(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る汎用エンジンの一実施形態について、添付図面の
図1ないし
図3を参照しつつ説明する。
この実施形態に係る汎用エンジンは、外側ケース10、エンジンユニット20、燃料タンク30、冷却ファン40、冷却用カバー50、温度センサ60、発電ユニット70、コントローラ80、リコイルスタータ90を備えている。
【0019】
外側ケース10は、樹脂材料又は金属材料等により形成され、又、互いに締結された第1ケース11及び第2ケース12により形成されている。
外側ケース10は、遮音性及び安全性、並びに部品の保護機能を確保するために、エンジンユニット20及び付属部品の全体を覆う形態に形成されている。
【0020】
外側ケース10は、両側面において複数の空気取入口10a、後面において複数の空気排出口10b及びエンジンユニット20の排気管26を通す開口10c、前面において操作盤13を備えている。
また、外側ケース10は、一側面において、着脱自在なメンテナンスカバー14、矩形凹部10dを備えている。
矩形凹部10dには、スイッチ、調整レバー、リコイルスタータ90に接続される始動グリップ等が配置されている。
さらに、外側ケース10は、上側において、把持部10e、給油キャップ10fを備えている。
【0021】
空気取入口10aは、冷却ファン40が作動したとき、外側ケース10の外部から冷却用カバー50の内側に向けて冷却風としての空気を取り入れるために形成されている。
空気排出口10bは、エンジンユニット20の外壁21eに沿って流れた冷却風としての空気を外側ケース10の外部に排出するために形成されている。
操作盤13は、発電された電力を使用する際に適用されるものであり、外部の接続プラグを接続するコンセント、種々のスイッチ等を備えている。
【0022】
エンジンユニット20は、4サイクルの内燃エンジンであり、外側ケース10の内側に配置され、エンジン本体21、出力軸22、吸気管23、エアクリーナ24、燃料噴射用のインジェクタ25、点火プラグ(不図示)、排気管26、排気管26の途中に配置されたマフラー27を備えている。
【0023】
エンジン本体21は、シリンダブロック21a、シリンダブロック21aの下部に結合されたオイルパン、シリンダブロック21aの上側に結合されたシリンダヘッド21b、シリンダヘッド21bの上側に結合されたシリンダヘッドカバー21cを備えている。
【0024】
シリンダブロック21aは、鉄又はアルミニウム材料により形成され、回転自在なクランクシャフト、往復動自在なピストン、ピストンとクランクシャフトを連結するコネクティングロッドを収容している。
シリンダヘッド21bは、アルミニウム材料により形成され、燃焼室、吸気通路の一部をなす吸気ポート、排気通路の一部をなす排気ポートを画定すると共に、インジェクタ25及び点火プラグを固定し、又、動弁系を保持するように形成されている。
シリンダヘッドカバー21cは、アルミニウム材料又は金属板により形成され、動弁系及び点火プラグを覆うように形成されている。
【0025】
また、エンジン本体21は、その外壁21eから突出して形成された複数のボス部21fを備えている。
ボス部21fは、
図3に示すように、冷却用カバー50をエンジン本体21に固定するべく、ネジBを捩じ込むネジ穴21gを備えている。
ここで、ボス部21fは、シリンダブロック21a、シリンダヘッド21b、及びシリンダヘッドカバー21cの全てに形成されてもよく、又は、シリンダブロック21にのみ形成されてもよい。
【0026】
出力軸22は、エンジン本体21から突出するように、クランクシャフトと同軸上に一体的に形成され、冷却ファン40及び発電ユニット70のロータを連結する連結部を備えている。
吸気管23は、シリンダヘッド21bの吸気ポートに連通する吸気通路23aを画定するように形成され、シリンダヘッド21bに固定されている。
エアクリーナ24は、吸気管23の上流側に接続されて、外側ケース10の内部に導かれた空気を吸入するように配置されている。
【0027】
インジェクタ25は、コントローラ80から出力される所定の制御信号に基づいて電磁駆動されることにより、開弁時間、開弁時期が適宜制御されて、所望する燃料が噴射されるように形成されている。
そして、インジェクタ25は、シリンダヘッド21bの吸気ポートに向けて燃料を噴射するように、シリンダヘッド21bに固定されている。
