(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部分(A)が、少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ/あるいは、1つ又は複数のさらなる芳香環に結合していてもよいか、あるいは1つ又は複数のさらなる芳香環と縮合していてもよい、5〜10員環の芳香環である、請求項1に記載のポリマー(P)。
前記基(U)が−OH又は−SHから選択され、前記工程(b)が前記化合物(AN)を塩基で処理することによって行われる、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
基(N)が第一級又は第二級アミノ基である、請求項1に記載のポリマー(P)と;エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂及びカルボン酸の無水物から選択される少なくとも1つの樹脂と;任意選択的にさらなる原料とを含む組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本記載の及び以下のクレームの目的のためには:
− 例えば「ポリマー(P)」、「鎖(R
pf)」などのような表現で、式を特定する記号又は数字周りの括弧の使用は、記号又は数字を本文の残りからより良く区別するという単なる目的を有し、それ故に、前記括弧はまた省略することができ;
− 頭字語「PFPE」は、「(パー)フルオロポリエーテル」を表し、名詞として用いられる場合、文脈に依存して、単数形か複数形かのどちらかを意味することを意図する。用語「(パー)フルオロポリエーテル」における接頭辞「(パー)」は、ポリエーテルが完全若しくは部分フッ素化されていることができることを意味し;
− ポリマー(P)に又はPFPE−アルコールについて言及される用語「官能度」は、1ポリマー分子当たりの官能基、すなわち、基(N)又は基−OHの平均数を示し、例えば欧州特許出願公開第1810987 A号明細書(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)に開示されているように計算することができ;の部分から選択され;
− 表現「双性イオン基」(「分子内塩」とも言われる)は、同じ分子中に正電荷と負電荷とを有する中性分子、言い換えれば、全体として電気的に中性であるが、共有結合によって連結された正電荷及び負電荷の非隣接領域を含有する分子を示し;
− 表現「芳香族部分[部分(A)]」は、芳香族化合物に由来する任意の環状環を示し;
− 表現「芳香族化合物」は、nが0又は任意の正の整数である、4n+2に等しい数のπ電子を有する任意の環状化合物を示し;
− 表現「アルキレニル鎖」は、好ましくは1〜20個の炭素原子を含む、二価の線状若しくは分岐の飽和若しくは不飽和脂肪族鎖を示す。
【0017】
好ましくは、前記部分(A)は、少なくとも1つのヘテロ原子を任意選択的に含む及び/又は任意選択的に、1つ又は複数のさらなる芳香環に結合している又は芳香環と縮合している、5〜10員環の芳香環である。
【0018】
好ましい実施形態では、前記部分(A)において、[部分(A)が多環式又は多縮合芳香族部分である場合に架橋炭素原子を除いて]鎖(R
pf)及び基(N)を担っていない少なくとも1個、より好ましくは少なくとも2個の炭素原子、さらにより好ましくは炭素原子が全てハロゲン原子を有する。
【0019】
好ましくは、前記ハロゲン原子は独立して、フッ素、塩素及び臭素から選択され;より好ましくは、全てのハロゲン原子はフッ素原子である。
【0020】
より好ましくは、前記部分(A)は、フッ素化ベンゼン、フッ素化ナフタレン、フッ素化ビフェニル及びフッ素化ピリジンから選択される。さらにより好ましくは、前記部分(A)は、完全フッ素化ベンゼン及び完全フッ素化ピリジンから選択される。
【0021】
好ましい実施形態では、前記鎖(R
pf)は、式−O−R
f−のものであり、式中:
− R
fは、繰り返し単位R°を含む、好ましくはそれからなる完全若しくは部分フッ素化ポリオキシアルキレン鎖[鎖(R
f)]であり、前記繰り返し単位は独立して、
(i)−CFXO−(式中、Xは、F又はCF
3である);
(ii)−CFXCFXO−(式中、出現ごとに等しいか又は異なる、Xは、F又はCF
3であり、ただし、Xの少なくとも1つは−Fである);
(iii)−CF
2CF
2CW
2O−(式中、互いに等しいか又は異なる、Wのそれぞれは、F、Cl、Hである);
(iv)−CF
2CF
2CF
2CF
2O−;
(v)−(CF
2)
j−CFZ−O−[式中、jは、0〜3の整数であり、Zは、一般式−O−R
(f−a)−Tの基であり、ここで、R
(f−a)は、0〜10の数の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルケン鎖であり、前記繰り返し単位は、以下:Xのそれぞれのそれぞれが独立してF又はCF
3である、−CFXO−、−CF
2CFXO−、−CF
2CF
2CF
2O−、−CF
2CF
2CF
2CF
2O−の中から選ばれ、Tは、C
1〜C
3パーフルオロアルキル基である]
からなる群から選択される。
【0022】
好ましくは、鎖(R
f)は、次式:
(R
f−I)
−[(CFX
1O)
g1(CFX
2CFX
3O)
g2(CF
2CF
2CF
2O)
g3(CF
