特許第6914938号(P6914938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914938
(24)【登録日】2021年7月16日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】海洋構造物
(51)【国際特許分類】
   B63B 59/04 20060101AFI20210727BHJP
   C23F 13/02 20060101ALI20210727BHJP
   C23F 13/20 20060101ALI20210727BHJP
   C23F 13/06 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   B63B59/04 A
   C23F13/02 G
   C23F13/02 H
   C23F13/02 B
   C23F13/20 A
   C23F13/06
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-532376(P2018-532376)
(86)(22)【出願日】2016年12月19日
(65)【公表番号】特表2019-502595(P2019-502595A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】EP2016081632
(87)【国際公開番号】WO2017108641
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年12月17日
(31)【優先権主張番号】15202443.6
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】バン デルデン マーティヌス ヘルマヌス ウィルヘルムス マリア
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0048877(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/044054(WO,A1)
【文献】 特開2003−138539(JP,A)
【文献】 特表2011−524622(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/060921(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/188347(WO,A1)
【文献】 特開2011−249755(JP,A)
【文献】 特開2010−187637(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/001227(WO,A1)
【文献】 特表2004−511078(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/014779(WO,A1)
【文献】 特開昭49−129937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 59/04,35/44,
C23F 13/02,13/06,13/20,
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部表面と、
前記外部表面に電気的に接続される第1のAC端子と第2のAC端子とを有するAC電力源と、
光源を備える負荷であって、前記AC電力源によって電力供給される第1の負荷端子及び第2の負荷端子を有する、負荷と、
前記第1の負荷端子に電気的に接続された第1の電極と、
誘電層と、を備える海洋構造物であって、
前記第1の電極が前記誘電層に埋め込まれ、前記第1の電極及び前記誘電層が、前記外部表面と組み合わせて、前記第1の電極と前記外部表面との間の電力の容量性伝送のためのコンデンサを形成し、
前記第2のAC端子前記第2の負荷端子とは前記外部表面が浸水される海水を通して電気的に接続され、それにより前記海水は前記外部表面から絶縁された外部導電性要素として機能し
前記第1の負荷端子が、前記第2の負荷端子から電気的に絶縁されている、海洋構造物。
【請求項2】
前記外部表面が船体の外側の表面の少なくとも一部である、請求項1に記載の海洋構造物。
【請求項3】
前記負荷、前記第1の電極、及び前記誘電層を担持し、前記船体に配置されている担体をさらに備える、請求項に記載の海洋構造物。
【請求項4】
前記負荷に電気的に接続され、前記AC電力源に電気的に接続されている第2の電極をさらに備える、請求項1に記載の海洋構造物。
【請求項5】
前記第2のAC端子と前記第2の負荷端子との間の電流路のインピーダンスを下げるために前記海水中に配置された導電性電流誘導部材をさらに備える、請求項1に記載の海洋構造物。
【請求項6】
前記外部導電性要素内に配置されるか、又は付着されるDC電力線をさらに備える、請求項1に記載の海洋構造物。
【請求項7】
前記負荷、前記第1の電極、及び前記誘電層を収容するハウジングをさらに備える、請求項1に記載の海洋構造物。
【請求項8】
前記負荷が、LED又はUV−LEDを備える、請求項1に記載の海洋構造物。
【請求項9】
前記負荷が、ダイオードブリッジ回路を備え、前記光源が、前記ダイオードブリッジ回路の中間点の間に結合される、請求項に記載の海洋構造物。
【請求項10】
前記負荷が、互いに逆並列に結合された第1のLED及び第2のLEDを備える、請求項1に記載の海洋構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船などの海洋構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2009/153715A2は、第1の共通電極、互いから電気的に絶縁された一組の電極パッドを形成する構造化した導電層、第1の共通電極層と構造化した導電層との間に挿入される誘電層、第2の共通電極、及び複数の発光要素を備える発光デバイスについて開示する。各発光要素は、電極パッド、誘電層、及び第1の共通電極のうちの1つを備えるコンデンサと直列に接続されるように、電極パッドのうちの1つと第2の共通電極との間に電気的に接続される。第1の共通電極と第2の共通電極との間に交流電圧が印加されると、発光要素は、容量結合を介して電力供給され、電流制限ももたらす。発光デバイスの動作中、1つの発光要素内での短絡故障は、同じコンデンサに接続された発光要素にのみ影響を与える。さらに、短絡電流は、このコンデンサによって制限される。
【0003】
特定の用途シナリオにおいて、そのような発光デバイス、特に発光デバイス(又は、一般的には負荷)に電力供給する方式は、例えば共通電極層とAC電圧源との間の電気接続に起因して、欠点を有する。そのような用途シナリオとしては、例えば、表面(例えば船体)の防汚を前記表面が液体環境(例えば海水)に少なくとも部分的に浸水されている状態で行うためのシステムが挙げられ、ここでは、船体の生物付着に対抗するために、船体の外表面に何らかの方式で取り付けられた光源によってUV光が放射される。
【0004】
米国特許出願第2015/289326(A1)号は、AC電源に接続されると光を放射するように配置されたLEDパッケージであって、第1のLEDパッケージ端子及び第2のLEDパッケージ端子を備え、少なくとも一対のダイオードがLEDパッケージ端子間に逆並列に接続され、ダイオードのうちの少なくとも1つが発光ダイオードである、LEDパッケージについて開示する。第1のLEDパッケージ端子は、第1の電源端子に取り外し可能に接続可能であり、第1の電源端子と一緒に第1の容量結合を形成するように適合され、第2のLEDパッケージ端子は、第2の電源端子に取り外し可能に接続可能であり、第2の電源端子と一緒に第2の容量結合を形成するように適合される。温度依存の劣化に対して感受性が低い電気接続を提供することによって、LEDパッケージの寿命が増大される。
【0005】
