(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、同一又は対応する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。また、以下に用いる図面は本実施形態を説明するために用いるものであり、実際の寸法とは異なる場合がある。
また、各図面において、図中に白抜きの矢印がある場合、当該白抜きの矢印は気流の方向を表す。
【0014】
図1は、本実施形態に係る紫外線殺菌装置1を上面から見た断面図である。
図1に示すように、空気流入口102から空気が流入する方向(紙面左方向)をx軸方向、紙面下方向をy軸方向、そして紙面に直交する方向で、裏面から表面に向かう方向をz軸方向とする。
【0015】
なお、空気は不定形のものであり、局所的には三次元空間を自由に流動するものであるが、以下では説明を簡単にするために、空気が筐体10の内壁と気流制御部材18によって形成される導風路に従って流動するものとし、当該空気の流れをx軸、y軸等の表現を用いて説明する。
【0016】
(実施形態の概要)
図1に示すように、本実施形態の紫外線殺菌装置1は筐体10を備える。そして、筐体10内部に、紫外線殺菌灯14と、気流制御部材18(第一の気流制御板182、第二の気流制御板184)と、三次元繊維構造体20と、紫外線反射部22とを備える。第一の気流制御板182の空気流入口102に対向する面には、三次元繊維構造体20が配設される。三次元繊維構造体20は、ウィルス等を捕集するとともに、その表面上で筐体10内の紫外線を乱反射させることで、効率的にウィルス等を殺菌する。
本実施形態の紫外線殺菌装置1は、気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って三次元繊維構造体20を備えるため、三次元繊維構造体20が気流の抵抗となりにくく、効率的に空気を殺菌処理することができる。
【0017】
また
図3に示すように、本実施形態の室内還流型紫外線殺菌装置30は、上述の紫外線殺菌装置1と、風量装置32と、吹出口36と、ダクト38(第一のダクト382、第二のダクト384)と、を備える。室内還流型紫外線殺菌装置30は、紫外線殺菌装置1を天井裏に配設し、さらに紫外線殺菌灯14を紫外線殺菌装置1の筐体10内部に配設するため、紫外線が部屋の内部に漏出することを抑止する。また、室内還流型紫外線殺菌装置30は、その構成要素を天井裏に配設するため、居住空間を圧迫せず、室内の静音性を維持する。
【0018】
風量装置32と吹出口36は離間しているため、紫外線殺菌装置1により浄化された空気が、再度風量装置32に取り込まれることが起こりにくく、効率的に殺菌を行うことができる。
また、風量装置32と、吹出口36と、紫外線殺菌装置1とが、ダクト38により介設されているため、風量装置32、吹出口36、紫外線殺菌装置1それぞれの配置設計の自由度が高く、またこれらの配設箇所の変更が容易である。
そして、風量装置32には送風量の大きい送風ファン34を用いているため、大量の空気を処理することができ、広い室内の換気・殺菌処理を行うことができる。
【0019】
(実施形態の詳細)
以下、本実施形態の紫外線殺菌装置1と、紫外線殺菌装置1を含む室内還流型紫外線殺菌装置30について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
<紫外線殺菌装置1>
図1に示すように、本実施形態の紫外線殺菌装置1は、空気流入口102および空気流出口104を有する筐体10を備える。そして、筐体10は内部に紫外線殺菌灯14と、殺菌灯保持部16と、気流制御部材18(第一の気流制御板182、第二の気流制御板184)と、三次元繊維構造体20と、紫外線反射部22とを備える。
【0021】
本実施形態の紫外線殺菌装置1は、屋内の遮蔽箇所に配設される。ここで、屋内の遮蔽箇所とは、建物内であって人が通常立ち入らない箇所を指す。屋内の遮蔽箇所について例示すると、天井裏や、パイプスペースのような壁面裏側に設けられた空間、あるいは床下を指す。このような場所に配設されることで、紫外線が居住空間に漏出することを防止する。また、紫外線殺菌装置1が大量の空気を処理しても居住空間の静音性が保たれる。
後述する風量装置32や吹出口36を天井に埋設することが好ましいため、紫外線殺菌装置1も天井裏に配設することが好ましい。この場合、ダクト38の長さを節約できるため経済的であり、メンテナンス性に優れる。
【0022】
<筐体10>
筐体10は、紫外線殺菌装置1の外殻を構成する、中空の箱である。筐体10は空気流入口102と、空気流出口104を備える。空気流入口102と空気流出口104はそれぞれ筐体10に開けられた孔である。本実施形態において、空気流入口102と空気流出口104は円形の孔である。空気流入口102から流入する空気が中空の筐体10内部を通過し、空気流出口104から流出する。
