特許第6916099号(P6916099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6916099制御装置、人力駆動車システム、および、制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6916099
(24)【登録日】2021年7月19日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】制御装置、人力駆動車システム、および、制御方法
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/41 20200101AFI20210729BHJP
   B62J 43/30 20200101ALI20210729BHJP
   B62M 6/45 20100101ALN20210729BHJP
【FI】
   B62J45/41
   B62J43/30
   !B62M6/45
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-223848(P2017-223848)
(22)【出願日】2017年11月21日
(65)【公開番号】特開2019-93849(P2019-93849A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西野 高史
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 利彦
(72)【発明者】
【氏名】高山 仁志
(72)【発明者】
【氏名】中倉 正裕
【審査官】 田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−145117(JP,A)
【文献】 特開2017−170921(JP,A)
【文献】 特開2007−223399(JP,A)
【文献】 特表2017−522681(JP,A)
【文献】 中国実用新案第204489032(CN,U)
【文献】 中国実用新案第204750404(CN,U)
【文献】 特開2011−201460(JP,A)
【文献】 特開2000−280945(JP,A)
【文献】 特開2000−247287(JP,A)
【文献】 特開2008−044565(JP,A)
【文献】 特開2014−113865(JP,A)
【文献】 特開2007−191114(JP,A)
【文献】 特開2009−248662(JP,A)
【文献】 特開2017−159674(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1743721(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0062502(KR,A)
【文献】 特開2017−181276(JP,A)
【文献】 特開2011−002368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 45/41
B62J 43/30
B62M 6/45
B62J 3/10
G01S 17/931
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出するように人力駆動車に設けられる検出装置の制御装置であって、
前記人力駆動車に関する情報に基づいて、前記検出装置を、第1モード、および、前記第1モードよりも消費電力が小さい第2モードの少なくともいずれか一方で制御し、
前記人力駆動車に関する情報は、前記人力駆動車の振動に関する情報、前記人力駆動車の総重量に関する情報、前記人力駆動車のディスクブレーキロータに関する情報、前記人力駆動車の制動装置を駆動するために手操作される操作装置に関する情報、および、前記人力駆動車の施錠装置に関する情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記第2モードにおいて、間欠動作するように前記検出装置を制御する、制御装置。
【請求項2】
前記第1モードにおいて、前記人力駆動車に関する情報を第1所定時間の間取得しない場合、前記検出装置を前記第2モードで制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2モードにおいて、前記検出装置への電力供給を停止する、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1モード、前記第2モード、ならびに、前記第1モードおよび前記第2モードよりも消費電力が小さい第3モードのいずれかで前記検出装置を制御する、請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第2モードにおいて、前記人力駆動車に関する情報を第2所定時間の間取得しない場合、前記検出装置を前記第3モードで制御する、請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第3モードにおいて、前記検出装置への電力供給を停止する、請求項4または5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記検出装置は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を出力し、反響した前記電磁波を検出する、請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記検出装置は、紫外線、赤外線、サブミリ波、および、ミリ波の少なくとも一つを検出する、請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記検出装置は、紫外線、赤外線、サブミリ波、および、ミリ波のうちの少なくとも一つを含む電磁波を出力し、反響した前記電磁波を検出する、請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出する検出装置と、
請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置と、を備える人力駆動車システム。
【請求項11】
前記検出装置に電力を供給する電力供給装置をさらに備える、請求項10に記載の人力駆動車システム。
【請求項12】
