(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914270
(24)【登録日】2021年7月15日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】シフトレジスタユニット及びその駆動方法、ゲート駆動回路
(51)【国際特許分類】
G11C 19/28 20060101AFI20210727BHJP
G09G 3/3266 20160101ALI20210727BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
G11C19/28 230
G09G3/3266
G09G3/20 622E
G09G3/20 680G
G09G3/20 622A
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-549790(P2018-549790)
(86)(22)【出願日】2018年1月4日
(65)【公表番号】特表2020-527818(P2020-527818A)
(43)【公表日】2020年9月10日
(86)【国際出願番号】CN2018071296
(87)【国際公開番号】WO2019015267
(87)【国際公開日】20190124
【審査請求日】2020年7月27日
(31)【優先権主張番号】201710594509.7
(32)【優先日】2017年7月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 蒙
(72)【発明者】
【氏名】李 永▲謙▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 志▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 粲
(72)【発明者】
【氏名】蔡 振▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 雪▲歡▼
【審査官】
後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0064098(US,A1)
【文献】
特開2013−69400(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第105609135(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
G09G 3/20
G09G 3/3266
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1クロック信号端子からの第1クロック信号と、トリガ信号端子からのトリガ信号とによって、プルアップノードの電圧を制御するように構成された入力回路と、
前記プルアップノードの電圧と、プルダウンノードの電圧と、第2クロック信号端子からの第2クロック信号と、第1電圧信号端子からの第1電圧信号とによって、下段起動信号出力端子の電圧を制御するように構成された下段起動回路と、
前記プルアップノードの電圧と、第2電圧信号端子からの第2電圧信号とによって、前記プルダウンノードの電圧を制御し、前記プルダウンノードの電圧と、前記第2電圧信号とによって、前記プルアップノードの電圧を制御するように構成された制御回路と、
第3クロック信号端子からの第3クロック信号と、前記第1電圧信号と、第3電圧信号端子からの第3電圧信号とによって、前記プルアップノードの電圧と前記プルダウンノードの電圧を制御するように構成された安定化回路と、
前記プルアップノードの電圧と、前記プルダウンノードの電圧と、前記第1電圧信号と、それぞれの制御クロック信号端子からの制御クロック信号と、それぞれの制御電圧信号端子からの制御電圧信号とによって、それぞれの信号出力端子の電圧を制御するように構成された少なくとも1つの出力回路と、を含み、
前記第1クロック信号のハイレベルの終了時に、前記第2クロック信号のハイレベルが開始され、前記第2クロック信号のハイレベルの終了時に、前記第3クロック信号のハイレベルが開始される、
シフトレジスタユニット。
【請求項2】
前記少なくとも1つの出力回路のそれぞれは、プルアップトランジスタと、プルダウントランジスタと、制御トランジスタと、を含み、
前記プルアップトランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記信号出力端子にカップルされ、
前記プルダウントランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記信号出力端子にカップルされ、
前記制御トランジスタは、制御電極が前記制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記信号出力端子にカップルされる、
請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項3】
前記少なくとも1つの出力回路は、
前記プルアップノードの電圧と、前記プルダウンノードの電圧と、前記第1電圧信号と、第1制御クロック信号端子からの第1制御クロック信号と、第1制御電圧信号端子からの第1制御電圧信号とによって、第1信号出力端子の電圧を制御するように構成された第1出力回路と、
前記プルアップノードの電圧と、前記プルダウンノードの電圧と、前記第1電圧信号と、第2制御クロック信号端子からの第2制御クロック信号と、第2制御電圧信号端子からの第2制御電圧信号とによって、第2信号出力端子の電圧を制御するように構成された第2出力回路と、を含む、
請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項4】
前記入力回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第12トランジスタと、を含み、
前記第1トランジスタは、制御電極が前記第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記トリガ信号端子にカップルされ、第2電極が前記第2トランジスタの第1電極にカップルされ、
前記第2トランジスタは、制御電極が前記第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1トランジスタの第2電極にカップルされ、第2電極が前記プルアップノードにカップルされ、
前記第12トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第2トランジスタの第1電極にカップルされ、第2電極が前記第2クロック信号端子にカップルされる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項5】
前記下段起動回路は、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1コンデンサと、を含み、
前記第4トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第2クロック信号端子にカップルされ、第2電極が前記下段起動信号出力端子にカップルされ、
前記第5トランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記下段起動信号出力端子にカップルされ、
前記第1コンデンサは、前記プルアップノードと前記下段起動信号出力端子との間にカップルされる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項6】
前記制御回路は、第3トランジスタと、第15トランジスタと、を含み、
前記第3トランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が前記第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルアップノードにカップルされ、
前記第15トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルダウンノードにカップルされる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項7】
前記安定化回路は、第13トランジスタと、第14トランジスタと、を含み、
前記第13トランジスタは、制御電極が前記第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルアップノードにカップルされ、
前記第14トランジスタは、制御電極が前記第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第3電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルダウンノードにカップルされる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項8】
