特許第6916085号(P6916085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6916085
(24)【登録日】2021年7月19日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】車両用ヘッドレスト制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/838 20180101AFI20210729BHJP
   B60N 2/02 20060101ALI20210729BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20210729BHJP
【FI】
   B60N2/838
   B60N2/02
   A47C7/38
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-205215(P2017-205215)
(22)【出願日】2017年10月24日
(65)【公開番号】特開2019-77309(P2019-77309A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2020年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡田 隆
(72)【発明者】
【氏名】猪島 智宏
(72)【発明者】
【氏名】池田 政之
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−144237(JP,A)
【文献】 実開平03−112045(JP,U)
【文献】 実開平03−108540(JP,U)
【文献】 特開2004−161165(JP,A)
【文献】 米国特許第07458640(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/90
A47C 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックと、
ヘッドレストと、
第1の位置及び当該第1の位置よりも前記シートバックから離れた第2の位置の間で前記ヘッドレストを進退移動させる第1アクチュエータと、
前記シートバックに対して起立した起立位置及び前記シートバックに対して傾いた傾斜位置の間で前記ヘッドレストを回動させる第2アクチュエータと、を備える車両用シートの車両用ヘッドレスト制御装置であって、
前記ヘッドレストを前記シートバックに対して傾くように回動させる回動動作を行う状況において、
前記ヘッドレストが前記第1の位置及び前記第2の位置の間の位置である下限位置から前記第2の位置までの許容範囲に位置する場合には前記回動動作を行い、
前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置しない場合には前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置するように前記ヘッドレストを進退移動させた後に前記回動動作を行うものであって、
前記許容範囲は、前記下限位置から当該下限位置及び前記第2の位置の間の位置である上限位置までの範囲である
車両用ヘッドレスト制御装置。
【請求項2】
前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置しない場合には、前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置するように前記ヘッドレストを進退移動させる前に、前記ヘッドレストの位置を使用位置として記憶し、
前記回動動作を第1回動動作としたとき、前記ヘッドレストを前記シートバックに対して起立するように回動させる第2回動動作を行う場合には、前記第2回動動作を行った後に、前記ヘッドレストが前記使用位置に位置するように前記ヘッドレストを進退移動させる
請求項1に記載の車両用ヘッドレスト制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ヘッドレスト制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ステーを有するヘッドレストと、シートバックに組み付けられ、ステーをシートバックに対して略起立状態から前倒し状態に回動させることでヘッドレストを使用可能状態から格納状態に切り替え可能な回動機構と、を備えるヘッドレスト装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−36540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなヘッドレスト装置において、シートバック及びヘッドレストは、弾性を有するクッション材によって覆われている。このため、シートバック及びヘッドレストの外形の形状並びにシートバック及びヘッドレストの位置関係などによっては、ヘッドレストを回動させる際に、シートバック及びヘッドレストが接触する場合がある。この場合には、ヘッドレストが円滑に回動しなかったり、シートバック及びヘッドレストが擦れたりするおそれがある。