前記電力供給装置は、発電部および蓄電部の少なくともいずれか一方を含む、請求項11に記載の人力駆動車システム。
【請求項13】
前記検出装置はハウジングを含み、前記電力供給装置は前記ハウジングに設けられる、請求項11または12に記載の人力駆動車システム。
【請求項14】
前記電力供給装置は、前記検出装置とは別に設けられる、請求項11または12に記載の人力駆動車システム。
【請求項15】
前記電力供給装置は、前記人力駆動車のコンポーネントに電力を供給可能に構成される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の人力駆動車システム。
【請求項16】
可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出するように人力駆動車に設けられる検出装置の制御方法であって、
前記人力駆動車に関する情報に基づいて、前記検出装置を、第1モード、および、前記第1モードよりも消費電力が小さい第2モードの少なくともいずれか一方で制御し、
前記人力駆動車に関する情報は、前記人力駆動車の振動に関する情報、前記人力駆動車の総重量に関する情報、前記人力駆動車のディスクブレーキロータに関する情報、前記人力駆動車の制動装置を駆動するために手操作される操作装置に関する情報、および、前記人力駆動車の施錠装置に関する情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記第2モードにおいて、間欠動作するように前記検出装置を制御する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、これを備える人力駆動車システム、および、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は人力駆動車に搭載される制御装置の一例を開示している。この制御装置は、検出装置が路面に照射したビームの路面からの反射レベルに基づいて、アシスト装置を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−97877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車に設けられる検出装置の消費電力を低減できることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面の制御装置の一形態は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出するように人力駆動車に設けられる検出装置の制御装置であって、前記検出装置を、第1モード、および、前記第1モードよりも消費電力が小さい第2モードの少なくともいずれか一方で制御する。
第1側面の制御装置によれば、必要に応じて第1モードと第2モードとを切り替えることができるため、検出装置の消費電力を低減できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記人力駆動車に関する情報に基づいて、前記検出装置を前記第1モードおよび前記第2モードの少なくともいずれか一方で制御する。
第2側面の制御装置によれば、人力駆動車に関する情報に基づいて検出装置を制御するため、人力駆動車の搭乗者の意図に沿った制御を実行できる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記人力駆動車に関する情報は、前記人力駆動車の振動に関する情報、前記人力駆動車の総重量に関する情報、前記人力駆動車の回転体に関する情報、前記人力駆動車の操作装置に関する情報、および、前記人力駆動車の施錠装置に関する情報のうちの少なくとも1つを含む。
前記第3側面の制御装置によれば、多様な情報に基づいて検出装置を制御できる。
【0008】
前記第2または第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記第1モードにおいて、前記人力駆動車に関する情報を第1所定時間の間取得しない場合、前記検出装置を前記第2モードで制御する。
第4側面の制御装置によれば、第1モードから第2モードへの切り替えを容易に実行できる。
【0009】
前記第1〜第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記第2モードにおいて、間欠動作するように前記検出装置を制御する。
第5側面の制御装置によれば、第2モードにおける検出装置の消費電力がより一層低減される。
【0010】
前記第1〜第5側面のいずれか1つに従う第6側面の制御装置において、前記第2モードにおいて、前記検出装置への電力供給を停止する。
第6側面の制御装置によれば、第2モードにおける検出装置の消費電力がより一層低減される。
【0011】
前記第1〜第6側面のいずれか1つに従う第7側面の制御装置において、前記第1モード、前記第2モード、ならびに、前記第1モードおよび前記第2モードよりも消費電力が小さい第3モードのいずれかで前記検出装置を制御する。
第7側面の制御装置によれば、検出装置を多様に制御できる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の制御装置において、前記第2モードにおいて、前記人力駆動車に関する情報を第2所定時間の間取得しない場合、前記検出装置を前記第3モードで制御する。
第8側面の制御装置によれば、第2モードから第3モードへの切り替えを容易に実行できる。
【0013】
前記第7または第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記第3モードにおいて、前記検出装置への電力供給を停止する。
第9側面の制御装置によれば、第3モードにおける検出装置の消費電力をより一層低減できる。
【0014】
前記第1〜第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記検出装置は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を出力し、反響した前記電磁波を検出する。
第10側面の制御装置によれば、検出装置を好適に制御できる。
【0015】
前記第1〜第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記検出装置は、紫外線、赤外線、サブミリ波、および、ミリ波の少なくとも一つを検出する。
第11側面の制御装置によれば、検出装置を好適に制御できる。
