特許第6914056号(P6914056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914056
(24)【登録日】2021年7月15日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】訪問スポット提案システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20210727BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20210727BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   G01C21/34
   G01C21/26 P
   G08G1/005
【請求項の数】9
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-37064(P2017-37064)
(22)【出願日】2017年2月28日
(65)【公開番号】特開2018-141734(P2018-141734A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(73)【特許権者】
【識別番号】000102728
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】安藤 麻衣
(72)【発明者】
【氏名】宮島 雄一
(72)【発明者】
【氏名】大石 千博
(72)【発明者】
【氏名】風間 みなみ
(72)【発明者】
【氏名】脇田 長良
【審査官】 秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−163670(JP,A)
【文献】 特開2008−269552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G01C 21/26
G08G 1/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の訪問拠点間の移動コストを示す情報を含む訪問拠点情報を取得する訪問拠点情報取得部と、
前記移動コストを示す情報に基づいて、異なる交通機関又は交通ルールに切り替わる地点である訪問拠点のうち、ユーザに提案する訪問拠点を決定する訪問拠点決定部と、
前記提案する訪問拠点に対応する訪問スポットに関する情報であるスポット情報を取得するスポット情報取得部と、
前記訪問拠点決定部によって前記訪問拠点が決定された後に、前記スポット情報取得部によって取得されたスポット情報に基づいて、前記提案する訪問拠点の少なくとも一つにおいて、該訪問拠点に対応する訪問スポットから前記ユーザに提案する訪問スポットを決定する訪問スポット決定部と、
前記訪問スポット決定部によって決定された訪問スポットを出力する訪問スポット出力部と、を備え
前記訪問スポットへの移動と前記訪問拠点間の移動とには、互いに異なる交通機関又は交通ルールが使用される、訪問スポット提案システム。
【請求項2】
前記複数の訪問拠点は、出発地に対応する出発訪問拠点と、到着地に対応する到着訪問拠点と、前記出発訪問拠点及び前記到着訪問拠点以外の訪問拠点とを含んでいる、請求項1に記載の訪問スポット提案システム。
【請求項3】
前記訪問拠点情報は、前記複数の訪問拠点の優先順序の初期値を示す情報を含み、
前記訪問拠点決定部は、前記複数の訪問拠点の優先順序の初期値を示す情報と前記移動コストを示す情報とに基づいて、前記提案する訪問拠点を決定する、請求項1又は2に記載の訪問スポット提案システム。
【請求項4】
前記ユーザによって入力された属性を示す情報を取得するユーザ入力情報取得部を更に備え、
前記複数の訪問拠点の優先順序の初期値を示す情報は、複数の属性毎に決められており、
前記訪問拠点決定部は、前記ユーザによって入力された属性に関連付けられている前記複数の訪問拠点の優先順序の初期値を示す情報に基づいて、前記提案する訪問拠点を決定する、請求項に記載の訪問スポット提案システム。
【請求項5】
各々が前記複数の訪問拠点の優先順序を示す情報を含む複数の訪問拠点リストを作成する訪問拠点リスト作成部を更に備え、
前記訪問拠点リスト作成部は、作成する前記訪問拠点リストの少なくとも一つにおいて、前記複数の訪問拠点の優先順序の初期値を示す情報に応じて前記複数の訪問拠点を複数のグループに分類し、前記複数のグループの少なくとも一つにおいて前記グループ内における前記複数の訪問拠点の優先順序を更新することで、互いに異なる前記複数の訪問拠点の優先順序を示す情報を含む前記複数の訪問拠点リストを作成し、
前記訪問拠点決定部は、前記移動コストを示す情報と前記複数の訪問拠点リストの各々に含まれている前記複数の訪問拠点の優先順序を示す情報とに基づいて、前記提案する訪問拠点を決定する、請求項3又は4に記載の訪問スポット提案システム。
【請求項6】
前記訪問拠点決定部は、前記提案する訪問拠点に含まれる訪問拠点間の移動コストが、所定範囲の範囲外となることを禁止する、請求項1〜のいずれか一項に記載の訪問スポット提案システム。
【請求項7】
前記ユーザによって入力された、前記ユーザが前記訪問スポットを訪問するのに許された許容時間を示す情報を取得するユーザ入力情報取得部を更に備え、
前記訪問拠点決定部は、前記許容時間に関連付けられている所定数を超える訪問拠点が前記提案する訪問拠点に含まれることを禁止する、請求項1〜のいずれか一項に記載の訪問スポット提案システム。
【請求項8】
前記訪問拠点決定部は、前記ユーザに提案する訪問拠点の各々に対して、ユーザが各訪問拠点に関連付けられた訪問スポットを巡回するのに許された滞在時間を決定し、
前記提案する訪問拠点は、第1訪問拠点と前記第1訪問拠点よりも優先順序が高い第2訪問拠点を含み、
前記訪問スポット決定部は、
前記第1訪問拠点に対して決定された前記滞在時間に基づいて、前記第1訪問拠点について前記提案する訪問スポットを決定し、
前記第1訪問拠点について決定された前記提案する訪問スポットの全てを訪問する時間を、前記第1訪問拠点に対して決定された前記滞在時間から差し引いた残り滞在時間を求め、
前記第2訪問拠点に対して決定された前記滞在時間に前記残り滞在時間を加えた時間に基づいて、前記第2訪問拠点について前記提案する訪問スポットを決定する、請求項1〜のいずれか一項に記載の訪問スポット提案システム。
【請求項9】
各々が複数の前記訪問スポットの優先順序を示す情報を含む複数の訪問スポットリストを作成する訪問スポットリスト作成部を更に備え、
前記スポット情報は、前記複数の訪問スポットの優先順序の初期値を示す情報を含み、
前記訪問スポットリスト作成部は、作成する前記訪問スポットリストの少なくとも一つにおいて、前記複数の訪問スポットの優先順序の初期値を示す情報に応じて前記複数の訪問スポットを複数のグループに分類し、前記複数のグループの少なくとも一つにおいて前記グループ内における前記複数の訪問スポットの優先順序を更新することで、互いに異なる前記複数の訪問スポットの優先順序を示す情報を含む複数の訪問スポットリストを作成し、
前記訪問スポット決定部は、前記複数の訪問スポットリストの各々に含まれている前記複数の訪問スポットの優先順序を示す情報に基づいて、前記提案する訪問スポットを決定する、請求項1〜のいずれか一項に記載の訪問スポット提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが訪問するスポットを提案する訪問スポット提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の訪問スポット(例えば、A店、B公園、又はC美術館などの観光スポット)のスポット情報(例えば、訪問スポットのID、位置、又は優先度など)を取得し、複数の訪問スポットを巡回する経路をユーザに提案するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−32528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、複数の経由地(訪問スポット)を経由する複数の経路パターンを作成している。しかしながら、行動範囲が互いに異なる複数の移動手段(例えば、電車及び徒歩)が併用される場合が考慮されておらず、ユーザに細かい提案がなされ難い。例えば、ユーザが、駅間を電車で移動し、駅に対応した訪問スポットを徒歩で巡回したい場合に、これらを考慮したバリエーションに富んだ訪問スポットの提案はされ得ない。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、行動範囲が互いに異なる複数の移動手段が利用される場合を考慮して、バリエーションに富んだ訪問スポットを提案され得る訪問スポット提案システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る訪問スポット提案システムは、複数の訪問拠点間の移動コストを示す情報を含む訪問拠点情報を取得する訪問拠点情報取得部と、移動コストを示す情報に基づいて、異なる交通機関又は交通ルールに切り替わる地点である訪問拠点のうち、ユーザに提案する訪問拠点を決定する訪問拠点決定部と、提案する訪問拠点に対応する訪問スポットに関する情報であるスポット情報を取得するスポット情報取得部と、訪問拠点決定部によって訪問拠点が決定された後に、スポット情報取得部によって取得されたスポット情報に基づいて、提案する訪問拠点の少なくとも一つにおいて、該訪問拠点に対応する訪問スポットからユーザに提案する訪問スポットを決定する訪問スポット決定部と、訪問スポット決定部によって決定された訪問スポットを出力する訪問スポット出力部と、を備える。訪問スポットへの移動と訪問拠点間の移動とには、互いに異なる交通機関又は交通ルールが使用される。
【0007】
本発明に係る訪問スポット提案システムでは、移動コストを示す情報に基づいて、異なる交通機関又は交通ルールに切り替わる地点である訪問拠点のうち、ユーザに提案する訪問拠点(例えば、駅)を決定して、訪問拠点決定部によって訪問拠点が決定された後に、訪問拠点決定部によって決定された訪問拠点の少なくとも一つにおいて、該訪問拠点に対応する訪問スポットからユーザに提案する訪問スポットを決定する。したがって、複数の訪問拠点間の移動と複数の訪問スポット間の移動とで互いに異なる複数の移動手段を用いる場合に、複数の訪問拠点における複数の訪問スポットをバランス良く取り入れた提案を行うことができる。すなわち、行動範囲が互いに異なる複数の移動手段が利用される場合を考慮して、バリエーションに富んだ訪問スポットを提案され得る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、行動範囲が互いに異なる複数の移動手段が利用される場合を考慮して、バリエーションに富んだ訪問スポットを提案され得る訪問スポット提案システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムの構成を説明するための図である。
図2】(a)スポット情報の例を示す図である。(b)換算表の例を示す図である。(c)ジャンルによる点数換算の例を示す図である。
図3】事前準備で作成されるデータを説明するための図である。
図4】事前準備で作成されるデータを説明するための図である。
図5】事前準備で作成されるデータを説明するための図である。
図6】事前準備で作成されるデータを説明するための図である。
