(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
玄米から胚乳のみを取り出す加工工程(精米)を行った米(精白米)には、胚乳(白米)の表面に糠成分(糊粉層)が塗り付けられるように付着(塗着)している。この糠成分が塗着した精白米をそのまま炊飯した場合、塗着糠成分中の忌避成分(嫌味成分)のために少し黄色くなり、しかも美味しい御飯にならない。
【0003】
また、湯どり炊飯法によって洗米しないで炊飯した御飯では、この嫌味成分や精米後の保管により発生した油脂酸化生成成分糠や汚れ、カビ臭などが多く残る。このような御飯は、寿司(シャリ)飯、おにぎり飯、日本料理用飯など、御飯そのものの味が際立つ料理には不向きである。つまり、美味しい御飯を得るためには、炊飯前の洗米作業の品質が極めて重要不可欠な作業と言える。
【0004】
ここで、洗米を行うには、精白米に水を加えて加圧攪拌させ、米粒と、水と、空気の隙間のある状況下で米粒相互が軽く触れつつすれ違う状態(擦離作用)を加えることが望ましい。これにより、塗着成分を米粒から剥離させる「米研ぎ」と、米粒から剥離した塗着成分を希釈して分離および放出する「米濯ぎ」とが行われる。一般的に洗米は、この「米研ぎ」と、「米濯ぎ」の作業が不可欠である。本願明細書では、この「米研ぎ」を「研ぎ」、「米濯ぎ」を「濯ぎ」とも言うことにする。
【0005】
精白米を洗米する装置として、特許文献1には、洗米を行う白米の全量を洗米タンクに投入し、給水して攪拌棒により洗米する洗米装置が記載されている。しかし、このような攪拌棒による洗米装置では、洗米の仕上がりが不完全となってしまう。つまり、洗米で除去すべき物質は糊粉層糠(アリュウロン層)と称されているように、物理性質的にはまるで糊、接着剤のような糊性質を有しており、特許文献1に記載の攪拌棒による洗米装置では、米研ぎに必要な適度な圧力が得られないため、このような糊粉層糠(アリュウロン層)を十分に除去することはできない。
【0006】
米粒から糊粉層糠をしっかり除去するためには、水による米粒からの擦離剥離と、その分離除去とが必須の作業になる。具体的には、白米に水を注ぎ入れ、一掻き回して水を捨て、濡れた米粒だけの状態でその米粒を混ぜる(攪拌する)ことで米研ぎを行う。米研ぎでは、米粒相互間の遅速差や空間空気が粒体相互の接触を促し、強力な擦離(研磨)作用を米粒に加えることになる。この状態を数秒間行い、再び水を加え(水の中に米粒が浮遊する状態で)軽く掻き混ぜる(濯ぎ分離希釈)。そして、その水を捨て(分離除去)、再び濡れた米粒のみの状態で米粒を掻き混ぜる(米研ぎ)。さらに、水を加えて少し掻き混ぜる(濯ぎ分離希釈)。この作業を最低でも3度行う。
【0007】
ここで、水に十分浸かり、沈んだ状態の米粒には、如何に攪拌混合動作を加えても、米粒相互間の擦離作用は全く働かず、洗米することはできない。すなわち、研ぎ作用が働かない。一方、水を捨て、米粒が十分に濡れている状態で攪拌すると、水による浮力を受けていない米粒間に擦離作用が働き、米研ぎが可能になる。
【0008】
そして、水を加え、研ぎ出された汚れ成分を希釈し、分離して捨て(濯ぎ)、最後に米水比率を調整して、炊飯器のスイッチを入れる。美味しい御飯を得るには、たとえ少ない量の炊飯においても、上記のような洗米(米研ぎ+米濯ぎ)は必然必須の作業工程である。
【0009】
攪拌棒による洗米装置では、このように美味しい御飯を得るために必要不可欠な洗米作業を十分に行うことができない。また、水を使わないでブラシで磨く程度の剥離力では、糊状物質を米粒から剥離したり分離したりして洗浄除去することは到底できない。
【0010】
特許文献2には、スクリュー羽根によって精白米を搬送しつつ圧力を加えながら攪拌する無洗米製造装置が記載される。この無洗米製造装置では、ブラシで磨く洗米装置に比べて擦離作用を得ることができ、米粒から糊粉層糠を除去できる効果が高い。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0027】
〔第1実施形態〕
(装置全体構成)
図1は、第1実施形態に係る洗米装置を例示する斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る洗米装置を例示する内部構成図である。
本実施形態に係る洗米装置1は、精白米を投入して連続的に洗米を行う装置である。洗米装置1は、投入部10、加圧攪拌部20、第1給水部30を備える。投入部10は筐体100の上方に配置され、精白米を投入するためのホッパ11と、ホッパ11の下方に設けられる送り部12とを有する。送り部12には、例えば螺旋羽根が用いられる。螺旋羽根の回転によってホッパ11から投入された精白米は後段の加圧攪拌部20へ送られる。
【0028】