前記第1出力回路は、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタと、を含み、
前記第6トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第1制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第1信号出力端子にカップルされ、
前記第7トランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第1信号出力端子にカップルされ、
前記第8トランジスタは、制御電極が前記第1制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第1信号出力端子にカップルされる、
請求項3に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項9】
前記第7トランジスタの幅と長さの比は前記第6トランジスタの幅と長さの比の整数倍である、
請求項8に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項10】
前記第2出力回路は、第9トランジスタと、第10トランジスタと、第11トランジスタと、を含み、
前記第9トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第2制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第2信号出力端子にカップルされ、
前記第10トランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第2信号出力端子にカップルされ、
前記第11トランジスタは、制御電極が前記第2制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第2信号出力端子にカップルされる、
請求項3に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項11】
前記第10トランジスタの幅と長さの比は前記第9トランジスタの幅と長さの比の整数倍である、
請求項10に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項12】
前記第1クロック信号と、前記第2クロック信号と、前記第3クロック信号とは、同じクロックサイクルを有し、かつハイレベル幅とローレベル幅の比がいずれも1:2である、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項13】
第1トランジスタと、第2トランジスタと、第12トランジスタと、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1コンデンサと、第3トランジスタと、第15トランジスタと、第13トランジスタと、第14トランジスタと、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタと、第9トランジスタと、第10トランジスタと、第11トランジスタと、を含むシフトレジスタユニットにおいて、
前記第1トランジスタは、制御電極が第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極がトリガ信号端子にカップルされ、第2電極が前記第2トランジスタの第1電極にカップルされ、
前記第2トランジスタは、制御電極が前記第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1トランジスタの第2電極にカップルされ、第2電極がプルアップノードにカップルされ、
前記第12トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第2トランジスタの第1電極にカップルされ、第2電極が第2クロック信号端子にカップルされ、
前記第4トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第2クロック信号端子にカップルされ、第2電極が下段起動信号出力端子にカップルされ、
前記第5トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記下段起動信号出力端子にカップルされ、
前記第1コンデンサは、前記プルアップノードと前記下段起動信号出力端子との間にカップルされ、
前記第3トランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルアップノードにカップルされ、
前記第15トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が前記第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルダウンノードにカップルされ、
前記第13トランジスタは、制御電極が第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルアップノードにカップルされ、
前記第14トランジスタは、制御電極が前記第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第3電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記プルダウンノードにカップルされ、
前記第6トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が第1制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子にカップルされ、
前記第7トランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第1信号出力端子にカップルされ、
前記第8トランジスタは、制御電極が第1制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第1信号出力端子にカップルされ、
前記第9トランジスタは、制御電極が前記プルアップノードにカップルされ、第1電極が第2制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子にカップルされ、
前記第10トランジスタは、制御電極が前記プルダウンノードにカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第2信号出力端子にカップルされ、
前記第11トランジスタは、制御電極が第2制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が前記第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が前記第2信号出力端子にカップルされる、
シフトレジスタユニット。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニットを駆動するための方法であって、
少なくとも1つの出力回路のそれぞれの制御クロック信号端子の制御クロック信号はローレベル信号であり、
前記方法は、
第1時間帯において、第1クロック信号端子から第1クロック信号を入力し、トリガ信号端子からトリガ信号を入力し、入力回路をオンにし、プルアップノードの電圧が上昇し、制御回路によってプルダウンノードの電圧をローレベルにし、下段起動回路よりローレベル信号を出力し、各出力回路よりローレベル信号を出力し、
第2時間帯において、第2クロック信号端子から第2クロック信号を入力し、下段起動回路をオンにし、前記下段起動回路よりハイレベル信号を出力し、前記プルアップノードの電圧が再びハイレベルに上昇し、前記プルダウンノードの電圧をローレベルに保持し、各出力回路よりハイレベル信号を出力し、
第3時間帯において、第3クロック信号端子から第3クロック信号を入力し、安定化回路をオンにし、前記プルアップノードの電圧をローレベルにし、前記プルダウンノードの電圧をハイレベルにし、前記下段起動回路よりローレベル信号を出力し、各出力回路よりローレベル信号を出力する、ことを含む、
シフトレジスタユニットの駆動方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの出力回路のうちの1つ又は複数の出力回路の制御クロック信号端子の制御クロック信号はハイレベル信号であり、
前記方法は、