空気流入口102と空気流出口104にはそれぞれダクト連結部12が隙間なく接続しており、当該ダクト連結部12には後述するダクト38が連結する。
【0023】
筐体10は例えば金属製の箱である。本実施形態において、筐体10はステンレス製である。筐体10を金属製にすることで、後述する紫外線殺菌灯14が出射する紫外線が筐体10内で繰り返し反射し、浮遊するウィルス等をより効率的に殺菌する。
【0024】
<紫外線殺菌灯14>
紫外線殺菌灯14は、200ナノメートル以上300ナノメートル以下の波長範囲にピーク波長を有する紫外線を出射する光源である。ピーク波長とは、紫外線の発光強度が最大となる波長を意味する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の紫外線殺菌灯14は長尺状の殺菌灯である。本実施形態における紫外線殺菌灯14は筐体10内部にあって、筐体の長手方向に沿う形で配設される。また、紫外線殺菌灯14は筐体10内壁に固設される殺菌灯保持部16により保持される。
【0026】
本実施形態における紫外線殺菌灯14に用いられるガラス管は200ナノメートルから300ナノメートルの波長の紫外線を効率的に透過する一方で、200ナノメートル以下の紫外線をほとんど遮断する。そのため、本実施形態の紫外線殺菌灯14は、オゾンまたはイオンをほとんど外部に放出しない。
【0027】
ここで、紫外線の殺菌作用は、波長253.7ナノメートル付近が最も強く、その殺菌力は直射日光にも含まれている波長350ナノメートルの紫外照射の約1600倍にも達する。
【0028】
よって、紫外線殺菌灯14が出射する紫外線のピーク波長は200ナノメートル以上300ナノメートル以下の波長範囲にあることが好ましく、244ナノメートル以上264ナノメートル以下の波長範囲にあることがより好ましい。
本実施形態における紫外線殺菌灯14が出射する紫外線は、ピーク波長が253ナノメートルにある。本実施形態の紫外線殺菌灯14の分光分布は、253ナノメートルの波長の発光強度を100%とした場合、200ナノメートル以下の波長における発光強度は10%未満である。
【0029】
<気流制御部材18>
気流制御部材18は、筐体10内部に配設され、筐体10内の気流を制御する部材である。気流制御部材18は筐体10内壁と共に、流入する空気の流路を形成する。気流制御部材18として例えば、金属板が挙げられる。ただし気流制御部材18は金属に限られるものではなく、紫外線を透過するプラスチック材料であってもよい。
【0030】
本実施形態の紫外線殺菌装置1は、気流制御部材18として第一の気流制御板182と第二の気流制御板184とを備える。
図1に示すように、本実施形態の第一の気流制御板182と第二の気流制御板184はそれぞれy−z平面を有し、筐体10内壁と共に、空気の流路を形成する。第一の気流制御板182、第二の気流制御板184ともに、ステンレス製の板である。
【0031】
<第一の気流制御板182>
図1に示すように、本実施形態の第一の気流制御板182は空気流入口102の軸方向に対向する面を有し、かつ空気流入口102から離間した位置に配設される気流制御部材である。
【0032】
空気流入口102からx軸略正方向に流入した空気は、第一の気流制御板182に衝突し、流れる方向をy軸略正方向に転換する。その後、気流は筐体10下側の内壁に衝突し、再びx軸略正方向に進む。言い換えると、流入した空気は第一の気流制御板182により、クランク型の流路を形成する。
【0033】
ここで、空気流入口102の軸方向に対向する面とは、空気流入口102の中心軸の延長線と交わる第一の気流制御板182の面であって、空気流入口102側の面を意味する。軸方向に対向する面は、当該軸方向と略直交する面であることが好ましい(後述)。
【0034】
図1を例に説明すると、空気流入口102の中心軸はx軸に平行である。よって、第一の気流制御板182における空気流入口102の軸方向に対向する面とは、第一の気流制御板182のy−z平面で形成される面のうち、空気流入口102側の面を指す。
【0035】
<第二の気流制御板184>
第二の気流制御板184は、空気流出口104の軸方向に対向する面を有し、かつ空気流出口104から離間した位置に配設される気流制御部材である。
上述した第一の気流制御板182の脇を通過してx軸略正方向に進行する気流は、続いて第二の気流制御板184に衝突し、今度はy軸略負方向に進む。その後、気流は筐体10上側の内壁に衝突し、再びx軸略正方向に進む。言い換えると、侵入した空気は再度クランク型の流路を形成する。
【0036】
空気流入口102から筐体10内部に流入する空気は、第一の気流制御板182、第二の気流制御板184により、略S字の流路を描いて空気流出口104に至る。第一の気流制御板182および第二の気流制御板184により、筐体10内を流れる空気の流路が長くなるため、ウィルス等を含む空気はより長時間紫外線を照射されることになる。これにより、第一の気流制御板182および第二の気流制御板184が無い場合と比べ、本実施形態の紫外線殺菌装置1は殺菌効率が向上する。