ホッパ11と送り部12との間には開閉レバー15が設けられる。開閉レバー15を閉じておくことで、ホッパ11に投入された精白米をホッパ11内に貯めておき、洗米処理を止めておくことができる。洗米処理を進めるには、開閉レバー15を開けることでホッパ11内の精白米を送り部12に送る。なお、送り部12の螺旋羽根は、微分時間単位における一定米量の安定的な切り出しのための送り出し部として設けられるが、米の品質や品種等の観点から安定した一定条件のみの場合は省略されてもよい。また、送り部12の全体が省略されていてもよい。この場合、開閉レバー15の開閉と連動するシャッタの開き量によってホッパ11から加圧攪拌部20へ送られる精白米の量が調整される。
【0029】
投入部10の外側を覆うカバー110の前面には操作表示部111が設けられていてもよい。操作表示部111は例えばタッチパネルディスプレイになっており、操作ボタン(アイコン)や処理状況などが表示される。
【0030】
加圧攪拌部20は、筐体100の中段(投入部10の後段)に配置される。加圧攪拌部20は、投入部10から投入された精白米を加圧しながら攪拌して順次送る。この加圧攪拌部20による加圧および攪拌によって、精白米には米研ぎおよび米濯ぎが行われる。加圧攪拌部20は精白米を送りながら順次米研ぎおよび米濯ぎを連続的に行う。加圧攪拌部20の詳細は後述する。
【0031】
第1給水部30は、加圧攪拌部20に水を供給する。第1給水部30から加圧攪拌部20に水が供給されることで、加圧攪拌部20で行う米研ぎおよび米濯ぎに必要な水が与えられる。本実施形態では、第1給水部30は、第1給水ノズル31、第2給水ノズル32および第3給水ノズル33を有する。
【0032】
第1給水ノズル31は、加圧攪拌部20の前段部分(精白米の送り部分)に水を供給する。なお、送り部12の螺旋羽根、または、送り部12の全体が省略される構成においては、加圧攪拌部20が備えるシリンダ21の付け根付近に水を供給するとよい。第2給水ノズル32は、加圧攪拌部20の中段部分(精白米の研ぎ部分)に水を供給する。第3給水ノズル33は、加圧攪拌部20の後段部分(精白米の濯ぎ部分)に水を供給する。
【0033】
第1給水部30は、第4給水ノズル34を有していてもよい。第4給水ノズル34は、加圧攪拌部20の出口付近に水を供給する。これにより、加圧攪拌部20から出される精白米を濯ぐとともにスムーズに軟化した米粒を洗い出すことができる。
【0034】
筐体100の下段には、加圧攪拌部20から出された精白米を受ける釜Pなどを載置する載置部50が設けられる。載置部50には傾斜するトレー120が設けられる。加圧攪拌部20の出口側の下方であって、トレー120の前側に釜Pを載置することにより、加圧攪拌部20から出てくる精白米を釜Pで受ける。また、トレー120が後方に向けて下がるよう傾斜していることで、加圧攪拌部20から排出される水や、釜Pから溢れる水を筐体100の後方へ流し、ホース121から排出できるようになっている。
【0035】
洗米装置1には異物除去部40が設けられていてもよい。異物除去部40は、例えば釜Pに向けて水を供給し、釜P内に水流を造るよう構成される。これにより、加圧攪拌部20から出て釜Pに収容された精白米に異物が混入していた場合でも、この異物を水流で浮遊させて、釜Pの外へ排出することができる。
【0036】
(加圧攪拌部の構成)
図3は、加圧攪拌部の構成を例示する内部構成図である。
図4は、加圧攪拌スクリューを例示する斜視図である。
加圧攪拌部20は、シリンダ21と、シリンダ21内に設けられる加圧攪拌スクリュー22と、圧力調整部23とを備える。シリンダ21は投入部10の下側のカバー110から前方に向けて、僅かに下向きに突出して設けられる。
【0037】
加圧攪拌スクリュー22は、シリンダ21内に設けられており、軸を中心として回転する。カバー110内には加圧攪拌スクリュー22を回転駆動させるためのモータMが設けられる。モータMの回転はプーリPLを介して加圧攪拌スクリュー22に伝達される。
【0038】
圧力調整部23は、シリンダ21の前方に設けられる。圧力調整部23はシリンダ21の突出端側に設けられた開口21aを塞ぐ蓋231と、圧力を調整するための錘232とを備える。錘232の位置は調整可能になっており、錘232の位置によって蓋231を閉じる圧力が調整される。
【0039】
加圧攪拌スクリュー22は、シリンダ21内で回転する軸部220と、軸部220とともに回転する螺旋羽根221、凸条部222および濯ぎ羽根223とを有する。螺旋羽根221は軸部220の前段側(投入部10に近い側)に設けられる。螺旋羽根221は、投入部10から投入された精白米を、回転する螺旋羽根221に沿わせて後段側へ順次送る役目を果たす。螺旋羽根221に沿って後段へ送られる際、精白米は第1給水部30から供給された水に触れ、この水と米粒とが空間中で混合乱流している状態で掻き混ぜられながら送られることになる。
