特許第6914725号(P6914725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6914725物体の火災を鎮圧するための消火装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914725
(24)【登録日】2021年7月16日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】物体の火災を鎮圧するための消火装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 3/16 20060101AFI20210727BHJP
【FI】
   A62C3/16 C
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-100931(P2017-100931)
(22)【出願日】2017年5月22日
(65)【公開番号】特開2018-11940(P2018-11940A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2020年5月18日
(31)【優先権主張番号】15/165,392
(32)【優先日】2016年5月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】バシャム, リチャード アール.
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ, トーマス エー.
【審査官】 鈴木 貴晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−215576(JP,A)
【文献】 特開2014−158508(JP,A)
【文献】 特開平05−031207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 3/00,3/08,3/16,13/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(108)を有するベース(102)であって、
内部領域(112)を画定する壁(110a‐d)と、
一部分が前記内部領域(112)内で前記壁(110a‐d)の内周に沿って配置されたスリーブ(114)であって、物体を配置するための前記内部領域(112)の区域(116)を画定し、前記区域(116)の中へ前記物体を配置するための開口部(118)を有する、スリーブ(114)と、
前記スリーブ(114)と前記壁(110a‐d)との間の前記内部領域(112)内に配置された、第1の消火粉体(120)とを備えた、ベース(102)、並びに
前記ベース(102)の前記開口部(108)を覆うための蓋(104)を備え、前記蓋(104)が、
空洞(122)、
前記空洞(122)の内側に含まれた第2の消火粉体(126)、及び
前記蓋(104)の前記空洞(122)を覆うために配置されたディバイダ(106)を備える、消火装置(100)。
【請求項2】
前記スリーブ(114)が、前記ベース(102)から除去可能であり、前記第1の消火粉体(120)が、前記物体を配置するための前記内部領域(112)の前記区域(116)の一部分の上に崩れ落ちることをもたらす、請求項1に記載の消火装置(100)。
【請求項3】
前記スリーブ(114)に取り付けられた1以上のスリーブタブ(130、132)を更に備え、前記スリーブ(114)が前記1以上のスリーブタブ(130、132)を介して前記ベース(102)から除去可能であり、前記第1の消火粉体(120)が、前記物体を配置するための前記内部領域(112)の前記区域(116)の一部分の上に崩れ落ちることをもたらす、請求項1又は2に記載の消火装置(100)。
【請求項4】
前記スリーブ(114)が、可燃性物質を含み、前記スリーブ(114)が燃えることに基づいて、前記第1の消火粉体(120)が、前記物体を配置するための前記内部領域(112)の前記区域(116)の一部分の上に崩れ落ちる、請求項1から3のいずれか一項に記載の消火装置(100)。
【請求項5】
前記ディバイダ(106)が、前記蓋(104)から除去可能であり、前記第2の消火粉体(126)を、前記ベース(102)の前記内部領域(112)の中へ解放する、請求項1から4のいずれか一項に記載の消火装置(100)。
【請求項6】
前記ディバイダ(106)に取り付けられた1以上のディバイダプルタブ(128)を更に備え、前記ディバイダ(106)が前記1以上のディバイダプルタブ(128)を介して前記蓋(104)から除去可能であり、前記第2の消火粉体(126)を、前記ベース(102)の前記内部領域(112)の中へ解放する、請求項1から5のいずれか一項に記載の消火装置(100)。
【請求項7】
前記蓋(104)の中に含まれている前記第2の消火粉体(126)の量と前記ベース(102)の中に含まれている前記第1の消火粉体(120)の量とを合わせると、前記ベース(102)の前記内部領域(112)を実質的に満たす、請求項1から6のいずれか一項に記載の消火装置(100)。
【請求項8】
