特許第6915216号(P6915216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6915216回転式空気予熱器の熱伝達要素のためのバスケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6915216
(24)【登録日】2021年7月19日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】回転式空気予熱器の熱伝達要素のためのバスケット
(51)【国際特許分類】
   F23L 15/02 20060101AFI20210727BHJP
   F28D 1/03 20060101ALI20210727BHJP
   F28F 9/22 20060101ALI20210727BHJP
   F28D 19/04 20060101ALI20210727BHJP
【FI】
   F23L15/02
   F28D1/03
   F28F9/22
   F28D19/04 B
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-503717(P2019-503717)
(86)(22)【出願日】2017年7月24日
(65)【公表番号】特表2019-522169(P2019-522169A)
(43)【公表日】2019年8月8日
(86)【国際出願番号】US2017043457
(87)【国際公開番号】WO2018022484
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2020年7月27日
(31)【優先権主張番号】15/219,800
(32)【優先日】2016年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518055143
【氏名又は名称】アルヴォス ユングストローム エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】カウバーン、 ローレンス、 ギルバート
(72)【発明者】
【氏名】ダフニー、 スコット、 リチャード
(72)【発明者】
【氏名】バイス、 ジェームズ、 レスリー
【審査官】 堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−507549(JP,A)
【文献】 特公昭48−003011(JP,B1)
【文献】 特開平05−079780(JP,A)
【文献】 特公平6−60796(JP,B2)
【文献】 特開2000−171184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23L 15/02
F28D 1/03
F28D 19/04
F28F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式空気予熱器のための熱伝達要素(88)を受け入れるためのバスケット(10)であって、
各々が2つの長尺状のコーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)と2つの長尺状のコネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)とを有する2つの金属製のフレーム(20、20’)であって、コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の各々は、2つの脚部が角度をなす断面を有し、前記フレーム(20、20’)の各々において、前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)の一方が前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の各々の一端に固定されると共に前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)の他方が前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の各々の他端に固定され、前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)が互いに離間して平行であり、かつ前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)が互いに離間して平行であることにより前記フレームの各々に矩形の開口部(29、29’)が形成されている、2つの金属製のフレーム(20、20’)と、
スートブローによる摩耗および亀裂に耐えるように構成された2つの重いゲージの金属製のシート(30、30’)であって、各シート(30、30’)が、前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の一方の外面に長手方向に沿って固定された対向する縁部(30A、30B、30A’、30B’)を有し、それによって前記フレーム(20、20’)構造的に支持すると共に互いに等しく離間させて平行にし、それによって2つのシート(30、30’)の間にチャネル(40)を形成し、前記チャネル(40)は、前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)に平行でありかつ前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)によって境界付けられる長手方向軸(L1)を有し、前記チャネル(40)は、前記チャネル(40)と同軸の流れ方向を有する前記熱伝達要素(88)を受け入れるように構成される、2つの重いゲージの金属製のシートと、
