(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に設けられた複数の車輪のそれぞれに装着され、かつトリガ信号に含まれる指令に応じた処理を行う送信機に対して、前記トリガ信号を送信するように構成されたトリガ機であって、
前記トリガ機は、
前記トリガ信号を送信するように構成されたトリガ機用送信部と、
前記トリガ機の制御を行うように構成されたトリガ機用制御部とを備え、
前記トリガ機用制御部は、
前記送信機の状態をモードの設定が可能な状態である待受状態に遷移させる指令を含んだ前記トリガ信号と、
前記送信機のモードを指定する指令を含んだ前記トリガ信号と、を前記トリガ機用送信部から送信させることが可能である、トリガ機。
車両に設けられた複数の車輪のそれぞれに装着された送信機と、指令を含んだトリガ信号を前記送信機に送信するトリガ機とを備え、前記トリガ機によって前記送信機のモードが設定される送信機のモード設定システムであって、
前記トリガ機は、
前記トリガ信号を送信するように構成されたトリガ機用送信部と、
前記トリガ機の制御を行うように構成されたトリガ機用制御部とを備え、
前記トリガ機用制御部は、
前記送信機の状態を前記モードの設定が可能な状態である待受状態に遷移させる指令を含んだ前記トリガ信号と、
前記送信機の前記モードを指定する指令を含んだ前記トリガ信号とを前記トリガ機用送信部から送信させることが可能であり、
前記送信機は、
タイヤの圧力を検出するように構成された圧力センサと、
前記圧力センサの検出結果を含むデータ信号を受信機に送信するように構成された送信部と、
前記トリガ信号を受信するように構成されたトリガ受信部と、
前記送信機を制御するように構成された制御部とを備え、
前記制御部は、
前記送信機の状態を前記待受状態へ遷移させる指令を含んだ前記トリガ信号が前記トリガ受信部によって受信された場合、前記送信機の状態を待受状態に遷移させ、
前記送信機の状態が待受状態のときに前記モードを指定する指令を含んだ前記トリガ信号が前記トリガ受信部によって受信された場合、指定された前記モードを設定するように構成された、送信機のモード設定システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
送信機は、車両の移動とともに移動する。このため、送信機の周辺環境は、車両の移動とともに変化する。周辺環境によっては、トリガ信号の周波数帯と同一、あるいはトリガ信号の周波数帯に近似した周波数帯の外部ノイズ(電波)が送信されている場合がある。トリガ受信部によって外部ノイズが受信されると、外部ノイズによって送信機が意図しないモードに設定されるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、送信機が意図しないモードに設定されることを抑制できる送信機、トリガ機、送信機のモード設定システム、及び送信機のモード設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様によれば、車両に設けられた複数の車輪のそれぞれに装着され、かつトリガ信号に含まれる指令に応じた処理を行う送信機が提供される。送信機は、タイヤの圧力を検出するように構成された圧力センサと、圧力センサの検出結果を含むデータ信号を受信機に送信するように構成された送信部と、トリガ信号を受信するように構成されたトリガ受信部と、送信機を制御するように構成された制御部とを備える。制御部は、送信機の状態を待受状態へ遷移させる指令を含んだトリガ信号がトリガ受信部によって受信された場合、送信機の状態を待受状態に遷移させ、送信機の状態が待受状態のときにモードを指定する指令を含んだトリガ信号がトリガ受信部によって受信された場合、指定されたモードを設定するように構成されている。
【0009】
これによれば、送信機の状態が待受状態のときに、モードを指定する指令を含んだトリガ信号をトリガ受信機が受信した場合、制御部は、指定されたモードを設定する。モードを設定するためには、送信機の状態を待受状態に遷移させる必要がある。トリガ機を用いてモードを設定する場合、待受状態への遷移とモードの設定との2段階の工程を経る必要がある。偶発的に制御部が外部ノイズをトリガ信号だと誤認した場合であっても、1回の誤認であれば、送信機の状態が待受状態に遷移するだけであり、モードは設定されない。したがって、外部ノイズにより意図しないモードが設定されることが抑制される。
