特許第6916304号(P6916304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エレクトロニクス インコーポレイティドの特許一覧

特許6916304無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置
<>
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000007
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000008
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000009
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000010
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000011
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000012
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000013
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000014
  • 特許6916304-無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6916304
(24)【登録日】2021年7月19日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20210729BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20210729BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20210729BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W72/04 131
   H04W16/28 151
   H04W28/04 110
【請求項の数】9
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2019-559687(P2019-559687)
(86)(22)【出願日】2018年5月15日
(65)【公表番号】特表2020-520144(P2020-520144A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(86)【国際出願番号】KR2018005554
(87)【国際公開番号】WO2018212557
(87)【国際公開日】20181122
【審査請求日】2019年10月31日
(31)【優先権主張番号】62/506,563
(32)【優先日】2017年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/571,266
(32)【優先日】2017年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/651,242
(32)【優先日】2018年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2018-0039926
(32)【優先日】2018年4月5日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】62/655,739
(32)【優先日】2018年4月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンホ
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ギュファン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ユンジョン
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0127948(US,A1)
【文献】 特開2016−040941(JP,A)
【文献】 Nokia, Nokia Shanghai Bell,Changes on PDSCH procedures in 36.213,3GPP TSG-RAN WG1#92 R1-1801859,フランス,3GPP,2018年 2月16日,Section 3
【文献】 Huawei, HiSilicon,Number of HARQ processes,3GPP TSG RAN WG1#89 R1-1708153,フランス,3GPP,2017年 5月 6日,Section 2
【文献】 Intel Corporation,Discussion on DCI formats for sTTI scheduling,3GPP TSG RAN WG1#90b R1-1717320,フランス,3GPP,2017年 9月30日,Section 2
【文献】 Ericsson,DCI for sTTI scheduling,3GPP TSG RAN WG1#90b R1-1717161,フランス,3GPP,2017年 9月29日,Section 2.1
【文献】 CMCC,Discussion on downlink control monitoring resources design for sTTI,3GPP TSG RAN WG1#88b R1-1705109,フランス,3GPP,2017年 3月24日,Sections 1-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する方法であって、
前記方法は端末により行われてなり、
短い送信時間間隔(short transmission time interval;sTTI)基盤の下りリンク(downlink:ダウンリンク)動作に関連する動的送信−ダイバーシティ(Tx−D)フォールバック方式を支援することを報告するために端末能力情報を送信する段階;
基地局から上位階層信号により前記動的Tx−Dフォールバック方式設定を受信する段階;
前記動的Tx−Dフォールバック方式に関連する特定フィールドを含む下りリンク制御情報(DCI)の特定フォーマットを検出する段階;及び
前記動的Tx−Dフォールバック方式及び前記上位階層信号により受信した前記設定を指示する前記特定フィールド値に基づいて、前記動的Tx−Dフォールバック方式によって下りリンクデータを受信する段階を含んでなり、
前記DCIの特定フォーマットは、送信モード(transmission mode,TM)−特定のDCIであり、
前記DCIの前記特定フィールド値は、前記動的Tx−Dフォールバック方式設定に基づいて解釈されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記動的Tx−Dフォールバック方式設定は、前記sTTI基盤の下りリンク動作に関連する送信モードのグループのために共通の設定であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DCIは、複数のTTIsにおける下りリンクデータチャネルにおける前記下りリンクデータをスケジューリングし、
前記複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルのためのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)−ACK(acknowledgment)応答は前記複数のTTIsにおける下りリンクデータチャネルの各々に対応するタイミングに個々に送信されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記HARQ−ACK応答は前記DCIの最低CCE(Control Channel Element)インデックスにより決定されたリソース又はARI(ACK/NACK resource indicator)フィールドの状態に連結されたリソースから所定のオフセットだけ離れたリソースで送信されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記動的Tx−Dフォールバック方式設定は、2−アンテナポートを支援する第1設定又は4−アンテナポートを支援する第2設定であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜の何れか一項に記載の方法を実行するための、プログラム・コード記録されたプロセッサ読み取り可能な媒体。
【請求項7】
無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する端末であって、
前記端末は、
受信機及び送信機;及び
前記受信機及び送信機を制御するプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
短い送信時間間隔(short transmission time interval;sTTI)基盤の下りリンク動作に関連する動的送信−ダイバーシティ(Tx−D)フォールバック方式を支援することを報告するために端末能力情報を送信し;
基地局から上位階層信号により前記動的Tx−Dフォールバック方式設定を受信し;
前記動的Tx−Dフォールバック方式に関連する特定フィールドを含む下りリンク制御情報(DCI)の特定フォーマットを検出し;及び
前記Tx−Dフォールバック方式及び前記上位階層信号により受信した前記設定を指示する前記フィールド値に基づいて、前記動的Tx−Dフォールバック方式によって下りリンクデータを受信することを特徴とし、
前記DCIの特定フォーマットは、送信モード(transmission mode,TM)−特定のDCIであり、
前記DCIの前記特定フィールド値は、前記動的Tx−Dフォールバック方式設定に基づいて解釈されることを特徴とする、端末。
【請求項8】
前記動的Tx−Dフォールバック方式設定は、前記sTTI基盤の下りリンク動作に関連する送信モードのグループのために共通の設定であることを特徴とする、請求項に記載の端末。
【請求項9】
前記動的Tx−Dフォールバック方式設定は、2−アンテナポートを支援する第1設定又は4−アンテナポートを支援する第2設定であることを特徴とする、請求項に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関し、より具体的には、複数の送信時間間隔、複数のプロセシング時間又は複数のニューマロロジーなどを支援する下りリンク信号受信のための方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パケットデータの遅延(latency)は重要な性能メートル(metric)の1つであり、これを減らして、より早いインターネットアクセスを最終ユーザ(end user)に提供することは、LETのみならず、次世代移動通信システム、いわゆる新ラット(new RAT)の設計においても重要な課題の1つといえる。
【0003】
本発明は、かかる遅延の減少を支援する無線通信システムにおける下りリンク信号受信又は送信方案に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、搬送波併合システムにおける複数の送信時間間隔、複数のプロセシング時間又は複数のニューマロロジーなどを有する端末の下りリンク受信に関する。
【0005】
本発明で遂げようとする技術的課題は以上で言及した事項に限定されず、言及していない別の技術的課題は、以下に説明する本発明の実施例から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による無線通信システムにおいて、下りリンク信号を受信する方法であって、該方法は端末により行われ、短い送信時間間隔(short transmission time interval;sTTI)基盤の下りリンク動作に関連する所定の送信方式による動的変更設定を基地局から受信する段階;動的変更設定が受信されると、動的変更に関連するフィールドを含む下りリンク制御情報フォーマットを検出する段階;及びフィールド値が所定の送信方式を指示すると、所定の送信方式によって下りリンクデータチャネル上で信号を受信する段階を含む。
【0007】
さらに又はその代わりに、動的変更設定はTTI長さごとに設定される。
【0008】
さらに又はその代わりに、動的変更設定はsTTI基盤の下りリンク動作に関連する送信モードに関係なく設定される。
【0009】
さらに又はその代わりに、所定の送信方式は送信ダイバーシティ(transmit diversity)である。
【0010】
さらに又はその代わりに、前記方法は基地局に所定の送信方式による動的変更を支援するかに関する端末能力を報告する段階を含む。
【0011】
さらに又はその代わりに、端末能力報告はTTI長さごとに定義される。
【0012】
さらに又はその代わりに、下りリンク制御情報フォーマットは複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルをスケジューリングし、複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルのためのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)−ACK(acknowledgment)応答は複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルの各々に対応するタイミングに個々に送信される。
