(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの上流のプロセスパラメータは、滞留時間、温度、前記第1の部分対前記プレポリマーの重量比の少なくとも1つである、請求項1に記載のプロセス。
前記シリル化ポリウレタンポリマー組成物の少なくとも第2の部分を掃去剤または掃去パッケージと連続的に反応させて、クエンチングされたシリル化ポリウレタンポリマー組成物を生成することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
特許請求の範囲に記載された本発明の特定の好ましい実施形態の本開示および説明により、記載された説明、実施可能性、最良の形態及び進歩性が本明細書に提供される。本出願人は、これらの説明により、当業者が本出願人の特許請求の範囲に記載の発明を理解し、実施することができるように特定の例示的な実施形態の記載を通じて本発明を開示しようとするが、これらの実施形態は包括的ではなく、単に本発明の現在好ましい実施形態の一部を例示することを意図したものである。本発明の境界および範囲は、特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義され、これらの例示的な実施形態に提示される説明および開示によってサポートされる。一般に、本明細書中で使用される用語および語句は、当技術分野で認識される意味を有し、当業者に知られている標準的なテキスト、ジャーナル参考文献および文脈を参照することによってその意味が理解されうる。
【0026】
上記のように、第1の態様では、シリル化ポリマーを生成する連続プロセスは、バックミキシングを伴うシリル化ステップを含む。バックミキシングを伴うシリル化ステップは、第1の中間生成物としての反応性官能基を有するプレポリマーをシリル化剤と反応させて、第2の中間生成物としてのシリル化ポリマー組成物を生成するエンドキャッピング反応を含む。本明細書で使用される場合、第2の中間生成物という用語は、シリル化反応から生成されたシリル化ポリマー組成生成物と交換可能である。この点で、第2の中間生成物は、完全にシリル化されたポリマーおよび部分的にシリル化されたポリマーを含む。完全にシリル化されたポリマーでは、末端反応性官能基はシリル化されるが、部分的にシリル化されたポリマーでは、末端反応性官能基の少なくとも1つはシリル化されない。このプロセスはまた、第2の中間生成物の少なくとも一部を、管状反応ユニットにおけるエンドキャッピング反応に連続的にバックミキシングするステップを含む。反応物の反応は、反応物を連続的に受け入れ、プロセスチャンバから反応生成物を連続的に出すのに適したプロセスチャンバ内で行われる。第2の中間生成物のバックミキシングは、第2の中間生成物の少なくとも一部を連続プロセスの下流位置から取り出し、その部分を連続プロセスの上流位置に連続的に送ることを含む。例えば、第2の中間生成物の少なくとも一部は、プロセスチャンバの出口から取り出され、そしてプロセスチャンバの入口に上流バックミキシング手段によって送らされ得る。
【0027】
驚くべきことに、本出願人は、第2の中間生成物の少なくとも一部をバックミキシングすることによって、機械的性質の変化が少ない最終生成シリル化ポリマーを繰り返し製造できることを見出した。さらに、これは過剰量の高価なシリル化剤の使用を回避することが判明した。バックミキシングはまた、シリル化ステップのシリル化反応が、バックミキシングを伴わないプロセスと比較して、完了または完了近くに進むことを可能にする。これにより、より少ない掃去剤の使用が可能になり、粘度クリープの場合および最終的に製造されたシリル化ポリマーの機械的性質の変性が防止または低減される。バックミキシングステップを使用することにより、シリル化ステップの上流または下流の連続処理ステップに影響を与えることなく、1つのプロセスユニット内の反応およびプロセスパラメータを調整することができる。例えば、滞留時間、温度またはシリル化ユニットに供給されるプレポリマーの重量に対するシリル化ポリマー組成物の第1の部分の重量の比を調節することができる。
【0028】
特定の理論に縛られることを望まないが、機械的特性および粘度クリープの変動は、第2の中間生成物中の未反応反応性基の存在によるものであると考えられる。例えば、エンドキャッピング反応は、シリル化ポリマーおよび部分的シリル化ポリマーを含むシリル化ポリマー組成物を生成する。「部分的シリル化」とは、ポリマー組成物が、プレポリマーの反応性官能基のいくつかがシリル化剤と未反応のままであるポリマーを含むことを意味する。他の例では、未反応の反応性基は、シリル化剤に起因するか、またはシリル化ポリマー組成物中に未反応のままであるプロセスに添加される他の反応成分に起因する。出願人は、第2の中間生成物の少なくとも一部をバックミキシングすることによって、連続プロセスにおける他の反応、特に、反応物の流速、温度および反応速度において影響を与えることなく、目標とするプロセスチャンバにおける反応特性の独立した調整を可能にすることを見出した。これは、反応特性の調整が、他の反応チャンバに影響を与えることなく、独立して各反応チャンバ内で管理され得るため、連続プロセスにおいて特に有利である。例えば、連続プロセスにおいて、エンドキャッピング反応の反応特性は、上流または下流の反応ユニットで生じる反応に影響を及ぼすことなく、第2の中間体の少なくとも一部をエンドキャッピング管状反応ユニットの出口からエンドキャッピングユニットの入口にバックミキシングすることによって調節することができる。
【0029】
上記のように、本プロセスの第2の態様では、連続プロセスは、バックミキシングを伴うシリル化ステップおよび、安定化ステップまたはクエンチングステップの少なくとも1つを含む。本出願人は、エンドキャッピング反応の前にプレポリマーを安定化することによって、最終的に生成されたシリル化ポリマーの変色を低減することを見出した。特に、エンドキャッピング反応の前にプレポリマーを安定化させることは、経時的な変色変化を減少させることも見出されている。本明細書に記載の安定化パッケージは、変色を低減するのに特に有効である。
【0030】
本出願人は、バックミキシングを伴うシリル化ステップから生成したシリル化ポリマー組成物をクエンチングすることが有利であることも見出した。一実施形態では、シリル化ポリマー組成物の少なくとも第2の部分は、シリル化ポリマー組成物中に残存する未反応の反応性官能基の量を減少させるために、掃去剤または掃去パッケージと連続的に反応する。これはクエンチグされたシリル化ポリマー組成物を生成する。
【0031】
出願人はまた、連続プロセスがシリル化ステップ、安定化ステップおよびクエンチングステップを含む場合に特に有利であり、ここで上記の利点のすべてを組み合わせて、より効率的なプロセスを提供することを見出した。上記の特定の利点はそれぞれのステップに起因するものであるが、プロセスの効率の改善などの他の利点は、さらなる反応物またはさらなる反応ステップを連続プロセスに加えることによって得ることができることもまた考えられる。例えば、様々な任意の上流および下流のプロセスチャンバおよび供給ラインが考えられる。本明細書に記載のプロセスチャンバは、反応ユニット、ポンプ、リザーバ、熱交換器、ミキサー、分析チャンバおよび貯蔵チャンバを含む。このプロセスに適した反応ユニットは、当業者には明らかであろう。しかしながら、第1の中間生成物とシリル化剤との間のエンドキャッピング反応に用いられるシリル化ユニット等の反応ユニット、または安定化ステップもしくはクエンチングステップに用いられる反応ユニットは、好ましくは管状反応ユニットである。これらの管状反応ユニットは、反応物を連続的に受けるための上流入口と、反応生成物を連続的に出すための下流出口とを有する管状反応チャンバを有する。他の様々な反応物が連続プロセスに加えられる、または他の反応チャンバが連続プロセスでエンドキャップユニットの上流または下流に含まれることになることは、本開示の範囲内である。
【0032】
本プロセスの一実施形態では、バックミキシングを伴うシリル化ステップは、本明細書中でエンドキャッピングユニットまたはシリル化ユニットと互換的に称される反応チャンバにおいてシリル化剤と連続的に混合される第1の中間生成物を供給することを含む。2つの反応物は、シリル化反応によって反応させて第2の中間生成物を生成する。この第2の中間生成物の少なくとも一部は、エンドキャップユニットに連続的にバックミキシングされる。
【0033】
一実施形態では、シリル化ステップは、第1の供給ラインがプレポリマーをエンドキャッピング管状反応ユニットに送る連続プロセスで実施される。第2の供給ラインは、シリル化剤をエンドキャッピングユニットに送り、ここでプレポリマーと連続的に混合され、反応して第2の中間生成物を提供する。第2の中間生成物の少なくとも第1の部分は、シリル化ユニットから送られ、そしてバックミキシングループによって、ミキシングチャンバへと上流に連続的にバックミキシングされ、ここで延長された滞留時間およびさらなる反応のためにエンドキャッピングユニット(すなわち、シリル化ユニット)へと戻される前に新たなシリル化剤と混合される。バックミキシングは、温度、反応物対生成物の比、プレポリマー対シリル化剤の比、および他の反応速度論などのエンドキャッピングユニット内の特性を調節するために使用され得る。バックミキシングループは、目標とされていないプロセスチャンバに影響を及ぼすことなく、1つ以上の他の目標とされているプロセスチャンバの特性を調整するように形成されてもよい。
【0034】
一実施形態では、シリル化ステップは、連続プロセスの一部として実施され、ここで、上流反応チャンバは、上流反応チャンバの出口からエンドキャップユニットの入口へと第1の中間生成物を提供する。供給流は、シリル化剤リザーバからのシリル化剤をエンドキャッピング管状反応ユニットに供給し、ここで第1の中間生成物と混合して第2の中間生成物を提供する。第2の中間生成物の少なくとも第1の部分は、エンドキャッピングユニットの入口へとバックミキシングされる。一実施形態では、バックミキシングループは、シリル化ポリマー組成物の第1の部分をシリル化ユニットの出口からシリル化ユニットの入口に移動させる。一実施形態では、バックミキシングループは、第1の部分をシリル化ユニットの入口に送る前に、第1の部分を、ミキサー、またはプレポリマーを含む供給流、またはシリル化剤を含む供給流の少なくとも1つに送る。バックミキシングは、エンドキャッピングユニットにおける第2の中間生成物の平均滞留時間を減少させる。エンドキャッピングユニットの出口は、さらなる処理、分析または貯蔵のために下流の反応チャンバの入口に向かって第2の中間生成物の少なくとも別の部分を下流に提供する。連続プロセスのために、様々な任意の反応チャンバおよび反応が、エンドキャッピングユニットの上流および下流に提供される。
【0035】
第1の中間生成物は、反応性官能基を有するプレポリマーである。第1の中間生成物としての使用に適したプレポリマーは、好ましくは、ヒドロキシル、アミノ、メルカプトおよびイソシアナート、好ましくはヒドロキシルおよびイソシアナートからなる群から選択される反応性官能基を有するプレポリマーである。プレポリマーが末端反応性官能基を有することが特に好ましい。
【0036】
一実施形態では、連続プロセスは、上記のように、プレポリマーをシリル化剤と反応させ、続いて連続的にバックミキシングするのに使用されるエンドキャッピング管状反応ユニットを有する。一実施形態では、第1の中間生成物はエンドキャッピング管状反応ユニットに送られ、そしてシリル化剤をリザーバからエンドキャッピング管状反応ユニットに供給して第1の中間生成物と反応させて、第2の中間生成物としてのシリル化ポリマー組成物を生成する。連続プロセスは、エンドキャッピングユニットの上流および下流の任意の反応チャンバを含む。反応チャンバは、反応物を受けるための上流入口と、下流反応チャンバへと反応生成物を下流に連続的に供給するための下流出口とを含む。反応チャンバは、反応物の供給流を運ぶ供給ラインを介して、互いに、反応物リザーバと流体接続(連通)している。供給ラインは、反応物の供給流を種々の反応チャンバに送る。
【0037】
一実施形態では、このプロセスはエンドキャッピングユニットを含む。任意の上流のプロセスチャンバは、例えば、エンドキャッピングユニットの上流にある、エンドキャッピングユニットのプレミキサーの上流にある、鎖延長ユニットの上流にある、鎖延長ユニットのプレミキサーの上流にある、熱交換器ユニットの上流の混合チャンバを含む。任意の下流のプロセスチャンバは、例えば、貯蔵ユニットの上流にある、少なくとも1つの分析ユニットの上流にある、少なくとも1つの冷却ユニットの上流にある、クエンチングユニットの上流にある、クエンチングユニットのプレミキサーを含む。存在する場合、これらの反応チャンバは、互いに、供給ラインを介して反応物リザーバと流体連通している。1つの上流の反応チャンバからの生成物は、別のプロセスチャンバに向かって下流に連通している。供給ラインは、プロセスチャンバの入口で様々なプロセスチャンバに、またはプロセスチャンバの入口とプロセスチャンバの出口との間のある中間位置に、反応物の供給流を供給する反応生成物が生成され、そして反応ユニットの出口に送られるように、反応ユニットにおける反応物は、加熱され、混合され、反応時間が提供され、またはそれらの任意の組み合わせがなされる。
【0038】
上記の段落で、プロセスチャンバおよび反応体リザーバは任意であると説明されているが、好ましい実施形態では、任意のプロセスチャンバの少なくとも1つが存在し、反応物リザーバの少なくとも1つが存在する。別の実施形態では、少なくとも1つの反応チャンバがエンドキャッピングユニットの上流にあり、少なくとも1つの反応チャンバがエンドキャッピングユニットの下流に存在する。
【0039】
反応チャンバで起こる様々な反応において、反応物は、混合され、加熱され、反応され、またはそれらの任意の組み合わせをされる。例えば、第1の中間生成物およびシリル化剤は、エンドキャッピングユニットにおいて混合され、加熱され、そして反応されて第2の中間生成物を提供する。
【0040】
本明細書で反応チャンバになされる参照は、当業者に知られている反応器を包含する。このプロセスで使用される反応ユニットは、例えば、流速、温度、反応速度、反応物または圧力のタイプのような、反応ユニットが動作する条件に依存する。一実施形態では、反応ユニットは、内部スタティックミキサーを有する管状反応器である。反応器の長さ対直径の比(L/D)は、典型的には約10:1から約50:1の範囲であるが、この範囲外の比を適切な場合に使用することができる。一実施形態では、反応は、典型的には約200℃までの温度で行われる。別の実施形態において、反応温度は、約80℃から約170℃の範囲であり得る。さらに別の実施形態において、反応温度は、約120℃から約150℃の範囲であり得る。反応物は、反応チャンバを通して線状に移動される。管状反応器中の反応物の滞留時間は典型的には約120分までであるが、任意の適切な滞留時間を選択することができる。
【0041】
このプロセスの一実施形態では、エンドキャッピングユニットは可変直径を含む。連続プロセスにおいて、可変直径は、エンドキャップユニット内の反応物および生成物の流速を調節する。狭い直径は流速を遅くし、それによって滞留時間を増加させる。
【0042】
連続プロセスとして、1より多いプロセスチャンバが使用されるが、それらはすべて管状反応器であってもよいが、寸法は異なってもよい。しかしながら好ましい実施形態では、反応ユニットは管状反応ユニットである。いくつかの実施形態では、単一の管状反応器は、流速および滞留時間、したがって反応速度論を所望通りに操作できるように、変化する直径を有することができる。例えば、1つの特別な実施態様において、エンドキャッピングユニットは、ユニット内の所望の流速または滞留時間に対応する直径または最終シリル化ポリマーの所望の特性に応じて変化する可変直径部分を有する管状反応器である。
【0043】
特定の実施形態では、可変直径は、反応ユニットなどの上流または下流のプロセスチャンバ内の反応物の滞留時間に影響を与えることがないまで、シリル化ユニット内の第2の中間生成物の滞留時間を調節するために、バックミキシングループと共に使用される。バックミキシングループは、少なくとも1つのポンプまたは熱交換器を有してもよい。
【0044】
上述のように、シリル化ポリマーを生成する方法は、シリル化ステップの一部としてバックミキシングステップを含む。一実施形態では、シリル化ポリマーを生成するための連続プロセスが提供され、ここでプロセスはバックミキシングステップを含む。バックミキシングステップは、第2の中間生成物の少なくとも一部を取り出し、この部分をエンドキャッピングユニットの上流の入口に向けて送るステップを含む。この実施形態では、第1の中間生成物が上流反応チャンバからエンドキャッピングユニットに送られ、シリル化剤が供給ラインからエンドキャッピングユニットおよび/またはバックミキシングループに供給される。順序は所望のように操作することができるが、第1の中間生成物をエンドキャッピングユニットに導き、続いてエンドキャッピングユニットにシリル化剤を供給することが好ましい。第1の中間生成物とシリル化剤とを混合して混合物を形成し、そして反応させてシリル化ポリマー組成物を第2の中間生成物として生成させる。第2の中間生成物の少なくとも一部はバックミキシングされる。バックミキシングされる第2の中間生成物の量は、シリル化ポリマー組成物またはその中に存在する部分的シリル化ポリマーの総重量の約5から約95重量%、より具体的には約20から約50重量%の範囲である。第2の中間生成物のバックミキシングされる部分は、上流反応ユニットまたは上流プロセスステップの反応パラメータの調整を可能にする。
【0045】
