特許第6914456号(P6914456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6914456ネットワークスライスを確立するための方法と管理およびオーケストレーションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6914456
(24)【登録日】2021年7月15日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】ネットワークスライスを確立するための方法と管理およびオーケストレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20210727BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   H04L12/70 D
   G06F13/00 353V
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-567482(P2020-567482)
(86)(22)【出願日】2019年2月18日
(86)【国際出願番号】CN2019075371
(87)【国際公開番号】WO2019233124
(87)【国際公開日】20191212
【審査請求日】2020年12月3日
(31)【優先権主張番号】201810576255.0
(32)【優先日】2018年6月6日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】弋 景峰
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2018/067780(WO,A1)
【文献】 国際公開第2018/082502(WO,A1)
【文献】 Jose Ordonez-Lucena et al.,The Creation Phase in Network Slicing: From a Service Order to an Operative Network Slice,European Conference on Networks and Communications (EuCNC), 2018,2018年04月25日,<URL>https://arxiv.org/pdf/1804.09642.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/70
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理およびオーケストレーションシステム(MANO)は、確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得するステップであって、ここで、前記名前情報は、前記第1のネットワークスライスが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のネットワークスライスに含まれる第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立される前記取得するステップと、
前記MANOは、前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を取得するステップであって、ここで、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含む前記取得するステップと、
前記MANOは、前記第1のVNFD情報および前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立するステップと、
前記MANOは、前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワークに少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供するステップとを含むことを特徴とするネットワークスライスを確立するための方法。
【請求項2】
前記MANOは、前記第1のVNFD情報および前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワーク、前記第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立するステップは、
前記MANOは、前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる外部ネットワーク、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネット、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立するステップと、
前記MANOは、前記第2のVNFD情報および前記事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワーク、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネット、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットを確立するステップとを含み、
前記事前設定されたネットワーク設計規則は、前記第1のスライスネットワークが前記データセンターネットワークを使用して確立される規則と、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワークおよび前記第1のスライスネットワークのいずれかを使用して確立される規則と、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワーク、前記第1のスライスネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのいずれかを使用して確立される規則と、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットが第1のproviderネットワークを使用して確立され、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネットが第2のproviderネットワークを使用して確立される規則とを含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワークスライスを確立するための方法。
【請求項3】
前記MANOは、前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立するステップは、
前記MANOは、前記第1のVNFD情報から前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのN個の外部接続点および前記複数の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅を取得するステップであって、Nは正の整数である前記取得するステップと、
前記MANOは、前記MANO自体に接続された複数の仮想化インフラストラクチャ管理VIMのそれぞれの物理ネットワークリソースを取得するステップであって、ここで、前記物理ネットワークリソースは、前記物理ネットワークリソース上に確立されたproviderネットワークにネットワークサービスを提供するために使用され、前記物理ネットワークリソースは、構成されたM個のネットワークインターフェイスカード(NIC)と各NICの帯域幅を含み、MはN以上の整数である前記取得するステップと、
前記MANOは、前記N個の外部接続点の数および前記各外部接続点に必要な帯域幅に基づき、前記複数のVIMから第1のVIMを選択するステップと、
前記MANOは、前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立するステップと、
前記MANOは、前記各外部接続点に対応するproviderネットワーク上に前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載のネットワークスライスを確立するための方法。
【請求項4】
前記MANOは、前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立するステップは、
前記MANOは、前記N個の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅および前記各NICの帯域幅に基づき、N個のマッピング関係を決定するステップであって、ここで、前記N個の外部接続点は、前記M個のNICのうちのN個のNICと1対1に対応する前記決定するステップと、
前記MANOは、前記N個のマッピング関係に基づき、N個のproviderネットワークを確立するステップであって、ここで、前記N個のproviderネットワークのそれぞれの名前は、前記providerネットワークに対応するマッピング関係に含まれる外部接続点のアイデンティティおよびNICのアイデンティティを含む前記確立するステップと、
前記MANOは、前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てるステップとを含むことを特徴とする請求項3に記載のネットワークスライスを確立するための方法。
【請求項5】
前記MANOが、前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てた後、