米国特許出願第2013/048877(A1)号は、UV光源、及びUV光源からのUV光を受容するために結合された光媒体を含むシステムを開示している。光媒体は、生物付着から保護されるべき表面の近くにUV光を放射するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、より困難な環境条件下で、性能がほとんど或いは全く低下することなく、且つ、例えば海水への露出などの環境影響への露出に起因する損傷を受けるリスクなしに、特定の用途シナリオにおいて海洋構造物が使用され得るように、改善された電力設備によって電力供給され得る負荷を備える改善された海洋構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、外部表面と、光源を備える負荷であって、前記負荷はAC電力源によって電力供給されるように適合された第1の負荷端子及び第2の負荷端子を有し、前記AC電力源は表面及び第2のAC端子に電気的に接続可能な第1のAC端子を有する、負荷と、第1の負荷端子に電気的に接続された第1の電極と、誘電層と、を備える海洋構造物であって、
第1の電極及び誘電層が、表面と組み合わせて、第1の電極と表面との間の電力の容量性伝送のためのコンデンサを形成するように配置され、第2のAC端子及び第2の負荷端子が、表面から絶縁された外部導電性要素に電気的に接続されるように配置され、第1の負荷端子が、第2の負荷端子から電気的に絶縁されている、海洋構造物が提示される。
【0008】
本発明は、海という湿潤で導電性の厳しい周囲環境など、困難な環境における用途のための容量性電力伝達の使用を修正及び最適化するための考えに基づく。さらに、負荷に電力供給するために必要とされる海洋構造物の電気回路は、例えば1つ又は複数の開放又は短絡接続を展開するUV−C LED(負荷として)など、中程度及び深刻な衝撃並びに様々な程度の表面切断損傷に対するロバスト性のために適合されている。これは、第1の電極と第1の外部要素との間の電力の容量性伝送のために第1の電極及び誘電層と一緒にコンデンサを形成する第1の外部導電性要素を利用することによって達成される。それにより、電力がAC電力源によって提供され、AC電力源の第1のAC端子は、第1の外部要素に電気的に接続され、電力設備が使用されているとき第1の外部要素において明確に規定された電位を提供する。AC電力端子は、一般的には外部要素であり、海洋構造物の部分ではない。しかしながら、AC電力端子を含む海洋構造物も存在する。
【0009】
さらに、第2のAC端子及び第2の負荷端子は、海洋構造物の表面から絶縁された外部導電性要素(本明細書では第2の外部導電性要素とも呼ばれる)に電気的に接続されるように配置され、第1の負荷端子は、第2の負荷端子から電気的に絶縁されている。表面は、好ましくは、外部表面であり、例えば、船体の少なくとも部分である。
【0010】
WO2009/153715A2に開示されている装置によると、剛性の担体が、例えばLEDなどの電子部品を担持するために配備される。この担体の欠点は、それがある程度までしか曲げられないことであり、その上、そのような担体を船体の表面などの3次元曲面表面に適用することは困難となる。さらには、そのような担体はより大きな可撓性を得るために区分化されて構築される場合があるが、そのような担体の設置の自由は限られている。そのため、担体は、好ましくは、個別の副担体へと分割又は切断され、それにより共通の電源端子を途絶させる。対照的に、本開示によると、例えば担体上に置かれるステッカー様の設備が、水又は海水などの共通の液体導体の使用により、共通の電源端子を依然として確保しながら、i)起伏表面に対処し、ii)(部分的に重複する)設置の完全な自由を可能にするために選択される。さらに、例えば安全性及びエネルギー効率のために、浸水された負荷のみが動作されることが望ましい。船体に沿った水位は、船の様々な航海速度、海での気象条件、及び船の荷物積載条件に自己適合するため、電子機器を制御する必要なしに共通の電源端子も即座に適合するということは明白である。
【0011】
一実施形態において、海洋構造物は、負荷、第1の電極、及び誘電層を担持し、第1の外部導電性要素において配置されるように構成されている担体をさらに備える。これにより、本明細書では負荷設備とも呼ばれる負荷に電力供給するために使用される回路の柔軟な使用及び取り扱いが可能になる。負荷、第1の電極、及び誘電層と一緒に、担体は、第1の外部導電性要素において配置されるように構成される構造体を形成する。
【0012】
海洋構造物、例えば船の船体の表面は、複数の担体によって被覆される。さらに、次いで複数のAC電力源が提供され、その各々が2つ以上の担体の負荷に電力を供給するように構成されている。したがって、AC電力源は、部品の総数を制限することができるように2つ以上の担体によって共有される。
【0013】
複数の負荷設備(例えば、各々が1つ又は複数のUV−LEDを備える)が、生物付着に対抗するために表面に取り付けられる。したがって、船体は、有利には、第1のコンデンサの1つの電極として使用することができ、したがってAC電力源の第1のAC端子と負荷(1つ又は複数のUV−LED)の第1の負荷端子との間にガルバニック接続を提供することを回避し、即ち、船体は、そのようなガルバニック接続を提供するために穿孔される必要がなく、それ故に、船体のより良好な建造及び少ない劣化をもたらす。
【0014】
第2のAC端子の接続には、異なる選択肢が存在する。1つの実施形態によると、電力設備は、第2の負荷端子及び第2のAC端子に電気的に接続される第2の電極を備える。複数の負荷設備が、同じ第2の電極を共有するため、AC電力源の第2のAC端子と第2の電極との間のガルバニック接続を最小限に制限することができる。
【0015】
別の実施形態によると、第2のAC端子及び第2の負荷端子は、第2の外部導電性要素に電気的に接続され、第2の外部導電性要素は、第1の外部要素から絶縁され、第2の外部導電性要素は、水、特に海水である。したがって、特定の用途において、状況によっては、既存の要素が、第2のコンデンサを形成するために使用されるか、又は、第2のAC端子と第2の負荷端子との間の電力伝達のために自己容量の効果を使用する。
【0016】
別の実施形態によると、海洋構造物は、第2の外部要素及び負荷内に配置されるか、又はそれらに付着されるための導電性電流誘導部材をさらに備える。この電流誘導部材は、AC電力源、例えばその第2のAC端子と、負荷、例えば第2の負荷端子との間の電流路をさらに支持する。電流誘導部材は、これらの要素間の電流を誘導するが、一般的には、AC電力源、海洋構造物及び負荷とガルバニック接触はしていない。
【0017】
さらに、電力設備は、第2の外部要素内に配置されるか、又はそれに付着されるためのDC電力線を備える。好ましくは、それは、AC電力源、例えば第2のAC端子に電気的に接続される。例えば、このDC電力線は、例えば、自然腐食に対してカソード防食を提供するため、DC電流を海水内へ印加するために船によって使用されるような既存のDC電力線である。
【0018】
依然としてさらに、負荷、第1の電極、及び誘電層を収容するハウジングが提供される。したがって、これらの要素を含むハウジングが製造され、故障の場合に別個に交換することができ、且つそれぞれの用途によって必要とされる場合に任意に組み合わせることができるモジュラーユニット(又はタイル)が使用される。本明細書では、ハウジングは、例えば環境の影響に対して保護的な材料の別個のケース又はボックスにより表されるが、代替的には、負荷及び第1の電極を包含する誘電層の誘電材料によって表される。
【0019】
別の実施形態において、海洋構造物は、負荷の第2の負荷端子及びAC電力源の第2のAC端子に電気的に接続され、ハウジング内に収容される第2の電極をさらに備える。
【0020】
特定の用途において、電力設備は、複数の負荷を備え、それらの第1の負荷端子が、共通の第1の電極又は別個の第1の電極に並列に結合され、それらの第2の負荷端子が、共通の第2の電極、別個の第2の電極、又は第2の外部要素に並列に結合される。このように、負荷を一緒に結合することには様々な選択肢が存在する。好ましくは、AC電力源と負荷との間の接続の数を低減するために、いくつかの負荷は共通のAC電力源を共有する。
【0021】
