【文献】
Sonegawa, Motoharu et al,Regioselective alkylation of 2-alkyl-5,6,7,8-tetrahydro-3H-cycloheptimidazol-4-ones and 2-alkyl-3H-cycloheptimidazol-4-ones,Chemical & Pharmaceutical Bulletin ,2006年,54(5),,706-710
【文献】
Mityanov, Vitaly S. et al,Regioselective synthesis of 2-unsubstituted 1-aryl-4- and 1-aryl-5-acylimidazoles,Tetrahedron,2014年,70(22),,3545-3552
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態では、式Iの化合物またはその塩が提供される。
【化1】
【0011】
(式中、
R
1およびR
2は、−H、−CO
2Et、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)N(CH
3)
2、−C
1-3アルキル、および−CH
2OHからなる群から独立して選択されるか;または
R
1およびR
2は、それらが結合している炭素と共に、C
3-4シクロアルキル、テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロピランからなる群から選択されるスピロ環を形成してもよく;
R
3およびR
4は、どちらもHであるか、または、R
1およびR
2がどちらもHである場合に、R
3およびR
4は、Hおよび−CH
3からなる群から独立して選択され;
R
5は、
−CN、−OHで置換されていてもよい−C
1-3アルキル、−C
3-6シクロアルキル、−Cl、−F、−OC
1-3アルキル、−C(O)N(Me)(−CH
2CH
2OH)、−C(O)NH(−CH
2CH
2SO
2CH
3)、−C(O)C
1-3アルキル、−N(Me)
2、−NHC(O)C
1-3アルキル、−C(O)OC
1-3アルキル、
−SO
2C
1-3アルキル、−CF
3、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル、および[1,2,4]トリアゾリルからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいフェニル;
C
3-6シクロアルキル、二環(bicycle)[2.2.1]ヘプチル、デカヒドロナフタレニル、インダニル、スピロ[3.3]ヘプト−1−イル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロへプテニル、および1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルからなる群から選択されるアリールまたは炭素環であって、−CN、−Br、−OC
1-3アルキル、およびフェニルで置換されていてもよいアリールまたは炭素環;
ベンゾ[1,3]ジオキソリル、3H−ベンゾオキサゾリル、−クロマニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、4H−ベンゾ[1,4]オキサジニル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、1,3−ジヒドロイソベンゾフラニル、1,4−ジヒドロ−2H−イソキノリニル、3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジニル、3,4−ジヒドロキノリニル、2−オキサ−スピロ[3,3ヘプチル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択されるヘテロシクリルであって、−C(O)CH
3、−C
1-3アルキル、−オキソ、および−C(O)NH
2からなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいヘテロシクリル;ならびに
1H−インダゾリルおよびピリジル、[1,2,3]−チアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールであって、−C
1-3アルキル、−Cl、および−CNからなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいヘテロアリール
からなる群から選択され、
nは、0または1である)
【0012】
別の実施形態では、上記の実施形態による記載されるような式Iの化合物またはその塩が提供され、式中、
R
1およびR
2は、−H、−CO
2Et、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−CH
3、および−CH
2OHからなる群から独立して選択されるか;または
R
1およびR
2は、それらが結合している炭素と共に、C
3-4シクロアルキル、テトラヒドロフラン、およびテトラヒドロピランからなる群から選択されるスピロ環を形成してもよく;
R
3およびR
4は、どちらも−Hであるか、または、R
1およびR
2がどちらも−Hである場合に、R
3およびR
4は、−Hおよび−CH
3からなる群から独立して選択され;
【0013】
R
5は、
−CN、−C
1-3アルキル、シクロプロピル、−Cl、−F、−OCH
3、−NHC(O)CH
3、−C(O)OC
1-2アルキル
、−SO
2CH
3、および−CF
3からなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいフェニル;
シクロヘキシル、インダニル、スピロ[3.3]ヘプト−1−イル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロへプテニル、および1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルからなる群から選択されるアリールまたは炭素環であって、−CN、−Br、および−OC
1-2アルキルで置換されていてもよいアリールまたは炭素環;
ベンゾ[1,3]ジオキソリル,2,3−ジヒドロベンゾフラニル、4H−ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,3−ジヒドロイソベンゾフラニル、3,4−ジヒドロキノリニル、および1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択されるヘテロシクリルであって、−C(O)CH
3、−CH
3、−オキソ、および−C(O)NH
2からなる群から選択される1〜2個の基で置換されていてもよいヘテロシクリル;ならびに
−CH
3で置換されていてもよい1H−インダゾリル
からなる群から選択され、
nは、0または1である。
【0014】
別の実施形態では、上記の実施形態上記の実施形態のいずれかによる記載されるような式Iの化合物またはその塩が提供され、式中、R
3およびR
4は、どちらも−Hである。
別の実施形態では、上記の実施形態上記の実施形態のいずれかによる記載されるような式Iの化合物またはその塩が提供され、式中、
R
1およびR
2は、−H、−CO
2Et、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)N(CH
3)
2、−C
1-3アルキル、および−CH
2OHからなる群から独立して選択され、但し、R
1およびR
2は、どちらも−Hではないことを条件とし、または
R
1およびR
2は、それらが結合している炭素と共に、C
3-4シクロアルキルからなる群から選択されるスピロ環を形成することがある。
【0015】
別の実施形態では、上記の実施形態上記の実施形態のいずれかによる記載されるような式Iの化合物またはその塩が提供され、式中、nは0である。
別の実施形態では、上記の実施形態上記の実施形態のいずれかによる記載されるような式Iの化合物またはその塩が提供され、式中、nは1である。
【0016】
本発明の別の態様では、本明細書でこの前後に記載されるような治療方法で使用するための、上記の実施形態のいずれかによる一般式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
表1は、一般的な合成スキームに記載される方法、実施例、および当技術分野において公知の方法によって作製できる本発明の代表的な化合物を示す。
【0017】
【表1】
一実施形態では、本発明は、上記の表1に示した化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0018】
具体的に指示のない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲を通じて、示される化学式または名称は、互変異性体、ならびに全ての立体異性体、光学異性体、および幾何異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体など)、ならびにそのラセミ体、ならびに様々な割合の別々の鏡像異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、またはそのような異性体および鏡像異性体が存在する前述の形態のいずれかの混合物、ならびにその薬学的に許容される塩を含めた塩、およびその溶媒和物、例えば、遊離化合物の溶媒和物または化合物の塩の溶媒和物を含めた溶媒和物などを包含するものとする。
【0019】
式(I)の化合物のいくつかは、2種以上の互変異性の形態で存在することができる。本発明は、全てのそのような互変異性体を使用するための方法を含む。
本発明の化合物はまた、その同位体標識された形態を含む。本願発明の組合せの活性剤の同位体標識された形態は、前記活性剤と同一であるが、それは、前記活性剤の1つまたは複数の原子が、天然に通常見出される前記原子の原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する1つまたは複数の原子に置き換えられているという事実においてである。商業的に容易に入手可能であり、かつよく確立された手順に従って本願発明の組合せの活性剤の中に組み込むことができる、同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体、例えば、それぞれ
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
18O、
17O、
31P、
32P、
35S、
18F、および
36Clが挙げられる。いずれかが上記の同位体および/または他の原子の他の同位体のうち1つまたは複数を含有する、本願発明の組合せの活性剤、そのプロドラッグ、または薬学的に許容される塩は、本願発明の範囲内にあるものと想定される。
【0020】
本発明は、式(I)の化合物の薬学的に許容される誘導体を含む。「薬学的に許容される誘導体」とは、任意の薬学的に許容される塩もしくはエステル、または患者に投与すると、本発明に有用な化合物を(直接的にまたは間接的に)提供することが可能な任意の他の化合物、またはその薬理学的に活性の代謝産物もしくは薬理学的に活性の残基を指す。薬理学的に活性の代謝産物とは、酵素的にまたは化学的に代謝されることが可能な本発明の任意の化合物を意味すると理解されるものとする。これは、例えば、式(I)のヒドロキシル化または酸化された誘導体化合物を含む。
【0021】
本明細書に使用される際に、「薬学的に許容される塩」とは、開示されている化合物の誘導体を指し、ここで、親化合物は、その酸または塩基の塩を作ることによって修飾されている。薬学的に許容される塩の例としては、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられる。例えば、そのような塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩、酒石酸水素塩、臭化物/臭化水素塩、エデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物/塩酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、酢酸フェニル、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミド、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリエチオジド、アンモニウム、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、およびプロカインが挙げられる。さらに別の薬学的に許容される塩を、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などのような金属由来のカチオンと共に形成することができる[Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19も参照されたい]。