本発明の目的は、ヘッドレストをシートバックに対して回動させる際にシートバック及びヘッドレストが接触することを抑制できる車両用ヘッドレスト制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する車両用ヘッドレスト制御装置は、シートバックと、ヘッドレストと、第1の位置及び当該第1の位置よりも前記シートバックから離れた第2の位置の間で前記ヘッドレストを進退移動させる第1アクチュエータと、前記シートバックに対して起立した起立位置及び前記シートバックに対して傾いた傾斜位置の間で前記ヘッドレストを回動させる第2アクチュエータと、を備える車両用シートの車両用ヘッドレスト制御装置であって、前記ヘッドレストを前記シートバックに対して傾くように回動させる回動動作を行う状況において、前記ヘッドレストが前記第1の位置及び前記第2の位置の間の位置である下限位置から前記第2の位置までの許容範囲に位置する場合には前記回動動作を行い、前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置しない場合には前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置するように前記ヘッドレストを進退移動させた後に前記回動動作を行うものであって、前記許容範囲は、前記下限位置から当該下限位置及び前記第2の位置の間の位置である上限位置までの範囲である
【0006】
上記構成によれば、車両用ヘッドレスト制御装置は、ヘッドレストが許容範囲に位置しない状態、言い換えれば、ヘッドレストが下限位置よりもシートバックに接近した状態で回動動作を行わない。このため、車両用ヘッドレスト制御装置は、ヘッドレストをシートバックに対して回動させる際にシートバック及びヘッドレストが接触することを抑制できる。
【0007】
記構成によれば、車両用ヘッドレスト制御装置は、ヘッドレストが許容範囲に位置しない状態、言い換えれば、ヘッドレストが上限位置よりもシートバックから離れた状態で回動動作を行わない。このため、ヘッドレストの回動中心からヘッドレストの重心までの距離が長い状態で回動動作が行われない。したがって、車両用ヘッドレスト制御装置は、ヘッドレストの回動動作を行う場合において、ヘッドレストを回動させる第2アクチュエータの負荷を低減できる。
【0008】
上記車両用ヘッドレスト制御装置は、前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置しない場合には、前記ヘッドレストが前記許容範囲に位置するように前記ヘッドレストを進退移動させる前に、前記ヘッドレストの位置を使用位置として記憶し、前記回動動作を第1回動動作としたとき、前記ヘッドレストを前記シートバックに対して起立するように回動させる第2回動動作を行う場合には、前記第2回動動作を行った後に、前記ヘッドレストが前記使用位置に位置するように前記ヘッドレストを進退移動させることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、車両用ヘッドレスト制御装置は、ヘッドレストを進退移動させてから第1回動動作を行った場合には、第2回動動作を行った後に、ヘッドレストを使用位置に復帰できる。このため、車両用ヘッドレスト制御装置は、乗員の利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0010】
上記構成のヘッドレスト制御装置によれば、ヘッドレストをシートバックに対して回動させる際にシートバック及びヘッドレストが接触することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る車両用ヘッドレスト制御装置を適用した車両用シートの概略構成図。
図2】(a)〜(c)は、シートバック及びヘッドレストの間隔が異なる場合におけるヘッドレストの回動軌跡を説明する車両用シートの側面図。
図3】ヘッドレストをシートバックに対して前傾させるときに、制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャート。
図4】ヘッドレストをシートバックに対して起立させるときに、制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態に係る車両用ヘッドレスト制御装置(以下、「制御装置」とも言う。)を適用した車両用シート(以下、「シート」とも言う。)について、図面に従って説明する。なお、本実施形態のシートは、車両の助手席である。
【0013】
図1に示すように、シート10は、乗員の背部を支持するシートバック11と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト21を有するヘッドレスト装置20と、ヘッドレスト21を動作させる際に乗員が操作する操作部12と、を備える。また、シート10は、乗員の臀部を支持する不図示のシートクッションを備える。
【0014】
シートバック11及びヘッドレスト21は、少なくとも乗員と触れる部位が弾性を有するクッション材によって覆われている。また、操作部12は、シート10に着座する乗員にとって操作しやすい位置に設けられる。操作部12は、ヘッドレスト21を動作させるための複数のスイッチを有する。
【0015】
