【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年1月7日にクリーニングセブン けやき台店(茨城県水戸市酒門町1578−3)に販売 令和2年4月30日にウェブサイト(https://nihon−sealing.com/product/large−packaging.html)、(https://nihon−sealing.com/wp−content/uploads/ss−001.pdf)に掲載 令和2年4月23日にYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=TtU4Jb5gi2Q&list=PLGfmLUW8lWRmZMiRombJHMiooFmTYTXb4)に掲載 令和2年4月に自社パンフレット(「3WAY PACKER」、発行元:株式会社日本シーリング)に掲載 令和2年5月28日に株式会社一条(和歌山県和歌山市今福4−4−38)に販売 令和2年12月3日にYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=YxRn21aYJ6M)に掲載 令和2年5月24日に株式会社東北ランドリー本宮本社工場(福島県本宮市糠沢字赤木376)に販売 令和2年5月24日に株式会社東北ランドリー郡山工場(福島県郡山市田村町金屋字下夕川原3)に販売 令和2年10月12日に頒布された刊行物(テキストスタイルの専門情報誌「Linen Plant」 Vol.33 令和2年秋季号/発行所:ゼンドラ株式会社)に掲載 令和2年6月1日にYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=rlPWxHwjAE8&list=PLGfmLUW8lWRmZMiRombJHMiooFmTYTXb4&index=16)、(https://www.youtube.com/watch?v=rlPWxHwjAE8&list=PLGfmLUW8lWRmZMiRombJHMiooFmTYTXb4&index=17)に掲載 令和2年9月29日に沖縄綿久寝具株式会社(沖縄県名護市字屋部1778−1)に販売
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0016】
図1は、一実施形態に係る包装機械の構成を示す模式図である。本実施形態において、包装装置100は、物品300をフィルム210によって包装するよう構成されている。
【0017】
具体的には、包装装置100は、原反ロール200から引き出されたフィルム210によって、物品300を包むよう構成されている。好ましくは、包装装置100は、物品300をフィルム210で密封する。
【0018】
包装装置100は、必要に応じて、保持ユニット110、成形ユニット120、入口ユニット130、第1押圧ユニット140、第1溶着ユニット150、第2溶着ユニット160、切断ユニット170、出口ユニット180及び第2押圧ユニット190を有していてよい。
【0019】
[物品]
後述するフィルム210によって包装されるべき物品300は、特に限定されない。好ましくは、物品300は、圧縮可能な物品、より具体的には圧縮力により小さくなり得る物品であってよい。そのような物品として、例えば、被服、タオル、及び布団、枕もしくはシーツのような寝具等が挙げられる。
【0020】
後述するが、包装装置100は、複数の物品300をフィルム210で包むよう構成されていてもよい。この場合、包装装置100は、高さ方向に複数の物品300を互いに積層させた状態で、複数の物品300をフィルム210で収容してもよい。この代わりに、又はこれに加えて、物品の搬送方向に並べられた複数の物品300をフィルム210で包んでもよい。すなわち、フィルム210によって包装される物品300は、1つの物であってもよく、複数の物(物品群)であってもよい。以下では、特に言及しない限り、1つの物と複数の物(物品群)とを区別することなく、単に「物品」と称することがあることに留意されたい。
【0021】
[フィルム]
原反ロール200は、巻かれた状態のフィルム210によって構成されていてよい。原反ロール200の形状は、例えば、円筒形状又は円柱形状であってよい。フィルム210は、例えば熱可塑性のフィルムであってよい。
【0022】
フィルム210は、特に限定されないが、例えばポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等であってよい。フィルム210の厚みは、特に限定されないが、例えば10μm以上であってよい。フィルム210の厚みが、30μm未満、詳細には20μm未満であっても、包装装置100は、フィルム210の溶着によって物品300を密封することができることが確認できた。
【0023】
本実施形態では、原反ロール200に巻かれた状態のフィルム210は、フィルム210の長手方向(搬送方向)に沿った中心線で2つ折りされている。この場合、フィルム210は、原反ロール200から引き出され、下流に搬送されるに従って開かれていく。
【0024】
この代わりに、原反ロール200に巻かれた状態のフィルム210は、2つ折りされていなくてもよい。
【0025】
[入口ユニット]
図2は、一実施形態に係る入口ユニット130及び第1押圧ユニット140の模式的斜視図である。入口ユニット130は、フィルム210によって包装されるべき物品300が投入される投入口を構成していてよい。入口ユニット130は、物品300を搬送路に沿って搬送する搬送ユニット132を有していてよい。
【0026】
搬送ユニット132は、物品300を下流側へ搬送する。具体的には、搬送ユニット132は、物品300を、後述する成形ユニット120のところに設けられた搬送路129へ移送させる。搬送ユニット132によって搬送された物品300は、後述するように成形ユニット120のところでフィルム210の内側に配置される。
【0027】
搬送ユニット132の構成は、物品300を搬送可能であれば特に限定されない。本実施形態では、搬送ユニット132は、無端ベルト133と、無端ベルト133が巻かれた複数の搬送ローラ134と、を含んでいてよい。
【0028】
[第1押圧ユニット]
次に、
図2及び
図3を参照して第1押圧ユニット140について説明する。
図3は、一実施形態に係る第1押圧ユニット140の動作を示す模式図である。
【0029】
第1押圧ユニット140は、物品300の搬送方向において、後述する第1溶着ユニット150よりも上流側、より好ましくは後述する成形ユニット120よりも上流側に設けられていてよい。本実施形態では、第1押圧ユニット140は、入口ユニット130のところに設けられている。
【0030】
第1押圧ユニット140は、フィルムの内側に配置させる前の物品300を押圧可能に構成されている。第1押圧ユニット140は、物品300の高さ方向から物品300を押さえる第1押圧板142と、物品300の搬送方向と高さ方向の両方に交差する横方向から物品300を押さえる第2押圧板144のうちの少なくとも一方を有することが好ましい。より好ましくは、第1押圧ユニット140は、第1押圧板142と第2押圧板144の両方を有する。
【0031】
第1押圧板142は、高さ方向から物品300を下方に押さえるよう構成されていてよい。第1押圧板142は、入口ユニット130の搬送ユニット132の上方に位置していてよく、高さ方向に移動可能に構成されていてよい。第1押圧板142は、静止した搬送ユニット132上に置かれた物品300に向かって下方に移動し、これにより物品300を搬送ユニット132の方に押圧してよい。
【0032】