例えば、第2の中間生成物の少なくとも一部を上流の入口または供給流にバックミキシングすることは、反応速度、流速、反応物の比、温度を調整することができ、これは次に第2の中間生成物の特性を調整する。一実施形態では、第2の中間生成物のバックミキシングの部分は、部分的シリル化ポリマーを含む。第2の中間生成物が、プレポリマーの未反応の反応性官能基、あるいはシリル化剤または第2の中間生成物の他の成分の反応性基をあまり含まないように、部分的シリル化ポリマーは、新しいシリル化剤と反応して、シリル化反応を完了または完了に近づけることができるよう、部分的シリル化ポリマーは、シリル化剤を送る供給物流にバックミキシングされる。
【0046】
一実施形態では、第2の中間生成物の少なくとも一部のバックミキシングは、プロセスが連続を維持するように、バックミキシング手段による。バックミキシング手段は、例えば、バックミキシングループであり、これはエンドキャッピングユニットの出口領域、例えばエンドキャッピングユニットの出口、またはエンドキャッピングユニットの中間点と出口との間の領域に配置されるようにする。バックミキシングループは、第2の中間生成物の一部がエンドキャッピングユニットの出口領域からエンドキャッピングユニットの入口領域に向かって供給されるように接続される。入口領域は、エンドキャッピングユニットの入口、他の反応物をエンドキャッピングユニットに供給する供給ライン、エンドキャッピングユニットのプレミキサー、またはエンドキャッピングユニットの中央とその入口との間のエンドキャッピングユニットの部分を含む。したがってバックミックスループは、エンドキャッピングユニットの出口領域と入口領域との間の流体連通を形成する。例えば、一実施形態では、バックミックスループは、シリル化ポリマー組成物の少なくとも第1の部分をエンドキャッピングユニットの出口から取り出し、それをエンドキャッピングユニットの入口に向けて送る。このバックミキシングループによって、第2の中間生成物の一部がバックミキシングされる。シリル化ポリマー組成物の第2の部分は、エンドキャッピングユニットの出口により、下流のプロセスチャンバに向かって下流に連続的に供給される。これにより、プロセスの連続性を乱すことなく、かつ上流または下流の反応チャンバまたは反応ステップに影響を与えることなく、エンドキャッピングユニットの特性の独立した調整が可能になる。
【0047】
別の実施形態では、バックミキシングループは、第2の中間生成物のバックミキシングされた部分を、エンドキャッピングユニットとは別個の上流プロセスチャンバに送る。例えば、第2の中間生成物の少なくとも一部は、上流プロセスチャンバまたは上流供給ラインに送られ、温度、反応速度、流速、反応物の比または反応物対反応生成物の比などの上流プロセスチャンバまたは上流供給ライン内の特性を調整することは、本開示の範囲内で意図されている。例えば、バックミキシングループは、エンドキャッピングユニットのプレミキサー、シリル化剤の供給流、または本明細書に記載の任意の上流のプロセスチャンバのいずれかに、バックミキシングされた部分を送る。
【0048】
一実施形態では、バックミキシングループは、エンドキャッピングユニットの入口、エンドキャッピングユニットのプレミキサーの入口、ジャケット付きスタティックミキサーの入口、または可変チューブミキサーの入口の少なくとも1つに、バックミキシングされた部分を直接送る。好ましい実施形態では、バックミキシングされた部分は、それがエンドキャッピングユニットに送られる前にシリル化剤と予混合される。例えば、バックミキシングされた部分は、それがエンドキャッピング管状反応ユニットに送られる前に、ジャケット付きスタティックミキサー中でシリル化剤と予混合される。
【0049】
バックミキシングループは、反応生成物を適切に輸送するための当業者に公知の任意の管状手段であってもよい。このループはまた、第2の中間生成物のバックミキシングされた部分の特性を調整するために、またはバックミキシングされた部分が送られる反応ユニットまたは反応のパラメータを調整するために使用される他の特徴を含み得る。例えば、ポンプおよび/または熱交換器を使用して、バックミキシングされた部分の流れをエンドキャッピングユニットへと戻して送る。ポンプは、滞留時間、流速、反応物の比率、反応および粘度の率、および第2の中間生成物ならびに任意の最終生成シリル化ポリマーの機械的特性のうちの少なくとも1つの独立した調整を可能にする。例えば、バックミキシングされた部分は、エンドキャッピングユニットにおけるその平均滞留時間が短縮され、シリル化反応中の副生成物の生成を低減または排除することができる。別の実施形態では、バックミキシングされた部分は、バックミキシングループにおける滞留時間を有し、それによって、エンドキャップ管状反応ユニットおよびバックミキシングループにおける滞留時間の合計である総滞留時間を増加させる。バックミキシングされた部分の全滞留時間の増加は、第2の中間生成物が管状反応ユニットから完全に取り出されて、バックミキシングされた部分を有さない場合よりも、バックミキシングされた部分が完全なシリル化反応にさらに進行することを可能にする。これにより、第2の中間生成物中の未反応の反応性基の量が減少し、次に粘度クリープが低減され、最終的なシリル化ポリマーの機械的特性の値が改善される。熱交換器は、エンドキャッピングユニットにおける温度の独立した調整を可能にする。これはまた、反応速度を操作し、第2の中間生成物および任意の最終生成シリル化ポリマーの粘度および機械的特性を調整するためにも使用することができる。例えば、上昇した温度は反応速度を上昇させることができ、一方で降下した温度は反応速度を降下させることができるので、任意の上流または下流のプロセスチャンバのパラメータに影響を与えることなくエンドキャッピングユニットにおける反応速度を独立して制御することができる。ポンプおよび熱交換器は、エンドキャッピングユニットにおける反応特性を独立して制御するために、代替的にまたは組み合わせて使用することができる。
【0050】
一実施形態では、第2の中間生成物の少なくとも一部のバックミキシングは、温度、滞留時間、または第2の中間生成物対未反応シリル化剤の比、または第2の中間生成物対第1の中間生成物の比の少なくとも1つを調整する。好適なシリル化剤、第1の中間生成物および第2の中間生成物が本明細書に記載されている。好ましい実施形態では、バックミキシングは、第2の中間体対第1の中間体の重量比を約0.05:1から約5:1、より具体的には約0.1:1から約1:1、さらにより具体的には約0.2:1から約0.5:1の範囲に調節する。好ましい実施形態では、第2の中間生成物対シリル化剤の重量比は、約500:1から約10:1、より具体的には約100:1から約25:1の範囲に調整される。
【0051】
一実施形態では、第2の中間生成物の少なくとも一部は、バックミキシングループを使用することによって、新しい未反応シリル化剤の供給流にバックミキシングされる。バックミキシングループは、直列のポンプおよび熱交換器を有することができる。バックミキシングループは、第2の中間生成物の少なくとも第1の部分を取り出し、ここで第1の部分の重量対第1の中間生成物、プレポリマーの重量の比は、約0.05:1から約5:1、より具体的には約0.1:1から約1:1、さらにより具体的には約0.2:1から約0.5:1の範囲であり、そしてそれをエンドキャッピングユニットの上流の新しい(すなわち未反応の)シリル化剤の供給流に送る。部分的シリル化ポリマーは、シリル化剤の供給流の下流で且つエンドキャッピングユニットの上流のミキサーにおいて新しいシリル化剤と混合されて混合物を形成する。別の実施形態では、新しい(すなわち未反応の)シリル化剤の供給流をバックミキシングループに加え、これにより、第2の中間生成物のバックミキシング部分における新たなシリル化剤の濃度を増加させ、新たなシリル化剤および第2の中間生成物の混合物をバックミキシングループの滞留時間にてバックミキシングループの温度にさらす。新しいシリル化剤の供給流は、好ましくはエンドキャッピングユニットの出口付近の、バックミキシングループに沿った任意の点でバックミキシングループに入ることができる。本明細書で使用される場合、「出口付近」とは、供給流の入口が、第2の中間生成物をバックミキシングループに提供しているエンドキャッピングユニットの出口からのバックミキシングループの長さの約1から約50パーセント、好ましくはバックミキシングループの約1から約10パーセントの点で、バックミキシングループに入ることを意味している。一実施形態では、供給流の温度を加熱または冷却して、部分的シリル化ポリマーおよび新たなシリル化剤のそれぞれの反応速度を増加または低下させる。混合物は、バックミキシングループを通ってエンドキャッピングユニットに輸送される。反応生成物は、シリル化ポリマーおよび/またはシリル化ポリマー、例えば湿気硬化性シリル化ポリマー、未反応シリル化剤およびシリル化反応からの部分的シリル化ポリマーを含むシリル化ポリマー組成物である。イソシアネートレベルの含量によって示されるように、反応が十分に完了すると、シリル化ポリマー組成物は、エンドキャッピングユニットから取り出されるか、または任意にて掃去パッケージによりクエンチングするためのクエンチングユニットへと下流に輸送され、シリル化ポリマー組成物に存在する未反応の反応性官能基を除去または減少させる。
【0052】
所定レベルの反応完全性は、当業者にとって明らかな方法により決定することができる。例えば、時間にわたって存在するイソシアネート基のレベルの決定を可能にする滴定または赤外分光法による。
【0053】
シリル化ステップは、第1の中間生成物として反応性官能基を有するプレポリマーをシリル化剤と混合して反応させて、第2の中間生成物としてシリル化ポリマー組成物を生成することを含む。プレポリマーは、少なくとも1つの反応性官能基を有する。好ましい実施形態では、プレポリマーは少なくとも2つの反応性官能基を含む。より好ましい実施形態では、プレポリマーは少なくとも2つの末端反応性官能基を含む。
【0054】
一実施形態では、反応性官能基を有するプレポリマーは、ポリオールまたは鎖延長されて鎖延長プレポリマーを形成するポリオールである。
【0055】
一実施形態では、第1の中間生成物は一般式(1)のものであり、
R
1(X)
a
ここで
R
1は、約50から約4,000個の炭素原子、および、−O−、−S−、−OC(=O)NH−、−R
2NC(=O)NH−、−C(=O)O−、−OC(=O)O−、−OCHR
2O−、−C(=O)NR
2−、−NR
2−および−CR
2=CHR
22,からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含む有機基であり、ここでR
2の各存在は、独立して、水素、1から約6個の炭素原子を含むアルキル基またはフェニル、好ましくは水素であり、
Xの各存在は、独立して、−OH、−SH、−NR
3−および−N=C=Oからなる群から選択される反応性官能基であり、ここでR
3の各存在は、独立して、水素、1から約6個の炭素原子のアルキル基またはフェニル、好ましくは水素であり、そして
下付き文字aは1から約5の整数である。
【0056】
一実施形態では、反応性官能基を有するプレポリマーがポリオールである場合、反応性官能基はヒドロキシル基が含まれる。ポリオールプレポリマーは反応性官能基として末端ヒドロキシル基を含むことが好ましい。プレポリマーが鎖延長ポリオールプレポリマーである場合、反応性官能基は、ヒドロキシル基、イソシアネート基、またはヒドロキシル基およびイソシアネート基の両方であってもよい。ポリオールと同様に、鎖延長ポリオールは、ヒドロキシル、イソシアネートまたはその両方であるかどうかにかかわらず、末端反応性官能基を有することが好ましい。
【0057】
鎖延長プレポリマーは、過度の実験をすることなく、当業者に公知の方法によって生成することができる。例えば、鎖延長プレポリマーは、ポリオールが鎖延長剤と連続的に混合される鎖延長反応によって生成することができ、そして反応させて鎖延長ポリオールを生成させることができる。
【0058】
鎖延長反応は、鎖延長ポリオールの所望の特性に応じて様々な方法で実施することができる。例えば、種々の適切な鎖延長剤が本明細書に記載されているが、ポリイソシアネートは鎖延長剤としてよく適している。一実施形態では、反応性官能基として末端ヒドロキシル基を有する鎖延長ポリオールを有することが望ましい場合、鎖延長ポリオールは、モル過剰のポリオールをポリイソシアネートと連続的に混合して、第1の中間生成物としての末端ヒドロキシル官能基を有するプレポリマーを生成することにより生成することができる。鎖延長反応におけるモル過剰のポリオールは、約1:1より大きいOH:NCOモル比を生成する。より具体的な実施形態では、OH:NCOモル比は約1.1:1から約10:1、さらにより具体的には約1.5:1から約3:1、さらにより具体的には約1.8:1から約2.2:1の範囲である。
【0059】
一実施形態では、反応性官能基が末端イソシアネート基である鎖延長ポリオールを有することが望ましい場合、鎖延長ポリオールは、モル過剰のポリイソシアネートをポリオールと連続的に混合して、第1の中間生成物としての末端イソシアネート官能基を有するプレポリマーを生成することによって生成することができる。鎖延長反応におけるモル過剰のポリイソシアネートは、約1:1未満のOH:NCOモル比を生成する。より具体的な実施形態では、OH:NCOモル比は約0.1:1から約0.9:1、さらにより具体的には約0.3:1から約0.7:1、さらにより具体的には約0.45:1から約0.55:1の範囲である。
【0060】
一実施形態では、反応性官能基が末端ヒドロキシル基および末端イソシアネート基の両方の混合である鎖延長ポリオールを有することが望ましい場合、鎖延長ポリオールは、化学量論的モル量のポリオールをポリイソシアネートと、モル過剰のポリオールをポリイソシアネートと、またはモル過剰のポリイソシアネートをポリオールと、連続的に混合し、そしてポリオールおよびポリイソシアネートの反応を完了に進ませないようにして、第1の中間生成物としての末端ヒドロキシルおよびイソシアネート官能基を有するプレポリマーを生成することにより生成することができる。完了に至らなかった鎖延長反応における化学量論的当量、モル過剰のポリオールまたはモル過剰のポリイソシアネートは、OH:NCOモル比が約1:1である第1の中間生成物を生成する。より具体的な実施形態では、OH:NCOモル比は、約0.5:1から約1.5:1、さらにより具体的には約0.9:1から約1.1:1の範囲である。
【0061】
好適な第1の中間生成物としては、限定されるものではないが、例えば、末端ヒドロキシル基を有するポリオール、末端ヒドロキシル基を有する鎖延長ポリオール、末端イソシアネート基を有する鎖延長ポリオール、および末端イソシアネート基および末端ヒドロキシル基の両方を有する鎖延長ポリオールが挙げられる。
【0062】
第1の中間生成物としての使用または鎖延長ポリオールの形成に適したポリオールには、反応性官能基として末端ヒドロキシル基を有するポリオールが含まれる。適切なヒドロキシル末端ポリオールとしては、限定されるものではないが、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル末端ポリカプロラクトンのようなポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールとε−カプロラクトンとの反応から得られるもののようなポリエーテルエステルポリオール、ヒドロキシル末端ポリカプロラクトンと、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドなどの1つ以上のアルキレンオキシドとの反応から得られるもののようなポリエステルエーテルポリオール、ヒドロキシル末端ポリブタジエン、およびそれから誘導されたヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマー、例えばわずかに過剰の前記ポリオールの1つまたは混合物をポリイソシアネートの1つまたは混合物と反応させることによるものが挙げられる。ポリオールは、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリカーボネート、およびポリアセタールも含み得る。適切であれば、ポリオールは、遊離の第3級アミノ基を含むことができる。
【0063】
いくつかの具体的な好適なポリオールとしては、限定されるものではないが、ポリエーテルジオール、特に、ポリ(オキシエチレン)ジオール、ポリ(オキシプロピレン)ジオール、およびポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ジオール、ポリオキシアルキレントリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、およびポリヒドロキシポリチオエーテル、ポリカプロラクトンジオールおよびトリオールなどが挙げられる。
【0064】
本発明の一実施形態では、シリル化ポリウレタン樹脂の生成に使用されるポリオールは、約500から約25,000グラム/モル(g/mol)の数平均分子量を有するポリ(オキシエチレン)ジオールである。本発明の別の実施形態では、シリル化ポリウレタン樹脂の生成に使用されるポリオールは、約1,000から約20,000グラム/モルの数平均分子量を有するポリ(オキシプロピレン)ジオールである。種々の構造、分子量および/または官能性のポリオールの混合物も使用することができる。
【0065】
一実施形態では、ポリオールの数平均分子量は、ポリオールのヒドロキシル価およびポリオールの官能性から計算される。ポリオールのヒドロキシル価は、ASTM D4274-11、ポリウレタン原材料を試験するための標準試験方法:ポリオールのヒドロキシル価の測定に従って測定される。