【0040】
凸条部222は、螺旋羽根221よりも後段側に設けられる。凸条部222は、複数の突起部222aを有する。複数の突起部222aは、軸部220の回りに所定間隔で螺旋を描くように配置される。凸条部222では、順次送られた精白米に対して米粒相互間の擦離作用を発生させる。凸条部222には第1給水部30から適度な量の水が供給される。水に濡れた精白米は、複数の突起部222aの回転によってシリンダ21内で掻き混ぜられ、米粒相互の衝突が発生する。この衝突によって米粒相互間の擦離作用が発生し、米研ぎを行うことができる。
【0041】
これにより、複数の突起部222aが軸部220の回りに螺旋を描くように配置されているため、螺旋羽根221によって送られてきた精白米に対して万遍なく擦離作用を与えることができる。突起部222aの形状は、円柱形、角柱型、楕円柱形など、種々取り得るが、円柱形や楕円柱形のような曲面を有する形状であれば、突起部222aに当接した精白米が転がるように掻き混ぜられ、米粒相互間あるいは凸条部222やシリンダ21内の外壁筒部位への接触による擦離作用により米研ぎを行うことができる。
【0042】
濯ぎ羽根223は、凸条部222よりも後段側に設けられる。濯ぎ羽根223は、複数の板羽根223aを有する。本実施形態では、2枚の板羽根223aが軸部220を中心として互いに180度異なる位置に設けられる。濯ぎ羽根223には第1給水部30から適度な量の水が供給される。これにより、濯ぎ羽根223の回転によって、精白米は掻き混ぜられる。これにより米濯ぎが行われる。
【0043】
圧力調整部23の蓋231は、錘232の重さによってシリンダ21の開口を塞ぐように構成される。一方、シリンダ21内には加圧攪拌スクリュー22の回転によって精白米が順次送り込まれる。これにより、精白米はシリンダ21内で所定の圧力を受け、米粒相互間の擦離作用が発生する。そして、シリンダ21内の精白米から蓋231への圧力が、錘232によって蓋231を閉じる圧力よりも大きくなると、蓋231が開いて、シリンダ21の開口21aから精白米が放出されることになる。
【0044】
シリンダ21内には、先に説明した第1給水部30の第1給水ノズル31、第2給水ノズル32および第3給水ノズル33から水が供給される。第1給水ノズル31は、螺旋羽根221に向けて水を供給する。第2給水ノズル32は、凸条部222に向けて水を供給する。第3給水ノズル33は、濯ぎ羽根223に向けて水を供給する。
【0045】
第1給水ノズル31の吐水口31aは、投入部10の送り部12よりも僅かに上方に設けられていることが望ましい。これにより、送り部12から出てきた精白米は、加圧攪拌部20に送られるまでの通路で第1給水ノズル31から供給された水と接し、水の勢いとともにスムーズにシリンダ21内に送り込まれる。
【0046】
図5は、給水ノズルの系統図である。
図5では、第1給水ノズル31〜第4給水ノズル34の系統図が例示される。貯水タンク310にはポンプ320が内蔵される。貯水タンク310からポンプ320によって配管330に送られた水は、配管330の分岐を介して第1給水ノズル31、第2給水ノズル32、第3給水ノズル33および第4給水ノズル34に送られる。
【0047】
第1給水ノズル31、第2給水ノズル32、第3給水ノズル33および第4給水ノズル34のそれぞれの配管330にはバルブ340および水流計350が設けられる。バルブ340の開度は、水流計350の測定値に基づき、図示しない制御部によって制御されてもよい。
【0048】
第1給水ノズル31、第2給水ノズル32、第3給水ノズル33および第4給水ノズル34のそれぞれからの水の供給量は独立に制御されてもよい。これにより、第1給水ノズル31、第2給水ノズル32、第3給水ノズル33および第4給水ノズル34から、米研ぎ、米濯ぎに最適な流量の水が供給される。また、第1給水ノズル31、第2給水ノズル32、第3給水ノズル33および第4給水ノズル34のそれぞれに接続されたバルブの開度を手動で設定し、水流計350によって読み取った流量情報を制御部に送り、設定流量からずれた時に警報を出すようにしてもよい。
【0049】
なお、貯水タンク310は、載置部50と兼用になっていてもよい。また、貯水タンク310は載置部50の内側に収納されていてもよい。これにより、装置の省スペース化を図ることができる。また、