前記MANOは、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットの、前記サブネットが属するproviderネットワークのランキングに基づき、前記サブネットが属するproviderネットワークのネットワークセグメント番号から前記サブネットにサブネットセグメント番号を割り当てることを特徴とする請求項4に記載のネットワークスライスを確立するための方法。
【請求項6】
確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得するように構成された第1の取得ユニットであって、ここで、前記名前情報は、前記第1のネットワークスライスが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のネットワークスライスに含まれる第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立される前記第1の取得ユニットと、
前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を取得するように構成された第2の取得ユニットであって、ここで、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含む前記第2の取得ユニットと、
前記第1のVNFD情報及前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立するように構成された第1の確立ユニットと、
前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワーク上に少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供するように構成された第2の確立ユニットとを含むことを特徴とする管理およびオーケストレーションシステム。
【請求項7】
前記第1の確立ユニットは、
前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる外部ネットワーク、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネット、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立し、
前記第2のVNFD情報および前記事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワーク、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネット、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットを確立し、
ここで、前記事前設定されたネットワーク設計規則は、前記第1のスライスネットワークが前記データセンターネットワークを使用して確立される規則と、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワークおよび前記第1のスライスネットワークのいずれかを使用して確立される規則と、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワーク、前記第1のスライスネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのいずれかを使用して確立される規則と、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットが第1のproviderネットワークを使用して確立され、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネットが第2のproviderネットワークを使用して確立される規則とを含むことを特徴とする請求項6に記載の管理およびオーケストレーションシステム。
【請求項8】
前記第1の確立ユニットは、
前記第1のVNFD情報から前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのN個の外部接続点および前記複数の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅を取得し、Nは正の整数であり、
前記MANO自体に接続された複数の仮想化インフラストラクチャ管理VIMのそれぞれの物理ネットワークリソースを取得し、ここで、前記物理ネットワークリソースは、前記物理ネットワークリソース上に確立されたproviderネットワークにネットワークサービスを提供するために使用され、前記物理ネットワークリソースは、構成されたM個のネットワークインターフェイスカード(NIC)と各NICの帯域幅を含み、MはN以上の整数であり、
前記N個の外部接続点の数および前記各外部接続点に必要な帯域幅に基づき、前記複数のVIMから第1のVIMを選択し、
前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立し、
前記各外部接続点に対応するproviderネットワーク上に前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立することを特徴とする請求項7に記載の管理およびオーケストレーションシステム。
【請求項9】
前記第1の確立ユニットは、
前記N個の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅および前記各NICの帯域幅に基づき、N個のマッピング関係を決定し、ここで、前記N個の外部接続点は、前記M個のNICのうちのN個のNICと1対1に対応し、
前記N個のマッピング関係に基づき、N個のproviderネットワークを確立し、ここで、前記N個のproviderネットワークのそれぞれの名前は、前記providerネットワークに対応するマッピング関係に含まれる外部接続点のアイデンティティおよびNICのアイデンティティを含み、
前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てることを特徴とする請求項8に記載の管理およびオーケストレーションシステム。
【請求項10】
前記MANOが、前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てた後、前記第1の確立ユニットはさらに、
前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットの、前記サブネットが属するproviderネットワークのランキングに基づき、前記サブネットが属するproviderネットワークのネットワークセグメント番号から前記サブネットにサブネットセグメント番号を割り当てることを特徴とする請求項9に記載の管理およびオーケストレーションシステム。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサ、前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリおよび通信インターフェースを含み、
ここで、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を格納し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに格納された命令を実行することにより、前記通信インターフェースを介して、請求項1から5のいずれか1つの方法を実行することを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項12】
コンピュータ上で実行されるときに、コンピュータに請求項1から5のいずれか1つの方法を実行させるコンピュータ命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月6日に中国特許局に提出し、出願番号が201810576255.0であり、発明名称が「ネットワークスライスを確立するための方法と管理およびオーケストレーションシステム」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、通信技術分野に関し、特にネットワークスライスを確立するための方法と管理およびオーケストレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
広く変化するサービスニーズを満たすために、ネットワークスライス(Network Slice)技術が通信システムに適用される。さまざまなアプリケーションのシナリオとニーズに応じて、物理ネットワークは複数の仮想エンドツーエンドネットワークスライスに分割される。各ネットワークスライスは、1つの独立したネットワーク機能または機能の組み合わせのインスタンス化で構成され、機能特性が異なる。これにより、相互に影響を与えることなく、複数のネットワークスライスを介してユーザーにさまざまなサービスを提供することができる。
【0004】
従来技術では、管理およびオーケストレーション(Management and Orchestration,MANO)システムは、通常、ネットワークスライスの展開に使用される。ネットワークスライスを展開するプロセスは次のとおりである。
【0005】