【0066】
使用され得る他のポリエーテルポリオールには、限定されるものではないが、環状酸化物の重合によって得られる生成物、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはテトラヒドロフラン、このような酸化物の1以上を多官能性開始剤に加えることによって得られる生成物、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはビスフェノールAが挙げられる。特に有用なポリエーテルには、限定されるものではないが、ポリオキシプロピレンジオールおよびトリオール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ジオールおよびトリオールであって、適切な開始剤へのエチレンおよびプロピレンオキシドの同時または逐次に加えることによって得られるもの、およびテトラヒドロフランの重合によって得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
【0067】
遊離第3級アミノ基を含むポリエーテルは、オキシアルキル化、例えば、アンモニア、第1級または第2級アミンおよびアミノアルコールのオキシプロピル化によって得ることができる。適切なアミンの非限定的な例としては、エチレンジアミン、アニリン、ベンジルアミン、トルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタンおよびポリメチレンポリフェニルポリアミンが挙げられる。適切なアミノアルコールとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、およびビス(2−ヒドロキシエチル)ベンジルアミンが挙げられる。オキシアルキル化プロセスでは、アミノを含む開始剤とアミノを含まない開始剤との混合物を必要に応じて使用することができる。
【0068】
ポリチオエーテルポリオールも好適なポリオールである。これらとしては、例えば、チオジグリコールを単独で、または、他のグリコール、ジカルボン酸、ホルムアルデヒド、アミノアルコールまたはアミノカルボン酸とともに縮合することにより得られた生成物が挙げられる。
【0069】
ポリカーボネートポリオールも好適なポリオールである。これらとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールなどのジオールを、ジアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネートと、またはホスゲンと反応させることによって得られる生成物が挙げられる。
【0070】
ポリアセタールポリオールも好適なポリオールである。これらとしては、例えば、ホルムアルデヒドを伴うジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびヘキサンジオールなどのグリコールである。適切なポリアセタールは、環状アセタールを重合することによっても調製することができる。
【0071】
適切なポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ヒドロキシル末端ブタジエンホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0072】
プレポリマーの調製に使用され得るペンダントポリオキシエチレン鎖を有するジオールには、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,905,929号に記載されたものが挙げられる。
【0073】
適切なポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、フランジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールまたはそれらの混合物などの多価アルコールと、ポリカルボン酸、特に、特にジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体、例えば、コハク酸、グルタル酸およびアジピン酸またはそれらのジメチルエステル、無水フタル酸またはジメチルテレフタレートとのヒドロキシル末端反応生成物が挙げられる。ラクトン、例えばカプロラクトンの重合によって得られるポリエステルをポリオールと共に使用することもできる。ポリエステルアミドは、ポリエステル化混合物中にエタノールアミンのようなアミノアルコールを含めることによって得ることができる。遊離第3級アミノ基を含有するポリエステルは、ポリエステル化反応において、第3級アミノポリオール、例えばトリエタノールアミンまたはN−メチルジエタノールアミンを含めることによって得ることができる。
【0074】
ポリエーテルポリオールは、ポリマー鎖あたり約5個までのヒドロキシル基、より具体的にはポリマー鎖あたり約1から2個のヒドロキシル基、最も具体的にはポリマー鎖当たり約2個のヒドロキシル基の官能性(すなわちジオール)を有することができる。複金属シアン化物(DMC)触媒、アルカリ金属水酸化物触媒、またはアルカリ金属アルコキシド触媒の存在下で調製されたポリエーテルポリオールが、特に好適であり、例えば、参照によりその全体の各々が本明細書に組み込まれる米国特許第3,829,505号、第3,941,849号、第4,242,490号、第4,335,188号、第4,687,851号、第4,985,491号、第5,096,993号、第5,100,997号、第5,106,874号、第5,116,931号、第5,136,010号、第5,185,420号、および第5,266,681号を参照のこと。複金属シアン化物触媒の存在下で調製されたポリエーテルポリオールは、高い分子量および低いレベルの不飽和を有する傾向があり、それらの特性は改善された性能に関係していると考えられている。ポリエーテルポリオールは、具体的には、約1,000から約25,000グラム/モル、より具体的には約2,000から約20,000グラム/モル、さらにより具体的には約4,000から約18,000グラム/モルの数平均分子量を有する。本発明の一実施形態では、ポリエーテルポリオールは、ポリオール1グラム当たり約0.04ミリ当量以下の末端基不飽和レベルを有する。本発明の別の実施形態において、ポリエーテルポリオールは、ポリオール1グラム当たり約0.02ミリ当量以下の末端基不飽和を有する。不飽和の量は、ASTM D4671-05(2010)e1、ポリオールの不飽和度のポリウレタン原材料測定の標準試験方法、に従って測定される。
【0075】
さらに別の実施形態において、式(1)の反応性官能基を含有するプレポリマーは、より詳細には、式(2)、(3)および(4)からなる群から選択される構造を有する。
HO−[(R
13O)
dC(=O)NHR
14NH(C=O)O−]
e(R
13O)
fR
13−OH (2)
O=C=N−R
14NHC(=O)O−[(R
13O)
cC(=O)NHR
14NH(C=O)O−]
d(R
13O)
eC(=O)NHR
14−N=C=O (3)
O=C=N−R
14NHC(=O)O−[(R
13O)
dC(=O)NHR
14NH(C=O)O−]
e(R
13O)
fR
13−OH (4)
ここでR
13の各存在は、独立して、約2から約10個の炭素原子のアルキレン基、約5から約10個の炭素原子のシクロアルキレン基、約6から約10個の炭素原子のアリーレン基、および約7から約12個の炭素原子のアラルキレン基からなる群から選択され、R
14の各存在は、独立して、1から約10個の炭素原子のアルキレン基、約5から約12個の炭素原子のシクロアルキレン基、約6から約10個の炭素原子のアリーレン基、7から12個の炭素原子のアラルキレン基からなる群からから選択され、そして下付き文字d、eおよびfは整数であり、そしてdの各存在は1から約500であり、eは0から約5であり、そしてfは1から約500であり、但し、(d)(e)+fは、約25以上である。
【0076】
さらに別の実施形態では、反応性官能基を有するプレポリマーは、式(2)、(3)または(4)またはそれらの混合物である。1つの具体的な実施形態では、各R
13は独立してエチレンまたはプロピレン、好ましくはプロピレンであり、各R
14は、独立して、ヘキシレン、メチルフェニレン、または
【化1】
であり、cは約100から約500、好ましくは約125から約225であり、dは0、1または2、好ましくは0または1であり、eは約100から約500、好ましくは約125から約225である。
【0077】
一実施形態では、シリル化剤は、一般式(5)を有し、
YR
4Si(CH
3)
b(OR
5)
3−b (5)
ここで
Yは、−N=C=O、−SH、−OH、および−NHR
6からなる群から選択される官能基であり、ここでR
6は、水素、1から約10個の炭素原子を含むアルキル基、約5から約10個の炭素原子を含むシクロアルキル基、約7から約10個の炭素原子を含むアラルキル基、フェニル、およびCH[(C=O)OR
7]CHR
8C(=O)OR
7、ここでR
7は1から約10個の炭素原子のアルキル基、約5から約10個の炭素原子のシクロアルキル基、約6から約10個の炭素原子のアリール基、および約7から約10個の炭素原子のアラルキル基であり、そしてR
8は、1から約10個の炭素原子のアルキル基、約5から約10個の炭素原子のシクロアルキル基、約6から約10個の炭素原子のアリール基、および約7から約10個の炭素原子のアラルキル基であり、
R
4は1から約10個の炭素原子を含む2価のアルキレン基、約5から約10個の炭素原子を含むシクロアルキレン基、および約6から約10個の炭素原子を含むアリーレン基であり、
R
5の各存在は、1から約18個の炭素原子のアルキル基または−R
9(OR
10)
cOR
11であり、ここでR
9は、1から約18個の炭素原子のアルキル基であり、R
10は、約2から約4個の炭素原子の2価のアルキレン基であり、そしてR
11は、1から約10個の炭素原子のアルキル基または−C(=O)R
12であり、ここでR
12は、水素、または1から約6個の炭素原子のアルキル基であり、そして下付き文字bおよびcは整数であり、ここでbは0から約2であり、cは0から約5である。
【0078】
特定の実施態様にて、湿気硬化性シリル化ポリマーの調製のためのプロセスは、
(a)エンドキャッピング管状反応ユニットに反応性官能基を含むプレポリマーを連続的に加えること、
(b)ステップ(a)のエンドキャッピング管状反応ユニットにおける反応性官能基を含むプレポリマーにシリル化剤を連続的に加えること、
(c)ステップ(a)の混合物を連続的に反応させて、部分的シリル化ポリマーを含むシリル化ポリマー組成物を提供すること、
(d)ステップ(c)の第1のシリル化ポリマー組成物の一部分を、バックミキシングループによって、エンドキャッピング管状反応ユニットから連続的に取り出すこと、
(e)ステップ(d)の第1のシリル化ポリマー組成物を追加のシリル化剤と連続的に混合して第2の組成物を形成すること、
(f)ステップ(e)のバックミキシングされた混合物を、第1の組成物を含むエンドキャッピング管状反応ユニットに連続的に加えること、
(g)ステップ(f)のバックトラックされた部分およびシリル化剤をエンドキャッピング管状反応ユニットにおいて連続的に反応させて、湿気硬化性シリル化ポリマーを含むシリル化ポリマー組成物を提供すること、ならびに、
(h)ステップ(g)からの組成物の少なくとも一部を連続的に取り出して、湿気硬化性シリル化ポリマーを提供すること、を含む。
【0079】
ステップ(c)の第1の組成物は、バックミキシングループによってステップ(d)のエンドキャッピング管状反応ユニットから取り出される。バックミキシングループの一端は、ユニットの流出ライン近くのエンドキャッピング管状反応ユニットに、または直接的に流出ラインに取り付けられ、そしてバックミキシングループの他端はエンドキャッピング管状反応ユニットの流入ラインの近くに、反応性官能基を含有するプレポリマーの流入ラインに、またはシリル化剤の入力ラインに取り付けられる。バックミキシングユニットは、任意にて、ミキサー、バックミキシングユニットの温度を制御するための熱交換器、および/またはシリル化剤のための供給ラインを含む。ステップ(d)から(h)は連続的に行われるので、ステップ(d)の第1の組成物およびステップ(h)の湿気硬化性シリル化ポリマーが類似または同一の組成を有する場合、定常状態を確立することができる。
【0080】
一実施形態では、反応性官能基を含むプレポリマーは、シリル化剤との反応の前に安定化パッケージをポリオールと混合し、または、安定化パッケージをポリオールと混合し、そしてポリオールおよび安定化パッケージの混合物をポリイソシアネートと反応させて、反応性官能基を有するプレポリマーおよび安定化パッケージとの混合物を形成することにより調製された安定化されたプレポリマーであり、ここで官能基は、ヒドロキシル基、イソシアネート基、またはヒドロキシル基およびイソシアネート基の混合物であり、そしてここで反応性官能基を有するプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応によって鎖延長される。本出願人は、プロセスの初期に安定化パッケージを組み込むことによって、生成されたシリル化ポリマーの変色が低減されることを見出した。安定化パッケージは、シリル化ポリマーの変色を減少させる安定化剤を含む。
【0081】
したがって第2の態様では、シリル化ポリマーを生成する連続プロセスは、バックミキシングおよび安定化ステップを伴うシリル化ステップを含む。バックミキシングを伴うシリル化ステップは、第1の中間生成物としての反応性官能基を有する安定化プレポリマーをシリル化剤と反応させて、第2の中間生成物としてのシリル化ポリマーを生成することを含む。シリル化ステップはまた、本明細書の他の箇所に記載されている第2の中間生成物の少なくとも一部が、シリル化剤、反応性官能基を有するプレポリマー、またはシリル化剤および反応性官能基を有するプレポリマーとバックミキシングされる、バックミキシングループによる、バックミキシングのステップを含む。
【0082】
例えば、プレポリマーを安定化させると、反応性官能基を含むプレポリマーの調製の間に、プレポリマーがポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物である場合、反応性官能基を含有するプレポリマーとシリル化剤との反応によるシリル化ポリマーの調製の間に生じる色変化の程度が減少する。安定化パッケージはまた、シリル化ポリマーの経時変化による色の変化を防止または最小化する。色の変化を定量化する方法は、当業者に周知である。しかしながら、その変化を定量化する例示的な手段は、ポリオール、ポリイソシアネート、および/またはポリオールおよびポリイソシアネートを含む混合物、反応性官能基を含むプレポリマーおよび/またはシリル化剤を含むプレポリマーを含む混合物などの反応物の色を測定すること、およびシリル化ポリマーである生成物の色を測定することを含む。一実施形態では、安定化パッケージを含む第1の中間生成物で調製したシリル化ポリマー、および安定化パッケージを含まない第1の中間体で調製したシリル化ポリマーにおいて色変化を測定する。別の実施形態では、安定化パッケージを含むポリオールとその後にシリル化剤と反応されるポリイソシアネートとの反応から調製されたシリル化ポリマーにおいて、および安定化パッケージを含有していないポリオールとその後にシリル化剤と反応されるポリイソシアネートとの反応から調製されたシリル化ポリマーにおいて色変化が測定される。さらに別の実施形態において、色の変化は、出来がった状態およびシリル化ポリマーが経時後にシリル化ポリマーの色を測定することによって決定することもできる。一実施形態では、80℃で4日間エージングした後の色から出来上がった状態の色を差し引いた色の変化は、色安定性と称される。色安定性は、約0Pt−Coから約40Pt−Co色、より具体的には約0Pt−Coから約25Pt−Co、さらにより具体的には約0Pt−Coから10Pt−Coである。反応物、第1の中間生成物および第2の中間生成物およびシリル化ポリマーの色安定性および色は、ASTM Method D1209「透明液体の色の標準試験方法(白金−コバルトスケール)」に従って測定された。
【0083】
安定化パッケージは、少なくとも1つのホスファイト安定化剤、および任意にて少なくとも1つの立体障害フェノール酸化防止剤を含み、好ましくは安定化パッケージは少なくとも1つのホスファイト安定化剤および少なくとも1つのフェノール酸化防止剤を含む。本明細書で使用される「立体障害フェノール酸化防止剤」という用語は、ヒドロキシル基が芳香族炭化水素炭素原子に化学結合し、ヒドロキシル基を含む炭素に隣接する炭素原子は、アルキル基の第2級または好ましくは第3級炭素原子に結合している有機化合物を指す。一実施形態では、本発明において有用な立体障害フェノール酸化防止剤は、一般式(6)により説明されることができ:
【化2】
ここで式(6)において、R
18の各存在は、1から約50個の炭素原子の1価または多価の有機基であって、任意にてヒドロキシル基、−OH、アミド基、−C(=O)N(−)
2、エステル基、−C(=O)O−、イソシアヌレート基、
【化3】
エーテル基、−O−、アミン基、(−)
2NH、ヒドラジド、−C(=O)N(−)NH(−)
2−、スルフィド基、−S−、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される置換基を有してもよい。
【0084】