【0022】
本願発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態を、水中またはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、もしくはアセトニトリル、もしくはそれらの混合物のような有機希釈剤中の十分量の適切な塩基または酸と反応させることによって、調製することができる。
例えば本願発明の化合物(例えばトリフルオロ酢酸塩)を精製または単離するのに有用な、上記に言及されたもの以外の酸の塩も、本発明の一部を構成する。
【0023】
さらに、本発明の範囲内には、式(I)の化合物のプロドラッグの使用がある。プロドラッグとしては、単純な化学的転換によって本発明の化合物を産生するように修飾されている化合物が挙げられる。単純な化学的転換としては、加水分解、酸化、および還元が挙げられる。具体的には、プロドラッグが患者に投与された際に、プロドラッグは、本明細書中の上記に開示される化合物に転換され、それによって所望の薬理学的効果をもたらすことがある。
【0024】
本発明の化合物は、当業者に認識されることになるような「化学的に安定」であるものと想定されるもののみである。例えば、「ダングリング原子価」または「カルボアニオン」を有すると思われる過酸化物または化合物は、本明細書に開示される発明の方法の想定する化合物ではない。
この出願で本明細書中の上記に開示される全ての化合物について、用語法が構造と齟齬を生じる場合、その化合物は構造によって規定されると理解されるものとする。
【0025】
この書面中、本明細書に使用される際の全ての用語は、特段に述べられない限り、当技術分野において公知であるような通常のそれらの意味で理解されるものとする。例えば、「C
1-4アルキル」とは、1〜4個の炭素を含有する飽和脂肪族炭化水素の1価のラジカル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、またはt−ブチルなどであり;「C
1-4アルコキシ」とは、末端酸素を有するC
1-4アルキル、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシである。全てのアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、構造的にあり得てかつ特段に指定のない限り、分岐または非分岐で環化または非環化であるものと理解されるものとする。他のさらに具体的な定義は、以下の通りである。
【0026】
単独または別のラジカルとの組合せのどちらかでの用語「C
1-n−アルキル」(nは、2〜nの整数である)とは、1〜n個のC原子を有する非環式の、飽和の、分岐の、または直鎖状の炭化水素ラジカルを指す。例えば、用語C
1-5−アルキルは、H
3C−、H
3C−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−C(CH
3)
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−C(CH
3)
2−、H
3C−C(CH
3)
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH(CH
3)−およびH
3C−CH
2−CH(CH
2CH
3)−のラジカルを包含する。
【0027】
単独または別のラジカルとの組合せのどちらかでの用語「C
1-n−アルキレン」(nは、1〜nの整数である)とは、1〜n個の炭素原子を含有する非環式の、直鎖の、または分岐鎖の2価のアルキルラジカルを指す。例えば、用語C
1-4−アルキレンは、−(CH
2)−、−(CH
2−CH
2)−、−(CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2)−、−(C(CH
3)
2)−、−(CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH
2−CH(CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−C(CH
3)
2)−、−(C(CH
3)
2−CH
2)−、−(CH(CH
3)−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
2CH
3)−CH
2)−、−(CH(CH
2CH
2CH
3))−、−(CHCH(CH
3)
2)−および−C(CH
3)(CH
2CH
3)−を含む。
【0028】
単独または別のラジカルとの組合せのどちらかでの用語「C
3-n−シクロアルキル」(nは、4〜nの整数である)とは、3〜n個のC原子を有する環式かつ飽和かつ非分岐の炭化水素ラジカルを指す。例えば、用語C
3-7−シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書に使用される際の用語「ヘテロ原子」とは、O、N、S、およびPなどの、炭素以外の原子を意味すると理解されるものとする。
全てのアルキル基または炭素鎖で、1つまたは複数の炭素原子をヘテロ原子:O、S、またはNに置き換えてもよい。Nが置換されていなければそれはNHであるものと理解されるものとし、また、ヘテロ原子は、分岐または非分岐の炭素鎖内の末端炭素原子または内部炭素原子のどちらかを置き換えていてもよいと理解されるものとする。そのような基は、本明細書中の上記に記載されるように、オキソなどの基によって置換されて、以下に限定されないがアルコキシカルボニル、アシル、アミド、およびチオキソなどの定義をもたらし得る。
【0029】
単独または別のラジカルとの組合せのどちらかで本明細書に使用される際の用語「アリール」とは、6個の炭素原子を含有する炭素環芳香族の単環基であって、芳香族、飽和、または不飽和であり得る2つめの5員または6員の炭素環基にさらに融合していてもよい単環基を指す。アリールとしては、以下に限定されないが、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、およびジヒドロナフチルが挙げられる。
用語「ヘテロアリール」とは、芳香族の5〜6員の単環式ヘテロアリール、または芳香族の7〜11員のヘテロアリールの二環式環であって、環の少なくとも1つが芳香族である二環式環を意味し、ここで、ヘテロアリール環は、N、O、およびSなど、1〜4個のヘテロ原子を含有する。5〜6員の単環式ヘテロアリール環の非限定的な例としては、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、チエニル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、およびプリニルが挙げられる。7〜11員のヘテロアリールの二環式ヘテロアリール環の非限定的な例としては、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、ジヒドロ−2H−キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、およびベンゾチアゾリルが挙げられる。
【0030】
用語「ヘテロシクリル」とは、安定な非芳香族の4〜8員の単環式複素環ラジカル、または安定な非芳香族の6〜11員の融合型二環式、架橋型二環式もしくはスピロ環式の複素環ラジカルを意味する。5〜11員の複素環は、炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄から選ばれる1つまたは複数の、好ましくは1個から4個までのヘテロ原子とからなる。複素環は、飽和であるかまたは部分的に不飽和であるかのどちらかであることがある。非芳香族の4〜8員の単環の複素環ラジカルの非限定的な例としては、テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−1λ
6−チオモルホリニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびアゼピニルが挙げられる。非芳香族の6〜11員の融合型二環式ラジカルの非限定的な例としては、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロベンゾフラニル、およびオクタヒドロベンゾチオフェニルが挙げられる。非芳香族の6〜11員の架橋型二環式ラジカルの非限定的な例としては、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、および3−アザビシクロ[3.2.1]オクタニルが挙げられる。非芳香族の6〜11員のスピロ環式の複素環ラジカルの非限定的な例としては、7−アザ−スピロ[3,3]ヘプタニル、7−スピロ[3,4]オクタニル、および7−アザ−スピロ[3,4]オクタニルが挙げられる。用語「ヘテロシクリル」またはは、全てのあり得る異性体形態を含むことを意図されている。
【0031】
本願明細書に使用される際の用語「ハロゲン」とは、臭素、塩素、フッ素、またはヨウ素を意味するものと理解されるものとする。定義「ハロゲン化された」、「部分的または完全にハロゲン化された」;部分的または完全にフッ化された;「1つまたは複数のハロゲン原子によって置換されている」とは、例えば、1つまたは複数の炭素原子上でのモノハロ、ジハロ、またはトリハロ誘導体である。アルキルについては、非限定的な例は、−CH
2CHF
2、−CF
3などとなる。
本明細書に記載されるそれぞれのアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、もしくはヘテロアリール、またはそれらの類似体は、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよいと理解されるものとする。
本明細書に使用される際に、「窒素」またはNおよび「硫黄」またはSは、窒素および硫黄の任意の酸化形態、ならびに任意の塩基性窒素の四級化形態を含む。例えば、−S−C
1-6アルキルラジカルについて、特段に指定のない限り、これは、−S(O)−C
1-6アルキルおよび−S(O)
2−C
1-6アルキルなどを含むものと理解されるものとし、同様に、−S−R
aは、R
aがフェニルでありかつmが0、1、または2である際に、フェニル−S(O)
m−と表されることがある。
【0032】
一般的な合成方法
本発明の化合物は、下記に提示される方法および実施例、ならびに当業者に公知の方法によって調製されてもよい。ここに記載される方法は、説明として、ならびにその主題、特許請求の範囲に記載の化合物、および実施例の範囲を制限することなくこの発明の実施可能性のために、意図されるものである。最適な反応条件および反応時間は、使用される具体的な反応物に応じて変わることがある。特段に指定のない限り、溶媒、温度、圧力、および他の反応条件は、当業者によって容易に選択され得る。具体的な手順は、下記に示されている。下記の合成に使用される中間体は、商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法によって容易に調製されるかのどちらかである。反応の進行は、従来の方法、例えば薄層クロマトグラフィー(TLC)または高圧液体クロマトグラフィー−質量分析(HPLC−MS)によって、モニタリングされてもよい。中間体および生成物は、当技術分野において公知の方法によって精製されてもよく、そのような方法としては、カラムクロマトグラフィー、HPLC、分取用TLC、または再結晶化が挙げられる。
本発明の中間体および化合物は、下記に記載される一般方法によって調製されることがある。
【0034】
置換されていてもよい中間体VIの調製物は、スキーム1に記載されるように調製される。中間体Iを、適した塩基の存在下でマロン酸ジアルキルと反応させて、中間体IIを得る。IIの加水分解および脱炭酸によって、IIIを得る。適した塩基の存在下でIIIをTsN
3と反応させることにより、IVを得る。Rh
2(OAc)