物品300が圧縮力により小さくなり得る物である場合、第1押圧板142により物品300を圧縮させてから、コンベア132により物品300を下流に搬送することが好ましい。圧縮により物品300が高さ方向に高くなりすぎることを防ぐとともに、物品300がコンベア132上で安定し易くなる。これにより、物品300は、成形ユニット120においてフィルム210の内側に綺麗に収まり、さらには後述する第2押圧ユニット190による押圧時に物品300の形が崩れることが抑制される。
【0033】
特に、圧縮力により小さくなり得る物品300が高さ方向に互いに積層されている場合、積み重ね方によっては、物品300は比較的不安定になり、物品300が横に倒れたり斜めに傾いたりすることがある。この場合であっても、第1押圧板142によって複数の物品300を互いに圧縮させることによって、複数の物品300を比較的に安定に維持することができるようになる。これにより、物品300の搬送中や物品300の包装中に物品300の形状が崩れることを抑制することができる。
【0034】
第1押圧板142は、物品300の搬送方向において複数の部分に分割されていてもよい。この場合、第1押圧板142の各々の部分は、独立して高さ方向に移動可能であってもよい。この場合、搬送方向における物品300の長さに応じて、可動させる第1押圧板142の部分を選択すればよい。この場合、包装装置100は、搬送方向における長さが異なる物品300を取り扱うことができるようになる。
【0035】
第2押圧板144は、横方向から物品300を押さえるよう構成されている。ここで、「横方向」は、物品300の搬送方向Tと高さ方向の両方に交差する方向によって規定される(以下、同様。)。
【0036】
第2押圧板144は、物品300を横方向から挟むことができるよう一対設けられていてよい。一対の第2押圧板144は、物品の搬送方向において第1押圧板142と実質的に同じ位置に設けられていてよい。
【0037】
一対の第2押圧板144は、一対の第2押圧板144どうしの間の間隔を変えられるよう横方向に移動可能に構成されていてよい(
図3も参照)。一対の第2押圧板144のうちの一方のみが、横方向に往復移動可能に構成されていてもよく、一対の第2押圧板144の両方が、横方向に往復移動可能に構成されていてもよい。
【0038】
第2押圧板144は、静止したコンベア132上に置かれた物品300を横方向から挟む。これにより、物品300の姿勢が安定化し、物品300の形が崩れたり、物品300が倒れたりすることを抑制することができる。第2押圧板144は、第1押圧板142と同様に、高さ方向に互いに積層された複数の圧縮可能な物品300に対して好適に利用できる。
【0039】
また、第1押圧板142と第2押圧板144の両方によって物品300を押圧することによって、物品300の姿勢がより安定化し、物品300の形が崩れたり、物品300が倒れたりすることをより抑制することができる。
【0040】
次に、第1押圧ユニット140の動作の好ましい例について、
図3を参照しつつ説明する。まず、第2押圧板144が可動し、横方向から物品300を押さえる(
図3の(A)〜(B)参照)。次に、第1押圧板142が可動し、高さ方向から物品300を押さえる(
図3の(B)〜(C)参照)。このように、まず第2押圧板144が物品300を押さえ、それから第1押圧板142が物品300を押さえることが好ましい。
【0041】
ここで、第1押圧板142は、第2押圧板144が物品300を押さえた状態で物品300を押さえる。この場合、第2押圧板144が物品300の姿勢を安定化させた状態で、第1押圧板142が物品300を下方に圧縮することになる。したがって、物品300の形がより安定する。特に、複数の物品300が高さ方向に互いに積層されている場合であっても、積層された物品300が第1押圧板142による高さ方向における押圧力によって崩れてしまうことを抑制することができる。
【0042】
なお、第2押圧板144は、第1押圧板142よりも先に移動を開始してもよく、第1押圧板142よりも後に移動を開始してもよく、第1押圧板142と同時に移動を開始してもよい。好ましくは、一対の第2押圧板144どうしの間の間隔が極小になった状態で第2押圧板144が停止した後に、第1押圧板142は、移動を開始するか、又はさらに下方に向かって移動することが好ましい。
【0043】
物品300は、第1押圧板142と第2押圧板144による押圧の解除後に、搬送ユニット132によって成形ユニット120に向けて搬送される。
【0044】
[保持ユニット]
次に、
図4及び
図5を参照して保持ユニット110の構成の例について説明する。
図4は、一実施形態に係る原反ロールを保持した保持ユニット110の斜視図である。
図5は、物品の搬送方向から見た、原反ロール200、原反ロール200から引き出されたフィルム210、及び成形ユニット120の模式図である。
【0045】
保持ユニット110は、原反ロール200を保持可能に構成されていてよい。保持ユニット110の構成は、フィルム210の引き出し中の原反ロール200を保持可能であれば、特に限定されない。
【0046】
本実施形態では、保持ユニット110は、少なくとも2つ、図示した例では一対の保持ローラ112を有していてよい。一対の保持ローラ112は、互いに間隔をあけて配置されており、原反ロール200を積載可能に構成されている。原反ロール200の荷重が少なくとも2つの保持ローラ112によって保持されるため、保持ユニット110は、比較的重量の大きい原反ロール200を保持することができる。
【0047】
一対の保持ローラ112は、回転可能に構成されていてよい。より具体的には、一対の保持ローラ112は、原反ロール200の回転に伴い従動回転可能に構成されていてよい。これにより、原反ロール200からフィルム210が引き出されると、原反ロール200とともに一対の保持ローラ112が回転する。したがって、比較的小さい力で原反ロール200からフィルム210を引き出すことができる。
【0048】
前述した例の代わりに、保持ユニット110は、例えば円筒形状の原反ロール200の中心の中空部を通る回転可能な不図示のバーを有していてもよい。
【0049】
原反ロール200から引き出されたフィルム210は、少なくとも1つのローラ114を経て、後述する成形ユニット120に導入される。
【0050】
保持ユニット110は、成形ユニット120の上方又は下方に設けられていることが好ましい。この場合、保持ユニット110と成形ユニット120が上下方向に重ねて配置されるため、包装装置100の省スペース化を図ることができる。
【0051】
より好ましくは、図示したように、保持ユニット110は、成形ユニット120の下方に設けられる。この場合、原反ロール200が比較的下方に位置することになるため、原反ロール200の交換が比較的に容易になるというメリットが得られる。
【0052】
[成形ユニット]
次に、
図4〜
図12を参照して、成形ユニットの構成の例について説明する。
図6は、一実施形態に係る成形ユニット120を構成する外側案内部の模式的斜視図である。
図7は、物品300の搬送方向と高さ方向の両方に直交する横方向から見た成形ユニット120の模式的側面図である。
図8は、高さ方向から見た成形ユニット120の模式的平面図である。
図9は、
図8の9A−9A線に沿った成形ユニット120の模式的断面図である。
図10は、物品300の搬送方向と高さ方向の両方に直交する方向から見た成形ユニット120を構成する外側案内部121の模式的側面図である。
図11は、高さ方向から見た成形ユニット120を構成する外側案内部121の模式的平面図である。
図12は、成形ユニット120を通るフィルム210の動きを説明するための模式図である。
【0053】
成形ユニット120は、物品300がフィルム210の内側に位置するよう物品300のまわりにフィルム210を配置させるよう構成されている。本実施形態では、成形ユニット120は、原反ロール200から引き出されたフィルム210を筒状に成形するよう構成されていてよい。具体的には、フィルム210は、成形ユニット120によって、物品300の搬送方向に沿って延びた筒状に成形される。したがって、フィルム210は、成形ユニット120の下流側の端部付近で、物品300の搬送方向に直交する断面において環状になる。