具体的には、立体障害フェノール酸化防止剤は、約300グラム/モルから約1,500グラム/モルの分子量を有することができる。より具体的には、立体障害フェノール酸化防止剤は、一般式(7)を有する分子当たり少なくとも2つのフェノール基を含有してもよく、
【化4】
ここでR
19は、1から約50個の炭素原子の2価、3価または4価の有機基であって、任意にて、ヒドロキシル基、−OH、アミド基、−C(=O)N(−)
2、エステル基、−C(=O)O−、イソシアヌラート基、
【化5】
エーテル基、−O−、アミン基、(−)
2NH、ヒドラジド、−C(=O)N(−)NH(−)
2−、スルフィド基、−S−、およびそれらの組み合わせから選択される置換基で置換されてよく、下付き文字iは、約2から約4の整数である。
【0085】
立体障害フェノール酸化防止剤の代表的および非限定的な例としては、
4−[[3,5−ビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2,4,6−トリメチルフェニル]メチル]−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−N’−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノイル]プロパンヒドラジド、エチレンビス(オキシエチレン)ビス−3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)−プロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート−N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニルプロピオンアミド)、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3−5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H−)−トリオン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−トルエン、4,4−メチレン−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェノール)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0086】
ホスファイト処理安定化剤は、処理中にポリマー上に形成されるヒドロペルオキシドと反応し、プロセス誘起分解を防止し、立体障害フェノール酸化防止剤の性能を向上させる二次酸化防止剤である。ホスファイト処理安定化剤は、3つの酸素リン単結合を含有する。具体的には、ホスファイト処理安定化剤は、下記一般式(8)を有し、
【化6】
R
20の各存在は、独立して、1から約25個の炭素原子を含む1価の炭化水素、1から約25個の炭素原子と、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを含む1価の炭化水素、ならびに、少なくとも1個の炭素原子が酸素−リン基の酸素に結合し、そして少なくとも1個の炭素原子がR
21基の炭素原子に共有結合している1から約25個の炭素原子を含む多価炭化水素からなる群から選択され、
R
21の各存在は、独立して、1から約25個の炭素原子を含む1価の炭化水素、1から約25個の炭素原子と、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子とを含む1価の炭化水素、ならびに少なくとも1個の炭素原子が酸素−リン基の酸素に結合し、そして少なくとも1個の炭素原子がR
20基の炭素原子に共有結合している1から約25個の炭素原子を含む多価炭化水素からなる群から選択され、
R
22の各存在は、独立して、1から約25個の炭素原子を含む1価の炭化水素であって、任意にて酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよいものである。
【0087】
特に、ホスファイト処理安定化剤は、1価のアルキル基、アリール基またはアルキル置換芳香族炭化水素基であるR
20、R
21およびR
22基を含んでいてもよい。
【0088】
代表的で非限定的なホスファイト安定化剤の例としては、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2−(2,4,8,10−テトラtert−ブチルベンゾ[d][1,3,2]ベンゾジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ−N,N−ビス[2−(2,4,8,10−テトラtert−ブチルベンゾ[d][1,3,2]ベンゾジオキサホスフェピン−6−イル)オキシエチル]エタンアミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−エチル−ホスファイト、3,9−ビス−(2,4−ジ−tert−ブチル−フェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファ−スピロ[5.5]ウンデカン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0089】
プロセスが連続プロセスである実施形態では、安定化剤は、供給流によって上流の混合チャンバに、鎖延長ユニットのプレミキサーの入口に、鎖延長ユニットに、エンドキャッピングユニットのプレミキサーに、エンドキャッピングユニットの入口に、バックミキシングループの入口に、またはそれらの任意の組合せに加えられる。好ましい実施形態では、安定化剤パッケージは最初のプロセスステップにおいて、最初にポリオールと混合される。例えば、安定化剤パッケージは、混合チャンバに加えられ、ポリオールまたはポリオールおよび他の成分と混合される。鎖延長およびエンドキャッピング反応の前に安定化剤をポリオールに加えることにより、低色の生成物が得られる。一実施形態では、シリル化ポリマー、より具体的には安定化剤パッケージを使用して生成された湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーは、ASTM D1209、透明液体の色の標準試験方法(プラチナ−コバルトスケール)に従って測定して、50Pt−Co未満、より具体的には20Pt−Co未満、さらにより具体的には10Pt−Co未満の色を有するシリル化ポリマーを提供する。
【0090】
一実施形態では、安定化剤は、それぞれ、「Anox 20」および「Uvasil 299 HM/LM」(Great Lakes)、「Doverphos 6」(Dover Chemical)および「Irganox 1010」、「Irganox 1076」、「Tinuvin 770」、「Tinuvin 327」、「Tinuvin 213」および「Tinuvin 622 LD」(Ciba)の商標として具体的な化学品として入手可能なヒンダードフェノールおよびホスファイトからなる群から選択される。
【0091】
特定の一実施形態では、安定化剤は、ヒンダードフェノールおよびホスファイトの混合物である。ヒンダードフェノール対ホスファイトの重量比は、ヒンダードフェノールおよびホスファイトの全重量に基づいて、約1から約99重量%のヒンダードフェノール、より具体的には約2から約50重量%のヒンダードフェノール、さらにより具体的には約3から約15重量%のヒンダードフェノールである。
【0092】
特定の実施形態では、第1の中間生成物は鎖延長ポリオールである。適切な鎖延長ポリオールは、当業者には明らかであろう。しかしながら、特定の実施形態では、鎖延長ポリオールは、鎖延長剤との反応によって延長される鎖延長ポリオールである。種々の鎖延長剤が考えられるが、具体的な実施形態では、鎖延長剤はポリイソシアネートである。本明細書に記載されるように、鎖延長ポリオールは、ポリオールを反応チャンバに導入し、鎖延長剤を反応チャンバに導入して連続的に混合し反応させて鎖延長ポリオールを形成する鎖延長反応によって調製される。記載されるように、得られた鎖延長ポリオールは反応性官能基を含み、具体的には末端反応性官能基を含むことになる。反応性官能基は、ヒドロキシル、イソシアネートまたは両方であり得る。どの反応性基が鎖延長ポリオールに存在するかは、鎖延長反応における反応ポリオールと鎖延長剤との比による。例えば、ポリイソシアネートに対して過剰のポリオールは、ヒドロキシル反応性官能基を有する鎖延長ポリオールである反応性官能基を有するプレポリマーを生成することになる。対照的に、過剰のポリイソシアネートは、例えば、イソシアネート反応性官能基を有する鎖延長ポリオールである反応性官能基を有するプレポリマーを生成することになる。これに対応して、過剰のポリイソシアネート、過剰のポリオールまたは等量のポリオールおよびポリイソシアネートは、反応が完了に進行させないという条件で、ヒドロキシルおよびイソシアネート反応性官能基の両方を有する鎖延長ポリオールである反応性官能基を有するプレポリマーを生成することになる。
【0093】
一実施形態では、ポリオールのヒドロキシル基対ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比、OH:NCOモル比は、約0.1:1から約10:1、より具体的には約0.3:1から約3:1、さらにより具体的には0.45:1から約2.2:1である。
【0094】
一実施形態では、鎖延長ポリオールは、ヒドロキシル末端ポリマーとジ−またはポリイソシアネートとの反応によって調製され、ここでヒドロキシル末端ポリマーのヒドロキシル基対ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比、OH:NCOモル比は、約1.1:1から約10:1、より具体的には約1.5:1から約3:1、さらにより具体的には約1.8:1から約2.2:1である。
【0095】
ヒドロキシル末端ポリマーとジイソシアネートまたはポリイソシアネートとの反応によって調製されたポリオールは、部分的に反応したジイソシアネートまたはポリイソシアネートから、または未反応のジイソシアネートまたはポリイソシアネートから、残りのイソシアネートを含むことがありえる。さらに別の実施形態では、ポリオールの分子量は、それらおよび低分子量グリコール、トリオールまたはより多い官能性アルコール、ジ−またはポリアミン、ペンダントおよび/または末端ヒドロキシルまたはアミノ基を含むポリシロキサンをジ−またはポリイソシアネートと反応させることにより増大させることができる。
【0096】
いくつかの鎖延長剤は、開示されたプロセスにおける使用に適している。ポリイソシアネートは、特に好ましい鎖延長剤である。ジイソシアネートまたはそれらの混合物が特に好ましい。例えば、ポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(「MDI」)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(「pMDI」)、パラフェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、液体カルボジイミド変性MDIおよびその誘導体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(「TDI」)、特に2,6−TDIアイソマー、ならびに当該技術分野において十分に確立されている種々の他の脂肪族および芳香族ポリイソシアネート、およびそれらの組み合わせでありえる。本発明の一実施形態では、ジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその種々のアイソマー、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ならびに1,3−ビス−(イソシアナートメチル)シクロヘキサンからなる群から選択される少なくとも1つの成分である。
【0097】
鎖延長反応は、反応性官能基として末端ヒドロキシル基、末端イソシアネート基または両方を有する鎖延長ポリオールを生成することができる。鎖延長反応から生成される反応性官能基は、ポリオールおよび鎖延長剤の相対量によって影響を受けることになる。例えば、ヒドロキシル基を有する鎖延長ポリオールを生成するためには、モル過剰のポリオールをポリイソシアネートと反応させる。反応性官能基として、イソシアネート基を有する鎖延長ポリオールを生成するために、モル過剰のポリイソシアネートをポリオールと反応させる。反応性官能基としてヒドロキシル基とイソシアネート基との混合を有する鎖延長ポリオールを生成するために、化学量論量のポリオールとポリイソシアネート、モル過剰のポリオール、またはモル過剰のポリイソシアネートが使用され、そしてポリオールとポリイソシアネートとの間の反応は、完了まで進ませないようにする。
【0098】
一実施形態では、ポリオールのヒドロキシル基対ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比は、ヒドロキシル基が化学量論量より多いようなモル比である。より具体的には、HO−基対−N=C=O基(OH:NCO)のモル比は、約95:1から約1.05:1、さらにより具体的には約5:1から約1.10:1、ずっとさらにより具体的には約3:1から約1.20:1である。
【0099】
一実施形態では、ポリオールのヒドロキシル基対ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比は、ヒドロキシル基およびイソシアネート基がほぼ化学量論量であるようなモル比である。より具体的には、HO−基対−N=C=O基のモル比は、約1:1.05から約1:2、さらにより具体的には約1:1.10から約1:1.8、そしてずっとさらにより具体的には約1:1.2から約1:1.5である。
【0100】
一実施形態では、ポリオールのヒドロキシル基対ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比は、ヒドロキシル基が化学量論量より少なくなるようなモル比である。より具体的には、OH:NCOのモル比は、約0.1:1から約0.9:1、さらにより具体的には0.3:1から約0.7:1、ずっとさらにより具体的には約0.45:1から約0.55:1である。反応生成物は、官能基がイソシアネート基である反応性官能基を含むプレポリマーとなる。
【0101】
市販されているポリオールの例としては、例えば、接着剤、シーラント、エラストマー、成形フォームおよびフレキシブルフォームなどの様々なウレタン用途に使用されるArcol(登録商標)ポリオールファミリーおよびAcclaim(登録商標)ポリオールファミリーのポリエーテルポリオール製品が挙げられる。
【0102】
ポリオールまたは鎖延長ポリオールのプレポリマーは、第1の中間生成物として機能し、シリル化剤との混合および反応のためにエンドキャッピングユニットに送られて第2の中間生成物を形成する。
【0103】
連続プロセスでは、鎖延長反応は、エンドキャッピングユニットの上流の反応チャンバにて行われる。この反応チャンバは、本明細書では鎖延長ユニットと呼ばれる。鎖延長ユニットは、エンドキャッピングユニットと直接または2つのユニットを互いに接続するラインを介して接続されており、鎖延長ポリオールは、本明細書でさらに説明するように鎖延長ユニットからエンドキャッピングユニットに移送されるようになる。
【0104】
鎖延長反応のための反応ユニットは、本明細書では一般に延長ユニットと呼ばれることになる。
【0105】
プロセスは連続プロセスであり、エンドキャッピングユニットの上流および下流の反応ユニットは任意であり得ることはこの開示の範囲内であると考えられるが、延長ユニットがエンドキャッピング管状反応ユニットの上流に存在し、エンドキャッピング管状反応ユニットと直接的にまたはラインによって接続され、2つのユニットの間に流体連通があることが好ましい。鎖延長反応によって延長ユニットにおいて形成された鎖延長ポリオールは、第1の中間生成物としてのエンドキャッピング管状反応ユニットに連続プロセスによって送られる。
【0106】
鎖延長反応を実施するための適切な鎖延長ユニットは、当業者には容易に明らかであろうが、延長ユニットは、例えば、本明細書で説明されるような上流入口および下流出口を備えた管状反応器であると考えられる。一実施形態では、ポリオールは、手動または自動または上流プロセスユニットの出口などの配送手段によって延長ユニットに送られまたは供給される。鎖延長剤は同様に、手動または自動または上流プロセスユニットの出口または上流リザーバからの配送手段によって延長ユニットに送られまたは供給される。ポリオールおよび鎖延長剤は、同時にまたは代替的に、延長ユニットに供給されてもよいが、より高い質量の反応物が最初に供給されることが好ましい。ポリオールおよび鎖延長剤を延長ユニットにおいて混合して反応させて、反応性官能基を有するプレポリマー、特に鎖延長ポリオールを第1の中間生成物として生成させる。
【0107】
反応性官能基を有するプレポリマーがポリオールである実施形態では、ポリオールの延長が必要とされないので、延長ユニットは任意である。
【0108】
1つの特定の実施形態において、シリル化ポリマーを調製するプロセスは、反応性官能基を有するプレポリマーが鎖延長ポリオールであるバックミキシングを伴うシリル化ステップを含む。当該プロセスは、
(aa)ポリオールの重量に基づいた重量%で、約0.001から約5重量%、より具体的には約0.1から約2重量%、さらにより具体的には約0.5から約1重量%の立体障害フェノール、および約0.001から約5重量%、より具体的には約0.1から約2重量%、さらにより具体的には約0.5から約1重量%のホスファイト安定化剤を含むポリオールを、延長ユニットへ連続的に加えること、
