特許第6914921号(P6914921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6914921吸引及び栄養供給システム、方法、及び装置のためのデュアルポートチューブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914921
(24)【登録日】2021年7月16日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】吸引及び栄養供給システム、方法、及び装置のためのデュアルポートチューブ
(51)【国際特許分類】
   A61J 15/00 20060101AFI20210727BHJP
   A61M 39/24 20060101ALI20210727BHJP
   A61M 31/00 20060101ALI20210727BHJP
   A61M 39/02 20060101ALI20210727BHJP
   A61M 25/14 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   A61J15/00 Z
   A61J15/00 A
   A61M39/24
   A61M31/00
   A61M39/02 114
   A61M25/14 518
   A61J15/00 B
【請求項の数】26
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2018-515002(P2018-515002)
(86)(22)【出願日】2016年9月22日
(65)【公表番号】特表2018-531670(P2018-531670A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】US2016053075
(87)【国際公開番号】WO2017053546
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2019年9月5日
(31)【優先権主張番号】62/221,845
(32)【優先日】2015年9月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517075274
【氏名又は名称】コーパック メドシステムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノルドキスト、ジェフリー・エス
(72)【発明者】
【氏名】コエルパー、クリスタル
(72)【発明者】
【氏名】パーネル、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ダウレル、バーナード
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0018320(US,A1)
【文献】 米国特許第02867213(US,A)
【文献】 特開2010−137043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 15/00
A61M 25/14
A61M 31/00
A61M 39/02
A61M 39/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃チューブシステム(104)において使用するためのYコネクタ(106)であって、
流体を体腔から外部に吸引するための吸引アーム(508)、前記吸引アーム(508)に取り付けられる一方向バルブ(650、650a)、流体を外部から前記体腔に送達するための送達アーム(504)、及び前記送達アームと前記吸引アームがそこから分岐する合流アーム(510)を含み、前記吸引アーム(508)と、前記送達アーム(504)と、前記合流アーム(510)が協働して、前記YコネクタのY形状を形成し、前記吸引アーム(508)は前記送達アームとは非平行に延び、
前記吸引アーム(508)は、
近位端部(690)及び遠位端部(692)を有する、内部に流体チャンネルを画定する筒状部である吸引アームステム(608)と、
前記遠位端部(692)の近傍の外側端部領域と、
前記吸引アームステム(608)に対して軸方向に整列して、前記外側端部領域に結合される先細の中空ステムコネクタ(318a、b)とを含み、
前記中空ステムコネクタ(318a、b)は、前記外側端部領域に結合される基部と、出口端部(694)とを有し、かつ前記基部から前記出口端部(694)に向かうに従って減少する外径を有し、かつ前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)は、チューブ(112)の端部内に摩擦嵌合させることができるように構成され、
前記一方向バルブ(650、650a)は、前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)と前記吸引アームステム(608)の前記近位端部(690)との間に介在し、前記吸引アームステム(608)を通じて流体を前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記基部から前記出口端部(694)へ一方向に流すことができるように構成され、
前記送達アーム(504)は、
内部に流体チャンネルを画定する筒状部である送達アームステム(604)と、
外側端部領域と、
前記外側端部領域に設けられたねじ式小口径コネクタ(618)とを含み、
前記合流アーム(510)は、
状部である合流アームステム(620)を含みかつ
前記合流アームステム(620)内に画定され、マルチルーメンチューブ(108)を受容することができるように構成された接続ポート(630)と、
前記接続ポート(630)に連通し、前記合流アーム(510)から近位側への経路となる縮径した連結チャンネル(642)を画定する内部環状ネック(640)であって、前記マルチルーメンチューブ(108)を前記合流アーム(510)に圧入結合または摩擦結合させるための結合部としての役割を果たす、該内部環状ネック(640)とを含み、
流体を外部から前記体腔に送達するときには、前記送達アームステム(604)から前記送達アームステム(604)に画定された流体チャンネルと、前記合流アームステム(620)に画定された合流流体チャンネルとを通して流体が送達され流体を前記体腔から外部に吸引するときには、前記合流流体チャンネルと、前記吸引アームステム(608)に画定された流体チャンネルとを通して流体が吸引されるように構成されたことを特徴とするYコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のYコネクタ(106)であって、
第1の材料から作製された内側コア(610)と、
第2の材料から作製された被覆層(614)とをさらに備え、
前記被覆層(614)は、該Yコネクタ(106)の本体部分の少なくとも一部を取り囲むことを特徴とするYコネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のYコネクタ(106)であって、
前記被覆層(614)は、前記内側コア(610)の少なくとも一部を取り囲むことを特徴とするYコネクタ。
【請求項4】
請求項2に記載のYコネクタ(106)であって、
前記第1の材料は、硬いプラスチック材料であることを特徴とするYコネクタ。
【請求項5】
請求項2に記載のYコネクタ(106)であって、
前記第2の材料は、柔軟な材料であることを特徴とするYコネクタ。
【請求項6】
請求項2に記載のYコネクタ(106)であって、
前記第1の材料は、透明なコポリエステルであり、
前記第2の材料は、半透明の熱可塑性エラストマーであることを特徴とするYコネクタ。
【請求項7】
請求項1に記載のYコネクタ(106)であって、
前記先細の中空ステムコネクタ(318a、b)の前記外径は、段階的に減少することを特徴とするYコネクタ。
【請求項8】
請求項1に記載のYコネクタ(106)であって、
前記先細の中空ステムコネクタ(318a、b)の前記外径は、一定に直線的に減少することを特徴とするYコネクタ。
【請求項9】
請求項1に記載のYコネクタ(106)であって、
前記合流アーム(510)の前記接続ポート(630)は、4.667mm(14フレンチ)ないし6mm(18フレンチ)の範囲の径を有するマルチルーメンチューブ(108)を受容することができるように構成されていることを特徴とするYコネクタ。
【請求項10】
請求項1に記載のYコネクタ(106)であって、
前記送達アーム(504)を密閉することができるように構成された第1のキャップ(540)と、
前記吸引アーム(508)の前記先細の中空ステムコネクタ(318a、b)を密閉することができるように構成された第2のキャップ(562)とをさらに備えることを特徴とするYコネクタ。
【請求項11】
請求項10に記載のYコネクタ(106)であって、
前記第1のキャップ(540)は、該第1のキャップ(540)を前記送達アーム(504)の周りにその周方向に回転させることができるように構成された第1のテザー(532)によって前記送達アーム(504)に取り付けられており、
前記第2のキャップ(562)は、該第2のキャップ(540)を前記吸引アーム(508)の周りにその周方向に回転させることができるように構成された第2のテザー(532)によって前記吸引アーム(508)に取り付けられていることを特徴とするYコネクタ。
【請求項12】
請求項10に記載のYコネクタ(106)であって、
前記第2のキャップ(562)は、前記先細の中空ステムコネクタ(318a、b)の全表面を覆うように嵌合させることができるように構成されていることを特徴とするYコネクタ。
【請求項13】
請求項10に記載のYコネクタ(106)であって、
前記第2のキャップ(562)は、前記先細の中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)を覆うように嵌合させることができるように構成されていることを特徴とするYコネクタ。
【請求項14】
請求項10に記載のYコネクタ(106)であって、
前記第2のキャップ(562)は、前記先細の中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)の中空部分内に摩擦嵌合させることができるように構成されたプラグ(560)を含むことを特徴とするYコネクタ。
【請求項15】
胃チューブシステム(104)であって、
Yコネクタ(106)と、
マルチルーメンチューブ(108)とを備えて構成され、
前記Yコネクタ(106)は、流体を体腔から外部に吸引するための吸引アーム(508)、前記吸引アーム(508)に取り付けられる一方向バルブ(650、650a)、流体を外部から前記体腔に送達するための送達アーム(504)、及び前記送達アームと前記吸引アームがそこから分岐する合流アーム(510)を含み、前記吸引アーム(508)と、前記送達アーム(504)と、前記合流アーム(510)が協働して、前記YコネクタのY形状を形成し、前記吸引アーム(508)は前記送達アームとは非平行に延び、
前記吸引アーム(508)は、
近位端部(690)及び遠位端部(692)を有する、内部に流体チャンネルを画定する筒状部である吸引アームステム(608)と、
前記遠位端部(692)の近傍の外側端部領域と、
前記吸引アームステム(608)に対して軸方向に整列して、前記外側端部領域に結合される先細の中空ステムコネクタ(318a、b)とを含み、
前記中空ステムコネクタ(318a、b)は、前記外側端部領域に結合される基部と、出口端部(694)とを有し、かつ前記基部から前記出口端部(694)に向かうに従って減少する外径を有し、かつ前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)は、チューブ(112)の端部内に摩擦嵌合させることができるように構成され、
前記一方向バルブ(650、650a)は、前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)と前記吸引アームステム(608)の前記近位端部(690)との間に介在し、前記吸引アームステム(608)を通じて流体を前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記基部から前記出口端部(694)へ一方向に流すことができるように構成され、
前記送達アーム(504)は、
内部に流体チャンネルを画定する筒状部である送達アームステム(604)と、
外側端部領域と、
前記外側端部領域に設けられたねじ式小口径コネクタ(618)とを含み、
前記合流アーム(510)は、
状部である合流アームステム(620)を含みかつ
前記合流アームステム(620)内に画定され、マルチルーメンチューブ(108)を受容することができるように構成された接続ポート(630)と、
前記接続ポート(630)に連通し、前記合流アーム(510)から近位側への経路となる縮径した連結チャンネル(642)を画定する内部環状ネック(640)であって、前記マルチルーメンチューブ(108)を前記合流アーム(510)に圧入結合または摩擦結合させるための結合部としての役割を果たす、該内部環状ネック(640)とを含み、
流体を外部から前記体腔に送達するときには、前記送達アームステム(604)から前記送達アームステム(604)に画定された流体チャンネルと、前記合流アームステム(620)に画定された合流流体チャンネルとを通して流体が送達され流体を前記体腔から外部に吸引するときには、前記合流流体チャンネルと、前記吸引アームステム(608)に画定された流体チャンネルとを通して流体が吸引されるように構成されており、
