(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同じ水平面内に位置付けられ、第1の方向に順次配置されている第1の支持板と第2の支持板とカバー板とを含み、前記第1の支持板は減衰回転軸を用いて前記第2の支持板に枢着され、前記第2の支持板は前記カバー板に回転可能に接続され、前記カバー板に近く、且つ前記第2の支持板の上面である一端の縁部に底部支持体が配設され、前記第1の支持板と前記第2の支持板は、タブレットコンピュータの背面を支持し保護するように構成され、前記底部支持体は、前記タブレットコンピュータの側壁に取り外し可能に接続されるように構成され、前記カバー板上にキーボードが設置され、前記カバー板は、前記第1の支持板と前記第2の支持板を回転させ重ね合わせた後に前記タブレットコンピュータの前面を保護することができ、
前記減衰回転軸が軸スリーブと軸芯とを含み、前記軸スリーブ及び前記軸芯の一方は前記第1の支持板に相対的に固定され、前記軸スリーブ及び前記軸芯の他方は前記第2の支持板に相対的に固定され、前記軸スリーブは弾性材料製であり、前記軸スリーブの内壁の周りにベース円形円弧部及び可変直径円弧部が形成され、前記軸芯は前記ベース円形円弧部内で協働的にスリーブを付けられ、前記可変直径円弧部の半径は前記ベース円形円弧部の半径よりも小さく、前記軸芯の外円面上であり前記可変直径円弧部に適合する位置に平坦位置が形成され、
前記平坦位置の各平坦位置面と前記軸芯の前記外円面との間の角部に円弧形状の面取り部が配設されている、タブレットコンピュータ用保護ケース。
2つの可変直径円弧部があり、前記2つの可変直径円弧部は前記軸スリーブの中心軸を対称軸として用いて対称に配設され、前記軸芯の前記外円面に2つの平坦位置が形成され、前記2つの平坦位置は、前記2つの可変直径円弧部と1対1に対応している、請求項1に記載のタブレットコンピュータ用保護ケース。
複数の減衰回転軸があり、前記複数の減衰回転軸は前記第1の支持板が前記第2の支持板に接続されている一端の縁部に均等に配設され、前記複数の減衰回転軸の回転軸は同一線上にある、請求項1に記載のタブレットコンピュータ用保護ケース。
2つの減衰回転軸があり、前記2つの減衰回転軸は前記第1の支持板が前記第2の支持板に接続されている一端の2つの端部に対称に配設され、前記2つの減衰回転軸の回転軸は同一線上にある、請求項1に記載のタブレットコンピュータ用保護ケース。
2つの隣接する減衰回転軸の間に遮断軸が配設され、前記遮断軸は前記第1の支持板と前記第2の支持板との間の隙間を遮断するように構成され、前記遮断軸の2つの端部は前記2つの隣接する減衰回転軸の軸芯に接続されている、請求項4又は5のいずれか一項に記載のタブレットコンピュータ用保護ケース。
前記遮断軸の前記2つの端部の端面に接続穴が開口され、前記2つの隣接する減衰回転軸の前記軸芯の各々の一端であり、且つ前記遮断軸に近い一端は、外向きに延出し、前記接続穴に嵌合する、請求項6に記載のタブレットコンピュータ用保護ケース。
前記タブレットコンピュータの前記側壁は磁性材料製であり、前記底部支持体に磁石が固定され、前記タブレットコンピュータの前記側壁は前記底部支持体に引き付けられる、請求項14に記載のツーインワンコンピュータ。
【背景技術】
【0003】
消費需要が変化するにつれて、消費者は、軽さ、薄さ、及び可搬性に関するより良いモバイル体験、並びに優れた生産性及び個別化された機能のサポートを得ることを期待する。多数のパーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)製品の中から選択されている間に、軽さ、薄さ、可搬性、及び適切な構成の特徴を有するツーインワン・コンピュータが、パーソナルコンピュータ市場において新しい傾向になりつつある。現在、市場に出ているツーインワン・コンピュータには、おおまかに言って次のカテゴリがある。
【0004】
第1のカテゴリには、プラガブル・ツーインワン・コンピュータが含まれる。例えば、
図1は、従来技術におけるツーインワン・プラガブル・ツーインワン・コンピュータを示す。
図1を参照すると、ツーインワン・プラガブル・ツーインワン・コンピュータは、タブレット・ホスト011とキーボード012とを含む。キーボード012の一端の縁部は、減衰回転軸013を用いて接続片014に枢着されている。接続片014にはクランピングフック015が配置されている。タブレット・ホスト011には、クランピングフック015と協働することができる溝(図示せず)が配置されている。クランピングフック015が溝に協働的に引っ掛かると、キーボード012とタブレット・ホスト011は一体化され、ツーインワン・コンピュータはこの場合ノートブックコンピュータ・モードになる。溝がクランピングフック015から外れると、ツーインワン・コンピュータはタブレットコンピュータ・モードに切り替わることができる。しかし、
図1に示すツーインワン・コンピュータがノートブックコンピュータ・モードにあるとき、タブレット・ホスト011上の支点は比較的低く、重心は比較的高く、タップされたときに画面が揺れる。したがって、キーボード012によるタブレット・ホスト011の支持安定性は比較的悪く、ユーザ体験は比較的悪い。
【0005】
第2のカテゴリには、ツーインワン・フリップ・ツーインワン・コンピュータが含まれる。例えば、
図2は従来技術におけるツーインワン・フリップ・ツーインワン・コンピュータを示す。
図2を参照すると、ツーインワン・フリップ・ツーインワン・コンピュータは、表示画面021とキーボード022とを含む。表示画面021は、減衰回転軸023を用いてキーボード022に枢着されている。減衰回転軸023は、表示画面021をキーボード022に対して0°〜360°回転させることを可能にし得る。したがって、
図2に示すように、表示画面021がキーボード022に対して起立状態にあるとき、ツーインワン・コンピュータはノートブックコンピュータ・モードにある。
図3に示すように、表示画面021を360°反転させてキーボード022に半分に折り畳むと、ツーインワン・コンピュータはタブレットコンピュータ・モードに切り替わることができる。ただし、キーボード022を表示画面021から切り離すことはできず、タブレットコンピュータ・モードではキーボード022と表示画面021はツーインワン・コンピュータを半分に折り畳んで使用する必要がある。そのため、タブレットコンピュータ・モードでの使用の可搬性、軽さ、及び薄さの体験は望ましくない。
【0006】
第3のカテゴリには、ツーインワン・スライダ・ツーインワン・コンピュータが含まれる。例えば、
図4は、従来技術におけるツーインワン・スライダ・ツーインワン・コンピュータを示す。
図4を参照すると、ツーインワン・スライダ・ツーインワン・コンピュータは、表示画面031と、表示画面031の背面に設置されたキーボード032とを含む。スライド033は、(
図6に示されるように)表示画面031の背面に設計されている。ツーインワン・コンピュータがタブレットコンピュータ・モードからノートブックコンピュータ・モードに切り替わるように、表示画面は、最初にスライド033を使用して(
図5に示すように)後方に水平に押され、次に適切な角度を成すように持ち上げられ(
図6に示すように)、減衰回転軸を使用することによって効果的に支持される。つまり、
図6に示すように、表示画面031が押されると、ツーインワン・コンピュータはノートブックコンピュータ・モードになる。
図4に示すように、表示画面がキーボードと水平に重なると、ツーインワン・コンピュータはタブレットコンピュータ・モードに切り替わる。しかし、スライドは比較的大きな構造的空間に設置される必要があり、機械全体は十分に軽くも薄くもない。また、キーボードを表示画面から切り離すことはできず、タブレットコンピュータ・モードでは、表示画面がキーボードと水平方向に重なった後にキーボードと表示画面を使用する必要がある。そのため、タブレットコンピュータ・モードでの使用の可搬性、軽さ、及び薄さの体験は望ましくない。
【0007】
第4のカテゴリには、支持型ツーインワン・コンピュータが含まれる。例えば、
図7及び
図8は、従来の支持型ツーインワン・コンピュータを示す。