【0028】
排気管26は、シリンダヘッド21bの排気ポートに連通する排気通路を画定すると共に、その途中においてマフラー27を保持するように形成され、シリンダヘッド21bに固定されている。
そして、排気管26は、その端部が外側ケース10の開口10cから露出するように配置されている。
【0029】
燃料タンク30は、外側ケース10の内側に配置されており、給油キャップ10eから注入された燃料を貯留すると共に、内蔵又は併設された加圧ポンプにより供給パイプ31を通してインジェクタ25に燃料を導くようになっている。
【0030】
冷却ファン40は、出力軸22と一体的に回転するように、出力軸22の連結部に連結されている。
そして、冷却ファン40が回転することにより、外側ケース10の外部から流れ込んだ空気を、冷却用カバー50とエンジン本体20の外壁21eとの間に画定される冷却風通路CPに導くようになっている。
【0031】
冷却用カバー50は、ステンレス等の金属板や耐熱性の樹脂材料等により、エンジン本体21、排気管26、発電ユニット70、冷却ファン40、リコイルスタータ90を覆うように形成されている。
また、冷却用カバー50は、ネジBを通す貫通孔51、冷却ファン40の前方において空気を取り入れる空気導入口52、空気排出口10bの近傍において空気導出口53を備えている。
【0032】
そして、冷却用カバー50は、エンジン本体21の外壁21eとの間に所定の隙間をおいて冷却風通路CPを画定するように配置され、ネジBを貫通孔51に通してボス部21fのネジ穴21gに捩じ込むことにより、エンジン本体21に固定されている。
【0033】
冷却風通路CPは、空気導入口52から冷却ファン40により導入された空気により生成される冷却風を、エンジン本体21の外壁21eに沿うように案内しつつ、外側ケース10の空気排出口10bに連通する空気導出口53まで導くようになっている。
【0034】
このように、冷却風通路CPに沿って冷却風が流れることにより、エンジンユニット20の空冷性能が高められ、所定温度を超えて高温になるのを防止することができる。
また、冷却用カバー50は、エンジン本体21を囲繞するため、遮音ないし防音効果を得ることもできる。
【0035】
温度センサ60は、
図3に示すように、フッ素樹脂あるいはエポキシ樹脂等の封止材料により封止されたサーミスタ61、ネジBを通す貫通孔62aを有する接続部62、サーミスタ61に接続された配線63を備えている。
サーミスタ61は、封止材料を介して接続部62と接合され、接続部62から伝わる熱を感知するようになっている。
接続部62は、例えば、熱伝導性の良い金属製の薄板材により、例えば、黄銅にメッキを施した薄板材により形成されている。
そして、温度センサ60は、
図2に示すように、エンジン本体21に対して空気導出口53が設けられた側と反対側の領域において、インジェクタ25の近傍に位置するエンジン本体21のシリンダブロック21aに設けられたボス部21fに対してネジBにより締結されることにより、エンジン本体21に固定されている。
尚、温度センサ60は、インジェクタ25の近傍に限らず、エアクリーナ24、マフラー27、空気導出口53の近傍等のうち任意の位置を選択して、エンジン本体21の一部をなすシリンダブロック21aに限らず、エンジン本体21の一部をなすシリンダヘッド21b又はシリンダヘッドカバー21cに設けられたボス部21fに対して固定されてもよい。
【0036】
すなわち、温度センサ60は、ボス部21f及びネジBを介して、エンジン本体21の温度を検出するようになっている。
それ故に、ネジBとしては、熱伝導性の良い金属材料、例えば、鉄、黄銅、アルミニウム等の材料により形成されたものが好ましい。
温度センサ60の検出値は、インジェクタ25による燃料噴射を電子制御する際に、入力情報の一部として適用される。
【0037】
ここでは、温度センサ60は、
図2及び
図3に示すように、冷却用カバー50の外側でかつ外側ケース10の内側に配置されて、冷却用カバー50を締結するネジBにより、冷却用カバー50と一緒にボス部21fに締結され、エンジン本体21に固定されている。
すなわち、温度センサ60が冷却風通路CPから外れた領域に配置されているため、冷却風通路CPを流れる冷却風に直接曝されない。
【0038】
