特許第6915511号(P6915511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日油株式会社の特許一覧

特許6915511耐摩耗剤及びそれを含有する潤滑油組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6915511
(24)【登録日】2021年7月19日
(45)【発行日】2021年8月4日
(54)【発明の名称】耐摩耗剤及びそれを含有する潤滑油組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 133/06 20060101AFI20210727BHJP
   C10N 30/00 20060101ALN20210727BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20210727BHJP
   C10N 40/08 20060101ALN20210727BHJP
   C10N 40/20 20060101ALN20210727BHJP
   C10N 40/25 20060101ALN20210727BHJP
【FI】
   C10M133/06
   C10N30:00 C
   C10N30:00 Z
   C10N30:06
   C10N40:08
   C10N40:20
   C10N40:25
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-226672(P2017-226672)
(22)【出願日】2017年11月27日
(65)【公開番号】特開2019-94461(P2019-94461A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】清水 湧太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉川 文隆
(72)【発明者】
【氏名】上田 成大
(72)【発明者】
【氏名】加治木 武
【審査官】 黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−506806(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0218479(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0197703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M 101/00−177/00
C10N 10/00− 80/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示されるエステル化合物からなる耐摩耗剤。
【化1】
[式(1)中、Rは炭素数6〜12の炭化水素基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基を示す。]
【請求項2】
請求項1の耐摩耗剤を0.05〜10質量%含有する潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた耐摩耗性を有する耐摩耗剤およびそれを含有する潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン油、油圧作動油、金属加工油などの潤滑油用途において、エネルギー効率や加工精度の向上を目的として、優れた潤滑性能が求められている。潤滑油は主に基油と添加剤から構成されており、潤滑性能の一つである耐摩耗性を改善するため、代表的な耐摩耗剤としてZnDTP(ジチオアルキルリン酸亜鉛)が用いられている。
しかし、エンジン油等に添加されたZnDTPは、亜鉛に由来する灰分を生成するので、ディーゼル車に搭載されるDPF(Diesel Particulate Filter )の目詰まりを促進するおそれがある。そのため、亜鉛などの金属を使用せず、灰分を生成しない無灰系の耐摩耗剤が検討されている。例えば、トリアリールフォスフォロチオネートとトリアリールフォスフェートを組み合わせた無灰系耐摩耗剤(特許文献1)や、β−ジチオフォスホリル化プロピオン酸からなる無灰系耐摩耗剤(特許文献2)が検討されている。さらに、自動車の排出ガスを浄化するために使用される三元触媒への影響を低減する目的から、リンや硫黄を削減した無灰系耐摩耗剤が検討されている。これら無灰系耐摩耗剤として、例えば酒石酸とアルコールからなる酒石酸エステル類が特許文献3に示されている。
【0003】
