかを確認する。顔画像データが記憶手段10aに記憶されていない場合、登録部100は、識別情報ID***Nを新たに生成して利用客UNの顔画像データと対応付け、且つ来店回数「1回」を紐付けることで利用客UNの来店情報を新たに作成し、記憶手段10aに登録する。
【0026】
一方、利用客UNの入店後に、利用客U1が店舗HBに入店したとする。撮影手段60は、入店時に利用客U1の撮影を行い、顔画像データを出力する。
【0027】
登録部100は、利用客U1の顔画像データが記憶手段10aに記憶されているかどうかを確認する。顔画像データが記憶手段10aに記憶されている場合、登録部100は、利用客U1の識別情報ID***1に紐付けられている来店回数を1回増やすことで利用客U1の来店情報を更新する。
【0028】
なお、登録部100は、利用客が来店する都度、来店回数を増やすことにより来店情報を更新してもよいし、来店回数が第1の所定回数(後述)に達した後は、来店情報の更新を行わなくてもよい。
【0029】
(分析部)
分析部200は、店舗に来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、来店回数が第1の所定回数以上の利用客である一の常連客と会話を行う、来店回数が当該第1の所定回数より少ない第2の所定回数以下の利用客である新規客の感情を分析し、分析情報を生成する。
【0030】
第1の所定回数及び第2の所定回数は予め設定されている。たとえば、第1の所定回数を「10回」、第2の所定回数を「5回」とした場合、来店回数が10回以上の利用客が常連客に該当し、来店回数が5回以下の利用客が新規客に該当する。なお、この場合、来店回数が6回〜9回の利用客は、常連客また新規客のいずれにも該当しない。また、第1の所定回数と第2の所定回数を連続する値(たとえば、第1の所定回数を「10回」、第2の所定回数を「9回」)とすることにより、全ての利用客を常連客または新規客として扱うことができる。このように、本実施形態における新規客とは、店舗を初めて訪れた利用客だけでなく、店舗を訪れた回数が少ない利用客(具体的には第2の所定回数以下の利用客)を含む。
【0031】
顔画像データに基づく感情の分析は、公知の技術を利用することができる。分析結果は、たとえば0.0(退屈している)〜10.0(楽しんでいる)までの数値として示すことができる。
【0032】
分析情報は、分析結果を一の常連客及び新規客の識別情報と紐付けたものである。
【0033】
たとえば、2020年3月27日、利用客UN及び利用客U1が店舗HBに滞在しているとする。また、利用客UNは店舗HBに初めて来店した客である一方、利用客U1は店舗HBへの来店回数が10回以上の客であるとする。なお、以下の説明において、第1の所定回数を「10回」とし、第2の所定回数を「5回」とする。
【0034】
ここで、利用客U1が利用客UNに話しかけ、会話を行ったとする。撮影手段60は、会話をする利用客UN及び利用客U1の撮影を行い、それぞれの顔画像データを取得する。
【0035】
分析部200は、利用客UNの顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客UNの来店情報における来店回数を参照する。利用客UNは店舗HBに初めて来店した客(すなわち、来店回数は1回)である。この場合、分析部200は、利用客UNが新規客であると判断する。
【0036】
一方、分析部200は、利用客U1の顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客U1の来店情報における来店回数を参照する。利用客U1は店舗HBに10回以上、来店した客である。この場合、分析部200は、利用客U1が常連客であると判断する。
【0037】
その後、分析部200は、撮影した利用客UNの顔画像データに基づいて感情を分析することにより、分析結果の値として「7.9」を得たとする。分析部200は、分析結果の値「7.9」を利用客U1の識別情報ID***1及び利用客UNの識別情報ID***Nと紐付けた分析情報を生成する。分析部200は、生成した分析情報を記憶手段10aに記憶させる。
【0038】
2020年4月3日、利用客UNが再び店舗HBを訪れたとする。この場合、利用客UNの顔画像データが記憶手段10aに記憶されているため、登録部100は、利用客UNの識別情報ID***Nに紐付けられている来店回数を1回増やす(合計2回)ことで来店情報を更新する。