前記1つ又は複数の出力回路の信号出力端子よりローレベル信号を出力する、ことを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数のカスケード接続されたシフトレジスタユニットを含むゲート駆動回路であって、
各段のシフトレジスタユニットは、請求項1から13のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニットであり、
各段のシフトレジスタユニットの下段起動信号出力端子は、下一段のシフトレジスタユニットのトリガ信号端子にカップルされ、
第3n+1段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子にカップルされ、
第3n+1段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子にカップルされ、
第3n+1段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子にカップルされ、
nは正の整数である、
ゲート駆動回路。
【請求項17】
請求項16に記載のゲート駆動回路を含むアレイ基板。
【請求項18】
請求項17に記載のアレイ基板を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年7月20日に出願された中国特許出願第201710594509.7号の優先権を主張し、上記の中国特許出願に開示されている全ての内容を引用して本出願の一部とする。
【0002】
本開示は、表示技術分野に関し、具体的には、シフトレジスタユニット及びその駆動方法、ゲート駆動回路、アレイ基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の進歩に伴い、従来の液晶表示(Liquid Crystal Display:LCD)装置に対して、新世代の有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)表示装置は、製造コストがより低く、反応速度がより速く、コントラストがより高く、視野がより広く、動作温度範囲がより大きく、バックライトユニットを必要とせず、色彩が鮮やかで薄型であるなどの利点を有する。よって、OLED表示技術は、現在発展が一番速い表示技術となる。
【0004】
OLEDパネルの工程集積化を高めながらコストを低減させるために、通常、GOA(Gate Driver on Array)技術を利用して薄膜トランジスタ(TFT)のゲートスイッチ回路を、表示パネルのアレイ基板に集積することによって、表示パネルに対する走査駆動を形成する。このようなGOA技術を利用してアレイ基板に集積するゲート駆動回路は、GOA回路又はシフトレジスタ回路とも呼ばれる。GOA回路を利用した表示装置は駆動回路をバインドする部分が省略されているため、材料コストと製造工程の2方面よりコストを低減させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施態様は、シフトレジスタユニット及びその駆動方法、ゲート駆動回路、基板及び表示装置を提供する。
【0006】
本開示の第1発明は、第1クロック信号端子からの第1クロック信号と、トリガ信号端子からのトリガ信号とによって、プルアップノードの電圧を制御するように構成された入力回路と、プルアップノードの電圧と、プルダウンノードの電圧と、第2クロック信号端子からの第2クロック信号と、第1電圧信号端子からの第1電圧信号とによって、下段起動信号出力端子の電圧を制御するように構成された下段起動回路と、プルアップノードの電圧と、第2電圧信号端子からの第2電圧信号とによって、プルダウンノードの電圧を制御し、プルダウンノードの電圧と、第2電圧信号とによって、プルアップノードの電圧を制御するように構成された制御回路と、第3クロック信号端子からの第3クロック信号と、第1電圧信号と、第3電圧信号端子からの第3電圧信号とによって、プルアップノードの電圧とプルダウンノードの電圧を制御するように構成された安定化回路と、プルアップノードの電圧と、プルダウンノードの電圧と、第1電圧信号と、それぞれの制御クロック信号端子からの制御クロック信号と、それぞれの制御電圧信号端子からの制御電圧信号とによって、それぞれの信号出力端子の電圧を制御するように構成された少なくとも1つの出力回路と、を含むシフトレジスタユニットを提供する。第1クロック信号のハイレベルの終了時に、第2クロック信号のハイレベルが開始され、第2クロック信号のハイレベルの終了時に、第3クロック信号のハイレベルが開始される。
【0007】
本開示の実施態様において、少なくとも1つの出力回路のそれぞれは、プルアップトランジスタと、プルダウントランジスタと、制御トランジスタと、を含む。プルアップトランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が信号出力端子にカップルされる。プルダウントランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が信号出力端子にカップルされる。制御トランジスタは、制御電極が制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が信号出力端子にカップルされる。
【0008】
本開示の実施態様において、少なくとも1つの出力回路は、プルアップノードの電圧と、プルダウンノードの電圧と、第1電圧信号と、第1制御クロック信号端子からの第1制御クロック信号と、第1制御電圧信号端子からの第1制御電圧信号とによって、第1信号出力端子の電圧を制御するように構成された第1出力回路と、プルアップノードの電圧と、プルダウンノードの電圧と、第1電圧信号と、第2制御クロック信号端子からの第2制御クロック信号と、第2制御電圧信号端子からの第2制御電圧信号とによって、第2信号出力端子の電圧を制御するように構成された第2出力回路と、を含む。
【0009】
本開示の実施態様において、入力回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第12トランジスタと、を含む。第1トランジスタは、制御電極が第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極がトリガ信号端子にカップルされ、第2電極が第2トランジスタの第1電極にカップルされる。第2トランジスタは、制御電極が第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1トランジスタの第2電極にカップルされ、第2電極がプルアップノードにカップルされる。第12トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2トランジスタの第1電極にカップルされ、第2電極が第2クロック信号端子にカップルされる。
【0010】
本開示の実施態様において、下段起動回路は、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1コンデンサと、を含む。第4トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2クロック信号端子にカップルされ、第2電極が下段起動信号出力端子にカップルされる。第5トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が下段起動信号出力端子にカップルされる。第1コンデンサは、プルアップノードと下段起動信号出力端子との間にカップルされる。
【0011】
本開示の実施態様において、制御回路は、第3トランジスタと、第15トランジスタと、を含む。第3トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルアップノードにカップルされる。第15トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルダウンノードにカップルされる。
【0012】
本開示の実施態様において、安定化回路は、第13トランジスタと、第14トランジスタと、を含む。第13トランジスタは、制御電極が第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルアップノードにカップルされる。第14トランジスタは、制御電極が第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第3電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルダウンノードにカップルされる。
【0013】