【0037】
ここで、気流制御部材を配設する角度について補足する。
図1に示すように、x−y平面において、筐体10内壁と、気流制御部材18(ここでは第一の気流制御板182)とが成す角度を流路角度αとする。
【0038】
図1における流路角度αは90度である。ただし、流路角度は常に90度に限定されるものではなく、上記の機能を発揮する角度であれば良い。ただし、効率的にウィルス等を捕集し、殺菌効率を上げるため、流路角度は90度から135度の間がより好ましい。さらに、流路角度が90度に近く、気流の進行方向と、気流の進行方向に対向する筐体10内壁面とが略直交することがより好ましい。
【0039】
なお、流路角度が90度より極端に小さくなると(例えば45度)、気流制御部材18と筐体10内壁とによる導風路が袋小路を形成することになるため、好ましくない。しかし
図8のように、気流制御板が筐体10側壁面(x−z平面またはy−z平面)と接しない場合は袋小路が形成されないため、この限りではない。
【0040】
<三次元繊維構造体20>
三次元繊維構造体20は、三次元網目構造を備える繊維状部材である。また、三次元繊維構造体20はウィルスまたは細菌を捕集する空孔を備える。
本実施形態において、三次元繊維構造体20は板状のロックウールである。本実施形態のロックウールは孔径が0.01マイクロメートル以上2マイクロメートル以下の空孔を有する。
【0041】
なお、孔径は例えば電子顕微鏡による観察や、PMI(Porous Materials,Inc)社製のパームポロメーターを用いて細孔径分布を測定することにより求めることができる。ウィルス核の大きさが約0.01マイクロメートルであり、またウィルス核が水分に取り込まれたウィルス飛沫の大きさが約2マイクロメートルであるため、上記大きさの空孔を有する素材は効率的にウィルス等を捕集する。
ここで、ウィルスまたは細菌とは、三次元繊維構造体20により捕集可能な、室内空気の汚染原因となる微生物を含む。
【0042】
また、三次元繊維構造体20は、少なくとも前記紫外線殺菌灯が出射する紫外線を乱反射する表面を備える。ここで少なくともとは、三次元繊維構造体20がその立体構造上、表面に限らず、表面近傍の構造体内部においても紫外線を反射することから、紫外線反射部位が表面のみに限られないことを意味する。三次元繊維構造体20は表面および表面近傍で紫外線を乱反射させるため、捕集したウィルス等に様々な角度から紫外線を照射することができ、効率的に殺菌することができる。
【0043】
三次元繊維構造体20は、気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って配設される。
図1に示すように、本実施形態の三次元繊維構造体20は、第一の気流制御板182の空気流入口102側の面に沿って配設される。
ここで、三次元繊維構造体20を筐体10内壁や気流制御部材18に固定する方法は限定されないが、例えば、接着剤やスピンドルピンを用いて固定することができる。
【0044】
空気流入口102からx軸略正方向に流入した空気は、第一の気流制御板182上に配設された三次元繊維構造体20に衝突する。その衝突の際に、空気に含まれるウィルス等が三次元繊維構造体20の空孔に捕集される。一方、気流は衝突により向きを変え、y軸略正方向に進行する。
【0045】
ここで、気流の進行方向に対向する面とは、気流の進行方向に交わる面であって、気流の流入元側の面を意味する。上述したように、気流の進行方向に対向する面は、当該気流の進行方向と略直交する面であることが好ましい。
【0046】
図1を例に説明すると、筐体内に流入する気流はx軸正方向に向かうことから、第一の気流制御板182における気流の向きに対向する面とは、第一の気流制御板182のy−z平面で形成される面のうち、空気流入口102側の面を指す。
【0047】
筐体内壁面とは、筐体10の内壁のほか、気流制御部材18により形成される面を意味する。
筐体内壁面に沿って配設されるとは、筐体内壁面が形成する導風路に直交する態様、すなわち導風路を塞ぐ態様で配設されるのではなく、壁面に衝突した気流が進行方向を変えたのち、その進行方向に沿う態様で配設されることを意味する。
【0048】
よって、気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って配設されるとは、筐体内壁面に沿って配設されればどこでもよい訳ではなく、気流の進行方向に対向し、気流が衝突する筐体内壁面であって、気流が進行方向を変える面に配設されることが好ましい。これ以外の面、例えば筐体10の内壁全面に配設すると、三次元繊維構造体20そのものが空気抵抗となり得るからである。以下、
図2を用いて説明する。