前記蓋(104)が、前記ベース(102)の前記開口部(108)を覆い、前記ベース(102)の前記内部領域(112)を囲う、請求項1から7のいずれか一項に記載の消火装置(100)。
【請求項9】
前記ベース(102)の床(111)に配置された前記第1の消火粉体(138)の層を更に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の消火装置(100)。
【請求項10】
前記スリーブが、前記ベース(102)の前記床(111)に配置された前記第1の消火粉体(138)の層まで延在する、請求項9に記載の消火装置(100)。
【請求項11】
更なる熱隔離を提供するための、前記ベース(102)の床(111)に配置された熱隔離インサート(136)を更に備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の消火装置(100)。
【請求項12】
物体の火災を鎮圧するための方法(200)であって、
スリーブ(202)によって画定されたベースの内部領域の区域の中へ前記物体を配置することであって、前記ベースが、開口部と前記内部領域を画定する壁とを有し、前記ベースが、一部分が前記内部領域内で前記壁の内周に沿って配置された前記スリーブを含み、前記スリーブが、前記物体を配置するための前記内部領域の前記区域を画定し、前記ベースが、前記スリーブと前記壁との間の前記内部領域内に配置された第1の消火粉体を更に備える、前記ベースの前記内部領域の前記区域の中へ前記物体を配置すること、
前記スリーブを前記ベースから除去して、前記第1の消火粉体が、前記物体(204)を配置するための前記内部領域の前記区域の一部分の上に崩れ落ちることをもたらすこと、
前記ベースの前記開口部を蓋で覆うことであって、前記蓋が、空洞と前記空洞の内側に含まれた第2の消火粉体とを有し、前記蓋が、前記蓋(206)の前記空洞を覆うために配置されたディバイダを備える、前記ベースの前記開口部を前記蓋で覆うこと、及び
前記蓋から前記ディバイダを除去して、前記第2の消火粉体を、前記ベース(208)の前記内部領域の中へ解放することを含む、方法(200)。
【請求項13】
前記蓋の中に含まれている前記第2の消火粉体の量と組み合わされた前記ベースの中に含まれている前記第1の消火粉体の量が、前記ベースの前記内部領域を実質的に満たし、前記蓋から前記ディバイダを除去して前記第2の消火粉体を前記ベースの前記内部領域の中へ解放することが、前記第2の消火粉体(210)で前記物体を実質的に覆うことを含む、請求項12に記載の方法(200)。
【請求項14】
物体の火災を鎮圧するための方法(250)であって、
開口部と内部領域を画定する壁とを有するベースの前記内部領域内に第1の消火粉体を配置することであって、前記ベースが、前記内部領域内で前記壁の内周に沿って配置されたスリーブを含み、前記スリーブが、物体(252)を配置するための前記内部領域の区域を画定する、前記ベースの前記内部領域内に前記第1の消火粉体を配置すること、
前記スリーブ(254)を除去することによって、前記第1の消火粉体を、前記物体を配置するための前記内部領域の前記区域の一部分の上に崩し落とすこと、
前記ベースの前記開口部を蓋で覆うことであって、空洞と前記空洞(256)の内側に含まれた第2の消火粉体とを有する、前記ベースの前記開口部を前記蓋で覆うこと、及び
前記第2の消火粉体を、前記ベース(258)の前記内部領域の中へ解放することを含む、方法(250)。
【請求項15】
前記蓋が、前記蓋の前記空洞を覆うために配置されたディバイダを備え、前記第2の消火粉体を前記ベースの前記内部領域の中へ解放することが、
前記蓋から前記ディバイダを除去して、前記第2の消火粉体を前記ベース(260)の前記内部領域の中へ解放することを含む、請求項14に記載の方法(250)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、物体の火災を封じ込め、鎮圧し、及び消火するための消火装置に関し、特に、熱暴走を示すリチウム電池によってもたらされた物体の火災を消火することに関する。
【背景技術】
【0002】
電気火災事故、特に、リチウムイオン電池の火災に起因する物体の消火という問題を処理することを、幾つかのシステムが試みてきた。航空機産業において、飛行中に生じ得る火災は非常に危険であり得る。リチウム電池を利用する携帯電話、コンピュータ、カードスキャナなどを含む、多くの家電装置が航空機に乗せられており、そのような電池は損傷を受けると発火し得る。熱暴走を示すリチウム電池は、更なる複雑な事態を避けるために適正に処理されなければならないが、しばしば、飛行中の航空機では、適正な処理が困難であり得る。
【0003】
消火すること、特に、電気デバイスを封じ込めるのに十分な容積、及び、火災を装置内に封じ込めて火災の広がりを妨げるためのカバーを含む、水又は通常の消火器が不十分である電気火災又は化学火災を消火することを試みるための装置が存在する。しかし、既存の装置の多くは、熱暴走反応又はその結果としての継続する火災を考慮せず、むしろ、危険な状態を孤立させることに重点を置いている。
【0004】
