(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914847
(24)【登録日】2021年7月16日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】セグメンテーション選択システム及びセグメンテーション選択方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20210727BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-549427(P2017-549427)
(86)(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公表番号】特表2018-509229(P2018-509229A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】IB2016051454
(87)【国際公開番号】WO2016151428
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2019年3月12日
(31)【優先権主張番号】62/138,075
(32)【優先日】2015年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/169,577
(32)【優先日】2015年6月2日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】バーラト,シャム
(72)【発明者】
【氏名】タマセビ マラゴーシュ,アミール モハンマド
(72)【発明者】
【氏名】ロベール,ジャン−リュック
(72)【発明者】
【氏名】ビンネカンプ,ディルク
【審査官】
森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−523772(JP,A)
【文献】
特開2002−191601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00−8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメンテーション選択システムであって:
対象を撮像する撮像エネルギを送受信するように構成されるトランスデューサ;
受信した撮像データを処理し、処理済み画像データを生成するように構成される少なくとも1つの信号プロセッサ;
入力データの1つ以上の特徴に基づいて、前記対象についての複数のセグメンテーションを生成するように構成されるセグメンテーション・モジュールであって、前記対象についての複数のセグメンテーションを生成するために使用される入力データは、Bモード画像を生成するために使用される未処理の無線周波数データであるとすることが可能であり、前記処理済み画像データであるとすることが可能であり、且つ前記未処理の無線周波数データ及び前記処理済み画像データの組み合わせであるとすることが可能である、セグメンテーション・モジュール;
前記複数のセグメンテーション各々の画像を前記Bモード画像に重ねて表示するディスプレイ;及び
前記複数のセグメンテーションのうちタスクを実行するための基準に合致するものを少なくとも1つ選択するように構成される選択メカニズム;
を有するセグメンテーション選択システム。
【請求項2】
前記トランスデューサは超音波トランスデューサを含み、前記少なくとも1つの信号プロセッサはBモード・プロセッサを含む、請求項1に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項3】
前記撮像データは、信号対雑音比データ、コントラスト・データ、テクスチャ・データ、及び/又は、エッジ検出データのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項2に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項4】
前記処理済み画像データは、統計モデル比較データを含む、請求項2に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項5】
前記セグメンテーション・モジュールは、入力データ及びセグメンテーション・メトリックの1つ以上の組み合わせに基づいて、前記対象についての複数のセグメンテーションを生成する、請求項1に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項6】
前記選択メカニズムは、プログラムされた基準に基づいて、タスクを実行するための基準に最も合致するセグメンテーションを自動的に選択するように構成される画像プロセッサを含む、請求項1に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項7】
前記撮像データ及び/又は前記処理済み画像データの特徴又は特徴の組み合わせの選択をユーザーに許容し、前記複数のセグメンテーションを生成し、前記基準に最も合致するセグメンテーションをマニュアルで選択するグラフィカル・ユーザー・インターフェースを含む、請求項1に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項8】
前記画像はBモード画像上で同時に又は順番にのうち何れかで表示される、請求項1に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項9】
セグメンテーション選択システムであって:
対象を撮像する超音波エネルギを送受信するように構成される超音波トランスデューサ;