【0049】
図2は気流と気流の進行方向に対向する筐体内壁面を説明するための参考図である。
図2において、紫外線殺菌灯14や紫外線反射部22の描画は省略している。アからカの文字を付した点線の楕円は、気流の進行方向に対向する筐体内壁面を例示するものである。
気流はこれらの壁面に衝突し、進行方向を変える。
図2中のアからカの場所にある壁面は、そのほかの筐体内壁面と比較し、気流の進行方向に対向するため、この場所に三次元繊維構造体20を配設することで、ウィルス等を捕集しやすくなる。
【0050】
三次元繊維構造体20は、気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って配設すればよいため、例えば第二の気流制御板184の空気流入口102側の面(
図2中ウの箇所)に沿って配設しても良い。
【0051】
しかしながら、筐体内において空気流入口102に近いほど空気の流速が大きいため、より空気流入口102に近い箇所に三次元繊維構造体20を配設することが好ましい。筐体内において最も空気の流速が大きい場所は空気流入口102付近(
図2中のアの箇所)であるため、空気流入口102に最も近い第一の気流制御板182の空気流入口102側に三次元繊維構造体20を配設することが処理効率上最も好ましい。
【0052】
以上述べたように、三次元繊維構造体20は筐体内壁面に沿って配設されるため、気流の進路を阻害しないことが要点である。上述したように、三次元繊維構造体20を処理すべき空気の流れに直交する態様で配設した場合、三次元繊維構造体20そのものが空気抵抗となるため、空気の処理量が著しく低下し、大量の空気を効率的に殺菌・浄化することができない。例えば濾過フィルタのような、導風路を塞ぐ態様で配設される場合と比較すると、三次元繊維構造体20は気流を阻害することなく、効率的にウィルス等を捕集することができる。
よって、三次元繊維構造体20は気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って配設され、かつ気流の進行方向に直交しない態様で配設される。
【0053】
なお、
図1を例に挙げると、三次元繊維構造体20はx軸方向の厚みを有するため、気流の進路を完全に阻害しない訳ではない。この点について、「導風路の断面積」を定義して補足する。
ここで導風路は、筐体10の内壁や気流制御部材18で構成される気流の流路である。導風路の断面積とは、導風路内の任意の場所における、気流の向きに直交する断面の面積である。
【0054】
三次元繊維構造体20を配設すべき場所における、三次元繊維構造体20配設前の導風路の断面積を100%とし、配設後の当該断面積を考える。
例えば比較例に挙げた上記濾過フィルタの場合、空気を濾過することが目的となるため、当該濾過フィルタが導風路の断面積を占める割合は100%となる。
【0055】
一方、本実施形態において、三次元繊維構造体20が当該断面積を占める割合は20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。殺菌効率を損なわない範囲において、三次元繊維構造体20が導風路を占める割合が低くなるにしたがって、紫外線殺菌装置1が処理できる空気の量が多くなるためである。
【0056】
三次元繊維構造体20は構造上多数の凹凸を有するため、表面および表面近傍で紫外線を乱反射する。三次元繊維構造体20の表面および表面近傍で繰り返し反射する紫外線は、空孔に捕集されたウィルス等を死滅させる。よって、三次元繊維構造体20は紫外線を反射しやすいものが好ましい。
【0057】
また、三次元繊維構造体20は気流が衝突する箇所に配設されることから、緩衝材としても作用し、大量の空気が流通する際に生じる音を緩和できる部材で形成されることが好ましい。三次元繊維構造体20に用いる素材として例えば、ロックウールやグラスウールのほか、金属光沢を有する繊維状のスチールウール等が挙げられる。これらの中では、耐久性や特に消音性に優れるロックウールが最も好ましい。
【0058】
以上のように、本実施形態の三次元繊維構造体20は、ウィルス等を捕集するとともに、筐体10内の紫外線を乱反射させることで、効率的にウィルス等を殺菌する。さらに、三次元繊維構造体20は空気流入口102から取り込まれる空気を全面で受け止め、気体通過により発生する音を低減することができる。
即ち、本実施形態の三次元繊維構造体20は、ウィルス等の捕集、紫外線反射による殺菌、および静音性を鼎立する。
【0059】
<紫外線反射部22>
紫外線反射部22は、紫外線を反射するための部材である。紫外線反射部22は筐体10内部に配設される。紫外線反射部22は紫外線殺菌灯14が出射する紫外線を効率よく反射する。本実施形態の紫外線反射部22は、紫外線反射率が高いアルミニウムを用いた紫外線反射鏡(以下「反射ミラー」と称する。)である。
【0060】