飛行中の航空機の客室内で、家電リチウムイオン電池の火災などの、火災を処理するための方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
一実施例では、開口部を有するベースを備えた消火装置が説明される。ベースは、内部領域を画定する壁、及び一部分が内部領域内で壁の内周に配置されたスリーブを備える。スリーブは、物体を配置するための内部領域の区域を画定し、スリーブは、物体をその区域の中へ配置するための開口部を有する。ベースは、スリーブと壁との間の内部領域内に配置された第1の消火粉体を更に備える。消火装置は、ベースの開口部を覆うための蓋も備える。蓋は、空洞、空洞の内側に含まれた第2の消火粉体、及び蓋の空洞を覆うために配置されたディバイダを備える。
【0006】
別の一実施例では、物体の火災を鎮圧するための方法が説明される。該方法は、スリーブによって画定されたベースの内部領域の区域の中へ物体を配置することを含む。ベースは、開口部、及び内部領域を画定する壁を有し、ベースは、一部分が内部領域内で壁の内周に配置されたスリーブを含み、スリーブが、物体を配置するための内部領域の区域を画定する。ベースは、スリーブと壁との間の内部領域内に配置された第1の消火粉体を更に備える。該方法は、ベースからスリーブを除去して、第1の消火粉体が物体を配置するための内部領域の区域の一部分の上に崩れ落ちることをもたらすこと、及びベースの開口部を蓋で覆うことも含む。蓋は、空洞、空洞の内側に含まれた第2の消火粉体を有し、及び、蓋は、蓋の空洞を覆うために配置されたディバイダを備える。該方法は、蓋からディバイダを除去して、第2の消火粉体をベースの内部領域の中へ解放することも含む。
【0007】
別の一実施例では、物体の火災を鎮圧するための別の方法が説明される、該方法は、開口部と内部領域を画定する壁とを有するベースの内部領域内に第1の消火粉体を配置することを含み、ベースは、内部領域内で壁の内周に配置されたスリーブを含み、スリーブは、物体を配置するための内部領域の区域を画定する。該方法は、スリーブを除去することによって、第1の消火粉体を、物体を配置するための内部領域の区域の一部分の上に崩し落とすこと、及びベースの開口部を蓋で覆うことも含む。蓋は、空洞、及び空洞の内側に含まれた第2の消火粉体を有する。該方法は、第2の消火粉体をベースの内部領域の中へ解放することも含む。
【0008】
上述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施例において独立に実現することが可能であり、また別の実施例において組み合わせることも可能である。これらの実施例について、以下の説明及び添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0009】
例示的な実施例の特性と考えられる新規の機能は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかし、例示的な実施例並びに好ましい使用モード、更なる目的、及びそれらの特徴は、添付図面を参照して、本開示の実施例についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な消火装置を示す。
図2】装置のベースの一実施例を示す。
図3】装置の蓋及びディバイダの一実施例を示す。
図4】空洞の内側に含まれた第2の消火粉体を含む蓋の一実施例を示す。
図5】物体の火災を鎮圧し、封じ込め、及び/又は消火するためのベースの例示的な使用を示す。
図6】スリーブが除去された状態のベースを示す。
図7】蓋がベースに取り付けられた状態の装置の一実施例を示す。
図8】蓋がベースに取り付けられディバイダが除去された状態の装置の一実施例を示す。
図9】通気能力を含む蓋がベースに取り付けられた状態の装置の一実施例を示す。
図10】空洞に隣接する空気濾過器を含む蓋がベースに取り付けられた状態の装置の一実施例を示す。
図11】煙を排出することができるホースに連結されるための通気口を含む蓋がベースに取り付けられた状態の装置の一実施例を示す。
図12】物体の火災を鎮圧するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図13図12で示された方法と共に使用される例示的な方法のフローチャートを示す。
図14】物体の火災を鎮圧するための別の例示的な方法のフローチャートを示す。
図15図14で示された方法と共に使用される例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以降、添付図面を参照して本開示の実施例について更に詳細に説明するが、添付図面には開示される全ての実施例が示されているわけではない。実際には、幾つかの異なる実施例が説明される場合があり、これらの実施例は、本明細書で明示されている実施例に限定されると解釈するべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示内容が包括的で完全であるように、且つ、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように説明されている。
【0012】
