特許第6914936号(P6914936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914936
(24)【登録日】2021年7月16日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】容器の閉鎖システム
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20210727BHJP
   B65D 41/34 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   B65D1/02 212
   B65D41/34 114
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-531255(P2018-531255)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公表番号】特表2018-538209(P2018-538209A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2016080919
(87)【国際公開番号】WO2017108514
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】1563042
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1653875
(32)【優先日】2016年4月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518207443
【氏名又は名称】スヴァリン キャップ システムズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コメット イスラエル
(72)【発明者】
【氏名】ルル アラン
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07413097(US,B1)
【文献】 米国特許第04579241(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
B65D 41/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の閉鎖システムにおいて、
可撓性の保持カラー(7)を有する首部(4)を含み、上記容器に固定される首要素(3)と、
閉鎖壁(15)及び固定裾部(16)を含み、上記首部(4)にねじ込まれる閉鎖キャップ(14)と、
複数の脆弱要素(22)によって上記固定裾部(16)に接続され、少なくとも1つの可撓性保持要素(23)を有する不正開封防止リング(19)とを備え、
上記首部(4)及び上記不正開封防止リング(19)は、上記閉鎖キャップ(14)が首部(4)上に固定されているとき、少なくとも上記脆弱要素(22)が破損する手前まで、上記保持カラー(7)は環状引っ掛けハウジング(11)の境界を定めるように構成され、
上記少なくとも1つの可撓性保持要素(23)は、少なくとも部分的に支持されて上記環状引っ掛けハウジング(11)に引っ掛けられるように構成され、
上記保持カラー(7)は、上記脆弱要素(22)が破損した後、上記首部(4)上の上記閉鎖キャップ(14)の最初の弛め動作の間、上記固定裾部(16)と上記不正開封防止リング(19)との間まで少なくとも部分的に延びるように構成されており、
上記首部(4)は、上記少なくとも1つの可撓性保持要素(23)が上記閉鎖キャップ(14)の最初の弛め動作の間、当接するように構成される環状停止要素(29)を含み、
上記環状停止要素(29)は、上記環状引っ掛けハウジング(11)に達するように構成されている
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項2】
請求項1に記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記保持カラー(7)は、
該保持カラー(7)が上記首部(4)の拡張軸(A)に対して実質的に放射状に延びる初期位置と、
該保持カラー(7)が曲がって上記環状引っ掛けハウジング(11)の境界を定める保持位置との間で変形可能である
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項3】
請求項2に記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記不正開封防止リング(19)は、少なくとも上記脆弱要素(22)が破損する手前まで、その保持位置の上記保持カラー(7)を変形させて保持するように構成されている
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記不正開封防止リング(19)は、上記保持カラー(7)の周辺まで延びるように構成されている
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記保持カラー(7)の外縁エッジ(12)は、上記閉鎖キャップ(14)が上記首部(4)上に固定されているとき、少なくとも上記脆弱要素(22)の破損の手前まで、上記環状引っ掛けハウジング(11)において現れる挿入開口(13)の境界を定め、
上記少なくとも1つの可撓性保持要素(23)は、上記挿入開口(13)を通って延びるように構成されている
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記不正開封防止リング(19)は、上記脆弱要素(22)によって上記固定裾部(16)に接続される環状部分(21)を有し、