図1に示すように、本実施形態における反射ミラーは筐体10側面(紙面の上側)の空気流出口104側に配設され、x−z平面を有する。ここで、本実施形態の紫外線殺菌装置1は筐体10が金属製であるため、筐体10の内壁そのものが紫外線を反射するが、紫外線反射率がより高い反射ミラーを用いることでより効率的に紫外線を反射する。紫外線を減衰させることなく反射させることで、空気中のウィルス等を効率的に殺菌することが可能となる。
【0061】
なお、紫外線反射部22は反射ミラーに限られるものではなく、反射ミラーに代わり、筐体10内部や気流制御部材18を鏡面加工したものを用いても良い。繰り返し筐体10内に紫外線を反射させ、殺菌効率を向上させるため、紫外線反射部22の紫外線反射率(波長253ナノメートル)は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
【0062】
以上のような構成により、本実施形態に係る紫外線殺菌装置1は以下の利点がある。
本実施形態に係る紫外線殺菌装置1は、気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って三次元繊維構造体20を配設するため、三次元繊維構造体20が気流の抵抗となりにくく、効率的に空気を殺菌処理することができる。
三次元繊維構造体20は、ウィルス等を捕集するとともに、紫外線を乱反射させることで、効率的にウィルス等を殺菌する。また三次元繊維構造体20により、気流が筐体10内を通過する際に生じる音を低減させることができる。
【0063】
紫外線殺菌灯14は、200ナノメートル以上300ナノメートル以下の波長範囲にピーク波長を有し、オゾンをほとんど発生しない。また紫外線殺菌灯14が出射する紫外線は殺菌力の高い253.7ナノメートル近傍にピーク波長を有する。
また、筐体10に金属を用いることにより、紫外線殺菌装置1は紫外線を減衰させることなく導風路内で繰り返し反射させ、効率的に殺菌することができる。筐体内に紫外線反射部22を配設することにより、さらに殺菌効率を向上させることができる。
さらに気流制御部材18を筐体10内部に配設することにより、筐体10内を流れる空気の流路が長くなるため、ウィルス等を含む空気はより長時間紫外線を照射されることになり、殺菌効率が向上する。
【0064】
<室内還流型紫外線殺菌装置30>
図3は、本実施形態の室内還流型紫外線殺菌装置30を示したものである。天井Cを境に、紙面下側が部屋側、紙面上側が天井裏を示す。室内還流型紫外線殺菌装置30は、上述した紫外線殺菌装置1と、風量装置32と、吹出口36と、ダクト38(第一のダクト382、第二のダクト384)と、を備える。風量装置32により取り込まれた空気は、第一のダクト382、紫外線殺菌装置1、第二のダクト384、吹出口36をこの順に通過する。これらの装置が組み合わさることにより、広い空間の空気を効率的に殺菌・浄化することができる。なお、送風ファン34は筐体10内部に配設されることを図中の点線で示す。
【0065】
<風量装置32>
風量装置32は、天井、壁面または床に埋設され、かつ送風ファン34を内設する筐体を備える。本実施形態において、風量装置32の筐体部分は天井に埋設され、部屋側(図面下側)に開口部Pを有する。また、風量装置32の筐体部分は、後述するダクト38に通じる孔を備える。
【0066】
送風ファン34はファン(回転翼)の回転により気流を発生させる。風量装置32は送風ファン34を回転させることにより、ウィルス等が含まれる部屋の空気を取り込み、ダクト38を通じて紫外線殺菌装置1に空気を運搬する。
【0067】
風量装置32を天井に埋設することで、居住空間を圧迫することなく、かつ効率的に紫外線殺菌装置1に空気を送り込むことができる。風量装置32は壁面や床に埋設しても良いが、この場合、埃等を吸い込みやすくなるため、天井に埋設されることが好ましい。
なお、
図3では送風ファン34が紙面に沿って回転し、紙面手前から奥に送風する態様で記載しているが、これに限られるものではなく、送風ファンの回転方向は紙面に直交し、紙面の下から上に送風するものであっても良い。
【0068】
風量装置32の送風量は1時間あたり90立方メートルである。風量装置32の送風量は1時間あたり75立方メートル以上であることが好ましく、90立方メートル以上であることがより好ましい。これより送風量が低いと、屋内の一室全体を空気殺菌する出力として不十分であり効率的ではない。
なお、送風量はダクト径などにより制限され、減衰する。例えば、処理された空気が後述する吹出口36から室内に戻る際の送風量は半分以下に低下する。
【0069】
このような風量装置32の処理能力や、ダクトによる送風量の減衰などを考慮して紫外線殺菌装置1が設計される。例えば、紫外線殺菌装置1の筐体10内部において、必要以上に空気の流路を長くすると、処理効率が低下する(後述)。また、紫外線殺菌装置1の筐体10内部を金属以外で形成すると、紫外線の反射率が落ちるため、処理すべき空気が筐体10内を通過する間に十分な殺菌を行うことが出来ない。