【0039】
また、利用客UNが店舗HBを訪れた時点で利用客U2及び利用客U3が店舗HBに滞在しているとする。利用客U2及び利用客U3は店舗HBへの来店回数が10回以上の客であるとする。
【0040】
ここで、まず、利用客U2が利用客UNに話しかけ、会話を行ったとする。撮影手段60は、会話をする利用客UN及び利用客U2の撮影を行い、それぞれの顔画像データを取得する。
【0041】
分析部200は、利用客UNの顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客UNの来店情報における来店回数を参照する。この例において、利用客UNの来店回数は2回である。この場合、分析部200は、利用客UNが新規客であると判断する。
【0042】
一方、分析部200は、利用客U2の顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客U2の来店情報における来店回数を参照する。利用客U2は店舗HBに10回以上、来店した客である。この場合、分析部200は、利用客U2が常連客であると判断する。
【0043】
その後、分析部200は、撮影した利用客UNの顔画像データに基づいて感情を分析することにより、分析結果の値として「5.4」を得たとする。分析部200は、分析結果の値「5.4」を利用客U2の識別情報ID***2及び利用客UNの識別情報ID***Nと紐付けた分析情報を生成する。分析部200は、生成した分析情報を記憶手段10aに記憶させる。
【0044】
利用客U2との会話が終わった後、利用客U3が利用客UNに話しかけ、会話を行ったとする。撮影手段60は、会話をする利用客UN及び利用客U3の撮影を行い、それぞれの顔画像データを取得する。
【0045】
分析部200は、利用客UNの顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客UNの来店情報における来店回数を参照する。この例において、利用客UNの来店回数は2回である。この場合、分析部200は、利用客UNが新規客であると判断する。
【0046】
一方、分析部200は、利用客U3の顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客U3の来店情報における来店回数を参照する。利用客U2は店舗HBに10回以上、来店した客である。この場合、分析部200は、利用客U3が常連客であると判断する。
【0047】
その後、分析部200は、撮影した利用客UNの顔画像データに基づいて感情を分析することにより、分析結果の値として「3.5」を得たとする。分析部200は、分析結果の値「3.5」を利用客U3の識別情報ID***3及び利用客UNの識別情報ID***Nと紐付けた分析情報を生成する。分析部200は、生成した分析情報を記憶手段10aに記憶させる。
【0048】
2020年4月10日、利用客UNが三度、店舗HBを訪れたとする。この場合、利用客UNの顔画像データが記憶手段10aに記憶されているため、登録部100は、利用客UNの識別情報ID***Nに紐付けられている来店回数を1回増やす(合計3回)ことで来店情報を更新する。
【0049】
また、利用客UNが店舗HBを訪れた時点で利用客U1及び利用客U6が店舗HBに滞在しているとする。利用客U1は店舗HBへの来店回数が10回以上の客である一方、利用客U6は店舗HBへの来店回数が7回の客であるとする。
【0050】
ここで、まず、利用客U1が利用客UNに話しかけ、会話を行ったとする。撮影手段60は、会話をする利用客UN及び利用客U1の撮影を行い、それぞれの顔画像データを取得する。
【0051】
分析部200は、利用客UNの顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客UNの来店情報における来店回数を参照する。この例において、来店回数は3回である。この場合、分析部200は、利用客UNが新規客であると判断する。
【0052】
一方、分析部200は、利用客U1の顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客U1の来店情報における来店回数を参照する。利用客U1は店舗HBに10回以上、来店した客である。この場合、分析部200は、利用客U1が常連客であると判断する。