図7】ユーザ端末のディスプレイに表示される画面を説明するための図である。
図8】ユーザ入力情報の例を示す図である。
図9】駅リストの例を示す図である。
図10】読み出された移動コスト情報の例を示す図である。
図11】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図12】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図13】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図14】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図15】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図16】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図17】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図18】スポット情報の例を示す図である。
図19】訪問スポットの分類の例を示す図である。
図20】訪問スポットのシャッフルの例を示す図である。
図21】(a)優先度評価が3段階でジャンル指定がない場合のシャッフルの仕方を示す図である。(b)優先度評価が3段階でジャンル指定がある場合のシャッフルの仕方を示す図である。(c)優先度評価が10段階でジャンル指定がない場合のシャッフルの仕方を示す図である。(d)優先度評価が10段階でジャンル指定がある場合のシャッフルの仕方を示す図である。
図22】一の実施形態に係る訪問スポット提案システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面と共に本発明に係る訪問スポット提案システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1に本実施形態に係る訪問スポット提案システムであるサーバ10を示す。訪問スポット提案システムは、複数のサーバからなる構成であってもよい。サーバ10は、ユーザによってユーザ端末20に入力された情報を受信し、ユーザ端末20から取得された情報及びスポット情報等に基づいて、ユーザの状況及び好みに合う複数の訪問スポットを、提案する訪問スポットとして決定する。サーバ10は、複数の経路について、各経路で提案する複数の訪問スポットを決定する。このため、ユーザの状況及び好みに合う訪問スポットを巡回する経路が提案され得る。以下では、サーバ10はルート1、ルート2、及びルート3の3つの経路を提案するとして説明するが、サーバ10によって提案される経路の数はこれに限定されない。
【0012】
図1に示されているユーザ端末20は、ユーザによって操作される装置であり、情報を表示するディスプレイを有している。ユーザ端末20は、具体的には、携帯電話機、又はスマートフォン等に相当する。ユーザ端末20は、移動体通信網等のネットワークNに接続して無線通信を行う機能を有している。ユーザ端末20とサーバ10とは、ネットワークNを介して通信を行うことができ、互いに情報の送受信を行えるようになっている。また、ユーザ端末20とサーバ10とは、ネットワークN以外のインターネット等のネットワークを経由して、情報の送受信を行うこととしてもよい。ユーザ端末20は、サーバ10から送信されるコンテンツを受信し、コンテンツを利用する(例えば、表示する)機能を有している。
【0013】
ユーザ端末20は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)測位機能等の自端末20の測位機能を有している。ユーザ端末20は、測位機能によって得られた自端末20の位置である測位点を示す情報を、ユーザの位置を示すユーザ位置情報としてサーバ10に送信する。位置情報は、例えば、当該位置の緯度経度を示す緯度経度情報である。ユーザ端末20を所有するユーザには、予めユーザを特定する情報であるユーザIDが付与されており、ユーザ端末20に予め当該ユーザIDが記憶されている。ユーザ端末20は、ユーザIDと共に位置情報をサーバ10に送信する。
【0014】
ユーザ端末20は、通常の携帯電話機やスマートフォン等と同様にCPU(Central Processing Unit)、メモリ及び無線通信モジュール等のハードウェアを備えて構成される。
【0015】
サーバ10は、図1に示しているように、ユーザ入力情報取得部11と、訪問拠点情報取得部12と、訪問拠点リスト作成部13と、訪問拠点決定部14と、スポット情報取得部15と、訪問スポットリスト作成部16と、訪問スポット決定部17と、訪問スポット出力部18と、を備える。
【0016】
サーバ10には、環境構築時に、対象地域、対象地域内に位置すると共にユーザが訪問する可能性のある訪問スポット(例えば、A店、B公園、又はC美術館などの観光スポット)に関するスポット情報、及び対象地域内に位置する訪問拠点に関する訪問拠点情報が互いに関連付けられて格納されている。対象地域は、サーバ10によって経路を提案することが可能な地域であり、ユーザによって選択される。
【0017】
対象地域は、対象地域に該当する緯度経度を示す緯度経度情報と関連付けられて格納されている。対象地域は、国単位、都道府県単位、又は、東京23区、鎌倉市、京都市などの市区町村単位であってよい。訪問拠点は、ユーザが異なる訪問スポット間を移動する際に、異なる交通機関(例えば、徒歩、自動車、又は電車)又は交通ルールに切り替わる地点(例えば、駅、又は高速道路の料金所)である。例えば、ユーザによって移動手段に電車と徒歩が選択された場合、訪問拠点は駅に当たる。以下、ユーザによって移動手段に電車が選択されると共に訪問拠点が駅とされる場合を例に説明するが、移動手段及び訪問拠点の種別はこれに限定されない。
【0018】
スポット情報は、例えば、訪問スポットID、訪問スポットの名称、訪問スポットの緯度経度を示す緯度経度情報、訪問スポットの優先度、及び訪問スポットのジャンルを含んでいる。図2(a)に、スポット情報の例を示す。図2(a)では、訪問スポットIDと当該訪問スポットの最寄駅とジャンルと優先度とが関連付けられている。図2(a)では、訪問スポットの名称、訪問スポットの緯度経度を示す緯度経度情報は描かれていない。サーバ10は、訪問スポットの名称、訪問スポットの緯度経度を示す緯度経度情報も、訪問スポットID、当該訪問スポットの最寄駅、ジャンル、及び優先度と関連付けて格納している。
【0019】
訪問スポットの優先度とは、ユーザが訪れるべき価値を示した値であり、訪問スポットの規模、著名度、及び過去に訪問スポットを訪問した人の満足度などによって予め決定されている。本実施形態では、各訪問スポットの優先度の値は、「1」、「2」、及び「3」の3種類からなり、数字が小さいほどユーザが訪れるべき価値が高い(優先度が高い)ことを意味する。優先度の値は、これらの値に限定されない。
【0020】
サーバ10は、訪問スポットの優先度を、ユーザに訪問スポットを提案する優先順序の元データ(複数の訪問スポットの優先順序の初期値を示す情報)として扱う。訪問スポットのジャンルとは、例えば、自然、社寺・教会、建物・史跡、及び動植物園・公園など訪問スポットの属性(分類)である。
【0021】
訪問拠点情報は、駅を示す情報であり、例えば、駅ID、駅名、駅の緯度経度を示す緯度経度情報、駅間の移動コスト、駅の総合評価点数、及び駅のジャンル別評価点数を含んでいる。移動コストは、ユーザが移動するのに要するコストであり、例えば、距離、移動時間、移動にかかる料金、及び乗り換え回数などのうち少なくとも1つを含む。サーバ10は、例えば、駅の総合評価点数、又は駅のジャンル別評価点数を、ユーザに駅を提案する優先順序の元データ(複数の訪問拠点の優先順序の初期値を示す情報)として扱う。
【0022】
駅の総合評価点数とは、ユーザが訪れるべき価値の高さを示した値であり、当該駅が最寄りとなる訪問スポットに優先度が高い訪問スポットが多いほど高い値となる。以後、1つの駅について、後述する方法によって関連付けられた複数の訪問スポットが位置する領域を駅ブロックという。駅のジャンル別評価点数とは、ジャンル毎にユーザが訪れるべき価値の高さを示した値であり、当該駅が最寄りとなる訪問スポットに優先度が高い該当ジャンルの訪問スポットが多いほど当該ジャンルついて高い値となる。本実施形態では、総合評価点数は、駅の全ジャンルのジャンル別評価点数の合計値である。本実施形態のサーバ10において、訪問拠点情報は、環境構築時に、駅評価テーブル、移動コストテーブル、及び駅マスタテーブルとして格納されている。
【0023】
駅評価テーブルは、各対象地域に属する全駅の各々について、駅IDと駅名と総合評価点数とジャンル別評価点数を関連付けたテーブルである。訪問拠点評価テーブルは、例えば、図3に示されている形式で格納されており、図2(a)に示されているスポット情報と、図2(b)に示されている、優先度と点数とが関連付けられた換算表とから作成される。
【0024】
図2(c)は、スポットIDがa,b,c,d,e,f,gである訪問スポットは、ジャンルが「自然」に属すると共に駅Aが最寄りとなることを示している。この場合、駅Aのジャンル別評価点数は、図2(b)に示されている換算表に基づき、ジャンル「自然」について49点とされる。
【0025】
以上の方法によって、各対象地域に属する全駅の各々について、ジャンル毎にジャンル別評価点数が算出されることで、図3に示されているような訪問拠点評価テーブルが作成される。
【0026】
移動コストテーブルは、各対象地域について、該対象地域内の駅間の移動コストを示したテーブルである。図4は、対象地域が鎌倉市である場合の移動コストテーブルの例を示している。図4では、移動コストとして移動時間が示されている。なお、図4における移動時間は、乗車時間及び乗り換え時間を含めた全移動時間である。例えば、A駅からB駅までの経路が、A駅→C駅→B駅のようにC駅で乗り換える経路で、乗り換え時間も含めて所要時間30分である場合には、A駅からB駅の移動時間は30分とされる。
【0027】
駅マスタテーブルは、駅IDと駅名と駅の緯度経度との関係を示したテーブルである。図5に、駅マスタテーブルの例を示す。
【0028】
サーバ10には、環境構築時に、駅を決定する際の諸条件を規定した駅パラメータが格納されている。駅パラメータは、例えば、図6に示されているように、対象地域、観光時間、駅数上限、駅間距離下限、及び駅間距離上限を関連付けているデータである。観光時間は、ユーザによって入力される値であり、出発地を出発してから到着地に到着するまでのユーザが希望する時間、すなわち、ユーザが出発地及び到着地を含めた全ての提案された訪問スポットを訪問するのに許された許容時間である。駅数上限は、ユーザに提案される駅数の上限を示している。駅間距離下限、及び駅間距離上限は、ユーザに提案される駅間の移動コストとしての距離の許容範囲を示している。
【0029】
ユーザ入力情報取得部11は、ユーザによってユーザ端末20に入力された情報及びこれに対応する情報を取得する。具体的には、ユーザ端末20のディスプレイに表示された、図7に示されている情報入力画面において、ユーザによって、基本情報、ユーザの好み、及び交通手段等が入力された後に、「ルート検索」が選択されると、ユーザによって入力された基本情報及びこだわり条件を示す情報又はこれに対応する情報が、サーバ10に送信される。この結果、ユーザ入力情報取得部11が、ユーザによって入力された基本情報及びこだわり条件を示す情報、又はこれに対応する情報を受信して取得する。