図7及び
図8を参照すると、支持型ツーインワン・コンピュータは、キーボード042とタブレット・ホスト041と支持体043とを含む。タブレット・ホスト041は、磁気ストライプを使用することによってキーボード042に引き付けられ、又はキーボード042から分離され、それによってツーインワン・コンピュータは、ノートブックコンピュータ・モードとタブレットコンピュータ・モードとの間で自由に切り替わる。支持体043は、タブレット・ホスト041の外面上に構築され、減衰回転軸を使用することによってタブレット・ホスト041に枢着されている。タブレット・ホスト041は、支持体043を回転させることによって効果的に支持することができる。しかし、支持体043はタブレット・ホスト041に内蔵されているため、タブレット・ホスト041は比較的大きな構造空間を必要とし、タブレットコンピュータ・モードにおける軽さ及び薄さの体験は望ましくない。更に、この設計は、タブレット・ホスト041の背面の清浄度及び均一性を損ない、タブレット・ホストの良好な外観に影響を与える。また、タブレット・ホスト041の背面は直接露出しており、この背面を効果的に保護するための保護構造が必要となる。
【0008】
結論として、市場に出ている現在のツーインワン・コンピュータは、次のようなデメリットを有する。1.ノートブックコンピュータ・モードでは、タブレット・ホストの支点が比較的低く、重心は比較的高く、支持安定性が比較的悪い。2.タブレットコンピュータ・モードにおける使用の可搬性、軽さ及び薄さの体験度は比較的低い。3.外部清浄度は比較的低く、ツーインワン・コンピュータは美的ではない。4.タブレット・ホストが保護されていない。
【発明の概要】
【0009】
本出願の実施形態は、タブレットコンピュータ用保護ケース及びツーインワン・コンピュータを提供し、それによってタブレットコンピュータをノートブックコンピュータ・モードで安定して支持することができ、タブレットコンピュータ・モードにおける使用の可搬性、軽さ及び薄さの体験度を改善することができ、ツーインワン・コンピュータの外部清浄性及び均一性も改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するために、本出願の実施形態では、以下の技術的解決策が使用される。
【0011】
第1の態様によれば、本出願は、同じ水平面内に位置付けられ、且つ第1の方向に順次配置されている第1の支持板と第2の支持板とカバー板とを含み、第1の支持板は減衰回転軸を用いて第2の支持板に枢着され、第2の支持板はカバー板に回転可能に接続され、カバー板に近く、且つ第2の支持板の上面である一端の縁部に底部支持体が配設され、第1の支持板と第2の支持板は、タブレットコンピュータの背面を支持し保護するように構成され、底部支持体は、タブレットコンピュータの側壁に取り外し可能に接続されるように構成され、カバー板上にキーボードが設置され、カバー板は、第1の支持板及び第2の支持板を回転させ重ね合わせた後にタブレットコンピュータの前面を保護するように構成することができるタブレットコンピュータ用保護ケースを提供する。
【0012】
タブレットコンピュータ用であり、本出願のこの実施形態で提供される保護ケースの場合、前面を上に向け、背面を下に向けたタブレットコンピュータを第1の支持板及び第2の支持板に置き、底部支持体に接続した後、タブレットコンピュータの前面及び背面を効果的に保護するために、カバー板は、タブレットコンピュータの前面を覆うために180°上方に反転されてもよい。タブレットコンピュータがノートブックコンピュータ・モードに切り替わると、カバー板は水平なデスクトップ上に置かれ、第2の支持板はカバー板に対して第1の角度だけ上方に反転し、第1の支持板は第2の支持板に対して第2の角度だけ下方に反転し、第1の支持板の端部であって第2の支持板から遠く離れている端部の縁部は水平なデスクトップと接触し、タブレットコンピュータの背面を支持するためのAフレームを形成する。更に、底部支持体はタブレットコンピュータの下端部を支持する。従来技術と比較して、本出願では、ノートブックコンピュータ・モードにおいて、底部支持体はタブレットコンピュータの背面に接続され、タブレットコンピュータの背面はAフレームを使用することによって支持される。タブレットコンピュータの下端部のみが支持される従来技術の解決策と比較して、本出願はより高い安定性を有する。タブレットコンピュータ・モードに切り替えるには、タブレットコンピュータを保護ケースから取り出す必要があるのみである。従来技術と比較して、本出願では、タブレットコンピュータ・モードにおいて、タブレットコンピュータの使用の可搬性、軽さと薄さの体験度は比較的望ましい。また、本出願では、タブレットコンピュータは保護ケースを用いて支持される。したがって、タブレットコンピュータの背面に支持体を追加的に配設する必要はなく、タブレットコンピュータ・モードにおける外部清浄性及び均一性が比較的高い。
【0013】
第1の態様を参照すると、第1の態様の第1の任意選択的実装形態では、減衰回転軸は軸スリーブと軸芯とを含み、軸スリーブと軸芯の一方は第1の支持板に相対的に固定され、軸スリーブと軸芯の他方は第2の支持板に相対的に固定され、軸スリーブは弾性材料製であり、軸スリーブの内壁の周りにベース円形円弧部及び可変直径円弧部が形成され、軸芯はベース円形円弧部内で協働的にスリーブを付けられ、可変直径円弧部の半径はベース円形円弧部の半径よりも小さく、軸芯外円面上で可変直径円弧部に適合する位置に平坦位置が形成される。このようにして、軸芯が軸スリーブ内でスリーブを付けられ、軸スリーブに対して回転すると、軸芯の外円面が軸スリーブの内壁の可変直径円弧部と接触してこれを押し、それによって軸スリーブが径方向外側に延出して弾性収縮力を発生し、軸芯を把持して軸芯に回転減衰力を作用させる。したがって、減衰効果が達成される。この構造における減衰回転軸は、減衰構造体を追加的に配設する必要なしに、軸芯及び軸スリーブの構造設計のみに依存して減衰効果を達成することができる。したがって、構造が単純で、サイズが比較的小さく、軽くて薄い保護ケースの設計の実施を容易にする。
【0014】
第1の態様の第1の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第2の任意選択的実装形態では、2つの可変直径円弧部があり、2つの可変直径円弧部は軸スリーブの中心軸を対称軸として用いて対称に配設され、軸芯の外円面に2つの平坦位置が形成され、2つの平坦位置は2つの可変直径円弧部と1対1に対応している。このように、2つの対称に配設された可変直径円弧部を使用することによって、軸芯が軸スリーブ内で回転した後に軸芯の中心軸の位置がずれることを防止することができる。更に、2つの対称に配設された可変直径円弧部は、軸芯が軸スリーブ内で回転するときに軸スリーブの内壁に対する軸芯の干渉の強度を高め、軸芯が軸スリーブ内で回転するときに生じる減衰力を高めることができるため、保護ケースはノートブックコンピュータ・モードにおいて大きな角度でタブレットコンピュータを安定して支持することができる。
【0015】
第1の態様の第1又は第2の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第3の任意選択的実装形態では、平坦位置の各平坦位置面と軸芯の外円面との間の角部に円弧形状の面取り部が配設される。このようにして、軸芯は軸スリーブ内で連続的に回転することができるため、Aフレームは支持角度を無段階に調整することができる。
【0016】
第1の態様の第1又は第2の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第4の任意選択的実装形態では、軸スリーブの側壁に弾性切欠きが開口し、弾性切欠きは軸スリーブの軸穴と連通し、弾性切欠きは軸スリーブの2つの端面を通って延出する。このように、弾性切欠きを用いることにより、軸スリーブの弾性を向上させることができる。これにより、軸芯と軸スリーブとの間の摩耗が減少する。
【0017】