【0016】
前記第1〜第11側面のいずれか1つに従う第12側面の制御装置において、前記検出装置は、紫外線、赤外線、サブミリ波、および、ミリ波のうちの少なくとも1つを含む電磁波を出力し、反響した前記電磁波を検出する。
第12側面の制御装置によれば、検出装置を好適に制御できる。
【0017】
本発明の第13側面の人力駆動車システムの一形態は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出する検出装置と、第1〜第12側面のいずれか1つに従う制御装置と、を備える。
第13側面の人力駆動車システムによれば、必要に応じて第1モードと第2モードとを切り替えることができるため、検出装置の消費電力を低減できる。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面の人力駆動車システムにおいて、前記検出装置に電力を供給する電力供給装置をさらに備える。
第14側面の人力駆動車システムによれば、検出装置に好適に電力を供給できる。
【0019】
前記第14側面に従う第15側面の人力駆動車システムにおいて、前記電力供給装置は、発電部および蓄電部の少なくともいずれか一方を含む。
第15側面の人力駆動車システムによれば、検出装置に好適に電力を供給できる。
【0020】
前記第14または第15側面に従う第16側面の人力駆動車システムにおいて、前記検出装置はハウジングを含み、前記電力供給装置は前記ハウジングに設けられる。
第16側面の人力駆動車システムによれば、電力供給装置が保護される。
【0021】
前記第14または第15側面に従う第17側面の人力駆動車システムにおいて、前記電力供給装置は、前記検出装置とは別に設けられる。
第17側面の人力駆動車システムによれば、検出装置および電力供給装置の配置の自由度が高められる。
【0022】
前記第14〜第17側面に従う第18側面の人力駆動車システムにおいて、前記電力供給装置は、前記人力駆動車のコンポーネントに電力を供給可能に構成される。
第18側面の人力駆動車システムによれば、利便性が高められる。
【0023】
本発明の第19側面の制御方法の一形態は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出するように人力駆動車に設けられる検出装置の制御方法であって、前記検出装置を、第1モード、および、前記第1モードよりも消費電力が小さい第2モードの少なくともいずれか一方で制御する。
第19側面の制御方法によれば、必要に応じて第1モードと第2モードとを切り替えることができるため、検出装置の消費電力を低減できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に関する制御装置、人力駆動車システム、および、制御方法によれば、検出装置の消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態の人力駆動車システムが適用される人力駆動車の側面図。
図2図1の人力駆動車システムを示すブロック図。
図3】第1制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
図4】第2制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
図5】第2制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
図6】第3制御の処理手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施形態)
図1を参照して、人力駆動車システム10を含む人力駆動車Aについて説明する。ここで、人力駆動車Aは、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進を補助する補助装置Cを含む自転車(e−bike)である。より具体的には、図示される人力駆動車Aは、シティサイクルである。人力駆動車Aの構成は、任意に変更可能である。人力駆動車Aは、補助装置Cを省いて構成できる。言い換えれば、人力駆動車Aは人力駆動力によってのみ駆動される通常の自転車であってもよい。人力駆動車Aの種類は、ロードバイク、マウンテンバイク、または、クロスバイクであってもよい。人力駆動車Aは、本体A1、ハンドルバーA2、フロントホイールA3、リアホイールA4、駆動機構B、補助装置C、制動装置D、および、人力駆動車システム10を備える。本体A1はフレームA5を備える。
【0027】
駆動機構Bは、人力駆動力をリアホイールA4に伝達する。駆動機構Bは、フロントスプロケットB1、リアスプロケットB2、チェーンB3、クランク機構E、および、一対のペダルB4を含む。なお、駆動機構Bは、例えば、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0028】
クランク機構Eは、クランク軸E1、右クランクE2、および、左クランクE3を含む。クランク軸E1は、フレームA5に設けられるボトムブラケット(図示略)に回転可能に支持される。右クランクE2および左クランクE3は、それぞれクランク軸E1に連結される。一対のペダルB4の一方は右クランクE2に回転可能に支持される。一対のペダルB4の他方は左クランクE3に回転可能に支持される。
【0029】
フロントスプロケットB1は、クランク軸E1に連結される。クランク軸E1の回転軸心はフロントスプロケットB1の回転軸心と同軸である。フロントスプロケットB1をクランク軸E1と連結するための構造は、任意に選択可能である。クランク軸E1とフロントスプロケットB1との間にワンウェイクラッチ(図示略)が設けられる。ワンウェイクラッチは、前転するクランク軸E1の回転速度が、フロントスプロケットB1の回転速度よりも速い場合に、クランク軸E1の回転をフロントスプロケットB1に伝達する。なお、ワンウェイクラッチは省略されてもよい。
【0030】
リアスプロケットB2は、リアホイールA4のハブに支持される。チェーンB3は、フロントスプロケットB1およびリアスプロケットB2に巻き掛けられる。一対のペダルB4に加えられる人力駆動力によってクランク軸E1およびフロントスプロケットB1が前転する場合、チェーンB3およびリアスプロケットB2を介して伝達される人力駆動力によってリアホイールA4が前転する。
【0031】