上記保持カラー(7)は、上記環状部分(21)の内径よりも大きい外径を有する
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記閉鎖キャップ(14)が首部(4)上に固定されているとき、少なくとも上記脆弱要素(22)の破損の手前まで、上記保持カラー(7)が上記不正開封防止リング(19)に対して半径方向の力を加えるように構成されている
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記不正開封防止リング(19)は、上記固定裾部(16)に向かって延びる少なくとも1つの第1の駆動要素(24)を備え、
上記閉鎖キャップ(14)は、上記不正開封防止リング(19)に向かって延びる少なくとも1つの第2の駆動要素(25)を備え、
上記少なくとも1つの第2の駆動要素(25)は、上記固定裾部(16)から間隔をあけて配置される上記不正開封防止リング(19)を取り外すため、及び、上記脆弱要素(22)が破損した後に上記首部(4)上の上記閉鎖キャップ(14)の最初の弛め動作を行う間、上記固定裾部(16)と上記不正開封防止リング(19)との間に少なくとも1つの開口チェックスペース(28)を形成するために、上記少なくとも1つの第1の駆動要素(24)と協同するように構成されている
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【請求項9】
請求項8に記載の容器の閉鎖システムにおいて、
上記少なくとも1つの第1の駆動要素(24)は、第1のカム面(26)を有し、
上記少なくとも1つの第2の駆動要素(25)は、上記脆弱要素(22)の破損の後の上記首部(4)上の上記閉鎖キャップ(14)の最初の弛め動作の間、上記固定裾部(16)から間隔をあけて配置される上記不正開封防止リング(19)に付勢するために上記第1のカム面(26)と協同するように構成される第2のカム面(27)を有する
ことを特徴とする容器の閉鎖システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の閉鎖システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の閉鎖システムは、公知の、
停止面に設けられる保持カラーを含む首部を有し、容器に固定される首要素と、
閉鎖壁及び固定裾部を含み、上記首部上にねじ込まれて固定される閉鎖キャップと、
上記閉鎖キャップの弛め作業の間に上記保持カラーの停止面に対して境を接するように構成された複数の可撓性保持要素を有する複数の脆弱要素を含み、これら複数の脆弱要素によって固定裾部に接続される不正開封防止リングとを備えている。
【0003】
保持カラー及び保持要素のこの種の構成は、上記閉鎖キャップの弛め作業の間、不正開封防止リングを不動にし、このことで、固定裾部と不正開封防止リングとを接続している脆弱要素の破損を引き起こすことを許容する。脆弱要素のこの種の破損は、上述した閉鎖システムを備えている容器の、いかなる不正開封の簡単なチェックも確実にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、まれなケースであるが、保持要素の柔軟性から見て、これらは、弾性的に変形することができ、閉鎖キャップの弛め作業の間、保持カラーを回避することができる。そのような場合、閉鎖システムを備えると共に、消費者によって摂取される内容物が注入される容器内に、不正開封防止リングが重力によって落下するおそれがある。
【0005】
本発明の目的とするところは、この欠点を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の基礎をなす技術的課題は、単純で経済的な構造を備えた閉鎖システムを有する容器を提供すると共に、信頼性が高い不正開封防止リングによる首部に対する保持を確実にすることにある。
【0007】
この目的のために、本発明は、容器の閉鎖システムに関し、
この閉鎖システムは、
容器に固定され、可撓性の保持カラーを含む首部を有する首要素と、
閉鎖壁及び固定裾部を含み、首部上にねじ込まれる閉鎖キャップと、
少なくとも1つの可撓性保持要素を有し、例えば保持カラーと協同するように構成され、複数の脆弱要素によって固定裾部に接続される不正開封防止リングとを備え、
首部及び不正開封防止リングは、閉鎖キャップが首部上に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラーが環状の引っ掛けハウジングの境界を定めるように構成され、少なくとも1つの可撓性保持要素は、少なくとも部分的に支持され、環状の引っ掛けハウジングに引っ掛けられるように構成され、
保持カラーが、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、固定裾部と不正開封防止リングとの間に少なくとも部分的に延びるように構成されることを特徴とする。
【0008】
保持カラーのこの種の構成は、本発明に係る閉鎖システムを備える容器が最初に開かれる間、引っ掛けハウジングに対する少なくとも1つの可撓性保持要素の挿入及び保持カラーと少なくとも1つの保持要素との間の引っ掛かりを確実にすることを可能にする。この種の引っ掛かりは、不正開封防止リングの偶然の分離のいかなる危険度をも回避し、そのことで、首部上の不正開封防止リングの信頼性の高い保持を確実にする。
【0009】
さらにまた、固定裾部と不正開封防止リングとの間の保持カラーのこの種の拡張は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、本発明に係る閉鎖システムを備えている容器の、不正開封の簡単なチェックを確実にする。