(bb)ポリイソシアネート、および任意にてポリオールとポリイソシアネートとの反応を促進するための触媒を、延長ユニットに連続的に加えること、
(cc)ポリオールをポリイソシアネートと連続的に反応させて、ポリウレタンである反応性官能基を有するプレポリマーを第1の中間生成物として生成すること、
(dd)下流のステップ(cc)からの第1の中間生成物をエンドキャッピング管状反応ユニットへ連続的に輸送すること、
(ee)第1の中間生成物を含むエンドキャッピング管状反応ユニット、延長ユニットと第1の中間生成物を含むエンドキャッピング管状反応ユニットとを接続するライン、後にエンドキャッピング管状反応ユニットに供給される第2の中間生成物を含むバックミキシングループ、またはステップ(dd)の第1の中間体生成物を含むミキサーにシリル化剤を連続的に加えて、混合物を形成すること、
(ff)ステップ(ee)の混合物を連続的に反応させてシリル化ポリマー組成物を第2の中間生成物として提供すること、
(gg)エンドキャッピング管状反応ユニットからステップ(ff)の第2の中間生成物の一部をバックミキシングにより連続的に取り出すこと、
(hh)ステップ(gg)の部分を新たなシリル化剤の供給に連続的にバックミキシングして第2の混合物を形成すること、
(ii)ステップ(hh)の第2の混合物を、第1の中間生成物を含むエンドキャッピング管状反応ユニットに連続的に加えること、
(jj)エンドキャッピング管状反応ユニットにおいてステップ(ii)の混合物を連続的に反応させて第2の中間生成物を生成すること、
(kk)ステップ(jj)の第2の中間生成物の一部を連続的に取り出して、湿気硬化性シリル化ポリウレタンであるシリル化ポリマーを提供すること、および任意にて、
(ll)湿気硬化性シリル化ポリウレタンを掃去パッケージで連続的にクエンチングすること、を含む。
【0109】
シリル化反応に適したシリル化剤は、第1の中間生成物に存在する反応性官能基に依存する。例えば、第1の中間生成物の反応性官能基がヒドロキシルを含む場合、シリル化剤は、第1の中間生成物のヒドロキシル基と反応性の対応する官能基を有することになる。一例では、第1の中間生成物はポリオールであり、シリル化剤はイソシアネート(すなわちNCO)官能基を含む。第1の中間生成物がイソシアネート反応性官能基を含む場合、シリル化剤はアミノ(すなわち−NHR)、ヒドロキシル(すなわち−OH)またはチオール(すなわち−SH)官能基を含む。
【0110】
適切なシリル化剤は、一般式(5)を有し:
YR
4Si(CH
3)
b(OR
5)
3−b (5)
ここで、
Yは、−N=C=O、−SH、−OH、および−NHR
6からなる群から選択される官能基であり、ここでR
6は、水素、炭素原子1から約10個を含むアルキル基、炭素原子約5から約10個を含むシクロアルキル基、炭素原子約7から約10個を含むアラルキル基、フェニル、およびCH[(C=O)OR
7]CHR
8C(=O)OR
7からなる群から選択され、ここでR
7は炭素原子1から約10個のアルキル基、炭素原子約5から約10個のシクロアルキル基、炭素原子約6から約10個のアリール基、炭素原子約7から約10個のアラルキル基であり、そしてR
8は炭素原子1から約10個のアルキル基、炭素原子約5から約10個のシクロアルキル基、炭素原子約6から約10個のアリール基、炭素原子約7から約10個のアラルキル基であり、
R
4は炭素原子1から約10個の2価のアルキレン基、炭素原子約5から約10個のシクロアルキレン基、炭素原子約6から約10個のアリーレン基であり、
R
5の各存在は、炭素原子1から約18個のアルキル基または−R
9(OR
10)
cOR
11であり、ここでR
9は、炭素原子1から約18個のアルキル基であり、R
10は、炭素原子約2から約4個の2価のアルキレン基であり、そしてR
11は、1から約10個の炭素原子のアルキル基または−C(=O)R
12であり、ここでR
12は、水素、または1から約6個の炭素原子のアルキル基であり、そして
下付き文字bおよびcは整数であり、ここでbは0から約2であり、cは0から約5である。
【0111】
一実施形態では、Xは−OHであり、Yは−N=C=Oである。別の実施形態において、Xは−N=C=Oであり、Yは−NHR
6であり、ここでR
6は、水素、炭素原子1から約10個を含むアルキル基、炭素原子約5から約10個のシクロアルキル基、炭素原子約7から約10個のアラルキル基、フェニルおよび−CH[(C=O)OR
7]CHR
8C(=O)OR
7からなる群から選択され、ここでR
7は炭素原子1から約10個のアルキル基、炭素原子約5から約10個のシクロアルキル基、炭素原子約6から約10個のアリール基、炭素原子約7から約10個のアラルキル基であり、そしてR
8は炭素原子1から約10個のアルキル基、炭素原子約5から約10個のシクロアルキル基、炭素原子約6から約10個のアリール基、炭素原子約7から約10個のアラルキル基である。
【0112】
イソシアネート官能基を有する特定のシリル化剤としては、例えば、イソシアナートシランが挙げられる。アミノ官能基を有する特定のシリル化剤には、例えば、アミノシランが含まれる。他の特定の好適なシリル化剤も本明細書の他の箇所に記載されている。
【0113】
適切なシリル化剤は、当業者には明らかであろう。本明細書に記載されるように、シリル化反応に最も適したシリル化剤は、第1の中間生成物の反応性官能基に依存することになる。
【0114】
一実施形態では、シリル化剤は式(5)により定義され、ここでYは、−N=C=Oまたは−NHR
6であり、ここでR
6は上記定義通りであり、R
4はメチレン、エチレンまたはプロピレンであり、R
5はメチルまたはエチルであり、bは0または1であり、好ましくは0である。
【0115】
他の適切なシリル化剤としては、イソシアナートシラン、メルカプトシランおよびアミノシランが挙げられる。例えば、イソシアナートシランは、3−イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、および3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランから選択することができる。適切なイソシアナートシランは、Momentive Performance Materials, Inc.からSilquest(登録商標)A Link-35およびSilquest(登録商標)A-Link 25の名称で入手可能である。アミノシランは、例えば、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、N−メチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、アミノイソプロポキシエチルトリメトキシシラン、アミノイソプロポキシプロピルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジエトキシメチルシラン、N−メチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、およびアミノイソプロポキシエチルトリエトキシシランから選択することができる。
【0116】
他の好適なシリル化剤としては、限定するものではないが、メルカプトシラン類、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリsec−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−t−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリオクトキシシラン、2−メルカプトエチルトリ−2’−エチルヘキシロキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルシクロヘキソキシジメチルシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−エチルプロピル−ジメトキシメチルシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルジメトキシフェニルシラン、3−メルカプトシクロヘキシル−トリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリエトキシシラン、18−メルカプトオクタデシルメトキシジメチルシラン、18−メルカプトオクタデシルメトキシジメチルシラン、2−メルカプト−2−メチルエチル−トリアルコキシシラン、2−メルカプト−2−メチルエチル−トリオクトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトトリルトリメトキシシラン、2−メルカプトトリルトリエトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリエトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルフェニルトリメトキシシラン、および、3−メルカプトプロピルフェニルトリエトキシシラン、およびアミノシラン類、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシメチルシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチル−2−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)−プロピルトリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチル−ブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、N−(シクロヘキシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン、およびN−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0117】
シリル化剤は、反応性官能基を含有するプレポリマーに基づいて、0.2から1.5モル当量の範囲の量で使用される。式(5)を有するシリル化剤対式(1)を有する反応性官能基を有するプレポリマーのモル比は、シリル化剤のY官能基対反応性官能基を含有するプレポリマーのX官能基のモル比に基づいており、ここでモル比(Y:X)は約0.2:1から約1.2:1、より具体的には約0.8:1から約1.1:1、さらにより具体的には約0.9:1から約1:1である。
【0118】
X基がヒドロキシル基である場合、反応性官能基を有するプレポリマーのヒドロキシル含有量のモル量は、ヒドロキシル価から決定される。ヒドロキシル価は、ASTM D4274-11、ポリウレタン原材料の標準試験方法:ポリオールのヒドロキシル価の決定に従って決定される。XまたはY基がイソシアネート基である場合、反応性官能基を有するプレポリマーまたはシリル化剤のイソシアネート含有量のモル量は、ASTM D2572-97(2010)、ウレタン材料またはプレポリマーにおけるイソシアネート基の標準試験方法に従って決定される。XまたはY基がアミノ基である場合、反応性官能基を有するプレポリマーまたはシリル化剤のアミン含有量のモル量は、ASTM D2074-07(2013)、代替インジケーター法による脂肪族アミンの全、第1級、第2級、および第3級アミン価の標準試験方法に従って決定される。
【0119】
シリル化剤の反応は、化学量論量以下のシリル化剤を用いて行うことができる。鎖延長反応におけるポリイソシアネートとポリオールとの反応は、シリル化剤の添加前に不完全であり得る。これらの場合、反応性官能基を有するプレポリマーは、ヒドロキシル基およびイソシアネート基の両方であるX基を有することになる。したがってシリル化剤のY基は、ヒドロキシルX基またはイソシアネートX基のみと反応することができる。反応生成物は、シリル化剤からのY官能基と反応性でない反応性官能基を有するプレポリマーからの残りのX官能基を有することがありえる。したがって、第2の中間生成物は、反応性官能基を有するプレポリマーからの過剰のX基、シリル化剤からの過剰のY基および/または過剰のX基および過剰のY基を有することができる。過剰のXまたはY官能基は、クエンチングされることができる。
【0120】
シリル化剤と第1の中間生成物との反応は、シリル化ポリマー組成物を生成することになる。いくつかの実施形態では、シリル化反応は完了まで進行しない。したがって、シリル化反応から生成されたシリル化ポリマー組成物は、第1の中間生成物またはシリル化剤からの未反応の反応性基を含有する。
【0121】
好ましくは、掃去剤は、反応性官能基を有するプレポリマー、シリル化剤、またはシリル化剤および反応性官能基を有するプレポリマーからの未反応の反応性官能基をクエンチングさせる。より好ましくは、掃去剤は、反応性基がイソシアネートである第2の中間生成物における未反応の反応性官能基をクエンチングさせる。好ましい実施形態では、掃去剤と未反応反応性基との間の反応速度は、未反応反応性基間の反応速度よりも速い。
【0122】
従って別の態様では、シリル化ポリマーを生成する連続プロセスは、バックミキシングを伴うシリル化ステップおよびクエンチングステップを含む。一実施形態では、掃去パッケージは、エンドキャッピング管状反応ユニットに直接加えられるか、またはエンドキャッピング管状反応ユニットから取り出された後、例えば下流のクエンチングユニットにおいてシリル化ポリマーと混合され得る。連続プロセスでは、シリル化ポリマー組成物は、エンドキャッピング管状反応ユニットから下流の反応チャンバに向けて連続的に送られる。この反応チャンバは、本明細書ではクエンチングユニットと呼ばれる。一実施形態では、エンドキャッピング管状反応ユニットは、第2の中間生成物としてのシリル化ポリマーをクエンチングユニットに連続的に送る。掃去剤は、供給ラインによって掃去剤リザーバからクエンチングユニットに連続的に供給される。掃去剤と第2の中間生成物とを連続的に混合し、クエンチング反応で反応させる。クエンチング反応では、第2の中間生成物中に残っている未反応の反応性官能基を掃去剤と反応させてクエンチングされたシリル化ポリマーを生成する。これは粘度クリープを減少させ、シリル化ポリマーの反応性基の生成後反応によって導入されるシリル化ポリマーの機械的特性の劣化を低減する。
【0123】
適切な掃去剤には、少なくとも1つの活性水素を有するイソシアネート反応性掃去剤が含まれる。さらに、本発明のイソシアネート反応性掃去剤は、粘度の上昇を引き起こす望ましくない反応よりも速い速度でイソシアネートと反応するものである。望ましくない反応には、イソシアネート基を含むシリル化剤とシリル化ポリマーとのさらなる反応、例として、アロファネートを形成するイソシアネートとウレタンとの反応、ビウレットを形成するイソシアネートとウレアとの反応、および、ヒドロキシル末端ポリマーとイソシアネート末端ポリマーとの反応であって新規ウレタン基を形成し、湿気硬化性シリル化ポリマーのようなシリル化ポリマーの粘度を増加させるものが挙げられる。
【0124】
一実施形態では、適切な掃去剤としては、C
4−C
7アミドなどの環状アミドが挙げられる。これらのC
4−C
7アミドとしては、例えば、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、またはそれらの混合物が挙げられる。掃去剤がε−カプロラクタムを含む場合、掃去剤を可溶化するため溶媒を使用することができる。例えば、掃去剤は、溶媒およびε−カプロラクタムを含む掃去パッケージ(イソシアネートを掃去するために使用される)の一部であってもよい。別の実施形態では、掃去剤パッケージは2−ピロリドンまたは溶媒中の2−ピロリドンである。さらに別の実施形態において、掃去パッケージは、溶媒、2−ピロリドンおよびε−カプロラクタムを含む。適切な溶媒は、エーテル、ケトン、エステル、またはビニルトリメトキシシランを含む。
【0125】
イソシアネート反応性掃去剤または掃去剤パッケージは、エンドキャッピング反応のシリル化ポリマーに加えることができ、これは、シリル化反応の終了近くの所望の点で、依然として、シリル化剤、反応性官能基を含有するプレポリマー、部分的シリル化ポリマー、および任意にて、触媒および非プロトン性溶媒などの他の成分を含むことができる。ジ−またはポリイソシアネート−延長ポリオールにて、ヒドロキシル末端ポリマーは、部分的に反応したジ−またはポリイソシアネートから、または未反応のジ−またはポリイソシアネートからの残りのイソシアネートを含有し得ることが理解される。シリル化ポリマーに存在する残りのイソシアネートは、ポリオールを鎖延長するために使用されるジイソシアネートまたはポリイソシアネートから、またはヒドロキシル官能基を含有するプレポリマーと反応するために使用されるイソシアナートシランから来ることがありえる。イソシアネート反応性掃去剤の添加が望まれる点は、反応混合物の粘度によって、または他の何らかの方法によって決定することができる。したがって、イソシアネート反応性掃去剤は、最終生成物の配合および所望の特性によって、特定の粘度の反応混合物に添加される。
【0126】
本発明の一実施形態では、イソシアネート反応性掃去剤は、25℃の温度で測定して約1,000cPから約150,000cPの粘度範囲で第2の中間生成物に添加され、本発明の別の実施形態では、25℃の温度で測定して約30,000cPから約75,000cPで添加される。このように、イソシアネート反応性掃去剤は、シリル化ポリマーの最終粘度のバッチ間バラツキを最小にする。
【0127】