【0054】
成形ユニット120は、外側案内部121と、内側案内部(第3案内部)126と、を有していてよい。内側案内部126は、物品の搬送路を取り囲む筒部材によって構成されていてよい(
図6及び
図9参照)。本実施形態では、内側案内部126は、物品300の搬送方向に沿って延びた略長方形又は略正方形状の筒部材によって構成されている。この場合、入口ユニット130から送られてきた物品は、内側案内部126の内部の搬送路を通る。内側案内部126は、後述するように、搬送路上の物品300のまわりで筒状に成形されたフィルムの形状をフィルム210の内側から維持する。
【0055】
外側案内部121は、内側案内部126を取り囲むよう構成されていてよい。具体的には、外側案内部121は、第1案内部122及び第2案内部123を有する。第1案内部122は、横方向における内側案内部126の外側に位置する側板122aと、高さ方向における内側案内部126の上方に位置する平板122bと、を有していてよい。側板122aと平板122bは、一体的に構成されていてよい。
【0056】
第2案内部123は、横方向における内側案内部126の外側に位置する側板123aと、高さ方向における内側案内部126の上方に位置する平板123bと、を有していてよい。側板123aと平板123は、一体的に構成されていてよい。
【0057】
第2案内部123の側板123aは、内側案内部126を挟んで、第1案内部122の側板122aとは反対側に位置する。第1案内部122の側板122aと内側案内部126との間に、フィルム210が通過可能な隙間S1が形成されていてよい(
図9参照)。また、第2案内部123の側板123aと内側案内部126との間に、フィルム210が通過可能な隙間S2が形成されていてよい。
【0058】
第1案内部122の平板122bは、横方向における内側に向けて突出しており、第2案内部123の平板123bも、横方向における内側に向けて突出している。これにより、第1案内部122の平板122bは、横方向における中央付近で、第2案内部123の平板123bと重なっている(
図8及び
図11参照)。
【0059】
第1案内部122の平板122bと第2案内部123の平板123bとが重なっている領域D1において、平板122bと平板123bとの間には、フィルム210が通過可能な隙間S3が形成されていてよい(
図9参照)。また、平板122bと平板123bのうちの内側案内部126に近い方の平板(図では122a)は、内側案内部126との間にフィルム210が通過可能な隙間S4をあけて配置されている。
【0060】
第1案内部122は、後述する第1部分122c及び第2部分122dを有していてよい。第1部分122cは、成形ユニット120に導入されるフィルム210の流れの第1方向(図の矢印A1)から、成形ユニット120から導出されるフィルム210の流れの第2方向(図の矢印A2)に向かって傾斜した部分である。本実施形態では、第1部分122cは、物品300の搬送方向の上流側における第1案内部122の側板122aの端部によって構成されている。
【0061】
第2部分122dは、第1部分122aから連続して延び、上記第1方向(図の矢印A1)と上記第2方向(図の矢印A2)の両方に交差する第3方向(図の矢印A3)から上記第2方向に向かって傾斜した部分である。本実施形態では、第2部分122dは、物品300の搬送方向の上流側における第1案内部122の平板122bの端部によって構成されている。
【0062】
第2案内部123は、第1案内部122と対称な形状を有していてよい。具体的には、第2案内部123は、後述する第3部分123c及び第4部分123dを有していてよい。第3部分123cは、成形ユニット120に導入されるフィルム210の流れの第1方向(図の矢印A1)から、成形ユニット120から導出されるフィルム210の流れの第2方向(図の矢印A2)に向かって傾斜した部分である。本実施形態では、第3部分123cは、物品300の搬送方向の上流側における第2案内部123の側板123aの端部によって構成されている。
【0063】
第4部分123dは、第3部分123aから連続して延び、上記第1方向(図の矢印A1)と上記第2方向(図の矢印A2)の両方に交差する第3方向(図の矢印A3)から上記第2方向に向かって傾斜した部分である。本実施形態では、第4部分123dは、物品300の搬送方向の上流側における第2案内部123の平板123bの端部によって構成されている。
【0064】
したがって、第1案内部122の第1部分122cと第2案内部123の第3部分123cは、内側案内部126、より詳細には物品300の搬送路を挟んで互いに対向して設けられる。また、第1案内部122の第2部分122dと第2案内部123の第4部分123dは、第1方向(図の矢印A1)から見て互いに交差するよう構成されている。
【0065】
前述した内側案内部(第3案内部)126は、第1部分122c、第2部分122d、第3部分123c及び第4部分123dによって囲まれる領域の内側を通っており、上記第2方向、すなわち物品300の搬送方向に沿って延びていてよい。具体的には、物品300の搬送路は、内側案内部126の内部に構成されていてよい。
【0066】
さらに、成形ユニット120は、互いに接するフィルム210の間隔を広げる拡幅部125を有していることが好ましい。拡幅部125は、フィルム210の流れの上流側に向かって第1案内部122から延びた第1側板125aと、フィルム210の流れの上流側に向かって第2案内部123から延びた第2側板125bと、を有していてよい。
【0067】
第1側板125aの表面は、第1案内部122の側板122aの表面と実質的に連続的に繋がっていてよい。同様に、第2側板125bの表面は、第2案内部123の側板123aの表面と実質的に連続的に繋がっていてよい。
【0068】
第1側板125aの表面と第2側板125bの表面との間の距離はフィルム210の流れの上流側に向かうにつれて狭くなっている。したがって、拡幅部125は、三角柱状の形状を有していてよい。
【0069】
物品の搬送方向における上流側における第1側板125aと第2側板125bの端部は、成形ユニット120に導入されるフィルム210の流れの第1方向(図の矢印A1)から、成形ユニット120から導出されるフィルム210の流れの第2方向(図の矢印A2)に向かって傾斜していてよい。
【0070】
包装装置100は、成形ユニット120に導入される前のフィルム210を挟むニップロール400を有していてよい。ニップロール400は、原反ロール200から引き出され、成形ユニット120に導入される直前のフィルム210を挟んでいてよい。
【0071】
好ましくは、ニップロール400は、成形ユニット120、より詳細には拡幅部125の直下に設けられる。これにより、成形ユニット120に導入されるフィルム210の流れの第1方向(図の矢印A1)は、水平面に交差する鉛直方向に沿う。これにより、前述したように、原反ロール200が、成形ユニット120の下方に配置可能になる。
【0072】
本実施形態では、前述したように、原反ロール200から引き出されたフィルム210は、ニップロール400に達するまで、フィルムの搬送方向に沿った折り線に沿って半分に折られている。
【0073】