【0010】
上記送信機について、送信機は、複数の機種の中からいずれの機種として機能するかを選択可能に構成されており、モードは、機種を含んでいてもよい。
これによれば、外部ノイズによって意図しない機種が設定されることが抑制される。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の第二の態様によれば、車両に設けられた複数の車輪のそれぞれに装着され、かつトリガ信号に含まれる指令に応じた処理を行う送信機に対して、トリガ信号を送信するように構成されたトリガ機が提供される。トリガ機は、トリガ信号を送信するように構成されたトリガ機用送信部と、トリガ機の制御を行うように構成されたトリガ機用制御部とを備える。トリガ機用制御部は、送信機の状態をモードの設定が可能な状態である待受状態に遷移させる指令を含んだトリガ信号と、送信機のモードを指定する指令を含んだトリガ信号とをトリガ機用送信部から送信させることが可能である。
【0012】
これによれば、トリガ機を用いて、送信機の状態を待受状態に遷移させることができる。送信機の状態を待受状態に遷移させた後に、トリガ機を用いてモードを指定することで、送信機は指定されたモードに設定される。したがって、待受状態への遷移とモードの指定との2段階の工程を経てモードが設定される送信機であっても、トリガ機を用いることでモードの設定を行うことができる。したがって、車輪に装着される送信機として、待受状態への遷移とモードの指定との2段階の工程を経てモードが設定される送信機を用いることができる。上記したように、この送信機を用いることで、外部ノイズにより意図しないモードが設定されることが抑制される。
【0013】
上記トリガ機について、送信機は、複数の機種の中からいずれの機種として機能するかを選択可能に構成されており、トリガ機用制御部は、機種が入力されると、送信機の状態を待受状態にさせる指令を含んだトリガ信号と、モードとして機種を指定する指令を含んだトリガ信号とをトリガ機用送信部から順番に送信させるように構成されていてもよい。
【0014】
これによれば、機種が入力されることで、送信機の状態を待受状態に遷移させるトリガ信号と、機種を指定するトリガ信号とが順番に送信される。このため、トリガ機の操作者は、機種を入力することで、送信機の機種を設定することができる。送信機の状態を待受状態に遷移させるトリガ信号を送信させる操作と、モードを指定するトリガ信号を送信させる操作とを別々に行う場合に比べ、トリガ機の操作者の手間が軽減される。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の第三の態様によれば、車両に設けられた複数の車輪のそれぞれに装着された送信機と、指令を含んだトリガ信号を送信機に送信するトリガ機とを備え、トリガ機によって送信機のモードが設定される送信機のモード設定システムが提供される。トリガ機は、トリガ信号を送信するように構成されたトリガ機用送信部と、トリガ機の制御を行うように構成されたトリガ機用制御部とを備える。トリガ機用制御部は、送信機の状態をモードの設定が可能な状態である待受状態に遷移させる指令を含んだトリガ信号と、送信機のモードを指定する指令を含んだトリガ信号とをトリガ機用送信部から送信させることが可能である。送信機は、タイヤの圧力を検出するように構成された圧力センサと、圧力センサの検出結果を含むデータ信号を受信機に送信するように構成された送信部と、トリガ信号を受信するように構成されたトリガ受信部と、送信機を制御するように構成された制御部とを備える。制御部は、送信機の状態を待受状態へ遷移させる指令を含んだトリガ信号がトリガ受信部によって受信された場合、送信機の状態を待受状態に遷移させ、送信機の状態が待受状態のときにモードを指定する指令を含んだトリガ信号がトリガ受信部によって受信された場合、指定されたモードを設定する。
【0016】
これによれば、車輪に装着される送信機として、待受状態への遷移とモードの指定の2段階の工程を経てモードが設定される送信機を用いることができる。したがって、外部ノイズにより意図しないモードが設定されることが抑制される。