【0013】
さらに又はその代わりに、下りリンク制御情報フォーマットは複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルをスケジューリングし、複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルのためのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)−ACK(acknowledgment)応答はバンドリング又は集成されて送信される。
【0014】
さらに又はその代わりに、HARQ−ACK応答は下りリンク制御情報フォーマットの最低CCE(Control Channel Element)インデックスにより決定されたリソース又はARI(ACK/NACK resource indicator)フィールドの状態に連結されたリソースから所定のオフセットだけ離れたリソースで送信される。
【0015】
さらに又はその代わりに、下りリンク制御情報フォーマットをモニタするためのリソースブロック集合、及び下りリンク制御情報フォーマットをモニタするためのリソースブロック集合で使用される集成レベル及び/又はモニタリング候補数が設定される。
【0016】
本発明の他の一実施例による無線通信システムにおいて、下りリンク信号を受信する端末であって、端末は受信機及び送信機;及び受信機及び送信機を制御するプロセッサを含み、該プロセッサは、短い送信時間間隔(short transmission time interval;sTTI)基盤の下りリンク動作に関連する所定の送信方式による動的変更設定を基地局から受信し、動的変更設定が受信されると、動的変更に関連するフィールドを含む下りリンク制御情報フォーマットを検出し、フィールド値が所定の送信方式を指示すると、所定の送信方式によって下りリンクデータチャネル上で信号を受信する。
【0017】
さらに又はその代わりに、動的変更設定はTTI長さごとに設定される。
【0018】
さらに又はその代わりに、動的変更設定はsTTI基盤の下りリンク動作に関連する送信モードに関係なく設定される。
【0019】
さらに又はその代わりに、所定の送信方式は送信ダイバーシティ(transmit diversity)である。
【0020】
さらに又はその代わりに、プロセッサは基地局に所定の送信方式による動的変更を支援するかに関する端末能力を報告する。
【0021】
さらに又はその代わりに、端末能力報告はTTI長さごとに定義される。
【0022】
さらに又はその代わりに、下りリンク制御情報フォーマットは複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルをスケジューリングし、複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルのためのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)−ACK(acknowledgment)応答は複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルの各々に対応するタイミングに個々に送信される。
【0023】
さらに又はその代わりに、下りリンク制御情報フォーマットは複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルをスケジューリングし、複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルのためのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)−ACK(acknowledgment)応答はバンドリング又は集成されて送信される。
【0024】
さらに又はその代わりに、HARQ−ACK応答は下りリンク制御情報フォーマットの最低CCE(Control Channel Element)インデックスにより決定されたリソース又はARI(ACK/NACK resource indicator)フィールドの状態に連結されたリソースから所定のオフセットだけ離れたリソースで送信される。
【0025】
さらに又はその代わりに、下りリンク制御情報フォーマットをモニタするためのリソースブロック集合、及び下りリンク制御情報フォーマットをモニタするためのリソースブロック集合で使用される集成レベル及び/又はモニタリング候補数が設定される。
【0026】
上記の課題解決方法は本発明の実施例の一部に過ぎず、当該技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本願発明の技術的特徴が反映された様々な実施例を以下に説明する本発明の詳細な説明から導出できるであろう。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によれば、下りリンク受信を効率的に行うことができる。
【0028】
本発明から得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に添付する図面は本発明に対する理解を提供するためのものであり、本発明の多様な実施形態を示し、本発明の説明とともに本発明の技術的思想を説明するためのものである。
図1】無線通信システムで使用される無線フレーム構造の一例を示す図である。
図2】無線通信システムにおいて下りリンク/上りリンク(DL/UL)スロット構造の一例を示す図である。
図3】3GPP LTE/LTE−Aシステムで使用される下りリンク(downlink、DL)サブフレームの構造を例示する図である。
図4】3GPP LTE/LTE−Aシステムで使用される上りリンク(uplink、UL)サブフレームの構造を例示する図である。
図5】ユーザ平面の遅延(latency)減少によるTTI長さの減少を示す図である。
図6】1つのサブフレーム内に複数の短いTTIが設定された例を示す図である。
図7】複数の長さ(シンボル数)を有する短いTTIで構成されたDLサブフレーム構造を示す図である。
図8】2つのシンボル又は3つのシンボルの短いTTIで構成されたDLサブフレーム構造を示す図である。
図9】本発明の実施例を具現するための装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのものであり、本発明が実施し得る唯一の実施の形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者にとってはこのような具体的な細部事項なしにも本発明を実施できることは明らかである。
【0031】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すことができる。また、本明細書全体にわたって同一の構成要素については、同一の図面符号を付して説明する。
【0032】
本発明において、ユーザ機器(user equipment,UE)は、固定していても、移動性を有していてもよいもので、基地局(base station,BS)と通信してユーザデータ及び/又は各種制御情報を送受信する各種機器を含む。UEを、端末(Terminal Equipment)、MS(Mobile Station)、MT(Mobile Terminal)、UT(User Terminal)、SS(Subscribe Station)、無線機器(wireless device)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)などと呼ぶこともできる。また、本発明において、BSは一般に、UE及び/又は他のBSと通信する固定局(fixed station)を意味し、UE及び他のBSと通信して各種データ及び制御情報を交換する。BSを、ABS(Advanced Base Station)、NB(Node−B)、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)、PS(Processing Server)、送信ポイント(transmission point;TP)などと呼ぶこともできる。以下の本発明に関する説明では、BSをeNBと総称する。
【0033】
本発明でいうノード(node)とは、ユーザ機器と通信して無線信号を送信/受信できる固定した地点(point)を指す。様々な形態のeNBをその名称にかかわらずノードとして用いることができる。例えば、BS、NB、eNB、ピコ−セルeNB(PeNB)、ホームeNB(HeNB)、リレー、リピータなどをノードとすることができる。また、ノードは、eNBでなくてもよい。例えば、無線リモートヘッド(radio remote head,RRH)、無線リモートユニット(radio remote unit,RRU)であってもよい。RRH、RRUなどは一般にeNBの電力レベル(power level)よりも低い電力レベルを有する。RRH或いはRRU(以下、RRH/RRU)は一般に、光ケーブルなどの専用回線(dedicated line)でeNBに接続されており、よって、一般に無線回線で接続されているeNBによる協調通信に比べて、RRH/RRUとeNBによる協調通信を円滑に行うことができる。1つのノードには少なくとも1つのアンテナが設置される。このアンテナは、物理アンテナを意味することもでき、アンテナポート、仮想アンテナ、又はアンテナグループを意味することもできる。ノードは、ポイント(point)と呼ばれることもある。アンテナが基地局に集中して位置して1つのeNBコントローラ(controller)によって制御される既存の(conventional)中央集中型アンテナシステム(centralized antenna system,CAS)(すなわち、単一ノードシステム)と違い、多重ノードシステムにおいて複数のノードは一般に一定間隔以上で離れて位置する。これらの複数のノードは、各ノードの動作を制御したり、各ノードを通して送/受信されるデータをスケジューリング(scheduling)する1つ以上のeNB或いはeNBコントローラによって管理することができる。各ノードは、当該ノードを管理するeNB或いはeNBコントローラとケーブル(cable)或いは専用回線(dedicated line)で接続することができる。多重ノードシステムにおいて、複数のノードへの/からの信号送信/受信には、同一のセル識別子(identity,ID)が用いられてもよく、異なるセルIDが用いられてもよい。複数のノードが同一のセルIDを有すると、これら複数のノードのそれぞれは、1つのセルにおける一部のアンテナ集団のように動作する。多重ノードシステムにおいてノードが互いに異なるセルIDを有すると、このような多重ノードシステムを多重セル(例えば、マクロ−セル/フェムト−セル/ピコ−セル)システムと見なすことができる。複数のノードのそれぞれが形成した多重セルがカバレッジによってオーバーレイする形態で構成されると、これらの多重セルが形成したネットワークを特に多重−階層(multi−tier)ネットワークと呼ぶ。RRH/RRUのセルIDとeNBのセルIDは同一であっても、異なってもよい。RRH/RRUとeNBが互いに異なるセルIDを用いる場合、RRH/RRUとeNBはいずれも独立した基地局として動作する。
【0034】
以下に説明する本発明の多重ノードシステムにおいて、複数のノードに接続した1つ以上のeNB或いはeNBコントローラが、前記複数のノードの一部又は全てを介してUEに同時に信号を送信或いは受信するように前記複数のノードを制御することができる。各ノードの実体、各ノードの具現の形態などによって、多重ノードシステム間には差異点があるが、複数のノードが共に所定時間−周波数リソース上でUEに通信サービスを提供するために参加するという点で、これらの多重ノードシステムは単一ノードシステム(例えば、CAS、従来のMIMOシステム、従来の中継システム、従来のリピータシステムなど)とは異なる。そのため、複数のノードの一部又は全てを用いてデータ協調送信を行う方法に関する本発明の実施例は、種々の多重ノードシステムに適用可能である。例えば、ノードとは、通常、他のノードと一定間隔以上で離れて位置しているアンテナグループを指すが、後述する本発明の実施例は、ノードが間隔にかかわらずに任意のアンテナグループを意味する場合にも適用可能である。例えば、X−pol(Cross polarized)アンテナを備えたeNBの場合、該eNBが、H−polアンテナで構成されたノードとV−polアンテナで構成されたノードを制御すると見なし、本発明の実施例を適用することができる。
【0035】
複数の送信(Tx)/受信(Rx)ノードを介して信号を送信/受信したり、複数の送信/受信ノードから選択された少なくとも1つのノードを介して信号を送信/受信したり、下りリンク信号を送信するノードと上りリンク信号を受信するノードとを別にし得る通信技法を、多重−eNB MIMO又はCoMP(Coordinated Multi−Point TX/RX)という。このようなノード間協調通信のうち、協調送信技法は、JP(joint processing)とスケジューリング協調(scheduling coordination)とに区別できる。前者はJT(joint transmission)/JR(joint reception)とDPS(dynamic point selection)とに区別し、後者はCS(coordinated scheduling)とCB(coordinated beamforming)とに区別できる。DPSは、DCS(dynamic cell selection)と呼ぶこともできる。他の協調通信技法に比べて、ノード間協調通信技法のうちJPを行うとき、より様々な通信環境を形成することができる。JPにおいて、JTは、複数のノードが同一のストリームをUEに送信する通信技法をいい、JRは、複数のノードが同一のストリームをUEから受信する通信技法をいう。当該UE/eNBは、前記複数のノードから受信した信号を合成して前記ストリームを復元する。JT/JRでは、同一のストリームが複数のノードから/に送信されるため、送信ダイバーシティ(diversity)によって信号送信の信頼度を向上させることができる。JPのDPSは、複数のノードから特定規則によって選択された1つのノードを介して信号が送信/受信される通信技法をいう。DPSでは、通常、UEとノード間のチャンネル状態の良いノードが通信ノードとして選択されるはずであるため、信号送信の信頼度を向上させることができる。
