特許第6914972号(P6914972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6914972
(24)【登録日】2021年7月16日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】一体型冷却剤ボトルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/02 20060101AFI20210727BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20210727BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20210727BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20210727BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20210727BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20210727BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20210727BHJP
【FI】
   B60K11/02
   H01M10/615
   H01M10/625
   H01M10/6568
   H01M10/6556
   B60K1/00
   B60K1/04 Z
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-567059(P2018-567059)
(86)(22)【出願日】2017年6月21日
(65)【公表番号】特表2019-520261(P2019-520261A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(86)【国際出願番号】US2017038596
(87)【国際公開番号】WO2017223232
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2019年7月26日
(31)【優先権主張番号】62/353,763
(32)【優先日】2016年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/627,936
(32)【優先日】2017年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルル,ジャスティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ピント,プレム マーク
【審査官】 中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−163037(JP,A)
【文献】 特開2009−038940(JP,A)
【文献】 特開平06−146883(JP,A)
【文献】 特開2014−092094(JP,A)
【文献】 特開2007−009859(JP,A)
【文献】 特開2002−038945(JP,A)
【文献】 特開2004−278482(JP,A)
【文献】 特開2017−180445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/02
B60K 1/00
B60K 1/04
H01M 10/615
H01M 10/625
H01M 10/6556
H01M 10/6568
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱システム内で使用するよう構成されたリザーバであって、
第1セクションと、
前記第1セクションにリザーバインターフェースで結合されて、液体媒体の貯蔵または流動の少なくとも一方を容易にするように構成されたリザーバを形成する第2セクションと、を備え、前記第1セクションが、
各構成要素インターフェースが前記リザーバへの構成要素の取付を可能にするように構成された、複数の構成要素インターフェースと、
複数の一体型チャネルであって、各一体型チャネルが、前記リザーバ内で、前記複数の構成要素インターフェースのうちの特定の構成要素インターフェースへの、または、前記複数の構成要素インターフェースのうちの特定の構成要素インターフェースからの液体媒体の流動のための経路を提供する、複数の一体型チャネルと、を含む、リザーバ。
【請求項2】
前記構成要素が、ポンプ、バッテリポンプ、パワートレインポンプ、チラー、ヒータ、フィルタ、エアレータ、バルブ、コネクタ、ファン、またはラジエータを含む、請求項に記載のリザーバ。
【請求項3】
前記第1セクションが、
第1構成要素の接続を容易にするように構成される第1構成要素インターフェースと、
第2構成要素の接続を容易にするように構成される第2構成要素インターフェースとをさらに備え、前記一体型チャネルが、前記第1構成要素インターフェースから前記第2構成要素インターフェースへの前記液体媒体の流動のための経路を提供する、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項4】
前記第1構成要素または前記第2構成要素の少なくとも1つを含む前記構成要素が、ポンプ、バッテリポンプ、パワートレインポンプ、チラー、ヒータ、フィルタ、エアレータ、バルブ、コネクタ、ファン、またはラジエータを含む、請求項に記載のリザーバ。
【請求項5】
前記第1セクションが、前記リザーバから離れて配置され、前記ホースによって前記リザーバに結合されている別の構成要素に前記液体媒体を輸送する、またはそこから前記液体媒体を受け取るためのホースとの接続を容易にするよう構成されるホースインターフェースをさらに含む、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項6】
前記第1セクションが、構成要素の接続を容易にするよう構成される凹部をさらに備え、前記一体型チャネルが、前記凹部への、または前記凹部からの前記液体媒体の流れのための経路を提供する、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項7】
前記構成要素が、ポンプ、バッテリポンプ、パワートレインポンプ、チラー、ヒータ、フィルタ、エアレータ、バルブ、コネクタ、ファン、またはラジエータを含む、請求項に記載のリザーバ。
【請求項8】
前記第2セクションが、溶接界面、接着界面、熱間成形界面、熱板溶接界面、熱溶接界面、音波溶接界面または超音波溶接界面である前記リザーバインターフェースで前記第1セクションに接合される、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項9】
前記第1セクションが、前記液体媒体のための別の経路を提供する別の一体型チャネルの第1部分を含み、前記第2セクションが、前記液体媒体のための別の経路を提供する別の一体型チャネルの第2部分を含み、前記第1セクションが前記第2セクションに接合されるとともに他の前記一体型チャネルの前記第1部分が他の前記一体型チャネルの前記第2部分と相補的に位置合わせされるリザーバインターフェースの少なくとも一部分に沿って他の前記一体型チャネルが形成される、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項10】