第1に、プロバイダ(provider)ネットワークは、ネットワークスライスの待ち時間および帯域幅要件、ならびにネットワークスライスを確立するネットワーク機能仮想化インフラストラクチャ(Network Functions Virtualisation Infrastructure,NFVI)が所有する異なる物理的インターフェース能力および数に基づいて、ネットワークスライスに対して手動で確立される。次に、当該ネットワークスライスの内部情報は、仮想化ネットワーク機能記述子(Virtualised Network Function Descriptor,VNFD)に手動で入力される。たとえば、当該ネットワークスライス内に含まれるさまざまなネットワークサービス(Network Service,NS)に関する情報(たとえば、NSは共有サブネットおよび専用サブネットに分割される場合がある)、ネットワークスライス内の仮想化ネットワーク機能(Virtualised Network Function,VNF)モジュールに関する情報(たとえば、VNFは仮想ローカルエリアネットワーク(Virtual Local Area Network,VLAN)から分離する必要がある場合があり、この時点でプライベートネットワークが確立する必要があり、一方、VLANから分離する必要がない場合があり、この時点では共有ネットワークなどを使用する)、VNFプライベートネットワークに割り当てられたセグメントIDに関する情報、およびこれらのネットワーク上に確立されたサブネット、ポート、仮想化ネットワーク機能コンポーネント(Virtualised Network Function Component,VNFC)に関する情報などがある。最後に、VNFDはMANOに渡され、MANOはVNFDの記述に基づいて機能し、必要なネットワークサービスを確立し、ネットワークスライスを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来技術では、ネットワークスライスを確立するときに大量のネットワーク展開情報を手動で決定する必要があり、これは大量の手動作業を必要とし、それによってネットワークスライスの展開の低効率の問題を引き起こす。
【0007】
本発明は、従来技術におけるネットワークスライスを確立する際の低効率の技術的問題を解決するために、ネットワークスライスを確立するための方法と管理およびオーケストレーションシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明第1の態様は、ネットワークスライスを確立するための方法を提供する。前記方法は、
管理およびオーケストレーションシステム(MANO)は、確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得するステップであって、ここで、前記名前情報は、前記第1のネットワークスライスが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のネットワークスライスに含まれる第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立される前記取得するステップと、
前記MANOは、前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を取得するステップであって、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含む前記取得するステップと、
前記MANOは、前記第1のVNFD情報および前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立するステップと、
前記MANOは、前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワークに少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供する。
【0009】
可能な実施形態では、前記MANOは、前記第1のVNFD情報および前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワーク、前記第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立することは、
前記MANOは、前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる外部ネットワーク、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネット、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立することと、
前記MANOは、前記第2のVNFD情報および前記事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワーク、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネット、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットを確立することとを含み、
ここで、前記事前設定されたネットワーク設計規則は、前記第1のスライスネットワークが前記データセンターネットワークを使用して確立される規則と、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワークおよび前記第1のスライスネットワークのいずれかを使用して確立される規則と、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワーク、前記第1のスライスネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのいずれかを使用して確立される規則と、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットが第1のproviderネットワークを使用して確立される規則と、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネットが第2のproviderネットワークを使用して確立される規則とを含む。
【0010】
可能な実施形態では、前記MANOは、前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立することは、具体的に、
前記MANOは、前記第1のVNFD情報から前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのN個の外部接続点および前記複数の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅を取得し、Nは正の整数であり、
前記MANOは、前記MANO自体に接続された複数の仮想化インフラストラクチャ管理VIMのそれぞれの物理ネットワークリソースを取得し、ここで、前記物理ネットワークリソースは、前記物理ネットワークリソース上に確立されたproviderネットワークにネットワークサービスを提供するために使用され、前記物理ネットワークリソースは、構成されたM個のネットワークインターフェイスカード(NIC)と各NICの帯域幅を含み、MはN以上の整数であり、
前記MANOは、前記N個の外部接続点の数および前記各外部接続点に必要な帯域幅に基づき、前記複数のVIMから第1のVIMを選択し、
前記MANOは、前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立し、
前記MANOは、前記各外部接続点に対応するproviderネットワーク上に前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立する。
【0011】
可能な実施形態では、前記MANOは、前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立することは、具体的に、
前記MANOは、前記N個の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅および前記各NICの帯域幅に基づき、N個のマッピング関係を決定し、ここで、前記N個の外部接続点は、前記M個のNICのうちのN個のNICと1対1に対応し、
前記MANOは、前記N個のマッピング関係に基づき、N個のproviderネットワークを確立し、ここで、前記N個のproviderネットワークのそれぞれの名前は、前記providerネットワークに対応するマッピング関係に含まれる外部接続点のアイデンティティおよびNICのアイデンティティを含み、
前記MANOは、前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てる。
【0012】
可能な実施形態では、前記MANOが、前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てた後、前記方法は、
前記MANOは、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットの、前記サブネットが属するproviderネットワークのランキングに基づき、前記サブネットが属するproviderネットワークのネットワークセグメント番号から前記サブネットにサブネットセグメント番号を割り当てる。
【0013】
本発明第2のの態様は、管理およびオーケストレーションシステムを提供する。当該システムは、