を備え、前記シート(30、30’)は、前記バスケット(10)内に配置された前記熱伝達要素(88)の縁部において、隣接するバスケット(10)の側部の間でのガスおよび空気流の側方への迂回を防止する障壁である、バスケット(10)
【請求項2】
重いゲージの前記シート(30、30’)が12ゲージである、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項3】
前記チャネル(40)の対向する各端部において、2つの前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)と2つの前記シート(30、30’)とに固定される金属製の閉鎖グリッド(50、50’)をさらに備え、前記閉鎖グリッド(50、50’)は、複数の開口部(55)を有し、前記開口部(55)は、流体の流れを運ぶように構成される、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項4】
前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)の各々は、実質的に平坦である、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項5】
前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)は、それぞれ2つの長尺部(23、25)を有し、各長尺部(23、25)は、互いにある角度(θ)で屈曲部(27)から外向きに延在し、前記角度は、前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)のうちの2つについては鈍角であり、前記角度は、前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)のうちの2つについては鋭角である、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項6】
2つの前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の各々に長手方向に沿った、前記シート(30、30’)の各々の前記対向する縁部の固定と、
前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の各々の一端への前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)の一方の固定、及び前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の各々の他端への前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)の他方の固定と、
前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の1つに長手方向に沿った、前記シートの前記対向する縁部の固定と、
の少なくとも1つが溶接による、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項7】
前記シート(30、30’)の各々の前記対向する縁部は、2つの前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の各々の前記長尺部(23、25)のそれぞれの外面に固定される、請求項に記載のバスケット(10)
【請求項8】
前記フレームの各々の前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)の外面が、それぞれの前記フレーム(20、20’)の前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)の前記長尺部(23、25)のうちの1つの外面と同一平面上にある、請求項に記載のバスケット(10)
【請求項9】
一方の前記フレーム(20、20’)の2つの前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)が、他方の前記フレーム(20、20’)の2つの前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)よりも長い、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項10】
前記閉鎖グリッド(50、50’)は、
対向する前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)に固定された少なくとも1つの閉鎖ストリップ(52A、52B、52C)と、
前記少なくとも1つの閉鎖ストリップ(52A、52B、52C)を貫通して延在すると共に前記少なくとも1つの閉鎖ストリップ(52A、52B、52C)に固定された少なくとも1つの横断部品(54)であって、対向する端部が対向する前記シート(30、30’)に固定された少なくとも1つの横断部品(54)と、
を備える、請求項に記載のバスケット(10)
【請求項11】
前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)および前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)は、それぞれ前記フレーム(50、50’)の全幅の5%未満の幅を有する、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項12】