生物付着に対抗することを目的とした実施における使用のため、第1の外部要素は船体である場合があり、負荷は、光源、特にLED又はUV−LED(例えばUV−C LED)を備える。
【0022】
さらに、負荷は、ダイオードブリッジ回路を備え、光源が、ダイオードブリッジ回路の中間点の間に結合される。したがって、負荷は、例えば4つの低コストショットキーダイオードをGraetzブリッジ(又はGraetz回路)として配備することによって複数の副負荷に細分されており、それによりローカルDC電源(例えば1つ又は複数の光源のために働く)を提供すると見なされる。このローカルDC電力源は、防汚用途における汚れ監視センサ又はコントローラICなど、極性に敏感な他の電子機器、又はDC電力を必要とする任意の他の電子回路を動作させるために使用することもできる。
【0023】
別の実施形態において、負荷は、互いに逆並列に結合された第1のLED及び第2のLEDを備える。これにより、AC電力源(例えば発振器)を用いたLEDの動作をさらに改善する。しかしながら、4つのショットキーダイオードと比較した1つのUV−C LEDのより高いコストに起因して、Graetzブリッジは、全ACサイクル中に電力を提供するにあたってよりコスト効率が高い。
【0024】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、これ以降に記載される実施形態から明らかになるものとし、それらを参照して説明されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に従う電力設備の第1の実施形態の模式図である。
図2】防汚用途シナリオにおける場合の電力設備の第1の実施形態の模式図である。
図3】本発明に従う負荷設備の第1の実施形態の断面側面図である。
図4】本発明に従う電力設備の第2の実施形態の模式図である。
図5】防汚用途シナリオにおける電力設備の第2の実施形態の模式図である。
図6】本発明に従う電力設備の第3の実施形態の模式図である。
図7】防汚用途シナリオにおける場合の電力設備の第3の実施形態の模式図である。
図8】防汚用途シナリオにおける場合の、本発明に従う電力設備の第4の実施形態の模式図である。
図9】防汚用途シナリオにおける場合の、本発明に従う電力設備の第5の実施形態の模式図である。
図10】本発明に従う電力設備の第6の実施形態の模式図である。
図11】防汚用途シナリオにおける場合の電力設備の第6の実施形態の模式図である。
図12】局所的に切断されて区分化された第2の電極、及び損傷して区分化された第2の電極の図である。
図13】防汚用途シナリオにおける、本発明に従う電力設備の実用的な実装の側面図及び上面図である。
図14】防汚用途シナリオにおける、本発明に従う電力設備の別の実用的な実装の側面図である。
図15】ロール、タイル、又はストリップとして実行される、活性UV−C LEDストリップと追加の不活性UV−C光ガイドとの組み合わせの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下において、本発明は、生物付着に対抗するために船体の外表面に取り付けられるUV光源(特にLED)の電力供給のために使用されるという用途シナリオに関して説明される。そのため、開示される主題の様々な実施形態の詳細を説明する前に、そのような用途シナリオにおいて生物付着に対抗するための一般的な考え方及び知られている手法について論じる。
【0027】
WO2014/188347A1は、表面の防汚を、前記表面が液体環境に少なくとも部分的に浸水されている間に行う方法について開示する。開示された方法は、防汚光を提供することと、シリコーン材料及び/又はUVグレード(溶融)シリカを含む光媒体を通して光の少なくとも一部を分布させることと、防汚光を光媒体から及び表面から放射することとを含む。そのような防汚ソリューションは、ミクロ生物及びマクロ生物の、例えば船体への(初期)定着を防ぐためのUV−C照射に基づく。生物膜の問題は、生物の成長に起因して経時的にそれらの厚さが増大すると、その表面が粗面化することである。故に、抵抗が増大し、船の航海速度を維持するためにエンジンはより多くの燃料を消費することが必要となり、したがって運転コストが増大する。生物付着の別の影響は、パイプ放熱器の冷却能力の低下又は塩水吸入フィルタ及びパイプの流量低下であり得る。したがって、サービス及び保守コストが増大する。
【0028】
船体の生物付着に対抗するための可能性のあるソリューションは、例えばUV−C LEDが埋め込まれているUV−C透過材料のスラブで船体外部を被覆することである。これらのスラブ、又は一般的には任意の負荷若しくは負荷設備(即ち電気エネルギーを消費する要素又は設備)は、水線より下に位置する。これは、浸水した表面が大部分は生物付着に対して感受性が高く、故に抵抗の増大の原因となるためである。したがって、電力は、水線下で負荷に向けて伝送される必要がある。
【0029】
電気、水、及び海洋産業の荒く厳しい環境の組み合わせは、真の難題を抱える。これは、(海)水が良好な導電体であり、故に短絡が容易に生じることが理由である。さらに、水は電流の影響下で分解する。海水の場合、それは、塩素及び水素ガス内のDC電流下で分解する。AC電流下では、両ガスは、各電極で交互に形成される。形成されるガスのさらなる問題は、塩素が鋼製の船体のすでに自然発生している腐食を増進する可能性があり、密閉されない場合にはUV−C LEDを含む他の材料の劣化を加速させることである。一方で、水素ガスは、鉄の脆化を引き起こす可能性があり、次第に鉄バルク内に深刻な亀裂形成を導く。
【0030】
鋼製の船体の自然腐食に対抗するために、大半の船は、不活性又は活性カソード式防食システムを被覆されるか、又は塗布され、加えて多くの場合それを備えるため、保護コート又は塗料が局所的に機能しなくなったとき、船体は自然腐食から保護されたままである。不活性システムは、経時的に電気化学的に溶解する亜鉛、アルミニウム、又は鉄の犠牲陽極を使用するが、活性システムは、チタン又はPt/Ti(プラチナコーティングされたチタン)を被覆されたMMO−Ti(混合金属酸化物)製の陽極を使用するにあたってDC電流を印加する。DC電流を海水内へ印加する活性システムの場合、あまりに大きすぎる電流は船体を増大した速度で局所的に溶解するため、注意深い監視が必要とされる。当然ながら、防汚ソリューションが、カソード防食システムを機能させなくしてはならない。故に、船の船体は接地端子として作用すべきであり、保護電流はDCでなければならず、海水は、電気回路を閉じる高導電性媒体として機能する。
【0031】
さらに、船体は、例えば自然摩耗、浮木及び表面に近接し又はその付近にある他の浮遊物体との意図しない衝突に起因して、寿命にわたって(深刻に)損傷を受けるか、或いは、引き船又は隣接して結び付けられた船など、他の船との衝突に起因してより制御された衝撃に見舞われる。したがって、防汚負荷並びに電源線も寿命にわたって損傷される可能性が非常に高い。さらには、負荷及び電源線の両方が深刻に損傷され、さらには切断されて開放回路が導電性の海水によって濡らされるということが生じる。故に、外部に生じた損傷により望まない電気化学が発生する。これが理由で、DC電力源は、負荷に電力供給するための主要電力源として使用されるべきではない。
【0032】
しかしながら、UV−C LEDを動作させるためには、一般的にはDC電流が好ましい。故に、防汚負荷内に、AC電力が供給されたときに局所的なDC電流を生成することができる手段及び方法が必要とされる。より好ましくは、DC電流源は、(好ましくは接地端子として機能する)鋼製の船体から絶縁される。したがって、DC電力端子が露出されると電気化学現象が発生するが、この電気化学現象は露出の区域に限定される。さらに、電気化学の大きさは、局所的に及び露出された電極の表面積を流れることができるDC電流の量に依存する。故に、DC電流をUV−C LEDによって必要とされる値近く(典型的には、小型LEDでは1/10ミリアンペア)に制限し、露出されたローカルDC電力端子の表面積に制限する必要がある。
【0033】
