特許第6913989号(P6913989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6913989
(24)【登録日】2021年7月15日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】浮遊型移動装置
(51)【国際特許分類】
   B64C 37/00 20060101AFI20210727BHJP
   B60F 5/02 20060101ALI20210727BHJP
   B63H 21/17 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   B64C37/00
   B60F5/02
   B63H21/17
【請求項の数】10
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2021-519898(P2021-519898)
(86)(22)【出願日】2020年12月22日
(86)【国際出願番号】JP2020047854
【審査請求日】2021年4月9日
(31)【優先権主張番号】特願2020-34748(P2020-34748)
(32)【優先日】2020年3月2日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2019/021521(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0253333(US,A1)
【文献】 米国特許第8616492(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 37/00
B60F 5/02
B63H 21/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1羽根車と第1車輪と第1調整部を含む第1回転部と、
第2羽根車と第2車輪と第2調整部を含む第2回転部と、
第3羽根車と第3車輪と第3調整部を含む第3回転部と、
第4羽根車と第4調整部を含む第4回転部と、
第5羽根車と第5調整部を含む第5回転部とを備え、
前記第4調整部は、離陸の時に、前記第4羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも前記第4羽根車の向きを調整し、
前記第5調整部は、前記離陸の時に、前記第5羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも前記第5羽根車の向きを調整し、
前記第1調整部は、前記離陸が行われるまで、前記第1車輪が地面と接するように、少なくとも前記第1車輪の位置を調整し、
前記第2調整部は、前記離陸が行われるまで、前記第2車輪が地面と接するように、少なくとも前記第2車輪の位置を調整し、
前記第3調整部は、前記離陸が行われるまで、前記第3車輪が地面と接するように、少なくとも前記第3車輪の位置を調整し、水上移動を行う時に、前記第3羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように少なくとも前記第3羽根車の向きを調整し、
前記第1回転部は、前記第1羽根車と前記第1車輪と前記第1調整部を含む左前回転部を有し、
前記第2回転部は、前記第2羽根車と前記第2車輪と前記第2調整部を含む右前回転部を有し、
前記第4回転部は、前記第4羽根車と前記第4調整部を含み、前記左前回転部の後方に設けられた左中回転部を有し、
前記第5回転部は、前記第5羽根車と前記第5調整部を含み、前記右前回転部の後方に設けられた右中回転部を有する、浮遊型移動装置。
【請求項2】
水素タンクと、
前記水素タンクから供給された水素に基づいて電気を発生させる電気変換部とを更に備え、
前記電気変換部で得られた電力は、前記第1回転部〜前記第5回転部に供給される、請求項1に記載の浮遊型移動装置。
【請求項3】
前記水素タンクは2つ設けられ、
前記2つの水素タンクの間に、前記第3回転部が設けられる、請求項2に記載の浮遊型移動装置。
【請求項4】
前記第1調整部は、前記水上移動若しくは第1の飛行モードで空中移動を行う時に、前記第1羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも前記第1羽根車の向きを調整し、
前記第2調整部は、前記水上移動若しくは前記第1の飛行モードで空中移動を行う時に、前記第2羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも前記第2車輪の向きを調整する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の浮遊型移動装置。
【請求項5】
前記第4調整部は、第2の飛行モードで空中移動を行う時に、前記第4羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように、少なくとも前記第4羽根車の向きを調整し、
前記第5調整部は、前記第2の飛行モードで空中移動を行う時に、前記第5羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように、少なくとも前記第5羽根車の向きを調整し、
前記第1調整部は、前記第2の飛行モードで空中移動を行う時に、前記第1羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になり、且つ前後方向から見て前記第4羽根車と重ならないように、少なくとも前記第1羽根車の向きを調整し、
前記第2調整部は、前記第2の飛行モードで空中移動を行う時に、前記第2羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になり、且つ前後方向から見て前記第5羽根車と重ならないように、少なくとも前記第2羽根車の向きを調整し、
前記第3調整部は、前記第2の飛行モードで空中移動を行う時に、前記第3羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように、少なくとも前記第3羽根車の向きを調整する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の浮遊型移動装置。
【請求項6】
前記第4回転部は、第4車輪を有し、
前記第5回転部は、第5車輪を有し、
前記第4回転部は、前記第4羽根車と前記第4車輪のいずれかに第1の回転力を伝達する第1伝達部を有し、
前記第5回転部は、前記第5羽根車と前記第5車輪のいずれかに第2の回転力を伝達する第2伝達部を有し、
前記第1伝達部は、前記離陸の時には、前記第1の回転力を前記第4羽根車に伝達し、陸上移動の時には、前記第1の回転力を前記第4車輪に伝達し、
前記第2伝達部は、前記離陸の時には、前記第2の回転力を前記第5羽根車に伝達し、前記陸上移動の時には、前記第2の回転力を前記第5車輪に伝達する、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の浮遊型移動装置。
【請求項7】
前記第1回転部は、前記左前回転部と、前記左中回転部の後方に設けられた左後回転部を有し、
前記左前回転部と前記左後回転部のそれぞれは、前記第1羽根車と前記第1車輪と前記第1調整部を含み、
前記第2回転部は、前記右前回転部と、前記右中回転部の後方に設けられた右後回転部を有し、
前記右前回転部と前記右後回転部のそれぞれは、前記第2羽根車と前記第2車輪と前記第2調整部を含み、
前記第4回転部は、前記左中回転部を有し、
前記第5回転部は、前記右中回転部を有し、
前記第3回転部は、前記左前回転部と前記右前回転部の間に設けられた前中央回転部と、前記左後回転部と前記右後回転部の間に設けられた後中央回転部の少なくとも一方を有する、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の浮遊型移動装置。
【請求項8】
前記第3回転部は、前記前中央回転部と前記後中央回転部とを有し、
前記前中央回転部の羽根車の回転軸と前記後中央回転部の羽根車の回転軸とが重なった位置関係で動作する時、互いに逆方向に回転するように動作制御が行われる、請求項7に記載の浮遊型移動装置。
【請求項9】
前記第1回転部は、前記左前回転部と、前記左中回転部の後方に設けられた左後回転部を有し、
前記左前回転部と前記左後回転部のそれぞれは、前記第1羽根車と前記第1車輪と前記第1調整部を含み、
前記第2回転部は、前記右前回転部と、前記右中回転部の後方に設けられた右後回転部を有し、
前記右前回転部と前記右後回転部のそれぞれは、前記第2羽根車と前記第2車輪と前記第2調整部を含み、
前記第4回転部は、前記左中回転部を有し、
前記第5回転部は、前記右中回転部を有し、
前記第3回転部は、前記左前回転部と前記右前回転部の間に設けられた前中央回転部と、前記左後回転部と前記右後回転部の間に設けられた後中央回転部を有し、
前記第2の飛行モードで空中移動を行う時、前記第4羽根車に対応し、前記左中回転部に含まれる左中羽根車と、前記第1羽根車に対応し、前記左前回転部に含まれる左前羽根車と、前記第1羽根車に対応し、前記左後回転部に含まれる左後羽根車は、少なくとも回転軸が重ならないように調整され、
前記第2の飛行モードで空中移動を行う時、前記第5羽根車に対応し、前記右中回転部に含まれる右中羽根車と、前記第2羽根車に対応し、前記右前回転部に含まれる右前羽根車と、前記第2羽根車に対応し、前記右後回転部に含まれる右後羽根車は、少なくとも回転軸が重ならないように調整される、請求項5に記載の浮遊型移動装置。
【請求項10】
前記第3回転部は、前記左中回転部の後方に設けられた左後回転部と、前記右中回転部の後方に設けられた右後回転部を有し、
前記左後回転部と前記右後回転部のそれぞれは、前記第3羽根車と前記第3車輪と前記第3調整部を含み、
前記第4回転部は、前記左中回転部を有し、
前記第5回転部は、前記右中回転部を有する、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の浮遊型移動装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊型移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、4つのプロペラ型のローラを用いた浮遊型自動車が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−142379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車輪が地上と接した状態で移動するため、地上から離れて浮遊した状態で移動することは考慮されていない。
【0005】
したがって本発明の目的は、地上から離れて空中及び水上で浮遊した状態で移動することが可能な浮遊型移動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る浮遊型移動装置は、第1羽根車と第1車輪と第1調整部を含む第1回転部と、第2羽根車と第2車輪と第2調整部を含む第2回転部と、第3羽根車と第3車輪と第3調整部を含む第3回転部と、第4羽根車と第4調整部を含む第4回転部と、第5羽根車と第5調整部を含む第5回転部とを備える。
第4調整部は、離陸の時に、第4羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも第4羽根車の向きを調整する。
第5調整部は、離陸の時に、第5羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも第5羽根車の向きを調整する。
第1調整部は、離陸が行われるまで、第1車輪が地面と接するように、少なくとも第1車輪の位置を調整する。
第2調整部は、離陸が行われるまで、第2車輪が地面と接するように、少なくとも第2車輪の位置を調整する。
第3調整部は、離陸が行われるまで、第3車輪が地面と接するように、少なくとも第3車輪の位置を調整し、水上移動を行う時に、第3羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように少なくとも第3羽根車の向きを調整する。
第1回転部は、第1羽根車と第1車輪と第1調整部を含む左前回転部を有する。
第2回転部は、第2羽根車と第2車輪と第2調整部を含む右前回転部を有する。
第4回転部は、第4羽根車と第4調整部を含み、左前回転部の後方に設けられた左中回転部を有する。
第5回転部は、第5羽根車と第5調整部を含み、右前回転部の後方に設けられた右中回転部を有する。
【0007】