補助装置Cは、補助モータC1、駆動回路C2、減速機C3、および、ワンウェイクラッチ(図示略)を含む。補助装置Cは、フロントスプロケットB1にトルクを伝達することによって人力駆動車Aの推進をアシストする。補助モータC1は、後述する電力供給装置32から供給される電力によって動作する。
【0032】
制動装置Dは、人力駆動車Aの回転体Fを制動するように電力によって駆動される。回転体Fは、例えば、人力駆動車AのフロントホイールA3およびリアホイールA4に設けられるディスクブレーキロータである。この実施形態では、フロントホイールA3およびリアホイールA4にそれぞれ対応する一対の制動装置Dが設けられる。この実施形態では、制動装置Dは、ディスクブレーキロータの回転速度を変更するディスクブレーキ装置である。制動装置Dは、電気モータD1および制動部D2を備える。電気モータD1は、後述する電力供給装置32から供給される電力によって動作する。制動部D2は、一例では、油圧機構、および、油圧機構によって動作する制動部材を含む。制動部D2は、ディスクブレーキロータである人力駆動車Aの回転体Fを、一対の制動部材によって挟み込むことで制動する。なお、制動装置Dは、人力駆動車AのフロントホイールA3およびリアホイールA4のリムGをそれぞれ制動するリムブレーキ装置であってもよい。
【0033】
図2に示されるように、人力駆動車Aは、さらに、操作装置H、振動センサI、ホイール回転センサJ、クランク回転センサK、荷重センサL、施錠装置M、および、スイッチNを備える。
【0034】
操作装置Hは、人力駆動車システム10の制動装置Dを駆動するために手操作される。操作装置Hは、例えば、レバーを含む。操作装置Hは、レバーの操作に応じた信号を制動装置Dに送信できるように、人力駆動車システム10と通信可能に接続される。操作装置Hは、PLC(Power Line Communication)が可能な電線、または、通信線によって、人力駆動車システム10と通信可能に接続される。なお、操作装置Hは、無線通信が可能な無線通信ユニットによって人力駆動車システム10と通信可能に接続されてもよい。操作装置Hが操作された場合、フロントホイールA3、および、リアホイールA4の少なくとも一方を制動するための信号が人力駆動車システム10の制御装置30に送信され、その信号に応じて制動装置Dが動作する。
【0035】
振動センサIは、人力駆動車Aに生じる振動を検出する。振動センサIが検出する振動の一例は、振動レベル(dB)である。振動センサIは、例えば、人力駆動車AのフレームA5に設けられる。振動センサIは、例えば、加速度センサ、速度センサ、および、変位センサである。振動センサIは、有線または無線によって制御装置30と通信可能に接続される。制御装置30は、振動センサIの出力に基づいて、人力駆動車Aの振動の大きさを算出する。好ましくは、制御装置30は、人力駆動車Aの上下方向(縦方向)の振動、および、人力駆動車の左右方向(横方向)の振動の少なくともいずれか一方の大きさを算出する。
【0036】
ホイール回転センサJは、人力駆動車AのフロントホイールA3およびリアホイールA4の少なくともいずれか一方の回転速度を検出する。ホイール回転センサJは、有線または無線によって制御装置30と通信可能に接続される。この実施形態では、ホイール回転センサJは、フレームA5のフロントフォークA6(図1参照)、および、フレームA5のシートステイA7(図1参照)にそれぞれ取り付けられる。ホイール回転センサJは、制御装置30と有線または無線によって通信可能に接続される。ホイール回転センサJは、フロントホイールA3に取り付けられる磁石とホイール回転センサJとの相対位置の変化に応じた信号を人力駆動車システム10の制御装置30に出力する。制御装置30は、この信号に基づいて人力駆動車Aの車速を算出する。これによって、回転体Fの回転の有無を検出できる。また、ホイール回転センサJは、リアホイールA4に取り付けられる磁石とホイール回転センサJとの相対位置の変化に応じた信号を人力駆動車システム10の制御装置30に出力する。なお、ホイール回転センサJは、回転体Fであるロータの回転を検出するように、制動装置Dに設けられてもよい。
【0037】
クランク回転センサKは、クランク軸E1(図1参照)の回転速度および回転角度を検出する。クランク回転センサKは、人力駆動車AのフレームA5に取り付けられる。クランク回転センサKは、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。クランク回転センサKは、制御装置30と有線または無線によって通信可能に接続される。クランク回転センサKは、クランク軸E1の回転速度および回転角度に応じた信号を制御装置30に出力する。
【0038】
荷重センサLは人力駆動車Aの総重量を検出する。人力駆動車Aの総重量は、人力駆動車Aの重量、および、人力駆動車Aの搭乗者の重量を含む。荷重センサLはフロントホイールA3、または、リアホイールA4の荷重を検出する。荷重センサLは、例えば、フロントホイールA3のハブ軸A8、または、リアホイールA4のハブ軸A9に設けられる。荷重センサLは、例えば、ロードセルである。荷重センサLは、有線または無線によって制御装置30と通信可能に接続される。荷重センサLはフロントホイールA3またはリアホイールA4から荷重センサLに加えられる圧力に応じた信号を制御装置30に出力する。なお、荷重センサLを用いて、人力駆動車AのハンドルバーA2、ペダルB4、および、サドルA10の荷重を検出するようにしてもよい。この場合、予め規定される人力駆動車Aの重量と、荷重センサLによって検出されるハンドルバーA2の荷重、ペダルB4の荷重、および、サドルA10の荷重との和を人力駆動車Aの総重量と規定できる。
【0039】
施錠装置Mは、リアホイールA4の回転を規制するロック状態、およびリアホイールA4の回転を規制しないアンロック状態を切り替え可能に構成される。施錠装置Mは、有線または無線によって制御装置30と通信可能に接続される。施錠装置Mは、例えば、フレームA5のシートステイA7に取り付けられる。施錠装置Mは、ロック状態およびアンロック状態のうちの現在の状態に応じた信号を制御装置30に出力する。
【0040】
スイッチNは、補助装置Cおよび人力駆動車システム10のオンとオフとを切り替える複数のボタンを含む。スイッチNは、補助装置Cおよび人力駆動車システム10と通信可能に接続される。なお、スイッチNは、無線通信が可能な無線通信ユニットによって補助装置Cおよび人力駆動車システム10と通信可能に接続されてもよい。スイッチNは、例えば、ハンドルバーA2(図1参照)に設けられる。