前記マルチルーメンチューブ(108)は、
前記Yコネクタ(106)の前記合流アーム(510)の接続ポート(630)に結合させることができるように構成された開放近位端部(310)と、
閉鎖遠位端部(314)と、
前記近位端部(310)から前記遠位端部(314)まで延在し、開放近位端部(340)及び遠位端部(344)を有し、前記遠位端部(344)に複数の開口部(360)が形成された第1のルーメン(320)と、
近位端部(350)及び遠位端部(354)を有する第2のルーメン(324)と、
前記第1のルーメン(320)及び前記第2のルーメン(324)を互いに隔てる壁部(330)と、を含み、
前記第2のルーメン(324)の前記遠位端部(354)は、前記第1のルーメン(320)及び前記第2のルーメン(324)間の前記壁部(330)に形成され、かつ前記第1のルーメン(320)の前記遠位端部(344)に空気を導入することができるように構成された流体連通開口部(370a)を有し、前記第1のルーメン(320)の前記遠位端部(344)と流体連通するように構成され、
前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)は、前記第1のルーメン(320)の前記近位端部(340)を越えて延出し、かつ大気と流体連通するように構成されており
前記マルチルーメンチューブは、長さ方向に延在するX線不透過性ストライプ部分(380)を有し、
前記複数の開口部(360)は、前記閉鎖遠位端部(314)の遠位端から予め定められた距離離間した位置において、前記X線不透過性ストライプ部分(380)を遮断するように設けられた位置決め孔(364)を含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15に記載の胃チューブシステム(104)であって、
前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)は、拡径部を有することを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項15に記載の胃チューブシステム(104)であって、
位置決めスタイレット(586)を含み、
前記位置決めスタイレット(586)は、
電極コネクタ(590)を有する第1の端部(592)と、
前記第1のルーメン(320)内に配置され前記第1のルーメン(320)の前記遠位端部(344)において位置決めされる第2の端部(598)であって、前記マルチルーメンチューブ(108)の前記第1のルーメン(320)を通して挿入された前記位置決めスタイレットが操作されることによって変位することができるように構成されたコイル(596)を有する、該第2の端部(598)と、
前記送達アーム(504)の小口径コネクタ(618)に結合させることができるように構成された結合デバイス(594)と、を含むことを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項15に記載の胃チューブシステム(104)であって、
前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)に設けられた逆流防止バルブ(110)をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項18に記載の胃チューブシステム(104)であって、
前記逆流防止バルブ(110)は、
頂部端部(810)と、
底部端部(820)と、
該逆流防止バルブ(110)を通じて流体を前記頂部端部(810)から前記第2のルーメン(324)へ一方向に流すことができるように構成された一方向バルブとを含むことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項18に記載の胃チューブシステム(104)であって、
前記逆流防止バルブ(110)は、
頂部端部(810)と、
底部端部(820)と、
流体の流れは遮るが気体の双方向への流れを可能にする膜を有する逆流防止フィルタハウジング(302)と、
前記逆流防止フィルタハウジング(302)を受容することができるように構成されたコネクタ(304)とを含むことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項19に記載の胃チューブシステム(104)であって、
前記逆流防止バルブ(110)の前記頂部端部(810)は、シリンジと結合させることができるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項22】
経腸栄養及び吸引システムであって、
流体源(144、204)と、
真空チューブにより互いに接続された真空装置(116)及び吸引容器(114)を含む吸引アセンブリ(112)と、
Yコネクタ(106)と、
マルチルーメンチューブ(108)と、
投与チューブセグメント(150、212)と、
吸引チューブセグメント(120)とを備えて構成され、
前記Yコネクタ(106)は、流体を体腔から外部に吸引するための吸引アーム(508)、前記吸引アーム(508)に取り付けられる一方向バルブ(650、650a)、流体を外部から前記体腔に送達するための送達アーム(504)、及び前記送達アームと前記吸引アームがそこから分岐する合流アーム(510)を含み、前記吸引アーム(508)と、前記送達アーム(504)と、前記合流アーム(510)が協働して、前記YコネクタのY形状を形成し、前記吸引アーム(508)は前記送達アームとは非平行に延び、
前記吸引アーム(508)は、
近位端部(690)及び遠位端部(692)を有する、内部に流体チャンネルを画定する筒状部である吸引アームステム(608)と、
前記遠位端部(692)の近傍の外側端部領域と、
前記吸引アームステム(608)に対して軸方向に整列して、前記外側端部領域に結合される先細の中空ステムコネクタ(318a、b)とを含み、
前記中空ステムコネクタ(318a、b)は、前記外側端部領域に結合される基部と、出口端部(694)とを有し、かつ前記基部から前記出口端部(694)に向かうに従って減少する外径を有し、かつ前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)は、チューブ(112)の端部内に摩擦嵌合させることができるように構成され、
前記一方向バルブ(650、650a)は、前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)と前記吸引アームステム(608)の前記近位端部(690)との間に介在し、前記吸引アームステム(608)を通じて流体を前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記基部から前記出口端部(694)へ一方向に流すことができるように構成され、
前記送達アーム(504)は、
内部に流体チャンネルを画定する筒状部である送達アームステム(604)と、
外側端部領域と、
前記外側端部領域に設けられたねじ式小口径コネクタ(618)とを含み、
前記合流アーム(510)は、
状部である合流アームステム(620)を含みかつ
前記合流アームステム(620)内に画定され、マルチルーメンチューブ(108)を受容することができるように構成された接続ポート(630)と、
前記接続ポート(630)に連通し、前記合流アーム(510)から近位側への経路となる縮径した連結チャンネル(642)を画定する内部環状ネック(640)であって、前記マルチルーメンチューブ(108)を前記合流アーム(510)に圧入結合または摩擦結合させるための結合部としての役割を果たす、該内部環状ネック(640)とを含み、
流体を外部から前記体腔に送達するときには、前記送達アームステム(604)から前記送達アームステム(604)に画定された流体チャンネルと、前記合流アームステム(620)に画定された合流流体チャンネルとを通して流体が送達され流体を前記体腔から外部に吸引するときには、前記合流流体チャンネルと、前記吸引アームステム(608)に画定された流体チャンネルとを通して流体が吸引されるように構成されており、
前記マルチルーメンチューブ(108)は、
前記Yコネクタ(106)の前記合流アーム(510)の接続ポート(630)に結合させることができるように構成された近位端部(310)と、
遠位端部(314)と、
近位端部(340)及び遠位端部(344)を有し、前記遠位端部(344)に複数の開口部(360)が形成された第1のルーメン(320)と、
近位端部(350)及び遠位端部(354)を有する第2のルーメン(324)と、
前記第1のルーメン(320)及び前記第2のルーメン(324)を互いに隔てる壁部(330)と、を含み、
前記第2のルーメン(324)の前記遠位端部(354)は、前記第1のルーメン(320)及び前記第2のルーメン(324)間の前記壁部(330)に形成され、かつ前記第1のルーメン(320)の前記遠位端部(344)に空気を導入することができるように構成された流体連通開口部(370a)を有し、前記第1のルーメン(320)の前記遠位端部(344)と流体連通するように構成され、
前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)は、前記第1のルーメン(320)の前記近位端部(340)を越えて延出し、大気と流体連通し、かつ拡径部を有するように構成されており、
前記マルチルーメンチューブは、長さ方向に延在するX線不透過性ストライプ部分(380)を有し、
前記複数の開口部(360)は、前記遠位端部(314)の遠位端から予め定められた距離離間した位置において、前記X線不透過性ストライプ部分(380)を遮断するように設けられた位置決め孔(364)を含み、
前記投与チューブセグメント(150、212)は、
前記流体源(144、204)に接続される第1の端部と、
前記Yコネクタ(106)の前記送達アーム(508)に接続される第2の端部とを有し、
前記吸引チューブセグメント(120)は、
前記吸引容器(114)に接続される第1の端部と、
前記吸引アーム(508)の前記先細の中空ステムコネクタ(318a、b)に接続される第2の端部とを有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項22に記載の経腸栄養及び吸引システムであって、
経腸栄養ポンプ(216)をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項22に記載の経腸栄養及び吸引システムであって、
前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)に設けられた逆流防止バルブ(110)をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項25】
経腸栄養及び胃圧緩和システムであって、
患者の胃からの逆流流体を回収することができるように構成された胃逆流物回収容器(230)と、
流体源(144、204)と、
Yコネクタ(106)と、
マルチルーメンチューブ(108)と、
投与チューブセグメント(150、212)と、
リリーフチューブセグメント(240)とを備えて構成され、
前記Yコネクタ(106)は、流体を体腔から外部に吸引するための吸引アーム(508)、前記吸引アーム(508)に取り付けられる一方向バルブ(650、650a)、流体を外部から前記体腔に送達するための送達アーム(504)、及び前記送達アームと前記吸引アームがそこから分岐する合流アーム(510)を含み、前記吸引アーム(508)と、前記送達アーム(504)と、前記合流アーム(510)が協働して、前記YコネクタのY形状を形成し、前記吸引アーム(508)は前記送達アームとは非平行に延び、
前記吸引アーム(508)は、
近位端部(690)及び遠位端部(692)を有する、内部に流体チャンネルを画定する筒状部である吸引アームステム(608)と、
前記遠位端部(692)の近傍の外側端部領域と、
前記吸引アームステム(608)に対して軸方向に整列して、前記外側端部領域に結合される先細の中空ステムコネクタ(318a、b)とを含み、
前記中空ステムコネクタ(318a、b)は、前記外側端部領域に結合される基部と、出口端部(694)とを有し、かつ前記基部から前記出口端部(694)に向かうに従って減少する外径を有し、かつ前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)は、チューブ(112)の端部内に摩擦嵌合させることができるように構成され、
前記一方向バルブ(650、650a)は、前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記出口端部(694)と前記吸引アームステム(608)の前記近位端部(690)との間に介在し、前記吸引アームステム(608)を通じて流体を前記中空ステムコネクタ(318a、b)の前記基部から前記出口端部(694)へ一方向に流すことができるように構成され、
前記送達アーム(504)は、
内部に流体チャンネルを画定する筒状部である送達アームステム(604)と、
外側端部領域と、
前記外側端部領域に設けられたねじ式小口径コネクタ(618)とを含み、
前記合流アーム(510)は、
状部である合流アームステム(620)を含みかつ
前記合流アームステム(620)内に画定され、マルチルーメンチューブ(108)を受容することができるように構成された接続ポート(630)と、