受信した撮像データを処理し、処理済み画像データを生成するように構成されるBモード・プロセッサ;
入力データ及びセグメンテーション・メトリックの1つ以上の組み合わせに基づいて、前記対象についての複数のセグメンテーションを生成するように構成されるセグメンテーション・モジュールであって、前記入力データはBモード画像用に圧縮される前の未処理の無線周波数データであるとすることが可能であり、前記処理済み画像データであるとすることが可能であり、且つ前記未処理の無線周波数データ及び前記処理済み画像データの組み合わせであるとすることが可能である、セグメンテーション・モジュール;及び
撮像データ及び/又は処理済み画像データの特徴又は特徴の組み合わせの選択をユーザーに許容し、前記Bモード画像に重ねて表示される前記複数のセグメンテーションのうちタスクを実行するための基準に合致するセグメンテーションを選択するグラフィカル・ユーザー・インターフェース;
を有するセグメンテーション選択システム。
【請求項10】
前記入力データは、未処理の無線周波数データ、包絡線検出データ、及び/又は、Bモード・ディスプレイ・データのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項11】
前記セグメンテーション・メトリックは、統計モデル、信号対雑音比データ、コントラスト・データ、テクスチャ・データ、及び/又は、エッジ検出データのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項12】
プログラムされた基準に基づいて、タスクを実行するための基準に最も合致するセグメンテーションを自動的に選択するように構成される画像プロセッサを含む、請求項9に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項13】
前記複数のセグメンテーションの画像を表示するディスプレイを更に有し、前記画像はBモード画像上で同時に又は順番にのうち何れかで表示される、請求項9に記載のセグメンテーション選択システム。
【請求項14】
セグメンテーション選択方法であって:
対象を撮像する撮像エネルギを受信するステップ;
受信した画像データを処理し、処理済み画像データを生成するステップ;
入力データの1つ以上の特徴に基づいて、前記対象についての複数のセグメンテーションを生成するステップであって、前記入力データは、Bモード画像を生成するために使用される未処理の無線周波数データであるとすることが可能であり、前記処理済み画像データであるとすることが可能であり、且つ前記未処理の無線周波数データ及び前記処理済み画像データの組み合わせであるとすることが可能である、ステップ;
前記複数のセグメンテーション各々の画像を前記Bモード画像に重ねて表示するステップ;及び
前記複数のセグメンテーションのうちセグメンテーション基準に合致するものを少なくとも1つ選択するステップ;
を有するセグメンテーション選択方法。
【請求項15】
選択するステップは、プログラムされた基準に基づいてセグメンテーションを自動的に選択することを含む、請求項14に記載のセグメンテーション選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は医療機器に関連し、
特に、撮像アプリケーションのための画像コンポーネント・セグメンテーションのためのシステム、方法及びユーザー・インターフェースに関連する。
【背景技術】
【0002】
超音波(Ultrasound (US)は、低コストで使いやすい撮像モダリティであり、手続最中のリアルタイム・ガイダンス及び治療モニタリングに幅広く使用されている。超音波画像セグメンテーションは、寸法測定(例えば、主要の大きさ及び範囲)に対するステップとして、Bモード画像における臓器境界を抽出する臨床的要請により主になされる。US画像における臓器の幾何学的境界の外観は、主に、組織層同士の間の音響インピーダンスに依存する。低コストで使いやすいけれども、US-Bモード撮像は必ずしも解剖学的撮像に最も相応しいとは限らない。BモードUS画像は、磁気共鳴(MR)やコンピュータ・トモグラフィ(CT)等のような他の撮像モダリティと比較して、貧弱な信号対雑音比やバックグランド・スペックル・ノイズによる影響を被ってしまう。既存の超音波式セグメンテーション法は、メトリック計算部への入力として、Bモード画像からのピクセル(又は3Dではボクセル)情報を利用する(ここで、「メトリック(metric)」は計算される量を指し、例えば、信号対雑音比(SNR)、コントラスト、テクスチャ等である)。
【0003】
US-Bモード画像は、Bモード画像のアイソエコー・ピクセル値(isoechoic pixel values)に起因する、臓器とその直近周辺の組織との間の貧弱なコントラストの問題にも悩まされる(例えば、前立腺-膀胱の間、前立腺-直腸壁の間などにおけるコントラストである)。これは多くの既存の自動セグメンテーション法のロバスト性を制限する。マニュアル・セグメンテーションは可能性のある唯一の代案として残るが、この方法で達成可能な精度は、臨床医の技術レベルに大きく依存する。マニュアルUSセグメンテーションにおけるオペレータ間の変動性は、5mmのオーダーであり、そのダイス係数(the Dice coefficient)(類似度の尺度)は、MRIセグメンテーションに対するものより20-30%低い。
【発明の概要】
【0004】