バッテリ式電気自動車の駆動モータ冷却システムまたはバッテリ加熱システムの少なくとも一方で使用するように構成されたリザーバであって、
第1セクションと、
前記第1セクションにリザーバインターフェースで結合されて、前記バッテリ式電気自動車の前記駆動モータ冷却システムまたは前記バッテリ加熱システムの少なくとも一方の内部での液体媒体の貯蔵または流動の少なくとも一方を容易にするように構成されるリザーバを形成する第2セクションとを備え、前記第1セクションが、
各構成要素インターフェースが前記リザーバへの構成要素の取付を許容するように構成された、複数の構成要素インターフェースと、
複数の一体型チャネルであって、各一体型チャネルが、前記リザーバ内で、前記複数の構成要素インターフェースのうちの特定の構成要素インターフェースへの、または、前記複数の構成要素インターフェースのうちの特定の構成要素インターフェースからの前記液体媒体の流動のための経路を提供する、複数の一体型チャネルを含む、リザーバ。
【請求項11】
前記構成要素が、ポンプ、バッテリポンプ、パワートレインポンプ、チラー、ヒータ、フィルタ、エアレータ、バルブ、コネクタ、ファン、またはラジエータを含む、請求項10に記載のリザーバ。
【請求項12】
前記第1セクションが、前記リザーバから離れて配置され、前記ホースによって前記リザーバに結合されている別の構成要素に前記液体媒体を輸送する、またはそこから前記液体媒体を受け取るためのホースとの接続を容易にするよう構成されるホースインターフェースをさらに備える、請求項10に記載のリザーバ。
【請求項13】
前記第1セクションが、構成要素の接続を容易にするように構成される凹部をさらに備え、前記一体型チャネルが、前記凹部への、または前記凹部からの前記液体媒体の流れのための経路を提供する、請求項10に記載のリザーバ。
【請求項14】
前記第2セクションが、溶接界面、接着界面、熱間成形界面、熱板溶接界面、熱溶接界面、音波溶接界面または超音波溶接界面である前記リザーバインターフェースで前記第1セクションに接合される、請求項10に記載のリザーバ。
【請求項15】
バッテリ式電気自動車の駆動モータ冷却システムまたはバッテリ加熱システムの少なくとも一方で使用するように構成されたリザーバであって、
第1セクションと、
前記第1セクションにリザーバインターフェースで結合されて、前記バッテリ式電気自動車の前記駆動モータ冷却システムまたは前記バッテリ加熱システムの少なくとも一方の内部での液体媒体の貯蔵または流動の少なくとも一方を容易にするように構成されるリザーバを形成する第2セクションであって、前記第1セクションが前記液体媒体の流れのための経路を提供する複数の一体型チャネルを含む、第2セクションと、
各構成要素インターフェースが前記リザーバへの構成要素の接続を可能にするように構成された、複数の構成要素インターフェースであって、各一体型チャネルが、前記リザーバ内で、前記複数の構成要素インターフェースのうちの特定の構成要素インターフェースへの、または、前記複数の構成要素インターフェースのうちの特定の構成要素インターフェースからの前記液体媒体の流れのための経路を提供する、複数の構成要素インターフェースと、
前記リザーバから離れて配置され、前記ホースによって前記リザーバに結合されている別の構成要素に前記液体媒体を輸送する、またはそこから液体媒体を受け取るためのホースとの接続を容易にするよう構成されるホースインターフェースと、
を備えるリザーバ。
【請求項16】
前記構成要素が、ポンプ、バッテリポンプ、パワートレインポンプ、チラー、ヒータ、フィルタ、エアレータ、バルブ、コネクタ、ファン、またはラジエータを含む、請求項15に記載のリザーバ。
【請求項17】
前記第1セクションが、少なくとも1つの他の構成要素の接続を容易にするように構成される凹部をさらに備え、前記一体型チャネルが前記凹部への、または前記凹部からの前記液体媒体の流れのための経路を提供する、請求項15に記載のリザーバ。
【請求項18】
前記第2セクションが、溶接界面、接着界面、熱間成形界面、熱板溶接界面、熱溶接界面、音波溶接界面または超音波溶接界面である前記リザーバインターフェースで前記第1セクションに接合される、請求項15に記載のリザーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連特許/特許出願の相互参照]
本PCT出願は、「INTEGRATED COOLANT BOTTLE ASSEMBLY(一体型冷却剤ボトルアセンブリ)」と題される2017年6月20日に出願された米国特許出願第15/627,936号明細書、および「INTEGRATED COOLANT BOTTLE ASSEMBLY(一体型冷却剤ボトルアセンブリ)」と題される2016年6月23日に出願された米国仮特許出願第62/353,763号明細書に基づく優先権を主張する。「INTEGRATED COOLANT BOTTLE ASSEMBLY(一体型冷却剤ボトルアセンブリ)」と題される2017年6月20日に出願された米国特許出願第15/627,936号明細書は、「INTEGRATED COOLANT BOTTLE ASSEMBLY(一体型冷却剤ボトルアセンブリ)」と題される2016年6月23日に出願された米国仮特許出願第62/353,763号明細書に米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。これらは両方とも参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、あらゆる目的のために本PCT出願の一部をなすものである。
【0002】
本開示は、一般に熱管理システムに関する。より具体的には、車両内に実装できるような熱管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気モータ、特にサイズおよび重量の制約がありながら高出力を必要とする車両のトラクションモータは、かなりの熱を発する可能性がある。電気モータの過熱は、モータの巻線の絶縁を急速に劣化させる原因となる。電気モータの温度が10℃上昇するごとに、絶縁の寿命は半減する。過熱によって引き起こされる別の問題は、ロータ内の永久磁石が過熱するにつれてそれらの磁気特性を失い、その結果効率が低下することである。誘導モータの場合、銅巻線の温度が上昇すると誘導モータの効率が低下する。銅の電気抵抗率は10℃の温度上昇ごとに4%上昇するのである。したがって、モータの内部構成要素(例えばロータ)およびモータの外部構成要素(例えばケース、ステータ)を冷却することが重要である。電気モータは広範囲の周囲温度、湿度レベル、および/または塵埃レベルにさらされる可能性があるため、電気モータ冷却システムの構造は幅広い周囲動作環境で効率的に動作しなければならない。
【0004】