【0036】
本発明でいうセル(cell)とは、1つ以上のノードが通信サービスを提供する一定の地理的領域をいう。そのため、本発明で特定セルと通信するということは、特定セルに通信サービスを提供するeNB或いはノードと通信することを意味できる。また、特定セルの下りリンク/上りリンク信号は、該特定セルに通信サービスを提供するeNB或いはノードからの/への下りリンク/上りリンク信号を意味する。UEに上り/下りリンク通信サービスを提供するセルを特にサービングセル(serving cell)という。また、特定セルのチャンネル状態/品質は、該特定セルに通信サービスを提供するeNB或いはノードとUE間に形成されたチャンネル或いは通信リンクのチャンネル状態/品質を意味する。3GPP LET−Aベースのシステムにおいて、UEは、特定ノードからの下りリンクチャンネル状態を、前記特定ノードのアンテナポートが前記特定ノードに割り当てられたチャンネルCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)リソース上で送信するCSI−RSを用いて測定することができる。一般に、隣接したノードは、互いに直交するCSI−RSリソース上で該当のCSI−RSリソースを送信する。CSI−RSリソースが直交するということは、CSI−RSを運ぶシンボル及び副搬送波を特定するCSI−RSリソース構成(resource configuration)、サブフレームオフセット(offset)及び送信周期(transmission period)などによってCSI−RSが割り当てられたサブフレームを特定するサブフレーム構成(subframe configuration)、CSI−RSシーケンスのうちの少なくとも1つが互いに異なることを意味する。
【0037】
本発明において、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)/PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)/PHICH(Physical Hybrid automatic retransmit request Indicator CHannel)/PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)はそれぞれ、DCI(Downlink Control Information)/CFI(Control Format Indicator)/下りリンクACK/NACK(ACKnowlegement/Negative ACK)/下りリンクデータを運ぶ時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。また、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)/PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)/PRACH(Physical Random Access CHannel)はそれぞれ、UCI(Uplink Control Information)/上りリンクデータ/ランダムアクセス信号を運ぶ時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。本発明では、特に、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHに割り当てられたり、又はそれに属した時間−周波数リソース或いはリソース要素(Resource Element,RE)をそれぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACH RE又はPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH/PRACHリソースと呼ぶ。以下でユーザ機器がPUCCH/PUSCH/PRACHを送信するという表現は、それぞれ、PUSCH/PUCCH/PRACH上で或いは介して上りリンク制御情報/上りリンクデータ/ランダムアクセス信号を送信するという表現と同じ意味で使われる。また、eNBがPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCHを送信するという表現は、それぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH上で或いは介して下りリンクデータ/制御情報を送信するという表現と同じ意味で使われる。
【0038】
図1は、無線通信システムで用いられる無線フレーム構造の一例を示す図である。特に、図1(a)は、3GPP LET/LET−Aシステムで用いられる周波数分割デュプレックス(frequency division duplex,FDD)用フレーム構造を示しており、図1(b)は、3GPP LET/LET−Aシステムで用いられる時間分割デュプレックス(time division duplex,TDD)用フレーム構造を示している。
【0039】
図1を参照すると、3GPP LET/LET−Aシステムで用いられる無線フレームは、10ms(307200Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe,SF)で構成される。1無線フレームにおける10個のサブフレームにはそれぞれ番号を与えることができる。ここで、Tsは、サンプリング時間を表し、Ts=1/(2048*15kHz)で表示される。それぞれのサブフレームは、1msの長さを有し、2個のスロットで構成される。1無線フレームにおいて20個のスロットには0から19までの番号を順次に与えることができる。それぞれのスロットは0.5msの長さを有する。1サブフレームを送信するための時間は、送信時間間隔(transmission time interval,TTI)と定義される。時間リソースは、無線フレーム番号(或いは、無線フレームインデックスともいう)、サブフレーム番号(或いは、サブフレームインデックスともいう)、スロット番号(或いは、スロットインデックスともいう)などによって区別することができる。
【0040】
無線フレームは、デュプレックス(duplex)技法によって別々に構成(configure)することができる。例えば、FDDモードにおいて、下りリンク送信及び上りリンク送信は周波数によって区別されるため、無線フレームは特定周波数帯域に対して下りリンクサブフレーム又は上りリンクサブフレームのいずれか1つのみを含む。TDDモードでは下りリンク送信及び上りリンク送信が時間によって区別されるため、特定周波数帯域に対して無線フレームは下りリンクサブフレームも上りリンクサブフレームも含む。
【0041】
表1はTDDモードで無線フレームにおけるサブフレームのDL−UL構成(configuration)を例示する。
【0042】
【表1】
【0043】
表1において、Dは下りリンクサブフレームを、Uは上りリンクサブフレームを、Sは特異(special)サブフレームを表す。特異サブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot TimeSlot)、GP(Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot TimeSlot)の3つのフィールドを含む。DwPTSは、下りリンク送信のために留保される時間区間であり、UpPTSは上りリンク送信のために留保される時間区間である。表2は特異サブフレーム構成(configuration)を例示する。
【0044】
【表2】
【0045】
図2は、無線通信システムにおいて下りリンク/上りリンク(DL/UL)スロット構造の一例を示す図である。特に、図2は、3GPP LET/LET−Aシステムのリソース格子(resource grid)の構造を示す。アンテナポート当たりに1個のリソース格子がある。
【0046】
図2を参照すると、スロットは、時間ドメインで複数のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルを含み、周波数ドメインで複数のリソースブロック(resource block,RB)を含む。OFDMシンボルは、1シンボル区間を意味することもある。図2を参照すると、各スロットで送信される信号は、NDL/ULRB * NRBSC個の副搬送波(subcarrier)とNDL/ULsymb個のOFDMシンボルとで構成されるリソース格子(resource grid)と表現することができる。ここで、NDLRBは、下りリンクスロットにおけるリソースブロック(resource block,RB)の個数を表し、NULRBは、ULスロットにおけるRBの個数を表す。NDLRBとNULRBは、DL送信帯域幅とUL送信帯域幅にそれぞれ依存する。NDLsymbは、下りリンクスロットにおけるOFDMシンボルの個数を表し、NULsymbは、ULスロットにおけるOFDMシンボルの個数を表す。NRBscは、1つのRBを構成する副搬送波の個数を表す。
【0047】
OFDMシンボルは、多重接続方式によって、OFDMシンボル、SC−FDM(Single Carrier Frequency Division Multiplexing)シンボルなどと呼ぶことができる。1つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、チャンネル帯域幅、CP(cyclic prefix)長によって様々に変更可能である。例えば、正規(normal)CPの場合は、1つのスロットが7個のOFDMシンボルを含むが、拡張(extended)CPの場合は、1つのスロットが6個のOFDMシンボルを含む。図2では、説明の便宜のために、1つのスロットが7OFDMシンボルで構成されるサブフレームを例示するが、本発明の実施例は、その他の個数のOFDMシンボルを有するサブフレームにも同様の方式で適用されてもよい。図2を参照すると、各OFDMシンボルは、周波数ドメインで、NDL/ULRB * NRBSC個の副搬送波を含む。副搬送波の類型は、データ送信のためのデータ副搬送波、参照信号(reference signal)の送信のための参照信号副搬送波、ガードバンド(guard band)及び直流(Direct Current,DC)成分のためのヌル(null)副搬送波に分類することができる。DC成分のためのヌル副搬送波は、未使用のまま残される副搬送波であり、OFDM信号生成過程或いは周波数上り変換過程で搬送波周波数(carrier frequency,f0)にマッピング(mapping)される。搬送波周波数は中心周波数(center frequency)と呼ばれることもある。
【0048】
1RBは、時間ドメインでNDL/ULsymb個(例えば、7個)の連続するOFDMシンボルと定義され、周波数ドメインでNRBsc個(例えば、12個)の連続する副搬送波と定義される。参考として、1つのOFDMシンボルと1つの副搬送波で構成されたリソースをリソース要素(resource element,RE)或いはトーン(tone)という。したがって、1つのRBは、NDL/ULsymb * NRBSC個のリソース要素で構成される。リソース格子における各リソース要素は、1つのスロットにおけるインデックス対(k,1)によって固有に定義できる。kは、周波数ドメインで0からNDL/ULRB * NRBSC−1まで与えられるインデックスであり、lは、時間ドメインで0からNDL/ULsymb−1まで与えられるインデックスである。
【0049】
1サブフレームにおいてNRBSC個の連続した同一副搬送波を占有しながら、当該サブフレームにおける2個のスロットのそれぞれに1個ずつ位置する2個のRBを物理リソースブロック(physical resource block,PRB)対(pair)という。PRB対を構成する2個のRBは、同一のPRB番号(或いは、PRBインデックス(index)ともいう)を有する。VRBは、リソース割り当てのために導入された一種の論理的リソース割り当て単位である。VRBはPRBと同じサイズを有する。VRBをPRBにマッピングする方式によって、VRBは、局部(localized)タイプのVRBと分散(distributed)タイプのVRBとに区別される。局部タイプのVRBはPRBに直接マッピングされて、VRB番号(VRBインデックスともいう)がPRB番号に直接対応する。すなわち、nPRB=nVRBとなる。局部タイプのVRBには0からNDLVRB−1順に番号が与えられ、NDLVRB=NDLRBである。したがって、局部マッピング方式によれば、同一のVRB番号を有するVRBが1番目のスロットと2番目のスロットにおいて、同一PRB番号のPRBにマッピングされる。一方、分散タイプのVRBはインターリービングを経てPRBにマッピングされる。そのため、同一のVRB番号を有する分散タイプのVRBは、1番目のスロットと2番目のスロットにおいて互いに異なる番号のPRBにマッピングされることがある。サブフレームの2つのスロットに1個ずつ位置し、同一のVRB番号を有する2個のPRBをVRB対と称する。
