(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914910
(24)【登録日】2021年7月16日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】3次元マップにおいて峡部を特定するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/35 20210101AFI20210727BHJP
A61B 5/367 20210101ALI20210727BHJP
【FI】
A61B5/35
A61B5/367
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-502332(P2018-502332)
(86)(22)【出願日】2016年4月1日
(65)【公表番号】特表2018-510048(P2018-510048A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(86)【国際出願番号】EP2016057237
(87)【国際公開番号】WO2016156578
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2019年3月18日
(31)【優先権主張番号】1552901
(32)【優先日】2015年4月3日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513318548
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・ドゥ・ロレーヌ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE LORRAINE
(73)【特許権者】
【識別番号】516195225
【氏名又は名称】サントル・オスピタリエ・レジオナル・ドゥ・ナンシー
【氏名又は名称原語表記】CENTRE HOSPITALIER REGIONAL DE NANCY
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ シユー,クリスチャン
【審査官】
永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−237882(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第101292870(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0243012(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を実行するように構成された処理ユニットによって、心腔の異なる刺激点について得られた、心室頻脈を除く、いくつかの表
面心電
図ECGから、心腔の3次元マッピング
で峡部を特定する方法であって、前記工程が
a)2つの刺激点の表
面心電
図ECGを比較することによって、それぞれの2つの刺激点について相関係数を判定するステップと;
b)前記相関係数と前記3Dマッピングにおける前記刺激点の3D座標とに基づいて流域線を特定するステップと;
c)前記流域線を実質的に横切る3Dコリドーに基づいて前記峡部を判定するステップである前記方法。
【請求項2】
ステップa)の前に、前記3Dマッピングにおいて重なり合ういくつかのボリュームを構成するステップが実行され、これらのボリュームがすべての刺激点を含み、ステップa)が、各前記ボリュームの刺激点の間で実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)およびステップb)の少なくとも1回の反復が実施され、各反復において、先の前記反復で特定された前記流域線に近い新しい刺激点が使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記表面心電
図ECGが、12のリード表面心電
図ECGであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記相関係数が、前記12のリード表面心電
図ECGに由来するQRS波形から判定されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記相関させることが、「テンプレートマッチング」と呼ばれるBARDアルゴリズムに従って実施されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップa)が、さらに、これらの刺激点間の前記相関係数のレベルの関数として、刺激点の群を特定するためのステップを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
同一の色で表示画面に1つおよび同じ前記群の前記1セットの刺激点を表示することによって、前記群を特定することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