【0053】
その後、分析部200は、撮影した利用客UNの顔画像データに基づいて感情を分析することにより、分析結果の値として「8.6」を得たとする。分析部200は、分析結果の値「8.6」を利用客U1の識別情報ID***1及び利用客UNの識別情報ID***Nと紐付けた分析情報を生成する。分析部200は、生成した分析情報を記憶手段10aに記憶させる。
【0054】
利用客U1との会話が終わった後、利用客U6が利用客UNに話しかけ、会話を行ったとする。撮影手段60は、会話をする利用客UN及び利用客U6の撮影を行い、それぞれの顔画像データを取得する。
【0055】
分析部200は、利用客UNの顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客UNの来店情報における来店回数を参照する。この例において、来店回数は3回である。この場合、分析部200は、利用客UNが新規客であると判断する。
【0056】
一方、分析部200は、利用客U6の顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客U6の来店情報における来店回数を参照する。利用客U6は店舗HBに7回来店した客である。この場合、分析部200は、利用客U6が常連客でも新規客でもないと判断する。従って、分析部200は、新規客である利用客UNの感情の分析は行わない。
【0057】
図3Aは、記憶手段10aに記憶された上述の分析情報を示した図である。なお、
図3Aは、利用客UNが店舗HBを4回目に訪れた際の分析情報も含む。ここで、利用客U4及び利用客U5は店舗HBへの来店回数が10回以上の利用客(すなわち、常連客)である。また、利用客U4の識別情報ID***4、及び利用客U5の識別情報ID***5に紐付けられている分析結果は、上述と同様の処理により求められたものである。
【0058】
(ポイント部)
ポイント部300は、新規客の来店回数が第2の所定回数となった場合、当該新規客の識別情報を含む分析情報に基づいてある常連客の識別情報を抽出し、抽出した当該ある常連客の識別情報を店舗において提供される商品及び/またはサービスに対する支払いに充当可能なポイントと紐付けたポイント情報を生成する。
【0059】
店舗において提供される商品は、たとえば飲食物である。店舗において提供されるサービスは、たとえばテーブルチャージである。ポイントは、たとえば1ポイント=1円というように、実際に支払う金額に代えることができる対価である。付与されるポイントは、300ポイント、500ポイント等、予め一の値が設定されている。
【0060】
識別情報の抽出は様々な方法で行うことができる。たとえば、ポイント部300は、各常連客の分析結果の平均値を求め、最も平均値が高い常連客の識別情報を抽出することができる。或いは、ポイント部300は、最も高い分析結果の値が紐付けられている常連客の識別情報を抽出することができる。
【0061】
たとえば、
図3Aのような分析情報がカラオケ装置Kに記憶されている例において、2020年4月24日、利用客UNが再び店舗HBを訪れたとする。この場合、利用客UNの顔画像データが記憶手段10aに記憶されているため、登録部100は、利用客UNの識別情報ID***Nに紐付けられている来店回数を1回増やす(合計5回)ことで来店情報を更新する。
【0062】
また、利用客UNが店舗HBを訪れた時点で利用客U5が店舗HBに滞在しているとする。利用客U5は店舗HBへの来店回数が10回以上の客であるとする。
【0063】
ここで、利用客U5が利用客UNに話しかけ、会話を行ったとする。撮影手段60は、会話をする利用客UN及び利用客U5の撮影を行い、それぞれの顔画像データを取得する。
【0064】
分析部200は、利用客UNの顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客UNの来店情報における来店回数を参照する。この例において、来店回数は5回である。この場合、分析部200は、利用客UNが新規客であると判断する。
【0065】
一方、分析部200は、利用客U5の顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客U5の来店情報における来店回数を参照する。利用客U5は店舗HBに10回以上、来店した客である。この場合、分析部200は、利用客U5が常連客であると判断する。