前記接続ポート(630)に連通し、前記合流アーム(510)から近位側への経路となる縮径した連結チャンネル(642)を画定する内部環状ネック(640)であって、前記マルチルーメンチューブ(108)を前記合流アーム(510)に圧入結合または摩擦結合させるための結合部としての役割を果たす、該内部環状ネック(640)とを含み、
流体を外部から前記体腔に送達するときには、前記送達アームステム(604)から前記送達アームステム(604)に画定された流体チャンネルと、前記合流アームステム(620)に画定された合流流体チャンネルとを通して流体が送達され流体を前記体腔から外部に吸引するときには、前記合流流体チャンネルと、前記吸引アームステム(608)に画定された流体チャンネルとを通して流体が吸引されるように構成されており、
前記マルチルーメンチューブ(108)は、
前記Yコネクタ(106)の前記合流アーム(510)の接続ポート(630)に結合させることができるように構成された近位端部(310)と、
遠位端部(314)と、
近位端部(340)及び遠位端部(344)を有し、前記遠位端部(344)に複数の開口部(360)が形成された第1のルーメン(320)と、
近位端部(350)及び遠位端部(354)を有する第2のルーメン(324)と、
前記第1のルーメン(320)及び前記第2のルーメン(324)を互いに隔てる壁部(330)と、を含み、
前記第2のルーメン(324)の前記遠位端部(354)は、前記第1のルーメン(320)及び前記第2のルーメン(324)間の前記壁部(330)に形成され、かつ前記第1のルーメン(320)の前記遠位端部(344)に空気を導入することができるように構成された流体連通開口部(370a)を有し、前記第1のルーメン(320)の前記遠位端部(344)と流体連通するように構成され、
前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)は、前記第1のルーメン(320)の前記近位端部(340)を越えて延出し、大気と流体連通し、かつ拡径部を有するように構成されており、
前記マルチルーメンチューブは、長さ方向に延在するX線不透過性ストライプ部分(380)を有し、
前記複数の開口部(360)は、前記遠位端部(314)の遠位端から予め定められた距離離間した位置において、前記X線不透過性ストライプ部分(380)を遮断するように設けられた位置決め孔(364)を含み、
前記投与チューブセグメント(150、212)は、
前記流体源(144、204)に接続される第1の端部と、
前記Yコネクタ(106)の前記送達アーム(508)に接続される第2の端部とを有し、
前記リリーフチューブセグメント(240)は、
前記胃逆流物回収容器(230)に接続される第1の端部と、
前記マルチルーメンチューブ(108)の前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)に接続される第2の端部とを有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項25に記載の経腸栄養及び胃圧緩和システムであって、
前記第2のルーメン(324)の前記近位端部(350)に設けられた逆流防止バルブ(110)をさらに備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、体腔への流体の投与、体腔からの流体の吸引、胃減圧の実施、胃逆流物の回収に用いられるシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタポートの使用が、複数の構成要素を用いて患者または治療を受ける他の人物または動物に対して1以上の種類の流体を送達または除去する様々な医療システムおいて一般的に必要とされる。このようなシステムの一例は、流体の栄養剤など(例えば、薬剤、洗浄溶液、胃洗浄液、または別の栄養剤)を一連のチューブセグメントを介して患者に送達する経腸栄養システムである。コネクタはまた、例えば、胃内容物または逆流した腸内分泌物の排出、胃から吸引した胃洗浄液の回収、または患者の胃腸管から排出される気体の減圧などのための、連続的または断続的な吸引にも使用することもできる。このようなシステムでは、患者に流体を送達する前、後、または送達中に断続的に、胃液を除去し回収することが望ましい。栄養供給、液体の吸引、胃減圧、残存量測定、及び/または投薬治療のための医療用チューブシステムに関する従来技術で用いられている現行のシステム及び方法は、本開示により向上させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、デュアルポートチューブ吸引及び栄養供給のための新規で進歩的なシステム、方法、及び装置を提供する。本開示の例示的な態様では、胃チューブシステムにおいて使用するためのYコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。
【0004】
上記の態様と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様では、胃チューブシステムは、Yコネクタと、マルチルーメンチューブとを備えて構成されている。前記Yコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。前記マルチルーメンチューブは、開放近位端部と、閉鎖遠位端部とを有する。前記マルチルーメンチューブの開放近位端部は、前記Yコネクタの前記合流アームの接続ポートに結合させることができるように構成されている。加えて、前記マルチルーメンチューブは、壁部によって互いに隔てられた第1のルーメン及び第2のルーメンを含む。前記第1のルーメンは、前記マルチルーメンチューブの前記近位端部から、前記マルチルーメンチューブの前記遠位端部まで延在する。前記第1のルーメンは、開放近位端部及び遠位端部を有し、前記遠位端部は複数の開口部を有する。さらに、前記第2のルーメンは、前記近位端部及び遠位端部を有する。前記第2のルーメンの前記遠位端部は、前記第1のルーメン及び前記第2のルーメン間の前記壁部に形成された流体連通開口部を有し、前記第1のルーメンの前記遠位端部と流体連通している。前記流体連通開口部は、前記第1のルーメンの前記遠位端部に空気を導入することができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記近位端部は、前記第1のルーメンの前記近位端部を越えて延出している。前記第2のルーメンの前記近位端部は、大気と流体連通している。
【0005】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様では、経腸栄養及び吸引システムであって、流体源と、吸引アセンブリと、Yコネクタと、マルチルーメンチューブと、投与チューブセグメントと、吸引チューブセグメントとを備えて構成されている。前記吸引アセンブリは、真空装置と、吸引容器とを含む。加えて、前記真空装置及び前記吸引容器は、真空チューブにより互いに接続されている。前記Yコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。前記マルチルーメンチューブは、近位端部及び遠位端部を有する。前記マルチルーメンチューブは、第1のルーメン及び第2のルーメンを含む。前記第1のルーメンは、近位端部及び遠位端部を有する。前記第1のルーメンの前記遠位端部は、少なくとも1つの開口部を有する、前記第1のルーメンの前記近位端部は、前記Yコネクタの前記合流アームの接続ポートに結合させることができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記遠位端部は、前記第1のルーメン及び前記第2のルーメン間の前記壁部に形成された流体連通開口部を有し、前記第1のルーメンの前記遠位端部と流体連通している。前記流体連通開口部は、前記第1のルーメンの前記遠位端部に空気を導入することができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記近位端部は、前記第1のルーメンの前記近位端部を越えて延出している。前記第2のルーメンの前記近位端部は、大気と流体連通している。また、前記第2のルーメンの前記近位端部は、拡径部を有する。前記投与チューブセグメントは、前記流体源に接続される第1の端部と、前記Yコネクタの前記送達アームに接続される第2の端部とを有する。前記吸引チューブセグメントは、前記吸引容器に接続される第1の端部と、前記吸引アームの前記先細の中空ステムコネクタに接続される第2の端部とを有する。
【0006】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様では、経腸栄養及び胃圧緩和システムは、胃逆流物回収容器と、流体源と、Yコネクタと、マルチルーメンチューブと、リリーフチューブセグメントとを備えて構成されている。胃逆流物回収容器は、患者の胃からの逆流流体を回収することができるように構成されている。前記Yコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。前記マルチルーメンチューブは、近位端部及び遠位端部を有する。前記マルチルーメンチューブは、第1のルーメン及び第2のルーメンを含む。前記第1のルーメンは、近位端部及び遠位端部を有する。前記第1のルーメンの前記遠位端部は、少なくとも1つの開口部を有する、前記第1のルーメンの前記近位端部は、前記Yコネクタの前記合流アームの接続ポートに結合させることができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記遠位端部は、前記第1のルーメン及び前記第2のルーメン間の前記壁部に形成された流体連通開口部を有し、前記第1のルーメンの前記遠位端部と流体連通している。前記流体連通開口部は、前記第1のルーメンの前記遠位端部に空気を導入することができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記近位端部は、前記第1のルーメンの前記近位端部を越えて延出している。前記第2のルーメンの前記近位端部は、大気と流体連通している。また、前記第2のルーメンの前記近位端部は、拡径部を有する。前記投与チューブセグメントは、前記流体源に接続される第1の端部と、前記Yコネクタの前記送達アームに接続される第2の端部とを有する。前記リリーフチューブセグメントは、第1の端部及び第2の端部を有する。前記リリーフチューブセグメントの前記第1の端部は、前記胃逆流物回収容器に接続される。加えて、前記リリーフチューブセグメントの前記第2の端部は、前記マルチルーメンチューブの前記第2のルーメンの前記近位端部に接続される。
【0007】
本開示のシステム、方法、及び装置のさらなる特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び添付図面に説明されており、また以下の詳細な説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の例示的な実施形態に係る、吸引及び栄養供給のためのデュアルポートチューブを備えた経鼻胃/経鼻腸の経腸吸引システムの斜視図
図1B】本開示の例示的な実施形態に係る、吸引及び栄養供給のためのデュアルポートチューブを備えた経鼻胃/経鼻腸の経腸栄養システムの斜視図
図1C】本開示の例示的な実施形態に係る、吸引及び栄養供給のためのデュアルポートチューブを備えた経鼻胃/経鼻腸の経腸栄養及び胃圧緩和システムの斜視図
図2】本開示の例示的な実施形態に係る、経腸栄養及び胃圧緩和装置の斜視図
図3A】本開示の例示的な実施形態に係る、逆流防止バルブを取り外した状態の胃チューブシステムの側面図
図3B】本開示の例示的な実施形態に係る、胃チューブシステムの側面図
図3C】本開示の例示的な実施形態に係る、マルチルーメンチューブの拡大正面図
図3D】本開示の例示的な実施形態に係る、マルチルーメンチューブの拡大断面図
図4A】本開示の例示的な実施形態に係る、胃チューブシステムのマルチルーメンチューブの断面図
図4B】本開示の例示的な実施形態に係る、胃チューブシステムのマルチルーメンチューブの断面図
図4C】本開示の例示的な実施形態に係る、胃チューブシステムのマルチルーメンチューブの断面図
図4D】本開示の例示的な実施形態に係る、胃チューブシステムのマルチルーメンチューブの断面図
図5A】本開示の例示的な実施形態に係る、Yコネクタの側面図
図5B】本開示の例示的な実施形態に係る、Yコネクタの側面図
図5C】固定可能なYコネクタキャップの拡大上面図
図5D】本開示の例示的な実施形態に係る、位置決めスタイレットを有する胃チューブシステムの断面図
図5E】本開示の例示的な実施形態に係る、ストップコックバルブを有するYコネクタの側面図
図5F】本開示の例示的な実施形態に係る、ストップコックバルブを有するYコネクタの側面図
図6A】本開示の例示的な実施形態に係る、Yコネクタの内側コアの側面図
図6B】本開示の例示的な実施形態に係る、想像線で示す被覆層を有するYコネクタの断面図
図7】本開示の例示的な実施形態に係る、被覆層を有するYコネクタの側面図
図8A】本開示の例示的な実施形態に係る、コネクタに取り付けられた逆流防止バルブの側面図
図8B】本開示の例示的な実施形態に係る、逆流防止バルブ及びコネクタの分解側面図
図9A】経鼻胃の経腸吸引及び栄養システムを使用した例示的な吸引及び栄養供給方法を説明するためのフロー図