確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得するように構成された第1の取得ユニットであって、ここで、前記名前情報は、前記第1のネットワークスライスが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のネットワークスライスに含まれる第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立される前記第1の取得ユニットと、
前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を取得するように構成された第2の取得ユニットであって、ここで、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含む前記第2の取得ユニットと、
前記第1のVNFD情報及前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立するように構成された第1の確立ユニットと、
前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワーク上に少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供するように構成された第2の確立ユニットとを含む。
【0014】
可能な実施形態では、前記第1の確立ユニットは具体的に、
前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる外部ネットワーク、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネット、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立し、
前記第2のVNFD情報および前記事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワーク、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネット、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットを確立し、
ここで、前記事前設定されたネットワーク設計規則は、前記第1のスライスネットワークが前記データセンターネットワークを使用して確立されることと、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワークおよび前記第1のスライスネットワークのいずれかを使用して確立されることと、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワーク、前記第1のスライスネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのいずれかを使用して確立されることと、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットが第1のproviderネットワークを使用して確立され、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネットが第2のproviderネットワークを使用して確立されることとを含む。
【0015】
可能な実施形態では、前記第1の確立ユニットは具体的に、
前記第1のVNFD情報から前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのN個の外部接続点および前記複数の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅を取得し、Nは正の整数であり、
前記MANO自体に接続された複数の仮想化インフラストラクチャ管理VIMのそれぞれの物理ネットワークリソースを取得し、ここで、前記物理ネットワークリソースは、前記物理ネットワークリソース上に確立されたproviderネットワークにネットワークサービスを提供するために使用され、前記物理ネットワークリソースは、構成されたM個のネットワークインターフェイスカード(NIC)と各NICの帯域幅を含み、MはN以上の整数であり、
前記N個の外部接続点の数および前記各外部接続点に必要な帯域幅に基づき、前記複数のVIMから第1のVIMを選択し、
前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立し、
前記各外部接続点に対応するproviderネットワーク上に前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立する。
【0016】
可能な実施形態では、前記第1の確立ユニットは具体的に、
前記N個の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅および前記各NICの帯域幅に基づき、N個のマッピング関係を決定し、ここで、前記N個の外部接続点は、前記M個のNICのうちのN個のNICと1対1に対応し、
前記N個のマッピング関係に基づき、N個のproviderネットワークを確立し、ここで、前記N個のproviderネットワークのそれぞれの名前は、前記providerネットワークに対応するマッピング関係に含まれる外部接続点のアイデンティティおよびNICのアイデンティティを含み、
前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てる。
【0017】
可能な実施形態では、前記MANOが、前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てた後、前記第1の確立ユニットはさらに、
前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットの、前記サブネットが属するproviderネットワークのランキングに基づき、前記サブネットが属するproviderネットワークのネットワークセグメント番号から前記サブネットにサブネットセグメント番号を割り当てる。
【0018】
本発明の第3の態様は、管理およびオーケストレーションシステムを提供する。前記システムは、プロセッサおよび通信インターフェースを含み、ここで通信インターフェースは、プロセッサの制御下でデータを送受信し、前記管理およびオーケストレーションシステムはメモリをさらに含み、前記メモリに有事前設定されたプログラムが格納され、プロセッサは、メモリ内のプログラムを読み取り、当該プログラムに従って次のプロセスを実行し、
通信インターフェースは、プロセッサの制御下で確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得し、ここで、前記名前情報は、前記第1のネットワークスライスが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のネットワークスライスに含まれる第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立され、および、前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報と、前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報とを取得し、ここで、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含み、
プロセッサは、前記第1のVNFD情報及前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立し、および、前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワーク上に少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供する。
【0019】
本発明の第4の態様は、コンピュータデバイスを提供する。前記コンピュータデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ、前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリおよび通信インターフェースを含み、
ここで、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を格納し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに格納された命令を実行することにより、前記通信インターフェースを介して、第1の態様に係る方法を実行する。
【0020】
本発明第5の態様は、コンピュータ上で実行されるときに、コンピュータに第1の態様のいずれか1つの方法を実行させるコンピュータ命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態における技術的解決策は、以下の有益な効果を有する。
【0022】