4などの適した触媒の存在下で、IVを3−オキソ−ブチロニトリルと反応させることにより、Vを得る。加水分解および脱炭酸によって、Vを得る。Vをアミノリシスに供することによって、所望の中間体VIを調製する。
【0035】
【化3】
スキーム2は、どのようにして、R
5が置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールでありnが0である式Iの化合物を、中間体VIから調製し得るのかを説明する。CuIなどの適切なCu塩の存在下で、置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールの臭化物またはヨウ化物に、VIを反応させることにより、Iを得る。あるいは、置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールのホウ酸を、Cu(OAc)
2またはCu(MeCN)
4PF
6などの適切なCu塩の存在下、VIに反応させて、Iを得てもよい。
【0036】
【化4】
スキーム3は、どのようにして、R
5が置換されてもよい炭素環または複素環でありnが0または1である式Iの化合物を、中間体VIから調製し得るのかを説明する。この化合物は、光延条件下、置換されてもよいヒドロキシ炭素環もしくは複素環式環(n=0)またはヒドロキシメチル炭素環もしくは複素環式環(n=1)に、VIを反応させることによって調製してもよい。R
5が置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールでありnが1である式Iの化合物を、置換されてもよいヒドロキシメチルアリールまたはヘテロアリールの化合物を用いて、同じ方法によって調製してもよい。
【0037】
【化5】
スキーム4は、n=1である化合物を調製するための代替の方法を説明する。置換されてもよいハロメチル炭素環、複素環、アリール、またはヘテロアリールを、適切な塩基の存在下、VIと反応させて、Iを得てもよい(n=1)。
【0038】
合成例
最終化合物を、表1の化合物ラベルに対応する化合物ラベルによって設計する。中間体のラベルは、「I−」または「N−」に始まり、例えばI−AAAまたはN−0001である。キラルHPLCによって分割される化合物は、下記の実施例に記載される条件によってそのようにする。最初の溶出を鏡像異性体Aと称し、2番目の溶出を鏡像異性体Bと称する。
【0039】
中間体の合成
3−オキサスピロ[5.5]ウンデカン−8,10−ジオン(I−AAA)の合成
【化6】
【0040】
48mLのH
2Oおよび12mLのEtOH中の1.4g(25mmol)のKOHの0℃混合物に、4.2g(25mmol)の1−ジメトキシホスホリルプロパン−2−オンを添加した後、2g(20mmol)のテトラヒドロピラン−4−オンを滴下添加する。4時間の撹拌後、ブラインを添加し、混合物をMTBEで3回抽出する。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、3.1gの1−テトラヒドロピラン−4−イリデンプロパン−2−オン(I−AAB;90%、10%EtOHを含む)を得る。
【0041】
16mLのEtOH中の2.1g(14mmol)の90%I−AABの混合物に、2.1mL(14mmol)のマロン酸ジエチルを添加した後、5.1mL(14mmol)のEtOH中21%NaOEtを滴下添加する。混合物を室温で2.5時間撹拌し、1時間加熱還流し、室温に冷却し、濃縮して、固体残渣を得、それを次いで20mLの10N NaOHと共に2日間撹拌する。pHを濃HClで2と3との間に調整し、混合物を70℃で3時間加温し、次いで室温に冷却し、CH
2Cl
2で3回抽出する。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、1.3g(6.9mmol)のI−AAAを得る。
【0042】
I−AAAを調製するために使用される一般方法を使用して、以下のシクロヘキサン−1,3−ジオンも調製する。
I−AAC:3−オキサスピロ[4.5]デカン−7,9−ジオンを、テトラヒドロフラン−3−オンから調製する。
I−AAD:スピロ[3.5]ノナン−6,8−ジオンを、シクロブタノンから調製する。
5,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン(I−AAI)およびシクロヘキサン−1,3−ジオン(I−AAJ)を、商用供給業者から購入する。
【0043】
3,5−ジオキソシクロヘキサンカルボン酸エチル(I−AAE)の合成
【化7】
【0044】
5.4g(23mmol)のアセトニルコハク酸ジエチルエステル、80mLのEtOH、および7.6g(23mmol)のEtOH中21%NaOEtの混合物を、70℃で2時間撹拌する。反応混合物を濃縮して、4.3g(23mmol)のI−AAEを得、これをさらに操作せずに使用する。
【0045】
スピロ[2.5]オクタン−5,7−ジオン(I−AAF)の合成
【化8】
【0046】
2Lの水中の50g(150mmol)のアセトニルトリフェニルホスホニウムクロリドに、10%NaOH溶液をpHが8に達するまで添加する。混合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥して、45g(140mmol)の1−(トリフェニル−λ
5−ホスファニリデン)プロパン−2−オン(I−AAG)を得る。
22mLのトルエン中の8.2g(47mmol)の(1−エトキシ−シクロプロポキシ)−トリメチル−シランの混合物に、14g(44mmol)のI−AAGおよび0.8g(5mmol)のp−TsOHを添加する。混合物を100℃で12時間加熱する。混合物を冷却し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜100%CH
2Cl
2により精製して、2.1g(22mmol)の1−シクロプロピリデンプロパン−2−オン(I−AAH)を得る。
I−AAAを調製するために使用される一般方法を使用して、I−AAHから、I−AAFを調製する。
【0047】
スピロ[5,7−ジヒドロ−3H−ベンゾイミダゾール−6,4’−テトラヒドロピラン]−4−オン(I−AAM)の合成
【化9】
【0048】
15mLのMeCN中の2.7g(14mmol)のトルエンスルホニルアジドの混合物に、2.5g(14mmol)のI−AAAおよび2.1g(15mmol)のK
2CO
3を添加する。混合物を12時間撹拌する。混合物を希釈し、短いパッドのシリカゲルを通して濾過する。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜50%EtOAC)により精製して、2.4g(12mmol)の9−ジアゾ−3−オキサスピロ[5.5]ウンデカン−8,10−ジオン(I−AAN)を得る。
【0049】
8.5gのエチルシアノホルメート中の2.2g(11mmol)のI−AANおよび0.20g(0.46mmol)のRh
2(OAc)
4の混合物を、60℃で12時間加熱する。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜60%EtOAc)により精製して、0.96g(3.4mmol)の4−オキソ−4,5,7,7a−テトラヒドロ−3aH−スピロ[1,3−ベンゾオキサゾール−6,4’−オキサン]−2−カルボン酸エチル(I−AAO)を得る。この物質を、10mLのDMF中で、0.58g(14mol)のLiClと共に130℃で12時間撹拌する。次いで、混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、水で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜5%MeOH)により精製して、0.60g(2.9mmol)の4,5,7,7a−テトラヒドロ−3aH−スピロ[1,3−ベンゾオキサゾール−6,4’−オキサン]−4−オン(I−AAP)を得る。この物質と0.89g(12mmol)の酢酸アンモニウムとの混合物を、マイクロ波リアクター内で140℃に15分間加熱する。フラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜10%MeOH)によって0.23g(1.1mmol)のI−AAMを得る。
【0050】
I−AAMを調製するために使用される一般方法を使用して、以下の7−オキソ−テトラヒドロベンゾイミダゾール−4−オンも調製する。
【化10】
【0051】
I−AAQ:スピロ[5,7−ジヒドロ−3H−ベンゾイミダゾール−6,1’−シクロブタン]−4−オンを、I−AADから調製する。
【化11】
【0052】
I−AAR:スピロ[5,7−ジヒドロ−3H−ベンゾイミダゾール−6,3’−テトラヒドロフラン]−4−オンを、I−AACから調製する。
【化12】
【0053】
I−AAS:スピロ[5,7−ジヒドロ−3H−ベンゾイミダゾール−6,1’−シクロプロパン]−4−オンを、I−AAFから調製する。
【化13】
【0054】
I−AAT:7−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾイミダゾール−5−カルボン酸エチルを、I−AAEから調製する。
【化14】
3,5,6,7−テトラヒドロベンゾイミダゾール−4−オン(I−AAK)および
【化15】
6,6−ジメチル−5,7−ジヒドロ−3H−ベンゾイミダゾール−4−オン(I−AAL)を、それぞれI−AAJおよびI−AAIから、KrebsおよびBondi(Helvetica Chimica Acta, 1979, 62, 497-506)によって記載されている方法を介して調製する。
【0055】
(1−アセチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−6−イル)ボロン酸(N−001)の合成
【化16】
【0056】
8mLの脱気1,4−ジオキサン中の1.5g(5.9mmol)の1−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)エタノン、2.3g(8.9mmol)のビス(ピナコラート)ジボロン、1.7g(19mmol)のKOAc、および0.49g(0.59mmol)のPd(dppf)−CH
2Cl
2の混合物を、マイクロ波照射を用いて110℃に1時間加熱する。混合物を濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜7%MeOH)により精製して、1.4g(4.5mmol)の1−[6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]エタノン(I−AAW)を得る。
【0057】
1.4g(4.5mmol)のI−AAW、2.4g(23mmol)のジエタノールアミン、および10mLのCH
2Cl
2の混合物を、36時間撹拌する。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜10%MeOH)により精製して、0.46g(1.5mmol)の1−[6−(1,3,6,2−ジオキサザボロカン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]エタノン(I−AAX)を得る。
【0058】
I−AAX(0.22g、0.75mmol)を、1mLの1M HClと共に2時間撹拌する。固体を生成し、濾過し、乾燥して、0.10g(0.46mmol)のN−001を得る。
N−001の合成に用いる一般方法を使用して、以下のボロン酸も調製する。
N−002:(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)ボロン酸を、6−ブロモ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オンから調製する。
N−003:(3−メチル−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−6−イル)ボロン酸を、6−ブロモ−3−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−オンから調製する。
N−004:(4−メチル−3−オキソ−1,4−ベンゾオキサジン−7−イル)ボロン酸を、7−ブロモ−4−メチル−1,4−ベンゾオキサジン−3−オンから調製する。
【0059】
最終化合物の合成
例1:3−(1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール(benzoimidazol)−4−オン(C−AAA)の合成