図9B】経腸栄養及び胃圧緩和システムを使用した例示的な方法を説明するためのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照すると、経腸栄養及び胃圧緩和/吸引装置の実施形態が開示されている。図1Aに示す例示的な経腸吸引システム100に見られるように、胃チューブ装置104が、吸引アセンブリ112と共に使用される。吸引アセンブリ112は、吸引容器114、真空装置116、及び真空チューブ118を含む。図示した実施形態では、真空装置116は、壁取り付け式の真空装置または可搬式の真空装置であり得る。一般的な壁取り付け式の真空装置は、550−760mmHgの吸引圧力を生成することができる。この真空装置は、低圧範囲(例えば、0−80mmHg)、中圧範囲(例えば、80−120mmHg)、または高圧範囲(例えば、120mmHg以上)の吸引圧力を生成し得る。しかしながら、臨床的ニーズのために患者55が曝される真空圧力は可能な限り最小限に抑えることが一般的に推奨されており、ガイドラインでは、経鼻胃吸引では通常は30−40mmHgの吸引圧力が提示されている(「Brunner and Suddarth's Textbook of Medical-Surgical Nursing: 12th edition (2009), page 1022」参照)。加えて、真空装置の連続モード動作よりも、断続的な経鼻胃吸引が推奨されている。壁取り付け式の真空装置は、真空チューブ118を通じて適切な吸引圧力が印加されるように、デジタルコントローラまたは調節ダイヤルにより調節される。患者の胃から吸引容器114への胃内容物または胃液の流量は、真空装置116を吸引チューブ120と組み合わせて使用することにより実現される。本明細書で使用するとき、「流体」という用語は、気体及び液体の両方の物理的状態を指すまたは含み、また固形態様も含まれ得る。吸引チューブ120は、患者55に対する吸引処置中は、胃チューブ装置104に接続される。接続後に真空装置116を駆動すると、吸引チューブ120を通じた吸引が、適切な吸引圧力(例えば、低圧、中圧、または高圧)で実施される。吸引が開始されると、胃内容物または胃液は、胃チューブ装置104に入り、吸引チューブ120を通って流れ、その後、吸引容器114で分離及び回収される。胃チューブ装置104は、マルチルーメンチューブ108、Yコネクタ106、及び逆流防止バルブ110を含む。マルチルーメンチューブ108は、ポリウレタン、シリコーン、PVCなどから作製され得る。加えて、マルチルーメンチューブ108は、ベントチューブ410(詳細については後述する)を含み得る。通気すると、胃内容物が空になったときに胃内の吸引真空圧を均一にすべく大気が第2のルーメン内に引き込まれるので、吸引/排液の実施時における胃粘膜に対する損傷、粘膜組織の裂開、出血、感染の危険性の増加の防止に役立つ。例示的な実施形態では、逆流防止バルブ110は、逆流防止バルブ110内のフィルタ材料が目詰まりしたり濡れたりする可能性を低減するために、上向きに配向されている。この配向は、治療中に逆流防止バルブ110が適切な位置に維持されるようにマルチルーメンチューブ108に結合された衣類用クリップまたは他の取り付け手段を用いて実現することができる。例えば、衣類クリップは、枕または患者55が着ているシャツの襟に取り付けることができる。経腸吸引の他の構成及び構造も、本明細書中で説明及び開示した本開示の実施形態に関連して使用できることは、当業者であれば理解できるであろう。
【0010】
図1Bは、経腸栄養システム140の例示的な実施形態を示す。栄養剤は、栄養容器144(例えば、吊り下げられた栄養バック40)から提供され、ポンプ148を使用して投与チューブ150を介して送り出される。例示的な実施形態では、ポンプ148は、ペリスタルティックポンプであり得る。なお、栄養剤の送達は、ポンプを使用せずに(例えば、重力供給方式を用いて)実施してもよい。投与チューブ150は、患者55に対する栄養供給処置を開始するために、胃チューブ装置104に接続される。図1A及び図1Bに示したマルチルーメン吸引及び栄養供給コネクタ104の詳細については、図3を参照して後述する。
【0011】
図1Cは、経腸栄養及び胃圧緩和システム180の例示的な実施形態を示す。栄養剤は、栄養容器144(例えばバック)から提供され、ポンプ148を使用して投与チューブ150を介して送り出される。例示的な実施形態では、ポンプ148は、ペリスタルティックポンプであり得る。なお、栄養剤の送達は、ポンプを使用せずに(例えば、重力供給方式を用いて)実施してもよい。胃圧緩和(例えば胃減圧)は、回収容器230、及びマルチウェイコネクタ162に接続されたリリーフチューブ240を使用して提供される。リリーフチューブ240は、回収容器230をマルチウェイコネクタ162に接続する。流体送達チューブ146及び投与チューブ150もまた、マルチウェイコネクタ162に接続されている。流体送達チューブ146は、患者に対する栄養供給処置を開始するために、胃チューブ装置104に接続される。図1A及び図1Bに示したマルチルーメン吸引及び栄養供給コネクタ104の例示的な実施形態は、図3を参照してより詳細に説明する。例示的な実施形態では、逆流防止バルブ110は、患者からの逆流物が、胃チューブ装置104、流体送達チューブ146、マルチウェイコネクタ162、リリーフチューブ240を通って回収容器230に送達されるのを確実にするために、蓋が被せられるまたは閉じられる。
【0012】
加えて、投与チューブ150への逆流(さらには、栄養容器144への逆流)を防止するために、一方向チェックバルブまたは他の逆流防止手段が、経腸栄養及び胃圧緩和システム180に組み込まれている。一方向チェックバルブは、マルチウェイコネクタ162の1つのアーム内に内部バルブとして設けてもよいし、マルチウェイコネクタ162と投与チューブ150との間に介在させてもよい。一方向チェックバルブは、一方向(すなわち、リリーフチューブ240及び/または流体送達チューブ146に向かう方向)のみの流れを許可する。
【0013】
図2は、経腸栄養及び胃圧緩和装置200の斜視図である。選択された栄養剤を収容している経腸栄養容器204は、支持スタンド208から吊り下げられている。経腸栄養システムの他の構成及び構造も、本明細書中で説明及び開示した本開示の実施形態に関連して使用できることは、当業者であれば理解できるであろう。経腸栄養容器204から投与チューブ212を通じて栄養剤を送達するための流量は、経腸栄養ポンプ216を投与チューブセットクランプ機構220と組み合わせて使用することにより実現される。栄養剤の流量はまた、ドリップチャンバとチューブクランプ(例えば、ローラークランプまたは他の調節可能なクランプ)との組み合わせにより制御される重力供給方式を用いて実現することができる。詳細については後述するが、胃圧緩和は、胃チューブ装置104のベントルーメン、リリーフチューブ240、及び回収容器230の間の適切な接続により実現される。胃逆流物回収容器230は、胃圧緩和中に、患者の胃から逆流した物質(すなわち、気体及び/または液体)を受け入れるように構成されている。図2では、回収容器230は、ガスベント234を介して大気に通気されている。また、回収容器230は、ハンガータブ238により、支持スタンド208から吊り下げられている。リリーフチューブ240は、回収容器230を胃チューブ装置104に接続する。リリーフチューブクランプ機構244を使用して、胃チューブ装置104と回収容器230との間での気体及び液体の流れを選択的に制御することができる。また、投与チューブ212も胃チューブ装置104に接続されている。例示的な実施形態では、リリーフチューブ240は、胃チューブ装置104のエアベントルーメンに接続するように構成されたコネクタ250を有する(詳細については後述する)。例えば、逆流防止バルブ110が、胃チューブ装置104のエアベントルーメンに接続されている場合、逆流防止バルブ110は取り除かれ、コネクタ250はエアベントルーメンに接続される。例示的な実施形態では、コネクタ250は、メス型係合ねじを有する小口径コネクタであり得る(例えば、ISO 80369−3)。
【0014】
図2に示した胃圧緩和装置は、大気圧に通気された回収容器230を含む。リリーフチューブセグメント及び投与チューブセグメントを通って経腸栄養チューブ内に空気が導入されるのを回避するために、胃圧緩和装置200は、リリーフチューブセグメント240またはエアベントルーメン内に液体(例えば、栄養剤または他の液体)の小さい柱を提供するように構成されている。このことは、胃チューブ装置104のエアベントルーメンとリリーフチューブ240との接続部分を、患者の胃の高さかまたはそれよりも若干下方に適切に配置することにより実現される。参照及び説明目的のために。患者の胃の高さは、図2中に線270で示されている。例えば、胃チューブ装置104のエアベントルーメンとリリーフチューブ240との間の接続部分が、患者の胃の高さ(あるいは、例えば、患者の中腋窩線)またはその下方に位置する場合、液体(例えば、栄養剤または他の液体)の小さい柱が、リリーフチューブ240内に入って該チューブ内に留まり、柱のメニスカスは図2の線280(一般的に患者の身体状態に基づく、胃の高さ270にごく近い高さまたは同じ高さ)の位置に位置する。この液体の柱により、空気が投与チューブ内に引き込まれるのが防止される。
【0015】
図3及び図3Bは、胃チューブ装置104の側面図を示す。図3Aは、胃チューブ装置104は、逆流防止バルブ110を取り外した状態を示している。例示的な実施形態では、逆流防止バルブ110は、関連するコネクタ304内に嵌合することができるように構成された逆流防止フィルタハウジング302を含み得る。例えば、コネクタ304は、オス型経腸専用コネクタ(例えば、ISO 80369−3)であり得る。この胃チューブ装置104は、開放近位端部310及び閉鎖遠位端部314を有するマルチルーメンチューブ108に接続されるYコネクタ106を含む。Yコネクタ106はまた、吸引コネクタ318を有する。例示的な実施形態では、吸引コネクタ318は、その外径が一定に直線的に減少するように形成された先細の中空ステムコネクタ318aであり得、別の実施形態では、吸引コネクタ318は、その外径が段階的に減少するように形成された先細の中空ステムコネクタ318bであり得る。吸引コネクタ318は先細に形成されているので、吸引チューブ120内に摩擦圧入させることが可能となる。例示的な実施形態では、吸引コネクタ318と、Yコネクタの残りの部分は、単一の一体的なプラスチック構造体から形成される。別の実施形態では、吸引コネクタ318は、接着剤、溶剤結合、高周波(RF)溶接、及び/または、吸引コネクタ318をYコネクタに取り付けることができる任意の他の手段を用いて、Yコネクタの残りの部分に取り付けることができる。例えば、図5E及び図5Fに示すように、吸引コネクタ318は、Yコネクタの残りの部分に螺合される。吸引コネクタ318は、適切なコポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルなどの硬い材料から作製され得る。非晶質のコポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、または同様の材料からなる製品は、一般的に、好適な外観、透明度、及び離型性(例えば、射出成形の場合に有用である)を有する。また、これらの非晶質製品は、適切な硬さ、強靭性/耐久性、加水分解安定性、耐熱性、及び耐化学性を有し、様々な医療機器に使用されている。
【0016】
マルチルーメンチューブ108は、壁部330により互いに隔てられた第1のルーメン320及び第2のルーメン324を含む。第1のルーメン320は、開放された近位端部340と、閉じた遠位端部344とを有する。第1のルーメン320の近位端部340は、Yコネクタ106に接続されている。第2のルーメン324は、近位端部350及び遠位端部354を有する。第2のルーメン324の遠位端部354は、第1のルーメン320の遠位端部344と流体連通されている。第2のルーメン324の近位端部350は、第1のルーメン320の近位端部340を越えて延出している。加えて、第2のルーメン324の近位端部350は、大気と流体連通されており、また、拡径部を有している。逆流防止バルブ110は、第2のルーメン324の近位端部350に結合される。
【0017】
図3C及び図3Dは、マルチルーメンチューブ108の拡大図である。図3Cは、図3Bの線B−Bに沿った拡大断面図を示す。図3Dは、図3Bの線A−Aに沿った拡大断面図を示す。マルチルーメンチューブ108は、吸引及び/または栄養供給中にマルチルーメン(320、324)の一方が閉塞したり破裂したりするのを防止するべくフレキシブルさの維持及び十分な構造的支持を提供するのに適した適切な材料から構成されたフレキシブルな中空チューブである。使用中を通じて硬い材料から作製された硬いチューブとは異なり、マルチルーメンチューブ108の例示的な実施形態は、使用中を通じてフレキシブルさを維持し、有利なことにチューブの挿入及び抜去時に患者を傷つけることを低減させる材料から作製される。例えば、フレキシブルさを欠くより硬いチューブを使用すると、鼻孔の壊死、または声帯の損傷などの深刻な問題が発生する恐れや、他の刺激、不快感、または傷害などが患者に生じる恐れがある。例示的な実施形態では、マルチルーメンチューブ108は、有利なことに十分なフレキシブルさ、耐久性、耐化学性、及び成形の容易さを提供するポリウレタンやシリコーンなどから作製され得る。別の例示的な実施形態では、PVCは胃の酸環境に長時間曝されると硬化し得るので、マルチルーメンチューブ108はポリウレタンから作製され得る。代わりに、ポリウレタンは、温度が上昇すると、「より柔らかく」なる(例えば、温度が上昇すると、ポリウレタンは、よりエラストマー性になる)。
【0018】