図1に示すように、ヘッドレスト装置20は、シートバック11及びヘッドレスト21を連結するステー22と、ステー22を回動可能に支持する軸部材23と、を有する。また、ヘッドレスト装置20は、シートバック11に対してヘッドレスト21を相対的に移動させる第1アクチュエータ24及び第2アクチュエータ25と、第1アクチュエータ24及び第2アクチュエータ25を制御する制御装置26と、を有する。
【0016】
ステー22は、棒状をなし、シートバック11及びヘッドレスト21を接続する。本実施形態において、ステー22は、シートバック11と相対的に回動可能にシートバック11に支持される。一方、ステー22は、ヘッドレスト21と相対的に直動可能にヘッドレスト21を支持する。軸部材23は、シート10(シートバック11)の幅方向が軸方向となるように、シートバック11を構成する不図示のフレーム等に支持される。そして、軸部材23は、ステー22の基端をシート10の幅方向に延びる回動軸回りに回動可能に支持する。
【0017】
その結果、本実施形態のシート10は、図1に実線矢印で示すように、ヘッドレスト21がシートバック11に対して進退移動可能に構成され、図1に破線矢印で示すように、ヘッドレスト21がシートバック11に対して回動可能に構成される。詳しくは、ヘッドレスト21は、第1の位置及び当該第1の位置よりもシートバック11から離れた第2の位置の間で進退移動する。また、ヘッドレスト21は、シートバック11に対して起立する起立位置及びシートバック11に対して前傾する前傾位置(傾斜位置の一例)の間で回動する。
【0018】
例えば、第1の位置は、ヘッドレスト21の下端部がシートバック11の上端部に接触するときのヘッドレスト21の位置である。また、起立位置は、車両幅方向における側面視において、シートバック11及びヘッドレスト21が略直的に配置されるときのヘッドレスト21の位置であり、乗員がシート10に着座するときのヘッドレスト21の位置である。一方、前傾位置は、車両幅方向における側面視において、シート10及びヘッドレスト21が屈曲するように配置されるときのヘッドレスト21の位置であり、乗員がシート10に着座しないときの位置である。また、以降の説明では、ヘッドレスト21の進退移動方向における位置の基準をヘッドレスト21の下端とする。
【0019】
第1アクチュエータ24は、ヘッドレスト21を第1の位置及び第2の位置の間で進退移動させるアクチュエータである。第1アクチュエータ24は、例えば、ヘッドレスト21の内部に配置される。第1アクチュエータ24は、駆動源となるモータ241と、モータ241の回転に同期したパルス信号を出力する位置センサ242と、を有する。
【0020】
第2アクチュエータ25は、ヘッドレスト21を起立位置及び前傾位置の間で回動させるアクチュエータである。第2アクチュエータ25は、例えば、シートバック11の内部に配置される。第2アクチュエータ25は、駆動源となるモータ251と、モータ251の回転に同期したパルス信号を出力する位置センサ252と、を有する。
【0021】
次に、制御装置26について詳しく説明する。
制御装置26は、各種の情報を記憶する記憶部261を有する。制御装置26は、位置センサ242,252からの出力信号に基づいて、ヘッドレスト21の進退移動範囲における位置及び回動範囲における位置を取得する。すなわち、制御装置26は、予め設定された初期値に位置センサ242,252から出力されるパルス信号を積算し、ヘッドレスト21の進退移動範囲における位置及び回動範囲における位置を取得する。
【0022】
そして、制御装置26は、操作部12からの操作信号に基づいて、第1アクチュエータ24及び第2アクチュエータ25を駆動し、ヘッドレスト21を進退移動させたり、ヘッドレスト21を回動させたりする。こうして、制御装置26は、シート10に着座する乗員の頭部を支持するのに適した位置にヘッドレスト21を移動させたり、シート10の車両後方のシート(リアシート)の乗員の視界を確保するためにヘッドレスト21を前傾位置に配置させたりする。このため、本実施形態において、操作部12は、操作している間に限りヘッドレスト21を進退移動させるスイッチと、操作によりヘッドレスト21を起立位置又は前傾位置まで回動させるスイッチと、を有することが好ましい。
【0023】
次に、図2(a)〜(c)を参照して、ヘッドレスト21の進退移動方向における位置が異なる場合に、ヘッドレスト21を回動させるときの回動軌跡について説明する。なお、図2(a)〜(c)では、ヘッドレスト21の回動軌跡を二点鎖線で図示している。
【0024】
図2(a)に示すように、ヘッドレスト21が、その進退移動範囲のうち最もシートバック11に接近した第1の位置P1に位置する場合には、ヘッドレスト21を前傾位置まで回動させるときに、シートバック11の上端部及びヘッドレスト21の下端部が接触する。この場合には、シートバック11及びヘッドレスト21の摩擦により音が発生したり、シートバック11及びヘッドレスト21の外側を覆うクッション材が摩耗したり、第2アクチュエータ25の負荷が高くなったりするおそれがある。
【0025】
一方、図2(b)に示すように、ヘッドレスト21が、その進退移動範囲のうち最もシートバック11から離れた第2の位置P2に位置する場合には、ヘッドレスト21を前傾位置まで回動させても、シートバック11の上端部及びヘッドレスト21の下端部が擦れることはない。ただし、この場合には、図2(a)に示す場合と異なり、ヘッドレスト21の回動中心C1からヘッドレスト21の重心C2までの距離が長くなるため、ヘッドレスト21を回動させる場合に、第2アクチュエータ25(モータ251)の負荷が高くなるおそれがある。