車両内の様々な構成要素の冷却を行う熱システムの従来技術による解決策は通常、ホースを介して車両内の1つまたは複数の他の構成要素へ流される何らかの所望の材料の冷却剤を貯蔵する冷却剤リザーバを含む。例えば、冷却剤リザーバは典型的には一箇所に配置され、ホースを介して別々に配置された1つまたは複数の他の構成要素と相互接続される。そのような従来技術の実施には、かなりの数の接続部、ホース、固定具などを要し、また熱システム全体に多数の故障の可能性がある点が存在する。
【0005】
さらに、そのような従来技術の実施においては、このような従来技術の熱システムを含む車両の組み立てに非常に時間がかかり、労働集約的であり得る。例えば、従来技術の冷却剤リザーバアセンブリは、典型的には、車両への複数の個別構成要素の取り付け、異なる構成要素用の複数の電気コネクタの相互接続、ならびに、それぞれ異なる場所にあるこれらの様々な構成要素に冷却剤の流れを送るための複数のホースおよびホースクランプの接続を必要とする。これらの部品の多面的な構成と組み立ては時間がかかり、ホース、クランプ、電気接続部などに複数の潜在的な故障点が生じてしまう。さらに、典型的な冷却剤ボトル収容部を溶接する必要性は、構造の入口および出口チャネルに沿った複数の溶接点をしばしば必要とし、その結果、溶接プロセスからの溶接線および残留物が入口および出口の流路に入り、チャネルの滑らかさおよび流動性が損なわれ、チャネルを通る液体流の効率を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】バッテリ式電気自動車の基本構成要素の例を示す図である。
【0007】
図2】開示される実施形態に従って構成され動作する駆動モータ冷却システムおよびバッテリ加熱システムの構成要素の例を示す図である。
【0008】
図3図3Aは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの例を示す図である。
【0009】
図3Bは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0010】
図3Cは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0011】
図3Dは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0012】
図4図4Aは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0013】
図4Bは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0014】
図4Cは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0015】
図4Dは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0016】
図5】本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の例を示す図である。
【0017】
図6】本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の他の例を示す図である。
【0018】
図7】本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の他の例を示す図である。
【0019】
図8】本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の別の例を示す図である。
【0020】
図9】本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例を示す図である。
【0021】
図10図9のリザーバの例の他の視点からの斜視図である。
【0022】
図11図11Aは、図9および図10のリザーバの例の図の側面図である。
【0023】
図11Bは、図9および図10のリザーバの例の別の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、バッテリ式電気自動車(電気自動車)の基本構成要素の例100を示す。電気自動車は、少なくとも1つの駆動モータ(トラクションモータ)102Aおよび/または102Bと、対応する駆動モータ102Aおよび/または102Bに結合された少なくとも1つのギアボックス104Aおよび/または104Bと、バッテリ106と、電子機器108とを含む。一般に、バッテリ106は、電気自動車のパワーエレクトロニクス機器に電力を供給し、駆動モータ102Aおよび/または102Bを使用して電気自動車を推進する。電気自動車は、本明細書に記載されていないが当業者に知られている多数の他の構成要素を含む。図1の電気自動車の構造は4つの車輪を有するように示されているが、異なる電気自動車は4つより少ないかまたは4つより多くの車輪を有することができる。さらに、他の種類の車両の中でも、オートバイ、航空機、トラック、ボート、機関車を含む、異なる種類の電気車両に本明細書に記載の発明概念が組み込まれてもよい。
【0025】
電気自動車に関する様々な動作上の問題が、様々な実施形態と共に本明細書で説明される。これらの動作上の問題の1つは、駆動モータ102Aまたは102Bの冷却に関するものである。また別の動作上の問題は、バッテリ106の動作温度の制御に関する。さらに他の動作上の問題は、駆動モータ102Aまたは102Bを放電から保護することに関する。本明細書における以下の説明は、この図1の構成要素にも関連する。本明細書で説明されるその他の図において識別される構成要素を指すために、共通の番号が使用され得る。
【0026】
図2は、開示する実施形態に従って構成され動作する駆動モータ冷却システムおよびバッテリ加熱システムの構成要素の例200を示す。駆動モータ冷却システムは、駆動モータ流体ポンプ204と、冷却剤リザーバ(容器、reservoir)206と、電子機器208とを有する駆動モータ流体ポンプシステム202を含む。図示されている実施形態では、流体はオイルである。駆動モータ流体ポンプ204は、駆動モータ102Aおよび/または102Bと、流体リザーバ206と、熱交換器210との間で流体を送る。一実施形態では、熱交換器は、オイルベースの駆動モータ流体から、水またはアルコールベースの冷却剤と熱交換し、冷却のために水またはアルコールベースの冷却剤をラジエータ212に送る。一般に、冷却剤用の任意の所望の液体媒体を任意の所望の実施形態で使用することができる。熱交換器は、水またはアルコールベースの冷却剤を循環させるための別のポンプを含み得る。図示される実施形態では、熱交換器210は、バッテリ106の構成要素に隣接するか、またはそれを通って延伸する冷却剤管214に結合する。他の実施形態では、駆動モータ流体ポンプ204は、バッテリ106の冷却剤管214および/またはラジエータ212に直接結合することができる。駆動モータ流体ポンプ204は、デジタルコンピュータおよび他の関連構成要素を含み得る電子機器208によって制御される。駆動モータ流体ポンプ204は、駆動モータ102Aおよび/または102B、リザーバ206、および熱交換器210(および他の実施形態ではバッテリ106の冷却剤管214)の間の流体の流れを制御するための制御弁を含み得る。いくつかの実施形態では、熱交換器210はまた、電子機器208の制御下で、冷却剤の流れをバッテリ106の冷却剤管214およびラジエータ212に向けるための弁を含むことができる。