【化17】
【0060】
6mLのDMSO中の0.10g(0.75mmol)のI−AAK、0.15g(0.63mmol)の1−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エタン−1−オン(I−AAU)、0.41g(1.3mmol)のCsCO
3、および24mg(0.13mmol)のCuIの混合物を、120℃に4日間加熱する。反応混合物を濃縮し、EtOAcに溶解し、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0〜5%MeOH)により精製する。2つの異性体生成物を単離し、極性の低い方の異性体がC−AAA(7mg、0.02mmol)である。
【0061】
C−AAAを調製するのに使用される一般方法を使用して、適切なアリールハライドを用いて以下の化合物も調製する。
化合物C−AAB:3−(1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび5−ブロモ−1,3−ジヒドロイソベンゾフランから調製する。
化合物C−AAC:2−メチル−7−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−3−オンを、I−AAKおよび7−ブロモ−2−メチル−1,4−ジヒドロイソキノリン−3−オンから調製する。
【0062】
例2:1−メチル−6−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン(C−AAD)の合成
【化18】
【0063】
10mLのDMF中の0.50g(2.2mmol)の6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−1,8−ナフチリジン−2−オンの混合物に、0.13g(3.3mmol)のミネラルオイル中60%NaHを添加する。30分間の撹拌の後、0.62g(4.4mmol)のMeIを添加し、混合物を18時間撹拌し、濃縮し、EtOAcに溶解し、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜50%EtOAc)により精製して、0.50g(2.1mmol)の6−ブロモ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2−オンを得る。この物質を、0.62g(4.1mmol)のNaI、40mg(0.21mmol)のCuI、5mLの1,4−ジオキサン、および30mg(0.21mmol)のtrans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミンと合わせ、次いで、110℃で18時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、EtOAcに溶解し、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜50%EtOAc)により精製して、0.57g(2.0mmol)のN−005を得る。
【0064】
化合物C−AADを、次いで、I−AAAの合成のために記載されている一般方法を用いて、N−005およびI−AAKから調製する。
【0065】
例3:3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オン(C−AAE)の合成
【化19】
【0066】
0.10g(0.73mmol)のC−AAK、0.13g(0.81mmol)の2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イルボロン酸、および82mg(0.22mmol)のCu(CN)
4PF
6、4mLのMeOHの混合物を、2日間撹拌する。混合物を、珪藻土を通して濾過し、濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーにより最初にシリカ上(CH
2Cl
2中0〜10%MeOH)で、次いでKPNH−シリカカラム上(0〜100%EtOAc/ヘプタン)で精製して、45mg(0.18mmol)のC−AAEを得る。
【0067】
C−AAEを調製するのに使用されている一般方法を使用して、適切なテトラヒドロベンゾイミダゾール−4−オンおよびアリールボロン酸を用いて以下の化合物も調製する。
化合物C−AAF:3−(1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンから調製する。
化合物C−AAG:3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび1−メチルインダゾール−5−ボロン酸から調製する。
化合物C−AAH:3−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび1−メチルインダゾール−6−ボロン酸から調製する。
化合物C−AAI:3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび1,4−ベンゾジオキサン−6−ボロン酸から調製する。
【0068】
化合物C−AAJ:3−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−ボロン酸から調製する。
化合物C−AAK:3−シクロプロピル−4−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリルを、I−AAKおよび2−シクロプロピル−4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAL:4−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリルを、I−AAKおよび4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAM:3−メチル−6−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンを、I−AAKおよび(3−メチル−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−6−イル)ボロン酸から調製する。
化合物C−AAN:4−メチル−7−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンを、I−AAKおよび(4−メチル−3−オキソ−1,4−ベンゾオキサジン−7−イル)ボロン酸から調製する。
化合物C−AAO:2−メチル−4−(7−オキソスピロ[4,6−ジヒドロベンゾイミダゾール−5,4’−テトラヒドロピラン]−1−イル)ベンゾニトリルを、I−AAMおよび3−メチル−4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAP:3−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)スピロ[5,7−ジヒドロベンゾイミダゾール−6,4’−テトラヒドロピラン]−4−オンを、I−AAMおよび(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)ボロン酸から調製する。
化合物C−AAQ:3−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−6,6−3−o−テトラヒドロピラン−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAMおよび3−クロロ−4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAR:3−(4−クロロ−フェニル)−6,6−3−o−テトラヒドロピラン−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAMおよび4−クロロフェニルボロン酸から調製する。
【0069】
化合物C−AAS:4−(7−オキソスピロ[4,6−ジヒドロベンゾイミダゾール−5,4’−テトラヒドロピラン]−1−イル)ベンゾニトリルを、I−AAMおよび4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAT:1N−4−シアノフェニル−5−スピロシクロブチル(spirocycbutyl)−テトラヒドロベンゾイミダゾ(tetrahydrobenimidazo)−7−オンを、I−AAQおよび4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAU:2−メチル−4−(7−オキソスピロ[4,6−ジヒドロベンゾイミダゾール−5,1’−シクロブタン]−1−イル)ベンゾニトリルを、I−AAQおよび4−シアノ−3−メチルフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAV:3−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)スピロ[5,7−ジヒドロベンゾイミダゾール−6,1’−シクロブタン]−4−オンを、I−AAQおよびおよび(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)ボロン酸から調製する。
【0070】
化合物C−AAW:3−(3−クロロ−4−シアノ)−6,6−スピロシクロプロピル−3,5,6,7−テトラヒドロベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AASおよび4−シアノ−3−メチルフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAX:3−(4−シアノフェニル)−6,6−スピロシクロプロピル(spirocyclpropyl)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール(benzimidiazol)−4−オンを、I−AASおよび4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAY:1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸エチルエステルを、I−AATおよび4−シアノ−3−クロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−AAZ:ラセミの3−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび(2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)ボロン酸から調製する。キラル分割[LUX 5u Cellulose 3 Analytical 15%(1:1:1MeOH:EtOH:iPA):CO2、40C、200bar]によって、C−AAZ−A鏡像異性体AおよびC−AAZ−B鏡像異性体Bを供給する。
【0071】
化合物C−ABA:ラセミの3−(4−シアノフェニル)−6,6−(3−テトラヒドロフラン)−3,5,6,7−ベンゾイミジアゾロ−4−オンを、I−AARおよび4−シアノ−3−クロロフェニルボロン酸から調製する。キラル分割[AD−RH 5μm 21×250mm 35%(1:1:1MeOH:EtOH:iPA):CO2(塩基なし)、125gr/分、35C、120bar]によって、C−ABA−Aの鏡像異性体AおよびC−ABA−Bの鏡像異性体Bを供給する。
化合物C−ABB:6−(7−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸tert−ブチル(I−AAV)を、I−AAKおよび(1−tert−ブトキシカルボニル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−6−イル)ボロン酸から調製する。ジオキサン中のI−AAV(62mg、0.17mmol)、2mL CH
2Cl
2および1mLの4M HClの混合物を、72時間撹拌し、次いで、濃縮して、51mg(0.17mmol)を得る。
【0072】
例4:3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オン(C−ABC)の合成
【化20】
【0073】
0.10g(0.61mmol)のI−AAL、96mg(0.61mmol)の3,4−ジフルオロフェニルボロン酸、0.22g(1.2mmol)のCu(OAc)