今般、劣化油廃棄量の削減という観点から、長期間使用できる潤滑油が求められている。しかしながら、使用環境によっては結露した水分がエンジン油等に混入することがあるので、従来の無灰系耐摩耗剤では効果が得られにくくなる。特に風力発電機のような沿岸部で使用される機器は、海水が混入しやすく、より大きな影響が見られることから、耐摩耗性が不十分となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許第1415964号明細書
【特許文献2】特開2002−265971号公報
【特許文献3】特表2010−528154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、無灰系耐摩耗剤であって、三元触媒への影響が削減され、潤滑油に水や海水が混入した条件でも耐摩耗性が損なわれ難い耐摩耗剤、および当該耐摩耗剤を含有する潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、式(1)で示されるN−アルキルイミノ二酢酸ジエステルからなる耐摩耗剤を特定の量比で潤滑油に含有させることによって、優れた耐摩耗性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。この知見に基づく本発明はすなわち以下のとおりである。
【0007】
下記式(1)で示されるエステル化合物からなる耐摩耗剤。
【化1】
[式(1)中、Rは炭素数6〜12の炭化水素基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基を示す。]
【0008】
上記の耐摩耗剤を0.05〜10質量%含有する潤滑油組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の耐摩耗剤は、潤滑油用基油に優れた耐摩耗性を付与することができるとともに、使用に伴って灰分を生成しない無灰系の耐摩耗剤であるため、DPFなどのフィルターの目詰まりを起こすことなく、またリン原子や硫黄原子を含まないため、三元触媒への影響が削減される。また、本発明の耐摩耗剤を含有する本発明の潤滑油組成物は、風力発電機などの水や海水の混入するような使用条件でも耐摩耗性が損なわれ難く好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の耐摩耗剤、および当該耐摩耗剤を含有する潤滑油組成物について詳しく説明する。
なお、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2〜10」は2以上10以下を表す。
【0011】
〔耐摩耗剤〕
本発明の耐摩耗剤は、下記式(1)で示されるエステル化合物、即ちN−アルキルイミノ二酢酸ジエステルからなる。式(1)中、Rは炭素数2〜16の炭化水素基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
【0012】
【化1】
【0013】
式(1)のN−アルキルイミノ二酢酸ジエステルは、例えば、下記式(2)で示されるモノアルキルアミンと、下記式(3)で示されるハロゲン化酢酸エステルを反応させて得られる。即ち、式(1)中のRはモノアルキルアミンに由来し、RおよびRはハロゲン化酢酸エステルに由来する。
【0014】
式(2) HN−R
【0015】
【化2】
【0016】
式(3)中、Xはハロゲン原子であり、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙げられる。
【0017】
モノアルキルアミンとしては、式(2)中のRが炭素数2〜16の炭化水素基であるものを使用できる。式(2)において、Rで示される炭素数2〜16の炭化水素基は、炭素と水素からなる官能基であり、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基から選ばれる1種である。好ましくはアルキル基またはアルケニル基である。アルキル基およびアルケニル基は直鎖でも分岐でも良い。
が炭素数1の炭化水素基または水素原子の場合は、式(1)のN−アルキルイミノ二酢酸ジエステルの鎖長が短くなり、水の混入時に十分な耐摩耗性が得られないことがある。また炭素数が大きすぎる場合は、式(1)のN−アルキルイミノ二酢酸ジエステルの鎖長が長くなり、同じく十分な耐摩耗性が得られないことがある。
したがって、好ましくは炭素数2〜16のアルキル基またはアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数4〜14のアルキル基またはアルケニル基、さらに好ましくは炭素数8〜14のアルキル基である。またさらに好ましくは炭素数12〜14のアルキル基である。炭素数12〜14のアルキル基としては直鎖でも分岐でも良いが、直鎖のものが特に好ましい。炭素数12〜14の直鎖アルキル基としては、例えば、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基などを挙げることができる。