【0070】
<吹出口36>
吹出口36は、天井、壁面または床に埋設される筐体を備える。本実施形態における吹出口36の筐体は、部屋側に開口部Qを有する。また、吹出口36は、開口部Qとは別に、ダクト38に通じる孔を備える。吹出口36は、紫外線殺菌装置1により浄化された空気を部屋の内部に還元する。
【0071】
吹出口36は壁面や床に埋設しても良いが、この場合、埃等を舞い上げる可能性があるため、吹出口36は天井に埋設することが好ましい。
また、吹出口36はその筐体内部にファンを備えても良い。この場合、空気処理量が向上する。
【0072】
ここで、風量装置32と吹出口36は離間して配設することが好ましい。風量装置32と吹出口36を近い位置に配設する場合、紫外線殺菌装置1により浄化された空気が、再度風量装置32に取り込まれるためである。
本実施形態の室内還流型紫外線殺菌装置30は、風量装置32と吹出口36が独立しているため、部屋内部の気流設計や部屋のデザインに合わせて、風量装置32および吹出口36の配置を自由に設計することができる。
【0073】
<ダクト38>
ダクト38は、空気の流路を形成する中空管である。ダクト38は、風量装置32と紫外線殺菌装置1との間、あるいは紫外線殺菌装置1と吹出口36との間に介設される。ダクト38は風量装置32によって取り込まれた空気を紫外線殺菌装置1まで運搬し、また、紫外線殺菌装置1で浄化された空気を吹出口36まで運搬する。
【0074】
本実施形態のダクト38は円筒形状であるが、これに限られるものではなく、角筒形状でも良い。また、本実施形態のダクト38は蛇腹を有するビニル管であるが、これに限られるものではなく、金属管やビニル以外のプラスチック管であっても良い。
【0075】
本実施形態のダクト38は、第一のダクト382と第二のダクト384を備える。
第一のダクト382は、風量装置32と、紫外線殺菌装置1の空気流入口102とを接続し、紫外線殺菌装置1の空気流入口102側に空気の流路を形成する。
第二のダクト384は、紫外線殺菌装置1の空気流出口104と吹出口36とを接続し、紫外線殺菌装置1の空気流出口104側に空気の流路を形成する。
【0076】
なお、第一のダクト382または第二のダクト384を省略し、例えば風量装置32と紫外線殺菌装置1、または紫外線装置1と吹出口36を一体化しても良いが、風量装置32と吹出口36を離間させるため、第一のダクト382と第二のダクト384の双方を用いることがより好ましい。
【0077】
本実施形態の風量装置32と紫外線殺菌装置1、紫外線殺菌装置1と吹出口36はそれぞれダクト38により介設される。このため、風量装置32、吹出口36、および紫外線殺菌装置1それぞれの配置設計の自由度が高く、またこれらの配設箇所の変更が容易であるという効果を有する。風量装置32、吹出口36、紫外線殺菌装置1それぞれの筐体はそのままに、ダクト38の長さや配置の変更で対応できるためである。
風量装置32と、吹出口36と、紫外線殺菌装置1のうち、いずれか2つ以上が一体化している装置と比較して、それぞれが独立している場合、配置設計の自由度や配設箇所の変更容易性はより顕著である。
【0078】
図4は、本実施形態の室内還流型紫外線殺菌装置30の配置例を示す参考図である(3Dデータによる斜視図)。室内還流型紫外線殺菌装置30を部屋の天井裏に配設した状態を示す。天井を記号C、部屋の出入口を記号Dで表す。
図4において、第一のダクト384、第二のダクト384がそれぞれ途中で屈曲している。これは、天井裏に本実施形態の室内還流型紫外線殺菌装置30以外の設備(例えば配電設備、給水管など)があった場合でも、ダクト38を用いることにより、これらを避けて室内還流型紫外線殺菌装置30を配設することが出来ることを示す例である。
【0079】
以上のような構成により、本実施形態に係る室内還流型紫外線殺菌装置30は以下の利点がある。
紫外線殺菌装置1は天井裏に配設され、かつ紫外線殺菌灯14が紫外線殺菌装置1の筐体10内部に配設されるため、紫外線が部屋の内部に漏れることが無く、空気の流通による音が抑制され、また装置自体が居住空間を圧迫しないという利点がある。
【0080】
また、風量装置32と吹出口36とが離間しているため、紫外線殺菌装置1により浄化された空気が、再度風量装置32に取り込まれることが起こりにくく、効率的に殺菌を行うことができる。
ダクト38を採用することにより、風量装置32、吹出口36、および紫外線殺菌装置1それぞれの配置設計の自由度が高く、またこれらの配設箇所の変更が容易である。
さらに、送風量の大きい送風ファン34を用いているため、大量の空気を処理することができ、広い室内の換気・殺菌処理が容易である。
【0081】