第1の態様の第1の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第5の任意選択的実装形態では、複数の減衰回転軸があり、複数の減衰回転軸は、第1の支持板が第2の支持板に接続されている一端の縁部に均等に配設され、複数の減衰回転軸の回転軸は同一線上にある。このように、複数の減衰回転軸を用いることによって第1の支持板と第2の支持板との接続の安定性が確保され、減衰回転軸を比較的短い長さで製作することができ、加工中に減衰回転軸の軸芯の同軸度が容易に確保される。したがって、軸芯の加工難易度は比較的低く、減衰回転軸の組付難易度は比較的低い。
【0018】
第1の態様の第1の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第6の任意選択的実装形態では、2つの減衰回転軸があり、2つの減衰回転軸は、第1の支持板が第2の支持板に接続されている縁部の2つの端部で対称に配設され、2つの減衰回転軸の回転軸は同一線上にある。このように、2つの減衰回転軸を用いることによって第1の支持板と第2の支持板との接続の安定性が確保され、減衰回転軸を比較的短い長さで製作することができ、加工中に減衰回転軸の軸芯の同軸度が容易に確保される。したがって、軸芯の加工難易度は比較的低く、減衰回転軸の組付難易度は比較的低い。
【0019】
第1の態様の第5又は第6の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第7の任意選択的実装形態では、2つの隣接する減衰回転軸の間に遮断軸が配設され、遮断軸は、第1の支持板と第2の支持板との間の隙間を遮断するように構成され、遮断軸の2つの端部は、2つの隣接する減衰回転軸の軸芯に接続される。このように、第1の支持板と第2の支持板との間の隙間は遮断軸を用いて遮断される。これにより、保護ケースの良好な外観を確保する。遮断軸は、軸芯にしっかりと又は回転可能に接続されてもよい。これは本明細書において特に限定されない。
【0020】
第1の態様の第7の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第8の任意選択的実装形態では、遮断軸の2つの端部の端面に接続穴が開口され、2つの隣接する減衰回転軸の各軸芯の一端であって遮断軸に近い一端は、外向きに延出し、接続穴に嵌合する。このように、遮断軸が軸芯に接続されるとき、軸芯は、複雑な接続作業なしに、接続穴内でのみスリーブを付ける必要がある。そのため、設置工程及び取り外し工程が単純であり、効率が比較的高い。
【0021】
第1の態様を参照すると、第1の態様の第9の任意選択的実装形態では、第1の方向において第1の支持板の幅は第2の支持板の幅と等しい。これにより、第1の支持板及び第2の支持板によって形成されるAフレームは、支持角度の比較的大きい調整範囲を有することができ、第1の支持板及び第2の支持板によってAフレームが形成された後に得られる床面積も狭めることができる。
【0022】
第1の態様の第1の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第10の任意選択的実装形態では、螺旋状の潤滑油溝が軸芯の側壁の周りに開口し、潤滑油溝は軸芯の一端から軸芯の他端に延出する。螺旋状の潤滑油溝が油貯留及び潤滑の役割を果たす場合、軸芯と軸スリーブとの間の摩擦によって発生した屑を潤滑油溝に沿って排出することができ、それによって屑による潤滑油溝の遮断によって引き起こされる潤滑不良を回避し、その結果、減衰回転軸の寿命が延びる。
【0023】
第1の態様の第1の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第11の任意選択的実装形態では、軸芯と軸スリーブの両方が高炭素鋼製である。高炭素鋼は、比較的高い硬度及び比較的望ましい耐摩耗性を有する。これにより、減衰回転軸の寿命を延ばすことができる。
【0024】
第1の態様の第1の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第12の任意選択的実装形態では、軸芯はコンピュータ数値制御機械マシニングセンタによって加工され成形される。コンピュータ数値制御機械マシニングセンタは比較的高い成形精度を有する。これにより、軸芯の寸法精度を確保することができる。
【0025】
第1の態様の第1の任意選択的実装形態を参照すると、第1の態様の第13の任意選択的実装形態では、軸スリーブは金属射出成形によって一体成形される。金属射出成形は比較的高い成形精度を有する。これにより、軸スリーブの寸法精度を確保することができる。
【0026】
第2の態様によれば、本出願は、タブレットコンピュータと、キーボードと、保護ケースとを含むツーインワン・コンピュータを提供し、保護ケースは、前述の技術的解決策のうちのいずれか1つによるタブレットコンピュータ用保護ケースであり、タブレットコンピュータの背面は保護ケースの第1の支持板及び第2の支持板に支持され、タブレットコンピュータの側壁は保護ケースの底部支持体に取り外し可能に接続され、キーボードは保護ケースのカバー板上に設置される。
【0027】
本出願のこの実施形態で提供されるツーインワン・コンピュータでは、保護ケースのカバー板は、タブレットコンピュータの前面を覆うように反転され、タブレットコンピュータの前面及び背面を効果的に保護する。タブレットコンピュータがノートブックコンピュータ・モードに切り替わると、カバー板は水平なデスクトップ上に置かれ、第2の支持板はカバー板に対して第1の角度だけ上方に反転し、第1の支持板は第2の支持板に対して第2の角度だけ下方に反転し、第1の支持板の端部であって第2の支持板から遠く離れている端部の縁部は水平なデスクトップと接触し、タブレットコンピュータの背面を支持するためのAフレームを形成する。更に、底部支持体はタブレットコンピュータの下端部を支持する。従来技術と比較して、本出願では、ノートブックコンピュータ・モードにおいて、底部支持体はタブレットコンピュータの背面に接続され、タブレットコンピュータの背面はAフレームを使用することによって支持される。タブレットコンピュータの下端部のみが支持される従来技術の解決策と比較して、本出願はより高い安定性を有する。タブレットコンピュータ・モードに切り替えるには、タブレットコンピュータを保護ケースから取り出す必要があるのみである。従来技術と比較して、本出願では、タブレットコンピュータ・モードにおいて、タブレットコンピュータの使用の可搬性、軽さと薄さの体験度は比較的望ましい。また、本出願では、タブレットコンピュータは保護ケースを用いて支持される。したがって、タブレットコンピュータの背面に支持体を追加的に配設する必要はなく、タブレットコンピュータ・モードにおける外部清浄性及び均一性が比較的高い。
【0028】
第2の態様を参照すると、第2の態様の第1の任意選択的実装形態では、タブレットコンピュータの側壁は磁性材料製であり、底部支持体に磁石が固定され、タブレットコンピュータの側壁は底部支持体に引き付けられる。このようにして、底部支持体とタブレットコンピュータとの間の取り外し可能な接続が実施される。タブレットコンピュータの側壁に接続構造を配設する必要なしに、磁性材料がタブレットコンピュータの側壁の材料として選択されるならば、取り外し可能な接続方法が利用可能である。そのため、必要な構造スペースが小さく、タブレットコンピュータの体積の削減が容易になる。更に、タブレットコンピュータの側壁に接続構造が配設される必要はない。これにより、タブレットコンピュータの外部清浄性が確保される。
【0029】
以下、実施形態又は従来技術を説明するのに必要な添付図面について簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】従来技術における第1のツーインワン・コンピュータの概略構造図である。
【
図2】従来技術におけるノートブックコンピュータ・モードの第2のツーインワン・コンピュータの概略構造図である。
【
図3】タブレットコンピュータ・モードの
図2に示すツーインワン・コンピュータの概略構造図である。
【
図4】従来技術におけるタブレットコンピュータ・モードの第3のツーインワン・コンピュータの概略構造図である。
【
図5】表示画面が押されたときの