【0010】
閉鎖システムは、以下の特徴の1つ以上を、単独で又は複合でさらに有してもよい。
【0011】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、首部に載置される。
【0012】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーが、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作まで、少なくとも環状の引っ掛けハウジングの境界を定めるように、首部及び不正開封防止リングが構成されている。
【0013】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、保持カラーが首部の拡張軸に対して実質的に放射状に延びる初期位置と、保持カラーが曲がって環状の引っ掛けハウジングの境界を定める保持位置との間で、例えば弾性的に又は可塑的に変形可能である。
【0014】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、そして、例えば少なくとも脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作まで、保持位置の保持カラーを変形させて保持するように構成されている。
【0015】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、脆弱要素の破損の手前まで、そして、例えば、少なくとも脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作まで、少なくとも保持カラー周辺で延びるように構成されている。
【0016】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、引っ掛けハウジングの境界を定めるように構成された引っ掛け面を有する。好ましくは、引っ掛け面は、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで曲がっている。
【0017】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、首部の外面と協同するように構成される第1表面と、第1表面の反対側で保持カラーの引っ掛け面と協同するように構成された第2表面とを有する。
【0018】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーの周縁エッジは、閉鎖キャップが首部上に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、環状の引っ掛けハウジングに導く挿入開口の境界を定めるように構成され、少なくとも1つの可撓性保持要素が挿入開口を通って延びるように構成されている。
【0019】
本発明の1実施形態によれば、挿入開口は、閉鎖キャップの反対側を向く。
【0020】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、脆弱要素によって固定裾部に接続している環状部分を有し、保持カラーは、環状部分の内径よりも大きい外径を有する。
【0021】
環状部分は、閉鎖キャップが首部に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラー周辺に延びるように構成されるのが好ましい。
【0022】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーの外縁エッジは、脆弱要素の破損の手前まで少なくとも環状部分の内面に対向する。
【0023】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップが首部に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラーが、不正開封防止リングに対する半径方向の力を掛けるように構成されている。
【0024】
本発明の1実施形態によれば、首部は、脆弱要素の破損の後、不正開封防止リングを支持できる停止面を有し、初期位置の保持カラーと停止面との間の距離は、不正開封防止リングの幅よりも大きい。
【0025】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、環状の引っ掛けハウジングの範囲内で支持され得る終端部を有する。
【0026】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、不正開封防止リングの環状部分から延びる。
【0027】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーの半径方向寸法は、保持カラーの軸方向寸法よりも大きい。言い換えれば、保持カラーの幅は、保持カラーの厚みよりも大きい。
【0028】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップが首部に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラーの外縁エッジが保持カラーと首部の外面との間の接合領域に対して軸方向に移動するように、保持カラーは構成されている。
【0029】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、可撓性保持フラップ部である。
【0030】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、その内周部に分布される複数の可撓性保持要素を有する。好ましくは、保持要素は、不正開封防止リングの内周部に均一に分布される。