2CF
2CF
2CF
2O)
g4]−
(式中、
− X
1は独立して、−F及び−CF
3から選択され、
− 互いに及び出現ごとに等しいか又は異なる、X
2、X
3は独立して、−F、−CF
3であり、ただし、Xの少なくとも1つは−Fであり;
− 互いに等しいか又は異なる、g1、g2、g3、及びg4は独立して、g1+g2+g3+g4が、2〜300、好ましくは2〜100の範囲にあるような、0以上の整数であり;g1、g2、g3及びg4の少なくとも2つがゼロとは異なる場合、異なる繰り返し単位は、鎖に沿って概して統計的に分布している)
に従う。
【0023】
より好ましくは、鎖(R
f)は、式:
(R
f−IIA) −[(CF
2CF
2O)
a1(CF
2O)
a2]−
(式中:
− a1及びa2は独立して、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるような0以上の整数であり;a1及びa2は両方とも、好ましくはゼロとは異なり、比a1/a2は、好ましくは0.1〜10に含まれる);
(R
f−IIB) −[(CF
2CF
2O)
b1(CF
2O)
b2(CF(CF
3)O)
b3(CF
2CF(CF
3)O)
b4]−
(式中:
b1、b2、b3、b4は独立して、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるような0以上の整数であり;好ましくはb1は0であり、b2、b3、b4は0よりも大きく、比b4/(b2+b3)は1以上である);
(R
f−IIC) −[(CF
2CF
2O)
c1(CF
2O)
c2(CF
2(CF
2)
cwCF
2O)
c3]−
(式中:
cw=1又は2であり;
c1、c2、及びc3は独立して、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるように選ばれる0以上の整数であり;好ましくはc1、c2及びc3は全て0よりも大きく、比c3/(c1+c2)は概して0.2より小さい);
(R
f−IID) −[(CF
2CF(CF
3)O)
d]−
(式中:
dは、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるような0よりも大きい整数である);
(R
f−IIE) −[(CF
2CF
2C(Hal
*)
2O)
e1−(CF
2CF
2CH
2O)
e2−(CF
2CF
2CH(Hal
*)O)
e3]−
(式中:
− 出現ごとに等しいか又は異なる、Hal
*は、フッ素及び塩素原子から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素原子であり;
− 互いに等しいか又は異なる、e1、e2、及びe3は独立して、(e1+e2+e3)合計が2〜300に含まれるような0以上の整数である)
の鎖から選択される。
【0024】
さらにより好ましくは、鎖(R
f)は、本明細書で下の式(R
f−III):
(R
f−III) −[(CF
2CF
2O)
a1(CF
2O)
a2]−
(式中:
− a1、及びa2は、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるような0よりも大きい整数であり、比a2/a1は概して0.1〜10、より好ましくは0.2〜5に含まれる)
に従う。
【0025】
好ましくは、前記基(N)は、第一級、第二級又は第三級アミノ基である。
【0026】
より好ましくは、前記基(N)は、次式(N−I):
−N(R
1)(R
2) (N−I)
(式中、
互いに同一か又は異なる、R
1及びR
2は、水素原子、1〜10個の炭素原子を有する線状若しくは分岐の飽和若しくは不飽和アルキル鎖、少なくとも1つのヘテロ原子を任意選択的に含む3〜6員環の飽和若しくは不飽和環であるか;又はR
1及びR
2は、窒素原子と一緒に3〜6個の炭素原子を含む環状環を形成する)
に従う。
【0027】
好ましくは、互いに同一か若しくは異なる、R
1及びR
2は、水素原子、1〜6個の炭素原子を有する線状若しくは分岐アルキル鎖、又は少なくとも1つのヘテロ原子を任意選択的に含む5若しくは6員環の不飽和環である。より好ましくは、互いに同一か若しくは異なる、R
1及びR
2は、水素原子、1〜3個の炭素原子を有する線状若しくは分岐アルキル鎖又はフェニル環である。さらにより好ましくは、互いに同一か若しくは異なる、R
1及びR
2は、水素原子又は1〜3個の炭素原子を有する線状若しくは分岐アルキル鎖である。
【0028】
好ましい実施形態では、前記鎖(R
f)は、1〜20個の炭素原子及び前記部分(A)に直接結合した少なくとも1つのヘテロ原子を含むアルキレニル鎖[鎖(B)]によって前記部分(A)に結合している。
【0029】
好ましくは、前記鎖(B)は、1〜20個、より好ましくは1〜12個の炭素原子並びに前記部分(A)に直接結合したO、S及びNHから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むアルキレニル鎖であり、ここで、前記鎖は、任意選択的にフッ素化されている及び/又は1個若しくは複数個のヒドロキシル基で任意選択的に置換されている及び/又はO、S及びNHから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に割り込まれている。
【0030】