管理およびオーケストレーションシステム(MANO)では、ネットワークスライスは、最初に4つのレベルに分割され、それらは、データセンターレベルのネットワーク、スライスレベルのネットワーク、NSレベルのネットワーク、およびVNFレベルのネットワークである。前記データセンターレベルのネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立され、データベースに複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が事前に格納される。技術者がMANOを使用してネットワークスライスを確立する必要がある場合、MANOに確立する第1のスライスネットワークの名前情報を入力すると、つまり、確立する第1のスライスネットワークが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を入力すると、MANOが確立される第1のスライスネットワークの名前情報を取得した後、データベースから前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を自動的に取得し、前記第1のVNFD情報および第2のVNFD情報に基づき、データセンターレベルのネットワーク上に確立されるスライスネットワークの名前、スライスネットワークに含まれるNSネットワークの数、NSネットワークに含まれるVNFネットワークの数、すべてのネットワーク間の接続関係を決定し、そして自動的に、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立し、および、前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワーク上に少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供し、ネットワークスライスの確立プロセスを完了することで、技術者の手作業を減らし、ネットワークスライスの展開効率を向上させ、さらにネットワーク展開のエラー率を低減することができる。
【0023】
さらに、上記の技術的解決策は、異なる要件を有するネットワークスライスに対して多用途であり、すなわち、様々なネットワークスライスについて、記述データは、上記の方法に従って展開されるテンプレートに対して自動的に入力され得、それにより、ネットワークオーケストレーション実施の複雑さおよび難しさを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態によるネットワークスライスを確立するための方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施形態による4つのレベルネットワークの参照関係の概略図である。
図3】本発明の実施形態によるネットワーク全体のモデルの概略図である。
図4】本発明の実施形態による物理ネットワークリソースと接続点との間のマッピング関係の概略図である。
図5】本発明の実施形態による管理およびオーケストレーションシステムの概略構造図である。
図6】本発明の実施形態による管理およびオーケストレーションシステムの別の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、従来技術におけるネットワークスライスを確立する際の低効率の技術的問題を解決するために、ネットワークスライスを確立するための方法と管理およびオーケストレーションシステムを提供する。
【0026】
上記の技術的問題を解決するために、本発明の一般的な考え方は以下の通りである。
【0027】
管理およびオーケストレーションシステム(MANO)では、ネットワークスライスは、最初に4つのレベルに分割され、それらは、大規模から小規模の順で、データセンターレベルのネットワーク、スライスレベルのネットワーク、NSレベルのネットワーク、およびVNFレベルのネットワークである。前記データセンターレベルのネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立され、データベースに複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が事前に格納される。技術者がMANOを使用してネットワークスライスを確立する必要がある場合、MANOに確立する第1のスライスネットワークの名前情報を入力すると、つまり、確立する第1のスライスネットワークが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を入力すると、MANOが確立される第1のスライスネットワークの名前情報を取得した後、データベースから前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を自動的に取得し、前記第1のVNFD情報および第2のVNFD情報に基づき、データセンターレベルのネットワーク上に確立されるスライスネットワークの名前、スライスネットワークに含まれるNSネットワークの数、NSネットワークに含まれるVNFネットワークの数、すべてのネットワーク間の接続関係を決定し、そして自動的に、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立し、および前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワーク上に少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供し、ネットワークスライスの確立プロセスを完了することで、技術者の手作業を減らし、ネットワークスライスの展開効率を向上させ、さらにネットワーク展開のエラー率を低減することができる。
【0028】
さらに、上記の技術的解決策は、異なる要件を有するネットワークスライスに対して多用途であり、すなわち、VNFDにおいて異なる要件を有するネットワークスライスのために大量のデータを埋める必要がなく、それにより、ネットワークオーケストレーション実施の複雑さおよび難しさを低減する。
【0029】
上記の技術的解決策をよりよく理解するために、本発明の技術的解決策は、図面および実施形態によって以下に詳細に示され、本発明の実施形態および実施形態の特徴は、本発明の技術的解決策を詳細に説明することを意図しているが、本発明の技術的解決策を限定するものではなく、本発明の実施形態および実施形態の特徴は、衝突することなく互いに組み合わせることができる。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態によるネットワークスライスを確立するための方法のフローチャートである。フローチャートは次のとおりである。
【0031】
ステップ101: 管理およびオーケストレーションシステム(MANO)は、確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得する。
【0032】
本発明の実施形態では、前記名前情報は、前記第1のネットワークスライスが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のネットワークスライスに含まれる第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立される。
【0033】
実施プロセスでは、ネットワークスライス全体が、MANOにおいて事前に4つのレベルに分割され、これらは、大規模から小規模へ順次に、データセンターレベルのネットワークおよびそのサブネット、スライスレベルのネットワークとそのサブネット、NSレベルのネットワークとそのサブネット、VNFレベルのネットワークとそのサブネットである。
【0034】
図2は、4つのレベルのネットワークの参照関係である。
【0035】
第1レベルのデータセンターレベルのネットワークは、3つのレベルのオブジェクト、すなわち、スライスレベルのネットワーク、NSレベルのネットワーク、およびVNFレベルのネットワークによって使用され得る。たとえば、スライスレベルネットワークまたはNSレベルネットワークまたはVNFレベルネットワークが独自のネットワークを指定していない場合、このネットワークが第1レベルのデータセンターレベルネットワークを使用していることを示している可能性がある。データセンターネットワークのサブネットは、VNFC接続に直接使用できる。
【0036】
第2レベルのスライスレベルネットワークは、スライス名を使用してテナント用に確立され、スライスに含まれるNSレベルネットワークおよびVNFレベルネットワークによって使用され得る。たとえば、スライスレベルのネットワークに含まれる従属オブジェクトは、独自のネットワークを指定しないと、これは、このネットワークがスライスレベルのネットワークを使用していることを示している可能性がある。スライスレベルネットワークのサブネットは、VNFC接続に直接使用できる。
【0037】
第3レベルのNSレベルネットワークは、NS名を使用してテナント用に確立され、NSに含まれるVNFレベルネットワークによって使用され得る。たとえば、VNFレベルのネットワークは独自のネットワークを指定しない。これは、このネットワークがNSレベルのネットワークを使用していることを示している可能性がある。NSレベルのネットワークのサブネットは、VNFC接続に直接使用できる。
【0038】
第4レベルのVNFレベルネットワークは、VNF名を使用してテナント用に確立され、VNFレベルネットワークのサブネットは、VNFレベルネットワークに含まれるVNFCによって使用される。
【0039】
ここで、データセンターレベルのネットワークの下のネットワークは、内部ネットワークと外部ネットワークに分割される。たとえば、スライスレベルのネットワークはスライス内部ネットワークとスライス外部ネットワークに分割され、NSレベルのネットワークはNSレベルの外部ネットワークとNSレベルの内部ネットワークに分割される。
【0040】
ネットワークの各レベルは、内部ネットワークおよび外部ネットワークに分割される。
【0041】