【0027】
熱システムで使用するためのリザーバの様々な例が本明細書に示される。リザーバのこれらの様々な例のいずれも、様々な用途内で使用することができる。いくつかの用途は、図1に関して説明したようなバッテリ式電気自動車(電気自動車)の任意の望ましい例に合わせたものを含み、図2に関して説明したような駆動モータ冷却システムおよび/またはバッテリ加熱システムの望ましい例に合わせて調整できる。このようなリザーバの例は、一体型冷却剤ボトルアセンブリの一部であるとみなすことができる。例えば、そのようなリザーバは、1つまたは複数の構成要素がリザーバに結合、取付、および/または接続されることが可能である一体型冷却剤ボトルアセンブリの一部であるボトルや冷却剤ボトル等とみなすことができる。加えて、1つまたは複数の一体型チャネルが1つまたは複数のリザーバ部分内に含まれるようにリザーバ自体を製造し、1つまたは複数の構成要素、1つまたは複数のホースインターフェース等の間に1つまたは複数の経路を可能にすることができる。
【0028】
図3Aは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの例301を示す図である。一般に、このようなリザーバ206−1は、入口/出口ポート310−1を含み、これを介して何らかの液体媒体(例えば、冷却液、不凍剤、水、アルコール系剤、加熱剤などの任意の所望の種類の流体および/または任意のこのような液体媒体の任意の所望の組み合わせ)が、リザーバ206−1に追加および/またはそこから除去されることができる。そのような入口/出口ポート310−1は、キャップまたは何らかの固定機構を含むことができ、これによって液体媒体がリザーバ206−1から漏れるのを防ぎ、他の要素がリザーバ206−1に入らないようにする。リザーバ206−1は、1つまたは複数の構成要素(例えば、構成要素320−1および320−2として示される)が、熱システムに従って動作するように設計されている。構成要素の例には、熱システムの一部であるもの、および/または熱システムが配置されているシステムの一部であるものが含まれる。例えば、車両(例えば、バッテリ式電気自動車(電気自動車))内に実装される熱システムの例を考えると、そのような構成要素の例は、ポンプ(例えば、バッテリポンプ、パワートレインポンプ等)、チラー、ヒータ、フィルタ、エアレータ、バルブ、コネクタ、ファン、ラジエータ等のうちの任意の1つまたは複数、および/またはこのような熱システムに関連して当該分野で公知の他の任意の構成要素を含み得る。
【0029】
この例301では、リザーバ206−1は、1つまたは複数の構成要素320−1および320−2をリザーバ206−1に結合、取付および/または接続することができる1つまたは複数のインターフェースを含む。さらに、リザーバ206−1は、1つまたは複数のホースをリザーバ206−1に結合、取付および/または接続することができる1つまたは複数のホースインターフェース340−1を任意選択で含むことができる。リザーバ206−1は、1つまたは複数の構成要素の一体化、ならびに1つまたは複数の他の構成要素のホースをインターフェースとする接続を可能にする。また、リザーバ206−1は、一体型チャネル330−1を含み、これを介して液体媒体が構成要素320−1と320−2との間で輸送される。一体型チャネル330−1は、その製造、成形、生成等の際に、リザーバ206−1の少なくとも一部分内に形成される。すなわち、一体型チャネル330−1が、リザーバ206−1の製造中に、その中、および構成要素320−1と320−2が接続され得るインターフェース間に形成される。次いで、構成要素320−1および320−2の一方または両方がリザーバ206−1と接続されると、一体型チャネル330−1は構成要素320−1と320−2との間の相互接続を提供する。
【0030】
いくつかの例では、このような一体型チャネルは、円筒形チャネルの軸に沿って引かれる中空のスライドを使用して形成され得る。そのような技術は、リザーバの所与の部分内にいくつかの配向で複数の一体型チャネル(例えば、フローチャネル)を形成するために使用され得る。さらに、そのような構造は一体型T字管を形成するために使用されてもよく、他の構造の場合では外部ホースおよび付属品を必要とするであろう。
【0031】
リザーバの本体内の一体型チャネルを使用することによって、リザーバ自体が、冷却剤ボトルと統合される様々な構成要素(例えば、チラー、バッテリポンプ、パワートレインポンプ等)に液体媒体の流れを直接向けるように動作する様々な一体型チャネルを含む。これにより、これらの構成要素を別々に車両に取り付けたり、これらの構成要素をホースおよびクランプを介してリザーバに取り付けたりする必要がなくなる。代わりに、一体型の冷却剤ボトルアセンブリを生成するように単一のリザーバ設計構造を形成することができ、そのような一体型冷却剤ボトルアセンブリを比較的容易に(例えばいくつかの例では2本程度のボルトを使用して)車両にボルト止めして取り付けることができる。また、それぞれ個別の電気コネクタを介してそれぞれの電気部品を接続する場合には時間のかかる接続を必要とするのとは対照的に、いくつかの実施態様では、関連する各電気部品に対応する導線を中に含む単一の電気コネクタを使用して、このような一体型冷却剤ボトルアセンブリを車両の電気システムに接続することができる。さらに、他の実施態様では、流体媒体の測定値を得ることが望まれる場所で、温度センサも特定の一体型チャネル(例えばフローチャネル)に統合される。冷却剤ボトルのポートに温度センサを直接統合することにより、追加の外部部品、シールおよびクランプが不要になる。
【0032】
図3Bは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例302を示す図である。リザーバ206−2は、入口/出口ポート310−2を含む。また、リザーバ206−2は、それに取り付けられた構成要素320−3、320−3、320−5、および320−6と一体になっている。さらに、リザーバ206−2は、ポンプ312およびチラー314と一体になっている。リザーバの異なる実施形態は、異なるサイズ、形状、形態等のものとすることができ、熱システムの特定の実装形態および設計内で望まれる、および/または必要とされる、それぞれ異なる数およびタイプの構成要素を含むことができる。加えて、リザーバ206−2は任意選択でホースインターフェース340−2および340−3を含む。必要に応じて、リザーバ206−2の一部内に任意の数の一体型チャネルが含まれることができる。例えば、一体型チャネル330−2は、チラー314と構成要素320−5との間の液体媒体のための経路を提供する。図中のリザーバ206−2に関連する様々な要素間にそれぞれの経路を提供するものとして、他の一体型チャネルも示される。また、ポンプ314、チラー314、および構成要素320−3〜320−5のいずれかが、リザーバ206−2にインターフェースにより接合、接続、結合等する方法は、多様であり得ることに留意されたい。例えば、構成要素320−3は、リザーバ206−2の下端部でリザーバ206−2と関連付けられ、かつリザーバ206−2と接続するように示されている。ポンプ312およびチラー314は、リザーバ206−2の上部の対応する部分でリザーバ206−2に関連付けられ、かつリザーバ206−2に接続するように示されている。構成要素320−6は、リザーバ206−2と実質的に中央で関連付けられ、複数のそれぞれの他の構成要素(例えば、構成要素320−4および320−5およびポンプ312、そして任意選択でホースインターフェース340−3)への一体型経路を提供されているように示されている。