少なくとも5つの回転部の動作制御を行うことにより、陸上移動、空中移動、水上移動が可能な浮遊型移動装置を実現すること、すなわち、地上から離れて空中及び水上で浮遊した状態で移動することが可能になる。
【0008】
好ましくは、浮遊型移動訴追は、水素タンクと、水素タンクから供給された水素に基づいて電気を発生させる電気変換部とを更に備える。
電気変換部で得られた電力は、第1回転部〜第5回転部に供給される。
【0009】
水素タンクに充填された水素を電気に変換し、変換した電気を使って第1回転部などを駆動する。離陸時は水素タンクに多くの水素が充填されているため、浮遊型移動装置の比重が小さくなり、離陸させやすく出来る。
また、水上移動時に、水素タンクを浮きとして用いることも可能になる。
【0010】
さらに好ましくは、水素タンクは2つ設けられる。
2つの水素タンクの間に、第3回転部が設けられる。
【0011】
さらに好ましくは、第1調整部は、水上移動若しくは第1の飛行モードで空中移動を行う時に、第1羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも第1羽根車の向きを調整する。
第2調整部は、水上移動若しくは第1の飛行モードで空中移動を行う時に、第2羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、少なくとも第2車輪の向きを調整する。
【0012】
ホバリングを含む空中移動が可能になる。
【0013】
また、好ましくは、第4調整部は、第2の飛行モードで空中移動を行う時に、第4羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように、少なくとも第4羽根車の向きを調整する。
第5調整部は、第2の飛行モードで空中移動を行う時に、第5羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように、少なくとも第5羽根車の向きを調整する。
第1調整部は、第2の飛行モードで空中移動を行う時に、第1羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になり、且つ前後方向から見て第4羽根車と重ならないように、少なくとも第1羽根車の向きを調整する。
第2調整部は、第2の飛行モードで空中移動を行う時に、第2羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になり、且つ前後方向から見て第5羽根車と重ならないように、少なくとも第2羽根車の向きを調整する。
第3調整部は、第2の飛行モードで空中移動を行う時に、第3羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように、少なくとも第3羽根車の向きを調整する。
【0014】
前後方向で回転軸(羽根車)が重ならない状態で、第1羽根車などを、後方向に吸い込んだ気体などを噴射するようにして駆動させることにより、早い空中移動が可能になる。
【0015】
さらに好ましくは、第4回転部は、第4車輪を有する。
第5回転部は、第5車輪を有する。
第4回転部は、第4羽根車と第4車輪のいずれかに第1の回転力を伝達する第1伝達部を有する。
第5回転部は、第5羽根車と第5車輪のいずれかに第2の回転力を伝達する第2伝達部を有する。
第1伝達部は、離陸の時には、第1の回転力を第4羽根車に伝達し、陸上移動の時には、第1の回転力を第4車輪に伝達する。
第2伝達部は、離陸の時には、第2の回転力を第5羽根車に伝達し、陸上移動の時には、第2の回転力を第5車輪に伝達する。
【0016】
羽根車を回転させる時に、車輪の回転を停止させ、車輪を回転させる時に、羽根車の回転を停止させることが出来、負荷の少ない状態での、羽根車と車輪の動作制御が可能になる。
【0017】
さらに好ましくは、第1回転部は、左前回転部と、左中回転部の後方に設けられた左後回転部を有する。
左前回転部と左後回転部のそれぞれは、第1羽根車と第1車輪と第1調整部を含む。
第2回転部は、右前回転部と、右中回転部の後方に設けられた右後回転部を有する。
右前回転部と右後回転部のそれぞれは、第2羽根車と第2車輪と第2調整部を含む。
第4回転部は、左中回転部を有する。
第5回転部は、右中回転部を有する。
第3回転部は、左前回転部と右前回転部の間に設けられた前中央回転部と、左後回転部と右後回転部の間に設けられた後中央回転部の少なくとも一方を有する。
【0018】
さらに好ましくは、第3回転部は、前中央回転部と後中央回転部とを有する。
前中央回転部の羽根車の回転軸と後中央回転部の羽根車の回転軸とが重なった位置関係で動作する時、互いに逆方向に回転するように動作制御が行われる。
【0019】
前中央羽根車と後中央羽根車は、二重反転ファンを構成することが出来る。
【0020】
また、好ましくは、第1回転部は、左前回転部と、左中回転部の後方に設けられた左後回転部を有する。
左前回転部と左後回転部のそれぞれは、第1羽根車と第1車輪と第1調整部を含む。
第2回転部は、右前回転部と、右中回転部の後方に設けられた右後回転部を有する。
右前回転部と右後回転部のそれぞれは、第2羽根車と第2車輪と第2調整部を含む。
第4回転部は、左中回転部を有する。
第5回転部は、右中回転部を有する。
第3回転部は、左前回転部と右前回転部の間に設けられた前中央回転部と、左後回転部と右後回転部の間に設けられた後中央回転部を有する。
第2の飛行モードで空中移動を行う時、第4羽根車に対応し、左中回転部に含まれる左中羽根車と、第1羽根車に対応し、左前回転部に含まれる左前羽根車と、第1羽根車に対応し、左後回転部に含まれる左後羽根車は、少なくとも回転軸が重ならないように調整される。
第2の飛行モードで空中移動を行う時、第5羽根車に対応し、右中回転部に含まれる右中羽根車と、第2羽根車に対応し、右前回転部に含まれる右前羽根車と、第2羽根車に対応し、右後回転部に含まれる右後羽根車は、少なくとも回転軸が重ならないように調整される。
【0021】
また、好ましくは、第3回転部は、左中回転部の後方に設けられた左後回転部と、右中回転部の後方に設けられた右後回転部を有する。
左後回転部と右後回転部のそれぞれは、第3羽根車と第3車輪と第3調整部を含む。
第4回転部は、左中回転部を有する。
第5回転部は、右中回転部を有する。
【0022】
以上のように本発明によれば、地上から離れて空中及び水上で浮遊した状態で移動することが可能な浮遊型移動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態の浮遊型移動装置の各部を示すブロック図である。
図2】第1実施形態における第1状態の浮遊型移動装置を前方で且つ上方から見た斜視図である。
図3】第1実施形態における第1状態の浮遊型移動装置を後方で且つ下方から見た斜視図である。
図4】第1実施形態における第2状態の浮遊型移動装置の斜視図である。
図5】第1実施形態における第3状態の浮遊型移動装置の斜視図である。
図6】第1実施形態における第4状態の浮遊型移動装置を前方で且つ上方から見た斜視図である。
図7図6よりも更に横方から見た斜視図である。
図8】第1実施形態における第4状態の浮遊型移動装置を前方から見た正面図である。
図9】第1実施形態における第5状態の浮遊型移動装置を前方で且つ上方から見た斜視図である。
図10】第1実施形態における第5状態の浮遊型移動装置を後方で且つ下方から見た斜視図である。
図11】第2実施形態の浮遊型移動装置の各部を示すブロック図である。
図12】第2実施形態における第1状態の浮遊型移動装置の斜視図である。
図13】第2実施形態における第2状態の浮遊型移動装置の斜視図である。
図14】第2実施形態における第3状態の浮遊型移動装置の斜視図である。
図15図14よりも更に上方から見た斜視図である。
図16】第2実施形態における第5状態の浮遊型移動装置を前方で且つ上方から見た斜視図である。
図17】第2実施形態における第5状態の浮遊型移動装置を後方で且つ上方から見た斜視図である。
図18】第2実施形態における第5状態の変形例の浮遊型移動装置を前方で且つ上方から見た斜視図である。
図19】第2実施形態における第5状態の変形例の浮遊型移動装置を後方で且つ上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の第1実施形態及び第2実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0025】
第1実施形態(図1図10参照)、第2実施形態(図11図19参照)における浮遊型移動装置1は、運転部10、回転部(左前回転部30a、前中央回転部40aなど)、接続部(左前接続部50a、前中央接続部60aなど)、タンク90を備える。
【0026】
方向を説明するために、浮遊型移動装置1の前後方向をx方向、x方向と垂直な左右方向をy方向、x方向とy方向に垂直な略鉛直方向をz方向として説明する。
図2において、xyz軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、左方向、上方向と定義する。
【0027】
(運転部10、操作部11)
運転部10は、内部に搭乗スペースが設けられ、当該搭乗スペースに搭乗者が浮遊型移動装置1を操作するための操作部11が設けられる。
また、運転部10には、操作部11の他に、検知部13、制御部15、電気変換部17、蓄電部19、乗降口21が設けられる。
【0028】
(検知部13)
検知部13は、運転部10の外側などに設けられ、速度、外気温、高度、動作状態などを測定する。
【0029】
(制御部15)
制御部15は、操作部11を使った操作や検知部13からの情報に基づいて、浮遊型移動装置1の各部を制御する。
制御部15による動作制御の詳細は、後述する。
【0030】
(電気変換部17)
電気変換部17は、タンク90に充填された水素と、空気中の酸素とを反応させて、電気を発生させる。
【0031】
(蓄電部19)
蓄電部19は、蓄電池、コンデンサ、燃料電池など、電気変換部17で得られた電力、及び後述する発電部(左前発電部53aなど)で得られた電力を貯蔵し、浮遊型移動装置1の各部に電力を供給する。
【0032】
(乗降口21)
乗降口21は、運転部10の側面、前面、若しくは後面に設けられる。
第1実施形態では、乗降口21は、運転部10の側面であって、前後方向(x方向)の中間近傍に設けられる。
浮遊型移動装置1の外部と、運転部10の搭乗スペースとの間の入退場は、乗降口21を介して、行われる。
【0033】
(回転部、接続部)
回転部は、浮遊型移動装置1の陸上移動、浮遊型移動装置1の離着陸及び空中移動、浮遊型移動装置1の水上移動のために用いられる。
第1実施形態における回転部は、左前回転部30a、右前回転部30b、左中回転部30c、右中回転部30d、左後回転部30e、右後回転部30f、前中央回転部40a、後中央回転部40bを有する。
第1実施形態における接続部は、左前接続部50a、右前接続部50b、左中接続部50c、右中接続部50d、左後接続部50e、右後接続部50f、前中央接続部60a、後中央接続部60bを有する。
【0034】
左前回転部30a及び左前接続部50aは、浮遊型移動装置1を上方から見て、左前に設けられる。
右前回転部30b及び右前接続部50bは、浮遊型移動装置1を上方から見て、右前に設けられる。
左中回転部30c及び左中接続部50cは、浮遊型移動装置1を上方からみて、左であって、且つ前後方向(x方向)の中間に設けられる(左前回転部30aの後方、左後回転部30eの前方)。
右中回転部30d及び右中接続部50dは、浮遊型移動装置1を上方から見て、右であって、且つ前後方向(x方向)の中間に設けられる(右前回転部30bの後方、右後回転部30fの前方)。
左後回転部30e及び左後接続部50eは、浮遊型移動装置1を上方から見て、左後ろに設けられる(左中回転部30cの後方)。
右後回転部30f及び右後接続部50fは、浮遊型移動装置1を上方から見て、右後ろに設けられる(右中回転部30dの後方)。
前中央回転部40a及び前中央接続部60aは、浮遊型移動装置1を上方から見て、左右方向(y方向)の中間で、且つ前に設けられる。
後中央回転部40b及び後中央接続部60bは、浮遊型移動装置1を上方から見て、左右方向(y方向)の中間で、且つ後ろに設けられる。
【0035】
左前回転部30aは、左前接続部50aを介して、運転部10に取り付けられる。
右前回転部30bは、右前接続部50bを介して、運転部10に取り付けられる。
左中回転部30cは、左中接続部50cを介して、運転部10に取り付けられる。
右中回転部30dは、右中接続部50dを介して、運転部10に取り付けられる。
左後回転部30eは、左後接続部50eを介して、運転部10に取り付けられる。
右後回転部30fは、右後接続部50fを介して、運転部10に取り付けられる。