【0031】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは固定裾部に向かって延びる少なくとも1つの第1の駆動要素を有し、閉鎖キャップは不正開封防止リングに向かって延びる少なくとも1つの第2の駆動要素を有する。少なくとも1つの第2の駆動要素は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、固定裾部から間隔をあけて配置される不正開封防止リングを移動させ、固定裾部と不正開封防止リングとの間に少なくとも1つの開口点検スペースを形成するように、少なくとも1つの第1の駆動要素と協同するように構成されている。
【0032】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの第1の駆動要素は、不正開封防止リングの環状部分の上部エッジから延び、少なくとも1つの第2の駆動要素は、固定裾部の下側エッジから延びる。
【0033】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの第1の駆動要素は、第1のカム面を有し、少なくとも1つの第2の駆動要素は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、固定裾部から間隔をあけて配置される不正開封防止リングに付勢するために第1のカム面と協同するように構成される第2のカム面を有する。
【0034】
本発明の1実施形態によれば、第2のカム面は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、不正開封防止リングの環状部分が固定裾部から間隔をあけて配置されるように付勢するために、第1のカム面と協同するように構成されている。
【0035】
本発明の1実施形態によれば、第2のカム面は、第1のカム面と実質的に相補的である。
【0036】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの第1の駆動要素及び少なくとも1つの第2の駆動要素の各々は、全体として波形又は波動のような形状を有する。
【0037】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは環状部分の上部エッジに沿って分布される複数の第1の駆動要素を有し、閉鎖キャップは固定裾部の下側エッジに沿って分布される複数の第2の駆動要素を有する。
【0038】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、少なくとも1つの開口チェックスペースにおいて少なくとも部分的に延びるように構成されている。
【0039】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップは、首部の内面と協同するための環状のシールリップを有する。
【0040】
本発明の1実施形態によれば、首部分は、少なくとも1つの外側固定要素を備え、固定裾部は、首部に設けられた少なくとも1つの外側固定要素と協同するように構成された少なくとも1つの内側固定要素を備えている。
【0041】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの外側固定要素は、外側スレッドである。
【0042】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの内側固定要素は、内側スレッドである。
【0043】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リング、及びより詳しくは、環状部分は、固定裾部の拡張部に位置する。
【0044】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの保持要素は、例えば弾性的に又は可塑的に、少なくとも1つの保持要素が閉鎖キャップの反対側を向く初期位置と、少なくとも1つの保持要素が閉鎖キャップの方を向く引っ掛け位置との間で変形可能である。
【0045】
本発明の1実施形態によれば、首要素は、首部に固着され、容器に固定されるための固定部分を有する。
【0046】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、少なくとも1つの外側固定要素と固定部分との間に配置されている。
【0047】
本発明の1実施形態によれば、挿入開口は、固定部分の方を向いている。
【0048】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、閉鎖キャップが首部上に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、実質的に傘のような形状を有する。
【0049】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップ及び不正開封防止リングは、射出成形によって製造される。
【0050】
本発明の1実施形態によれば、首部は、例えば環状停止リブのような、環状停止要素を含み、それに対し、少なくとも1つの可撓性保持要素が、最初の閉鎖キャップの弛め作業の間に当接するように構成されている。これらの配置は、最初の閉鎖キャップの弛め作業の間、不正開封防止リングが外れる方向の移動(それは保持カラーの柔軟性のため、この種の停止要素の非存在下でより大きい)を制限することを可能にし、したがって、脆弱要素の破損の手前まで少なくとも閉鎖システムの封止を確実にする。
【0051】
本発明の1実施形態によれば、環状停止要素は、環状の引っ掛けハウジングに達するように構成されている。
【0052】