図5に示す例では、貯水タンク310に溜めた水をポンプ320によって配管330に送っているが、貯水タンク310およびポンプ320を設けずに直接水道管から配管330に水を送るようにしてもよい。水道管の水圧が不十分な場合には、水道管と配管330との間に水圧を増加させる増圧ポンプを設けて、給水に対応できる水圧を得るようにしてもよい。ここで、本装置の洗米性能品質を確保する上で、水道水圧の一定化は重要である。なぜならば、上記した加圧攪拌による擦離作用は加えられる水量と切り出され送り込まれる米粒量の比が微分的時間単位の安定比率を要求する装置であるからである。もし同一配管内で水が別途の水に使われると、たちまち水圧が下がり、順次的高圧力が米粒にかかり、砕け押しつぶされ、加圧攪拌スクリュー22がロックして機械本機を壊す場合がある。このため水圧安定の確保が重要である。
【0050】
図6は、加圧攪拌部を例示する斜視図である。
カバー110から突出する加圧攪拌部20の左右の横にはサイドカバー112が設けられる。また、加圧攪拌部20の下方にはサイドカバー112から延びる排水用カバー113が設けられる。排水用カバー113にはホース201が接続され、加圧攪拌部20から下方に落下した水を排水用カバー113で受けて、ホース201から外部に排出することができる。
【0051】
加圧攪拌部20のシリンダ21の下側(底側)には排水スリット21sが設けられている。排水スリット21sはシリンダ21の円周に沿って細長形状に設けられた穴である。排水スリット21sは、精白米がすり抜けない大きさに設けられる。排水スリット21sからは、第1給水ノズル31、第2給水ノズル32および第3給水ノズル33からシリンダ21内に送られ、米研ぎに使用された水が排出される。排水スリット21sから排出された水は、排水用カバー113で受けて、ホース201から外部に排出される。
【0052】
図7は、圧力調整部を例示する斜視図である。
図7には、蓋231が開いた状態が示される。圧力調整部23の蓋231は、支点231aを中心として開閉可能に設けられる。蓋231にはボルト232aが突出するように設けられ、このボルト232aに錘232が取り付けられる。錘232には雌ねじが設けられ、ボルト232aと螺合している。ボルト232aに対する錘232の位置を変えることで、蓋231にかかる圧力を調整することができる。すなわち、錘232を蓋231に近づけるほど支点231aと錘232との距離が近くなり、蓋231を閉じる圧力は弱くなる。反対に、錘232を蓋231から離すほど支点231aと錘232との距離が遠くなり、蓋231を閉じる圧力は強くなる。
【0053】
圧力調整部23による圧力調整によって、シリンダ21内での米粒相互間の擦離作用の強さを調整することができる。例えば、米の種類(ジャポニカ米、インディカ米)や保管状況の変化、使用する御飯の品質要求に応じて圧力調整部23で擦離作用の強さを調整することができる。
【0054】
図8(a)および(b)は、分離部を例示する模式図である。
図8(a)には斜視図が表され、
図8(b)には分離部の断面図が表される。
洗米装置1は、
図8(a)および(b)に示すような分離部60を備えていてもよい。分離部60は、加圧攪拌部20の後段に設けられ、加圧攪拌部20から出てきた精白米と水とを分離する役目を果たす。分離部60は、傾斜して配置された網部61と、網部61の下方に配置された排水路62とを有する。
【0055】
加圧攪拌部20から水に混じった精白米が出てきた場合、その水は網部61を通過して排水路62からホースを介して外部に排出される。一方、精白米は網部61を通過せずに網部61の表面に沿って落下し、釜P内に収容される。
【0056】
図8(b)に示すように、網部61の裏面には水切り分離板63が設けられていてもよい。水切り分離板63は、網部61の裏面に所定の間隔で複数枚配置される。各水切り分離板63は網部61の幅方向に延び、板の面が略垂直になるように設けられる。これにより、網部61を通過した水は、網部61の裏面を伝わり水切り分離板63で下方に落下することになる。すなわち、網部61を通過した水が再び網部61の表面に戻ることを抑制することができる。
【0057】
また、分離部60に向けて濯ぎ水を供給する第2給水部70が設けられていてもよい。第2給水部70は網部61に向けて濯ぎ水を供給する。これにより、網部61の表面に沿って落下する精白米に対してさらなる濯ぎを行うことができる。なお、濯ぎ水は網部61を通過して排水路62から排出されることになる。
【0058】
(洗米動作)
次に、洗米装置1による洗米動作を説明する。
先ず、投入部10のホッパ11から洗米を行う精白米を投入する。この際、開閉レバー15を閉じておくことで、ホッパ11内に必要量の精白米を貯めることができる。次に、操作表示部111を操作して洗米動作の開始を指示する。この際、米の種類や量、米の状態などによって洗米動作(送り部12の回転数、加圧攪拌スクリュー22の回転数、第1給水部30からの水の供給量、制御シーケンサなど)をモード選択できるようにしてもよい。そして、開閉レバー15を開く。
【0059】