それ故に、温度センサ60は冷却風による影響を受けることはなく、エンジン本体21の温度を高精度に検出することができる。
また、温度センサ60のサーミスタ61を封止する封止材料としては、耐熱性の高い高価な材料を選択する必要がない。
【0039】
また、温度センサ60は、冷却用カバー50を締結するネジBを共用してエンジン本体21にネジ締結により固定されるため、専用のネジが不要である。それ故に、部品の増加を招くことなく、低コスト化を達成することができる。
また、温度センサ60は、インジェクタ25の近傍に位置するボス部21fに固定されているため、エンジン本体21の温度を高精度に検出することができる。
さらに、温度センサ60は、外側ケース10により覆われた領域に配置されているため、外部における他の部材や操作者との干渉を防止でき、それ故に、その破損等を防止できる。
【0040】
発電ユニット70は、冷却用カバー50により囲まれた領域に配置され、出力軸22の連結部に連結されると共に複数の磁石を有するロータ、シリンダブロック21aに固定されるコア及びコアに巻回されたコイルを含むステータを備えている。
そして、発電ユニット70は、出力軸22と一緒にロータが回転することにより発電して、直流としての電力を発生するようになっている。
また、発電ユニット70のロータは、エンジンユニット20のクランクシャフトに連結されるフライホイールの役割を兼ねている。
【0041】
また、発電ユニット70により生成された電力は、コントローラ80に含まれる制御部により、適宜制御されるように形成されてもよい。例えば、制御部がインバータを含む構成を採用し、インバータにより直流から交流に変換されるように制御されてもよい。
尚、発電ユニット70により生成される電力は、操作盤13のコンセントを介して外部の電気機器に供給される。
【0042】
コントローラ80は、外側ケース10の内側でかつ冷却用カバー50の外側に配置されており、燃料噴射を制御するための燃料噴射制御部、発電ユニット70を制御する発電制御部を備えている。
燃料噴射制御部は、インジェクタ25及び温度センサ60を電気的に接続する配線基板を備えている。
尚、燃料噴射を制御するシステムとしては、必要に応じて、吸気温センサ、吸気流量センサ等、その他のセンサが適用されてもよい。
【0043】
リコイルスタータ90は、冷却用カバー50により囲まれた領域において冷却ファン40に隣接して配置されている。
リコイルスタータ90は、冷却用カバー50の内側壁に出力軸22と同軸上に回転可能に支持されるリコイルプーリ、リコイルプーリに巻回されるケーブル、ケーブルに接続された始動グリップ、冷却ファン40の一部に離脱可能に係合する係合爪を備えている。
そして、始動時に、操作者が始動グリップを引っ張ることにより、係合爪が冷却ファン40に係合し、冷却ファン40を介してクランクシャフトを回転させようになっている。
【0044】
次に、上記汎用エンジンの動作について説明する。
先ず、リコイルスタータ90により、出力軸22(クランクシャフト)が強制的に回転されてエンジンが始動される。
ここでは、出力軸22と同時に回転する発電ユニット70により発電される電力を用いて、コントローラ80が作動すると共にインジェクタ25が駆動制御される。
尚、別途の電源として、バッテリを備えていてもよい。
【0045】
エンジンが始動すると、スロットルレバー等により、エンジンの回転速度が調整される。これにより、発電ユニット70は発電して電力を生成し、又、冷却ファン40は回転して冷却風を生成する。
【0046】
冷却ファン40の回転により、
図2中の矢印CFで示すように、空気が外側ケース10の外部から空気取入口10aを通して内部に吸い込まれる。
続いて、吸い込まれた空気は、冷却用カバー50の空気導入口52を通り、冷却用カバー50とエンジン本体21の外壁21eの間に形成される冷却風通路CP内に導かれる。
【0047】
冷却風通路CP内に導かれた冷却風としての空気は、エンジン本体21の外壁21eに沿うように案内されて空気導出口53に至り、外側ケース10の空気排出口10bから外部に排出される。この冷却風の流れにより、エンジン本体21の空冷が行われる。
【0048】
一方、発電ユニット70により生成された電力は、操作盤13のコンセントにプラグを接続することにより、外部の電気機器に供給される。
【0049】