【0030】
基本情報には、「出発地」、「到着地」、及び「観光時間」の項目が含まれている。基本情報の各項目に、出発地及び到着地を示す情報と観光時間とが入力され、「ルート検索」が選択されることで、ユーザ端末20からサーバ10へ、出発地及び到着地を示す情報、観光時間を示す情報、及び予め設定されている移動手段を示す情報が送信される。
【0031】
基本情報が入力される前に「ルート検索」が選択された場合には、予め設定されている出発地及び到着地を示す情報と観光時間を示す情報とが、ユーザ端末20からサーバ10へ送信される。この場合に、サーバ10へ送信される出発地及び到着地を示す情報は、ユーザによって予め選択された対象地域に対応付けられている出発地及び到着地を示す情報でもよい。
【0032】
基本情報が入力される前に「ルート検索」が選択された場合に、ユーザ端末20からサーバ10へ出発地及び到着地を示す情報と観光時間を示す情報とを送信せず、サーバ10内に予め保存されている各情報を用いてもよいし、エラー処理がなされてもよい。
【0033】
出発地及び到着地を示す情報は、出発地及び到着地の名称又は緯度経度を示す情報などである。出発地及び到着地の名称が入力される場合は、ユーザ端末20が予め保存されている緯度経度情報に変換してサーバ10に送信しても、サーバ10が各名称を緯度経度情報に変換してもよい。出発地の緯度経度情報は、ユーザ端末20の測位機能によって得られた自端末20の位置である測位点を示す情報であってもよい。
【0034】
こだわり条件を示す情報には、出発時刻、ユーザの好み、及び交通手段が含まれている。こだわり条件を示す情報は、任意で入力される情報である。このため、こだわり条件が入力されずに「ルート検索」が選択されても、基本情報が入力されていれば、エラー画面は表示されない。
【0035】
「出発時間」の項目には、ユーザが出発地から出発する希望時刻(以下、出発時刻という)が入力され得る。ユーザによって出発時刻が入力されない場合は、現在時刻が出発時刻としてサーバ10へ送信されてもよい。出発時刻は、電車の移動時間、又は訪問スポットの営業時間に応じた訪問の適否判断などに利用されてもよい。
【0036】
ユーザの好みには、「旅のジャンル」及び「必ず行きたいスポット」の項目が含まれている。「旅のジャンル」の項目には、ユーザが訪問したい1つ又は複数のジャンルが入力され得る。「必ず行きたいスポット」の項目には、ユーザが必ず訪問したい訪問スポット(以下、必須スポットという)の名称が入力され得る。ここで入力された情報は、基本情報に付属してサーバ10へ送信される。
【0037】
交通手段には、「徒歩のみ」、「電車」、「車」、及び「自転車」の項目が含まれている。交通手段の各項目から、ユーザが希望する移動手段を選択し得る。ここで選択された移動手段は、予め設定されている移動手段の代わりにサーバ10へ送信される。本実施形態では、「徒歩のみ」、「車」、及び「自転車」が選択された場合には、訪問拠点情報取得部12、訪問拠点リスト作成部13、及び訪問拠点決定部14は用いられず、スポット情報取得部15、訪問スポットリスト作成部16、訪問スポット決定部17、及び訪問スポット出力部18によって、複数の訪問スポットを巡回する経路が提案される。
【0038】
「エリアのスポット一覧」が選択されると、予めユーザに選択された対象地域内に位置する訪問スポットのスポット情報を要求する情報がサーバ10に送信される。サーバ10は、当該情報を受信すると、ユーザ端末20に要求された、予めユーザに選択された対象地域内に位置する訪問スポットのスポット情報をユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20でサーバ10から予めユーザに選択された対象地域内に位置する訪問スポットのスポット情報が受信されると、受信されたスポット情報の一覧がディスプレイに表示される。ユーザは、表示された訪問スポットの一覧を参考に、必須スポット及びジャンルを検討することができる。
【0039】
訪問拠点情報取得部12は、予めユーザに選択された対象地域(以下、取得対象地域)に関連付けられて格納されている訪問拠点情報を全て読み出す。取得対象地域は、ユーザに入力された出発地及び到着地の緯度経度情報に予め関連付けられている対象地域であってもよい。訪問拠点情報取得部12は、移動コストテーブルから複数の駅間の移動コストを示す情報を含む訪問拠点情報を読み出して取得する。訪問拠点情報取得部12は、ユーザ入力情報取得部11によって取得された出発地及び到着地の緯度経度情報と、駅マスタテーブルにおける各駅の緯度経度を示す情報とを比較して、出発地の最寄駅(以下、出発駅)及び到着地の最寄駅(以下、到着駅)を割り出し、出発駅及び到着駅の訪問拠点情報を取得する。
【0040】
例えば、ユーザによって図8に示されている基本情報が入力された場合、訪問拠点情報取得部12は、図10に示されている移動コストを示す情報を移動コストテーブルから読み出すと共に、出発地及び到着地の緯度経度情報を駅マスタテーブルと比較して、出発駅及び到着駅を取得する。この場合、出発地である鶴岡八幡宮近辺の最寄駅は鎌倉駅であり、到着地である長谷寺近辺の最寄駅は長谷駅であるため、訪問拠点情報取得部12は、出発駅である鎌倉駅の訪問拠点情報を取得し、到着駅である長谷駅の訪問拠点情報を取得する。
【0041】
訪問拠点リスト作成部13は、訪問拠点情報取得部12で取得された情報に基づいて、提案する駅を決定するための複数の駅リストを作成する。複数の駅リストは、それぞれ異なる経路において提案する駅を決定する際に用いられる。1つの駅リストは、1つの経路に対応している。本実施形態では、3つの経路が提案されるため、3つの駅リストが作成される。複数の駅リストの各々には、互いに異なる、駅の優先順序を示す情報が含まれている。
【0042】
具体的には、訪問拠点リスト作成部13は、作成する駅リストの少なくとも一つに、総合評価点数又はジャンル別評価点数(訪問拠点の優先順序の初期値を示す情報)で複数の駅を複数のグループに分類し、複数のグループの少なくとも一つにおいてグループ内の駅をシャッフルすることで、駅の優先順序を更新する。この結果、各々が初期値から更新された優先順序を示す情報を含む複数の駅リストが経路毎に作成される。
【0043】
駅を分類するルール(規準)は、予め決められている。本実施形態では、訪問拠点リスト作成部13は、総合評価点数又はジャンル別評価点数で並べられた複数の駅を、複数に区分けすることで、複数のグループに分類している。訪問拠点リスト作成部13は、作成される駅リストによって、異なる規準で上述した分類を行ってもよい。例えば、区分けの範囲が駅リストによって異なってもよい。すなわち、訪問拠点リスト作成部13は、所定のグループ(第1グループ)に分類されている駅の数を作成する駅リストによって異ならせてもよい。なお、シャッフルとは、順序を無作為に入れ替えることを言う。
【0044】
訪問拠点リスト作成部13は、ユーザによって「旅のジャンル」が入力されていない場合には、各駅における総合評価点数を、駅の優先順序の初期値を示す情報として複数の駅リストを作成する。総合評価点数が高い駅ほど、駅の優先順序の初期値が高い。
【0045】
訪問拠点リスト作成部13は、ユーザによって「旅のジャンル」が入力されている場合には、入力された「旅のジャンル」に関連付けられているジャンル別評価点数を、駅の優先順序の初期値を示す情報として複数の駅リストを作成する。入力された「旅のジャンル」に関するジャンル別評価点数が高い訪問地点ほど、駅の優先順序の初期値が高い。
【0046】
例えば、ユーザによって図8に示されている基本情報が入力された場合、上述した方法によって、図9に示されている駅リストが訪問拠点リスト作成部13によって作成される。
【0047】
訪問拠点決定部14は、ユーザによって入力された基本情報と、駅間の移動コストテーブルと、出発駅及び到着駅の訪問拠点情報と、複数の駅リストの各々に含まれている複数の駅の優先順序を示す情報と、予め保存されている仮滞在時間とからユーザに提案する駅を決定する。仮滞在時間は、各駅に予め関連付けて保存されていてもよい。仮滞在時間は、ユーザが該駅に関連付けられている訪問スポットを巡回するのに許された仮の時間である。すなわち、仮滞在時間は、ユーザが該駅ブロックに滞在することを許された仮の時間である。以下、更に具体的に説明する。
【0048】
訪問拠点決定部14は、まず、出発地及び到着地の緯度経度情報、出発駅及び到着駅の緯度経度情報と、駅間の移動コストテーブルとから、出発地、出発駅、到着駅、到着地の順で移動する直線的な距離による最短移動時間を求める。出発地から出発駅までの徒歩による移動時間は、出発地と出発駅との直線的な距離を、予め保存されている徒歩速度で割ることによって求められる。同様に、到着地から到着駅までの移動時間は、到着地と到着駅との直線的な距離を、予め保存されている徒歩速度で割ることによって求められる。なお、当該移動時間又は距離については、より正確な値とするため、地図アプリケーション又はネットワーク上の地図サービス等から、ユーザが徒歩で移動する際の道に沿った移動時間又は距離を示す情報を得て、それを利用してもよい。出発駅から到着駅までの移動時間は、駅間の移動コストテーブルから取得される。最短移動時間は、出発地から出発駅まで移動時間、到着地から到着駅までの移動時間、及び出発駅から到着駅までの移動時間の和である。
【0049】
訪問拠点決定部14は、ユーザによって必須スポットが入力されている場合には、出発駅、到着駅、及び必須スポットに関連付いている駅の全てを訪問する経路のパターンを作成し、駅間の移動コストテーブルによって最短移動時間となる経路のパターン(駅の訪問順序)を求める。訪問拠点決定部14は、タブー探索法で、最短移動時間となる、必須スポットに関連付いている駅の経路における順番を求める。ここでの最短移動時間は、対象となる場所(出発地、出発駅、必須スポットに関連付けられている駅(最寄駅)、到着駅、及び到着地、並びに後で決定される駅)のみを巡回する経路の移動時間であり、これ以上短くすることができない最短の移動時間である。最短移動時間となる経路のパターンは、ユーザに提案する経路のベースとなる。
【0050】
次に、訪問拠点決定部14は、出発駅、到着駅及び必須スポットに関連付いている駅に対して上述した仮滞在時間を付与し、出発地から到着地までの移動時間と仮滞在時間との合計である仮観光時間を求める。出発駅と到着駅とが同じ場合には、出発駅分のみの仮滞在時間が付与され、到着駅分の仮滞在時間は付与されない。すなわち、同じ駅に重複して仮滞在時間が付与されることはない。出発駅及び到着駅において、訪問するスポットが存在しない場合には、仮滞在時間は付与されない。
【0051】
次に、訪問拠点決定部14は、ユーザによって入力された観光時間から仮観光時間を差し引くことで残り観光時間を求める。訪問拠点決定部14は、原則、残り観光時間がゼロになるまで、駅リストに含まれている優先順序を示す情報にしたがって、当該優先順序で駅を追加する。訪問拠点決定部14は、タブー探索法で、最短移動時間となる、追加する駅の経路における順番を求めて、追加された駅に仮滞在時間を付与する。このようにして、訪問拠点決定部14は、複数の駅リストの各々に含まれている優先順序を示す情報にしたがって、ユーザに提案する駅(経路に含まれる駅)及び当該駅の経路上の順番を決定する。
【0052】