【0041】
人力駆動車システム10は、検出装置20および制御装置30を備える。人力駆動車システム10は、好ましくは、電力供給装置32を備える。検出装置20は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出するように人力駆動車Aに設けられる。可視光線の周波数の範囲はISO(International Organization for Standardization)の規定に基づく範囲である。検出装置20は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を出力し、反響した電磁波を検出する。このため、人力駆動車Aの周辺環境を精度よく検出できる。以下では、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を単に電磁波と称する。検出装置20は、紫外線、赤外線、サブミリ波、および、ミリ波の少なくとも一つを検出する。検出装置20は、紫外線、赤外線、サブミリ波、および、ミリ波のうちの少なくとも1つを含む電磁波を出力し、反響した電磁波を検出する。
【0042】
検出装置20は、ハウジング20Aを含む。検出装置20は、出力部20B、および、検出部20Cをさらに含む。ハウジング20Aは、例えば、ハンドルバーA2(図1参照)に設けられる。出力部20Bおよび検出部20Cはハウジング20Aの内部に配置される。出力部20Bは電磁波を人力駆動車Aの周囲に出力する。検出部20Cは出力部20Bが出力した電磁波のうち、反響した電磁波を受信する。
【0043】
電力供給装置32は、第1電力供給装置32Aおよび第2電力供給装置32Bを含む。電力供給装置32の設置箇所は検出装置20のハウジング20Aの内部、および、検出装置20の外部のいずれかである。電力供給装置32が検出装置20のハウジング20Aの内部に設けられる場合、電力供給装置32が保護される。電力供給装置32が検出装置20の外部に設けられる場合、検出装置20および電力供給装置32の配置の自由度が高められる。第1電力供給装置32Aは、検出装置20に電力を供給する。このため、検出装置20に好適に電力を供給できる。第1電力供給装置32Aはハウジング20Aに設けられる。このため、第1電力供給装置32Aが保護される。第1電力供給装置32Aは、発電部34および蓄電部36の少なくともいずれか一方を含む。第1電力供給装置32Aは、発電部34として、例えば、太陽電池、圧電素子、および、電磁誘導型発電機の少なくとも1つを含む。第1電力供給装置32Aは、蓄電部36として、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、および、リチウムイオン電池の少なくとも1つを含む。なお、第1電力供給装置32Aは、省略されても良い。この場合、第2電力供給装置32Bから検出装置20に電力が供給される。
【0044】
第2電力供給装置32Bは、検出装置20とは別に設けられる。このため、検出装置20および第2電力供給装置32Bの配置の自由度が高められる。第2電力供給装置32Bは、例えば、蓄電池である。第2電力供給装置32Bは、フレームA5(図1参照)に取り付けられる。第2電力供給装置32Bは、人力駆動車Aのコンポーネントに電力を供給可能に構成される。このため、利便性が高められる。人力駆動車Aのコンポーネントは、例えば、補助装置C、および、人力駆動車Aに搭載される他の電気的装置である。なお、第1電力供給装置32Aまたは第2電力供給装置32Bを検出装置20および検出装置20以外の人力駆動車Aのコンポーネントに電力を供給可能に構成してもよい。なお、第2電力供給装置32Bは、省略されても良い。
【0045】
制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)およびMPU(Micro Processing Unit)等を含む演算部と、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等を含む記憶部と、を有する。制御装置30の配置位置は任意に選択可能である。一例では、制御装置30は検出装置20のハウジング20Aに設けられる。制御装置30は、検出装置20の外部に配置されてもよい。制御装置30は、人力駆動車Aに関する情報に基づいて、検出装置20を第1モード、および、第1モードよりも消費電力が小さい第2モードの少なくともいずれか一方で制御する。人力駆動車Aに関する情報に基づいて検出装置20を制御するため、人力駆動車Aの搭乗者の意図に沿った制御を実行できる。制御装置30が実行する検出装置20の制御方法は、可視光線を除く周波数が30GHz以上の電磁波を検出するように人力駆動車Aに設けられる検出装置20の制御方法である。この制御方法では、検出装置20を、第1モード、および、前記第1モードよりも消費電力が小さい第2モードの少なくともいずれか一方で制御する。制御装置30は、第1モード、第2モード、ならびに、第1モードおよび第2モードよりも消費電力が小さい第3モードのいずれかで検出装置20を制御する。このため、検出装置20を多様に制御できる。制御装置30は、第1モードにおいて、搭乗者の操作に応じて検出装置20を動作するように検出装置20を制御する。制御装置30は、第2モードにおいて、間欠動作するように検出装置20を制御する。このため、第2モードにおける検出装置20の消費電力がより一層低減される制御装置30は、第3モードにおいて、検出装置20への電力供給を停止する。このため、第3モードにおける検出装置20の消費電力がより一層低減される。第3モードは、制御モードが第1モードまたは第2モードに切り替わった場合に搭乗者によるスイッチNの操作に応じて速やかに検出装置20を駆動できるように、検出装置20に低電力が供給されている状態であってもよい。制御装置30において、第1モード、第2モード、および、第3モードを含む複数の制御モードを実行するためのプログラムは、記憶部に格納される。第1モード、第2モード、および、第3モードを含む複数の制御モードは、このプログラムを演算部が記憶部で展開および実行することによって実現される。
【0046】