【0050】
図3は、3GPP LET/LET−Aシステムで用いられる下りリンク(downlink,DL)サブフレーム構造を例示する図である。
【0051】
図3を参照すると、DLサブフレームは、時間ドメインで制御領域(control region)とデータ領域(data region)とに区別される。図3を参照すると、サブフレームの第1のスロットで先頭部における最大3個(或いは4個)のOFDMシンボルは、制御チャンネルが割り当てられる制御領域(control region)に対応する。以下、DLサブフレームでPDCCH送信に利用可能なリソース領域(resource region)をPDCCH領域と称する。制御領域に用いられるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルは、PDSCH(Physical Downlink Shared CHancel)が割り当てられるデータ領域(data region)に該当する。以下、DLサブフレームでPDSCH送信に利用可能なリソース領域をPDSCH領域と称する。3GPP LETで用いられるDL制御チャンネルの例としては、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PHICH(Physical hybrid ARQ indicator Channel)などを含む。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレームにおいて制御チャンネルの送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を運ぶ。PHICHは、UL送信に対する応答としてHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)ACK/NACK(acknowledgment/negative−acknowledgment)信号を運ぶ。
【0052】
PDCCHを介して送信される制御情報を下りリンク制御情報(downlink control information,DCI)と呼ぶ。DCIは、UE又はUEグループのためのリソース割り当て情報及び他の制御情報を含む。例えば、DCIは、DL共有チャンネル(downlink shared channel,DL−SCH)の送信フォーマット及びリソース割り当て情報、UL共有チャンネル(uplink shared channel,UL−SCH)の送信フォーマット及びリソース割り当て情報、ページングチャンネル(paging channel,PCH)上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答のような上位層(upper layer)制御メッセージのリソース割り当て情報、UEグループ内の個別UEへの送信電力制御命令(Transmit Control Command Set)、送信電力制御(Transmit Power Control)命令、VoIP(Voice over IP)の活性化(activation)指示情報、DAI(Downlink Assignment Index)などを含む。DL共有チャンネル(downlink shared channel,DL−SCH)の送信フォーマット(Transmit Format)及びリソース割り当て情報は、DLスケジューリング情報或いはDLグラント(DL grant)とも呼ばれ、UL共有チャンネル(uplink shared channel,UL−SCH)の送信フォーマット及びリソース割り当て情報は、ULスケジューリング情報或いはULグラント(UL grant)とも呼ばれる。1つのPDCCHが運ぶDCIは、DCIフォーマットによってそのサイズと用途が異なり、符号化率によってそのサイズが異なり得る。現在3GPP LETシステムでは、上りリンク用にフォーマット0及び4、下りリンク用にフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2C、3、3Aなどの様々なフォーマットが定義されている。DCIフォーマットのそれぞれの用途に応じて、ホッピングフラグ、RB割り当て(RB allocation)、MCS(modulation coding scheme)、RV(redundancy version)、NDI(new data indicator)、TPC(transmit power control)、循環シフトDMRS(cyclic shift demodulation reference signal)、ULインデックス、CQI(channel quality information)要請、DL割り当てインデックス(DL assignment index)、HARQプロセスナンバー、TPMI(transmitted precoding matrix indicator)、PMI(precoding matrix indicator)情報などの制御情報が適宜選択された組み合わせが下りリンク制御情報としてUEに送信される。
【0053】
一般に、UEに構成された送信モード(transmission mode,TM)によって当該UEに送信可能なDCIフォーマットが異なる。換言すれば、特定送信モードに構成されたUEのためには、いかなるDCIフォーマットを用いてもよいわけではなく、特定送信モードに対応する一定DCIフォーマットのみを用いることができる。
【0054】
PDCCHは、1つ又は複数の連続した制御チャンネル要素(control channel element,CCE)の集成(aggregation)上で送信される。CCEは、PDCCHに無線チャンネル状態に基づく符号化率(coding rate)を提供するために用いられる論理的割り当てユニット(unit)である。CCEは、複数のリソース要素グループ(resource element group,REG)に対応する。例えば、1 CCEは9個のREGに対応し、1 REGは4個のREに対応する。3GPP LETシステムの場合、それぞれのUEのためにPDCCHが位置してもよいCCEセットを定義した。UEが自身のPDCCHを発見し得るCCEセットを、PDCCH探索空間、簡単に探索空間(Search Space,SS)と呼ぶ。探索空間内でPDCCHが送信されてもよい個別リソースをPDCCH候補(candidate)と呼ぶ。UEがモニタリング(monitoring)するPDCCH候補の集合を探索空間と定義する。3GPP LET/LET−AシステムでそれぞれのDCIフォーマットのための探索空間は異なるサイズを有してもよく、専用(dedicated)探索空間と共通(common)探索空間とが定義されている。専用探索空間は、UE−特定(specific)探索空間であり、それぞれの個別UEのために構成(configuration)される。共通探索空間は、複数のUEのために構成される。以下の表は、探索空間を定義する集成レベル(aggregation level)を例示するものである。
【0055】
【表3】
【0056】
1つのPDCCH候補は、CCE集成レベルによって1、2、4又は8個のCCEに対応する。eNBは、探索空間内の任意のPDCCH候補上で実際のPDCCH(DCI)を送信し、UEは、PDCCH(DCI)を探すために探索空間をモニタリングする。ここで、モニタリングとは、全てのモニタリングされるDCIフォーマットによって当該探索空間内の各PDCCHの復号(decoding)を試みる(attempt)ことを意味する。UEは、前記複数のPDCCHをモニタリングし、自身のPDCCHを検出することができる。基本的に、UEは、自身のPDCCHが送信される位置を知らないことから、各サブフレーム毎に当該DCIフォーマットの全てのPDCCHに対して、自身の識別子を有するPDCCHを検出するまで復号を試みるが、このような過程をブラインド検出(blind detection)(ブラインド復号(blind decoding,BD))という。
【0057】
eNBは、データ領域を通してUE或いはUEグループのためのデータを送信することができる。データ領域を通して送信されるデータをユーザデータと呼ぶこともできる。ユーザデータの送信のために、データ領域にはPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)を割り当てることができる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)は、PDSCHを介して送信される。UEは、PDCCHを介して送信される制御情報を復号し、PDSCHを介して送信されるデータを読むことができる。PDSCHのデータがどのUE或いはUEグループに送信されるか、前記UE或いはUEグループがどのようにPDSCHデータを受信して復号すればよいかなどを示す情報がPDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRC(cyclic redundancy check)マスキング(masking)されており、「B」という無線リソース(例えば、周波数位置)及び「C」という送信形式情報(例えば、送信ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が特定DLサブフレームで送信されると仮定する。UEは、自身の所有しているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタリングし、「A」というRNTIを有しているUEはPDCCHを検出し、受信したPDCCHの情報によって「B」と「C」で示されるPDSCHを受信する。
【0058】
UEがeNBから受信した信号を復調するには、データ信号と比較する参照信号(reference signal,RS)が必要である。参照信号とは、eNBがUEに或いはUEがeNBに送信する、eNBとUEが互いに知っている、予め定義された特別な波形の信号を意味し、パイロット(pilot)とも呼ばれる。参照信号は、セル内の全UEに共用されるセル−特定(cell−specific)RSと特定UEに専用される復調(demodulation)RS(DM RS)とに区別される。eNBが特定UEのための下りリンクデータの復調のために送信するDM RSをUE−特定的(UE−specific)RSと特別に称することもできる。下りリンクでDM RSとCRSは共に送信されてもよいが、いずれか一方のみが送信されてもよい。ただし、下りリンクでCRS無しにDM RSのみが送信される場合、データと同じプリコーダを適用して送信されるDM RSは復調の目的にのみ用いることができるため、チャンネル測定用RSを別途に提供しなければならない。例えば、3GPP LET(−A)では、UEがチャンネル状態情報を測定できるようにするために、追加の測定用RSであるCSI−RSが当該UEに送信される。CSI−RSは、チャンネル状態について相対的に時間による変化度が大きくないという事実に着目し、各サブフレーム毎に送信されるCRSとは違い、複数のサブフレームで構成される所定の送信周期毎に送信される。
【0059】
図4は、3GPP LET/LET−Aシステムで使用される上りリンク(uplink,UL)サブフレーム構造の一例を示す図である。
【0060】
図4を参照すると、ULサブフレームは、周波数ドメインで制御領域とデータ領域とに区別できる。1つ又は複数のPUCCH(physical uplink control channels)が上りリンク制御情報(uplink control information,UCI)を運ぶために制御領域に割り当てることができる。1つ又は複数のPUSCH(physical uplink shared channels)がユーザデータを運ぶために、ULサブフレームのデータ領域に割り当てられてもよい。
【0061】
ULサブフレームではDC(Direct Current)副搬送波から遠く離れた副搬送波が制御領域として用いられる。換言すれば、UL送信帯域幅の両端部に位置する副搬送波が上りリンク制御情報の送信に割り当てられる。DC副搬送波は、信号送信に用いられずに残される成分であり、周波数上り変換過程で搬送波周波数f0にマッピングされる。1つのUEのPUCCHは1つのサブフレームで、1つの搬送波周波数で動作するリソースに属したRB対に割り当てられ、このRB対に属したRBは、2つのスロットでそれぞれ異なる副搬送波を占有する。このように割り当てられるPUCCHを、PUCCHに割り当てられたRB対がスロット境界で周波数ホッピングすると表現する。ただし、周波数ホッピングが適用されない場合には、RB対が同一の副搬送波を占有する。
【0062】
PUCCHは、次の制御情報を送信するために使用される。
【0063】
−SR(Scheduling Request):上りリンクUL−SCHリソースを要請するために使用される情報である。OOK(On−Off Keying)方式を用いて送信される。
【0064】
−HARQ−ACK:PDCCHに対する応答及び/又はPDSCH上の下りリンクデータパケット(例えば、コードワード)に対する応答である。PDCCH或いはPDSCHが成功的に受信されたか否かを示す。単一下りリンクコードワードに対する応答としてHARQ−ACK 1ビットが送信され、2つの下りリンクコードワードに対する応答としてHARQ−ACK 2ビットが送信される。HARQ−ACK応答は、ポジティブACK(簡単に、ACK)、ネガティブACK(以下、NACK)、DTX(Discontinuous Transmission)又はNACK/DTXを含む。ここで、HARQ−ACKという用語は、HARQ ACK/NACK、ACK/NACKと同じ意味で使われる。