前記コネクタ部品(24A、24B、24A’、24B’)および前記コーナー部品(22A、22B、22A’、22B’)は、前記フレーム(50、50’)の周囲に配置される、請求項1に記載のバスケット(10)
【請求項13】
互いに積み重ねられると共に、前記バスケット(10)内に配置された複数の熱伝達要素(88)をさらに備える、請求項1に記載のバスケット(10)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して高温排気ガスおよび空気が流れる回転式空気予熱器のための熱伝達要素を受けるためのバスケットに関し、より詳細には、バスケット内で横方向に空気およびガスが流れるのを助ける1つまたは複数の重いゲージ(heavy gauge)の側部構造支持および耐摩耗性の壁を含む軽量の金属製バスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
回転式空気予熱器は、典型的には、複数のパイ形状のセクタを有し、各パイ形状のセクタは、その中に熱伝達要素を含むいくつかのバスケットを有する。熱伝達要素は、典型的には、波形の金属板から製造される。各バスケットは、複数の熱伝達要素を含む。バスケットは、熱伝達要素を、空気予熱器を通る排気ガスおよび空気の流れる方向に向けるように構成される。熱伝達要素はかなりの重量であるので、バスケットは、熱伝達要素の重量を支持するのに十分な構造を有する。バスケットおよび熱伝達要素の総重量は、セクタの回転を可能にするベアリングに取り付けられたスピンドルによって支持される。高重量バスケットは、ベアリングに過負荷を生じさせる可能性がある。加えて、高重量バスケットは製造コストが高い。
【0003】
熱伝達要素が灰堆積物で汚れる可能性があり、それによって空気予熱器の有効性が低下することが知られている。熱伝達要素から灰堆積物を取り除くために、スートブロー構成が用いられてきた。しかし、スートブロー操作は、バスケットの部分を腐食させる、または亀裂を生じさせる可能性がある。
【0004】
さらに、いくつかの従来技術のバスケットは、空気およびガスの流れを横方向に保ちバスケット内に収容しておくことができない。代わりに、空気およびガスの流れの一部が、バスケット内の熱伝達要素を迂回し、熱伝達要素のバスケットとロータ構造との間の空隙を通って流れることを許容する。このような横方向の封じ込めの欠如および迂回流は、熱伝達および空気予熱器の有効性を低下させる。
米国特許第5913359号は、額縁型のバスケットであって、4つの側面全てが額縁の内側にライナを有するバスケットを提供する。
【0005】
したがって、腐食およびスートブローの他の影響に耐えると共に、熱伝達を改善し、結果として空気予熱器の熱伝達効率を改善する、熱伝達要素用の改良された軽量バスケットが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
一態様において、本発明は、回転式空気予熱器のための熱伝達要素を受け入れるためのバスケットに関する。バスケットは、各々が2つの長尺状のコーナー部品と2つの長尺状のコネクタ部品とを有する2つの金属製のフレームを含む。コーナー部品の各々は、2つの脚部が角度をなす形状の断面を有し、コネクタ部品の各々は、実質的に平坦である。各フレームについて、コネクタ部品の一方が各コーナー部品の一端に固定され、コネクタ部品の他方が各コーナー部品の他端に固定され、コーナー部品が互いに離間されて平行とされ、コネクタ部品が互いに離間されて平行とされ、それによって各フレームに矩形の開口部が形成される。バスケットは、2枚の重いゲージの金属製のシート(例えば、12ゲージ)を含む。各シートは、コーナー部品の1つに長手方向に沿って固定された対向する縁部を有し、それによってフレームを互いに等しく離間させ、互いに平行にし、それによって2つのシート間にチャネルを形成する。チャネルは、コーナー部品に平行でありかつコーナー部品によって境界が定められた長手方向軸を有する。チャネルは、チャネルと同軸の流れ方向を有する熱伝達要素を受け入れるように構成される。
【0007】
一実施形態では、バスケットは、チャネルの対向する各端部において、2つのコネクタ部品および2つのシートに固定された金属閉鎖グリッドを含む。閉鎖グリッドは、その中に複数の開口部を有する。開口部は、それを通って流体の流れを運ぶように構成される。閉鎖グリッドは、熱伝達要素を2つの閉鎖グリッド間のチャネル内に固定するように構成される。
【0008】
別の態様において、本発明は、回転式空気予熱器のための熱伝達要素を受け入れるためのバスケットを改造する方法に関する。この方法は、バスケットを少なくとも部分的に分解するステップと、摩耗した、非効率的な、または古い熱伝達要素をバスケットから取り除くステップと、バスケット内に新しい、または修復された熱伝達要素を配置するステップと、バスケットを再び組み立てるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のバスケットの斜視図である。
図2図1のバスケットの正面図である。
図3図1のバスケットのコーナーの拡大図である。
図4図1のバスケットの別のコーナーの拡大図である。
図5】熱伝達要素のスタックが中に配置された状態で示された、図1のバスケットの一部の拡大図である。