前中央回転部40aは、前中央接続部60aを介して、運転部10に取り付けられる。
後中央回転部40bは、後中央接続部60bを介して、運転部10に取り付けられる。
【0036】
左前接続部50aは、運転部10の上面の左前に取り付けられる。
右前接続部50bは、運転部10の上面の右前に取り付けられる。
左中接続部50cは、運転部10の上面の左で且つ前後方向中間に取り付けられる。
右中接続部50dは、運転部10の上面の右で且つ前後方向中間に取り付けられる。
左後接続部50eは、運転部10の上面の左後ろに取り付けられる。
右後接続部50fは、運転部10の上面の右後ろに取り付けられる。
前中央接続部60aは、運転部10の下面の前中央に取り付けられる。
後中央接続部60bは、運転部10の下面の後中央に取り付けられる。
【0037】
(左前回転部30a)
左前回転部30aは、モータ(左前モータ31a)、羽根車(左前羽根車33a)、車輪(左前車輪35a)、伝達部(左前伝達部37a)を有する。
【0038】
左前モータ31aは、左前羽根車33a及び左前車輪35aを駆動するために使用される。
左前羽根車33aは、プロペラファンなどで構成され、吸入した気体若しくは液体を軸方向に噴射させる。
左前羽根車33aに使用者が触れないようにするため、左前羽根車33aの吸入領域及び排出領域の少なくとも一部を覆う網状物(不図示)が設けられるのが望ましい。
【0039】
吸入領域は、空気などの気体、若しくは水などの液体が左前羽根車33aに吸い込まれる領域である。
排出領域は、左前羽根車33aに吸い込まれた気体若しくは液体が、左前羽根車33aから排出される領域である。
【0040】
左前羽根車33aの側部の周りには左前車輪35aが設けられる。
左前車輪35aは、浮遊型移動装置1が地上で移動可能にするために使用される。
左前車輪35aは略中空円柱形状であり、当該略中空円柱形状の上面が左前羽根車33aの吸気領域にあり、当該略中空円柱形状の下面が左前羽根車33aの排気領域にあり、当該略中空円柱形状の側面が左前羽根車33aを覆う。
左前車輪35aを構成する略中空円柱形状の側面は、ゴムなどの弾性部材で構成される。
浮遊型移動装置1が地面に接する場合には、地面の凹凸に合わせて当該略中空円柱形状の側面が変形する。
【0041】
左前羽根車33aの羽根の傾きは、気体若しくは液体を排出させる量に応じて変動可能であるのが望ましい。
例えば、左前羽根車33aの羽根は、制御部15による制御に基づいて、左前車輪35aを構成する略中空円柱形状の上面とのなす角度が小さくなるように傾けられたり、当該なす角度が大きくなるように傾けられたりする。
【0042】
左前伝達部37aは、クラッチやトランスミッションなど動力伝達装置である。
左前伝達部37aは、左前モータ31aと左前羽根車33aの間、及び左前モータ31aと左前車輪35aの間に設けられ、左前モータ31aから左前羽根車33aへの動力伝達、及び左前モータ31aから左前車輪35aへの動力伝達を制御する。
具体的には、左前モータ31aの回転力は、左前伝達部37aによって、左前羽根車33aと左前車輪35aのいずれかに伝達される。
例えば、陸上移動など左前車輪35aを使用する時には、左前モータ31aの回転力は、左前伝達部37aを介して、左前車輪35aに伝達される。
また、離着陸、空中移動、及び水上移動など左前羽根車33aを使用する時には、左前モータ31aの回転力は、左前伝達部37aを介して、左前羽根車33aに伝達される。
【0043】
(右前回転部30b、左中回転部30c、右中回転部30d、左後回転部30e、右後回転部30f)
右前回転部30bは、左前回転部30aと同様に、モータ(右前モータ31b)、羽根車(右前羽根車33b)、車輪(右前車輪35b)、伝達部(右前伝達部37b)を有する。
左中回転部30cは、左前回転部30aと同様に、モータ(左中モータ31c)、羽根車(左中羽根車33c)、車輪(左中車輪35c)、伝達部(左中伝達部37c)を有する。
右中回転部30dは、左前回転部30aと同様に、モータ(右中モータ31d)、羽根車(右中羽根車33d)、車輪(右中車輪35d)、伝達部(右中伝達部37d)を有する。
左後回転部30eは、左前回転部30aと同様に、モータ(左後モータ31e)、羽根車(左後羽根車33e)、車輪(左後車輪35e)、伝達部(左後伝達部37e)を有する。
右後回転部30fは、左前回転部30aと同様に、モータ(右後モータ31f)、羽根車(右後羽根車33f)、車輪(右後車輪35f)、伝達部(右後伝達部37f)を有する。
【0044】
(前中央回転部40a、後中央回転部40b)
前中央回転部40aは、左前回転部30aと同様に、モータ(前中央モータ41a)、羽根車(前中央羽根車43a)、車輪(前中央車輪45a)、伝達部(前中央伝達部47a)を有する。
後中央回転部40bは、左前回転部30aと同様に、モータ(後中央モータ41b)、羽根車(後中央羽根車43b)、車輪(後中央車輪45b)、伝達部(後中央伝達部47b)を有する。
【0045】
接続部は、運転部10と回転部の間に設けられ、運転部10と回転部のそれぞれとの位置関係(特に、羽根車及び車輪の向き)を調整するために使用される。
陸上を走行する際の位置関係を第1状態とする(図2図3参照)。
乗降及び離発着する際の位置関係を第2状態とする(図4参照)。
飛行中の位置関係の一方(第1の飛行モード)を第3状態とする(図5参照)。
飛行中の位置関係の他方(第2の飛行モード)を第4状態とする(図6図7図8参照)。
水上を移動する際の位置関係を第5状態とする(図9図10参照)。
【0046】
(左前接続部50a)
左前接続部50aは、調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)、発電部(左前発電部53a)を有する。
左前接続部50aの筐体は、x方向から見て略L字形状を有する。
当該略L字形状の一方は、第1状態の時に、z方向に垂直な面を有し、運転部10の上面の一部と対向する。
当該略L字形状の他方は、第1状態の時に、y方向に垂直な面を有し、運転部10の側面の一部と対向する。
当該略L字形状の一方の端部は、左前一次調整部51a1を介して、運転部10の上面に取り付けられる。
当該略L字形状の他方の端部は、左前二次調整部51a2を介して、左前回転部30aに取り付けられる。
【0047】
左前一次調整部51a1は、運転部10に対して、左前接続部50aの左前一次調整部51a1以外の部分と左前回転部30aとを、移動可能な状態で保持する。
具体的には、左前一次調整部51a1は、左前接続部50aの左前一次調整部51a1以外の部分と左前回転部30aとが、x方向に平行な第1の軸周りに回転可能で且つ、当該第1の軸と、左前接続部50aの左前一次調整部51a1以外の部分及び左前回転部30aとの距離(第1距離d1)が変動可能な状態で、これらを保持する。
【0048】
左前二次調整部51a2は、左前回転部30aが、z方向に平行な状態とy方向に平行な状態まで変動可能な第2の軸周りに回転可能で且つ、左前接続部50aの左前二次調整部51a2以外の部分と左前回転部30aとの距離(第2距離d2)が変動可能な状態で、これを保持する。
第1状態において、左前二次調整部51a2が収縮した状態で、左前回転部30aの下端が、タンク90の下端よりも下方に位置し地面に接するように、各部の寸法が設定される。
左前二次調整部51a2には、ショックアブソーバーなど、左前回転部30aが地面などから受けた衝撃を吸収する部材が設けられてもよい。
【0049】
例えば、第1状態(図2図3参照)では、左前二次調整部51a2の回転軸(第2の軸)が、z方向に平行になり、左前接続部51aは、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸がy方向に略平行になるように、左前回転部30aを保持する。
また、第3状態(図5参照)では、左前二次調整部51a2の回転軸(第2の軸)が、y方向に平行になり、左前接続部51aは、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸がz方向に略平行になるように、左前回転部30aを保持する。
【0050】
従って、左前回転部30aは、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2とによって、左前羽根車33aの回転軸36aなどが様々な方向を向くことが可能な状態で、保持される。
【0051】
左前発電部53aは、太陽光発電を行う発電装置であり、左前接続部50aの筐体の外側面に設けられる。
第1実施形態では、左前発電部53aが、左前接続部50aの略L字形状の他方の外側面に設けられた例を示す。
左前発電部53aで得られた電力は、蓄電部19に蓄積される。
【0052】
(右前接続部50b、左中接続部50c、右中接続部50d、左後接続部50e、右後接続部50f)
右前接続部50bは、左前接続部50aと同様に、調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)、発電部(右前発電部53b)を有する。
左中接続部50cは、左前接続部50aと同様に、調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)、発電部(左中発電部53c)を有する。
右中接続部50dは、左前接続部50aと同様に、調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)、発電部(右中発電部53d)を有する。
左後接続部50eは、左前接続部50aと同様に、調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2)、発電部(左後発電部53e)を有する。
右後接続部50fは、左前接続部50aと同様に、調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2)、発電部(右後発電部53f)を有する。
【0053】
(前中央接続部60a)
前中央接続部60aは、調整部(前中央調整部61a)を有する。
前中央接続部60a、運転部10の下面で、2つのタンク90の間に取り付けられる。
前中央調整部61aは、運転部10に対して、前中央回転部40aを、移動可能な状態で保持する。
具体的には、前中央調整部61aは、前中央回転部40aがz方向に平行な軸(第3の軸)周りに回転可能な状態で、これを保持する。
前中央回転部40aの下端が、タンク90の下端よりも下方に位置するように、また、第1状態において、前中央回転部40aの下端が地面に接するように、各部の寸法が設定される。
前中央調整部61aには、ショックアブソーバーなど、前中央回転部40aが地面などから受けた衝撃を吸収する部材が設けられてもよい。
【0054】
(後中央接続部60b)
後中央接続部60bは、前中央接続部60aと同様に、調整部(後中央調整部61b)を有する。
【0055】
(タンク90)
タンク90は、水素を気体の状態で収納する。
タンク90は、運転部10の下面に、x方向に延びるものがy方向に並べて2つ取り付けられる。
タンク90に充填された水素は、電気変換部17で電力に変換され、左前モータ31aなどの駆動に用いられる。
【0056】
(第1状態の動作制御、陸上静止)
浮遊型移動装置1が陸上で静止する場合、制御部15は、浮遊型移動装置1が第1状態になるように、各部を制御する(図1図2参照)。
【0057】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがy方向と略平行になり、左前車輪35aが地面と接するように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも左右方向と略平行になるように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがy方向と略平行になり、右前車輪35bが地面と接するように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも左右方向と略平行になるように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0058】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがy方向と略平行になり、左中車輪35cが地面と接するように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも左右方向と略平行になるように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがy方向と略平行になり、右中車輪35dが地面と接するように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも左右方向と略平行になるように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0059】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがy方向と略平行になり、左後車輪35eが地面と接するように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも左右方向と略平行になるように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがy方向と略平行になり、右後車輪35fが地面と接するように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも左右方向と略平行になるように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0060】