本原理によれば、セグメンテーション選択システムは、対象を撮像する撮像エネルギを送受信するように構成されるトランスデューサを含む。信号プロセッサは、受信した撮像データを処理し、処理済み画像データを生成するように構成される。セグメンテーション・モジュールは、撮像データ及び/又は処理済み画像データの特徴又は特徴の組み合わせに基づいて、対象についての複数のセグメンテーションを生成するように構成される。選択モジュールは、複数のセグメンテーションのうちタスクを実行するための基準に最も合致するものの少なくとも1つを選択するように構成される。
【0005】
別のセグメンテーション選択システムは、対象を撮像する超音波エネルギを送受信するように構成される超音波トランスデューサを含む。Bモード・プロセッサは、受信した撮像データを処理し、処理済み画像データを生成するように構成される。セグメンテーション・モジュールは、入力データ及びセグメンテーション・メトリックの1つ以上の組み合わせに基づいて、対象についての複数のセグメンテーションを生成するように構成される。グラフィカル・ユーザー・インターフェースは、撮像データ及び/又は処理済み画像データの特徴又は特徴の組み合わせの選択をユーザーに許容し、複数のセグメンテーションを生成し、タスクを実行するための基準に最も合致するセグメンテーションを選択する。
【0006】
セグメンテーション選択方法は、対象を撮像する撮像エネルギを受信するステップ;受信したデータを画像処理し、処理済み画像データを生成するステップ;未処理の撮像データ及び/又は処理済み画像データの特徴又は特徴の組み合わせに基づいて、対象についての複数のセグメンテーションを生成するステップ;及び、複数のセグメンテーションのうちセグメンテーション基準に最も合致するものの少なくとも1つを選択するステップ;を含む方法である。
【0007】
本開示のこれら及び他の目的、特徴及び利点は本発明の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになり、実施形態は添付図面に関連して解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は以下の図面に関連する好適な実施形態についての以下の詳細な説明を与える。
【
図1】一実施形態によるセグメンテーション選択モジュールを有する撮像システムを示すブロック/フロー図。
【
図2】一実施形態により複数のセグメンテーションを生成するセグメンテーション選択モジュールに対する信号入力又はデータを示すブロック/フロー図。
【
図3】選択基準を提供してセグメンテーションを選択する一実施形態による例示的なグラフィカル・ユーザー・インターフェースを示す図。
【
図4】一実施形態によるセグメンテーション選択方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本原理によれば、システム及び方法は、単独の撮像モダリティ(例えば、超音波(US))の複数のセグメンテーションから最適なセグメンテーションを推定するように提供される。複数のセグメンテーションは、例えば、未処理のビーム加算US無線周波数(RF)データ及び/又はその他のデータ・マトリクスを、Bモード(ブライトネス・モード(brightness mode))のパイプラインとともに、様々なセグメンテーション・メトリックに関連して使用しても良い。手動的及び自動的の双方の方法は、最適なセグメンテーションを選択するために、ユーザー・インターフェースを通じてユーザーにより選択可能であって良い。
【0010】
超音波Bモード画像は、未処理RFデータの包絡線を検出し、その後に、対数圧縮及びスキャン変換を行うことにより、作成される。対数データ比較は、広範囲のエコーの同時可視化を許容する。しかしながら、これは画像コントラストにおける繊細な変化( subtle variations)を抑制してしまい、その繊細な変化は正確なセグメンテーションを達成するために極めて大切である。本原理によれば、セグメンテーション・メトリックの計算が、(通常のBモード・データの生成に先行する)様々なUSデータ形式で提供される。セグメンテーションは、(テクスチャ、コントラスト等のような)1つ以上のメトリックから導出される。データ・マトリクス及び使用されるセグメンテーションに基づいて、複数のセグメンテーション出力は、最適なセグメンテーションをマニュアルで又は自動的に選択する能力とともに、ユーザーに提示される。選択されたセグメンテーションは、ユーザーの観点からは如何なる複雑さも付加すること無く、スクリーン上で可視化されるBモード画像に重ね合わせられる。概して、未処理のRFデータは、検査対象の器官及び組織間の境界に関する情報を潜在的に豊富に有する。Bモード画像を補足するように、セグメンテーション・プロセスで幾つもの異なるデータ・ストリームを関わらせることは、スペックル・ノイズに敏感ではない更に正確なセグメンテーションをもたらすことが可能である。このように、事前に対数圧縮されたデータに関するマルチ・チャネル・セグメンテーション・メトリックの演算が提供される。本原理はセグメンテーション・アルゴリズムの精度及び堅牢性を増進し、それにより、臨床ワークフローを改善及び合理化する。
【0011】
本発明はUS撮像のための医療機器の観点から説明されているが;本発明の教示は、更に広範囲に及ぶものであり、モダリティのために複数のセグメンテーション選択肢を提供することが可能な任意の撮像モダリティに適用可能であることが、理解されるべきである。或る実施形態では、本原理は、複合的な生態系又は力学系を追跡又は分析する際に使用されて良い。特に、本原理は、生態系のプロシジャの内的な追跡に適用可能であり、例えば、肺、消化管、排出器官、血管などのような身体の全てのエリアにおけるプロシジャを含んで良い。図面に示される要素は、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組み合わせで実現されても良く、単独の要素又は複数の要素で組み合わせられる機能を提供する。