より好ましくは、前記鎖(B)は、1〜6個の炭素原子及び前記部分(A)に直接結合して酸素原子を含むアルキレニル鎖であり、ここで、前記鎖は、任意選択的にフッ素化されている及び/又は少なくとも1個の酸素原子で任意選択的に割り込まれている。
【0031】
さらにより好ましくは、前記鎖(B)は、次の一般式(B−I)〜(B−V):
−CFXCH
2O(CH
2CH
2O)
r− (B−I)
−CFXCH
2O(CH
2CH(CH
3)O)
r− (B−II)
−CF
2CF
2CH
2O(CH
2CH
2O)
r− (B−III)
−CFXCH
2O(CH
2CHOHCH
2O)
r’− (B−IV)
−CF
2CF
2CH
2O(CH
2CHOHCH
2O)
r’− (B−V)
(式中、
Xは、F又は−CF
3であり、
rは、0〜10、好ましくは0〜7の整数であり;
r’は、1〜3の整数である)
に従い、
そして、鎖の末端の酸素原子は、前記部分(A)に直接結合している。
【0032】
好ましい実施形態では、前記鎖(B)は、rが0である、上に定義されたような式(B−I)に従う。
【0033】
上に開示されたように、鎖(B)の方向は、例えば次:(R
pf)−CFXCH
2O−(CH
2CH
2O)
r−(A)又は(A)−(OCH
2CH
2)
r−OCH
2CFX−(R
pf)
のように、鎖の末端での酸素原子が部分(A)に直接結合しており、鎖の他の末端での(ハロ)アルキル基が鎖(Rf)に結合しているようなものである。
【0034】
好ましい実施形態では、前記基(N)は、1〜12個の炭素原子及び前記部分(A)に直接結合した少なくとも1つのヘテロ原子を含むアルキレニル架橋基[基(R
H)]によって前記部分(A)に結合している。
【0035】
好ましくは、前記基(R
H)は、1〜8個の炭素原子並びに前記部分(A)に直接結合したO、S及びNHから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むアルキレニル鎖であって、前記アルキレニル鎖が少なくとも1個のヒドロキシ基で任意選択的に置換されている及び/又はO、S及びNHから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に割り込まれているアルキレニル鎖か;又はO、S及びNHから選択されるヘテロ原子を含む少なくとも1つの基で置換された5若しくは6員環の芳香族部分である。
【0036】
より好ましくは、前記基(R
H)は、1〜6個の炭素原子及び前記部分(A)に直接結合した少なくとも1個の酸素原子を含むアルキレニル鎖であり、ここで前記アルキレニル鎖は、少なくとも1個の酸素原子で任意選択的に割り込まれている。
【0037】
さらにより好ましくは、前記基(R
H)は、次の一般式(R
H−I):
−(O−CH
2CH
2)
q− (R
H−I)
(式中、qは、1〜3の整数である)
に従う。
【0038】
一実施形態では、本発明によるポリマー(P)は、1つの鎖(R
f)の反対端に結合した少なくとも2つの部分(A)を含み、ここで、前記部分(A)のそれぞれは、少なくとも1つの基(N)でさらに置換されている。
【0039】
代わりの実施形態では、本発明によるポリマー(P)は、2つの鎖(R
f)に結合した少なくとも1つの部分(A)を含み、ここで、前記少なくとも1つの部分(A)は、少なくとも1つの基(N)でさらに置換されている。
【0040】
有利には、部分(A)は、基(N)が鎖(R
pf)中のフッ素原子の電気陰性度による影響が少ないように、基(N)と鎖(R
pf)との間でスペーサとして働き、それ故に、結果として生じるポリマー(P)は、以下により詳細に説明されるように、反応性が高い。
【0041】
好ましくは、本発明によるポリマー(P)は、次の一般式(P−I)、(P−II)、(P−III)又は(P−IV):
[式中、
Tは、水素原子、又は−CF
2H、−CF
2CF
2H、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2Cl、−CF
2CF
2Cl、−C
3F
6Cl及び−CF
2Brから選択される中性基であり;
pは、0よりも大きい、好ましくは1〜10の整数であり;
(R
pf)、A、B、(R
H)及びNは、上に定義された通りである)
に従う。
【0042】
好ましくは、鎖(R
pf)は、−O−R
f−であり、式中、鎖(R
f)は、上に定義されたような式(R
f−I)に従う。より好ましくは、鎖(R
f)は、上に定義されたような式(R
f−IIA)、(R
f−IIB)、(R
f−IIC)、(R
f−IID)又は(R
f−IIE)に従う。さらにより好ましくは、鎖(R
f)は、上に定義されたような式(R
f−III)に従う。
【0043】
より好ましくは、本発明によるポリマー(P)は、二官能性である、すなわち、上に定義されたような一般式(P−II)又は(P−IV)に従う。
【0044】
好ましくは、ポリマー(P)の官能度、すなわち、ポリマー(P)の1分子当たりの基(N)の平均数は、1〜10、より好ましくは1〜5、さらにより好ましくは1〜3である。
【0045】
ポリマー(P)の製造方法
有利には、本発明によるポリマー(P)の製造方法は、行うのが容易であり、かつ、工業的規模で好都合である、2工程法である。
【0046】
また、本発明による方法は、以下に説明されるように、方法の条件に及び試薬のモル比に応じて、異なる構造を有するポリマーの製造を可能にする。