本発明の1実施形態によれば、環状停止要素は、保持カラーと首部の外面との間の接合領域の付近に配置されている。
【0053】
本発明の1実施形態によれば、環状停止要素は、首部の外面上に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る閉鎖システムを示す斜視図である。
図2図2は、組立状態の図1の閉鎖システムを示す斜視図である。
図3図3は、図1の閉鎖システムの不正開封防止リング及び閉鎖キャップを下方から見た斜視図である。
図4図4は、組立状態の図1の閉鎖システムを切断して示す斜視図である。
図5図5は、図4の詳細拡大図である。
図6図6は、閉鎖キャップ及び不正開封防止リングを接続する脆弱要素が破損する前のネジを弛める状態の閉鎖キャップを示す、図1の閉鎖システムを部分的に切断した斜視図である。
図7図7は、弛め作業の間で且つ脆弱要素の破損の後の閉鎖キャップを示す、図1の閉鎖システムを部分的に切断して示す斜視図である。
図8図8は、閉鎖システムの首部において閉鎖キャップのネジを弛める状態を示す、図1の閉鎖システムを示す斜視図である。
図9図9は、図8に示されるものと同じ位置の不正開封防止リングを示す、図1の閉鎖システムを部分的に切断した斜視図である。
図10図10は、閉鎖システムの首部に対して閉鎖キャップのネジを弛める状態を示す、本発明の第2実施形態に係る閉鎖システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明は、非限定的な実施形態として、閉鎖システムの2つの実施形態を示す添付の概要図を参照する以下の説明によってよりよく理解される。
【0056】
図1図9は、本発明の第1実施形態に従って、例えば、包装レンガ(brique)又は包装カートン(berlingot)である容器の閉鎖システム2を示す。
【0057】
閉鎖システム2には、容器に固定される首要素3が設けられている。首要素3は、樹脂材料によって一体に射出成形されているのが望ましい。
【0058】
特に図1及び図4に示されるように、例えば、首要素3は、拡張軸Aに沿って延びる管状の首部4と、首部4に固着され、超音波圧接によって容器に固定される固定部分5とを有する。図示した実施形態によれば、固定部分5は、環状で首部4の拡張軸Aに対して実質的に放射状に延びる。
【0059】
首部4は、その外部表面に、外側スレッド6及び保持カラー7を備える。保持カラー7は、環状且つ可撓性で、外側スレッド6と固定部分5との間に配置されるのが望ましい。保持カラー7は、外側スレッド6に対向する第1の環状面8と、この第1の環状面8と反対側にあると共に固定部分5向きの第2の環状面9とを備えている。
【0060】
より詳しくは、保持カラー7は、弾性的に又は可塑的に、保持カラー7が首部4の拡張軸Aに対して放射状に延びる休止位置と呼ばれる初期位置(図1に示される)と、保持カラー7が曲がっており、第2の環状面9が環状の引っ掛けハウジング11の境界を定める保持位置(図4に示される)との間で変形可能である。
【0061】
図4に示すように、保持カラー7がその保持位置にあるときに、保持カラー7の外縁エッジ12は、保持カラー7と首部4の外面との間の接合領域から軸方向に(固定部分5の方へ)移動させられる。さらに、保持カラー7がその保持位置にあるときに、外縁エッジ12は、引っ掛けハウジング11において延び、固定部分5の方へ向かう挿入開口13の境界を定める。
【0062】
また、閉鎖システム2には、首部4に着脱自在に固定される閉鎖キャップ14が設けられている。閉鎖キャップ14は、閉鎖壁15及び閉鎖壁15から延びる固定裾部16を含む。固定裾部16は、その内面に、首部4の外側スレッド6と協同するように構成された内側スレッド17を含む。
【0063】
また、閉鎖キャップ14は、首部4の内面と協同する環状のシールリップ18を含む。
【0064】
さらに、閉鎖システム2には、固定裾部16の延長部に位置する環状部分21を含む不正開封防止リング19が設けられている。環状部分21は、環状部分21の上部エッジに沿って分布された複数の脆弱橋(脆弱要素22)によって、固定裾部16に接続されている。閉鎖キャップ14、不正開封防止リング19及び脆弱橋(脆弱要素22)は、射出成形によって同時に(一体に)成形されるのが望ましい。
【0065】
図示した実施形態によれば、環状部分21は、保持カラー7の外径よりも小さい内径を有する。
【0066】
不正開封防止リング19にも、その環状部分21の内面上に円周上に分布されて保持カラー7の第2の環状面9と協同するように構成される、複数の可撓性保持フラップ部(可撓性保持要素)23が設けられている。各可撓性保持フラップ部23は、各可撓性保持フラップ部23が閉鎖キャップ14の反対を向く休止位置(図3に示す)と呼ばれる初期位置と、各可撓性保持フラップ部23が閉鎖キャップ14の方を向く引っ掛け位置(図4を見る)との間で弾性的に又は可塑的に変形可能であり、挿入開口13を通って延び、引っ掛けハウジング11において少なくとも部分的に支持され得る。より詳しくは、各可撓性保持フラップ部23は、使用位置において、保持カラー7を引っ掛けることができる。
【0067】
不正開封防止リング19及び保持カラー7は、不正開封防止リング19が首部4に載置されるときに、一方では環状部分21が保持カラー7周辺まで延びて保持カラー7を保持位置に変形させて保つように、他方では可撓性保持フラップ部23が引っ掛け位置に変形するように構成されている。このように、使用状況下で、保持カラー7は、不正開封防止リング19に対して、特に環状部分21の内面に対して半径方向の力を加える。
【0068】