故に、実際には、防汚ソリューションのかなりの面積が寿命にわたって損傷を受けることになる。理論上、損傷は、1つ若しくは複数の負荷内の1つ若しくは複数のUV−C LEDの局所損傷を含み得るか、又は負荷の大部分が消失することさえある。故に、一実施形態では、(継ぎ目のない)タイル状の負荷が提案される。損傷時に1つの欠陥LED(又は、一般的には負荷)により、タイルの機能的な残りの部分が非稼働になるようなことがあってはならないため、タイル内にはUV−C LEDの何らかの種類の細区分及び電力源が提供される。本明細書では、欠陥LEDは、開放又は短絡回路のいずれかをもたらし、UV−C LEDはどちらかというと高価であるため、一続きのLEDストリングは回避することが推奨される。
【0034】
当然ながら、タイル状の負荷も依然として、有線又は無線のいずれかの何らかの種類の電力を必要とする。ワイヤの絡み付きによる予測される問題を考えると、海洋産業は荒く厳しいため、無線電力ソリューションが好ましく、本発明により提案される。しかし、海水及び鉄の船体の両方が良好な導電体であることにより、誘導システム並びに(RF)無線ソリューションにおける電力伝達損失はかなり大きくなり得る。それだけでなく、それらはむしろ大量になることがある。故に、電力を提供するための魅力的なソリューションは、AC容量結合を利用する。
【0035】
従来の容量(無線)電力伝達システムは、AC発振器によって駆動される1つ又は2つの(長い)供給ワイヤを使用する。供給ワイヤが誘電フィルムで被覆されるとき、2つのピックアップ電極を有する受信要素を、ワイヤに沿ってどこにでも上に置くことができ、電力が伝達される。さらに、負荷に電力供給するための知られている電力設備において、伝達される電力は、リアクタンス制限される。このシステムは、周囲空気の十分な絶縁特性が理由で機能する。したがって、受信要素の2つの不活性接地電極間に高電圧電場を設けることができる。しかしながら、海水の場合のように、周囲環境が導電性になると、電力の伝達も、十分に導電性の周囲により2つのワイヤに沿ってどこでも促進されるようになる。故に、意図した受信要素に向けて電力を伝達することは非常に困難である。
【0036】
本発明によると、容量性電力伝達の使用は、例えば、通常は水中にある、即ち湿潤で導電性の厳しい周囲環境にある船体の部分に取り付けられた光源に電力を伝達するための電力設備における用途のために修正又は最適化されている。さらに、電気回路は、例えば1つ又は複数の開放又は短絡接続を展開するUV−C LEDなどの様々な程度の表面切断損傷、並びに中程度及び深刻な衝撃に対するロバスト性のために適合されている。
【0037】
一般に、本発明は、表面を有する海洋構造物に関する。しかしながら、以下において、船は、海洋構造物の例示的な実施形態として見なされるものとし、船体の外表面は、第1の導電性外部要素の例示的な実施形態として見なされるものとする。さらに、海洋構造物の要素はまた、いくつかの実施形態において、負荷設備として見なされる。
【0038】
図1は、負荷2に電力供給するための本発明に従う電力設備100の第1の実施形態の模式図を示す。電力設備100は、本発明に従う負荷設備300の第1の実施形態を含む。負荷設備300は、第1の負荷端子2a及び第2の負荷端子2bを有する負荷2、負荷2に電気的に接続された第1の電極3(以後、活性電極とも呼ばれる)、並びに誘電層4を備える。負荷2、第1の電極3、及び誘電層4は、第1の外部導電性要素5において配置されるように構成される構造体を形成する。さらに、第1の電極3及び誘電層4は、第1の外部導電性要素5と組み合わせて、第1の電極3と第1の外部要素5との間の電力の容量性伝送のためのコンデンサ6を形成するように配置される。負荷2は、第1の電極3から電気的に絶縁された第2の電極7にさらに接続され、第1の負荷端子2aは、第2の負荷端子2bから電気的に絶縁されている。
【0039】
これに関連して、負荷2、第1の電極3、及び誘電層4は、好ましくは構造体を形成するということに留意されたい。この構造体は、これらの要素からのみ形成されなくてもよく、追加の要素がこの構造体を形成するために提供されてもよいということを理解されたい。いくつかの実施形態において、これらの要素自体が、構造体を形成するように構成される(例えば、負荷及び第1の電極誘電層は、誘電層の誘電材料内に埋め込まれ、そうして構造体を形成する)。他の実施形態において、これら3つの要素と一緒に構造体を形成するために、1つ又は複数の追加の要素(例えば、担体、基板、粘着層など)が提供される。
【0040】
電力設備100は、第1のAC端子1a及び第2のAC端子1bを有するAC電力源1(例えば発振器)をさらに備える。第1のAC端子1aは、第1の外部要素5に電気的に接続されるように配置され、即ち、取り付け後及び使用中、第1のAC端子1a及び第1の外部要素5は電気的に接続されている。第2のAC端子2b及び第2の負荷端子1bは、第2の電極7(以後、不活性電極とも呼ばれる)に電気的に接続される。故に、コンデンサ6を介してAC電力源1から負荷へ電力を伝送することができる。乗物の船体など、第1の外部要素5、環境又はインフラにおいて利用可能な要素が使用される場合、導電性の床材及び壁材、建築物の部分などが使用される。
【0041】
図2は、防汚用途シナリオにおける電力設備200及び負荷設備400の第1の実施形態の模式図を示す。この実施形態では、負荷20はUV−C LEDであり、第1の外部要素50は船体であり、この船体は、(少なくとも部分的に)導電性である(即ち、船体全体、内表面のみ、外表面のみ、又は船体の特定の区域のみが、導電性であるか、導電材料、例えば金属でできているように構成される)。AC電力源1は、一般的には、船の舷上に配置される。第1のAC端子1aは、船体50の導電表面に接触し、第2のAC端子1bは、船体50を通る接続ワイヤ1cによって第2の電極7と接続される。LED20、誘電層4、及び第1の電極3(任意選択的に、第2の電極7も)は、好ましくは、第1の外部導電性要素(5、50)において配置される担体80によって担持される。
【0042】
船体50、負荷2、第1の電極3、及び誘電層は、本発明に従う海洋構造物の実施形態を形成する。海洋構造物のさらなる実施形態は、続いて説明される図面に描写される。
【0043】
負荷設備400は、電子部品が水10(特に海水)から保護されるように構成される。そのような負荷設備のうちのいくつかを、AC電力源1に並列に結合することができ、即ち、複数の負荷設備の第2の電極(別個の電極又は共通の大きな第2の電極である)を、同じAC電力源1及び同じ接続ワイヤ1cに結合することができる。このやり方では、AC電力源及び接続ワイヤの数は、負荷設備の数が大きい場合にも小さく保つことができる。
【0044】
図3は、負荷設備400の実施形態の断面側面図を示す。担体80は、例えば、それが使用される環境に対して耐性のある(好ましくは上記要件を満たす)材料でできている薄板、シート、又は基板である。好ましくは、担体80は、異なる要素5に、例えば船体のような曲面表面にそれを配置することができるように可撓性である。誘電層4は、担体80の上に提供され、負荷2は、誘電層4内に埋め込まれる。さらに、第1の電極3は、誘電層4に埋め込まれて提供される。電気負荷端子2bは、誘電層4に埋め込むこと、誘電層4の上に置くこと、又は誘電層4から突き出ることさえ可能である。第2の電極7は、誘電層4の上に提供される。
【0045】
第1の外部導電性要素5、例えば船体50において配置される設備を可能にするため、単純な様式では、接着剤90が担体80の1つの表面81上に提供される。接着剤90はさらに、要素5への担体80の付与前に接着剤90の保護として取り外し可能なフィルム91を被覆される。
【0046】
固着のために化学塩基を有する接着剤の代わりに、熱溶解(熱可塑性材料、冷たいときは剛性で、例えば蒸気により加熱されると、短い期間にわたって局所的に流体となり接続を確実にする)、機械的固定(結合中に係合する2つの材料のマイクロフック)、又はこれらの組み合わせを使用することができる。
【0047】