【0065】
−CSI(Channel State Information):下りリンクチャンネルに対するフィードバック情報(feedback information)である。MIMO(Multiple Input Multiple Output)−関連フィードバック情報は、RI(Rank Indicator)及びPMI(Precoding Matrix Indicator)を含む。
【0066】
UEがサブフレームで送信可能な上りリンク制御情報(UCI)の量は、制御情報送信に可用なSC−FDMAの個数に依存する。UCIに可用なSC−FDMAは、サブフレームにおいて参照信号の送信のためのSC−FDMAシンボルを除く残りのSC−FDMAシンボルを意味し、SRS(Sounding Reference Signal)が構成されているサブフレームでは、サブフレームの最後のSC−FDMAシンボルも除く。参照信号は、PUCCHのコヒーレント(coherent)検出に用いられる。PUCCHは、送信される情報によって様々なフォーマットを支援する。
【0067】
表4はLET/LET−AシステムにおいてPUCCHフォーマットとUCIとのマッピング関係を示す。
【0068】
【表4】
【0069】
表4を参照すると、主に、PUCCHフォーマット1系列はACK/NACK情報を送信するために用いられ、PUCCHフォーマット2系列はCQI/PMI/RIなどのチャンネル状態情報(channel state information,CSI)を運ぶために用いられ、PUCCHフォーマット3系列はACK/NACK情報を送信するために用いられる。
【0070】
参照信号(Reference Signal;RS)
【0071】
無線通信システムにおいてパケットを送信する時、パケットは無線チャネルを通じて送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生することがある。歪まれた信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号において歪みを補正しなければならない。チャネル情報を知るために、送信側と受信側の両方で知っている信号を送信し、該信号がチャネルを通じて受信される時の歪みの度合からチャネル情報を把握する方法を主に用いる。この信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0072】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合、各送信アンテナと受信アンテナの間のチャネル状況を知らないと、正しい信号を受信することができない。従って、各送信アンテナごとに、より詳しくはアンテナポート(antenna port)ごとに異なった参照信号が存在しなければならない。
【0073】
参照信号は上りリンク参照信号と下りリンク参照信号とに区別できる。現在、いくつのシステム、例えば、LETベースのシステムにおいて、上りリンク参照信号として、
【0074】
i)PUSCH及びPUCCHを介して送信された情報のコヒーレント(cohere
nt)な復調のためのチャネル推定のための復調参照信号(DeModulation−Reference Signal,DM−RS)及び
【0075】
ii)eNBが、ネットワークの異なる周波数における上りリンクチャネル品質を測定するためのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal,SRS)を含む。
【0076】
一方、下りリンク参照信号としては、例えば、
【0077】
i) セル内の全ての端末が共有するセル−特定の参照信号(Cell−specific Reference Signal,CRS);
【0078】
ii) 特定のUEのみのための端末−特定の参照信号(UE−specific Reference Signal);
【0079】
iii) PDSCHが送信される場合に、コヒーレントな復調のために送信される(DeModulation−Reference Signal,DM−RS);
【0080】
iv) 下りリンクDMRSが送信される場合に、チャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報の参照信号(Channel State Information−Reference Signal,CSI−RS);
【0081】
v) MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal);及び
【0082】
vi) 端末の地理的位置情報を推定するために用いられる位置参照信号(Positioning Reference Signal)がある。
【0083】
参照信号はその目的によって2種類に大別できる。チャネル情報取得のために用いられる参照信号と、データ復調のために用いられる参照信号とがある。前者は、UEが下りリンク上のチャネル情報を取得できるようにすることに目的があるため、広帯域に送信されなければならず、特定サブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であってもその参照信号を受信しなければならない。また、これはハンドオーバーなどの状況でも用いられる。後者は、基地局が下りリンクを送る時に該当のリソースに共に送る参照信号であって、端末は当該参照信号を受信することによってチャネル測定をしてデータを復調することができる。この参照信号は、データの送信される領域で送信されなければならない。
【0084】
搬送波集成(Carrier Aggregation;CA)
【0085】
CAは、無線通信システムがより広い周波数帯域を使用するために、端末が上りリンクリソース(又は要素(component)搬送波)及び/又は下りリンクリソース(又は要素搬送波)で構成された周波数ブロック又は(論理的意味の)複数のセルを使用して1つの大きい論理周波数帯域として使用する方法を意味する。
【0086】
LTEシステムの場合、1つの下りリンク要素搬送波と1つの上りリンク要素搬送波を使用する反面、LTE−Aシステムの場合は、複数の要素搬送波が使用される。この時、制御チャネルがデータチャネルをスケジューリングする方式は、既存のリンク又はセルフ搬送波スケジューリング(Linked/self carrier scheduling)方式と交差搬送波スケジューリング(Cross carrier scheduling;CCS)方式とに区分される。
【0087】
より具体的には、リンク/セルフ搬送波スケジューリングは、単一の要素搬送波を使用する既存のLTEシステムのように、特定の要素搬送波により送信される制御チャネルは特定の要素搬送波によりデータチャネルのみをスケジューリングする。
【0088】
一方、交差スケジューリングは、搬送波指示子フィールド(Carrier Indicator Field;CIF)を使用して主コンポーネント搬送波(Primary CC)により送信される制御チャネルが、主要素搬送波により送信される或いは他の要素搬送波により送信されるデータチャネルをスケジューリングする。
【0089】
EPDCCH(Enhanced PDCCH)一般
【0090】
多重ノードシステムの導入により様々な通信技法の適用が可能となり、チャネル品質の改善を期待できるが、上述したMIMO技法及びセル間の協力通信技能を多重ノード環境に適用するためには、新しい制御チャネルの導入が要求され、これによりLTE−Aシステムで導入された制御チャネルがEPDCCH(Enhanced−PDCCH)であり、EPDCCHは1つのTTI(transmission time interval)又は1つのサブフレーム内の制御領域ではないデータ領域に割り当てられる。結果として、かかるEPDCCHにより各端末ごとにノードに関する制御情報が送信可能になり、既存のPDCCH領域における問題を解決することができる。
【0091】
次のシステムでは様々な適用分野における要求事項を満たすために、全ての或いは特定の物理チャネルに対してTTI(の長さ)を様々に設定する状況が考えられる。より特徴的には、シナリオによってeNBとUEの間の通信時に遅延を減らすために、PDCCH/PDSCH/PUSCH/PUCCHなどの物理チャネル送信が使用されるTTIを1msecより小さく設定することができる(以下、これらを各々sPDCCH/sPDSCH/sPUSCH/sPUCCHとする)。また、単一のUE或いは複数のUEについて、単一のサブフレーム(例えば、、1msec)内で複数の物理チャネルが存在することができ、各々TTI(の長さ)が異なることができる。以下の実施例では、説明の便宜上、LTEシステムを一例とする。この時、TTIはLTEシステムにおける一般的なサブフレームサイズの1msecであり(以下、一般TTI)、短いTTIはそれより小さい値をいい、単一/複数のOFDM或いはSC−FDMAシンボル単位である。説明の便宜上、短いTTI(即ち、TTI長さが既存の1つのサブフレームより小さい場合)を仮定したが、TTIが1つのサブフレームより長くなる場合、或いは1ms以上である場合についても本発明の主要特徴を拡張して適用することができる。特徴的には、次のシステムにおいて、副搬送波間隔(subcarrier spacing)を増加させる形態で短いTTIが導入される場合にも、本発明の主要特徴を拡張して適用できる。説明の便宜上、LTEに基づいて発明を説明するが、該当内容はnew RAT(new radio access technology;RAT)などの他の波形/フレーム構造(waveform/frame structure)が使用される技術にも適用できる。一般的には、本発明ではsTTI(<1msec)、longTTI(=1msec)、longerTTI(>1msec)と仮定する。以下の実施例では、互いに異なるTTI長さ/ニューマロロジー/プロセシング時間を有する複数のULチャネルについて説明したが、互いに異なるサービス要求事項、遅延、スケジューリングユニットが適用される複数のUL/DLチャネルに拡張して適用することもできる。
【0092】
上述した遅延減少、即ち、低い遅延を満たすために、データ送信の最小単位であるTTIを縮めて0.5msec以下の短いTTI(sTTI)を新しくデザインする必要がある。例えば、図5に示すように、eNBがデータ(PDCCH及びPDSCH)の送信を開始してからUEがA/N(ACK/NACK)の送信を完了するまでのユーザ平面(User plane;U−plane)遅延を1msecに減らすためには、約3OFDMシンボルを単位としてsTTIを構成することができる。
【0093】
下りリンクの環境では、かかるsTTI内におけるデータの送信/スケジューリングのためのPDCCH(即ち、sPDCCH)とsTTI内で送信が行われるPDSCH(即ち、sPDSCH)が送信されることができ、例えば、図6に示すように、1つのサブフレーム内に複数のsTTIが互いに異なるOFDMシンボルを使用して構成されることができる。特徴的には、sTTIを構成するOFDMシンボルは、レガシー制御チャネルが送信されるOFDMシンボルを除いて構成される。sTTI内におけるsPDCCHとsPDSCHの送信は、互いに異なるOFDMシンボル領域を使用してTDM(time division multiplexing)された形態で送信され、互いに異なるPRB領域/周波数リソースを使用してFDM(frequency division multiplexing)された形態で送信されることもできる。
【0094】
上りリンクの環境でも、上述した下りリンクの環境のように、sTTI内でデータの送信/スケジューリングが可能であり、既存のTTI基盤のPUCCHとPUSCHに対応するチャネルをsPUCCH、sPUSCHと称する。
【0095】
この明細書では、LTE/LTE−Aシステムを基準として発明を説明する。既存のLTE/LTE−Aにおいて、1msのサブフレームは一般CPを有する場合、14個のOFDMシンボルで構成され、これを1msより短い単位のTTIを構成する場合、1つのサブフレーム内に複数のTTIを構成できる。複数のTTIを構成する方式は、以下の図7に示した実施例のように、2シンボル、3シンボル、4シンボル、7シンボルが1つのTTIを構成できる。図示していないが、1シンボルのTTIを有する場合も考えることができる。1シンボルが1つのTTI単位になると、2つのOFDMシンボルにレガシーPDCCHを送信するという仮定下で、12個のTTIが生成される。同様に、図7の(a)のように、2シンボルが1つのTTI単位になると、6つのTTI、図7の(b)のように、3シンボルが1つのTTI単位になると、4つのTTI、図7の(c)のように、4シンボルが1つのTTI単位になると、3つのTTIを生成できる。勿論、この場合、最初の2つのOFDMシンボルはレガシーPDCCHが送信されたと仮定する。
【0096】
図7の(d)に示したように、7つのシンボルが1つのTTIを構成すると、レガシーPDCCHを含む7つのシンボル単位の1つのTTIと後の7つのシンボルが1つのTTIを構成できる。この時、sTTIを支援する端末の場合、1つのTTIが7シンボルで構成されると、1つのサブフレームの前側に位置するTTI(1番目のスロット)についてはレガシーPDCCHが送信される前側の2つのOFDMシンボルに対してはパンクチャリングするか、又はレートマッチングされたと仮定し、その後5つのシンボルに自分のデータ及び/又は制御情報が送信されると仮定する。反面、1つのサブフレームの後側に位置するTTI(2番目のスロット)に対して、端末はパンクチャリングやレートマッチングするリソース領域無しに7つのシンボルに全てデータ及び/又は制御情報を送信できると仮定する。
【0097】