【0017】
上記課題を解決するため、本発明の第四の態様によれば、トリガ機によって送信機のモードを設定する送信機のモード設定方法であって、送信機の状態を、モードの設定が可能な状態である待受状態に遷移させる指令を含んだトリガ信号をトリガ機から送信し、送信機の状態を待受状態に遷移させた後に、モードを指定する指令を含んだトリガ信号をトリガ機から送信することで送信機のモードを設定する。
【0018】
これによれば、トリガ機を用いて、送信機の状態を待受状態に遷移させることができる。したがって、車輪に装着される送信機として、待受状態への遷移とモードの設定の2段階の工程を経てモードが設定される送信機を用いることができる。この送信機を用いることで、外部ノイズにより意図しないモードが設定されることが抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、送信機が意図しないモードに設定されることを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、送信機、トリガ機、送信機のモード設定システム、及び送信機のモード設定方法の一実施形態について説明する。
図1に示すように、タイヤ状態監視装置20は、車両10の4つの車輪11にそれぞれ装着される送信機21と、車両10に設置される受信機40とを備える。各車輪11は、ホイール12と、ホイール12に装着されたタイヤ13とを備える。送信機21としては、タイヤバルブに固定された送信機や、ホイール12やタイヤ13に固定された送信機が用いられる。
【0022】
送信機21は、タイヤ13の内部空間に配置されるように、車輪11に取り付けられている。送信機21は、対応するタイヤ13の状態、例えば、タイヤ13の空気圧やタイヤ13内の温度を検出して、検出結果を含むデータ信号を受信機40に無線送信する。タイヤ状態監視装置20は、送信機21から送信されるデータ信号を受信機40で受信して、タイヤ13の状態を監視する。
【0023】
図2に示すように、送信機21は、圧力センサ22、温度センサ23、送信機用制御部25、送信回路26、送信アンテナ28、受信アンテナ29、バッテリ30、及びトリガ受信部31を備える。バッテリ30は、送信機21の電力源となる。
【0024】
圧力センサ22は、対応するタイヤ13の圧力(空気圧)を検出する。圧力センサ22は、検出結果を送信機用制御部25に出力する。温度センサ23は、対応するタイヤ13内の温度を検出する。温度センサ23は、検出結果を送信機用制御部25に出力する。
【0025】
制御部としての送信機用制御部25は、CPU25a及び記憶部25b(RAMやROM等)を含むマイクロコンピュータ等よりなる。記憶部25bには、各送信機21の固有の識別情報であるIDコードが登録されている。また、記憶部25bには、送信機21を制御するための種々のプログラムが記憶されている。
【0026】
送信機用制御部25は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、送信機用制御部25は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、2)ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは3)それらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0027】
送信機用制御部25は、データを生成し、送信回路26に出力する。送信部としての送信回路26は、送信機用制御部25からのデータを変調して信号(RF信号)を生成し、送信アンテナ28から送信する。例えば、送信機用制御部25は、圧力センサ22の検出結果及び温度センサ23の検出結果であるタイヤ状態(タイヤ空気圧やタイヤ内温度)やIDコードを含むデータを生成し、このデータを含む信号であるデータ信号を送信する。
【0028】
トリガ受信部31は、トリガ機50から送信されるトリガ信号を受信する。トリガ受信部31は、受信アンテナ29に到来した信号のうち特定の周波数帯の信号のみを通過させるフィルタや、信号を増幅させる増幅回路などを含む。
【0029】