拡幅部125は、折られたフィルム210を開きつつ、フィルム210を案内する。図示した例では、フィルム210は、拡幅部125のところで高さ方向の上方へ向かって移動している。ここで、折り線に関して一方の側のフィルム210は、拡幅部125の第1側板125aの表面に接しながら移動し、折り線に関して他方の側のフィルム210は、拡幅部125の第2側板125bの表面に接しながら移動する。第1側板125aの表面と第2側板125bの表面との間の距離は、下流側に向かうにつれて広がっているため、折られたフィルム210は下流側に向かうにつれて開かれることになる。したがって、開かれたフィルム210の中央付近、すなわち折り線付近の部分は、物品の搬送方向における上流側における第1側板125aと第2側板125bの端部の傾斜部分にわたって広がることになる(
図5及び
図12参照)。なお、
図12では、フィルム210がもともと折られていた折り線210aが、一点鎖線によって示されている。また、
図5において、開かれたシート210は、便宜上、ドット状の塗りつぶしにより示されている。さらに、
図12において、視認可能なシート210は、便宜上、ドット状の塗りつぶしにより示されている。さらに、
図9において、シート210の視認可能な部分の流れが実線の矢印で示されており、シート210の視認不能な部分(成形ユニット120で隠れた部分)の流れが点線の矢印で示されている。
【0074】
フィルム210が、拡幅部125とから外側案内部121の位置に達すると、横方向におけるフィルム210の両端の領域は、外側案内部121の側板122aと側板123aに接しながら移動する。このとき、開かれたフィルム210の中央付近は、内側案内部126に当接してこれ以上は上方へ移動せず、内側案内部126の底と拡幅部125の上端部との間の隙間に入って、物品300の搬送方向に沿って流れ始める。
【0075】
さらに、第1案内部122の平板122bに沿って上方に向かって流れるフィルム210の一方の端の領域のうち比較的中央に近い部分は、第1案内部122の第1部分122c、ここでは第1案内部122の側板122aの傾斜した端部のところで、側板122aの内側へ折り返されて側板122aと内側案内部126との間の隙間に進入し、物品300の搬送方向に沿って流れ始める。
【0076】
同様に、第2案内部123の平板123bに沿って上方に向かって流れるフィルム210の他方の端の領域のうち比較的中央に近い部分は、第2案内部123の第3部分123c、ここでは第2案内部123の側板123aの傾斜した端部のところで、側板123aの内側へ折り返されて側板123aと内側案内部126との間の隙間に進入し、物品300の搬送方向に沿って流れ始める。
【0077】
また、第1案内部122の平板122bに沿って上方に向かって流れるフィルム210の一方の端の領域のうちの外側の部分は、第1案内部122の平板122bに沿って横方向に移動した後、第1案内部122の第2部分122d、ここでは第1案内部122の平板122bの傾斜した端部のところで、平板122bの内側へ折り返されて平板122bと内側案内部126との間の隙間に進入し、物品300の搬送方向に沿って流れ始める。
【0078】
同様に、第2案内部123の平板123bに沿って上方に向かって流れるフィルム210の他方の端の領域のうちの外側の部分は、第2案内部123の平板123bに沿って横方向に移動した後、第2案内部123の第4部分123d、ここでは第2案内部123の平板123bの傾斜した端部のところで、平板123bの内側へ折り返されて平板123bと内側案内部126との間の隙間に進入し、物品300の搬送方向に沿って流れ始める。
【0079】
したがって、成形ユニット120から導出されるフィルム120は、筒状に成形され、物品300の搬送方向に沿って搬送されることになる。ここで、フィルム210の端部同士は、内側案内部126の上部のところで互いに重なった状態になる。具体的には、フィルム210の表面がフィルムの裏面に向くように重なった重畳部が、内側案内部126の上部に形成される。
【0080】
ここで、内側案内部126は、フィルム210の形状をフィルム210の内側から維持する案内部材として機能する。また、内側案内部126は、入口ユニット130から送られた物品300の搬送路を取り囲む筒部材となっている。したがって、内側案内部126は、物品300のまわりで筒状に成形されたフィルムの形状をフィルムの内側から維持する。
【0081】
本実施形態における成形ユニット120では、鉛直方向に沿って移動するフィルム210の進行方向を物品300の搬送方向に沿った方向に変えながら、フィルム210を筒状に成形することができる。したがって、フィルム210を筒状に成形するために必要な設備的なスペース、特に平面的に必要なスペースが狭くなるため、包装装置100の平面的(2次元的)なサイズを小さくすることができる。
【0082】
成形ユニット120を通ったフィルム120は、後述する第1溶着ユニット150へ進入する。
【0083】
[第1溶着ユニット]
次に、
図13〜
図17を参照して第1溶着ユニット150の構成の一例について説明する。
図13は、第1溶着ユニット150とその付近の模式的側面図である。
図14は、物品の搬送方向と高さ方向の両方に直交する方向から見た第1溶着ユニットの拡大側面図である。
図15は、物品の搬送方向と高さ方向の両方に直交する方向から見た、フィルムの溶着中における第1溶着ユニットの拡大側面図である。
図16は、物品の搬送方向から見た第1溶着ユニットの拡大平面図である。
図17は、物品の搬送方向から見た、フィルムの溶着中における第1溶着ユニットの拡大平面図である。
【0084】
本実施形態では、第1溶着ユニット150は、物品300のまわりに配置されたフィルム210を、フィルム210の搬送方向に沿って溶着するよう構成されている。具体的な例では、第1溶着ユニット150は、成形ユニット120で筒状に成形されたフィルムに対して、フィルム210の搬送方向に沿った溶着ラインを形成する。
【0085】
前述した態様では、成形ユニット120で筒状に成形されたフィルム210は、互いに重なった重畳部分を有する。この重畳部分は、フィルム210の搬送方向、すなわち物品300の搬送方向に沿って延びる。第1溶着ユニット150は、フィルム210の重畳部分を加熱溶着する。これにより、筒状のフィルム210は自然には開かないようになる。
【0086】
第1溶着ユニット150は、成形ユニット120で成形されたフィルム210を溶着可能な位置に設けられていればよい。具体的には、第1溶着ユニット150は、フィルム210の搬送方向において成形ユニット120よりも下流側に設けられている。
【0087】
好ましくは、包装装置100は、成形ユニット120の内側案内部126から連続的に延びた筒部材を有していている。この筒部材は、物品300の搬送路を取り囲んでいてよい。この場合、第1溶着ユニット150は、物品300の搬送方向において当該筒部材の位置に設けられていることが好ましい。これにより、成形ユニット120で成形されたフィルム120をすぐに搬送方向に沿って溶着することができる。
【0088】
第1溶着ユニット150は、回転可能に構成されたローラ151と、ローラ151を保持する保持部152と、ローラ151を受ける受け部153と、を有する。ローラ151は、加熱可能に構成されていてよい。受け部153は、フィルム210を案内する案内板上に設けられていてよいが、これに限定されない。
【0089】
ローラ151と受け部153は、互いに対向して設けられている。具体的には、ローラ151は、搬送中のフィルム210に関して受け部153とは反対側に設けられている。
【0090】
保持部152は、ローラ151を回転自在に保持しており、ローラ151を昇降させる機能を有していてよい。保持部152がローラ151を降下させることによって、ローラ151が受け部153に押し当てられる。
【0091】
ローラ151は、フィルムの搬送方向に沿って回転可能に構成されていてよい。好ましくは、ローラ151は、例えばモータのような駆動装置の作用によって、積極的に回転可能に構成されている。フィルム210を搬送方向に沿って溶着するときに、ローラ151が回転した状態で、ローラ151が受け部153に向けて押下されることが好ましい。