上述したように、ユーザによって「旅のジャンル」が入力されていない場合には、駅リストに含まれている優先順序を示す情報は、各駅における総合評価点数(駅の優先順序の初期値を示す情報)が更新された情報である。ユーザによって「旅のジャンル」が入力されている場合には、駅リストに含まれている優先順序を示す情報は、ユーザに入力された「旅のジャンル」に関連付けられているジャンル別評価点数(駅の優先順序の初期値を示す情報)が更新された情報である。
【0053】
訪問拠点決定部14は、ユーザに提案する駅が決定されると、仮滞在時間を0にリセットし、決定された駅の駅評価テーブルの総合評価点の割合、即ち、決定された駅の総合評価点の合計で駅の総合評価点を割った配分率で、各駅にブロック滞在時間を割り振る。ブロック滞在時間とは、ユーザが該駅に関連付けられている訪問スポットを巡回するのに許された時間である。すなわち、ブロック滞在時間とは、ユーザが該駅ブロックに滞在することを許された時間である。
【0054】
訪問拠点決定部14は、ユーザによって入力された観光時間(許容時間)に関連付けられている所定数を超える駅がユーザに提案する駅に含まれることを禁止している。具体的には、訪問拠点決定部14は、駅パラメータを読み出し、ユーザによって入力された観光時間に関連付けられている駅数上限を読み出し、駅数上限を超える駅がユーザに提案する駅に含まれることを禁止する。
【0055】
例えば、図6に示されている駅パラメータでは、観光時間が3時間(180分)である場合には駅数上限が3であり、観光時間が5時間(300分)である場合には駅数上限が4である。このため、訪問拠点決定部14は、観光時間が3時間である場合には、提案する駅の数について3つを上限とし、観光時間が5時間である場合には、提案する駅の数について4つを上限とする。
【0056】
訪問拠点決定部14は、ユーザに提案する駅間の距離(移動コスト)が、対象地域及び観光時間に関連付けられている所定範囲の範囲外となることを禁止している。具体的には、訪問拠点決定部14は、駅パラメータを読み出し、駅間距離下限及び駅間距離上限を読み出し、ユーザに提案される駅に含まれる他の駅全てとの駅間の距離が駅間距離下限と駅間距離上限との間に収まる駅のみをユーザに提案する駅とする。
【0057】
例えば、図8に示されている情報がユーザによって入力された場合、訪問拠点決定部14は、まず、図6及び図8に示されている情報から、予め保存されている訪問拠点情報によって、出発地の最寄駅が鎌倉駅で、到着地の最寄駅が長谷駅であることを求める。次に、訪問拠点決定部14は、出発地が鶴岡八幡宮付近で、出発地の最寄駅が鎌倉駅で、到着地の最寄駅が長谷駅で、到着地が長谷寺付近である経路について、最短移動時間を求める。次に、訪問拠点決定部14は、鎌倉駅及び長谷駅に仮滞在時間30分を付与し、仮滞在時間を考慮して上記経路を巡回するのに要する仮観光時間を求める。訪問拠点決定部14は、最短移動時間が30分であったため、仮観光時間は90分であり、残り観光時間が90分であると求める。
【0058】
訪問拠点決定部14は、駅リストにおいて、まだ経路に含まれていない駅のうち最も優先順序が高い北鎌倉を経路に加え、新たな経路の最短移動時間を求める。訪問拠点決定部14は、北鎌倉にも仮滞在時間30分を付与し、残り観光時間を求める。新たな経路の最短移動時間が40分であったため、残り観光時間は50分である。残り観光時間は余っているが、観光時間が3時間である場合の駅数上限が3であるため、訪問拠点決定部14は、駅の追加を終了する。
【0059】
図6に示されている駅パラメータでは、対象領域が鎌倉の場合、駅間距離下限が1.8kmであり、駅間距離上限が10kmである。このため、駅間の距離が1.8kmから10kmの範囲外の駅は、追加されない。すなわち、対象領域が鎌倉の場合には、ユーザに提案する駅に含まれる駅はいずれも、互いの駅間の距離が1.8kmから10kmの範囲に収まる。
【0060】
次に、訪問拠点決定部14は、仮滞在時間を0にリセットし、駅評価テーブルの総合評価点と予め関連付けられている配分率で各駅に、ブロック滞在時間を割り振る。訪問拠点決定部14は、鎌倉及び北鎌倉のブロック滞在時間を50分、長谷のブロック滞在時間を40分とする。鎌倉及び北鎌倉は長谷よりも高い総合評価点数を有するため、長谷よりも長いブロック滞在時間が鎌倉及び北鎌倉に付与されている。なお、駅リストの決定方法は、ここで示したものに限られない。
【0061】
各駅には、ユーザが初めに訪問する地点(以下、始点)と最後に訪問する地点(以下、終点)が設定される。出発駅では、始点はユーザが入力した出発地となり、終点は出発駅となる。到着駅では、始点は到着駅となり、終点はユーザが入力した到着地となる。出発駅と到着駅との間に訪問する駅では、始点も終点も当該駅となる。始点と終点との中間地点を中心とした一辺Xkmのスクエア型の領域内に位置する訪問スポットが、ユーザに提案される駅に関連付けられる。すなわち、始点と終点との中間地点を中心として、Xkm四方が当該駅の駅ブロックである。
【0062】
上述した駅ブロックの一辺Xkmは、ユーザによって入力された観光時間が大きいほど大きい値に設定される。例えば、ユーザによって入力された観光時間が3時間以下である場合にはXは1.3に設定され、ユーザによって入力された観光時間が3時間を超える場合にはXは2.0に設定される。
【0063】
スポット情報取得部15は、ユーザに提案される駅に関連付いている複数の訪問スポットに関するスポット情報を取得する。すなわち、スポット情報取得部15は、観光時間に関連付けられている領域(駅ブロック)内に位置する複数の訪問スポットに関するスポット情報を取得する。スポット情報取得部15は、上述した駅ブロック内に位置する訪問スポットの数が200件に満たない場合に、駅に近い訪問スポットから順に取得してもよい。スポット情報取得部15は、上述した駅ブロック内に位置する訪問スポットの数が200件を超える場合に、領域内の訪問スポットのうち優先度の高いものから順に取得してもよい。
【0064】
訪問スポットリスト作成部16は、スポット情報取得部15で取得された情報に基づいて、提案する訪問スポットを決定するための複数の訪問スポットリストを作成する。複数の訪問スポットリストは、それぞれ異なる経路において提案する訪問スポットを決定する際に用いられる。1つの訪問スポットリストが1つの経路に対応する。本実施形態では、3つ経路について訪問スポットが提案されるため、訪問スポットリストは3つ提案される。複数の訪問スポットリストの各々には、観光時間に関連付けられている領域内に位置する複数の訪問スポットの優先順序を示す情報が含まれている。
【0065】
具体的には、訪問スポットリスト作成部16は、作成する訪問スポットリストの少なくとも一つに、訪問スポットの優先度(訪問スポットの優先順序の初期値を示す情報)で複数の訪問スポットを複数のグループに分類し、複数のグループの少なくとも一つにおいてグループ内の訪問スポットをシャッフルすることで、訪問スポットの優先順序を更新する。この結果、各々が初期値から更新された優先順序を示す情報を含む複数の訪問スポットリストが経路毎に作成される。
【0066】
訪問スポットリスト作成部16は、所定のグループ(第1グループ)に、別のグループ(第2グループ)に分類されている訪問スポットのいずれよりも高い優先度を有する訪問スポットを分類する。すなわち、グループ単位で分類する訪問スポットの優先順序が異なる。
【0067】
訪問スポットを分類するルール(規準)は、予め決められている。本実施形態では、訪問スポットリスト作成部16は、訪問スポットの優先度で並べられた複数の訪問スポットを、複数に区分けすることで、複数のグループに分類している。訪問スポットリスト作成部16は、作成される訪問スポットリストによって、異なる規準で、上述した分類を行ってもよい。例えば、区分けの範囲が訪問スポットリストによって異なってもよい。すなわち、訪問スポットリスト作成部16は、所定のグループ(第1グループ)に分類されている訪問スポットの数を作成する訪問スポットリストによって異ならせてもよい。なお、シャッフルとは、順序を無作為に入れ替えることを言う。
【0068】
本実施形態では、訪問スポットリスト作成部16は、予め各訪問スポットに設定されている優先度を、訪問スポットの優先順序の初期値を示す情報として複数の駅リストを作成する。ユーザによって「旅のジャンル」が入力されている場合には、訪問スポットリスト作成部16は、入力された「旅のジャンル」に対応する訪問スポットの優先順序の初期値を、対応しない訪問スポットよりも高くして、複数の訪問スポットを上述した複数のグループに分類する。例えば、対応する訪問スポットの優先度の値を0.5マイナスしてから複数の訪問スポットを上述した複数のグループに分類する。
【0069】
すなわち、ユーザによって「旅のジャンル」が入力されている場合には、訪問スポットリスト作成部16は、作成する訪問スポットリストの少なくとも一つに、ユーザによって入力された「旅のジャンル」及び訪問スポットの優先度(訪問スポットの優先順序の初期値を示す情報)に応じて複数の訪問スポットを複数のグループに分類し、複数のグループの少なくとも一つにおいてグループ内の訪問スポットをシャッフルすることで、訪問スポットの優先順序を更新する。
【0070】
訪問スポット決定部17は、提案する駅毎に、該駅に対応する訪問スポットからユーザに提案する訪問スポットを決定する。この際、訪問スポット決定部17は、複数の訪問スポットリストの各々に含まれている複数の訪問スポットの優先順序を示す情報に基づいて、ユーザに提案する訪問スポットを決定する。具体的には、以下の通りである。
【0071】
訪問スポット決定部17は、駅リストにおいて優先順序が低い駅から順に、訪問拠点決定部14によって決定された駅の各々に関連付ける訪問スポットを決定する。なお、駅リストにおける優先順序でなくとも、総合評価点又はジャンル別評価点数が低い順に、各駅に関連付ける訪問スポットを決定してもよい。
【0072】
例えば、図8に示されている情報がユーザによって入力された場合において、長谷駅よりも北鎌倉駅の方が総合評価点数が高く、北鎌倉駅よりも鎌倉駅の方が総合評価点数が高いと、長谷駅が属するブロックからブロック内で巡回する訪問スポットの決定が行われる。
【0073】
訪問スポット決定部17は、訪問スポットを決定する駅に、ユーザによって複数の必須スポットが入力されている場合、タブー探索法で、最短移動時間となる、当該必須スポットの経路における順番を求める。ここでも求められる最短移動時間は、始点、終点及び必須スポットのみを巡回する経路の移動時間であり、これ以上短くすることができない最短の移動時間である。なお、始点、終点及び必須スポット間の徒歩による移動時間は、それらの位置の間の距離を、予め保存されている徒歩速度で割ることによって求められる。
【0074】
訪問スポット決定部17は、必須スポットに、予め保存されているスポット滞在時間を付与する。訪問スポット決定部17は、始点から終点までの移動時間とスポット滞在時間との合計である仮観光時間を求める。すなわち、ここで求められた仮観光時間は、当該駅について既に決定された、ユーザに提案する訪問スポットの全てを訪問する時間である。ここで各訪問スポットに付与されるスポット滞在時間は、ユーザが該訪問スポットに滞在することを許された時間である。
【0075】