ところで、温度センサ60は、エンジン本体21の温度を検出する。そして、検出された温度情報は、コントローラ80に送られて、インジェクタ25による燃料噴射を制御する際の入力情報として利用される。
ここでは、温度センサ60が、冷却風通路CPから外れた領域において、エンジン本体21に固定されているため、冷却風通路CPを流れる冷却風に直接曝されず、冷却風による影響を受けない。それ故に、エンジン本体21の温度が高精度に検出される。
【0050】
上記のように、温度センサ60が配置されて取り付けられることにより、エンジン本体21の温度を高精度に測定でき、燃料噴射の電子制御を高精度に行うことができる。
これにより、燃費の向上、排ガスの清浄化、部品の共用による低コスト化等を達成することができる。
【0051】
図4は、温度センサ60の取付け構造の他の実施形態を示すものである。
この実施形態において、冷却カバー50は、樹脂材料を用いて、ボス部21fに当接される取付領域50aが肉厚に形成されている。そして、取付領域50aには、円筒状をなす金属製のカラー54が組み込まれている。
ここでは、カラー54は、ネジBを通す貫通孔54aを画定し、ボス部21fと温度センサ60の接続部62に接触するように取付領域50aと略同一の高さ寸法に形成されている。
【0052】
そして、温度センサ60は、冷却用カバー50の取付領域50a及びカラー54がボス部21fに当接された状態で、冷却カバー50の外側から接続部62がカラー54に接触するように配置されて、ネジBにより締結されている。
【0053】
この実施形態においても、温度センサ60は、冷却用カバー50の外側でかつ外側ケース10の内側に配置されて、冷却用カバー50を締結するネジBにより、冷却用カバー50と一緒にボス部21fに締結され、エンジン本体21に固定されている。
すなわち、温度センサ60が冷却風通路CPから外れた領域に配置されているため、冷却風通路CPを流れる冷却風に直接曝されない。それ故に、温度センサ60は冷却風による影響を受けることはなく、エンジン本体21の温度を高精度に検出することができる。
【0054】
図5は、温度センサ60の取付け構造のさらに他の実施形態を示すものである。
この実施形態において、エンジン本体21には、ネジ穴21hが設けられている。また、エンジン本体21とは別体に形成されたボス部材21kが用いられている。
ボス部材21kは、所定長さの円柱状をなし、ネジ穴21hに捩じ込まれる雄ネジ21m、ネジBを捩じ込むネジ穴21nを備えている。
ボス部材21kは、エンジン本体21と同一の鉄又はアルミニウム材料、あるいは、熱伝導性の良い黄銅等の金属材料により形成される。
ボス部材21kは、雄ネジ21mがネジ穴21hに捩じ込まれた状態で、エンジン本体21に一体形成されたボス部21fと同様に機能する。
【0055】
組付けに際して、先ず、ボス部材21kが、ネジ穴21hに捩じ込まれて、エンジン本体21に堅固に固定される。
続いて、温度センサ60が、冷却カバー50の外側から近付けられて、接続部62が冷却カバー50に当接するように配置されて、ネジBにより締結されている。
【0056】
この実施形態においても、温度センサ60は、冷却用カバー50の外側でかつ外側ケース10の内側に配置されて、冷却用カバー50を締結するネジBにより、冷却用カバー50と一緒にボス部としてのボス部材21kに締結され、エンジン本体21に固定されている。
すなわち、温度センサ60が冷却風通路CPから外れた領域に配置されているため、冷却風通路CPを流れる冷却風に直接曝されない。それ故に、温度センサ60は冷却風による影響を受けることはなく、エンジン本体21の温度を高精度に検出することができる。
【0057】
図6は、温度センサ60に替えて、他の形態に係る温度センサ160を採用する場合を示すものである。
この実施形態において、温度センサ160は、金属材料により形成された保護管161、保護管161内においてフッ素樹脂あるいはエポキシ樹脂等の封止材料により封止されたサーミスタ162、サーミスタ162に接続された配線163を備えている。
サーミスタ162は、封止樹脂を介して保護管161と接合され、保護管161から伝わる熱を感知するようになっている。
保護管161は、熱伝導性の良い金属材料、例えば、黄銅等の材料を切削して形成され、ボス部21fのネジ穴21gに捩じ込まれる雄ネジ161a、雄ネジ161aよりも拡径して形成された略六角柱をなす拡径部161bを備えている。
【0058】