2、および0.10mL(1.2mmol)のピリジンの混合物を、40℃で12時間撹拌する。混合物を、珪藻土のパッドを通じて濾過し、濾液を濃縮し、Biotage KP−NHアミン官能基化シリカカラム上でヘプタン中5〜50%EtOAcを用いて溶出して、15mg(0.05mmol)のC−ABCを得る。
【0074】
C−ABCを調製するのに使用される一般方法を使用して、適切なテトラヒドロベンゾイミダゾール−4−オンおよびアリールボロン酸を用いて以下の化合物も調製する。
化合物C−ABD:3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび3,4−ジクロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABE:2−クロロ−4−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリルをI−AALおよび3−クロロ−4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABF:3−(2,3−ジクロロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび2,3−ジクロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABG:3−(2,4−ジクロロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび2,4−ジクロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABH:3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび3,5−ジクロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABI:3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABJ:3−(3−クロロ−4−イソプロポキシ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび3−クロロ−4−イソプロポキシフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABK:3−(3−クロロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび3−クロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABL:3−(4−アセチル−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−アセチルフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABM:3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−クロロ−3−フルオロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABN:3−(4−クロロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−クロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABO:3−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−ジメチルフェニルボロン酸から調製する。
【0075】
化合物C−ABP:3−(4−フルオロ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−フルオロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABQ:3−(4−イソプロポキシ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−イソプロポキシフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABR:3−(4−メトキシ−フェニル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−メトキシフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABS:3−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリルを、I−AALおよび4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
【0076】
化合物C−ABT:3−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−クロロ−ピリジン−3−イルボロン酸から調製する。
化合物C−ABU:3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび1,3−ベンゾジオキソール−5−イルボロン酸から調製する。
化合物C−ABV:4−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−メチル−ベンゾニトリルを、I−AALおよび4−シアノ−3−メチルフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABW:4−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−安息香酸メチルエステルを、I−AALおよび(4−メトキシカルボニル−フェニル)ボロン酸から調製する。
化合物C−ABX:4−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリルを、I−AALおよび4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
【0077】
化合物C−ABY:5−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−メチル−ベンゾニトリルを、I−AALおよび3−シアノ−4−メチルフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ABZ:6,6−ジメチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ACA:6,6−ジメチル−3−フェニル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよびフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ACB:6,6−ジメチル−3−p−tolyl−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−メチルフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ACC:3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび3,4−ジクロロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ACD:1−メチル−6−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを、I−AAKおよび(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)ボロン酸(N−002)から調製する。
化合物C−ACE:3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−6,6−スピロシクロプロピル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール(benzimidiazolo)−4−オンを、I−AAQおよび3,4−ジフルオロフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ACF:3−(4−クロロフェニル(4-chloroophenyl))−6,6−スピロシクロプロピル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール(benzimidiazolo)−4−オンを、I−AAQおよび4−クロロフェニルボロン酸から調製する。
【0078】
化合物C−ACG:3−(4−シアノ,3−クロロフェニル)−6,6−スピロシクロブチル−3,5,6,7−ベンゾイミダゾール(benzimidiazolo)−4−オンを、I−AAQおよび3−クロロ−4−シアノフェニルボロン酸から調製する。
化合物C−ACH:3−(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)スピロ[5,7−ジヒドロベンゾイミダゾール−6,1'−シクロプロパン]−4−オンを、I−AASおよび(1−メチル−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)ボロン酸(N−002)から調製する。
化合物C−ACI:6,6−ジメチル−3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AALおよび4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸から調製する。
【0079】
例5:trans−4−(7−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ベンゾイミダゾール−1−イル)シクロヘキサンカルボニトリル(C−ACJ)の合成
【化21】
【0080】
5mLのTHF中の0.27g(2.0mmol)のI−AAK、0.69g(3.0mmol)のアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(DBAD)、および0.35g(2.8mmol)のcis−4−シアノシクロヘキサノールの混合物に、1.5mL(3.0mmol)の90%トリオクチルホスフィンを添加する。混合物を72時間撹拌し、濃縮し、最初にフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜100%EtOAc、次いでCH
2Cl
2中0〜10%MeOH)により、次いで分取用TLC(100%EtOAc)により、再び分取用TLC(CH
2Cl
2中2.5%MeOH)により精製して、0.11g(0.44mmol)のC−ACJを得る。
【0081】
下記の化合物を、C−ACJの合成のために記載されている一般方法を使用し、標示されているイミダゾール、ジアゾジカルボキシレート試薬、アルコール、およびホスフィンを用いて調製する。
【表2】
【0082】
化合物C−ADL:4−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキサンカルボニトリルのcis/trans混合物を、化合物C−ACJの合成のために記載されている一般手順を用いて、I−AAL、DBAD、cis/trans−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニトリル、およびトリオクチルホスフィンから調製する。trans−異性体(C−ADL)を、次いで、クロマトグラフィー[超臨界CO
2中5%〜10%iPrOH(10mM NH
3)、90g/分で7分間、さらに3分間の洗浄、カラムは40℃、ABPRは120bar、MBPRは40psi、採集は分子量の検出のための質量スペクトル検出器を使用によって単離する。
【0083】
化合物C−ADM:3−(3−エトキシ−スピロ[3.3]ヘプト−1−イル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンのcis/trans混合物を、化合物C−ACJの合成のために記載されている一般手順を用いて、I−AAL、DBAD、cis/trans−7−エトキシスピロ[3.3]へプタン−5−オール、およびトリオクチルホスフィンから調製する。trans異性体(C−ADM)を、次いで、クロマトグラフィー(LUX 5u Cellulose 2 調製:超臨界CO2中9%MeOH、15g/分で13分間、カラムは40℃、ABPRは120、採集はDAD上)によって単離する。