実施例では、火災を鎮圧し、封じ込め、及び消火する装置が説明される。該装置は、乗客を運ぶ航空機の客室内でリチウム電池の火災を処理し、搭乗客の安全性を改良するための、航空機乗客電池火災消火システムにとって有用であり得る。例えば、消火粉体を含むベースが使用され、飛行中にリチウムイオン電池を含む燃えている家電装置を圧倒する。更に、有毒ガスが客室に入ることを妨げる助けとなる、排気ガスを洗浄する方法が説明される。既存の航空機排出通気システムに通気するための更なる通気方法が説明される。
【0013】
次に、図1を参照すると、例示的な消火装置100が示されている。装置100は、ベース102、蓋104、及びディバイダ106を含む。蓋104は、ベース102の開口部108を覆う。装置100は、携帯型の容器である。ある実施例では、図1で示されるように、装置100が、装置100を運ぶためのベース102の両側のハンドル105a‐bを含み得る。
【0014】
図2は、ベース102の一実施例を示している。ベース102は、開口部108と、内部領域112を画定する壁110a‐d及び床111と、スリーブ114の一部分が内部領域112内で壁110a‐dの内周に配置された状態のスリーブ114とを有する。内部領域112は、ベース102の空間を含み得る。図2は、スリーブ114の全体が内部領域112内に配置されるように示しているが、他の実施例では、スリーブ114がベース102から出るように延在し得る。ベース102の床111は、スリーブ114をベース102の中へ挿入するために、(図示せぬ)スロット又は溝を含み得る。
【0015】
スリーブ114は、(例えば、図5で示される)物体を配置するための内部領域112の区域116を画定し、スリーブ114は、物体をその区域116の中へ配置するための開口部118を有する。スリーブ114は、使用される材料に応じて、堅く又は柔軟であり得る。スリーブ114の実施例は、アルミニウム又は鉄骨フレームを含む。
【0016】
ベース102は、スリーブ114と壁110a‐dとの間の内部領域112内に配置された第1の消火粉体120も含む。
【0017】
図3は、(図8で示される)空洞122を含む蓋104の一例、及び蓋104の空洞122を覆うために配置されたディバイダ106を示している。
【0018】
図4は、空洞122の内側に含まれた第2の消火粉体126を含む蓋104の一例を示している。図4で示されているように、ディバイダ106は、第2の消火粉体126を解放するために、蓋104から除去可能である。ディバイダ106は、ディバイダ106に取り付けられたタブ128などの1以上のディバイダプルタブを含み、ディバイダ106は、第2の消火粉体126を解放するために、タブ128を介して蓋104から除去可能である。タブ128は、ディバイダ106の一側部に取り付けられているように示されており、タブ128は、ディバイダ106の何れかの側に取り付けられ得る。
【0019】
ベース102、蓋104、スリーブ114、又はディバイダ106の何れも、アルミニウム若しくはスチール又はアルミニウムとスチール材料の組み合わせであり得る。他の実施例では、ベース102、蓋104、スリーブ114、又はディバイダ106の何れも、高温を処理するためのスチールラインニングを含み得る。また更なる実施例では、第1の消火粉体120が、十分な熱的孤立を提供し、ベース102に対するライナーとして働き得る。それによって、ベース102の任意の更なる熱ライナー又は熱バリアが不必要となる。
【0020】
第1の消火粉体120と第2の消火粉体126は、火災を鎮圧するために有用な任意の種類の粉体又は物質であり得る。粉体の種類は、鎮圧する火災の種類に対する装置100の用途に応じる。例えば、リチウムイオン電池の火災を鎮圧するために、第1の消火粉体120と第2の消火粉体126の一方又は両方が、砂、粉体のグラファイト、又は銅粉のうちの1以上を含み得る。使用され得る粉体の更なる例は、タルカムパウダー、重曹、ABCドライケミカル、ソーダ(炭酸ソーダ)、LITH‐X(粉体のグラファイト)、乾燥した地面のドロマイトを含み、又はソーダ灰も使用され得る。粉体は、火災を圧倒し火災の広がりを妨げる耐火性の粉体であり、第1の消火粉体120と第2の消火粉体126は、本明細書で説明される粉体の任意の組み合わせでもあり得る。
【0021】
図5図7は、物体の火災を鎮圧し、封じ込め、及び/又は消火するためのベース102の例示的な使用を示している。図5では、スリーブ114が、スリーブ114の両側に取り付けられたスリーブタブ130と132を含むように示されている。スリーブタブ130と132は、各々がスリーブ114の何れかの側に取り付けられた2つのスリーブタブを含む。物体134は、内部領域112の区域116の中へ配置される。物体134は、家電装置、例えば、デジタルカメラとして示されている。しかし、任意の物体又は任意の種類の物体が、物体のサイズと区域116のサイズに基づいて、区域116の中へ配置され得る。装置100は、携帯可能であり、一実施例として、約18〜20インチの幅、12インチの長さ、12インチの高さの寸法を含み得る。無論、装置100は、装置100の中へ配置されることが望ましい物体の用途又は種類に応じて、より小さく又はより大きくなり得る。装置100は、拡大縮小が可能である。それによって、多くの異なるサイズが可能であり、航空機には、カメラ、携帯電話などのための小さいサイズの装置100、コンピュータ、ビデオカメラなどのための大きなサイズの装置100などの、異なる物体のための複数の装置100が提供され得る。