【0018】
ハロゲン化酢酸エステルとしては、式(3)中のRおよびRが、独立して、炭素数1〜6の炭化水素基であるものを使用できる。式(3)において、RおよびRで示される炭素数1〜6の炭化水素基は、炭素と水素からなる官能基であり、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基から選ばれる1種である。好ましくはアルキル基である。RおよびRは同一であっても、あるいは異なっていてもよいが、ハロゲン化酢酸エステルの製造上の理由から、RとRが同じであることが好ましい。
したがって、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数2〜4のアルキル基である。炭素数2〜4のアルキル基としては直鎖でも分岐でも良い。炭素数2〜4のアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などを挙げることができる。
【0019】
上記式(1)で示されるN−アルキルイミノ二酢酸ジエステルの製造法の一例を下記に示す。
N−アルキルイミノ二酢酸ジエステルは、例えば、上記式(2)で示されるモノアルキルアミンと、上記式(3)で示されるハロゲン化酢酸エステルとを極性溶媒に溶解させ、塩基試薬を加え、例えば50〜120℃でアルキル化反応を行うことによって製造することができる。この場合、極性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。また塩基試薬としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
N−アルキルイミノ二酢酸ジエステルを製造するためのアルキル化反応は、モノアルキルアミンに対して過剰量のハロゲン化酢酸エステルを用いて行うことが好ましい。
【0020】
〔潤滑油組成物〕
本発明の潤滑油組成物は、上述の式(1)で示されるエステル化合物(N−アルキルイミノ二酢酸ジエステル)からなる耐摩耗剤と、潤滑油用基油との混合物を含んで成る。
【0021】
本発明で用いる潤滑油用基油は、種々の潤滑油用基油を使用することができる。例えば、鉱物油、高度精製鉱物油、動植物油脂、合成エステル、ポリαオレフィン、GTL(ガスツーリキッド)油などの従来から使用される潤滑油用基油が挙げられる。
【0022】
本発明の潤滑油組成物における式(1)で示されるエステル化合物の含有量は、0.05〜10質量%であり、好ましくは0.1〜9質量%であり、特に好ましくは0.1〜8質量%である。式(1)で示されるエステル化合物の含有量が少なすぎる場合は、十分な耐摩耗性が得られないことがある。また式(1)で示されるエステル化合物の含有量が少なすぎる場合は、添加量に見合った効果が得られないことがある。
【0023】
本発明の潤滑油組成物における潤滑油用基油の含有量は、90〜99.95質量%であり、好ましくは91〜99.9質量%であり、特に好ましくは、92〜99.9質量%である。
【0024】
本発明の潤滑油組成物は、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、腐食防止剤、流動点降下剤などの添加剤も必要に応じて含有させることができる。これらの添加剤の配合量は、通常、本発明の潤滑油組成物中、10質量ppm〜10質量%程度である。
各成分を混合する方法は特に限定されず、例えば、N−アルキルイミノ二酢酸ジエステル、潤滑油用基油、および必要に応じて添加剤の各成分の任意の量を測り採り、ビーカーなどの容器に入れ、攪拌羽を用いて攪拌混合する方法が挙げられる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例、参考例および比較例を示して本発明を更に詳細に説明する。耐摩耗剤として、下記の化合物1〜9を用いた。
【0026】
(化合物1:N−ペンチルイミノ二酢酸ジエチル)
ペンチルアミン5.6gをアセトニトリル26mlに溶解させ、炭酸カリウムを13g加えた。次に5℃にてクロロ酢酸エチル9.3gを、攪拌しながら30分かけて滴下し、その後80℃まで昇温し、2時間攪拌した。室温まで冷却後、水を100ml加えて反応を停止し、エバポレーターでアセトニトリルを減圧留去後、酢酸エチルで抽出(50ml×3回)し、水洗(50ml×3回)を行った。エバポレーターで酢酸エチルを減圧留去し、窒素でバブリング(80℃, 30torr, 1時間)しながら脱水を行い、目的物9.4gを得た。
【0027】
(化合物2:N−ヘキシルイミノ二酢酸ジエチル)
ヘキシルアミン6.5gをアセトニトリル30mlに溶解させ、炭酸カリウムを15g加えた。次に5℃にてクロロ酢酸エチル10.8gを、攪拌しながら30分かけて滴下し、その後80℃まで昇温し、2時間攪拌した。以下、化合物1と同様にして目的物を10.9g得た。