【0084】
例6:6−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボニトリル(C−ADN)の合成
【化22】
【0085】
脱気DMF(5mL)中のC−ACM(0.23g;0.62mmol)およびZnCN
2(72mg;0.62mmol)の混合物に、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(50mg;0.062mmol)を添加する。反応混合物を、マイクロ波リアクター内で160℃に30分間加熱し、次いで、分取用HPLC(水中10〜80%MeCN)により精製して、50mg(0.16mmol)のC−ADNを得る。
【0086】
例7:3−(4−フルオロ−ベンジル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オン(C−ADO)の合成
【化23】
【0087】
0.10g(0.61mmol)のI−AAK、80μL(0.67mmol)の1−(ブロモメチル)−4−フルオロ−ベンゼン、0.16g(4.0mmol)のNaOH、79mg(0.24mmol)のBu
4NBr、1.2mLの水、および2mLのトルエンの混合物を、2時間撹拌する。飽和NH
4Cl溶液を添加し、混合物をトルエンで2回抽出する。合わせた抽出物を濃縮し、分取用HPLC(水中5%〜80%MeCN)を介して精製して、0.13g(0.46mmol)のC−ADOを得る。
以下の化合物を、化合物C−ADOの合成のために記載されている一般方法を用いて、調製する。
化合物C−ADP:3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび1−(ブロモメチル)−4−メチルスルホニル−ベンゼンから調製する。
化合物C−ADQ:3−(4−メトキシ−ベンジル)−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび1−(ブロモメチル)−4−メトキシ−ベンゼンから調製する。
化合物C−ADR:3−ベンジル−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAKおよび臭化ベンジルから調製する。
【0088】
例8:4−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−N−メチル−ベンズアミド(C−ADS)の合成
【化24】
【0089】
C−ACZ(0.46g、1.5mmol)、15mLのTHF、5mLのMeOH、および4.4mLの1N LiOHの混合物を、1時間撹拌し、次いで、5.5mLの1N HClを添加する。混合物を、部分的に濃縮し、25mLのEtOAcで3回抽出する。合わせた抽出物を、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、0.39g(1.3mmol)の4−[(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,6−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]安息香酸(I−AAY)を得る。
0.20mL(1.2mmol)の(iPr)
2NEt、0.12g(0.39mmol)のI−AAY、35mg(0.46mmol)の2−(メチルアミノ)エタノール、および2mLのDMFの混合物を、0.15g(0.46mmol)のTBTUを用いて処理する。終夜の撹拌後、反応物を、分取用HPLC(水中5%〜80%MeCN)により精製して、64mg(0.18mmol)のC−ADSを得る。
【0090】
以下の化合物を、化合物C−ADSの合成のために記載されている一般方法を用いて調製する。
化合物C−ADT:3−[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンを、I−AAYおよび(R)−3−ヒドロキシピロリジンから調製する。
化合物C−ADU:4−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−N−(2−メタンスルホニル−エチル)−ベンズアミドを、I−AAYおよび2−メチルスルホニルエタンアミン塩酸塩から調製する。
【0091】
例9:3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンジル]−6,6−ジメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オン(C−ADV)の合成
【化25】
【0092】
0.17g(0.55mmol)のC−ACZ、3mLのTHF、および3mLのMeOHの混合物を、63mg(1.8mmol)のNaBH
4を用いて処理する。混合物を12時間撹拌し、次いで、63mg(1.8mmol)のNaBH
4を添加する。混合物を2時間撹拌し、濃縮し、25mLのアセトンと混合し、再度濃縮する。結果として得られた残渣を、1mLのTHFと合わせ、0℃に冷却する。3M溶液のMeMgClをゆっくり添加する(0.6mL;1.8mmol)。30分後、飽和Na
2CO
3および飽和NH
4Cl(各5mL)を添加した後、5mLのEtOAcを添加する。有機層を、飽和NH
4Cl(5mL)および水(5mL)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濃縮し、分取用HPLC(水中5%〜80%MeCN)により精製して、32mg(mmol)の3−[[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)フェニル]メチル]−6,6−ジメチル−5,7−ジヒドロ−4H−ベンゾイミダゾール−4−オールを得る。この物質を、5mLのCH
2Cl
2および65mg(0.15mmol)のデス・マーチン・ペルヨージナンと合わせる。1時間後、混合物を濾過し、濃縮し、分取用HPLC(水中5%〜80%MeCN)により精製して、4mg(0.01mmol)のC−ADVを得る。
【0093】
例10:6−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ニコチノニトリル(C−ADW)の合成
【化26】
【0094】
0.10g(0.72mmol)の6−クロロ−3−ピリジン−カルボニトリル、0.15g(1.0mmol)のI−AAK、0.47g(1.4mmol)のCsCO
3、および4mLのDMFの混合物を、100℃で18時間撹拌する。混合物を濃縮し、EtOAcに溶解し、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮し、最初にフラッシュクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/CH
2Cl
2)により、次いで分取用TLC(CH
2Cl
2中5%MeOH)により精製して、14mg(0.06mmol)のC−ADWを提供する。
【0095】
例11:3−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−6−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オン(C−AEF)の合成
【化27】
【0096】
20mLのDCM中の2.50g(18.1mmol)の4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−6−olの混合物に、6.68mL(36.2mmol)のジ−イソプロピルエチルアミンおよび3.55g(23.5mmol)のt−ブチルジメチルシリルクロリドを添加する。混合物は、終夜の撹拌により不均一となる。混合物を、150mLのEtOAcに希釈し、2×20mLの飽和NH
4Clでクエンチする。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。
1HNMRは、所望の物質を標示する。粗6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールを、精製せずに先に進める。
【0097】
20mLのDMF中の4.57g(18.1mmol)の6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールの溶液に、1.30g(32.5mmol、60質量%)のNaHを一度に添加する。混合物は30分間撹拌する。これに、1.34mL(21.7mmol)のMeIを一度に添加する。混合物をRTに温まるようにし、24時間撹拌する。混合物を、20mLの飽和NH
4Clでクエンチし、500mLのEtOAcで希釈する。有機相を、4×100mLのH
2Oおよび1×200mLのブラインで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールおよび6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾールの粗混合物には、DMFが混入しているが、先に進める。水相の分析をメチル化かつ脱シリル化された物質で行う。この物質を濃縮し、確保しておく。
【0098】
20mLのTHF中の2.40g(9.01mml)の混合物の6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾールおよび6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾールに、9.00mL(9.00mmol)のTHF中1M TBAFを添加する。混合物をRTで4時間撹拌する。LC−MS分析は、所望のアルコール(2つの位置異性体)を標示した。混合物を濃縮し、100mLのH
2Oを添加する。水相を2×100mLのEt
2Oで抽出する。LC−MS分析は、所望の物質が水相中に残存することを標示する。混合物を濃縮し、メチル化反応由来の水性画分と合わせる。この物質を、300gのC−18 SiO
2(0〜100%H2O/MeOH)を通して濾過する。生成物を含有する画分を、濃縮し、MSトリガー精製[Sunfire C18 5μM OBD30×150mm、1〜10%CAN/H2O(0.1%TFA)、65mL/分、ラン9分+洗浄8分]に供して、0.56gの位置異性体1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾール−6−オールおよび0.60gの位置異性体2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール−6−オールを得る。
【0099】
5mLのTHF中の3,5,6,7−テトラヒドロベンゾイミダゾール−4−オン、アゾジカルボン酸ジ−t−ブチル(DBAD)、およびアルコールに、ホスフィンを添加した。混合物をRTで36時間撹拌した。LC−MS分析は、変換が乏しいことを示した。混合物を50℃で72時間加熱した。LC−MS分析は、少量の所望のカップリングを標示した。混合物を濃縮し、20mLのヘキサン/MeOHの間で分配した。1×20mLのMeOHで抽出した。MeOH抽出物を合わせ、濃縮した。物質を分取用プレート(2mm)にアプライして、1×5%MeOH/CH
2Cl
2で溶出しUV活性のバンドを掻き取って、純粋でないバンドを得た。
純粋でない混合物を、SiO
2分取用プレートクロマトグラフィーに再度アプライして、11.2mgの所望の生成物(C−AEF)を得る。
【0100】
例12:1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸アミド(C−AEB−AおよびC−AEB−B)の合成
【化28】
【0101】
1mLのTHF/1mLのMeOH/0.5mLの水中の100mg(0.29mmol)のC−AAYを含有するバイアルに、13.5mg(0.33mmol)のLiOHを添加する。反応混合物を、室温で2時間撹拌する。反応混合物に、1N HClをpH=7になるまで添加する。反応混合物を濃縮して、粗1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸を提供し、精製せずに先に進める。
【0102】