また本発明では、2つのOFDMシンボル(以下、"OS")で構成されたsTTIと3つのOSで構成されたsTTIが、図8のように1つのサブフレーム内に混合されて存在するsTTI構造も考慮する。このような2−OS又は3−OSのsTTIで構成されたsTTIを簡単に2−シンボルsTTI(即ち、2−OS sTTI)と定義する。また、2−シンボルsTTI又は3−シンボルsTTIを簡単に2−シンボルTTI又は3−シンボルTTIと称することもでき、これらが全て本発明で前提しているレガシーTTIである1ms TTIより短いTTIであることは明らかである。即ち、この明細書において"TTI"と称してもsTTIであることができ、その名称に関係なく、本発明ではレガシーTTIより短い長さのTTIで構成されたシステムにおける通信方式を提案する。
【0098】
この明細書において、ニューマロロジーとは、該当無線通信システムに適用されるTTI長さ、副搬送波間隔などの決定、決められたTTI長さ又は副搬送波間隔などのパラメータ又はそれらに基づく通信構造又はシステムなどを意味する。
【0099】
図8の(a)に示した<3,2,2,2,2,3>sTTIパターンではPDCCHのシンボル数によってsPDCCHが送信されることができる。図8の(b)に示した<2,3,2,2,2,3>sTTIパターンではレガシーPDCCH領域のためにsPDCCHの送信が難しい。
【0100】
new RAT(new radio technology;NR)
【0101】
以上、3GPP LTE(−A)システムの構造、動作又は機能などを説明したが、NRでは3GPP LTE(−A)における構造、動作又は機能などが少し変形されたり他の方式で具現又は設定されることができる。その一部を簡単に説明する。
【0102】
NRでは様々なニューマロロジーを支援する。例えば、副搬送波間隔が15KHzだけではなく、その2n倍(n=1、2、3、4)まで支援する。
【0103】
また正規CPの場合、スロット当たりのOFDMシンボル(今後、単に"シンボル"という)の数は14個に固定されるが、1つのサブフレーム内のスロット数が2k個(k=0、1、2、3、4、5)まで支援され、ただ無線フレームが10個のサブフレームで構成されることは、既存のLTEシステムと同一である。拡張CPの場合、スロット当たりのシンボル数が12個に固定され、1つのサブフレームは4つのスロットで構成される。また既存のLTEシステムのように、1つのリソースブロックは周波数ドメインで12個の連続する副搬送波により定義される。
【0104】
また1スロット内の各シンボルの用途(例えば、下りリンク、上りリンク又は自由自在(flexible))がスロットフォーマットによって定義され、1スロット内で下りリンクシンボルと上りリンクシンボルを全て設定することもできるが、かかる場合を自己完結型(self contained)サブフレーム(又はスロット)構造と呼ぶ。
【0105】
マルチ−TTIスケジューリング(Multi−TTI scheduling)
【0106】
遅延の減少を達成するための1つの方案として、TTI長さをより短く定義して送信する方案が考えられる。一例として、2/3シンボルsTTI長さを有するPDSCH及びPUSCHが定義されてDL及びULデータを送受信する方案が考えられる。このような方案を考える時、毎TTIごとにスケジューリングのための制御チャネルも送信されなければならないので、制御オーバーヘッドが増加する短所があり得る。これを解決するための1つの方案として、1つの制御チャネルが複数のTTIをスケジューリングするマルチ−TTIスケジューリングが考えられる。マルチ−TTIスケジューリングが考えられる場合、以下のように提案する。
【0107】
マルチ−TTIスケジューリング時のHARQ−ACKリソース
【0108】
マルチ−TTIスケジューリングDCIによりスケジュールされたPDSCHに対するHARQ−ACKリソースが以下のように決定されるように規定できる。
【0109】
Alt 1:スケジュールされた複数のTTIのうち、特定のTTIに対するHARQ−ACKリソースが多重TTIスケジューリングDCIにより指示され、残りのスケジュールされたTTIに対するHARQ−ACKリソースは暗示的に決定されることができる。一例として、スケジュールされた複数のTTIのうち、1番目のTTIに対するHARQ−ACKリソースは、マルチ−TTIスケジューリングDCIの最低CCEインデックスにより、或いはARI(A/Nリソース指示子)の特定の状態に連関する特定のリソースにより決定され、残りのスケジュールされたTTIに対するHARQ−ACKリソースは、上記決定されたリソースに対比するオフセットが適用されたリソースにより決定されることができる。
【0110】
ここで、オフセット(又は複数のTTIに各々適用されるオフセット集合)は0であることができ、スケジュールされたTTIのインデックス及び/又は何回目にスケジュールされたTTIであるかに関する情報により予め約束された値であることもできる。又は、オフセット(又は複数のTTIに各々適用されるオフセットの集合)がDCI或いは上位階層信号により指示/設定されることもできる。より具体的には、1番目のスケジュールされたTTIのPUCCHリソースインデックスがmである場合、2番目、3番目のスケジュールされたTTIのPUCCHリソースインデックスが各々m+1、m+2に決定されるように規定できる。
【0111】
Alt 2:複数のTTIに対するHARQ−ACKリソース情報がARIの各状態について予め設定され、マルチ−TTIスケジューリングDCIにより指示されたARIの特定状態によりスケジュールされたTTIのPUCCHリソースが決定されることができる。一例として、ARIの各状態はマルチ−TTIスケジューリングによりスケジューリングされる最大数に該当するPUCCHリソースを設定しておき、マルチ−TTIスケジューリングDCIにおいて、それより少ない数のTTIをスケジューリングする場合には、指示されたARI状態に対応するPUCCHリソースのうち、最初からスケジュールされたTTI数に該当するPUCCHリソースが使用されるように規定することができる。
【0112】
マルチ−TTIスケジューリング時のPDCCHブラインド復号(blind decoding;BD)
【0113】
マルチ−TTIスケジューリングDCIをモニタするためのPDCCH RB集合が特に設定されるように規定できる。又はマルチ−TTIスケジューリングDCIをモニタするための集成レベル(aggregation level;AL)及び/又はBD候補数(又はBD候補の減少因子)がPDCCH RB集合ごとに独立して設定されるように規定できる。特徴的には、これは単一のTTIスケジューリングDCIをモニタするためのものとは区分される。又はPDCCH RB集合内のパラメータのうち、マルチ−TTIスケジューリングの可能有無が上位階層信号により設定されることができる。
【0114】
使用されないリソースの活用
【0115】
制御オーバーヘッドを緩和するために、制御チャネルとして使用されるリソース以外のリソースを最大限データチャネルの送信に使用するように許容して、使用されないリソースを最大限に使用することができる。このために様々な方案が考えられるが、マルチ−TTIスケジューリングが適用される場合にも、使用されないリソースが最大限に使用されるように設定することが好ましい。
【0116】
特徴的には、マルチ−TTIスケジューリングDCIによりスケジュールされた複数のTTIのうち、該当DCIが含まれないTTIでは特定(又は全て)のPDCCH RB集合により指示されたRB或いはRBGについてデータがレートマッチングされるように規定できる。かかる設定は、マルチ−TTIスケジューリングが行われた該当複数のTTIに対して1つの設定により共通に適用でき、該当複数のTTIを構成するTTIごとに設定を変更することもできる。これはマルチ−TTIスケジューリングが行われ、該当スケジュールされた複数のTTIについてスケジューリング優先権(scheduling pre−emption)が許容されない場合に有用である。
【0117】
マルチ−TTIスケジューリングされないTTIに対するシグナリング
【0118】
マルチ−TTIスケジューリングDCIにより特定区間の複数のTTIのうちの一部或いは全体TTIに対してスケジュールされるTTIであるか否かを指示でき、スケジューリングされなかったと指示されたTTIに対しては、端末がDCIモニタリングもしないように規定することができる。或いは、上位階層信号によりマルチ−TTIスケジューリングDCIによりスケジュールされるTTIが指示された場合は、該当複数のスケジュールされたTTIのうち、マルチ−TTIスケジューリングDCIが含まれないTTIでは端末がDCIモニタリングを行わないように規定することができる。
【0119】
マルチ−TTIのうち、CSI報告又はSRS送信されるTTIの設定
【0120】
上記提案方法或いはその他の方式に基づいてマルチ−TTIスケジューリングが適用される場合、マルチ−TTIスケジューリングDCI内のCSI要請及びSRS要請に対応するTTI時点(例えば、非周期的CSIフィードバックを含むPUSCHの送信時点)を設定する必要があり、特徴的には該当TTI時点は複数のスケジュールされたTTIのうち、DMRSが存在する最初又は最後のTTI或いは予め約束されたか又はDCIにより指示されたTTIにより設定される。これはトリガーされたCSIの信頼度の高い送信のためにDMRSが該当TTI内に存在する場合にのみCSI報告を許容することである。
【0121】
逆に、複数のスケジュールされたTTIのうち、DMRSが存在しない最初又は最後のTTI或いは予め約束されたか又はDCIにより指示されたTTIにより設定されることもできる。これはCSIによるレートマッチングがPUSCH送信の符号化率を高めることができるので、これを緩和させるためにDMRSのないTTIにCSI報告を含めることである。
【0122】
さらに他の方案として、複数のスケジュールされたTTIのうち、一部(又は全体)のTTIに繰り返してCSI報告を含めるように規定することもできる。これにより、CSIの信頼度をより向上させることができる。
【0123】
SRS送信TTI
【0124】
上記提案方法或いはその他の方式に基づいてマルチ−TTIスケジューリングが適用される場合、マルチ−TTIスケジューリングDCI内のSRS要請に対応するTTI時点(例えば、非周期的SRS信号の送信時点)を設定する必要があり、複数のスケジュールされたTTIのうち、SRSサブフレームに属する最後のTTIでSRSが送信されることができる。又は、SRS送信TTIが特に定義され(例えば、SRS sTTI)、複数のスケジュールされたTTIのうち、SRS送信TTIが存在する場合、該当TTIでSRSが送信されることもできる。
【0125】
HARQ−ACK送信TTI
【0126】
マルチ−sTTIスケジューリングされる場合、各sPDSCHに対応するHARQ−ACKタイミングにHARQ−ACKが各々送信されるか、又はマルチ−sTTI sPDSCHに対する集成及び/又はバンドリングされたHARQ−ACKが送信されることができる。またこれらのうちの1つをネットワークが設定することもできる。前者の場合、HARQ−ACK応答が早い反面、PUCCH/UCIオーバーヘッドが増加し、後者の場合は、遅延が遅くなることができる。またマルチ−sTTIスケジューリングに1つのTBがマッピングされる場合、HARQ−ACKは最後のsTTIを基準としてタイミングを設定すると仮定でき、該当タイミングに対応するPUCCH/UCIリソースで送信されると仮定できる。またHARQ−ACK方式は再送信に連関することもできる。マルチ−sTTIスケジューリングされた場合、単一−sTTIスケジューリングにより一部のみを再送信でき、再送信時にもマルチ−sTTIスケジューリングを用い、送信されるTBが最初の送信時に送信されたTBの部分集合であることができる。即ち、再送信時にはNACK或いはDTXに該当するTBのみについて送信が行われると仮定できる。もし再送信が単一のsTTIによりスケジュールされる場合、或いは単一のsTTIとマルチ−sTTI DCIが共存する場合、DCIサイズをパディング(padding)などを用いて合わせると仮定でき、単一のsTTIであるか又はマルチsTTIであるかに対する指示が該当DCIに追加されることができる。或いは、各PRB集合ごとにDCIサイズを構成して、マルチsTTIと単一のsTTIを個々に送信できる。
【0127】
クロス−キャリアのスケジューリング
【0128】
セルごとに独立して(異なる)プロセシング時間を設定できる場合、クロス−キャリアのスケジューリング時にプロセシング時間の導出に対する基地局と端末の間の規則が必要である。一例として、スケジューリングセルとスケジュールされるセルのプロセシング時間設定が指示するプロセシング時間が異なる場合、端末は2つのうち、どのプロセシング時間によってDL割り当て−to−DLデータ及び/又はDLデータ−to−DL HARQ及び/又はUL承認−to−ULデータなどのプロセシング時間を決定するかが曖昧である。従って、スケジューリングセルとスケジュールされるセルのプロセシング時間設定が指示するプロセシング時間が同一に設定された場合にのみ、クロス−キャリアのスケジューリングが許容されるように規定することができる。
【0129】
現在LTE標準(TS 36.331)におけるクロス−キャリアスケジューリングは以下のように定義されている。
【0130】
CrossCarrierSchedulingConfig
The IE CrossCarrierSchedulingConfig is used to specify the configuration when the cross carrier scheduling is used in a cell.