図6】3つのセクタの部分が示された、バスケットを有する回転式空気予熱器の一部の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2を参照すると、回転式空気予熱器のための熱伝達要素88のスタック80(熱伝達要素88のスタック80については図5参照)を受け入れるためのバスケットが、全体として符号10で示されている。バスケット10は、回転式空気予熱器のための熱伝達要素88のスタック80を受け入れ、高温(例えば、130℃以上)の排気ガスおよび空気の流れに耐えるように構成される。バスケット10は、2つの金属製のフレーム20および20’を含み、2つの金属製のフレーム20および20’は、それぞれ2つの長尺状のコーナー部品22A、22Bおよび22A’、22B’と、2つの長尺状のコネクタ部品24A、24Bおよび24A’、24B’(24B’は、部分的に破線で示されると共に、シート30’の切り欠き部分を通して示される)とを有する。コーナー部品22A、22Bおよび22A’、22B’ならびにコネクタ部品24A、24Bおよび24A’、24B’はすべて、炭素鋼合金などの金属材料から製造されるが、これに限定されない。コーナー部品22A、22Bおよび22A’、22B’ならびにコネクタ部品24A、24Bおよび24A’、24B’は、フレーム20、20’の周囲に配置される。
【0011】
図3に最も良く示されるように、コーナー部品22Bは、2つの脚部が角度をなす形状の断面を有する。コーナー部品22Bは、コーナー部品22Bの全長にわたって延びる2つの長尺部23、25によって画定される。長尺部23、25の各々は、互いに角度θをなして、屈曲部27から側方に外向きに延在している。角度θは、コーナー部品22A’および22B’の2つについては鈍角(すなわち、180°<θ<90°)であり、角度θは、コーナー部品22Aおよび22Bの2つについては鋭角(すなわち、θ>90°)である。コーナー部品22Aは、コーナー部品22Bと同様に構成されている。コーナー部品22A’および22B’は、角度θが鈍角であることを除いて、コーナー部品22Aおよび22Bと同じように構成される。
【0012】
図3に最も良く示されるように、コネクタ部品24Aは、好ましい実施形態において、実質的に平坦であるものとして示される。コネクタ部品24B、24A’および24B’もまた、実質的に平坦であるものとして示されている。しかし、本発明は、この点に関して限定されず、角度のある断面および弓形の断面を含むがこれらに限定されない、他の構成および断面が用いられてもよい。フレーム20のコネクタ部品24Aおよび24Bは、他のフレーム20’のコネクタ部品24A’および24B’よりも長い。
【0013】
図1に示すように、フレーム20に関して、コネクタ部品24Aは、コーナー部品22Aおよび22Bの各々の一端に(例えば、溶接によって)固定され、コネクタ部品24Bは、コーナー部品22Aおよび22Bの各々の他端に(例えば、溶接によって)固定され、その結果、コーナー部品22Aおよび22Bは、互いに離間し、平行であり、コネクタ部品24Aおよび24Bは、互いに離間し、平行であり、それによって、フレーム20に矩形の開口部29を形成する。フレーム20’に関して、コネクタ部品24A’は、コーナー部品22A’および22B’の各々の一端に(例えば、溶接によって)固定され、コネクタ部品24B’は、コーナー部品22A’および22B’の各々の他端に(例えば、溶接によって)固定され、その結果、コーナー部品22A’および22B’は、互いに離間し、平行であり、そしてコネクタ部品24A’および24B’は、互いに離間し、平行であり、それによって、フレーム20’において矩形の開口部29’を形成する。
【0014】
図2および図3に示すように、各フレーム20、20’のコネクタ部品24A、24Bおよび24A’、24B’の外面は、各フレーム20、20’のコーナー部品22A、22Bおよび22A’、22B’の長尺部23の外面と同一平面上にある。
【0015】
図1および図2に示されるように、バスケット10は、2つの重いゲージの金属製のシート30および30’を含み、金属製のシート30および30’は、耐摩耗性(例えば、スートブローから生じる摩耗および/または亀裂に対する耐性)を有し、バスケット10の構造的支持部材である。例えば、各シートは12ゲージである。一実施形態では、シートは11ゲージである。別の実施形態では、シートは12〜10ゲージである。シート30および30’は、炭素鋼合金などの金属材料から製造されるが、これに限定されない。シート30は、コーナー部品22A、22A’のうちの1つに長手方向に沿って(例えば、長尺部25の外面に沿って)それぞれ固定された対向する縁部30A、30Bを有する。例えば、シート30については、バスケット10における空気予熱器内側方向の側部K1(すなわち、図6に示すように空気予熱器のロータポスト19に面するように構成されたバスケットの側部)に位置する縁部30Bは、縁部30Bの内側部分において溶接部WW1によってコーナー部品22A’に固定され、バスケット10における空気予熱器外側方向の側部K2(すなわち、図6に示すように空気予熱器のロータポスト19から離れて面するように構成されたバスケットの側部)に位置する縁部30Aは、縁部30Aの外側部分において溶接部WW2によってコーナー部品22Aに固定される。シート30’は、コーナー部品22Bおよび22B’のうちの1つに長手方向に沿って(例えば、長尺部25の外面に沿って)それぞれ固定された対向する縁部30A’および30B’を有する。例えば、シート30’については、バスケット10における空気予熱器内側方向の側部K1に位置する縁部30B’は、縁部30B’の内側部分において溶接部WW3によってコーナー部品22B’に固定され、バスケット10における空気予熱器外側方向の側部K2に位置する縁部30A’は、縁部30A’の外側部分において溶接部WW4によってコーナー部品22Bに固定される。シート30及び30’は、フレーム20及び20’を互いに等しく離間し、互いに平行にし、それにより、シート30及び30’の2つの間にチャネル40を形成する。チャネル40は、コーナー部品22A、22Bおよび22A’、22B’に平行であり、これらによって境界が定められた長手方向軸L1を有する。チャネル40は、チャネル40と同軸の流れ方向を有する熱伝達シート(図5に示すような)を受け入れるように構成されている。一実施形態では、チャネル40は、台形断面を有する。