図3Cに示すように、マルチルーメンチューブ108はまた、該チューブの長さ方向に延在するX線不透過性ストライプ380を含む。例示的な実施形態では、X線不透過性ストライプ380は、第1のルーメン320の外壁に配される。例えば、X線不透過性ストライプ380は、硫酸バリウムなどのX線不透過性材料を含有する色付きのストライプであり得る。X線不透過性ストライプ380は、有利なことに、マルチルーメンチューブ108のX線不透過性を高め、X線フィルム上でチューブを可視化することを可能にし、臨床医が、チューブの位置を正確に確認するのを助ける。例示的な実施形態では、X線不透過性ストライプ380は、第1のルーメン320の外壁の25−50%を覆う。別の例示的な実施形態では、X線不透過性ストライプ380は、第1のルーメン320の外壁の40%を覆う。
【0019】
第1のルーメン320の遠位端部344は、複数の開口部360を有する。複数の開口部360は、第1のルーメン320に対して、吸引時には胃内容物の入口を提供し、栄養供給時には栄養剤の出口を提供するように配置されている。例示的な実施形態では、複数の開口部360は、位置決め孔364、第1のパターンで配列された第1のパターンの孔366、及び第2のパターンで配列された第2のパターンの孔368を含む。位置決め孔364は、マルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の遠位端から予め定められた距離(D)離間した位置に設けられており、第1のルーメン320を横断して、X線不透過性ストライプ380を遮断している。位置決め孔364でX線不透過性ストライプ380を遮断することにより、有利なことに、この位置決め孔364の位置をX線で確認することによって、マルチルーメンチューブ108を所望の位置を配置することが可能となる。具体的には、X線不透過性ストライプ380、位置決め孔364、及び距離Dは、臨床医が、マルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の位置を決定するのを助ける。位置決め孔364は、X線不透過性ストライプ380を遮断して、X線可視化を遮断するからである。第1のパターンの孔366及び第2のパターンの孔368は、第1のルーメン320チューブの両側に沿って設けられる。加えて、第1のパターンの孔366は、第2のパターンの孔368と軸方向に整列されている。第1のパターンの孔366及び第2のパターンの孔368は、吸引プロセス中に複数の開口部360が胃壁にくっつく可能性を低くするために、第1のルーメンチューブの互いに反対側に設けられる。これにより、有利なことに、組織の裂開、出血、胃粘膜に対する損傷、感染の危険性の増加の可能性を減少させることができる。第1のパターンの孔及び第2のパターンの孔は、楕円形(図3Cに示すように)、円形、または、形成が容易でチューブ外面と滑らかに連なる他の形状を有し得る。
【0020】
例示的な実施形態では、第1のルーメンと第2のルーメンとの間の壁部に、第1のルーメン320の遠位端部344に空気を入れることができるように構成された液体連通開口部370が設けられている(370aで示す)。液体連通開口部370は、マルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の遠位端から予め定められた距離(D)の位置に配置されている。液体連通開口部370をマルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の遠位端の近傍に配置することにより、有利なことに、全ての挿入深さで、マルチルーメンチューブ108に通気及び均圧化が提供されるのを確実にすることができる。例示的な実施形態では、液体連通開口部370はまた、第2のルーメン324の外壁を貫通して延在する(370bで示す)。さらに、別の例示的な実施形態では、液体連通開口部370は、第2のルーメン324の外壁、第1のルーメンと第2のルーメンとの間の壁部330、及び第1のルーメン320の外壁を貫通して延在する(370cで示す)。液体連通開口部370cは、マルチルーメンチューブ108の遠位端部314の遠位端の近傍に配置され、マルチルーメンチューブ108の第1のルーメン320を横断して、X線不透過性ストライプ380を遮断している。液体連通開口部370cでX線不透過性ストライプ380を遮断することにより、有利なことに、この液体連通開口部370cの位置をX線で確認することによって、液体連通開口部370cを所望の位置に配置することが可能となる。X線不透過性ストライプ380を遮断する位置決め孔364及び液体連通開口部370cは、いくつかの設計形態では、互いに独立的に使用してもよいし(例えば、孔及び開口部の一方でのみX線不透過性ストライプを遮断する)、共に使用してもよい。
【0021】
図4A図4Dは、胃チューブシステムのマルチルーメンチューブ108の断面図を示す。図4Aに示すように、マルチルーメンチューブ108は、該ルーメンの近位端部310を貫通して完全に延在する各ルーメンを有する。マルチルーメンチューブ108はまた、該チューブの外壁を貫通して第2のルーメン324に挿入されたベントチューブ410を含む。通気すると、胃内容物が空になったときに胃内の吸引真空圧を均一にすべく大気が第2のルーメン内に引き込まれるので、吸引/排液の実施時における胃粘膜に対する損傷、粘膜組織の裂開、出血、感染の危険性の増加の防止に役立つ。例示的な実施形態では、ベントチューブ410は、マルチルーメンチューブ108の第2のルーメン324の近位端部310に向かう経路を遮断し、第2のルーメン324aの経路を、ベントチューブ410を介してマルチルーメンチューブ108の遠位端部314に向かう経路に切り替えるように構成されている。図3Aに示すように、ベントチューブ410は、マルチルーメンチューブ108の第2のルーメン324の側方から延出し、ベントチューブ410の第1のルーメン320の近位端部340チューブを越えて延出する近位端部350を有する。
【0022】
加えて、図4Bに示すように、マルチルーメンチューブ108は、該チューブの近位端部310を貫通して延在する第1のルーメン320と、該チューブの近位端部310からの予め定められた高さまで延在する第2のルーメン324とを含んで構成され得る。ベントチューブ410は、第2のルーメン324が終端する位置で、マルチルーメンチューブ108に結合され、第2のルーメン324aの経路は、マルチルーメンチューブ108からベントチューブ410を通って延びている。
【0023】
図4Cに示すように、マルチルーメンチューブ108の第1のルーメン320及び第2のルーメン324は、互いに接着された2つの別個のルーメンチューブを含み得る。例えば、ルーメンチューブは、生体適合性接着剤、超音波溶接、溶着、または任意の他の適切な手段を用いて互いに結合され得る。
【0024】
図4Dに示すように、マルチルーメンチューブ108は、第1のルーメン320と、マルチルーメンチューブ108の近位端部310を貫通して延在する第2のルーメン324aとを含み得る。加えて、第2のルーメン324aは、マルチルーメンチューブ108の近位端部310に結合されたベントチューブ410を通じて延在する。例えば、ベントチューブ410は、第2のルーメン324aがマルチルーメンチューブ108の近位端部310を越えて延出するように、マルチルーメンチューブ108に結合される。
【0025】
図5A及び図5Bに示すように、Yコネクタ106は、送達アーム504と吸引アーム508とを含み、両アームは、合流アーム510に接続されている。各アームは、「ポート」とも称されることを理解されたい。例えば、合流アーム510は、合流ポートまたは二方向ポートとも称される。合流アーム510は、略円筒状のステム部を有し、Yコネクタ106の「Y」形状の「下側部分」を構成する。
【0026】
例示的な実施形態では、送達アーム504と合流アーム510は略同軸をなすように配置されており、送達アーム504及び合流アーム510間で流れる流体のための略直線状の流路(いくつかの実施形態では、流路の直径は変化する)を提供する。吸引アーム508は、送達アーム504と同様の構造を有するが、添付図面に示す非限定的な例示的実施形態では、送達アーム504及び合流アーム510の軸方向に対して約60°の角度をなして配置されている。なお、吸引アーム508を、送達アーム504に対して別の角度をなして配置することも想定される。一般的に、吸引アーム508が送達アーム504に対してなす角度が90°に近づくと、詰まりまたは他の不適切な流れに関する問題が生じる可能性が増加する。いくつかの使用では、上記の角度配置を変更すると、性能が低下するか、または他の影響が生じ得る。
【0027】
Yコネクタ106はまた、各アームにリングコネクタ530を含む。リングコネクタ530または他の適切なコネクタは、プラグまたはキャップを送達アーム504に繋ぐまたは他の方法で取り付けることを可能にする。例示的な実施形態では、リングコネクタ530は、キャップまたはプラグを各アームに取り付けるためのテザー532を有する。例えば、送達アーム504は、送達アームコネクタキャップ540に連結されたテザー532を有するリングコネクタ530を含む。加えて、吸引アーム508は、吸引コネクタプラグ560または吸引コネクタキャップ562に連結されたテザー532を有するリングコネクタ530を含む。例示的な実施形態では、吸引コネクタキャップ562はまた、吸引コネクタキャップ562が吸引コネクタ318の内側及び外側の両方をシールするようなプラグを含み得る。
【0028】
送達アーム504の小口径コネクタキャップ540は、係合ねじ部を有し、図6Bの小口径コネクタ618の係合ねじ部と螺合可能に構成されている。小口径コネクタ618と小口径コネクタキャップ540の構造は、このようなコネクタのための国内及び/または国際的な規格(例えば、経腸栄養用途のコネクタに関連するISO 80369−3)に準拠する。加えて、送達アーム504は、経腸栄養シリンジを使用して胃内容物の性質(例えば、pH、胃液サンプリングなど)を検査するのに使用することができる。例示的な実施形態では、小口径コネクタ618は、Yコネクタ106内に含まれる胃内容物または還流物質を引き出すことが可能なシリンジまたは他の液体引き出し及びポンピング手段(例えば、人為的な力印加)によりアクセス可能に構成されている(例えば、ISO 80369−3接続構造を使用して)。例えば、臨床医は、小口径コネクタ618の端部に経腸栄養シリンジを接続して、胃内容物のpH検査を実施することができる。
【0029】
送達アーム504の小口径コネクタキャップ540の内部には、本実施形態のYコネクタを1以上含むシステム内への望ましくない物質の進入、及び該システムからの内部物質の漏出を防止するために入口/出口を密閉するのに有効な任意の構造を用いることができる。キャップの外観構成は、看護士や臨床医による使用を容易にする。キャップの周縁部の円筒状の側壁は、把持手段(例えば、ギザギザ部、グリップ部、リッジ部など)を有する。これにより、とりわけ、キャップの側壁が濡れている場合や、キャップの側壁にYコネクタからの取り外しまたはYコネクタへの結合を困難にする材料が付着している場合に、キャップの良好な把持が提供される。
【0030】
加えて、吸引アーム508の吸引コネクタキャップの内部には、システム内への望ましくない物質の進入、及びシステムからの内部物質の漏出を防止するために入口/出口を密閉するのに有効な任意の構造を用いることができる。例示的な一実施形態では、吸引アームチャンネル638内に圧入嵌合可能に構成された吸引コネクタプラグ560が使用される(図6A参照)。例えば、吸引コネクタプラグ560は、吸引コネクタ318の端部において気密シールを形成できるように、ゴムまたは他の適切な圧縮可能な材料から作製され得る。
【0031】
図5Cに示すように、キャップの頂部は、2つのD字状の凹部からなるダブルD構造(double-D configuration)580を有する。キャップの頂部が複数の窪み、凹部、キャビティなどを有する、このタイプの複数の凹部が形成されたキャップ構造は、小口径コネクタに結合されたキャップを小口径コネクタから取り外すときに(例えば、キャップが、それを小口径コネクタから取り外すのを困難にする材料で覆われている場合に)、看護士や臨床医などがツール(例えば、クリートやピック)を使用することを可能にする。さらに、複数の凹部が形成されたキャップ構造は、例えば、成形プロセスの困難さを減少させることにより、加工の観点から有益である。
【0032】
送達アーム504(例えば、栄養供給アーム)は、有利なことに、チューブアセンブリ誘導システム588の位置決めスタイレット586を胃チューブ装置104と共に使用することを可能にするために、合流アーム510と整列されている。例えば、図5Dの図は、胃チューブシステムの図3BのD−D線に沿った断面図であり、胃チューブシステムと共に位置決めスタイレット586を使用した状態を示す。例示的な実施形態では、マルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314を患者55の体内で位置決めするのを助けるために、チューブアセンブリ誘導システム588(例えば、CORTRAK(登録商標)経腸アクセスシステム)の位置決めスタイレット586が、胃チューブ装置104の送達アーム504と共に使用される。例示的な実施形態では、位置決めスタイレット586は、該スタイレットの第1の端部592に設けられた電極コネクタ590、送達アーム504の小口径コネクタ618に結合可能に構成された結合デバイス594、及び該スタイレットの第2の端部598に設けられたコイル596を有する。位置決めスタイレット586の第1の端部592は、送達アーム504の小口径コネクタ618と結合可能に構成されている。加えて、位置決めスタイレット586の第2の端部598は、マルチルーメンチューブ108の第1のルーメン320を通じて変位可能に構成されている。また、第2の端部598は、第1のルーメン320内に配置され、第1のルーメン320の遠位端部344において位置決めされる。例えば、チューブアセンブリ誘導システム588(例えば、CORTRAK(登録商標)経腸アクセスシステム)の位置決めスタイレット586は、該スタイレットの第2の端部598が第1のルーメン320の遠位端部344に配置されるように、マルチルーメンチューブ108内に予め装填される。位置決めスタイレット586を予め装填することにより、有利なことに、臨床医が、患者の体内で、マルチルーメンチューブ108の遠位端部314を位置決めすることが可能となる。