3mLのDMF中の130mg(0.41mmol)の上記カルボン酸、285mg(0.62mmol)のHATU、106mg(0.82mmol)のジ−イソプロピルエチルアミンの撹拌溶液に、2.0mLのヒドロキシアミンを添加する。反応混合物を、室温で18時間撹拌する。反応混合物を濃縮する。残渣をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮する。粗アミドを、カラムクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、73.0mgのラセミの1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸アミドを提供する。ラセミ体アミドを、[Lux 5u Cellulose 13cm、35%(1:1:1MeOH:EtOH:iPA):CO
2、120gr/分、120bar、40℃]により分割して、12.0mgの最初に溶出する鏡像異性体1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸アミド(C−AEB−A)、および14.0mgの2番目に溶出する鏡像異性体(C−AEB−B)を得る。
【0103】
例13:(R)−1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ジメチルアミド(C−AEE)
【化29】
【0104】
2mLのDMF中の92mg(0.3mmol)の1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸のバイアルに、166mg(0.4mmol)のHATU、75mg(0.6mmol)のジ−イソプロピルエチルアミン、および0.44mL(0.9mmol)のTHF中2.0Mジメチルアミン溶液を添加する。反応混合物を、室温で18時間撹拌する。反応混合物を濃縮する。残渣をEtOAcで希釈し、水、ブラインで洗浄し、次いで、無水Na
2SO
4下で乾燥する。溶液を濾過し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、58mgのラセミの1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ジメチルアミドを薄茶色の固体として提供する。ラセミのアミドを(LUX Amylose−2,21×250mm)25%(60:40MeOH:iPA):CO2、80gr/分、120bar、40℃)により分割して、12.0の最初に溶出する鏡像異性体の1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸ジメチルアミド、および14.0mgの2番目に溶出する鏡像異性体(C−AEE)を得る。
【0105】
例14:(R)−1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルアミド(C−AEH)
【化30】
【0106】
10mLのDMF中の126mg(0.4mmol)の1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸のバイアルに、212mg(0.55mmol)のHATU、0.37mL(2.00mmol)のジ−イソプロピルエチルアミンおよびメチルアミン塩酸塩を添加する。混合物を16時間撹拌する。LC−MSは、所望の生成物を標示する。混合物を濃縮し、100mLのEtOAcで希釈し、50mLの飽和NH
4Clでクエンチする。有機相を、4×80mLのH
2Oおよび1×20mLのブラインで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。粗物質をSiO
2カラムにアプライし、精製して(125g、0〜100%EtOAc/ヘプタン)、70mgのラセミのアミドを得る。ラセミのアミドを、(LUX Amylose−2、21×250mm)40%(1:1:1MeOH:EtOH:iPA):CO
2、60gr/分、130bar、40℃により分割して、26mgのディストマーの1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルアミド(最初に溶出する鏡像異性体)および28mgのユートマー(C−AEH)(2番目に溶出する鏡像異性体)を得る。
【0107】
例15:2−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−AED)
【化31】
【0108】
−78℃で、2mLのCH
2Cl
2中の155mg(0.45mmol)のC−AAYに、800mg(3.88mmol)の1,2−ビス(トリメチルシロキシ)エタンおよび160mg(0.72mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルを添加する。反応混合物を昇温させて、室温で24時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3で洗浄し、濃縮して、155mgの粗1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−スピロジオキソラン−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸エチルエステルを得る。
【0109】
0.5mLのMeOHおよび0.5mLのTHF中の155mg(0.4mmol)の粗1−(3−クロロ−4−シアノ−フェニル)−7−スピロジオキソラン−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸エチルエステルのバイアルに、LiBH
4を滴下添加する。反応混合物を、室温で3時間撹拌する。反応混合物を、EtOAcで希釈し、1N HCl/水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4下で乾燥する。溶液を濾過し、濃縮して、100mgの粗2−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−7−ジオキソラン−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリルを提供する。
【0110】
3mLのTHF/1mLの水中の90mg(0.23mmol)の粗2−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−7−ジオキソラン−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリルのバイアルに、1mLの1N HClを添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌する。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4下で乾燥する。溶液を濾過し、濃縮する。残渣を、カラムクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/CH
2Cl
2)により精製して、15mgの2−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−AED)を灰白色の固体として提供する。
【0111】
例16:6−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸アミド(C−ADZ)
【化32】
ボロン酸、3,5,6,7−テトラヒドロベンゾイミダゾール−4−オン、およびCu塩を、バイアル中で合わせ、4mLのMeOHに溶解した。混合物を空気に開放しながら72時間、激しく撹拌した。LC−MS分析は、所望の生成物を標示した。混合物を、珪藻土を通して濾過し、濃縮した。SiO2カラムにアプライし、精製して(0〜10%MeOH/CH
2Cl
2)、所望の質量を含有する不純物画分を得た。SiO
2精製を0〜100%EtOac/ヘプタンで繰り返す。濃縮した生成物をSiO
2分取用プレートにアプライして、63.3mgの所望の中間体を得た。
【0112】
−
2mLのCH
2Cl
2中の62mg(0.17mmol)の6−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルに、1.0mL(1.00mmol)のジオキサン中1M HCl溶液を添加する。混合物を72時間撹拌すると、不均一にする。混合物を濃縮して、粗3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンをHCl塩として得る。
【0113】
60mg(0.20mmol)の3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イル)−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オンHCl塩を、DCMに懸濁する。これに、0.07mL(0.40mmol)のジ−イソプロピルエチルアミンおよび0.04mL(0.3mmol)のイソシアン酸トリクロロアセチルを添加する。混合物を、RTで1時間撹拌する。1mLのMeOH中1N KOHを添加し、終夜撹拌する。混合物を、Gilson Prep HPLCシステム(5%〜70%CH
3CN/H
2O)を介して直接的に精製する。純粋な画分の濃縮および塩基遊離によって、20.7mgの6−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸アミド(C−ADZ)を得た。
【0114】
例17:6−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン(C−AEG)
【化33】
【0115】
丸底フラスコに、10mLのDMF中の500mg(2.20mmol)の6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オンを添加した後、132mg(3.30mmol、60質量%)のNaHを添加する。反応混合物を、室温で30分間撹拌した後、625mg(4.40mmol)のMeIを添加する。反応混合物を、室温で18時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4下で乾燥する。溶液を濾過し、濃縮する。残渣を、カラムクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘプタン)により精製して、503mgの6−ブロモ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オンを白色固体として提供する。
【0116】
バイアルに、503mg(2.09mmol)の6−ブロモ−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン、625mg(4.17mmol)ヨウ化ナトリウム、および39.7mg(0.21mmol)のヨウ化銅(I)を添加する。これに、mLの1,4−ジオキサンを添加した後、29.7mg(0.21mmol)のtrans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミンを添加する。反応混合物を、110℃で18時間撹拌する。反応混合物を濃縮する。残渣をEtOAcに溶解し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4下で乾燥する。溶液を濾過し、濃縮する。残渣を、カラムクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘプタン)により精製して、570mgの6−ヨード−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オンを灰白色の固体生成物として提供する。
【0117】
369mg(1.28mmol)の6−ヨード−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン、208mg(1.28mmol)の6,6−スピロシクロプロピル−3,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−4−オン、836mg(2.57mmol)の炭酸セシウム、49mg(0.26mmol)のCuI、および38mg(0.26mmol)の8−ヒドロキシキノリンのバイアルに、7mLのDMSOを添加する。バイアルを密閉し、反応混合物を130℃で18時間撹拌する。追加の20mol%CuIおよびヒドロキシキノリンを添加する。混合物を150℃で8時間加熱する。混合物をRTに冷却し、18時間撹拌する。反応混合物を濾過し、50mLのEtOAcとH