トリガ信号は、LF帯(長波帯)の信号である。トリガ機50とは、送信機21に対する指令を含んだトリガ信号を送信することで、送信機21に種々の動作を行わせる装置である。送信機用制御部25は、トリガ受信部31によって受信されたトリガ信号に含まれる指令に応じた処理を行う。
【0030】
送信機21は、複数のモードで動作することが可能である。モードには、データ信号の送信を行わないスリープモードや、データ信号を短い間隔で送信させる緊急モードなど送信機21の送信態様に関するモードが含まれる。更に、モードには、送信機21の機種が含まれる。本実施形態の送信機21は、複数の機種の中からいずれの機種として機能するかを選択可能に構成されている。機種毎に、送信機21の動作態様は異なる。このため、機種毎に、モードも異なるといえる。
【0031】
記憶部25bには、送信機21を複数の機種として機能させるための機種情報が記憶されている。機種とは、車種に対応付けられた送信機21の種類であり、1つの機種毎に複数の車種が対応している。
【0032】
例えば、
図3に示すように、機種Aは車種A,B,Cに対応しており、機種Bは車種D,E,Fに対応している。1つの機種に対する車種の数は、機種によって異なる。なお、「車種」は、車名が同一の場合であっても、年式が異なる場合に異なる車種として取り扱う。
【0033】
受信機40のプロトコルは、車種によって異なっている。車種によって、プロトコルで規定されたフレームフォーマットも異なることになる。受信機40のプロトコルに対応したデータ信号でなければ、データ信号を受信機40に受信させることができない。
図3に示す例でいえば、機種Aとして機能する送信機21は、車種A,B,Cの受信機40にデータ信号を受信させることができる一方で、他の車種の受信機40にデータ信号を受信させることはできない。機種情報とは、受信機40と通信可能な規格の情報であるといえる。また、機種によって、データ信号の送信間隔、圧力データや、温度データの分解能などが異なる。
【0034】
本実施形態の送信機21は、記憶部25bに複数の機種の機種情報が記憶され、かつ複数の機種の中から1つの機種を選択可能に構成されている。送信機21は、選択された機種として機能する。これにより、1つの機種としてしか機能しない送信機に比べて、多くの車種に対応することが可能となる。
【0035】
なお、複数の機種の中から1つの機種として送信機21を機能させるため、機種毎の個別のプログラムを記憶部25bに格納し、選択された機種に対応したプログラムで送信機21を動作させている。また、機種情報として単一のプログラムを記憶部25bに格納し、外部から処理手順を変更することで、選択された機種として送信機21を機能させてもよい。即ち、複数の機種の中から1つの機種を選択し、当該機種として送信機21を機能させることができれば、どのような態様で制御が行われてもよい。
【0036】
送信機用制御部25は、送信機21の状態を待受状態に遷移させることができるように構成されている。待受状態とは、送信機21の機種を設定できる状態である。送信機21の状態が待受状態とは異なる禁止状態の場合、送信機21の機種を設定することができない。
【0037】
図1に示すように、受信機40は、受信機用制御部41と、受信機用受信回路42と、受信アンテナ43とを備える。受信機用制御部41には、警報器44が接続されている。受信機用制御部41は、受信機用CPU41a及び受信機用記憶部41b(ROMやRAM等)を含むマイクロコンピュータ等よりなる。受信機用受信回路42は、各送信機21から受信アンテナ43を介して受信されたデータ信号を復調して、受信機用制御部41に出力する。
【0038】
受信機用記憶部41bには、各車輪11に装着された送信機21のIDコードが記憶されている。これにより、送信機21と受信機40とが対応付けられている。受信機用制御部41は、受信機用受信回路42によって受信されたデータ信号に含まれるIDコードと、受信機用記憶部41bに記憶されたIDコードとを照合する。照合の結果、データ信号に含まれるIDコードと登録されたIDコードとが一致すると、受信機用制御部41は、データ信号に含まれるデータを採用する。受信機用制御部41は、受信機40に対応付けられた送信機21より送信されたデータ信号に含まれるデータから、タイヤ13の状態を把握する。受信機用制御部41は、タイヤ13に異常が生じている場合、警報器(報知器)44にて報知を行う。警報器44としては、例えば、異常を光の点灯や点滅によって報知する装置や、異常を音によって報知する装置が用いられる。また、受信機用制御部41は、車両10の搭乗者が視認可能な表示器に、タイヤ13の状態を表示してもよい。