イソシアネート反応性掃去剤は、残りのイソシアネートのほとんど全て、好ましくは全てが反応したことを確実にするのに十分な時間でイソシアネート含有反応混合物を反応させる。イソシアネート反応性掃去剤は、残りのイソシアネートに対して化学量論量で添加することができるが、過剰のイソシアネート反応性掃去剤を添加して、全ての残りのイソシアネートが反応することを確実にすることが好ましい。本発明の一実施形態では、第2の中間生成物に添加されるイソシアネート反応性掃去剤の量は、第2の中間生成物の総重量に基づいて約0.01から約5重量%であり、本発明の別の実施形態にて、プロセスの第2の中間生成物の全重量に基づいて約0.01から約0.5重量%であり、さらに別の実施形態にて、プロセスの第2の中間生成物の総重量に基づいて約0.02から約0.2重量%である。
【0128】
本発明の一実施形態によれば、プロセスの第2の中間生成物およびイソシアネート反応性掃去剤の総重量は、約0.1重量%未満の減少したイソシアネート含量(%NCOとして測定)を有し、そして本発明の別の実施形態にて、プロセスの第2の中間生成物およびイソシアネート反応性掃去剤の総重量は、約0.02重量%未満のイソシアネート含量(%NCOとして測定)の減少したイソシアネート含量を有する。
【0129】
イソシアネート反応性掃去剤は、そのまま、または他の物質との混合物として添加することができる。イソシアネートの消失は、赤外分光法および滴定のような分析技術によって直接的に、または反応混合物の一定粘度の測定によって間接的に測定することができる。合成は、滴定または赤外線分析を用いてモニターすることができる。例えば、官能基がイソシアネートである反応性官能基を含有するプレポリマーのシリル化は、いずれの技術によっても残存−N=C=Oが検出されない場合に完全であると考えられる。残存−N=C=Oを測定する好ましい方法は、ASTM D2572-97(2010)、ウレタン材料またはプレポリマーにおけるイソシアネート基の標準試験方法である。
【0130】
本発明の一実施形態によれば、イソシアネート反応性掃去剤は、モノアルコールまたは異なるモノアルコールの混合物である。
【0131】
臭気が少なく、シリル化ポリマーの色に寄与せず、そして残りのヒドロシリル基を有するシリル化ポリマー、またはヒドロキシル基などの反応性官能基を有するプレポリマーと、アルコキシシリル基との反応を阻害することから、モノアルコールが使用される。アミンおよび有機酸のような他の活性水素化合物は強いにおいを有し、色を形成することがありえ、そして残りのヒドロキシル基を有するシリル化ポリマーまたはヒドロキシル基などの反応性官能基を有するプレポリマーと、アルコキシシリル基との反応を触媒することがありえる。
【0132】
モノアルカノールイソシアネート反応性掃去剤は、一般式(9)を有し、
R
15−OH (9)
ここでR
15は、約1から約30個の炭素原子を含む1価の炭化水素基であって、任意にてヘテロ原子を含むことがあり、より具体的には約1から約5、そしてさらにより具体的にはメチルまたはエチルである。ヘテロ原子は、例えば、エーテル、エステル、およびケトン基のような有機官能基を形成し得る酸素であり得る。別の実施形態において、炭化水素基は、直鎖状、分岐状、およびシクロのアルキル、およびアルケニル、アリール、アレニルおよびアラルキルからなる群から選択される。
【0133】
代表的な非限定的な例としては、アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ドデシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、および3−メチルヘキシル;アルケニル、例えば、ビニル、アリルおよびメタリル;アリール、例えば、フェニル;アレニル、例えば、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、および2,4,6−トリメチルフェニル;ならびに、アラルキル、例えば、ベンジル、および2−フェニルエチルが挙げられる。
【0134】
本発明の別の実施形態では、モノアルコールは、第1級炭素に結合したヒドロキシル基を有する。第1級炭素は、少なくとも2個の水素原子が炭素に結合しているもの、−CH
2OHである。本発明のモノアルコール掃去剤は、立体障害がより少ないので、イソシアネート基との反応性がより高い。
【0135】
本発明の一実施形態によれば、イソシアネート反応性掃去剤としての有用なモノアルコールには、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールなど、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0136】
本発明の特定の実施形態では、シリル化ポリマーの末端アルコキシシリル基がメトキシシリルである場合、特定のイソシアネート反応性掃去剤はメタノールである。本発明の別の特定の実施形態では、シリル化ポリマーの末端アルコキシシリル基がエトキシシリルである場合、特定のイソシアネート反応性掃去剤はエタノールである。
【0137】
クエンチング反応を実施するための適切なクエンチングユニットは、当業者には容易に明らかであろうが、延長ユニットは、例えば、本明細書に記載の上流入口および下流出口を有する管状反応器、または入口および出口を有する連続攪拌反応器であることが考えられる。一実施形態では、第2の中間生成物は、手動または自動によって、または上流エンドキャッピング管状反応ユニットの出口などの配送手段によって、クエンチングユニットに送られまたは供給される。掃去剤または掃去剤パッケージは同様に、手動または自動または上流エンドキャッピング管状反応ユニットの出口または上流リザーバからの配送手段によって、クエンチングユニットに送られまたは供給される。第2の中間生成物および掃去剤または掃去剤パッケージは、同時にまたは替わりにクエンチングユニットに供給されてもよいが、それらが同時にクエンチングユニットに供給されることが好ましい。第2の中間生成物および掃去剤または掃去剤パッケージは、クエンチングユニットで混合および反応させて、クエンチングされたシリル化ポリマーを生成する。
【0138】
シリル化反応によって生成されるシリル化ポリマー組成物またはクエンチングされたシリル化ポリマー組成物は、シリル化ポリマーを含む。一実施形態では、シリル化ポリマーは湿気硬化性シリル化ポリマーである。例えば、一実施形態では、シリル化ポリマーは湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーである。
【0139】
本発明の一実施形態では、第2の中間生成物と掃去剤または掃去剤パッケージとの混合物は、未反応の反応性官能基の含有量が低減されたシリル化ポリマー組成物をもたらす。例えば、特定の一実施形態では、シリル化ポリマーを含む第2の中間生成物と掃去パッケージとの混合物は、イソシアネート基の量を減少させる。イソシアネート基の量は、滴定などの既知の方法によって測定することができる。さらに、イソシアネート基の減少はまた、25℃で粘度を測定する場合に、特に約1,000cPから約150,000cP、より具体的には約30,000cPから約75,000cP、最も具体的には約35,000cPから約65,000cPの粘度を有する組成物によって示される。
【0140】
クエンチングされたシリル化ポリマーは、クエンチング後にクエンチングユニットから取り出されることができる。一実施形態では、クエンチングされたシリル化ポリマーは、例えば、クエンチングされた湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーなどのクエンチングされた湿気硬化性シリル化ポリマーである。一実施形態では、クエンチングされた湿気硬化性シリル化ポリマーは、一般式(10)を有し、
X
1g−(R
1)[−A
1C(=O)A
2R
4Si(CH
3)
b(OR
5)
3−b]
a−g (10)
ここで
X
1の各存在は、
【化7】
−NHC(=O)OR
15、−NHC(=O)NR
16R
17、CH
2=CH−、および−OHからなる群から選択される官能基であり、ここでR
15の各存在は、約1から約30個の炭素原子を含む1価の炭化水素基であって、任意にて、ヘテロ原子を含み、好ましくは炭素原子数1から約6個のアルキル基またはフェニルであり、R
16の各存在は、水素、1から6個の炭素原子のアルキル基またはフェニルであり、R
17の各存在は、水素、1から約6個の炭素原子のアルキル基、またはフェニルであり、そして下付き文字hは、1から約6、好ましくは1または2の整数であり;
A
1の各存在は、−O−、−S−および−NH−からなる群から選択される官能基であり;
A
2の各存在は、−S−、−NR
6からなる群から選択される官能基であり、ここでR
6は、水素、1から約10個の炭素原子を含むアルキル基、約5から約10個の炭素原子を含むシクロアルキル基、約7から約10個の炭素原子を含むアラルキル基、フェニル、および、−CH[(C=O)OR
7]CHR
8C(=O)OR
7からなる群から選択され、ここでR
7は炭素原子1から約10個のアルキル基、約5から約10個の炭素原子のシクロアルキル基、約6から約10個の炭素原子のアリール基、約7から約10個の炭素原子のアラルキル基であり、そしてR
8は、1から約10個の炭素原子のアルキル基、約5から約10個の炭素原子のシクロアルキル基、約6から約10個の炭素原子のアリール基、7から10個の炭素原子のアラルキル基であり;
R
1は、約50から約4,000の炭素原子および、−O−、−S−、−OC(=O)NH−、−R
2NC(=O)NH−、−C(=O)O−、−OC(=O)O−、−OCHR
2O−、−C(=O)NR
2−、および−NR
2−からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含む有機基であり、ここでR
2の各存在は、独立して、水素、1から約6個の炭素原子を含むアルキル基またはフェニル、好ましくは水素であり;
R
4は2価の1から約10個の炭素原子を含むアルキレン基、約5から約10個の炭素原子を含むシクロアルキレン基、約6から約10個の炭素原子を含むアリーレン基であり;
R
5の各存在は、1から約18個の炭素原子のアルキル基、または−R
9(OR
10)
cOR
11であり、ここでR
9は、1から約18個の炭素原子のアルキル基であり、R
10は、2価の約2から約4個の炭素原子のアルキレン基であり、そしてR
11は、約1から約10個の炭素原子のアルキル基、または−C(=O)R
12であり、ここでR
12は、水素、または1から約6個の炭素原子のアルキル基であり、そして
下付き文字a、b、cおよびhは整数であり、aは1から約5であり、bは0から約2であり、cは0から約5であり、そしてgは0または1であり、但し(i)a−gは1以上であり、そして(ii)A
1が−O−または−S−である場合、A
2は−NH−であるという条件である。
【0141】
開示された連続プロセスの別の態様では、連続プロセスは、第2の中間生成物の少なくとも一部のバックミキシング、反応性官能基を有するプレポリマーの安定化、および以前の実施形態で説明したように第2の中間生成物のクエンチングを伴うシリル化ステップを含む。バックミキシング、安定化、およびクエンチングの組み合わせたステップは、約0.02重量%未満のイソシアネート(%NCOとして測定)を有し、そして粘度クリープがない、50Pt−Co未満、好ましくは10Pt−Co未満の色により示される低色度のクエンチグされたシリル化ポリマーが提供される。
【0142】
一実施形態では、シリル化ポリマーを生成する連続プロセスは、シリル化ステップを含む。シリル化ステップは、第1の中間生成物としての反応性官能基を有する安定化プレポリマーをシリル化剤と反応させて、第2の中間生成物としてのシリル化ポリマーを生成することを含む。シリル化ステップはまた、第2の中間生成物の少なくとも一部をバックミキシングループによってバックミキシングするステップを含む。このプロセスはまた、第2の中間生成物中に依然として残っている未反応の反応性官能基をクエンチングするために、第2の中間生成物に掃去パッケージが導入されるクエンチングステップを含む。掃去剤は、未反応の反応性官能基と反応して、その後の反応を防止し、それにより粘度クリープを防止する。
【0143】
一実施形態では、安定化剤パッケージは、プロセスの初期段階に加えられる。例えば、一実施形態では、プレポリマーを鎖延長剤と反応させる前に、またはシリル化剤と反応させる前に、または第2の中間生成物がクエンチングされる前に、安定化パッケージは、反応性官能基を有するプレポリマーと混合される。好ましい実施形態において、安定化パッケージは、反応性官能基を有するプレポリマーに加えられ、予熱の前に混合チャンバ内で混合される。次いで、反応性官能基を有する安定化プレポリマーは、延長ユニットまたはエンドキャッピング管状反応ユニットに送られる。
【0144】
安定化剤パッケージは様々な成分を含むことができるが、好ましい実施形態では、安定化剤パッケージはホスファイトを含む。好適なホスファイトは、例えば、トリイソデシルホスファイトを含む。安定化剤パッケージはまた、例えば、ヒンダードフェノール酸化防止剤のような他の成分を含むことが本開示内でまた考えられている。一実施形態では、ヒンダードフェノールは、例えば、IRGANOX 1135であることが好ましい。特定の実施形態において、安定化剤パッケージは、トリイソデシルホスファイトおよびIRGANOX 1135を含む。トリイソデシルホスファイトは、DOVERPHOS 6(商標)としてDover Chemicalsから入手可能である。IRGANOX 1135(商標)は、BASFから入手可能である。
【0145】
鎖延長反応前に反応性官能基を含むプレポリマーを安定化させるために使用される安定化剤パッケージにホスファイトを含有させることにより、シリル化ポリマーが高いプロセス温度、例えば約85℃超、より具体的には125℃超、最も具体的には約85℃から180℃で製造されたとしても、 出来立ておよび時間が経ったシリル化ポリマーの変色が減少することが、驚くべきことに見出された。
【0146】
したがって、いくつかの実施形態では、第1の中間生成物は、反応性官能基、好ましくは末端反応性官能基を有する安定化プレポリマーである。例えば、一実施形態では、第1の中間生成物は、末端ヒドロキシル基を有する安定化ポリオール、末端ヒドロキシル基を有する安定化鎖延長ポリオール、末端イソシアネート基を有する安定化ポリウレタン、またはイソシアネートおよびヒドロキシル基の両方を有する安定化鎖延長ポリオールである。
【0147】
上記のように、第1の中間生成物は、シリル化剤との混合および反応のためにエンドキャッピングユニットに送られて第2の中間生成物を生成する。
【0148】
一実施形態では、開示されたプロセスによって生成されるシリル化ポリマーは、湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーである。この実施形態は、このプロセスによって生成されたシリル化ポリマーの例を提供するために本明細書に記載されているが、これに限定されるものではない。
【0149】
バックミキシングを伴う湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを調製するための連続プロセスの一実施形態においては、エンドキャッピング反応は、上流入口および下流出口を有するエンドキャッピング管状反応ユニットにもたらされる。反応物は、混合され、加熱され、反応されるか、またはそれらの任意の組み合わせがなされて、第2の中間生成物を提供する。ここでの反応物は、鎖延長反応のために使用される上流鎖延長ユニットからエンドキャッピング管状反応ユニットの入口に向けられる第1の中間生成物を含み、一方シリル化剤は、シリル化剤リザーバから供給流によりエンドキャッピングユニットへ供給される。第1の中間生成物は、反応性官能基を有するプレポリマーであり、ヒドロキシル末端基を有する鎖延長ポリオールである。シリル化剤はイソシアナートシランである。好適なイソシアナートシランは本明細書に記載されている。第2の中間生成物は、下流のクエンチングユニットに向けられる。第2の中間生成物の一部は、本明細書に記載のようにバックミキシングされる。好ましい実施形態では、第2の中間生成物のバックミキシングされた部分は、部分的シリル化ポリウレタンを含む。
【0150】
バックミキシングを伴う湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを調製するための連続プロセスの別の実施形態では、第1の中間生成物は、イソシアネート末端基を有する鎖延長ポリオールである。シリル化剤はアミノシランである。好適なアミノシランは本明細書に記載されている。第2の中間生成物の一部は、下流のクエンチングユニットに向けられる。第2の中間生成物の一部は、本明細書に記載のようにバックミキシングされる。
【0151】
バックミキシングを伴う湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを調製するための連続プロセスの別の実施形態では、第1の中間生成物は末端ヒドロキシル基を有するポリオールである。シリル化剤はイソシアナートシランである。好適なイソシアナートシランは本明細書に記載されている。第2の中間生成物の一部は、下流のクエンチングユニットに向けられる。第2の中間生成物の一部は、本明細書に記載のようにバックミキシングされる。
【0152】
特定の実施形態では、連続プロセスは、(I)バックミキシングを伴うシリル化ステップであって、
(a)第1の中間生成物としての、末端ヒドロキシル基を有する鎖延長ポリオールである反応性官能基を含むプレポリマーを、エンドキャッピングユニットに連続的に加えること;
(b)イソシアナートシランであるシリル化剤をステップ(a)のエンドキャッピングユニットに連続的に加えること;