【0033】
図3Cは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例303を示す図である。リザーバ206−3は、入口/出口ポート310−3と、少なくとも2つの構成要素330−7および330−8とを含む。この例303では、リザーバ206−3は、リザーバ206−3に接続されたときに構成要素330−8が嵌合する凹部を含むことに留意されたい。一般に、本明細書の原理に従って設計されたリザーバは、1つまたは複数の構成要素がリザーバと接合することを可能にする任意の数の凹部、オリフィス、面、ポート等を含み得る。
【0034】
この例303では、リザーバ206−3自体が、構成要素330−7と330−8との間の液体媒体のための経路を提供する一体型チャネル330−3を含む。一般に、リザーバの特定の設計は、リザーバ206−3への任意の所望の種類の構成要素の結合や接続などを可能にするように適切に設計および調整された任意の1つまたは複数の種類のインターフェースを含み得る。本明細書の他の例と同様に、任意の1つまたは複数のホースインターフェースもまた、所与の設計のリザーバ内に含まれ得ることに留意されたい。設計者は、リザーバ設計に統合する構成要素の数、およびホースインターフェースを介してリザーバと相互作用する構成要素の数を柔軟に決定することができる。
【0035】
図3Dは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例304を示す図である。リザーバ206−4は、リザーバ206−4の第1セクション(区分)と、リザーバ206−4の第2セクションとを含み、これらはリザーバインターフェース304を介して互いに接合されてリザーバ206−4を形成する。例えば、リザーバインターフェース304における接続、結合、接合などは、任意の所望の手段(例えば、溶接界面、接着界面、熱間成形界面、熱板溶接界面、熱溶接界面、音波溶接界面、超音波溶接界面など、および/またはリザーバの2つのセクションを互いに接合することができる他の任意の手段)を用いて達成することができる。リザーバを構成するために使用される材料を含む様々な検討事項に基づいて、リザーバの各セクションを接合する異なる手段が使用されてもよいことに留意されたい。リザーバを構成するために使用される特定の材料に関係なく、またリザーバの各セクションが互いに接合される方法に関係なく、このようなリザーバは、任意の所望の数のセクション(例えば、2、3、4、または1より大きい任意の正の整数)を含むように設計され得る。一般に、本明細書で考案したリザーバは、リザーバの複数のセクション(例えば2つの半分)を含むことができ、一体型チャネル(例えばフローチャネル)と共に製造され、これはリザーバのそれぞれのセクションの金型のコアとキャビティとの交差部によって形成される。
【0036】
特定の視点からは、この図のリザーバは、第1部分と第2セクションとを含むとみなすことができる。第2セクションは、リザーバインターフェースで第1セクションに接合され、それによって液体媒体の貯蔵または流動の少なくとも一方を容易にするように構成されたリザーバを形成する。また、いくつかの例では、第1セクションまたは第2セクションは、液体媒体の流れのための経路を提供する一体型チャネルを含む。
【0037】
いくつかの例では、構成要素インターフェースもまた、そこに構成要素が接続されることを容易にするように構成され、一体型チャネルは、構成要素インターフェースへの、または構成要素インターフェースからの液体媒体の流れのための経路を提供する。 また、構成要素は、ポンプ、バッテリポンプ、パワートレインポンプ、チラー、ヒータ、フィルタ、エアレータ、バルブ、コネクタ、ファン、ラジエータ等、および/またはそのような熱システムに関連するものとして当技術分野で知られている他の任意の構成要素のいずれか1つを含む、任意の数の異なる種類の構成要素を含み得ることに留意されたい。
【0038】
さらに、いくつかの例では、リザーバは、第1の構成要素の接続を容易にするように構成された第1構成要素インターフェースと、第2の構成要素の接続を容易にするように構成された第2構成要素インターフェースとを含む。ある状況では、一体型チャネルは、第1構成要素インターフェースから第2構成要素インターフェースへの液体媒体の流れのための経路を提供する。
【0039】
また、他の例では、リザーバは、リザーバから離れて配置されておりホースによってリザーバに結合されている別の構成要素に液体媒体を輸送するか、またはそこから液体媒体を受け取るホースの接続を容易にするように構成されるホースインターフェースを含む。さらに他の例では、リザーバは、構成要素の接続を容易にするように構成された凹部を含む。いくつかの実施態様では、一体型チャネルは、凹部へのまたは凹部からの液体媒体の流れのための経路を提供する。
【0040】
この図および/または他の図、実施例、実施形態などに関して本明細書で説明したようなリザーバ、および/またはそれらの同等物は、バッテリ式電気自動車の駆動モータ冷却システムおよび/またはバッテリ加熱システムを含む様々な用途で実施することができる。
【0041】
図4Aは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例401を示す図である。リザーバ206−5は、リザーバ206−5の第1セクションと、リザーバ206−6の第2セクションとを含み、これらは第1リザーバインターフェース304−1で互いに接合されて、リザーバ206−5の一部を成す。リザーバ206−5は、第2リザーバインターフェース304−2でリザーバ206−6の第2セクションに接合されてリザーバ206−5の別の部分を形成するリザーバ206−5の別のセクションを含む。一般に、リザーバの任意の数(例えば2つまたはそれ以上)の異なるセクションを、任意の所望の数のリザーバインターフェース(例えば第1リザーバインターフェース304−1、第2リザーバインターフェース304−2、n番目のリザーバインターフェース304−3等)で互いに接合することができる。
【0042】
図4Bは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例402を示す図である。リザーバ206−6は、様々なリザーバインターフェース304−4および304−5で接合されたリザーバ206−6の複数のセクションを含む(例えばリザーバ206−6の第1セクションを含む)。この図は、リザーバ206−6の4つの実質的に同じ大きさのセクションの例を示す。
【0043】
図4Cは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例403を示す図である。リザーバ206−7は、様々なリザーバインターフェースで接合された(例えばリザーバインターフェース304−6を含む)リザーバ206−7の複数のセクションを含む(例えばリザーバ206−7の第1セクションを含む)。この図は、リザーバ206−7の3つのセクションの例を示し、これらの部分はそれぞれ大きさが異なる。