図4に示すツーインワン・コンピュータの概略構造図である。
【
図6】ノートブックコンピュータ・モードの
図4に示すツーインワン・コンピュータの概略構造図である。
【
図7】従来技術における第4のツーインワン・コンピュータの概略構造図である。
【
図8】
図7に示すツーインワン・コンピュータの側面の概略構造図である。
【
図9】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースの概略構造図である。
【
図10】本出願の実施形態に従ってタブレットコンピュータ用保護ケースがタブレットコンピュータを保護する概略構造図である。
【
図11】本出願の実施形態に従ってタブレットコンピュータ用保護ケースがタブレットコンピュータを支持するように構成されている第1の概略構造図である。
【
図12】本出願の実施形態に従ってタブレットコンピュータ用保護ケースがタブレットコンピュータを支持するように構成されている第2の概略構造図である。
【
図13】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケース内の減衰回転軸の概略構造図である。
【
図14】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおける軸スリーブと軸芯との間の協働の概略構造図である。
【
図15(a)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケース内の軸芯の概略構造図である。
【
図15(b)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケース内の軸スリーブの概略構造図である。
【
図16】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケース内の軸芯の断面形状の概略図である。
【
図17(a)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して0°回転している概略構造図である。
【
図17(b)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して10°回転している概略構造図である。
【
図17(c)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して20°回転している概略構造図である。
【
図17(d)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して40°回転している概略構造図である。
【
図17(e)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して60°回転している概略構造図である。
【
図17(f)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して90°回転している概略構造図である。
【
図17(g)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して120°回転している概略構造図である。
【
図17(h)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して140°回転している概略構造図である。
【
図17(i)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して160°回転している概略構造図である。
【
図17(j)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して170°回転している概略構造図である。
【
図17(k)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて軸芯が軸スリーブに対して180°回転している概略構造図である。
【
図18】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおいて、減衰回転軸の摩擦トルクと軸スリーブに対して軸芯が回転する角度αとの関係を示す折れ線グラフである。
【
図19】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおける減衰回転軸と遮断軸との組み合わせ構造の概略図である。
【
図20(a)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおける減衰回転軸の第1の接続板、軸芯、及び軸スリーブの組付構造の概略図である。
【
図20(b)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおける減衰回転軸の第1の接続板、軸芯、軸スリーブ、第2の接続板及び接続軸スリーブの概略構造図である。
【
図20(c)】本出願の実施形態に従ってタブレットコンピュータ用保護ケースにおける減衰回転軸の第1の接続板、軸芯、軸スリーブ、第2の接続板及び接続軸スリーブを組み付けた後の概略構造図である。
【
図20(d)】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケース内の減衰回転軸及び遮断軸の概略構造図である。
【
図21】本出願の実施形態に従ってタブレットコンピュータ用保護ケースにおける減衰回転軸と遮断軸とを組み付けた後の概略構造図である。
【
図22(a)】
図21に示す減衰回転軸と遮断軸とを組み付けた後に得られる第1の支持板と部品の概略構造図である。
【
図22(b)】
図22(a)に示す減衰回転軸と遮断軸とを組み付け、第1の支持板を組み付けた後に得られる部品の後の概略構造図である。
【
図22(c)】第2の支持板と、
図22(b)に示す減衰回転軸、遮断軸及び第1の支持板を組み付けた後に得られる部品との概略構造図である。
【
図22(d)】
図22(c)に示す減衰回転軸、遮断軸及び第1の支持板を組み付け、且つ第2の支持板を組み付けた後に得られる部品の後の概略構造図である。
【
図23】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケース内にある第1の接続板、第1の支持板、リベット、装飾板、及び軟質材料層の概略構造図である。
【
図24】本出願の実施形態に従ってタブレットコンピュータ用保護ケース内の第1の支持板が第2の支持板と同じ角度だけ回転する場合の、第1の支持板の幅が第2の支持板の幅よりも短いときのAフレームの支持角度θ1と、第1の支持板の幅が第2の支持板の幅と等しいときのAフレームの支持角度θ2との比較図である。
【
図25】本出願の実施形態に従ってタブレットコンピュータ用保護ケース内の第1の支持板が第2の支持板に対して回転して同じ支持角度θを形成する場合の、第1の支持板の幅が第2の支持板の幅よりも長いときのAフレームの床長さL1と、第1の支持板の幅が第2の支持板の幅と等しいときのAフレームの床長さL2との比較図である。
【
図26】本出願の実施形態によるタブレットコンピュータ用保護ケースにおける軸芯及び軸芯上の潤滑油溝の概略構造図である。
【
図27】本出願の実施形態によるツーインワン・コンピュータ内にあるタブレットコンピュータと底部支持体との接続構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下は本出願の実施形態における技術的解決策を、本出願の実施形態における添付の図面を参照しながら説明する。
【0032】
本出願の説明において、「中央」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「縦」、「横」、「天」、「底」、「内側」、「外側」等の用語で示される方向又は位置関係は、添付の図面に示される方向又は位置関係に基づくものであり、単に本出願を説明し、説明を簡略化することを意図したものであり、装置又は要素が特定の方向を有する、又は特定の方向に形成及び操作されるべきであることを示す、又は暗示することは意図しておらず、したがって本出願に対する限定として理解されるべきではない。