【0016】
溶接部WW1、WW2、WW3、およびWW4が示され、説明されているが、本発明はこれに限定されず、本発明のより広い態様から逸脱することなく、他の位置の溶接部および/または締結具を採用してもよい。
【0017】
図6に示されるように、複数のバスケット10が、隣接するセクタ18A、18Bおよび18Cに配置されて示されており、それらの部分は、ロータポスト19の半径方向外側で、空気予熱器の切り欠き部分に取り付けられている。シート30、30’は、熱伝達要素88(図5参照)の縁部におけるバスケット10の側部間の矢印Hの方向の、隣接するセクタ18A、18B、18C間の空隙M内へのガス及び空気流の側方への迂回を防止するための障壁である。したがって、シート30および30’は、バスケット10内にガスおよび空気流を横方向に収容し、それによって、開放された横方向側面を有するバスケット内の熱伝達要素と比較して、熱伝達を改善し、空気予熱器内に取り付けられたバスケット10内の熱伝達要素88のスタック80を有する空気予熱器の有効性を改善する。
【0018】
図1及び図2に示されるように、バスケット10は、チャネル40の各対向端部に配置された閉鎖グリッド50及び50’を含む。閉鎖グリッド50は、3つの閉鎖ストリップ52A、52Bおよび52Cを有するように示されている。3つの閉鎖ストリップ52A、52Bおよび52Cの各々は、例えば溶接によって、その一端がコネクタ部品24Aの内側に面する表面に固定され、その他端がコネクタ部品24A’の内側に面する表面に固定される。閉鎖グリッド50は、1つの横断部品54を含み、横断部品54は、閉鎖ストリップ52A、52Bおよび52Cを貫通して延在すると共に、例えば溶接によって、それらに固定されている。横断部品54の一端はシート30に固定され、横断部品54の他端は例えば溶接によってシート30’に固定される。閉鎖グリッド50は、その中に複数の開口部55を有する。開口部55は、それを通ってチャネル40内に流体の流れを運ぶように構成される。
【0019】
3つの閉鎖ストリップ52A’、52B’および52C’の各々は、例えば溶接によって、その一端がコネクタ部品24Bの内側に面する表面に固定され、その他端がコネクタ部品24B’の内側に面する表面に固定される。閉鎖グリッド50’は、1つの横断部品54’を含み、横断部品54’は、例えば溶接によって、閉鎖ストリップ52A’、52B’および52C’を貫通して延在し、それらに固定されている。例えば溶接によって、横断部品54’の一端はシート30に固定され、横断部品54’の他端はシート30’に固定される。閉鎖グリッド50’は、その中に複数の開口部55’を有する。開口部55’は、それらを通ってチャネル40内に流体の流れを運ぶように構成される。閉鎖グリッド50および50’は、2つの閉鎖グリッド50および50’の間のチャネル40内に熱伝達要素88のスタック80を固定するように構成される。閉鎖グリッド50および50’はまた、シート30および30’の間に横方向の支持を提供し、シート30および30’の湾曲を防止する。閉鎖グリッド50および50’は、さらに、コネクタ部品24A、24A’および24B、24B’のそれぞれの対の間の横方向の支持を提供し、これらの湾曲を防止する。
【0020】
閉鎖グリッド50および50’は、3つの閉鎖ストリップ52A’、52B’および52C’と、1つの横断部品54’とを有するように示されているが、この点に関して限定されない。本発明は、バスケット10のサイズに応じて、3つより多いまたは少ない閉鎖ストリップおよび/または1つより多い横断部品が用いられてもよい。
【0021】
一実施形態では、コーナー部品22A、22Bおよび22A’、22B’ならびにコネクタ部品24A、24Bおよび24A’、24B’はそれぞれ、フレーム20、20’の全幅WまたはW’の5%未満の幅W1を有する。
【0022】
図1および図5を参照すると、熱伝達要素88は、例えば、複数のうねりおよびシート離間特徴を有する波形シートである。熱伝達要素88は、個々の流路90が隣接する熱伝達要素88の間に形成されるように、バスケット10内で互いの上に互い違いの構成で配置される。個々の流路90は、チャネル40と同じ方向に整列している。組み立ての間、熱伝達要素88は、コーナー部品22Aおよび22Bがシート30および30’ならびにコネクタ部品24Aおよび24Bに固定される前であるがバスケット10の残りの部分は組み立てられた状態で、開口部29を有する側部からバスケット10内に配置される。熱伝達要素88は、互い違いの構成で互いに積み重ねられ、互いに押し付けられる。バスケット10が所定数の熱伝達要素88で満たされると、コーナー部品22Aおよび22Bは、例えば溶接によってシート30および30’ならびにコネクタ部品24Aおよび24Bに固定され、熱伝達要素88をフレーム20とフレーム20’との間で互いに押し付けてバスケット10内に固定する。
【0023】
本開示は、様々な例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得、均等物がその要素に置き換えられ得ることが、当業者によって理解される。加えて、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に対して適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6