心腔の3次元マッピングにおいて峡部を特定するためのシステムであって、
−心腔の異なる刺激点について得られた、心室頻脈を除く、いくつかの表
面心電
図ECGを生成するための心電計と、
−以下のステップ:
a)2つの刺激点の表
面心電
図ECGを比較することによって、それぞれの2つの刺激点について相関係数を判定するステップと;
b)前記相関係数と前記3Dマッピングにおける前記刺激点の3D座標とに基づいて流域線を特定するステップと;
c)前記流域線を実質的に横切る3Dコリドーに基づいて前記峡部を判定するステップと;
を実行するよう構成される処理ユニットと
を含むシステム。
【請求項10】
さらにアブレーションカテーテルを含むことを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、3次元マッピングにおいて峡部を特定する方法およびシステムに関する。これは、例えば、心室頻脈の間の心リズムの乱れの分野において特に有用な用途を有する。
【0002】
1990年代の開始以来、また急速なリズム障害に対する胸腔内アブレーション用に高周波エネルギーを使用し始めて以来、アブレーションの効能はすべてのリズム障害に徐々に拡大されてきた。
【0003】
実際、介入的な心リズムの専門家はリズム障害を治療しているが、その機構はますます複雑になり、不整脈の背景因子を特定するために、アブレーションカテーテルの位置決めを正確に空間的に表す必要性に加えて、最終的に、空間的および時間的データを統合する必要性が付加されている。
磁気共鳴画像法(MRI)に関連する3Dマッピングシステムは、介入的な心リズムの専門家にとって非常に重要な手段を構成している。これらのシステムは、所与の患者に対して、「調整された」アブレーションが必要な複雑な不整脈の背景因子を特定するのに相当補助していることを表すものである。
【0004】
これらのシステムによりなされる補助は、不整脈の背景因子を理解して空間的な指標を付けることだけでなく、アブレーションカテーテルを正確に配置することも関与する。進歩のもう1つの要素は、これらのシステムがクリーンな技術でX線を使用しないため、患者とさらに電気生理学チーム双方がX線に曝される時間を短縮することに関係する。
【0005】
正常な機能では、心房は心室に心拍リズムをもたらしている。後者は、肺または身体の他の器官のいずれかに血液を出すために、心房から血液を受け取り、同期した様式で収縮する。心房レベルでの電気パルスにより、この収縮が可能になっている。心室頻脈は、心房からではなく、2つの心室のうちの1つの筋肉のレベルで電気パルスが発生するときに生じる。心室頻脈(VT)は、急速な不整脈、すなわち、例えば180拍/分超という心臓の非常に速い加速である。心臓はもはや満たされず、その時心臓のポンプは空のまま拍動する。この貧弱な機能は別の不整脈、すなわち心室細動に悪化することがあり、心室細動は成功裏に迅速に治療しなければ心停止に至る可能性がある。
心室頻脈の起源には、
−拡張期脱分極現象、
−局所的な再興奮現象、および
−リエントリ現象
という3つの基本的な機構があり得ると考えられており、後者が最も頻度が高い。
【0006】
リエントリの概念は、遅い伝導領域が存在することを要する。
【0007】
一般に、心室頻脈の間に記録された心電図(ECG)を使用して診断が確立される。
ECGの目的は、心臓の全体的な電気的活動(心臓ベクトル)、つまり時間および空間における伝播を、いくつかのリード(電極対)で同時に収集することである。
【0008】
リードは、記録中に存在する電極対に相応する。各リードは、心臓活性化のベクトルの、一方向性の画像を与える。この画像は、リードへのベクトルの投影に相応する。
標準的なECGは、12〜18リードに心臓の活動を記録する。これは、
・末梢のリード、および
・前胸部のリード
という2つのカテゴリに分かれる。
【0009】
追跡は、最低限のものとして、12のメインのリード、すなわち、順に、3つの標準リード(I、II、III)、3つの単極肢リード(aVR、aVL、aVF)、およびV1からV6までの6つの前胸部のリードを含んでいなければならない。
12誘導ECGは、各々がP波の隆起またはQRS群の急速な変化などの特定の形状を有する12の曲線のセットである。
QRS群は、心室の脱分極に対応する。平均持続時間は約0.08秒である。
【0010】
予防処置としては、不整脈が始まった場合に電気パルスを発生させるべく、患者に植込まれる自動除細動器を使用することができる。
危機の数を減らすために、薬の治療も実施することができる。
最後に、リエントリの機構に関連している不整脈が関与する場合には、高周波アブレーションを行うことが可能である。この場合、不整脈の背景因子を形成する、低伝導領域を含む心室内回路への障壁を作り出すように、燃焼により破壊するこの低伝導領域を特定することが課題である。峡部とも呼ばれるこの不整脈の背景因子は、患者が心室頻脈であれば、電気生理学的探査中に、判定することができるものである。これは、高周波数の流れによって端部が加熱されるプローブにより焼灼し、制限することができる。検査は、3次元心臓マッピングシステムにより補助される。この技法は、有効性は高いが、再発のリスクを排除できず、原則として除細動器の植込みを省略することができない。