さらに、担体80のサイズ及び/又は形態は、適用区域の形態及び/又はサイズに合わせて作られる。例えば、負荷設備は、要素5の形態及び/又はサイズに合うように設計されるある種のタイル若しくはステッカーとして構成されるか、又はそのようなステッカー若しくはタイルのうちのいくつかが組み合わされて(互いに隣接して置かれて)、簡単な様式で要素5の所望の区域を被覆することができるように構成される。
【0048】
好ましくは、接着剤で被覆された担体の表面81の反対側の負荷設備の外表面92及び/又は担体80の表面82は、特にこれら表面のうちの1つの表面上でディザリング表面又は光ガイドを受容するため、接着剤93で被覆される。
【0049】
担体80は、負荷設備の据付けのための、特に据付け位置、据付け方向及び/又は重複の可能性を示すための指標94をさらに含む。そのような指標は単純に、点線、又は切目線、又は要素5に担体をどのようにして及びどこに適用するかを示す任意の図形である。
【0050】
複数の負荷設備がロールとして提供され、それにより、単一の負荷設備を前記ロールから取り出し、所望の通りに適用することができるか、又は負荷設備の全配列を使用し、同時に適用することができる。
【0051】
図4は、本発明に従う負荷設備301の第2の実施形態を含む電力設備101の第2の実施形態の模式図を示し、図5は、防汚用途シナリオにおける負荷設備401の第2の実施形態を含む電力設備201の前記第2の実施形態の模式図を示す。第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態は、第2の電極を利用しないが、第2のAC端子1b及び第2の負荷端子2bは、第1の外部要素5から絶縁された第2の外部導電性要素11に、特にワイヤ1d及び2dによって電気的に接続される。図5に描写された用途シナリオにおいて、第2の外部要素11は、好ましくは、水10、特に海水であり、それを通る電流路が、第2のAC端子1bと第2の負荷端子2bとの間で閉じられ、これは第1の実施形態のように追加のワイヤ電極7が必要とされないという長所を有する。ワイヤ1d及び2dが、水10内へ誘導される必要があるだけである。負荷設備301/401は、好ましくは、モジュラー方式で構成される。第1の実施形態にあるように、負荷設備301/401は、好ましくは、担体を備える(図4及び図5には示されない)。電流が配線の代わりに水により伝送されるため、据付けは簡単になり、コスト低減、及び柔軟性がもたらされる。さらに、モジュール方式は設置の自由も可能にする。
【0052】
図6は、本発明に従う負荷設備302の第3の実施形態を含む電力設備102の第3の実施形態の模式図を示し、図7は、防汚用途シナリオにおける負荷設備402の第3の実施形態を含む電力設備202の第3の実施形態の模式図を示す。第2の実施形態と比較して、第3の実施形態は、第2の外部要素11内に、及び第2のAC端子1bと第2の負荷端子2bとの間にそれらとガルバニック接触を有することなく配置されるか又はそれに付着される導電性電流誘導部材12を追加で備える。この電流誘導部材12は、例えば、第2のAC端子1bと第2の負荷端子2bとの間の電流路のインピーダンスを下げるために水10中に配置された追加の電極(例えばプレート又はワイヤ)である。ここでも、負荷設備302は、好ましくは、モジュラー方式で構成される。誘導部材12はまた、ワイヤ又はループの形態でモジュラーステッカーアセンブリの上に位置するか、又はそれは、ワイヤ2dの延長であってもよい。したがって、隣接するループ間の距離は、局所的な海水ブリッジ(誘導部材及び海水ブリッジの交互のチェーン)によって作られる。
【0053】
さらに、ワイヤ1dには、(多くの場合は既に存在する)DC電力線が使用される。そのようなDC電力線は、一般的には、第2の外部要素内に配置されるか、又はそれに付着され、即ち、船体の自然腐食を軽減又は回避するために、水中へ誘導される。したがって、このDC電力線1dは、再使用され、DC電流に加えてAC電流を印加するために第2のAC端子1bに電気的に接続される。これにより、追加のワイヤの必要性及び船体を貫通する追加の穴の必要性を回避する。
【0054】
図8は、防汚用途シナリオにおける、本発明に従う負荷設備403の第4の実施形態を含む電力設備203の第4の実施形態の模式図を示す。第1の実施形態と比較して、負荷2は、第1の電極3と第2の電極7との間に結合された、2つの逆並列結合されたLED20a、20bを備える。これにより、それらはAC電流波のそれぞれの半周期において交互に光を放射することになる。
【0055】
図9は、防汚用途シナリオにおける、本発明に従う負荷設備404の第4の実施形態を含む電力設備204の第5の実施形態の模式図を示す。この実施形態では、負荷2は、4つのショットキーダイオードのダイオードブリッジ23(Graetzブリッジ又はGraetz回路とも呼ばれる)、及びダイオードブリッジの中間点23a、23bの間に結合されたLED24を備える。ダイオードブリッジ23は、LED24がAC電流の両半周期において照光しているように、結合されたAC電流を整流するための整流器として機能する。
【0056】
図10は、本発明に従う複数の負荷設備305a、305b、305cを含む電力設備105の第6の実施形態の模式図を示し、図11は、複数の負荷設備405a、405b、405cを含む防汚用途シナリオにおける電力設備205の第6の実施形態の模式図を示す。したがって、負荷2は、複数の負荷25a、25b、25c(サブ負荷とも呼ばれる)を備え、それらの第1の負荷端子が、共通の第1の電極(図示されない)又は別個の第1の電極3a、3b、3cに並列に結合され、それらの第2の負荷端子が、共通の第2の電極7(図11に示されるような)、別個の第2の電極7a、7b、7c(即ち図10に示されるような区分化された第2の電極)、又は第2の外部要素(図示されない)に並列に結合される。それにより負荷25a、25b、25cの各々が、図1から図9のいずれか1つに示されるように構成される。
【0057】
従来のソリューションとは異なり、負荷25a、25b、25cは、AC電力源1と直接的に並列に接続され、AC電力源1と負荷2との間に2つの活性伝達電極を使用するのではなく不活性接地電極(即ち、第2の電極7又は7a、7b、7c)によって終端される。また、この構成では、局所電流は、不活性電極の表面積によってリアクタンス制限され、故に、例えば短絡(LED)を通って流れることができる局所DC電流である。
【0058】
低抵抗率電極の場合、実効電流Iは、Isubload=Uoscillator*2*π*f*Cによって説明され、ここで、Uは実効(発振器)電圧であり、fは駆動周波数である。局所容量Cの値は、区分化された不活性電極3(又は3a、3b、3c)の局所的な区域、電極3(又は3a、3b、3c)と共通電極5との間における誘電層4(又は4a、4b、4c)の局所的な厚さ、及びその誘電率に依存する。電流Iが印加される駆動電圧Uに依存するため、電力P送電能力は、電力設備が非常に効率的であったとしてもリアクタンス制限され、Peff=Ueff*Ieffによって得られる。したがって、大量の電力を伝達するためには、高電圧及び/又は大容量が必要とされる。安全性のため、大容量が好ましいことは明白である。船体は大きな表面積を提供し、UV−C LEDは低電力であるため、これを所望の用途シナリオに従って使用することができる。故に、LED電力の観点からも、単一の(AC)電源線によって供給される複数のローカル(DC)電力源を配備することが有益である。
【0059】
有益に、誘電材料は、UV−C透過性で水及び塩不浸透性の筺体内にLEDを埋め込むために使用され得、即ち、すべての要素は、ハウジング内に収容され、加えて、又は代替的に、誘電層4に使用されるものと同じ材料である誘電材料に埋め込むことができる。十分にUV−C透過性である好適な埋め込み材料はシリコーンである。加えて、局所的な活性電極(第2の電極7)の面積及び局所的な誘電材料の厚さが設計パラメータであるため、異なる電流及び/又は電圧レベルを要するLED及び他の電子機器さえも依然として、1つの同じ発振器に接続することができる。有益に、単一の駆動線の使用は、任意のワイヤが任意の他のワイヤに接続されることを可能にするため、ワイヤの絡み付きの問題を低減する。これにより、特に海洋産業において、据付けが容易になる。