【0012】
図面に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェアを利用することにより提供されることが可能であるだけでなく、適切なソフトウェアに関連するソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを利用することによっても提供されることが可能である。プロセッサにより提供される場合、機能は、単独の専用プロセッサ、単独の共有されるプロセッサ、又は、幾つかは共有されることが可能な複数の個別的なプロセッサにより提供されることが可能である。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアに対して排他的に言及しているように解釈されるべきではなく、黙示的に、ディジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを保存するリード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、不揮発性ストレージ等を含むことが可能であるが、これらの例に限定されない。
【0013】
更に、本発明の原理、態様及び実施形態に加えてそれらの特定の具体例を示す本願における全ての記述は、構造及びその構造と機能的に等価なものの双方を包含するように意図される。更に、そのような等価物は、現在知られている等価物に加えて将来的に開発される等価物の双方を含む(即ち、構造によらず、同一機能を実行するように開発された任意の要素が含まれる)ように意図される。従って、例えば、本願で示されるブロック図は、本発明の原理を組み込む例示的なシステム・コンポーネント及び/又は回路の概念図を表現していることが、当業者に認められるであろう。同様に、任意のフロー・チャート及び流れ図等は様々なプロセスを表現することが認められるであろう:そのプロセスは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体において実質的に表現され、及び、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かによらず、そのようなコンピュータ又はプロセッサにより実行される。
【0014】
更に、本発明の実施形態は、コンピュータ又は何らかの命令実行システムにより又はそこで使用するプログラム・コードを提供するコンピュータ利用可能な又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラム・プロダクトの形態をとることが可能である。本説明の目的に関し、コンピュータ利用可能な又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスにより又はそこで使用するプログラムを包含、保存、通信、伝達又は転送する任意の装置であるとすることが可能である。媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線的又は半導体的なシステム(又は装置又はデバイス)又は伝送媒体であるとすることが可能である。コンピュータ読み取り可能な媒体の具体例は、半導体又はソリッド・ステート・メモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク及び光ディスクを含む。光ディスクの現時点の具体例は、コンパクト・ディスク-リード・オンリ・メモリ(CD-ROM)、コンパクト・ディスク-リード/ライト(CD-R/W)、ブルーレイ(登録商標)及びDVDを含む。
【0015】
本開示の「一実施形態」又は「実施形態」及びそれらの他の変形に対する明細書中での言及は、その実施形態に関連して説明される特定の性質、構造、特徴などが、本原理の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、「一実施形態において」又は「実施形態において」及びそれらの他の何らかの変形に関する言い回しが本明細書を通じて様々な箇所に登場するが、それらは必ずしも全て同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0016】
例えば「A/B」、「A及び/又はB」及び/又は「A及びBのうち少なくとも何れか」という場合の「/」、「及び/又は」及び「のうちの少なくとも何れか」の何れの使用も、第1に掲げられた選択肢(A)のみの選択、第2に掲げられた選択肢(B)のみの選択、又は、双方の選択肢(A及びB)の選択を包含するように意図されていることが、認められるべきである。別の例として、「A、B及び/又はC」及び「A、B及びCのうちの少なくとも何れか」と言う場合、そのような言い回しは、第1に掲げられた選択肢(A)のみの選択、又は、第2に掲げられた選択肢(B)のみの選択、又は、第3に掲げられた選択肢(C)のみの選択、又は、第1及び第2に掲げられた選択肢(A及びB)のみの選択、又は、第1及び第3に掲げられた選択肢(A及びC)のみの選択、又は、第2及び第3に掲げられた選択肢(B及びC)のみの選択、又は、3つ全ての選択肢(A及びB及びC)の選択を包含する。これらのことは、いわゆる当業者に認められるように、より多数の事項が列挙される場合に拡張されて良い。
【0017】
同様な番号は同じ又は類似する要素を表現する図面に関し、先ず