2Oとの間で分配する。有機相を3×20mLの水および1×50mLのブラインで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。残渣をSiO
2分取用プレート(2mm)にアプライし、2.5%MeOH/CH
2Cl
2で溶出して、純粋ではなかった2つのバンドを得る。純粋でないバンドを合わせ、分取用プレートのSiO
2精製(50%アセトン/ヘキサン)を介して精製して、19.7mgの6−(5,5−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン(C−AEG)を得る。
【0118】
例18:2−クロロ−4−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−AEA)
【化34】
【0119】
バイアルに、15mLのMeOH中のイミダゾール、3−クロロ−4−シアノフェニルボロン酸、およびテトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスファートを添加した。反応混合物を空気に開放しながら室温で80時間撹拌した。反応混合物を濾過した。溶媒を濃縮した。残渣をカラムにロードした。カラムに対し0〜10%MeOH/CH
2Cl
2での溶出を行った。生成物の画分を採集して、位置異性体の混合物を得た。混合物をSiO
2分取用プレート(1mm)にアプライし、100%EtOAc(2×)で溶出して、61.1mgのC−AEAおよび15.9mgのカップリング生成物を得た。
【0120】
例19:4−(6,6−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−ADX)および4−(6−メチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−ADY)の合成
【0122】
−
−78℃で5mLの乾燥THF中の231mg(0.97mmol)の4−(7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−AAL)を含有するフラスコに、2.42mL(2.42mmol)のLHMDSを滴下添加する。混合物を30分間撹拌する。これに、0.12mL(1.95mmol)のMeIを添加する。混合物を、2時間にわたって加温させる。LC−MSは複数のピークを標示し、そのピークでは、モノメチル化種およびジメチル化種が特定された。混合物を、20mLの飽和NH
4Clでクエンチし、50mLのEtOAcで希釈し、2×20mLのH
2Oおよび1×20mLのブラインで洗浄する。有機相を、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮する。粗混合物をSiO
2カラムにアプライし、精製(40g、0〜100%EtOAc/ヘプタン)して、16.8mgの4−(6,6−ジメチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−ADX)および20mgの4−(6−メチル−7−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(C−ADY)を得た。
【0123】
表2に記載された方法を用いて、LCMSデータを測定する。表1の化合物についてのデータを、表3に示す。それらの鏡像異性体に分離された化合物を、鏡像異性体Aおよび鏡像異性体Bについての別々のエントリーで示す。最初の溶出を鏡像異性体A、例えばC−AAZ−Aと称し、2番目の溶出を鏡像異性体B、例えばC−AAZ−Bと称する。
【表3】
【0125】
生物活性の評価
カニクイザル副腎のミトコンドリアの調製
アルドステロンシンターゼおよびコルチゾールシンターゼの阻害アッセイでは、カニクイザル副腎腺のミトコンドリアを、アルドステロンシンターゼ(CYP11B2)およびコルチゾールシンターゼ(CYP11B1)の供給源として採用する。ミトコンドリアを、J.D. McGarry et al. (Biochem. J., 1983, 214, 21-28)によって記載されている方法Aに従って、凍結カニクイザル猿副腎腺から調製して、最終的にR. Yamaguchi et al.(Cell Death and Differentiation, 2007, 14, 616-624)に記載されているAT緩衝液中の再懸濁液とし、アリコートとして液体窒素中で凍結し、使用まで−80℃で保存する。これらの調製物中の1単位のCYP11B2およびCYP11B1の活性を、記載される条件下で1時間に1pmolの生成物を生成する酵素の量として定義する。
【0126】
アルドステロンシンターゼの阻害
本発明の化合物を、以下のアッセイにより、アルドステロンシンターゼの阻害について検討してもよい。
96ウェルフォーマット中、100mMのリン酸カリウム、pH7.4、1%(v/v)DMSO、および追加で2μMのコルチコステロンと50単位のCYP11B2活性とを含有する最終体積60マイクロL/ウェルで、アッセイを実施する。反応を、NADPHを1mMまで添加することによって開始し、37℃で90分間続行させる。反応を、質量分析の内部標準を含有する60μLのMeCNを添加することによって終了させる。次いで、100マイクロリットルをガラスフィルタープレートに移し、570×gで5分間遠心分離し、濾液を採集する。反応生成物のアルドステロンを、質量分析によって定量する。アッセイのブランク値(0%活性)を決定するために、いくつかの反応からNADPHを省く。
【0127】
様々な濃度で化合物を含めることによって、用量依存的な阻害を定量する。最大活性(100%)を、NADPHを含有するが化合物を含まない反応によって規定する。各濃度での活性を、最大活性(y軸)のパーセンテージとして表現し、化合物(x軸)の濃度に対してプロットし、4パラメーターロジスティックモデルを用いたXLFitカーブフィッティングプログラムを使用して、50%活性(IC
50)に対応する濃度を決定する。
【0128】
コルチゾール合成の阻害
150単位のCYP11B1、基質として11−デオキシコルチゾール、生成物としてのコルチゾールの測定を使用することを除いて、アルドステロンシンターゼでのように、アッセイを実施する。
本願発明の代表的な化合物を、上記のアッセイで活性について試験した。アルドステロンシンターゼ阻害アッセイにおいて、好適な化合物は、IC
50<1,000nMを有し、さらに好適な化合物は、IC
50<100nMを有する。好適な化合物は、コルチゾールシンターゼ(CYP11B1)の阻害を上回ってアルドステロンシンターゼの阻害に少なくとも100倍の選択性を有する。例として、表1由来の代表的な化合物のデータを、表4に示す。個々の鏡像異性体についてのデータを、鏡像異性体AおよびBについて別々のエントリーによって標示する。
【0130】
治療用途の方法
本発明に従って、式(I)の化合物を使用する新規の方法が提供される。本明細書に開示される化合物は、アルドステロンシンターゼを効率良く阻害する。アルドステロンシンターゼの阻害は、アルドステロンのレベルを低下させることによって軽減できる種々の疾患または状態を予防および治療するために、魅力のある手段である。そのため、本化合物は、以下の状態および疾患:
糖尿病性腎症を含む糖尿病性腎臓疾患;
糸球体硬化症、糸球体腎炎、IGA腎症、腎炎症候群、および巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を含む非糖尿病性腎臓疾患;
高血圧症、肺動脈性高血圧症、コン症候群、収縮期心不全、弛緩期心不全、左心室機能不全、左心室の硬化および線維症、左心室の充満異常、動脈硬化、粥状動脈硬化、および原発性または二次性の高アルドステロン症に関連する心血管の病的状態を含む心血管疾患;
副腎の過形成、ならびに原発性および二次性の高アルドステロン症
を含めて、背景技術の項に記載されるような疾患および状態の治療に有用である。
【0131】
これらの障害は、人間でよく特徴が明らかにされているが、他の哺乳動物にも同様の病因が存在し、本願発明の医薬組成物によって治療することができる。
したがって、本明細書に記載される実施形態のいずれかによる式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、アルドステロンシンターゼによって媒介される疾患または障害を治療するための薬物の調製に使用されることがあり、そのような疾患または障害としては、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、糸球体腎炎、IGA腎症、腎炎症候群巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、高血圧症、肺動脈性高血圧症、コン症候群、収縮期心不全、弛緩期心不全、左心室機能不全、左心室の硬化および線維症、左心室の充満異常、動脈硬化、粥状動脈硬化ならびに原発性または二次性の高アルドステロン症、副腎過形成、ならびに原発性および二次性の高アルドステロン症に関連する心血管の病的状態が挙げられる。
【0132】
治療用途のために、本発明の化合物は、任意の従来の方式で、任意の従来の医薬剤形の医薬組成物を介して投与されることがある。従来の剤形は、典型的には、選択される具体的な剤形に適した薬学的に許容される担体を含む。投与経路としては、以下に限定されないが、静脈内、筋肉内、皮下、滑膜内、輸液による、舌下、経皮、経口、局所、または吸入によるものが挙げられる。好適な投与様式は、経口および静脈内である。
【0133】
この発明の化合物は、単独で、または阻害剤の安定性を増強し、ある種の実施形態では、それらを含有する医薬組成物の投与を容易にし、溶解または分散の増加をもたらし、阻害活性を増加させ、補助療法をもたらすアジュバント、および他の活性成分を含めた成分との組合せで投与されることがある。一実施形態では、例えば、本願発明の複数の化合物を、投与することができる。好都合には、そのような組合せ療法は、より低い投薬量の従来の治療薬を利用し、それゆえ、それらの剤が単独療法として使用される際に被る可能性のある毒性および有害な副作用が回避される。本発明の化合物は、従来の治療薬または他のアジュバントと物理的に組み合わされて単一の医薬組成物とされることがある。好都合には、次いで、化合物は、単一の剤形で共に投与されることがある。一部の実施形態では、化合物のそのような組合せを含む医薬組成物は、少なくとも約5%の、しかしさらに好ましくは少なくとも約20%の式(I)の化合物またはその組合せ(w/w)を含有する。本発明の化合物の最適なパーセンテージ(w/w)は、様々であり得、当業者の認識範囲の内にある。あるいは、本願発明の化合物と従来の治療薬または他のアジュバントは、別々に(逐次的にまたは併行でのどちらかで)投与されてもよい。別々の用量投与によって、用量投与レジメンにさらに融通を利かせることが可能になる。
【0134】
上記に述べたように、この発明の化合物の剤形は、当業者に公知でありかつその剤形に適した薬学的に許容される担体およびアジュバントを含むことがある。これらの担体およびアジュバントとしては、例えば、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、緩衝基質、水、塩、または電解質、およびセルロースベース基質が挙げられる。好適な剤形としては、錠剤、カプセル、カプレット、液体、溶液、懸濁液、エマルジョン、菱形剤、シロップ、復元可能な粉末、顆粒、坐剤、および経皮パッチが挙げられる。そのような剤形を調製するための方法は、公知である[例えば、H.C. Ansel and N.G. Popovish,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 5th ed., Lea and Febiger (1990)を参照]。本願発明の化合物の投薬のレベルおよび要件は、特定の患者に適した利用可能な方法および手法から、当業者が選択することがある。一部の実施形態では、投薬レベルは、70kgの患者について約1〜1000mg/用量からに及ぶ。1日当たり1用量が十分であることがあるものの、1日当たり5用量まで与えられることがある。経口用量には、2000mg/日までが必要であることがある。当業者が認識するはずであるように、特定の要因に応じて、さらに低いかまたは高い用量が必要であることがある。例として、具体的な投薬および治療レジメンは、患者の全般的な健康のプロファイル、患者の障害またはそこへの傾向の重症度および経過、ならびに治療する医師の判断などの要因に依存するものとなる。