また、制御部15は、前中央羽根車43aの回転軸46aがy方向と略平行になり、前中央車輪45aが地面と接するように、前中央接続部60aの調整部(前中央調整部61a)を動作させる。
すなわち、前中央調整部61aは、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの回転軸46aが少なくとも左右方向と略平行になるように、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの向きを調整する。
また、制御部15は、後中央羽根車43bの回転軸46bがy方向と略平行になり、後中央車輪45bが地面と接するように、後中央接続部60bの調整部(後中央調整部61b)を動作させる。
すなわち、後中央調整部61bは、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの回転軸46bが少なくとも左右方向と略平行になるように、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの向きを調整する。
【0061】
回転部(左前回転部30a、右前回転部30b、左中回転部30c、右中回転部30d、左後回転部30e、右後回転部30f、前中央回転部40a、後中央回転部40b)の下端は、タンク90の下端よりも下方に位置する。
左側の乗降口21は、左中回転部30cと左中接続部50cとで覆われた状態になる。
右側の乗降口21は、右中回転部30dと右中接続部50dとで覆われた状態になる。
【0062】
(第1状態の動作制御、陸上移動)
浮遊型移動装置1が陸上を移動する場合は、さらに、制御部15は、左前モータ31aを回転させ、左前モータ31aの回転力が左前車輪35aに伝達されるように、左前伝達部37aを動作させる。
また、制御部15は、右前モータ31bを回転させ、右前モータ31bの回転力が右前車輪35bに伝達されるように、右前伝達部37bを動作させる。
また、制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中車輪35cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中車輪35dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、左後モータ31eを回転させ、左後モータ31eの回転力が左後車輪35eに伝達されるように、左後伝達部37eを動作させる。
また、制御部15は、右後モータ31fを回転させ、右後モータ31fの回転力が右後車輪35fに伝達されるように、右後伝達部37fを動作させる。
また、制御部15は、前中央モータ41aを回転させる。
また、制御部15は、後中央モータ41bを回転させる。
【0063】
ただし、左前モータ31a、右前モータ31b、左中モータ31c、右中モータ31d、左後モータ31e、右後モータ31fのうち、いくつかのモータは停止させて、残りのモータだけ駆動させてもよい。
【0064】
車輪(左前車輪35aなど)の回転により、浮遊型移動装置1は陸上を移動する。
車輪(左前車輪35aなど)の回転量を調整することにより、浮遊型移動装置1を前後方向の直線的な軌跡の移動だけでなく、左右方向に曲げて移動させることが可能になる。
また、二次調整部(左前二次調整部51a2など)が、車輪(左前車輪35aなど)の回転軸をy方向に平行な状態から変化させることによっても、浮遊型移動装置1を左右方向に曲げて移動させることが可能になる。
【0065】
(第2状態の動作制御、乗降)
浮遊型移動装置1が陸上で静止した状態で、さらに乗降が行われる場合、制御部15は、浮遊型移動装置1が第2状態になるように、各部を制御する(図4参照)。
【0066】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがy方向と略平行になり、左前車輪35aが地面と接するように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも左右方向と略平行になるように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがy方向と略平行になり、右前車輪35bが地面と接するように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも左右方向と略平行になるように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0067】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがz方向と略平行になるように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも上下方向と略平行で、左中羽根車33cが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがz方向と略平行になるように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも上下方向と略平行で、右中羽根車33dが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0068】
第2状態の動作制御は、左中接続部50cと右中接続部50dのいずれか一方だけ行われる形態であってもよい。
【0069】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがy方向と略平行になり、左後車輪35eが地面と接するように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも左右方向と略平行になるように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがy方向と略平行になり、右後車輪35fが地面と接するように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも左右方向と略平行になるように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0070】
また、制御部15は、前中央羽根車43aの回転軸46aがy方向と略平行になり、前中央車輪45aが地面と接するように、前中央接続部60aの調整部(前中央調整部61a)を動作させる。
すなわち、前中央調整部61aは、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの回転軸46aが少なくとも左右方向と略平行になるように、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの向きを調整する。
また、制御部15は、後中央羽根車43bの回転軸46bがy方向と略平行になり、後中央車輪45bが地面と接するように、後中央接続部60bの調整部(後中央調整部61b)を動作させる。
すなわち、後中央調整部61bは、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの回転軸46bが少なくとも左右方向と略平行になるように、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの向きを調整する。
【0071】
乗降時などに、浮遊型移動装置1が誤ってx方向などに移動しないように、制御部15は、前中央羽根車43aの回転軸46aと後中央羽根車43bの回転軸46bの少なくとも一方が、前後方向と略並行になるように、前中央車輪45aなどの向きが調整されてもよい。
【0072】
回転部(左前回転部30a、右前回転部30b、左後回転部30e、右後回転部30f、前中央回転部40a、後中央回転部40b)の下端は、タンク90の下端よりも下方に位置する。
左中回転部30cと右中回転部30dは、運転部10から離れた状態となり、乗降口21を介して、浮遊型移動装置1の外部と、運転部10の搭乗スペースとの間の入退場が可能な状態にされる。
【0073】
(第2状態の動作制御、離陸など)
浮遊型移動装置1が離陸する場合、着陸する場合、及びホバリングする場合、さらに制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中羽根車33cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中羽根車33dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、他のモータ(左前モータ31a、右前モータ31b、左後モータ31e、右後モータ31f、前中央モータ41a、後中央モータ41b)を停止させる。
羽根車(左中羽根車33c、右中羽根車33d)の回転により、浮遊型移動装置1は、離陸する、着陸する、若しくはホバリングする。
【0074】
(第3状態の動作制御、第1の飛行モードでの空中移動)
浮遊型移動装置1が第1の飛行モードで空中移動を行う場合、制御部15は、浮遊型移動装置1が第3状態になるように、各部を制御する(図5参照)。
【0075】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがz方向と略平行になるように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも上下方向と略平行で、左前羽根車33aが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがz方向と略平行になるように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも上下方向と略平行で、右前羽根車33bが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0076】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがz方向と略平行になるように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも上下方向と略平行で、左中羽根車33cが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがz方向と略平行になるように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも上下方向と略平行で、右中羽根車33dが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0077】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがz方向と略平行になるように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも上下方向と略平行で、左後羽根車33eが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがz方向と略平行になるように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも上下方向と略平行で、右後羽根車33fが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0078】
また、制御部15は、前中央羽根車43aの回転軸46aがx方向と略平行になるように、前中央接続部60aの調整部(前中央調整部61a)を動作させる。