図1を参照すると、本原理により構成される超音波撮像システム10がブロック図形式で示されている。超音波システム10は、超音波を送信してエコー情報を受信するトランスデューサ・アレイ14を有するトランスデューサ・デバイス又はプローブ12を含む。トランスデューサ・アレイは、例えばリニア・アレイ又はフェーズド・アレイとして構成されても良く、更に、圧電エレメント又は容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(capacitive micromachined ultrasonic transducers:CMUT)エレメントを含むことが可能である。トランスデューサ・アレイ14は、例えば、2D及び/又は3D撮像に関する仰角及び方位角寸法の双方でスキャニングを行うことが可能なトランスデューサ・エレメントの二次元配列を含むことが可能である。
【0018】
トランスデューサ・アレイ14はプローブ12内のマイクロビームフォーマ16に結合され、マイクロビームフォーマ16は、アレイのトランスデューサ・エレメントによる信号の送信及び受信を制御する。マイクロビームフォーマ16は、フレキシブル・トランスデューサ・デバイス12と一体化されても良く、更に、送/受(T/R)スイッチ18に結合され、T/Rスイッチ18は、送信及び受信の間で切り替わり、メイン・ビームフォーマ22を高エネルギ送信信号から保護する。或る実施形態では、T/Rスイッチ18及びシステム内の他のエレメントが、別個の超音波システム・ベース内ではなくトランスデューサ・プローブに包含されることが可能である。マイクロビームフォーマ16の制御の下でのトランスデューサ・アレイ14からの超音波ビームの送信は、T/Rスイッチ18及びビームフォーマ22に結合される送信コントローラ20により方向付けられ、送信コントローラ20は、ユーザー・インターフェース又はコントロール・パネル24のユーザーの操作から入力を受信する。
【0019】
送信コントローラ20により制御される働きの1つは、ビームがステアリングされる方向である。ビームは、トランスデューサ・アレイ14から(それに垂直に)真っ直ぐにステアリングされ、或いは、幅広い視野角をもたらすために様々な角度でステアリングされる。マイクロビームフォーマ16により生成される部分的なビームフォーミング信号は、メイン・ビームフォーマ22に結合され、メイン・ビームフォーマ22では、トランスデューサ・エレメントの個々のパッチからの部分的なビームフォーミング信号が、完全なビームフォーミング信号にコンバインされる。
【0020】
ビームフォーミングされた信号は信号プロセッサ26に結合される。信号プロセッサ26は、受信したエコー信号を様々な方法で処理することが可能であり、例えば、ベースバンド・フィルタリング、デシメーション、I及びQコンポーネント分離、及び、高調波信号分離などが可能である。信号プロセッサ26は、スペックル低減、信号複合化(signal compounding)及びノイズ削減などのような追加的な信号強調を実行しても良い。処理された信号は、Bモード・プロセッサ28又は他モード・プロセッサ(例えば、Mモード・プロセッサ29)に結合され、そのプロセッサは体内構造の撮像のために振幅検出を利用することが可能である。モード・プロセッサ28,29により生成された信号は、スキャン・コンバータ30及びマルチプレーナ再フォーマット部(a multiplanar reformatter)32に結合される。スキャン・コンバータ30は、エコー信号が受信された空間的な関係におけるエコー信号を、所望の画像フォーマットに構成する。例えば、スキャン・コンバータ30は、エコー信号を、二次元(2D)セクター形状フォーマット又はピラミッド状三次元(3D)画像に構成しても良い。マルチプレーナ再フォーマット部32は、身体の或る体積領域内の共通平面(a common plane)上の地点から受信されるエコーを、その平面の超音波画像に変換することが可能である。
【0021】
ボリューム・レンダリング部34は、3Dデータ・セットのエコー信号を、所与のリファレンス・ポイントから見えるような投影された3D画像に変換する。2D又は3D画像は、スキャン・コンバータ30、マルチプレーナ再フォーマット部32及びボリューム・レンダリング部34から、画像プロセッサ36へ結合され、画像ディスプレイ38における表示のために、更なるエンハンスメント、バッファリング及び一時的な保存を行う。グラフィックス・プロセッサ40は、超音波画像とともに表示するためのグラフィック・オーバーレイを生成することが可能である。これらのグラフィック・オーバーレイ又はパラメータ・ブロックは、例えば、患者名、撮像の日時、撮像パラメータ、フレーム・インデックス等のような情報を識別するスタンダードを含むことが可能である。これらの目的のために、グラフィックス・プロセッサ40は、例えば、タイプされる患者名などのような入力を、ユーザー・インターフェース24から受信する。ユーザー・インターフェース24は、複数のマルチプレーナ再フォーマット(multiple multiplanar reformatted (MPR))画像の表示の選択及び制御のためにマルチプレーナ再フォーマット部32に結合されることも可能である。
【0022】
本原理によれば、超音波データは取得されてメモリ42に保存される。メモリ42は、中央付近に配置されるように描かれているが;メモリ42は信号経路により任意の場所でデータを保存してやり取りを行って良い。アレイ14のエレメントのポジションに応じてビーム・ステアリング信号(BeamSteer)を修正するフィードバックにより、補正(Corrections)が利用されても良い。
【0023】
ディスプレイ38は、対象(患者)又はボリュームの内部画像を見るために含まれている。ディスプレイ38は、システム10及びそのコンポーネント及び機能又はシステム内の他の任意のエレメントとの相互作用を、ユーザーに許容する。これはインターフェース24により更に促され、インターフェース24は、キーボード、マウス、ジョイスティック、触覚デバイスを含んでも良く、或いは、システム10からのユーザー・フィードバック及びシステム10との相互作用を許容する他の任意のペリフェラル又はコントロール部を含んでも良い。