次に、訪問スポット決定部17は、駅に付与されたブロック滞在時間から仮観光時間を差し引くことで残りブロック滞在時間を求める。訪問スポット決定部17は、原則、残りブロック滞在時間が予め保存されている所定値になるまで、訪問スポットリストに含まれている優先順序を示す情報にしたがって、当該優先順序で訪問スポットを、ユーザに提案する訪問スポットとして追加する。訪問スポット決定部17は、タブー探索法で、最短移動時間となる、追加する訪問スポットの経路における順番を求める。ここでの最短移動時間は、対象となる場所(始点、終点、及びユーザに提案される訪問スポット)のみを巡回する経路の移動時間であり、これ以上短くすることができない最短の移動時間である。訪問スポット決定部17は、追加された訪問スポットにスポット滞在時間を付与する。
【0076】
残りブロック滞在時間が上述した所定値よりも少なく、かつ、残りブロック滞在時間が余っている場合、余っている残りブロック滞在時間は、駅リストにおいて最も優先順序の高い駅に関連付けられているブロック滞在時間に加算される。余っている残りブロック滞在時間は、総合評価点数又はジャンル別評価点数(優先順序の初期値)が最も高い駅に関連付けられているブロック滞在時間に加算されてもよい。余っている残りブロック滞在時間は、優先順序に応じて予め決められている配分率で、配分されてもよい。出発駅と到着駅と最も優先順序の高い駅とが同一である場合には、出発駅に余った残りブロック滞在時間が加算される。
【0077】
換言すれば、訪問スポット決定部17は、提案する駅に第1駅と第1駅よりも優先順序が高い第2駅を含む場合、第1駅について決定された提案する訪問スポットの全てを訪問する時間を、第1駅に対して決定されたブロック滞在時間から差し引いた残りブロック滞在時間を求め、第2駅に対して決定されたブロック滞在時間に残りブロック滞在時間を加えた時間に基づいて、第2駅について提案する訪問スポットを決定する。
【0078】
例えば、上述した例では、長谷駅よりも北鎌倉駅の方が総合評価点数が高く、北鎌倉駅よりも鎌倉駅の方が総合評価点数が高いため、長谷駅が属するブロック、及び北鎌倉が属するブロックにおける訪問スポットの決定で余った残りブロック滞在時間が、鎌倉駅に付与されたブロック滞在時間に加算される。
【0079】
訪問スポット出力部18は、訪問スポット決定部17によって決定されたユーザに提案する複数の訪問スポット及びそれに関する情報を出力する。訪問スポット出力部18は、訪問スポット決定部17によって決定された、ユーザに提案する複数の訪問スポットを巡回する経路を地図に描写し、ユーザ端末20へ出力してもよい。訪問スポット出力部18が出力する情報には、例えば複数の経路毎の、乗り降りする駅及び訪問する訪問スポットの順番を示す情報が含まれている。また、当該情報には、地図上に駅及び訪問スポットの位置を移動する順を示した情報が含まれていてもよい。
【0080】
訪問スポット決定部17によって決定されたユーザに提案する複数の訪問スポットは、外部の地図アプリケーション等によって地図に描写されてもよい。この場合、訪問スポット出力部18は、訪問スポット決定部17によって決定されたユーザに提案する複数の訪問スポットに関する情報を外部の地図アプリケーションへ送信し、該地図アプリケーションの処理結果を受信する。
【0081】
次に、図11図17のフローチャートを用いて、本実施形態に係るサーバ10で行われる処理について説明する。まず、図11を用いて、サーバ10で実行される処理の概要を説明する。なお、説明の簡略のため、ユーザによって必ず行きたい場所(必須スポット)が入力されていない場合を主として説明する。必須スポットが入力されている場合については、付属的に説明する。
【0082】
まず、出発地及び到着地を示す情報、及び観光時間などのユーザによって入力された情報及びこれに対応する情報が、ユーザ入力情報取得部11によって取得される(ステップS1)。続いて、訪問拠点情報取得部12によって、訪問スポットの案内が行われる対象地域が取得される(ステップS2)。以下、ステップS2で取得された対象地域を取得対象地域という。
【0083】
ステップS3からステップS8は、サーバ10が提案する経路の数だけ、繰り返される。本実施形態では、サーバ10は、3つの経路を提案するため、ステップS3からステップS8を3回繰り返す。
【0084】
訪問拠点情報取得部12によって、ステップS1において取得された出発地及び到着地の緯度経度情報と駅マスタテーブルとの比較から、出発地及び到着地の各々について最寄駅(出発駅及び到着駅)が割り出され、出発駅及び到着駅の訪問拠点情報が取得される(ステップS3)。ユーザによって必須スポットが入力されている場合には、必須スポットの最寄駅も近い駅の訪問拠点情報も取得される。
【0085】
次に、訪問拠点情報取得部12によって、取得対象地域内における、ステップS3で取得された訪問拠点情報以外の訪問拠点情報が取得される(ステップS4)。続いて、訪問拠点リスト作成部13によって、訪問拠点リスト作成処理が行われる(ステップS5)。
【0086】
次に、訪問拠点情報取得部12によって、ステップS3及びS4で取得された駅間の移動コストが、移動コストテーブルから取得される(ステップS6)。ユーザによって必須スポットが入力されている場合には、必須スポットに最も近い駅に対する移動コストも取得される。続いて、訪問拠点決定部14によって、訪問拠点決定処理が行われる(ステップS7)。
【0087】
次に、スポット情報取得部15と訪問スポットリスト作成部16と訪問スポット決定部とによって、ステップS7において決定された駅毎に訪問スポット提案処理が行われる(ステップS8)。ステップS8は、ステップS7によって決定された駅の数だけ繰り返される。
【0088】
上述したように、ステップS3からステップS8までがサーバ10が提案する経路の数だけ繰り返される。続いて、訪問スポット出力部18によって、ユーザに提案される訪問スポットが出力される(ステップS9)。
【0089】
次に、図12及び図13のフローチャートを用いて、ステップS5における訪問拠点リスト作成処理について、具体的に説明する。まず、図12のフローチャートを用いて、ユーザによってジャンルが入力されていない場合における処理を示す。
【0090】
訪問拠点リスト作成部13によって、経路種別が何であるか(3つの経路のうちいずれの経路を生成するか)判定される(ステップS11)。ルート1ならばステップS12に処理が進められ、ルート2ならばステップS19に処理が進められ、ルート3ならばステップS26に処理が進められる。訪問拠点リスト作成部13は、各経路についての処理をそれぞれ行う。
【0091】
経路種別がルート1の場合(ステップS11でルート1)、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅が、総合評価点数について降順で取得される(ステップS12)。続いて、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS12で取得された駅の上位10%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS13)。
【0092】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS12で取得された駅の上位10%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS14)。上位10%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合はステップS18に処理が進められる。上位10%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS15に処理が進められる。
【0093】
上位10%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS14でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS12で取得された駅の上位30%のグループについて、ステップS13でシャッフルされた駅を除いて、シャッフルが行われる(ステップS15)。
【0094】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS12で取得された駅の上位30%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS16)。上位30%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合はステップS18に処理が進められる。上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS17に処理が進められる。上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS16でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、残りの下位70%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS17)。
【0095】
ステップS14で上位10%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS14でYES)、ステップS26で上位30%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS16でYES)、及びステップS17で処理が行われた場合、訪問拠点リスト作成部13によって、最後にシャッフルが行われた後の上位10個の駅は、上から順に番号を振られ、駅リストに含められる(ステップS18)。
【0096】
経路種別がルート2の場合(ステップS11でルート2)、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅が、総合評価点数について降順で取得される(ステップS19)。続いて、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS19で取得された駅の上位10%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS20)。
【0097】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS19で取得された駅の上位10%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS21)。上位10%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合はステップS25に処理が進められる。上位10%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS22に処理が進められる。
【0098】
上位10%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS21でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS19で取得された駅の上位30%のグループについて、ステップS20でシャッフルされた駅を除いて、シャッフルが行われる(ステップS22)。