【0047】
本発明による方法において、工程(a)はPFPE−アルコールによる化合物(A)の求核芳香族置換によって進行する。反応を起こすために、工程(a)は、相当する帯電した求核試薬基(すなわち、アルコレート基)を得るために、PFPE−アルコールを塩基で処理することによって行われる。
【0048】
好ましくは、前記塩基は、炭酸塩、tert−ブチレート又は水酸化物から選択される。より好ましくは、前記塩基は、Na
2CO
3及びK
2CO
3、Kter−ブチレート、NaOH及びKOHから選択される。さらにより好ましくは、前記塩基はKOHである。
【0049】
好ましくは、前記PFPE−アルコールは、2つの鎖末端[末端(R
e)]を有する少なくとも1つの(パー)フルオロポリエーテル鎖[鎖(R
pf)]を含み、ここで、前記2つの末端(R
e)は、上に定義されたような中性基を有するか又は−OHを含む、ただし、前記2つの末端(R
e)の少なくとも1つは−OHを含む。
【0050】
より好ましくは、前記鎖末端(R
e)は両方とも−OHを含む。
【0051】
前記鎖(R
pf)は上に定義された通りである。好ましい実施形態では、前記鎖(R
pf)は、上に定義されたような式(R
f−III)に従う鎖(R
f)を含む。
【0052】
前記末端(R
e)の1つのみが−OHを含み、他の末端(R
e)が、上に定義されたような中性基を有する場合、PFPE−アルコールは一官能性PFPE−アルコールである。
【0053】
前記末端(R
e)が両方とも−OHを含む場合、PFPE−アルコールは二官能性PFPE−アルコールである。好ましくは、二官能性PFPE−アルコールの官能度、すなわち、−OH基の数は、少なくとも1.80に等しく、より好ましくは少なくとも1.85に等しく、さらにより好ましくは少なくとも1.94に等しい。
【0054】
一官能性及び二官能性PFPEアルコールは、Solvay Specialty Polymers(Italy)から商業的に入手可能である。例えば、前記一官能性PFPE−アルコールは、欧州特許第1810987号明細書(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)に開示されている方法に従って得ることができ、前記二官能性PFPE−アルコールは、欧州特許出願公開第1614703 A号明細書(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)に開示されている方法に従って得ることができる。
【0055】
より好ましくは、−OHを含む前記末端(R
e)は、次の一般式(R
e−I)〜(R
e−V):
−CFXCH
2O(CH
2CH
2O)
r−H (R
e−I)
−CFXCH
2O(CH
2CH(CH
3)O)
r−H (R
e−II)
−CF
2CF
2CH
2O(CH
2CH
2O)
r−H (R
e−III)
−CFXCH
2O(CH
2CHOHCH
2O)
r’−H (R
e−IV)
−CF
2CF
2CH
2O(CH
2CHOHCH
2O)
r’−H (R
e−V)
−CFXCH
2O−[(CH
2CH
2O)
r’’(CH
2CH(CH
3)O)
r’’’]
r(x)−H (R
e−IV)
(式中、
Xは、F又は−CF
3であり、
r、r’’、r’’’及びr(x)は、それぞれ独立して、0〜10、好ましくは0〜7の整数であり、
r’は、1〜3の整数である)
に従う。
【0056】
さらにより好ましくは、末端(R
e)は、rが0である、上に定義されたような一般式(R
e−I)に従う。
【0057】
上述の式に従う末端(R
e)を含むPFPEアルコールの製造方法は、例えば、国際公開第2014/090649号パンフレット(SOLVAY SPECIALTY POLYMERS ITALY S.P.A.)に及び国際公開第2009/043928号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)に開示されているように製造することができる。である。
【0058】
好ましくは、前記化合物(A)は、少なくとも2つのハロゲン原子で置換された、少なくとも1つのヘテロ原子を任意選択的に含み、そして任意選択的に、1つ又は複数のさらなる芳香環に結合した又は芳香環と縮合した5〜10員環の芳香環である。
【0059】
より好ましくは、前記化合物(A)は、少なくとも3つのハロゲン原子で置換された5〜10員環の芳香環である。さらにより好ましくは、前記化合物(A)は、完全ハロゲン化5〜10員環の芳香環である。
【0060】
好ましくは、前記ハロゲン原子は独立して、フッ素、塩素及び臭素から選択され;より好ましくは、全てのハロゲン原子はフッ素原子である。
【0061】
好ましい実施形態では、前記化合物(A)は、ヘキサフルオロベンゼン(HFB)、ペンタフルオロピリジン及びパーフルオロビフェニルから選択される。さらにより好ましくは。前記化合物(A)はヘキサフルオロベンゼン(HFB)である。
【0062】
工程(a)は、溶媒なしで、又は、代わりに、完全若しくは部分フッ素化溶媒中で又は非プロトン性の極性含水素溶媒中で実施することができる。
【0063】
溶媒が工程(a)に使用される場合、前記溶媒は好ましくは、ハイドロフルオロエーテル又はヘキサフルオロキシレン[1,3−ビス−(トリフルオロメチル)ベンゼン;本明細書では以下、「HFX」]から選択される部分フッ素化溶媒である。より好ましくは、前記溶媒はHFXである。