また上述した通り、紫外線殺菌装置1において、気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って三次元繊維構造体20を配設するため、三次元繊維構造体20が気流の抵抗となりにくく、効率的に大量の空気を殺菌処理することができる。また三次元繊維構造体20に適切な素材を用いることにより、空気の流通時に生じる音を低減させることが可能となる。筐体10に金属を用い、または紫外線反射部22を内設することにより、紫外線殺菌装置1は紫外線を減衰させることなく導風路内で繰り返し反射させ、より効率的に殺菌することができる。
【0082】
以上の構成により、本実施形態に係る室内還流型紫外線殺菌装置30は、送風量の大きい風量装置32により取り込んだ大量の空気を、効率的に殺菌処理することが可能になるという効果がある。
(実施例)
【0083】
以下、室内還流型紫外線殺菌装置30の具体例を示す。
本実施例の紫外線殺菌装置1は、筐体10内部の大きさが幅450ミリメートル、奥行き250ミリメートル、高さ180ミリメートルである。筐体10内壁面や気流制御部材18の厚みは省略する。
【0084】
本実施例の風量装置32の送風量は1時間当たり90立方メートルである。また、本実施例のダクト38は、円筒形の管や継手配管で構成される。円筒形の管は、その内径(ファイとも表記される)が100ミリメートルである。そして、風量装置32の中心から吹出口36の中心までの距離は5メートルである。
【0085】
本実施例の紫外線殺菌装置1において、空気流入口102から第一の気流制御板182までの距離(x軸方向の距離)は120ミリメートルである。第一の気流制御板182の空気流入口102側には三次元繊維構造体20として板状のロックウールが配設される。
ロックウールは、第一の気流制御板182上に15ミリメートルの厚みで配設される。この場合、導風路としてx軸方向に105ミリメートルの幅が確保されているため、三次元繊維構造体20が導風路の断面積を占める割合は12.5%である。
【0086】
第一の気流制御板182の大きさは、幅110ミリメートル、高さ180ミリメートルである。第二の気流制御板184の大きさは、幅170ミリメートル、高さ180ミリメートルである。どちらの気流制御部材も、筐体10上面部または底面部との間に隙間は存在しない。
空気流出口104から第二の気流制御板184までの距離(x軸方向の距離)は80ミリメートルである。
本実施形態において、紫外線殺菌灯14はパナソニック社製のGL−8(定格ランプ電力8ワット)を2本用いた。
【0087】
本実施形態において、空気流入口102から入った空気が空気流出口104に至る時間は約2.3秒であった。本実施形態の紫外線殺菌装置1によると、1時間で37立方メートルの空気を殺菌処理する。紫外線殺菌装置1の稼働直後における部屋内部(床面積80立方メートル、高さ2.5メートル)の菌濃度を100%としたとき、稼働24時間後の菌濃度は10%以下であった。
【0088】
本実施形態の紫外線殺菌装置1は、200立方メートルの空間あたり1台設置することが好ましい。この場合、空間内の殺菌を十分に行うことができる。
【0089】
なお、ロックウールの厚み(配設時)を30ミリメートル(導風路の断面積を占める割合が25%)、20ミリメートル(同17%)、15ミリメートル(同13%)、10ミリメートル(同8%)として殺菌量と処理風量を検討したところ、いずれも必要な殺菌量は確保し、厚みが薄くなるにしたがって処理風量が向上した。
一方、ロックウールの厚みを30ミリメートルとした場合は、処理風量がやや低下した。また、導風路を塞ぐ態様でロックウール配設した場合(導風路の断面積を占める割合が100%の場合)、処理風量が半分以下に低減した。
【0090】
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
以下、気流制御部材18の配設する枚数や位置、角度等を変えた変形例を示す。
図5から
図8では、紫外線殺菌灯14および紫外線反射部22の描画を省略している。
【0091】
(変形例1)
図5は気流制御部材18として気流制御板が1枚だけ配設された紫外線殺菌装置1を示す図である。この場合も気流制御板の空気流入口102側の面に三次元繊維構造体20を配設するため、ウィルス等を効率的に捕集することができる。
図5のように配設することで、空気の処理量を増加することができる。一方で、
図1の紫外線殺菌装置1と比較すると、導風路が短くなる。よって、空気の処理量と殺菌時間のバランスを考えた場合、気流制御板を2枚配設する
図1の紫外線殺菌装置1の方が殺菌効率は高く、より好ましい。
【0092】
(変形例2)
図6は気流制御部材18として気流制御板を採用し、その配設する向きを変えた紫外線殺菌装置1を示す図である。この場合、気流制御板18は気流の進行方向に対向する筐体内壁面を持たないため、筐体10の左側の内壁が気流の進行方向に対向する筐体内壁面となり、当該壁面に三次元繊維構造体20を配設する。