【0028】
(化合物3:N−ヘキシルイミノ二酢酸ジt−ブチル)
ヘキシルアミン6.5gをアセトニトリル30mlに溶解させ、炭酸カリウムを15g加えた。次に5℃にてクロロ酢酸t−ブチル13.3gを、攪拌しながら30分かけて滴下し、その後80℃まで昇温し、2時間攪拌した。以下、化合物1と同様にして目的物を11.3g得た。
【0029】
(化合物4:N−オクチルイミノ二酢酸ジエチル)
オクチルアミン8.4gをアセトニトリル38mlに溶解させ、炭酸カリウムを19.3g加えた。次に5℃にてクロロ酢酸エチル13.8gを、攪拌しながら30分かけて滴下し、その後80℃まで昇温し、2時間攪拌した。以下、化合物1と同様にして目的物を13.9g得た。
【0030】
(化合物5:N−ラウリルイミノ二酢酸ジエチル)
ラウリルアミン12gをアセトニトリル55mlに溶解させ、炭酸カリウムを27.7g加えた。次に5℃にてクロロ酢酸エチル19.8gを、攪拌しながら30分かけて滴下し、その後80℃まで昇温し、2時間攪拌した。以下、化合物1と同様にして目的物を20g得た。
【0031】
(化合物6:N−ミリスチルイミノ二酢酸ジエチル)
ミリスチルアミン14gをアセトニトリル65mlに溶解させ、炭酸カリウムを32g加えた。次に5℃にてクロロ酢酸エチル23.1gを、攪拌しながら30分かけて滴下し、その後80℃まで昇温し、2時間攪拌した。以下、化合物1と同様にして目的物を23g得た。
【0032】
(化合物7:イミノ二酢酸ジエチル)
試薬品(TCI社製)を用いた。
【0033】
(化合物8:イミノ二酢酸ジt−ブチル)
試薬品(TCI社製)を用いた。
【0034】
(化合物9:N−オレイルイミノ二酢酸ジエチル)
オレイルアミン17.3gをアセトニトリル80mlに溶解させ、炭酸カリウムを40g加えた。次に5℃にてクロロ酢酸エチル28.6gを、攪拌しながら30分かけて滴下し、その後80℃まで昇温し、2時間攪拌した。以下、化合物1と同様にして目的物を28.8g得た。
【0035】
上記の化合物1〜9のR〜Rを下記表1にまとめた。
【0036】
【表1】
【0037】
[潤滑油組成物の配合例]
潤滑油用基油に対して、上記の化合物1〜9を配合し、下記の潤滑性試験を行なった。使用した潤滑油用基油はポリαオレフィンまたはペンタエリスリトールテトラオレートである。
【0038】
耐摩耗性試験1
下記表2の潤滑油組成物1〜9についてSRV試験機にて耐摩耗性を評価した。SRV試験はボール/ディスクで行い、試験片はそれぞれSUJ−2製を用いた。試験条件は試験温度60℃、荷重100N、振幅1mm、振動数50Hzであり、試験時間25min経過後の摩耗痕径を測定した。なお、潤滑油組成物の基油はポリαオレフィンである。試験結果を同じく表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
耐摩耗性試験2
下記表3の潤滑油組成物10〜13についてSRV試験機にて耐摩耗性を評価した。潤滑油組成物に蒸留水を2000ppm加え、攪拌し、30分静置後の油相を試験試料とした。SRV試験はボール/ディスクで行い、試験片はそれぞれSUJ−2製を用いた。試験条件は試験温度40℃、荷重100N、振幅1mm、振動数50Hzであり、試験時間25min経過後の摩耗痕径を測定した。なお、潤滑油組成物の基油はペンタエリスリトールテトラオレートである。試験結果を同じく表3に示した。
【0041】
【表3】
【0042】
耐摩耗性試験3
下記表4の潤滑油組成物10〜13についてSRV試験機にて耐摩耗性を評価した。潤滑油組成物に人工海水を2000ppm加え、攪拌し、30分静置後の油相を試験試料とした。SRV試験はボール/ディスクで行い、試験片はそれぞれSUJ−2製を用いた。試験条件は試験温度40℃、荷重100N、振幅1mm、振動数50Hzであり、試験時間25min経過後の摩耗痕径を測定した。なお、潤滑油組成物の基油はペンタエリスリトールテトラオレートであり、人工海水についてはASTM D1141に準拠して調製したものを用いた。試験結果を同じく表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】
表2〜4に示す結果から明らかなように、本発明の耐摩耗剤であるN−アルキルイミノ二酢酸ジエステルと、潤滑油用基油とを含む本発明の潤滑油組成物は、潤滑油用基油に優れた耐摩耗性を付与することができ、特に水または海水混入下においても耐摩耗性が損なわれ難いという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の耐摩耗剤および潤滑油組成物は、優れた耐摩耗性を示し、風力発電機、船舶、建設機械などの水や海水の混入するような使用条件などに好適に用いることができる。