すなわち、前中央調整部61aは、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの回転軸46aが少なくとも前後方向と略平行で、前中央羽根車43aが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの向きを調整する。
また、制御部15は、後中央羽根車43bの回転軸46bがx方向と略平行になるように、後中央接続部60bの調整部(後中央調整部61b)を動作させる。
すなわち、後中央調整部61bは、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの回転軸46bが少なくとも前後方向と略平行で、後中央羽根車43bが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの向きを調整する。
【0079】
回転部(左前回転部30a、右前回転部30b、左中回転部30c、右中回転部30d、左後回転部30e、右後回転部30f)は、運転部10から離れた状態となる。
【0080】
また、制御部15は、左前モータ31aを回転させ、左前モータ31aの回転力が左前羽根車33aに伝達されるように、左前伝達部37aを動作させる。
また、制御部15は、右前モータ31bを回転させ、右前モータ31bの回転力が右前羽根車33bに伝達されるように、右前伝達部37bを動作させる。
また、制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中羽根車33cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中羽根車33dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、左後モータ31eを回転させ、左後モータ31eの回転力が左後羽根車33eに伝達されるように、左後伝達部37eを動作させる。
また、制御部15は、右後モータ31fを回転させ、右後モータ31fの回転力が右後羽根車33fに伝達されるように、右後伝達部37fを動作させる。
また、制御部15は、前中央モータ41aを回転させる。
また、制御部15は、後中央モータ41bを回転させる。
【0081】
羽根車(左前羽根車33aなど)の回転により、浮遊型移動装置1は、空中を移動する、若しくはホバリングする。
【0082】
(前中央羽根車43aと後中央羽根車43bの回転方向制御)
なお、第3状態、後述する第4状態、及び後述する第5状態で、前中央羽根車43aの回転方向は、後中央羽根車43bの回転方向と逆方向になるように、前中央羽根車43aと後中央羽根車43bの向きの調整及び動作制御が行われるのが望ましい。
すなわち、前中央羽根車43aの回転軸46aと後中央羽根車43bの回転軸46bとが重なった位置関係で、且つ前中央羽根車43a及び後中央羽根車43bが吸い込んだ気体などを後方向に噴射する動作する時、前中央羽根車43aと後中央羽根車43bは、互いに逆方向に回転するように動作制御される
この場合には、前中央羽根車43aと後中央羽根車43bは、二重反転ファンを構成することが出来る。
【0083】
(第3状態で、水上移動)
なお、浮遊型移動装置1が水上移動を行う場合に、制御部15は、浮遊型移動装置1が第3状態になるように、各部を制御してもよい。
浮遊型移動装置1が水上を移動する場合は、浮遊型移動装置1が空中を移動する場合と比べて、左前羽根車33aと右前羽根車33bと左中羽根車33cと右中羽根車33dと左後羽根車33eと右後羽根車33fの回転数が低くなるように、左前モータ31aなどが制御される。
【0084】
(第4状態の動作制御、第2の飛行モードでの空中移動)
浮遊型移動装置1が第2の飛行モードで空中移動を行う場合、制御部15は、浮遊型移動装置1が第4状態になるように、各部を制御してもよい(図6図7図8参照)。
【0085】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがx方向と略平行になるように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも前後方向と略平行で、左前羽根車33aが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがx方向と略平行になるように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも前後方向と略平行で、右前羽根車33bが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0086】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがx方向に略平行になり、且つx方向から見て左前羽根車33aと重ならないように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも前後方向と略平行で、左中羽根車33cが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ左中羽根車33cの回転軸36cが左前羽根車33aの回転軸36aと重ならないように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがx方向と略平行になり、且つx方向から見て右前羽根車33bと重ならないように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも前後方向と略平行で、右中羽根車33dが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ右中羽根車33dの回転軸36dが右前羽根車33bの回転軸36bと重ならないように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0087】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがx方向と略平行になり、且つx方向から見て左前羽根車33a及び左中羽根車33cと重ならないように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも前後方向と略平行で、左後羽根車33eが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ左後羽根車33eの回転軸36eが左前羽根車33aの回転軸36a及び左中羽根車33cの回転軸36cと重ならないように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがx方向と略平行になり、且つx方向から見て右前羽根車33b及び右中羽根車33dと重ならないように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも前後方向と略平行で、右後羽根車33fが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ右後羽根車33fの回転軸36fが右前羽根車33bの回転軸36b及び右中羽根車33dの回転軸36dと重ならないように、左後羽根車33e及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0088】
また、制御部15は、前中央羽根車43aの回転軸46aがx方向と略平行になるように、前中央接続部60aの調整部(前中央調整部61a)を動作させる。
すなわち、前中央調整部61aは、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの回転軸46aが少なくとも前後方向と略平行で、前中央羽根車43aが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの向きを調整する。
また、制御部15は、後中央羽根車43bの回転軸46bがx方向と略平行になるように、後中央接続部60bの調整部(後中央調整部61b)を動作させる。
すなわち、後中央調整部61bは、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの回転軸46bが少なくとも前後方向と略平行で、後中央羽根車43bが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの向きを調整する。
【0089】
また、制御部15は、左前モータ31aを回転させ、左前モータ31aの回転力が左前羽根車33aに伝達されるように、左前伝達部37aを動作させる。
また、制御部15は、右前モータ31bを回転させ、右前モータ31bの回転力が右前羽根車33bに伝達されるように、右前伝達部37bを動作させる。
また、制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中羽根車33cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中羽根車33dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、左後モータ31eを回転させ、左後モータ31eの回転力が左後羽根車33eに伝達されるように、左後伝達部37eを動作させる。
また、制御部15は、右後モータ31fを回転させ、右後モータ31fの回転力が右後羽根車33fに伝達されるように、右後伝達部37fを動作させる。
また、制御部15は、前中央モータ41aを回転させる。
また、制御部15は、後中央モータ41bを回転させる。
【0090】
羽根車(左前羽根車33aなど)の回転により、浮遊型移動装置1は、空中を移動する。
【0091】
(第5状態の動作制御、水上移動)
浮遊型移動装置1が水上移動を行う場合、制御部15は、浮遊型移動装置1が第5状態になるように、各部を制御する(図9図10参照)。
【0092】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがy方向と略平行になるように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも左右方向と略平行になるように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがy方向と略平行になるように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも左右方向と略平行になるように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0093】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがy方向と略平行になるように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも左右方向と略平行になるように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがy方向と略平行になるように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも左右方向と略平行になるように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0094】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがy方向と略平行になるように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも左右方向と略平行になるように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがy方向と略平行になるように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも左右方向と略平行になるように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0095】
また、制御部15は、前中央羽根車43aの回転軸46aがx方向と略平行になるように、前中央接続部60aの調整部(前中央調整部61a)を動作させる。
すなわち、前中央調整部61aは、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの回転軸46aが少なくとも前後方向と略平行で、前中央羽根車43aが吸い込んだ液体を少なくとも後方向に噴射するように、前中央羽根車43a及び前中央車輪45aの向きを調整する。