【0022】
図5は、ベース102が、更なる熱隔離を提供するための、ベース102の床111に配置された熱隔離インサート136も含み得ることも示している。一実施例として、インサート136は、高温を処理するためのステンレススチール材料を含み得る。他の実施例では、インサート136が含まれず、ベース102の床111それ自体が、高温を処理するためのステンレススチールを含み得る。一方、ベース102の残りの部分は、アルミニウムであり得る。第1の消火粉体138の層が、ベース102の床111に配置され、もし含まれるならば、インサート136の上に配置される。その後、スリーブ114が、ベース102の床111に配置された第1の消火粉体120の層まで延在する。
【0023】
図6は、スリーブ114が除去された状態のベース102を示している。スリーブ114は、ベース102から除去可能であり、第1の消火粉体120が、物体134を配置するための内部領域112の区域116の一部分の上に崩れ落ちることをもたらし又は可能にする。スリーブ114は、スリーブタブ130と132を介してベース102から除去可能であり、第1の消火粉体120が、物体134を配置するための内部領域112の区域116の一部分の上に崩れ落ちることをもたらす。スリーブ114は、約1〜2インチ(装置100の幅に基づいて変動し得る)だけ壁110a‐dから間隔を空けられて、内部領域112内に配置され得る。スリーブ114と壁110a‐dとの間の間隔は、第1の消火粉体120で満たされる。スリーブ114と壁110a‐dとの間の間隔は、第1の消火粉体120で完全に満たされるか又は可能性としては部分的にのみ第1の消火粉体120で満たされ得る。何れにせよ、スリーブ114の除去は、第1の消火粉体120が、区域116内に配置された任意の物体の上に落ちることを可能にする。
【0024】
図6が、スリーブ114がベース102から除去可能であることを示している一方で、他の実施例では、スリーブ114が、可燃性物質を含み、燃えている物体を区域116の中へ配置することによってスリーブ114が燃えることに基づいて、一旦、スリーブ114が燃え尽きると、第1の消火粉体120が内部領域112の区域116の一部分の上に崩れ落ちる。一実施例として、スリーブ114は、火が付いたときに又は増加した温度によって溶けるワックス材料を含み得る。
【0025】
図7は、蓋104がベース102に取り付けられた状態の装置の一実施例を示している。一旦、燃えている物体134がベース102の区域116の中へ配置され、スリーブ114が除去されると、第1の消火粉体120が内部領域112の区域116の一部分の上に崩れ落ち、燃えている物体134の少なくとも一部分を覆う。これは、火を消し、又は物体134の火災の一部分を消し得る。その後、ベース102の開口部108を覆うように蓋104を配置することによって、ベース102の内部領域112が、今度は、装置100内に火災を封じ込めるために囲われる。
【0026】
蓋104は、ベース102上にパチンと留められ、又はベース102上でスライドされ、及び、完全に除去され得る。他の実施例では、蓋104が、ヒンジ140を介してベース102に取り付けられている。複数の実施例では、蓋104が、ベース102に重なり得る。それによって、ディバイダ106の除去の後に、ベース102の開口部108が、蓋104によって囲われ、装置100が完全に囲われる。このやり方では、有毒ガスが、装置100の内側に残る。
【0027】
図8は、蓋104がベース102に取り付けられディバイダ106が除去された状態の装置の一実施例を示している。ディバイダ106は、蓋104から除去可能であり、第2の消火粉体126をベース102の内部領域112の中へ解放する。蓋104の空洞122は、第2の消火粉体126で満たされ得る。ディバイダ106の除去の後に、第2の消火粉体126が、ベース102の内部領域112の中へ落下し、物体134を覆って、火災を更に鎮圧及び消火する。ディバイダ106は、装置100からディバイダ106をスライドさせて抜くことによって手動で除去され得る。
【0028】
飛行中の航空機に搭載されている装置100の使用の一例として、乗務員が、装置100を燃えている物体134のポイントへ運び得る。乗務員は、燃えている物体134を安全に処理するためのツール(図示されておらず、物体134をグリップするためのトング、又は安全機構を有するペンチ/万力若しくはユーザを保護するためのシールドを含み得る)を使用し得る。蓋104は、除去され得る。燃えている物体134が、スリーブ114の内側の区域116の中へ配置され得る。続いて、スリーブ114が、除去され、第1の消火粉体120が区域116の中へ落ち、燃えている物体134を埋める又は部分的に埋めることをもたらす。この段階において、物体134は、第1の消火粉体120によって完全に覆われ得る。そして、物体134が完全に消火剤に覆われることを確実にするために、その後、蓋104がベース102の上に配置され、ディバイダ106が除去され、蓋104の中の第2の消火粉体126が落下し燃えている物体134を埋めることをもたらす。これは、物体134を完全に消火剤粉体の中に埋め、火災と周囲環境との間の断熱を提供する。結果として、装置100は、火災を封じ込め、火災を鎮圧し、及び消火する。