【0066】
その後、分析部200は、撮影した利用客UNの顔画像データに基づいて感情を分析することにより、分析結果の値として「4.5」を得たとする。分析部200は、分析結果の値「4.5」を利用客U5の識別情報ID***5及び利用客UNの識別情報ID***Nと紐付けた分析情報を生成する。分析部200は、生成した分析情報を記憶手段10aに記憶させる(
図3B参照)。
【0067】
ここで、上述の分析情報を記憶させた場合、利用客UNの来店回数は、第2の所定回数「5回」となる。よって、ポイント部300は、利用客UNの識別情報ID***Nを含む分析情報に基づいて常連客の識別情報を抽出する。
【0068】
この例において、ポイント部300は、利用客毎に分析結果の平均値を求める。
図3Bの場合、分析結果の平均値は、利用客U1が「8.25」であり、利用客U2が「5.4」であり、利用客U3が「3.5」であり、利用客U4が「7.2」であり、利用客U5が「4.8」となる。
【0069】
この場合、ポイント部300は、平均値が最も高い利用客U1の識別情報ID***1を抽出する。
【0070】
ポイント部300は、抽出した利用客U1の識別情報ID***1を予め設定されたポイントと紐付けたポイント情報を生成し、記憶手段10aに記憶させる。
【0071】
その後、利用客U1が店舗HBに来店した場合、ポイント部300は、利用客U1の顔画像データ及び識別情報ID***1に基づいて、利用客U1に対するポイント情報を記憶手段10aから読み出し、カラオケ装置Kの表示装置30やリモコン装置50の表示画面に付与されたポイントの値を表示させる。
【0072】
なお、ポイント部300は、各常連客の分析結果の平均値を求め、平均値が所定値以上である全ての常連客の識別情報を抽出してもよい。たとえば、
図3Bの例において、所定値を「6.0」とした場合、ポイント部300は、利用客U1の識別情報ID***1及び利用客U4の識別情報ID***4を抽出することができる。
【0073】
また、このように複数の利用客の識別情報を抽出した場合、ポイント部300は、複数の利用客の識別情報それぞれに対して予め設定されたポイントを紐付けることができる。たとえば、予め設定されたポイントが500ポイントの場合、ポイント部300は、利用客U1の識別情報ID***1、及び利用客U4の識別情報ID***4それぞれに対して500ポイントを紐付ける。一方、ポイント部300は、予め設定されたポイントを抽出された利用客の人数に応じて分配してもよい。たとえば、予め設定されたポイントが500ポイントの場合、ポイント部300は、利用客U1の識別情報ID***1、及び利用客U4の識別情報ID***4それぞれに対して250ポイントを紐付ける。
【0074】
また、付与されたポイントを、商品及び/またはサービスに対する支払い以外に充当することもできる。たとえば、カラオケ装置Kは、公知の技術により、利用客のカラオケ歌唱を採点することができる。この際、カラオケ装置Kは、付与されたポイントをカラオケ歌唱の採点結果に反映することができる。
【0075】
上述の通り、500ポイントが付与された利用客U1がカラオケ歌唱を行った結果、カラオケ装置Kは、92.5点の採点結果を算出したとする。また、ポイントは、100ポイントで採点結果の1点分に相当するとする。この場合、カラオケ装置Kは、500ポイント分の点数である「5点」を採点結果に加算し、最終的な値として97.5点を出力することができる。
【0076】
==カラオケ装置における処理について==
次に、
図4を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理について述べる。
図4は、カラオケ装置Kにおける処理を示すフローチャートである。カラオケ装置Kは、店舗HBに設置されている。また、利用客UNは、初めて店舗HBを訪れる新規客であるとする。更に、複数の常連客の来店情報が記憶手段10aに記憶されているとする。
【0077】
店舗HBに利用客UNが入店した場合、撮影手段60は利用客UNの撮影を行う(来店した新規客を撮影。ステップ10)。撮影手段60は、撮影して得られた顔画像データを出力する。
【0078】
登録部100は、利用客UNの顔画像データに基づいて、利用客UNが店舗HBへ来店した来店回数を利用客の識別情報と紐付けた来店情報を登録する(来店情報を登録。ステップ11)。その後、利用客UNは、店舗HBに滞在している常連客との会話を行う。