【0064】
好ましくは、工程(a)は、加熱下に、より好ましくは50℃〜120℃、さらにより好ましくは70℃〜100℃の温度で行われる。
【0065】
本発明による方法において、工程(b)は、化合物(AN)の基(U)による化合物(A)の求核芳香族置換によって進行する。
【0066】
好ましくは、前記基(N
*)は、第一級、第二級若しくは第三級アミノ基である。
【0067】
より好ましくは、前記基(N
*)は、上に定義された基(N)のようである。
【0068】
基(U)は、求核試薬基、すなわち、求核置換反応において求核試薬種として働くことができる基である。
【0069】
好ましくは、前記基(U)は、ヒドロキシ基、チオール基又はアミノ基である。より好ましくは、前記基(U)は、ヒドロキシ基又はチオール基である。
【0070】
基(U)がヒドロキシル又はチオール基である場合、反応を起こすために、工程(b)は、化合物(AN)を、相当する帯電した求核試薬基[基(U
−)]を得るために塩基で処理することによって行われる。
【0071】
好ましくは、前記塩基は、アルカリ金属の炭酸塩、tert−ブチレート又は水酸化物から選択される。より好ましくは、前記塩基は、Na
2CO
3及びK
2CO
3、NaOH及びKOHから選択される。さらにより好ましくは、前記塩基はKOHである。
【0072】
好ましくは、前記少なくとも1つの基(N
*)は、アルキレン架橋基(R
*H)によって前記基(U)に結合している。
【0073】
好ましくは、前記基(R
*H)は、1〜12個、より好ましくは1〜8個の炭素原子を含むアルキレニル鎖であって、前記アルキレニル鎖が、少なくとも1個のヒドロキシ基で任意選択的に置換されている及び/又はO、S及びNHから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に割り込まれているアルキレニル鎖;又は5若しくは6員環の芳香族部分である。
【0074】
より好ましくは、前記基(R
*H)は、1〜6個、より好ましくは1〜3個の炭素原子を含むアルキレニル鎖であり、ここで、前記アルキレニル鎖は、少なくとも1個の酸素原子で任意選択的に割り込まれている。
【0075】
好ましくは、化合物(AN)は、次式(AN−I):
U−(R
*H)−N(R
1)(R
2) (AN−I)
{式中、
Uは、−OH、−SH及び−NHR[ここで、Rは、H又は(C
1〜3)アルキルである]から選択され;
R
*Hは、上に定義された通りであり;
R
1及びR
2は、上に定義された通りである}
に従う。
【0076】
工程(b)は、溶媒なしで、又は、代わりに、完全若しくは部分フッ素化溶媒中で又は非プロトン性の極性含水素溶媒中で実施することができる。
【0077】
溶媒が工程(b)に使用される場合、前記溶媒は好ましくは、HFXなどの、部分フッ素化溶媒である。
【0078】
好ましくは、工程(b)は、加熱下に、より好ましくは50℃〜150℃、さらにより好ましくは70℃〜120℃の温度で行われる。
【0079】
有利には、本発明による方法において、工程(a)が、4:1〜10:1の化合物(A)とPFPE−アルコールとの間のモル比の存在下で実施される場合、本発明によるポリマー(P)は、上に定義されたような式(P−I)及び(P−II)に従う。
【0080】
有利には、本発明による方法において、工程(a)が、0.5:1〜4:1、より好ましくは1:1〜4:1の化合物(A)とPFPE−アルコールとの間のモル比の存在下で実施される場合、本発明によるポリマー(P)は、上に定義されたような式(P−III)及び(P−IV)に従う。
【0081】
好ましくは、工程(b)において、工程(a)において得られた化合物と化合物(AN)との間のモル比は、1:1〜1:10、より好ましくは1:1〜1:5、さらにより好ましくは約1:3である。
【0082】
ポリマー(P)の使用
基(N)が第一級又は第二級アミノ基である場合、本発明によるポリマー(P)は、例えば撥水/撥油性、容易なクリーニング可能性及び汚れ放出などの、傑出した表面特性を付与するために、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、カルボン酸の無水物などの、樹脂中に反応性添加物として(言い換えれば、硬化剤又はハードナとして)使用することができる。
【0083】
硬化剤として使用される場合、ポリマー(P)は任意選択的に、水素化アミノ樹脂と組み合わせて使用することができる。このケースでは、ポリマー(P)と前記水素化アミノ樹脂との間の重量比は、1:99〜99:1、好ましくは2:98〜75:25、より好ましくは5:95〜50:50である。
【0084】
したがって、本発明の別の目的は、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、カルボン酸の無水物などの、樹脂における硬化剤としての、任意選択的に水素化アミノ樹脂と組み合わせた、基Nが第一級又は第二級アミノ基であるポリマー(P)の使用に関する。
【0085】
さらに別の目的では、本発明は、基(N)が第一級又は第二級アミノ基であるポリマー(P)と;エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂及びカルボン酸の無水物から選択される少なくとも1つの樹脂と;任意選択的にさらなる原料とを含む組成物に関する。