【0092】
具体的には、ローラ151は、フィルム210の搬送スピードに合わせた速さで回転しつつ、フィルム210に押し当てられることが好ましい。これにより、ローラ151からフィルム210に加えられる摩擦力を大幅に低下させることができるため、加熱溶着中にフィルム210が破れる可能性を低下させることができる。
【0093】
ローラ151は、フィルム210の溶着中に自転するが、物品300及び/又はフィルム210の搬送方向に移動はしなくてよい。この場合、加熱溶着中、ローラ151は搬送方向において静止した状態で、フィルム210が搬送方向に沿って移動する。これにより、フィルム210に搬送方向に沿った溶着ラインを形成することができる。
【0094】
なお、ローラ151は、フィルム210の加熱溶着をしない間、例えばフィルム210の搬送が止まっている間、フィルム210や受け部153から退避していればよい。
【0095】
具体的には、後述する第2押圧ユニット190による物品300の押圧期間や、第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着期間や、切断ユニット170によるフィルム210の切断期間には、フィルム210の搬送を停止していてよい。ローラ151は、このような期間に、フィルム210や受け部153から退避していればよい。
【0096】
第1溶着ユニット150は、ローラ151と受け部153との間の押圧力を緩衝させる緩衝部材154を有することが好ましい。本実施形態では、緩衝部材154は、受け部153を支えるばねを有していてよい。
【0097】
緩衝部材154は、ローラ151から受け部153へ向けて押圧される力を緩和する。言い換えると、溶着中にローラ151からフィルム210に加わる力が緩和される。したがって、加熱溶着中にフィルム210が破れる可能性をより低下させることができる。
【0098】
受け部153は、回転可能な少なくとも1つ、好ましくは複数の受けローラ155を有していてよい。受けローラ155は、搬送中のフィルム210との摩擦力によって従動回転可能に構成されていてよい。これにより、ローラ151がフィルム210を介して受けローラ155へ向けて押圧されると、受けローラ155も回転する。
【0099】
受けローラ155が従動回転することによって、受け部153とフィルム210との間の摩擦力が低減される。したがって、加熱溶着中にフィルム210が破れる可能性をより低下させることができる。
【0100】
また、受けローラ155が複数設けられていると、ローラ151は、それぞれの受けローラ155に向けて押圧される。すなわち、ローラ151から受け部153に加えられる押圧力は、複数の点に分散される。したがって、各々の受けローラ155にかかるローラ151からの押圧力が低減される。よって、加熱溶着中にフィルム210が破れる可能性をより低下させることができる。
【0101】
ローラ151は、ローラ151の回転方向、すなわち周方向に沿って延びた少なくとも1本の突起151aを有していてよい。好ましくは、ローラ151は、ローラ151の回転方向に沿って延びた少なくとも2本の突起151aを有していてよい。
【0102】
ローラ151が少なくとも2本の突起151aを有している場合、ローラ151からの押圧力は、複数の点で受け部153に伝わる。したがって、ローラ151から受け部153に加えられる押圧力は、複数の点に分散され、加熱溶着中にフィルム210が破れる可能性をより低下させることができる。
【0103】
少なくとも2本の突起151aは、横方向に互いに間隔をあけて設けられていてよい。これにより、少なくとも2本の突起151aを押し当てることによってフィルム210に少なくとも2本の溶着ラインが形成される。これにより、横方向における溶着ライン全体の溶着幅を確保することができる。また、各々の突起151aの幅は小さいため、各々の突起151aからフィルム210に大きすぎる熱が伝達させることが抑制される。これにより、比較的薄いフィルム210であっても、加熱のしすぎによるフィルム210の破損が抑制される。
【0104】
上述したローラ151に関する構成、例えばローラ151の積極的な回転及び/又は少なくとも2本の突起151a、並びに/若しくは、上述した受け部153に関する構成、例えば受けローラ155及び/又は緩衝部材154によって、包装装置100は、比較的低い強度を有する薄いフィルム210であっても、フォルム210の搬送方向に沿った溶着ライン(縦シール)を形成することができる。
【0105】
例えばフィルム210の厚みは、30μm未満であってもよく、20μm未満であってもよい。このような薄いフィルム210であっても、フィルム210が破損することなく、物品300を包むことができる。本願の発明者は、例えば17μmの厚みを有するポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムを用いて物品300を綺麗に密封することができることを確認した。
【0106】
また、比較的高い強度を有するフィルム210であれば、より薄いフィルム210も利用可能ある。例えば、0.94g/cm
3以上の密度を有する高密度ポリエチレンフィルムを利用した場合、本願の発明者は、例えば13μmの厚みを有するフィルム210を用いて物品300を綺麗に密封することができることを確認した。
【0107】
もっとも、本発明の包装装置100は、より厚いフィルム210に対しても好適に利用することができることに留意されたい。したがって、フィルム210の厚みは、30μm以上であってもよい。
【0108】
なお、包装装置100は、物品の搬送方向において第1溶着ユニット150よりも下流側に搬送ローラ500を有していてよい。搬送ローラ500は、フィルム210を下流側に向けて搬送可能に構成されている。搬送ローラ500によってフィルム210を引っ張ることによって、フィルム210は原反ロール200から引き出されつつ、下流側に搬送される。
【0109】
[第2溶着ユニット及び切断ユニット170]
次に、
図18を参照し、第2溶着ユニット160及び切断ユニット170と、それらに付随し得る構成について説明する。
図18は、一実施形態に係る第2溶着ユニット160、切断ユニット170、維持ユニット166、押さえユニット168、及び出口ユニット180の一部付近の模式的側面図である。
【0110】
第2溶着ユニット160は、物品300の搬送方向において、第1溶着ユニット150と出口ユニット180との間に設けられていてよい。
【0111】
第2溶着ユニット160は、物品300を包んだ状態でフィルム210の封止するようフィルム210を溶着する。本実施形態では、第2溶着ユニット160は、物品300の搬送方向と高さ方向の両方に交差する横方向に沿ってフィルム210を溶着するよう構成されている。
【0112】
したがって、第2溶着ユニット160が、フィルム210に覆われた物品300の上流側と下流側において、横方向に沿ってフィルム210を溶着すると、物品300がフィルム210によって密封されることになる。
【0113】
第2溶着ユニット160は、横方向に沿って延びた加熱するバー162を有していてよい。加熱するバー162は、フィルム210の上方及び/又は下方に位置しており、フィルム210の溶着中にフィルム210を高さ方向から挟むよう構成されていてよい。
【0114】
本実施形態では、フィルム210の上方及び/又は下方に位置する加熱するバー162は、物品の搬送方向に沿って2つ並んで設けられている。物品300の搬送方向に並んだ一対の加熱するバー162どうしの間に、切断ユニット170が設けられていてよい。なお、本実施形態では、フィルム210の上方に位置する加熱するバー162は、ばね機構を介して保持部164により保持されていてよい。
【0115】