この種の梗塞後の峡部アブレーション技術が公知であり、それは表面のECGが実施され、次に心室頻脈エピソードの間に記録された基準ECGと比較される。そのような技法は、Chillouらによる、Heart Rhythm;2014 Feb;11(2):175−81の、「Localizing the critical isthmus of postinfarct ventricular tachycardia:the value of pace−mapping during sinus rhythm」という文献に記載されている。
【0011】
本発明の目的は、峡部を迅速に判定するための新規の方法である。
本発明の別の目的は、特に心室頻脈の誘発されたエピソードに耐えることができない患者であっても、完全に予防的な方法で峡部を特定することである。
【0012】
前述の目的の少なくとも1つは、
a)心腔の1セットの刺激点を相関させるステップであって、各刺激点は、例えば洞リズムにおいて、心室頻脈を除く、表面の心電図(ECG)に続いて得られる一連の信号によって表されるステップと、
b)上記の相関の結果と3Dマッピングにおける刺激点の3D座標とに基づいて流域線を特定するステップと、
c)流域線を実質的に横切る3Dコリドーに基づいて峡部を判定するステップと
を実行するように構成された処理ユニットによって、心腔の3次元マッピングで峡部を特定する方法で達成される。
本発明は、
a)心腔の1セットの刺激点を相関させるステップであって、各刺激点は、例えば洞リズムにおいて、心室頻脈を除く、表面の心電図(ECG)に続いて得られる一連の信号によって表されるステップと、
b)上記の相関の結果と3Dマッピングにおける刺激点の3D座標とに基づいて流域線を特定するステップと、
を実行するように構成された処理ユニットによって、心腔の3次元マッピングで流域線を特定する方法に関するようにし得る。
「心室頻脈を除く」という表現は、当業者には明らかな表現であり、心室頻脈(VT)ではないベースのリズムに従ってECGが取得されることを意味する。VTを除くリズムは、ほとんどの場合洞リズムの可能性があるが、心房細動、ペースメーカなどによって電気的に制御されるリズムでもあり得ることは、当業者に公知である。
【0013】
流域線は、近接するもの同士の間の相関の急な変化に相応する。
本発明による方法では、一般に心室頻脈の心電図である基準心電図は使用しない。後者は時間がかかり患者を危険に曝すという欠点を有する。
異なる点の間を相関させることによって、相関レベル間の急な地理的変動を示すことが可能になり、この急な地理的変動領域は、電気伝導が非常に低い領域に相応する。
本発明によれば、刺激点は、心電図を得るために刺激される患者の心臓内の部位である。これらの点は、心腔の全ボリュームに亘ってランダムに選択することができるが、体系的に判定することもできる。
【0014】
本発明の有利な特徴によれば、ステップa)の前に、3Dマッピングでいくつかの重なり合うボリュームを構成するステップが実行される。これらのボリュームは、1セットの刺激点を含み、ステップa)が、各ボリュームの刺激点の間で実行される。
このようにして、点の系統群が構成される。各系統群において、他のすべてに対する各点の相関係数、またはこれらの近接するものだけに対する各点の相関係数から、計算が実行される。点は、いくつかのボリュームまたは系統群の一部であることができ、そのため心腔全体の連続性を保証している。
【0015】
本発明の有利な実施形態によれば、実施時間を節約するために、心腔のすべてを等しくは刺激しない。本発明によれば、好ましくは、ステップa)およびステップb)の少なくとも1回の反復を実施することができる。各反復において、先の反復で特定された流域線の近くに新しい刺激点が追加される。このようにして、峡部を正確に特定することを可能にする領域である流域線の周りで、最大相関係数が計算される。他の領域には刺激点がほとんど含まれていない可能性がある。
反復して実行することで、最初に幅広い特定をし、次第に正確になることが可能になる。反復を停止する基準は、持続時間、刺激点の数、または所定の反復回数であり得る。
【0016】
好ましくは、前述の信号は、表面のECGの12のリードに対応することができる。
【0017】
本発明の有利な実施形態によれば、相関させることは、前述の信号に由来するQRS群に対して実行される。この場合、第1のステップは、信号のQRS群を特定することであってもよい。これにより、計算の速度を向上させることができ、その結果、峡部を特定するための手順全体の速度が向上する。
特に、相関させることは、「テンプレートマッチング」と呼ばれるBARDアルゴリズムまたは対応する図に従って実施することができる。この方法は、特に、Gerstenfeld EPらのJ Am Coll Cardiol 2003;41:2046−53の文献「Quantitative Comparison of Spontaneous and Paced 12−Lead Electrocardiogram During Right Ventricular Outflow Tract Ventricular Tachycardia」に記載されている。