【0033】
図5E及び図5Fに示すように、別の実施形態では、Yコネクタ106はまた、Yコネクタ106内での液体の流れを選択的に制御するための例えばストップコックなどのバルブ582を有するか、またはチャンネル間を選択するのにストップコック型コネクタが使用される。このようなコネクタは、投与チューブ150、吸引チューブ120、及びマルチルーメンチューブ108の第1のルーメン320のための接続部分を提供する目的と、吸引アーム508から吸引チューブ120を通る経路または投与チューブ150から送達アーム504を通る経路のいずれかにおいて流量を選択する目的との2つの目的でYコネクタ106の一部を構成し得る。例えばストップコックなどのバルブ582を使用すると、臨床医は流路を能動的に選択する必要があるので、有利なことに、吸引チューブ120または投与チューブ150が不適切に同時に使用される可能性を低減させることができる。例えば、バルブ582を、図5Eに示すように、「送達配置」に位置決めした場合、流体は、送達アーム504を通って合流アーム510に流れ、吸引アーム508への流路は遮断される。一方、バルブ582を、図5Fに示すように、「吸引配置」に位置決めした場合、流体は、合流アーム510通って吸引アーム508に流れ、送達アーム504への流路は遮断される。
【0034】
図6A及び図6Bに示すように、例示的な実施形態では、内側コア610は、実質的にまたは完全に第1の材料から作製され、第2の材料から実質的にまたは完全に作製された被覆層614により覆われる。加えて、Yコネクタは、単一のモールドを用いて単一の材料から作製してもよいし、複数のモールドを用いて複数の材料から作製してもよい。
【0035】
内側コア610は、Yコネクタ106の様々なアーム、チャンネル、及びコネクタを画定する。Yコネクタ106は、適切なコポリエステルなどの硬い材料から作製され得る。非晶質コポリエステル製品は、一般的に、好適な外観、透明度、及び離型性(例えば、射出成形の場合に有用である)を有する。また、非晶質コポリエステル製品は、適切な強靭性、加水分解安定性、耐熱性、及び耐化学性を有し、様々なデバイスに使用されている。この材料(または、本開示に係るYコネクタ106の実施形態に使用することができる他の材料)は、適切な規格、ガイドライン、及び/または他の要件(例えば、医療用途の液体及び気体用の小口径コネクタに関するISO 80369−1:2010)に適合する適切な小口径コネクタ618を含む、Yコネクタ106のための強固な内側コア610を提供する。また、Yコネクタ106のいくつかの実施形態では硬い材料は透明である。この場合、ユーザは、使用前、使用中、及び/または使用後に、接続がなされていること、投与が行われていること、及びYコネクタ106の清潔さを、視覚的に確認または判断することができる。内側コア610はまた、予め選択された色特性を有する材料を含む、半透明または不透明な材料から作製してもよい。内側コア610は、単一のプラスチック製単体構造体であってもよいし、例えば接着または溶媒結合により結合される複数の部品から構成してもよい。
【0036】
被覆層614は、いくつかの実施形態では、例えば熱可塑性エラストマーなどの柔軟な材料から作製され得る。このようなエラストマーを使用する場合、被覆層614は、内側コア610に使用される、硬い材料などを含む様々な基材に接着される、医療規格に準拠したオーバーモールドであり得る。このタイプの材料は、ゴムのような柔らかい手触りを有し、透明または半透明であり得る。また、このタイプの材料は、射出成形加工に使用することができる。被覆層614はまた、予め選択された色特性を有する材料を含む、不透明な材料から作製してもよい。被覆層614は、Yコネクタ106を把持して操作するユーザ(例えば、看護士、臨床医、介護者、患者など)に対して、良好な把持材料を提供する。また、被覆層614は、内側コア610を硬い材料から作製することを可能にするとともに、内側コア610を破損、損傷、滑りやすさ、及び他の望ましくない事柄から保護する弾性の包囲体を提供する。さらに、被覆層614の柔軟でフレキシブルな材料は、Yコネクタ106を、患者の顔または他の皮膚露出部位の極近傍に、より快適に配置することを可能にする。内側コア610と被覆層614との組み合わせにより、Yコネクタ106をその使用時に人間工学的に把持することを可能にする、有機的な滑らかな形状が得られる。
【0037】
Yコネクタ106は、Yコネクタ106を通じた流体流(すなわち、気体流及び/または液体流)を提供する、送達アーム504と、1以上の吸引アーム508とを含む。図6A及び図6Bに示すように、送達アーム504は、略円筒状の送達アームステム604及び送達アームチャンネル634を有する。吸引アーム508は、略円筒状の吸引アームステム608及び吸引アームチャンネル638を有する。吸引アームステム608は、近位端部690及び遠位端部692を有する。吸引アームチャンネル638は、吸引コネクタ318を貫通して延在している。合流アーム510は、略円筒状の合流アームステム620及び合流チャンネル630(例えば、接続ポート、コネクタポートとも呼ばれる)を有する。吸引アームステム608の外側端部に、吸引アーム小口径コネクタ618が配置される。例えば、吸引コネクタ318は、取り外し可能であり、小口径コネクタ618と螺合可能に構成されている。別の実施形態では、吸引コネクタ318は、吸引アーム508に恒久的に結合されている。別の吸引及び/または送達アームも同様に実施され得る。吸引アームステム608は、内部吸引アームチャンネル638を画定する。いくつかの実施形態では、各吸引アームステム608及びそれに関連する吸引アーム小口径コネクタ618は、一体型内側コア610の構成要素である。別の実施形態では、吸引アーム小口径コネクタ618は、接着剤、溶媒結合、高周波(RF)溶接、及び/または、吸引アーム小口径コネクタ618を吸引アームステム608に結合することができる任意の他の適切な手段を用いて、吸引アームステム608に結合される。
【0038】
例示的な実施形態では、吸引中に胃内容物が吸引アームチャンネル638を通って合流アーム510に逆流するのを防止するために、吸引アームチャンネル638が例えば一方向チェックバルブなどのバルブ650を含むか、または他の逆流防止手段がYコネクタ105に組み込まれる。バルブ650はまた、有利なことに、不適切な物質及び/または流体が、吸引アーム508の吸引コネクタ318を通じて導入されることを防止する。別の例示的な実施形態では、バルブ650aが、吸引コネクタ318内に配置される。バルブ650は、吸引アームステム608の近位端部690と、中空ステムコネクタ318の出口端部694との間に介在されるように、吸引アームチャンネル638内の任意の位置に配置される。例示的な実施形態では、バルブ650は、5−50mmHg(例えば、0.1−1.0psi)の範囲の圧力で開き始める。別の例示的な実施形態では、バルブ650は、約13mmHg(0.25psi)で開き始める(例えば、約13mmHg(0.25psi)のクラッキング圧力を有する)。
【0039】
いくつかの実施形態では、送達アーム504及び吸引アーム508の各内部チャンネルの内側ボア径は、合流アーム510の内側ボア径とは異なる。内部チャンネルの直径は、Yコネクタと、Yコネクタへ流体を送達するまたはYコネクタ106から流体が送達される任意のチューブセグメントとの間の接続タイプに依存する。例示的な実施形態では、図6A及び図6Bに示すように、内側コア610の内部に設けられた内部環状ネック640により、連結チャンネル642を画定することができる。連結チャンネル642を画定する内部環状ネック640は、マルチルーメンチューブなどのチューブセグメント、または他の同様のアタッチメントを合流アームに結合させるための結合部としての役割を果たす。例示的な実施形態では、連結チャンネル642、合流チャンネル630(例えば、接続ポート)、及び送達アームチャンネル634は、全て同一の直径を有する。いくつかの実施形態では、マルチルーメンチューブなどのチューブセグメント、または他の同様のアタッチメントは、内側コア610の1以上の内面(例えば、内部環状ネックの環状当接部、及び/または内部チャンネルの内面)に溶媒結合される。加えて、例示的な実施形態では、マルチルーメンチューブ108などのチューブセグメントは、合流アーム内に取り外し可能に圧入嵌合または摩擦嵌合される。チューブセグメントをYコネクタに結合するための他の任意の適切な手段を用いてもよい。
【0040】
送達アーム504及び吸引アーム508の内径は、誤接続の可能性を低減させるために規定された所定の規格または他の特別な規定(例えば、ISO 80369−3)において定められた寸法により決定される。合流アーム510の内径サイズは、それに接続されるチューブのサイズに関連する。例示的な実施形態では、合流アームの内径の一番小さい部分は、合流アームに結合されるチューブの内径と略同一の大きさを有する。14−18フレンチのサイズが経鼻胃用途に最も一般的に用いられているが、例えば、合流アーム510の接続ポートは、4−22フレンチの範囲のサイズのマルチルーメンチューブを受容するように構成され得る。
【0041】
Yコネクタのいくつかの実施形態は、経腸栄養システムと共に使用可能であり、例えば、送達アームの内部チャンネル(送達アームチャンネル634)及び吸引アームの内部チャンネル(吸引アームチャンネル638)は、それぞれ約2.90mmの内径を有し、合流アームの内部チャンネル(合流チャンネル630)の内径は、約2.90mmであり得る。別の実施形態では、合流チャンネル630は、より大きい内径を有するか、または端部で広がっており、合流チャンネル630(例えば、接続ポート)により大きいチューブを接続することを可能にする。いくつかの実施形態では、送達チャンネル及び吸引チャンネル(634、638)は、それらよりも小さい直径を有する連結チャンネル642を介して合流チャンネル630に接続される。いくつかの実施形態では、連結チャンネル642は、約2.67mmの内径と、約1.5mm以下の長さを有し得る。
【0042】
例示的な実施形態では、送達アームステム604の一部は、柔軟な材料製の被覆層614により包囲される。図6A図6B、及び図7に示すように、小さい環状のギャップ662が、小口径コネクタ618と、被覆層614における送達アームステム604を包囲する部分との間に形成される。ギャップ662は、リングコネクタ530または他の適切なコネクタを送達アーム504に取り付けることを可能にする。これにより、小口径コネクタキャップ540を送達アーム504にテザーによりまたは他の方法を用いて取り付けることが可能となる。ギャップ662は、リングコネクタ530が、小口径コネクタ618の周りをその周方向に回動または回転することを可能にする。これにより、臨床医または患者によるコネクタ、プラグ、またはキャップへのアクセスがより良くなるので、臨床医または患者が、コネクタ、プラグ、またはキャップを小口径コネクタ618に移動させて配置(取り付ける)ことが容易になる。また、ギャップ662は、リングコネクタ530のYコネクタ106への結合が維持されることを確実にする。これにより、(例えば構成を変更するときに)Yコネクタの部品を保持するために必要とされるトレイ、テーブル、または他の作業面が不要となる。加えて、吸引アームステム608の一部は、被覆層614により包囲される。小さい環状のギャップ662が、被覆層614における吸引アームステム608を包囲する部分と、吸引コネクタ318との間に形成される。ギャップ662は、リングコネクタ530または他の適切なコネクタを吸引アーム508に取り付けることを可能にする。これにより、吸引コネクタキャップ562を吸引アーム508にテザーによりまたは他の方法を用いて取り付けることが可能となる。ギャップ662は、リングコネクタ530が、吸引コネクタ318の周りをその周方向に回動または回転することを可能にする。これにより、臨床医または患者によるリングコネクタまたはキャップへのアクセスがより良くなるので、臨床医または患者が、リングコネクタまたはキャップを吸引コネクタ318に移動させて配置(取り付ける)ことが容易になる。また、ギャップ662は、リングコネクタ530のYコネクタ106への結合が維持されることを確実にする。
【0043】