【0099】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS19で取得された駅の上位30%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS23)。上位30%のグループに含まれる駅が10個以上あると判定された場合はステップS25に処理が進められる。上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS24に処理が進められる。上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS23でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、残りの下位70%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS24)。
【0100】
ステップS21で上位10%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS21でYES)、ステップS23で上位30%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS23でYES)、及びステップS24で処理が行われた場合、訪問拠点リスト作成部13によって、最後にシャッフルが行われた後の上位10個の駅は、上から順に番号を振られ、駅リストに含められる(ステップS25)。
【0101】
経路種別がルート3の場合(ステップS11でルート3)、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅が、総合評価点数について降順で取得される(ステップS26)。続いて、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS26で取得された駅の上位30%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS27)。
【0102】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS26で取得された駅の上位30%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS28)。上位30%のグループに含まれる駅が10個以上あると判定された場合はステップS30に処理が進められる。上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS29に処理が進められる。
【0103】
上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS28でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、残りの下位70%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS29)。ステップS28で上位30%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS28でYES)、及びステップS29で処理が行われた場合、訪問拠点リスト作成部13によって、最後にシャッフルが行われた後の上位10個の駅は、上から順に番号を振られ、駅リストに含められる(ステップS30)。
【0104】
次に、図13のフローチャートを用いて、ユーザによってジャンルが入力された場合における処理を示す。
【0105】
訪問拠点リスト作成部13によって、経路種別が何であるか判定される(ステップS31)。ルート1ならばステップS32に処理が進められ、ルート2ならばステップ34に処理が進められ、ルート3ならばステップS41に処理が進められる。
【0106】
経路種別がルート1の場合(ステップS31でルート1)、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅が、ユーザによって入力されたジャンルのジャンル別評価点数について降順で取得される(ステップS32)。ユーザによって入力されたジャンルが複数ある場合には、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅がユーザによって入力された各ジャンルのジャンル別評価点数の合計について降順で取得される。ユーザによって入力されたジャンルのジャンル別評価点数が同一の駅がある場合には、総合評価点数によって優劣を付ける。
【0107】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS32で取得された駅の上位10個の駅が、上から順に番号を振られ、駅リストに含められる(ステップS33)。ステップS32で取得された駅の上位10個の中に、ジャンル別評価点数及び総合評価点数が同一の駅がある場合には、ジャンル別評価点数及び総合評価点数が同一の駅についてシャッフルを行う。
【0108】
経路種別がルート2の場合(ステップS31でルート2)、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅が、ユーザによって入力されたジャンルのジャンル別評価点数について降順で取得される(ステップS34)。ユーザによって入力されたジャンルが複数ある場合には、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅がユーザによって入力された各ジャンルのジャンル別評価点数の合計について降順で取得される。ユーザによって入力されたジャンルのジャンル別評価点数が同一の駅がある場合には、総合評価点数によって優劣を付ける。
【0109】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS34で取得された駅の上位10%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS35)。続いて、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS34で取得された駅の上位10%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS36)。上位10%のグループに含まれている駅が10個以上と判定された場合はステップS40に処理が進められる。上位10%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS37に処理が進められる。
【0110】
上位10%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS36でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS34で取得された駅の上位30%のグループについて、ステップS35でシャッフルされた駅を除いて、シャッフルが行われる(ステップS37)。続いて、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS35で取得された駅の上位30%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS38)。上位30%のグループに含まれる駅が10個以上あると判定された場合はステップS40に処理が進められる。上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS39に処理が進められる。
【0111】
上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS38でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、残りの下位70%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS39)。ステップS36で上位10%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS36でYES)、ステップS38で上位30%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS38でYES)、及びステップS39で処理が行われた場合、訪問拠点リスト作成部13によって、最後にシャッフルが行われた後の上位10個の駅は、上から順に番号を振られ、駅リストに含められる(ステップS40)。
【0112】
経路種別がルート3の場合(ステップS31でルート3)、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅が、ユーザによって入力されたジャンルのジャンル別評価点数について降順で取得される(ステップS41)。ユーザによって入力されたジャンルが複数ある場合には、訪問拠点リスト作成部13によって、サーバ10が利用される地域において上述した総合評価点数が0でない駅がユーザによって入力された各ジャンルのジャンル別評価点数の合計について降順で取得される。ユーザによって入力されたジャンルのジャンル別評価点数が同一の駅がある場合には、総合評価点数によって優劣を付ける。
【0113】
続いて、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS41で取得された駅の上位30%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS42)。
【0114】
次に、訪問拠点リスト作成部13によって、ステップS41で取得された駅の上位30%のグループに10個以上の駅が含まれているか判定される(ステップS43)。上位30%のグループに含まれる駅が10個以上あると判定された場合はステップS45に処理が進められる。上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合はステップS44に処理が進められる。
【0115】
上位30%のグループに含まれる駅が10個に満たないと判定された場合(ステップS43でNO)、訪問拠点リスト作成部13によって、残りの下位70%のグループについてシャッフルが行われる(ステップS44)。
【0116】
ステップS43で上位30%のグループに含まれる駅が10個以上と判定された場合(ステップS43でYES)、及びステップS44で処理が行われた場合、訪問拠点リスト作成部13によって、最後にシャッフルが行われた後の上位10個の駅は、上から順に番号を振られ、駅リストに含められる(ステップS45)。
【0117】
すなわち、ユーザによってジャンルが入力された場合における経路種別がルート1のケースを除いて、訪問拠点リスト作成部13は、駅リスト毎に、異なるルール(規準)で、優先順序の初期値を示す情報に応じて複数の駅を複数のグループに分類し、グループ内の駅をシャッフルすることで優先順序を更新する。
【0118】
次に、図14のフローチャートを用いて、ステップS7における訪問拠点決定処理について、具体的に説明する。
【0119】
次に、訪問拠点決定部14によって、出発地及び到着地の緯度経度情報、並びに、出発駅及び到着駅の緯度経度情報から、最短移動時間が求められる(ステップ51)。次に訪問拠点決定部14によって、出発駅及び到着駅に、予め保存されている仮滞在時間が付与される(ステップS52)。次に、訪問拠点決定部14によって、仮滞在時間を最短移動時間に加えた値(仮観光時間)をユーザが入力した観光時間から差し引くことで残り観光時間が求められ、残り観光時間が余っているか否か判定される(ステップS53)。残り観光時間が余っている場合は、ステップS54に処理が進められる。残り観光時間が余っていない場合は、ステップS55に処理が進められる。