CrossCarrierSchedulingConfig information elements
ASN1START
CrossCarrierSchedulingConfig-r10 ::=SEQUENCE {
schedulingCellInfo-r10 CHOICE {
own-r10 SEQUENCE {-- No cross carrier scheduling
cif-Presence-r10 BOOLEAN
},
other-r10 SEQUENCE {-- Cross carrier scheduling
schedulingCellId-r10 ServCellIndex-r10,
pdsch-Start-r10 INTEGER (1..4)
}
}
}
ASN1STOP
【0131】
【表5】
【0132】
このようなクロス−キャリアのスケジューリング関連設定(例えば、スケジューリングセル情報、PDSCH開始シンボル情報など)は、プロセシング時間関連設定に関係なく端末に設定又は適用される。かかる場合、異なるプロセシング時間設定を有するスケジューリングセルとスケジュールされるセルとの関係が発生し、それに対する端末の動作が定義される必要がある。一例として、かかる場合、端末は保守的なプロセシング時間マージン(margin)の確保のために、2つのうち、より長いプロセシング時間を自分のDL割り当て−to−DLデータ及び/又はDLデータ−to−DL HARQ及び/又はUL承認−to−ULデータなどのプロセシング時間として適用することができる。
【0133】
又は、上記のようなクロス−キャリアのスケジューリング関連設定がスケジュールされるセルのプロセシング時間関連設定により異なるように解釈されることもできる。一例として、特定のスケジュールされるセルについてクロス−キャリアのスケジューリングが設定されても、該当セルをスケジューリングするセルとのプロセシング時間設定が異なるた場合(例えば、スケジュールされるセルのプロセシング時間はn+3、スケジューリングセルのプロセシング時間はn+4)、該当スケジュールされるセルに対してクロス−キャリアのスケジューリングが適用されず、セルフ−キャリアのスケジューリングのみが適用されることができる。従って、端末は該当スケジュールされるセルに対するDL割り当て/UL承認DCIを該当スケジュールされるセルに構成される探索空間でモニタするように規定できる。
【0134】
又は、特定セルについて短いプロセシング時間が設定される場合、別のクロス−キャリアのスケジューリング関連設定が共に設定されることもできる。特徴的には、特定セルのクロス−キャリアのスケジューリングが元来可能であっても短いプロセシング時間の設定と共に不可能になることができる。又は、特定セルのクロス−キャリアのスケジューリング関連設定により指示されたスケジューリングセル及び/又はPDSCH開始シンボルと短いプロセシング時間設定により共に設定されたスケジューリングセル及び/又はPDSCH開始シンボルが異なるように指示されることができる。
【0135】
もしサービングセルXで送信されるデータチャネルについて、サービングセルYによりクロス−キャリアのスケジューリングが設定され、サービングセルXについてsTTIが設定される場合、端末はサービングセルXで送信されるサブフレーム期間(duration)を有するデータチャネルについてはサービングセルYのPDCCH/EPDCCHをモニタし、スロット/サブスロット期間を有するデータチャネルについてはサービングセルXのPDCCH/sPDCCHをモニタすることになる。
【0136】
このように、1つのセルで送信される異なる期間を有するデータチャネルについて複数のサービングセルで制御チャネルをモニタすることは、端末のプロセシング時間に影響を与えるので好ましくない。従って、上記のように設定された端末の動作を以下のように提案する。
【0137】
オプション1:端末のプロセシング時間に対する影響を減らすために、データチャネルの期間とは関係なくセルフ−キャリアのスケジューリングのみが支援されるように規定できる。即ち、端末はサービングセルXで送信されるデータチャネルに対して、それをスケジューリングする制御チャネルはサービングセルXでのみモニタする。これは、クロス−キャリアのスケジューリング設定を端末が無視することとも解釈できる。特徴的には、サービングセルXで送信されるデータチャネルに対して、EPDCCHは除いてPDCCH及び/又はSPDCCHのみに対して端末がサービングセルXでモニタリングを行うことができる。
【0138】
オプション2: 1つのセルで送信される異なる期間を有するデータチャネルに対して複数のサービングセルで制御チャネルをモニタすることについて、端末が支援できるか否かに関して端末能力を報告するように規定できる。即ち、サブフレーム−PDSCH/PUSCHをスケジューリングするPDCCH/EPDCCHをセルY、またスロット/サブスロット−PDSCH/PUSCHをスケジューリングするPDCCH/sPDCCHをセルXで同時にモニタする動作を支援するか否かに関する端末能力を報告することができる。端末がこの動作を支援できると報告した場合、サブフレーム−PDSCH/PUSCHはクロス−キャリアのスケジューリングにより、またスロット/サブスロット−PDSCH/PUSCHはセルフ−キャリアのスケジューリングによりスケジューリングされ、端末がこれに対応するセルで各々の制御チャネルをモニタするように規定できる。もしこの動作を支援できないと報告した場合には、オプション1のように異なる期間を有するデータチャネルに対して全てセルフ−キャリアのスケジューリングにより動作し、それに合わせて端末が制御チャネルを該当セルでモニタするように規定することができる。
【0139】
このモニタリング動作は、異なる期間を有するデータチャネルに対する複数の制御チャネルに対して実際にモニタリングが行われる時間区間が重畳しなくても、異なる期間を有するデータチャネルに対する複数の制御チャネルをモニタする動作自体に適用されることである。
【0140】
オプション3:1つのセルで送信される異なる期間(ここで、期間はTTI長さを含む)を有するデータチャネルに対して、端末はある1つの期間を有するデータチャネルに対してクロス−キャリアのスケジューリングが設定されるとは期待しない。即ち、端末は特定セルに設定された(又は支援された)全ての期間/TTI長さ/ニューマロロジー/BLERターゲットのデータチャネルに対して、セルフ−キャリアのスケジューリングのみが設定されるように規定できる。ここで、特定セルは、異なる期間/TTI長さ/ニューマロロジー/BLERターゲットが設定された又は約束されたセルを含む。この設定は、異なる期間を有する複数のデータチャネルに対する同時受信能力とは関係なく適用される。
【0141】
オプション4:さらに他の方案として、1つのセルで送信される異なる期間(ここで、期間はTTI長さを含む)を有するデータチャネルに対して、端末は特定セルの特定期間のデータチャネル(例えば、サブフレーム−PDSCH)に対してセルフ−キャリアのスケジューリングが設定されるか、又はEPDCCHが設定されないセルからスケジュールされるクロス−キャリアのスケジューリングが設定されるように規定できる。即ち、端末は、特定セルの特定期間のデータチャネル(例えば、サブフレーム−PDSCH)に対して該当セルで制御チャネルをモニタするように、或いは他のセルでクロス−キャリアのスケジューリングする場合には、EPDCCHではない他の制御チャネル(例えば、PDCCH)のみをモニタするように規定できる。ここで、特定セルは異なる期間/TTI長さ/ニューマロロジー/BLERターゲットが設定された又は約束されたセルを含む。この設定は、異なる期間/TTI長さ/ニューマロロジー/BLERターゲットを有する複数のデータチャネルに対する同時受信能力とは関係なく適用できる。
【0142】
このモニタリング動作は、異なる期間/TTI長さ/ニューマロロジー/BLERターゲットを有するデータチャネルに対する複数の制御チャネルに対して実際にモニタリングが行われる時間区間が重畳しなくても、異なる期間を有するデータチャネルに対する複数の制御チャネルをモニタする動作自体に適用されることである。
【0143】
送信ダイバーシティへの動的フォールバック(Dynamic fallback to transmit diversity)
【0144】
sTTI動作の場合、端末がRRC−連結モードにおいてネットワークに報告された端末の能力によって遅延の減少を目的として設定される動作である。(S)PDCCHに対する端末のブラインド復号が増加し過ぎることを防止するために、sTTI動作ではフォールバック(fallback)送信方式のためのDCIフォーマットを特に定義していない。もし基地局がチャネル状況の変化などにより送信ダイバーシティ(transmit diversity)のような送信方式へのフォールバックを行う場合、TM(transmission mode)−従属DCIにより定義されて設定されたTMによって端末がモニタするDCIフォーマット内の特定フィールドを利用(再使用)して端末に指示するように規定できる。これにより端末は設定されたTMによる送信方式から送信ダイバーシティ送信方式に動的にフォールバックする動作を行って、DLデータチャネルに対するより高い受信率を期待できる。もしsTTI動作において動的フォールバックが支援されないと、基地局は送信ダイバーシティのような送信方式へのフォールバックを行う場合、常にレガシー/デフォルトTTI(例えば、1ms TTI)を用いてスケジューリングする必要があり、これはより高いDL遅延を招く。
【0145】
端末はsTTI動作について、特定の送信方式(例えば、送信ダイバーシティ)への動的フォールバックを支援できるか否かに関する端末能力シグナリングをネットワークに報告するように規定される。特徴的には、端末能力シグナリングはTTI長さ(又は複数のTTI長さで構成されたTTIグループ)ごとに特に独立して定義できるが、これはTTI長さごとに端末が送信ダイバーシティ送信方式への動的フォールバック動作を支援できるか否かが異なるためである。また特定の送信方式(例えば、送信ダイバーシティ)への動的フォールバックを動作させる基地局又はネットワークの設定が、TTI長さ(又は複数のTTI長さで構成されたTTI長さグループ)ごとに別に独立して上位階層信号により行われることができる。
【0146】
及び/又は、端末能力シグナリングは支援可能なアンテナポート数に関する情報を含む。一例として、2ポート送信ダイバーシティのみを支援すると報告するか、又は2ポートと4ポートの送信ダイバーシティを全て支援すると報告することができる。また特定の送信方式(例えば、送信ダイバーシティ)への動的フォールバックを動作させる基地局又はネットワークの設定が、アンテナポート数に関する情報を含めて上位階層信号により行われることができる。
【0147】