これにより、ホッパ11から精白米が加圧攪拌部20に順次送られる。加圧攪拌部20に送られた精白米は、加圧攪拌スクリュー22の回転によってシリンダ21内に送り込まれる。シリンダ21内には第1給水部30から水が供給される。そして、精白米はシリンダ21内を進むとともに、圧力を受けた状態で加圧攪拌スクリュー22の凸条部222によって掻き混ぜられ、米粒相互間の擦離作用によって研がれることになる。
【0060】
さらに、加圧攪拌スクリュー22によって進められた精白米は、濯ぎ羽根223によって掻き混ぜられ、濯がれる。精白米の送りの圧力によって圧力調整部23の蓋231が開き、シリンダ21の開口21aから精白米が出される。分離部60が設けられている場合には分離部60によって精白米と水とが効率良く分離され、米研ぎおよび濯ぎの完了した精白米が釜Pに収納される。
【0061】
また、異物除去部40が設けられている場合には、釜Pに収納された洗米後の精白米に混入した異物(籾殻片や鳥の羽毛片など、軽く水に浮き洗米筒網目から出ない大きく軽い異物)を釜Pの外へ排出することができる。そして、洗米処理後、載置部50の上で釜Pを傾けて釜P内の水を排出する。
【0062】
本実施形態の洗米装置1では、ホッパ11に投入した精白米を加圧攪拌スクリュー22の回転によって連続して洗米することができる。したがって、洗米処理で精白米を貯めておく大きなスペースが不要であり、装置全体の小型化を図ることができる。
【0063】
また、加圧攪拌スクリュー22の回転によってシリンダ21内で精白米を進めながら研ぎおよび濯ぎを行うため、短時間で確実に米粒から糊粉層糠を除去することができる。具体的には、本実施形態の洗米装置1において、ホッパ11に精白米を投入した状態で、精白米が加圧攪拌部20に送られ、開口21aから出てくるまで、5秒から10秒程度の時間である。この短時間が最も重要なことであり、本実施形態では、どんなに大量の米でもその米粒が水と遭遇してから研ぎ、濯ぎが終わるまで全て十秒間以内で行われることになる。
【0064】
本実施形態の洗米装置1では、このような速度で洗米を行うことができる。したがって、例えば5kg〜7kg程度の精白米では、解袋後の米をホッパ11に投入し、載置部50に釜Pをセットし、操作表示部111を操作して洗米動作を開始すると、数十秒(約30秒)後には洗米された精白米が釜Pに収納されることになる。ホッパ11にセンサ(図示せず)を設けておくことで、ホッパ11内の精白米が無くなったことを検知して、洗米装置1を自動停止するようにしてもよい。以上のように、1釜単位での洗米にも有利である。
【0065】
〔第2実施形態〕
図9は、第2実施形態に係る洗米装置を例示する斜視図である。
図10は、第2本実施形態に係る洗米装置を例示する内部構成図である。
本実施形態に係る洗米装置1Bは、比較的大きな釜Pに対応可能な構成を有する。すなわち、洗米装置1Bにおいては、釜Pを載置する載置部50が第1実施形態に係る洗米装置1と相違する。
【0066】
洗米装置1Bにおける載置部50では、釜Pを載置するトレー120が手前に下がるよう傾斜して設けられる。それ以外の構成は第1実施形態に係る洗米装置1と同様である。トレー120が手前に下がるよう傾斜しているため、加圧攪拌部20および分離部60とトレー120との間隔を広く設けることができる。したがって、釜Pの出し入れがし易い。
【0067】
また、トレー120が手前に下がるよう傾斜しているため、洗米後の精白米が収容された重い釜Pをトレー120から引き出す際に、トレー120の傾斜を利用して簡単に引き出すことができる。これらのことより、比較的大きな釜Pに洗米後の精白米を収容したい場合に本実施形態の洗米装置1Bは有効である。
【0068】
上記いずれの実施形態においても、洗米処理後の精白米を受ける釜Pの代わりに洗米ざるを用いてもよい。洗米ざるを用いる場合には、洗米処理による水が洗米ざるに溜まらないため、排水作業を省略することができる。
【0069】
(異物除去)
次に、異物除去部40による異物除去の詳細について説明する。
図11(a)および(b)は、異物除去の例を示す模式図である。
図12は、異物除去用給水ノズルを含む給水ノズルの系統図である。
図11に示すように、異物除去部40は異物除去用給水ノズル35を含む。異物除去用給水ノズル35は、釜Pの内周面の接線上に沿って水を供給するように配置される。異物除去用給水ノズル35は釜Pの上から釜P内に垂れ下がるように配置されてもよい。
【0070】
異物除去用給水ノズル35から水が供給されると、水は釜Pの内周面に沿って流れ、渦を巻くような水流となる(
図11(b)矢印A参照)。釜Pの中に洗米後の精白米とともに異物が混入していた場合、釜Pに満たされる水および水流によって異物が浮き上がり、水流とともに回転する。そして、異物は釜Pからオーバフローする水(