切断ユニット170は、フィルム210を横方向に沿って切断可能なカッターを有していてよい。切断ユニット170は、特に限定されないが、好ましくは保持部164に保持されていてもよい、
【0116】
この場合、切断ユニット170は、第2溶着ユニット160とともに昇降可能に構成される。第2溶着ユニット160及び切断ユニット170がフィルム210から退避している際、切断ユニット170を構成するカッターの先端は、第2溶着ユニット160を構成する加熱するバー162よりも上方に退避している。
【0117】
第2溶着ユニット160及び切断ユニット170がフィルム210に向かって下降したとき、第2溶着ユニット160の加熱するバー162が先にフィルム210に押圧され、フィルム210に横方向に沿った溶着ラインが形成される。さらに、保持部164が下降すると、ばね機構の作用により第2溶着ユニット160の加熱するバー162の位置は変わらないが、切断ユニット170のカッターの先端がフィルム210に達することになる。
【0118】
これにより、フィルム210が、第2溶着ユニット160によって溶着されたラインに沿って切断される。ここで、切断ユニット170が物品300の搬送方向に並んだ一対の加熱するバー162どうしの間に設けられていると、フィルム210は横方向に沿った一対の溶着ライン同士の間で切断されることになる。なお、第2溶着ユニット160及び切断ユニット170の好ましい動作の詳細な例については、後述する。
【0119】
包装装置100は、物品300の搬送方向において、第2溶着ユニット160と出口ユニット180との間に設けられた維持ユニット166を有していてもよい。この代わりに、又はこれに加えて、維持ユニット166は、物品300の搬送方向において第2溶着ユニット160の上流側、具体的には第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160の間に設けられていてもよい。
【0120】
維持ユニット166は、物品300の搬送方向と高さ方向の両方に交差する横方向に沿って延びた棒状又は板状の部材を有していてよい。維持ユニット166は、高さ方向に昇降可能に構成されていてよい。より好ましくは、維持ユニット166は、必要時にフィルム210を挟むことによって、フィルム210の高さ位置を維持するよう構成されていてよい。
【0121】
維持ユニット166は、後述するように、第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着中に、後述する積載部196と第2溶着ユニット160との間、及び/又は第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160との間で、フィルム210を所望の高さ位置で維持するよう構成されていてよい。
【0122】
また、包装装置100は、物品300の搬送方向において、第2溶着ユニット160よりも上流側に設けられた押さえユニット168を有していてもよい。より具体的には、押さえユニット168は、物品300の搬送方向において、第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160との間に設けられていてよい。押さえユニット168の構成については後述する。
【0123】
[出口ユニット及び第2押圧ユニット]
次に、
図19及び
図20を参照し、出口ユニット180及び第2押圧ユニット190について説明する。
図19は、一実施形態に係る出口ユニット180及び第2押圧ユニット190の模式的斜視図である。
図20は、出口ユニット180及び第2押圧ユニット190の動作を示す模式図である。
【0124】
出口ユニット180は、フィルム210によって包装された物品300が排出される排出口を構成していてよい。出口ユニット180は、物品300を排出する搬送ユニット182を有していてよい。搬送ユニット182は、物品300を下流側へ移送させるよう構成されていてよい。
【0125】
搬送ユニット182の構成は、特に限定されない。本実施形態では、搬送ユニット182は、無端ベルト183と、無端ベルト183が巻かれた複数の搬送ローラ184と、を含んでいてよい。
【0126】
第2押圧ユニット190は、出口ユニット180に設けられていてよい。第2押圧ユニット190は、フィルム210の内側に位置する物品300を支える積載部196を有していてよい。
【0127】
積載部196は、物品300の高さ方向に移動可能に構成されていてよい。具体的には、積載部196は、フィルム210に包まれた物品300の高さ方向における位置を変動させる昇降機構198を有していてよい。
【0128】
第2押圧ユニット190は、フィルムの内側に位置する物品300を押圧可能に構成されている。第2押圧ユニット190は、物品300の高さ方向から物品300を押さえる第3押圧板192と、物品300の搬送方向と高さ方向の両方に交差する横方向から物品300を押さえる第4押圧板194のうちの少なくとも一方を有することが好ましい。より好ましくは、第2押圧ユニット190は、第3押圧板192と第4押圧板194の両方を有する。
【0129】
第3押圧板192は、高さ方向から物品300を下方に押さえるよう構成されていてよい。第3押圧板192は、積載部196の上方に位置していてよく、高さ方向に移動可能に構成されていてよい。第3押圧板192は、静止した物品300に向かって下方に移動し、これにより物品300を積載部196の方に押圧してよい。
【0130】
第3押圧板192は、物品300の搬送方向において複数の部分に分割されていてもよい。第3押圧板192の各々の部分は、独立して高さ方向に移動可能であってもよい。この場合、搬送方向における物品300の長さに応じて、可動させる第3押圧板192の部分を選択すればよい。これにより、包装装置100は、搬送方向における長さが異なる物品300を取り扱うことができるようになる。
【0131】
第4押圧板194は、物品300の搬送方向と高さ方向の両方に交差する横方向から物品300を押さえるよう構成されていてよい。第4押圧板194は、物品300を横方向から挟むことができるよう一対設けられていてよい。一対の第4押圧板194は、物品の搬送方向において第3押圧板192と実質的に同じ位置に設けられていてよい。
【0132】
一対の第4押圧板194は、一対の第2押圧板194どうしの間の間隔を変えられるよう横方向に移動可能に構成されていてよい(
図20も参照)。一対の第4押圧板194のうちの一方のみが、横方向に往復移動可能に構成されていてもよく、一対の第4押圧板194の両方が、横方向に往復移動可能に構成されていてもよい。
【0133】
第4押圧板194は、静止している物品300を横方向から挟む。これにより、フィルム210によって包まれている物品300の姿勢が安定化し、物品300の形が崩れたり、物品300が倒れたりすることを抑制することができる。第4押圧板194は、高さ方向に互いに積層された複数の圧縮可能な物品300を扱い際に好適に利用できる。
【0134】
次に、第2押圧ユニット190の動作の好ましい例について説明する。なお、後述するが、第2押圧ユニット190による物品300の押圧は、第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着前から溶着中に至るまで行われることが好ましい。
【0135】
まず、第4押圧板194が可動し、横方向から物品300を押さえる(
図20の(A)〜(B)参照)。次に、第3押圧板192が可動し、高さ方向から物品300を押さえる(
図20の(B)〜(C)参照)。このように、まず第4押圧板194が物品300を押さえ、それから第3押圧板192が物品300を押さえることが好ましい。
【0136】