【0060】
より高い駆動周波数を配備するにあたって不活性電極の面積を最小限にすることができ、それにより脆弱な電子機器の面積/ボリュームを潜在的に制限するということを上で得られた式から推定することができる。しかしながら、大きな実効サブ負荷電流(即ち、例えば図10及び図11に示されるように複数の負荷25a、25b、25cのうちの1つを通る電流)が流れるには、不活性電極の表面積は、依然としてある特定のサイズを有することになる。幸いにも、この面積が損傷時に切断部になったとしても、切断部がその表面積をほとんど低減しないことから問題にはならない。これは、電力設備の実施形態に使用されるような局所的に切断されて区分化された第2の電極7bの図を示す図12Aに例証され、ここでは切断部70は、実効不活性電極面積にほとんど何の影響も与えない。
【0061】
損傷して区分化された第2の電極7b、7cの図を示す図12Bに例証されるように、不活性電極の表面積が減少される場合にのみ、サブ負荷25b、25c内のLEDのLED出力が減少し、それは望ましくないことである。故に、大幅に損傷した不活性電極面積の場合、この面積は著しく影響を受ける。負荷共有抵抗器を配備するにあたって、面積損失の部分は、どれくらいの数及びどの程度まで(機能的、開放、又は短絡)近隣部が受けた面積損失を補うことができるかというRの値により、最も近い近隣部によって補うことができる。
【0062】
不活性電極損傷に耐えるため、負荷共有抵抗器26a、26bが、図12Bにも例証されるように、1つ又は複数の隣接する不活性副電極7a、7b、7cを並列に接続して配備される。負荷共有抵抗器26a、26bの1つの利点は、未損傷の場合に、隣接する副電極7a、7b、7c間の著しい差異が存在しないことであり、故に、負荷共有抵抗器26a、26bにおいて電力散逸がほとんどない。損傷があったとき、損傷したLED電流の部分は、近隣の副電極7a、7b、7cによって搬送され得る。どれくらいの共有が可能であるかは、負荷共有抵抗器26a、26bの値に依存する。負荷共有抵抗器26a、26bの値が低い場合、不活性電極面積のかなりの割合が消失されることが許される。しかしながら近隣部のうちの1つ又は複数もまた短絡を展開する場合、あまりに大きい短絡電流が流れ得る。負荷共有抵抗器26a、26bの値が大きすぎると、可能な消失電極補償はほとんどない。故に、10〜40%のかなりの負荷共有能力が妥当な値であると予想される。20mA UV−C LED電流の場合、約1〜4kΩの負荷共有抵抗器値が妥当であるが、値はこの範囲に限られない。
【0063】
上に論じられるように、局所的な活性電極(即ち第1の電極)の面積が、UV−C LEDのものと等しいか又はそれに近い値を有する最大電流を可能にするように設計される場合、サブ負荷は、それらの機能的な近隣部に著しい影響を与えることなく短絡を展開することが許される(負荷共有抵抗器あり又はなしで)。結果として、ローカルDC電力源の正及び負の端子の両方が損傷時に露出される場合、電気化学電流の大きさも制限されるが、その場所は損傷の区域に限られる。露出した端子は経時的に溶解するため、電気化学の量もまた、材料溶解により、完全に停止しないとしても経時的に減少する。
【0064】
例えば、0.1から100MHzにわたる駆動周波数では満足な結果が得られる。例えば供給ワイヤ1bが切断されると、AC電気化学が発生し、腐食が生じる。したがって損傷制御が必要とされる。ここで高い発振器周波数(>約20kHz)の別の利点が存在する。供給ワイヤ1b(電源ワイヤがAC電力を供給し、故にAC電気化学を誘発する。負荷内でACはDCに変換され、DC電気化学が発生するが、局所的にのみである)が、海水に向かって露出される場合、供給ワイヤ及び船体は交互にアノードとカソードとして機能する。高周波数の場合、これは変わりがないが、両方の電極について、電気化学の廃棄物が、各電極において、対称の駆動電圧に対して化学量論量で利用可能である。より重要なことには、気泡の形成速度論に起因して、泡は依然として、極性反転の前は小さいサイズである。故に、自己発火したがって自己消滅が発生する。このプロセスは熱を発生するが、遊離廃棄物の量は劇的に減少する。
【0065】
提案されたソリューションの別の利点は、電気回路の閉路が、水線より下の十分に導電性の海水又は水線より上の非導電性空気のいずれかと直列にある不活性電極区域によって行われることである。故に、水線より上の負荷は、自己減光する。導電性以外に、水線より上の誘電率及び下の誘電率は、正しい方向に作用する結果として生じる効果とはここでも異なる。したがって、水線より上の負荷は、船体へ向かう結合比及び周囲海水/空気に応じて受動的に減光するようにされて、それによってエネルギーを節約すると同時に水線より上の周囲環境内へ放出されるUV−Cの量を低減することができる。必要な場合、活性検出回路を配備することによってLEDを完全にオフにすることさえできる。異なる実施形態は、(例えば、異なる誘電厚、異なる材料、2つのレベルの不活性電極、濡れている又は濡れていない船体に向けた迂回路の穴などを使用して)これを達成するための異なる手段及び方法を説明する。
【0066】
本発明の1つの態様によると、すべての負荷は、発振器(AC電力源)と直列で接続され、不活性接地によって終端される。この設定の長所は、不活性電極から接地へ流れるすべての電流が、サブ負荷の集合体も通って流れることである。この設定の効率及び電力伝達は、すべてのサブ負荷によって消費されるエネルギーと不活性接地電極における周囲環境によって(負荷と直列で)散逸されるエネルギーとの比によって決定される。周囲環境が十分に導電性である(低い直列抵抗率)であるとき、電力損失は低く、海水及び船体の場合がこれに当てはまる。これは、船体が厚く、大きな表面積を有し、十分に電気的に十分に導電する鋼でできている一方で、海水の抵抗損失がその比較的高い導電性が理由で小さいためである。実際、船体は、3D抵抗器の無限の液体アレイ内に浮いている。さらには、接地までのすべての抵抗経路は並列であり、非常に低い実効抵抗をもたらす。とりわけ、この抵抗は、海水が移動又は静止のいずれかにおいて船体の起伏に従うという点、並びにそれが負荷(積み荷/バラスト水又は両方)の変動に起因する水線の違いに適合するという点で自己適合である。したがって、すべての状況下で、提案された電力設備の効率は高く最適である。
【0067】
船体及び海水の予測される低損失寄与を考えると、したがって、区分化された不活性電極の上の誘電層の誘電特性が最も重要である。この層に関連した損失は、例えばシリコーンが使用されるときは非常に低くなり得る。さらに、シリコーンの使用は、それがUV−C透過性であり且つ水及び塩を遮るために有益である。
【0068】
本発明の別の態様は、共通の電力線(即ち、供給ワイヤ1b)の潜在的な切断及びそれに続く海水への露出に関する。そのような切断は下流に接続された負荷を動作不能にするが、海水内へ廃棄される電力の量及びそのような破棄が発生する時間を最小限にすることができる。これは、その物理的寸法並びに露出に対する浸食の割合を最適化することに関して行われ得る。したがって、共通の電力線は、好ましくは、それを厚い丸ワイヤとして実行するのではなく、薄く幅広のストリップとして実行される。加えて、容易に切断及び断裂することができる金、銀、銅、及びアルミニウムなどの延性材料が使用される。これらの材料のうち、アルミニウムは酸性環境及び塩基環境の両方において溶解するため、アルミニウムが最も好ましい材料である。したがって、電気化学が発生すると、アルミニウムは、大半の他の材料よりもはるかに早く溶解するが、それは依然として良好な導電体である。加えて、塩素ガス及びイオンは両方とも、すでに元々アルミニウムの溶解を加速する。故に、露出したストリップ又は断面の表面積は、素早く減少し、それにより周囲海水に向けて廃棄される電力の量が素早く減少する。
【0069】