図11(b)矢印B参照)とともに釜Pの外へ排出されることになる。
【0071】
図12に示す給水ノズルの系統において、異物除去用給水ノズル35は、分岐された配管330、バルブ340、水流計350および三方向切替バルブ360を介して設けられる。異物除去を行う際には、三方向切替バルブ360の切り替えによって水を異物除去用給水ノズル35の方向へ送る。これにより、異物除去用給水ノズル35から水が放出される。一方、異物除去を行わない場合には三方向切替バルブ360の切り替えによって配管331の方向へ送る。これにより、水は異物除去用給水ノズル35には送られず、配管331を介して貯水タンク310へ戻ることになる。
【0072】
なお、給水ノズルの系統において、第4給水ノズル34は
図5に示すように独立して設けられていてもよいし、
図12に示すように第3給水ノズル33から分岐して設けられていてもよい。第4給水ノズル34が第3給水ノズル33から分岐して設けられていることで、バルブ340および水流計350を共通化することができる。
【0073】
このような異物除去部40による異物除去によって、釜Pに収容された精白米に異物が混入していた場合でも、この異物を水流で浮遊させて、釜Pの外へ排出することができる。
【0074】
〔第3実施形態〕
図13は、第3実施形態に係る洗米装置を例示する斜視図である。
図14は、水流搬送部の構成を例示する断面図である。
本実施形態に係る洗米装置1Cは、加圧攪拌部20の後段に水流搬送部80を備えている。洗米装置1Cでは、加圧攪拌部20によって米研ぎおよび米濯ぎの完了した精白米が、水流搬送部80へ送られる構成となっている。
【0075】
水流搬送部80は、水流によって精白米をざるSに搬送する機能を有する。精白米を受けるざるSの位置は、作業者が取り扱いしやすい高さに配置されており、この位置まで精白米を水流によって搬送することができる。
【0076】
水流搬送部80は、加圧攪拌部20の下方で精白米を受ける受け部810と、精白米をざるSまで送る搬送パイプ81と、搬送パイプ81に搬送水を供給する搬送水供給部82とを有する。
図14に示すように、受け部810は円筒状の器の底部が中央に向けて狭くなる形状(逆円錐型)になっており、この底部の中央から上方に搬送パイプ81が延びるよう設けられている。
【0077】
搬送パイプ81には吸い込み口81hが設けられる。これにより、受け部810に送られた精白米は、底部に集められて吸い込み口81hから搬送パイプ81内に吸い込まれる。搬送パイプ81の下端には搬送水供給部82が設けられ、搬送パイプ81内に搬送水を送り込んでいる。搬送水供給部82と吸い込み口81hとの間には混合部85が設けられる。混合部85にはエアー供給部83が設けられており、ここで搬送水とエアーとが混合される。
【0078】
混合部85において、搬送水の流路径は搬送水供給部82側から下流に向けて一旦細くなり、その後再び太くなる。流路径が細くなる部分で搬送水の流れる速度が高くなり、太くなる部分で発生する負圧によってエアー供給部83から搬送水にエアーが取り込まれる。エアーの取り込みによって搬送水の勢いは強められ、搬送パイプ81内に送り込まれる。吸い込み口81hから吸い込まれた精白米は、この搬送水の勢いによってざるSの位置まで搬送されることになる。
【0079】
また、精白米は、搬送水によって搬送パイプ81で搬送されながら、搬送水の勢いによって濯がれることになる。したがって、精白米は、加圧攪拌部20での濯ぎに加え、搬送パイプ81で搬送される際にも濯がれることになる。ざるSに送られた精白米は水切りされ、搬送水と分離されることになる。
【0080】
このような洗米装置1Cによって、加圧攪拌部20による米研ぎおよび米濯ぎと、水流搬送部80による搬送およびさらなる米濯ぎとを行い、作業者の取り扱いやすい位置まで精白米を搬送することができる。
【0081】
ここで、洗米装置1Cによる洗米動作の例について説明する。
洗米動作は、次の(1)〜(9)の順に行われる。
【0082】
(1)メインスイッチをONにする。
(2)ホッパ11に白米を投入する。
(3)白米量選択ボタンを押す。これにより、加圧攪拌スクリュー22が回転し、洗米用吸水電磁弁が開となり、第1給水ノズル31、第2給水ノズル32および第3給水ノズル33からの給水が開始される。
(4)作業者が開閉レバー15を開けると、シリンダ21内に白米が供給され、洗米が行われる。洗米された精白米はシリンダ21から排出され、シリンダ21下方の受け部810に落下して溜められる。
(5)ホッパ11に白米が無くなったことをホッパ11のセンサにて認識する。
(6)数秒後に洗米用給水電磁弁が閉となり、同時に残留米排出用電磁弁が開となる。この時、第1給水ノズル31および第3給水ノズル33より高圧水が噴射され(例えば、十数秒間)、シリンダ21内の残留米が排出される。