制御装置30は、人力駆動車Aに関する情報に基づいて複数の制御モードを切り替える。制御装置30は、第1モードにおいて、人力駆動車Aの関する情報を第1所定時間の間取得しない場合、検出装置20を第2モードで制御する。このため、第1モードから第2モードへの切り替えを容易に実行できる。第1所定時間は所定時間TA、所定時間TB、所定時間TC、および、所定時間TDを含む。制御装置30は、第2モードにおいて、人力駆動車Aの関する情報を第2所定時間の間取得しない場合、検出装置20を第3モードで制御する。このため、第2モードから第3モードへの切り替えを容易に実行できる。第2所定時間は所定時間TE、所定時間TF、所定時間TG、および所定時間THを含む。
【0047】
人力駆動車Aに関する情報(以下「設定情報」)は、人力駆動車Aの振動に関する情報、人力駆動車Aの総重量に関する情報、人力駆動車Aの回転体Fに関する情報、人力駆動車Aの操作装置Hに関する情報、および、人力駆動車Aの施錠装置Mに関する情報のうちの少なくとも1つを含む。このため、多様な情報に基づいて検出装置20を制御できる。設定情報は、第1情報〜第7情報を含む。第1情報は、人力駆動車Aの振動に関する情報を含む。制御装置30は、第1モードにおいて人力駆動車Aの静止状態が所定時間TAを超えることによって、第1モードを第2モードに切り替える。制御装置30は、第2モードにおいて、人力駆動車Aの静止状態が所定時間TEを超えることによって、第2モードを第3モードに切り替える。人力駆動車Aの静止状態は、振動センサIによって人力駆動車Aの振動が検出されていない状態である。所定時間TAおよび所定時間TEは、人力駆動車Aの振動が検出されていないことによって、人力駆動車Aが静止状態であると判定できる時間である。制御装置30は、人力駆動車Aの振動に基づいて人力駆動車の静止状態を認識することによって、第1モードを第2モードに切り替える。制御装置30は、人力駆動車Aの振動に基づいて人力駆動車の静止状態を認識することによって、第2モードを第3モードに切り替える。このため、静止状態の人力駆動車Aにおいて検出装置20の消費電力を低減できる。制御装置30は、第2モードまたは第3モードにおいて人力駆動車Aが振動することによって、第2モードまたは第3モードを第1モードに切り替える。このため、静止状態から駆動状態への移行に伴って、制御装置30の制御モードを第2モードまたは第3モードから第1モードに容易に切り替えることができる。
【0048】
第2情報は、回転体Fの回転に関する情報を含む。制御装置30は、第1モードにおいて回転体Fの回転停止状態が所定時間TBを超えることによって、第1モードを第2モードに切り替える。制御装置30は、第2モードにおいて回転体Fの回転停止状態が所定時間TFを超えることによって、第2モードを第3モードに切り替える。人力駆動車Aの静止状態は、ホイール回転センサJによって検出される回転体Fの回転速度が0の状態である。所定時間TBおよび所定時間TFは、回転体Fの回転速度が0であることによって、人力駆動車Aが静止していると判定できる時間である。制御装置30は、回転体Fの回転に基づいて人力駆動車Aの静止状態を認識することによって、第1モードを第2モードに切り替える。制御装置30は、回転体Fの回転に基づいて人力駆動車Aの静止状態を認識することによって、第2モードを第3モードに切り替える。このため、静止状態の人力駆動車Aにおいて検出装置20の消費電力を低減できる。制御装置30は、第2モードまたは第3モードにおいて回転体Fが回転することによって、第2モードまたは第3モードを第1モードに切り替える。このため、静止状態から駆動状態への移行に伴って、制御装置30の制御モードを第2モードまたは第3モードから第1モードに容易に切り替えることができる。
【0049】
第3情報は、人力駆動力が入力されるクランク軸E1の回転に関する情報を含む。制御装置30は、第1モードにおいてクランク軸E1の停止状態が所定時間TCを超えることによって、第1モードを第2モードに切り替える。制御装置30は、第2モードにおいてクランク軸E1の停止状態が所定時間TGを超えることによって、第2モードを第3モードに切り替える。人力駆動車Aの静止状態は、クランク回転センサKによって検出されるクランク軸E1の回転速度が0の状態である。所定時間TCおよび所定時間TGは、クランク軸E1の回転速度が0であることによって、ユーザが人力駆動車Aに搭乗していないと判定できる時間である。制御装置30は、クランク軸E1の回転に基づいて人力駆動車Aの静止状態を認識することによって、第1モードを第2モードに切り替える。制御装置30は、クランク軸E1の回転に基づいて人力駆動車Aの静止状態を認識することによって、第2モードを第3モードに切り替える。このため、静止状態の人力駆動車Aにおいて検出装置20の消費電力を低減できる。制御装置30は、第2モードまたは第3モードにおいてクランク軸E1が回転することによって、第2モードまたは第3モードを第1モードに切り替える。このため、静止状態から駆動状態への移行に伴って、制御装置30の制御モードを第2モードまたは第3モードから第1モードに容易に切り替えることができる。
【0050】
第4情報は、人力駆動車Aの総重量WAに関する情報を含む。このため、人力駆動車Aの総重量WAに関する情報に基づいて、搭乗者の有無を容易に判別できる。制御装置30は、第1モードにおいて総重量WAが減少することによって、第1モードを第3モードに切り替える。このため、非乗車状態の人力駆動車Aにおいて、検出装置20の消費電力を低減できる。制御装置30は、第3モードにおいて総重量WAが増加することによって、第3モードを第1モードに切り替える。このため、非乗車状態から乗車状態への移行に伴って、制御装置30の制御モードを第3モードから第1モードに容易に切り替えることができる。
【0051】
第5情報は、制動装置Dを駆動するために手操作される操作装置Hの操作状態に関する情報を含む。このため、操作装置Hの操作態様に基づいて搭乗者の有無を認識することによって、複数の制御モードを好適に切り替えることができる。制御装置30は、第1モードにおいて操作装置Hへの操作がない非操作状態が所定時間TDを超えることによって、第1モードを第2モードに切り替える。制御装置30は、第2モードにおいて操作装置Hへの操作がない非操作状態が所定時間THを超えることによって、第2モードを第3モードに切り替える。非操作状態は、操作装置Hが制御装置30に信号を出力していない状態である。所定時間TDおよび所定時間THは、操作装置Hが信号を出力していないことに基づいて、人力駆動車Aが静止していると判定できる時間である。このため、非乗車状態の人力駆動車Aにおいて、検出装置20の消費電力を低減できる。制御装置30は、第2モードまたは第3モードにおいて操作装置Hが操作されることによって、第2モードまたは第3モードを第1モードに切り替える。このため、非乗車状態から乗車状態への移行に伴って、制御装置30の制御モードを第2モードまたは第3モードから第1モードに容易に切り替えることができる。