図6の場合、x軸正方向に進行した気流が一度x軸負方向に流れることになるため、気流が筐体10内に留まる時間が長くなり、殺菌時間は長くなる。一方で、空気の処理量は
図1の場合と比較して低下する。よって、空気の処理量と殺菌時間のバランスを考えると、
図1のような配置で気流制御板が配設された紫外線殺菌装置1の方が殺菌効率は高く、より好ましい。
【0093】
(変形例3)
図7は気流制御部材18として三角柱形状の部材を用いた紫外線殺菌装置1を示す図である。
図7の紫外線殺菌装置1において、筐体10内部の導風路を構成する筐体10内壁面と、気流制御部材18との角度(流路角度)αは135度である。
変形例3の態様は、空気の処理量が増加する。一方で、筐体10内部における導風路の体積は減少し、いわゆるデッドスペースが多くなるため、殺菌時間は短い。よって、空気の処理量と殺菌時間のバランスを考えると、
図1のように気流制御板が配設された紫外線殺菌装置1の方が殺菌効率は高く、より好ましい。
【0094】
(変形例4)
図8は筐体10内の側面に接していない気流制御板を備える紫外線殺菌装置1を示す図である。気流制御板を互い違いに配設する場合と比較して、処理できる空気量が増加する。一方で、
図1の例と比較して導風路が短く、殺菌時間が短い。よって、空気の処理量と殺菌時間のバランスを考えると、
図1のように気流制御板を互い違いに配設する紫外線殺菌装置1の方が殺菌効率は高く、より好ましい。
【0095】
本実施形態において、筐体10は金属製の筐体10を用いたが、これに限られるものではなく、材料は適宜変更しても良い。ただし、殺菌効率を考慮すると、筐体10内部は紫外線が繰り返し反射することが好ましいため、金属製にするか、非金属の筐体10内部に反射ミラーを配設することが好ましい。
【0096】
本実施形態において、紫外線殺菌灯14は長尺状の殺菌灯を用いていたが、これに限られるものではなく、殺菌効果のある紫外線光源、特に殺菌作用が高い253ナノメートル付近の紫外線を出射する紫外線光源に適宜置き換えることができる。例えば、長尺状の殺菌灯の代わりに点光源である紫外線LEDを用いても良い。ただし、人体に影響し得るオゾンを発生しないものが好ましい。
また、本実施形態における紫外線殺菌灯14は筐体10の長手方向に沿う形で配設されていたが、これに限られるものではなく、筐体10内で向きや位置を適宜変更しても良い。
【0097】
本実施形態において、気流制御部材18として気流制御板を2枚用いた例を挙げたが、気流制御部材18の数はこれに限られない。気流制御部材18の数は1つでも良く、また3つ以上であっても良い。ただし気流制御部材18が1つの場合は、空気の流路が延びないため、気流制御部材18は2つ以上が好ましい。一方で、気流制御部材18が多すぎる場合は空気の流れが阻害され、大量の空気を処理できなくなることから、気流制御部材18は空気の流れを阻害しない程度の数が好ましい。
【0098】
例えば、
図1のように互い違いに配設する場合、気流制御部材18は5つ以下が好ましい。ここで互い違いとは、例えば
図1のように、空気流入口102からx軸正方向に気流が向かう場合において、第一の気流制御板182がy軸正方向側に流路を確保し、つづく第二の気流制御板184がy軸負方向側に流路を確保するような態様をいう。
【0099】
本実施形態において、紫外線殺菌装置1、風量装置32、および吹出口36はそれぞれ天井に埋設されるものであったが、これに限られるものではなく、それぞれ部屋の壁面や床に埋設されていても良い。
【0100】
例えば、風量装置32と吹出口36を天井に埋設し、紫外線殺菌装置1のみを部屋の壁面(部屋の側面)内部のパイプスペースに配設しても良い(不図示)。また、部屋の壁面に風量装置32と吹出口36を埋設し、紫外線殺菌装置1のみ天井裏に配設しても良い(不図示)。
【0101】
紫外線殺菌装置1、風量装置32、または吹出口36を床下に配設する場合も同様であるため省略する。天井や壁面、床内部において確保できるスペースや部屋のデザインを考慮し、適宜変更することができる。
しかし、壁面や床に風量装置32を配設すると、装置内にほこりの吸引しやすいことや、同じく壁面や床に吹出口36を配設すると、ほこり等を拡散しやすくなるため、風量装置32と吹出口36は天井に配設することが好ましい。
【解決手段】本実施形態の紫外線殺菌装置1は、筐体10内部に紫外線殺菌灯14と、第一の気流制御板182と、第二の気流制御板184と、三次元繊維構造体20とを備える。三次元繊維構造体20は、第一の気流制御板182の空気流入口102側の面に配設される。本実施形態の三次元繊維構造体20は、ウィルス等を捕集するとともに、その表面上で紫外線を乱反射させることで、効率的にウィルス等を殺菌する。
流入する気流の進行方向に対向する筐体内壁面に沿って三次元繊維構造体20が配設されるため、三次元繊維構造体20が気流の抵抗となることが無く、効率的に大量の空気を殺菌処理することができる。