【0086】
好ましくは、前記組成物は液体組成物である。
【0087】
好ましくは、前記組成物は、0.5〜50重量%の、より好ましくは1〜25重量%の、さらにより好ましくは2〜15重量%の量の前記ポリマー(P)を含む。
【0088】
好ましくは、前記少なくとも1つの樹脂は、約100〜4000のエポキシ当量を有する、エポキシ樹脂である。
【0089】
好ましくは、前記組成物は、組成物の総重量を基準として、30〜85重量%の、より好ましくは40〜75重量%の、さらにより好ましくは45〜70重量%の量の前記エポキシ樹脂を含む。
【0090】
好ましくは、前記さらなる原料は、水素化アミノ樹脂、溶媒、触媒及び促進剤から選択される。
【0091】
水素化アミノ樹脂が組成物中に存在する場合、ポリマー(P)と前記水素化アミノ樹脂との間の重量比は、上に定義された通りである。
【0092】
上述の組成物中に存在する場合、前記溶媒は、ポリマー(P)及び少なくとも1つの樹脂の両方と混和性である。
【0093】
前記樹脂がエポキシ樹脂である場合、好適な溶媒は、例えば、エチレン若しくはプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの、グリコールエーテル、及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの、それらのエステル;メチル−イソブチル−ケトン、メチル−エチル−ケトン及びアセトンなどの、ケトン;トルレン、キシレン及びそれらの混合物などの、芳香族炭化水素である。
【0094】
好ましくは、前記組成物は、組成物の他の成分の総重量を基準として5〜300重量%の量の前記溶媒を含む。
【0095】
上に定義されたような組成物は、架橋物品を提供するために、約40℃〜約200℃、好ましくは60℃〜150℃の温度範囲で例えば作業して、架橋させることができる。
【0096】
好ましくは、前記物品はフィルムの形態にある。
【0097】
このようにして得られた架橋物品は、例えば撥水/撥油性、容易なクリーニング可能性及び汚れ放出などの、表面特性を示す。
【0098】
また、基(N)が第一級又は第二級アミノ基である場合、本発明によるポリマー(P)は、例えばポリアミドなどの、さらなるポリマーの合成でのビルディングブロックとして使用することができる。
【0099】
他方では、基(N)が第三級アミノ基である場合、本発明によるポリマー(P)は、第四級アンモニウムカチオン又は双性イオン基を含むPFPEポリマーの合成での中間化合物として使用することができる。
【0100】
したがって、本発明の別の目的は、第四級アンモニウムカチオン又は双性イオン基を含むPFPEポリマーの合成での、基Nが第三級アミノ基である、ポリマー(P)の使用に関する。
【0101】
本発明のさらに別の目的は、
− 少なくとも1つのハロゲン原子で任意選択的に置換された少なくとも1つの芳香族部分[部分(A)]と、
− 前記部分(A)に結合した少なくとも1つの(パー)フルオロポリエーテル鎖[鎖(R
pf)]と、
− 前記部分(A)に結合した少なくとも1つの第四級アンモニウムカチオン又は前記部分(A)に結合した少なくとも1つの双性イオン基と
を含むポリマー[ポリマー(P−D)]に関する。
【0102】
前記部分(A)及び前記鎖(R
pf)は、ポリマー(P)に関連して上に開示された通りであり、好ましくは基(B)によって互いに結合しており、それは、上に定義された通りである。
【0103】
好ましくは、前記第四級アンモニウムカチオン又は前記双性イオン基は、基(R
H)によって前記部分(A)に結合しており、それは、ポリマー(P)に関連して定義された通りである。
【0104】
少なくとも1つの第四級アンモニウムカチオンを含むポリマー(P−D1)は、基(N)が第三級アミノ基である、本発明によるポリマー(P)を、アルキル化化合物、例えば、アルキルハライドと反応させることによって得ることができ、ここで、アルキル基は、1〜6個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、ハライドは、クロリド、ブロミド、好ましくはクロリドである。
【0105】
当業者は、使用される出発ポリマー及びアルキル化化合物に応じて、上に定義されたようなポリマー(P−D1)を製造するための好適な条件を決定することができる。
【0106】
好ましくは、前記第四級アンモニウムカチオンは、次式(N−II):
−N
+(R
1)(R
2)(R
3)Y
− (N−II)
(式中、互いに同一か若しくは異なる、R
1及びR
2は、1〜10個の炭素原子を有する線状若しくは分岐の飽和若しくは不飽和アルキル鎖、又は少なくとも1つのヘテロ原子を任意選択的に含む3〜6員環の飽和若しくは不飽和環であり;
R
3は、1〜10個の炭素原子を有する線状若しくは分岐アルキル鎖であり;
Y
−は、アニオン、好ましくはクロリド、ブロミド又はヒドロキシドである)
に従う。
【0107】
少なくとも1つの双性イオン基を含むポリマー(P−D2)は、基(N)が第三級アミノ基である、本発明によるポリマー(P)を、カルボキシレ−ト、スルホネート及びホスフェートなどの、アニオン基を含むアルキル化化合物と反応させることによって得ることができる。
【0108】
良好な結果は、ポリマー(P)を、アルキル化化合物としてのクロロ酢酸ナトリウムと反応させることによって得られた。