【0029】
蓋104とベース102の両方が、消火剤粉体を含んでいる。蓋104の中に含まれている第2の消火粉体126の量と組み合わされたベース102の中に含まれている第1の消火粉体120の量が、ベース102の内部領域112を実質的に満たす。粉体の特定の量は、装置100のサイズと寸法に応じる。しかし、蓋104とベース102の中に含まれた粉体の量は、併せて、ベース102の内部領域112をほぼ満たすのに十分であり得る。「実質的に」という語は、言及される特徴、パラメータ、又は値が正確に実現される必要はないが、例えば、許容範囲、測定誤差、測定精度限界、及び当業者にとって既知の要因などを含む偏差又は変動が、特徴によってもたらされる影響を排除できない大きさで起こり得ることを意味する。
【0030】
ある実施例では、蓋104が、ベース102の中よりも多くの量の粉体を含み得るか、又は蓋104の中の粉体の量が、ベース102と比較して、蓋104とベース102のサイズに応じて、1:1又は1:2又は2:1の比率であり得る。
【0031】
図9は、通気能力を含む蓋104がベース102に取り付けられた状態の装置100の一実施例を示している。例えば、蓋104は、装置100を通気するために開閉し得る排熱孔150を含むように示されている。このやり方では、ガス又は煙が、排熱孔150を通って装置100から排気され得る。
【0032】
図10は、空洞122に隣接する空気濾過器152を含む蓋104がベース102に取り付けられた状態の装置100の一実施例を示している。空気濾過器152は、排熱孔150を含み、化学物質を除去するために空気を洗浄するための活性炭及び触媒を含む区域154も含み得る。空気濾過器152は、有毒ガスが航空機の客室に入ることを低減させ得る。活性炭は、活性炭に引き込まれた特定の化学物質を吸着するように酸素で処理された炭素である。触媒は、空気濾過器152が、非炭素系の化学物質をも引き込むことを可能にするために追加され得る。したがって、空気濾過器152は、消火することからもたらされる任意の煙を濾過し得る。
【0033】
図11は、煙を排出することができるホースに連結されるための通気口160を含む蓋104がベース102に取り付けられた状態の装置100の一実施例を示している。例えば、通気口160は、活性炭及び触媒を含む携帯型の洗浄機のホースに連結され、又は通気口160は、航空機のホースに連結され、航空機の外側の周囲環境へ通気し得る。
【0034】
図12は、物体134の火災を鎮圧するための例示的な方法200のフローチャートを示している。図12で示される方法200は、例えば、本明細書で示され説明される装置100と共に使用され得る、例示的な方法を提示する。本明細書で開示されるこのプロセスと方法及び他のプロセスと方法について、フローチャートは、本実施例の可能な一実装態様の機能及び工程を示していることが理解されるべきである。代替的な実装態様が、本開示の実施例の範囲内に含まれる。本開示の実施例では、当業者によって理解されるように、関連する機能に応じて、図示又は記載されている順序とは異なる順序(実質的に、並列順序又は逆順序を含む)で機能が実行されてもよい。
【0035】
ブロック202では、方法200が、スリーブ114によって画定されるベース102の内部領域112の区域116の中へ物体134を配置することを含む。ベース102は、開口部108、及び内部領域112を画定する壁110a‐dを有し、ベース102は、一部分が内部領域内で壁の内周に配置されたスリーブ114を含み、スリーブ114が、物体134を配置するための内部領域112の区域116を画定する。ベース102は、スリーブ114と壁110a‐dとの間の内部領域112内に配置された第1の消火粉体120を更に含む。
【0036】
ブロック204では、方法200が、ベース102からスリーブ114を除去して、第1の消火粉体120が、物体134を配置するための内部領域112の区域116の一部分の上に崩れ落ちることをもたらすことを含む。
【0037】
ブロック206では、方法200が、ベース102の開口部108を蓋104で覆うことを含む。蓋104は、空洞122、及び空洞122の内側に含まれた第2の消火粉体126を有する。蓋104は、蓋104の空洞122を覆うように配置されたディバイダ106を備える。
【0038】
ブロック208では、方法200が、蓋104からディバイダ106を除去して、第2の消火粉体126をベース102の内部領域112の中へ解放することを含む。これは、物体134が、消火剤粉体で覆われ、火災を鎮圧及び消火することをもたらす。
【0039】