図8A及び図8Bは、逆流防止バルブ110を示す。逆流防止バルブ110は、逆流防止フィルタハウジング302と、それに関連するコネクタ304とを含む。逆流防止フィルタハウジング302は、逆流防止バルブ110の頂部端部810内への空気の流入を可能にし、かつ第2のルーメン324からの流体の漏出を防止するように構成された膜またはベント材料を含む。例えば、逆流防止フィルタハウジング302は、逆流防止バルブ110から第2のルーメン324内への空気及び/または洗浄流(フラッシング液)の導入のみを可能にする一方向バルブを含み得る。例示的な実施形態では、バルブは、例えば5−50mmHg(0.1−1.0psi)の範囲の圧力で開き始める。別の例示的な実施形態では、バルブ650は、約13mmHg(0.25psi)で開き始める(例えば、約13mmHg(0.25psi)のクラッキング圧力を有する)。別の例示的な実施形態では、逆流防止フィルタハウジング302は、逆流防止バルブ110の頂部端部810と第2のルーメン324との間での空気の流入及び流出を可能にし、かつ第2のルーメン324からの流体の漏出を防止するように構成された膜またはベント材料を含む。逆流防止バルブ110の底部端部820は、第2のルーメン324チューブの近位端部350に結合可能に構成されている。例示的な実施形態では、逆流防止バルブ110の底部端部820は、接着剤または任意の他の適切な結合手段を用いてマルチルーメンチューブ108に恒久的に結合される。例えば、膜は、逆流物が漏出するのを防止するためにサンプベントを覆うように配置された、例えば疎水性及び/または疎油性ベント材料などのベント材料を含み得る。例えば、ベント材料は、逆流防止バルブ110から取り外すことができ、かつ逆流防止バルブ110に再配置することができるプラグとして、逆流防止フィルタハウジング302内に含まれ得る。加えて、逆流防止バルブ110は、1以上の膜を含み得、各膜は、適切な範囲の材料及び構造(例えば、ゴア・アンド・トリニティ・テクノロジー・グループ(TTG)社製の材料から作製された疎水性及び/または疎油性膜)から選択され得る。例えば、膜材料は、不織ナイロン支持体上にキャストされたアクリルコポリマー膜であり得る。膜材料はまた、疎油性及び/または疎水性に関して、所望の性能が得られるように処理され得る。
【0044】
例えば、通気度(空気透過性の尺度であり、通常はガーレー値によって測定される)、液体表面張力(表面と空気の界面において表面下の分子が及ぼす力)、固体表面自由エネルギー(表面と空気の界面において表面下の分子が及ぼす力)、膜の含浸特性(膜の孔を流体で満たす)などが、膜の選択における重要な要素であり得る。膜が吸引流体または流体栄養剤と頻繁に接触する可能性が高いセッティングでは、膜の効率を低下させる「濡れ」に耐える膜の実施形態が用いられる。
【0045】
例示的な一実施形態では、図8Bに示すように、逆流防止フィルタハウジング302は、コネクタ304がマルチルーメンチューブ108の第2のルーメン324に結合された状態のままで、逆流防止バルブ110から取り外すことができる。逆流防止フィルタハウジング302の取り外し後、逆流防止フィルタハウジング302がコネクタ304に再び取り付けられるか、または他のチューブ接続部品、例えば胃圧緩和(胃圧軽減)を提供するためのリリーフチューブ240に関連するコネクタ250や経腸シリンジ(例えば、ISO 80369−3に準拠した経腸シリンジ)などがコネクタ304に取り付けられる。逆流防止フィルタハウジング302及びコネクタ304は、有益なことに、誤接続の防止に役立つ硬い構造を提供し、部品に対して強靭性/耐久性を提供し、かつ、耐化学性を有し、製造容易性を可能にする、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、コポリエステルなどから作製され得る。
【0046】
逆流防止バルブ110の頂部端部810は、シリンジに結合可能に構成されている。例えば、逆流防止バルブ110の頂部端部810は、経腸シリンジ(例えば、ISO 80369−3に準拠した経腸シリンジ)を受容可能に構成されたオス型経腸専用コネクタ(例えば、ISO 80369−3)を含む。経腸シリンジは、濡れが生じた後に、フィルタまたは膜材が膜内容物で詰まり始めた状況においてフィルタまたは膜材料を清浄するために、逆流防止バルブ110を通じて空気を送り込むのに使用される。加えて、シリンジは、濡れが生じる前に、第2のルーメンを通じて物質を逆流させるのに使用される。この利点は、逆流防止バルブ110の使用寿命を延ばし、閉鎖系の維持を継続し、逆流防止フィルタハウジング302の交換時に閉鎖系が汚染される可能性を低減させる。「開放」系(例えば、吸引された患者の胃内容物が外部環境に対して開放されている系)の場合は、臨床医及び介護者が患者の体液に暴露される危険がある。このような患者の体液への暴露の可能性がある場合には、米国の疾病管理予防センター(CDC)及び国立労働安全衛生研究所(NIOSH)により定められた、追加の個人用防護具(PPE)を必要とする。
【0047】
図9Aは、経鼻胃の経腸吸引及び栄養システムを使用した例示的な吸引及び栄養供給方法900を説明するためのフロー図である。以下、図9Aのフロー図を参照して方法900について説明するが、方法900に関連する行為を実施する他の様々な方法及び手順を用いてもよいことを理解されたい。例えば、方法900の各ステップの順番は変更してもよいし、各ステップは断続的に繰り返すかまたは連続的に実施してもよいし、特定のステップを他のステップと組み合わせてもよいし、各ステップは任意にまたは付随的に実施してもよい。
【0048】
この例示的な方法900は、まず、臨床医が、胃チューブ装置104のマルチルーメンチューブ108を患者に挿入することにより開始される(ステップ902)。続いて、臨床医は、マルチルーメンチューブ108の適切な位置を確認する。例えば、臨床医は、送達アームコネクタキャップ540を取り外し、チューブアセンブリ誘導システム588の位置決めスタイレット586を使用して、マルチルーメンチューブ108の適切な位置を確認する(ステップ904)。例えば、チューブアセンブリ誘導システム588(例えば、CORTRAK(登録商標)経腸アクセスシステム)の位置決めスタイレット586を、胃チューブ装置104の送達アーム504と共に使用して、患者55内でのマルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の位置決めを行う。また、例えば、臨床医は、X線技術及びX線不透過性ストライプ380を使用して、配置位置を確認する。臨床医はまた、経腸シリンジを使用して胃吸引物のサンプルを取得し、pHレベルを検査する。マルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の位置の確認後、臨床医は、吸引コネクタプラグ560または吸引コネクタキャップ562を取り外す(ステップ906)。その後、臨床医は、吸引チューブ120を吸引コネクタ318に接続し(ステップ908)、その後、吸引アセンブリ112により吸引圧力を印加する(ステップ910)。吸引アセンブリ112は、患者及び手術方法に基づき様々な吸引圧力を印加することができる、壁掛け式真空装置などの真空装置116を含み得る。例えば、新生児の患者には、大人の患者よりも小さな圧力を印加する。吸引がもはや必要でなくなったとき、臨床医は、真空装置116を停止することにより、吸引を終了する(ステップ912)。その後、臨床医は、吸引コネクタキャップ562を再び取り付ける(ステップ914)。栄養供給が必要な場合、臨床医は、栄養供給キャップまたは送達アームコネクタキャップ540を取り外す(ステップ916)。加えて、この時点で、臨床医は、位置決めスタイレット586またはX線不透過性ストライプ380を使用して、マルチルーメンチューブ108の適切な位置をもう一度確認する。その後、臨床医は、小口径コネクタ618を用いて、投与チューブ212を送達アーム504に接続する(ステップ918)。次に、臨床医は、栄養供給処置を開始する(ステップ920)。重力を利用して供給流を生成する場合、臨床医は、栄養剤などの流体が投与チューブ212を通って流れることができるように、適切な投与チューブセットクランプ機構220を調節する。経腸栄養ポンプ216を使用して供給流を生成する場合、臨床医は、経腸栄養ポンプ216を所要の設定値で駆動する。その後、臨床医は、栄養供給処置を終了し、経腸栄養ポンプ216を停止するかまたは投与チューブセットクランプ機構220を閉じる(ステップ922)。栄養供給の完了後または停止後(例えば、患者の不快感に起因して)、追加的な吸引処置を実施することが必要または有益であり得る。例えば、臨床医は、上記のステップ906−912を繰り返して、追加的な吸引を実施する(ステップ924)。追加的な吸引処置の実施後、臨床医は、上記のステップ914−922を繰り返して、追加的な栄養供給処置を開始する(ステップ926)。最終的に、臨床医は、患者からマルチルーメンチューブ108を抜去する(ステップ928)。
【0049】
図9Bは、経腸栄養及び胃圧緩和システムを使用した例示的な方法950を説明するためのフロー図である。以下、図9Bのフロー図を参照して方法950について説明するが、方法950に関連する行為を実施する他の様々な方法及び手順を用いてもよいことを理解されたい。例えば、方法950の各ステップの順番は変更してもよいし、各ステップは断続的に繰り返すかまたは連続的に実施してもよいし、特定のステップを他のステップと組み合わせてもよいし、各ステップは任意にまたは付随的に実施してもよい。
【0050】
この例示的な方法950は、まず、臨床医が、胃チューブ装置104のマルチルーメンチューブ108を患者に挿入することにより開始される(ステップ952)。続いて、臨床医は、マルチルーメンチューブ108の適切な位置を確認する。例えば、臨床医は、送達アームコネクタキャップ540を取り外し、チューブアセンブリ誘導システム588の位置決めスタイレット586を使用して、マルチルーメンチューブ108の適切な位置を確認する(ステップ954)。例えば、チューブアセンブリ誘導システム588(例えば、CORTRAK(登録商標)経腸アクセスシステム)の位置決めスタイレット586を、胃チューブ装置104の送達アーム504と共に使用して、患者55内でのマルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の位置決めを行う。また、例えば、臨床医は、X線技術及びX線不透過性ストライプ380を使用して、配置位置を確認する。臨床医はまた、経腸シリンジを使用して胃吸引物のサンプルを取得し、pHレベルを検査する。マルチルーメンチューブ108の閉鎖遠位端部314の位置の確認後、臨床医は、栄養供給キャップまたは送達アームコネクタキャップ540を取り外す(ステップ956)。その後、臨床医は、投与チューブ212をYコネクタ106の送達アーム504に接続し(ステップ958)、経腸栄養容器204からの栄養供給を開始する(ステップ960)。患者が、栄養供給に関する問題を有しており、逆流物を緩和(軽減)する必要がある場合、臨床医は、適切な投与チューブセットクランプ機構を閉じるか、または経腸栄養ポンプ216を停止することにより、栄養供給を終了する。臨床医は、必要に応じて、第2のルーメン324またはベントチューブ410から逆流物を除去する(ステップ964)。例えば、臨床医は、第2のルーメン324またはベントチューブ410から逆流物を除去するために、空気が充填された経腸シリンジを逆流防止バルブ110に接続する。その後、臨床医は、逆流防止フィルタハウジング302を取り外す(ステップ966)。加えて、臨床医は、空気が充填された経腸シリンジを使用して、逆流防止フィルタハウジング302を取り外す前に、第2のルーメン324またはベントチューブ410から逆流物を除去する、及び/または、逆流防止バルブの膜またはフィルタ上のデブリを除去する。逆流防止フィルタハウジング302を取り外した後、逆流防止バルブ110のコネクタ304は、マルチルーメンチューブ108の空気ベントルーメン(第2のルーメン324)に結合された状態に保たれる。その後、臨床医は、第2のルーメン324チューブの近位端部350に結合された、逆流防止バルブ110のコネクタ304に、フィルタハウジング302を再び取り付けるか、またはリリーフチューブ240のコネクタ250を接続する(ステップ968)。その後、臨床医は、逆流物が胃逆流物回収容器230内に回収されるまで、栄養供給を継続する(ステップ970)。次に、臨床医は、所望の量の栄養剤が患者55に送達されると、栄養供給処置を終了する(ステップ972)。最終的に、臨床医は、患者からマルチルーメンチューブ108を抜去する(ステップ974)。
【0051】
本明細書で説明した例示的な実施形態の様々な変更及び修正が当業者には明らかであることを理解されたい。そのような変更及び修正は、本開示の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、かつそれの意図する利点を失うことなく実施することができる。したがって、そのような変更及び修正は、添付された特許請求の範囲に包含されることを意図している。また、従属請求項の特徴は、各独立請求項のシステム、方法、及び装置において具現化してもよい。
【0052】
本明細書で説明した主題の態様は、単独で、または、本明細書で説明した他の態様と組み合わせて使用することができる。上記の説明に限定されることなく、本開示の例示的な態様では、胃チューブシステムにおいて使用するためのYコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。
【0053】
上記の態様と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、Yコネクタは、第1の材料から作製された内側コアと、第2の材料から作製された被覆層とをさらに備える。前記被覆層は、前記Yコネクタの本体部分の少なくとも一部を取り囲む。
【0054】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記被覆層は、前記内側コアの少なくとも一部を取り囲む。