【0024】
超音波Bモード画像は、Bモード・プロセッサ28から出力され、及び、超音波Bモード画像は、未加工RFデータの包絡線(又はエンベロープ)を検出し、その後にスキャン・コンバータ30により対数圧縮及びスキャン変換を行うことにより、作成される。Bモード・プロセッサ28による対数データ圧縮は、エコーの広範囲に及ぶ同時可視化を許容する。
【0025】
超音波Mモード画像は、Mモード・プロセッサ29から出力される。Mモード画像は、処理され(例えば、圧縮され)、スキャン・コンバータ30によるスキャン変換のために送られる。Mモード(モーション・モード)超音波では、Aモード又はBモードの画像が連続画像を記録するために撮像される場合に、速やかな連続形式でパルスが放出される。臓器境界はプローブ12への反射を生じるので、これは、特定の臓器構造の速度を決定するために使用されることが可能である。
【0026】
セグメンテーション・メトリックの計算は、(通常のBモード・データ又はMモード・データの生成に先立つ)様々なUSデータ形式で提供され、セグメンテーション・モジュール50により受信される。セグメンテーション・モジュール50は、USデータから測定される1つ以上のメトリック(例えば、テクスチャ、コントラスト等)から生成される複数のセグメンテーション画像を導出する。データ・マトリクス及び使用されるセグメンテーション・メトリックに基づいて、複数のセグメンテーション出力が、ディスプレイ38での表示のために、画像プロセッサ36(又はグラフィックス・プロセッサ40)を利用して生成される。セグメンテーション出力は、画像プロセッサ36(又はグラフィックス・プロセッサ40)により生成されるグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)52でユーザーに提示される。
【0027】
セグメンテーション出力は、最適なセグメンテーションを手動で又は自動的に選択する可能性とともに、ユーザーに提示される。選択されるセグメンテーションは、画像プロセッサ36(又は、グラフィックス・プロセッサ40)によりディスプレイ38で可視化されるBモード画像に重ねられる。Bモード処理28に先行して提供される未処理RFデータ(或いは、信号処理26より前であっても、未処理RFデータ)は、検査対象の臓器又は領域、及び、組織間の境界についての情報を潜在的に豊富に含む。セグメンテーション・モジュール50により、いくつかの異なるデータ・タイプをセグメンテーション・プロセスに導入することは、Bモード・プロセッサ28からのBモード画像を補足することが可能であり、更に、スペックル・ノイズ又は他の画像劣化現象に敏感でない更に正確なセグメンテーションをもたらすことが可能である。従って、事前の対数圧縮データに関するマルチ・チャネル・セグメンテーション・メトリックの計算は、セグメンテーション・アルゴリズムの精度及びロバスト性を増進することが可能であり、それにより、臨床ワークフローを改善及び合理化をする。
【0028】
画像プロセッサ36は、最適なセグメンテーションのユーザー選択に備えて、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)又は他の選択メカニズム52を生成するように構成される。セグメンテーション・モジュール50は、当面のアプリケーションに対する最適なセグメンテーションを決定するために、入力データ及びセグメンテーション・メトリックの複数の組み合わせから生じる様々なセグメンテーション出力を提供する。最適性は、セグメント化される臓器及び当面のタスクに基づいて、変動する可能性がある。入力データは、セグメンテーション・アルゴリズムにおけるUSデータの様々な形式を利用することに関連し、限定ではないが、例えば以下のものを可能性として包含する:包絡線検出及び対数圧縮前の未処理ビーム加算RFデータ(raw beam-summed RF data)、未処理ビーム加算RFデータから形成される包絡線検出データ、対数圧縮されずに形成されたBモード画像、対数圧縮及び他のフィルタの適用無しに形成されたBモード画像、通常のBモード画像、Mモード画像等である。セグメンテーション・メトリックは、例えば、信号対雑音比(SNR)、コントラスト、テクスチャ、モデル駆動アルゴリズム等のような組織領域を特徴付けるように使用される量を指す。場合によっては、最適性は、ユーザーにより決定される主観的尺度(a subjective measure)であるとすることが可能である。
【0029】
取得される様々なセグメンテーションは、最適なセグメンテーションのマニュアル選択に備えて、例えばGUI52を介してディスプレイ38でユーザーに提示される。最適セグメンテーションの自動選択も、本願で説明されるように、想定されている。画像プロセッサ36(又はグラフィックス・プロセッサ40)は、セグメンテーションの可視化をもたらす。ユーザーが最良のセグメンテーションを選択できるように、様々なセグメンテーション出力が、オリジナルBモード画像に重ね合わせられる。一実施形態において、画像プロセッサ36は、様々なセグメンテーション結果を周期的に自動的に循環する。別の実施形態では、全ての出力が、カラー・コード又は他の視覚的なフォーマットで同時に可視化されても良い。最適なセグメンテーションの自動選択が実行される場合には、選択される最適なセグメンテーションが、ディスプレイ38に示されるBモード画像に重ね合わせられる。
【0030】
