【実施例1】
【0009】
図1に示す本実施例の吊下げ用バッグ1は、袋部2が、本実施例の場合、表裏のフィルム20A、20Bをシール部Hによって枠状に囲み袋部2としたもので、該袋部2の一端側の略中央に注ぎ口3を形成しており、注ぎ口3側を下方、対向する側を上方として説明する。
【0010】
本実施例の吊下げ用バッグ1のフィルム構成は、
図3に示すように、バッグ1を構成する表裏の各フィルム20A、20Bが、バッグ1の接液側フィルムをポリエチレンフィルム22とし、バッグの外側フィルム23を延伸フィルムとし、該延伸フィルムの一例として、前記ポリエチレンフィルム22と接する側に延伸ポリエチレンフィルム24を配し、外側に延伸ナイロンフィルム26を配して接着剤25で一体に接着した構成からなっている。
【0011】
上記構成からなるので前記外側フィルム23によって延伸方向への強度を高めると共に、ポリエチレンフィルム22によって易引裂性の欠点を解消するので、全体としてバッグ1の強度を高めている。
【0012】
なお、上記フィルムの厚みの一例を示すと、外側フィルム23は約75μmのラミネートフィルムであって、本実施例では、前記延伸ナイロンフィルム26が約15μm、延伸ポリエチレンフィルム24が約60μmであり、中間に接着剤25を介して一体に形成されている。
上記外側フィルム23は、任意のバリア基材をラミネートするものでもよい。
また、接液側フィルムのポリエチレンフィルム22は90μmの厚みからなっている。
上記フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、液体の種類や用途、使用条件などによって適宜数値で用いることができる。
【0013】
そして、各表裏のフィルム20A、20Bの外側フィルム23と接液側フィルム22間は接着されずに独立しており隙間S1が生じる。
各表裏のフィルム20A、20B間(接液側フィルム間22,22)には液体類の収納用の空間S2が形成され、袋部の輪郭部分は、シール部Hにより表裏のすべてのフィルム20A、20Bが一体に熱溶着される構成となっている。
【0014】
前記バッグ1の袋部2を形成するシール部Hは、本実施例の場合、
図1に示すように、無端で略ホームベース形状につながっている。
即ち、シール部Hは、前記フィルムの左右の側縁に沿って内側に左右一対の側辺部4,5と、左右の側辺部4,5の少なくとも下方から注ぎ口3に向かってテーパ状に延び、注ぎ口3の下側を囲む底辺部6と、前記左右一対の側辺部4,5の上端間を略水平につなぐ上辺部7とからなっている。
【0015】
バッグ1は、前記シール部Hの上辺部7より上部が、前記底辺部6のテーパ状に対応する切欠部10を有して上方に延びる左右一対の把持片11、12を有している。
図示例では、上記把持片11、12は、対称に配置されフィルムの側端に沿って延びた略直角三角形状のフィルム片からなっている。
【0016】
上記各把持片部11,12には、上方隅部に掛止孔13、14が形成されている。
該掛止孔13、14は、フックなどの掛止手段Fに掛け止められてバッグ1を注ぎ口3が下になるように吊り下げた状態で保持する。
【0017】
ここで、一対のフック(掛止手段)Fは、展開した袋部2の掛止孔13、14の間隔に合わせて離間させれば、
図1のようにバッグ1を掛止めることができるが、一対のフックFの間隔を接近させて配置することで、
図4(a)に示すようにバッグ1の上側を絞った状態で掛け止め、吊り下げることができ、収納された液体の排出圧力を高めることができる。
そこで、
図4(b)に示すように1つのフックFに2つの掛止孔13、14を合わせて掛け止めてもよい。
【0018】
図5で明瞭なように、上記掛止孔13,14の孔縁部は、前記把持片11,12の表裏のフィルムを所望の孔形状に一体にシールして通常のシール部よりシール幅を広くした把持片シール部H2のシール幅の中途位置に切取り線Lを設定し、該切取り線Lに沿って孔形状に穿設して掛止孔13、14が形成される。
これにより掛止孔13,14の孔縁部13a、14aは、一定のシール幅を有する縁部となり、且つ剪断面が一体に熱溶着されたシール面からなっているので、掛止孔13、14に荷重がかかっても変形したり損傷することがない。
【0019】
また、把持片部11、12の掛止孔13、14を除いた個所には、把持片部11、12とほぼ相似形状の略直角三角形の枠形状からなる補強シール部H3が設けられる。
これにより、把持片部11,12の強度も高まるので、バッグ1を注ぎ口3を真下にし、上部の掛止孔13、14を掛止手段Fに掛け止める際に、把持片部11,12を持ってバッグ1をバランスよく持ち上げることができる(
図2参照)。
【0020】
本実施例のバッグ1は上記形状からなっているので、ロール状の長尺の表裏のフィルム20A、20Bを繰り出して、前記底辺部6に沿った横倒く字状の切断線Cに沿って切断し切り離すことで、下端の底辺部6の形状と上端の切欠部10の形状が一致するので、フィルム20A、20Bに無駄な部分を生じさせることなく切断して使用することができる(
図6参照)。
【0021】
また上記フィルムは、少なくともフィルム20A、20Bのどちらか一方に透明または半透明のフィルムを用いることで、袋部2内に残留している液体の量を外側から目視確認することができ便利である。
上記実施例では底辺部は略く字状としたが、左右の傾斜角度は同一でなくてもよい。
【0022】
また、底辺部は、注口部を超えた下方部分はテーパ状でなくてもよく、略水平につながっている形状でもよい。
更に、袋部に収納する液体類は、シャンプー、リンスなどの洗剤類、液体の食品や調味料類など、注ぎ口から流下する流動性を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、要するに、この発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更することができる。