【0079】
分析部200は、店舗に来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、一の常連客と会話を行う利用客UNの感情を分析し、分析結果を当該一の常連客及び利用客UNの識別情報と紐付けた分析情報を生成する。分析部200は、分析情報を記憶手段10aに記憶させる(分析情報を記憶。ステップ12)。
【0080】
その後、別の日に利用客UNが店舗HBを再訪したとする。
【0081】
店舗HBに利用客UNが入店した場合、撮影手段60は利用客UNの撮影を行う(再訪した新規客を撮影。ステップ13)。撮影手段60は、撮影して得られた顔画像データを出力する。
【0082】
登録部100は、利用客UNの顔画像データに基づいて、利用客UNの来店情報を更新する(来店情報を更新。ステップ14)。その後、利用客UNは、店舗HBに滞在している常連客との会話を行う。
【0083】
分析部200は、ステップ12と同様、一の常連客と会話を行う利用客UNの感情を分析し、分析結果を当該一の常連客及び利用客UNの識別情報と紐付けた分析情報を新たに生成する。分析部200は、新たな分析情報を記憶手段10aに記憶させる(新たな分析情報を記憶。ステップ15)。
【0084】
ここで、利用客UNの来店回数が第2の所定回数となった場合(ステップ16でYの場合)、ポイント部300は、利用客UNの識別情報を含む分析情報に基づいてある常連客の識別情報を抽出し、抽出した当該ある常連客の識別情報を店舗HBにおいて提供される商品及び/またはサービスに対する支払いに充当可能なポイントと紐付けたポイント情報を生成する(ある常連客に対するポイント情報を生成。ステップ17)。
【0085】
その後、ある常連客が店舗HBに来店した場合、ポイント部300は、ポイント情報に基づいてある常連客に付与されたポイントの値を、表示装置30等に表示させる(ある常連客に対してポイントを表示。ステップ18)。
【0086】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、店員が利用客を接客する店舗HBに設置される。カラオケ装置Kは、店舗HBに来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、当該利用客が店舗HBへ来店した来店回数を当該利用客の識別情報と紐付けた来店情報を登録または更新する登録部100と、店舗HBに来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、来店回数が第1の所定回数以上の利用客である一の常連客と会話を行う、来店回数が当該第1の所定回数より少ない第2の所定回数以下の利用客である新規客の感情を分析し、分析結果を当該一の常連客及び当該新規客の識別情報と紐付けた分析情報を生成する分析部200と、新規客の来店回数が第2の所定回数となった場合、当該新規客の識別情報を含む分析情報に基づいてある常連客の識別情報を抽出し、抽出した当該ある常連客の識別情報を店舗HBにおいて提供される商品及び/またはサービスに対する支払いに充当可能なポイントと紐付けたポイント情報を生成するポイント部300と、を有する。
【0087】
このようなカラオケ装置Kによれば、新規客の感情の分析結果に基づいて特定の常連客に対して所定のポイントを付与することができる。特定の常連客との会話を楽しんだ新規客は、店舗HBを再訪する可能性が高くなる。このような常連客は、新規客の店舗HBへの再訪に貢献しているといえる。よって、このような常連客に所定のポイントを付与することにより、常連客の満足度も高めることができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、新規客のナイト店舗への再訪に貢献した常連客に対して対価を付与することができる。
【0088】
<変形例1>
店舗HBを訪れた利用客は、カラオケ装置Kを利用してカラオケ歌唱を行うことができる。また、ナイト店舗のような業態の場合、1回のカラオケ歌唱に対して料金が発生する。従って、利用客がカラオケ歌唱を行った場合、店舗としての売り上げが増加する。本変形例では、新規客がカラオケ歌唱を行った場合に、特定の常連客に対して付与されるポイントを加算する例について説明する。
【0089】
本変形例に係る登録部100は、新規客がカラオケ歌唱を行った歌唱回数を、当該新規客の識別情報と紐付けることにより来店情報を更新する。