【0109】
当業者は、使用される出発ポリマー及びアルキル化化合物に応じて、上に定義されたようなポリマー(P−D2)を製造するための好適な条件を決定することができる。
【0110】
好ましくは、前記双性イオン基は、アンモニウム基と、カルボキシレ−ト、スルホネート及びホスフェートから選択されるアニオン基とを含む。
【0111】
より好ましくは、前記双性イオン基は、次式(Z−1):
−N
+(R
1)(R
2)(Z
1) (Z−I)
(式中、互いに同一か若しくは異なる、R
1及びR
2は、1〜10個の炭素原子を有する線状若しくは分岐の飽和若しくは不飽和アルキル鎖、又は少なくとも1つのヘテロ原子を任意選択的に含む3〜6員環の飽和若しくは不飽和環であり;
Z
1は、1〜6個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、少なくとも1つのカルボキシレ−ト、スルホネート又はホスフェート基で置換されている線状若しくは分岐アルキル鎖である)
に従う。
【0112】
有利には、少なくとも1つの双性イオン基を含むポリマー(P−D2)が水溶液/組成物中に入れられる場合、鎖(R
f)は水相から分離し、一方、双性イオン基はそれと相互作用する。それ故、ポリマー(P−D2)が、水性組成物又は溶液と接触した材料上の表面上のコーティングとして使用される場合、双性イオン基は水相に向かって表面へ移行する傾向があり、一方、鎖(R
f)は、コーティングされた表面と接触したままである。
【0113】
こういう訳で、ポリマー(P−D2)は、水性組成物又は溶液と接触している基材をコーティングするための組成物に添加物として使用して、前記基材への前記水性組成物又は溶液の浸透を回避することができる。
【0114】
参照により本明細書に援用される特許、特許出願及び刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載を優先するものとする。
【0115】
本発明は本明細書で以下に、以下の実験の部に含有される実施例によってより詳細に説明され;実施例は、例示的であるに過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0116】
原材料及び方法
PFPE−ジオールは、Solvay Specialty Polymers Italy S.p.A.によって入手した。
ヘキサフルオロベンゼン(HFB)は、Sigma−Aldrich Corp.によって入手した。
ヘキサフルオロキシレン(HFX)は、Miteni S.p.A.によって入手した。
水酸化カリウム(KOH)は、Sigma−Aldrich Corp.によって入手した。
エタノールアミンは、Sigma−Aldrich Corp.によって入手した。
イソブタノールは、Sigma−Aldrich Corp.によって入手した。
【0117】
19F−NMR及び
1H−NMRスペクトルは、
1Hに関しては499.86MHzで、
19Fに関しては470.30MHzで動作するAgilent System 500で記録した。
【0118】
実施例1−式(P−II)に従うポリマー(P)の合成
工程(a)
150gの式HOCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
a1(CF
2O)
a2CF
2CH
2OHのPFPE−ジオール
(EW=1006g/当量;149ミリ当量の−OH)と、76gのヘキサフルオロベンゼン(HFB)(MW=186;408ミリモル)と溶媒としての150gのヘキサフルオロキシレン(HFX)とを、窒素気流下に、機械撹拌機、冷却器及び温度計を備えた四口丸底フラスコに装入した。
【0119】
室温での激しい攪拌下に、11.8gの水酸化カリウム(KOH)(85%、粉末)を反応器に装入した。反応混合物を次に80℃で加熱し、
19F−NMR(−OCF
2CH
2OH化学シフト(基準:CFCl
3)=−81.5ppm、−83.5ppm)によってモニターして、アルコール鎖末端の完全転化までこの温度に保った。
【0120】
反応混合物を次に室温で冷却し、200gの水で洗浄した。有機層を分離し、過剰のHFB及びHFX溶媒を蒸留によって回収した。
【0121】
168gのPFPE中間体を得て、
19F−NMR及び
1H−NMRによってキャラクタリゼーションした。
【0122】
分析は、平均当量=1172及び比a1/a2=1.0の次の構造:
C
6F
5−OCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
a1(CF
2O)
a2CF
2CH
2O−C
6F
5
を確認した。
【0123】
分析
19F−NMR:−OCF
2CH
2OAr −79ppm;−81ppm
1H−NMR:−OCF
2CH
2OAr 4.6ppm
IR:1506cm
−1(フルオロ芳香環)
【0124】
工程(b)
機械撹拌機、冷却器及び温度計を備えた四口丸底フラスコに、31gのエタノールアミン(MW=61;508ミリモル)と、70gのHFXと70gの上に開示された工程(a)に従って製造されたPFPE中間体(EW=1172g/当量;60ミリ当量)とを窒素気流下に装入した。
【0125】
室温での激しい攪拌下に、7.9gの水酸化カリウム(KOH)粉末(85%、120ミリモル)を反応混合物に添加し、反応混合物を次に80℃で加熱し、この温度で6時間保った。追加の2gのKOH粉末(85%)を添加し、反応混合物を、反応を完了させるためにさらなる2時間反応させた。