【0120】
残り観光時間が余っている場合(ステップS53でYES)、訪問拠点決定部14によって、駅パラメータが参照され、ユーザに提案される駅の数が駅数上限に達しているか否か判定される(ステップS54)。駅数上限に達していない場合は、ステップS56に処理が進められる。駅数上限に達している場合には、ステップS57に処理が進められる。
【0121】
ユーザに提案される駅の数が駅数上限に達していない場合(ステップS54でNO)、訪問拠点決定部14によって、駅が駅リストに基づいて、ユーザに提案される駅に追加される(ステップS55)。追加された駅には、予め定められた仮滞在時間が付与され、ステップS53に処理が進められる。ステップS55では、訪問拠点決定部14によって、駅リストにおいて優先順序が高い駅から、ユーザに提案される駅に1つ追加される。
【0122】
残り観光時間が余っていない場合(ステップS53でNO)及びユーザに提案される駅の数が駅数上限に達している場合(ステップS54でYES)、訪問拠点決定部14によって、残り観光時間が、提案される駅の優先順序と予め対応づけられている分配率で分配される(ステップS56)。
【0123】
次に、図15のフローチャートを用いて、ステップS8における訪問スポット提案処理について、具体的に説明する。
【0124】
スポット情報取得部15及び訪問スポットリスト作成部16によって、訪問スポットリスト作成処理を行う(ステップS61)。続いて、訪問スポット決定部17によって、訪問スポット決定処理を行う(ステップS62)。
【0125】
図16のフローチャートを用いて、ステップS61における訪問スポットリスト作成処理について、具体的に説明する。以下では、ユーザによってジャンルが入力されていない場合に、図18で示されているスポット情報に基づいて訪問スポットリストを作成する例を説明する。
【0126】
まず、スポット情報取得部15によって、ユーザに提案される駅に対応する訪問スポットに関するスポット情報を取得する(ステップS71)。
【0127】
次に、訪問スポットリスト作成部16によって、図19に示されているように、訪問スポットの優先度(優先順序の初期値を示す情報)で、訪問スポットが分類される(ステップS72)。続いて、訪問スポットリスト作成部16によって、図20に示されているように、経路毎にシャッフルの範囲を変えて並び替えを行うことで、複数の訪問スポットリストが作成される(ステップS73)。続いて、訪問スポットリスト作成部16によって、作成された複数の訪問スポットリストが訪問スポット決定部17に渡される(ステップS74)。
【0128】
この結果、訪問スポットリストの最上位のものから順番に訪問スポットとして抽出される。例えば、ルート1であれば、訪問スポット決定部17によって、スポットID1が1番目に抽出され、スポットID3が2番目に抽出され、スポットID2が3番目に抽出される。
【0129】
次に、経路毎にシャッフルを行う範囲を変更される際のルールの例について詳細に説明する。シャッフル範囲については柔軟に変更可能としているため、変更することもできる。以下では、シャッフルするルールを、「優先度評価3段階となっている地域でジャンル指定なし」、「優先度評価3段階となっている地域でジャンル指定あり」、「優先度評価10段階となっている地域でジャンル指定なし」、及び「優先度評価10段階となっている地域でジャンル指定有り」の4つに分けて説明する。
【0130】
「優先度評価3段階となっている地域でジャンル指定なし」では、図21(a)に示されているように、訪問スポットが優先度毎に(1)〜(3)に分類されている。ルート1及びルート2では、(1)〜(3)に属している訪問スポットが、それぞれ別のグループとして分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。ルート3では、(1)(2)に属している訪問スポットが同じグループに分類され、(3)に属している訪問スポットが別のグループに分類されることで、各グループ内でシャッフルが行われる。
【0131】
「優先度評価3段階となっている地域でジャンル指定あり」では、図21(b)に示されているように、訪問スポットは、同じ優先度であっても、ユーザによって入力されたジャンルと一致している場合には1段階上に分類される。すなわち、訪問スポットは、ユーザによって入力されたジャンルに基づいて、(1)〜(6)に分類されている。ルート1では、(1)〜(6)に属している訪問スポットが、それぞれ別のグループに分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。ルート2では、訪問スポットは、(1)に属している訪問スポット、(2)(3)に属している訪問スポット、(4)(5)に属している訪問スポット、(6)に属している訪問スポットの組み合わせで、4つのグループに分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。ルート3では、訪問スポットは、(1)(2)(3)に属している訪問スポット、(4)(5)に属している訪問スポット、(6)に属している訪問スポットの組み合わせで、3つのグループに分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。
【0132】
「優先度評価10段階となっている地域でジャンル指定なし」では、図21(c)に示されているように、訪問スポットが優先度毎に(1)〜(10)に分類されている。ルート1では、(1)〜(10)に属している訪問スポットが、それぞれ別のグループとして分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。ルート2では、(1)(2)に属している訪問スポット、(3)(4)に属している訪問スポット、(5)〜(9)に属している訪問スポット、(10)に属している訪問スポットの組み合わせで、4つのグループに分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。ルート3では、(1)〜(3)に属している訪問スポット、(4)〜(6)に属している訪問スポット、(7)〜(9)に属している訪問スポット、(10)に属している訪問スポットの組み合わせで、4つのグループに分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。
【0133】
「優先度評価10段階となっている地域でジャンル指定有り」では、図21(d)に示されているように、訪問スポットは、同じ優先度であっても、ユーザによって入力されたジャンルと一致している場合には2段階上に分類される。すなわち、訪問スポットは、ユーザによって入力されたジャンルに基づいて、(1)〜(20)に分類される。ルート1では、(1)〜(20)に属している訪問スポットが、それぞれ別のグループとして分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。ルート2では、(1)に属している訪問スポット、(2)(3)に属している訪問スポット、(4)〜(7)に属している訪問スポット、(8)〜(11)に属している訪問スポット、(12)〜(15)に属している訪問スポット、(16)〜(19)に属している訪問スポット、(20)に属している訪問スポットの組み合わせで、7つのグループに分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。ルート3では、(1)〜(5)に属している訪問スポット、(6)〜(11)に属している訪問スポット、(12)〜(19)に属している訪問スポット、(20)に属している訪問スポットの組み合わせで、4つのグループに分類され、各グループ内でシャッフルが行われる。
【0134】
すなわち、訪問スポットリスト作成部16は、作成する訪問スポットリスト毎に、異なるルールで、優先順序の初期値を示す情報に応じて複数の訪問スポットを複数のグループに分類し、グループ内の訪問スポットをシャッフルすることで優先順序を更新する。
【0135】
次に、図17のフローチャートを用いて、ステップS62における訪問スポット決定処理について、具体的に説明する。
【0136】
まず、訪問スポット決定部17によって、駅に関連付けられている出発地及び到着地が決定される(ステップS81)。続いて、訪問スポット決定部17によって、各訪問スポットにおけるスポット滞在時間等が決定される(ステップS82)。訪問スポット決定部17によって、タブー探索法で最短移動時間となる訪問スポットの移動順番が決定される(ステップS83)。訪問スポット決定部17によって、既に決定されている訪問スポットのスポット滞在時間の合計を最短移動時間に加えた値(仮観光時間)を、駅に付与されているブロック滞在時間から差し引くことで残りブロック滞在時間が求められ、残りブロック滞在時間が所定値よりも大きいか否かが判定される(ステップS84)。
【0137】
残りブロック滞在時間が所定値よりも大きい場合(ステップS84でYES)、訪問スポット決定部17によって、訪問スポットが、訪問スポットリストに基づいて、ユーザに提案される訪問スポットに追加される(ステップS85)。追加された駅には、予め定められたスポット滞在時間が付与され、ステップS83に処理が進められる。残りブロック滞在時間が所定値よりも少ない場合(ステップS84でNO)、訪問スポット決定処理は終了する。
【0138】
次に、本実施形態に係るサーバ10の作用及び効果について説明する。
【0139】
サーバ10は、移動コストを示す情報に基づいて、ユーザに提案する駅を決定する訪問拠点決定部14と、スポット情報に基づいて、提案する駅毎に、該駅に対応する訪問スポットからユーザに提案する訪問スポットを決定する訪問スポット決定部17とを備えている。
【0140】
このため、移動コストを示す情報に基づいてユーザに提案する駅を決定して、提案する駅毎に、該駅に対応する訪問スポットからユーザに提案する訪問スポットを決定する。したがって、複数の駅間の移動と複数の訪問スポット間の移動とで互いに異なる複数の移動手段を用いる場合に、複数の駅における複数の訪問スポットをバランス良く取り入れた提案を行うことができる。例えば、ユーザが交通手段として電車と徒歩を選択した場合、駅間を電車で移動すると共に、駅から徒歩によって訪問スポットへ移動するといった案内が実現され得る。すなわち、行動範囲が互いに異なる複数の移動手段が利用される場合を考慮して、バリエーションに富んだ訪問スポットを提案され得る。
【0141】
訪問拠点決定部14は、予め格納されている複数の駅の総合評価点数又はジャンル別評価点数(優先順序の初期値を示す情報)と移動コストを示す情報とに基づいて、ユーザに提案する駅を決定している。したがって、駅の総合評価点数又はジャンル別評価点数を反映して訪問スポットが提案されるため、ユーザの満足度が高い経路が提案され得る。例えば、ユーザが交通手段として電車と徒歩を選択した場合、総合評価点数の高い駅へ電車で移動した後に、各駅に関連付けられている訪問スポットへ徒歩で移動するといった案内が実現され得る。価値の高い訪問スポットが多い駅が選択される。
【0142】