さらに、アルミニウムは、低い融点を有し、1つ又は複数のヒューズの電力線自体への統合を可能にする。有益に、アルミニウムは、UV−Cの非常に良好な反射体でもある。したがって、電力線及び不活性電極の両方は、好ましくは、(シート)アルミニウム内で実行される。さらに、アルミニウムは、はんだを必要とすることなく電子部品の(ワイヤ)結合を可能にし、それはレーザ溶接され得る。故に、区分化された不活性電極も有する、すべての電子部品のUV−C LEDストリップへの完全な統合が可能である。加えて、LEDストリップを、曲面及び起伏表面に容易に接着することができ、長い長さで作ることができる。したがって、LEDストリップ又はLEDステッカーが、一実施形態において使用される。さらに、ステッカー担体の厚さは、広い面積及び長さにわたって容易に制御することができ、したがって、船体に対する容量はさほど苦労せずに設定することができる(担体の上に直接パターン化される電極3及び7の面積)。
【0070】
LEDストリップ又はLEDステッカーが単一の電源ワイヤのみを有して使用される場合、残りの防汚タイル(即ち負荷設備の)は、LEDストリップに光結合されたUV−C光ガイドのみを備える「不活性」タイル面を備える。これは、タイルの上のスナップ(光ガイドはLEDストリップの上を通る)であり得るか、又は隣接するLEDストリップ間の間隙を埋める導光材料のスラブであり得るか、又はLEDストリップ間の間隙を埋める複数のより小さいタイルを含む。長所は、光ガイドを寸法に合わせて切断して、LEDストリップを損傷することなく間隙を埋めることができることである。導光部材とLEDストリップとの光結合は、空気、(海)水、又はシリコーンとして実行することができる。
【0071】
一般的に、接続ワイヤ1cは、第2の電極7に直接(ガルバニック)接続されるか、又は接続ワイヤ1cと第2の電極7との接続が水を介して行われるように水中で終了し、これは負荷設備のステッカータイプのソリューションの使用の場合に特に有用である。これらの異なるソリューションは、接続ワイヤ3の終点と第2の電極7との間の点線(特に図8及び図9において)によって示されるものとする。さらに、第2の電極7は、好ましくは、負荷2に直接接続され、即ち、負荷端子2bと第2の電極7との間には概して(長い)接続は存在しない。
【0072】
以下において、さらなる実施形態が説明される。
【0073】
図13は、図10及び図11に描写される第6の実施形態に類似する、防汚用途シナリオにおける、本発明に従う電力設備106の実用的な実装の側面図(図13A)及び上面図(図13B)を示す。この実施形態では、1つ又は複数の誘電(接着)基板40(その部分は誘電層4を表す)の上に担持される単一の薄く幅広の導電性電源ワイヤ3(第1の電極を表す)が提供され、単一の供給ワイヤ3(直接又は外部部材11(海水)によってAC端子1bに接続されている)が好ましくは、シートアルミニウム内で実行され、高周波AC発振器(図示されない)によって電圧調節されている。単一の供給ワイヤ3は、例えば図9又は図12に示されるようにGraetzブリッジ23及びLED24の形態で実行されるローカルDC電力源を含む、並列に接続された複数の負荷25a、25b、25cにガルバニック接続される。各負荷25a、25b、25cは、限流不活性接地電極7a、7b、7cによって終端される。
【0074】
全負荷25a、25b、25cのGraetzブリッジ23にわたって、(UV−C)LED、IC、並びに/又は他の電子回路及びモジュールなど、1つ又は複数の電子部品が接続されていてもよい。好ましくは、アセンブリ全体が、例えばシリコーン製の、UV−C透過性で水及び塩不浸透性の筺体41で囲まれている。
【0075】
供給ワイヤ3(第1の電極を表す)は、1つ又は複数の統合ヒューズ26(例えば、シートアルミニウム内に実行される)、及び電源ワイヤの防水性絶縁アタッチメントを備える。ヒューズは、ワイヤ損傷の場合に備えて安全性を提供する。これは、防汚用途シナリオにおける、本発明に従う電力設備107の別の実用的な実装の上面図を示す図14に例証される。
【0076】
別の実施形態において、不活性電極区域7a、7b、7cもシートアルミニウム内で実行される。さらに、不活性電極区域は、周囲環境の電気特性及び誘電特性に応じて複数の容量値を取得することができるように実行される。例えば、不活性電極の上側及び下側における誘電の異なる厚さ、又は2つの異なる誘電材料(例えば、一方は十分に接着し、他方はより良好なUV透過性を有する)、又は海水で濡らされ得る穴の形態にある上部の局所的に薄くされた誘電材料が配備される。別の例は、2つ以上の接続されたサブ部分に分かれた不活性電極であり、1つ又は複数の部分が、担体基板に近い他の部分と比較したとき面が高くなっている。さらに、上記のこれらの選択肢の逆が使用されてもよい。さらに別の実施形態は、膨張式若しくは波打ち不活性電極、又は不活性電極の下若しくは上に空洞を含み、局所的な高さ及び/又は誘電材料調整を可能にする。これらは、周囲環境の誘電特性及び電気特性に応じて局所的なLEDを自動減光することを目的に、不活性接地電極の上半分及び下半分の個別の寄与を調整するために使用することができる選択肢の単なる例である。
【0077】
依然として別の実施形態において、LEDストリップ25a、25bは、例えば、図15に例証されるようなロール27a、タイル27b、又は任意の他の形状の拡張可能であるが不活性のUV−C光ガイドとして実行される追加光ガイドによって光学的に拡張可能である。そのようなタイルは、衝撃時に損傷及び/又は損失され得、必要に応じて交換され得る。
【0078】
船体の外部表面での使用以外の他の用途としては、桟橋、橋の杭、又は風力発電所など、水中の又は水に近い建築物又は建築物の一部が挙げられる。
【0079】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に例証及び説明されているが、そのような例証及び説明は、例証的又は例示的であり限定的ではないと見なされるものとし、本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形形態は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の研究により、特許請求された発明の実践において当業者によって理解され行われ得る。
【0080】
特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という用語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外するものではない。単一の要素又は他のユニットが、特許請求項に列挙されたいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手法が相互に異なる従属請求項内に列挙されるということだけでは、これらの手法の組み合わせを有利に使用することができないということを示さない。
【0081】
特許請求項内のいかなる参照記号も、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0082】
A1.
電力設備内での使用のため、及び第1の外部導電性要素(5、50)における配置のための負荷設備であって、前記負荷設備が、
AC電力源(1)によって電力供給されるための第1の負荷端子(2a)及び第2の負荷端子(2b)を有する負荷(2、20、21、22、25)と、
第1の負荷端子(2a)に電気的に接続された第1の電極(3)と、
誘電層(4)と、を備え、
第1の電極(3)及び誘電層(4)が、第1の外部導電性要素(5、50)と組み合わせて、第1の電極(3)と第1の外部要素(5、50)との間の電力の容量性伝送のためのコンデンサ(6)を形成するように配置され、
コンデンサ(6)及び第2の負荷端子(2b)のうちの少なくとも1つが、水(10、11)を通した電力伝送のために配置されて、AC電力源(1)とコンデンサ及び第2の負荷端子(2b)のそれぞれとの間に水(10、11)を介した電気路を形成し、
第1の負荷端子(2a)が、第2の負荷端子(2b)から電気的に絶縁される、負荷設備。
【0083】
A2.
第1の外部導電性要素(5、50)が、水、特に海水、環境物、特に建築物又は乗物の一部分、及びインフラ物を含む導電性要素の群から選択される、実施形態A1に規定される負荷設備。
【0084】
A3.