第3押圧板192及び/又は第4押圧板194が物品を押圧し始める前、又は第3押圧板192及び/又は第4押圧板194が物品を押圧している間に、積載部196は、物品300の高さ方向の位置を調整するよう移動してもよい。
【0137】
第3押圧板192は、第4押圧板194が物品300を押さえた状態で物品300を押さえることが好ましい。この場合、第4押圧板194が物品300の姿勢を安定化させた状態で、第3押圧板192が物品300を下方に圧縮することになる。したがって、物品300の形がより安定する。特に、複数の物品300が高さ方向に互いに積層されている場合であっても、積層された物品300が第3押圧板192による高さ方向における押圧力によって崩れてしまうことを抑制することができる。
【0138】
また、
図20の(C)に示すように、第3押圧板192と第4押圧板194の両方で物品300を押すため、フィルム210によって構成された袋の内部の余分な空気が排出される。ここで、第3押圧板192と第4押圧板194は、第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着前に物品300を押圧するため、フィルム210によって構成された袋の内部の余分な空気は、物品の搬送方向の上流側へ抜けることになる。
【0139】
なお、第4押圧板194は、第3押圧板192よりも先に移動を開始してもよく、第3押圧板192よりも後に移動を開始してもよく、第3押圧板192と同時に移動を開始してもよい。好ましくは、一対の第4押圧板194どうしの間の間隔が極小になった状態で第4押圧板194が停止した後に、第3押圧板192は、移動を開始するか、又はさらに下方に向かって移動することが好ましい。
【0140】
好ましくは、積載部196は、第3押圧板192及び第4押圧板194による物品300の押圧とともに、積載部196の上面が前述した第2溶着ユニット160のところに位置するフィルムを支える支持面の高さよりも高くなるよう可動する。典型的には、積載部196は、第3押圧板192及び第4押圧板194が物品300を押圧する前に、高さ方向に移動することが好ましい。
【0141】
次に、
図21を参照して、第2押圧ユニット190、第2溶着ユニット160、切断ユニット170及び維持ユニット166の一連の動作について説明する。
図21は、第2押圧ユニット190、第2溶着ユニット160、切断ユニット170及び維持ユニット166の一連の動作を示す模式図である。
【0142】
まず、成形ユニット120を通ってフィルム210の内側に配置された物品300は、フィルム210とともに第2押圧ユニット190の積載部196の位置まで搬送される(
図21の(A)参照)。この際、積載部196上に位置するフィルム210は、未だ原反ロール200と繋がった状態になっている。
【0143】
次に、第2押圧ユニット190が、積載部196上の物品300を押圧する(
図21の(B)参照)。第2押圧ユニット190の動作については、前述したとおりである(
図20も参照)。具体的な一例では、まず積載部196が上昇し、それから第3押圧板192及び第4押圧板194が上述したように物品300を押圧する。
【0144】
ここで、第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160との間に位置する物品300の高さ位置は、上昇前の積載部196上に位置する物品300の高さ位置と実質的に同じである。したがって、積載部196の上昇により、積載部196上に位置する物品300の高さ位置は、第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160との間に位置する物品300の高さ位置よりも高くなる。
【0145】
物品300が圧縮により薄くなるものである場合、物品300の高さ方向における中心は、第3押圧板192による圧縮中に低くなる。これにより、積載部196で押圧中の物品300の厚みが、第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160との間に位置する物品300の厚みと異なってしまう。もし、積載部196が可動しない場合、物品300の下に配置されるフィルム210の部分は第2溶着ユニット160から積載部192の位置にわたって概ね平坦な形状になるが、物品300の上に配置されるフィルム210の部分は、物品300の高さの違いによって第2溶着ユニット160から積載部192の位置にわたって下方に傾斜した形状になってしまう。言い換えると、物品300が圧縮により薄くなるものである場合、フィルム210の形状が、高さ方向に関して非対称になってしまう。
【0146】
本実施形態では、物品300が圧縮により薄くなるものである場合であっても、積載部196の上昇により、積載部196上に位置する物品300の高さ方向における中心の位置と、第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160との間に位置する物品300の高さ方向における中心の位置との差が、小さくなる。これにより、後述する第2溶着ユニット160による溶着中、より好ましくは第2溶着ユニット160による溶着中と切断ユニット170による切断中に、フィルム210の形状を高さ方向に関して概ね対称にすることができる。
【0147】
積載部196の上面が、後述するように第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着中に、第2溶着ユニット160のところに位置するフィルム210を支える支持面の高さよりも高くなるように、積載部196は高さ位置を維持する。
【0148】
なお、物品300が圧縮可能なものでない場合や、物品があまり圧縮しないものである場合には、積載部196の高さ位置の調整は行わなくてもよい。
【0149】
次に、必要に応じて、維持ユニット166が、物品300の搬送方向における所望の位置で、フィルム210を挟む(
図21の(C)参照)。図示した態様では、維持ユニット166は、積載部196と第2溶着ユニット160との間で、高さ方向においてフィルム210を挟む。ここで、維持ユニット166がフィルム210を挟む高さ位置は、第2押圧ユニット190による圧縮中の積載部196と第3押圧板192との間の位置であってよく、圧縮中の物品300の高さ方向の中心に近いことが好ましい。
【0150】
前述したように、維持ユニット166は、第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160との間で、高さ方向においてフィルム210を挟んでもよい。この場合、維持ユニット166がフィルム210を挟む高さ位置は、前述したとおりである。
【0151】
維持ユニット166によるフィルム210の挟み込みは、好ましくは後述する第2溶着ユニット160による溶着中、より好ましくは第2溶着ユニット160による溶着中と切断ユニット170による切断中に、行われる。
【0152】
次に、第2溶着ユニット160がフィルム210を溶着し(
図21の(D)参照)、それから切断ユニット170がフィルム210を切断する(
図21の(E)参照)。
【0153】
第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着中、前述したように、積載部196は、物品300の高さ位置を上げた状態に維持している。これにより、第2溶着ユニット160の位置で、フィルム210の形状が高さ方向に関して概ね対称になる。この状態で第2溶着ユニット160はフィルム210を横方向に溶着する。これにより、圧縮により薄くなる物品300を包むフィルム210の形状を綺麗に整えることができる。
【0154】
また、維持ユニット166によりフィルム210の高さ位置を維持した状態で第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着を行えば、フィルム210の形状をより綺麗に整えることができる。