また、制御部15は、後中央羽根車43bの回転軸46bがx方向と略平行になるように、後中央接続部60bの調整部(後中央調整部61b)を動作させる。
すなわち、後中央調整部61bは、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの回転軸46bが少なくとも前後方向と略平行で、後中央羽根車43bが吸い込んだ液体を少なくとも後方向に噴射するように、後中央羽根車43b及び後中央車輪45bの向きを調整する。
【0096】
また、制御部15は、左前モータ31aと右前モータ31bと左中モータ31cと右中モータ31dと左後モータ31eと右後モータ31fとを停止させる。
また、制御部15は、前中央モータ41aを回転させる。
また、制御部15は、後中央モータ41bを回転させる。
【0097】
羽根車(前中央羽根車43a及び後中央羽根車43b)がスクリューとして機能し、これらの回転により、浮遊型移動装置1は、水上を移動する。
【0098】
(特許請求の範囲の語句との対応関係)
特許請求の範囲に記載された「第1回転部」は、第1実施形態の左前回転部30a及び/若しくは左後回転部30eに対応し、特許請求の範囲に記載された「第2回転部」は、第1実施形態の右前回転部30b及び/若しくは右後回転部30fに対応し、特許請求の範囲に記載された「第4回転部」は、第1実施形態の左中回転部30cに対応し、特許請求の範囲に記載された「第5回転部」は、第1実施形態の右中回転部30dに対応する。
「第1回転部」が左前回転部30aに対応し、「第2回転部」が右前回転部30bに対応する場合、特許請求の範囲に記載された「第3回転部」は、後中央回転部40bに対応する。
「第1回転部」が左後回転部30eに対応し、「第2回転部」が右後回転部30fに対応する場合、特許請求の範囲に記載された「第3回転部」は、前中央回転部40aに対応する。
「第1回転部」が左前回転部30a及び左後回転部30eに対応し、「第2回転部」が右前回転部30b及び右後回転部30fに対応する場合、特許請求の範囲に記載された「第3回転部」は、前中央回転部40a及び/若しくは後中央回転部40bに対応する。
【0099】
(少なくとも5つの回転部を設けたことの効果)
少なくとも5つの回転部の動作制御を行うことにより、陸上移動、空中移動、水上移動が可能な浮遊型移動装置1を実現すること、すなわち、地上から離れて空中及び水上で浮遊した状態で移動することが可能になる。
【0100】
(水素タンク90を設けたことの効果)
水素タンク90に充填された水素を電気に変換し、変換した電気を使って左前回転部30aなどを駆動する。離陸時は水素タンク90に多くの水素が充填されているため、浮遊型移動装置1の比重が小さくなり、離陸させやすく出来る。
また、水上移動時に、水素タンク90を浮きとして用いることも可能になる。
【0101】
(第1の飛行モード(第3状態)で、空中移動などを行うことの効果)
左前羽根車33a、右前羽根車33b、左中羽根車33c、右中羽根車33d、左後羽根車33e、及び右後羽根車33fを、下方向に吸い込んだ気体など噴射するようにして駆動させることにより、ホバリングを含む空中移動が可能になる。
また、前中央羽根車43a及び後中央羽根車43bがスクリューとして機能し、これらの回転により、浮遊型移動装置1は、水上を移動する。
また、羽根車(左前羽根車33a、右前羽根車33b、左中羽根車33c、右中羽根車33d、左後羽根車33e、右後羽根車33f)が水面に空気を吹き付けることで、当該吹きつけを行わない形態に比べて、浮遊型移動装置1が水面の浅い位置に浮かんだ状態となり、水の抵抗が少ない状態で、水上を移動することが可能になる。
【0102】
(第2の飛行モード(第4状態)で空中移動を行うことの効果)
前後方向で回転軸(羽根車)が重ならない状態で、左前羽根車33a、右前羽根車33b、左中羽根車33c、右中羽根車33d、左後羽根車33e、及び右後羽根車33fを、後方向に吸い込んだ気体などを噴射するようにして駆動させることにより、第3状態よりも早い空中移動が可能になる。
【0103】
(伝達部を用いることの効果)
モータの回転力は、伝達部を介して、羽根車と車輪のいずれかに伝達される。
このため、羽根車を回転させる時に、車輪の回転を停止させ、車輪を回転させる時に、羽根車の回転を停止させることが出来、負荷の少ない状態での、羽根車と車輪の動作制御が可能になる。
【0104】
(第2実施形態)
第1実施形態では、前中央回転部40aの前中央羽根車43aと、後中央回転部40bの後中央羽根車43bが、水上移動に用いられる例を説明した。
第2実施形態では、左後回転部30eの左後羽根車33eと、右後回転部30fの右後羽根車33fが、水上移動に用いられる。(図11図19参照)。
以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0105】
(前中央回転部40aなどの省略)
第2実施形態では、前中央回転部40a、後中央回転部40b、前中央接続部60a、後中央接続部60bが省略される。
【0106】
(左後接続部50e)
第2実施形態の左後接続部50eは、調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2、左後三次調整部51e3)、発電部(左後発電部53e)を有する。
左後接続部50eの筐体は、第1状態の時に、x方向から見て略L字形状を有する。
当該略L字形状の一方は、第1状態の時に、z方向に垂直な面を有し、運転部10の上面の一部と対向する。
当該略L字形状の他方は、第1状態の時に、y方向に垂直な面を有し、運転部10の側面の一部と対向する。
【0107】
ただし、第5状態の時に、左後接続部50eの筐体は、y方向から見て略L字形状になる。
このとき、当該略L字形状の一方は、z方向に垂直な面を有し、運転部10の上面の一部と対向する。
また、当該略L字形状の他方は、x方向に垂直な面を有し、運転部10の背面の一部と対向する。
【0108】
当該略L字形状の一方の端部は、左後一次調整部51e1及び左後三次調整部51e3を介して、運転部10の上面に取り付けられる。
当該略L字形状の他方の端部は、左後二次調整部51e2を介して、左後回転部30eに取り付けられる。
【0109】
左後一次調整部51e1は、運転部10に対して、左後接続部50eの左後一次調整部51e1と左後三次調整部51e3以外の部分と左後回転部30eとを、移動可能な状態で保持する。
具体的には、左後一次調整部51e1は、左後接続部50eの左後一次調整部51e1と左後三次調整部51e3以外の部分と左後回転部30eとが、第1状態の時にx方向に平行な第1の軸周りに回転可能で且つ、当該第1の軸と、左後接続部50eの左後一次調整部51e1と左後三次調整部51e3以外の部分及び左後回転部30eとの距離(第1距離d1)が変動可能な状態で、これらを保持する。
【0110】
左後二次調整部51e2は、左後回転部30eが、z方向に平行な状態と水平方向に平行な状態まで変動可能な第2の軸周りに回転可能で且つ、左後接続部50eの左後二次調整部51e2以外の部分と左後回転部30eとの距離(第2距離d2)が変動可能な状態で、これを保持する。
第1状態において、左後二次調整部51e2が収縮した状態で、左後回転部30eの下端が、タンク90の下端よりも下方に位置し地面に接するように、各部の寸法が設定される。
【0111】
左後三次調整部51e3は、運転部10に対して、左後接続部50eの左後三次調整部51e3以外の部分と左後回転部30eとを、z方向に平行な第3の軸周りに回転可能な状態で保持する。
【0112】
例えば、第1状態(図12参照)では、左後一次調整部51e1の回転軸(第1の軸)が、x方向に平行になり、左後二次調整部51e2の回転軸(第2の軸)が、z方向に平行になり、左後接続部51eは、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eがy方向に略平行になるように、左後回転部30eを保持する。
また、第3状態(図14図15参照)では、左後一次調整部51e1の回転軸(第1の軸)が、x方向に平行になり、左後二次調整部51e2の回転軸(第2の軸)が、y方向に平行になり、左後接続部51eは、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eがz方向に略平行になるように、左後回転部30eを保持する。
また、第5状態(図16図17参照)では、左後一次調整部51e1の回転軸(第1の軸)が、y方向に平行になり、左後二次調整部51e2の回転軸(第2の軸)が、z方向に平行になり、左後接続部51eは、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eがx方向に略平行になるように、左後回転部30eを保持する。
【0113】
従って、左後回転部30eは、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2と左後三次調整部53e3とによって、左後羽根車33eの回転軸36eなどが様々な方向を向くことが可能な状態で、保持される。
【0114】
(右後接続部50f)
右後接続部50fは、左後接続部50eと同様に、調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2、右後三次調整部51f3)、発電部(右後発電部53f)を有する。
【0115】
(第1状態の動作制御、陸上静止)
浮遊型移動装置1が陸上で静止する場合、第1実施形態の第1状態と同様に、制御部15は、浮遊型移動装置1が第1状態になるように、各部を制御する(図12参照)。
【0116】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがy方向と略平行になり、左前車輪35aが地面と接するように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも左右方向と略平行になるように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがy方向と略平行になり、右前車輪35bが地面と接するように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも左右方向と略平行になるように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0117】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがy方向と略平行になり、左中車輪35cが地面と接するように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも左右方向と略平行になるように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがy方向と略平行になり、右中車輪35dが地面と接するように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも左右方向と略平行になるように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0118】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがy方向と略平行になり、左後車輪35eが地面と接するように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2、左後三次調整部51e3)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2と左後三次調整部51e3は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも左右方向と略平行になるように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがy方向と略平行になり、右後車輪35fが地面と接するように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2、右後三次調整部51f3)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2と右後三次調整部51f3は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも左右方向と略平行になるように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0119】
回転部(左前回転部30a、右前回転部30b、左中回転部30c、右中回転部30d、左後回転部30e、右後回転部30f)の下端は、タンク90の下端よりも下方に位置する。