【0033】
なお、本出願の説明において、他に特定され明示的に限定されない限り、「設置」及び「接続」という用語は一般的な方法で理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能接続、当接接続、又は統合接続であり得る。当業者は、特定の状況に従って本出願における用語の特定の意味を理解し得る。
【0034】
本出願の一実施形態は、タブレットコンピュータ用保護ケース100を提供する。
図9を参照すると、タブレットコンピュータ用保護ケース100は、同じ水平面内に位置付けられ、且つ第1の方向Nに順次配置されている第1の支持板101と第2の支持板102とカバー板103とを含む。第1の支持板101は減衰回転軸104を用いて第2の支持板102に枢着され、第2の支持板102はカバー板103に回転可能に接続され、カバー板103に近く、且つ第2の支持板102の上面である一端の縁部に底部支持体105が配設され、第1の支持板101及び第2の支持板102は、タブレットコンピュータの背面を支持し保護するように構成され、底部支持体105は、タブレットコンピュータの側壁に取り外し可能に接続されるように構成され、カバー板103上にキーボード106が設置され、カバー板103は、(
図10に示すように)第1の支持板101及び第2の支持板102を回転させ重ね合わせた後に、タブレットコンピュータ200の前面を保護するように構成することができる。
【0035】
タブレットコンピュータ用であり、本出願のこの実施形態で提供される保護ケース100の場合、前面を上に向け、背面を下に向けたタブレットコンピュータ200を第1の支持板101及び第2の支持板102に置き、底部支持体105に接続した後、タブレットコンピュータ200の前面及び背面を効果的に保護するために、カバー板103は、タブレットコンピュータ200の前面を覆うために180°上方に反転されてもよい。カバー板103を反転した後の状態を
図10に示す。タブレットコンピュータ200がノートブックコンピュータ・モードに切り替わると、
図11に示すように、カバー板103は水平なデスクトップ(図示せず)上に置かれてもよく、第2の支持板102はカバー板103に対して第1の角度θだけ上方に反転し、第1の支持板101は第2の支持板102に対して第2の角度αだけ下方に反転し、第1の支持板101の端部であって第2の支持板102から遠く離れている端部の縁部は水平なデスクトップと接触し、タブレットコンピュータ200の背面を支持するためのAフレームを形成する。また、
図12に示すように、底部支持体105はタブレットコンピュータ200の下端部を支持する。従来技術と比較して、本出願では、ノートブックコンピュータ・モードにおいて、
図12に示すように、底部支持体105はタブレットコンピュータ200の下端部に接続され、タブレットコンピュータ200の背面はAフレームを使用することによって支持される。タブレットコンピュータ200の下端部のみが支持される従来技術の解決策と比較して、本出願はより高い安定性を有する。タブレットコンピュータ・モードに切り替えるには、タブレットコンピュータ200を保護ケース100から取り出す必要があるのみである。従来技術と比較して、本出願では、タブレットコンピュータ・モードにおいて、タブレットコンピュータ200の使用の可搬性、軽さと薄さの体験度は比較的望ましい。また、本出願では、タブレットコンピュータ200は保護ケース100を用いて支持される。したがって、タブレットコンピュータ200の背面に支持体を追加的に配設する必要はなく、タブレットコンピュータ・モードにおける外部清浄性及び均一性が比較的高い。
【0036】
前述の実施形態では、
図11に示すように、第1の角度θは、Aフレームの支持角度である。ノートブックコンピュータ・モードに対応するために、任意選択的に第1の角度θの値の範囲は20°〜70°であり、第2の角度αの値の範囲は40°〜140°である。
【0037】
図9に示す実施形態では、第2の支持板102とカバー板103との回転可能な接続を実施するために、第2の支持板102とカバー板103との間に回転軸が接続されてもよく、又は第2の支持板102とカバー板103は軟質材料で覆われてもよい。第2の支持板102とカバー板103との回転可能な接続は、軟質材料の折り目を使用することによって実施される。これは本明細書において特に限定されない。第2の支持板102とカバー板103との回転可能な接続が、第2の支持板102及びカバー板103を覆う軟質材料の折り目を使用して実施される場合、軟質材料は革又は布であり得る。これは本明細書において特に限定されない。
【0038】
図9に示す実施形態では、減衰回転軸104の特定の構造は、以下の2つの任意選択的実装形態を含み得る。
【0039】
第1の任意選択的実装形態では、減衰回転軸は軸スリーブと弾性材料と軸芯とを含み、弾性材料は軸スリーブの内壁の周りに取り付けられ、軸芯は弾性材料に対してしっかりと押し付けられ、軸スリーブ内で協働的にスリーブを付けられる。減衰回転軸の構造において、弾性材料は変形により軸芯に把持力を及ぼし、軸芯が軸スリーブ内で回転しないようにしている。したがって、減衰効果が達成される。構造は単純であり、実施は容易である。
【0040】
第2の任意選択的実装形態では、
図13を参照すると、減衰回転軸104は軸スリーブ1041と軸芯1042とを含み、軸スリーブ1041と軸芯1042の一方は第1の支持板101に相対的に固定され、軸スリーブ1041と軸芯1042の他方は第2の支持板102に相対的に固定され、軸スリーブ1041は弾性材料製である。また、
図15(b)に示すように、軸スリーブ1041の内壁の周りには、ベース円形円弧部aと可変直径円弧部bとが形成されており、軸芯1042は、ベース円形円弧部a内で協働的にスリーブを付けられ、可変直径円弧部bの半径は、ベース円形円弧部aの半径よりも小さい。
図15(a)に示すように、軸芯1042の外円面であって可変直径円弧部bに適合する位置に平坦位置cが形成されている。このようにして、軸芯1042は(
図14に示すように)軸スリーブ1041内でスリーブを付けられ、軸スリーブ1041に対して回転すると、軸芯1042の外円面が軸スリーブ1041の内壁の可変直径円弧部bと接触してこれを押し、それによって軸スリーブ1041が径方向外側に延出して弾性収縮力を発生し、軸芯1042を把持して軸芯1042に回転減衰力を作用させる。したがって、減衰効果が達成される。この構造における減衰回転軸104は、別の構造を追加的に配設する必要なしに、軸芯1042及び軸スリーブ1041の構造設計のみに依存して減衰効果を達成することができる。したがって、構造が単純で、サイズが比較的小さく、軽くて薄い保護ケース100の設計の実施を容易にする。
【0041】
なお、前述の実施形態において、ベース円形円弧部aの半径は、ベース円形円弧部a上の一点と軸スリーブ1041の中心軸との間の距離である。例えば、軸芯の半径が0.95mmである場合、ベース円形円弧部aの半径は0.96mmであるため、軸芯はベース円形円弧部に適合することができる。可変直径円弧部bの半径は、可変直径円弧部b上の一点と軸スリーブ1041の中心軸との間の距離である。例えば、可変直径円弧部bの半径は0.82mmであってもよく、この場合、軸芯は可変直径円弧部bに適合して6kgf.cmの摩擦トルクを発生する。
【0042】
可変直径円弧部bの数は、1個、2個、3個等であってもよい。これは本明細書において特に限定されない。それに対応して、軸芯1042上の平坦位置cの数は、1個、2個、3個等であり得る。これは本明細書において特に限定されない。しかしながら、軸芯1042が軸スリーブ1041内で回転した後に軸芯1042の中心軸の位置がずれることを防止し、軸芯1042が軸スリーブ1041内で回転するときに生じる減衰力を増加させるために、任意選択的に2つの可変直径円弧部bがあり、2つの可変直径円弧部bは、軸スリーブ1041の中心軸を対称軸として用いて対称に配置される。