これは、12誘導ECG群の形態を比較することに関与する。Bard法は、2つの12誘導心電図を客観的な基準で比較することを可能にする数値の計算を定める。
【0018】
相関係数CORRは通常の方法で計算される。2つの完全に反対の波形の場合、相関係数はCORR=−1である。2つの同一波形の場合、相関係数はCORR=1である。各々が他方の領域の3分の1を含む、類似した形態の2つの波形は、相関係数CORR=1を有する。
12誘導ECG群のような複数の波形を比較する場合、式は
【数1】
になる。
式中、XおよびYは、比較される2つの信号を表すnの長さのベクトルである。相関係数CORRは、一般に、完全に反対の波形の場合の−1から、同一の信号の場合の+1まで変化する。
【0019】
本発明の特徴によれば、ステップa)は、さらに、これらの刺激点間の相関のレベルの関数として、刺激点の群を特定するためのステップを含む。
系統群の最初の分布は地理的分布のみである。この場合、相関係数のレベルが基準として用いられる。好都合なことに、同一の色で表示画面に1つおよび同じ群の1セットの刺激点を表示することによって、群を特定する。カラーコードを判定し、相互に高い相関係数を有する群を表示することが可能になる。これにより、視覚での容易な峡部の特定が可能になる。
【0020】
本発明の別の態様によれば、心腔の3次元マッピングにおいて峡部を特定するためのシステムが提案され、このシステムは、
−身体のいくつかの点を刺激することによって心電図を生成するための心電計と、
−以下のステップ、
a)心腔の1セットの刺激点を相関させるステップであって、各刺激点は、心室頻脈を除く、表面の心電図(ECG)に続いて得られる一連の信号によって表されるステップ、
b)上記の相関の結果と3Dマッピングにおける刺激点の3D座標とに基づいて流域線を特定するステップ、
c)流域線を実質的に横切る3Dコリドーに基づいて峡部を判定するステップ
を実行するよう構成される処理ユニットと
を含む。
さらに、このシステムは、アブレーションカテーテルを好都合にも含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の他の利点および特徴は、決して限定されない実施形態の詳細な説明および添付図面を検討することによって明らかになるであろう。
図1は、心室頻脈の場合の電気回路を示す心腔の3次元の表現である。
図2は、特定されるべき峡部を曝すリエントリの電気回路の簡素化した概略図である。
図3〜5は、心腔内の1セットの刺激点の概略図である。これらの異なる図面は、異なる刺激点間のペアの相関の異なる段階を示して、高度に相関する刺激点の間に群を形成することを可能にする密度のマップを構成している。
図6は、峡部を横切ってアブレーションをする領域の表示を伴う、心室頻脈回路を示す概略図である。
図7は、相関操作を経る2つの心電図の概略図である。
図8は、本発明による方法を実施するためのシステムの非常に簡素化した概略図である。
【0022】
先行技術では、基準ECGを有するように心室頻脈エピソードを誘発することが時に必要であった。次いで、これを他の洞リズムECG(正常心機能)と比較した。本発明では、時に人工的に誘発されるこのエピソードが回避される。実際、これは恒久的なペースメーカまたは除細動器を装備した患者にとっては複雑化する可能性がある。
本発明は、
図1に見られるように、心臓の3次元表現を有することを可能にする3Dマッピングのシステムに関与する。特に、左心室1が、全体として区別されている。これは、先立つ梗塞の後遺症を呈している患者の、左心室の振幅のマッピングである。健全な領域は、マッピングに描かれた回路2の外に完全に現れ、梗塞の後遺症は完全にこの回路2内に現れている。
【0023】
回路2は、
図2にさらに明確に示されている。この回路は、頻脈のエピソード時の脱分極前部の経路を示す。すべての心室頻脈は、8の数字を形成する二様のループの形をなすリエントリ回路2により表すことができ、2つのループ3および4は、峡部を画定する障壁5および6の周りに逆方向で循環している脱分極前部のシートである。峡部は、マッピングされた不整脈の、不整脈背景因子を形成する中央の領域7である。
心室頻脈の治療は、峡部のアブレーションを行うことに相当する。より正確には、峡部の一部を高周波の波によって焼灼し、そこに裂け目を生じさせて、そのため脱分極波の伝播を妨げるようにする。
本発明は、特に、アブレーション領域を先行の心室頻脈ECGに頼らずに判定するという事実に関して優れている。
これを行うために、心腔のいくつかの点を刺激するために約10秒間カテーテルが使用される。各刺激点で、12誘導ECGが得られる。
図2は、これらの点のランダムな分布を示している。
図2〜