【0055】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記第1の材料は、硬いプラスチック材料である。
【0056】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記第2の材料は、柔軟な材料である。
【0057】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記第1の材料は、透明なコポリエステルであり、前記第2の材料は、半透明の熱可塑性エラストマーである。
【0058】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記先細の中空ステムコネクタの前記外径は、段階的に減少する。
【0059】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記先細の中空ステムコネクタの前記外径は、一様に直線的に減少する。
【0060】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記合流アームの前記接続ポートは、14フレンチないし18フレンチの範囲のサイズを有するマルチルーメンチューブを受容することができるように構成されている。
【0061】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記Yコネクタは、前記送達アームを密閉することができるように構成された第1のキャップと、前記吸引アームの前記先細の中空ステムコネクタを密閉することができるように構成された第2のキャップとをさらに備える。
【0062】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記第1のキャップは、該第1のキャップを前記送達アームの周りにその円周方向に回転させることができるように構成された第1のテザーによって前記送達アームに取り付けられている。加えて、前記第2のキャップは、該第2のキャップを前記吸引アームの周りにその円周方向に回転させることができるように構成された第2のテザーよって前記吸引アームに取り付けられている。
【0063】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記第2のキャップは、前記先細の中空ステムコネクタの全表面を覆うように嵌合させることができるように構成されている。
【0064】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記第2のキャップは、前記先細の中空ステムコネクタの前記出口端部を覆うように嵌合させることができるように構成されている。
【0065】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記第2のキャップは、前記先細の中空ステムコネクタの前記出口端部の中空部分内に摩擦嵌合させることができるように構成されたプラグを含む。
【0066】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、胃チューブシステムは、Yコネクタと、マルチルーメンチューブとを備えて構成されている。前記Yコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。前記マルチルーメンチューブは、開放近位端部と、閉鎖遠位端部とを有する。前記マルチルーメンチューブの開放近位端部は、前記Yコネクタの前記合流アームの接続ポートに結合させることができるように構成されている。加えて、前記マルチルーメンチューブは、壁部によって互いに隔てられた第1のルーメン及び第2のルーメンを含む。前記第1のルーメンは、前記マルチルーメンチューブの前記近位端部から、前記マルチルーメンチューブの前記遠位端部まで延在する。前記第1のルーメンは、開放近位端部及び遠位端部を有し、前記遠位端部は複数の開口部を有する。さらに、前記第2のルーメンは、前記近位端部及び遠位端部を有する。前記第2のルーメンの前記遠位端部は、前記第1のルーメン及び前記第2のルーメン間の前記壁部に形成された流体連通開口部を有し、前記第1のルーメンの前記遠位端部と流体連通している。前記流体連通開口部は、前記第1のルーメンの前記遠位端部に空気を導入することができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記近位端部は、前記第1のルーメンの前記近位端部を越えて延出している。前記第2のルーメンの前記近位端部は、大気と流体連通している。
【0067】
上記の態様と組み合わせて使用可能な本開示の別の態様によれば、前記第2のルーメンの前記近位端部は、拡径部を有する。
【0068】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記胃チューブシステムは、位置決めスタイレットをさらに備える。前記位置決めスタイレットは、第1の端部及び第2の端部を有する。前記位置決めスタイレットはまた、結合デバイスを含む。前記結合デバイスは、前記送達アームの小口径コネクタに結合させることができるように構成されている。前記位置決めスタイレットの前記第1の端部は、電極コネクタを有する。前記位置決めスタイレットの前記第2の端部は、前記マルチルーメンチューブの前記第1のルーメンを通じて変位させることができるように構成されたコイルを有する。加えて、前記位置決めスタイレットの前記第2の端部は、前記マルチルーメンチューブの前記第1のルーメン内に配置され、前記第1のルーメンの前記遠位端部において位置決めされる。
【0069】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記胃チューブシステムは、前記第2のルーメンの前記近位端部に設けられた逆流防止バルブをさらに備える。
【0070】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記逆流防止バルブは、頂部端部と、底部端部と、該逆流防止バルブを通じて流体を前記頂部端部から前記第2のルーメンへ一方向に流すことができるように構成された一方向バルブとを含む。
【0071】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記逆流防止バルブは、頂部端部と、底部端部と、逆流防止フィルタハウジングと、コネクタとを含む。前記ハウジングは、流体の流れは遮るが気体の双方向への流れを可能にする膜を有する。前記コネクタは、前記逆流防止フィルタハウジングを受容することができるように構成されている。
【0072】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記逆流防止バルブの前記頂部端部は、シリンジと結合させることができるように構成されている。
【0073】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、経腸栄養及び吸引システムであって、流体源と、吸引アセンブリと、Yコネクタと、マルチルーメンチューブと、投与チューブセグメントと、吸引チューブセグメントとを備えて構成されている。前記吸引アセンブリは、真空装置と、吸引容器とを含む。加えて、前記真空装置及び前記吸引容器は、真空チューブにより互いに接続されている。前記Yコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。前記マルチルーメンチューブは、近位端部及び遠位端部を有する。前記マルチルーメンチューブは、第1のルーメン及び第2のルーメンを含む。前記第1のルーメンは、近位端部及び遠位端部を有する。前記第1のルーメンの前記遠位端部は、少なくとも1つの開口部を有する、前記第1のルーメンの前記近位端部は、前記Yコネクタの前記合流アームの接続ポートに結合させることができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記遠位端部は、前記第1のルーメン及び前記第2のルーメン間の前記壁部に形成された流体連通開口部を有し、前記第1のルーメンの前記遠位端部と流体連通している。前記流体連通開口部は、前記第1のルーメンの前記遠位端部に空気を導入することができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記近位端部は、前記第1のルーメンの前記近位端部を越えて延出している。前記第2のルーメンの前記近位端部は、大気と流体連通している。また、前記第2のルーメンの前記近位端部は、拡径部を有する。前記投与チューブセグメントは、前記流体源に接続される第1の端部と、前記Yコネクタの前記送達アームに接続される第2の端部とを有する。前記吸引チューブセグメントは、前記吸引容器に接続される第1の端部と、前記吸引アームの前記先細の中空ステムコネクタに接続される第2の端部とを有する。
【0074】
上記の態様と組み合わせて使用可能な本開示の別の態様によれば、前記経腸栄養及び吸引システムは、経腸栄養ポンプをさらに備える。
【0075】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、前記経腸栄養及び吸引システムは、前記第2のルーメンの前記近位端部に設けられた逆流防止バルブをさらに備える。
【0076】
上記の態様の1または複数と組み合わせて使用可能な本開示の別の例示的な態様によれば、経腸栄養及び胃圧緩和システムは、胃逆流物回収容器と、流体源と、Yコネクタと、マルチルーメンチューブと、リリーフチューブセグメントとを備えて構成されている。胃逆流物回収容器は、患者の胃からの逆流流体を回収することができるように構成されている。前記Yコネクタは、送達アームと、吸引アームと、一方向バルブと、合流アームとを備える。前記吸引アームは、吸引アームステムと、外側端部とを含む。前記吸引アームステムは、近位端部及び遠位端部を有する。前記吸引アームはまた、チューブの端部内に摩擦嵌合させることができるように構成された先細の中空ステムコネクタを含む。前記先細の中空ステムコネクタは、基部及び出口端部を有し、前記吸引アームステムに対して軸方向に整列されている。前記先細の中空ステムコネクタの前記基部は、前記吸引アームの前記外側端部に結合される。前記先細の中空ステムコネクタは、前記基部から前記出口端部に向かうに従って減少する外径を有する。前記一方向バルブは、前記中空ステムコネクタの前記出口端部と前記吸引アームステムの前記近位端部との間に介在され、前記吸引アームステムを通じて流体を一方向に流すことができるように構成されている。例えば、流体は、前記中空ステムコネクタの前記基部から前記出口端部へ流れる。前記送達アームは、送達アームステムと、外側端部と、前記外側端部に設けられたねじ式(係合ねじ部を有する)小口径コネクタとを含む。前記合流アームは、合流アームステムを含む。加えて、前記合流アームは、マルチルーメンチューブを受容することができるように構成された接続ポートを含む。前記送達アームステムは、前記合流アームステムと流体連通し、前記吸引アームステムは、前記合流アームステム及び前記送達アームステムと流体連通する。前記マルチルーメンチューブは、近位端部及び遠位端部を有する。前記マルチルーメンチューブは、第1のルーメン及び第2のルーメンを含む。前記第1のルーメンは、近位端部及び遠位端部を有する。前記第1のルーメンの前記遠位端部は、少なくとも1つの開口部を有する、前記第1のルーメンの前記近位端部は、前記Yコネクタの前記合流アームの接続ポートに結合させることができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記遠位端部は、前記第1のルーメン及び前記第2のルーメン間の前記壁部に形成された流体連通開口部を有し、前記第1のルーメンの前記遠位端部と流体連通している。前記流体連通開口部は、前記第1のルーメンの前記遠位端部に空気を導入することができるように構成されている。前記第2のルーメンの前記近位端部は、前記第1のルーメンの前記近位端部を越えて延出している。前記第2のルーメンの前記近位端部は、大気と流体連通している。また、前記第2のルーメンの前記近位端部は、拡径部を有する。前記投与チューブセグメントは、前記流体源に接続される第1の端部と、前記Yコネクタの前記送達アームに接続される第2の端部とを有する。前記リリーフチューブセグメントは、第1の端部及び第2の端部を有する。前記リリーフチューブセグメントの前記第1の端部は、前記胃逆流物回収容器に接続される。加えて、前記リリーフチューブセグメントの前記第2の端部は、前記マルチルーメンチューブの前記第2のルーメンの前記近位端部に接続される。
【0077】
上記の態様と組み合わせて使用可能な本開示の別の態様によれば、前記経腸栄養及び胃圧緩和システムは、前記第2のルーメンの前記近位端部に設けられた逆流防止バルブをさらに備える。
【0078】
本開示の様々な特徴及び利点が、上記の説明から明らかになったが、添付の特許請求の範囲は、本開示のこれらの特徴及び利点を全て含むことを意図している。さらに、当業者であれば様々な改変及び変更を容易に実施可能であるので、本開示は、図示及び説明した詳細な構成及び動作に限定されるものではない。したがって、説明した実施形態は、例示的なものであり、限定を意図するものではない。本開示は、本明細書中に説明された詳細に限定されるものではなく、現在または未来において予測可能または予測不能に関わらず、添付の特許請求の範囲及びその均等物の間然な範囲によって規定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B