左側の乗降口21は、左中回転部30cと左中接続部50cとで覆われた状態になる。
右側の乗降口21は、右中回転部30dと右中接続部50dとで覆われた状態になる。
【0120】
(第1状態の動作制御、陸上移動)
浮遊型移動装置1が陸上を移動する場合は、さらに、制御部15は、左前モータ31aを回転させ、左前モータ31aの回転力が左前車輪35aに伝達されるように、左前伝達部37aを動作させる。
また、制御部15は、右前モータ31bを回転させ、右前モータ31bの回転力が右前車輪35bに伝達されるように、右前伝達部37bを動作させる。
また、制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中車輪35cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中車輪35dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、左後モータ31eを回転させ、左後モータ31eの回転力が左後車輪35eに伝達されるように、左後伝達部37eを動作させる。
また、制御部15は、右後モータ31fを回転させ、右後モータ31fの回転力が右後車輪35fに伝達されるように、右後伝達部37fを動作させる。
【0121】
ただし、左前モータ31a、右前モータ31b、左中モータ31c、右中モータ31d、左後モータ31e、右後モータ31fのうち、いくつかのモータは停止させて、残りのモータだけ駆動させてもよい。
【0122】
車輪(左前車輪35aなど)の回転により、浮遊型移動装置1は陸上を移動する。
車輪(左前車輪35aなど)の回転量を調整することにより、浮遊型移動装置1を前後方向の直線的な軌跡の移動だけでなく、左右方向へ曲げて移動させることが可能になる。
また、二次調整部(左前二次調整部51a2など)が、車輪(左前車輪35aなど)の回転軸をy方向に平行な状態から変化させることによっても、浮遊型移動装置1を左右方向に曲げて移動させることが可能になる。
【0123】
(第2状態の動作制御、乗降)
浮遊型移動装置1が陸上で静止した状態で、さらに乗降が行われる場合、第1実施形態の第2状態と同様に、制御部15は、浮遊型移動装置1が第2状態になるように、各部を制御する(図13参照)。
【0124】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがy方向と略平行になり、左前車輪35aが地面と接するように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも左右方向と略平行になるように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがy方向と略平行になり、右前車輪35bが地面と接するように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも左右方向と略平行になるように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置を調整する。
【0125】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがz方向と略平行になるように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも上下方向と略平行で、左中羽根車33cが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがz方向と略平行になるように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも上下方向と略平行で、右中羽根車33dが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0126】
第2状態の動作制御は、左中接続部50cと右中接続部50dのいずれか一方だけ行われる形態であってもよい。
【0127】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがy方向と略平行になり、左後車輪35eが地面と接するように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2、左後三次調整部53e3)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2と左後三次調整部53e3は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも左右方向と略平行になるように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがy方向と略平行になり、右後車輪35fが地面と接するように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2、右後三次調整部53f3)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2と右後三次調整部53f3は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも左右方向と略平行になるように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0128】
回転部(左前回転部30a、右前回転部30b、左後回転部30e、右後回転部30f)の下端は、タンク90の下端よりも下方に位置する。
左中回転部30cと右中回転部30dは、運転部10から離れた状態となり、乗降口21を介して、浮遊型移動装置1の外部と、運転部10の搭乗スペースとの間の入退場が可能な状態にされる。
【0129】
(第2状態の動作制御、離陸など)
浮遊型移動装置1が離陸する場合、着陸する場合、及びホバリングする場合、さらに制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中羽根車33cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中羽根車33dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、他のモータ(左前モータ31a、右前モータ31b、左後モータ31e、右後モータ31f)を停止させる。
【0130】
羽根車(左中羽根車33c、右中羽根車33d)の回転により、浮遊型移動装置1は、離陸する、着陸する、若しくはホバリングする。
【0131】
(第3状態の動作制御、第1の飛行モードでの空中移動)
浮遊型移動装置1が第1の飛行モードで空中移動を行う場合、第1実施形態の第3状態と同様に、制御部15は、浮遊型移動装置1が第3状態になるように、各部を制御する(図14図15参照)。
【0132】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがz方向と略平行になるように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも上下方向と略平行で、左前羽根車33aが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがz方向と略平行になるように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも上下方向と略平行で、右前羽根車33bが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0133】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがz方向と略平行になるように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも上下方向と略平行で、左中羽根車33cが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがz方向と略平行になるように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも上下方向と略平行で、右中羽根車33dが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0134】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがz方向と略平行になるように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2、左後三次調整部51e3)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2と左後三次調整部51e3は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも上下方向と略平行で、左後羽根車33eが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがz方向と略平行になるように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2、右後三次調整部51f3)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2と右後三次調整部51f3は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも上下方向と略平行で、右後羽根車33fが吸い込んだ気体などを少なくとも下方向に噴射するように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0135】
回転部(左前回転部30a、右前回転部30b、左中回転部30c、右中回転部30d、左後回転部30e、右後回転部30f)は、運転部10から離れた状態となる。
【0136】
また、制御部15は、左前モータ31aを回転させ、左前モータ31aの回転力が左前羽根車33aに伝達されるように、左前伝達部37aを動作させる。
また、制御部15は、右前モータ31bを回転させ、右前モータ31bの回転力が右前羽根車33bに伝達されるように、右前伝達部37bを動作させる。
また、制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中羽根車33cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中羽根車33dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、左後モータ31eを回転させ、左後モータ31eの回転力が左後羽根車33eに伝達されるように、左後伝達部37eを動作させる。
また、制御部15は、右後モータ31fを回転させ、右後モータ31fの回転力が右後羽根車33fに伝達されるように、右後伝達部37fを動作させる。
【0137】
羽根車(左前羽根車33aなど)の回転により、浮遊型移動装置1は、空中を移動する、若しくはホバリングする。
【0138】
(第4状態の動作制御、第2の飛行モードでの空中移動)
浮遊型移動装置1が第2の飛行モードで空中移動を行う場合、第1実施形態の第4状態と同様に、制御部15は、浮遊型移動装置1が第4状態になるように、各部を制御してもよい(不図示)。