【0044】
図4Dは、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例404を示す図である。リザーバ206−8は、互いに接合される2つのそれぞれのセクションを含み、2つのセクションの間にリザーバインターフェース304−7でチャネルを形成する。一体型チャネル330−3は、リザーバ206−8の2つのそれぞれのセクションの間のインターフェースに形成され、液体媒体が構成要素330−9と330−10との間を輸送されるための経路を提供する。
【0045】
一体型チャネル330−3の第1部分は、リザーバ206−8の第1のまたは上部のセクション内にあり、一体型チャネル330−3の第2部分は、リザーバ206−8の第2のまたは底部のセクション内にある。リザーバ206−8のセクションは、それらが接合されたときにリザーバインターフェース304−7に一体型チャネル330−3が形成されるように製造され、そこで一体型チャネル330−3の第1部分が、一体型チャネル330−3第2部分とリザーバインターフェース304−7で相補的に位置合わせされる。リザーバ206−8の2つのそれぞれのセクションを使用して、一体型チャネル330−3の任意の所望の割合(例えば、各セクションで1/2、1つのセクションで1/4で他のセクションで3/4、1つのセクションでX%で他のセクションで(1−X)%、Xは0〜100の間の任意の所望の数)で製造することができることに留意されたい。他の例では、1つまたは複数の一体型チャネルをリザーバインターフェースに形成することができ、1つまたは複数の他の一体型チャネルがリザーバの1つまたは複数のセクション内に含められることができることに留意されたい。例えば、リザーバの製造時、リザーバ構造体のそれぞれの部分内に凹部を形成し、滑らかな円筒形または管状のフローチャネルを形成し、チャネル自体に沿って溶接点を配置することなく一体型チャネル(例えば流路)を形成することができる。
【0046】
図5は、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の例500を示す図である。この図は、複数のホースインターフェース(例えばホースインターフェース340−4、340−5、340−6、および340−7)および複数の一体型チャネル(例えば一体型チャネル330−4、330−5、および330−6)を含むリザーバ206−9の第1セクションを示す。また、リザーバ206−9のこの第1セクションは、マルチパスバルブがリザーバ206−9のこの第1セクションと連結され得るマルチパスバルブ取付インターフェース510を含む。いくつかの例では、このようなマルチパスバルブは、リザーバ206−9の第1セクション内で接合される滑らかで妨げのない一体型マルチパスバルブを提供するマルチパスバルブ取付インターフェース510内に含まれる。いくつかの例では、このようなマルチパスバルブのバルブステムは独特の形状をしており、その配向は所望の流れ構成、または混合モードを含む流れ構成の組み合わせを達成するように操作することができる。このようなマルチパスバルブのバルブステムを使用することにより、冷却剤ループを並列に組み合わせること、または直列モードで動作させること、ならびに必要でないときには特定の熱部品をバイパスすることが可能になる。
【0047】
様々なリザーバは、異なる形状や形態等を有することができ、異なる種類の構成要素をリザーバに取り付けることを可能にするために異なる種類の取付インターフェースを含むことができることに留意されたい。
【0048】
図6は、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の他の例600を示す図である。この図は、少なくとも1つのホースインターフェース(例えばホースインターフェース340−8)と、少なくとも1つの一体型チャネル(例えば一体型チャネル330−7)と少なくとも1つの構成要素取付インターフェース(例えば構成要素取付インターフェース610)とを含むリザーバ206−10の第1セクションを示す。加えて、この図は、リザーバ206−10の第1セクションをリザーバ206−10の少なくとも1つの他のセクションと結合することができるリザーバインターフェース304−8を示す。いくつかの例では、リザーバ206−9の第1セクションを示す例600は、図5の例500におけるリザーバ206−9の第1セクションの別の斜視図に対応することに留意されたい。
【0049】
図7は、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の他の例700を示す図である。この図は、少なくとも1つのホースインターフェース(例えばホースインターフェース340−9)を含むリザーバ206−11の第1セクションを示す。また、この図は、セクションの周縁部および内面、端部、表面などを含む複数のリザーバインターフェース304−9を示す。例えば、リザーバ206−11の第1セクションは、セクションの周縁部に沿ってだけでなく、1つまたは複数のその他の内面、端部、表面などでリザーバ206−11の別のセクションに結合されてもよいことに留意されたい。このような内面、端部、表面などは、リザーバ206−11のそれぞれの部分が結合された際、他の内面、端部、表面など、またはリザーバ206−11の別のセクションと実質的に、またはほぼ位置合わせされるように設計され得ることに留意されたい。いくつかの例では、リザーバ206−11の第1セクションを示す例700は、図5の例500におけるリザーバ206−9の第1セクションおよび/または図6の例600におけるリザーバ206−10の第1セクションの別の斜視図に対応することに留意されたい。いくつかの例では、ホースインターフェース340−9は、図5に示されるホースインターフェース340−4の他の斜視図に対応することに留意されたい。
【0050】
図8は、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの一部分の他の例800を示す図である。この図は、少なくとも1つの構成要素がリザーバ206−12とインターフェースにより接合、接続、結合等することを可能にする少なくとも1つの構成要素取付インターフェースを含むリザーバ206−12の第1セクションを示す。例えば、リザーバ206−12の第1セクションは、構成要素320−11をその上に取り付けることを可能にする構成要素取付インターフェース610−1を含む。
【0051】
また、本明細書に記載されている様々な構成要素のいずれも、リザーバ(およびそれに付随する構成要素)が、自動車(例えば、バッテリ式電気自動車(電気自動車)、従来型ガソリン自動車、ディーゼル自動車、天然ガス自動車、太陽電池自動車、および/または他の種類の自動車)に含まれるような熱システム内に設置される前に、リザーバの特定部分に接合、接続、結合等されることができる。
【0052】