図2に関し、ブロック/フロー図は、セグメンテーション・モジュール50に対する2つの入力群を例示的に示し、その場合において、入力データ102及びセグメンテーション・メトリック104が示されている。セグメンテーション・モジュール50に対する入力は、US-Bモード画像形成のパイプラインを示し、パイプラインの様々なステージで非圧縮データが使用される。入力データ102及びセグメンテーション・メトリック104の特定の組み合わせが、特定の器官部位やUSシステム能力等に対する「最適な」セグメンテーションを提供する。入力データ102は、未処理RFデータ106(
図1のBモード・プロセッサ28に先行する信号経路の何処かの場所からのもの)、包絡線検出データ108(信号包絡線(搬送波)からのもの)、及び、Bモード画像又は画像データ(Bモード・ディスプレイからのもの)を含んでいても良い。Mモード画像又はデータ115(又は他の画像モード)が入力データとして使用されても良い。Bモード又はMモード画像は、対数圧縮110を伴う又は伴わないスキャン変換112から導出されても良い。セグメンテーション・メトリック104は、統計モジュール116又はUS撮像ボリューム、SNR118、コントラスト120、テクスチャ122、エッジ検出124、又は、何らかの他の画像特徴を含んでいても良い。
【0031】
入力データ102に関し、使用されるデータの対数圧縮は、セグメンテーション・メトリック104の計算に関して取得される情報の全範囲を利用することを回避する。複数のセグメンテーションが準備され、その複数のセグメンテーションから、「最適な」又は「最良の」セグメンテーションが、セグメンテーション・モジュール50により選択されることが可能である。この選択は自動的に又は手動で為されることが可能である。
【0032】
最適セグメントの自動選択の場合、適切な基準が規定されて良い。可能性のある基準の具体例は、例えば、以下のものを含んで良い:セグメント化されるボリュームは少なくとも「x」cm
3であるか否か?;セグメント化されたボリュームは、事前に注釈が付された生体構造のランドマークを含んでいるか?;セグメント化されたボリュームは、平均母集団ベースのセグメンテーション・モデル(the mean population-based segmentation model)から、「x」%より大きく相違しているか?;セグメント化された形状は、平均母集団ベースの形状モデルから、「x」%より大きく相違しているか?;等である。セグメンテーションを生成するために使用されていないメトリックが、セグメンテーションの品質を評価するために使用されても良い。
【0033】
最適なセグメンテーションのマニュアル選択のために、様々なセグメンテーションが、それらをBモード画像に重ね合わせることにより、ユーザーに提示されることが可能であり、例えば、全てのセグメンテーションが重ね合わせられ、その各々が異なる色/線のスタイルを有するものであっても良いし、所与の何らかの時点で単独のセグメンテーションが重ね合わせられ、マウスのクリック及び/又はキーボードのショートカットにより、利用可能なセグメンテーション全体を通じて循環させる能力をユーザーに持たせても良い。
【0034】
図3を参照すると、一実施形態による例示的なGUI52が示されている。GUI52は画像パネル202を含み、その画像は、重ね合わせられた候補セグメンテーション204,206を含む。各々の候補セグメンテーション204,206は、Bモード画像205に重ね合わせられて示される。候補セグメンテーション204,206は、同時に又は順番に(或いはそれらの何らかの組み合わせにより)全て示される。ユーザーは、チャック・ボックス208,210,212,214,216で、セグメント化される臓器のような入力ファクタを選択しても良い。ユーザーは、チェック・ボックス218,220,222を選択することにより、セグメンテーションが実行されるデータを選択しても良い。ユーザーは、チェック・ボックス224,226,228を選択することにより、セグメンテーションを実行するために何れのセグメンテーション・メトリックが使用されるかについてのデータを選択しても良い。最終的なセグメンテーションは、ボタン230を押すことにより選択されても良い。
【0035】
セグメンテーションが自動化された方法で実行される場合、入力ファクタ各々の組み合わせから生じるセグメンテーションは、「最適な」セグメンテーションの選択に関し、ユーザーに示される。セグメンテーションがユーザーによりマニュアルで実行される場合、(例えば、ビーム加算RF画像、包絡線検出画像、フィルタリングした及びしていないBモード画像などのような)複数の画像が順番にユーザーに表示される。ユーザーは、表示された画像についてマニュアル・セグメンテーションを実行し、それを受け入れる又は拒否する選択肢を有する。ユーザーは、オペレーションの自動又はマニュアル・モードを選択しても良い。最適なセグメンテーションがユーザーにより選択された後に、「セグメンテーション確定」ボタン230をクリックすることにより、セグメンテーションは確定される。
【0036】
図3に示されるGUI52は例示を目的としているに過ぎないことが理解されるべきである。インターフェースは、より豊富な機能を包含するように必要に応じて発展又は拡張されて良い。GUI52における特徴のタイプ及び配置は、必要に応じて又は望まれるように変更され又は並べ替えられて良い。追加的なボタン又は制御部が使用されても良いし、或いは、幾つかのボタン又は制御部が除外されてもよい。
【0037】