図15(a)に示すように、軸芯1042の外円面には2つの平坦位置cが形成されており、2つの平坦位置cと2つの可変直径円弧部bとは1対1に対応している。このように、対称に配設された2つの可変直径円弧部bを使用することによって、軸芯1042が軸スリーブ1041内で回転した後に軸芯1042の中心軸の位置がずれることを防止することができる。更に、2つの対称に配設された可変直径円弧部bは、軸スリーブ1041に対して軸芯1042が軸スリーブ1041内で回転するときに軸スリーブ1041の内壁に対する軸芯1042の干渉の強度を増大させ、軸芯1042が軸スリーブ1041内で回転するときに発生する減衰力を増大させることができるため、保護ケース100は、ノートブックコンピュータ・モードにおいてタブレットコンピュータ200を大きな角度で安定して支持することができる。加えて、可変直径円弧部bの特定の数は比較的少なく、軸スリーブ1041は比較的低い構造上の複雑さを有する。
【0043】
また、第1の支持板101及び第2の支持板102で形成されるAフレームが支持角度を無段階に調整することを可能にするために、任意選択で上向き傾斜円弧部dと下向き傾斜円弧部eを軸スリーブ1041の内穴の周囲における可変直径円弧部bの2つの端部にそれぞれ配設し、上向き傾斜円弧部dの半径は、ベース円形円弧部aの半径から可変直径円弧部bの半径まで徐々に減少し、下向き傾斜円弧部eの半径は、可変直径円弧部bの半径からベース円形円弧部aの半径まで徐々に増加する。したがって、上向き傾斜円弧部d及び下向き傾斜円弧部eを用いることにより、軸芯1042が軸スリーブ1041内で回転する際に発生する干渉強度の変化の連続性が向上し、第1の支持板101及び第2の支持板102によって形成されたAフレームは、支持角度(
図11のθ)の双方向無段階調整を支持する。第1の支持板101及び第2の支持板102で形成されるAフレームが一方向で無段階に支持角度を調整できるようにするために、上向き傾斜円弧部dは、軸スリーブ1041の内穴の周囲における可変直径円弧部bの一方の端部のみに配設する必要がある。また、実際の加工時には、軸スリーブの成形難易度を低減するために、上向き傾斜円弧部dの半径と下向き傾斜円弧部eの半径を固定値とし、上向き傾斜円弧部dの半径と下向き傾斜円弧部eの半径はベース円形円弧部aの半径と可変直径円弧部bの半径との間にある。したがって、支持角度の無段階調整がある程度実施され、軸スリーブの構造上の複雑さが低減され、軸スリーブの成形難易度が低減される。
【0044】
図15(a)及び
図16に示すように、第1の支持板101及び第2の支持板102によって形成されるAフレームが支持角度を無段階に調整することを更に可能にするために、任意選択で平坦位置cの各平坦位置面と軸芯1042の外円面との間の角部に円弧形状の面取り部が配設される。このようにして、軸芯1042は軸スリーブ1041内で連続的に回転することができ、その結果、Aフレームは支持角度θを無段階に調整することができる。
【0045】
図16に示すように、軸芯の中心軸に対する円弧形状の面取り部の円弧面の中心角はβ1であり、β1は5°、8°、10°等であってもよい。これは本明細書において特に限定されない。
【0046】
前述の説明に基づき、
図15(a)又は
図16に示す軸芯が
図15(b)に示す軸スリーブ内で0°〜180°回転したときの概略構造図は
図17(a)〜
図17(k)であり得、減衰回転軸の摩擦トルクと軸芯が軸スリーブに対して回転する角度αとの関係線を
図18に示す。
図17(a)〜
図17(k)及び
図18から、軸芯が軸スリーブに対して0°〜40°回転すると、軸芯と軸スリーブとの間の干渉の強度が徐々に増加し、摩擦トルクも0kgf.cmから6kgf.cmに徐々に増加することを見ることができる。軸芯が軸スリーブに対して40°〜140°回転しても、軸芯と軸スリーブとの間の干渉の強度は変化せず、摩擦トルクは6kgf.cmのままである。軸芯が軸スリーブに対して140°〜180°回転すると、軸芯と軸スリーブとの間の干渉の強度は徐々に減少し、摩擦トルクは6kgf.cmから0kgf.cmに徐々に減少する。本出願のこの実施形態における減衰回転軸内にある軸芯及び軸スリーブは、第1の支持板が第2の支持板に対して40°〜140°回転するときに減衰効果を達成することができ、減衰効果が得られるときに発生する摩擦トルクは6kgf.cmであり、摩擦トルクの値は可変直径円弧部の半径を変えることによって調整することができることが分かる。
【0047】
図13に示す実施形態では、軸芯1042が回転するときに軸芯1042と軸スリーブ1041との間に発生する摩耗を減らすために軸スリーブ1041の弾性を高めるために、任意選択で、
図13又は
図14に示すように、軸スリーブ1041の側壁に弾性切欠き1043が開口している。
図14に示すように、弾性切欠き1043は軸スリーブ1041の軸穴と連通し、弾性切欠き1043は軸スリーブ1041の2つの端面を貫通して延出する。このように、弾性切欠き1043を用いることにより、軸スリーブ1041の弾力性を向上させることができる。これにより、軸芯1042と軸スリーブ1041との間の摩耗が減少する。
【0048】
図13に示す実施形態では、軸スリーブ1041と第1の支持板又は第2の支持板との間の相対的な固定を実施するために、任意選択で、
図13に示すように、第1の接続板1044が更に含まれ、軸スリーブ1041は第1の接続板1044の一端の縁部に固定され、第1の接続板1044は粘液糊及びリベットを使用して第1の支持板又は第2の支持板に接続される。したがって、軸スリーブ1041と第1の支持板又は第2の支持板との間の相対的な固定が実施される。粘液糊及びリベットを使用して形成された接続部の信頼性は比較的高い。
【0049】
図13に示す実施形態では、軸芯1042と第2の支持板又は第1の支持板との間の相対的な固定を実施するために、任意選択で、
図13に示すように、第2の接続板1045が更に含まれ、接続軸スリーブ1046は第2の接続板1045の一端の縁部に固定され、軸芯1042の一端は延出し接続軸スリーブ1046内にしっかりとスリーブを付けられ、第2の接続板1045は粘液糊及びリベットを使用して第2の支持板又は第1の支持板に接続される。したがって、軸芯1042と第2の支持板又は第1の支持板との間の相対的な固定が実施される。粘液糊及びリベットを使用して形成された接続部の信頼性は比較的高い。
【0050】
リベットAを用いて接続板(第1の接続板及び第2の接続板を含む)を支持板(第1の支持板及び第2の支持板を含む)にリベット止めした後、接続板及び支持板の外表面にざらつきや隙間が生じることは避けられない。したがって、外面が革又は布等の軟質材料層Bで直接覆われていると、ムラージュが見えやすく、良好な外観に影響を与える。この問題を回避するために、任意選択で、
図23に示すように、外面が革又は布等の軟質材料層Bで覆われた後に発生するムラージュを回避するために、接続板を支持板にリベット止めした後に外面に装飾板109を貼り付け、装飾板109は粗い位置と隙間位置を覆うことができる。
【0051】
図9に示す実施形態では、以下の3つの任意選択的実施形態を用いて第1の支持板101と第2の支持板102との接続の安定性を確保することができる。
【0052】
第1の任意選択的実施形態では、1つの減衰回転軸が第1の支持板と第2の支持板との間に接続され、減衰回転軸は、第1の支持板が第2の支持板に接続される縁部の一端に他端から延出する。このように、第1の支持板と第2の支持板との安定した接続は、比較的長い減衰回転軸を使用することによって実施される。しかし、減衰回転軸が比較的長いため、減衰回転軸における軸芯も比較的長い。細くて長い軸芯の同軸性は加工中に確保することが困難であり、細くて長い軸芯は容易に変形する。そのため、軸芯の加工難易度が比較的高く、減衰回転軸の組付難易度が比較的高い。
【0053】
第2の任意選択的実施形態では、複数の減衰回転軸があり、複数の減衰回転軸は、第1の支持板が第2の支持板に接続されている一端の縁部に均等に配設され、複数の減衰回転軸の回転軸は同一線上にある。このように、複数の減衰回転軸を用いることによって第1の支持板と第2の支持板との接続の安定性が確保され、減衰回転軸を比較的短い長さで製作することができ、加工中に減衰回転軸の軸芯の同軸度が容易に確保される。したがって、軸芯の加工難易度は比較的低く、減衰回転軸の組付難易度は比較的低い。