本開示の実施態様において、第1出力回路は、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタと、を含む。第6トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第1制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子にカップルされ、第7トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子にカップルされ、第8トランジスタは、制御電極が第1制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子にカップルされる。
【0014】
本開示の実施態様において、第7トランジスタの幅と長さの比は第6トランジスタの幅と長さの比の整数倍である。
【0015】
本開示の実施態様において、第2出力回路は、第9トランジスタと、第10トランジスタと、第11トランジスタと、を含む。第9トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子にカップルされ、第10トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子にカップルされ、第11トランジスタは、制御電極が第2制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子にカップルされる。
【0016】
本開示の実施態様において、第10トランジスタの幅と長さの比は第9トランジスタの幅と長さの比の整数倍である。
【0017】
本開示の実施態様において、第1クロック信号と、第2クロック信号と、第3クロック信号とは、同じクロックサイクルを有し、かつハイレベル幅とローレベル幅の比がいずれも1:2である。
【0018】
本開示の第2発明は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第12トランジスタと、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1コンデンサと、第3トランジスタと、第15トランジスタと、第13トランジスタと、第14トランジスタと、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタと、第9トランジスタと、第10トランジスタと、第11トランジスタと、を含む、シフトレジスタユニットを提供する。第1トランジスタは、制御電極が第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極がトリガ信号端子にカップルされ、第2電極が第2トランジスタの第1電極にカップルされる。第2トランジスタは、制御電極が第1クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1トランジスタの第2電極にカップルされ、第2電極がプルアップノードにカップルされる。第12トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2トランジスタの第1電極にカップルされ、第2電極が第2クロック信号端子にカップルされる。第4トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2クロック信号端子にカップルされ、第2電極が下段起動信号出力端子にカップルされる。第5トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が下段起動信号出力端子にカップルされる。第1コンデンサは、プルアップノードと下段起動信号出力端子との間にカップルされる。第3トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルアップノードにカップルされる。第15トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルダウンノードにカップルされる。第13トランジスタは、制御電極が第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルアップノードにカップルされる。第14トランジスタは、制御電極が第3クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第3電圧信号端子にカップルされ、第2電極がプルダウンノードにカップルされる。第6トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第1制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子にカップルされる。第7トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子にカップルされる。第8トランジスタは、制御電極が第1制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子にカップルされる。第9トランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が第2制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子にカップルされる。第10トランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子にカップルされる。第11トランジスタは、制御電極が第2制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子にカップルされる。
【0019】
本開示の第3発明は、上記シフトレジスタユニットを駆動するための方法を提供する。少なくとも1つの出力回路のそれぞれの制御クロック信号端子の制御クロック信号はローレベル信号である。方法は以下のことを含む。第1時間帯において、第1クロック信号端子から第1クロック信号を入力し、トリガ信号端子からトリガ信号を入力し、入力回路をオンにし、プルアップノードの電圧が上昇し、制御回路によってプルダウンノードの電圧をローレベルにし、下段起動回路よりローレベル信号を出力し、各出力回路よりローレベル信号を出力する。第2時間帯において、第2クロック信号端子から第2クロック信号を入力し、下段起動回路をオンにし、下段起動回路よりハイレベル信号を出力し、プルアップノードの電圧が再びハイレベルに上昇し、プルダウンノードの電圧をローレベルに保持し、各出力回路よりハイレベル信号を出力する。第3時間帯において、第3クロック信号端子から第3クロック信号を入力し、安定化回路をオンにし、プルアップノードの電圧をローレベルにし、プルダウンノードの電圧をハイレベルにし、下段起動回路よりローレベル信号を出力し、各出力回路よりローレベル信号を出力する。
【0020】
本開示の実施態様において、少なくとも1つの出力回路のうちの1つ又は複数の出力回路の制御クロック信号端子の制御クロック信号はハイレベル信号である。方法は、当該1つ又は複数の出力回路の信号出力端子よりローレベル信号を出力する、ことを含む。
【0021】
本開示の第4発明は、ゲート駆動回路を提供する。当該ゲート駆動回路は、複数のカスケード接続されたシフトレジスタユニットを含み、各段のシフトレジスタユニットは上記のようなシフトレジスタユニットである。各段のシフトレジスタユニットの下段起動信号出力端子は、下一段のシフトレジスタユニットのトリガ信号端子にカップルされる。第3n+1段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子にカップルされ、第3n+1段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子にカップルされ、第3n+1段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子にカップルされる。nは0より大きい整数である。
【0022】
本開示の第5発明は、上記のようなゲート駆動回路を含むアレイ基板を提供する。
【0023】
本開示の第6発明は、上記のようなアレイ基板を含む表示装置を提供する。
【0024】
以下、本開示の態様をより明確に説明するために、実施形態の図面に対して簡単に説明する。以下で説明している図面は本開示の一部の実施形態に係るものであり、本開示を制限するものではないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットの模式的なブロック図である。
【
図2】本開示の別の実施形態によるシフトレジスタユニットの模式的なブロック図である。
【
図3】
図2に示すシフトレジスタユニットの例示的な回路図である。
【
図4】本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットの各信号のシーケンス図である。
【
図5】本開示の別の実施形態によるシフトレジスタユニットの各信号のシーケンス図である。
【
図6】