【0126】
反応混合物を次に室温で冷却し、混合物水/イソブタノール(それぞれ、100g+30g)で洗浄した。有機層を分離し、65gの同じ水/イソブタノール混合物で再び洗浄し、次に溶媒HFXを80℃で真空下に蒸留した。
【0127】
68gの次の構造:
を有する最終生成物PFPE−アミンを得た。
【0128】
分析
アミノエタノール基による芳香族部分(−C
6F
5−)のモノ置換は、次の通り確認された:
19F−NMR分析は、領域150−160ppmにシグナルを示した;
1H−NMR分析は、1:1比でPFPE−CF
2CH
2O−Ar及びAr−OCH
2CH
2NH
2のシグナル(c.s.=それぞれ、4.6及び4.1ppm)を示した;
HClでの電位差滴定は、1300に等しい−NH
2基の当量を与える。
【0129】
実施例2−式(P−II)に従うポリマー(P)の合成
機械撹拌機、冷却器及び温度計を備えた四口丸底フラスコに、20gの2−アミノエトキシエタノール(MW=105;186ミリモル)と、25gのHFXと25gの上に開示された実施例1の工程(a)に従って製造されたPFPE中間体(EW=1172g/当量;60ミリ当量)とを窒素気流下に装入した。
【0130】
次に、実施例1、工程(b)に記載された手順に従い、20.6gの最終生成物PFPE−アミンを得て、
19F−NMR及び
1H−NMRによってキャラクタリゼーションした。それらは、次の構造:
H
2N−CH
2CH
2OCH
2CH
2O−C
6F
5−OCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
a1(CF
2O)
a2CF
2CH
2O−C
6F
5−OCH
2CH
2OCH
2CH
2−NH
2を確認する。
【0131】
実施例3−式(P−IV)に従うポリマー(P)の合成
工程(a)
20gの式:
HOCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
a1(CF
2O)
a2CF
2CH
2OHのPFPE−ジオール
(EW=515g/当量;38.8ミリ当量の−OH)と、3.63gのヘキサフルオロベンゼン(MW=186;19.9ミリモル)と20gの溶媒としてのヘキサフルオロキシレン(HFX)とを、窒素気流下に、機械撹拌機、冷却器及び温度計を備えた四口丸底フラスコに装入した。
【0132】
3.1gの水酸化カリウム(85%、粉末;47ミリモル)を添加し、反応混合物を80℃で2時間加熱し、次に室温で冷却することによって実施例1、工程(a)に開示された手順に従った。
【0133】
6.0gのヘキサフルオロベンゼンを次に添加し、温度を80℃で再び上げ、アルコール鎖末端の完全転化まで攪拌下に維持した。
【0134】
反応混合物を次に室温で冷却し、41gの水で洗浄した。有機層を分離し、過剰のヘキサフルオロベンゼン及びHFX溶媒を蒸留によって回収した。
【0135】
22.4gのPFPE誘導体を得て、
19F−NMR及び
1H−NMRによってキャラクタリゼーションした。分析は、平均分子量=2720及びa1/a2=1.0を有する、次の構造:
を確認した。
【0136】
工程(b)
機械撹拌機、冷却器及び温度計を備えた四口丸底フラスコに、8.0gのエタノールアミン(MW=61;131ミリモル)と、20gのHFXと20gの上に開示された実施例3の工程(a)に従って製造されたPFPE中間体(MW=2720g/当量;7.36ミリモル)とを窒素気流下に装入した。
【0137】
次に、実施例1、工程(b)に記載された手順に従い、19.9gの最終生成物PFPE−アミンを得て、
19F−NMR、
1H−NMR及び電位差滴定によってキャラクタリゼーションし、それらは、次の構造:
を確認した。
【0138】
実施例4−式(P−IV)に従うポリマー(P)の合成
機械撹拌機、冷却器及び温度計を備えた四口丸底フラスコに、12.0gの2−(ジメチルアミノ)エタノール(MW=89;135ミリモル)と、20gのHFXと20gの上に開示された実施例3の工程(a)に従って製造されたPFPE中間体(EW=2720g/当量;7.36ミリモル)とを窒素気流下に装入した。
【0139】
次に、実施例3、工程(b)に記載された手順に従い、19.8gの最終生成物PFPE−アミンを得て、
19F−NMR、
1H−NMR及び電位差滴定によってキャラクタリゼーションした。それらは、次の構造:
を確認する。
【0140】
実施例5−双性イオン基を含むポリマー(P−D2)の合成
機械撹拌機、冷却器及び温度計を備えた四口丸底フラスコに、18.6gの実施例4に開示された手順に従って得られたPFPE−アミノポリマー(MW=2925;6.36ミリモル)と、2.3gのクロロ酢酸ナトリウム(MW=116;20ミリモル)と、20gのエタノールと1.0mlの水とを装入した。
【0141】
温度を80℃まで上げ、8時間攪拌下に反応させた。室温で冷却後に、20gのHFXと、20mlの水と10gのイソブチルアルコールとを、有機相の及び水相の分離が観察されるまで、反応混合物へ添加した。下方の有機相を回収し、溶媒を真空下に蒸発させ、残留物として19.2gの生成物を残した。
【0142】
1H−NMR及び
19F−NMRによるキャラクタリゼーションは、次の構造:
を確認した。