(c)反応性官能基を含むプレポリマーとイソシアナートシランとを混合し反応させて、第2の中間生成物としての湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを形成すること;
(d)第2の中間生成物の少なくとも一部を上流のエンドキャッピング反応ユニットまたは供給流に連続的にバックミキシングすること、ここでバックミキシングは、反応物の比、生成物の比、反応物対生成物の比、プロセス温度、反応性官能基の滞留時間、流速、反応速度および他の反応速度論などの少なくとも1つの上流の特性を調節し;バックミキシングは(i)ステップ(c)の第2の中間生成物の一部をエンドキャップユニットから連続的に取り出すこと;(ii)第2の中間生成物の取り出された部分をさらなるシリル化剤と連続的に混合して、第2の中間生成物およびシリル化剤を含む混合物を形成すること;および(iii)ステップ(ii)の混合物をエンドキャッピングユニットに連続的に加えて、シリル化剤、第2の中間生成物およびステップ(a)からの反応性官能基を含むプレポリマーを含む混合物を形成すること;を含み、
(e)ステップ(iii)の混合物を連続的に反応させて、湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを提供すること;を含み、ならびに
(II)任意にて、本明細書に記載の上流安定化反応;本明細書に記載の上流鎖延長反応;本明細書に記載の下流のクエンチング反応;またはそれらの任意の組合せを含む。
【0153】
本明細書では任意として記載されているが、連続プロセスの好ましい実施形態では、上流および下流の反応および反応ユニットが存在し、そして一緒に連結されて、鎖延長ユニット、エンドキャッピング管状反応ユニット、およびクエンチングユニットを含む連続ユニットを形成する。
【0154】
記載されているように、湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーの調製に使用される第1の中間生成物の具体例は、末端イソシアネート基を有するポリオール、末端イソシアネート基を有する鎖延長ポリオール、またはヒドロキシル基とイソシアネート基の両方を有する鎖延長ポリオールとすることができることが、本開示の一部として考えられてもいる。同様に、シリル化剤は、アミノシランまたは、チオールまたはヒドロキシル官能基を有するシランであり得ることもまた考えられている。
【0155】
連続プロセスは、エンドキャッピング管状反応ユニットの上流および下流の任意の反応ユニットを含む。例えば、任意の上流反応ユニットは、熱交換器の上流の混合チャンバを含み、それは、鎖延長ユニットのプレミキサーの上流にある、鎖延長ユニットの上流にある、エンドキャッピングユニットのプレミキサーの上流にある、エンドキャッピングユニットの上流にある。エンドキャッピングユニットの下流の任意のユニットは、クエンチングユニットのプレミキサーを含み、それは、クエンチングユニットの上流にあり、少なくとも1つの冷却ユニットの上流にあり、少なくとも1つの分析ユニットの上流にあり、貯蔵ユニットの上流にある。存在する場合、反応ユニットは、1つの反応ユニットからの反応生成物を反応物として別の反応ユニットに移すことができるように接続される。供給流は、反応質を反応装置の様々な反応ユニットへと、反応ユニット入り口にて、または反応ユニットの入口と反応ユニットの出口との間のある中間位置にて供給する。供給流は、任意にて提供される反応物リザーバと反応ユニットとの間に接続を形成する。生成物が生成され、反応ユニットの出口に向かわせるように、反応ユニットにおける反応物は、加熱され、混合され、反応時間に供され、またはそれらの任意の組み合わせがなされる。
【0156】
上記の段落では、反応ユニットおよび反応体リザーバは任意であると説明されているが、好ましい実施形態では、任意の反応ユニットの少なくとも1つが存在し、反応物リザーバの少なくとも1つが存在する。別の実施形態では、少なくとも1つの反応ユニットは、エンドキャッピング管状反応ユニットの上流にあり、少なくとも1つの反応ユニットは、エンドキャッピング管状反応ユニットの下流にある。
【0157】
一実施形態では、ポリオールは、鎖延長剤と反応することなくエンドキャッピング管状反応ユニットに向けられる。次いで、ポリオールは第1の中間生成物として機能し、シリル化剤と反応して湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを生成する。
【0158】
1つの特定の実施形態において、本発明の上記プロセスによって調製された湿気硬化性シリル化ポリマーは、湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーである。連続プロセスは、シリル化剤を反応性官能基を含むプレポリマーと反応させることを含み、ここで反応性官能基を含むプレポリマーがポリウレタンである場合、第2の中間生成物を生成し、第2の中間生成物の一部は、さらなるシリル化剤とバックミキシングされて混合物を形成し、それがエンドキャッピング管状反応ユニットに加えられて湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを生成する。
【0159】
さらなる成分はまた、バックミキシングを伴うシリル化ポリマーを調製するための連続プロセスに加えられることもまた考えられる。適切なさらなる成分は、本明細書に記載されている。例えば、さらなる成分は、触媒、可塑剤、着色剤、安定化剤、酸化防止剤、チキソトロープ剤、充填剤などの少なくとも1つを含む。さらなる成分は、接着物、コーティングなどへの取り込みの前後に、連続プロセスの間または最後に加えられてもよい。例えば、一実施形態では、安定化剤、触媒またはそれらの混合物が連続プロセスに含まれる。
【0160】
一実施形態では、安定化剤はプロセスの初期段階に加えられる。例えば、安定化剤は、任意の鎖延長または任意のエンドキャッピング反応の上流のポリオールと混合される。安定化剤は、上流混合チャンバにおけるポリオールと混合されることが本明細書において考えられている。適切な安定化剤が本明細書に開示される。
【0161】
プロセスがさらなる成分を含む場合、さらなる成分は、連続プロセスに沿った異なるステップで加えられてもよい。例えば、一実施形態では、1つの安定化剤が混合チャンバに加えられ、一方で別のものが鎖延長ユニットのプレミキサーに加えられる。触媒、可塑剤、着色剤、安定化剤、酸化防止剤、チキソトロープ剤、充填剤などはまた、個々に加えられてもよく、プロセスの同一または別の段階で混合されてもよい。複数の安定化剤のようなさらなる成分が混合され、そして様々な反応ユニットであって、エンドキャッピングユニットの上流または下流のもの、またはエンドキャップユニットに加えられる。
【0162】
一実施形態では、シリル化ポリマーを調製するためのプロセスは、触媒、可塑剤、着色剤、安定化剤、チキソトロープ剤、充填剤などのさらなる成分を組み込むことを含む。例示的な可塑剤には、フタレート、ジプロピレンおよびジエチレングリコールジベンゾエートならびにそれらの混合物、エポキシ化大豆油などが含まれる。ジオクチルおよびジイソデシルフタレートの有用な供給源には、Exxon Chemicalからの商品名「Jayflex DOP」および「Jayflex DIDP」で入手可能なものが含まれる。ジベンゾエートは、Velsicol Chemical Corporationから「Benzoflex 9-88」、「Benzoflex 50」および「Benzoflex 400」として入手可能である。可塑剤は、典型的には、湿気硬化性シリル化ポリマー100部当たり約1から約100部を含み、約40から約80部が好ましい。
【0163】
典型的な充填剤には、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、クレー、アルミナ、アルミノシリケートおよびカルシウムカーボネートのような強化充填剤が含まれるが、これらに限定されない。配合物の物理的強度をさらに向上させるために、補強用カーボンブラックを主充填剤として使用することができ、黒色系が得られる。「Corax」製品(Evonik Industries)のような、本発明に有用ないくつかの市販級のカーボンブラックが利用可能である。半透明の配合物を得るためには、カーボンブラックを含まずに、主充填剤として、より高いレベルのヒュームドシリカまたは沈降シリカを使用すべきである。
【0164】
約0.07ミクロンから約4ミクロンの粒径を有する処理炭酸カルシウムが好ましい充填剤であり、以下のようないくつかの商標名で入手可能である:Specialty Mineralsからの「Ultra Pflex」および「Hi Pflex」; Zeneca Resinsからの「Winnofil SPM」および「Winnofil SPT」、Huberからの「Hubercarb 1Qt」、「Hubercarb 3Qt」および「Hubercarb W」ならびにECCからの「Kotomite」。これらの充填剤は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。充填剤は、一般にシリル化ポリマー100部当たり約300部までを含み、約80から約150部がより好ましい充填レベルである。
【0165】
触媒は一般に、ポリオールと鎖延長剤との間の反応速度を増加させて第1の中間生成物を生成するために添加される。例えば、一実施形態では、触媒を加えてポリオールとポリイソシアネートとの間の反応を増加させて、ヒドロキシル基またはイソシアネートの末端反応性基を有するポリウレタンプレポリマーの第1の中間生成物を生成する。いくつかの適切な触媒は、チタン、ビスマスまたは亜鉛を含む化合物、ジラウリン酸ジブチルスズおよび酢酸ジブチルスズなどのジアルキルスズジカルボキシレート、第3級アミン、第一スズオクトエートおよび第一スズアセテートなどの第一スズ塩などである。
【0166】
第1の中間体生成物の調製において典型的に使用される触媒はまた、第1の中間体生成物とシリル化剤との反応を触媒するために使用され得る。好適な触媒には、金属および非金属触媒が含まれる。本発明に有用な金属縮合触媒の金属部分の例には、スズ、チタン、ジルコニウム、鉛、鉄コバルト、アンチモン、マンガン、ビスマスおよび亜鉛化合物が含まれる。第1または第2の中間生成物を製造するために使用される触媒の他の適切な非限定的な例は、当該技術分野において周知であり、Al、Be、Mg、Zn、Cd、Pb、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Niなどの様々な金属およびMoO
2++、UO
2++などの金属酸化物イオンを伴う、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、サリチルアルデヒド、シクロペンタノン−2−カルボキシレート、アセチルアセトンイミン、ビスアセチルアセトン−アルキレンジイミン、サリチルアルデヒドイミンなどから得られるものなどの各種金属のキレート、Ti(OR)
4、Sn(OR)
4、Sn(OR)
2、Al(OR)
3、Bi(OR)
3などの種々の金属のアルコラートおよびフェノレート、ここでRは1から約18個の炭素原子のアルキルまたはアリールであり、および、カルボン酸、β−ジケトンおよび2−(N,N−ジアルキルアミノ)アルカノールとの種々の金属のアルコラートとの反応生成物、例えばこの周知または同等の手順によって得られるチタンの周知のキレートが含まれる。さらなる触媒としては、4価のスズ、3価および5価のAs、SbおよびBiの有機金属誘導体、および鉄およびコバルトの金属カルボニル、およびそれらの組み合わせを含む。特定の一実施形態では、カルボン酸のジアルキルスズ塩である有機スズ化合物としては、非限定的な例として、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジラウリルスズジアセテート、ジオクチルスズジアセテート、ジブチルスズビス(4−メチルアミノベンゾエート)、ジブチルスズジラウリルメルカプチド、ジブチルスズ−ビス(6−メチルアミノカプロエート)など、およびこれらの組合せが挙げられる。同様に、別の具体的な実施形態では、トリアルキルスズヒドロキシド、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズジアルコキシド、またはジアルキルスズジクロライドおよびそれらの組み合わせを使用することができる。これらの化合物の非限定的な例としては、トリメチルスズヒドロキシド、トリブチルスズヒドロキシド、トリオクチルスズヒドロキシド、ジブチルスズオキシド、ジオクチルスズオキシド、ジラウリルスズオキシド、ジブチルスズ−ビス(イソプロポキシド)、ジブチルスズ−ビス(2−ジメチルアミノペンチレート)、ジブチルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリドなど、およびこれらの組合せが挙げられる。例えば、一実施形態では、ヒドロキシルである末端反応性基を有するポリウレタンプレポリマーの第1の中間生成物を、Sn金属触媒のような触媒の存在下でイソシアナートシランと反応させてシリル化ポリウレタン組成物である第2の中間生成物を形成する。
【0167】
一実施形態では、触媒の量は、反応性官能基を含有するプレポリマーの重量に基づいて、約0.001から約5重量%、より具体的には約0.001から約2重量%、さらにより具体的には約0.005から約1重量%、さらにより好ましくは0.005から約0.1重量%である。一実施形態では、触媒は、ポリオールに対してSn約20ppmまたは触媒化合物(DBTDL)約120ppm;約0.012%の重量パーセントである。
【0168】
安定化剤および抗酸化剤もまた、プロセスに添加され得るさらなる成分として考えられる。UV安定化剤および/または酸化防止剤は、湿気硬化性シリル化ポリマー100部当たり約0.0001から約5部の量で本発明のシーラントまたは接着剤配合物中に組み込むことができ、約0.5から約2部が好ましい。安定化剤はシーラントまたは接着剤に組み込むことができるが、シリル化ポリマーの生成プロセスのステップの少なくとも1つに安定化剤を添加することも考えられる。
【0169】
特定の一実施形態では、湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーは、バックミキシングおよび安定化ステップを伴う連続プロセスによって生成される。安定化剤パッケージは、立体障害フェノールおよびホスファイト安定化剤を含む。
【0170】
一実施形態では、分析ユニットは、粘度、残留イソシアネート、第2の中間生成物の屈折率などのパラメータを決定するインシーケンス(オンライン)測定ツール(例えば、粘度計、赤外分光計、屈折率計、比色計)である。一実施形態では、第2の中間生成物は、シーラント、接着剤またはコーティングのような配合生成物を製造するために、代替的または追加的に別のユニットに導かれる。
【0171】
本発明の別の態様は、シリル化ポリマーの連続的な生成のためのシステムである。一実施形態では、このシステムは、上流入口と下流出口とを有する管状反応器を有するシリル化ユニット、および下流の出口から上流の入口への流体連通を提供するバックミキシングループを含む。バックミキシングループによって、シリル化ユニットで調製されたシリル化ポリマー組成物の少なくとも第1の部分は、他のプロセスチャンバに影響を与えることなく、特定のプロセスチャンバ内のプロセスパラメータを調整するために上流にバックミキシングされることができる。一実施形態では、バックミキシングループは、ポンプ、熱交換器、ジャケット付きスタティックミキサー、または可変直径エンドキャッピングユニットのうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、システムは、本明細書に記載の、シリル化ユニットの入口と流体連通している少なくとも1つの上流プロセスチャンバ、およびシリル化ユニットの出口と流体連通する少なくとも1つの下流プロセスチャンバをさらに含む。例えば、少なくとも1つの上流プロセスチャンバは、鎖延長ユニットの少なくとも1つであり、少なくとも1つの下流プロセスチャンバは、クエンチングユニットである。本明細書に記載される他の上流および下流の反応器、リザーバおよび供給流は、それらが互いに流体連通するように連続プロセスの一部を形成する。
【0172】
本発明は、バックミキシングステップを有するシリル化ポリマーを生成する連続プロセスのいくつかの特定の実施形態を表す図面の記載を通して、さらに理解されるであろう。
【0173】
連続プロセスでは、バックミキシングループ(33)は、反応の所定の程度が達成されるまで、第2の中間生成物の一部を連続的にバックミキシングする。反応の完全性の程度を決定する手段は、当業者には明らかであろう。例えば、滴定が適切な手段である。
【0174】