【0039】
前述したように、送信機21は、複数の機種の中からいずれかの機種として機能する。機種の設定は、トリガ機50によって行われる。各送信機21、及びトリガ機50は、送信機のモード設定システムSとして機能する。以下、トリガ機50について詳細に説明を行う。
【0040】
図1及び
図2に示すように、トリガ機50は、複数の操作部51、トリガ機用送信回路52、トリガ機用受信回路53、表示部54、トリガ機用制御部55、トリガ機用送信アンテナ56、及びトリガ機用受信アンテナ57を備える。各操作部51は、トリガ機50の操作者に操作される。操作部51は、表示部54に表示される選択肢(メニュー)からいずれかを選択する選択部と、選択肢の決定を行う決定部とを含む。操作者は、操作部51を操作することで、種々の動作をトリガ機50に行わせることができる。
【0041】
操作部51は、トリガ機用制御部55に接続されている。トリガ機用制御部55は、CPU55a及び記憶部55b(RAMやROM等)を含むマイクロコンピュータ等よりなる。記憶部55bには、送信機21に行わせる動作に応じた指令(コマンド=データ列)が記憶されている。記憶部55bに記憶される指令には、送信機21の状態を待受状態に遷移させる指令と、送信機21の機種を指定する指令とが含まれる。送信機21の状態を待受状態に遷移させる指令は、送信機21の機種や車種毎に異なっていてもよいし、送信機21の機種や車種に関わらず同一であってもよい。送信機21の機種を指定する指令は、機種毎に異なる。
【0042】
トリガ機用制御部55は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。即ち、トリガ機用制御部55は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、2)ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは3)それらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0043】
トリガ機用制御部55は、操作部51の操作に応じてデータを生成する。このデータには、操作部51による操作によって決定された指令が含まれる。
上記したように、操作者は、トリガ機50を用いて、送信機21の機種を設定(選択)することが可能である。操作者は、送信機21の機種の設定を行う際、操作部51を操作することで、送信機21が取り付けられる車両10の車種に対応した機種を選択する。なお、操作者は、トリガ機50を用いて、機種を直接選択してもよいし、車種を選択することでトリガ機用制御部55が機種を選択するようにしてもよい。例えば、記憶部55bには、
図3に示すように、車種毎に対応する機種が記憶されている。操作者は、操作部51を操作することでメーカー→車名→年式と選択し、車種を選択することでトリガ機用制御部55が車種に対応した機種を選択するようにしてもよい。例えば、
図3に示す機種Aを選択する場合、機種Aを直接選択してもよいし、車種A,B,Cを選択することで、機種Aが選択されるようにしてもよい。トリガ機用制御部55は、選択された機種に対応した指令を含むデータを生成する。
【0044】
トリガ機用制御部55は、生成したデータをトリガ機用送信回路52に出力する。トリガ機用送信部としてのトリガ機用送信回路52は、データに応じたトリガ信号を生成する。トリガ信号は、トリガ機用送信アンテナ56から送信される。
【0045】
トリガ機用受信回路53は、トリガ機用受信アンテナ57を介して送信機21から返送された信号を受信する。トリガ機用受信回路53は、送信機21から返送されてきた信号を復調して、トリガ機用制御部55に出力する。
【0046】
次に、送信機21の機種の設定の際に、トリガ機用制御部55、及び送信機用制御部25が行う処理について説明する。