【0054】
第3の任意選択的実施形態では、
図19に示すように、2つの減衰回転軸104があり、2つの減衰回転軸104は、第1の支持板が第2の支持板に接続される縁部の2つの端部で対称に配置され、2つの減衰回転軸104の回転軸は同一線上にある。このように、2つの減衰回転軸104を用いることによって第1の支持板と第2の支持板との接続の安定性が確保され、減衰回転軸104を比較的短い長さで製作することができ、加工中に減衰回転軸104の軸芯1042の同軸度が容易に確保される。したがって、軸芯1042の加工難易度は比較的低く、減衰回転軸104の組付難易度は比較的低い。
【0055】
第2又は第3の任意選択的実施形態では、第1の支持板101と第2の支持板102との間の隙間を遮断して保護ケース100の良好な外観を確保するために、任意選択で、
図19に示すように、2つの隣接する減衰回転軸104の間に遮断軸107が配設され、遮断軸107は、第1の支持板101と第2の支持板102との間の隙間を遮断するように構成され、遮断軸107の2つの端部は、2つの隣接する減衰回転軸104の軸芯1042に接続されている。このように、遮断軸107を用いて、第1の支持板101と第2の支持板102との間の隙間を遮断する。これにより、保護ケース100の良好な外観を確保する。
【0056】
遮断軸107は、軸芯1042にしっかりと又は回転可能に接続されてもよい。これは本明細書において特に限定されない。
【0057】
2つの隣接する減衰回転軸104において遮断軸107と軸芯1042との回転可能な接続を実施するために、任意選択で、接続穴(図示せず)が遮断軸107の2つの端部の表面に開口し、2つの隣接する減衰回転軸104の各軸芯1042の一端であって遮断軸107に近い一端は外向きに延出して接続穴に嵌合する。このようにして、遮断軸107と軸芯1042の回転可能な接続が実施される。接続方式では、操作中、複雑な接続操作をすることなく、軸芯1042を接続穴内でのみスリーブを付ける必要がある。そのため、設置工程及び取り外し工程が単純であり、効率が比較的高い。
【0058】
前述の実施形態において、2つの隣接する減衰回転軸と遮断軸とを組み付ける工程を
図20(a)〜
図20(d)に示す。
図20(a)〜
図20(d)を参照すると、2つの減衰回転軸の軸芯1042は、まず、2つの減衰回転軸の第1の接続板1044に固定された軸スリーブ1041に別々に回転可能にスリーブを付けられ、(
図20(a)に示すように)軸芯1042の2つの端部が軸スリーブ1041の2つの端部から延出し、次に、2つの減衰回転軸の第2の接続板1045上の接続軸スリーブ1046が、(
図20(b)に示すように)軸スリーブ1041から外に延出する2つの軸芯1042の一端に別々にしっかりとスリーブを付けられる。組み付けた構造を
図20(c)に示す。最後に、(
図20(d)に示すように)遮断軸107が、軸スリーブ1041から外に延出する2つの軸芯1042の他端に接続される。組み付けた構造を
図21に示す。
【0059】
更に、第1の支持板101と、第2の支持板102と、2つの減衰回転軸104及び遮断軸107の組み付けが完了した後に形成される部品(
図21に示す)との組み付け工程は、
図22(a)〜
図22(d)に示され得る。
図22(a)〜
図22(d)を参照すると、まず、2つの減衰回転軸の第1の接続板1044が、(
図22(a)に示すように)粘液糊及びリベットを用いて第1の支持板101に接続される。接続構造を
図22(b)に示す。次に2つの減衰回転軸の第2の接続板1045は、(
図20(c)に示すように)粘液糊及びリベットを使用して第2の支持板102に接続される。組み付けた構造を
図22(d)に示す。
【0060】
図9に示す実施形態では、第1の方向Nにおいて第1の支持板101の幅は、第2の支持板102の幅よりも大きくても、小さくても、等しくてもよい。これは特に限定されない。第1の支持板101が第2の支持板102と同じ角度だけ回転すると、
図24に示すように、第1の支持板101の幅が第2の支持板102の幅よりも小さいときのAフレームの支持角度θ1は、第1の支持板101の幅が第2の支持板102の幅と等しいときのAフレームの支持角度θ2よりも小さい。したがって、第1の支持板101の幅が第2の支持板102の幅と等しいときには、支持角度の調整範囲が広い。しかし、
図25に示すように、第1の支持板101が第2の支持板102に対して回転して同じ支持角度θを形成すると、第1の支持板101の幅が第2の支持板102の幅よりも大きいときのAフレームの床長さL1は、第1の支持板101の幅が第2の支持板102の幅と等しいときのAフレームの床長さL2よりも長い。前述の説明に基づき、第1の支持板101及び第2の支持板102によって形成されるAフレームが支持角度の比較的広い調整範囲を有することを可能にし、また、第1の支持板101及び第2の支持板102がAフレームを形成した後に得られる床面積を狭くすることを可能にするために、任意選択で、第1の支持板101の幅は、第1の方向Nにおいて第2の支持板102の幅と等しい。このようにして、第1の支持板101及び第2の支持板102によって形成されるAフレームは、支持角度の比較的広い調整範囲を有することができ、第1の支持板101及び第2の支持板102がAフレームを形成した後に得られる床面積も狭くすることができる。
【0061】
図13に示す実施形態では、軸芯1042が軸スリーブ1041内で回転すると、必然的に屑が発生する。屑を排出し、軸芯1042と軸スリーブ1041との接触位置を効果的に潤滑するために、任意選択で、
図26に示すように、軸芯1042の側壁の周りに螺旋状の潤滑油溝108を開口し、潤滑油溝108は、軸芯1042の一端から軸芯1042の他端まで延出する。螺旋状の潤滑油溝108が油貯留及び潤滑の役割を果たす場合、軸芯1042と軸スリーブとの間の摩擦によって発生した屑を潤滑油溝108に沿って排出することができ、それによって屑による潤滑油溝108の遮断によって引き起こされる潤滑不良を回避し、その結果、減衰回転軸の寿命が延びる。
【0062】
軸芯と軸スリーブとの間の摩耗を減少させて減衰回転軸の寿命を延ばすために、任意選択的に、軸芯と軸スリーブの両方は高炭素鋼製である。高炭素鋼は、比較的高い硬度及び比較的望ましい耐摩耗性を有する。これにより、減衰回転軸の寿命を延ばすことができる。具体的には、軸芯及び軸スリーブはSUS420鋼材製であってもよい。
【0063】
軸芯が従来の機械加工方法を用いて加工される場合、軸芯の同軸度を確保することは通常困難であるため、軸芯の設計長を増加させることはできない。その結果、軸芯と軸スリーブとの間の摩擦接触面積を増加させることができず、効果的な減衰力を得ることができない。前述の問題を回避するために、任意選択で、軸芯は、コンピュータ数値制御機械(Computer numerical control、CNC)マシニングセンタによって加工及び成形される。コンピュータ数値制御機械マシニングセンタは比較的高い成形精度を有する。これにより、軸芯の同軸度を確保することができる。そのため、軸芯の設計長を適切に増加させることができる。軸芯と軸スリーブとの間の摩擦接触面積が一定であると、軸芯の設計長を増加させつつ軸芯の設計径を減少させることができ、精巧で細い減衰回転軸を製造することができる。
【0064】
同様に、任意選択的に、軸スリーブは金属射出成形(Metal injection Molding、MIM)によって一体成形される。金属射出成形は、0.01mmに達することがある比較的高い成形精度を有する。これにより、軸スリーブの全部分の長さ方向の同軸性を確保することができる。そのため、軸スリーブの設計長を適切に増加させることができる。軸芯と軸スリーブとの間の摩擦接触面積が一定であると、軸スリーブの設計長を増加させつつ軸スリーブの設計径を減少させることができ、精巧で細い減衰回転軸を製造することができる。また、軸スリーブの内壁の部分の半径が不均一であるため、従来の機械加工方法を用いて異形軸スリーブを加工する場合、加工難易度が比較的高く、複数の加工工程が通常必要となる。しかし、部品を金属射出成形によって成形する場合、成形プロセスは単純であり、効率は比較的高い。更に、部品は一度成形され、更に加工することはない。したがって、軸スリーブを成形するプロセスは単純であり、効率は比較的高い。