図6に示されている回路2は先験的に知られていない。単に理解を促すために表されている。点の分布はランダムなこともあるが、例えば、表面またはボリュームを均一に覆うような、規則的な、特に既定の様式で得ることもある。したがって、分布は、均質であり得るか、生理学的基準の関数として定義できる。
第2のステップでは、地理的に近いいくつかの点をまとめて群化する。このように構成されたこれらの群は、重なり合っていてもよく、そのため1つの点は複数の群に属することができる。各群は、互いに地理的に近くにある点の系統群である。
図3では、例えば4つの系統群13、14、15および16が見られる。
系統群の各対について相関係数を判定する。この目的のために、各刺激点に関連する12のリードを考慮に入れながら、Bard法を用いる。したがって、系統群16に関して
図4で非常に図式的に見られるように、異なる刺激点間の繋がりに関する、密度のマッピングが確立される。各系統群において、段階的に相関係数を判定することを可能にする技法を利用することができ、系統群のすべての対について必ずこの係数を計算するわけではない。
図7は、洞リズムにおける2つの点の刺激後に得られる、2つの心電図の2セットの信号が見られることを示す。先行技術とは異なり、先立つ心室頻脈に由来する基準ECGは今回使用しない。ECGは互いに、好ましくは系統群で、または一般的な方法で比較される。
次いで、実質的に同じ密度を有する点、すなわち上記で構成された系統群と独立して、強く共に繋がっている点が特定される。このようにして、群17と18について、
図5に示すように、点の群が共に強く繋がっている。
図5には、流域線8が特定されている。すなわち、急な傾斜が注目される場所であり、2つの群17と18との間の本質的な相違である。これは、2つの隣接する群を分離する「断崖」として表すことができる。これは、流域線についての技法、または間の繋がりが最も弱い2つの隣接する群を検出することを可能にする任意の他の技法によって行われる。この断崖は低伝導領域に相応している。
理想的には、流域線8は焼いて消失させる領域である。
図6において、峡部は、流域線8に対して実質的に垂直な領域である。峡部を分断するのを可能にするアブレーションは、流域線とは異なる任意の他の場所で行ってもよい。
正確に流域線を計算するのに刺激点が十分でない場合、示された領域(複数可)の周りの他の刺激点を取得して、確実に流域線を計算する。
【0024】
図8は、本発明の実施を可能にするシステムを概略的に示す。少なくとも1つのマイクロプロセッサ、メモリスペース、外部周辺機器への通信カード、入出力コンポーネント、および表示手段を備えた処理ユニット9が見られる。この処理ユニットは、マッピング装置10に接続され、この装置は一方の端部が患者の心腔の異なる部位に配置され得るカテーテル11を備える。また、マッピング装置10は、3Dマッピングを生成し、したがって12誘導ECGを生成するための電極(図示せず)に接続される。
カテーテルは、心腔の任意の点を刺激することを可能にする。また、高周波アブレーションを実行することもできる。
【0025】
3Dマッピングを生成するために、電磁放射線源が使用される。これは、患者が位置する診察台の下に位置する三角形のフレームの頂点に配置される。電磁センサの1つ(空間的な基準)が、皮膚用パッチに組み込まれる。これは、蛍光透視の下、患者の背中のレベルで、心陰影と反対側に位置する。他のセンサは、検査中にマッピングされる心腔の心内膜の表面のレベルで、異なる点に移動されるアブレーションカテーテルの遠位端のレベルに組み込まれる。このカテーテルの動きは、モニタ上で、リアルタイムで観察することができる。所与の心腔におけるカテーテルの新たな各位置において、その位置は、モニタ上に現れる点の形態で取得することができる。このようにして得られた点は、異なる点の間に仮想上の面を作成するコンピュータプログラムによって自動的に共に繋げられ、その累算により、マップされる心腔の心内膜の輪郭に正確に沿った3次元の幾何学的形状が得られる。カテーテルには電極が設けられ、これは心腔の仮想での再構成を形成する各点のレベルで、双極性および単極性の内腔内信号を得ることを可能にする。したがって、得られた信号の双極または単極性の振幅に相関するカラーコーディングを使用して、検査した心腔の振幅のマッピングを得ることが可能である。
図8には、12誘導ECGの製造を可能にする電気生理学的ラック12も示されている。
【0026】
当然、本発明は、上述してきた例に限定されず、本発明の範囲を越えることなく、これらの例に対して多くの調整を加えることができる。本発明は、任意選択的に磁気共鳴画像法を加えることができる心腔の3Dマッピングと、1セットの刺激点である洞リズムのECGとを入力で受信する処理ユニットからなることができる。処理ユニットの出力は、流域線が重畳して表示されている心腔の画像とすることができる。この流域線は、空間座標のセットの形で表すことができ、アブレーションに使用することができる。
本発明による方法は、心室頻脈の間の12誘導ECGの利用可能性とは無関係に、梗塞後心室頻脈の峡部の特定を、好都合にも可能にする。今後は、多数の梗塞後の患者用のカテーテルを用いた高周波アブレーションによる予防処置を行うことが可能である。