端末がsTTI動作に対して設定された送信モード(又は複数のTMで構成されたTMグループ)ごとに端末能力シグナリングが特に独立して定義されることができる。これは端末に設定されたTMごとに動的フォールバックの支援有無が異なり、基地局は端末能力シグナリングに基づいて動的フォールバックをsTTIにするか否かを決定することができる。また動的フォールバックのためのDCIフィールドの解釈も、端末能力シグナリング(及び/又は動的フォールバックを可能に/不可能にする基地局又はネットワークの設定)によって異なる。又はsTTI動作に対して設定されたTMに関係なく共通の端末能力シグナリングを定義できるが、これは端末がsTTI動作を支援すると、送信ダイバーシティ送信方式へのフォールバック動作を常に支援することと解釈でき、基地局も設定されたTMに関係なく常に送信ダイバーシティ送信が可能であり、不要な遅延を防ぐことができる。また特定の送信方式(例えば、送信ダイバーシティ)への動的フォールバックを動作させる基地局又はネットワークの設定が、sTTIのために設定されたTMに関係なく或いはsTTIのために設定されたTM(グループ)ごとに独立して上位階層信号により行われることができる。
【0148】
上述した提案方式に関する一例も本発明の具現方法の1つとして含まれることができ、一種の提案方式として見なされることができる。上記提案方式は独立して具現するか、又は一部提案方式の組み合わせ(又は併合)の形態で具現することができる。上記提案方法の適用有無に関する情報(又は提案方法の規則に関する情報)は、基地局が端末に予め定義されたシグナル(例えば、物理階層シグナル或いは上位階層シグナル)により知らせるように規定できる。
【0149】
図9は、本発明の実施例を実行する送信装置10及び受信装置20の構成要素を示すブロック図である。送信装置10及び受信装置20は、情報及び/又はデータ、信号、メッセージなどを運ぶ無線信号を送信又は受信できる送信機/受信機13,23と、無線通信システム内の通信と関連した各種情報を記憶するメモリ12,22と、送信機/受信機13,23及びメモリ12,22などの構成要素と動作的に接続してこれらの構成要素を制御し、当該装置が前述の本発明の実施例の少なくとも一つを実行するようにメモリ12,22及び/又は送信機/受信機13,23を制御するように構成されたプロセッサー11,21をそれぞれ備える。
【0150】
メモリ12,22は、プロセッサー11,21の処理及び制御のためのプログラムを格納することができ、入/出力される情報を仮記憶することができる。メモリ12,22がバッファーとして活用されてもよい。プロセッサー11,21は、一般に、送信装置又は受信装置内の各種モジュールの動作全般を制御する。特に、プロセッサー11,21は、本発明を実行するための各種制御機能を果たすことができる。プロセッサー11,21をコントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサー(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などと呼ぶこともできる。プロセッサー11,21は、ハードウェア(hardware)又はファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はこれらの結合によって具現されてもよい。ハードウェアを用いて本発明を具現する場合は、本発明を実行するように構成されたASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)などがプロセッサー11,21に設けられてもよい。一方、ファームウェアやソフトウェアを用いて本発明を具現する場合は、本発明の機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアが構成されてもよい。本発明を実行できるように構成されたファームウェア又はソフトウェアは、プロセッサー11,21内に設けられたりメモリ12,22に格納されてプロセッサー11,21によって駆動されてもよい。
【0151】
送信装置10におけるプロセッサー11は、プロセッサー11又はプロセッサー11に接続しているスケジューラからスケジューリングされて外部に送信される信号及び/又はデータに対して所定の符号化(coding)及び変調(modulation)を行った後、送信機/受信機13に送信する。例えば、プロセッサー11は、送信しようとするデータ列を逆多重化、チャンネル符号化、スクランブリング、及び変調の過程などを経てK個のレイヤに変換する。符号化されたデータ列はコードワードとも呼ばれ、MAC層が提供するデータブロックである伝送ブロックと等価である。一伝送ブロック(transport block,TB)は一コードワードに符号化され、各コードワードは一つ以上のレイヤの形態で受信装置に送信される。周波数上り変換のために送信機/受信機13はオシレータ(oscillator)を含むことができる。送信機/受信機13はNt個(Ntは1以上の正の整数)の送信アンテナを含むことができる。
【0152】
受信装置20の信号処理過程は、送信装置10の信号処理過程の逆となる。プロセッサー21の制御下に、受信装置20の送信機/受信機23は送信装置10から送信された無線信号を受信する。送信機/受信機23は、Nr個の受信アンテナを含むことができ、送信機/受信機23は受信アンテナから受信した信号のそれぞれを周波数下り変換して(frequency down−convert)基底帯域信号に復元する。送信機/受信機23は、周波数下り変換のためにオシレータを含むことができる。プロセッサー21は、受信アンテナから受信した無線信号に対する復号(decoding)及び復調(demodulation)を行い、送信装置10が本来送信しようとしたデータに復元することができる。
【0153】
送信機/受信機13,23は一つ以上のアンテナを具備する。アンテナは、プロセッサー11,21の制御下に、本発明の一実施例によって、送信機/受信機13,23で処理された信号を外部に送信したり、外部から無線信号を受信して送信機/受信機13,23に伝達する機能を果たす。アンテナはアンテナポートと呼ばれることもある。各アンテナは一つの物理アンテナに該当したり、2以上の物理アンテナ要素の組み合わせによって構成されてもよい。各アンテナから送信された信号は受信装置20によってそれ以上分解されることはない。当該アンテナに対応して送信された参照信号(reference signal,RS)は受信装置20の観点で見たアンテナを定義し、チャンネルが一物理アンテナからの単一(single)無線チャンネルであるか、或いは当該アンテナを含む複数の物理アンテナ要素からの合成(composite)チャンネルであるかに関係なく、受信装置20にとって当該アンテナに対するチャンネル推定を可能にする。すなわち、アンテナは、該アンテナ上のシンボルを伝達するチャンネルが同一アンテナ上の他のシンボルが伝達される前記チャンネルから導出されるように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi−Input Multi−Output、MIMO)機能を支援する送信機/受信機の場合は2個以上のアンテナに接続されてもよい。
【0154】
本発明の実施例において、端末又はUEは上りリンクでは送信装置10として動作し、下りリンクでは受信装置20として動作する。本発明の実施例において、基地局又はeNBは上りリンクでは受信装置20として動作し、下りリンクでは送信装置10として動作する。
【0155】
送信装置及び/又は受信装置は、上述した本発明の実施例のうちの少なくとも1つ又は2つ以上の実施例の組み合わせを実行することができる。
【0156】
かかる提案の組み合わせの1つとして、無線通信システムにおいて下りリンク信号を受信する端末において、端末は受信機及び送信機、及び受信機及び送信機を制御するプロセッサを含み、プロセッサは短い送信時間間隔(short transmission time interval;sTTI)基盤の下りリンク動作に関連する所定の送信方式による動的変更設定を基地局から受信し、動的変更設定が受信されると、動的変更に関連するフィールドを含む下りリンク制御情報フォーマットを検出し、またフィールド値が所定の送信方式を指示すると、所定の送信方式によって下りリンクデータチャネル上で信号を受信する。
【0157】
動的変更設定はTTI長さごとに設定される。また動的変更設定はsTTI基盤の下りリンク動作に関連する送信モードに関係なく設定される。
【0158】
所定の送信方式は送信ダイバーシティ(transmit diversity)である。
【0159】
またプロセッサは基地局に所定の送信方式による動的変更を支援するかに関する端末能力を報告する。この時、端末能力報告はTTI長さごとに定義される。
【0160】
また下りリンク制御情報フォーマットは複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルをスケジューリングし、複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルのためのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)−ACK(acknowledgment)応答は、複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルの各々に対応するタイミングに個々に送信される。
【0161】
また下りリンク制御情報フォーマットは複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルをスケジューリングし、複数のTTIにおける下りリンクデータチャネルのためのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)−ACK(acknowledgment)応答は、バンドリング又は集成されて送信される。
【0162】
またHARQ−ACK応答は下りリンク制御情報フォーマットの最低CCE(Control Channel Element)インデックスにより決定されたリソース又はARI(ACK/NACK resource indicator)フィールドの状態に連結されたリソースから所定のオフセットだけ離れたリソースで送信される。
【0163】
また下りリンク制御情報フォーマットをモニタするためのリソースブロック集合、及び下りリンク制御情報フォーマットをモニタするためのリソースブロック集合で使用される集成レベル及び/又はモニタリング候補数が設定される。
【0164】
上述したように開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施し得るように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明を様々に修正及び変更できるということが理解できる。したがって、本発明はここに示した実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明は端末、リレー、基地局などのような無線通信装置に利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9