図示した実施形態によると、不正開封防止リング19は、環状部分21の上部エッジから且つ固定裾部16に向かって延びる少なくとも1つの駆動要素24をさらに備え、閉鎖キャップ14は、固定裾部16の下側エッジから且つ不正開封防止リング19に向かって延びる少なくとも1つの駆動要素25をさらに備えている。
【0069】
図示した実施形態によれば、脆弱要素22の破損及び閉鎖システム2を備えた容器の最初の開口動作の後の、首部4上の閉鎖キャップ14の最初の弛め動作の間、不正開封防止リング19の環状部分21を固定裾部16及び保持カラー7(図8参照)から間隔をあけて配置されるように移動させるために、駆動要素24はカム面26を有し、駆動要素25は、カム面26と実質的に相補的でカム面26と協同するように構成されるカム面27を有する。
【0070】
図示した実施形態によれば、各駆動要素24,25は、全体として波形状又は波動のような形状を有する。
【0071】
不正開封防止リング19は、環状部分21の上部エッジに沿って分布される複数の駆動要素24を含んでもよく、閉鎖キャップ14は、固定裾部16の下側エッジに沿って分布される複数の駆動要素25を含んでもよい。
【0072】
ここで、本発明に係る閉鎖システム2の動作は、特に図4図9に記載されている。
【0073】
図4に示すように、閉鎖キャップ14が首部4に固定され、不正開封防止リング19が脆弱橋(脆弱要素22)によって固定裾部16に接続されているときに、可撓性保持フラップ部23は、引っ掛けハウジング11から遠く離れている。
【0074】
ユーザが閉鎖キャップ14をネジが弛む方向に回転させるときに、閉鎖キャップ14に接続された不正開封防止リング19は、引っ掛けハウジング11に入り込み、保持カラー7の図6で示す引っ掛け面と呼ばれる第2の環状面9を圧迫し、保持カラー7に向かう可撓性保持フラップ部23までの螺旋状の動きに従って閉鎖キャップ14によって駆動される。
【0075】
その後、図7に示すように、ネジが弛む方向の閉鎖キャップ14の回転がさらに行われると、脆弱橋(脆弱要素22)の破損、すなわち、不正開封防止リング19及び固定裾部16の分離が生じる。環状部分21の内面に対して保持カラー7によって加えられる半径方向の力のため、不正開封防止リング19が、図7に示される、その位置において保持される点に留意する必要がある。
【0076】
閉鎖キャップ14が首部4に再び嵌め込まれ、ねじり方向に回転されるときに、駆動要素25のカム面27が駆動要素24のカム面26と協同し、不正開封防止リング19を固定部分5の方へ且つ固定裾部16から離れた位置に移動させるまで、固定裾部16は次第に不正開封防止リング19に近付く。閉鎖キャップ14のねじ込み終了後に、不正開封防止リング19は図8に示す位置に達し、少なくとも1つの開口チェックスペース28が固定裾部16と不正開封防止リング19との間に形成される。駆動要素24,25の構成は、このように、容易に、本発明に係る閉鎖システム2を備えた容器の、いかなる不正開封の点検をも可能にする。
【0077】
環状部分21の内面に対し、保持カラー7によって加えられる半径方向の力のため、不正開封防止リング19が、図8に示す、その位置において保持される点に留意する必要がある。
【0078】
好ましくは、首部4は、首部4の外部表面上で且つ保持カラー7と首部4の外面との間の接合領域の近くに形成され、引っ掛けハウジング11に達するように構成される、環状停止要素29(例えば環状停止リブ)をさらに含んでもよい。本発明の、この種の実施形態によれば、可撓性保持フラップ部23、特に可撓性保持フラップ部23の自由端は、最初の閉鎖キャップ14の弛め作業の間、環状停止要素29に対して当接するように構成されている。これらの配置は、最初の閉鎖キャップ14の弛め作業の間、保持カラー7の柔軟性のため、この種の停止要素の非存在下でより大きくなる、不正開封防止リング19が外れる方向の移動量を制限し、このように、特にシールリップ18のレベルで、少なくとも脆弱要素22の破損の手前まで閉鎖システムの封止を確実にすることを可能にする。
【0079】
図10は、基本的に図1図9で示す第1の実施形態と異なる、本発明の第2実施形態に係る閉鎖システム2を示す。脆弱要素22の破損の後の首部4上の閉鎖キャップ14の最初の弛め動作の間、特にカム面26,27の協調によって誘導される固定裾部16から間隔をあけるように不正開封防止リング19が外れた後、保持カラー7が弾性的に変形し、固定裾部16と不正開封防止リング19との間に少なくとも部分的に延びるように構成されている。より詳しくは、保持カラー7は、首部4上の閉鎖キャップ14の最初の弛め動作の間、少なくとも1つの開口チェックスペース28に達するように構成されている。これらの配置は、本発明の第2実施形態に係る閉鎖システム2を備える容器の、不正開封の簡単なチェックを確実にすることを可能にする。
【0080】
本発明の第2実施形態によれば、保持カラー7は、少なくとも脆弱要素22の破損の手前まで、そして、特に脆弱要素22の破損の後の首部4上の閉鎖キャップ14の最初の弛め動作まで、少なくとも環状の引っ掛けハウジング11の境界を定めるように構成され、不正開封防止リング19は、少なくとも脆弱要素22の破損の手前まで、そして、特に脆弱要素22の破損の後の首部4上の閉鎖キャップ14の最初の弛め動作まで、その保持位置の保持カラー7を変形させて保持するように構成されている。
【0081】
首部4上の閉鎖キャップ14の最初の弛め動作の後、保持カラー7の一部は、まだ不正開封防止リング19に囲まれていてもよく、これにより、不正開封防止リング19を適所に位置する状態に保つために、不正開封防止リング19上に荷重を加えることができる。
【0082】
もちろん、本発明は、例として上述された、この閉鎖システムの唯一の実施形態に限られておらず、その全ての変形例を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10