【0052】
第6情報は、人力駆動車Aの施錠装置Mに関する情報を含む。このため、人力駆動車Aの施錠状態に基づいて人力駆動車Aの静止状態を認識することによって、複数の制御モードを切り替えることができる。制御装置30は、第1モードにおいて施錠装置Mがロック状態になることによって、第1モードを第3モードに切り替える。このため、静止状態の人力駆動車Aにおいて、検出装置20の消費電力を低減できる。制御装置30は、第3モードにおいて施錠装置Mがアンロック状態になることによって、第3モードを第1モードに切り替える。このため、静止状態から駆動状態への移行に伴って、制御装置30の制御モードを第モードから第1モードに容易に切り替えることができる。
【0053】
第7情報は、人力駆動車システム10に接続されるスイッチNのオンおよびオフに関する情報を含む。このため、搭乗者による入力に基づいて複数の制御モードを切り替えることができる。制御装置30は、第1モードにおいてスイッチNがオフされることによって、第1モードを第3モードに切り替える。このため、スイッチNがオフのときの検出装置20の消費電力を低減できる。制御装置30は、第3モードにおいてスイッチNがオンされることによって、第3モードを第1モードに切り替える。このため、制御装置30の制御モードを第3モードから第1モードに容易に切り替えることができる。
【0054】
制御装置30は、設定情報に基づいて、第1制御、第2制御、および、第3制御を実行する。第1制御は、制御装置30の制御モードが第1モードの場合に繰り返し実行される制御である。第2制御は、制御装置30の制御モードが第2モードの場合に繰り返し実行される制御である。第3制御は、制御装置30の制御モードが第3モードの場合に繰り返し実行される制御である。なお、第1制御、第2制御、および、第3制御において、設定情報に含まれる第1情報〜第7情報のうちのいずれかの情報に基づく各モードの切り替えを省略することができる。
【0055】
図3を参照して、第1制御の一例について説明する。
制御装置30は、ステップS11において、振動センサIの出力に基づいて、人力駆動車Aの静止状態が所定時間TAを超えたか否かを判定する。ステップS11における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS12において、ホイール回転センサJの出力に基づいて、回転体Fの回転停止状態が所定時間TBを超えたか否かを判定する。ステップS12における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS13において、クランク回転センサKの出力に基づいて、クランク軸E1の回転停止状態が所定時間TCを超えたか否かを判定する。ステップS13における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS14において、操作装置Hの出力に基づいて、非操作状態が所定時間TDを超えたか否かを判定する。ステップS14における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS16の処理を実行する。制御装置30は、ステップS11〜S14のいずれか1つにおける判定結果が肯定判定の場合、ステップS15において、制御モードを第2モードに切り替える。
【0056】
制御装置30は、ステップS16において、人力駆動車Aの総重量WAが減少したか否かを判定する。ステップS16における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS17において、施錠装置Mの出力に基づいて、施錠装置Mがロック状態になったか否かを判定する。ステップS17における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS18において、スイッチNの出力に基づいて、スイッチNがオフされたか否かを判定する。ステップS18における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、第1モードを維持する。制御装置30は、ステップS16〜S18のいずれか1つにおける判定結果が肯定判定の場合、ステップS19において、制御モードを第3モードに切り替える。
【0057】
図4および図5を参照して、第2制御の一例について説明する。
図4に示されるように、制御装置30は、ステップS21において、振動センサIの出力に基づいて、人力駆動車Aの静止状態が所定時間TEを超えたか否かを判定する。ステップS21における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS22において、ホイール回転センサJの出力に基づいて、回転体Fの回転停止状態が所定時間TFを超えたか否かを判定する。ステップS22における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS23において、クランク回転センサKの出力に基づいて、クランク軸E1の回転停止状態が所定時間TGを超えたか否かを判定する。ステップS23における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS24において、操作装置Hの出力に基づいて、非操作状態が所定時間THを超えたか否かを判定する。ステップS24における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS26の処理を実行する。制御装置30は、ステップS21〜S24のいずれか1つにおける判定結果が肯定判定の場合、ステップS25において、制御モードを第3モードに切り替える。
【0058】