図4に示すように、操作者は、トリガ機50の操作部51を操作することで、送信機21の機種を選択する(ステップS1)。これにより、トリガ機50(トリガ機用制御部55)には、機種が入力される。
【0047】
トリガ機用制御部55は、機種が入力されると、第1トリガ信号をトリガ機用送信回路52から送信させる(ステップS2)。第1トリガ信号は、送信機21の状態を待受状態に遷移させる指令を含んだトリガ信号である。
【0048】
送信機用制御部25は、トリガ受信部31によって第1トリガ信号が受信されると、送信機21の状態を待受状態に遷移させる(ステップS3)。そして、送信機用制御部25は、送信機21の状態を待受状態に遷移させたことを通知する通知信号を、送信回路26から送信させる。
【0049】
トリガ機用制御部55は、トリガ機用受信回路53によって通知信号が受信されると、機種を指定する指令を含んだトリガ信号である第2トリガ信号をトリガ機用送信回路52から送信させる(ステップS4)。なお、第2トリガ信号に含まれる指令により指定される機種は、ステップS1で選択された機種である。即ち、ステップS1で選択された機種は、第1トリガ信号の送信を経た後、第2トリガ信号によって指定される。
【0050】
送信機用制御部25は、トリガ受信部31によって第2トリガ信号が受信されると、第2トリガ信号に含まれる指令に基づき、複数の機種の中から1つの機種を設定する(ステップS5)。これにより、送信機21が複数の機種のうちいずれの機種として機能するかが決定する。
【0051】
なお、送信機用制御部25は、トリガ受信部31によって第2トリガ信号が受信されない状態が所定時間以上継続すると、送信機21の待受状態を解除する。待受状態が解除されると、送信機21の状態は、禁止状態となる。
【0052】
送信機用制御部25は、送信機21の機種の設定が行われると、機種の設定が完了したことを通知する信号である完了信号を、送信回路26から送信させる。
トリガ機用制御部55は、トリガ機用受信回路53によって
完了信号が受信されると、機種の設定が完了したことを、表示部54に表示する(ステップS6)。これにより、送信機21の機種の設定が完了となる。
【0053】
上記したように、トリガ機50を用いた送信機21のモード設定方法では、まず、第1トリガ信号を送信することで、送信機21の状態を待受状態に遷移させる。送信機21の状態を待受状態に遷移させた後に第2トリガ信号をトリガ機50から送信することで、送信機21のモード(本実施形態では機種)が設定されることになる。
【0054】
次に、送信機21、トリガ機50、送信機のモード設定システムS、及び送信機のモード設定方法の作用について説明する。
車輪11に装着された送信機21は、車両10とともに移動する。このため、送信機21の周辺環境は、車両10とともに変化する。周辺環境によっては、トリガ信号の周波数帯と同一、又はトリガ信号の周波数帯に近似した周波数帯の信号が送信され続けている場合がある。例えば、駐車場や、高速道路などでは、車両を検知するために125kHz帯付近の信号が出力されている場合がある。これらの信号は、送信機21にとっては、外部ノイズとなる。
【0055】
外部ノイズが偶発的にトリガ信号の指令と一致すると、送信機用制御部25は外部ノイズをトリガ信号と誤認し、誤認した指令に従った制御を行う。
仮に、外部ノイズによって機種が設定される(切り替わる)場合、まず、外部ノイズによって送信機21の状態が待受状態となり、その後、外部ノイズによって機種の設定が行われることになる。偶発的に送信機用制御部25が外部ノイズをトリガ信号だと誤認した場合であっても、1回の誤認であれば送信機21の状態が待受状態に遷移するだけであり、機種は設定されない。
【0056】
したがって、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)トリガ機50を用いて送信機21の機種を設定する場合、待受状態への遷移と機種の指定との2段階の工程を経る必要がある。送信機用制御部25が外部ノイズをトリガ信号だと誤認した場合であっても、1回の誤認であれば、送信機21の機種は設定されない。したがって、送信機21が外部ノイズにより意図しない機種に設定されることが抑制される。
【0057】
