【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の基礎をなす技術的課題は、単純で経済的な構造を備えた閉鎖システムを有する容器を提供すると共に、信頼性が高い不正開封防止リングによる首部に対する保持を確実にすることにある。
【0007】
この目的のために、本発明は、容器の閉鎖システムに関し、
この閉鎖システムは、
容器に固定され、可撓性の保持カラーを含む首部を有する首要素と、
閉鎖壁及び固定裾部を含み、首部上にねじ込まれる閉鎖キャップと、
少なくとも1つの可撓性保持要素を有し、例えば保持カラーと協同するように構成され、複数の脆弱要素によって固定裾部に接続される不正開封防止リングとを備え、
首部及び不正開封防止リングは、閉鎖キャップが首部上に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラーが環状の引っ掛けハウジングの境界を定めるように構成され、少なくとも1つの可撓性保持要素は、少なくとも部分的に支持され、環状の引っ掛けハウジングに引っ掛けられるように構成され、
保持カラーが、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、固定裾部と不正開封防止リングとの間に少なくとも部分的に延びるように構成されることを特徴とする。
【0008】
保持カラーのこの種の構成は、本発明に係る閉鎖システムを備える容器が最初に開かれる間、引っ掛けハウジングに対する少なくとも1つの可撓性保持要素の挿入及び保持カラーと少なくとも1つの保持要素との間の引っ掛かりを確実にすることを可能にする。この種の引っ掛かりは、不正開封防止リングの偶然の分離のいかなる危険度をも回避し、そのことで、首部上の不正開封防止リングの信頼性の高い保持を確実にする。
【0009】
さらにまた、固定裾部と不正開封防止リングとの間の保持カラーのこの種の拡張は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、本発明に係る閉鎖システムを備えている容器の、不正開封の簡単なチェックを確実にする。
【0010】
閉鎖システムは、以下の特徴の1つ以上を、単独で又は複合でさらに有してもよい。
【0011】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、首部に載置される。
【0012】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーが、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作まで、少なくとも環状の引っ掛けハウジングの境界を定めるように、首部及び不正開封防止リングが構成されている。
【0013】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、保持カラーが首部の拡張軸に対して実質的に放射状に延びる初期位置と、保持カラーが曲がって環状の引っ掛けハウジングの境界を定める保持位置との間で、例えば弾性的に又は可塑的に変形可能である。
【0014】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、そして、例えば少なくとも脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作まで、保持位置の保持カラーを変形させて保持するように構成されている。
【0015】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、脆弱要素の破損の手前まで、そして、例えば、少なくとも脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作まで、少なくとも保持カラー周辺で延びるように構成されている。
【0016】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、引っ掛けハウジングの境界を定めるように構成された引っ掛け面を有する。好ましくは、引っ掛け面は、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで曲がっている。
【0017】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、首部の外面と協同するように構成される第1表面と、第1表面の反対側で保持カラーの引っ掛け面と協同するように構成された第2表面とを有する。
【0018】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーの周縁エッジは、閉鎖キャップが首部上に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、環状の引っ掛けハウジングに導く挿入開口の境界を定めるように構成され、少なくとも1つの可撓性保持要素が挿入開口を通って延びるように構成されている。
【0019】
本発明の1実施形態によれば、挿入開口は、閉鎖キャップの反対側を向く。
【0020】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、脆弱要素によって固定裾部に接続している環状部分を有し、保持カラーは、環状部分の内径よりも大きい外径を有する。
【0021】
環状部分は、閉鎖キャップが首部に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラー周辺に延びるように構成されるのが好ましい。
【0022】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーの外縁エッジは、脆弱要素の破損の手前まで少なくとも環状部分の内面に対向する。
【0023】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップが首部に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラーが、不正開封防止リングに対する半径方向の力を掛けるように構成されている。
【0024】
本発明の1実施形態によれば、首部は、脆弱要素の破損の後、不正開封防止リングを支持できる停止面を有し、初期位置の保持カラーと停止面との間の距離は、不正開封防止リングの幅よりも大きい。
【0025】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、環状の引っ掛けハウジングの範囲内で支持され得る終端部を有する。
【0026】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、不正開封防止リングの環状部分から延びる。