上記の複数レベルのネットワークに基づいて、図3を参照すると、MANOにおけるネットワーク全体のモデルは以下の通りである。
【0042】
1.データセンターレベルのネットワークとそのサブネットは、内部ネットワークと外部ネットワークに分割されていないか、データセンターの内部ネットワークと見なされる。データセンターレベルのネットワークとそのサブネットは、スライスレベルのネットワークのVNFDテンプレートに記述されており、スライスレベルのネットワークのVNFDに記述されている外部ネットワークは、スライスの依存対象となるデータセンターレベルのネットワークを指す。複数のスライスレベルネットワークのVNFDが、依存する同じ名前の外部ネットワークを記述している場合、当該複数のスライスレベルネットワークのVNFDに記述されている同じ名前の外部ネットワークのすべての属性は一貫している必要がある。同じ名前の外部ネットワークは、データセンターレベルのネットワークとして認識され、共有属性ネットワークとして設計される。そのサブネットは共有サブネットであり、スライスレベルネットワーク内のVNFC接続に使用できる。データセンターレベルのネットワークは、特定のプロバイダーネットワークに依存して確立する必要があり、スライス内部ネットワークは、特定のプロバイダーネットワークに依存して確立する必要がある。
【0043】
2.すべてのレベルのネットワークの外部ネットワークおよび内部ネットワークは、VNFCに直接接続することができず、ネットワーク上に1つまたは複数のサブネットを確立し、VNFCからポートへの接続のためにサブネット上にポートを確立する必要がある。
【0044】
3、従属外部ネットワークは、上位ネットワークおよび上位の上位ネットワークを使用することができる。すべての内部ネットワークは非共有ネットワークとして指定されており、部下または部下の部下のみが使用できる。たとえば、NS外部ネットワークはスライス外部ネットワークを使用する場合がある。上位スライスに外部ネットワークがない場合は、プロバイダーネットワークに基づいてNSの外部ネットワークを確立する必要がある。NS内部ネットワークは、プロバイダーネットワークに依存して確立する必要がある。VNF外部ネットワークは、その上位のNS外部ネットワークまたはスライス外部ネットワークを指す場合がある。上位のNSもスライスにも外部ネットワークがない場合は、プロバイダーネットワークに基づいてVNFの外部ネットワークを確立する必要がある。VNF内部ネットワークは、プロバイダーネットワークに依存して確立する必要がある。VNFCは、ネットワークのニーズに応じてデータセンターレベルのネットワークのサブネットに接続できる。また、VNFCが属するスライスのサブネット、VNFCが属するNSのサブネット、およびそれが属するVNFのブネットに接続することもできる。
【0045】
また、MANOにおける各ネットワーク、サブネット、ポートの命名規則は以下のとおりである。
【0046】
データセンター(Data Center,DC)レベルのネットワークは、Dcname+_for + _スライス名と名付けられ、ここで、1つ以上のスライス名があり得る。スライス内部ネットワークの名前は、スライス名+_internal+_netである。NS外部ネットワークの名前は、NS名+_external+_netである。NS内部ネットワークの名前は、NS名+_internal+_netである。VNF外部ネットワークの名前は、VNF名+_external+_netである。VNF内部ネットワークの名前は、VNF名+_ internal +_netである。各ネットワークのサブネットには、対応するネットワーク名+_subnetという名前が付けられる。Portには、対応するサブネット名+vnfc名+_port + _番号という名前が付けられる。もちろん、サブネットのVNFCに接続ポートが1つしかない場合、ポートには、対応するサブネット名+vnfc名+_portという名前を付けることもできる。
【0047】
MANOは、いくつかの一般的に使用されるネットワーク名前およびVNFD情報を事前に格納することができ、例えば、複数のデータセンターレベルのネットワークを事前に格納する。ここで、1つのDC名前は、Chinamobilexianであり、他の1つのDC名前はChinamobilebeijingである。複数のスライスレベルのネットワークを事前に保存する。ここでスライス名は、EMBB(Enhance Mobile Broadband)である。複数のNSネットワークを事前に保存する。ここで、1つのNS名前は、Vepc(Virtual Evolved Packet Core)でありもう1つのNS名はVmec(Virtual Machine Edge computing,)である。複数のVNFレベルのネットワークを事前に保存する。ここでVNFレベルのネットワークのVNF名前は、AMF(Access Control and Mobility Management Function,AMF)、SMF(Session Management Function)、UPF(User Plane function,)などである。そして、MANOインターフェイスには、これらの事前に保存されたネットワークの名前を表示できる。NSユーザーがネットワークスライスを確立する必要がある場合、選択をクリックすることにより、確立するネットワークスライスのデータセンターレベルのネットワークの名前、スライスネットワークの名前、NS名前、NVF名前を決定することができ、これにより、MANOは、確立される第1のスライスネットワークの名前情報を取得する。
【0048】
もちろん、ユーザがネットワークスライスを確立する必要があるとき、また、前述の命名方法で、MANOの入力ボックスにすべてのネットワークの名前を直接入力することができる。たとえば、ユーザーはデータセンターレベルのネットワークの名前をChinamobilexian +_for + _EMBB、NSレベルのネットワーク名前をVepc +_internal+_netなどと入力すると、MANOがユーザーの入力に従って確立される第1のネットワークの名前情報を決定する。本発明の実施形態では、MANOが第1のスライスネットワークの名前情報を取得する方法は限定されないことに留意されたい。
【0049】
ステップ101を実行した後、本発明の実施形態における方法は、ステップ102を実行し、すなわち、前記MANOは、前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を取得する。
【0050】
本発明の実施形態では、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含む。
【0051】
確立される第1のネットワークスライスのネットワークのすべてのレベルの名前を取得した後、MANOは、MANOのデータベースからネットワークのすべてのレベルの名前に対応するVNFD情報を取得する。
【0052】
ステップ102の後、本発明の実施形態における方法は、ステップ103に進み、すなわち、前記MANOは、前記第1のVNFD情報および前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立する。
【0053】
本発明の実施形態では、ステップ103の実施は以下の通りである。
【0054】
前記MANOは、前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる外部ネットワーク、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネット、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立する。
【0055】
前記MANOは、前記第2のVNFD情報および前記事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワーク、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネット、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットを確立する。
【0056】
ここで、前記事前設定されたネットワーク設計規則は、具体的に、前記第1のスライスネットワークが前記データセンターネットワークを使用して確立され、前記第1のNSに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワークおよび前記第1のスライスネットワークのいずれかを使用して確立され、前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる外部ネットワークのサブネットが前記データセンターネットワーク、前記第1のスライスネットワークおよび前記第1のNSに含まれる外部ネットワークのいずれかを使用して確立され、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットが第1のproviderネットワークを使用して確立され、前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のVNFに含まれる内部ネットワークのサブネットが第2のproviderネットワークを使用して確立される。
【0057】