【0139】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがx方向と略平行になるように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも前後方向と略平行で、左前羽根車33aが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがx方向と略平行になるように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも前後方向と略平行で、右前羽根車33bが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射するように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0140】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがx方向と略平行になり、且つx方向から見て左前羽根車33aと重ならないように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも前後方向と略平行で、左中羽根車33cが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ左中羽根車33cの回転軸36cが左前羽根車33aの回転軸36aと重ならないように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがx方向と略平行になり、且つx方向から見て右前羽根車33bと重ならないように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも前後方向と略平行で、右中羽根車33dが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ右中羽根車33dの回転軸36dが右前羽根車33bの回転軸36bと重ならないように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0141】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがx方向と略平行になり、且つx方向から見て左前羽根車33a及び左中羽根車33cと重ならないように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2、左後三次調整部53e3)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2と左後三次調整部53e3は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも前後方向と略平行で、左後羽根車33eが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ左後羽根車33eの回転軸36eが左前羽根車33aの回転軸36a及び左中羽根車33cの回転軸36cと重ならないように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがx方向と略平行になり、且つx方向から見て右前羽根車33b及び右中羽根車33dと重ならないように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2、右後三次調整部51f3)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2と右後三次調整部51f3は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも前後方向と略平行で、右後羽根車33fが吸い込んだ気体などを少なくとも後方向に噴射し、且つ右後羽根車33fの回転軸36fが右前羽根車33bの回転軸36b及び右中羽根車33dの回転軸36dと重ならないように、左後羽根車33e及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0142】
また、制御部15は、左前モータ31aを回転させ、左前モータ31aの回転力が左前羽根車33aに伝達されるように、左前伝達部37aを動作させる。
また、制御部15は、右前モータ31bを回転させ、右前モータ31bの回転力が右前羽根車33bに伝達されるように、右前伝達部37bを動作させる。
また、制御部15は、左中モータ31cを回転させ、左中モータ31cの回転力が左中羽根車33cに伝達されるように、左中伝達部37cを動作させる。
また、制御部15は、右中モータ31dを回転させ、右中モータ31dの回転力が右中羽根車33dに伝達されるように、右中伝達部37dを動作させる。
また、制御部15は、左後モータ31eを回転させ、左後モータ31eの回転力が左後羽根車33eに伝達されるように、左後伝達部37eを動作させる。
また、制御部15は、右後モータ31fを回転させ、右後モータ31fの回転力が右後羽根車33fに伝達されるように、右後伝達部37fを動作させる。
【0143】
羽根車(左前羽根車33aなど)の回転により、浮遊型移動装置1は、空中を移動する。
【0144】
(第5状態の動作制御、水上移動)
浮遊型移動装置1が水上移動を行う場合、制御部15は、浮遊型移動装置1が第5状態になるように、各部を制御する(図16図17参照)。
【0145】
具体的には、制御部15は、左前羽根車33aの回転軸36aがy方向と略平行になるように、左前接続部50aの調整部(左前一次調整部51a1、左前二次調整部51a2)を動作させる。
すなわち、左前一次調整部51a1と左前二次調整部51a2は、左前羽根車33a及び左前車輪35aの回転軸36aが少なくとも左右方向と略平行になるように、左前羽根車33a及び左前車輪35aの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右前羽根車33bの回転軸36bがy方向と略平行になるように、右前接続部50bの調整部(右前一次調整部51b1、右前二次調整部51b2)を動作させる。
すなわち、右前一次調整部51b1と右前二次調整部51b2は、右前羽根車33b及び右前車輪35bの回転軸36bが少なくとも左右方向と略平行になるように、右前羽根車33b及び右前車輪35bの位置と向きを調整する。
【0146】
また、制御部15は、左中羽根車33cの回転軸36cがy方向と略平行になるように、左中接続部50cの調整部(左中一次調整部51c1、左中二次調整部51c2)を動作させる。
すなわち、左中一次調整部51c1と左中二次調整部51c2は、左中羽根車33c及び左中車輪35cの回転軸36cが少なくとも左右方向と略平行になるように、左中羽根車33c及び左中車輪35cの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右中羽根車33dの回転軸36dがy方向と略平行になるように、右中接続部50dの調整部(右中一次調整部51d1、右中二次調整部51d2)を動作させる。
すなわち、右中一次調整部51d1と右中二次調整部51d2は、右中羽根車33d及び右中車輪35dの回転軸36dが少なくとも左右方向と略平行になるように、右中羽根車33d及び右中車輪35dの位置と向きを調整する。
【0147】
また、制御部15は、左後羽根車33eの回転軸36eがx方向と略平行になるように、左後接続部50eの調整部(左後一次調整部51e1、左後二次調整部51e2、左後三次調整部53e3)を動作させる。
すなわち、左後一次調整部51e1と左後二次調整部51e2と左後三次調整部53e3は、左後羽根車33e及び左後車輪35eの回転軸36eが少なくとも前後方向と略平行になるように、左後羽根車33e及び左後車輪35eの位置と向きを調整する。
また、制御部15は、右後羽根車33fの回転軸36fがx方向と略平行になるように、右後接続部50fの調整部(右後一次調整部51f1、右後二次調整部51f2、右後三次調整部51f3)を動作させる。
すなわち、右後一次調整部51f1と右後二次調整部51f2と右後三次調整部51f3は、右後羽根車33f及び右後車輪35fの回転軸36fが少なくとも前後方向と略平行になるように、右後羽根車33f及び右後車輪35fの位置と向きを調整する。
【0148】
また、制御部15は、左前モータ31aと右前モータ31bと左中モータ31cと右中モータ31dとを停止させる。
また、制御部15は、左後モータ31eと右後モータ31fを回転させる。
【0149】
羽根車(左後羽根車33e及び右後羽根車33f)がスクリューとして機能し、これらの回転により、浮遊型移動装置1は、水上を移動する。
【0150】
(水上移動の別の形態)
なお、水上移動を行う時に、第5状態として、左前羽根車33a、右前羽根車33b、左中羽根車33c、及び右中羽根車33dは、それぞれの回転軸がy方向に略平行になるように配置される形態であってもよいし、それぞれの回転軸がz方向に略平行になるように配置されてもよい(図18図19参照)。
【0151】
(特許請求の範囲の語句との対応関係)
特許請求の範囲に記載された「第1回転部」は、第2実施形態の左前回転部30aに対応し、特許請求の範囲に記載された「第2回転部」は、第2実施形態の右前回転部30bに対応し、特許請求の範囲に記載された「第3回転部」は、左後回転部30e及び右後回転部30fに対応し、特許請求の範囲に記載された「第4回転部」は、第2実施形態の左中回転部30cに対応し、特許請求の範囲に記載された「第5回転部」は、第2実施形態の右中回転部30dに対応する。
【0152】
ただし、第1回転部〜第5回転部と、左前回転部30aなどとの対応関係は、第1実施形態及び第2実施形態に記載されたものに限るものではない。
【0153】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、浮遊型移動装置1は、運転部10に搭乗スペースが設けられ、内部からの制御により動作するものであるとして説明したが、浮遊型移動装置1が、ドローンなど、運転部10に搭乗スペースが設けられず、外部からの制御により動作するものであってもよい。
【0154】
第1実施形態及び第2実施形態の図では、x方向とy方向とz方向のいずれかに平行な方向に、回転軸が位置するように、調整部が羽根車などの位置(少なくとも向き)を調整する例を説明した。
しかしながら、これに限らず、これらの方向に対して傾いた方向に、回転軸が位置するように、調整部が羽根車などの位置(少なくとも向き)を調整してもよい。
【0155】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0156】
1 浮遊型移動装置
10 運転部
11 操作部
13 検知部
15 制御部
17 電気変換部
19 蓄電部
21 乗降口
30a 左前回転部
30b 右前回転部
30c 左中回転部
30d 右中回転部
30e 左後回転部
30f 右後回転部
31a 左前モータ
31b 右前モータ
31c 左中モータ
31d 右中モータ
31e 左後モータ
31f 右後モータ
33a 左前羽根車
33b 右前羽根車
33c 左中羽根車
33d 右中羽根車
33e 左後羽根車
33f 右後羽根車
35a 左前車輪
35b 右前車輪
35c 左中車輪
35d 右中車輪
35e 左後車輪
35f 右後車輪
36a 左前羽根車及び左前車輪の回転軸
36b 右前羽根車及び右前車輪の回転軸
36c 左中羽根車及び左中車輪の回転軸
36d 右中羽根車及び右中車輪の回転軸
36e 左後羽根車及び左後車輪の回転軸
36f 右後羽根車及び右後車輪の回転軸
37a 左前伝達部
37b 右前伝達部
37c 左中伝達部
37d 右中伝達部
37e 左後伝達部
37f 右後伝達部
40a 前中央回転部
40b 後中央回転部
41a 前中央モータ
41b 後中央モータ
43 中央羽根車
43a 前中央羽根車
43b 後中央羽根車
45a 前中央車輪
45b 後中央車輪
46a 前中央羽根車及び前中央車輪の回転軸
46b 後中央羽根車及び後中央車輪の回転軸
50a 左前接続部
50b 右前接続部
50c 左中接続部
50d 右中接続部
50e 左後接続部
50f 右後接続部
51a1 左前一次調整部
51a2 左前二次調整部
51b1 右前一次調整部
51b2 右前二次調整部
51c1 左中一次調整部
51c2 左中二次調整部
51d1 右中一次調整部
51d2 右中二次調整部
51e1 左後一次調整部
51e2 左後二次調整部
51e3 左後三次調整部
51f1 右後一次調整部
51f2 右後二次調整部
51f3 右後三次調整部
53a 左前発電部
53b 右前発電部
53c 左中発電部
53d 右中発電部
53e 左後発電部
53f 右後発電部
60a 前中央接続部
60b 後中央接続部
61a 前中央調整部
61b 後中央調整部
90 タンク
【要約】
地上から離れて空中及び水上で浮遊した状態で移動することが可能な浮遊型移動装置を提供する。
浮遊型移動装置は、第1回転部と第2回転部と第3回転部と第4回転部と第5回転部とを備える。第4調整部は、離陸の時に、第4羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、第4羽根車の向きを調整する。第5調整部は、離陸の時に、第5羽根車の回転軸が少なくとも上下方向と平行になるように、第5羽根車の向きを調整する。第1調整部は、離陸が行われるまで、第1車輪が地面と接するように、第1車輪の位置を調整する。第2調整部は、離陸が行われるまで、第2車輪が地面と接するように、第2車輪の位置を調整する。第3調整部は、離陸が行われるまで、第3車輪が地面と接するように、第3車輪の位置を調整し、水上移動を行う時に、第3羽根車の回転軸が少なくとも前後方向と平行になるように第3羽根車の向きを調整する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19