【0026】
これに対し、図2(c)に示すように、ヘッドレスト21が、その進退移動範囲において、第1の位置P1よりもシートバック11から離れた位置であって且つ第2の位置P2よりもシートバック11に接近した位置に位置する場合には、ヘッドレスト21を前傾位置まで回動させたときに以下のようになる。すなわち、図2(a)に示す場合と比較して、ヘッドレスト21の下端部の回動半径が大きくなる点で、シートバック11の上端部及びヘッドレスト21の下端部の接触が抑制される。また、図2(b)に示す場合と比較して、ヘッドレスト21の回動中心C1からヘッドレスト21の重心C2までの距離が短くなる点で、第2アクチュエータ25(モータ251)の負荷が高くなることが抑制される。
【0027】
そこで、本実施形態において、制御装置26は、ヘッドレスト21の進退移動範囲のうち、下限位置PL及び上限位置PUの間の範囲を許容範囲RNとしたとき、ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置する場合に、ヘッドレスト21の回動を許容する。一方、制御装置26は、ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置しない場合に、ヘッドレスト21の回動を一旦制限する。詳しくは、制御装置26は、ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置しない場合には、ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置するようにヘッドレスト21を進退移動させた後に、ヘッドレスト21の回動を許容する。
【0028】
ヘッドレスト21の下限位置PLは、第1の位置P1よりもシートバック11から離れた位置であり、第1の位置P1及び第2の位置P2の間の位置である。下限位置PLは、ヘッドレスト21の下端部がシートバック11の上端部に擦れることなくヘッドレスト21が回動できるときのヘッドレスト21の位置の中で、最もシートバック11に接近した位置であることが好ましい。
【0029】
一方、ヘッドレスト21の上限位置PUは、第2の位置P2よりもシートバック11に接近した位置であり、下限位置PL及び第2の位置P2の間の位置である。上限位置PUは、下限位置PLよりも僅かにシートバック11から離れた位置であることが好ましい。
【0030】
また、本実施形態において、制御装置26は、ヘッドレスト21が前傾位置に位置する場合、第1アクチュエータ24の駆動を制限することが好ましい。すなわち、制御装置26は、ヘッドレスト21が前傾位置に位置する状態でヘッドレスト21が進退移動することを制限することが好ましい。
【0031】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、シートバック11に対して起立したヘッドレスト21を前傾するように回動させるために、制御装置26が実行する処理の流れについて説明する。すなわち、本処理は、乗員が、操作部12を介してヘッドレスト21を前傾位置まで回動させるための操作を行ったときに実行される処理である。
【0032】
図3に示すように、制御装置26は、ヘッドレスト21の進退移動範囲における現在位置を取得する(ステップS11)。続いて、制御装置26は、取得したヘッドレスト21の位置が許容範囲RNにあるか否かを判定する(ステップS12)。ヘッドレスト21の位置が許容範囲RNにある場合(ステップS12:YES)、制御装置26は、第2アクチュエータ25を駆動し、ヘッドレスト21を前傾位置に向けて回動させる第1回動動作を行う(ステップS13)。その後、制御装置26は、本処理を終了する。
【0033】
一方、ヘッドレスト21の位置が許容範囲RNにない場合(ステップS12:NO)、制御装置26は、ヘッドレスト21の進退移動方向における現在位置を使用位置として記憶部261に記憶する(ステップS14)。その後、制御装置26は、第1アクチュエータ24を駆動し、ヘッドレスト21を進退移動させる(ステップS15)。詳しくは、ヘッドレスト21が下限位置PLよりもシートバック11に接近している場合、制御装置26は、ヘッドレスト21をシートバック11から離れる方向に移動させる。また、ヘッドレスト21が上限位置PUよりもシートバック11から離れている場合、制御装置26は、ヘッドレスト21がシートバック11に接近する方向に移動させる。
【0034】
そして、制御装置26は、ヘッドレスト21の位置が許容範囲RNにあるか否かを再度判定する(ステップS16)。ヘッドレスト21の位置が許容範囲RNにない場合(ステップS16:NO)、制御装置26は、その処理を先のステップS15に移行する。この場合には、ヘッドレスト21の進退移動が継続される。一方、ヘッドレスト21の位置が許容範囲RNにある場合(ステップS16:YES)、制御装置26は、その処理を先のステップS13に移行する。
【0035】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、シートバック11に対して前傾したヘッドレスト21を起立するように回動させるために、制御装置26が実行する処理の流れについて説明する。すなわち、本処理は、乗員が、操作部12を介してヘッドレスト21を起立位置に回動させるための操作を行ったときに実行される処理である。