図13は、一実施例による、方法200と共に使用される例示的な方法のフローチャートを示している。ブロック210では、機能が、蓋104からディバイダ106を除去して、第2の消火粉体126をベース102の内部領域112の中へ解放し、物体134を第2の消火粉体126で実質的に覆うことを含む。この実施例では、蓋104の中に含まれている第2の消火粉体126の量と組み合わされたベース102の中に含まれている第1の消火粉体120の量が、ベース102の内部領域112を実質的に満たす。
【0040】
図14は、一実施例による、物体134の火災を鎮圧するための別の例示的な方法250のフローチャートを示している。図12で示される方法250は、例えば、本明細書で示され説明される装置100と共に使用され得る、例示的な方法を提示する。
【0041】
ブロック252では、方法250が、開口部108と内部領域112を画定する壁110a‐dとを有するベース102の内部領域112の中へ第1の消火粉体120を配置することを含み、ベース102は、内部領域112内で壁110a‐dの内周に配置されたスリーブ114を含み、スリーブ114は、物体134を配置するための内部領域112の区域116を画定する。
【0042】
ブロック254では、方法250が、スリーブ114を除去することによって、第1の消火粉体120を、物体134を配置するための内部領域112の区域116の一部分の上に崩し落とすことを含む。
【0043】
ブロック256では、方法250が、ベース102の開口部108を蓋104で覆うことを含む。蓋104は、空洞122、及び空洞122の内側に含まれた第2の消火粉体126を有する。
【0044】
ブロック258では、方法250が、第2の消火粉体126をベース102の内部領域112の中へ解放することを含む。
【0045】
図15は、一実施例による、方法250と共に使用される例示的な方法のフローチャートを示している。蓋104は、蓋104の空洞122を覆うように配置されたディバイダ106を含む。ブロック260では、機能が、蓋104からディバイダ106を除去して、第2の消火粉体126をベース102の内部領域112の中へ解放することを含む。
【0046】
本明細書で説明された多くの実施例は、航空機に搭載された装置100の使用を含むが、装置100は、民間又は公営のバス又は列車などの多くの他の用途で使用され得る。装置100は、任意の公営若しくは私的な交通機関又は(交通機関に関連するものだけではない)任意の状況で使用され得る、携帯型の容器である。更に、装置100は、ベース102と蓋104の中に含まれる消火剤粉体の種類のみならず、装置100のサイズに応じて、任意の種類の燃えている物体を受け入れるように設計され得る。
【0047】
更に、本開示は下記の条項に係る実施例を含む。
条項1
開口部(108)を有するベース(102)であって、
内部領域(112)を画定する壁(110a‐d)と、
一部分が前記内部領域(112)内で前記壁(110a‐d)の内周に配置されたスリーブ(114)であって、物体を配置するための前記内部領域(112)の区域(116)を画定し、前記区域(116)の中へ前記物体を配置するための開口部(118)を有する、スリーブ(114)と、
前記スリーブ(114)と前記壁(110a‐d)との間の前記内部領域(112)内に配置された、第1の消火粉体(120)とを備えた、ベース(102)、並びに
前記ベース(102)の前記開口部(108)を覆うための蓋(104)を備え、前記蓋(104)が、
空洞(122)、
前記空洞(122)の内側に含まれた第2の消火粉体(126)、及び
前記蓋(104)の前記空洞(122)を覆うために配置されたディバイダを備える、消火装置(100)。
条項2
前記スリーブ(114)が、前記ベース(102)から除去可能であり、前記第1の消火粉体(120)が、前記物体を配置するための前記内部領域(112)の前記区域(116)の一部分の上に崩れ落ちることをもたらす、条項1に記載の消火装置(100)。
条項3
前記スリーブ(114)に取り付けられた1以上のスリーブタブ(130、132)を更に備え、前記スリーブ(114)が前記1以上のスリーブタブ(130、132)を介して前記ベース(102)から除去可能であり、前記第1の消火粉体(120)が、前記物体を配置するための前記内部領域(112)の前記区域(116)の一部分の上に崩れ落ちることをもたらす、条項1に記載の消火装置(100)。
条項4
前記スリーブ(114)が、可燃性物質を含み、前記スリーブ(114)が燃えることに基づいて、前記第1の消火粉体(120)が、前記物体を配置するための前記内部領域(112)の前記区域(116)の一部分の上に崩れ落ちる、条項1に記載の消火装置(100)。
条項5
前記ディバイダ(106)が、前記蓋(104)から除去可能であり、前記第2の消火粉体(126)を、前記ベース(102)の前記内部領域(112)の中へ解放する、条項1に記載の消火装置(100)。
条項6
前記ディバイダ(106)に取り付けられた1以上のディバイダプルタブ(128)を更に備え、前記ディバイダ(106)が前記1以上のディバイダプルタブ(128)を介して前記蓋(104)から除去可能であり、前記第2の消火粉体(126)を、前記ベース(102)の前記内部領域(112)の中へ解放する、条項1に記載の消火装置(100)。
条項7