さらに、本明細書に記載の原理に従ってこのような一体型冷却剤ボトルアセンブリに従って設計されたリザーバは、任意の所望の熱システム内に含まれることができることに留意されたい。いくつかの実施例は車両を含み、バッテリ式電気自動車(電気自動車)を含み得る。しかしながら、他の実施例は、モータ駆動のシステムを含み得る発電機(例えば、定置式/位置固定式発電機、移動式発電機など)を含む。さらに他の実施例は、ポンプ、スクラバ、ミキサ、送風機、バキューム装置などのような、物的設備(例えば、発電所、石油精製所など)内に含まれ得る任意の種類の構成要素および/またはこのような用途および/または設備内で実装される任意の他の構成要素を含む。一般に、1つまたは複数のリザーバを含む任意の熱システムは、本明細書に記載の原理に基づいて、また本発明の様々な態様、実施形態、および/または例に従って、一体型冷却剤ボトルアセンブリに適合させることができる。
【0053】
以下のいくつかの図は、本発明の様々な態様、実施形態、および/または例によるリザーバの代替構成の異なる図、視点などに基づいているため、相互に連携して見ることができることに留意されたい。例えば、様々な構成要素等を用いて実施される場合に、リザーバの別の構成は、リザーバの異なるそれぞれのセクション(例えば、リザーバの少なくとも第1および第2のセクション)、チラー、マルチポンプ、マルチパスバルブ(例えば、5方向弁)、マルチパスバルブと協働するように構成されたアクチュエータ等を含む。
【0054】
図9は、本発明による熱システム内で使用するためのリザーバの他の例900を示す図である。この図はリザーバの別の例900であり、互いに関連して実施されるときにリザーバを形成する、リザーバの第1セクション206−13と、リザーバの第2セクション206−14とを含む。リザーバの第1セクション206−13とリザーバの第2セクション206−14とが接合されるリザーバインターフェースでの接続、結合、接合などは、任意の所望の手段(例えば、溶接界面、接着界面、熱間成形界面、熱板溶接界面、熱溶接界面、音波溶接界面、超音波溶接界面など、および/またはリザーバの2つのセクションを互いに接合することができる他の任意の手段)を使用して達成され得ることに留意されたい。
【0055】
リザーバは、リザーバおよびリザーバがその一部である熱システムと協働して動作するように様々な構成要素を実装することができるいくつかのインターフェースを含む。例えば、構成要素320−12(例えばポンプ)は、構成要素取付インターフェース610−2に基づいて、リザーバの第2セクション206−14に取付、接続、および/または結合されるように構成される。構成要素320−13(例えば他のポンプ)は、構成要素取付インターフェース610−3に基づいて、リザーバの第2セクション206−14に取付、接続、および/または結合されるように構成される。動作および実施の一例では、構成要素320−12(例えばポンプ)および構成要素320−13(例えば別のポンプ)は、(例えば冷却剤システム全体内の冷却剤システムの電子機器からの制御信号に基づいて)それぞれ異なる速度で冷却剤の流れを促進するように動作する。
【0056】
いくつかの他の例として、構成要素320−14(例えば、内部に取り付けられているマルチパスバルブ)は、構成要素取付インターフェース610−4に基づいて、リザーバの第2セクション206−14に取付、接続、および/または結合されるように構成される。構成要素320−14(例えばマルチパスバルブ)は、リザーバの内部に取り付けられ、少なくとも部分的には、別の構成要素320−15(例えばアクチュエータ)が取り付けられる構成要素取付インターフェースとしても機能することに留意されたい。例えば、構成要素320−12(例えばマルチパスバルブ)は、リザーバの第2セクション206−14の開口部やオリフィス等の内部に取り付けられ、構成要素320−15(例えばアクチュエータ)は、構成要素取付インターフェース610−4に基づくだけでなく、動作中に構成要素320−12(例えばマルチパスバルブ)に取り付けられ相互作用する。動作および実施の一例では、構成要素320−15(例えばアクチュエータ)は、構成要素320−12(例えばマルチパスバルブ)をそれぞれ異なる構成に配置して(たとえば冷却剤システムの電子機器からの制御信号に基づいて)、冷却剤システム全体内で冷却剤の流れを配向するように動作する。
【0057】
この特定の構成は、1つまたは複数の構成要素がどのように協働して、リザーバと関連する構成要素取付インターフェースとして機能することができるかを示す。また、構成要素320−15(例えばチラー)は、構成要素取付インターフェース610−5に基づいて、リザーバの第1セクション206−13に取付、接続、および/または結合されるように構成される。さらに、リザーバの第2セクション206−14は、複数のホースインターフェース(例えばホースインターフェース340−10)を含む。ホースインターフェース340−10は、本明細書に記載の他のホースインターフェース(例えばホースインターフェース340−8および340−9)とは異なる種類および形態であることに留意されたい。例えば、ある観点からは、ホースインターフェース340−9とホースインターフェース340−10は比較してどちらも遜色ないが、他の観点からは、ホースインターフェース340−9とホースインターフェース340−10はいずれかが劣ってしまう。例えば、ホースインターフェース340−9およびホースインターフェース340−10は、ホースをリザーバと協働して動作させるためにリザーバの一部に接続および/または結合することができるインターフェースを提供する。しかし、ホースインターフェース340−10は、ホースやクランプなどを必要とせずにホースを接合させることを可能にするように実装された一体型要素(例えば、突起、不均一部分など)を含んでいた。いくつかの例では、そのようなホース対ホースインターフェースの結合や接続などは、クイックコネクト(例えば、1つまたは複数のOリング、スナップリング、および/またはホース対ホースインターフェースの結合や接続などを容易にするため当該技術分野において他の既知の要素を含むクイックコネクトなど)を使用して実施される。
【0058】
一般に、様々な構成要素取付インターフェースは、様々な種類、形状、形態などであり得ることにも留意されたい。ここに示されるように、異なる種類のホースインターフェースがリザーバの1つまたは複数の部分内に含まれてもよい。また、所与の構成要素の形状、特性、機能、目的、および/または特徴に基づいて、リザーバの1つまたは複数の部分内に異なる種類の構成要素取付インターフェースを含めることができる。この図から分かるように、リザーバの様々な部分への異なる種類の構成要素の取付を容易にするために、異なる種類の構成要素取付インターフェースが含まれる。
【0059】
図10は、図9のリザーバの例の他の斜視図1000を示す図である。この別の斜視図1000は、互いに関連してリザーバを形成するよう実施されたリザーバの第1セクション206−13と、リザーバの第2セクション206−14とを示す組立図を示す。特定の構成要素は、リザーバの様々な部分に実装、取付、接続、および/または結合されているように見える。例えば、構成要素320−15(例えばチラー)は、リザーバの第1セクション206−13上に実装、接続、および/または結合されているように示されている。構成要素320−12(例えばポンプ)および構成要素320−13(例えば他のポンプ)は、リザーバの第2セクション206−14に実装、取付、接続、および/または結合されているように示されている。さらに、図に見られるように、複数のホースインターフェース(例えばホースインターフェース340−10)もまた、リザーバのこの組立図に示されている。