そして、温度センサ160は、冷却用カバー50の外側から近付けられて、雄ネジ161aが貫通孔51に通され、エンジン本体21のボス部21f(ネジ穴21g)に捩じ込まれる。
これにより、温度センサ160は、拡径部161bがボス部21fと協働して冷却用カバー50を挟み込みつつ、エンジン本体21に固定される。
【0059】
このように、温度センサ160は、それ自身が捩じ込まれて固定されるものであるため、温度センサ160を取り付ける領域においては前述の実施形態で使用したネジBが不要になる。
【0060】
この実施形態においても、温度センサ160は、サーミスタ162を内蔵する保護管161が冷却用カバー50の外側に露出しかつボス部21fの壁部で覆われた領域でかつ外側ケース10の内側に配置されて、ボス部21fと協働して冷却用カバー50を挟み込むようにしてエンジン本体21に固定されている。
すなわち、温度センサ160が冷却風通路CPから外れた領域に配置されているため、冷却風通路CPを流れる冷却風に直接曝されない。それ故に、温度センサ160は冷却風による影響を受けることはなく、エンジン本体21の温度を高精度に検出することができる。
【0061】
図7は、温度センサ160に替えて、他の形態に係る温度センサ260を採用する場合を示すものである。尚、前述の
図6に示す実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態において、温度センサ260は、保護管161、サーミスタ162を備え、前述の配線163に替えて配線を接続する雌型コネクタ164を備えている。
サーミスタ162は、前述同様に、封止樹脂を介して保護管161と接合され、保護管161から伝わる熱を感知するようになっている。
雌型コネクタ164は、コントローラ80から導かれる配線の雄型コネクタを電気的に接続し得るように形成されている。
【0062】
この実施形態においても、温度センサ260は、サーミスタ162を内蔵する保護管161が冷却用カバー50の外側に露出しかつボス部21fの壁部で覆われた領域でかつ外側ケース10の内側に配置されて、ボス部21fと協働して冷却用カバー50を挟み込むようにしてエンジン本体21に固定されている。
すなわち、温度センサ260が冷却風通路CPから外れた領域に配置されているため、冷却風通路CPを流れる冷却風に直接曝されない。それ故に、温度センサ260は冷却風による影響を受けることはなく、エンジン本体21の温度を高精度に検出することができる。
【0063】
上記実施形態においては、汎用エンジンとして、発電ユニット70を備えた構成を示したが、これに限定されるものではなく、出力軸22に対して外部から発電ユニットを連結し得るように出力軸が形成され、別個に用意される発電ユニットを出力軸に連結することで発電できる汎用エンジンにおいて、本発明を採用してもよい。
【0064】
上記実施形態においては、汎用エンジンとして、インジェクタ25を備えた構成を示したが、これに限定されるものではなく、燃料供給系として従来のキャブレータを備えた構成において、エンジン本体の温度情報を検知する必要がある場合は、温度センサの配置及び取付け構造に関し、本発明を採用してもよい。
【0065】
上記実施形態においては、汎用エンジンとして、外側ケース10を備えた構成を示したが、これに限定されるものではなく、外側ケースを廃止した汎用エンジンにおいて、本発明を採用してもよい。
【0066】
上記実施形態においては、汎用エンジンとして、発電機に適用されるものを示したが、これに限定されるものではなく、二輪車あるいはその他の車両等に搭載される空冷エンジンにおいても、本発明を採用することができる。
【0067】
上記実施形態においては、温度センサ60,160,260をエンジン本体21に固定する方法として、ネジBを用いてボス部21fにネジ締結することにより又は温度センサ160,260の雄ネジ161aをボス部21fに直接捩じ込むことにより固定する方法を示したが、これに限定されるものではなく、その他の手法により固定してもよい。
【0068】
以上述べたように、本発明の汎用エンジンは、エンジン本体の温度を高精度に測定でき、燃料噴射の電子制御を高精度に行うことができ、燃費の向上、排ガスの清浄化、部品の共用による低コスト化等を達成できるため、発電用として適用できるのは勿論のこと、その他の駆動力を要する分野の発動機、二輪車等に搭載される空冷エンジンとしても有用である。