図3に示すシフトレジスタユニットを駆動するための方法の模式的なフローチャートである。
【
図8】本開示の実施形態によるゲート駆動回路の模式図である。
【
図9】本開示の実施形態による表示装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施形態の目的、態様と利点をより明確にするように、図面を参照しながら、本開示の実施形態の態様を明確かつ完全に説明する。説明している実施形態が本開示の実施形態の一部のみであり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本開示の実施形態の説明に基づいて、当業者の進歩的な労働を必要としない前提で得られる他の全ての実施形態は、いずれも本開示の保護の範囲に属する。
【0027】
以下、特に説明がされてない限り、表記の「素子Aが素子Bにカップルされた」とは、素子Aが「直接に」、或いは、1つ又は複数の他の素子を介して「間接的に」素子Bに接続することを意味する。
【0028】
本明細書において使用されている単数形の「1つ」、「当該」及び「前記」は、別に明確な説明がない限り、同様に複数形を含む。
【0029】
本明細書において使用されている「含める」、「含有」という用語は特に前記特徴、整数、ステップ、操作、素子及び/又は部分の存在を指すが、1つ又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、操作、素子、部件及び/又はその組み合わせの存在又は付加も含む。
【0030】
本明細書において使用されている「第1」、「第2」などの表現はいずれも二つの同じ名称の異なる実体又は異なるパラメータを区別するためのものであるため、「第1」、「第2」などはただ表現の便利性のためのものであり、本開示の実施形態を限定するものではない。
【0031】
図1は、本開示の実施形態によるシフトレジスタユニット100の模式的なブロック図を示している。
図1に示すように、シフトレジスタユニット100は、入力回路110と、下段起動回路120と、制御回路130と、安定化回路140と、少なくとも1つの出力回路(
図1において、1つの出力回路150のみを例示として示し、他の出力回路を破線枠で模式的に示している)と、を含む。
【0032】
入力回路110は、第1クロック信号端子CLK1と、トリガ信号端子STUと、プルアップノードQと、第2クロック信号端子CLK2とカップル可能である。入力回路110は、第1クロック信号端子CLK1からの第1クロック信号と、トリガ信号端子STUからのトリガ信号とによって、プルアップノードQの電圧を制御可能である。具体的に、入力回路110は、第1クロック信号端子CLK1からの第1クロック信号の制御で、トリガ信号端子STUからのトリガ信号をプルアップノードQへ提供可能である。
【0033】
下段起動回路120は、プルアップノードQと、第2クロック信号端子CLK2と、プルダウンノードQBと、第1電圧信号端子VSSと、下段起動信号出力端子CRとカップル可能である。下段起動回路120は、プルアップノードQの電圧と、プルダウンノードQBの電圧と、第2クロック信号端子CLK2からの第2クロック信号と、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号とによって、下段起動信号出力端子CRの電圧を制御可能である。具体的に、下段起動回路120は、プルアップノードQの電圧の制御で、第2クロック信号端子CLK2からの第2クロック信号を下段起動信号出力端子CRへ提供可能である。なお、下段起動回路120は、さらに、プルダウンノードQBの電圧の制御で、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号を下段起動信号出力端子CRへ提供可能である。
【0034】
制御回路130は、プルアップノードQと、プルダウンノードQBと、第2電圧信号端子VSSLとカップル可能である。制御回路130は、プルアップノードQの電圧と第2電圧信号端子VSSLからの第2電圧信号によって、プルダウンノードQBの電圧を制御可能であり、プルダウンノードQBの電圧と第2電圧信号によって、プルアップノードQの電圧を制御可能である。具体的に、制御回路130は、プルアップノードQの電圧の制御で、第2電圧信号端子VSSLからの第2電圧信号をプルダウンノードQBへ提供可能である。なお、制御回路130は、さらに、プルダウンノードQBの電圧の制御で、第2電圧信号端子VSSLからの第2電圧信号をプルアップノードQへ提供可能である。
【0035】
安定化回路140は、第3クロック信号端子CLK3と、第1電圧信号端子VSSと、第3電圧信号端子VHと、プルアップノードQと、プルダウンノードQBとカップル可能である。安定化回路140は、第3クロック信号端子CLK3からの第3クロック信号と、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号VSSと、第3電圧信号端子VHからの第3電圧信号とによって、プルアップノードQの電圧とプルダウンノードQBの電圧を制御可能である。具体的に、安定化回路140は、第3クロック信号端子CLK3からの第3クロック信号の制御で、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号をプルアップノードQへ提供可能である。なお、安定化回路140は、さらに、第3クロック信号端子CLK3からの第3クロック信号の制御で、第3電圧信号端子VHからの第3電圧信号をプルダウンノードQBへ提供可能である。
【0036】
本開示の実施形態によるシフトレジスタユニット100は、少なくとも1つの出力回路を含んでもよく、少なくとも1つの出力回路のそれぞれは、プルアップノードQの電圧と、プルダウンノードQBの電圧と、第1電圧信号VSSと、それぞれの制御クロック信号端子CLKからの制御クロック信号と、それぞれの制御電圧信号端子VGからの制御電圧信号とによって、それぞれの信号出力端子Gの電圧を制御するように構成されている。
【0037】
図1に示すように、シフトレジスタユニット100が1つの出力回路150を含むことを例にする。出力回路150は、プルアップノードQと、プルダウンノードQBと、第1電圧信号端子VSSと、制御クロック信号端子CLKと、制御電圧信号端子VGと、信号出力端子Gとカップル可能である。出力回路150は、プルアップノードQの電圧と、プルダウンノードQBの電圧と、第1電圧信号VSSと、制御クロック信号端子CLKからの制御クロック信号と、制御電圧信号端子VGからの制御電圧信号とによって、信号出力端子Gの電圧を制御可能である。具体的に、出力回路150は、プルアップノードQの電圧の制御で、制御電圧信号端子VGからの制御電圧信号を信号出力端子Gへ提供可能である。なお、出力回路150は、さらに、プルダウンノードQBの電圧の制御で、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号を信号出力端子Gへ提供可能である。
【0038】
本開示の実施形態において、第1クロック信号のハイレベルの終了時に、第2クロック信号のハイレベルが開始され、第2クロック信号のハイレベルの終了時に、第3クロック信号のハイレベルが開始される。
【0039】
現在、シフトレジスタユニットは通常1つのトリガ信号の制御で1つのシフトレジスタ信号を触発し、即ち、一方のゲート駆動信号を出力するため、1行の画素の駆動しかを満たすことができない。ゲート駆動回路全体に用いられるシフトレジスタユニットは多く、専用面積が大きくなり、かつコストが高くなる。
【0040】
本開示の実施形態により、シフトレジスタユニットは1つのトリガ信号STUの制御で、少なくとも1つのゲート駆動信号を出力し、即ち、少なくとも1つのシフトレジスタ信号を触発可能である。それぞれの制御クロック信号を制御することによって、それぞれの出力信号が調整され、構成がシンプルになり、表示装置に用いられるシフトレジスタユニットの数が減少される。
【0041】
注意すべきことは、下段起動回路120を制御するための第2クロック信号CLK2は、持続的にハイレベルを提供するのではなく、動作時のみハイレベルを提供することによって、シフトレジスタユニットの消費電力を低減させることができる。
【0042】
図2は、本開示の別の実施形態によるシフトレジスタユニット200の模式的なブロック図を示している。
図2に示すように、シフトレジスタユニット200の入力回路110と、下段起動回路120と、制御回路130と、安定化回路140とは、
図1に示すシフトレジスタユニット100と同じである。なお、シフトレジスタユニット200は第1出力回路151と第2出力回路152をさらに含む。
【0043】