図1は、シリル化ポリマーを製造するための連続プロセスの一実施形態を示す。この方法は、バックミキシングを伴うシリル化ステップを含む。バックミキシングを伴うシリル化ステップは、本明細書でシリル化ユニット(30)と呼ばれる管状反応器(30)におけるエンドキャッピング反応を含む。シリル化剤および反応性官能基を有するプレポリマーをシリル化ユニット(30)において反応させて、第2の中間生成物としてシリル化ポリマー組成物を形成する。生成されたシリル化ポリマー組成物の少なくとも一部は、シリル化ユニット(30)の下流出口から取り出され、バックミキシングループ(33)によって上流ミキサー(21)に送られる。供給ライン(62)は、リザーバ(60b)からの新しいシリル化剤をミキサー(21)へ送る。シリル化ポリマー組成物のバックミキシングされた部分は、ミキサーにおいてシリル化剤と混合され、そしてシリル化ユニット(30)に導かれる。シリル化ポリマー組成物の一部は連続的にバックミキシングされるが、少なくとも別の部分は下流の他のプロセスチャンバに連続的に向けられる。バックミキシングループ(33)は、シリル化ポリマー組成物のバックミキシングされた部分を上流に向けるためのポンプ(34)を含む。プレポリマーは、上流リザーバ(10)からシリル化ユニット(30)に導かれる。この実施形態では、プレポリマーは、ポンプ(11)によってリザーバ(10)からミキサー(70)にポンプ輸送され、ここでリザーバ(60a)から供給ライン(61)によって送られる触媒と混合される。次いで、混合された触媒およびプレポリマーを熱交換器(80)に導入し、ここで混合物の温度を所定の温度に調整され、そして第2のミキサー(21)に導入され、ここでシリル化剤および任意にてバックミキシングされたシリル化ポリマー組成物と混合される。シリル化ユニット(30)の下流に向けられたシリル化ポリマー組成物の部分は熱交換器(51)に導かれ、ここで温度が所定の温度に調整され、そして貯蔵容器(90)へと下流に導かれる。シリル化ポリマーは、シリル化ポリマー組成物からポリマーを単離する既知の方法によって取り出すことができる。
【0175】
バックミキシングループは、シリル化ポリマー組成物のバックミキシングされた部分の種々のパラメータを独立して調節することができる種々のプロセスチャンバを備えていてもよい。例えば、
図1のバックミキシングループ(33)はポンプ(34)を含むが、
図2はまた、他のプロセスチャンバを通る材料の連続的な流れに影響を与えることなく、シリル化ポリマー組成物のバックミキシングされた部分の温度を調節する熱交換器(35)を含む。バックミキシングループ(33)に沿ったプロセスチャンバは、並列に、一連に、またはその両方にて配置することができる。しかしながら、好ましい実施形態では、これらのプロセスチャンバは一連に配置される。
【0176】
図3は、バックミキシングループ(33)がポンプ(34)およびミキサー(35)を一連に含む実施形態を示す。シリル化ポリマー組成物のバックミキシングされた部分は、それがさらに連続プロセスのためにシリル化ユニット(30)の入口に混合物を導くポンプ(34)に導かれる前に、混合チャンバー(35)において新しいシリル化剤と混合される。
【0177】
一実施形態では、
図4に示すように、このプロセスは、バックミキシングを伴うシリル化ステップを含む。バックミキシングを伴うシリル化ステップは、シリル化反応を含み、この反応は、可変直径反応器チャンバ(31)に結合された反応器チャンバ(30)を有する管状反応器内で行われる。バックミキシングループ(33)は、ミキサー(35)およびポンプ(34)を含む。シリル化ポリマー組成物のバックミキシングされた部分は、それがシリル化ユニット(30)の入口に導くポンプ(34)に導かれる前に、ミキサー(35)で新たなシリル化剤と混合される。
【0178】
一実施形態では、
図5に示すように、このプロセスは、バックミキシングおよび下流のクエンチングステップを伴うシリル化ステップを含む。バックミキシングループ(33)は、ポンプ(34)を含み、シリル化ユニット(30)の出口からシリル化ポリマー組成物の少なくとも一部を取り出し、それをシリル化ユニットの入口へと上流に送る。シリル化ポリマー組成物の少なくとも別の部分は、シリル化ユニット(30)から管状クエンチングユニット(40)に向かって下流に導かれ、ここでシリル化ポリマー組成物はクエンチングステップでクエンチングされる。クエンチングステップでは、少なくとも1つの掃去剤を含む掃去パッケージがリザーバ(60c)からクエンチングユニットへと導かれる。掃去パッケージをシリル化ポリマー組成物と混合し、組成物中の未反応の反応性官能基の量が所定のレベルに達するまで反応させる。クエンチング後、シリル化ポリマー組成物は、冷却ユニット(90)に向かって下流に導かれる。シリル化ポリマーは、シリル化ポリマー組成物から既知の単離法によって得られる。
【0179】
一実施形態では、
図6に示すように、このプロセスは、バックミキシングを伴うシリル化ステップ、およびバックミキシングを伴うシリル化ステップの上流の安定化ステップを含む。このプロセスはまた、ポリオールを鎖延長剤と反応させて、末端反応性官能基を有する鎖延長ポリマーを提供する鎖延長反応を含む鎖延長ステップを含む。安定化ステップでは、第1の供給ライン(61)が、リザーバ(60a)からの触媒、およびリザーバ(60a)からの安定化剤を、第1のミキサー(70)に送り、ここでそれらがポリオールとともに混合される。この混合物は混合物の温度を調整する下流の熱交換器(80)に導かれ、そしてポリオールを管状鎖延長反応器ユニット(20)へと下流に導く。鎖延長剤、ポリイソシアネートもこの鎖延長ユニット(20)に導かれ、ここでポリオールと反応して鎖延長ポリマーを生成する。このポリマーは末端反応性官能基を含む。この安定化ステップは、変色が低減された最終的に生成されたシリル化ポリマーおよびプロセスに沿った変色が低減された中間生成物を生じる。シリル化ポリマーが経時的にエージングするにつれて変色も減少する。
【0180】
一実施形態では、
図7に示すように、このプロセスは、クエンチングステップの上流にあるバックミキシングを伴うシリル化ステップの上流にある鎖延長ステップの上流の安定化ステップを含む。各ステップは、
図4から6で上述した通りである。
【0181】
このプロセスは連続的であり、
図1から7の各々に記載されているようなすべてのプロセスステップは、他のプロセスステップに対して連続的な順序である。
以下の非限定的な実施例は、本発明をさらに記載し、そして開示する。
【実施例】
【0182】
実施例1および比較例I
湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーをクエンチングするための掃去パッケージの調製
掃去パッケージは、0.5gのε−カプロラクタム(SigmaAldrichから入手)および3.3gのビニルトリメトキシシラン(商品名Silquest(登録商標)A-171シランでMomentive Performance Materials, Inc.から入手)からなる予め溶融したクエンチ溶液であった。混合物を熱/磁気攪拌プレート上で溶融させた。ε−カプロラクタムは室温で固体であり、連続ユニットに容易に取り込まれない。Sigma Aldrichからのε−カプロラクタム0.5グラムとビニルトリメトキシシラン3.3グラムの予め溶融したクエンチ溶液を作製するように努めた。混合物を熱/磁気攪拌プレート上で溶融させた。しかし、ビニルトリメトキシシランに溶融して溶解した後でも、ε−カプロラクタムは室温で再び急速に析出した。この問題を克服するための新規な手法は、溶融したε−カプロラクタムを2−ピロリドンおよびビニルトリメトキシシランの混合物に加えることであった。2−ピロリドン、ε−カプロラクタムおよびビニルトリメトキシシランは、室温または低温(冬季の製造環境に関連)で安定したクエンチ溶液を形成した。この手法は、クエンチングの動力学と混和性との良好なバランスを提供する。NCO基と2−ピロリドンとのクエンチング反応の反応速度は、NCO基とε−カプロラクタムとの反応速度よりも遅い。混合物の安定性を表1に示す。比較例Iはビニルトリメトキシシランである。
【表1】
【0183】
実施例2
バックミキシングを備えた反応系における湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーの調製
実施例2では、湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーの連続プロセスは、
図7に記載の反応器シーケンスを用いたバックミキシングおよび表2に示す鎖延長およびシリル化反応のための温度にて調製した。ポリ(プロピレンオキシド)ジオール(商品名HMBT-120、ヒドロキシル価9.90、数平均分子量11,300グラム/モルのZhejiang Huangma Chemicalから入手のポリオール)を、リザーバ(10)から供給ラインにポンプ輸送し、756.7g/分の速度でミキサー(70)に送った。ジブチルスズジラウレート触媒(Momentive Performance Materials, Inc.から入手したFomrez SUL-4)、ヒンダードフェノール(BASFから入手したIrganox 1135)およびトリイソデシルホスファイト(DoverChemicalから入手したDoverphos 6)を、ミキサー(70)に、それぞれ0.082g/分、3.783g/分および3.783g/分で加え、ここでこれらの成分は、供給ライン(61)を通ってリザーバ(60a)に貯蔵された触媒および安定化剤混合物として輸送された。ポリオール、触媒および安定化剤を混合し、次いでミキサー(70)から熱交換器(80)に移送してポリオール、触媒および安定化剤の混合物を鎖延長温度まで加熱した。加熱したポリオール、触媒および安定化剤の混合物を第2のミキサー(21)に移送し、イソホロンジイソシアネート(Bayerから入手したDesmodur I)をリザーバ(60b)からポンプ輸送し、5.71g/分の速度で供給ライン(62)により第2のミキサー(62)に加えて混合した。ポリオール、触媒、安定化剤およびジイソシアネートの混合物を、スタティックミキサーを備えた管状反応ユニットである鎖延長反応ユニット(20)に移送し、約25分間反応させた。鎖延長反応生成物を第3のミキサー(31)に移送し、そして3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Momentive Performance Materials, Inc.から入手したSilquest * A-Link 35)を、16.94グラム/分の速度でリザーバ(60c)からミキサー(31)へ供給ライン(63)によりポンプ輸送し、そしてバックミキシングループ(33)およびポンプ(34)を備えたシリル化反応ユニット(30)に移送された。バックミキシング比は0.5であり、平均反応時間は7分であった。シリル化反応生成物をシリル化反応ユニット(30)から第4のミキサーに移送し、表1の掃去パッケージ1.1を19.93グラム/モルの割合で添加し、混合した。掃去パッケージを含む混合物を、スタティックミキサーを備えた管状反応ユニットであるクエンチング反応ユニット(40)に移送し、約4分間反応させた。次いで、第2の反応生成物をクエンチング反応ユニット(40)から取り出し、出口に移送し、そこで冷却して、粘度を測定した。サンプルを硬化させ、物理的特性を測定した。データを表2に示す。
【0184】
実施例3−6
バックミキシングを備えた反応系における湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーの調製
実施例3−6を実施例2に従って調製した。データを表2に示す。
【0185】
比較例II−VII
シリル化反応ユニット(30)におけるシリル化ポリマーがバックミキシングされなかった(バックミキシングループおよびポンプは使用されなかった)以外は、実施例2に従って比較例II−VIIを調製した。
【表2】
【0186】
表2は、バックミキシングを伴う場合と伴わない場合に使用されるプロセスのための、硬化前および硬化後の湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーの反応条件および特性を提供する。製造された湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーはすべて同様の粘度を有する。しかしながら、バックミキシングにより製造された材料は、より一貫した硬度および他の機械的特性を有する湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーを提供する。
【0187】
複数の逐次反応を有する近接カップリング連続プロセスでは、他の反応の滞留時間に影響を与えたり、生成速度を変化させたりすることなく、反応の滞留時間を調整することが望ましい。バックミキシングループプロセスは、他のユニットに影響を与えることなく、単一の反応器の滞留時間または温度を調整する新規な方法を提供する。これらの制御機能は、望ましい製品特性を提供する。
【0188】
実施例7−9
連続プロセスおよび湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーにおける掃去パッケージの効果
実施例7:掃去パッケージが、湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーおよび掃去パッケージの総重量に基づき、ε−カプロラクタム0.44重量%、2−ピロリドン0.12重量%およびビニルトリメトキシシラン2重量%の予め混合された混合物であり、
図7に示すように、エンドキャッピング管状反応ユニットであるシリル化反応ユニット(30)の後、クエンチングユニット(40)の前に入れられたことを除いて実施例2に従って湿気硬化性シリル化ポリウレタンを調製した。イソシアネート濃度(NCO)は、滴定によって反応の終わりにモニターされる。
【0189】
実施例8:掃去パッケージが、湿気硬化性シリル化ポリウレタンおよび掃去パッケージの全重量を基準にして、0.12重量%の2−ピロリドンと2重量%のビニルトリメトキシシランとの予め混合された混合物であり、
図7に示すように、エンドキャッピング管状反応ユニットであるシリル化反応ユニット(30)の後、クエンチングユニット(40)の前に入れられたことを除いて、湿気硬化性シリル化ポリウレタンを実施例2に基づいて調製した。イソシアネート濃度(NCO)は、滴定によって反応の終わりにモニターされる。
【0190】
実施例9:掃去パッケージが、湿気硬化性シリル化ポリウレタンおよび掃去パッケージの全重量を基準にして、0.18重量%の2−ピロリドンと2重量%のビニルトリメトキシシランとの予め混合された混合物であり、
図7に示すように、エンドキャッピング管状反応ユニットであるシリル化反応ユニット(30)の後、クエンチングユニット(40)の前に入れられたことを除いて、湿気硬化性シリル化ポリウレタンを実施例2に基づいて調製した。イソシアネート濃度(NCO)は、滴定によって反応の終わりにモニターされる。
【0191】
比較例VII−X
本発明の掃去パッケージと従来の掃去剤との比較
比較例VII.掃去パッケージが、湿気硬化性シリル化ポリウレタンおよび掃去パッケージの全重量を基準にして、僅か2重量%のビニルトリメトキシシランを含み、
図7に示すように、エンドキャッピング管状反応ユニットであるシリル化反応ユニット(30)の後、クエンチングユニット(40)の前に入れられたことを除いて、湿気硬化性シリル化ポリウレタンを実施例2に従って調製した。イソシアネート濃度(NCO)は、滴定によって反応の終わりにモニターされる。
比較例VIIIからXは、比較例VIIの繰り返しである。
【0192】
実施例7から9および比較例VIIからXの結果を表3に示す。
【表3】
【0193】
実験結果は、クエンチャーを用いて、プロセスの終了時に生成された湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーが、NCOがゼロに達する(滴定またはFTIRによって測定される)ことができることを示した。
【0194】
実施例11−12ならびに比較例XIおよびXII
連続プロセスおよび湿気硬化性シリル化ポリウレタンポリマーにおける安定化剤の影響
実施例11:安定化パッケージが、ジブチルスズジラウレート触媒(DBTDL、20ppmSn)、および0.5重量%のホスファイト安定化剤であるトリイソデシルホスファイト(Dover Chemicalから入手のDoverphos 6)の予め混合した混合物(ここで重量%は、ポリオールの重量に基づく)であり、
図7の鎖延長ユニット(20)の前の点でミキサー(70)に注入し、ポリオールと連続的に混合したことを除いて、湿気硬化性シリル化ポリウレタンを実施例2に従って調製した。新しく作られた材料、および材料を80℃で4日間エージングさせた後に色を測定した。BYK Gardner LCS IVを測定に使用した。
【0195】
実施例12:安定化パッケージが、ジブチルスズジラウレート触媒(DBTDL、20ppm Sn)、および0.5重量%ホスファイト安定化剤であるトリイソデシルホスファイト(Dover Chemicalsから入手したDoverphos 6)、および0.5重量%のヒンダードフェノール系安定化剤であるIrganox 1135の予め混合した混合物(ここで重量%は、ポリオールの重量に基づく)であり、
図7の鎖延長ユニット(20)の前の点でミキサー(70)に注入し、ポリオールと連続的に混合したことを除いて、実施例2に従って湿気硬化性シリル化ポリウレタンを調製した。新しく作られた材料、および材料を80℃で4日間エージングさせた後に色を測定した。BYK Gardner LCS IVを測定に使用した。
【0196】
比較例XI:安定化パッケージが、ジブチルスズジラウレート触媒(DBTDL、20ppm Sn)および1重量%のヒンダードフェノール安定化剤であるIrganox 1135との予め混合された混合物(ここで重量%はポリオールの重量に基づく)であり、
図7の鎖延長ユニット(20)の前の点でミキサー(70)に注入し、ポリオールと連続的に混合したことを除いて、実施例2に従って湿気硬化性シリル化ポリウレタンを調製した。新しく作られた材料、および材料を80℃で4日間エージングさせた後に色を測定した。BYK Gardner LCS IVを測定に使用した。比較例XIIは、比較例XIの繰り返しである。データを表4に示す。
【表4】
初期色および80℃で4日間エージングした後の色は、Doverphos 6安定化剤を含有しない比較例よりも改善された。