図5に示されるように、制御装置30は、ステップS26において、振動センサIの出力に基づいて、人力駆動車Aが振動したか否かを判定する。ステップS26における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS27において、ホイール回転センサJの出力に基づいて、回転体Fが回転したか否かを判定する。ステップS27における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS28において、クランク回転センサKの出力に基づいて、クランク軸E1が回転したか否かを判定する。ステップS28における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS29において、荷重センサLの出力に基づいて、人力駆動車Aの総重量WAが増加したか否かを判定する。ステップS29における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS30において、操作装置Hの出力に基づいて、操作装置Hが操作されたか否かを判定する。ステップS30における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS31において、施錠装置Mの出力に基づいて、施錠装置Mがアンロック状態になったか否かを判定する。ステップS31における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS32において、スイッチNの出力に基づいて、スイッチNがオンされたか否かを判定する。ステップS32における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、第2モードを維持する。制御装置30は、ステップS26〜S32のいずれか1つにおける判定結果が肯定判定の場合、ステップS33において、制御モードを第1モードに切り替える。
【0059】
図6を参照して、第3制御の一例について説明する。
図6に示されるように、制御装置30は、ステップS41において、振動センサIの出力に基づいて、人力駆動車Aが振動したか否かを判定する。ステップS41における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS42において、ホイール回転センサJの出力に基づいて、回転体Fが回転したか否かを判定する。ステップS42における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS43において、クランク回転センサKの出力に基づいて、クランク軸E1が回転したか否かを判定する。ステップS43における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS44において、荷重センサLの出力に基づいて、人力駆動車Aの総重量WAが増加したか否かを判定する。ステップS44における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS45において、操作装置Hの出力に基づいて、操作装置Hが操作されたか否かを判定する。ステップS45における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS46において、施錠装置Mの出力に基づいて、施錠装置Mがアンロック状態になったか否かを判定する。ステップS46における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、ステップS47において、スイッチNの出力に基づいて、スイッチNがオンされたか否かを判定する。ステップS47における判定結果が否定判定の場合、制御装置30は、第3モードを維持する。制御装置30は、ステップS41〜S47のいずれか1つにおける判定結果が肯定判定の場合、ステップS48において、制御モードを第1モードに切り替える。
【0060】
人力駆動車システム10によれば、次のような作用および効果が得られる。必要に応じて第1モードと第2モードとを切り替えることができるため、検出装置20の消費電力を低減できる。
【0061】
(変形例)
上記実施形態は、本発明に関する制御装置、人力駆動車システム、および、制御方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する制御装置、人力駆動車システム、および、制御方法は、実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0062】
・制御装置30が実行する第1制御の処理は任意に変更可能である。第1例の制御装置30は、ステップS15において、制御モードを第3モードに切り替える。第2例の制御装置30が実行する第1制御について、ステップS11〜ステップS14の少なくとも1つが省略されてもよい。第3例の制御装置30は、ステップS19において、制御モードを第2モードに切り替える。第4例の制御装置30が実行する第1制御について、ステップS16〜ステップS18の少なくとも1つが省略されてもよい。
【0063】
・制御装置30が実行する第2制御の処理は任意に変更可能である。第1例の制御装置30が実行する第2制御について、ステップS21〜ステップS24の少なくとも1つが省略されてもよい。第2例の制御装置30が実行する第2制御について、ステップS26〜ステップS32の少なくとも1つが省略されてもよい。
【0064】
・制御装置30が実行する第3制御の処理は任意に変更可能である。第1例の制御装置30は、ステップS48において、制御モードを第2モードに切り替える。第2例の制御装置30が実行する第3制御について、ステップS41〜ステップS47の少なくとも1つが省略されてもよい。
【0065】
・制御装置30の制御モードの数は任意に変更可能である。変形例の制御装置30の制御モードから第3モードが省略されてもよい。この変形例の制御装置30は、第2モードにおいて、検出装置20への電力供給を停止する。この変形例の制御装置30が実行する第1制御について、ステップS16〜S19が省略される。この変形例の制御装置30が実行する第2制御について、ステップS21〜S25が省略される。この変形例の制御装置30は、第3モードが省略されるため、第3制御を実行しない。
【0066】
・上記実施形態では、自転車に本発明に関する人力駆動車システムを適用する場合について例示したが、本発明に関する人力駆動車システムは、自転車に限らず任意の人力駆動車に適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
10…人力駆動車システム、20…検出装置、20A…ハウジング、30…制御装置、32…電力供給装置、34…発電部、36…蓄電部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6