(7)設定された噴射時間が経過した後、残留米排出用電磁弁が閉となり、同時に水流搬送用電磁弁が開となる。これにより、水流搬送部80の搬送パイプ81に搬送水が送り込まれ、エアー供給部83から搬送水にエアーが取り込まれる。受け部810に溜められた精白米は、搬送パイプ81の吸い込み口81hから吸い込まれ、エアーが混合された搬送水の水流によってざるSに搬送される。
(8)(3)にて設定された投入量に対しての搬送時間が経過した後、水流搬送用電磁弁が閉となり、搬送が終了する。
(9)終了ブザーが鳴り、洗米作業の終了を知らせる。
【0083】
〔他の構成例〕
以上で説明した構成に加え、洗米装置は下記の機能・構成をさらに備えてもよい。
【0084】
(残留米排出機能)
図15は、残留米排出機能を例示する斜視図である。
残留米排出機能は、加圧攪拌部20のシリンダ21内に残った精白米をシリンダ21の外へ排出する機能である。すなわち、加圧攪拌部20のシリンダ21内に精白米を送り込み、加圧攪拌スクリュー22によって加圧攪拌を行う場合、加圧攪拌を終了した後にシリンダ21内に精白米が残留する場合がある。加圧攪拌部20に、この残留米をシリンダ21の外へ排出する機能(残留米排出機能)が付加されていてもよい。
【0085】
残留米排出機能としては、シリンダ21に設けた排出用給水ノズル36が適用される。排出用給水ノズル36は、シリンダ21の付け根側の例えば左右の2箇所に設けられる。第1給水ノズル31が備えるシリンダ21の付け根付近に水を供給する構成を採用する場合、この第1給水ノズル31を排出用給水ノズル36として流用してもよい。この排出用給水ノズル36から高圧の水をシリンダ21内に噴射する。これにより、シリンダ21内に残留した精白米を高圧水によって開口21aからシリンダ21の外へ排出することができる。
【0086】
(他の圧力調整部)
図16は、他の圧力調整部を例示する斜視図である。
図16に示すように、他の圧力調整部23Bは、蓋231から延出する一対の支持プレート235と、一対の支持プレート235の間に配置される可動錘236とを有する。一対の支持プレート235のそれぞれには、ガイド孔235hが設けられる。ガイド孔235hには、下方へ切り込まれた位置設定孔235h1〜235h3が複数箇所設けられている。図示する例では各ガイド孔235hに3箇所の位置設定孔235h1〜235h3が設けられている。
【0087】
可動錘236の両端には凸部236aが設けられており、両端の凸部236aのそれぞれがガイド孔235hに嵌め込まれている。これにより、可動錘236はガイド孔235hに沿って移動可能に支持される。そして、凸部236aを位置設定孔235h1〜235h3のいずれかに嵌め込むことで、可動錘236の支持位置を変えることができる。
【0088】
このような構造により、可動錘236の蓋231からの距離を位置設定孔235h1〜235h3の位置に合わせて段階的に調整することができる。例えば。凸部236aを蓋231から最も近い位置設定孔235h1に嵌め込んだ場合、蓋231を閉じる圧力は最も小さくなる。凸部236aを蓋231から最も遠い位置設定孔235h3に嵌め込んだ場合、蓋231を閉じる圧力は最も大きくなる。また、凸部236aを真ん中の位置設定孔235h2に嵌め込んだ場合、蓋231を閉じる圧力は中程度となる。
【0089】
この圧力調整部23Bでは、可動錘236をガイド孔235hに沿ってスライドさせるだけで、簡単かつ短時間に蓋231の圧力を調整することができる。なお、本実施形態では3つの位置設定孔235h1〜235h3を設けているが、さらに細かく位置設定孔を設けてもよい。
【0090】
(洗米における水の浸透について)
精白米が水に触れると、触れた瞬間から胚乳部澱粉層に水が浸透し始める。この浸透の速度は、約毎秒1〜2μmである。水の浸透が始まると、澱粉粒子間の膨れが始まり、その歪によって澱粉粒体の集合(ブロック単位澱粉粒子の数個単位の集合体)の単位で米粒本体より剥がれる現象が発生する。例えば、2μm×15μmの集合体の大きさでは、水に触れてから約30秒経過後に米粒から澱粉集合物(米澱粉の小さなブロック)が剥がれ出すことになる。言い換えると、このような澱粉集合物の剥がれが発生するまでの時間であれば、米粒相互間に強力な擦離作用を加えてもよい。
【0091】
一方、精白米が水に触れると、触れた瞬間から米粒表面の湿潤軟化が始まる。長時間の湿潤軟化した米粒に加圧して擦り合わせることは米研ぎとして好ましくない。したがって、いかに大量の米であっても数秒以内に米研ぎを行い、数十秒以内に米濯ぎを行った後は、極力米粒に力を加えたくない。
【0092】
本発明者は、このような知見から、精白米と水とが触れてから澱粉集合物が剥がれるまでの時間内に米粒相互間に擦離作用を発生させて米研ぎを行い、その後、速やかに米濯ぎから分離希釈まで行うことで、澱粉集合物の剥がれを起こすことなく、米粒から糊粉層糠を確実に除去できる洗米装置1、1B及び1Cの構成に至った。