【0090】
たとえば、実施形態の例において、2020年4月3日に店舗HBを再訪した利用客UNがカラオケ装置Kを利用してカラオケ歌唱を行うとする。この場合、撮影手段60は、カラオケ歌唱する利用客UNの撮影を行い、顔画像データを取得する。
【0091】
登録部100は、利用客UNの顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている利用客UNの来店情報における歌唱回数を1回増やすことで来店情報を更新する。
【0092】
なお、カラオケ歌唱に伴う来店情報の更新は、上記例に限られない。たとえば、店舗HBの店員は、利用客UNがある楽曲のカラオケ歌唱を希望した際、リモコン装置50を介して当該ある楽曲の識別情報と利用客UNの識別情報とを入力する。カラオケ装置Kは、入力されたある楽曲の識別情報及び利用客UNの識別情報を予約待ち行列に登録する。登録部100は、予約待ち行列に登録されたある楽曲のカラオケ演奏が開始された場合、予約待ち行列を参照して利用客UNの識別情報を取得する。そして、登録部100は、取得した利用客UNの識別情報に基づいて来店情報を特定し、歌唱回数を1回増やすことで来店情報の更新を行うことができる。或いは、利用客UNがカラオケ歌唱を行った場合、記憶手段10aは利用者UNの歌唱履歴を記憶する。歌唱履歴は、利用客の識別情報やカラオケ歌唱を行った楽曲の識別情報等を含む。登録部100は、利用客UNの歌唱履歴を参照することで利用客UNの識別情報を取得することができる。
【0093】
本変形例に係るポイント部300は、新規客の識別情報に紐付けられた歌唱回数に基づいて、ある常連客の識別情報に紐付けるポイントを加算する。加算するポイントは、たとえば「カラオケ歌唱1回あたり50ポイント」のように、予め一の値が設定されている。
【0094】
ここで、実施形態の例において、2020年4月3日に利用客UNがカラオケ歌唱を1回行い、2020年4月10日に利用客UNがカラオケ歌唱を2回行い、2020年4月17日に利用客UNがカラオケ歌唱を3回行い、2020年4月24日に利用客UNがカラオケ歌唱を3回行ったとする。この場合、利用客UNの来店情報には、歌唱回数として「9回」が登録されている。
【0095】
ここで、利用客UNの来店回数が第2の所定回数となった場合、ポイント部300は、利用客UNの識別情報を含む分析情報に基づいて常連客である利用客U1の識別情報を抽出する。
【0096】
そして、ポイント部300は、予め設定されたポイント(たとえば、500ポイント)を付与する際、歌唱回数に応じたポイント(たとえば50ポイント×9回=450ポイント)を加算し、合計950ポイントを利用客U1の識別情報と紐付けたポイント情報を生成し、記憶手段10aに記憶させる。
【0097】
以上から明らかなように、本変形例において、登録部100は、新規客がカラオケ歌唱を行った歌唱回数を、当該新規客の識別情報と紐付けることにより来店情報を更新する。また、ポイント部300は、新規客の識別情報に紐付けられた歌唱回数に基づいて、ある常連客の識別情報に紐付けるポイントを加算する。このように新規客がカラオケ歌唱を行った場合には付与するポイントを加算することにより、店舗の売り上げ増加に伴う利益の一部を常連客に対して還元することができる。
【0098】
なお、登録部100は、歌唱回数だけでなく、新規客がオーダーした飲食物の金額やリクエストしたサービスの金額を来店情報に含めてもよい。
【0099】
この場合、ポイント部300は、新規客の識別情報に紐付けられた金額に基づいて、ある常連客の識別情報に紐付けるポイントを加算する。加算するポイントは、たとえば、金額の10%のように、予め設定されている所定の基準に基づいて算出される。
【0100】
<変形例2>
次に
図5を参照して変形例2について説明する。ナイト店舗では、新規客を開拓するために、新規客を同伴した常連客に対してドリンク一杯を無料とする等のキャンペーンを行うことがある。この場合、新規客を同伴した常連客は、キャンペーンの恩恵を受けることができる。一方、実施形態で説明したようなポイントが新規客を同伴した常連客に対して付与された場合、当該常連客は複数のメリットを享受できる一方、新規客が会話を楽しんだ他の常連客にはメリットがない。本変形例では、このような場合に、新規客を同伴した常連客以外の常連客に対してポイントを付与する例について説明する。