前記蓋(104)の中に含まれている前記第2の消火粉体(126)の量と組み合わされた前記ベース(102)の中に含まれている前記第1の消火粉体(120)の量が、前記ベース(102)の前記内部領域(112)を実質的に満たす、条項1に記載の消火装置(100)。
条項8
前記蓋(104)が、ヒンジを介して前記ベース(102)に取り付けられている、条項1に記載の消火装置(100)。
条項9
前記蓋(104)が、前記ベース(102)の前記開口部(108)を覆い、前記ベース(102)の前記内部領域(112)を囲う、条項1に記載の消火装置(100)。
条項10
前記装置が、携帯型の容器である、条項1に記載の消火装置(100)。
条項11
前記ベース(102)の床(111)に配置された前記第1の消火粉体(138)の層を更に備える、条項1に記載の消火装置(100)。
条項12
前記スリーブが、前記ベース(102)の前記床(111)に配置された前記第1の消火粉体(138)の層まで延在する、条項11に記載の消火装置(100)。
条項13
更なる熱隔離を提供するための、前記ベース(102)の床(111)に配置された熱隔離インサート(136)を更に備える、条項1に記載の消火装置(100)。
条項14
前記第1の消火粉体(120)と前記第2の消火粉体(126)のうちの一方又は両方が、砂、粉体のグラファイト、又は銅粉のうちの1以上を含む、条項1に記載の消火装置(100)。
条項15
前記蓋(104)が、前記空洞(122)に隣接した空気濾過器(152)を更に備える、条項1に記載の消火装置(100)。
条項16
前記蓋(104)が、煙の排出を可能にするホースと連結されるための通気口(160)を更に備える、条項1に記載の消火装置(100)。
条項17
物体の火災を鎮圧するための方法(200)であって、
スリーブ(202)によって画定されたベースの内部領域の区域の中へ前記物体を配置することであって、前記ベースが、開口部と前記内部領域を画定する壁とを有し、前記ベースが、一部分が前記内部領域内で前記壁の内周に配置された前記スリーブを含み、前記スリーブが、前記物体を配置するための前記内部領域の前記区域を画定し、前記ベースが、前記スリーブと前記壁との間の前記内部領域内に配置された第1の消火粉体を更に備える、配置すること、
前記スリーブを前記ベースから除去して、前記第1の消火粉体が、前記物体(204)を配置するための前記内部領域の前記区域の一部分の上に崩れ落ちることをもたらすこと、
前記ベースの前記開口部を蓋で覆うことであって、前記蓋が、空洞と前記空洞の内側に含まれた第2の消火粉体とを有し、前記蓋が、前記蓋(206)の前記空洞を覆うために配置されたディバイダを備える、覆うこと、及び
前記蓋から前記ディバイダを除去して、前記第2の消火粉体を、前記ベース(208)の前記内部領域の中へ解放することを含む、方法(200)。
条項18
前記蓋の中に含まれている前記第2の消火粉体の量と組み合わされた前記ベースの中に含まれている前記第1の消火粉体の量が、前記ベースの前記内部領域を実質的に満たし、前記蓋から前記ディバイダを除去して前記第2の消火粉体を前記ベースの前記内部領域の中へ解放することが、前記第2の消火粉体(210)で前記物体を実質的に覆うことを含む、条項17に記載の方法(200)。
条項19
物体の火災を鎮圧するための方法(250)であって、
開口部と内部領域を画定する壁とを有するベースの前記内部領域内に第1の消火粉体を配置することであって、前記ベースが、前記内部領域内で前記壁の内周に配置されたスリーブを含み、前記スリーブが、物体(252)を配置するための前記内部領域の区域を画定する、配置すること、
前記スリーブ(254)を除去することによって、前記第1の消火粉体を、前記物体を配置するための前記内部領域の前記区域の一部分の上に崩し落とすこと、
前記ベースの前記開口部を蓋であって、空洞と前記空洞(256)の内側に含まれた第2の消火粉体とを有する、蓋で覆うこと、及び
前記第2の消火粉体を、前記ベース(258)の前記内部領域の中へ解放することを含む、方法(250)。
条項20
前記蓋が、前記蓋の前記空洞を覆うために配置されたディバイダを備え、前記第2の消火粉体を前記ベースの前記内部領域の中へ解放することが、
前記蓋から前記ディバイダを除去して、前記第2の消火粉体を前記ベース(260)の前記内部領域の中へ解放することを含む、条項19に記載の方法(250)。
【0048】
種々の有利な構成の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、完全であること、または開示された形態の実施例に限定されることを意図するものではない。当業者には、多くの修正例及び変形例が自明となろう。更に、種々の有利な実施例は、他の有利な実施例と比べて異なる利点を説明し得る。選択された1つ又は複数の実施例は、実施例の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施例の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正例との理解を促すために選択及び記述されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15