【0036】
図4に示すように、制御装置26は、第2アクチュエータ25を駆動し、ヘッドレスト21を起立位置に向けて回動させる第2回動動作を行う(ステップS21)。続いて、制御装置26は、記憶部261に使用位置が記憶されているか否かを判定する(ステップS22)。記憶部261に使用位置が記憶されている場合(ステップS22:YES)、第1アクチュエータ24を駆動し、ヘッドレスト21が使用位置に位置するようにヘッドレスト21を進退移動させる(ステップS23)。その後、制御装置26は、使用位置を記憶部261から消去し、本処理を終了する。一方、ステップS22において、記憶部261に使用位置が記憶されていない場合(ステップS22:NO)、制御装置26は、本処理を終了する。
【0037】
以下、本実施形態の効果を作用とともに説明する。
(1)ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置する場合、詳しくは、ヘッドレスト21が第1の位置P1よりもシートバック11から離れている場合、ヘッドレスト21の前傾位置への回動が許容される。一方、ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置しない場合、詳しくは、ヘッドレスト21が下限位置PLよりもシートバック11に接近している場合、ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置するように進退移動された後、ヘッドレスト21の前傾位置への回動が許容される。このため、制御装置26は、ヘッドレスト21を前傾位置に回動させる際に、ヘッドレスト21がシートバック11に接触することを抑制できる。
【0038】
(2)ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置しない場合、詳しくは、ヘッドレスト21が上限位置PUよりもシートバック11から離れている場合、ヘッドレスト21が許容範囲RNに位置するように進退移動された後、ヘッドレスト21の前傾位置への回動が許容される。このため、制御装置26は、ヘッドレスト21を前傾位置に回動させる際に、第2アクチュエータ25の負荷が増大することを抑制できる。
【0039】
(3)ヘッドレスト21を進退移動させてからヘッドレスト21を前傾位置まで回動(往動)させた場合には、ヘッドレスト21を起立位置まで回動(復動)させた後に、ヘッドレスト21を元の使用位置に戻すことができる。このため、乗員の利便性を向上できる。
【0040】
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・ステー22は、シートバック11に接続される第1のステーと、ヘッドレスト21に接続され、第1のステーに対して相対的に回動する第2のステーと、を有してもよい。これによれば、シート10は、第1のステーに対して第2のステーが回動することで、ヘッドレスト21を回動できる。
【0041】
・ヘッドレスト21は、ステー22に対して相対的に回動できるように、ステー22の先端部に支持される構成としてもよい。これによれば、シート10は、ステー22に対してヘッドレスト21が回動することで、ヘッドレスト21を回動できる。この場合、第2アクチュエータ25は、ヘッドレスト21の内部に配置してもよい。
【0042】
・ステー22は、ヘッドレスト21に対して相対移動不能に固定され、シートバック11に対してステー22の長手方向に相対移動可能に支持されてもよい。これによれば、ヘッドレスト21は、ステー22とともに進退移動方向に移動することとなる。この場合、第1アクチュエータ24は、シートバック11の内部に配置してもよい。
【0043】
・第1アクチュエータ24の位置センサ242は、ヘッドレスト21の進退移動方向における位置を直接検出する変位センサであってもよいし、第2アクチュエータ25の位置センサ252は、ヘッドレスト21の回動方向における角度(位置)を直接検出する変位センサであってもよい。
【0044】
・ヘッドレスト21は、シートバック11に対して後傾可能な構成としてもよい。この場合、シートバック11に対して後傾した後傾位置が傾斜位置の一例に相当する。
・制御装置26は、ヘッドレスト21を起立位置まで回動させた後に、ヘッドレスト21が使用位置に位置するようにヘッドレスト21を進退移動させなくてもよい。例えば、制御装置26は、ヘッドレスト21を起立位置まで回動させた後に、ヘッドレスト21を一切進退移動させなくてもよいし、ヘッドレスト21を第1の位置P1又は第2の位置P2などの所定位置まで進退移動させてもよい。
【0045】
・シート10は、フロントシート以外のシートに適用してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…シート、11…シートバック、12…操作部、20…ヘッドレスト装置、21…ヘッドレスト、22…ステー、23…軸部材、24…第1アクチュエータ、25…第2アクチュエータ、26…制御装置(車両用ヘッドレスト制御装置)、241…モータ、242…位置センサ、251…モータ、252…位置センサ、261…記憶部、C1…回動中心、C2…重心、P1…第1の位置、P2…第2の位置、PL…下限位置、PU…上限位置、RN…許容範囲。
図1
図2
図3
図4