【0101】
本変形例において、制御手段10dは、登録部100、分析部200、ポイント部300、及び紹介部400として機能する(
図5参照)。
【0102】
(紹介部)
紹介部400は、店舗に来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、来店情報が登録されていない利用客及び当該利用客に同伴した常連客がいると判定した場合、当該来店情報が登録されていない利用客の識別情報を当該同伴した常連客の識別情報と紐付けた紹介者情報を生成する。
【0103】
たとえば、利用客U1が利用客UNを同伴して店舗HBに入店したとする。撮影手段60は、入店時に利用客UN及び利用客U1の撮影を行い、それぞれの顔画像を特定する。撮影手段60は、特定した顔画像を示す顔画像データを出力する。
【0104】
ここで、紹介部400は、各利用客の顔画像データに基づいて、記憶手段10aに記憶されている来店情報における来店回数を参照する。この例において、紹介部400は、利用客UNについて来店情報が登録されていない新規客であり、利用客U1について来店情報に含まれる来店回数が第1の所定回数以上の常連客であると判定したとする。
【0105】
この場合、紹介部400は、利用客UNの識別情報ID***Nを利用客U1の識別情報ID***1と紐付けた紹介情報を生成する。紹介部400は、生成した紹介情報を記憶手段10aに記憶させる。
【0106】
その後、
図3Bに示したように、利用客UNの来店回数が第2の所定回数「5回」となったとする。この場合、ポイント部300は、利用客UNの識別情報を含む分析情報に基づいて常連客の識別情報を抽出する。
【0107】
その際、本変形例に係るポイント部300は、紹介者情報に基づいて、同伴した常連客以外の常連客に対してポイント情報を生成する。
【0108】
この例において、ポイント部300は、利用客毎に分析結果の平均値を求める。
図3Bの場合、分析結果の平均値は、利用客U1が「8.25」であり、利用客U2が「5.4」であり、利用客U3が「3.5」であり、利用客U4が「7.2」であり、利用客U5が「4.8」となる。
【0109】
次に、ポイント部300は、利用客UNの識別情報ID***Nを含む紹介者情報を参照する。この例では、紹介者情報に利用客U1の識別情報ID***1が含まれる。
【0110】
よって、ポイント部300は、利用客毎に求めた分析結果の平均値が最も高い利用客U1は利用客UNに同伴した利用客であると判断し、ポイント情報を生成する対象から除外する。従って、ポイント部300は、利用客U1の次に平均値が高い利用客U4の識別情報ID***4を抽出する。
【0111】
ポイント部300は、抽出した利用客U4の識別情報ID***4を予め設定されたポイントと紐付けたポイント情報を生成し、記憶手段10aに記憶させる。
【0112】
以上から明らかなように、本変形例において、カラオケ装置Kは、店舗に来店した利用客を撮影して得られる顔画像データに基づいて、来店情報が登録されていない利用客及び当該利用客に同伴した常連客がいると判定した場合、当該来店情報が登録されていない利用客の識別情報を当該同伴した常連客の識別情報と紐付けた紹介者情報を生成する紹介部400を有する。また、本変形に係るポイント部300は、紹介者情報に基づいて、同伴した常連客以外の常連客に対してポイント情報を生成する。このようなカラオケ装置Kによれば、新規客を同伴した常連客以外の常連客に対してポイントを付与することができる。
【0113】
なお、上述のポイント部300による処理の代わりに、紹介者情報に識別情報が含まれる利用客同士(上記例であれば利用客UN及び利用客U1)が会話を行う場合には、分析部200が感情の分析を行わないこととしてもよい。
【0114】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【解決手段】来店情報を登録または更新する登録部、来店回数が第1の所定回数以上の利用客である一の常連客と会話を行う、来店回数が当該第1の所定回数より少ない第2の所定回数以下の利用客である新規客の感情を分析し、分析結果を当該一の常連客及び当該新規客の識別情報と紐付けた分析情報を生成する分析部、新規客の来店回数が前記第2の所定回数となった場合、ある常連客の識別情報を抽出し、ポイント情報を生成するポイント部を有するカラオケ装置。