【0155】
また、
図21(E)に示すように、積載部196の高さ位置及び/又は維持ユニット166によるフィルム210の挟持は、切断ユニット170によるフィルム210の切断中まで維持されることが好ましい。
【0156】
本実施形態では、切断ユニット170は物品300の搬送方向に並んだ一対の加熱するバー162どうしの間に設けられており、フィルム210は横方向に沿った一対の溶着ライン同士の間で切断される。
【0157】
第2溶着ユニット160による溶着と切断ユニット170による切断が終了すると、維持ユニット166によるフィルム210の挟み込み、及び第2押圧ユニット190による物品300の押圧を解除すればよい。
【0158】
[押さえユニット]
次に、
図22及び
図23を参照し、押さえユニット168及びその動作について説明する。
図22は、一実施形態に係る押さえユニット168とその付近の構成を示す模式図である。
図23は、押さえユニット168の動作を示す模式図である。
【0159】
押さえユニット168は、必要に応じて設けられていればよい。押さえユニット168は、好ましくは、比較的厚い物品300を扱う場合に利用される。
【0160】
押さえユニット168は、第2溶着ユニット160よりも上流側、及び/又は第2溶着ユニット160と第2押圧ユニット190の間に設けられていてよい。ここで、押さえユニット168の、第2溶着ユニット160よりも上流側の位置は、第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160の間の位置であってよい。
【0161】
押さえユニット168は、物品300の搬送方向と物品の高さ方向の両方に交差する横方向に沿って延び、当該横方向に往復移動可能な棒状の部材であってよい。これにより、押さえユニット168は、物品300のまわりに配置されたフィルム210を横方向から内側に押すことが可能となっている。
【0162】
図23に示すように、第2溶着ユニット160及び切断ユニット170によりフィルム210を高さ方向に挟持した場合、物品300が厚いと、フィルム210は、第2溶着ユニット160及び切断ユニット170の位置と物品300の位置との間で大きく歪むことになる。この際に、押さえユニット168が、フィルム210の歪みが生じやすい箇所を横方向に押すことによって、フィルム210が内側に綺麗に畳まれることになる。この状態で、第2溶着ユニット160による溶着と切断ユニット170によるフィルム210の切断が行われることで、物品を包むフィルム210の形状がより綺麗になる。
【0163】
このような観点から、押さえユニット168は、少なくとも第2溶着ユニット160によるフィルム210の溶着中に、好ましくは第2溶着ユニット160による溶着中と切断ユニット170による切断中に、第2溶着ユニット160による溶着部の上流側及び/又は下流側で、フィルム210を横方向に押すことが好ましい。
【0164】
第2溶着ユニット160による溶着と切断ユニット170による切断が終了すると、押さえユニット168によるフィルム210の押し込みを解除すればよい。
【0165】
[包装物品]
次に、上記の包装装置100によって製造された包装物品の一例について説明する。
図24は、製造された包装物品の模式的平面図である。
図25は、
図24の25A−25A線に沿った包装物品の模式的断面図である。
【0166】
包装物品は、例えば圧縮可能な物品300と、物品300を包む熱可塑性のフィルム210と、を有していてよい。物品300の例は、前述したとおりである。
【0167】
フィルム210の材料は、前述したとおりである。フィルム210の厚みは、特に限定されないが、例えば30μm未満、又は20μm未満であってもよい。
【0168】
本実施形態において、フィルム210は、溶着により袋状に密封されている。具体的には、フィルムは、包装袋の外側に向く表面と、包装袋の内側に向く裏面と、を有していてよい。フィルム210は、物品300を取り囲む筒状の形状であり、フィルム210の表面がフィルム210の裏面に向くように重なった重畳部220を有していてよい。重畳部220は、フィルム210によって構成された袋の一端から他端まで一方向に沿って延びていてよい。
【0169】
フィルム210は、重畳部220において一方向に沿って溶着された少なくとも1本、好ましくは複数本の溶着ライン230を有する。溶着ライン230は、重畳部220に沿ってフィルム210によって構成された袋の一端から他端まで一方向に沿って延びていてよい。
【0170】
フィルム210は、重畳部220に沿った上記一方向における両端部において、上記一方向に交差する横方向に溶着ライン240を有していてよい。溶着ライン230と溶着ライン240は、互いに交差していてよい。
【0171】
したがって、フィルム210は、重畳部220に沿った溶着ライン230と、両端部における一対の溶着ライン240とによって、袋状に形成されていてよい。
【0172】
本願の発明者は、上記実施形態により、比較的強度の低い、薄いフィルム210で圧縮可能な物品300を包むことができることを見出した。そのような物品300は、例えば、被服、タオル、及び布団、枕もしくはシーツのようなものであってよい。このような物品300は、しばしば使用後にクリーニングされることがある。物品300は、クリーニング後に、清潔を維持するためカバーを被せられることがある。このようなカバーは、一時的に物品300を覆っていれば十分であるため、通常は密封されることなく、口の空いた薄いフィルム210が利用される。
【0173】
しかしながら、本願の発明者は、ウィルスや雑菌の付着を防止するという近年のニーズに基づき、前述した物品300を比較的強度の低い、薄いフィルム210で密封するという課題を見出し、上記実施形態に係る包装装置100及び包装物品を見出した。ただし、上記実施形態に係る包装装置100は、このような用途及び目的に制限されず、様々な物品に適用可能であることに留意されたい。
【0174】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0175】
例えば、物品300は、圧縮力によりほとんど変形しないもの、すなわち比較的高い剛性を有するものであってもよい。この場合、包装装置100は、第1押圧ユニット140、第2押圧ユニット190、及び/又は昇降機構198を有していなくてもよい。
【0176】
成形ユニット120は、前述した形状のものに限定されず、物品がフィルムの内側に位置するよう物品のまわりにフィルムを配置させることができれば、どのようなものであってもよい。
【0177】
また、上記実施形態では、原反ロール200に巻かれたフィルム210は2つ折りされているが、フィルム210は2つ折りされていなくてもよい。また、上記実施形態では、1枚のフィルムによって物品300を包んでいるが、2枚のフィルムによって物品300を包んでもよい。この場合、2枚のフィルムで物品を挟み、2枚のフィルムの両側を溶着することによってフィルムを筒状に成形できる。なお、2枚のフィルムを物品300のまわりに配置させるために用いられるユニットも、「成形ユニット」の範疇に含まれることに留意されたい。
【解決手段】包装装置100は、物品300を搬送する搬送ユニット132と、物品のまわりでフィルムを筒状に成形する成形ユニット120と、筒状に成形されたフィルム210を、フィルムの搬送方向に沿って溶着する第1溶着ユニット150と、筒状に成形されたフィルム210を、搬送方向に交差する方向に沿って溶着する第2溶着ユニット160と、筒状に成形されたフィルム210に包まれた物品300を押圧する第2押圧ユニット190と、を有する。第1溶着ユニット150と第2溶着ユニット160のうちの少なくとも一方は、第2押圧ユニット190により物品を押圧した状態で行われるよう構成されている。