訪問拠点決定部14は、訪問拠点リスト作成部13が作成した駅リストに含まれている駅の優先順序を示す情報に基づいて、ユーザに訪問する駅を決定している。訪問拠点リスト作成部13は、作成する駅リスト毎に、複数の駅の総合評価点数又はジャンル別評価点数(優先順序の初期値を示す情報)に応じて複数の駅を複数のグループに分類し、複数のグループの少なくとも一つにおいてグループ内における複数の駅の優先順序を更新することで、互いに異なる複数の駅の優先順序を示す情報を含む複数の駅リストを作成している。このため、駅の総合評価点数又はジャンル別評価点が反映されながら、ユーザが特段の設定をすることなく、バリエーションに富んだ駅の提案が行われ得る。すなわち、ユーザの状況及び好みに合う、バリエーションに富んだ訪問スポットが提案され得る。
【0143】
訪問拠点決定部14は、提案する駅に含まれる駅間の距離(移動コスト)が、所定範囲の範囲外となることを禁止する。このため、移動手段の変更の回数、及びユーザの移動距離が、適切な値とされ得る。例えば、出発地又は到着地から歩いて行ける訪問スポットとでも、駅を利用するように誘導されるといった事態、又は許容時間を一杯に使って出発地及び到着地から遠い駅が選択されるといった事態が解消され得る。
【0144】
訪問拠点決定部14は、上述した許容時間に関連付けられている所定数を超える駅が提案する駅に含まれることを禁止する。このため、移動手段の変更の回数が、許容時間に対応する適切な値とされ得る。
【0145】
訪問拠点決定部14は、ユーザによって入力された属性に関連付けられている複数の駅の優先順序の初期値を示す情報に基づいて、提案する駅を決定する。このため、訪問スポットのジャンル等について、ユーザの好みを反映した駅が選択され得る。例えば、ユーザが美術館のジャンルを選択した場合、美術館の多い六本木が優先してユーザに提案される駅に選択され得る。
【0146】
訪問スポット決定部17は、提案する駅に第1駅と第1駅よりも優先順序が高い第2駅を含む場合、第1駅に対して決定されたブロック滞在時間から、第1駅について決定された提案する訪問スポットの全てを訪問する時間を差し引いた残りブロック滞在時間を求める。さらに、訪問スポット決定部17は、第2駅に対して決定されているブロック滞在時間に残りブロック滞在時間を加えた時間に基づいて、第2駅について提案する訪問スポットを決定する。すなわち、優先順序が低い駅に属するブロックにおける訪問スポットの決定において余ったブロック滞在時間を、優先順序が高い駅に属するブロックにおける訪問スポットを訪問するブロック滞在時間に加える。したがって、時間を有効に利用した満足度の高い経路の案内が実現され得る。
【0147】
サーバ10は、各々が複数の訪問スポットの優先順序を示す情報を含む複数の訪問スポットリストを作成する訪問スポットリスト作成部16と、複数の訪問スポットリストの各々について、優先順序を示す情報に基づいてユーザに提案する訪問スポットを決定する訪問スポット決定部17とを備える。訪問スポットリスト作成部16は、作成する訪問スポットリスト毎に、優先順序の初期値を示す情報に応じて複数の訪問スポットを複数のグループに分類し、複数のグループの少なくとも一つにおいてグループ内の優先順序を更新することで、互いに異なる優先順序を示す情報を含む複数の訪問スポットリストを作成する。
【0148】
訪問スポットに予め設定されている優先度が反映されるため、ユーザが聞いたことのある訪問スポットなど、訪問スポットとして価値の高いスポットが提案され得る。優先順序の更新が行われているため、ユーザが同じ条件を入力しても検索結果が常に同じとなることがない。すなわち、ユーザが同じ条件で検索しても、バリエーションに富んだ訪問スポットの提案が行われ得る。互いに異なる優先順序を示す情報を含む複数の訪問スポットリストが作成されているため、多様性を有する複数の経路が1度に提案され得る。すなわち、ユーザの状況及び好みに合う、バリエーションに富んだ訪問スポットが提案され得る。
【0149】
訪問スポットリスト作成部16は、所定のグループに、別のグループに分類されている訪問スポットのいずれよりも高い優先度を有する訪問スポットを分類する。すなわち、グループ単位で分類する訪問スポットの優先順序が異なるため、各グループ内で優先順序が更新されても、予め設定されている訪問スポットの優先度が反映され易い。このため、ユーザが聞いたことのある訪問スポットなど、訪問スポットとして価値の高いスポットが提案される可能性が高い。
【0150】
訪問スポットリスト作成部16は、作成する訪問スポットリストによって異なる規準で、優先順序の初期値を示す情報に応じて複数の訪問スポットを複数のグループに分類する。換言すれば、訪問スポットリスト作成部16は、作成する訪問スポットリストによって、複数の訪問スポットを分類するグループを変える。例えば、訪問スポットリスト作成部16は、所定のグループ(第1グループ)に分類されている訪問スポットの数を、作成する訪問スポットリストによって異ならせる。この場合、グループに分類される訪問スポットの組み合わせが、訪問スポットリストによって異なるため、よりバリエーションに富んだ訪問スポットが一度に提案され得る。
【0151】
訪問スポットリスト作成部16は、複数のグループの少なくとも一つにおいてグループ内の訪問スポットを無作為に入れ替えることで優先順序を更新する。このため、同一条件下でも、簡易な構成でバリエーションに富んだ訪問スポットが提案され得る。
【0152】
訪問スポット決定部17は、ユーザによって入力された属性及び訪問スポットの優先順序の初期値を示す情報に基づいて、複数の訪問スポットを上述した複数のグループに分類する。例えば、訪問スポットリスト作成部16は、ユーザによって入力された属性に対応する訪問スポットの優先順序の初期値を、ユーザによって入力された属性に対応しない訪問スポットの優先順序の初期値よりも高くし、優先順序の初期値を示す情報に応じて複数の訪問スポットを上述した複数のグループに分類する。このため、訪問スポットのジャンル等について、ユーザの好みを反映した訪問スポットが提案され得る。
【0153】
複数の訪問スポットリストの各々は、上述した許容時間に関連付けられている領域内に位置する複数の訪問スポットの優先順序を示す情報を含んでいる。すなわち、出発地及び到着地から遠すぎる訪問スポットはユーザに提案する対象外となる。したがって、ユーザによって入力された許容時間に適合する距離に位置する訪問スポットが提案され得る。例えば、近くに中程度の優先度の訪問スポットが複数あるにも関わらず、許容時間ぎりぎりで訪問することができる高い優先度の訪問スポットが1つのみ提案されるといった事態が解消される。すなわち、ユーザによって入力された許容時間内に、ユーザが歩ける範囲で複数の訪問スポットを訪問できる経路が提案され得る。
【0154】
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0155】
例えば、本発明の一実施の形態におけるサーバは、本発明の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図22は、本発明の一実施の形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。上述したサーバ10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0156】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0157】
サーバ10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0158】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、訪問拠点決定部14などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0159】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、サーバ10の訪問スポット決定部17は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0160】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0161】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0162】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、ユーザ入力情報取得部11などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0163】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0164】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0165】
また、サーバ10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0166】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0167】
サーバ10は、3つの経路の各々について複数の訪問スポットを提案するが、1つの経路のみについて複数の訪問スポットを提案してもよい。
【0168】
ユーザ端末20は、インターネットに接続されたコンピュータであってもよい。この場合、GPSにより現在地を取得せず、ユーザが入力した出発地点又は到着地点に基づいて、複数の訪問スポットを提案する。
【0169】
ユーザに提案される駅及び訪問スポットの決定方法は、必ずしも上記のものに限られず、駅及び訪問スポットの優先順位が用いられる決定方法であれば、どのようなものが用いられてもよい。
【0170】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0171】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0172】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0173】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0174】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0175】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0176】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0177】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0178】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0179】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0180】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0181】
10…サーバ、11…ユーザ入力情報取得部、12…訪問拠点情報取得部、13…訪問拠点リスト作成部、14…訪問拠点決定部、15…スポット情報取得部、16…訪問スポットリスト作成部、17…訪問スポット決定部、18…訪問スポット出力部。
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