(2)仮に、送信機21が意図しない機種に設定されると、送信機21は、受信機40にデータ信号を受信させることができない。よって、送信機21が意図しない機種に設定されなくなることで、送信機21から送信されるデータ信号を受信機40に受信させることができる。
【0058】
(3)トリガ機50は、第1トリガ信号と第2トリガ信号とを送信可能に構成されている。このため、送信機21の機種(モード)を設定することができる。仮に、送信機21の機種を設定できるトリガ機がない場合、送信機21を使用することができない。よって、送信機21に対応したトリガ機50を用いて送信機21の機種を設定することができるため、車輪11に装着される送信機として、送信機21を外部ノイズにより意図しない機種に設定されにくくすることができる。
【0059】
(4)操作部51の操作により機種が入力されると、トリガ機50から第1トリガ信号と第2トリガ信号とが順番に送られる。このため、トリガ機50を用いて送信機21の機種を設定するために操作者が行う操作は、機種の入力のみである。よって、第1トリガ信号の送信と第2トリガ信号の送信とを別々の操作によって行う場合に比べて、操作者の手間が軽減される。
【0060】
(5)送信機のモード設定システムSは、トリガ機50を用いて送信機21の機種を設定するように構成されている。このため、車輪11に装着される送信機として、送信機21を外部ノイズにより意図しない機種に設定されにくくすることができる。
【0061】
(6)トリガ機50を用いた送信機21のモード設定方法では、2段階の工程を経て機種が設定される。したがって、車輪11に装着される送信機として、待受状態への遷移と機種の指定との2段階の工程を経て機種が設定される送信機21を用いることができる。よって、この送信機21を用いることで、送信機21を外部ノイズにより意図しないモードに設定されにくくすることができる。
【0062】
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
・データ信号の送信態様に関するモードなど、機種以外のモードを設定する際に2段階の工程を経てモードが設定されてもよい。例えば、送信機21の状態が待受状態のときに、送信態様に関するモードが指定された場合にのみ、送信機21のモードが設定(切り替え)されてもよい。なお、この場合、送信機21の機種を設定は、待受状態への遷移と機種の指定とを経て行われてもよい。また、待受状態への遷移をさせることなく、送信機21の機種を設定してもよい。即ち、送信機21のモードのうち、モードの設定を行う際に送信機21の状態を待受状態に遷移させる必要があるモードは、適宜選択することができる。
【0063】
・トリガ機50は、第1トリガ信号と第2トリガ信号とを送信可能であればよく、第1トリガ信号と第2トリガ信号とが別々の操作によって送信されるように構成されてもよい。この場合、操作者は、トリガ機50の操作部51を操作することで、第1トリガ信号をトリガ機50から送信する。その後、操作者は、トリガ機50の操作部51を操作することで、第2トリガ信号をトリガ機50から送信する。
【0064】
・機種は、1つの車種に対応しているものでもよい。
・トリガ信号の周波数帯は、適宜変更してもよい。
・トリガ機50を用いて選択した機種の機種情報(プログラム)を記憶部25bに書き込むことで、送信機21が複数の機種の中から1つの機種として機能するようにしてもよい。即ち、送信機21は、記憶部25bに記憶された複数の機種から機種を選択するものであってもよいし、トリガ機50で選択した機種として送信機21が機能するプログラムを記憶部25bに書き込むものであってもよい。
【0065】
・送信機21は、複数の機種の中から機種を選択できるものでなくてもよい。即ち、予め定められた単一の機種として機能する送信機であってもよい。
・送信機21の状態が待受状態に遷移したことを通知する通知信号は、送信されなくてもよい。この場合、トリガ機用制御部55は、第1トリガ信号を送信した後、所定時間後に第2トリガ信号を送信する。なお、所定時間とは、例えば、第1トリガ信号を送信してから送信機21の状態が待受状態に遷移するまでに要する時間である。
【0066】
・車両は、二輪車や、5つ以上の車輪11を備える車両であってもよい。