第1出力回路151は、プルアップノードQと、プルダウンノードQBと、第1電圧信号端子VSSと、第1制御クロック信号端子CLKAと、第1制御電圧信号端子VG1と、第1信号出力端子G1とカップル可能である。第1出力回路151は、プルアップノードQの電圧と、プルダウンノードQBの電圧と、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号と、第1制御クロック信号端子CLKAからの第1制御クロック信号と、第1制御電圧信号端子VG1からの第1制御電圧信号とによって、第1信号出力端子G1の電圧を制御可能である。具体的に、第1出力回路151は、プルアップノードQからの電圧の制御で、第1制御電圧信号端子VG1からの第1制御電圧信号を第1信号出力端子G1へ提供するか、又はプルダウンノードQBの電圧の制御で、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号を第1信号出力端子G1へ提供可能である。
【0044】
第2出力回路152は、プルアップノードQと、プルダウンノードQBと、第1電圧信号端子VSSと、第2制御クロック信号端子CLKBと、第2制御電圧信号端子VG2と、第2信号出力端子G2とカップル可能である。第2出力回路152は、プルアップノードQの電圧と、プルダウンノードQBの電圧と、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号と、第2制御クロック信号端子CLKBからの第2制御クロック信号と、第2制御電圧信号端子VG2からの第2制御電圧信号とによって、第2信号出力端子G2の電圧を制御可能である。具体的に、第2出力回路152は、プルアップノードQからの電圧の制御で、第2制御電圧信号端子VG2からの第2制御電圧信号を第2信号出力端子G2へ提供するか、又はプルダウンノードQBの電圧の制御で、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号を第2信号出力端子G2へ提供可能である。
【0045】
本開示の実施形態において、第1電圧信号端子VSSからの第1電圧信号と、第2電圧信号端子VSSLからの第2電圧信号とはローレベル信号であり、第3電圧信号端子VHからの第3電圧信号と、第1制御電圧信号端子VG1からの第1制御電圧信号と、第2制御電圧信号端子VG2からの第2制御電圧信号とはハイレベル信号である。
【0046】
本開示の実施形態により、シフトレジスタユニットは1つのトリガ信号STUの制御で、2つのゲート駆動信号(例えば、G1とG2)を出力し、即ち、2つのシフトレジスタ信号を触発可能であり、第1制御クロック信号CLKAと第2制御クロック信号CLKBによって出力信号が調整され、構成がシンプルになり、表示装置に用いられるシフトレジスタユニットの数が減少される。
【0047】
図3は、
図2に示すシフトレジスタユニット200の例示的な回路図を示している。実施形態において、利用したトランジスタはN型トランジスタであってもよいし、P型トランジスタであってもよい。具体的に、トランジスタは、N型やP型電界効果トランジスタ(MOSFET)、又はN型やP型双極型トランジスタ(BJT)であってもよい。本開示の実施形態において、トランジスタのゲートを制御電極と称する。トランジスタのソースとドレインが対称的であるため、ソースとドレインを区別しなく、即ち、トランジスタのソースは第1電極(又は第2電極)であってもよく、ドレインは第2電極(又は第1電極)であってもよい。さらに、ゲート信号入力を有するいずれの被制御スイッチング素子を採用してトランジスタの機能を実現してもよく、制御信号を受信するための(例えば被制御イッチング素子のオンとオフに用いる)スイッチング素子の被制御中間端を制御電極と称し、その他の両端はそれぞれ第1電極と第2電極である。以下、N型電界効果トランジスタ(NMOS)を例に詳細に説明する
【0048】
本開示の実施形態において、少なくとも1つの出力回路のそれぞれは、プルアップトランジスタと、プルダウントランジスタと、制御トランジスタとを含む。プルアップトランジスタは、制御電極がプルアップノードにカップルされ、第1電極が制御電圧信号端子にカップルされ、第2電極が信号出力端子にカップルされる。プルダウントランジスタは、制御電極がプルダウンノードにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が信号出力端子にカップルされる。制御トランジスタは、制御電極が制御クロック信号端子にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子にカップルされ、第2電極が信号出力端子にカップルされる。
【0049】
入力回路110は、
図3に示すように、第1トランジスタT1と、第2トランジスタT2と、第12トランジスタT12とを含む。第1トランジスタT1は、制御電極が第1クロック信号端子CLK1にカップルされ、第1電極がトリガ信号端子STUにカップルされ、第2電極が第2トランジスタT2の第1電極にカップルされる。第2トランジスタT2は、制御電極が第1クロック信号端子CLK1にカップルされ、第1電極が第1トランジスタT1の第2電極にカップルされ、第2電極がプルアップノードQにカップルされる。第12トランジスタT12は、制御電極がプルアップノードQにカップルされ、第1電極が第2トランジスタT2の第1電極にカップルされ、第2電極が第2クロック信号端子CLK2にカップルされる。
【0050】
下段起動回路120は、第4トランジスタT4と、第5トランジスタT5と、第1コンデンサCとを含む。第4トランジスタT4は、制御電極がプルアップノードQにカップルされ、第1電極が第2クロック信号端子CLK2にカップルされ、第2電極が下段起動信号出力端子CRにカップルされる。第5トランジスタT5は、制御電極がプルダウンノードQBにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子VSSにカップルされ、第2電極が下段起動信号出力端子CRにカップルされる。第1コンデンサCはプルアップノードQと下段起動信号出力端子CRとの間にカップルされる。
【0051】
制御回路130は、第3トランジスタT3と第15トランジスタT15とを含む。第3トランジスタT3は、制御電極がプルダウンノードQBにカップルされ、第1電極が第2電圧信号端子VSSLにカップルされ、第2電極がプルアップノードQにカップルされる。第15トランジスタT15は、制御電極がプルアップノードQにカップルされ、第1電極が第2電圧信号端子VSSLにカップルされ、第2電極がプルダウンノードQBにカップルされる。
【0052】
安定化回路140は、第13トランジスタT13と第14トランジスタT14とを含む。第13トランジスタT13は、制御電極が第3クロック信号端子CLK3にカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子VSSにカップルされ、第2電極がプルアップノードQにカップルされる。第14トランジスタT14は、制御電極が第3クロック信号端子CLK3にカップルされ、第1電極が第3電圧信号端子VHにカップルされ、第2電極がプルダウンノードQBにカップルされる。
【0053】
第1出力回路151は、トランジスタT6(プルアップトランジスタに相当する)と、第7トランジスタT7(プルダウントランジスタに相当する)と、第8トランジスタT8(制御トランジスタに相当する)とを含む。第6トランジスタT6は、制御電極がプルアップノードQにカップルされ、第1電極が第1制御電圧信号端子VG1にカップルされ、第2電極が第1信号出力端子(即ち、第7トランジスタT7の第2電極)にカップルされる。第7トランジスタT7は、制御電極がプルダウンノードQBにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子VSSにカップルされ、第2電極が第6トランジスタT6の第2電極にカップルされる。第8トランジスタT8は、制御電極が第1制御クロック信号端子CLKAにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子VSSにカップルされ、第2電極が第6トランジスタT6の第2電極にカップルされる。本開示の実施形態において、第7トランジスタT7の幅と長さの比は、第6トランジスタT6の幅と長さの比の整数倍である。
【0054】
第2出力回路152は、第9トランジスタT9(プルアップトランジスタに相当する)と、第10トランジスタT10(プルダウントランジスタに相当する)と、第11トランジスタT11(制御トランジスタに相当する)とを含む。第9トランジスタT9は、制御電極がプルアップノードQにカップルされ、第1電極が第2制御電圧信号端子VG2にカップルされ、第2電極が第2信号出力端子(即ち、第10トランジスタT10の第2電極)にカップルされる。第10トランジスタT10は、制御電極がプルダウンノードQBにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子VSSにカップルされ、第2電極が第9トランジスタT9の第2電極にカップルされる。第11トランジスタT11は、制御電極が第2制御クロック信号端CLKBにカップルされ、第1電極が第1電圧信号端子VSSにカップルされ、第2電極が第9トランジスタT9の第2電極にカップルされる。本開示の実施形態において、第10トランジスタT10の幅と長さの比は、第9トランジスタT9の幅と長さの比の整数倍である。