上記の例に従って、ネットワークの各レベルの名前に対応するVNFD情報を取得した後、MANOは、VNFD情報の記述に従ってネットワークの各レベルを確立する。たとえば、スライスネットワークはデータセンターレベルのネットワークを使用して確立される。まず、Chinamobilexian上にEMBBのスライスネットワークを確立し、次にEMBB上にVepcおよびVmecの外部ネットワークを確立し、次にVepcおよびVmecの内部ネットワーク、すなわち、AMF、SMFおよびUPFのネットワークを確立する。NS内部ネットワークはプロバイダーネットワークに基づいて確立する必要があるため、NS内部ネットワークを確立するプロセスを以下に示す。
【0058】
本発明の実施形態では、前記MANOが、前記第1のVNFD情報および事前設定されたネットワーク設計規則に従って、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立することは、具体的に、
前記MANOは、前記第1のVNFD情報から前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのN個の外部接続点および前記複数の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅を取得し、Nは正の整数である。
【0059】
前記MANOは、前記MANO自体に接続された複数の仮想化インフラストラクチャ管理VIMのそれぞれの物理ネットワークリソースを取得し、ここで、前記物理ネットワークリソースは、前記物理ネットワークリソース上に確立されたproviderネットワークにネットワークサービスを提供するために使用され、前記物理ネットワークリソースは、構成されたM個のネットワークインターフェイスカード(NIC)と各NICの帯域幅を含み、MはN以上の整数である。
【0060】
前記MANOは、前記N個の外部接続点の数および前記各外部接続点に必要な帯域幅に基づき、前記複数のVIMから第1のVIMを選択する。
【0061】
前記MANOは、前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立する。
【0062】
前記MANOは、前記各外部接続点に対応するproviderネットワーク上に前記第1のNSに含まれる内部ネットワークおよび前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットを確立する。
【0063】
ここで、前記MANOは、前記N個の外部接続点および前記第1のVIMに基づき、前記各外部接続点に対応するproviderネットワークを確立することは、具体的に、
前記MANOは、前記N個の外部接続点のそれぞれに必要な帯域幅および前記各NICの帯域幅に基づき、N個のマッピング関係を決定し、ここで、前記N個の外部接続点は、前記M個のNICのうちのN個のNICと1対1に対応する。
【0064】
前記MANOは、前記N個のマッピング関係に基づき、N個のproviderネットワークを確立し、ここで、前記N個のproviderネットワークのそれぞれの名前は、前記providerネットワークに対応するマッピング関係に含まれる外部接続点のアイデンティティおよびNICのアイデンティティを含む。
【0065】
前記MANOは、前記N個のproviderネットワークのそれぞれにネットワークセグメント番号を割り当てる。
【0066】
前記MANOは、前記第1のNSに含まれる内部ネットワークのサブネットの、前記サブネットが属するproviderネットワークのランキングに基づき、前記サブネットが属するproviderネットワークのネットワークセグメント番号から前記サブネットにサブネットセグメント番号を割り当てる。
【0067】
実施プロセスにおいて、MANOは、最初に、各NSネットワークのVNFDから接続点(Connection Point,CP)記述情報を取得する。たとえば、NSネットワークには4つの接続点があり、2つは10GEネットワークに基づいており、2つはGEネットワークに基づいている。次に、VIM内の物理ネットワークリソース、構成されたネットワークインターフェイスカード(Network Interface Card,NIC)の数、およびNIC帯域幅は、アクセスされた仮想化インフラストラクチャマネージャー(VIM)でリソースを検出することによって取得される。たとえば、MANOに接続されているVIMのリストが呼び出され、各VIMの物理ネットワークリソースがVIMから取得され、物理リソースの量と能力がNSネットワークのリソース要件を満たすVIMが決定される。たとえば、特定のVIMで3つの10GEインターフェイスが取得され、3つのGEインターフェイスがNSネットワークのリソース要件を満たす。最後に、物理ネットワークリソースと接続点のマッピングが実行される。図4に示すように、CP1はNIC1を使用し、CP2はNIC4を使用して接続し、CP3はNIC2を使用し、CP4はNIC5を使用する。プロバイダーネットワークはマッピング関係に従がって自動的に名前が付けられます。命名規則はprovider + nic名+ 帯域幅である。MANOは、openstackのアプリケーションプログラミングインターフェイス(Application Programming Interface, API)を自動的に呼び出して、対応するプロバイダーネットワーク(それぞれprovider−nic1−10ge, provider−nic2−10ge, provider−nic4−ge, provider−nic5−ge)を確立できる。
【0068】
次に、MANOは、確立されたプロバイダネットワークをセグメント化する。各ネットワークのセグメントID範囲は100IDを占めるように計画されている。つまり、各ネットワークは最大100のサブネットを確立でき、現在知られているすべてのシナリオのニーズを満たすことができる。第1のネットワークはprovider−nic1−10geに基づいており、セグメントIDは1〜100である。第2のネットワークはprovider−nic2−10geに基づいており、セグメントIDは101〜200で、順番に増加する。当該プロバイダーネットワーク内のサブネットのセグメントIDは、ネットワークセグメント範囲から連続して割り当てられる。ここで、第1のネットワークの第1のサブネットのセグメントIDは1、第2のネットワークの第1のサブネットのセグメントIDは101である。第3のネットワークの第1のサブネットのは201で、第4のネットワークの第1のサブネットのセグメントIDは301であり、プロバイダーネットワークの確立が完了する。
【0069】
このようにして、MANOは、設計された命名規則に従ってプロバイダーネットワークに自動的に名前を付け、プロバイダーネットワークを自動的に確立し、物理ネットワークと論理ネットワークのマッピングを実行し、ネットワークセグメントを分割し、これにより、展開と保守の効率を高め、手動操作によるエラーの可能性を減らす。
【0070】
ステップ103が完了した後、本発明の実施形態における方法は、ステップ104に進む、すなわち、前記MANOは、前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワークに少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供する。
【0071】
上記のプロセスを完了した後、MANOは、各NSネットワーク内のVNFレベルネットワークの内部および外部ネットワーク情報を解析し、次いで、命名規則に従って、必要なサブネットおよびサブネット上に確立されるポートに名前を付ける。最後にVNFDの展開ユニットの要件を解析し、規則に従って展開ユニットの仮想マシンに名前を付けます。これにより、これらの仮想リソースのDC上にインスタンスを確立し、システム全体の展開を完了する。
【0072】
上記の方法により、技術者の手作業手順を最大限に減らすことができ、ネットワークスライスの開放および展開効率を改善することができ、エラーの発生を減らすことができる。さらに、ネットワークスライスを確立する上記のプロセスは用途が広い。さまざまなネットワークの抽象的な分類とグレーディング、およびモデルと規則の構築により、オーケストレーション中のさまざまなネットワークの実現の複雑さと困難さを軽減できる。
【0073】
本発明の第2の態様は、管理およびオーケストレーションシステムを提供し、前記管理およびオーケストレーションシステムはMANOであり得る。図5は、本発明の一実施形態による管理およびオーケストレーションシステムの概略構造図であり、前記管理およびオーケストレーションシステムは、
確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得するように構成された第1の取得ユニット501であって、ここで、前記名前情報は、前記第1のスライスネットワークが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立される前記第1の取得ユニット501と、
前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報と、前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報とを取得するように構成された第2の取得ユニット502であって、ここで、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含む前記第2の取得ユニット502と、
前記第1のVNFD情報及前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立するように構成された第1の確立ユニット503と、