【0065】
前述の実施形態において、軸スリーブを金属射出成形によって一体成形した後、軸スリーブの耐摩耗性及び硬度を更に向上させるために、任意選択で、以下の工程を用いて軸スリーブを加工してもよい。具体的には、軸スリーブが成形された後、第1段階では、成形中に発生する欠陥で軸スリーブの欠陥は、整形工程を用いることによって補償される。第2段階では、軸スリーブの靭性及び耐摩耗性が熱処理によって改善される。第3段階では、軸スリーブ上の弾性切欠きが線形切断工程を用いて切断される。第4段階では、軸スリーブの外面を磨き工程を用いて加工して、軸スリーブの外面の細孔、スクラッチ及び他の表面欠陥を埋めて耐疲労性及び耐食性を向上させる。第5段階では、軸スリーブの耐食性を更に向上させるために、軸スリーブの表面にニッケル鍍金が施される。第6段階では、物理蒸着法を使用することによってニッケル鍍金層の外面に外層フィルムを堆積させ、この外層フィルムを使用して酸化に抵抗するか又は軸スリーブの色を識別することができる。
【0066】
前述の加工工程において、軸スリーブが17‐4PH合金製である場合、軸スリーブの熱処理工程及びパラメータは次の通りである。まず、合金の可塑性及び靭性を改善するために、軸スリーブに溶体化処理が施され、溶体化処理中の温度は1050℃であり、継続時間は5時間であり、次に、軸スリーブの硬度及び強度を向上させるために、軸スリーブに時効処理が施され、時効処理中の温度は450℃であり、継続時間は8時間である。溶体化処理及び時効処理を施した後に得られる軸スリーブの強度は90kgf/mm〜120kgf/mmに達する必要があり、硬度は380HV〜420HVに達する必要があり、真直度は0.04mm以内に制御する必要がある。軸スリーブがSUS420鋼材製である場合、軸スリーブの熱処理工程及びパラメータは次の通りである。まず、軸スリーブを焼入れ処理技術を用いて960℃に加熱し、その温度を40分〜60分維持し、軸スリーブが変形したり割れたりする可能性を減らす。次に、軸スリーブを焼戻し処理技術を用いて200℃に加熱し、その温度を4時間維持し、軸スリーブの延性及び靭性を改善する。焼入れ処理及び焼戻し処理を施した後に得られる軸スリーブの強度は90kgf/mm〜120kgf/mmに達する必要があり、硬度は480HV〜530HVに達する必要があり、真直度は0.04mm以内に制御する必要がある。
【0067】
前述の技術的解決策のうちのいずれか1つにおける減衰回転軸は、タブレットコンピュータ用保護ケースに適用されるだけでなく、携帯電話、カメラ、又は電気スタンド等の製品にも適用され得ることに留意されたい。これは本明細書において特に限定されない。
【0068】
前述の技術的解決策のうちのいずれか1つにおける保護ケースは、タブレットコンピュータを保護するように構成され得るだけでなく、携帯電話又は学習機等のデバイスを保護するようにも構成され得ることに留意すべきである。これは本明細書において特に限定されない。
【0069】
図10〜
図12に示すように、本出願は、タブレットコンピュータ200、キーボード106、及び保護ケース100を含むツーインワン・コンピュータを提供する。保護ケース100は、前述の技術的解決策のうちのいずれか1つにおけるタブレットコンピュータ用保護ケース100であり、タブレットコンピュータ200の背面は保護ケース100の第1の支持板101及び第2の支持板102に支持され、タブレットコンピュータ200の側壁は保護ケース100の底部支持体105に取り外し可能に接続され、キーボード106は保護ケース100のカバー板103上に設置される。
【0070】
本出願のこの実施形態で提供されるツーインワン・コンピュータでは、保護ケース100のカバー板103は、タブレットコンピュータ200の前面を覆うように反転され、タブレットコンピュータ200の前面及び背面を効果的に保護する。タブレットコンピュータ200がノートブックコンピュータ・モードに切り替わると、カバー板103は水平なデスクトップ上に置かれてもよく、第2の支持板102はカバー板103に対して第1の角度だけ上方に反転し、第1の支持板101は第2の支持板102に対して第2の角度だけ下方に反転し、第1の支持板101の端部であって第2の支持板102から遠く離れている端部の縁部は水平なデスクトップと接触し、タブレットコンピュータ200の背面を支持するためのAフレームを形成する。また、底部支持体105は、タブレットコンピュータ200の下端部を支持する。従来技術と比較して、本出願では、ノートブックコンピュータ・モードにおいて、底部支持体105はタブレットコンピュータ200の背面に接続され、タブレットコンピュータ200の背面はAフレームを使用することによって支持される。タブレットコンピュータ200の下端部のみが支持される従来技術の解決策と比較して、本出願はより高い安定性を有する。タブレットコンピュータ・モードに切り替えるには、タブレットコンピュータ200を保護ケース100から取り出す必要があるのみである。従来技術と比較して、本出願では、タブレットコンピュータ・モードにおいて、タブレットコンピュータ200の使用の可搬性、軽さと薄さの体験度は比較的望ましい。また、本出願では、タブレットコンピュータ200は保護ケース100を用いて支持される。したがって、タブレットコンピュータ200の背面に支持体を追加的に配設する必要はなく、タブレットコンピュータ・モードにおける外部清浄性及び均一性が比較的高い。
【0071】
前述の実施形態では、底部支持体105とタブレットコンピュータ200との取り外し可能な接続を実施するための複数の任意選択的実装の解決策があり得る。例えば、
図27に示すように、クランピングフック1051が底部支持体105上に配設され、溝(図示せず)がタブレットコンピュータ200上のクランピングフックに対応する位置に設けられ、クランピングフック1051は協働して溝に引っ掛けられる。これにより、底部支持体105とタブレットコンピュータ200との取り外し可能な接続が実施される。構造が単純で、取り外しや設置作業が便利である。別の例では、ネジ付きビアホールが底部支持体上に配設され、タップ穴がタブレットコンピュータ上のネジ付きビアホールに対応する位置に配設され、ネジはネジ付きビアホールを貫通してタップ穴に協働的に接続する。したがって、底部支持体とタブレットコンピュータとの取り外し可能な接続が実施される。構造は単純であり、接続安定性は比較的望ましい。更に別の実施例では、
図12に示すように、タブレットコンピュータ200の側壁は磁性材料製であり、磁石(図示せず)が底部支持体105内に固定されており、タブレットコンピュータ200の側壁は底部支持体105に引き付けられる。このように、タブレットコンピュータ200の側壁に接続構造を設ける必要がなく、タブレットコンピュータ200の側壁の材料として磁性材料を選択する必要があるのみである。したがって、必要な構造スペースは小さく、タブレットコンピュータ200の体積の削減が容易になる。更に、タブレットコンピュータ200の側壁に接続構造が配設される必要はない。これにより、タブレットコンピュータ200の外部清浄性が確保される。
【0072】
本明細書の説明において、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、実施形態又は実施例のうちの任意の1つ又は複数において適切な方法で組み合わされてもよい。
【0073】
最後に、前述の実施形態は、本出願の技術的解決策を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するものではないことに留意すべきである。本出願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者であれば、本出願の実施形態の技術的解決策の精神及び範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に説明された技術的解決策を更に改変したり、その一部の技術的特徴を等価のものと置き換えることができることを理解されたい。