本原理は、様々な分野でアプリケーションが見出されるセグメンテーション技術を提供する。正確な画像レジストレーションをもたらす正確なセグメンテーションの応用例は、例えば、放射線治療の適応治療プランニング、施術中の治療モニタリング(例えば、近接照射療法、RFアブレーション等)、リアル・タイム生体検査ガイダンス等のような分野で有用性が見出される。US撮像の観点から説明されているが、本原理によるセグメンテーション選択の形態は、USではない他の撮像モダリティにも使用されて良いことが、理解されるべきである。例えば、セグメンテーション選択は、MRI、CT又は他の撮像モダリティに使用されても良い。
【0038】
本実施形態は、介入装置の追跡技術(例えば、EMトラッキング、超音波トラッキング)を補足する改善された臓器セグメンテーション能力を提供するために使用されても良い。また、セグメンテーション法及びユーザー・インターフェースは、未処理データへのユーザー・アクセスを提供する必要無しに、既存の市販のシステムに組み込まれることが可能である。本原理による自動化されたセグメンテーション能力は、臨床で利用可能な任意の撮像システム、特にUS撮像システムにおいて、改善された精度とともに活用されて良い。
【0039】
図4を参照すると、例示的な実施形態によるセグメンテーション選択法が示されている。ブロック302において、対象を撮像するための撮像エネルギが受信される。撮像エネルギは超音波を含んで良いが、他の撮像モダリティ及びエネルギ・タイプが利用されても良い。ブロック304において、受信したデータが画像処理され、処理された画像データを生成する。処理された画像データは、対数圧縮又はその他のフィルタリング又は圧縮を含んでいても良い。処理は、データを変換するスキャン及び/又はBモード処理を含んでも良い。処理の他の形態も想定されている。
【0040】
ブロック306において、未処理撮像データ及び/又は処理済み撮像データの特徴又は特徴の組み合わせに基づいて、対象について複数のセグメンテーションが生成される。未処理撮像データは、未処理の無線周波数データ、包絡線検出データ、信号対雑音比、コントラスト・データ、テクスチャ・データ、エッジ検出データ等を含んでいても良い。処理済み撮像データは、統計モデル比較、圧縮されたデータ、変換されたデータ、Bモード処理されたディスプレイ・データ等を含んでも良い。
【0041】
セグメンテーションは、互いに異なるセグメンテーションを生成するために、未処理データ及び処理済みデータの様々な組み合わせに基づいて生成されても良い。複数のセグメンテーションの生成は、入力データ及びセグメンテーション・メトリックの1つ以上の組み合わせに基づく複数のセグメンテーションの生成を含んでも良い。例えば、或るセグメンテーションは、特定のセグメンテーション・メトリック及び特定のタイプの入力データを利用して生成されても良い。入力データは、未処理RFデータ、包絡線検出データ、Bモード表示データ等を含んでよい。セグメンテーション・メトリック情報は、統計モデル比較データ、信号対雑音データ、コントラスト・データ、テクスチャ・データ、エッジ検出データ等を含んで良い。別のセグメンテーションは、入力データをセグメンテーション・メトリックと組み合わせても良いし、或いは、入力データの組み合わせ形態を、セグメンテーション・メトリックの形態と組み合わせても良い。一例として、未処理RFデータは、セグメンテーションを生成するために、コントラスト及びテクスチャ・データと組み合わせられても良い。その他の組み合わせも想定されている。
【0042】
ブロック308において、複数のセグメンテーションのうちセグメンテーション基準に最も合致するものの少なくとも1つが選択される。選択の基準は、望まれる利用形態又は自動的な基準を含んでも良い。未処理撮像データ及び/又は処理済み画像データの特徴又は特徴の組み合わせは、複数のセグメンテーションを生成するために使用されても良い。セグメンテーションは、ユーザーが決めた基準に最も合致するものがマニュアルで選択されても良いし、或いは、(例えば、コントラスト、ピクセル閾値、統計的モデル形状に最も合致する画像などのような)プログラムされた基準に基づいて、自動的に選択されても良い。
【0043】
ブロック310において、グラフィカル・ユーザー・インターフェースが生成され、複数のセグメンテーションを表示する。セグメンテーションは好ましくはBモード画像(バックグランド)上に表示され、セグメンテーション画像は、ユーザーの好みに応じて同時に又は順番に表示される。
【0044】
ブロック312において、選択されたセグメンテーションは、施術プロシジャ又は他のタスクを実行するために使用される。
【0045】
添付の特許請求の範囲を解釈する場合において:
a)「有する(comprising)」という言葉は、所与の請求項に列挙されているもの以外の他の要素又は動作の存在を排除しておらず;
b)「或る(“a” or “an”)」という要素に先行する言葉は、そのような要素が複数個存在することを排除しておらず;
c)請求項における如何なる参照符合も請求項の範囲を限定するものではなく;
d)幾つもの「手段」が、同じアイテム又はハードウェア又はソフトウェア実現式の構造又は機能により表現されても良く;及び
e)明示的に指示されない限り、特定の処理シーケンスが必要とされるようには意図されてない。
【0046】
以上、最適な超音波式臓器セグメンテーションの好ましい実施形態を説明してきたが(実施形態は例示であって限定ではないように意図されている)、上記の教示に照らせば、修正及び変形が当業者によって為されることが可能である点に留意すべきである。従って、開示された特定の実施形態において変更が為されても良いことが理解されるべきであり、そのような変更は、添付の特許請求の範囲で言及されるような本開示の実施形態の範囲内に属する。特許法で求められる詳細及び特殊性を説明してきたが、特許によって保護されることが望まれる対象は、添付の特許請求の範囲に記載されている。