【0055】
以下、
図3に示すシフトレジスタユニットの動作について、
図4に示すシーケンス図を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、シフトレジスタユニットのトランジスタのいずれもN型トランジスタであることを例にする。第1電圧信号VSSと第2電圧信号VSSLとはローレベル信号であり、第3電圧信号VHと第1制御電圧信号VG1と第2制御電圧信号VG2とはハイレベル信号である。
【0056】
図4に示す実施形態において、第1制御クロック信号CLKAと第2制御クロック信号CLKBとはローレベル(VGL)である。よって、第8トランジスタT8と第11トランジスタT11はオフ状態を保持する。
【0057】
第1時間帯(P1)において、第1クロック信号CLK1はハイレベルであり、第2クロック信号CLK2はローレベルであり、第3クロック信号CLK3はローレベルであり、トリガ信号STUはハイレベルである。P1の期間において、入力回路110の第1トランジスタT1と第2トランジスタT2がオンになり、トリガ信号STUがプルアップノードQへ提供されて、プルアップノードQの電圧を上昇させる。第15トランジスタT15がオンになり、第2電圧信号VSSLがプルダウンノードQBへ提供され、即ち、プルダウンノードQBの電圧がドロップされて、第3トランジスタT3と、第5トランジスタT5と、第7トランジスタT7と、第10トランジスタT10とをオフにする。プルアップノードQの電圧の制御で、第7トランジスタT7と第6トランジスタT6の幅と長さの比の比率、および第10トランジスタT10と第9トランジスタT9の幅と長さの比の比率を制御することによって、第1信号出力端子G1と第2信号出力端子G2のいずれもローレベル信号を出力するようにする。第4トランジスタT4がオンになり、第2クロック信号CLK2を下段起動信号出力端子CRへ提供し、即ち、下段起動信号出力端子CRもローレベル信号を出力する。実際のシミュレーションにおいて、P1の期間において、下段起動信号出力端子CRと、第1信号出力端子G1と、第2信号出力端子G2とより出力する信号に多少フローティングがあるが、ローレベル信号であると認定し得る。例示において、第7トランジスタT7の幅と長さの比を第6トランジスタT6の幅と長さの比の整数倍に設定し、第10トランジスタT10の幅と長さの比を第9トランジスタT9の幅と長さの比の整数倍に設定する。
【0058】
第2時間帯(P2)において、第1クロック信号CLK1はローレベルであり、第2クロック信号CLK2はハイレベルであり、第3クロック信号CLK3はローレベルであり、トリガ信号STUはローレベルである。P1の期間において、第4トランジスタT4がオンになるように、プルアップノードQの電圧を十分に上昇させているため、第2クロック信号CLK2は第4トランジスタT4を介して下段起動信号出力端子CRへ伝達され、よって、下段起動信号出力端子CRはハイレベル信号を出力する。コンデンサCを介して、プルアップノードQの電圧はブートストラップ(bootstrapping)によりハイレベルにさらにプルアップされる。第12トランジスタT12がオンになり、第2クロック信号CLK2を第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のノードへ提供することによって、第2トランジスタT2をより確実にオフにし、プルアップノードQのリーク電流をさらに低下させる。なお、第6トランジスタT6と第9トランジスタT9をオンにし、第1制御電圧信号VG1と第2制御電圧信号VG2をそれぞれ第1信号出力端子G1と第2信号出力端子G2へ提供する。プルアップノードQが第3レベル信号になっている場合、第15トランジスタT15はオンの状態を保持し、プルダウンノードQBの電圧を制御してローレベルにし、よって、第5トランジスタT5と、第7トランジスタT7と、第10トランジスタT10がオフの状態を保持する。下段起動信号出力端子CRと、第1信号出力端子G1と、第2信号出力端子G2は安定化したハイレベル信号を出力する。
【0059】
第3時間帯(P3)において、第1クロック信号CLK1はローレベルであり、第2クロック信号CLK2はローレベルであり、第3クロック信号CLK3はハイレベルであり、トリガ信号STUはローレベルである。P3の期間において、第13トランジスタT13と第14トランジスタT14がオンになり、第1電圧信号VSSをプルアップノードQへ提供し、第3電圧信号VHをプルダウンノードQBへ提供し、つまり、プルアップノードQの電圧がドロップされ、プルダウンノードQBの電圧がプルアップされる。第4トランジスタT4と、第6トランジスタT6と、第9トランジスタT9がオフになり、第5トランジスタT5と、第7トランジスタT7と、第10トランジスタT10がオンなる。下段起動信号出力端子CRはローレベル信号を出力し、第1信号出力端子G1はローレベル信号を出力し、第2信号出力端子G2はローレベル信号を出力する。
【0060】
その後の時間帯において、第1クロック信号CLK1と、第2クロック信号CLK2と、第3クロック信号CLK3とのハイレベルが順序に提供され、トリガ信号STUがローレベルを保持し、下段起動信号出力端子CRと、第1信号出力端子G1と、第2信号出力端子G2がローレベル信号の出力を保持する。
【0061】
本開示の別の実施形態において、第1制御クロック信号CLKAと第2制御クロック信号CLKBとの1つはローレベルであり、もう1つはハイレベルである。例えば、第1制御クロック信号CLKAがローレベル(VGL)であり、第2制御クロック信号CLKBがハイレベル(VGH)である。よって、第8トランジスタT8がオフになり、第11トランジスタT11がオンになる。
図5に示すように、第1信号出力端子G1より出力する第1出力信号は
図4と同じであり、第2信号出力端子G2よりローレベル信号の出力を保持する。
【0062】
あるいは、第1制御クロック信号CLKAがハイレベル(VGH)であり、第2制御クロック信号CLKBがローレベル(VGL)である場合、第8トランジスタT8がオンになり、第11トランジスタT11がオフになってもよい。第1信号出力端子G1よりローレベル信号を出力して保持し、第2信号出力端子G2より出力する第2出力信号は
図4と同じである。
【0063】
よって、第1制御クロック信号CLKAと第2制御クロック信号CLKBを対応調整することによって、2つの出力信号を制御することができる。
【0064】
本開示の実施形態において、第1クロック信号CLK1と、第2クロック信号CLK2と、第3クロック信号CLK3とは、同じクロックサイクルを有し、かつハイレベル幅とローレベル幅の比がいずれも1:2であってもよい。
【0065】
図6は、本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットを駆動するための方法の模式的なフローチャートであり、その中、少なくとも1つの出力回路のそれぞれの制御クロック信号端子の制御クロック信号はローレベル信号である。本開示の実施形態において、第1電圧信号VSSと第2電圧信号VSSLはローレベル信号であり、第3電圧信号VHと少なくとも1つの出力回路の各制御電圧信号VGはハイレベル信号である。
【0066】
ステップS610では、第1時間帯において、第1クロック信号端子から第1クロック信号(例えば、ハイレベル信号)を入力し、トリガ信号端子からトリガ信号を入力し、入力回路をオンにし、プルアップノードの電圧が上昇し、制御回路によってプルダウンノードの電圧をローレベルにし、下段起動回路の下段起動信号出力端子よりローレベル信号を出力し、各出力回路の信号出力端子よりローレベル信号を出力する。
【0067】
ステップS620では、第2時間帯において、第2クロック信号端子から第2クロック信号(例えば、ハイレベル信号)を入力し、下段起動回路をオンにし、下段起動回路の下段起動信号出力端子よりハイレベル信号を出力し、プルアップノードの電圧が再びハイレベルに上昇し、プルダウンノードの電圧をローレベルに保持し、各出力回路の信号出力端子よりハイレベル信号を出力する。
【0068】
ステップS630では、第3時間帯において、第3クロック信号端子から第3クロック信号(例えば、ハイレベル信号)を入力して、安定化回路をオンにし、プルアップノードの電圧をローレベルにし、プルダウンノードの電圧をハイレベルにし、下段起動回路の下段起動信号出力端子よりローレベル信号を出力し、各出力回路の信号出力端子よりローレベル信号を出力する。
【0069】