第1の外部導電性要素(5、50)が海洋構造物であり、
第2の負荷端子(2b)が、AC電力源(1)と第2の負荷端子(2b)との間に水(10、11)を介した電気路を形成するために水(10、11)への電気接続を有し、
AC電力源(1)が、海洋構造物(5)に付着され、AC電力源(1)が、AC電力源(1)と第2の負荷端子(2b)との間に水(10、11)を介した電気路を達成するために水(10、11)への電気接続を有する、実施形態A1に規定される負荷設備。
【0085】
A4.
第2の負荷端子(2b)及びAC電力源(1)が、水(10、11)への容量電気接続を有する、実施形態A3に規定される負荷設備。
【0086】
A5.
第2の負荷端子(2b)及びAC電力源(1)が、水(10、11)への抵抗電気接続を有する、実施形態A3に規定される負荷設備。
【0087】
A6.
第1の外部導電性要素(5、50)が水であり、
コンデンサが、水(10、11)を通した電力伝送のために配置されて、AC電力源(1)とコンデンサとの間に水(10、11)を介した電気路を形成する、実施形態A1に規定される負荷設備。
【0088】
A7.
第2の外部要素(10、11)及び負荷(2)内に配置されるか、又はそれらに付着されるための、及び負荷設備の導電路内の抵抗を下げるための導電性電流誘導部材(12)をさらに備える、実施形態A1に規定される負荷設備。
【0089】
A8.
誘導部材(12)が、前記水(10、11)中に配置されるように、及び/又は負荷設備に付着されるように構成される、実施形態A7に規定される負荷設備。
【0090】
A9.
複数の負荷(25a、25b、25c)を備え、それらの第1の負荷端子が、共通の第1の電極(3)又は別個の第1の電極(3a、3b、3c)に並列に結合され、それらの第2の負荷端子が、共通の第2の電極(7)、別個の第2の電極(7a、7b、7c)、又は前記水(10、11)に並列に結合される、実施形態A1に規定される負荷設備。
【0091】
A10.
第1の外部要素(5)が船体である、実施形態A3に規定される負荷設備。
【0092】
A11.
第1の外部要素(5)が、非導電性海洋構造物に埋め込まれるか、又は接続される電極である、実施形態A3に規定される負荷設備。
【0093】
A12.
負荷(20、21、22)が、光源、特にLED若しくはUV−LEDを備えるか、又は互いに逆並列に結合された第1のLED(21a)及び第2のLED(21b)を含む、実施形態A1に規定される負荷設備。
【0094】
A13.
負荷(22)が、ダイオードブリッジ回路(23)を備え、光源(24)が、ダイオードブリッジ回路(23)の中間点(23a、23b)の間に結合される、実施形態A1に規定される負荷設備。
【0095】
A14.
負荷に電力供給するための電力設備であって、前記電力設備は、
AC電力源(1)と、
実施形態A1からA13のいずれか1つに規定される負荷設備とを備える、電力設備。
【0096】
A15.
実施形態A1からA13のいずれか1つに規定される負荷設備と、
強制通電カソード防食(ICCP)システムと、
前記負荷設備及び前記ICCPシステムを組み合わせて作動するように制御するための制御ユニットと、を備えるシステム。
【0097】
A16.
実施形態A1からA13のいずれか1つに記載される負荷設備を含む外表面を有する海洋構造物であって、負荷設備は前記外表面に付着される、海洋構造物。
【0098】
A17.
実施形態A1からA13のいずれか1つに規定される負荷設備を海洋構造物の外表面に据付けるための方法。
【0099】
A18.
特に外表面の生物付着に対抗するために、海洋構造物の外表面への据付けのための実施形態A1からA13のいずれか1つに規定される負荷設備の使用。
【0100】
B1.
電力設備内での使用のため、及び第1の外部導電性要素(5、50)における配置のための負荷設備であって、前記負荷設備が、
負荷(2)と、
負荷(2)に電気的に接続された第1の電極(3)と、
誘電層(4)と、を備え、
負荷(2)、第1の電極(3)、及び誘電層(4)が、第1の外部導電性要素(5、50)において配置されるように構成される構造体を形成し、
第1の電極(3)及び誘電層(4)が、第1の外部導電性要素(5、50)と組み合わせて、第1の電極(3)と第1の外部要素(5、50)との間の電力の容量性伝送のためのコンデンサ(6)を形成するように配置され、
負荷(2)が、第1の電極(3)から電気的に絶縁された第2の電極(7)に接続されるか、又は第1の電極(3)から電気的に絶縁された第2の外部導電性要素(10、11)に電気的に接続されるように配置される、負荷設備。
【0101】
B2.
負荷(2)、第1の電極(3)、及び誘電層(4)を担持し、第1の外部導電性要素(5、50)において配置されるように構成されている担体(80)をさらに備える、実施形態B1に規定される負荷設備。
【0102】
B3.
担体(80)が、担体の少なくとも1つの表面(81)が接着剤(90)で被覆されるシート形態にある、実施形態B2に規定される負荷設備。
【0103】
B4.
接着剤(90)で被覆された表面(81)に取り外し可能に付着されるフィルム(91)をさらに備える、実施形態B3に規定される負荷設備。
【0104】
B5.
担体(80)のサイズ及び/又は形態が、適用区域の形態及び/又はサイズに合わせられる、実施形態B2に規定される負荷設備。
【0105】
B6.
担体(80)の表面(82)及び/又は接着剤(90)で被覆された担体の表面(81)の反対側の負荷設備の外表面(92)は、特にこれら表面のうちの1つの表面上でディザリング表面又は光ガイドを受容するため、接着剤(93)で被覆される、実施形態B3に規定される負荷設備。
【0106】
B7.
担体(80)が可撓性材料からできている、実施形態B2に規定される負荷設備。
【0107】
B8.
担体(80)が、負荷設備の据付けのための、特に据付け位置及び/若しくは据付け方向及び/若しくは重複の可能性を示すための指標(94)、並びに/又はどこで担体(80)を切断すべきかを示す指標(94)を含む、実施形態B2に規定される負荷設備。
【0108】
B9.
負荷(2)に電気的に接続され、AC電力源(1)に電気的に接続されるように配置されている第2の電極(7)をさらに備える、実施形態B1に規定される負荷設備。
【0109】
B10.
第2の外部要素(10、11)及び負荷(2)内に配置されるか、又はそれらに付着される導電性電流誘導部材(12)をさらに備える、実施形態B1に規定される負荷設備。
【0110】
B11.
第2の外部要素(10)内に配置されるか、又はそれに付着されるためのDC電力線(1d)をさらに備える、実施形態B1に規定される負荷設備。
【0111】
B12.
負荷(20、21、22)が、光源、特にLED又はUV−LEDを備える、実施形態B1に規定される負荷設備。
【0112】
B13.
負荷に電力供給するための電力設備であって、前記電力設備は、
AC電力源(1)と、
実施形態1から12のいずれか1つに規定される負荷設備と、を備える、電力設備。
【0113】
B14.
実施形態1から12のいずれか1つに規定される負荷設備を含む外表面を有する海洋構造物であって、負荷設備は前記外表面に付着される、海洋構造物。
【0114】
B15.
実施形態B1からB12のいずれか1つに規定されるような負荷設備を、第1の外部要素(5、50)と第2の電極(7)又は第2の外部導電性要素(10、11)のいずれかとの間にAC電圧を提供することによって駆動するための方法。
【0115】
B16.
実施形態1から12のいずれか1つに規定される負荷設備を海洋構造物の外表面に据付けるための方法。
【0116】
B17.
特に外表面の生物付着に対抗するために、海洋構造物の外表面への据付けのための実施形態1から12のいずれか1つに規定される負荷設備の使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15