【0027】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーの半径方向寸法は、保持カラーの軸方向寸法よりも大きい。言い換えれば、保持カラーの幅は、保持カラーの厚みよりも大きい。
【0028】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップが首部に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、保持カラーの外縁エッジが保持カラーと首部の外面との間の接合領域に対して軸方向に移動するように、保持カラーは構成されている。
【0029】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの可撓性保持要素は、可撓性保持フラップ部である。
【0030】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは、その内周部に分布される複数の可撓性保持要素を有する。好ましくは、保持要素は、不正開封防止リングの内周部に均一に分布される。
【0031】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは固定裾部に向かって延びる少なくとも1つの第1の駆動要素を有し、閉鎖キャップは不正開封防止リングに向かって延びる少なくとも1つの第2の駆動要素を有する。少なくとも1つの第2の駆動要素は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、固定裾部から間隔をあけて配置される不正開封防止リングを移動させ、固定裾部と不正開封防止リングとの間に少なくとも1つの開口点検スペースを形成するように、少なくとも1つの第1の駆動要素と協同するように構成されている。
【0032】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの第1の駆動要素は、不正開封防止リングの環状部分の上部エッジから延び、少なくとも1つの第2の駆動要素は、固定裾部の下側エッジから延びる。
【0033】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの第1の駆動要素は、第1のカム面を有し、少なくとも1つの第2の駆動要素は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、固定裾部から間隔をあけて配置される不正開封防止リングに付勢するために第1のカム面と協同するように構成される第2のカム面を有する。
【0034】
本発明の1実施形態によれば、第2のカム面は、脆弱要素の破損の後、首部上の閉鎖キャップの最初の弛め動作の間、不正開封防止リングの環状部分が固定裾部から間隔をあけて配置されるように付勢するために、第1のカム面と協同するように構成されている。
【0035】
本発明の1実施形態によれば、第2のカム面は、第1のカム面と実質的に相補的である。
【0036】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの第1の駆動要素及び少なくとも1つの第2の駆動要素の各々は、全体として波形又は波動のような形状を有する。
【0037】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リングは環状部分の上部エッジに沿って分布される複数の第1の駆動要素を有し、閉鎖キャップは固定裾部の下側エッジに沿って分布される複数の第2の駆動要素を有する。
【0038】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、少なくとも1つの開口チェックスペースにおいて少なくとも部分的に延びるように構成されている。
【0039】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップは、首部の内面と協同するための環状のシールリップを有する。
【0040】
本発明の1実施形態によれば、首部分は、少なくとも1つの外側固定要素を備え、固定裾部は、首部に設けられた少なくとも1つの外側固定要素と協同するように構成された少なくとも1つの内側固定要素を備えている。
【0041】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの外側固定要素は、外側スレッドである。
【0042】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの内側固定要素は、内側スレッドである。
【0043】
本発明の1実施形態によれば、不正開封防止リング、及びより詳しくは、環状部分は、固定裾部の拡張部に位置する。
【0044】
本発明の1実施形態によれば、少なくとも1つの保持要素は、例えば弾性的に又は可塑的に、少なくとも1つの保持要素が閉鎖キャップの反対側を向く初期位置と、少なくとも1つの保持要素が閉鎖キャップの方を向く引っ掛け位置との間で変形可能である。
【0045】
本発明の1実施形態によれば、首要素は、首部に固着され、容器に固定されるための固定部分を有する。
【0046】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、少なくとも1つの外側固定要素と固定部分との間に配置されている。
【0047】
本発明の1実施形態によれば、挿入開口は、固定部分の方を向いている。
【0048】
本発明の1実施形態によれば、保持カラーは、閉鎖キャップが首部上に固定されているとき、少なくとも脆弱要素の破損の手前まで、実質的に傘のような形状を有する。
【0049】
本発明の1実施形態によれば、閉鎖キャップ及び不正開封防止リングは、射出成形によって製造される。
【0050】
本発明の1実施形態によれば、首部は、例えば環状停止リブのような、環状停止要素を含み、それに対し、少なくとも1つの可撓性保持要素が、最初の閉鎖キャップの弛め作業の間に当接するように構成されている。これらの配置は、最初の閉鎖キャップの弛め作業の間、不正開封防止リングが外れる方向の移動(それは保持カラーの柔軟性のため、この種の停止要素の非存在下でより大きい)を制限することを可能にし、したがって、脆弱要素の破損の手前まで少なくとも閉鎖システムの封止を確実にする。
【0051】
本発明の1実施形態によれば、環状停止要素は、環状の引っ掛けハウジングに達するように構成されている。
【0052】
本発明の1実施形態によれば、環状停止要素は、保持カラーと首部の外面との間の接合領域の付近に配置されている。
【0053】
本発明の1実施形態によれば、環状停止要素は、首部の外面上に形成されている。