【0060】
図11Aは、図9および図10のリザーバの例の斜視図の側面図1101である。この側面図1101は、リザーバの第1セクション206−13と、リザーバの第2セクション206−14とを示す組立図である。この側面図1101はまた、リザーバの第1セクション206−13上に実装、取付、接続、および/または結合されている構成要素320−15(例えばチラー)と、リザーバの第2セクション206−14に実装、取付、接続、および/または結合されている構成要素320−12(例えばポンプ)を示している。
【0061】
図11Bは、図9および図10のリザーバの例の斜視図の別の側面図1102である。この側面図1102はまた、異なる視点から見た、リザーバの第1セクション206−13と、リザーバの第2セクション206−14とを示す組立図も示す。この側面図1102はまた、リザーバの第2セクション206−14に実装、接続、および/または結合される構成要素320−12(例えば他のポンプ)を示す。
【0062】
一般に、そのようなリザーバは、様々な構成に基づく本発明の様々な態様、実施形態、および/または例に従って実施することができることに留意されたい。例えば、より多くのまたはより少ない構成要素、より多くのまたはより少ないインターフェース(例えば、構成要素、ホース、および/または他の要素のインターフェース)、より多くのまたはより少ないセクション/部分、より多くのまたはより少ない一体型チャネル、より多くのまたはより少ない入口/出口ポート等が、このようなリザーバの異なる実施形態に含まれてもよい。いくつかの異なる例を考慮すると、1つの種類/設計のリザーバは、1つの種類の用途(例えば、自動車のエンジン)での使用のために特別に設計および適合されることができ、別の種類/設計のリザーバは、別の種類の用途(例えば、セミトラックのエンジン)で使用するために特別に設計および適合させることができ、さらに別の種類/設計のリザーバは、別の種類の用途(例えば、物的設備内のモータ)で使用するために特別に設計および適合させること等ができる。
【0063】
前述の明細書において、本開示は特定の実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、当業者には理解されるように、本明細書に開示された様々な実施形態は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正または他の方法で実施できる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示されたシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の様々な実施形態を作成および使用する方法を当業者に教示することを目的としている。本明細書に示し説明した開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセスまたはステップを、本明細書において代表的に例示および記載されたものに代えてもよい。さらに、本開示のこの説明の利益を得た後に当業者には明らかになるように、本開示のいくつかの特徴を他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。
【0064】
本明細書では、本発明の1つまたは複数の態様、1つまたは複数の特徴、1つまたは複数の概念、および/または1つまたは複数の例を示すために、1つまたは複数の実施形態を使用している。装置、製品、機械、および/またはプロセスの物理的実施形態は、本明細書で論じる1つまたは複数の実施形態を参照して説明した1つまたは複数の態様、特徴、概念、例などを含み得る。さらに、各図において、実施形態は、同じまたは類似の名前の機能、ステップ、モジュールなどを含むことができ、これらは同じまたは異なる参照番号を使用することができる。したがって、その機能、ステップ、モジュールなどは、同一または類似の機能、ステップ、モジュールなど、あるいは異なるものであり得る。
【0065】
本明細書でも使用され得るように、用語「電子機器」、「処理モジュール」、「処理回路」、「プロセッサ」、および/または「処理ユニット」またはそれらと同等物は、単一の処理装置または複数の処理装置であり得る。このような処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理装置、ステートマシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、および/または回路のハードコーディングおよび/または操作命令に基づいて信号(アナログおよび/またはデジタル)を操作する任意の装置であり得る。処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットは、メモリおよび/または集積メモリ素子であり得る、またはこれらをさらに含むことができ、これは、単一のメモリ装置、複数のメモリ装置、および/または他の処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットの内蔵回路であり得る。このようなメモリデバイスは、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/またはデジタル情報を記憶する任意のデバイスであり得る。処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットが2つ以上の処理装置を含む場合、処理装置は中央に配置されるか(例えば、有線および/または無線バス構造を介して直接接続されてもよい)、または分散的に配置されてもよい(例えば、ローカルエリアネットワークおよび/またはワイドエリアネットワークを介した間接接続を介したクラウドコンピューティング)。
【0066】
本明細書で使用されるにあたって、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、またはそれらの文脈上の変形は、非排他的包含を意味することを意図している。例えば、一連の要素を含むプロセス、製品、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるのではなく、明示的に列挙されていない、またはこのようなプロセス、製品、物品、または装置に固有の他の要素を含み得る。さらに、そうでないと明示的に述べられていない限り、「または」は包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指すのではない。例えば、条件「AまたはB」は、以下のいずれかによって満たされる。Aは真(または存在)でBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)でBは真(または存在)、そしてAとBの両方は真(または存在)である。
【0067】
ステップ、動作、または計算は特定の順序で提示されてもよいが、この順序は別の実施形態では変更されてもよい。
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