【0093】
本実施形態の洗米装置1、1B及び1Cの構成によれば、加圧攪拌部20において一粒当たりの米を洗う時間が5秒以内(最大でも10秒以内)を実現することができ、30秒を超えた浸水時間の米粒を原則的に移動させないように、加圧攪拌部20を1回通過するだけで洗米作業を完了することができる。つまり、一度洗米された精白米が、洗米装置1、1Bを循環して再び洗われることはない。また、洗米装置1Cでは、加圧攪拌部20を通過した米が搬送水供給部82で搬送水と触れることになるが、ジェット水流となっている搬送水と触れている時間はごく短時間であり、米粒表面の湿潤軟化は軽微である。
【0094】
このため、洗米装置1、1Bでは、非常に高い洗米歩留まり率(約99%〜99.3%)を得ることができる。ここで、洗米歩留まり率(%)=(洗米済み米質量/元の精白米質量)×100である。ただし、洗米済み米質量を実際に計測することは困難であるため、BOD(Biochemical Oxygen Demand)値を用いて洗米済み米質量が求められる。
【0095】
BOD値から洗米済み米質量を求める計算式は次のようになる。なお、以下の式において、洗米済み米質量、元の精白米質量および全洗米水量の単位はkgである。
【0096】
洗米済み米質量=元の精白米質量−(全洗米水量×洗米排水BOD値÷0.85)
【0097】
上記式において、BOD値を0.85で割る理由は以下の通りである。すなわち、BOD値より計算する成分質量は絶対質量となり、元々白米が持っている水分15%を含まない質量となる。したがって、15%分を補正するため、BOD値を0.85で割っている。
したがって、BOD値より洗米歩留まり率を求める計算式は次のようになる。
【0098】
洗米歩留まり率(%)=((元の精白米質量−(全洗米水量×洗米排水BOD値÷0.85)/元の精白米質量))×100
【0099】
洗米装置1、1Bにおける洗米歩留まり率の計算の具体例は次のようになる。
洗米条件は、精白米質量100kg、全洗米水量150kg、洗米排水BOD値3500ppmである。BOD値の10000ppmは1%である。
この洗米条件に基づき洗米歩留まり率を計算すると、
((100kg−(150kg×0.0035÷0.85)/100kg))×100=99.38%となる。
また、洗米装置1、1Bでは上記のような短時間で効率良く連続処理することができるため、1時間当たり約600kgの洗米を行う処理能力がある。
【0100】
しかも、洗米装置1、1B及び1Cの設置面積は1m
2程度まで狭くすることができる。このような設置面積で済むことで、店舗やホテル等の厨房のような狭いスペースに置いても邪魔にならない。また、投入部10に洗米したい精白米を投入し、洗米動作を開始すれば自動的に洗米から停止まで行うことができ、複雑な操作を要することなく所望量の洗米を行うことができる。
【0101】
特に、日本国外において入手可能な日本品種米は、日本国内とは異なる白米流通の単袋(5kgや10kg)が主流であり、しかも精米後、常温で200日近く保管された白米である。このような米について洗米するには、上記のような米研ぎおよび米濯ぎの時間特性を考慮した本実施形態の洗米装置1、1B及び1Cが非常に適している。
【0102】
本実施形態の洗米装置1、1B及び1Cによれば、オペレータの経験則や洗米技術などを一切必要とせず、美味しい御飯を炊くことができ、いわゆる足の長い(雑菌数が少なく、変質までの時間が長い)御飯を提供できる洗米を行うことができる。
【0103】
以上説明したように、実施形態に係る洗米装置1、1B及び1Cによれば、洗米作業を誰でもが簡単に行うことができ、多種多様の米を数量の多少に関わらずしっかりと洗米することができ、厨房に置いても邪魔にならない程度の省スペースで設置することが可能になる。
【0104】
なお、上記に本実施形態およびその具体例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、上記では、洗米後の精白米を釜Pへ収容する例を説明したが、洗米装置1、1Bを炊飯ラインへ適用することも可能である。この場合、炊飯ラインにおける炊飯前の搬送部(搬送ライン)の上に加圧攪拌部20や分離部60が配置されるよう洗米装置1、1Bを配置すればよい。また、上記の実施形態では穀物として米を洗浄する場合を例に説明したが、スクリューやシリンダのスリット幅などの変更により、ゴマ、麦(麦茶の原料)、コーヒー豆等、他の穀物を洗浄する穀物洗浄装置として使用することができる。また、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。