前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワーク上に少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供するするように構成された第2の確立ユニット504とを含む。
【0074】
本発明の第2の態様による管理およびオーケストレーションシステムは、本発明の第1の態様で提供されるネットワークスライスを確立するための方法と同じ思想の下で提案されるので、図1から図4の実施形態におけるネットワークスライスを確立するための方法のあらゆる種類の変形および実施形態は、この実施形態の管理およびオーケストレーションシステムにも適用可能である。ネットワークスライスを確立するための方法の前述の詳細な説明を通して、当業者は、この実施形態における管理およびオーケストレーションシステムの実施プロセスを明確に知ることができる。したがって、仕様を簡潔にするために、ここでは詳しく説明しない。
【0075】
本発明の第3の態様は、管理およびオーケストレーションシステムを提供し、前記管理およびオーケストレーションシステムMANOであり得る。図6は、本発明の一実施形態による管理およびオーケストレーションシステムの概略構造図である。図6に示されるように、前記管理およびオーケストレーションシステは、プロセッサ601および通信インターフェース602を含み、ここで、
通信インターフェース602は、プロセッサの制御下で確立される第1のネットワークスライスの名前情報を取得し、ここで、前記名前情報は、前記第1のネットワークスライスが属するデータセンターネットワークの名前、前記第1のネットワークスライスに含まれる第1のスライスネットワークの名前、前記第1のスライスネットワークに含まれる第1のネットワークサービス(NS)の名前および前記第1のNSに含まれる第1の仮想ネットワーク機能(VNF)の名前を含み、前記データセンターネットワークは、事前設定されたプロバイダ(provider)ネットワークに従って確立される。および、前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報と、前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報とを取得し、ここで、前記MANOには、複数の所定のNS、複数の所定のVNF、前記複数の所定のNSのそれぞれに対応するVNFD情報および前記複数の所定のVNFのそれぞれに対応するVNFD情報が格納され、前記複数の所定のNSは前記第1のNSを含み、前記複数の所定のVNFは前記第1のVNFを含む。
【0076】
プロセッサ601は、前記第1のVNFD情報及前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立する。及び、前記プロセッサ601は、前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワーク上に少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1対1に接続することにより、前記VNFCを介して前記第1のスライスネットワークに接続されたクライアントに、ネットワークサービスを提供する。任意選択で、プロセッサ601は、中央プロセッサ、特定用途向け集積回路(AApplication Specific Integrated Circuit,SIC)、プログラム実行を制御するための1つまたは複数の集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)を使用して開発されたハードウェア回路、ベースバンドプロセッサであり得る。
【0077】
任意選択で、プロセッサ601は、少なくとも1つの処理コアを含み得る。
【0078】
任意選択で、電子デバイスは、メモリをさらに含み、メモリは、読み取り専用メモリ(Read Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、および磁気ディスクメモリを含み得る。メモリは、実行時にプロセッサ601が必要とするデータを格納するように構成される。メモリーの数は1つ以上である。
【0079】
本発明の第3の態様による管理およびオーケストレーションシステムは、本発明の第1の態様で提供されるネットワークスライスを確立するための方法と同じ思想の下で提案されるので、図1から図4の実施形態におけるネットワークスライスを確立するための方法のあらゆる種類の変形および具体的な実施形態は、この実施形態の管理およびオーケストレーションシステムにも適用可能である。ネットワークスライスを確立するための方法の前述の詳細な説明を通して、当業者は、この実施形態における管理およびオーケストレーションシステムの実施プロセスを明確に知ることができる。したがって、仕様を簡潔にするために、ここでは詳しく説明しない。
【0080】
本発明の実施形態の第4の態様は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリおよび通信インターフェースとを含むコンピュータデバイスを提供する。
ここで、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を格納し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに格納された命令を実行し、前記通信インターフェースを使用して、上記ネットワークスライスを確立するための方法を実行する。
【0081】
本発明の第5の態様は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ上で実行されるときに、コンピュータにネットワークスライスを確立するための上記の方法を実行させるコンピュータ命令を格納する。
【0082】
本分野の技術者として、本発明の実施形態が、方法、システム或いはコンピュータプログラム製品を提供できるため、本発明は完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの両方を結合した実施形態を採用できることがわかるはずである。さらに、本発明は、一つ或いは複数のコンピュータプログラム製品の形式を採用できる。また、当該製品はコンピュータ使用可能なプログラムコードを含むコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスク記憶装置と光学記憶装置等を含むがそれとは限らない)において実施する。
【0083】
以上は本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を記述した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0084】
これらのコンピュータプログラム指令は、又、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定方式で動作させるコンピュータ読取記憶装置に記憶できる。これによって、指令を含む装置は当該コンピュータ読取記憶装置内の指令を実行でき、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0085】
これらコンピュータプログラム指令はさらに、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備に実施もできる。コンピュータプログラム指令が実施されたコンピュータ或いは他のプログラム可能設備は、一連の操作ステップを実行することによって、関連の処理を実現し、コンピュータ或いは他のプログラム可能な設備において実行される指令によって、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0086】
無論、当業者によって、上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。そのような改造と置換は、すべて本発明の請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0087】
501 第1の取得ユニット
502 第2の取得ユニット
503 第1の確立ユニット
504 第2の確立ユニット
601 プロセッサ
602 通信インターフェース
【要約】
本発明は、ネットワークスライスを確立するための方法と管理およびオーケストレーションシステムを開示する。前記方法では、管理およびオーケストレーションシステム(MANO)確立される第1のスライスネットワークの名前情報を取得するステップと、前記MANOは、前記第1のNSに対応する第1の仮想ネットワーク機能記述子(VNFD)情報および前記第1のVNFに対応する第2のVNFD情報を取得し、前記MANOは、前記第1のVNFD情報および前記第2のVNFD情報に基づき、前記第1のスライスネットワークの名前に対応する第1のスライスネットワーク、前記第1のネットワークサービス(NS)の名前に対応する第1のNS、前記第1のNSのサブネット、前記第1のVNFの名前に対応する第1のVNFおよび前記第1のVNFのサブネットを確立し、前記MANOは、前記第1のNSのサブネットおよび前記第1のVNFのサブネットの任意の1つ以上のネットワークに少なくとも1つのポートおよび少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を確立し、前記少なくとも1つのポートと前記少なくとも1つの仮想ネットワーク機能コンポーネント(VNFC)を1つずつ接続する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6