本開示の別の実施形態において、少なくとも1つの出力回路のうちの1つ又は複数の出力回路の制御クロック信号端子の制御クロック信号はハイレベル信号である。この場合、当該1つ又は複数の出力回路の信号出力端子よりローレベル信号を出力する。
【0070】
上記のように、本開示の実施形態により、少なくとも1つの出力回路のうちの1つ又は複数の出力回路の制御クロック信号端子の制御クロック信号を変化させることによって、1つのトリガ信号の制御で、1つ又は複数の駆動信号を出力することができる。なお、本開示の実施形態により、リーク電流を減少し、素子の消費電力を低減することもできる。
【0071】
通常、OLED表示面板は、正常に動作する時、閾値電圧Vthの不安定な状況が現れる可能性があり、この場合、長期間に動作すると閾値電圧Vthのシフトが現れる。よって、OLED表示面板の画素回路設計には、閾値電圧Vthの補償と、移動度の補償と、光学補償を考慮する必要がある。本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットは例えばAMOLED3T1C画素回路に応用することによって、外部補償をより良く行うことができる。
【0072】
図7は3T1C画素回路の回路図を示している。
図7に示すように、3T1C回路は、スイッチトランジスタTFT1と、センストランジスタTFT2と、駆動トランジスタTFT3と、蓄積コンデンサCSTと、発光ダイオードOLEDとを含む。スイッチトランジスタTFT1と、センストランジスタTFT2と、駆動トランジスタTFT3とはいずれもN型トランジスタTFTである。
【0073】
スイッチトランジスタTFT1は、制御電極が
図2に示すシフトレジスタユニット200の第1信号出力端子G1にカップルされ、第1電極がデータ書き込み信号Dataにカップルされ、第2電極が駆動トランジスタTFT3の制御電極にカップルされる。センストランジスタTFT2は、制御電極が
図2に示すシフトレジスタユニットの第2信号出力端子G2にカップルされ、第1電極がセンス信号Senseにカップルされ、第2電極が駆動トランジスタTFT3の第2電極にカップルされる。駆動トランジスタTFT3の第1電極がハイレベル信号VDDにカップルされる。蓄積コンデンサCSTはスイッチトランジスタTFT1の第2電極と駆動トランジスタTFT3の第2電極との間にカップルされる。発光ダイオードOLEDは、アノードが駆動トランジスタTFT3の第2電極にカップルされ、カソードがローレベル信号VSSにカップルされる。
【0074】
本開示の実施形態において、正常の書き込み段階において、まず、第1出力信号G1と第2出力信号G2をセットし、即ち、第1制御クロック信号CLKAと第2制御クロック信号CLKBはいずれもローレベルである。よって、上記した第2時間帯において、第1出力信号G1と第2出力信号G2をいずれもハイレベルにする。短い時間が経つと、第1制御クロック信号CLKAはローレベルを保持し、第2制御クロック信号CLKBをハイレベルに設置することによって、第1出力信号G1をハイレベルに保持し、第2出力信号G2をローレベルに変更して、データの書き込みを行う。第1出力信号G1の制御で、データ書き込み信号DataをスイッチトランジスタTFT1、即ち、駆動トランジスタTFT3の制御電極に伝達する。さらに、データ書き込み信号Dataの制御で、ハイレベル信号VDDを駆動トランジスタTFT3の第2電極へ伝達することによって、発光ダイオードOLEDが発光するように駆動する。
【0075】
センサ補償段階において、第1制御クロック信号CLKAと第2制御クロック信号CLKBとはいずれもローレベルであり、よって、上記した第2時間帯において、第1出力信号G1と第2出力信号G2がいずれもハイレベルを保持する。上記した正常書き込み段階においてデータ書き込み信号DATAを駆動トランジスタTFT3の制御電極へ伝達することによってデータを書き込む操作の以外には、第2出力信号G2の制御で、センサ補償信号SenseをセンサトランジスタTFT2の第2電極、即ち、駆動トランジスタTFT3の第2電極へ伝達し、蓄積コンデンサCSTにより、駆動トランジスタTFT3の制御電極の電圧が駆動トランジスタTFT3の第2電極の電圧にプルアップされることによって、発光ダイオードOLEDを駆動するための電流をさらに制御する。
【0076】
本開示の実施形態において、シフトレジスタユニットは1つのトリガ信号STUの制御のみにより、2つの駆動信号、即ち第1出力信号G1と第2出力信号G2を出力することによって、3T1C画素回路をより良く制御する。本開示の実施形態のシフトレジスタユニットは構成がシンプルで、消費電力とリーク電流を低減することができる。
【0077】
図8は、本開示の実施形態によるゲート駆動回路800の模式的構成図を示している。
図8に示すように、ゲート駆動回路800は複数のカスケード接続されたシフトレジスタユニットSR1、SR2、…、SRn、SR(n+1)、…を含んでもよい。各段のシフトレジスタユニットは
図1に示すようなシフトレジスタユニット100の構成を採用してもよい。
【0078】
ゲート駆動回路800において、各段のシフトレジスタユニットのポートは、第1電圧信号端子VSSと、第2電圧信号端子VSSLと、第3電圧信号端子VHと、少なくとも1つの制御電圧信号端子VG(1つのみ示している)と、第1クロック信号端子CLK1と、第2クロック信号端子CLK2と、第3クロック信号端子CLK3と、少なくとも1つの制御クロック信号端子CLK(1つのみ示している)と、トリガ信号端子STUと、下段起動信号出力端子CRと、少なくとも1つの信号出力端子G(1つのみ示している)と、を含んでもよい。
【0079】
各段のシフトレジスタユニットSR(n)の下段起動信号出力端子CRは、下一段のシフトレジスタユニットSR(n+1)のトリガ信号端子STUにカップルされる。第3n+1段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子にカップルされ、第3n+1段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子にカップルされ、第3n+1段のシフトレジスタユニットの第3クロック信号端子は、第3n+2段のシフトレジスタユニットの第2クロック信号端子と、第3n+3段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号端子にカップルされる。nは0より大きい整数である。
【0080】
第1電圧信号端子VSSへローレベルの第1電圧信号(例えば、−8V)を入力し、第2電圧信号端子VSSLへローレベルの第2電圧信号(例えば、−10V)を入力し、第3電圧信号端子VHへハイレベルの第3電圧信号(例えば、25V)を入力する。よって、各信号出力端子Gはフルスイング出力することができ、レール・ツー・レールの出力を実現する。
【0081】
本開示の実施形態において、第1クロック信号のハイレベルの終了時に、第2クロック信号のハイレベルが開始され、第2クロック信号のハイレベルの終了時に、第3クロック信号のハイレベルが開始される。さらに、第1クロック信号と、第2クロック信号と、第3クロック信号とは、同じクロックサイクルを有し、かつハイレベル幅とローレベル幅の比がいずれも1:2であってもよい。
【0082】
図9は、本開示の実施形態による表示装置900の模式図を示している。表示装置900は、アレイ基板950を含み、そして、アレイ基板950は、
図8に示すゲート駆動回路800を含む。表示装置900は、例えば、携帯電話、タブレット、ディスプレイ、着用可能な機器などであってもよい。
【0083】
本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットは少ない素子だけ利用し、1つのトリガ信号の制御で、少なくとも一段のゲート駆動信号を出力し、各出力回路の制御クロック信号によってそれぞれの出力信号を調整する。よって、より良く画素回路に適用し、ゲート駆動回路の配線の複雑度と面積を低下させることができる。なお、本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットは、さらに、信号ノイズを低減し、消費電力を低減し、リーク電流を減少することができる。
【0084】
以上、本開示のいくつかの実施形態について詳細に説明したが、本開示の範囲はこれらに限定されているのではない。無論、当業者にとって、本開示の要旨と範囲を逸脱しない場合、本開示の実施形態について種々の補正、置き換えや変形を行うことができる。添付した請求項により本開示の範囲が限定される。
【符号の説明】
【0085】
100,200 シフトレジスタユニット
110 入力回路
120 下段起動回路
130 制御回路
140 安定化回路
150 出力回路
151 第1出力回路
152 第2出力回路
800 ゲート駆動回路
900 表示装置
950 アレイ基板